説明

棒状体の分離方法及び分離装置

【課題】 棒状体の束から棒状体を分離する方法および装置を提供する。
【解決手段】 分離装置(1)において、束(5)の最上部にある本体(6)の表面を検出手段(17)により測定し、その本体(6)を検出手段(17)の横方向に沿って第1保持手段(18)により把持し、垂直に持ち上げる。次に、第2保持手段(19)が第1保持手段(18)の横方向で本体(6)の下部に係止する。本体(6)を束(5)から持ち上げた状態で、第2保持手段(18)を本体(6)の他端部に移動させる。その後、本体(6)を2つの保持手段(18、19)によって置き場へ移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒状体の束から棒状体を分離する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ワイヤ、パイプ、チューブといった切片等の棒状体は、大体の方向性を有するものの不規則にもつれた束となって供給される。そのため、多くの場合、次の工程に先立ち、供給された束から棒状体を分離する必要があり、また、取付、仕上げ、曲げ加工などの次の工程に送られる前に、規則的に配置して衝撃を和らげるようにする必要がある。
【0003】
特許文献1には、連続的なコンベアベルトにより形成された隙間に棒状体の束を配置し、その隙間にてベルトの移動により束をほぐし、ベルトの凹部を介して棒状体を互いに分離してから、隙間から排出ステーションに搬送する棒状体の分離装置が開示されている。しかしながら、非常に限られた大きさの棒状体の束しか隙間に収容できないというデメリットがあり、棒状体を分離した後、隙間を再び満たさなければならない。
【0004】
特許文献2に開示の細長いパイプの分離装置では、パイプの束が、各パイプを収容する凹部を備えるセグメント化された台に配置される。パイプを手作業で台の上に移すことで、パイプが凹みに移動し、こうして配置されたパイプが格納箱に搬送され、加工機の供給物として収容される。しかしながら、パイプを収容台の収容溝に手で入れることは非常に煩わしい作業である。
【0005】
特許文献3には、ワークを運搬するため、循環的に移動又は回転可能に相互に支え合い、かつ階段状に共働してワークを搬送する段状部品を備えた棒状体用のステップコンベアが開示されている。しかしながら、当該技術を利用するには、搬送される細長い本体が撓み易い部分を有さず、かつ予め取付けられていないことが必要とされるため、この公知装置はこれらの場合に不適切である。
【0006】
同様のデメリットが、連続的に配置された複数の梳き取り車を介してワイヤを混乱した束から分離する特許文献4に開示の従来技術にも該当する。
特許文献5には、金属棒を束から分離し更に加工する方法及び装置が記載されており、束の一端部を持ち上げて複数の金属棒を磁気保持手段により係止するようにしている。棒の位置を適切な測定装置により特定し、適切に配置された金属棒を把持部によって把持する。その後、その把持部により、束から棒が長手方向に引き出されて、置き台に配置される。しかしながら、この場合、金属棒の落下を防止するように束を持ち上げる際、その束を横方向に誘導しなければならない。更に、分離装置とその次に配置した加工機との間には緩衝部が備えられていない。
【0007】
特許文献6及び特許文献7には、はさみのような把持部で棒の束の端部を把持して持ち上げる分離装置が開示されている。把持部が閉じられると、最終的に棒が一本だけその間に把持されて保持される。分離された棒は、下方に延びる傾斜面を介して降ろされて、全長に亘って引き離される。しかしながら、より強い軸力が作用する場合、把持部における固定が十分でないというデメリットがあり、加えて、持ち上げられる棒は把持部分にナットなどを備えていてはいけない。
【特許文献1】独国特許第4137518号明細書
【特許文献2】独国特許第4336753号明細書
【特許文献3】独国特許第10016036号明細書
【特許文献4】欧州特許第1230047号明細書
【特許文献5】欧州特許第0790086号明細書
【特許文献6】欧州特許第1415939号明細書
【特許文献7】独国特許第69922469号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記に鑑み、本発明の目的は、手作業の介入を必要とせず、分離される本体が撓みやすい部分を備え又は予め組み立てられていてもよく、加えて更に長い(例えば長さ1.5m以上の)棒状体を容易に扱うことができる、細長い本体の束から本体を分離する方法及び装置を提案することにある。また、とりわけ、分離される棒状体について大きな選択の幅が確保される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、上記目的は、搬送装置に供給され、搬送装置に対して横方向に配置される棒状体の束から棒状体を分離する方法によって達成される。前記方法では、束の一端部で、束の最上部に位置する本体の表面における検出部の垂直位置を検出手段によって特定する。その後、検出部に横方向(搬送方向に対して垂直方向)で隣接する持ち上げ位置において本体を第1保持手段で把持し、所定距離だけ垂直方向に持ち上げる。そして、本体の他端部に向けて持ち上げ位置から所定の長さだけ離して(搬送方向に対して垂直方向に)配置した第2保持手段によって本体を把持する。その後、把持した本体を基準として第2保持手段を本体の他端部まで移動させる。その間、本体を全長に亘って束から持ち上げ、第2保持手段の移動中又は移動後、少なくとも所定の最小高さに相当する垂直位置まで第2保持手段によって移動させ、検出手段と2つの保持手段の垂直中心線を搬送方向に対して垂直で横方向に延びる共通の垂直面に配置させる。そして、持ち上げられた本体を2つの保持手段によって置き場に移動させるか、他の装置に移すために保持位置で保持する。
