構成要素、サブアセンブリおよびアセンブリを自己整合する方法、装置およびシステム
構成要素、サブアセンブリ、および/またはアセンブリを自己整合する方法、装置、およびシステムであって、適した整合がもたらされるように構成要素、サブアセンブリ、および/またはアセンブリを物理的に移動するためにアクチュエータが用いられる。整合の効率が出力信号の定性的測定(例えば、ビット誤り率、光強度、等)に対して決定され得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、整合クリティカルな構成要素、サブアセンブリ、およびアセンブリの組立に関し、より詳細には、光学システムなどの指向性エネルギー・システムのための、そのような構成要素、サブアセンブリおよびアセンブリの自己整合に関する
【背景技術】
【0002】
現在、光通信パッケージの製造に関連付けられたコストの不釣合いに大きい割合はレーザ・ダイオードおよびシングルモード・ファイバといったモジュール内のマイクロメートル・サイズの光学素子間で必要とされる高精度の整合で問題になっている。達成しなければならない位置精度の程度が高いために、そういったパッケージを製造するためには、比較的遅い労働集約的技法が用いられることが多い。この遅くてコストのかかるアプローチは低コストの通信機器の製造にとっては大きな障害である。このアプローチに代わるものが提案されかつ/または実施されている。
【0003】
Axsun社(米国マサチューセッツ州ビレリカ所在)によって提供される代替的な1つのアプローチは、構成要素の各々のために特別な変形可能な微小電気機械システムMEMSサブマウントを利用している。これらのサブマウントはピック・アンド・プレイス機械を用いて基板上に設置され、適所で溶接される。続いて、サブマウントの非常に正確な位置決めが、所望の位置決めまたは整合が実現されるようにサブマウントに力を加えて既知の様式でそれを変形させる専門的なロボット・アームを用いて達成される。この技術は大きな初期投資、長期に及ぶ組立および設定時間という問題がある。更に、特別な機器を製造するのに典型的に用いられる小体積の構成要素が多岐にわたるために、このアプローチの費用効率の高い使用は制限される。また、この技法はカスタム化されたサブマウントに固有の既知の調整曲線に大きく依存するので、異なるデバイスにそれを適合させるという点ではこの技法は柔軟性がないものになる。
【0004】
幾つかの研究論文は、光ファイバのサブマイクロメートルの位置制御のためのMEMS熱機械的アクチュエータの使用を検討している(例えばR.R.A.Syms,H.Zou,D Uttamchandani,J.Stagg,J.MicroMech.Microeng.14 1633(2004)、Active Fiber Optic MEMS Aligner Boeing−米国特許第5,553,182明細書を参照のこと)。これらの研究論文に記載されている方法は、ファイバ末端の位置を少し調整して、光源または別のファイバとの結合効率を改善することを可能にする。また、Linら(L.Y.Lin、J.L.Shen、S.S.Lee、M.C.Wu、IEEE Photon.Tech.Lett.9,345(1997))は、自由空間のビームを操縦するためにMEMS用静電アクチュエータをXYZステージにおいて用いることを例証している。
【非特許文献1】R.R.A.Syms,H.Zou,D Uttamchandani,J.Stagg,J.MicroMech.Microeng.14 1633(2004)
【特許文献1】米国特許第5,553,182明細書
【非特許文献2】Linら(L.Y.Lin、J.L.Shen、S.S.Lee、M.C.Wu、IEEE Photon.Tech.Lett.9,345(1997))
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記光学パッケージ製造に対する最初の2つのアプローチの大きな不利は、いずれも労働集約的であることおよび/または資本集約的であることによるコストにある。また、これらの技法はいずれも構成要素の位置を変えるのに外的な操作を用いるために、その多様性の点で制限される。
【0006】
MEMSデバイスもそれらに関連付けられた大きな不利がある。このファイバ位置決めデバイスは、シングル・ファイバを一方向にのみ、ほんの少しの距離、約20マイクロメートル移動することができる。Linらが提案した方法は、高いコスト、複雑さ、および信頼性の問題を被る。最終的には、静電的起動を用いて動作するこのMEMSをベースにしたデバイスは高電圧要件を有し、典型的には、少ししか変位させることができない。熱機械的反応に基づいて動作するこのMEMSデバイスは典型的には、1マイクロメートルの変位当たり約0.3ワットという相当な量のエネルギーを浪費する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
先行技術の様々な欠陥は、少なくとも2つの指向性エネルギー処理構成要素を整合させて該構成要素間のエネルギー結合効率を最適化する方法の本発明によって対処され、該方法は制御されたアクチュエータを用いて指向性エネルギー構成要素の少なくとも1つを付勢して、これにより構成要素の位置を並進させるステップを含む、該アクチュエータは決定されたエネルギー結合レベルに応答して制御される。
【0008】
本発明の教示は添付図面と併せて以下の詳細な説明を考察することによって容易に理解することができる。
【0009】
理解し易いように、図面に共通する同一の要素を示すために、可能な場合は、同一の参照番号を用いている。
【0010】
