構成情報設定装置、および、構成情報設定プログラム
【課題】 容易に構成情報を設定する。
【解決手段】 本発明は、搬送チャンバに識別情報を容易に設定可能な識別情報設定装置、および識別情報設定方法を提供する。本発明の一実施形態では、記憶装置504は、搬送ロボットを有する搬送チャンバを配置可能な各位置に対し予め設定したフィールド識別情報を格納する。実際に搬送チャンバを配置させる位置及び当該搬送チャンバの情報を指定情報として、受け付ける。実際に配置させる搬送チャンバと識別情報との対応を格納する。
【解決手段】 本発明は、搬送チャンバに識別情報を容易に設定可能な識別情報設定装置、および識別情報設定方法を提供する。本発明の一実施形態では、記憶装置504は、搬送ロボットを有する搬送チャンバを配置可能な各位置に対し予め設定したフィールド識別情報を格納する。実際に搬送チャンバを配置させる位置及び当該搬送チャンバの情報を指定情報として、受け付ける。実際に配置させる搬送チャンバと識別情報との対応を格納する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置の構成情報の設定に用いられる構成情報設定装置、および構成情報設定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ワークを処理する装置において装置構成に関する情報を入力し、搬送速度などをシミュレーションする装置が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−57580号公報
【発明の概要】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されるワーク処理装置の設定では不定形の装置形状に応じて1つ1つの装置の設定を行わなければならず、煩雑である。特に、クラスターシステムなどでは、構成情報の取得により基板搬送時に搬送先を特定するのに必要な接続情報(以下、「アドレス」、「搬送アドレス」と記述することもある)を得る。しかし、この目的のためには上記システムは煩雑すぎる。
また、従来からクラスターシステムの構成が確定するごとに、システム作成者によって独自に設定されており、装置構成が変更されるたびに各モジュールの識別情報の設定に手間を要していた。さらに、装置構成の変更の度に、複雑な搬送アドレスを変更していて、これが誤動作の要因となっており、搬送アドレスとユーザの設定とを切り離す必要がある。
【0005】
本発明の目的は、基板処理装置の構成情報を容易に設定可能な構成情報設定装置、および構成情報設定プログラムを提供することにある。
【0006】
このような目的を達成するために、本発明は、基板を搬送する搬送モジュール、及び、前記搬送モジュールに接続され、前記搬送モジュールから搬送される基板に対してプロセスを実行するプロセスモジュールを、少なくともモジュールとして備えた基板処理装置の構成情報を生成する装置であって、前記搬送モジュールの基板搬送口に対応する辺を有する多角形の格子を表示する多角形格子表示手段と、モジュールの設定位置として指定される、前記多角形格子表示手段により表示される多角形格子上の位置を取得する位置指定取得手段と、前記位置指定取得手段による位置の取得に応じ、当該格子領域にモジュールの設定がなされたことを認識させる表示を行うモジュール表示手段と、前記位置指定取得手段により取得した位置に設置するモジュールの識別情報を取得するモジュール識別情報取得手段と、前記モジュール識別情報取得手段により取得したモジュールの識別情報と設置位置とが対応付けられた装置構成情報を生成する構成情報生成手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
なお、多角形格子表示手段は、実際に多角形格子を表示させるのみならず、例えば、四角形格子を表示させる場合に、外枠にのみ数字などで目盛を振る場合など多角形格子を認識させるような表示を行っている場合も含む。
【0008】
本発明によれば、基板の装置構成情報の設定が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板処理システムを示した説明図である。
【図2】構成情報設定装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態に係る仮想フィールドの一例を示した画面概略図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る、仮想フィールドへの装置構成情報の設定状態を示す画面概略図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る、コアアイコンの各辺の識別値の一例を示した説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る装置構成情報テーブルの一例を示した説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る搬送手順データの変換例を示す図である。
【図8】本発明の他の例を説明するための図である。
【図9】六角形の搬送モジュールの表示例を示す図である。
【図10】接続不能箇所を表示させる例を示す図である。
【図11】2階層の基板処理装置の設定画面を示す図である。
【図12】経路判定機能を有する場合のフローである。
【図13】経路判定状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、基板処理システムを示した説明図である。図1の基板処理システムは、基板処理装置100と、構成情報設定装置500と、を備える。基板処理装置100は、制御装置700と、任意の数のプロセスモジュール400と、任意の数の搬送モジュール600と、EFEM(Equipment Front End Module)110と、を含む。
【0011】
処理装置、および、基板の搬送先としてのプロセスモジュール400は、基板に対し処理を行うチャンバ、例えば、ドライエッチングなどが可能なエッチングチャンバ、加熱や冷却が可能な温度調整チャンバ、または、成膜チャンバを有する。成膜チャンバは、例えば、スパッタリング法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法による成膜が可能なチャンバである。各プロセスモジュール400には、自モジュール内のチャンバの種類に応じて、排気ポンプ、プラズマ生成用の電源、ガス導入系などの各基板処理用部材が設けられている。また、各プロセスモジュール400には、自モジュール内の各基板処理用部材を制御して、基板に対し予め定められた処理を実行させるためのPLC(プログラマブルロジックコントローラ)などの制御装置が設けられている。
【0012】