【0010】
本発明に係る方法では、まず棒状体をその一端部で第1保持手段によって把持し、束の上方に垂直に持ち上げることで、棒状体のうち、第1保持手段の適用位置から所定の距離だけ隔てたところで第2保持手段を用いて垂直方向に持ち上げられて、束の上面上方に延びる部分の下部に容易に係止することが可能になる。第1保持手段とは対照的に、第2保持手段は載せる本体の下部に係止するのみで本体を固定せず、本体を基準として本体の他端部に向けて本体に沿って移動し、途中で降下しないため、本体はその全長に沿って束から持ち上げられる。その際に、束から分離する本体のうち、把持した部分が本体の束の上方に確実に位置する所定の最小高さ(もしくはそれ以上)まで第2保持手段を持ち上げる。好ましくは、本体を確実に保持している第1保持手段と同じ高さまで、把持した本体を持ち上げる。本体は第1保持手段に確実に保持されているが、第2保持手段の移動中に、第2保持手段の移動によって余儀なくされる上向きの枢動移動を遂行できるようになされている。検出手段と保持手段の垂直中心線が、搬送方向の横方向で垂直方向に延びる垂直面に連帯して位置するため、束から分離した棒状体を搬送方向の垂直方向で保持手段によって確実に保持する。そして、棒状体を搬送方向の置き場に運び、方向性があるように配置するか、他の装置へ搬送するために保持位置で保持する。
【0011】
本発明に係る方法は、ワイヤ、ロッド、パイプ、チューブ、シャフト類の切片といった様々な棒状体を分離することができ、その結果、特に広く柔軟に利用できるようになる。また、予め組み立てられた本体、例えば、ねじ込み口金などの付加部品を備えた本体や、撓みやすい部分を有する本体を分離することもできるため、本発明に係る方法を用いる分野は更に拡大する。加えて、本発明に係る方法は、比較的実施しやすく、手作業の介入を必要とせずに、確実かつ比較的迅速に束から本体を分離することが可能である。
【0012】
本発明に係る方法において、持ち上げられる本体のうち検出手段が検出する検出部を第1保持手段が作動する持ち上げ位置に対して本体の他端部に面する側に位置させると特に好適な状態になる。それにより、本体の側端部における、検出手段が検出する本体の持ち上げ位置を本体のより先端近くに位置させることができる。
【0013】
また、第2保持手段は、第1保持手段が本体を把持する持ち上げ位置の真横に好ましくは設けられる検出部の近傍にて本体の下部に係止することが特に好ましい。それにより、総じて、一方では、第1保持手段による本体の一端部の持ち上げに対して、他方では、第2保持手段が本体の下部に係止する際に対して好適な形状になる。第2保持手段は、持ち上げ位置の近隣に位置するが真横に位置していないため、特に本体を持ち上げるための第2保持手段による横方向移動の初期位置において、第2保持手段が本体の下部に係止する位置と本体が第1保持手段によって持ち上げられる位置との間の応力中心距離が短くなり過ぎない。短すぎると、第2保持手段に生じる移動力に不利となる。
【0014】
本発明に係る方法において、本体の下部に係止した第2保持手段をその移動中に本体の他端部に向けて継続的に持ち上げて、移動経路の端部で第2保持手段が第1保持手段によって保持された本体と同一の垂直位置まで本体を持ち上げると特に好適な状態になる。それにより、第2保持手段の横方向移動と本体の連続的な上昇との歩調が合い、特に迅速な分離が可能になる。
【0015】
第2保持手段の移動中に、例えば、持ち上げられる本体の一部に束の他の本体がかぶさるか食い込んで大きな移動抵抗が生じた場合には、移動抵抗が所定値を超えたら第2保持手段の移動を停止し、第2保持手段を反対方向に特定の距離だけ戻した後、元の移動方向に移動させることが特に好適である。持ち上げる本体を第2保持手段によって更に効果的に分離させるために、必要に応じて上記一連の手順を何度か実行してもよい。その場合、束のうち強固にもつれた本体を分離させることは、把持した本体を持ち上げるために好適であり、その分離を促進するために、第2保持手段の戻り移動中及びその後の元方向への移動中に細長い本体の束に適当な振動を与えると特に都合が良いことが分かる。束のもつれをほぐすために、束に振動のみを施し、第2保持手段の戻り移動を省くことも可能である。
【0016】
上記手段を繰り返し実行しても所望の結果が得られない場合は、使用するプログラム制御を、持ち上げた本体を2つの保持手段から解放し、保持手段を元の位置に戻して、束の最上部に位置する本体をもう一度新たに検出させて保持手段の移動を再び開始するように設定してもよい。
【0017】
本発明に係る方法の特に好適な実施形態では、検出手段に近接センサを使用する。近接センサは、自身の垂直中心線において自身の下方に位置する表面部の表面からの距離を測定する。前記表面部は細長い本体の表面部である。その際に、検出手段がその下方に位置する細長い本体の束に当接するまで検出手段を束に向けて上方から垂直方向に下ろす。測定した距離の値が所定の最小値より大きい場合、検出手段は測定距離が所定の最小値になる位置まで束の表面上を表面に対して搬送方向に沿って移動する。検出手段に使用されるセンサは、自身の下方に位置する細長い本体から自身の垂直中心線の真下にある表面までの距離を測定するので、垂直中心線の横方向に沿って更に延びているものの、細長い本体の最上部に位置して、測定距離が最小値に相当する場合のみ接触することを意味する。つまり、センサが本体の最上端に対して若干脇にずれて配置されていると、センサは中心線を越えて横方向に沿って延びる部分に接触するが、最小値より大きい距離の場合は、依然として中心線の下方に位置する。
