説明

業務データ処理装置及びプログラム

【課題】複数の拠点(支社・支店)を有した運用規模が大きい場合に、業務データ処理の排他制御を行う場合であっても、業務データ処理が滞ることなく運用できる技術を提供する。
【解決手段】データ処理装置1は、受け付けられた業務IDに基づいて業務形態テーブル21を索引して業務形態区分を取得し、業務IDに伴って受け付けられた拠点コードに基づいて、排他制御テーブル23を索引して排他制御情報を取得し、索引された業務形態区分毎に、索引された排他制御情報に基づいた排他制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務データ処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、人事データや経理データ等の業務データを処理する業務データ処理装置が企業の人事部、経理部などで活用されている。例えば、上記業務データ処理装置は、人事に関する辞令の作成、見積書の作成や給与明細書の作成などに活用されている。
【0003】
業務データ処理装置において、各端末装置からの指示に基づいて上述した業務データを処理する際には排他制御が行われる場合がある。この業務データ処理装置における排他制御については、各種業務間の同時実行に関するものと、同一の取引データにおけるものなどがある。例えば、各種業務間の同時実行に関する排他制御としては、売上データを整理する業務処理を実行中の場合、売上伝票入力に関する業務処理などを実行不可とするものなどがある。また、同一の取引データにおける排他制御としては、元帳を印刷する業務処理中に同一得意先に対する元帳印刷を実行不可とするものなどがある。
【0004】
上述した業務データ処理装置において、各端末装置からの指示に基づいた業務処理の排他制御を実施する有用な技術としては、例えば特許文献1などがある。特許文献1では、複数オペレーション間で排他制御を行う技術が開示されている。
【特許文献1】特開2002−215443号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術は、業務データ処理装置の運用規模として端末装置が数台程度での運用を想定している。例えば、経理部門や営業部門などの各部門で実行する業務処理が異なり、各部門で数台分の端末装置があれば十分である場合は、業務データ処理装置は部門ごとに設けて運用すればよい。上述した運用規模では、従来技術における排他制御を行う上で問題となるケースが発生することがなかった。
【0006】
しかしながら、企業形態によっては、複数の拠点(支社・支店)を有し、各拠点の各々において経理部門、営業部門を有するなど、業務データ処理装置の運用規模が大きくなる場合がある。業務データ処理装置の運用規模が大きい場合は、拠点間において各種業務間の同時処理が多く発生し、業務処理を同時実行できないことが多々発生する。または、拠点間において同一得意先に対する伝票発行などに排他制御による制限があるため、伝票発行が滞るなどのケースがある。
【0007】
本発明の課題は、複数の拠点(支社・支店)を有し、各拠点の各々において経理部門、営業部門を有するなどの運用規模が大きい場合に業務データ処理の排他制御を行う場合であっても、業務データ処理が滞ることなく運用できる業務データ処理装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、業務データ処理を識別する業務識別情報ごとに、当該業務データ処理の業務形態区分に関する業務形態情報を記憶する第1記憶手段と、
組織の拠点ごとに、業務データ処理の排他制御に関する排他制御情報を記憶する第2記憶手段と、
開始すべき業務データ処理に関する業務識別情報、及び、当該業務データ処理を指示する拠点を示す拠点情報の入力を受け付ける業務受付手段と、
前記業務受付手段により受け付けられた業務識別情報に基づいて、前記第1記憶手段に記憶された業務形態情報を索引し、前記開始すべき業務データ処理の業務形態区分を取得する取得手段と、
前記業務受付手段により受け付けられた拠点情報に基づいて、前記第2記憶手段に記憶された排他制御情報を索引し、前記取得手段により取得された業務形態区分毎に、前記索引結果に基づいて前記開始すべき業務データ処理の実行の可否を判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて前記業務受付手段により受け付けられた業務データ処理の実行を制御する制御手段と、
を備える。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御手段は、前記判定手段による実行の可否に基づいて、前記第2記憶手段に記憶された排他制御情報を更新するように制御する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記業務識別情報ごと、且つ、前記拠点ごとに、当該業務識別情報に関する業務データ処理の実行の可否を示す設定情報を記憶する第3記憶手段を備え、
前記判定手段は、前記業務受付手段により受け付けられた業務識別情報、及び、前記業務受付手段により受け付けられた拠点情報に基づいて、前記第3記憶手段に記憶された設定情報を索引し、当該索引結果に基づいて前記開始すべき業務データ処理の実行の可否を判定する。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記設定情報は、前記業務識別情報に関する業務データ処理の実行を許可するユーザ情報、及び、当該ユーザのパスワード情報を含み、
前記業務受付手段は、前記入力を受け付ける際に業務データ処理の開始を指示するユーザ情報及びパスワード情報を受け付け、
前記判定手段は、前記業務受付手段により受け付けられたユーザ情報及びパスワード情報と、前記第3記憶手段に記憶された設定情報に含まれるユーザ情報及びパスワード情報と、の照合結果に基づいて、前記開始すべき業務データ処理の実行の可否を判定する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明において、少なくとも業務識別情報、当該業務識別情報が示す業務データ処理の業務形態区分の入力を受け付け、前記第1記憶手段に記憶する業務形態情報を設定する第1設定手段を更に備える。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項3又は4に記載の発明において、少なくとも業務識別情報、当該業務識別情報が示す業務データ処理の実行を許可する拠点に関する拠点情報の入力を受け付け、前記第3記憶手段に記憶する設定情報を設定する第2設定手段を更に備える。
