説明

案内装置

【課題】 利用者を施設内の特定位置に案内すること。
【解決手段】 案内装置1は、案内領域2内に配設した複数の表示部材4を選択的に駆動する表示部3と、始点位置を特定する始点位置情報と、目的位置を特定する目的位置情報と、始点位置から目的位置までの経路を特定する経路情報とを記憶するデータベース5と、始点位置情報及び目的位置情報を指標としてデータベースから経路情報を読み出す検索部6と、検索部6で読み出した経路情報に基づいて表示部3を制御し、表示部材4を選択的に駆動する表示制御部7とを備える。表示制御部7は、検索部6で読み出した経路情報に基づいて表示部材4を選択的に駆動し、案内領域内において始点位置から目的位置までの経路を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者を所定領域内の目的とする位置に案内する案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
会場や劇場等の施設等において、部屋や座席が指定されている場合がある。このように場合には、施設内において特定位置を利用者に知らせるために、入場券やチケット等に指定座席や指定箇所を印刷しておく。利用者は、印刷された座席番号や部屋番号を頼りにして目的とする座席や部屋を探す。この目的位置を案内する手段として案内板が知られている。
【0003】
しかし、案内板上には通常多くに座席番号等が印刷されているため、利用者が各自の座席番号を案内板上で見つけることは必ずしも容易ではない。このような案内板が持つ難点を解消する一手段として、入場券に特定位置を示すバーコード等のマークパターンを設けておき、このマークパターンを読み取ってその位置をディスプレイ上に表示するものが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
上記の位置指示装置によれば、バーコード等を読み取るだけで、その座席がディスプレイ上に表示されるため利用者は各自の座席を知ることができるが、利用者は位置指示装置。からその座席までの経路をするとはできないという課題がある。
【0005】
そこで、目的地情報を記憶させた記憶手段を利用者に持たせ、施設内に複数配置した誘導端末によってこの記憶手段から目的地情報を読み取り、この誘導端末が有する表示部に表示させる利用者誘導システムが提案されている。また、この利用者誘導システムには、この表示部を床面に設ける構成も提案されている(特許文献2参照)。
【0006】
また、床面に表示部を設けた案内システムとして、乗車券に関連するプラットフォームに設けたランプ群の点灯を制御するものが提案されている(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平6−239081号公報
【特許文献2】特開2004−325301号
【特許文献3】特開2002−63612号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記した特許文献2の利用者誘導システムでは、表示部は施設内に散在して設けられており、表示部はその設置位置において目的とする座席に向かう方向のみを表すに過ぎない。そのため、利用者は、その表示部が設置された位置まで行かなければ、案内情報を得ることができず、また、その得られる案内情報も、その位置から次の表示部が設置された位置への方向しか分からない。そのため、利用者は、目的位置の近傍までは案内されるものの、最終の目的位置がどこであるかは表示部のみによっては知ることができず、各自が座席に表示されている座席番号等を照合しなければ確認することができないという問題がある。
【0008】
また、特許文献3に開示されたランプ群によれば、特許文献2のように経路の各位置における方向情報ではなく、プラットフォームに設けたランプ群が点灯するため、利用する列車のプラットフォームなどの概略位置については確認できるが、利用者が目的位置の近傍に居るのか否かについても、また、最終の目的位置がどこであるかについても知ることができない。利用者は、最終的には、乗車券に表示されている車両番号と座席番号を照合しなければ確認することができないという問題がある。
【0009】
したがって、従来の位置指示装置や利用者誘導システムでは、利用者は施設内の特定位置までの案内が不十分であるという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、前記した課題を解決して、利用者を施設内の特定位置に案内することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の案内装置は、案内領域内に配設した複数の表示部材を選択的に駆動する表示部と、始点位置を特定する始点位置情報と、目的位置を特定する目的位置情報と、始点位置から目的位置までの経路を特定する経路情報とを記憶するデータベースと、始点位置情報及び目的位置情報を指標としてデータベースから経路情報を読み出す検索部と、検索部で読み出した経路情報に基づいて表示部を制御し、表示部材を選択的に駆動する表示制御部とを備える。
【0012】
表示制御部は、検索部で読み出した経路情報に基づく表示部の制御によって表示部材を選択的に駆動し、案内領域内において始点位置から目的位置までの経路を表示する。
【0013】
本発明の案内装置は、案内領域において始点位置から目的位置までの経路を表示する。この経路表示は、単に点状の位置情報や、その点位置での方向情報ではなく、目的位置までの線状の情報を表示する他、特定位置を表示することができるため、最終的な目的位置に利用者を案内することができる。
【0014】
案内領域は、例えば劇場や会場等の座席が設置される施設や、駐車場等の駐車スペースが定められた施設や、各種の物品を所定の格納位置に格納する施設や、複数の室を有する事務施設や、複数の客室を有する宿泊施設等の領域とすることができ、本発明の案内装置は、この領域内において利用者を特定位置に案内する。
【0015】
本発明の案内装置は、案内領域内に、記録媒体から識別情報を読み取る読み取り部を複数備える。検索部は、この読み取り部から、読み取り部の案内領域内における位置を表す情報を始点位置情報として取得し、読み取り部が記録媒体から読み取った識別情報を目的位置情報として取得する。
【0016】
