説明

椅子

【課題】傾動範囲の調節の確実性に優れるとともに、コスト増を招くことなく傾動動作に対する機械的強度や偏荷重に対する機械的強度に優れる椅子の提供。
【解決手段】回動中心からの距離を異ならせた複数の被係合部が周面に形成された2つのカム部材と、該2つのカム部材に接続され、該2つのカム部材を同期させながら回動させるリンク部材とを有し、背凭れ取り付け部材が回動する角度を規制する傾動角度調節部と、前記背凭れ取り付け部材の回動により前記カム部材における被係合部と係合可能な係合部を有する係合部材と、前記係合部と前記カム部材における被係合部とを係合させるように収縮可能であり、収縮した状態で復元する方向に付勢される長尺状の弾性部材と、を有し、前記2つのカム部材が、前記弾性部材を対称軸として並置される椅子である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背凭れ部の傾動範囲を調節する機能を備えた椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、座部とシンクロして背凭れが傾動するロッキングチェア等においては、3点リンク機構を採用した椅子が一般的に多い。
図13及び図14は、このようなリンク機構を備えた椅子の従来の構造を示す部分断面図である。
まず、図13に示すように、脚柱2の上端部に設けられた座板受け部材10と、該座板受け部材10の前方の端部に形成された孔10aに対して、第1の軸15が回動可能に遊嵌され、座板受け部材10の上方に配置される座板20の前方に設けられた端部20aが、回動可能かつ前後方向に移動可能となるように、第1の軸15に接続されている。なお、座板受け部材10は、脚柱2に固定され傾動しない部材である。
【0003】
座板受け部材10の後方の端部には、孔10bが形成され、該孔10bに第2の軸25が回動可能に挿嵌され、一端30aに背凭れ40を接続した背凭れ取り付け部材30の他端30bが、第2の軸25に軸支されている。
また、背凭れ取り付け部材30の一端30aと、他端(孔30b)との間に位置する中間部には、第3の軸35が左右方向に設置され、該第3の軸に、座板20の後方に設けられた端部20bが回動可能に連結されている。
また、背凭れ取り付け部材30の他端30bは、下方に延設されて、端部30dが形成され、側面視がいわゆるL字形状をなし、端部30dに設けられた第5の軸75には、一端50aが固定された弾性部材50の他端50bが接続されている。また、第1の軸15が嵌っている孔10aは、前後方向に長手の長孔に形成されている。
【0004】
このような構成をなす椅子1において、第2の軸25を支点にして、背凭れ40を後方に傾動(回動)させた際には、第3の軸35の後方及び下方への移動に伴って、座板20が背凭れ40の後傾動に連動して、座板20が後退しつつ後傾する。このとき、端部30dは、第2の軸25(支点)に対する作用点となって、弾性部材50に付勢するので、背凭れ40の傾動(回動)に対する付勢がなされなくなると、収縮された弾性部材50の弾性力により、第2の軸25を支点として背凭れ取り付け部材30が回動し、背凭れ40が元の位置に戻ることになる。
【0005】
一方、図14に示す構成では、図13と略同様の構成ではあるが、背凭れ取り付け部材30に端部30dが設けられておらず、一端が固定された弾性部材50は、その他端が第1の軸15に接続されている。
即ち、図13に示すリンク機構は、前記第2の軸を支点にして、前記背凭れを傾動させることによって、延設された端部30dに接続された弾性部材50が収縮し、復元力を持つことになる。一方、図14に示すリンク機構では、背凭れ40を傾動させたときに、第3の軸によって連結された座板を介して、該座板と座板受け部材とを連結する第1の軸15に弾性部材50が接続されているので、背凭れ40の傾動に伴う弾性部材50の収縮に、座板20の摺動動作が介在することとなる。
【0006】
このような椅子に対して、出願人はこれまでに、背凭れ40の傾動動作に関し、傾動範囲を確実に調節することを目的として、背凭れ取り付け部材30の傾動範囲を規制するストッパー機構を提案している(特許文献1参照)。
このストッパー機構は、図15に示すように、第4の軸65で軸支され、所定の角度で回動位置を固定可能なカム部材60と、背凭れ取り付け部材30と第5の軸75で連結される係合部71とを有してなる。該ストッパー機構においては、背凭れ取り付け部材30が、第2の軸25を支点として回動すると、弾性部材50が収縮されて係合部71がカム部材60の方向に前進してカム部材60の被係合部と係合する。この際、カム部材60は、該カム部材60の回動中心から距離が異なる3つの被係合部を有し、図中、前方向に向かって、それぞれの被係合部が係合部71の前進により係合するまでの距離を規制して、背凭れ40の傾動範囲を調節可能とする。