【0014】
請求項7に記載の発明は、業務データ処理を識別する業務識別情報ごとに、当該業務データ処理の業務形態区分に関する業務形態情報を記憶する第1記憶手段、組織の拠点ごとに、業務データ処理の排他制御に関する排他制御情報を記憶する第2記憶手段を備えた業務データ処理装置のコンピュータを、
開始すべき業務データ処理に関する業務識別情報、及び、当該業務データ処理を指示する拠点を示す拠点情報の入力を受け付ける業務受付手段、
前記業務受付手段により受け付けられた業務識別情報に基づいて、前記第1記憶手段に記憶された業務形態情報を索引し、前記開始すべき業務データ処理の業務形態区分を取得する取得手段、
前記業務受付手段により受け付けられた拠点情報に基づいて、前記第2記憶手段に記憶された排他制御情報を索引し、前記取得手段により取得された業務形態区分毎に、前記索引結果に基づいて前記開始すべき業務データ処理の実行の可否を判定する判定手段、
前記判定手段による判定結果に基づいて前記業務受付手段により受け付けられた業務データ処理の実行を制御する制御手段、
として機能させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、業務データ処理装置において、排他制御を行う際に運用規模が大きい場合であっても、業務データ処理が滞ることなく運用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明するが、この発明の範囲は以下の実施の形態に限定されない。
【0017】
先ず、本実施の形態に係るデータ処理装置を含むデータ処理システムの構成について、図1を参照して説明する。図1は、データ処理システム100の構成を示す概念図である。
【0018】
図1に示すように、データ処理システム100は、データ処理装置1、サーバ装置2、端末装置31、32、33…を有する構成である。このデータ処理システム100の各装置は、通信ネットワークNにより互いに通信可能に接続される。具体的には、通信ネットワークNは、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、電気通信事業者等の電話回線網や携帯電話通信網などである。また、この通信ネットワークNにより、企業における各部署間、各部門間又は各拠点間では、互いにデータ通信可能となっている。
【0019】
データ処理装置1は、端末装置31、32、33…から入力される指示に基づいて人事データや経理データ等の業務データを処理する情報機器である。詳細は後述するが、データ処理装置1は、WS(Work Station)やPC(Personal Computer)などが適用できる。
【0020】
サーバ装置2は、業務形態テーブル21、拠点設定テーブル22、排他制御テーブル23などのデータをデータ処理装置1から読み出し又は書込可能に記憶する。サーバ装置2は、HDD(Hard Disk Drive)や半導体メモリなどのストレージを備えたWSやPCなどが適用できる。例えば、サーバ装置2が記憶する上記データはユニークなキー値などにより互いに関連付けられたデータベースであり、サーバ装置2は、SQL(Structured Query Language)などによるデータ処理装置1からの指示に基づいて、上記データベースにおけるデータの参照、登録、更新などの処理を行い、その処理結果をデータ処理装置1へ出力する。
【0021】
端末装置31、端末装置32、33…は、人事データや経理データ等の業務データの処理をデータ処理装置1へ指示する。具体的には、端末装置31、端末装置32、33…は、WSやPCなどの情報機器であり、企業における各部署、各部門又は各拠点に配置されている。
【0022】
次に、データ処理装置の詳細について、図2を参照して説明する。図2は、データ処理装置1の機能的構成を模式的に示すブロック図である。
【0023】
図2に示すように、データ処理装置1は、CPU11、RAM12、記憶装置13、表示装置14、入力装置15、通信装置16を有する。上記データ処理装置1の各部はバス17により電気的に接続されている。
【0024】
CPU11(Central Processing Unit)は、データ処理装置1の動作を中央制御する。具体的には、CPU11は、RAM12(Random Access Memory)の作業領域に展開されたROM(Read Only Memory(特に図示せず))や記憶装置13に記憶されたプログラムデータとCPUとの協働により各部を統括制御する。
【0025】
記憶装置13は、プログラムデータや各種設定データ等のデータをCPU11から読み書き可能に記憶する。例えば、記憶装置13は、HDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリなどであってよい。
【0026】
表示装置14は、CPU11から出力された表示制御信号に基づいた画像を表示画面に表示する。例えば、表示装置14は、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)などであってよい。
【0027】
入力装置15は、ユーザからの操作入力を受け付け、当該操作に応じた操作信号をCPU11へ出力する。例えば、入力装置15は、文字入力キー、数字入力キー、その他各種機能に対応付けられたキーを備えたキーボード、マウス等のポインティングデバイスなどであってよい。
【0028】
通信装置16は、CPU11の制御の下、所定の通信プロトコルを用いて通信ネットワークNを介したデータ通信を行う。具体的には、通信装置16は、通信用IC(Integrated Circuit)と通信コネクタなどを有する通信インターフェイスである。データ処理装置1では、通信装置16のデータ通信により、人事データや経理データ等の業務データの処理に関する指示を端末装置31、32、33…から受け付ける。
【0029】
次に、サーバ装置2が記憶する業務形態テーブル21、拠点設定テーブル22、排他制御テーブル23のデータ構成について、図3〜図9を参照して説明する。
【0030】
図3は、業務形態テーブル21のデータ構成を例示する概念図である。図4は、業務形態テーブル21の登録データを例示する概念図である。図5は、拠点設定テーブル22のデータ構成を例示する概念図である。図6は、拠点設定テーブル22の登録データを例示する概念図である。図7は、企業の組織と拠点コードとの関係を例示する組織図である。図8は、排他制御テーブル23のデータ構成を例示する概念図である。図9は、サブシステムIDの例を列挙した概念図である。
【0031】