本発明は、光学構成要素が並進されて、機器のアセンブリまたはピース内に設置した後に所望の様式で自分自身を光学的に整合できるように、アクチュエータ・デバイスを光学構成要素と一体化するという文脈内で主に記載される。しかし、本明細書の教示による情報を受けた当業者であれば、本発明が設置後の自動的整合が望まれるどのような構成要素またはサブアセンブリにも適用可能であることが認識されよう。例えば、光エネルギー、マイクロ波エネルギー、および他の指向性エネルギー、または設置後の整合が望まれ得る構成要素に関連付けられた信号が挙げられる。
【0011】
本発明の文脈においては、1つまたは複数の光学構成要素は、光路またはその光学構成要素に関連付けられた整合を修正するように適合されたアクチュエータと一緒にパッケージングされる。このように、位置を再調整し、ビーム方向を変える能力は、パッケージ内の個々の構成要素に本質的に組み込まれている。これによって、最初のパッケージ組立のための表面実装技術などの従来の高速製造工程を使用することが可能となる。一体化された作動型光学要素を用いれば、次いで、パッケージ内の個々の構成要素は必要とされる高精度で自身を再整合することができる。これを実現するために、本発明の本体を形成する幾つかの調整可能な光学素子が必要とされる。そういった調整可能な構成要素の集合をここに記載し、それらは自由空間で光ビームを操縦し、源およびレシーバの位置を調整することもできる。例えば、ファイバ、源、またはレンズなどの要素の実際の位置および配向を調整することのできる能動(1)サブマウント;(2)プリズム角を能動的に変えることによってビームを操縦することのできる調整可能プリズム;(3)ビーム方向を変えることができ、追加でそれ自身の焦点距離を調整することのできるアクチュエータのアレイに基づいた変形可能ミラー;および(4)調整が電荷をイオン電気活性ポリマーに注入することに由来する調整可能なレンズが挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は本発明を理解するのに有用な、指向性エネルギー・アセンブリ100のハイレベルなブロック図を示す。具体的には、図1のアセンブリ100は、処理して指向性エネルギー出力信号OUT(単語OUTは図1には示していないことに留意されたい)を生成するエネルギー入力信号INを誘導する。光エネルギーの文脈内で説明されているが、本発明はどのような指向性エネルギーにも関わる構成要素整合問題を対処する。
【0013】
指向性エネルギー・アセンブリ100は、入力プロセッサ110、4つのエネルギー・ダイバータ(例えば、ミラー)121−124、およびエネルギー・スプリッタ(例えば、光スプリッタ)131、第1の構成要素141および第2の構成要素142を備える。指向性エネルギー・アセンブリ100は出力検出器160および信号処理器170と協働する。
【0014】
第1の構成要素141および第2の構成要素142は、入力および/または出力エネルギーの整合が望まれるどのような指向性エネルギーまたは光学構成要素を含んでもよい。図示していないが、第1の構成要素141および第2の構成要素142の各々は、受け取られたかまたは送信されたエネルギーに対する構成要素の位置が適合されるように個々のアクチュエータを一体化するような様式で形成される。一体化された構成要素/アクチュエータのトポロジーの種々の実施形態を残りの図面に関連して以下で更に詳細に記載する。
【0015】
指向性エネルギーまたは光入力信号INは、入力プロセッサ110によって受信され、更に処理することが意図される3つの信号(すなわち、光波長信号λ1、λ2、およびλ3)に変換される。光波長信号λ1およびλ3はそれぞれ第1のミラー121および第2のミラー122を介して、他の処理要素または構成要素(図示せず)に結合される。光波長信号λ2はスプリッタ131を介して光学構成要素141に結合される。スプリッタ131からの光波長信号λ2の分割された部分は、第3のミラー123を介して構成要素142に結合される。
【0016】
構成要素141は構成要素142に結合される出力光信号λXを提供する。構成要素142は指向性エネルギー・アセンブリ100からの後続の出力に第4のミラー124に結合される出力光信号λXXを提供する。
【0017】
構成要素141は1つまたは複数のアクチュエータ(図示せず)を介して、それが受け取った光信号λ2と整合される。構成要素142は1つまたは複数のアクチュエータ(図示せず)を介して、それが受け取った光信号λXおよびλ2の一方または両方と整合される。構成要素141および142は、入力信号、出力信号、または入力信号および出力信号のどのような組合せも、あるいは構成要素自身を入力信号または出力信号のいずれかに対して整合するアクチュエータを含み得る。
【0018】
構成要素141および142に関連付けられたアクチュエータは、指向性エネルギー・アセンブリ100によって受け取られるアクチュエータ制御信号ACに応答する。このアクチュエータ制御信号ACは、指向性エネルギー・アセンブリ100上の構成要素に関連付けられた1つまたは複数のアクチュエータに影響を及ぼすように適合された電気的、光学的、熱的、またはその他の制御信号を含み得る。熱アクチュエータの場合、加熱または冷却要素はアクチュエータと関連付けされてもよく、このような加熱または冷却要素は、アクチュエータ制御信号ACによって制御される。
【0019】
図1の指向性エネルギー・アセンブリ100は、例えば、光学アセンブリまたはサブアセンブリ、マイクロ波またはミリメートル波アセンブリまたはサブアセンブリ、等を含む。説明したような図示のアセンブリは、好ましいビーム方向性が達成されるようにアクチュエータと一体化された構成要素(141、142)を含む。示していないが、指向性エネルギー・アセンブリ自身が、例えば最大の力伝達を達成するためにアセンブリ・レベルの整合を入力信号および出力信号にそれぞれ提供する1つまたは複数の入力信号アクチュエータおよび/または1つまたは複数の出力信号アクチュエータにそれを関連付けしてもよい。