搬送装置としての搬送モジュール600は、基板搬送手段としての搬送ロボット(不図示)が配置された搬送チャンバを有する。搬送チャンバは、他のチャンバと接続し、基板の受け渡しが可能な箇所としての複数の接続ポートを有する。本実施形態では、搬送チャンバは、4個の接続ポートを有している。なお、搬送チャンバが有する接続ポートの数は4個に限定されないことは言うまでもない。
【0013】
搬送モジュール600は、接続ポートを介して、プロセスモジュール400と接続される。複数の接続ポートのうち、プロセスモジュールが接続された接続ポートが、接続箇所となる。また、搬送モジュール600は、接続ポートを介して、他の搬送モジュールと接続可能である。搬送モジュール600には、排気ポンプやアライナ(不図示)などの各構成要素が設けられている。また、搬送モジュール600には、各構成要素を制御して、基板搬送動作を実行させるためのPLCなどの制御装置が設けられている。搬送モジュール600は、搬送ロボットを用いて、各プロセスモジュール400に基板を搬送する。搬送ロボットは、本実施形態では、回転および伸縮自在なアームを有しており、指定されたプロセスモジュール400に基板を搬送する。アライナは、搬送ロボット間での基板の受け渡しや基板の位置ずれの補正を行う。また、搬送モジュール600は、ロードロックを介して、基板の入出力ポートであるEFEM110と接続可能である。ロードロックは、基板を、搬送モジュール600に設けられた搬送ラインに導入したり、基板を搬送ラインから離脱させるための装置である。EFEM110は、大気側から基板を搬送ラインまたはロードロックに導入したり、基板を大気側に搬送するための装置である。
【0014】
制御装置700は、PC(パーソナルコンピュータ)、PLC等により構成される。制御装置700は、プロセスモジュール400と、搬送モジュール600と、EFEM110と、を制御する。本実施形態では、1つの基板を搬送する順序及び搬送先を指定した搬送手順データを構成情報設定装置500から取得し、この搬送手順データに基づいて各搬送モジュール600に所定のタイミングでの基板の搬送を実行させる。また、プロセスモジュール400に所定のタイミングで所定のプロセスを実行させる。
【0015】
構成情報設定装置500は、ユーザからの入力に基づき、少なくともモジュール識別情報と当該モジュール識別情報に対応するモジュールの接続位置の情報を含む基板処理装置の装置構成情報を生成する。また、本実施形態では、上述のように生成した装置構成情報に基づいて、搬送手順データの変換処理(後述する)を行い、基板処理装置100に出力する。なお、構成情報設定装置500は、2台以上のPCにより構成されてもよい。構成情報設定装置500と基板処理装置100間は、LAN(Local Area Network)またはRS−232Cなどの規格によるネットワークを介して接続され、データ通信が可能になっている。
【0016】
なお、構成情報設定装置500は、CPU501、液晶ディスプレイなどの表示装置506、キーボードなどの入力装置507、システムバス508を介してCPU501に接続され、表示装置506や入力装置507を制御するI/F505等を有する。CPU501は、メモリ部に記憶されたプログラム(例えば、図2に示すプログラム等)等に基づいて、各種処理を制御する。メモリ部は、ハードディスクドライブなどの記憶装置504、CPU501が動作するためのシステムワークメモリであるRAM502、プログラムやシステムソフトウェア等を格納するROM503等を有している。
【0017】
図2は、構成情報設定装置500の動作を説明するためのフローチャートである。以下、図3〜図7も参照してこのフローを説明する。
まず、ステップS101において、構成情報設定装置500は、表示装置506に多角形格子を表示する。本実施形態では、図3に示すような四角形格子200(以下、「仮想フィールド200」と記述することもある)を表示する。本実施形態では、単位格子は、搬送モジュールの接続ポートに対応する辺を当該搬送モジュールの接続ポート数分有する多角形としている。従って、搬送モジュール400が4つの接続ポートを有することから、四角形格子としている。
また、図3の例では、各単位格子の領域(各フィールド領域)を識別可能な目盛が行方向、列方向の夫々に振ってある。これにより、ユーザがモジュールを設定すべき位置を正確に認識して設定できるだけでなく、ユーザがアドレスを認識することができる。
この状態において、ユーザからのモジュールを設定すべき位置の入力を待ち受ける(ステップS102)。入力装置507を介し四角形格子上の領域指定が行われたことを検知すると(ステップS102:YES)、次に、当該モジュールに関する情報(以下、モジュール情報)の入力を待ち受ける(ステップS103)。このとき、図示していないが、例えば、モジュール情報の入力を受付ける画面を各種入力項目と共に表示してもよい。もちろん、モジュールを設定すべき位置の指定を受付けるよりも前に、モジュール情報の指定の入力を受け付けるようしてもよい。
ステップS103においてモジュール情報を取得すると(ステップS103:YES)、対応するモジュールのアイコンを表示する(ステップS104)。図4の例では、搬送モジュール600に対応づけられたコアアイコン301,302と、プロセスモジュール400にそれぞれ対応づけられたプロセスアイコン303〜307と、EFEM110に対応付けられたEFEMアイコンを用いている。
【0018】
ステップS105において、ステップS102及びS103において取得したモジュールを設定すべき位置及びこの位置に設定すべきモジュールに対応するモジュール情報に基づき装置構成情報を生成する。
図6は、装置構成情報の一例を示した説明図である。図6において、モジュールID(モジュール識別情報)とモジュールName(モジュール種別情報)とProfile Path(入力したデータ等を格納している場所)は、構成情報設定装置500のユーザI/Fで受け付けられる。そして、記憶装置504に装置構成情報テーブルとして、各モジュールに対応付けて登録される。また、各モジュールの設置位置及び接続関係を特定可能な情報がアドレスとして、装置構成情報テーブルに登録される。このアドレスは、基板の搬送時に基板の搬送先を特定するための情報などとして利用される。なお、各プロセスモジュールおよび各プロセスモジュールのアドレスは、基板処理装置100側の制御装置700にも設定される。制御装置700への設定は、構成情報設定装置500が行ってもよいし、システム管理者が行ってもよい。
【0019】
本実施形態におけるアドレスの割り当て法について説明する。本実施形態では、搬送モジュール600にはフィールド識別情報を、プロセスモジュール400には当該プロセスモジュール400が接続する搬送モジュール600のフィールド識別情報に、搬送モジュール600の接続ポートの番号を組合せた階層的なアドレスを用いている。具体的には、図4において、コアアイコン301,302の各辺は、搬送モジュール600上の接続ポートの設置位置を示す。コアアイコンの各辺には、その辺を識別するための識別値(Station番号)が予め設定され、記憶装置504に格納されている。