図3に示すように、業務形態テーブル21は、業務を識別するユニークな値である業務ID(業務ごとに用意された業務プログラムを示すプログラムIDであってよい)ごとに、業務の名称、業務形態の区分に関する情報を格納する。
【0032】
ここでいう業務とは、売上伝票入力、元帳印刷、売上管理情報集計など、業務ごとに用意された業務プログラムによりデータ処理装置1で処理可能な業務処理である。
【0033】
また、業務形態の区分とは、上記業務の内容での分類を示す、区分毎に割り当てられた数値などのデータである。業務内容の分類としては、伝票入力に関する伝票入力型、元帳の登録や更新などに関する元帳型、複数の業務データを一括して更新する一括更新型、他の処理を排他してデータ更新を行う排他更新型、データをバックアップして締め処理を行う締処理1型、データをバックアップせずに締め処理を行う締処理2型、排他制御の対象外となる業務処理である排他制御対象外などがある。上述した分類を区分するために、伝票入力型には「1」の数値が、元帳型には「2」の数値が、一括更新型には「3」の数値が、排他更新型には「4」の数値が、締処理1型には「5」の数値が、締処理2型には「6」の数値が、排他対象外には「7」の数値が予め割り当てられている。
【0034】
図4に示すように、例えば業務形態テーブル21には、「H110001010101I」である業務IDについて、当該業務IDが示す業務の名称である「売上伝票入力」と、業務形態区分が伝票入力型として予め割り当てられた「1」が格納されている。
【0035】
図5に示すように、拠点設定テーブル22は、業務IDごと且つ企業の各部門を示す拠点コードごとに、担当者コード、起動区分、パスワードなどの情報を格納する。担当者コードは、業務を実行可能な担当者を示すユニークなデータである。起動区分は、業務IDが示す業務処理の実行の可否を数値などで示すデータである。例えば、実行を許可する場合(起動可能)は「1」の数値が、実行を許可しない場合(起動不可)は「2」の数値が格納されている。パスワードは、正当なユーザからの指示であるかを確認するため、予め設定された照合用のデータであり、実行を許可する場合であって、正当なユーザからの指示であるかを確認する際に参照される。
【0036】
また、拠点設定テーブル22では、担当者コードとパスワードは業務ごとに任意に設定されている。担当者コードとパスワードにおいて、空データ(NULL)を設定した場合は、全ての担当者の扱いで、パスワードを要求しない扱いとなる。
【0037】
図6に示すように、例えば拠点設定テーブル22には、業務IDが「H110002020202I」であり、拠点コードが本部を示す「0000000000」であるレコードについて、当該業務IDが示す業務の実行を許可する起動区分である「1」が格納されており、担当者コードやパスワードは設定されていない。従って、上記レコードは、本部のユーザであれば誰であっても業務IDが示す業務を実行可能である設定となる。
【0038】
また、業務IDが「H110001010101I」、拠点コードが東日本を示す「0100000000」であるレコードであり、実行を許可するものについては、井上や吉田を示す担当者コードや、パスワードが設定されている。また、上記レコードの実行を許可しないものとしては、担当者コードやパスワードは設定されていない。従って、上記レコードは、東日本の井上又は吉田であり、正規のパスワードが行われた場合にのみ業務を実行可能である設定となる。
【0039】
なお、上述した拠点コードは、部門を識別可能に割り当てられたユニークな値である。この拠点コードの割り当ては、組織図に従うものであり、組織図上の部門の配置位置を示すコードであってよい。
【0040】
具体的には、図7に示すように、拠点コードの上位1、2桁に組織図の第1層(最上位層)、拠点コードの上位3、4桁に組織図の第2層、拠点コードの上位5、6桁に組織図の第3層、拠点コードの上位7、8桁に組織図の第4層、拠点コードの上位9、10桁に組織図の第5層(最下位層)が割り当てられ、組織図上の部門の階層位置や従属関係を拠点コードで示すものであってよい。また、全社や本部などの拠点については、「0000000000」や「9999999999」などの予約コードを割り当ててもよい。
【0041】
上述したように、拠点コードが組織図上の部門の配置位置を示すコードである場合は、上位の階層の拠点が指定された際に、その拠点に従属する拠点も含めた指定とすることができる。例えば、拠点コードの上位1〜6桁で東日本営業部、東京支社、第一営業部を指定し、以下を「0」などで無指定とした場合は、第一営業部に従属する各部署(営業一課(一係、二係)、営業二課)を含めた指定とすることができる。
【0042】
図8に示すように、排他制御テーブル23は、拠点コードごと且つサブシステムIDごとに、業務データ処理の排他制御に関する排他制御情報である、入力起動数、元帳起動数、締処理起動区分、抽出起動区分、一括起動区分、排他起動区分を格納する。
【0043】
図9に示すように、サブシステムIDは、前述した業務IDの上位桁(例えばプログラム識別子の先頭6バイトなど)を示すコードである。また、サブシステムIDは、データ処理システム100内の機器において予め共通するテーブルデータなどにより設定されたコードであってもよい。
【0044】
また、サブシステムIDでは、前述した拠点コードと同様、基本システムに関する処理と、その基本システムに従属するサブシステムの処理との間の従属関係がコードの桁で示されるコードであってよい。例えば、サブシステムIDが「H12000」である「仕入買掛管理システムサブシステム」について、従属する「発注管理サブシステム」のサブシステムIDは、上位の3桁が共通する「H12010」などのコードとしてもよい。この場合は、個々のサブシステム単位だけでなく、従属関係のある一連のサブシステム単位での排他制御情報が設定可能となる。
【0045】
入力起動数は、排他制御に関する情報として、排他制御対象となる入力系(伝票入力型)業務の起動数を格納する。元帳起動数は、排他制御に関する情報として、排他制御対象となる元帳系(元帳型)業務の起動数を格納する。締処理起動区分は、排他制御に関する情報として、排他制御対象となる締処理型業務が起動されているか否かを示す情報を格納する。抽出起動区分は、排他制御に関する情報として、排他制御対象となる抽出更新型業務が起動されているか否かを示す情報を格納する。一括起動区分は、排他制御に関する情報として、排他制御対象となる一括更新型業務が起動されているか否かを示す情報を格納する。排他起動区分は、排他制御に関する情報として、排他制御対象となる排他更新型業務が起動されているか否かを示す情報を格納する。