【0020】
場合によっては、指向性エネルギー・アセンブリ100によって生成された出力信号は、出力検出器160および信号処理器170によって処理される。出力検出器は指向性エネルギー・アセンブリ出力を監視して、電力レベル、ビット誤り率BER等のその出力に関連付けられた定性パラメータを決定する。出力検出器160は光検出器、順方向誤り訂正FECプロセッサ、等を備えてもよい。
【0021】
信号処理器170(この実施形態では)がアクチュエータ制御信号ACを生成する。この信号処理器は、デジタル信号処理器DSPまたは他の計算機構を備えてもよい。信号処理器170は毛決定された定性パラメータに応じてアクチュエータ制御信号ACを適合させる。このように、指向性エネルギー・アセンブリ100内の1つまたは複数のアクチュエータが指向性エネルギー・アセンブリ出力信号の定性パラメータを改善し易い様式で適合されたフィードバック・ループが得られる。本質的には、能動制御ループが光信号を監視し、パッケージ内のアクチュエータを調整し、伝送またはBERなどの信号に関連付けられた別のパラメータの点で光信号を最適化する。
【0022】
一般に、1つまたは複数のアクチュエータは指向性エネルギー処理構成要素に近接して配置されて、構成要素の好ましい整合を可能にするように適合された力をその構成要素に提供する。構成要素の好ましい整合が、例えば、閾値レベルを超える定性パラメータ(例えば、閾値ビット誤り率より低いビット誤り率、光強度閾値レベルを超える光強度、等)を有する出力信号を提供する整合の場合、信号処理器は、アクチュエータ調整が検出された定性パラメータを改善(例えば、ビット誤り率を下げるか、光強度を増大する)し易いように、検出された定性パラメータに応答して1つまたは複数のアクチュエータを調整する。
【0023】
別の実施形態は、最初にSMT(表面実装技術)を用いて組み立てられて、人間のオペレータまたは外的な機械的操作が介入することなく自身を調整する、自己整合パッケージである。このパッケージは、機械的衝撃などの外的影響に起因する光信号の低下がある場合にパッケージ自身を再調整できるものであってもよいし、個々の構成要素が故障したときにパッケージ自身を再構成することのできるものであってもよい。この実施形態では、出力検出器160および信号処理器170に関連して記載した機能性が指向性エネルギー・アセンブリ自身内に含まれてもよい。このため、構成要素、アセンブリ、等の階層に対して以下で説明するように、光学システムなどの指向性エネルギー・システム内の構成要素、サブアセンブリ、またはアセンブリの各々は、指向性エネルギー製品の組立、試験、および配置の速度が劇的に増大される一方で、同時に所望の定性パラメータを増大できるような、自己整合処理機能を含んでもよい。
【0024】
図2から4は本発明の第1の実施形態に係る調整可能な構成要素サブマウントの略図を示している。これらの図面の各々は光学構成要素などの構成要素がサブマウント内に含まれた1つまたは複数のアクチュエータを用いて特定の方向に物理的に付勢される構成要素サブマウントを示している。このため、アセンブリ内の光学構成要素の整合の単純化は、光学構成要素と一緒にサブマウントに含まれた1つまたは複数のアクチュエータを制御することによって実現される。
【0025】
図2はファイバ位置決め器を備える調整可能な構成要素サブマウントを示している。具体的には、光ファイバは図2Aの水平配置(x軸線)または図2Bの垂直配置(y軸線)のいずれかで2つのアクチュエータの間に物理的に設けられる。図2Aの配置では、x軸線に沿って光ファイバの位置を適合させるために、このアクチュエータが用いられる。同様に、図2Bの配置では、y軸線に沿って光ファイバの位置を適合させるために、このアクチュエータが用いられる。更なる実施形態では、ファイバの2次元位置決めがアクチュエータの制御を介してもたらされるように、x軸線およびy軸線両方のアクチュエータが用いられる。
【0026】
図3は例えばレーザ・ダイオードのためのレーザ源サブマウントを備える調整可能な構成要素サブマウントを示している。具体的には、レーザ源は2つのアクチュエータより上に物理的に設けられ、レーザ源の近位部分は第1のアクチュエータよりも上で、レーザ源の遠位部分は第2のアクチュエータよりも上にある。レーザ源はアクチュエータの上に直接設けられてもよいし、アクチュエータの上に載っているプラットフォームまたは基板領域の上に設けられてもよい。図3Aは静止または緩んだ状態のレーザ源サブマウントを示している(すなわち、実質的に水平方向のビームが得られるように、アクチュエータはレーザ源を支持している)。図3Bは能動状態のレーザ源サブマウントを示しており、アクチュエータはビームが水平よりも上で提供されるようにレーザ源の伝送端部をレーザ源の非伝送端部よりも上に上げるように適合されている。このアクチュエータを用いて、アクチュエータによってレーザ源に対して一部が相対的に偏向させられたことによって、角度が水平よりも上または下の出力ビームを提供してもよいことに留意されたい。複数のアクチュエータが、場合によっては、2つ以上の軸線周囲の運動(例えばピッチおよびロール)が達成されるように組み合わされる。
【0027】
図4は、例えば2本の光ファイバ間で光を結合するように適合されたレンズのためのレンズ・サブマウントを備える調整可能な構成要素サブマウントを示している。図4に示すように、このレンズはアクチュエータからの圧力に応じて、並進されるか、または第1のファイバから受け取られた光が第2のファイバ近位の異なるポイントの方に向けられるように、その光学特性を適合する実質的に球形の物体を備える。実質的に球形の物体として示されているが、本発明はアクチュエータを付勢することに応じて適合され得るどのようなレンズ構造(例えば、球形、楕円形、プリズム、等)の文脈内でも有用であることを認識されたい。このため、図4に示す「ボール・レンズ」は、光ファイバ間の結合効率を増大させるのに用い得る複数の光学構成要素の単純な1つである。ボール・レンズは図7に関連して以下に更に詳細に示される。