【0018】
本発明の根底をなす上記目的は、装置技術について言えば、特に本発明に係る方法を実施するために使用可能な、棒状体の束から棒状体を分離する装置によって達成される。前記装置は、棒状体の束を搬送方向に沿って供給する供給手段と、供給手段に連結されると共に、搬送方向に垂直で、かつ水平方向に沿って延び、長手方向及び垂直方向に沿って移動可能に装着された入口ガイドを有する入口が備えられた分離装置と、棒状体を把持する第1保持手段と、第1保持手段に隣接すると共に、自身と自身の下方に位置する細長い本体の表面部との垂直距離に応じて検出信号を発信する検出手段と、入口ガイドに沿ってかつ入口ガイドに垂直に移動可能で、自身の下方に位置する細長い本体の下部に係止する第2保持手段とからなり、検出手段と2つの保持手段が搬送方向に沿って移動可能で、さらに、検出手段によって供給される検出信号が送られると共に、本発明に係る装置の全ての移動及び可動部品の作動操作をプログラム制御可能な制御手段を備えている。
【0019】
本発明に係る方法に関連した上記利点、特に、様々な棒状体を使用できる柔軟性は本発明に係る装置にも同様に当てはまる。本発明に係る装置は、特に、例えばパイプ、ダクト、棒、予め加工されたダクトなどの成形や曲げの加工装置に使用できるが、そのような棒状体を引き続き取付、包装、保管、計数し、それ故に棒状体がそれぞれ分離又は規則正しい配置で緩衝されていなければならない他の装置の供給システムの一部として使用することも可能である。
【0020】
保持手段だけでなく検出手段を搬送方向へ移動させるために、入口を搬送方向へ移動できるように構成することが望ましいが、入口が固定され、上記各手段が自身に割り当てられた搬送方向への移動手段を備えている場合も考えられる。
【0021】
本発明に係る装置において、供給手段は長手方向の両側に搬送方向と平行に延びる2本の連続的なコンベアベルトを備えていることが好ましい。前記ベルトには外側を向いた表面に前記表面及び搬送方向に対して垂直に突出して、搬送方向から見て互いに離間した板状部品が備えられている。そして、連続する板状部品の各対の間で、細長い本体の束の一側にある本体の側端部を収容するための収容空間を形成する。前記2本の連続的なコンベアベルトによって、細長い本体の束は、搬送方向で互いに連続した2つの板状部品との間で両側端部を連続的なコンベアベルト上に保持され、搬送方向の分離手段に供給される。
【0022】
本発明に係る装置は、特に好適には、供給手段及び分離手段に続いて(好ましくは搬送方向に沿って)配置されると共に、保持手段によって持ち上げられた本体が移され、好ましくは降ろされ、衝撃が和らげられる排出手段を備えている。
【0023】
この場合、排出手段は、搬送方向に沿って傾斜し、かつ降ろされた本体が連続的に緩衝されて限界止めに接触する傾斜面を備えたフレームであることが好ましい。また、降ろされた細長い本体の端部を横方向に沿って整列させる構造を備えていることが好ましい。
【0024】
このように、降ろされた棒状体を正確に整列させながら、比較的容易に緩衝することができる。
本発明に係る装置の別の好適な実施形態においては、排出手段は、排出手段で緩衝された棒状体を把持し、その後に配置された移送ステーション又は加工ステーションに運ぶ手段を有する。
【0025】
本発明に係る装置は、検出手段を任意の適当な方法で構成することができる。しかしながら、検出手段は、自身の垂直中心線において、自身の下方に位置して持ち上げられる棒状体の表面からの距離を測定することできる近接センサを備えていることが特に好ましい。
【0026】
本発明に係る装置において、検出手段は好適には、搬送方向に沿って凸状の湾曲を有し前面で上方に延びる金属板からなるほぼベントストリップ形状のガイドランプを備えている。このランプによって検出手段は、細長い本体の束に対して非衝撃的に本体の上部で移動可能である。これにより特に容易な方法で、検出手段が持ち上げられる棒状体の最上部を検出するまで、検出手段を棒状体の束に対して搬送方向に束の上面で確実に移動させることができる。
【0027】
基本的に、検出手段を入口の入口ガイドに装着し、第1及び第2保持手段と独立して作動させることは可能であるが、特に好ましくは検出手段を第1保持手段の保持フレーム上に保持し、それにより第1保持手段と共に降下させる。好適には、検出手段は検出手段の垂直下方移動を制限するために設けられた止め具と共に、搬送方向に垂直で横方向に突出する保持フレームの保持フランジにおいて垂直方向に沿って移動可能に支持される。従って、第1保持手段を降下させることで、検出手段を自身の下方に位置する棒状体の束の表面に接触するまで下ろし、そこから更に第1保持手段の降下移動を続けることも可能である。その結果、検出手段は、第1保持手段内で束の表面に対応して移動可能に支持されているため、次の搬送方向への移動中に、第1保持手段の降下位置を変更することなく束の表面上を第1保持手段から独立してこれに対して相対的に上下に移動できる。
【0028】
これに関連して、検出手段は第1保持手段の真横に近接していることが特に好ましい。それにより、各本体の第1保持手段によって把持される持ち上げ位置が検出手段と同様の垂直位置に配置される。その結果、把持される本体の傾斜によって生じる、第1保持手段を制御する際に大きければ考慮しなければならない検出部と持ち上げ位置との差高はごくわずかである。
【0029】
第1保持手段は、本体を把持することのできる任意の適当な方法で設けてもよい。しかしながら、第1保持手段は、その間で棒状体を把持するために2つの把持部を備えていることが特に好ましい。また、2つの把持部は互いに離れて対向する側面に傾斜外面を備えられていることが好ましい。前記外面は下向きに互いに向けて、すなわち各把持部の自由端に向けて集束している。それにより得られたくさび形状によって、持ち上げ位置に向けて移動しながら把持部を下げる際、近接するワークを脇に押しのけることができる。