記憶媒体は、座席や駐車スペースを指定する発行券に搭載することができる。座席を指定する発行券としては、例えば入場券やチケットとすることができ、また、駐車スペース位置を指定する発行券としては、例えば駐車券とすることができる。また、一つの発行券で座席と駐車スペースの両方を指定することができる。なお、座席や駐車スペースは一例であって、案内領域内の位置や部分を特定するものであれば任意に設定することができる。
【0017】
記憶媒体に記憶する識別情報は、指定座席や指令駐車スペース位置を直接に特定するほか、アドレスを介して間接的に特定してもよい。
【0018】
記憶媒体に記憶するデータは、バーコード、二次元コード等のデータ形式として発行券の表面に印刷する他、デジタルデータをICタグ等の半導体記憶素子に格納してもよい。発行券の表面に印刷した場合には、撮像手段によってバーコードや二次元コードを画像データとして読み取り、画像処理によってデータを取得する。また、ICタグ等に格納した場合には、RF通信機能等によってデータ通信を行ってデータを取得する。
【0019】
案内領域の一態様は、複数の座席が配設された施設である。この態様では、始点位置は、案内領域における読み取り部の位置であり、目的位置は、前記複数の座席の中で指定した座席の位置である。読み取り部は、記録媒体から読み取った識別情報を検索部に送ると共に、読み取り部の案内領域内における位置を表す位置情報を送る。
【0020】
検索部は、読み取り部の案内領域内における位置情報を始点位置情報とし、識別情報又は識別情報と対応して設定された位置情報を目的位置情報とし、これら始点位置情報及び目的位置情報を指標としてデータベースから読み取り部の位置から指定座席までの経路を表す経路情報を読み出す。
【0021】
また、案内領域の他の態様は、複数の駐車スペースが配設された施設であり、始点位置は、前記案内領域に設定された読み取り部の位置であり、目的位置は、複数の駐車スペースの中で指定した駐車スペースの位置である。読み取り部は、記録媒体から読み取った識別情報を検索部に送ると共に、読み取り部の案内領域内のおける位置を表す位置情報を送る。
【0022】
検索部は、読み取り部の案内領域内における位置情報を始点位置情報とし、識別情報又は識別情報と対応して設定された位置情報を目的位置情報とし、これら始点位置情報及び目的位置情報を指標としてデータベースから読み取り部の位置から指定駐車スペースまでの経路を表す経路情報を読み出す。
【0023】
また、案内領域のさらに別の態様は、複数の座席及び複数の駐車スペースが配設された施設であり、目的位置は、複数の座席の中で指定した座席の位置を第1の目的位置とし、複数の駐車スペースの中で指定した駐車スペースの位置を第2の目的位置とし、始点位置は案内領域における読み取り部の位置である。
【0024】
読み取り部は、記録媒体から読み取った識別情報を検索部に送ると共に、読み取り部の案内領域内のおける位置を表す位置情報を送る。検索部は、読み取り部の案内領域内における位置情報を始点位置情報とし、識別情報又は識別情報と対応して設定された位置情報を目的位置情報とし、第1の始点位置情報及び第1の目的位置情報を指標としてデータベースから読み取り部の位置から指定座席までの経路を表す第1の経路情報を読み出し、第2の始点位置情報及び第2の目的位置情報を指標としてデータベースから読み取り部の位置から指定駐車スペースまでの経路を表す第2の経路情報を読み出す。
【0025】
表示制御部は、経路情報に基づく経路を複数の小経路に分割し、この小経路を始点位置から目的位置の順に従って時分割により順次点灯及び消灯する。この点灯及び消灯の制御は、目的位置情報に基づいて、目的位置に設置された表示部材を駆動することで行う。
【0026】
表示制御部は、所定距離を単位として経路を複数の小経路に分割する。また、表示制御部は、進行方向を単位として経路を複数の小経路に分割する。
【0027】
本発明の表示部材の一形態は、凹位置と凸位置とを選択自在とする複数の突出部を備える。表示制御部は、経路情報に基づいて突出部の凹凸位置を制御する。
【0028】
複数の突出部を備えた形態による表示部の一例は、案内領域内に設けた構造物に表示部を備え、表示制御部は、経路情報に基づいてこの突出部の凹凸位置を制御して点字を表示する。
【0029】
複数の突出部を備えた形態による表示部の他の例は、案内領域内の床面に設けた表示部材を備え、表示制御部は、経路情報に基づいて突出部の凹凸位置を制御して誘導表示を行う。
【0030】
本発明の表示部材の他の形態は振動部を備える。表示制御部は、経路情報に基づいてこの振動部を制御する。
【0031】
表示部は、振動部を案内領域内に設けた構造物に設ける他、案内領域内の床面に設ける構成とすることができる。
【0032】
表示制御部は、経路情報に基づいて振動部の振動を制御して誘導表示を行う。この振動制御は、経路上の位置に応じて振動の振幅や振動数を制御することで誘導表示を行う。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、利用者を施設内の特定位置に案内することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて詳細に説明する。
【0035】
図1は本発明の案内装置の第1の態様の概略構成を説明するための図である。
【0036】
第1の態様は、案内領域内において、一つの始点位置から一つの目的位置に至るまでの経路を検索して表示部に表示する態様である。
【0037】
案内装置1は、案内領域2内において利用者を目的位置に誘導し案内する。案内領域2には、利用者を案内するための表示部3が設けられる。この表示部3は、案内領域2に配置した複数の表示部材4によって構成される。表示部3は、これら複数の表示部材4の内から選択した表示部材を駆動することによって、利用者を案内領域2内の特定位置に案内する。
【0038】
図1中の案内領域2には、複数の表示部材4が格子点位置に配置された例を示している。表示部材4は、発光により位置を示して経路を表示する発光素子や、凹凸や振動等の機械的な動きによって経路を表示する機械的駆動機構等を用いることができる。
【0039】
