説明

案内情報提示装置

【課題】広義指示語により決まるタイミングで道案内を行い、また、その表現も、そのタイミングを与えた系列の広義指示語を用いて行うことができるようにする。
【解決手段】自己位置検出器8により検出された自己位置を監視して、ルート設定器10により設定されたルート上の案内地点に至るまでの距離を計測し、その案内地点に至るまでの距離が、広義指示語指定器が出力する広義指示語を広義距離換算器が換算した広義距離と一致すると、案内情報の提示指令を出力する提示タイミング検出器11と、提示タイミング検出器11から提示指令が出力されると、前記広義指示語指定器から出力された前記広義指示語を用いて案内情報を生成する案内情報生成器12とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ルート上の案内地点に近づくと、その案内地点に関する案内情報を提示する案内情報提示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図7は従来の案内情報提示装置を示す構成図である。
従来の案内情報提示装置において、提示タイミングは、固定された数値距離、例えば、200mと20mによって恣意的に決められていた。つまり、右折すべき交差点の200mと20m手前に来ると、案内情報生成器が起動されていた。しかも、この案内情報生成器が生成する案内情報も、「二十メートル先を右です」などのように、具体的な数値により表現されていた。
さらに、従来の案内情報提示装置では、提示タイミングを与えるべき対象であり、案内情報にも用いられる対象は、右左折すべき交差点等の固定的なものであった。
しかも、従来の案内情報提示装置では、案内の目的も、これから辿るべきルートの案内等に限られていた。
【0003】
なお、以下の特許文献1に開示されている案内情報提示装置は、タイミングを決めることには関係がなく、また、ユーザの方から要求に対して案内を行うものであるが、その案内の表現が数値的ではなく、感覚的なものである。
【0004】
【特許文献1】特開平8−35847号公報(段落番号[0095]、図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の案内情報提示装置は以上のように構成されているので、音声等による道案内は、恣意的に決められた固定的なタイミングで行われていた。例えば、右左折すべき交差点の200m手前と20m手前で、その右左折の案内をする、という具合である。そして、その案内の言葉も、「二十メートル先を右です」などのように、具体的な数値により表現されている。
しかし、案内者である人が、運転者である人に対して道案内を行う様子を観察すると、数値的な表現が用いられることは極めて少ない。それは、案内者側からは、自分自身、数値的距離が見積もる理由が無いし、見積もれたとしても、それを伝えた人が同じ距離を想起するとは限らない、という理由による。また、運転者側からは、曲がろうとして、一番注意しなければならないときに、何メートルというような頭を使わなければならないことを言われると困る、という理由による。
さらに、案内者である人が、運転者である人に対して道案内を行う様子を観察すると、極めて規則性のあるタイミングで、道案内を行っていることが見出せる。しかも、そのタイミングは、道案内自体のうまかった人と下手だった人とによらず、一定している。
その道案内に表れた言葉を解析し、多用される用語を分析すると、広義指示語がその上位に位置しており、しかも、上記タイミングは、この指示語により特定されることが分かる。
ここで、広義指示語とは、コ系列、ソ系列、ア系列、あるいはそれらに類する系列の用語である。このコ系列とは、これ、ここ(の)、こちら(の)、このなどの用語であり、ソ系列、ア系列も同様である。案内者はこの広義指示語を用いて、例えば、「この交差点を右折してください」というような表現を多用して道案内を行っている。つまり、前述のような数値的表現は行わず、この広義指示語により道案内を行っているのである。