【0028】
図5は本発明の第2の実施形態の1つに係る調整可能な構成要素サブマウントの略図を示す。図5に示すように、調整可能な構成要素サブマウントは例えばレーザ・ダイオード用などのレーザ源サブマウントを備える。具体的には、レーザ源および調整可能なプリズムは、レーザ源が提供する光がプリズムを通過するようにプラットフォームを介して作動的に配置されている。
【0029】
調整可能なプリズムは、TLMMで示した透明な低弾性材料と少なくとも1つのアクチュエータAとの間に配設した、PW1およびPW2で示した2つの透明なプリズム壁(例えば、ガラス、プラスチック、等)を備える。図5の実施形態では、A1およびA2で示した2つのアクチュエータは、透明なプリズム壁の間の上方部分(A1)および下方部分(A2)に配置されたものとして示されている。必要なのは、源によって生成された光の経路が、例えば、プリズム壁の一方または両方に対するその光の入射角を変えることによって制御されるように、1つまたは複数のアクチュエータが通常は同一平面上にある透明なプリズム壁を乱すように作用可能であることである。
【0030】
図5Aは静止または緩んだ状態の調整可能なプリズムを示している(すなわち、実質的に水平方向のビームが得られるように、アクチュエータはレーザ源を支持している)。この状態においては、レーザ源によって生成された光は、第1のプリズム壁、TLMM、および第2のプリズム壁を実質的に直線状に通過する。
【0031】
図5Bは、プリズム壁間の距離がアクチュエータA1近位の壁部分からアクチュエータA2近位の壁部分まで徐々に大きくなるように第2のアクチュエータA2が拡張した能動状態である調整可能なプリズムを示している。プリズムを通過する光がプリズム壁材料およびTLMM材料だけを通過するように、透明な低弾性材料が2つのプリズム壁間で利用可能な空隙に適合することが好ましいことに留意されたい。図5はアクチュエータによって変位されている第2のプリズム壁PW2を示すが、プリズム壁の一方または両方がそのように変位されてもよいことにも留意されたい。このような変位はアクチュエータの一方または両方を用いて生じ得る。また、追加のアクチュエータは場合によっては、図5に示した調整可能なプリズム内に含まれる。例えば、相互に対する壁の相対位置を任意の方向に調整するために、追加のアクチュエータがプリズム壁内に配設されてもよい。すなわち、図5の図示された「上部」および「下部」アクチュエータに加えて、あるいはこれの代わりに、「左」および/または「右」アクチュエータが場合によっては、本発明に係る種々の構成で設けられる。
【0032】
上記の本発明の種々の実施形態は、整合から利益を受ける構成要素および整合を達成するように作動する1つまたは複数のアクチュエータを含んだ、アセンブリまたは装置を備える。このアクチュエータは幾つかの技術のいずれかを用いて実現され得る。例えば、熱アクチュエータは、熱に反応して予測可能に拡張または収縮する熱機械的ポリマーを用いて実現され得る。電気的アクチュエータは、電圧または電流に応答して予測可能に拡張または収縮する電気活性ポリマー、圧電セラミック、等を用いて実現され得る。他のアクチュエータはMEMSデバイス、電磁アクチュエータ、等を含む。典型的には、光学的再整合または他の効果を実現するのに必要な機械的調整の量は比較的小さく、約数十マイクロメートルである。しかし、これら数十マイクロメートルは本発明の教示に従って適合された構成要素を利用した光学アセンブリの電力伝達、効率、および全般的動作の点で非常に大きな違いを生じることがある。
【0033】
MEMS型デバイスは典型的には、10乃至100ボルト必要とし、10乃至20マイクロメートルの変位を提供したことに留意されたい。更に具体的には、静電アクチュエータは約数マイクロメートルの変位を用いて最も良く機能する。100マイクロメートル以下の行程の櫛歯駆動アクチュエータを作成することができるが、電圧が高くなり、側方安定性は悪くなる。この櫛歯を支持するバネも大型で、非常に壊れ易い。対照的に、ポリマー・アクチュエータは2ボルト未満で40マイクロメートルを超える変位が可能である。光、熱、または電気の力に起因して拡張/収縮するポリマーを用いると、歯車の歯、ギア、ヒンジ、ジンバル等の可動パーツは不要である。そういったポリマーは、例えば200nmの精度で40マイクロメートルの可動域が可能である。
【0034】
図6は本発明の第3の(読み手がどのように数えているか分からないが、これは第5の可能性もある)実施形態に係る調整可能な構成要素サブマウントの略図を示している。図6に示すように、調整可能な構成要素サブマウントはアクチュエータ・アレイ・ミラーを備える。このアクチュエータ・アレイ・ミラーは光反射表面(または、より一般的には、エネルギー反射表面)がアクチュエータのアレイを介して適合されて、これによりミラーの焦点を変える。このミラーは可撓性反射性メンブレンを用いて形成され、緊密に離間されたアクチュエータのアレイの上に設けられる。一実施形態では、アクチュエータ・アレイは、電気活性ポリマー材料の単一片上に設けられた電極アレイを備える。電極に電圧を印加すれば、ポリマーが制御された様式で変形され、これが反射性メンブレンの曲率を調整し、これによって、ミラーに関連付けられた焦点が省略されていますが、この調整は対称的であってもよく、その結果、ミラーの焦点距離が変えられる。この調整は非対称であってもよく、その結果、ビーム焦点の側方併進が生じかつ/または焦点が変化する。別の実施形態では、この電気活性ポリマーの単一片は、空気または他の何かの誘電体材料の間隙などの小さなギャップによって分離された個々の電極のアレイと置換される。