【0020】
各プロセスアイコンには、搬送モジュールとの接続箇所を示す接続箇所指示部が設けられている。図4では、プロセスアイコンが有する辺のうち、台形の斜線部の辺の中で最短の辺が存在する辺が、接続箇所指示部として用いられる。
【0021】
図4では、例えば、コアアイコン301は、フィールド識別情報としての行列番号「24」の領域201に配置されている。また、例えば、プロセスアイコン303は、行列番号「23」の領域201に配置され、プロセスアイコン303の接続箇所指示部303aが、コアアイコン301の搬送モジュール600の対応領域(行列番号「24」の領域201)と隣接している。このため、接続箇所指示部303aと行列番号「24」の領域201との隣接箇所が、搬送モジュール600およびプロセスモジュール400の接続箇所となり、その識別値(Station番号)は2である。従って、プロセスアイコン303に対応するプロセスモジュール400(図4,6ではモジュール識別情報「Ch−B」)のアドレスとして「242」が設定される。
図2に戻り、構成情報設定装置500では、搬送手順データを取得し(ステップS106)、基板処理装置100において用いることができる搬送手順データに変換する(ステップS107)。本実施形態では、搬送順序とモジュール識別情報が対応付けられた搬送順序データから、構成情報テーブルを参照し、搬送順序とアドレスが対応付けられた搬送順序データに変換する。
【0022】
図7を例に説明すると、基板に対する処理の手順を記述した搬送順序データ(レシピ情報)を、ユーザI/Fからの入力等により取得する。レシピ情報は、例えば、Ch−A→Ch−C→Ch−Bである。このレシピ情報では、基板が搬送されるモジュールのID(モジュール識別情報)が、搬送先指定データとして用いられている。また、レシピ情報では、モジュール間の工程経路が、矢印で示されている。このため、このレシピ情報(は、基板を、Ch−Aで識別されるモジュール、Ch−Cで識別されるモジュール、Ch−Bで識別されるモジュールの順に搬送して処理する旨(基板の搬送順序および搬送先)を示している。本実施形態では、搬送先指定データとして、基本的にプロセスモジュール識別情報(Ch−ID)が用いられる。ただし、搬送先を特定できるデータであれば、その形式は限定されず、例えば、プロセスモジュール種別情報(Ch−Name)と他の情報との組み合わせでもよい。
【0023】
次に、ステップS107において、装置構成情報テーブルに基づいて、レシピ情報中の搬送先指定データ(モジュールID)を、搬送先となるモジュールのアドレスに変換する。これにより変換後の搬送順序データは、「142→243→242」となり、基板処理装置100に送信される。これを受信した基板処理装置100では、さらに細かい制御用のデータ(例えば、「14Core2out→14Core3in→24Core1out→24Core3in」)に変換し、各搬送モジュール600を制御する。
以上のように、搬送手順データをユーザが入力する時点では、モジュール識別情報とし、構成情報設定装置500や基板処理装置100で変換して用いることで、ユーザ側ではアドレスの付与ルール等の複雑なルールを記憶しなくても、簡単にレシピ設定ができる。また、装置の接続位置が変更されても、搬送順序データ自体に手を加える必要がないので、修正時のミス等による誤動作を防止できる。
【0024】
以上のように、本実施形態では、仮想フィールドを格子状に構成している。従って、領域のそれぞれの識別情報(フィールド識別情報)として、領域の位置を示す情報である行列番号を用いることができる。この場合、搬送モジュールおよびプロセスモジュールのアドレスが、仮想フィールドにおけるモジュールの位置も示すことになり、アドレスに基づいて、モジュール間の接続関係を判定することが可能になる。
【0025】
以上、実施形態について説明したが、本発明の適用は上記実施形態に限定されない。
なお、仮想フィールドの形状は、各領域201が格子状に配置された格子状領域にて形成される四角形に限らない。また、領域201の形状も四角形に限らず、搬送モジュールの構成(例えば、搬送モジュールが有する接続ポートの数)に応じて適宜変更可能であり、例えば、図8に示すような六角形格子や三角形格子でもよい。なお、図8中、符号341はプロセスアイコン、342はEFEMアイコン、343はコアアイコンである。
【0026】
ただ、四角形格子とした場合、例えば、図9に示すような六角形の搬送モジュール601や八角形、それ以上の搬送モジュールを接続した場合でも、同じ格子領域を用いることができる。なお、この場合、例えば、奇数個の接続ポート5つの接続ポートしかない場合でも、例えば、図10に示すように、ユーザの設定により又は予めなされた設定により、接続不能箇所を表示させる構成としてもよい。図中、309はコアアイコン、308はプロセスアイコン、321はEFEMに対応するEFEMアイコン、Trは搬送ロボットである。
【0027】
また、例えば、搬送チャンバを上下方向にも接続する場合など、単位格子が立体からなる3次元格子(三角柱格子、立方格子、六角柱格子など)とすることもできる。ただ、搬送チャンバを上下方向に接続するような場合にも、図11に示すように、階層ごとに2次元格子を表示して設定させるようにしてもよい。このとき、2以上の階層で対応して設置すべきモジュールは、いずれかの階層で設置位置の指定が行われたときに(アイコン311で示す位置への設置)、他の階層にも設定を促すアイコン312を表示させてもよい。
【0028】
また、構成情報設定装置500にさらに経路判定機能を持たせてもよい。この場合のフローの例を図12に示す。図12の例では、搬送手順データ及び装置構成情報を夫々取得し(ステップS201,S202)、これらに基づき搬送手順データにより指定されるモジュールと同種の処理を実行するモジュールが基板処理装置内に他に有るかを判定する(ステップS203)。これは、例えば図6に示す装置構成情報テーブル中の「モジュールName」の情報からも判定できるし、この判定のためにさらに別の項目を設けてもよい。これにより、複数の同種モジュールがあることが判明した場合(ステップS204:YES)、搬送手順データにより指定されるモジュール、及び、同種モジュールを経由した経路を抽出し、各経路のモジュール間搬送数を算出する(ステップS205)。全経路について、モジュール間搬送数を算出後(ステップS206)、モジュール間搬送数が最小の経路を判定し(ステップS207)、最短経路として出力する(ステップS208)。