さらに、この広義指示語が案内者から発せられるタイミングは、それぞれの系列で、固有のものであることが見出せる。人から人への道案内が円滑に進む理由は、自然のうちに体得されたこのタイミングによって、道案内の言葉が発せられているからであると考えられる。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、恣意的に決められた固定的なタイミングではなく、人が人に道案内をするときの広義指示語により決まるタイミングで道案内を行い、また、その表現も、そのタイミングを与えた系列の広義指示語を用いて行うことができる案内情報提示装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る案内情報提示装置は、自己位置検出器により検出された自己位置を監視して、ルート設定器により設定されたルート上の案内地点に至るまでの広義距離を計測し、その案内地点に至るまでの距離が、広義指示語指定器が出力する広義指示語を広義距離換算器が換算した広義距離と一致すると、案内情報の提示指令を出力する提示タイミング検出器と、提示タイミング検出器から提示指令が出力されると、前記広義指示語指定器から出力された前記広義指示語を用いて案内情報を生成する案内情報生成器とを設け、案内情報提示器が案内情報生成器により生成された案内情報を提示するようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、自己位置検出器により検出された自己位置を監視して、ルート設定器により設定されたルート上の案内地点に至るまでの広義距離を計測し、その案内地点に至るまでの距離が、広義指示語指定器が出力する広義指示語を広義距離換算器が換算した広義距離と一致すると、案内情報の提示指令を出力する提示タイミング検出器と、提示タイミング検出器から提示指令が出力されると、前記広義指示語指定器から出力された前記広義指示語を用いて案内情報を生成する案内情報生成器とを設け、案内情報提示器が案内情報生成器により生成された案内情報を提示するように構成したので、恣意的に決められた固定的なタイミングではなく、人が人に道案内をするときの広義指示語により決まるタイミングで道案内を行い、また、その表現も、そのタイミングを与えた系列の広義指示語を用いて行うことができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による案内情報提示装置を示す構成図である。
図1において、広義指示語指定器1は道案内において、案内対象に自車がどれだけ近づいたらその案内を始めるかというタイミングを決定するための広義指示語を指定する。
ここで、広義指示語とは、コ系列、ソ系列、ア系列、あるいはそれらに類する系列の用語である。このコ系列とは、これ、ここ(の)、こちら(の)、このなどの用語であり、ソ系列、ア系列、およびその他の広義指示語も同様である。
【0010】
道路情報記憶器2は道路情報を記憶している。
交通情報受信器3は交通情報を受信する。
広義距離換算器4は広義指示語指定器1から出力された広義指示語を広義距離に換算する。
案内対象指定器5は案内対象(例えば、「右左折すべき交差点」、「ランドマークや名所等」、「行政境界」)を出力する。
案内目的指定器6は案内目的(例えば、「進むべきルート」、「説明」、「地名」)を出力する。
【0011】
地図情報記憶器7は地図情報を記憶している。
自己位置検出器8は自己位置を検出する。
スピード検出器9は自己のスピードを検出する。
ルート設定器10はルートを設定する。
【0012】
提示タイミング検出器11は道路情報記憶器2に記憶されている道路情報を参照して、ルート設定器10により設定されたルート上の案内地点に至るまでの広義距離を計測し、その案内地点に至るまでの距離が広義距離換算器4により換算された広義距離と一致すると、案内情報の提示指令を案内情報提示器12に出力する。
案内情報生成器12は提示タイミング検出器11から提示指令が出力されると、広義指示語指定器1から出力された広義指示語を用いて案内情報を生成する。
案内情報提示器13は案内情報生成器12により生成された案内情報を提示する。
到達距離換算器14は広義指示語が意味する到達距離を広義距離として出力する。
音声発生器15は言語を用いた音声の案内情報を提示する。
【0013】
次に動作について説明する。
広義指示語指定器1は、道案内において、案内対象に自車がどれだけ近づいたら、その案内を始めるかというタイミングを決定するための広義指示語を指定する。
以下の説明では、一例として、ア系列が指定されたものとして説明を進める。つまり、広義指示語指定器1は、「ア系列」という指定を出力する。
【0014】
広義距離換算器4は、この広義指示語指定器1が出力した「ア系列」という指定を入力する。
案内者である人が、運転者である人に対して道案内を行う様子を観察すると、極めて規則性のあるタイミングで、道案内を行っていることが見出せる。しかも、そのタイミングは、道案内自体のうまかった人と下手だった人とによらず、一定している。