【0046】
上述したとおり、排他制御テーブル23では、拠点別且つサブシステム別に排他制御情報を格納している。従って、拠点単位且つサブシステム単位で排他制御情報を取得することが可能となる。
【0047】
次に、データ処理装置1のCPU11がプログラムデータとの協働により実行するチェック処理について、図10を参照して説明する。図10は、データ処理装置1におけるチェック処理を例示するフローチャートである。
【0048】
チェック処理は、各種業務処理の開始指示を端末装置31、32、33…から受け付けた時に実行される処理である。なお、端末装置31、32、33…からの開始指示には、データ処理装置1で開始すべき業務を示す業務ID、自端末が所属する部門を示す拠点コード、ユーザを示す担当者コード、パスワードなどが含まれる。この開始指示に含まれる業務ID、パスワードなどについては端末装置31、32、33…のコンソール入力などに基づくデータであり、拠点コードやユーザを示す担当者コードなどについては、ユーザが各端末にログインした際に読み込まれた環境変数などに基づくデータである。
【0049】
図10に示すように、チェック処理が開始されると、端末装置から送信された業務ID、拠点コードが取得され(ステップS11、S12)、拠点コードが所得できたか否かの判定が行われる(ステップS13)。
【0050】
ステップS13において拠点コードが取得できたと判定された場合は、端末装置から送信されたデータに基づいて担当者コードの取得が行われ(ステップS14)、担当者コードが取得できたか否かの判定が行われる(ステップS15)。
【0051】
ステップS15において担当者コードが取得できたと判定された場合は、拠点設定テーブル22に対して、取得された業務ID、拠点コード、担当者コードを索引キーとして起動区分が索引され(ステップS16)、索引された起動区分が実行を許可する「1」であるか、実行を許可しない「2」又は起動区分自体が取得できないかが判定される(ステップS17)。
【0052】
ステップS13において拠点コードを取得できないと判定された場合、ステップS15において担当者コードを取得できないと判定された場合、ステップS17において起動区分が実行を許可しない「2」又は起動区分自体が取得できないと判定された場合は、実行不可のメッセージが端末装置に通知(端末装置側のディスプレイに表示)され(ステップS18)、終了する。
【0053】
ステップS17において起動区分が実行を許可する「1」であると判定された場合は、ステップS16で索引された起動区分に対応し、拠点設定テーブル22においてパスワードが設定されているか否かが判定される(ステップS19)。
【0054】
ステップS19においてパスワード設定があると判定された場合は、端末装置からのパスワード入力が受け付けられ(ステップS20)、拠点設定テーブル22で設定されたパスワードを参照することで、入力されたパスワードが正しいパスワードであるか否かが判定される(ステップS21)。
【0055】
ステップS19においてパスワード設定がないと判定された場合や、ステップS21において入力されたパスワードが正しいパスワードであると判定された場合は、業務を実行する起動処理が開始される(ステップS22)。
【0056】
データ処理装置1では、上述したチェック処理を行うことで、予め設定された拠点設定テーブル22に基づいて、業務処理の開始前におけるセキュリティチェック(正規のパスワードの有無、担当者毎、拠点毎の実行可否)を行うことができる。
【0057】
次に、データ処理装置1のCPU11がプログラムデータとの協働により実行する業務データ処理の起動処理について、図11〜図21を参照して説明する。
【0058】
図11は、データ処理装置1における業務データ処理の起動処理を例示するフローチャートである。図12は、図11に続いて起動処理を例示するフローチャートである。図13は、伝票入力型チェック処理を例示するフローチャートである。図14は、元帳型チェック処理を例示するフローチャートである。図15は、一括更新型チェック処理を例示するフローチャートである。図16は、排他更新型チェック処理を例示するフローチャートである。図17は、締処理1型チェック処理を例示するフローチャートである。図18は、締処理2型チェック処理を例示するフローチャートである。図19は、起動処理における排他制御を例示する概念図である。図20、21は、起動処理による排他制御テーブル23の更新を例示する概念図である。
【0059】
業務データ処理の起動処理は、前述したチェック処理において、起動処理を開始するステップS22が実行されることでスタートする処理である。従って、起動処理の開始時には、チェック処理時に端末装置から取得した業務ID、拠点コードなどのデータが継承される。
【0060】
図11に示すように、業務データ処理を実行する起動処理が開始されると、端末装置から拠点コード、業務ID、サブシステムIDが取得される(ステップS31)。
【0061】
次いで、業務形態テーブル21に対して、取得された業務IDを索引キーとして、業務形態区分が索引され(ステップS32)、取得された拠点コードに基づいて、当該拠点コードが示す部門が本部であるか、又は、各拠点であるかの判定が行われる(ステップS33)。
【0062】
ステップS33において、各拠点であると判定された場合は、排他制御テーブル23に対して、拠点コード(拠点)、ステップS31で取得されたサブシステムIDを索引キーとして、排他制御情報(入力起動数、元帳起動数、締処理起動区分、抽出起動区分、一括起動区分、排他起動区分)が索引される(ステップS34)。
【0063】
また、ステップS33において、本部であると判定された場合は、排他制御テーブル23に対して、拠点コード(本部)、ステップS31で取得されたサブシステムIDを索引キーとして、排他制御情報(入力起動数、元帳起動数、締処理起動区分、抽出起動区分、一括起動区分、排他起動区分)が索引される(ステップS35)。
【0064】
従って、上述したステップS34、S34では、開始が指示された拠点と同一拠点であり、開始が指示された業務に関するサブシステムと同一の業務の排他制御情報が索引されることとなる。
【0065】
図12に示すように、ステップS34、S35に次いで、ステップS32の索引結果に基づいて、起動しようとしている業務処理が伝票入力型、元帳型、一括更新型、排他更新型、締処理1型、締処理2型、排他対象外のいずれの区分であるかが判定される(ステップS36)。
【0066】