図13に示す例では、同種のプロセスモジュールであるCh-D、Ch-Gのうち、Ch-Dを経由する経路1はモジュール間搬送数が5であり、Ch−Gを経由する経路2よりも搬送距離が長くなるため、経路2が選択される。なお、図13中、符号322はプロセスアイコンである。
これにより、工程にかかる時間を短縮できる。
【0029】
また、上述の実施形態では、搬送チャンバの周囲にプロセスチャンバが接続するコア型の基板処理装置に適用されているが、これに限らず、搬送手段を有する搬送チャンバにさらに処理用部材が設けられ、搬送とプロセスが共に実行可能であるタイプ(例えば、インライン型)の基板処理装置にも本発明を適用可能である。
【0030】
また、アドレス設定装置として使用しているが、アドレス設定に限らず、基板処理装置における構成情報の設定装置として用いてもよい。つまり、複数の搬送チャンバを相互に接続した場合に各搬送チャンバが配置される各位置を画像表示し、これに対し、実際に配置させる搬送チャンバやプロセスチャンバの位置の指定と、搬送チャンバやプロセスチャンバの情報を取得し、搬送チャンバやプロセスチャンバの情報と識別情報との対応を格納する装置として構成してもよい。
【0031】
また、上記アドレスとして、プロセスチャンバに対しては搬送チャンバの位置情報に接続ポートの識別番号を付加したものを用いているが、プロセスチャンバに対しても位置情報をアドレスとして設定してもよい。すなわち、本実施形態では、構成情報には、その一要素として、搬送モジュールのどの接続ポートにプロセスモジュールが接続されるのかを示す情報が含まれているが、該情報の代わりに、仮想フィールド上のプロセスモジュールの配置位置を構成情報に含ませても良い。本実施形態では、フィールド識別情報を予め記憶装置504に格納しているので、仮想フィールド上のプロセスモジュールの配置位置が特定できれば、該配置位置に対応するフィールド識別情報を取得することができる。よって、該フィールド識別情報を対応するプロセスモジュールのアドレスに設定すれば良い。
【0032】
なお、仮想フィールド上における、搬送モジュールおよびプロセスモジュールの配置箇所の指定は、図4に示すようなアイコンを用いて行うことに限定されず、ユーザがシステム制御装置2の入力装置を介して、直接入力するようにしても良い。この場合は、例えば、図2に示す仮想フィールドにおいて、仮想フィールド200の2行目4列目および1行目4列目に搬送モジュールを配置し、1行目3列目、2行目3列目、3行目4列目、2行目5列目、および1行目5列目にそれぞれ、プロセスモジュールを配置することをユーザが上記入力装置を介して入力するようにしても良い。記憶装置504には、仮想フィールド200の各領域に対するフィールド識別情報が格納されているので、上記ユーザ入力により指定された領域のフィールド識別情報を抽出することにより、搬送モジュールおよびプロセスモジュールのアドレスを設定することができる。
【0033】
また、上述の実施形態では、図1に示すように、構成情報設定装置500と基板処理装置100を分けているが、構成情報設定装置500の機能を基板処理装置100の制御装置200に組み込んでもよい。同様に、基板処理装置100の制御装置200の機能を構成情報設定装置500に組み込んでもよい。
【0034】
また、前述した実施形態の機能を実現するように前述した実施形態の構成を動作させるプログラムを記憶媒体に記憶させ、該記憶媒体に記憶されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も上述の実施形態の範疇に含まれる。即ちコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も実施例の範囲に含まれる。また、前述のコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体はもちろんそのコンピュータプログラム自体も上述の実施形態に含まれる。
【0035】
かかる記憶媒体としてはたとえばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。
【0036】
また前述の記憶媒体に記憶されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウエア、拡張ボードの機能と共同して、OS上で動作し前述の実施形態の動作を実行するものも前述した実施形態の範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0037】
500 構成情報設定装置
100 基板処理装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置の構成情報の設定に用いられる構成情報設定装置、および構成情報設定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ワークを処理する装置において装置構成に関する情報を入力し、搬送速度などをシミュレーションする装置が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−57580号公報
【発明の概要】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されるワーク処理装置の設定では不定形の装置形状に応じて1つ1つの装置の設定を行わなければならず、煩雑である。特に、クラスターシステムなどでは、構成情報の取得により基板搬送時に搬送先を特定するのに必要な接続情報(以下、「アドレス」、「搬送アドレス」と記述することもある)を得る。しかし、この目的のためには上記システムは煩雑すぎる。
また、従来からクラスターシステムの構成が確定するごとに、システム作成者によって独自に設定されており、装置構成が変更されるたびに各モジュールの識別情報の設定に手間を要していた。さらに、装置構成の変更の度に、複雑な搬送アドレスを変更していて、これが誤動作の要因となっており、搬送アドレスとユーザの設定とを切り離す必要がある。
【0005】
本発明の目的は、基板処理装置の構成情報を容易に設定可能な構成情報設定装置、および構成情報設定プログラムを提供することにある。
【0006】
このような目的を達成するために、本発明は、基板を搬送する搬送モジュール、及び、前記搬送モジュールに接続され、前記搬送モジュールから搬送される基板に対してプロセスを実行するプロセスモジュールを、少なくともモジュールとして備えた基板処理装置の構成情報を生成する装置であって、前記搬送モジュールの基板搬送口に対応する辺を有する多角形の格子を表示する多角形格子表示手段と、モジュールの設定位置として指定される、前記多角形格子表示手段により表示される多角形格子上の位置を取得する位置指定取得手段と、前記位置指定取得手段による位置の取得に応じ、当該格子領域にモジュールの設定がなされたことを認識させる表示を行うモジュール表示手段と、前記位置指定取得手段により取得した位置に設置するモジュールの識別情報を取得するモジュール識別情報取得手段と、前記モジュール識別情報取得手段により取得したモジュールの識別情報と設置位置とが対応付けられた装置構成情報を生成する構成情報生成手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