その道案内に表れた言葉を解析し、多用される用語を分析すると、広義指示語がその上位に位置しており、しかも、上記タイミングは、この指示語により特定されることが分かる。
つまり、コ系列には、コ系列固有のタイミングがあり、ソ系列、ア系列、およびその他の広義指示語にも、それぞれ特有のタイミングがある。
【0015】
この実施の形態1では、この広義距離換算器4が、到達距離を出力する到達距離換算器14により構成されている。この場合、上記固有のタイミングは、それぞれの広義指示語に対応する到達距離として与えられる。
一般的には、この広義距離換算器4の出力は、広義距離であり、この到達距離は、そのひとつである。別の広義距離については、後述する実施の形態4で説明する。
【0016】
図2は案内者が運転者に道案内をするときに、到達距離に対して、ア系列の言葉がどのタイミングで使われたかを、集計したときの分布を模式的に描いたものである。このように、到達距離を対数にとると、ア系列の言葉が使われる到達距離は、狭い範囲に限定されることが分かる。
案内者は、この到達距離になると、「あの交差点を・・・」という説明を、運転者に発するのである。つまり、案内において、この到達距離は特別な意味を持つタイミングであり、説明者も運転者も無意識のうちに、このタイミングで情報の授受を行っているのである。説明者が、人ではなく、装置の場合でも、このタイミングで案内を行えば、運転者は自然に案内を聞く準備が出来ているので、有効である。
到達距離換算器14は、例えば、この分布のピーク値を、ア系列が意味する到達距離として出力する。
【0017】
地図情報記憶器7は、記憶している地図情報を提示タイミング検出器11及び案内情報生成器12に出力する。
自己位置検出器8は、自己位置を検出して、自己位置を提示タイミング検出器11に出力する。
ルート設定器10は、ルートを設定して、そのルートを提示タイミング検出器11及び案内情報生成器12に出力する。
【0018】
提示タイミング検出器11は、到達距離換算器14により構成された広義距離換算器4が出力するア系列が意味する到達距離と、地図情報記憶器7が出力する地図情報と、自己位置検出器8が出力する自己位置と、ルート設定器10が出力するルートをそれぞれ入力する。
そして、その地図情報上のルートにおいて、例えば、次に右折すべき交差点が、その自己位置から、ア系列が意味する到達距離に迫ったときを、案内すべきタイミングとして案内情報の提示指令を出力する。
【0019】
案内情報生成器12は、広義指示語指定器1が出力するア系列という指定と、地図情報記憶器7が出力する地図情報と、ルート設定器10が出力するルートと、提示タイミング検出器11が出力する案内情報の提示指令をそれぞれ入力する。
案内情報生成器12は、提示タイミング検出器11から案内情報の提示指令を受けたタイミングで案内情報を生成して、その案内情報を案内情報提示器13に出力する。
この案内情報は、指定されたア系列を用いて、地図上のルートを案内する情報であり、例えば、「あの交差点を右折してください。」という情報である。
【0020】
案内情報提示器13は、この案内情報を入力し、所定のメディアで、直ちに提示する。
この実施の形態1では、この案内情報提示器13が、言語を用いた音声により情報を提示する音声発生器15により構成されている。
この場合、「あの交差点を右折してください。」という案内情報は、人の説明者が行うように、そのまま音声で、運転者に提示される。
【0021】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、自己位置検出器8により検出された自己位置を監視して、ルート設定器10により設定されたルート上の案内地点に至るまでの広義距離を計測し、その案内地点に至るまでの広義距離が、広義指示語指定器が出力する広義指示語を広義距離換算器が換算した広義距離と一致すると、案内情報の提示指令を出力する提示タイミング検出器11と、提示タイミング検出器11から提示指令が出力されると、前記広義指示語指定器から出力された前記広義指示語を用いて案内情報を生成する案内情報生成器12とを設け、案内情報提示器13が案内情報生成器12により生成された案内情報を提示するように構成したので、恣意的に決められた固定的なタイミングではなく、人が人に道案内をするときの広義指示語により決まるタイミングで道案内を行い、また、その表現も、そのタイミングを与えた系列の広義指示語を用いて行うことができる効果を奏する。
【0022】
実施の形態2.