図1では、始点位置2Aから目的位置2Bまでの経路2Cを表示する例を示している。経路2Cは、案内領域2内に設けられた表示部材4の中から経路2Cに沿って配置された表示部材4を選択して駆動することで表示される。図1中の格子模様が付された表示部材は選択的に駆動された表示部材を示し、これによって経路2C(破線で囲む経路)を表示する。
【0040】
始点位置2Aと目的位置2Bを結ぶ経路2Cは一つの経路に限らず複数の経路としてもよく、複数の経路から選択して表示する他、複数の経路を同時に表示してもよい。複数の経路を同時に表示する場合には、例えば、経路によって発光色や機械的動きを変えることで各経路を識別させることができる。
【0041】
表示制御部7は、始点位置2A及び目的位置2Bに応じて表示部3を制御し、経路2Cに応じた表示部材4を駆動する。表示制御部7は、経路情報に基づいて行う表示部3を制御する。
【0042】
経路情報は、始点位置と目的位置との間を結ぶ経路を特定する情報であり、データベース5に格納される。データベース5には、案内領域2内において始点位置から目的位置までの間を結ぶ複数の経路情報が、始点位置情報及び目的位置情報の組みを指標として読み出し可能に格納されている。なお、データベース5は、同一の始点位置情報及び目的位置情報の組み合わせに対して、複数の経路情報を格納してもよい。
【0043】
検索部6は、入力した始点位置情報と目的位置情報に基づいてデータベース5から対応する経路情報を検索し、検索した経路情報を表示制御部7に送る。
【0044】
図1に示した第1の態様では、案内領域内において、一つの始点位置2Aから一つの目的位置2Bに至るまでの経路2Cを検索して表示部3に表示する例であるが、始点位置と目的位置の組み合わせは複数設定する構成としてもよい。第2の態様は、この始点位置から目的位置に至る経路を複数表示する態様である。
【0045】
図2は、この始点位置と目的位置の組み合わせを複数設定する第2の態様の概略構成を説明するための図である。
【0046】
図2に示す第2の態様では、第1の始点位置から第1の目的位置に至る第1の経路と、第2の始点位置から第2の目的位置に至る第2の経路の例について示している。ここでは、第1の目的位置と第2の始点位置が一致する場合を示し、第1の経路によって第1の目的位置に案内した後、さらにその第1の目的位置を第2の始点位置として第2の経路によって第2の目的位置に案内する例を示している。
【0047】
ここでは、図1と相違する構成についてのみ説明し、共通する構成については説明を省略する。
【0048】
第2の態様では、始点位置2A1から目的位置2B1までの経路2C1と、始点位置2A2から目的位置2B2までの経路2C2を表示する。経路2C1及び経路2C2は、案内領域2内に設けられた表示部材4を選択して駆動することによって、経路2C1及び/又は経路2C2を表示する。図2中の格子模様が付された表示部材は選択的に駆動された表示部材を示しており、これによって経路2C1及び経路2C2(破線で囲む経路)を表示する。
【0049】
なお、始点位置と目的位置を結ぶ経路は、図1に示す第1の態様と同様に、一つの経路に限らず複数の経路としてもよく、複数の経路から選択して表示する他、複数の経路を同時に表示してもよい。複数の経路を同時に表示する場合には、例えば、経路によって発光色や機械的動きを変えることで各経路を識別させることができる。
【0050】
検索部6は、入力した第1の始点位置情報と第1の目的位置情報に基づいてデータベース5から対応する第1の経路情報を検索し、検索した第1の経路情報を表示制御部7に送る。表示制御部7は、検索部6から送られた経路情報に基づいて表示部3を制御し、第1の経路2C1、及び第2の経路2C2を表示する。
【0051】
データベース5には、案内領域2内において始点位置から目的位置までの間を結ぶ複数の経路情報が、始点位置情報及び目的位置情報の組みを指標として読み出し可能に格納されている。なお、データベース5は、同一の始点位置情報及び目的位置情報の組み合わせに対して、複数の経路情報を格納してもよい。
【0052】
この第2の態様において、第1の目的位置と第2の始点位置が一致している場合には、この共通する位置を中継点として、第1の始点位置から第2の目的位置までの経路を表示することができる。また、上記複数の経路は、同時に表示する他、順次表示するようにしてもよい。
【0053】
次に、上記した第1の態様の詳細な構成例について図3〜図10を用いて説明し、第2の態様の詳細な構成例について図13〜図17を用いて説明する。
【0054】
はじめに、第1の態様の詳細な構成例について説明する。図3は、第1の態様の構成例を説明するための構成図である。
【0055】
第1の態様は、前記したように、案内領域内において、一つの始点位置から一つの目的位置に至るまでの経路を検索して表示部に表示する態様である。
【0056】
図3において、本発明の案内装置1は、始点位置を特定する始点位置情報と、目的位置を特定する目的位置情報とに基づいて、始点位置と目的位置との間の経路を特定して表示部材3に表示する。そのため、案内装置1は、経路を特定するために始点位置情報と目的位置情報とを取得する構成を備える。
【0057】
第1の態様では、始点位置情報は、案内領域2内において発行券11を確認した位置の位置情報から取得し、目的位置情報は、発行券11に記憶した識別情報から取得する。
【0058】
ここで、図3に示す構成例では、案内領域2として映画館や劇場等の複数の座席が配置された施設を例としている。この案内領域2において、発行券11を確認する装置として、発行券11に記憶された識別情報を読み取る読み取り装置8(8a〜8c)を、例えば出入り口等の所定位置に設置する。この読み取り装置8が発行券11を読み取った場合には、その読み取り装置8が設置された位置を始点位置とする。なお、設置位置は出入り口に限らず、案内領域2に任意の位置に設定することができる。
【0059】
なお、読み取り装置8は、発行券11に記憶される識別情報のデータ形態に応じた構成とすることができる。例えば、発行券11にバーコードや二次元コードが印刷によって記録されている場合には、これらコードを光学的に読み取る光学読み取り装置とすることができ、また、発行券11にコードデータが磁気によって記憶されている場合には、これらコードを磁気的に読み取る磁気読み取り装置とすることができ、また、発行券11内に設けたICタグ等の電子的記録媒体にコードデータが記憶されている場合には、これら電子的記録媒体との間で近距離通信を行った記憶されるデータを読み取る読み取り装置とすることができる。