即ち、カム部材60と係合部71とが、カム部材60の回動中心からの距離が最も短い上段の被係合部にて係合される場合、係合部71の前進により係合するまでの距離を長くとることができる。結果、係合された状態で、背凭れ取り付け部材30の回動角度が最も大きな角度に規制され、背凭れ40の傾動範囲を大きく調節可能(例えば、0°〜18°)とする。
同様に、カム部材60と係合部71とが、カム部材60の回動中心からの距離が最も短い下段の被係合部にて係合される場合、係合された状態で、背凭れ取り付け部材30の回動角度が最も小さな角度に規制され、背凭れ40の傾動範囲を小さく調節可能(例えば、0°〜6°)とする。
同様に、カム部材60と係合部71とが、カム部材60の回動中心からの距離が中間の距離である中段の被係合部にて係合される場合、係合された状態で、背凭れ取り付け部材30の回動角度が中間の角度に規制され、背凭れ40の傾動範囲を前記大きな場合と小さな場合の各傾動範囲の中間に調節可能(例えば、0°〜12°)とする。
また、カム部材60の被係合部と係合部71との係合が外れるように、カム部材60の回動角度を大きく又は小さくとることで、ストッパーとしての作用を解除し、フリーロッキングの状態(ストッパー機構解除状態)とすることができる。
この提案によれば、背凭れ40の傾動範囲を確実に調節することができ、また、傾動範囲を所望の範囲に変更することができるので、極めて利便性の高い椅子を提供することができる。
【0007】
ところで、この提案においては、図16に示すように、座板受け部材10に対して、コイルばね設置部材51−コイルばね設置部材52間に設けられるコイルばねを一の側面側(図中、左側)に配し、カム部材60と係合部71とを有する前記ストッパー機構を他の側面側(図中、右側)に配することで、カム部材60と係合部71との係合によるストッパー機構作動状態において、背凭れ40を規制される最大の傾動範囲に傾動させるロッキングの際に生じる凭れ荷重をカム部材60で受けるようにしている。また、前記フリーロッキング時のストッパー機構解除状態において、前記背凭れ荷重をコイルばねで受けるようにしている。
しかしながら、このようなストッパー機構によると、前記凭れ荷重を座板受け部材30の片方の側面側で受けなければならないため、凭れ荷重に対する強度バランスが悪いという問題がある。
即ち、前記ストッパー機構作動状態においては、前記ストッパーが配される右側に凭れ荷重が集中し、前記ストッパー機構解除状態においては、コイルばねの復元力が作用する左側に付加荷重が集中し、左右側に偏荷重がかかることとなる。この場合、前記ロッキングをさせた際に、前記ストッパー機構作動状態と、前記ストッパー機構解除状態との各状態で、使用時の背凭れの感触が異なり、使用者に違和感を生じさせるという問題がある。
また、長期使用時、想定以上の過負荷使用時、及び使用者による誤使用等の際に、前記ストッパー機構及びその周辺機構が破損するという問題がある。なお、前記ストッパー機構解除状態における問題は、前記ストッパー機構を設けない場合においても生じる問題である。
【0008】
このような問題に関し、椅子の強度としては、従来、「JIS S 1032:オフィス用いす」の試験規格に適合した強度をひとつの目安としていたが、「消費生活用品安全法」の改正により、特定の工業製品には「設計上の標準使用期間」の表示が義務化されている。オフィス用いすには適用はされていないが、このような社会状況を見据えて業界団体の社団法人日本オフィス家具協会(JOIFA)では自主規格を作成し推奨しており、椅子の長期間使用に向けてより耐久性の高い椅子の提供を目指している。
オフィス用椅子は、前記「設計上の標準試用期間」表示義務の対象外であるものの、社団法人日本オフィス家具協会(JOIFA)では「JOIFA標準使用期間」(2009年)を定め、オフィス用椅子の標準使用期間を8年間と設定している。
したがって、これまで以上に耐久性の向上が今後の製品設計に求められつつある。
【0009】
ところで、近年、パソコンを使用するオフィス環境が圧倒的に増加しているが、パソコン使用時にマウスを持つ手の側に寄って座る傾向や比較的浅めに座る傾向が報告され、椅子に対して、偏荷重がかかる。また、長時間に亘り椅子に座ることが多く、体を捻ったり、更には積極的に椅子に座りながらストレッチ体操を行うなど、背凭れ時に捻りの動作に基づく偏荷重がかかることを考慮した強度スペックが求められる。
また、強度試験においてかける極端な偏荷重に対しては、単に部品強度を向上させても、実際の使用における耐久性を効果的に向上させることができず、疲労による部品の緩み等により異音を生じたり、更にはコスト増を招くという問題がある。