【0035】
図7は図4に関して上で議論したようなバルーン・レンズの略図を示している。具体的には、バルーン・レンズは、例えば、ウェット/イオン電気活性ポリマーが可撓性のバルーン様電極内に封入された調整可能な電気活性レンズを備える。この電気活性ポリマーに電荷が注入されると、注入された電荷の相互反発に起因して材料が拡張または収縮し、この拡張または収縮はレンズの形状を変形し、ひいてはその焦点距離を変化させる。また、この電荷の注入は電気活性ポリマーの屈折率を変化させ、その結果、レンズの焦点距離も変化させることになる。このように、焦点距離の変更は、2つの機構、つまり、レンズの形状の幾何学的適合および/またはレンズを形成する材料の屈折率の修正を用いて達成される。更に、バルーン・レンズは、それに関わる拡張性および収縮性に起因して起動デバイスとして用いられてもよい。
【0036】
図7Aは静止または緩んだ状態(すなわち、レンズの形状および/または屈折率を適合させるために、電荷が注入されていない)のバルーン・レンズを示している。この状態では、入ってくる光ビームはレンズ表面に入射し、レンズを超えたある地点に収束するように描かれる。ここではレンズの焦点と外面との間の距離は焦点距離として示される。図7Bは電荷が注入されてレンズのサイズが増大した、すなわち「バルーン化した」能動状態のバルーン・レンズを示している。この状態では、入ってくるビームは異なる焦点に収束する。具体的には、バルーン・レンズのサイズおよび/または屈折率を増大させることによって、図示のように焦点距離が増大される。この様式では、注入された電荷と焦点距離との関係が、光信号の焦点を適合させるために有利には適用され得る。
【0037】
図7に関してここに記載のバルーン・レンズは、例えば、図4に関して上で議論した光ファイバ間に光エネルギーを結合するためのレンズの文脈において適用可能である。具体的には、レンズに関連付けられた焦点距離を適合させて、第1の光ファイバの出力によって提供される最大量の光が第2の光ファイバの入力上に集束されるように、バルーン・レンズへの電荷の制御された注入が用いられる。
【0038】
上記構造は光および他の指向性エネルギー・サブマウントおよびサブアセンブリ、ならびにより高いレベルのアセンブリおよび機器または機器の一部の高速組立に有利には適合される。一実施形態では、階層的アセンブリおよび試験スキームが提供される。具体的には、クリティカルな整合パラメータに関連付けられた構成要素の各々は、その個々のサブマウントの上に、整合誤差を制御自在に補償するようになされた1つまたは複数の起動手段を含む。次のレベルでは、種々のサブマウントがより高いレベルのサブアセンブリまたはアセンブリ内に含まれる。このサブアセンブリまたはアセンブリは、それ自身の整合誤差を制御自在に補償するようになされた1つまたは複数の起動手段をそれに県連付けさせてもよい。すなわち、光エネルギーまたは指向性エネルギー整合がサブアセンブリ間で必要である程度にまで、サブアセンブリの1つまたは複数内に起動手段を含めることにより、サブアセンブリ間に誘導されたエネルギーの制御自在の整合が可能になる。最終的に、複数の構成要素および/または複数のサブアセンブリを組み合わせて、適切なオペレーションを保証するために高速で構成および試験され得るネットワーク要素、計算要素、光または指向性エネルギー伝送要素、等を製造し得る。一体化された起動手段を有する種々の階層的要素のコンピュータ制御された試験により、光学または他の指向性エネルギー・デバイスを実装するのに用いられる特定の階層の各レベルにおいて構成要素、サブアセンブリ、等に関連するコストが劇的に低減される。
【0039】
本発明の上記実施形態に加え、その他の種々の実施形態が本発明者らによって意図される。
【0040】
一実施形態では、本発明は、クリティカルな整合を必要とする構成要素が相互に対する構成要素の最初の配置のどのようなずれも補正し、これによりパッケージを通る光信号を最適化できるように制御可能な一体化アクチュエータ(作動型のサブマウントまたはマイクロポジショナ)を有する光学パッケージを提供するのに利用される。
【0041】
別の実施形態では、本発明を利用して、アクチュエータを用いてビームを操作して最初の整合オフセットを補償することのできるビーム操作デバイスを含んだ光学パッケージが提供される。例えば、パッケージを通る光信号を最適化するように位置および形状などの特性を調整することのできるプリズム、レンズ、ミラーが挙げられる。
【0042】
種々の実施形態では、整合オフセットがSMT(表面実装技術)などの高速製造工程を用いた設置から生じる用途に使用するのに適するように十分な範囲および動作特性を有するとともに、標準的なCMOS技術に適合する電力/電圧で動作することのできるアクチュエータが提供される。また、種々の実施形態は、高度な加工(このアプローチを採用すれば、コスト削減が相殺される)の必要がなく光学パッケージに容易に統合することのできるアクチュエータ−例えばポリマー製アクチュエータを利用する。ポリマー・アクチュエータは、圧電アクチュエータに比して高い歪を、MEMSに用いられる静電アクチュエータに比して低電量消費/低電圧および低い加工要件を有することができる。
【0043】
本発明の上記実施形態は、方法、コンピュータ読取可能媒体、およびコンピュータ・プログラム処理の文脈において実施され得る。一般に、本発明の方法は、プロセッサおよび種々の制御プログラム、他のプログラム、およびデータを格納するメモリを有する計算デバイスを用いて実施されてよい。メモリはこのプログラムを支援するオペレーティング・システムを格納してもよい。このプロセッサは、従来のサポート回路、例えば、電源、クロック回路、キャッシュ・メモリ、等、およびメモリに格納されたソフトウェア・ルーチンを実行するのを支援する回路と協働する。したがって、ソフトウェア処理として本明細書において議論したステップの幾つかは、ハードウェア、例えば、プロセッサと協働して種々のステップを実行する回路内に実装され得ることが意図される。入力/出力(I/O)回路はこのデバイスと通信する種々の機能要素の間にインタフェースを形成する。