なお、多角形格子表示手段は、実際に多角形格子を表示させるのみならず、例えば、四角形格子を表示させる場合に、外枠にのみ数字などで目盛を振る場合など多角形格子を認識させるような表示を行っている場合も含む。
【0008】
本発明によれば、基板の装置構成情報の設定が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板処理システムを示した説明図である。
【図2】構成情報設定装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態に係る仮想フィールドの一例を示した画面概略図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る、仮想フィールドへの装置構成情報の設定状態を示す画面概略図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る、コアアイコンの各辺の識別値の一例を示した説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る装置構成情報テーブルの一例を示した説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る搬送手順データの変換例を示す図である。
【図8】本発明の他の例を説明するための図である。
【図9】六角形の搬送モジュールの表示例を示す図である。
【図10】接続不能箇所を表示させる例を示す図である。
【図11】2階層の基板処理装置の設定画面を示す図である。
【図12】経路判定機能を有する場合のフローである。
【図13】経路判定状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、基板処理システムを示した説明図である。図1の基板処理システムは、基板処理装置100と、構成情報設定装置500と、を備える。基板処理装置100は、制御装置700と、任意の数のプロセスモジュール400と、任意の数の搬送モジュール600と、EFEM(Equipment Front End Module)110と、を含む。
【0011】
処理装置、および、基板の搬送先としてのプロセスモジュール400は、基板に対し処理を行うチャンバ、例えば、ドライエッチングなどが可能なエッチングチャンバ、加熱や冷却が可能な温度調整チャンバ、または、成膜チャンバを有する。成膜チャンバは、例えば、スパッタリング法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法による成膜が可能なチャンバである。各プロセスモジュール400には、自モジュール内のチャンバの種類に応じて、排気ポンプ、プラズマ生成用の電源、ガス導入系などの各基板処理用部材が設けられている。また、各プロセスモジュール400には、自モジュール内の各基板処理用部材を制御して、基板に対し予め定められた処理を実行させるためのPLC(プログラマブルロジックコントローラ)などの制御装置が設けられている。
【0012】
搬送装置としての搬送モジュール600は、基板搬送手段としての搬送ロボット(不図示)が配置された搬送チャンバを有する。搬送チャンバは、他のチャンバと接続し、基板の受け渡しが可能な箇所としての複数の接続ポートを有する。本実施形態では、搬送チャンバは、4個の接続ポートを有している。なお、搬送チャンバが有する接続ポートの数は4個に限定されないことは言うまでもない。
【0013】
搬送モジュール600は、接続ポートを介して、プロセスモジュール400と接続される。複数の接続ポートのうち、プロセスモジュールが接続された接続ポートが、接続箇所となる。また、搬送モジュール600は、接続ポートを介して、他の搬送モジュールと接続可能である。搬送モジュール600には、排気ポンプやアライナ(不図示)などの各構成要素が設けられている。また、搬送モジュール600には、各構成要素を制御して、基板搬送動作を実行させるためのPLCなどの制御装置が設けられている。搬送モジュール600は、搬送ロボットを用いて、各プロセスモジュール400に基板を搬送する。搬送ロボットは、本実施形態では、回転および伸縮自在なアームを有しており、指定されたプロセスモジュール400に基板を搬送する。アライナは、搬送ロボット間での基板の受け渡しや基板の位置ずれの補正を行う。また、搬送モジュール600は、ロードロックを介して、基板の入出力ポートであるEFEM110と接続可能である。ロードロックは、基板を、搬送モジュール600に設けられた搬送ラインに導入したり、基板を搬送ラインから離脱させるための装置である。EFEM110は、大気側から基板を搬送ラインまたはロードロックに導入したり、基板を大気側に搬送するための装置である。
【0014】
制御装置700は、PC(パーソナルコンピュータ)、PLC等により構成される。制御装置700は、プロセスモジュール400と、搬送モジュール600と、EFEM110と、を制御する。本実施形態では、1つの基板を搬送する順序及び搬送先を指定した搬送手順データを構成情報設定装置500から取得し、この搬送手順データに基づいて各搬送モジュール600に所定のタイミングでの基板の搬送を実行させる。また、プロセスモジュール400に所定のタイミングで所定のプロセスを実行させる。
【0015】
構成情報設定装置500は、ユーザからの入力に基づき、少なくともモジュール識別情報と当該モジュール識別情報に対応するモジュールの接続位置の情報を含む基板処理装置の装置構成情報を生成する。また、本実施形態では、上述のように生成した装置構成情報に基づいて、搬送手順データの変換処理(後述する)を行い、基板処理装置100に出力する。なお、構成情報設定装置500は、2台以上のPCにより構成されてもよい。構成情報設定装置500と基板処理装置100間は、LAN(Local Area Network)またはRS−232Cなどの規格によるネットワークを介して接続され、データ通信が可能になっている。
【0016】
なお、構成情報設定装置500は、CPU501、液晶ディスプレイなどの表示装置506、キーボードなどの入力装置507、システムバス508を介してCPU501に接続され、表示装置506や入力装置507を制御するI/F505等を有する。CPU501は、メモリ部に記憶されたプログラム(例えば、図2に示すプログラム等)等に基づいて、各種処理を制御する。メモリ部は、ハードディスクドライブなどの記憶装置504、CPU501が動作するためのシステムワークメモリであるRAM502、プログラムやシステムソフトウェア等を格納するROM503等を有している。