ステップS36の判定に基づいて、区分が伝票入力型であると判定された場合は伝票入力型チェック処理が行われる(ステップS37)。また、元帳型であると判定された場合は元帳型チェック処理が行われる(ステップS38)。また、一括更新型であると判定された場合は一括更新型チェック処理が行われる(ステップS39)。また、排他更新型であると判定された場合は排他更新型チェック処理が行われる(ステップS40)。また、締処理1型であると判定された場合は締処理1型チェック処理が行われる(ステップS41)。また、締処理2型であると判定された場合は締処理2型チェック処理が行われる(ステップS42)。また、排他対象外であると判定された場合は業務IDにより指示された業務が実行可能に設定される。
【0067】
上記ステップS37〜S42のチェック処理では、ステップS34又はステップS35による拠点コード且つサブシステムIDごとの排他制御情報の索引結果に基づいて、業務IDにより指示された業務が実行可能であるか否かが判定され、その判定結果に応じて実行の有無が設定される。また、実行の有無の設定に基づいて、索引された排他制御情報の更新が行われる。
【0068】
具体的には、図13に示すように、伝票入力型チェック処理が開始されると、ステップS34又はステップS35による拠点コード且つサブシステムIDごとの索引結果である排他制御情報に基づいて、一括起動区分のデータ内容が””であり排他起動区分のデータ内容が””であるか否かが判定される(ステップS371)。
【0069】
ステップS371において、索引された排他制御情報が上記判定内容を満たさないと判定された場合(NO)は、業務IDにより指示された業務が実行不可に設定される(ステップS372)。
【0070】
また、ステップS371において、索引された排他制御情報が上記判定内容を満たすと判定された場合(YES)は、業務IDにより指示された業務が実行可能に設定され(ステップS373)、索引された排他制御情報の入力起動数の値が「+1」に更新される(ステップS374)。
【0071】
また、図14に示すように、元帳型チェック処理が開始されると、ステップS34又はステップS35による拠点コード且つサブシステムIDごとの索引結果である排他制御情報に基づいて、入力起動数の値が0であり、締処理起動区分のデータ内容が””であり、抽出起動区分のデータ内容が””であり、一括起動区分のデータ内容が””であり、排他起動区分のデータ内容が””であるか否かが判定される(ステップS381)。
【0072】
ステップS381において、索引された排他制御情報が上記判定内容を満たさないと判定された場合(NO)は、業務IDにより指示された業務が実行不可に設定される(ステップS382)。
【0073】
また、ステップS381において、索引された排他制御情報が上記判定内容を満たすと判定された場合(YES)は、業務IDにより指示された業務が実行可能に設定され(ステップS383)、一括更新区分のデータ内容が”1”に、元帳起動数の値が「+1」に更新される(ステップS384)。
【0074】
また、図15に示すように、一括更新型チェック処理が開始されると、ステップS34又はステップS35による拠点コード且つサブシステムIDごとの索引結果である排他制御情報に基づいて、入力起動数の値が0であり、元帳起動数が0であり、締処理起動区分のデータ内容が””であり、抽出起動区分のデータ内容が””であり、一括起動区分のデータ内容が””であり、排他起動区分のデータ内容が””であるか否かが判定される(ステップS391)。
【0075】
ステップS391において、索引された排他制御情報が上記判定内容を満たさないと判定された場合(NO)は、業務IDにより指示された業務が実行不可に設定される(ステップS392)。
【0076】
また、ステップS391において、索引された排他制御情報が上記判定内容を満たすと判定された場合(YES)は、業務IDにより指示された業務が実行可能に設定され(ステップS393)、一括更新区分のデータ内容が”1”に更新される(ステップS394)。
【0077】
また、図16に示すように、排他更新型チェック処理が開始されると、ステップS34又はステップS35による拠点コード且つサブシステムIDごとの索引結果である排他制御情報に基づいて、入力起動数の値が0であり、元帳起動数の値が0であり、締処理起動区分のデータ内容が””であり、抽出起動区分のデータ内容が””であり、一括起動区分のデータ内容が””であり、排他起動区分のデータ内容が””であるか否かが判定される(ステップS401)。
【0078】
ステップS401において、索引された排他制御情報が上記判定内容を満たさないと判定された場合(NO)は、業務IDにより指示された業務が実行不可に設定される(ステップS402)。
【0079】
また、ステップS401において、索引された排他制御情報が上記判定内容を満たすと判定された場合(YES)は、業務IDにより指示された業務が実行可能に設定され(ステップS403)、排他起動区分のデータ内容が”1”に更新される(ステップS404)。
【0080】
また、図17に示すように、締処理1型チェック処理が開始されると、ステップS34又はステップS35による拠点コード且つサブシステムIDごとの索引結果である排他制御情報に基づいて、入力起動数の値が0であり、締処理起動区分のデータ内容が””であり、抽出起動区分のデータ内容が””であり、一括起動区分のデータ内容が””であり、排他起動区分のデータ内容が””であるか否かが判定される(ステップS411)。
【0081】
ステップS411において、索引された排他制御情報が上記判定内容を満たさないと判定された場合(NO)は、業務IDにより指示された業務が実行不可に設定される(ステップS412)。
【0082】
また、ステップS411において、索引された排他制御情報が上記判定内容を満たすと判定された場合(YES)は、業務IDにより指示された業務が実行可能に設定され(ステップS413)、排他起動区分のデータ内容が”1”に、抽出起動区分のデータ内容が”1”に更新される(ステップS404)。
【0083】
次いで、業務データのバックアップが実行され(ステップS415)、当該バックアップが終了した後に、排他起動区分のデータ内容が””に更新される(ステップS416)。従って、ステップS414〜S416の処理により、業務データをバックアップしている間のみ、他の業務を排他する等の排他設定を行うことが可能となる。
【0084】
また、図18に示すように、締処理2型チェック処理が開始されると、ステップS34又はステップS35による拠点コード且つサブシステムIDごとの索引結果である排他制御情報に基づいて、入力起動数の値が0であり、締処理起動区分のデータ内容が””であり、抽出起動区分のデータ内容が””であり、一括起動区分のデータ内容が””であり、排他起動区分のデータ内容が””であるか否かが判定される(ステップS421)。