【0044】
計算デバイスは、例えば、本発明に従って種々の制御機能を実行するようにプログラムされた汎用コンピュータとして意図され、本発明は例えば特定用途向け集積回路ASICまたはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイFPGAのようなハードウェアにおいて実装することができる。したがって、本明細書に記載のプロセス・ステップはソフトウェア、ハードウェア、またはこれらの組み合わせによって同等に実行されるものとして広く解釈されるものとする。
【0045】
本発明はコンピュータによって処理されるときに、コンピュータ命令が本発明の方法および/または技法が呼び出されるか、または提供されるようにコンピュータの動作を適合させるコンピュータ・プログラム製品として実装されてもよい。本発明の方法を呼び出すための命令は、固定または取り出し可能な媒体に格納され、放送媒体などの信号保持媒体におけるデータ・ストリームを介して伝送され、および/または命令に従って動作している計算デバイス内のワーキング・メモリ内に格納されることができる。
【0046】
上記は本発明の様々な実施形態に向けられたものであるが、本発明のその他の実施形態および更なる実施形態が本発明の基本的範囲から逸脱することなく考案されてもよい。したがって、発明の適した範囲は添付の特許請求の範囲に従って決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明を理解するのに有用な指向性エネルギー・アセンブリ100を示すハイレベルなブロック図である。
【図2A】本発明の第1の実施形態に係る調整可能な構成要素サブマウントを示す略図である。
【図2B】本発明の第1の実施形態に係る調整可能な構成要素サブマウントを示す略図である。
【図3A】本発明の第1の実施形態に係る調整可能な構成要素サブマウントを示す略図である。
【図3B】本発明の第1の実施形態に係る調整可能な構成要素サブマウントを示す略図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る調整可能な構成要素サブマウントを示す略図である。
【図5A】本発明の第2の実施形態に係る調整可能な構成要素サブマウントを示す略図である。
【図5B】本発明の第2の実施形態に係る調整可能な構成要素サブマウントを示す略図である。
【図6A】本発明の第3の実施形態に係る調整可能な構成要素サブマウントを示す略図である。
【図6B】本発明の第3の実施形態に係る調整可能な構成要素サブマウントを示す略図である。
【図7A】バルーン・レンズを示す略図である。
【図7B】バルーン・レンズを示す略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、整合クリティカルな構成要素、サブアセンブリ、およびアセンブリの組立に関し、より詳細には、光学システムなどの指向性エネルギー・システムのための、そのような構成要素、サブアセンブリおよびアセンブリの自己整合に関する
【背景技術】
【0002】
現在、光通信パッケージの製造に関連付けられたコストの不釣合いに大きい割合はレーザ・ダイオードおよびシングルモード・ファイバといったモジュール内のマイクロメートル・サイズの光学素子間で必要とされる高精度の整合で問題になっている。達成しなければならない位置精度の程度が高いために、そういったパッケージを製造するためには、比較的遅い労働集約的技法が用いられることが多い。この遅くてコストのかかるアプローチは低コストの通信機器の製造にとっては大きな障害である。このアプローチに代わるものが提案されかつ/または実施されている。
【0003】
Axsun社(米国マサチューセッツ州ビレリカ所在)によって提供される代替的な1つのアプローチは、構成要素の各々のために特別な変形可能な微小電気機械システムMEMSサブマウントを利用している。これらのサブマウントはピック・アンド・プレイス機械を用いて基板上に設置され、適所で溶接される。続いて、サブマウントの非常に正確な位置決めが、所望の位置決めまたは整合が実現されるようにサブマウントに力を加えて既知の様式でそれを変形させる専門的なロボット・アームを用いて達成される。この技術は大きな初期投資、長期に及ぶ組立および設定時間という問題がある。更に、特別な機器を製造するのに典型的に用いられる小体積の構成要素が多岐にわたるために、このアプローチの費用効率の高い使用は制限される。また、この技法はカスタム化されたサブマウントに固有の既知の調整曲線に大きく依存するので、異なるデバイスにそれを適合させるという点ではこの技法は柔軟性がないものになる。
【0004】
幾つかの研究論文は、光ファイバのサブマイクロメートルの位置制御のためのMEMS熱機械的アクチュエータの使用を検討している(例えばR.R.A.Syms,H.Zou,D Uttamchandani,J.Stagg,J.MicroMech.Microeng.14 1633(2004)、Active Fiber Optic MEMS Aligner Boeing−米国特許第5,553,182明細書を参照のこと)。これらの研究論文に記載されている方法は、ファイバ末端の位置を少し調整して、光源または別のファイバとの結合効率を改善することを可能にする。また、Linら(L.Y.Lin、J.L.Shen、S.S.Lee、M.C.Wu、IEEE Photon.Tech.Lett.9,345(1997))は、自由空間のビームを操縦するためにMEMS用静電アクチュエータをXYZステージにおいて用いることを例証している。