【0030】
本発明に係る装置において、更に好適には、第2保持手段も2つの回転可能アームを備える。前記回転可能アームは、持ち上げられる細長い本体の下部に係止するために、その自由端に互いに向き合い第2保持手段の閉状態に端面で互いに接触するガイドウェブを有する。第2保持手段を、下方を係止される本体に対して移動させる際、ガイドウェブと本体との摩擦面でなるべく摩耗せずに作動するように、各ガイドウェブのうち、少なくとも細長い本体に接触する上面部分に適当な耐摩耗性コーティングを施すことが特に好適である。その場合、特に、適当なプラスチック製のフロック又はプラスチック製のケーシングの形で耐摩耗性コーティングを使用する。
【0031】
撓みやすい部分を有する特に長くて細いあるいは長い又は細い本体を分離するために、入口ガイドに第3保持手段を設けることが更に好適である。前記保持手段は入口ガイドに対して垂直にかつ入口ガイドに沿って移動可能で、細長い本体の下部に係止するようにも構成され、特に好ましくは第1保持手段と第2保持手段との間に配置される。
【0032】
また、本発明に係る装置に第2検出手段を設けることが好適である場合もある。第2検出手段は、細長い本体の傾斜が大きい場合に本体の軸方向位置を特定するために使用することができ、その結果、第1保持手段は安全かつ制御された保持を遂行できる。
【0033】
本発明に係る装置を使用すれば、細長い本体のもつれた束を簡単に比較的迅速に分離することができ、必要に応じて規則的に配置して緩衝することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
図を参照しながら、主要な一例として本発明を下記詳述する。
図には本発明に係る分離装置1が示されている。分離装置1は、実質上、入口2と供給手段3と位置決め手段としても機能する排出手段4とからなる。
【0035】
図1及び図2から明らかなように、もつれた細長い棒状体6の複数の束5が供給手段3に配置されている。前記分離装置1は、本体6のもつれを解き、分離して配置する。
供給手段3は2又はそれより多くのコンベアベルト7を備えているが、それは図2から明確に理解できる。というのは、図2は図1とは対照的に、コンベアベルト7の搬送方向Tから見てコンベアベルト7前方部に細長い本体6の束5がいくつか示されているだけで、コンベアベルト7後方部には(効果的に示すために)細長い本体6が図示されていないからである。
【0036】
コンベアベルト7は駆動装置8を介して同調して動き、長手方向に等間隔をあけて板状部品9が取り付けられている。各板状部品9は、各コンベアベルト7の全幅に亘って各コンベアベルト7の長手方向に対して横方向で、かつ垂直方向に沿って延びている。
【0037】
板状部品9は一種の分離壁で、連続する板状部品9の各対の間にセグメントのような収容空間10を形成する。前記収容空間10に、細長い本体6の各束5の側端部が配置される。
【0038】
板状部品9は各コンベアベルト7の表面から概垂直方向で、かつ搬送方向Tに対して垂直方向に上方に向けて突出し、連続的なコンベアベルト7と共に循環する。すなわち、各コンベアベルト7の搬送側端部において、板状部品9はコンベアベルト7と共に転向ローラ11を軸に下方へ枢動し、コンベアベルト7と共に下部側を搬送方向Tと逆方向に戻り、新たに持ち上げられる細長い本体6の束5を収容する収容空間10を再び形成するために、最終的に転向ローラ12を軸にして上方へ回転する。
【0039】
コンベアベルト7は、装置全体において2本のコンベアベルト7のうち少なくとも一方が、付随の駆動装置及び対応する支持体を含め、搬送方向Tに対して横方向に、かつ垂直方向(すなわち、図1に示す座標系のY方向)に調整できるよう構成されているため、分離装置1を異なる長さの本体6に使用することが可能である。
【0040】
図に示すように、入口2は、実質上、その両端面のそれぞれに垂直上方向に沿って延びる支柱13と、その2本の側柱13の上端部を互いに接続し、搬送方向Tに対して横方向に沿って延びる梁14とを備え、梁14には、その全長に亘って延びる入口ガイド15が装着されている(図1及び図2参照)。
【0041】
入口2は分離装置1の下部架台16に沿ってX方向に沿って移動可能である。X方向は図1及び図2において側柱13の底部に矢印で概略的に示されている。
さらに、様々な機能ユニットが入口2に取り付けられ、各ユニットは入口ガイド15に沿ってY方向に沿って移動可能になっている。機能ユニットとは、検出手段17と(検出手段17の近傍の)第1保持手段18と第2保持手段19である。
【0042】
図に示す実施形態では、検出手段17と第1保持手段18は(図1において矢印で示す)Z方向に沿って一緒に移動する。
この場合、検出手段17(図6参照)は第1保持手段18に連結された保持フレーム20を介して第1保持手段18に保持され、第1保持手段18と共に保持フレーム20内に担持されて、第1保持手段18に対して垂直方向(Z方向)に沿って移動できる。
【0043】
前記支持構造は、検出手段17の第1保持手段18に対する垂直下方向の移動を制限する止め具(図示せず)になるよう構成される。
検出手段17はガイドに沿って第1保持手段18に対して垂直(Z)方向に沿って自由に移動できる。
【0044】
検出手段17と第1保持手段18とをこのように構成することで、機能部品17及び18は(Y方向から見て)横方向に互いに隣接する。その結果、検出手段17が束5の最上部に位置する本体6を検出すると、検出した領域の側近傍で第1保持手段18によって本体6を把持するという次の工程を実施できる。