この実施の形態2では、広義距離換算器4が道路情報記憶器2により記憶された道路情報を考慮して、広義指示語指定器1から出力された広義指示語を広義距離に換算する例を説明する。
即ち、広義距離換算器4は、道路の性質に合わせて、広義指示語が意味する広義距離の微調整を行うようにする。
例えば、大量の車両の長距離移動を前提とした幹線道路の場合と、住人の生活空間である住宅街の道の場合とで、ア系列が意味する到達距離が微妙に変わる場合がある。
この場合、道路情報記憶器2に幹線道路、生活道路などの道路の種類を記憶しておき、現在の道路の種類を出力するようにする。
【0023】
広義距離換算器4は、道路情報記憶器2から出力される現在の道路の種類を入力し、現在の道路の種類が例えば幹線道路であれば、図3に示すように、ア系列に対応する到達距離を、やや長めに調整する処理を行う。
また、現在の道路の種類が例えば生活道路であれば、図3に示すように、ア系列に対応する到達距離を、やや短めに調整する処理を行う。
【0024】
実施の形態3.
この実施の形態3では、広義距離換算器4が交通情報受信器3により受信された交通情報を考慮して、広義指示語指定器1から出力された広義指示語を広義距離に換算する例を説明する。
即ち、広義距離換算器4は、現在の交通の性質に合わせて、広義指示語が意味する広義距離の微調整を行うようにする。
例えば、道路が空いている場合と、渋滞気味の場合とで、ア系列が意味する到達距離が微妙に変わる場合がある。
この場合、交通情報受信器3が現在の交通情報を受信するようにしておき、現在の混雑の度合いを出力するようにする。
【0025】
広義距離換算器4は、交通情報受信器3から出力される現在の混雑の度合いを入力し、例えば、現在の混雑度が低い場合、図4に示すように、ア系列に対応する到達距離を、やや長めに調整する処理を行う。
また、現在の混雑度が高い場合、図4に示すように、ア系列に対応する到達距離を、やや短めに調整する処理を行う。
【0026】
実施の形態4.
図5はこの発明の実施の形態4による案内情報提示装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
到達時間換算器16は広義指示語が意味する予測到達時間を広義距離として出力する。
非音声言語発生器17は非言語音の案内情報を提示する。
視覚情報発生器18は視覚の案内情報を提示する。
【0027】
次に動作について説明する。
この実施の形態4では、図5に示すように、広義距離換算器4が、予測到達時間を出力する到達時間換算器16により構成されている。この場合、広義距離換算器4が出力する広義距離は、予測到達時間となる。
具体的な予測到達時間の定義には、いくつかのものが考えられるが、その中で、実用性の高いものは、仮に現在のスピードのまま対象の交差点に到達するとしたら、その時間はどれだけかかるか、というものである。以下、この予測到達時間を外挿時間と称する。
【0028】
広義距離換算器4は、広義指示語指定器1が出力した広義指示語、例えば「ア系列」という指定を入力する。
図6は案内者が運転者に道案内をするときに、外挿時間に対して、ア系列の言葉がどのタイミングで使われたかを、図2と同様に集計したときの分布を模式的に描いたものである。
このように、外挿時間を対数にとると、ア系列の言葉が使われている外挿時間は、狭い範囲に限定されていることが分かる。したがって、前述の到達距離と同様の理由により、この外挿時間を運転者への道案内のタイミングに用いれば有効である。
【0029】
到達時間換算器16は、例えば、この分布のピーク値を、ア系列が意味する外挿時間として出力する。
提示タイミング検出器11は、到達時間換算器16により構成された広義距離換算器4が出力するア系列が意味する外挿時間と、地図情報記憶器7が出力する地図情報と、自己位置検出器8が出力する自己位置と、ルート設定器10が出力するルートと、スピード検出器9が出力するスピードをそれぞれ入力する。
提示タイミング検出器11は、地図情報上のルートにおいて、次に、例えば右折すべき交差点までの時々刻々の距離を、そのときのスピードで除した値をリアルタイムで計算し、その値が、ア系列が意味する外挿時間と一致したときを、説明すべきタイミングとして案内情報の提示指令を案内情報生成器12に出力する。
案内情報生成器12の処理内容については、上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0030】
実施の形態5.