【0085】
ステップS421において、索引された排他制御情報が上記判定内容を満たさないと判定された場合(NO)は、業務IDにより指示された業務が実行不可に設定される(ステップS422)。
【0086】
また、ステップS421において、索引された排他制御情報が上記判定内容を満たすと判定された場合(YES)は、業務IDにより指示された業務が実行可能に設定され(ステップS423)、締処理起動区分のデータ内容が”1”に更新される(ステップS404)。
【0087】
データ処理装置1では、上述した各チェック処理を実行することで、排他制御情報の内容の判定結果に基づいた排他制御、すなわち、既に起動中の業務に基づき、これから起動しようとする業務処理の排他制御を行うことができる。
【0088】
この排他制御情報の内容の判定結果に基づいたデータ処理装置1における排他制御は、図19に示すとおりである。同図が示す排他制御の内容は、ステップS37〜S43に基づいて設定される実行可否の内容を一覧表にしたものである。
【0089】
例えば、起動しようとしている処理(起動が指示された業務IDに対応する業務形態区分)が締処理2型である場合は、前述した締処理2型チェック処理が行われることで、排他制御情報の内容から伝票入力型、排他制御対象外以外の処理が既に起動中であるか否かが判定されて、排他制御が行われる。
【0090】
また、データ処理装置1では、上述した各チェック処理を実行することで、これから起動する業務処理に基づいて排他制御テーブル23の設定内容を更新することができる。従って、データ処理装置1では、排他制御テーブル23における排他制御に関する情報を常に最新に保つことができる。
【0091】
具体的には、図20に示すように、拠点コード「0100000000」にて、「売上伝票」(サブシステムID=H11000、伝票入力型)を起動した場合、伝票入力型チェック処理が実行され、入力起動数が「0」から「1」に更新される。
【0092】
また、図21に示すように、拠点コード「0000000000」(本部)にて、「商品棚卸確定処理」(サブシステムID=H13000、排他更新型)を起動した場合は、排他更新型チェック処理が実行され、排他起動区分が”1”に更新される。
【0093】
図12に戻り、ステップS37〜S43以降の処理を説明する。
【0094】
上記ステップS37〜S43に次いで、ステップS37〜S42のチェック処理又はステップS43による設定に基づいて、業務IDにより指示された業務が実行可能であるか否かが判定され(ステップS44)、実行不可能であると判定された場合は、実行不可のメッセージが端末装置に通知(端末装置側のディスプレイに表示)され(ステップS45)、終了する。
【0095】
ステップS44において実行可能であると判定された場合は、業務IDにより指示された業務が実行(業務IDに対応する業務プログラムが実行)され(ステップS46)、当該業務が終了された後に(ステップS47)、ステップS37〜S42において業務の実行可能に伴って更新された排他制御テーブル23の内容を元に戻す排他開放更新が行われる(ステップS47)。
【0096】
データ処理装置1では、上記業務データ処理の起動処理により、業務IDで指示された業務の起動に際し、指示された業務IDに対応する業務形態区分を業務形態テーブル21から取得し、取得された業務形態区分に応じたチェック処理を行う。また、データ処理装置1では、上記各チェック処理において、指示された業務IDに伴って取得された拠点コードとサブシステムIDとに基づいて拠点設定テーブル22を索引し、拠点コード且つサブシステムIDごとの排他制御情報の内容を判定し、当該判定結果に基づいて指示された業務の実行を制御(排他制御)する。
【0097】
このため、データ処理装置1では、各拠点の各々において経理部門、営業部門を有するなどの運用規模が大きい場合に業務データ処理の排他制御を行う場合であっても、拠点ごとの排他制御が可能となるため、業務データ処理が滞ることなく運用できる。
【0098】
次に、データ処理装置1のCPU11がプログラムデータとの協働により実行する業務形態設定処理について、図22を参照して説明する。図22は、データ処理装置1における業務形態設定処理を例示するフローチャートである。
【0099】
入力装置15からの入力指示に基づいて、業務形態設定処理が開始されると、業務形態テーブル21からデータが読み込まれる(ステップS51)。次いで、入力装置15からの操作指示により、更新対象のレコードの指定と、更新区分(データ追加、データ訂正、データ削除)とが受け付けられ、受け付けられた更新区分が判定される(ステップS52)。
【0100】
ステップS52において、データ削除であると判定された場合は、指定された対象レコードを削除するように業務形態テーブル21が更新される(ステップS53)。
【0101】
ステップS52において、データ訂正であると判定された場合は、入力装置15からの操作指示を受け付けて、対象レコードに関するデータ内容を訂正する訂正処理が開始され(ステップS54)、業務IDの変更、業務名の変更、業務形態区分の変更指示が受け付けられる(ステップS55〜S57)。次いで、訂正前のレコードを削除し、変更指示に基づいて訂正後のレコードを追加更新する更新処理が行われる(ステップS58)。
【0102】
ステップS52において、データ追加であると判定された場合は、入力装置15からの操作指示を受け付けて、データを追加する追加処理が開始され(ステップS59)、業務IDの設定、業務名の設定、業務形態区分の設定指示が受け付けられる(ステップS60〜S72)。次いで、設定指示に基づいてレコードを追加更新する更新処理が行われる(ステップS58)。
【0103】
データ処理装置1では、上記業務形態設定処理を行うことで、業務形態テーブル21に関する各種設定(データ追加、データ訂正、データ削除)を行うことができる。
【0104】
次に、データ処理装置1のCPU11がプログラムデータとの協働により実行する拠点設定処理について、図23を参照して説明する。図23は、データ処理装置1における拠点設定処理を例示するフローチャートである。
【0105】
入力装置15からの入力指示に基づいて、拠点設定処理が開始されると、拠点設定テーブル22からデータが読み込まれる(ステップS71)。次いで、入力装置15からの操作指示により、更新対象のレコードの指定と、更新区分(データ追加、データ訂正、データ削除)とが受け付けられ、受け付けられた更新区分が判定される(ステップS72)。