【0045】
図1、図2、図5(a)〜(d)、図6、図7に示すように、第2保持手段19を入口2の梁14に装着し、機能部品17、18、19の構成は、該機能部品の垂直中心線が、搬送方向Tの横方向に、搬送方向Tに対して垂直に延びる共通の垂直面に位置するように選択されている。第2保持手段19もまた、Z方向だけでなくY方向にも移動できる。
【0046】
図1及び図2から明らかなように、排出手段4は2つのフレームウェブ22によって傾斜面をなし、フレームウェブ22は、分離装置1の後方端部で搬送方向Tに平行に傾き、搬送方向Tに同一角度で下方に傾斜している。保持手段18、19によって分離された本体6は、入口2を移動させることで、側端部分を傾斜面上に置かれる。フレームウェブ22が傾斜しているため、置かれた細長い本体6はフレームウェブ22の下方端に向けて転がり、その結果、分離されて置かれた細長い本体6は緩衝され、図1又は2に示すように互いの後に横たわる。そうすることで、本体6は図示しない限界止めに対して整列し、後に配置された管曲げ機のような加工機に適切に供給され得る。従って、今度は、例えば図示しない管曲げ機に位置決め及び排出手段4から細長い本体6を移動させる適当な手段を設けることができる。
【0047】
図6及び図7は、分離装置1の拡大詳細図で、個々の機能ユニット17、18、19を配置してさらに明確に示す。
図7に適当に示すように、第1保持手段18には2つの把持部23と(棚受け形状の)垂直方向に配置したガイド軸24とが装着されている。ガイド軸24はプログラム制御された駆動装置(図示せず)に連結され、第1保持手段18を垂直方向(Z方向)に沿って移動させることができる。この場合、第1保持手段18はハウジング25を備え、その下方端から2つの把持部23が突出し、その上端部から垂直ガイド軸24が突出している。
【0048】
上述したように、検出手段17はハウジング25に担持され、保持フランジ21を介して保持フレーム20に固定されることで垂直に移動できる。保持フレーム20はハウジング25の垂直ガイド溝26に嵌合され、溝内を移動自在に誘導される(この点については図3及び図4の概略図を参照)。
【0049】
検出手段17は、束5の最上部に位置する細長い本体6を識別するためのセンサ27と弓形のガイド板28とからなる。ガイド板28は搬送方向Tにおいてセンサ27の前に配置されると共に、湾曲、好ましくは円形状でセンサ27の下方端から上方に延び、検出手段17を搬送方向Tに沿って移動させる際にガイド板として機能する。
【0050】
第1保持手段18のハウジング25が垂直ガイド軸24を介して下方に伸長しても、検出手段17は、その伸長移動の間に障害物、すなわち最上部に位置する細長い本体6に当接するとガイド溝26内を上方向に自在に移動できる。
【0051】
図に示すように、センサ27と把持部23は互いに極めて近距離に配置される(搬送方向Tに対して垂直であるY方向)。
第2保持手段19についても(好ましくは棚受け形状の)垂直ガイド軸29を介してZ方向(搬送方向T及び入口ガイド15の梁14に対して垂直方向)に沿って移動可能である(図6及び図7)。さらに、第2保持手段19は(梁14の入口ガイド15に沿って)Y方向、持ち上げられる細長い本体6の長手方向にも移動可能である。
【0052】
第2保持手段19はハウジング30を備え、その上端側には垂直ガイド軸29が上方に突出し、下端側には2つの回転可能アーム31が下方に突出している。アーム31の下方端にはガイドウェブ32が備えられ、ガイドウェブ32は互いに向き合い、第2保持手段19が閉状態にあると互いに接触する。そして、持ち上げる本体6の下部に係止して本体6を支持するように構成されている(特に図6及び図7参照)。
【0053】
2つの回転可能アーム31は閉位置だけでなく開位置にも移動し、持ち上げる本体6を把持して本体6の下部に係止する。しかしながら、すべての図は閉位置にあるアーム31を示している。
【0054】
さらに、図示しないが、転向機構も備えている。転向機構は、第2保持手段19の移動中に、例えば、把持した本体6が束5から容易に持ち上がらないために過度の軸荷重(Y方向の力)がアーム31又はアーム31のガイドウェブ32のそれぞれに作用すると、梁14に沿った(すなわち、Y方向の)前方移動を停止する。
【0055】
次に、本発明に係る分離装置1の作用を図5(a)〜5(d)を参照して詳細に説明する。
当該図には、本体6を束5から分離する一連の手順が示されている。
【0056】
まず、図5(a)に示すように、第1保持手段18のハウジング25と共に下方へ移動する検出手段17が束5の本体6上面にある程度係止するまで、検出手段17を備えた第1保持手段18を垂直軸24を介して降下させる(図5(a))。次に、検出手段17が束5の最上部に位置する本体6を特定するまでガイド板28を最上部の本体6上面上を移動させながら、入口2を(搬送方向Tに相当する)X方向に沿って移動させる。その後、入口2の移動を停止する。
【0057】
この手順を図3及び図4に概略的な拡大図で詳細に示す。
図3には、検出手段17の下方に位置する細長い本体6の束5上方で、第1保持手段18がハウジング25とハウジング25に装着された初期位置にある検出手段17とで占める初期位置が示されている。第1保持手段18のハウジング25を降下させると、(図3に係る構成の図においては)検出手段17のガイド板28がセンサ27より若干前方の位置で最上部の本体6.1に最初に接触し、それにより検出手段17は(図3において破線で示す)静止位置で停止する。次いで、第1保持手段18のハウジング25を更に降下させ、細長い本体6が間に積み重ねられる板状部品9より上に把持部23を位置させたまま、検出手段17をガイド溝26内で保持フレーム20(図3及び図4には図示せず)を介して上方に自在に移動させる。