この実施の形態5では、案内情報生成器12が案内目的指定器5から出力される案内目的に合致する案内情報を生成するようにしている。
上記実施の形態1〜4では、案内情報生成器12が、右左折すべき交差点において、進むべきルートを説明する案内情報を生成するものについて説明したが、次のような案内情報を生成するようにしてもよい。
【0031】
上記実施の形態1〜4は、この実施の形態5において、例えば、「ア系列」を指定し、案内対象指定器5で、「右左折すべき交差点」を指定し、案内目的指定器6で、「進むべきルート」を指定していることに相当する。
しかし、実際の場面において道案内を求めるのは、それだけの場合とは限らない。
例えば、ア系列のタイミングで、ランドマークや名所等を、簡単に説明してもらいながら走行したい場合もある。
これを、この発明による案内情報提示装置で実現するには、広義指示語指定器1で、「ア系列」を指定し、案内対象指定器5で、「ランドマークや名所等」を指定し、案内目的指定器6で、「説明」を指定する。
【0032】
このとき、提示タイミング検出器11は、案内対象指定器5が指定する「ランドマークや名所」が、広義指示語指定器1が出力する「ア系列」の広義距離に迫ったタイミングを検出して、案内情報の提示指令を出力する。
案内情報生成器12は、提示タイミング検出器11から出力された案内情報の提示指令を入力し、さらに、「ア系列」、「ランドマークや名所」、「説明」の指定をそれぞれ入力する。
【0033】
これにより、案内情報生成器12は、例えば、日本橋が「ランドマークや名所」であれば、自車位置から日本橋までの距離が、ア系列の広義距離と一致するタイミングになると、「あの橋は、1604年に、徳川家康により五街道の基点と定められた日本橋です。」というような案内情報を生成して、その案内情報を案内情報提示器13に出力する。
あるいは、コ系列のタイミングで、行政境界を越える度に、現在走行している地域を知らせて欲しい場合には、広義指示語指定器1で、「コ系列」を指定し、案内対象指定器5で、「行政境界」を指定し、案内目的指定器6で、「地名」を指定すれば、コ系列のタイミングで、「この川を渡れば、茨城県です。」というような道案内を得ることができる。
【0034】
このように、広義指示語指定器1、案内対象指定器5及び案内目的指定器6により、説明タイミングを決める広義指示語、案内対象及び案内目的をそれぞれ指定することにより、様々な状況に応ずる道案内を実現することが可能となる。
【0035】
実施の形態6.
この実施の形態6では、図5に示すように、非言語音の案内情報を提示する非言語音発生器17により案内情報提示器13を構成するようにしている。
この案内情報提示装置によれば、例えば、右左折すべき交差点での右左折を、広義指示語のタイミングで、右折、左折に応じた誘導音により、運転者に知らせることができる。
具体的には、例えば、右折の場合には、右方からの誘導音、左折の場合には、左方からの誘導音を発するようにすればよい。
この案内情報提示装置によれば、おおよそは言われなくとも辿れるルートの場合や、いちいち他人に言われることが気になる運転者の場合には、非言語による控えめな表現で、運転者に提示することができる。
【0036】
実施の形態7.