【0106】
ステップS72において、データ削除であると判定された場合は、指定された対象レコードを削除するように拠点設定テーブル22が更新される(ステップS73)。
【0107】
ステップS72において、データ訂正であると判定された場合は、入力装置15からの操作指示を受け付けて、対象レコードのデータ内容を訂正する訂正処理が開始され(ステップS74)、業務IDの変更、業務IDの変更、拠点コードの変更、担当者コードの変更、起動区分の変更(”1”又は”2”)等の変更指示が受け付けられる(ステップS75〜S78)。
【0108】
次いで、担当者コードの設定の有無が判定され(ステップS79)、設定ありと判定された場合は起動区分が判定される(ステップS80)。上記判定処理に基づいて、担当者コードが設定あり、起動区分が”1”(起動)であると判定された場合は、入力装置15からの操作指示を受け付けて、パスワード設定が行われる(ステップS81)。
【0109】
次いで、訂正前のレコードを削除し、変更指示に基づいて訂正後のレコードを追加更新する更新処理が行われる(ステップS82)。
【0110】
ステップS72において、データ追加であると判定された場合は、入力装置15からの操作指示を受け付けて、データを追加する追加処理が開始され(ステップS83)、業務IDの設定、業務IDの設定、拠点コードの設定、担当者コードの設定、起動区分の設定(”1”又は”2”)等の瀬手値指示が受け付けられる(ステップS84〜S87)。
【0111】
次いで、担当者コードの設定の有無が判定され(ステップS88)、設定ありと判定された場合は起動区分が判定される(ステップS89)。上記判定処理に基づいて、担当者コードが設定あり、起動区分が”1”(起動)であると判定された場合は、入力装置15からの操作指示を受け付けて、パスワード設定が行われる(ステップS90)。次いで、設定指示に基づいてレコードを追加更新する更新処理が行われる(ステップS91)。
【0112】
データ処理装置1では、上記拠点設定処理を行うことで、拠点設定テーブル22に関する各種設定(データ追加、データ訂正、データ削除)を行うことができる。
【0113】
以上のように、データ処理装置1は、業務データ処理を識別する業務識別情報(業務ID)ごとに、当該業務データ処理の業務形態区分に関する業務形態情報を記憶する第1記憶手段(業務形態テーブル21)、組織の拠点ごとに、業務データ処理の排他制御に関する排他制御情報を記憶する第2記憶手段(排他制御テーブル23)、開始すべき業務データ処理に関する業務識別情報、及び、当該業務データ処理を指示する拠点を示す拠点情報の入力を受け付ける業務受付手段(通信装置16又は入力装置15)、業務受付手段により受け付けられた業務識別情報に基づいて、第1記憶手段に記憶された業務形態情報を索引し、開始すべき業務データ処理の業務形態区分を取得する取得手段(CPU11)、業務受付手段により受け付けられた拠点情報に基づいて、第2記憶手段に記憶された排他制御情報を索引し、取得手段により取得された業務形態区分毎に、索引結果に基づいて開始すべき業務データ処理の実行の可否を判定する判定手段(CPU11)、判定手段による判定結果に基づいて業務受付手段により受け付けられた業務データ処理の実行を制御する制御手段(CPU11)を備える。
【0114】
このため、データ処理装置1は、各拠点の各々において経理部門、営業部門を有するなどの運用規模が大きい場合に業務データ処理の排他制御を行う場合であっても、拠点ごとの排他制御が可能となるため、全体として業務データ処理が滞ることなく運用できる。
【0115】
また、データ処理装置1の制御手段は、判定手段による実行の可否に基づいて、第2記憶手段に記憶された排他制御情報を更新するように制御する。このため、データ処理装置1では、拠点ごとの排他制御に関する情報を常に最新に保つことができる。
【0116】
また、データ処理装置1は、業務識別情報ごと、且つ、拠点ごとに、当該業務識別情報に関する業務データ処理の実行の可否を示す設定情報を記憶する第3記憶手段(拠点設定テーブル22)を備え、判定手段は、業務受付手段により受け付けられた業務識別情報、及び、業務受付手段により受け付けられた拠点情報に基づいて、第3記憶手段に記憶された設定情報を索引し、当該索引結果に基づいて前記開始すべき業務データ処理の実行の可否を判定する。従って、データ処理装置1では、拠点毎の業務データ処理の実行の可否を予め設定しておくことができる。
【0117】
また、データ処理装置1の設定情報は、業務識別情報に関する業務データ処理の実行を許可するユーザ情報、及び、当該ユーザのパスワード情報を含み、業務受付手段は、入力を受け付ける際に業務データ処理の開始を指示するユーザ情報及びパスワード情報を受け付け、判定手段は、業務受付手段により受け付けられたユーザ情報及びパスワード情報と、第3記憶手段に記憶された設定情報に含まれるユーザ情報及びパスワード情報と、の照合結果に基づいて、開始すべき業務データ処理の実行の可否を判定する。従って、データ処理装置1では、業務データ処理の実行について、ユーザ情報及びパスワード情報によるセキュリティチェックを行うことができる。
【0118】
また、データ処理装置1は、少なくとも業務識別情報、当該業務識別情報が示す業務データ処理の業務形態区分の入力を受け付け、第1記憶手段に記憶する業務形態情報を設定する第1設定手段を更に備える。従って、データ処理装置1では、第1記憶手段に記憶する業務形態情報を設定することができる。
【0119】
また、データ処理装置1は、少なくとも業務識別情報、当該業務識別情報が示す業務データ処理の実行を許可する拠点に関する拠点情報の入力を受け付け、第3記憶手段に記憶する設定情報を設定する第2設定手段を更に備える。従って、データ処理装置1では、第3記憶手段に記憶する設定情報を設定することができる。
【0120】
なお、上述した実施の形態における記述は、一例を示すものであり、これに限定するものではない。上述した実施の形態における構成及び動作に関しては、適宜変更が可能である。
【0121】
例えば、以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてROMを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】データ処理システムの構成を示す概念図である。
【図2】本実施の形態に係るデータ処理装置の機能的構成を模式的に示すブロック図である。
【図3】業務形態テーブルのデータ構成を例示する概念図である。