したがって、椅子の耐久性を向上させ、長期間の使用に対応するためには、強度試験スペックをクリアできる偏荷重を考慮した機構を検討する必要がある。従来の椅子においては、こうした捻り荷重に対して強度をクリアできない製品も市場に一部出回っており、このように椅子の使用方法の条件により新たに生じる問題に対して、有効な解決手段を開発する必要性が出てきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−113864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、傾動範囲の調節の確実性に優れるとともに、コスト増を招くことなく傾動動作に対する機械的強度や偏荷重に対する機械的強度に優れる椅子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 座部を載置した座板が、座板受け部材に対して前後方向に摺動可能かつ回動可能に第1の軸によって連結され、前記座板受け部材と、背凭れを保持した背凭れ取り付け部材とが第2の軸によって連結され、前記背凭れ取り付け部材と、前記座板とが第3の軸で連結されてなり、前記背凭れ取り付け部材を、前記第2の軸を支点に回動させることによって、前記背凭れを傾動可能とした椅子であって、回動中心からの距離を異ならせた複数の被係合部が周面に形成された2つのカム部材と、該2つのカム部材に接続され、該2つのカム部材を同期させながら回動させるリンク部材とを有し、前記背凭れ取り付け部材が回動する角度を規制する傾動角度調節部と、前記背凭れ取り付け部材の回動により前記カム部材における被係合部と係合可能な係合部を有する係合部材と、前記係合部と前記カム部材における被係合部とを係合させるように収縮可能であり、収縮した状態で復元する方向に付勢される長尺状の弾性部材と、を有し、前記2つのカム部材が、前記弾性部材を対称軸として並置されることを特徴とする椅子である。
<2> 係合部材が、弾性部材の一端を支持する支持部を有する前記<1>に記載の椅子である。
<3> 傾動角度調節部を軸支して2つのカム部材を同期させながら回動可能であるとともに、一端が座板受け部材から外方に突出し、前記傾動角度調節部における角度調節を外部操作可能とする第4の軸を有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の椅子である。
<4> 背凭れ取り付け部材が、背凭れを保持する側と第2の軸を介して反対側に延在される回動先端部を有し、係合部材が、前記回動先端部に挿通される第5の軸に軸支される前記<1>から<3>のいずれかに記載の椅子である。
<5> 係合部材が、第1の軸に軸支される前記<1>から<3>のいずれかに記載の椅子である。
<6> 回転椅子に用いられる前記<1>から<5>のいずれかに記載の椅子である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目標を達成することができ、傾動範囲の調節の確実性に優れるとともに、コスト増を招くことなく傾動動作に対する機械的強度や偏荷重に対する機械的強度に優れる椅子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明に係る椅子の第1の実施形態における構成を示す部分斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す椅子の要部断面図である。
【図3】図3は、傾動角度調節部を示す斜視図である。
【図4A】図4Aは、カム部材の構造を示す斜視図である。
【図4B】図4Bは、図4Aに示すカム部材の側面図である。
【図5A】図5Aは、リンク部材の構造を示す部分正面図である。
【図5B】図5Bは、図5Aに示すリンク部材の側面図である。
【図6】図6は、板ばねの構造を示す斜視図である。
【図7】図7は、傾動角度調節部と係合部材の構造を示す部分斜視図である。
【図8A】図8Aは、係合部材の構造を示す側面図である。
【図8B】図8Bは、図8Aに示す係合部材の斜視図である。
【図9】図9は、弾性部材の配置を示す要部透過図である。
【図10】図10は、本発明におけるストッパー機構の一例を示す部分分解斜視図である。
【図11A】図11Aは、本発明に係る椅子の第1の実施形態において、被係合部60a1を、係合部71に対向させて、背凭れを傾動させたときの動作を示す透過断面図である。
【図11B】図11Bは、本発明に係る椅子の第1の実施形態において、背凭れ部材40を取り付けた状態で、被係合部60a1を、係合部71に対向させて、背凭れを傾動させたときの動作を示す透過断面図である。
【図11C】図11Cは、本発明に係る椅子の第1の実施形態において、被係合部60a2を、係合部71に対向させて、背凭れを傾動させたときの動作を示す透過断面図である。
【図11D】図11Dは、本発明に係る椅子の第1の実施形態において、カム部材60と係止部71との係合を外した状態で、背凭れを傾動させたときの動作を示す透過断面図である。
【図12】図12は、本発明に係る椅子の第2の実施形態における係合部材の構造を示す要部側面である。
【図13】図13は、従来の椅子の構造を示す部分透過図である。
【図14】図14は、従来の椅子の構造を示す別の部分透過図である。