この実施の形態7では、図5に示すように、視覚の案内情報を提示する視覚情報発生器18により案内情報提示器13を構成するようにしている。
この案内情報提示装置によれば、例えば、右左折すべき交差点での右左折を、画面上の記号等の表記により、運転者に知らせることができる。
具体的には、例えば、右折の場合には、右向きの矢印、左折の場合には、左向きの矢印を表示するようにすればよい。
この案内情報提示装置によれば、おおよそは言われなくとも辿れるルートの場合や、いちいち他人に言われることが気になる運転者の場合には、必要に応じて運転者自身が情報を獲得できる表現で、運転者に提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】この発明の実施の形態1による案内情報提示装置を示す構成図である。
【図2】案内者が運転者に道案内をするときに、ア系列の言葉を用いた道案内が、どのタイミングで行われたかを集計して、その分布を模式的に描いている説明図である。
【図3】現在の道路の種類によって、ア系列に対応する到達距離の調整を説明する説明図である。
【図4】現在の混雑度によって、ア系列に対応する到達距離の調整を説明する説明図である。
【図5】この発明の実施の形態4による案内情報提示装置を示す構成図である。
【図6】案内者が運転者に道案内をするときに、ア系列の言葉を用いた道案内が、どのタイミングで行われたかを集計して、その分布を模式的に描いている説明図である。
【図7】従来の案内情報提示装置を示す構成図である。
【符号の説明】
【0038】
1 広義指示語指定器、2 道路情報記憶器、3 交通情報受信器、4 広義距離換算器、5 案内対象指定器、6 案内目的指定器、7 地図情報記憶器、8 自己位置検出器、9 スピード検出器、10 ルート設定器、11 提示タイミング検出器、12 案内情報生成器、13 案内情報提示器、14 到達距離換算器、15 音声発生器、16 到達時間換算器、17 非音声言語発生器、18 視覚情報発生器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
広義指示語を出力する広義指示語指定器と、上記広義指示語指定器から出力された広義指示語を広義距離に換算する広義距離換算器と、自己位置を検出する自己位置検出器と、ルートを設定するルート設定器と、上記自己位置検出器により検出された自己位置を監視して、上記ルート設定器により設定されたルート上の案内地点に至るまでの広義距離を計測し、上記案内地点に至るまでの広義距離が上記広義距離換算器により換算された広義距離と一致すると、案内情報の提示指令を出力する提示タイミング検出器と、上記提示タイミング検出器から提示指令が出力されると、上記広義指示語指定器から出力された広義指示語を用いて案内情報を生成する案内情報生成器と、上記案内情報生成器により生成された案内情報を提示する案内情報提示器とを備えた案内情報提示装置。
【請求項2】
道路情報を記憶する道路情報記憶器を設け、広義距離換算器が上記道路情報記憶器により記憶された道路情報を考慮して、広義指示語指定器から出力された広義指示語を広義距離に換算することを特徴とする請求項1記載の案内情報提示装置。
【請求項3】
交通情報を受信する交通情報受信器を設け、広義距離換算器が上記交通情報受信器により受信された交通情報を考慮して、広義指示語指定器から出力された広義指示語を広義距離に換算することを特徴とする請求項1記載の案内情報提示装置。
【請求項4】
広義距離換算器は、到達距離を出力する到達距離換算器により構成されていることを特徴とする請求項1記載の案内情報提示装置。
【請求項5】
広義距離換算器が予測到達時間を出力する到達時間換算器により構成されており、自己のスピードを検出して、上記スピードを提示タイミング検出器に出力するスピード検出器を設けたことを特徴とする請求項1記載の案内情報提示装置。
【請求項6】
案内対象を提示タイミング検出器及び案内情報生成器に出力する案内対象指定器を設けたことを特徴とする請求項1記載の案内情報提示装置。
【請求項7】
案内の目的を案内情報生成器に出力する案内目的指定器を設けたことを特徴とする請求項1記載の案内情報提示装置。
【請求項8】
案内情報提示器は、言語を用いた音声の案内情報を提示する音声発生器により構成されていることを特徴とする請求項1記載の案内情報提示装置。
【請求項9】
案内情報提示器は、非言語音の案内情報を提示する非言語音発生器により構成されていることを特徴とする請求項1記載の案内情報提示装置。
【請求項10】
案内情報提示器は、視覚の案内情報を提示する視覚情報発生器により構成されていることを特徴とする請求項1記載の案内情報提示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−14619(P2009−14619A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−178787(P2007−178787)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】