【0058】
この状態で、入口2を移動させることで、検出手段17は束5の本体6上面を図3において破線で示す矢印の方向に、つまり前方(搬送方向T)に沿って移動する。一方、ガイド板28はセンサ27の下方側より高い位置にある本体6の表面部に当接すると前記前方移動の間にセンサ27を持ち上げる。
【0059】
センサ27は近接センサとして備えられ、その下部と束5のうちセンサの下方に位置する本体6表面との距離を軸中心線の方向において継続的に測定する。センサ27の測定した距離が所定の最小値(近接スイッチ27の最小測定距離に相当する)と同等になるとセンサ27は自身の中心線を束5の最上部に位置する本体6表面部の真上に配置させる。
【0060】
この位置において、開いた把持部23が検出された最上部の本体6付近にセンサ27の隣で到達し、次いで互いに向けて移動することで本体6を把持するまで、第1保持手段18のハウジング25を所定量さらに降下させる。それに引き続いて、把持部23とその間に把持された本体6とを有するハウジング25を、把持された本体6が板状部品9の少なくとも端面上に位置するのに十分な所定量を垂直方向に持ち上げる。その後、ハウジング25はその高さで束5の上方を衝突せずに移動できる。
【0061】
本体6が第1保持手段18の2つの把持部23に把持された直後の状態を図5(b)に示す。一方、その後まもなくの状態、つまり、把持された本体6がある程度持ち上げられた状態を図4に示す。
【0062】
図5(c)は、続いて、把持された本体6の端部が束5から持ち上げられる(所定の)垂直位置まで第1保持手段18を移動させた状態を示す。
センサ27が最上部の本体6に到達し検出すると、ガイド板28は束5の表面に沿って摺動し、第1保持手段18は装置の制御ユニット(図示せず)によって制御されて降下する。この降下移動の間、高さが調節可能なスイッチ(図示せず)が起動するまで検出手段17はガイド溝26内をハウジング25に沿って押し上げられる。前記スイッチは把持部23を有するハウジング25の垂直下方向移動を阻止し、把持部23の保持動作を引き起こす。図4からも明らかなように、把持部23がセンサ27の真下にある本体6を把持できるように位置決めされるよう作動時にスイッチの高さを調整する。
【0063】
図3及び図4からも明らかなように、把持部23には、互いに離れて対向する外面に、(閉じた状態における)把持部23の自由突出端部に向けて先細りになるように面取りした外縁23’がそれぞれ設けられている。このくさび形状によって、把持部23がわずかに開いていても、降下移動の間に近接する本体6を脇へ押しのけることができる。
【0064】
把持した本体6を持ち上げるための第1保持手段18の上方移動の間に、または最終持ち上げ位置に到達し次第、第2保持手段19を検出手段17及び第1保持手段18に向けて梁14に沿って、かつY方向に沿って移動させる。そして、第2保持手段19の回転可能アーム31を開き、ハウジング30を所定の位置まで下ろし、アーム31を閉じる。そうすることで、アーム31はガイドウェブ32と共に、持ち上げられた本体6の下方で係止する。図5(c)は、アーム31を本体6の周辺及び下方で係止させるために開放する直前の第2保持手段19の位置を示している。
【0065】
そして、図5(d)に示すように、第2保持手段19のハウジング30をY方向に入口2の梁14に沿って第1保持手段18から遠ざける。その際(または移動経路の端部で)、本体6が板状部品9の上方、好ましくは第1保持手段18の把持部23によって保持される高さと同じ高さに位置するまで、アーム31のガイドウェブ32が本体6の下部に係止した位置においてハウジング30を継続的に持ち上げる。第2保持手段19が(Y方向へ)把持した本体6に沿って移動する間に、本体6は、図7に示す、第2保持手段19の移動経路に対する最終位置に達するまで、束5から徐々に上方向に解放される。本体6はその位置で束5から完全に離れ、梁14と平行に束5の上方で保持され、入口2が搬送方向Tに沿ってさらに移動することで図2に示す位置まで運ばれる。2つの保持手段18、19を下ろし、把持部23、31を開放することで、その位置で本体6をフレームウェブ22の傾斜面に配置できる。
【0066】
第2保持手段19の移動中、把持した本体6の支持位置を介して、第2保持手段19に作用する(Y方向の)力が大きくなりすぎると、すなわち力が所定の閾値より大きくなると、転向機構(図示せず)が移動を停止させる。そして制御手段が、例えば、所定の経路距離を(再度第1保持手段18に向けて)逆方向に移動させる。前記制御手段は所定の戻り経路を移動すると再度切り替わり、移動を元の移動方向へ切り替える。代わりに又はさらに、把持した本体6を分離しやすくするために、所定時間、第1及び第2保持手段18、19あるいは第1保持手段18又は第2保持手段19を振動させてもよい。上記が上手くいかなかった場合は、プログラム制御によって把持部23とアーム31を開放して、把持した本体6を離し、上記手順を改めて開始する。
【0067】
分離装置1の個々の部品、すなわち入口2、検出手段17、第1保持手段18、第2保持手段19、及びそれらの把持部23、アーム31の前記移動は全て、すでに上述した中央制御手段(図示せず)によってプログラム制御されている。前記制御手段は、持ち上げる各棒状体6の長さと断面積に応じて適当にプログラムされる。分離装置1を他の(さらに太い又は細い、長い又は短い等)本体6を分離するために使用する場合は、制御手段を改めて適当な方法でプログラムする。