【図15】図15は、従来のストッパー機構を示す要部断面図である。
【図16】図16は、図15に示すストッパー機構を有する椅子の要部平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
本発明の椅子は、座部を載置した座板が、座板受け部材に対して前後方向に摺動可能かつ回動可能に第1の軸によって連結され、前記座板受け部材と、背凭れを保持した背凭れ取り付け部材とが第2の軸によって連結され、前記背凭れ取り付け部材と、前記座板とが第3の軸で連結されてなり、前記背凭れ取り付け部材を、前記第2の軸を支点に回動させることによって、前記背凭れを傾動可能とすることを基本構成とする。この基本構成は、従来の椅子と同様であり、前述した従来の椅子の構成を適宜適用することができる。
【0016】
本発明の椅子は、前記基本構成に対し、背凭れ取り付け部材の傾動範囲を調節するストッパー機構を配するものであり、回動中心からの距離を異ならせた複数の被係合部が周面に形成された2つのカム部材と、該2つのカム部材に接続され、該2つのカム部材を同期させながら回動させるリンク部材とを有し、前記背凭れ取り付け部材が回動する角度を規制する傾動角度調節部と、前記背凭れ取り付け部材の回動により前記カム部材における被係合部と係合可能な係合部を有する係合部材と、前記係合部と前記カム部材における被係合部とを係合させるように収縮可能であり、収縮した状態で復元する方向に付勢される長尺状の弾性部材と、を有し、前記2つのカム部材が、前記弾性部材を対称軸として並置されることとしてなる。
【0017】
本発明に係る椅子の概要を図を用いて説明する。
図1は、本発明に係る椅子の第1の実施形態における構成を示す部分斜視図であり、前記ストッパー機構を含む椅子の要部を示すものである。
該椅子の要部において、図示しない座板と座板受け部材が第1の軸15によって連結され、座板受け部材10と背凭れ取り付け部材30とが、第2の軸25によって連結され、背凭れ取り付け部材30と図示しない座板とが第3の軸35によって連結されている。
座板受け部材10は、全体略函状とされ、第1の軸15と、第2の軸25との間に傾動角度調節部61を含むストッパー機構を収容可能とされる。傾動角度調節部61のリンク部材62には第4の軸65が軸挿され、第4の軸65は、座板受け部材10の外方に突出した端部に外部操作部66が配されている。
なお、第1の軸15は、支持部11の孔部に固定された状態で挿嵌されているが、従来の椅子と同様に、楕円状の孔部11a間を摺動するようにしてもよい。
【0018】
この椅子の内部構造を図2に基づいて説明する。該図2は、図1に示す椅子の要部断面図である。該図2に示すように、傾動角度調節部61は、第4の軸65に軸支されたリンク部材62と、該リンク部材62を基端側として先端側に延設されるカム部材60とを有し、座板受け部材10において、第1の軸15と第2の軸25との間に収容されるように配されている。
背凭れ取り付け部材30は、第2の軸25に軸支され、第2の軸25を支軸として背凭れ側に延在される背凭れ保持部30cと、背凭れ保持部30cと反対側に延在される回動先端部30dを有し、側面視略L字状の部材としてなる。ただし、この背凭れ取り付け部材30は、本発明の一実施形態に係り、後述する回動先端部30dを有しない構成としてもよい。
背凭れ取り付け部材30は、回動先端部30dに挿通され、係合部71を支持可能な第5の軸75を有する。この第5の軸75は、係合部71を支持可能な部材であれば、特に制限はなく、係合部71の形状に応じて公知の支持部材を適用することができる。また、第5の軸75は、両端が座板受け部材10の内部に収容され、第2の軸を支軸とした背凭れ取り付け部材の回動に対して遊動可能とされる。
以下、各部について詳細に説明する。
【0019】
<傾動角度調節部>
図3に示すように、傾動角度調節部61は、リンク部材62と、該リンク部材を基端側として先端側に延設される2つのカム部材60で構成される。
【0020】
−リンク部材−
リンク部材62は、筒状の胴部を有してなり、該胴部に第4の軸65に軸挿されることにより第4の軸65の回転に応じて回動可能とされている。例えば、リンク部材62は、第4の軸65に外挿された状態で、リンク部材62と第4の軸65に穿設されたピン孔にピンが挿入され(不図示)、第4の軸65の回転と連動して回動される(図3参照)。
リンク部材62には、板状のアーム部材62aが垂設される。2つのカム部材60のそれぞれは、板状の連結部材62bを介して、アーム部材62aと連結される。また、2つのカム部材60のそれぞれは、略中心位置に穿設される孔部に挿入されるシャフト64により、座板受け部材10に対して回動可能に支持される。例えば、座板受け部材10と連結して収容される基体100とカム部材60に対してシャフト64を挿通することで、カム部材60が座板受け部材10に支持される(図10参照)。