【0060】
案内領域2内に設置された複数の読み取り装置8の内の何れかの読み取り装置8が発行券11を読み取ると、読み取った読み取り装置8は、その読み取り装置8が設置された位置の位置情報を始点位置として検索部6に送ると共に、発行券11から読み取った識別情報を目的位置情報として同じく検索部6に送る。
【0061】
なお、読み取り装置8と検索部6との間は直接に接続する構成とする他、両者の間をデータ収集部9によって接続し、読み取り装置8で読み取った識別情報を一旦データ収集部9で収集した後に、検索部6に送る構成としてもよい。
【0062】
発行券によって目的位置である座席位置を指定する場合、この座席位置の指定は直接的に指定する他、間接的に指定してもよい。
【0063】
直接的に指定する場合には、発行券11に識別情報として座席を特定する座席位置情報を記憶し、また、間接的に指定する場合には、発行券11に識別情報として発行券の発行自体あるいは発行券自体を特定する情報を記憶すると共に、この特定情報に対して座席を特定する座席位置情報を対応付けておく。
【0064】
図3の構成は、この識別情報から目的情報を間接的に指定する例を示している。なお、識別情報から目的情報を直接的に指定する例は図9,図10を用いて後に説明する。
【0065】
図3において、発行部10は発行要求に基づいて発行券11を発行する。発行券11には、その券の発行を特定する識別情報が記録される。この識別情報は、発行自体を特定する情報や、発行券を特定する情報を特定する情報である。発行部10は、座席データベース5Aに格納される案内領域2内の座席情報(座席位置情報や空席情報)を参照して、発行券11を発行する。発行券11に記録される識別情報は座席位置情報と対応付けが成され、識別情報から座席位置情報を読み出すことができる。
【0066】
識別情報と座席位置情報との対応付けは、例えば、発行部10は、所定の手順に従って識別情報を設定すると共に、座席データベース5Aが管理する座席の中から空き座席を検索して指定し、この指定した座席の位置情報と設定した識別情報とを関連付けることで行うことができる。
【0067】
図4は識別情報を説明するための図である。図4(a)は、識別情報と座席位置情報との対応付けの関係を示している。ここでは、座席位置情報“B2”に対して識別情報“P0001”を対応付けした場合を示している。この対応関係は、座席データベース5Aに設定しておき、検索部6は、読み取り装置8で読み取った識別情報に基づいて座席位置情報を読み出すことができる。
【0068】
なお、前記した識別情報は、発行券11の表面上にバーコードや二次元コードによって印刷する他、発行券11内に埋め込んだICタグ等の電子記録媒体への書き込み等によって発行券11に記憶させることができる。
【0069】
上記したように、検索部6は、発行券11を読み取った読み取り装置8の設置位置の位置情報から始点位置情報を取得し、発行券11から読み取った識別情報に基づいて座案データベース5Aから読み取った座席位置情報から目的位置情報を取得する。検索部6は、取得した始点位置情報と目的位置情報に基づいて、経路データベース5Bから経路情報を検索し表示制御部7に送る。経路データベース5Bには、始点位置情報と目的位置情報の組み合わせに対応して、これらの間を案内する経路の経路情報が格納されている。
【0070】
なお、ここでは、読み取り装置の設置位置を始点位置とし、指定座席の座席位置を目的位置とする例を示しているが、始点位置及び目的位置は上記例に限らず案内領域2内の任意の位置としてもよい。この任意に定めた始点位置から目的位置に至る経路を定めておき、この経路を始点位置及び目的位置をキーとして検索可能に経路データベース5Bに格納しておく。
【0071】
次に、図5のフローチャート及び図6の流れ図を用いて、検索部及び表示制御部が行う第1の態様の経路表示の動作を説明する。
【0072】
なお、図6では、識別情報として(P0001)が取得され、始点位置情報として読み取り装置8の位置情報 (D1)が取得され、識別情報(P0001)に対して目的位置情報として座席位置情報(B2)が設定され、始点位置情報(D1)と目的位置情報(B2)に対応する経路情報として(P−B2D1)が設定されているものとする。
【0073】
検索部6は、始点位置情報と目的位置情報を入力することにより、経路情報の検索を開始する(S1)。
【0074】
図3では、始点位置情報は、発行券11を読み取った読み取り装置8が設置された位置情報から取得し、目的位置情報は、発行券11から読み取った識別情報から取得する。検索部6は、座席データベース5Aから識別情報(P0001)に対応して設定されている座席位置情報(B2)を目的位置情報として読み出す(S2)。
【0075】
検索部6は、さらに、読み出した座席位置情報(B2)と読み取り装置8の位置情報(D1)とに基づいて、経路データベース5Bから経路情報(P−B2D1)を読み出す(S3)。
【0076】
検索部6は、読み出した座席位置情報(B2)と経路情報(P−B2D1)とを表示制御部7に送る。表示制御部7は、検索部6から送られた経路情報(P−B2D1)に基づいて案内領域2内の表示部3が備える表示部材4を駆動して始点位置2Aから目的位置2Bまでに至る経路を表示する。なお、図3では、始点位置2Aは読み取り装置8bが設置された位置であり、目的位置2Bは指定座席の位置である。
【0077】
案内領域2の床面には複数の表示部材4Aが設置され、表示制御部7はこれらの表示部材4Aの中から経路に対応する表示部材を選択して駆動する。表示制御部7は、経路情報と駆動する表示部材との対応関係を予め備えておき、検索部6から送られた経路情報と対応関係にある表示部材の組み合わせを読み出し、読み出した表示部材を駆動する。
【0078】
この表示部材の駆動において、表示制御部7は経路情報に対応する全ての表示部材を同時に駆動する他に、経路に沿って幾つか分割して、経路に沿って順に駆動してもよい。
【0079】
以下、図7のフローチャートを用いて、表示制御部が行う経路表示の動作について説明する。
【0080】
表示制御部7は、経路情報に指定される経路に定められている設定項目を読み出す。この設定項目としては、例えば、駆動する表示部材の組み合わせ、表示部材の駆動時間、表示部材を同時駆動するかあるいは分割駆動するか、分割駆動する場合にはその表示部材の組み合わせ、駆動順、駆動時間等がある(S11)。