【0068】
把持部23又は回転可能アーム31及びガイドウェブ32と持ち上げられる本体6との間で相対移動が起きる際に発生する摩擦力だけでなく、前記の方法に必要な駆動力を最小限にするために、第1保持手段18と第2保持手段19及びそれらの把持部23もしくはアーム31とガイドウェブ32、あるいは第1保持手段18と第2保持手段19又はそれらの把持部23もしくはアーム31とガイドウェブ32のそれぞれにおいて、持ち上げられる本体6に面する表面部分に、例えば適当なプラスチックコーティング(例えばPTFEや同等の材料)でフロック加工することで摩擦緩和表面コーティングを施すことが特に勧められる。さらに、図示しないこの種の適当なコーティングは、第2保持手段19が持ち上げられた本体6に沿って移動する際や、(第2保持手段19の移動中に本体6を第2保持手段19で持ち上げる場合)本体6が第1保持手段18における持ち上げ位置を中心に枢動する際、本体6を破損する危険性を抑制する。
【0069】
同様に、回転自在ローラ(図示せず)を各ガイドウェブに設けてもよい。把持した本体6の下部を前記ローラで支持し、第2保持手段19をY方向へ移動させる際に、回転自在ローラによって、発生する摩擦力を最小限に抑える。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】分離した細長い本体を置き、かつ緩衝する装置の後部を前面に示す本発明に係る装置の斜視図。
【図2】図1に係る分離装置の別の斜視図。
【図3】初期持ち上げ位置にある検出手段と第1保持手段とを示す本発明に係る分離装置の部分拡大概略図。
【図4】第1保持手段が最上部に位置する本体を把持し、かつある程度持ち上げている図3に対応する概略図。
【図5】(a)〜(d)は、本発明に係る分離装置の詳細であって、細長い本体の束から1本の細長い本体を分離させる工程を詳細に示す概略図。
【図6】分離方法の開始に先立ち初期位置にある本発明の分離装置を詳細に示す拡大詳細概略図。
【図7】把持された本体が保持手段によってすでに分離され、かつ配置のために持ち上げられている本発明の分離装置の詳細を示す概略斜視図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向(T)に供給され、前記搬送方向に対して横方向に位置する棒状体(6)の束(5)から同棒状体(6)を分離する方法であって、
前記本体(6)の一端部にある検出手段(17)により、前記束(5)の最上部に位置する本体(6)の一部の表面にある検出部の垂直位置を測定し、
第1保持手段(18)により、前記検出部の横方向(前記搬送方向(T)に対して垂直)に近接する持ち上げ位置にて前記本体(6)を把持し所定の高さだけ垂直に持ち上げ、
第2保持手段(19)により、前記持ち上げ位置から前記本体(6)の他端部へと(前記搬送方向(T)に対して垂直に)所定の距離だけオフセットした位置にて前記本体(6)の下部に係止し、
前記第2保持手段(19)により、前記本体(6)の他端部まで前記本体(6)に沿って移動して前記束(5)から前記本体(6)を持ち上げ、
前記第2保持手段(19)の移動中又は移動後、前記第2保持手段(19)により、前記本体(6)を所定の最小高さより高い垂直位置まで移動させて、前記検出手段(17)と2つの保持手段(18、19)との垂直中心線を前記搬送方向(T)に対して垂直で、かつ横方向に延びる共通の垂直面に位置させ、
前記2つの保持手段(18、19)により、前記持ち上げられた本体(6)を置き場に移動させるか、他の装置へ搬送するために保持位置にて保持する棒状体の分離方法。
【請求項2】
前記検出部は、前記持ち上げ位置のうち前記他端部に面する側に配置されている請求項1に記載の分離方法。
【請求項3】
前記第2保持手段(19)は、前記検出部の近傍にて前記本体(6)の下部に係止する請求項2に記載の分離方法。
【請求項4】
前記検出部は、前記持ち上げ位置の近傍に設けられている請求項1乃至3のいずれかに記載の分離方法。
【請求項5】
前記本体(6)の下部に係止した前記第2保持手段(19)を前記他端部に向けて移動する間に継続的に上昇させ、その移動経路の終端で、前記第2保持手段(19)により、前記本体(6)を前記第1保持手段(18)と同一の垂直位置まで持ち上げる請求項1乃至4のいずれかに記載の分離方法。
【請求項6】
前記他端部に向けて移動する間に所定値を越える移動抵抗が生じた直後に前記第2保持手段(19)を停止させ、反対方向に所定の距離だけ後退させて、再び最初の移動方向へ移動させる請求項1乃至5のいずれかに記載の分離方法。
【請求項7】
前記第2保持手段(19)が戻り、次に元の移動方向に移動する際、前記細長い本体(6)の束(5)に振動動作を与える請求項6に記載の分離方法。
【請求項8】
前記検出手段(17)は、その垂直中心線において近接センサ(27)の下方に位置する棒状体(6)の表面からの距離を測定する近接センサ(27)を備え、前記細長い本体(6)の束(5)に当接するまで前記検出手段(17)を上方から垂直に降下させ、測定距離が所定の最小距離より大きい場合、その測定距離が前記所定の最小距離と等しくなるまで、前記検出手段(17)を前記束(5)の表面上で前記搬送方向(T)に沿って移動させる請求項1乃至6のいずれかに記載の分離方法。
【請求項9】
前記棒状体(6)は、前記搬送方向(T)に沿って前記束(5)上を移動可能な垂直位置まで、全ての保持手段(18、19)によって持ち上げられる請求項1乃至6のいずれかに記載の分離方法。
【請求項10】
棒状体(6)の束(5)から同棒状体(6)を分離し、特に請求項1に記載の方法を実施する装置であって、
前記棒状体(6)の束(5)を搬送方向(T)に沿って供給する供給手段(3)と、