また、連結部材62bは、軸部材63aにより、リンク部材62から垂設されるアーム部材62aの先端側と一端が連結されるとともに、軸部材63bにより、他端がカム部材60の被係合部60aが形成される側と反対の端部側(基端側)と連結される。
【0021】
リンク部材62としては、第4の軸65に外挿される胴部を中心として、左右対称に2つのアーム部材62aが垂設されることが好ましい。また、リンク部材62におけるアーム部材62aが垂設される位置としては、胴部の両端部側であることが好ましい。この場合、2つのアーム部材62aの間の位置に弾性部材50を跨ぐようにリンク部材62を配することができ、ストッパー機構を小型化することができる。
なお、前記リンク部材としては、カム部材60が直接配される場合には、前記胴部そのものであってもよいし、アーム部材62a、連結部材62bを配する場合には、これらを含めた部材をリンク部材とする。ここでは、便宜上、第4の軸65に外挿される胴部をリンク部材62としている。
【0022】
−カム部材−
カム部材60は、一端側がリンク部材62に連結されるとともに、他端側に被係合部を有してなり、シャフト64等の軸部材を支軸として回動可能とされる。図4A及び図4Bにカム部材60の一例を示す。
カム部材60は板状の部材としてなり、図4Bに示す回動中心Cからの距離を異ならせた複数の被係合部60aが周面に形成されてなる。即ち、回動中心Cからの距離をLとして、回動中心Cから離れた位置に形成される被係合部60aと、回動中心Cからの距離をLとして、回動中心Cから近い位置に形成される被係合部60aとが形成される。
ここで、被係合部60aは、係合部71と係合するものであり、その形状としては、係合部71の形状に応じて適宜選択することができ、例えば、係合部71を側面視凸状の形状とする場合には、被係合部60aを側面視凹状の形状とすることができ、また、係合部71を側面視凹状の形状とする場合には、被係合部60aを側面視凸状の形状として、両部材が係合するようにしてもよい。
また、カム部材として、被係合部60a、60aの2つの被係合部を有するカム部材60を説明したが、前記カム部材における被係合部の数としては、目的に応じて適宜選択することができ、2つでも3つでも、それ以上でもよい。
【0023】
−傾動角度調節部の角度調節−
リンク部材62の胴部には、図5A及び図5Bに示すように、更にリンク部材62の回動位置を設定するための位置決め部80が外挿された状態で固定される。
位置決め部80は、外表面に複数の係合溝81を有する。係合溝81は、例えば、基体100等を介して座板受け部材10に支持される板ばね90に形成される係合突起91と係合し、リンク部材62の回動位置を位置決めする(図10参照)。
位置決め部80は、係合溝81の部分が第4の軸65の回転により係合突起91との係合位置を変更するのに必要な可撓性を有し、例えば、樹脂性の部材から形成されることが好ましい。
【0024】
板ばね90は、例えば、図6に示すように、ねじ孔93を通じて座板受け部材10又は基体100にねじ止めされる板ばね本体と、該板ばね本体から延設され位置決め部80の外表面に嵌合可能な湾曲部92を有し、該湾曲部92の嵌合面に係合突起91を有する。
この板ばね90は、第4の軸65の回転に基づき、位置決め部80が回転されると、位置決め部80の一の係合溝81と係合突起91とが係合した状態から係合が外れ、一の係合溝81と隣接する係合溝81に対して係合突起91が再び係合するように起伏する。
なお、係合溝81と係合突起91とを係合させる構成は、一例であり、前記位置決め部と前記板ばねとが係合するものであれば、特に制限はなく、例えば、板ばねの方に係合溝を形成して係合させてもよい。
【0025】
位置決め部80の回転は、外部操作部66の操作を通じて行われる(図1参照)。
外部操作部66の操作により、第4の軸65が回転すると、これに対応してリンク部材62とともに位置決め部80が回動し、その回動位置が、位置決め部80と板ばね90との係合により位置決めされる。
このとき、リンク部材62に接続される2つのカム部材60が同期して回動され、カム部材60の複数の被係合部60aが、係合部71に対して選択的に対向するように位置を調節される。
即ち、傾動角度調節部材61は、第4の軸65の回転に応じてリンク部材62が回動すると、アーム部材62aの先端側が周回するように変位し、この変位量に応じて連結部材62bを牽引ないし押進させ、シャフト64を支軸とするカム部材60の回動を調節することが可能となる(図7参照)。
【0026】
なお、リンク部材62としては、第4の軸65の回転に応じて、2つのカム部材60を同期させながら回動するものであれば、特に制限はなく、例えば、リンク部材62に対して、カム部材60を直接配してもよい。
ただし、傾動動作時に受ける凭れ荷重に対して強度スペックをクリアできる椅子を提供する観点から、カム部材60は、リンク部材62に直接支持されることなく、シャフト64等を介して、座板受け部材10により支持されることが好ましく、この場合、リンク部材62の回動に基づき、2つのカム部材60を同期させて回動させる簡易な構造として、前述のアーム部材62aと連結部材62bとを用いたリンク機構を採用することが好ましい。