【0081】
読み出した経路が複数の小経路に分割されている場合には(S12)、S13〜S18の工程によってこれら小経路を順次分割して駆動する。この分割駆動は、小経路を表す“n”を「0」とし(S13)、“n”に「1」を加算し(S14)、小経路nに対応して設定される表示部材の組み合わせを駆動する(S16)。表示部材の駆動は、予め設定された時間だけ行い(S17)。表示部材の駆動を始めてから所定時間が経過した後(S17)、その小経路nの表示部材の駆動を停止する(S18)。
【0082】
この後、S14に戻って“n”に「1」を加算し、全ての小経路について駆動が終了するまでS16〜S18を繰り返す(S15)。
【0083】
上記した動作によって、案内領域内で経路の表示が行われる。表示制御部7は、検索部6から送られた座席位置情報に基づいて目的位置に設置された表示部材を駆動して目的位置を表示する。図3において、この目的位置2Bの表示は、各座席位置に対応して設置された表示部材を駆動することで行う。なお、この目的位置を表す表示部材は、経路を表すために床面に設けた表示部材4Aを用いてもよく、また、各座席の肩部分や背中部分等の所定位置に設けた表示部材4Bを用いてもよい。
【0084】
この目的位置の表示部材の駆動状態は、経路を表す表示部材の駆動状態と異ならせることによって、その駆動している表示部材の位置が目的位置であることを示しても良い。この駆動状態としては、例えば、表示部材がランプや発光LED等の発光素子である場合には、その発光色や発光の点滅間隔を異ならせることで、経路と目的位置とを区別することができる。また、表示部材が機械的動作を行うものであれば、その駆動する表示部材と非駆動の表示部材との組み合わせや、駆動間隔を異ならせることで、経路と目的位置とを区別することができる。
【0085】
また、経路を表示する表示部材の駆動を停止させた後に、目的位置を表示する表示部材を駆動させるようにしてもよい (S4)。
【0086】
図8は、上記した第1の態様による経路表示において、小経路に分割して表示する場合を示している。なお、ここでは、図8(a)に示すように、案内領域の床面に表示部材4Aが設定され、座席部分にその座席を特定して表示する表示部材4Bが設定されているものとし、読み取り装置8cを始点位置とし図中の4Bで表す座席を目的位置とするものとしている。また、表示部材4Aは分割した表示経路20a〜20gを形成している。
【0087】
図8(b)は、読み取り装置8cを始点位置とし、この始点位置から始まる分割した表示経路20f(図中の格子模様で表示)を表示した状態を示している。
【0088】
図8(c)は、図8(b)の表示経路20fの終点を始点位置とし、この位置から始まる分割した表示経路20a(図中の格子模様で表示)を表示した状態を示している。ここで、表示経路20aは、分割した経路を全て表示する形態とすることも、目的位置に合わせて分割した経路の途中まで表示する形態としてもよい。図8(d)は、目的位置4Bを表示した状態を示している。
【0089】
前記した例は、識別情報から目的位置情報である座席位置情報を間接的に特定する形態である。これに対して、座席位置情報は直接的に特定してもよい。
【0090】
以下、図9及び図10を用いて第1の態様において、座席位置情報を直接的に特定する形態について説明する。
【0091】
図9は、第1の態様の他の構成例であって、座席位置情報を直接的に特定する形態の構成図である。
【0092】
図9に示す構成は、前記図3に示した構成とほぼ同様であり、発行券に記憶する情報、及び検索部による経路情報の検索動作において相違し、その他の部分は図3の構成と共通している。以下、図3と相違する部分についてのみ説明する。
【0093】
発行部10は、発行要求に応じて、発行券11に指定座席と特定する座席位置情報を書き込む。発行券11に書き込む座席位置情報のデータ形式は、前記したように、バーコード、二次元コード等のデータ形式により発行券の表面に印刷する他、デジタルデータをICタグ等の半導体記憶素子に格納することができる。
【0094】
発行部10は、発行券11を発行する際に、座席データベース5Aを参照して空き座席を検索して座席指定を行い、この指定座席の座席位置情報を識別情報として発行券11の記録媒体に記録する。
【0095】
図4(b)はこの形態における識別情報の一例を示している。
【0096】
図4(b)は、座席データベースにおいて、識別情報として座席位置情報が設定され、この座席位置における発行の有無を示している。ここでは、座席位置情報“B2”で特定される座席のみについて発行券が発行され、他の座席の発行券は発行されていない状態を示している。
【0097】
なお、発行部及び座席データベースは、劇場や映画館等の施設に設ける構成に限らず、ネット上に設けた発行サーバにより構成することもできる。
【0098】
次に、図10の流れ図を用いて、図9の構成による経路表示の動作を説明する。
【0099】
なお、図10では、識別情報として目的位置情報としての座席位置情報(B2)が取得され、始点位置情報として読み取り装置8の位置情報 (D1)が取得され、始点位置情報(D1)と目的位置情報(B2)に対応する経路情報として(FP−B2D1)が設定されているものとする。
【0100】
検索部6は、始点位置情報と目的位置情報を入力することにより、経路情報の検索を開始する。図10では、始点位置情報は、発行券11を読み取った読み取り装置8が設置された位置情報から取得し、目的位置情報は、発行券11から読み取った座席位置情報から取得する。検索部6は、さらに、読み出した座席位置情報(B2)と読み取り装置8の位置情報(D1)とに基づいて、経路データベース5Bから経路情報(FP−B2D1)を読み出す。
【0101】
検索部6は、読み出した座席位置情報(B2)と経路情報(FP−B2D1)とを表示制御部7に送る。表示制御部7は、検索部6から送られた経路情報(FP−B2D1)に基づいて案内領域2内の表示部3が備える表示部材4を駆動して始点位置2Aから目的位置2Bまでに至る経路を表示する。なお、図9では、始点位置2Aは読み取り装置8bが設置された位置であり、目的位置2Bは指定座席の位置である。なお、経路及び目的位置の表示は、前記した構成と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0102】