【0017】
図2は、構成情報設定装置500の動作を説明するためのフローチャートである。以下、図3〜図7も参照してこのフローを説明する。
まず、ステップS101において、構成情報設定装置500は、表示装置506に多角形格子を表示する。本実施形態では、図3に示すような四角形格子200(以下、「仮想フィールド200」と記述することもある)を表示する。本実施形態では、単位格子は、搬送モジュールの接続ポートに対応する辺を当該搬送モジュールの接続ポート数分有する多角形としている。従って、搬送モジュール400が4つの接続ポートを有することから、四角形格子としている。
また、図3の例では、各単位格子の領域(各フィールド領域)を識別可能な目盛が行方向、列方向の夫々に振ってある。これにより、ユーザがモジュールを設定すべき位置を正確に認識して設定できるだけでなく、ユーザがアドレスを認識することができる。
この状態において、ユーザからのモジュールを設定すべき位置の入力を待ち受ける(ステップS102)。入力装置507を介し四角形格子上の領域指定が行われたことを検知すると(ステップS102:YES)、次に、当該モジュールに関する情報(以下、モジュール情報)の入力を待ち受ける(ステップS103)。このとき、図示していないが、例えば、モジュール情報の入力を受付ける画面を各種入力項目と共に表示してもよい。もちろん、モジュールを設定すべき位置の指定を受付けるよりも前に、モジュール情報の指定の入力を受け付けるようしてもよい。
ステップS103においてモジュール情報を取得すると(ステップS103:YES)、対応するモジュールのアイコンを表示する(ステップS104)。図4の例では、搬送モジュール600に対応づけられたコアアイコン301,302と、プロセスモジュール400にそれぞれ対応づけられたプロセスアイコン303〜307と、EFEM110に対応付けられたEFEMアイコンを用いている。
【0018】
ステップS105において、ステップS102及びS103において取得したモジュールを設定すべき位置及びこの位置に設定すべきモジュールに対応するモジュール情報に基づき装置構成情報を生成する。
図6は、装置構成情報の一例を示した説明図である。図6において、モジュールID(モジュール識別情報)とモジュールName(モジュール種別情報)とProfile Path(入力したデータ等を格納している場所)は、構成情報設定装置500のユーザI/Fで受け付けられる。そして、記憶装置504に装置構成情報テーブルとして、各モジュールに対応付けて登録される。また、各モジュールの設置位置及び接続関係を特定可能な情報がアドレスとして、装置構成情報テーブルに登録される。このアドレスは、基板の搬送時に基板の搬送先を特定するための情報などとして利用される。なお、各プロセスモジュールおよび各プロセスモジュールのアドレスは、基板処理装置100側の制御装置700にも設定される。制御装置700への設定は、構成情報設定装置500が行ってもよいし、システム管理者が行ってもよい。
【0019】
本実施形態におけるアドレスの割り当て法について説明する。本実施形態では、搬送モジュール600にはフィールド識別情報を、プロセスモジュール400には当該プロセスモジュール400が接続する搬送モジュール600のフィールド識別情報に、搬送モジュール600の接続ポートの番号を組合せた階層的なアドレスを用いている。具体的には、図4において、コアアイコン301,302の各辺は、搬送モジュール600上の接続ポートの設置位置を示す。コアアイコンの各辺には、その辺を識別するための識別値(Station番号)が予め設定され、記憶装置504に格納されている。
【0020】
各プロセスアイコンには、搬送モジュールとの接続箇所を示す接続箇所指示部が設けられている。図4では、プロセスアイコンが有する辺のうち、台形の斜線部の辺の中で最短の辺が存在する辺が、接続箇所指示部として用いられる。
【0021】
図4では、例えば、コアアイコン301は、フィールド識別情報としての行列番号「24」の領域201に配置されている。また、例えば、プロセスアイコン303は、行列番号「23」の領域201に配置され、プロセスアイコン303の接続箇所指示部303aが、コアアイコン301の搬送モジュール600の対応領域(行列番号「24」の領域201)と隣接している。このため、接続箇所指示部303aと行列番号「24」の領域201との隣接箇所が、搬送モジュール600およびプロセスモジュール400の接続箇所となり、その識別値(Station番号)は2である。従って、プロセスアイコン303に対応するプロセスモジュール400(図4,6ではモジュール識別情報「Ch−B」)のアドレスとして「242」が設定される。
図2に戻り、構成情報設定装置500では、搬送手順データを取得し(ステップS106)、基板処理装置100において用いることができる搬送手順データに変換する(ステップS107)。本実施形態では、搬送順序とモジュール識別情報が対応付けられた搬送順序データから、構成情報テーブルを参照し、搬送順序とアドレスが対応付けられた搬送順序データに変換する。
【0022】
図7を例に説明すると、基板に対する処理の手順を記述した搬送順序データ(レシピ情報)を、ユーザI/Fからの入力等により取得する。レシピ情報は、例えば、Ch−A→Ch−C→Ch−Bである。このレシピ情報では、基板が搬送されるモジュールのID(モジュール識別情報)が、搬送先指定データとして用いられている。また、レシピ情報では、モジュール間の工程経路が、矢印で示されている。このため、このレシピ情報(は、基板を、Ch−Aで識別されるモジュール、Ch−Cで識別されるモジュール、Ch−Bで識別されるモジュールの順に搬送して処理する旨(基板の搬送順序および搬送先)を示している。本実施形態では、搬送先指定データとして、基本的にプロセスモジュール識別情報(Ch−ID)が用いられる。ただし、搬送先を特定できるデータであれば、その形式は限定されず、例えば、プロセスモジュール種別情報(Ch−Name)と他の情報との組み合わせでもよい。
【0023】
次に、ステップS107において、装置構成情報テーブルに基づいて、レシピ情報中の搬送先指定データ(モジュールID)を、搬送先となるモジュールのアドレスに変換する。これにより変換後の搬送順序データは、「142→243→242」となり、基板処理装置100に送信される。これを受信した基板処理装置100では、さらに細かい制御用のデータ(例えば、「14Core2out→14Core3in→24Core1out→24Core3in」)に変換し、各搬送モジュール600を制御する。