【0027】
<係合部材>
係合部材70は、図8A及び図8Bに示すように、背凭れ取り付け部材30の回動により2つのカム部材60と係合可能な2つの係合部71を有する。
係合部材70としては、カム部材60と係合可能な係合部71を有するものであれば、特に制限はないが、例えば、図7に示すように、2つの係合部71の間に、弾性部材50の一端を支持する支持部51を有することが好ましい。このような構成によれば、係合部材と、弾性部材とを別部材として構成する必要がなく、部品点数を抑えることができるとともに、別部材として構成する場合よりも機械的強度を向上させることができる。
また、係合部71の形状としては、カム部材60と係合可能であればよく、カム部材60の形状に応じて適宜選択することができる。
本実施形態においては、係合部材70が背凭れ取り付け部材30側に配され、回動先端部35dに挿通される第5の軸75に軸支されている。
回動先端部35dは、背凭れ40の傾動により背凭れ取り付け部材30が回動されると、弾性部材50の復元力に抗して係合部材70をカム部材60の方向へ押進させる。
なお、係合部材70の配置としては、2つのカム部材60と対向して配されていればよく、後述する第2の実施形態のように、第1の軸15側に配されていてもよい。
【0028】
<弾性部材>
弾性部材50としては、係合部材70における係合部71と、カム部材60における被係合部60aとを係合させるように収縮可能であり、収縮した状態で復元する方向に付勢される長尺状の部材としてなる。
弾性部材50としては、このような部材であれば特に制限はなく、圧縮コイルばね等の公知のコイルばねを適用することができる。
この弾性部材50は、図9に示すように、第1の軸15と第2の軸25との間において、座板受け部材10に収容させるように配される。本実施形態においては、背凭れ取り付け部材30側に配される支持部材71に配されるコイルばね設置部材51と、第1の軸15側に配されるコイルばね設置部材52とで弾性部材50の各端部を支持するようにしている。
【0029】
ここで長尺状の弾性部材50は、その長手方向が、第1の軸15と第2の軸25とを最短距離で結ぶ線と並行となるように配されることが好ましく、この場合、安定的な傾動動作が可能となる。
この弾性部材50の配置に関し、2つのカム部材60が弾性部材50を対称軸として並置されることが肝要である。このような2つのカム部材60の弾性部材50に対する対称配置に基づき、傾動範囲の調節の確実性に優れるとともに、コスト増を招くことなく傾動動作に対する機械的強度に優れる椅子を提供することが可能となる。
【0030】
<ユニット化>
傾動角度調節部61は、図1、10に示すように、座板受け部材10に対して取り外し可能に収容される基体100に対して設けることで、ユニット化されることが好ましい。
このユニットにおいては、位置決め部80が外挿され、連結部材62bを介して2つのカム部材60と接続されたリンク部材62に対して、基体100の側方から第4の軸65を軸挿し、また、カム部材60に対して、基体100の側方からシャフト64を挿嵌して、基体100に傾動角度調節部61を配設する。リンク部材62と第4の軸65とは、ピン67を挿嵌して固定される。
次いで、基体100の上方から位置決め部80に対して湾曲部92が嵌合するように板ばね90を配設する。
このように構成されたユニットは、基体100を座板受け部材10から簡便に着脱可能とされるため、取り扱いが簡易であり、構成部品に破損が生じても容易に修理・交換を行うことができる。
【0031】
<傾動動作>
このようにしてなる本実施形態に係る椅子の傾動動作について、図を用いて説明する。
【0032】
図11A及び図11Bは、本発明に係る椅子の第1の実施形態において、被係合部60aを、係合部71に対向させて、背凭れを傾動させたときの動作を示す透過断面図である。
第4の軸65を回動させて、係合部71に対向する被係合部60aを、被係合部60aに選択した場合、背凭れ40(図11B及び図13参照)の傾動動作に基づき、背凭れ取り付け部材30を後方に傾動させることによって、第2の軸25を支点として回動先端部30dが前方に押進され、回動先端部30dに配される第5の軸75に支持される係合部71がカム部材60の被係合部60aに突き当たる。このとき、弾性部材50が収縮する距離は、係合部71と被係合部60aとの距離に依存する。係合部71がカム部材60の被係合部60aに突き当たると、回動先端部30dの押進が規制されるため、背凭れ40の傾動がストップされる。一方、背凭れ40に対する傾動動作を止め、傾動に伴う凭れ荷重が背凭れ40にかからないようにすると、弾性部材50(図9参照)の復元力により、背凭れ取り付け部材30及び背凭れ40(図13参照)が傾動動作前の初期の位置に戻る。