次に、図11,図12を用いて、表示部材の構成例について説明する。
【0103】
図11に示す表示部材の構成例は、光学的に案内表示を行う機構例と、機械的に駆動する機構例を示している。表示部材4aは、光学的に案内表示を行う機構例であり、発光ランプや発光LED等の発光素子により構成することができる。図11(a),(b)では、床面に表示部材4aを設けた構成を示しており、経路に沿って表示部材4aを駆動することで視覚により経路を案内する。図11(b)において、駆動した表示部材4aは格子模様で示している。
【0104】
また、図11に示す表示部材4bは、手すりや柱や壁面等の利用者が触覚で確認できる位置に設けた、機械的に駆動する機構例である。表示部材4bは、機械的に駆動して、凹位置と凸位置で変位する複数の部材を備え、これらの部材を選択的に駆動することによって、点字と同様な表示を行う。図11(c)は、この表示部材4bの一構成例であり、4b1は部材を突出させて凸位置とした状態を示し、4b2は部材を凹位置とした状態を示している。
【0105】
この凸位置と凹位置の組み合わせを点字と同様に駆動することで、経路を表示することができる。例えば、点字表現によって“右方向”、“左方向”、“直進”等を表示することで、経路を案内することができる。
【0106】
なお、部材の凹位置と凸位置との間で変位させる機構としては、例えば、ソレノイド機構や圧電機構を用いることができ、経路情報に基づいて点字表現に相当する部材を選択的に駆動することで表示することができる。
【0107】
図12に示す表示部材の構成例は、機械的に駆動する別の機構例を示している。表示部材4cは床面の設け、点字ブロックの相当する機構例である。表示部材4cは、機械的に駆動して、凹位置と凸位置で変位する複数の部材を備え、これらの部材を選択的に駆動することによって、点字ブロックと同様な表示を行う。
【0108】
図12(a)は、部材を凹位置として、床面と同じ高さとした状態4C1を示し、図12(b)は、部材を凸位置として、床面から突出させた状態を示している。表示部材4cを、経路に沿って駆動させて、床面から突出させた状態4c2とすることによって、経路を表示することができる。
【0109】
図12(c)は、この表示部材4cの一構成例であり、4c1は部材を突出させて凸位置とした状態を示し、4c2は部材を凹位置とした状態を示している。
【0110】
なお、部材の凹位置と凸位置との間で変位させる機構としては、図11の機構例と同じように、ソレノイド機構や圧電機構を用いることができ、経路情報に基づいて床面に配設した複数の部材を選択的に駆動することで表示することができる。
【0111】
次に、始点位置と目的位置の組み合わせを複数設定する第2の態様の構成例について、図13〜図17を用いて説明する
【0112】
図13,図14は、第2の態様の構成例を説明するための構成図である。第2の態様では、案内領域内に始点位置と目的位置の組みを複数設定し、この組み合わせに対応する複数の経路を検索して表示部に表示する。なお、図13,14に示す構成例は、前記図3に示した構成例と共通した構成を備えており、以下、主に相違する構成について説明し、共通する構成については説明を省略する。
【0113】
図13,14において、本発明の案内装置1は、図3に示した構成と同様に、始点位置を特定する始点位置情報と、目的位置を特定する目的位置情報とに基づいて、始点位置と目的位置との間の経路を特定して表示部3に表示する。第2の態様は、この始点位置と目的位置の組み合わせを複数備える。
【0114】
以下に示す例では、第1の始点位置情報は、案内領域2内において発行券11を確認した位置の位置情報から取得し、第1の目的位置情報は、発行券11に記憶した識別情報から取得する。また、第2の始点位置情報及び第2の目的位置情報は、共に発行券11に記憶した識別情報から取得する。ここで、第2の始点位置情報は第1の目的位置情報と同情報とすることによって、第1の目的位置と第2の始点位置を同じ位置とし、この同一位置を中継点として第1の経路と第2の経路をつなぎ、最終的には第1の始点位置から第2の目的位置に至る経路を案内する。
【0115】
図13は第1の始点位置2A1から第1の目的位置2B1に至る第1の経路2C1(往路)を表示する状態を示し、図14は第2の始点位置2A2(第1の目的位置2B1)から第2の目的位置2B2に至る第2の経路2C2(復路)を表示する状態を示している。
【0116】
ここで示す構成例では、案内領域2は第1の案内領域2aと第2の案内領域2bを備え、第1の案内領域2aは映画館や劇場等の複数の座席が配置された施設とし、第2の案内領域2bはこの施設に併設される駐車場とした例を示している。また、第1の経路2C1は、第1の案内領域2a中の読み取り装置8(図13では読み取り装置8b)から目的位置2B1までの経路であり、第2の経路2C2は、第1の案内領域2a中の目的位置2B1(第2の始点位置2A1)から第2の案内領域2B中の駐車スペースP02までの経路である例を示している。
【0117】
発行部10は駐車スペース位置情報を取り込むと共に識別情報を生成し、これら駐車スペース位置情報と識別情報とを発行券11に書き込んで発行する。ここで、識別情報は、前記図3で示した例と同様に座席位置情報と関連して設定した情報とする他、座席位置情報自体としてもよい。また、この座席位置情報は、第1の目的位置情報であると共に、第2の始点位置情報とすることができる。また、駐車スペース位置情報は、指定座席から駐車スペース位置に戻るための復路の経路を定めるための第2の目的位置情報となる。
【0118】
したがって、発行券11には、第1の目的位置情報である座席位置情報と、第2の始点位置情報と、第2の目的位置情報である駐車スペース位置情報が記憶されることになる。なお、第1の目的位置と第2の始点位置を異にする場合には、発行券11は、第1の目的位置情報である座席位置情報と、第2の目的位置情報である駐車スペース位置情報とを記憶することになる。
【0119】
発行部10は、第1の案内領域の施設に付随して設ける構成や、第2の案内領域の駐車場に設ける構成とする他、ネットワーク上のサーバとすることもできる。駐車場で発行券を発行する場合には、発行券として駐車スペース位置情報が記憶された駐車券を用い、この駐車券に、発行部10で生成した識別情報を付加してもよい。