以上のように、搬送手順データをユーザが入力する時点では、モジュール識別情報とし、構成情報設定装置500や基板処理装置100で変換して用いることで、ユーザ側ではアドレスの付与ルール等の複雑なルールを記憶しなくても、簡単にレシピ設定ができる。また、装置の接続位置が変更されても、搬送順序データ自体に手を加える必要がないので、修正時のミス等による誤動作を防止できる。
【0024】
以上のように、本実施形態では、仮想フィールドを格子状に構成している。従って、領域のそれぞれの識別情報(フィールド識別情報)として、領域の位置を示す情報である行列番号を用いることができる。この場合、搬送モジュールおよびプロセスモジュールのアドレスが、仮想フィールドにおけるモジュールの位置も示すことになり、アドレスに基づいて、モジュール間の接続関係を判定することが可能になる。
【0025】
以上、実施形態について説明したが、本発明の適用は上記実施形態に限定されない。
なお、仮想フィールドの形状は、各領域201が格子状に配置された格子状領域にて形成される四角形に限らない。また、領域201の形状も四角形に限らず、搬送モジュールの構成(例えば、搬送モジュールが有する接続ポートの数)に応じて適宜変更可能であり、例えば、図8に示すような六角形格子や三角形格子でもよい。なお、図8中、符号341はプロセスアイコン、342はEFEMアイコン、343はコアアイコンである。
【0026】
ただ、四角形格子とした場合、例えば、図9に示すような六角形の搬送モジュール601や八角形、それ以上の搬送モジュールを接続した場合でも、同じ格子領域を用いることができる。なお、この場合、例えば、奇数個の接続ポート5つの接続ポートしかない場合でも、例えば、図10に示すように、ユーザの設定により又は予めなされた設定により、接続不能箇所を表示させる構成としてもよい。図中、309はコアアイコン、308はプロセスアイコン、321はEFEMに対応するEFEMアイコン、Trは搬送ロボットである。
【0027】
また、例えば、搬送チャンバを上下方向にも接続する場合など、単位格子が立体からなる3次元格子(三角柱格子、立方格子、六角柱格子など)とすることもできる。ただ、搬送チャンバを上下方向に接続するような場合にも、図11に示すように、階層ごとに2次元格子を表示して設定させるようにしてもよい。このとき、2以上の階層で対応して設置すべきモジュールは、いずれかの階層で設置位置の指定が行われたときに(アイコン311で示す位置への設置)、他の階層にも設定を促すアイコン312を表示させてもよい。
【0028】
また、構成情報設定装置500にさらに経路判定機能を持たせてもよい。この場合のフローの例を図12に示す。図12の例では、搬送手順データ及び装置構成情報を夫々取得し(ステップS201,S202)、これらに基づき搬送手順データにより指定されるモジュールと同種の処理を実行するモジュールが基板処理装置内に他に有るかを判定する(ステップS203)。これは、例えば図6に示す装置構成情報テーブル中の「モジュールName」の情報からも判定できるし、この判定のためにさらに別の項目を設けてもよい。これにより、複数の同種モジュールがあることが判明した場合(ステップS204:YES)、搬送手順データにより指定されるモジュール、及び、同種モジュールを経由した経路を抽出し、各経路のモジュール間搬送数を算出する(ステップS205)。全経路について、モジュール間搬送数を算出後(ステップS206)、モジュール間搬送数が最小の経路を判定し(ステップS207)、最短経路として出力する(ステップS208)。
図13に示す例では、同種のプロセスモジュールであるCh-D、Ch-Gのうち、Ch-Dを経由する経路1はモジュール間搬送数が5であり、Ch−Gを経由する経路2よりも搬送距離が長くなるため、経路2が選択される。なお、図13中、符号322はプロセスアイコンである。
これにより、工程にかかる時間を短縮できる。
【0029】
また、上述の実施形態では、搬送チャンバの周囲にプロセスチャンバが接続するコア型の基板処理装置に適用されているが、これに限らず、搬送手段を有する搬送チャンバにさらに処理用部材が設けられ、搬送とプロセスが共に実行可能であるタイプ(例えば、インライン型)の基板処理装置にも本発明を適用可能である。
【0030】
また、アドレス設定装置として使用しているが、アドレス設定に限らず、基板処理装置における構成情報の設定装置として用いてもよい。つまり、複数の搬送チャンバを相互に接続した場合に各搬送チャンバが配置される各位置を画像表示し、これに対し、実際に配置させる搬送チャンバやプロセスチャンバの位置の指定と、搬送チャンバやプロセスチャンバの情報を取得し、搬送チャンバやプロセスチャンバの情報と識別情報との対応を格納する装置として構成してもよい。
【0031】
また、上記アドレスとして、プロセスチャンバに対しては搬送チャンバの位置情報に接続ポートの識別番号を付加したものを用いているが、プロセスチャンバに対しても位置情報をアドレスとして設定してもよい。すなわち、本実施形態では、構成情報には、その一要素として、搬送モジュールのどの接続ポートにプロセスモジュールが接続されるのかを示す情報が含まれているが、該情報の代わりに、仮想フィールド上のプロセスモジュールの配置位置を構成情報に含ませても良い。本実施形態では、フィールド識別情報を予め記憶装置504に格納しているので、仮想フィールド上のプロセスモジュールの配置位置が特定できれば、該配置位置に対応するフィールド識別情報を取得することができる。よって、該フィールド識別情報を対応するプロセスモジュールのアドレスに設定すれば良い。
【0032】
なお、仮想フィールド上における、搬送モジュールおよびプロセスモジュールの配置箇所の指定は、図4に示すようなアイコンを用いて行うことに限定されず、ユーザがシステム制御装置2の入力装置を介して、直接入力するようにしても良い。この場合は、例えば、図2に示す仮想フィールドにおいて、仮想フィールド200の2行目4列目および1行目4列目に搬送モジュールを配置し、1行目3列目、2行目3列目、3行目4列目、2行目5列目、および1行目5列目にそれぞれ、プロセスモジュールを配置することをユーザが上記入力装置を介して入力するようにしても良い。記憶装置504には、仮想フィールド200の各領域に対するフィールド識別情報が格納されているので、上記ユーザ入力により指定された領域のフィールド識別情報を抽出することにより、搬送モジュールおよびプロセスモジュールのアドレスを設定することができる。
【0033】
また、上述の実施形態では、図1に示すように、構成情報設定装置500と基板処理装置100を分けているが、構成情報設定装置500の機能を基板処理装置100の制御装置200に組み込んでもよい。同様に、基板処理装置100の制御装置200の機能を構成情報設定装置500に組み込んでもよい。
【0034】