【図4】業務形態テーブルの登録データを例示する概念図である。
【図5】拠点設定テーブルのデータ構成を例示する概念図である。
【図6】拠点設定テーブルの登録データを例示する概念図である。
【図7】企業の組織と拠点コードとの関係を例示する組織図である。
【図8】排他制御テーブルのデータ構成を例示する概念図である。
【図9】サブシステムIDの例を列挙した概念図である。
【図10】データ処理装置におけるチェック処理を例示するフローチャートである。
【図11】データ処理装置における業務データ処理の起動処理を例示するフローチャートである。
【図12】図11に続いて起動処理を例示するフローチャートである。
【図13】伝票入力型チェック処理を例示するフローチャートである。
【図14】元帳型チェック処理を例示するフローチャートである。
【図15】一括更新型チェック処理を例示するフローチャートである。
【図16】排他更新型チェック処理を例示するフローチャートである。
【図17】締処理1型チェック処理を例示するフローチャートである。
【図18】締処理2型チェック処理を例示するフローチャートである。
【図19】起動処理における排他制御を例示する概念図である。
【図20】起動処理による排他制御テーブルの更新を例示する概念図である。
【図21】起動処理による排他制御テーブルの更新を例示する概念図である。
【図22】データ処理装置における業務形態設定処理を例示するフローチャートである。
【図23】データ処理装置における拠点設定処理を例示するフローチャートである。
【符号の説明】
【0123】
100 データ処理システム
1 データ処理装置
2 サーバ装置
31〜33 端末装置
N 通信ネットワーク
11 CPU
12 RAM
13 記憶装置
14 表示装置
15 入力装置
16 通信装置
17 バス
21 業務形態テーブル
22 拠点設定テーブル
23 排他制御テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
業務データ処理を識別する業務識別情報ごとに、当該業務データ処理の業務形態区分に関する業務形態情報を記憶する第1記憶手段と、
組織の拠点ごとに、業務データ処理の排他制御に関する排他制御情報を記憶する第2記憶手段と、
開始すべき業務データ処理に関する業務識別情報、及び、当該業務データ処理を指示する拠点を示す拠点情報の入力を受け付ける業務受付手段と、
前記業務受付手段により受け付けられた業務識別情報に基づいて、前記第1記憶手段に記憶された業務形態情報を索引し、前記開始すべき業務データ処理の業務形態区分を取得する取得手段と、
前記業務受付手段により受け付けられた拠点情報に基づいて、前記第2記憶手段に記憶された排他制御情報を索引し、前記取得手段により取得された業務形態区分毎に、前記索引結果に基づいて前記開始すべき業務データ処理の実行の可否を判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて前記業務受付手段により受け付けられた業務データ処理の実行を制御する制御手段と、
を備える業務データ処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記判定手段による実行の可否に基づいて、前記第2記憶手段に記憶された排他制御情報を更新するように制御する請求項1に記載の業務データ処理装置。
【請求項3】
前記業務識別情報ごと、且つ、前記拠点ごとに、当該業務識別情報に関する業務データ処理の実行の可否を示す設定情報を記憶する第3記憶手段を備え、
前記判定手段は、前記業務受付手段により受け付けられた業務識別情報、及び、前記業務受付手段により受け付けられた拠点情報に基づいて、前記第3記憶手段に記憶された設定情報を索引し、当該索引結果に基づいて前記開始すべき業務データ処理の実行の可否を判定する請求項1又は2に記載の業務データ処理装置。
【請求項4】
前記設定情報は、前記業務識別情報に関する業務データ処理の実行を許可するユーザ情報、及び、当該ユーザのパスワード情報を含み、
前記業務受付手段は、前記入力を受け付ける際に業務データ処理の開始を指示するユーザ情報及びパスワード情報を受け付け、
前記判定手段は、前記業務受付手段により受け付けられたユーザ情報及びパスワード情報と、前記第3記憶手段に記憶された設定情報に含まれるユーザ情報及びパスワード情報と、の照合結果に基づいて、前記開始すべき業務データ処理の実行の可否を判定する請求項3に記載の業務データ処理装置。
【請求項5】
少なくとも業務識別情報、当該業務識別情報が示す業務データ処理の業務形態区分の入力を受け付け、前記第1記憶手段に記憶する業務形態情報を設定する第1設定手段を更に備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の業務データ処理装置。
【請求項6】
少なくとも業務識別情報、当該業務識別情報が示す業務データ処理の実行を許可する拠点に関する拠点情報の入力を受け付け、前記第3記憶手段に記憶する設定情報を設定する第2設定手段を更に備える請求項3又は4に記載の業務データ処理装置。
【請求項7】
業務データ処理を識別する業務識別情報ごとに、当該業務データ処理の業務形態区分に関する業務形態情報を記憶する第1記憶手段、組織の拠点ごとに、業務データ処理の排他制御に関する排他制御情報を記憶する第2記憶手段を備えた業務データ処理装置のコンピュータを、
開始すべき業務データ処理に関する業務識別情報、及び、当該業務データ処理を指示する拠点を示す拠点情報の入力を受け付ける業務受付手段、
前記業務受付手段により受け付けられた業務識別情報に基づいて、前記第1記憶手段に記憶された業務形態情報を索引し、前記開始すべき業務データ処理の業務形態区分を取得する取得手段、
前記業務受付手段により受け付けられた拠点情報に基づいて、前記第2記憶手段に記憶された排他制御情報を索引し、前記取得手段により取得された業務形態区分毎に、前記索引結果に基づいて前記開始すべき業務データ処理の実行の可否を判定する判定手段、
前記判定手段による判定結果に基づいて前記業務受付手段により受け付けられた業務データ処理の実行を制御する制御手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2009−181440(P2009−181440A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−21276(P2008−21276)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】