したがって、係合部71に対向する被係合部60aを被係合部60aに選択したとき、係合部71がカム部材60の被係合部60aに突き当たる位置における背凭れ取り付け部材30の傾動角を、例えば、座板受け部材10の底部に対して4°とし、また、初期位置における前記傾動角を0°とすると、0°〜4°の間で傾動範囲が調節されることとなる。
【0033】
図11Cは、本発明に係る椅子の第1の実施形態において、被係合部60aを、係合部71に対向させて、背凭れを傾動させたときの動作を示す透過断面図である。
この場合の傾動動作は、係合部71に対向する被係合部60aを被係合部60aに選択したときと同様に行われるが、背凭れ40の傾動動作に基づく、弾性部材50が収縮する距離は、係合部71が被係合部60aに選択的に係合することとされるため、係合部71と被係合部60aとの距離に依存する。
したがって、係合部71に対向する被係合部60aを被係合部60aに選択したとき、係合部71がカム部材60の被係合部60aに突き当たる位置における背凭れ取り付け部材30の傾動角を、例えば、座板受け部材10の底部に対して12°とし、また、初期位置における前記傾動角を0°とすると、0°〜12°の間で傾動範囲が調節されることとなる。
【0034】
図11Dは、本発明に係る椅子の第1の実施形態において、カム部材60と係止部71との係合を外した状態で、背凭れを傾動させたときの動作を示す透過断面図である。
この場合の傾動動作は、係合部71に対向する被係合部60a(60a及び60a)を被係合部60a(又は被係合部60a)に選択したときと同様に行われるが、座受け部材10の後部弾性体101で背凭れ取付け部材30が規制される。
背凭れ40の傾動動作に基づく、弾性部材50が収縮する距離は、カム部材60と係止部71との係合が外されるため、弾性部材50自身の収縮限界の距離に依存する。
したがって、カム部材60と係止部71との係合を外したとき、座受け部材10の後部弾性体101と背凭れ取り付け部材30の傾動角を、例えば、座板受け部材10の底部に対して18°とし、また、初期位置における前記傾動角を0°とすると、0°〜18°の間で傾動範囲が調節されることとなる。
【0035】
このような傾動動作において、係合部71がカム部材60の被係合部60a(被係合部60a、60a)に突き当たる際、カム部材60に対して傾動動作に伴う凭れ荷重がかかる。この凭れ荷重は、通常、傾動角が大きくなるとともに増加し、また、使用者が背凭れ40に体を預けるように腰掛けると大きくなる。
したがって、カム部材60を用いるストッパー機構においては、凭れ荷重に対する十分な機械的強度を有する必要があり、更に長期間の使用に耐えるこが可能な機械的強度が求められる。
この点に関し、本発明の椅子は、2つのカム部材60が弾性部材50を対称軸として並置されるため、従来知られている、1つのカム部材に1つの弾性部材を配するストッパー機構、及び1つのカム部材に対して2つの弾性部材を配するストッパー機構よりも高い機械的強度を有し、また、使用者の腰掛け方等により、背凭れ40に対して偏荷重を伴う凭れ荷重がかかる場合であっても、2つのカム部材60のそれぞれが、バランスよく偏荷重を支えることができるため、十分な機械的強度を得ることができる。
【0036】
この第1の実施形態に係る椅子に対して、下記の強度試験を行った。この強度試験は、従来から行われている椅子の強度試験と異なり、背凭れ40に偏荷重を加えたときの強度を検討するものであり、従来の強度試験に対して、より高い耐久性を求めるものである。
先ず、背凭れ40の傾動動作を実施するため、背凭れ40の腰掛ける側の面から押圧する押圧シリンダーを設置する。押圧シリンダーは2本設置することとし、それぞれ背凭れ40の腰掛ける側の面において、左上側の面と右上側の面を押圧するようにする。また、押圧シリンダーの押圧により椅子が転動しないように、座板受け部材10を支持する脚柱を固定部材に固定する。
この状態で、前記2本のシリンダーを交互に押圧動作させ、それぞれ背凭れ40の腰掛ける側の面を押圧力350N(35.7kgf)で後方へ押すようにし、これを1サイクルとして10万サイクル繰り返して、異常の有無を調べた。
前記2本のシリンダーの押圧動作は、1分間当たり6回(右6回、左6回)とした。
その結果、第1の実施形態に係る椅子は、偏荷重を伴う凭れ荷重を含め、凭れ荷重に対する優れた耐久性を示し、10万サイクル繰り返し後においても、異常が確認されなかった。したがって、本発明によれば、極めて機械的強度に優れる椅子を提供できることが確認された。
【0037】
(第2の実施形態)
図12に示すように、本実施形態の構成は、図2に示した第1の実施形態の構成に対して、背凭れ取り付け部材30に回動先端部30dが設けられておらず、その結果として、係合部材71を軸支する第5の軸75が存在せず、代わって係合部71が第1の軸15に軸支されている点で異なる。即ち、本実施形態の構成は、前述の第1の実施形態における第5の軸75の機能を第1の軸15が兼ねる構成である。