また、前述した実施形態の機能を実現するように前述した実施形態の構成を動作させるプログラムを記憶媒体に記憶させ、該記憶媒体に記憶されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も上述の実施形態の範疇に含まれる。即ちコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も実施例の範囲に含まれる。また、前述のコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体はもちろんそのコンピュータプログラム自体も上述の実施形態に含まれる。
【0035】
かかる記憶媒体としてはたとえばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。
【0036】
また前述の記憶媒体に記憶されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウエア、拡張ボードの機能と共同して、OS上で動作し前述の実施形態の動作を実行するものも前述した実施形態の範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0037】
500 構成情報設定装置
100 基板処理装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を搬送する搬送モジュール、及び、前記搬送モジュールに接続され、前記搬送モジュールから搬送される基板に対してプロセスを実行するプロセスモジュールを、少なくともモジュールとして備えた基板処理装置の構成情報を生成する装置であって、
前記搬送モジュールの基板搬送口に対応する辺を有する多角形の格子を表示する多角形格子表示手段と、
モジュールの設定位置として指定される、前記多角形格子表示手段により表示される多角形格子上の位置を取得する位置指定取得手段と、
前記位置指定取得手段による位置の取得に応じ、当該格子領域にモジュールの設定がなされたことを認識させる表示を行うモジュール表示手段と、
前記位置指定取得手段により取得した位置に設置するモジュールの識別情報を取得するモジュール識別情報取得手段と、
前記モジュール識別情報取得手段により取得したモジュールの識別情報と設置位置とが対応付けられた装置構成情報を生成する構成情報生成手段と、
を備えることを特徴とする構成情報設定装置。
【請求項2】
前記多角形格子表示手段は、四角形格子を表示させるものであることを特徴とする請求項1に記載の構成情報設定装置。
【請求項3】
基板を搬送する搬送モジュール、及び、前記搬送モジュールに接続され、前記搬送モジュールから搬送される基板に対してプロセスを実行するプロセスモジュールを、少なくともモジュールとして備えた基板処理装置の構成情報を生成する装置に読み込まれて実行されるプログラムであって、
前記搬送モジュールの基板搬送口に対応する辺を有する多角形の格子を表示する多角形格子表示手段と、
モジュールの設定位置として指定される、前記多角形格子表示手段により表示される多角形格子上の位置を取得する位置指定取得手段と、
前記位置指定取得手段による位置の取得に応じ、当該格子領域にモジュールの設定がなされたことを認識させる表示を行うモジュール表示手段と、
前記位置指定取得手段により取得した位置に設置するモジュールの識別情報を取得するモジュール識別情報取得手段と、
前記モジュール識別情報取得手段により取得したモジュールの識別情報と設置位置とが対応付けられた装置構成情報を生成する構成情報生成手段と、
を備えることを特徴とする構成情報設定プログラム。
【請求項1】
基板を搬送する搬送モジュール、及び、前記搬送モジュールに接続され、前記搬送モジュールから搬送される基板に対してプロセスを実行するプロセスモジュールを、少なくともモジュールとして備えた基板処理装置の構成情報を生成する装置であって、
前記搬送モジュールの基板搬送口に対応する辺を有する多角形の格子を表示する多角形格子表示手段と、
モジュールの設定位置として指定される、前記多角形格子表示手段により表示される多角形格子上の位置を取得する位置指定取得手段と、
前記位置指定取得手段による位置の取得に応じ、当該格子領域にモジュールの設定がなされたことを認識させる表示を行うモジュール表示手段と、
前記位置指定取得手段により取得した位置に設置するモジュールの識別情報を取得するモジュール識別情報取得手段と、
前記モジュール識別情報取得手段により取得したモジュールの識別情報と設置位置とが対応付けられた装置構成情報を生成する構成情報生成手段と、
を備えることを特徴とする構成情報設定装置。
【請求項2】
前記多角形格子表示手段は、四角形格子を表示させるものであることを特徴とする請求項1に記載の構成情報設定装置。
【請求項3】
基板を搬送する搬送モジュール、及び、前記搬送モジュールに接続され、前記搬送モジュールから搬送される基板に対してプロセスを実行するプロセスモジュールを、少なくともモジュールとして備えた基板処理装置の構成情報を生成する装置に読み込まれて実行されるプログラムであって、
前記搬送モジュールの基板搬送口に対応する辺を有する多角形の格子を表示する多角形格子表示手段と、
モジュールの設定位置として指定される、前記多角形格子表示手段により表示される多角形格子上の位置を取得する位置指定取得手段と、
前記位置指定取得手段による位置の取得に応じ、当該格子領域にモジュールの設定がなされたことを認識させる表示を行うモジュール表示手段と、
前記位置指定取得手段により取得した位置に設置するモジュールの識別情報を取得するモジュール識別情報取得手段と、
前記モジュール識別情報取得手段により取得したモジュールの識別情報と設置位置とが対応付けられた装置構成情報を生成する構成情報生成手段と、
を備えることを特徴とする構成情報設定プログラム。
【図4】
【図5】
【図6】
【図1】
【図2】
【図3】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図5】
【図6】
【図1】
【図2】
【図3】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−99672(P2012−99672A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−246683(P2010−246683)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(000227294)キヤノンアネルバ株式会社 (564)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(000227294)キヤノンアネルバ株式会社 (564)
【Fターム(参考)】
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