前記供給手段(3)に連結した分離手段であって、前記搬送方向(T)に対して垂直かつ水平方向に沿って延びる入口ガイド(15)を有する入口(2)を備え、前記入口ガイド(15)に対して垂直かつ長手方向に沿って移動可能に配置した前記分離手段と、
前記棒状体(6)を把持する第1保持手段(18)と、
前記第1保持手段(18)に近接し、検出手段(17)とその下方に位置する細長い本体(6)の表面部との垂直距離に応じて検出信号を発信する検出手段(17)と、
前記入口ガイド(15)に沿って前記入口ガイド(15)と垂直に移動可能で、かつ前記入口ガイド(15)の下方に位置する細長い本体(6)の下部に係止する第2保持手段(19)とを備え、
前記検出手段(17)及び2つの保持手段(18、19)は前記搬送方向(T)に沿って更に移動可能であり、かつ、更に
前記検出手段(17)の発信する検出信号が付与され、かつ全ての移動及び作動操作をプログラム制御可能な制御手段を備えた棒状体の分離装置。
【請求項11】
前記入口(2)は、前記検出手段(17)及び前記保持手段(18、19)を前記搬送方向(T)に沿って移動するように前記搬送方向(T)に沿って移動可能である請求項10に記載の分離装置。
【請求項12】
前記供給手段(3)は、その長手方向の両側において前記搬送方向(T)と平行に延び、かつ外面に板状部品が設けられた2本の連続的なコンベアベルト(7)を備え、前記板状部品(9)は、前記コンベアベルト(7)及び前記搬送方向(T)と垂直に突出し、かつ前記搬送方向(T)に沿って間隔を置いて配置され、連続する板状部品(9)の各対の間には、前記棒状体(6)の束(5)の一側にある端部を収容する収容空間(10)が形成されている請求項10又は11に記載の分離装置。
【請求項13】
前記搬送方向(T)において前記供給手段(3)及び前記分離手段に続いて配置され、かつ前記保持手段(18、19)により持ち上げられた前記本体(6)を排出可能な排出手段(4)を備えている請求項10乃至12のいずれかに記載の分離装置。
【請求項14】
前記排出手段(4)には、前記搬送方向(T)に沿って傾斜すると共に、前記置かれた棒状体(6)を収容し、次に連続的に追随して限界止めに当接する傾斜面が形成されている請求項13に記載の分離装置。
【請求項15】
前記排出手段(4)には、前記置かれた棒状体(6)の端部を横方向に整列させる構造が設けられている請求項14に記載の分離装置。
【請求項16】
前記排出手段(4)は、前記排出手段(4)において衝撃を和らげられた前記棒状体(6)を把持し、かつ次の運搬又は加工ステーションへと移動可能な手段に配置されている請求項13乃至15のいずれかに記載の分離装置。
【請求項17】
前記検出手段(17)は近接センサ(27)を備えている請求項10乃至16のいずれかに記載の分離装置。
【請求項18】
前記検出手段(17)には、上方に延び、かつ前記搬送方向(T)に沿って凸状の湾曲を有するガイドランプ(28)が設けられ、前記ガイドランプにより、前記検出手段(17)は、前記搬送方向(T)に沿って移動する際、その下方に位置する前記細長い本体(6)の束(5)上にて衝撃を与えることなく移動可能である請求項10乃至17のいずれかに記載の分離装置。
【請求項19】
前記検出手段(17)は、前記第1保持手段(18)の保持フレーム(20)上に保持され、それにより、前記第1保持手段(18)と共に降下させられる請求項10乃至18のいずれかに記載の分離装置。
【請求項20】
前記検出手段(17)は、前記第1保持手段(18)の前記保持フレーム(20)から前記搬送方向(T)へと横方向に、かつ垂直に延びる保持フランジ(21)によりガイド溝(26)内にて垂直方向に沿って移動可能に支持され、前記検出手段(17)の垂直下方への移動を制限する止め具が設けられている請求項19に記載の分離装置。
【請求項21】
前記検出手段(17)は、前記第1保持手段(18)の横方向に近接して配置されている請求項20に記載の分離装置。
【請求項22】
前記第1保持手段(18)は、前記棒状体(6)を把持するための2つの把持部(23)を備えている請求項10乃至21のいずれかに記載の分離装置。
【請求項23】
前記2つの把持部(23)には、互いに離れて対向する側面上に傾斜した外面(23’)が設けられ、前記外面は下方に集束している請求項22に記載の分離装置。
【請求項24】
前記第2保持手段(19)は2つの回転可能アーム(31)を備え、前記回転可能アーム(31)の自由端には、細長い本体(6)の下部に係止するように互いに向き合い、かつ前記第2保持手段の閉状態時に端面を互いに接触させるガイドウェブ(32)が設けられている請求項10乃至23のいずれかに記載の分離装置。
【請求項25】
前記ガイドウェブ(32)は、少なくとも上面部に摩耗保護層を備えている請求項24に記載の分離装置。
【請求項26】
前記入口ガイド(15)は第3保持手段を備え、前記第3保持手段は、前記入口ガイド(15)と垂直にかつ前記入口ガイド(15)に沿って移動可能であり、前記細長い本体(6)の下部に係止する請求項10乃至25のいずれかに記載の分離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−137810(P2008−137810A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−255718(P2007−255718)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(500146945)ヴァフィオス アクチェンゲゼルシャフト (11)
【氏名又は名称原語表記】WAFIOS Aktiengesellschaft
【Fターム(参考)】