【0120】
なお、ここでは、第1の目的位置と第2の始点位置を同じ位置としているが、第2の経路の始点である第2の始点位置を、第1の経路の終点である第1の目的位置と異なる位置とすることもできる。このときには、検索部6は、第2の始点位置情報を第1の目的位置情報から取得することができないため、第2の経路の始点である第2の始点位置の位置情報を別に取得する必要がある。この第2の始点位置の取得は、例えば、案内領域内の設けた読み取り装置8を利用することができ、例えば、第1の目的位置に達した後に読み取り装置8で発行券11を読み取った場合に、その読み取り装置8の位置を第2の始点位置とすることができる。
【0121】
検索部6は、前記した構成と同様に、始点位置情報と目的位置情報とに基づいて、この始点位置から目的位置に至る経路の経路情報を検索データベース5Bから検索し、検索した経路情報を表示制御部7に送って表示部3に表示させる。
【0122】
図15は経路データベースが格納する各情報を説明するための図である。なお、ここでは、第1の目的位置と第2の始点位置を同一位置として、第1の経路を往路経路とし、第2の経路を復路経路とする例を示している。
【0123】
経路データベースは、往路経路情報(第1の経路情報)を特定するための第1の始点位置情報及び第1の目的位置情報として、それぞれ読み取り装置の位置情報と座席位置情報を備える。例えば、座席位置情報が“A1”であり、読み取り装置の位置情報が“D1”である場合には、これらの位置間を結ぶ往路経路として往路経路情報を“FP−A1D1”を備える。
【0124】
また、経路データベースは、復路経路情報(第2の経路情報)を特定するための第2の始点位置情報及び第2の目的位置情報として、それぞれ座席位置情報と駐車スペース位置情報を備える。例えば、座席位置情報が“A1”であり、駐車スペース位置情報が“P01”である場合には、これらの位置間を結ぶ復路経路として復路経路情報を“BP−A1P01”を備える。
【0125】
次に、前記図16のフローチャート、前記図6及び図17の流れ図を用いて、検索部及び表示制御部が行う第2の態様の経路表示の動作を説明する。
【0126】
なお、ここでは、識別情報として(P0001)が取得され、第1の始点位置情報として読み取り装置8の位置情報 (D1)が取得され、識別情報(P0001)に対して目的位置情報として座席位置情報(B2)が設定され、第1の始点位置情報(D1)と第1の目的位置情報(B2)に対応する経路情報として往路経路情報(FP−B2D1)が設定され、また、第2の目的位置情報として駐車スペース位置情報(P02)が設定され、第2の始点位置情報(B2)と第2の目的位置情報(P02)に対応する経路情報として復路経路情報(BP−B2P02)が設定されているものとする。
【0127】
検索部6は、始点位置情報と目的位置情報を入力することにより、経路情報の検索を開始する(S21)。
【0128】
往路案内の場合には、発行券11を読み取った読み取り装置8が設置されている位置情報から第1の始点位置情報(D1)を取得し、発行券11から識別情報(P0001)を読み取る(S22)。
【0129】
検索部6は、座席データベース5Aから識別情報(P0001)に基づいて座席位置情報(B2)を第1の目的位置情報として読み出す。検索部6は、さらに、読み出した座席位置情報(B2)と読み取り装置8の位置情報(D1)とに基づいて、経路データベース5Bから往路経路情報(FP−B2D1)を読み出す(S23)。
【0130】
検索部6は、読み出した座席位置情報(B2)と往路経路情報(FP−B2D1)とを表示制御部7に送る。表示制御部7は、検索部6から送られた往路経路情報(FP−B2D1)に基づいて案内領域2内の表示部3が備える表示部材4を駆動して第1の始点位置2A1から第1の目的位置2B1までに至る往路経路を表示する(S24)。なお、ここでは、第1の始点位置2A1は読み取り装置8bが設置された位置であり、目的位置2B1は指定座席の位置である。さらに、表示制御部7は、検索部6から送られた座席位置情報(B2)に基づいて目的位置に設置された表示部材を駆動して目的位置を表示する(S25)。
【0131】
次に、第1の目的位置2A1を第1の始点位置2B1とする場合の復路案内では、第1の目的位置である座席位置情報(B2)を第2の始点位置とし、駐車スペース位置情報(P2)を第2の目的位置として読み出す。検索部6は、さらに、座席位置情報(B2)と駐車スペース位置情報(0P2)とに基づいて、経路データベース5Bから復路経路情報(BP−B2P02)を読み出す(S26)。
【0132】
検索部6は、読み出した駐車スペース位置情報駐車スペース位置情報(P02)と復路経路情報(BP−B2P02)とを表示制御部7に送る。表示制御部7は、検索部6から送られた復路経路情報(BP−B2P02)に基づいて案内領域2内の表示部3が備える表示部材4を駆動して第2の始点位置2A2から第2の目的位置2B2までに至る復路経路を表示する(S27)。なお、ここでは、第2の始点位置2A2は第1の目的位置である座席位置(B2)であり、目的位置2B2は駐車スペース位置の位置である。さらに、表示制御部7は、検索部6から送られた駐車スペース位置情報(P02)に基づいて目的位置に設置された表示部材を駆動して目的位置を表示する(S28)。
【0133】
なお、前記した各構成例において、発行券11はチケット等の印刷物に限らず、磁気記録や電子記録ができるカード型記録媒体、あるいは携帯電話等の携帯型通信機器を用いることもできる。
【0134】
携帯型通信機器を用いる場合には、ネットワーク上に設けた発行部との間で通信を行うことで識別情報や座席位置情報を取り込むことができ、また、駐車場に配置した通信機から駐車スペース位置情報を取得することができる。読み取り装置8は、携帯型通信機器から識別情報や座席位置情報や駐車スペース位置情報等の情報を読み取ることができ、その後は前記した例と同様に検索部6により経路検索を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明の案内装置は、劇場、映画館、ホール、などの公共施設での座席案内、ホテル内でのルーム案内、倉庫内の案内等に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】本発明の案内装置の第1の態様の概略構成を説明するための図である。