【非特許文献1】R.R.A.Syms,H.Zou,D Uttamchandani,J.Stagg,J.MicroMech.Microeng.14 1633(2004)
【特許文献1】米国特許第5,553,182明細書
【非特許文献2】Linら(L.Y.Lin、J.L.Shen、S.S.Lee、M.C.Wu、IEEE Photon.Tech.Lett.9,345(1997))
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記光学パッケージ製造に対する最初の2つのアプローチの大きな不利は、いずれも労働集約的であることおよび/または資本集約的であることによるコストにある。また、これらの技法はいずれも構成要素の位置を変えるのに外的な操作を用いるために、その多様性の点で制限される。
【0006】
MEMSデバイスもそれらに関連付けられた大きな不利がある。このファイバ位置決めデバイスは、シングル・ファイバを一方向にのみ、ほんの少しの距離、約20マイクロメートル移動することができる。Linらが提案した方法は、高いコスト、複雑さ、および信頼性の問題を被る。最終的には、静電的起動を用いて動作するこのMEMSをベースにしたデバイスは高電圧要件を有し、典型的には、少ししか変位させることができない。熱機械的反応に基づいて動作するこのMEMSデバイスは典型的には、1マイクロメートルの変位当たり約0.3ワットという相当な量のエネルギーを浪費する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
先行技術の様々な欠陥は、少なくとも2つの指向性エネルギー処理構成要素を整合させて該構成要素間のエネルギー結合効率を最適化する方法の本発明によって対処され、該方法は制御されたアクチュエータを用いて指向性エネルギー構成要素の少なくとも1つを付勢して、これにより構成要素の位置を並進させるステップを含む、該アクチュエータは決定されたエネルギー結合レベルに応答して制御される。
【0008】
本発明の教示は添付図面と併せて以下の詳細な説明を考察することによって容易に理解することができる。
【0009】
理解し易いように、図面に共通する同一の要素を示すために、可能な場合は、同一の参照番号を用いている。
【0010】
本発明は、光学構成要素が並進されて、機器のアセンブリまたはピース内に設置した後に所望の様式で自分自身を光学的に整合できるように、アクチュエータ・デバイスを光学構成要素と一体化するという文脈内で主に記載される。しかし、本明細書の教示による情報を受けた当業者であれば、本発明が設置後の自動的整合が望まれるどのような構成要素またはサブアセンブリにも適用可能であることが認識されよう。例えば、光エネルギー、マイクロ波エネルギー、および他の指向性エネルギー、または設置後の整合が望まれ得る構成要素に関連付けられた信号が挙げられる。
【0011】
本発明の文脈においては、1つまたは複数の光学構成要素は、光路またはその光学構成要素に関連付けられた整合を修正するように適合されたアクチュエータと一緒にパッケージングされる。このように、位置を再調整し、ビーム方向を変える能力は、パッケージ内の個々の構成要素に本質的に組み込まれている。これによって、最初のパッケージ組立のための表面実装技術などの従来の高速製造工程を使用することが可能となる。一体化された作動型光学要素を用いれば、次いで、パッケージ内の個々の構成要素は必要とされる高精度で自身を再整合することができる。これを実現するために、本発明の本体を形成する幾つかの調整可能な光学素子が必要とされる。そういった調整可能な構成要素の集合をここに記載し、それらは自由空間で光ビームを操縦し、源およびレシーバの位置を調整することもできる。例えば、ファイバ、源、またはレンズなどの要素の実際の位置および配向を調整することのできる能動(1)サブマウント;(2)プリズム角を能動的に変えることによってビームを操縦することのできる調整可能プリズム;(3)ビーム方向を変えることができ、追加でそれ自身の焦点距離を調整することのできるアクチュエータのアレイに基づいた変形可能ミラー;および(4)調整が電荷をイオン電気活性ポリマーに注入することに由来する調整可能なレンズが挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は本発明を理解するのに有用な、指向性エネルギー・アセンブリ100のハイレベルなブロック図を示す。具体的には、図1のアセンブリ100は、処理して指向性エネルギー出力信号OUT(単語OUTは図1には示していないことに留意されたい)を生成するエネルギー入力信号INを誘導する。光エネルギーの文脈内で説明されているが、本発明はどのような指向性エネルギーにも関わる構成要素整合問題を対処する。
【0013】
指向性エネルギー・アセンブリ100は、入力プロセッサ110、4つのエネルギー・ダイバータ(例えば、ミラー)121−124、およびエネルギー・スプリッタ(例えば、光スプリッタ)131、第1の構成要素141および第2の構成要素142を備える。指向性エネルギー・アセンブリ100は出力検出器160および信号処理器170と協働する。
【0014】
第1の構成要素141および第2の構成要素142は、入力および/または出力エネルギーの整合が望まれるどのような指向性エネルギーまたは光学構成要素を含んでもよい。図示していないが、第1の構成要素141および第2の構成要素142の各々は、受け取られたかまたは送信されたエネルギーに対する構成要素の位置が適合されるように個々のアクチュエータを一体化するような様式で形成される。一体化された構成要素/アクチュエータのトポロジーの種々の実施形態を残りの図面に関連して以下で更に詳細に記載する。
【0015】