【0038】
本実施形態では、このような構成を採用することによって、第1の実施形態における利点を有しつつ、回動先端部30d、第5の軸75等の部材を必要とせず、部品点数を減らしてコストを低減させることができる。また、座板受け部材10の上下方向の厚みを薄くすることができ、座板受け部材10の薄さが求められる椅子、例えば、座板受け部材10の下方に設置される脚柱2の高さを調節する範囲を拡げた椅子を好適に提供することができる。
なお、これ以外は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。なお、既述と同符号のものは既述したとおりである。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の椅子は、簡単な構造で、傾動範囲を容易にかつ確実に調節でき、かつ機械的強度に優れるため、なだれ動作を伴う、事務用椅子、オフィス用椅子、家庭用椅子等の回転椅子、サイドチェア、ロッキングチェア、リクライニングチェアなどの各種椅子に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0040】
1 椅子
10 座板受け部材
10a 孔
10b 孔
15 第1の軸
20 座板
20a 座板の一端
20b 座板の他端
25 第2の軸
30 背凭れ取付け部材
30a 背凭れ取付け部材の一端
30b 背凭れ取付け部材の他端
30c 背凭れ保持部
30d 回動先端部
35 第3の軸
40 背凭れ
50 弾性体(コイルばね)
51 コイルばね設置部材
52 コイルばね設置部材
60 カム部材
60a 被係合部
61 傾動角度調節部
62a アーム部材
62b 連結部材
63a 軸部材
63b 軸部材
64 シャフト
65 第4の軸
66 外部操作部
70 係合部材
71 係合部
75 第5の軸
80 位置決め部
81 係合溝
90 板ばね
91 係合突起
92 湾曲部
93 ねじ孔
100 基体
101 後部弾性体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部を載置した座板が、座板受け部材に対して前後方向に摺動可能かつ回動可能に第1の軸によって連結され、前記座板受け部材と、背凭れを保持した背凭れ取り付け部材とが第2の軸によって連結され、前記背凭れ取り付け部材と、前記座板とが第3の軸で連結されてなり、前記背凭れ取り付け部材を、前記第2の軸を支点に回動させることによって、前記背凭れを傾動可能とした椅子であって、
回動中心からの距離を異ならせた複数の被係合部が周面に形成された2つのカム部材と、該2つのカム部材に接続され、該2つのカム部材を同期させながら回動させるリンク部材とを有し、前記背凭れ取り付け部材が回動する角度を規制する傾動角度調節部と、
前記背凭れ取り付け部材の回動により前記カム部材における被係合部と係合可能な係合部を有する係合部材と、
前記係合部と前記カム部材における被係合部とを係合させるように収縮可能であり、収縮した状態で復元する方向に付勢される長尺状の弾性部材と、を有し、
前記2つのカム部材が、前記弾性部材を対称軸として並置されることを特徴とする椅子。
【請求項2】
係合部材が、弾性部材の一端を支持する支持部を有する請求項1に記載の椅子。
【請求項3】
傾動角度調節部を軸支して2つのカム部材を同期させながら回動可能であるとともに、一端が座板受け部材から外方に突出し、前記傾動角度調節部における角度調節を外部操作可能とする第4の軸を有する請求項1から2のいずれかに記載の椅子。
【請求項4】
背凭れ取り付け部材が、背凭れを保持する側と第2の軸を介して反対側に延在される回動先端部を有し、係合部材が、前記回動先端部に挿通される第5の軸に軸支される請求項1から3のいずれかに記載の椅子。
【請求項5】
係合部材が、第1の軸に軸支される請求項1から3のいずれかに記載の椅子。

【図3】
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【図7】
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【図1】
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【図2】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−183108(P2011−183108A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−54557(P2010−54557)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(591130803)株式会社東洋工芸 (15)
【Fターム(参考)】