【図2】本発明の始点位置と目的位置の組み合わせを複数設定する第2の態様の概略構成を説明するための図である。
【図3】本発明の第1の態様の構成例を説明するための構成図である。
【図4】識別情報を説明するための図である。
【図5】本発明の第1の態様の経路表示の動作を説明するためのフローチャートである。及び図6の流れ図を用いて、検索部及び表示制御部が行う。
【図6】本発明の第1の態様の経路表示の動作を説明するための流れ図である。
【図7】本発明の表示制御部が行う経路表示の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の第1の態様による経路表示において小経路に分割して表示する場合を示す図である。
【図9】本発明の第1の態様において、座席位置情報を直接的に特定する形態を説明するための構成図である。
【図10】本発明の第1の態様において、座席位置情報を直接的に特定する形態を説明するための流れ図である。
【図11】本発明の表示部材の構成例を説明するための図である。
【図12】本発明の表示部材の構成例を説明するための図である。
【図13】本発明の第2の態様の構成例を説明するための構成図である。
【図14】本発明の第2の態様の構成例を説明するための構成図である。
【図15】本発明の第2の態様の経路データベースが格納する各情報を説明するための図である。
【図16】本発明の第2の態様の経路表示の動作を説明するためのフローチャートである。
【図17】本発明の第2の態様の経路表示の動作を説明するための流れ図である。
【符号の説明】
【0137】
1 案内装置
2,2a,2b 案内領域
2A,2A1,2A2 始点位置
2B,2B1,2B2 目的位置
2C,2C1,2C2 始点位置
3 表示部
4,4A,4B,4a,4b,4c 表示部材
4a 5 データベース
5A 座席データベース
5B 経路データベース
6 検索部
7 表示制御部
8,8a,8b,8C 読み取り装置
9 データ収集部
10 発行部
11 発行券
12 座席
20,20a〜20g 表示経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内領域内に配設した複数の表示部材を選択的に駆動する表示部と、
始点位置を特定する始点位置情報と、目的位置を特定する目的位置情報と、前記始点位置から前記目的位置までの経路を特定する経路情報とを記憶するデータベースと、
前記始点位置情報及び前記目的位置情報を指標として前記データベースから前記経路情報を読み出す検索部と、
前記検索部で読み出した経路情報に基づいて前記表示部を制御し、前記表示部材を選択的に駆動する表示制御部とを備え、
前記表示部材の選択的駆動により、前記案内領域内において始点位置から目的位置までの経路を表示する案内装置。
【請求項2】
前記案内領域内に、記録媒体から識別情報を読み取る読み取り部を複数設け、
前記検索部は、前記読み取り部から、当該読み取り部の案内領域内における位置を表す情報を前記始点位置情報として取得し、前記読み取り部が前記記録媒体から読み取った識別情報を前記目的位置情報として取得する、請求項1に記載の案内装置。
【請求項3】
前記案内領域は、複数の座席が配設された施設であり、
前記始点位置は、前記案内領域における読み取り部の位置であり、
前記目的位置は、前記複数の座席の中で指定した座席の位置であり、
前記読み取り部は、記録媒体から読み取った識別情報を検索部に送ると共に、当該読み取り部の案内領域内のおける位置を表す位置情報を送り、
前記検索部は、前記読み取り部の案内領域内における位置情報を始点位置情報とし、前記識別情報又は当該識別情報と対応して設定された位置情報を目的位置情報とし、これら始点位置情報及び目的位置情報を指標としてデータベースから当該読み取り部の位置から指定座席までの経路を表す経路情報を読み出す、請求項2に記載の案内装置。
【請求項4】
前記案内領域は、複数の駐車スペースが配設された施設であり、
前記始点位置は、前記案内領域に設定された読み取り部の位置であり、
前記目的位置は、前記複数の駐車スペースの中で指定した駐車スペースの位置であり、
前記読み取り部は、記録媒体から読み取った識別情報を検索部に送ると共に、当該読み取り部の案内領域内のおける位置を表す位置情報を送り、
前記検索部は、前記読み取り部の案内領域内における位置情報を始点位置情報とし、前記識別情報又は当該識別情報と対応して設定された位置情報を目的位置情報とし、これら始点位置情報及び目的位置情報を指標としてデータベースから当該読み取り部の位置から指定駐車スペースまでの経路を表す経路情報を読み出す、請求項2に記載の案内装置。
【請求項5】
前記案内領域は、複数の座席及び複数の駐車スペースが配設された施設であり、
前記目的位置は、前記複数の座席の中で指定した座席の位置を第1の目的位置とし、前記複数の駐車スペースの中で指定した駐車スペースの位置を第2の目的位置とし、
前記始点位置は、前記案内領域における読み取り部の位置とし、
前記読み取り部は、記録媒体から読み取った識別情報を検索部に送ると共に、当該読み取り部の案内領域内のおける位置を表す位置情報を送り、
前記検索部は、前記読み取り部の案内領域内における位置情報を始点位置情報とし、前記識別情報又は当該識別情報と対応して設定された位置情報を目的位置情報とし、
第1の始点位置情報及び第1の目的位置情報を指標としてデータベースから当該読み取り部の位置から指定座席までの経路を表す第1の経路情報を読み出し、
第2の始点位置情報及び第2の目的位置情報を指標としてデータベースから当該読み取り部の位置から指定駐車スペースまでの経路を表す第2の経路情報を読み出す、請求項2に記載の案内装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−337211(P2006−337211A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−163142(P2005−163142)
【出願日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】