指向性エネルギーまたは光入力信号INは、入力プロセッサ110によって受信され、更に処理することが意図される3つの信号(すなわち、光波長信号λ1、λ2、およびλ3)に変換される。光波長信号λ1およびλ3はそれぞれ第1のミラー121および第2のミラー122を介して、他の処理要素または構成要素(図示せず)に結合される。光波長信号λ2はスプリッタ131を介して光学構成要素141に結合される。スプリッタ131からの光波長信号λ2の分割された部分は、第3のミラー123を介して構成要素142に結合される。
【0016】
構成要素141は構成要素142に結合される出力光信号λXを提供する。構成要素142は指向性エネルギー・アセンブリ100からの後続の出力に第4のミラー124に結合される出力光信号λXXを提供する。
【0017】
構成要素141は1つまたは複数のアクチュエータ(図示せず)を介して、それが受け取った光信号λ2と整合される。構成要素142は1つまたは複数のアクチュエータ(図示せず)を介して、それが受け取った光信号λXおよびλ2の一方または両方と整合される。構成要素141および142は、入力信号、出力信号、または入力信号および出力信号のどのような組合せも、あるいは構成要素自身を入力信号または出力信号のいずれかに対して整合するアクチュエータを含み得る。
【0018】
構成要素141および142に関連付けられたアクチュエータは、指向性エネルギー・アセンブリ100によって受け取られるアクチュエータ制御信号ACに応答する。このアクチュエータ制御信号ACは、指向性エネルギー・アセンブリ100上の構成要素に関連付けられた1つまたは複数のアクチュエータに影響を及ぼすように適合された電気的、光学的、熱的、またはその他の制御信号を含み得る。熱アクチュエータの場合、加熱または冷却要素はアクチュエータと関連付けされてもよく、このような加熱または冷却要素は、アクチュエータ制御信号ACによって制御される。
【0019】
図1の指向性エネルギー・アセンブリ100は、例えば、光学アセンブリまたはサブアセンブリ、マイクロ波またはミリメートル波アセンブリまたはサブアセンブリ、等を含む。説明したような図示のアセンブリは、好ましいビーム方向性が達成されるようにアクチュエータと一体化された構成要素(141、142)を含む。示していないが、指向性エネルギー・アセンブリ自身が、例えば最大の力伝達を達成するためにアセンブリ・レベルの整合を入力信号および出力信号にそれぞれ提供する1つまたは複数の入力信号アクチュエータおよび/または1つまたは複数の出力信号アクチュエータにそれを関連付けしてもよい。
【0020】
場合によっては、指向性エネルギー・アセンブリ100によって生成された出力信号は、出力検出器160および信号処理器170によって処理される。出力検出器は指向性エネルギー・アセンブリ出力を監視して、電力レベル、ビット誤り率BER等のその出力に関連付けられた定性パラメータを決定する。出力検出器160は光検出器、順方向誤り訂正FECプロセッサ、等を備えてもよい。
【0021】
信号処理器170(この実施形態では)がアクチュエータ制御信号ACを生成する。この信号処理器は、デジタル信号処理器DSPまたは他の計算機構を備えてもよい。信号処理器170は毛決定された定性パラメータに応じてアクチュエータ制御信号ACを適合させる。このように、指向性エネルギー・アセンブリ100内の1つまたは複数のアクチュエータが指向性エネルギー・アセンブリ出力信号の定性パラメータを改善し易い様式で適合されたフィードバック・ループが得られる。本質的には、能動制御ループが光信号を監視し、パッケージ内のアクチュエータを調整し、伝送またはBERなどの信号に関連付けられた別のパラメータの点で光信号を最適化する。
【0022】
一般に、1つまたは複数のアクチュエータは指向性エネルギー処理構成要素に近接して配置されて、構成要素の好ましい整合を可能にするように適合された力をその構成要素に提供する。構成要素の好ましい整合が、例えば、閾値レベルを超える定性パラメータ(例えば、閾値ビット誤り率より低いビット誤り率、光強度閾値レベルを超える光強度、等)を有する出力信号を提供する整合の場合、信号処理器は、アクチュエータ調整が検出された定性パラメータを改善(例えば、ビット誤り率を下げるか、光強度を増大する)し易いように、検出された定性パラメータに応答して1つまたは複数のアクチュエータを調整する。
【0023】
別の実施形態は、最初にSMT(表面実装技術)を用いて組み立てられて、人間のオペレータまたは外的な機械的操作が介入することなく自身を調整する、自己整合パッケージである。このパッケージは、機械的衝撃などの外的影響に起因する光信号の低下がある場合にパッケージ自身を再調整できるものであってもよいし、個々の構成要素が故障したときにパッケージ自身を再構成することのできるものであってもよい。この実施形態では、出力検出器160および信号処理器170に関連して記載した機能性が指向性エネルギー・アセンブリ自身内に含まれてもよい。このため、構成要素、アセンブリ、等の階層に対して以下で説明するように、光学システムなどの指向性エネルギー・システム内の構成要素、サブアセンブリ、またはアセンブリの各々は、指向性エネルギー製品の組立、試験、および配置の速度が劇的に増大される一方で、同時に所望の定性パラメータを増大できるような、自己整合処理機能を含んでもよい。
【0024】
図2から4は本発明の第1の実施形態に係る調整可能な構成要素サブマウントの略図を示している。これらの図面の各々は光学構成要素などの構成要素がサブマウント内に含まれた1つまたは複数のアクチュエータを用いて特定の方向に物理的に付勢される構成要素サブマウントを示している。このため、アセンブリ内の光学構成要素の整合の単純化は、光学構成要素と一緒にサブマウントに含まれた1つまたは複数のアクチュエータを制御することによって実現される。
【0025】
図2はファイバ位置決め器を備える調整可能な構成要素サブマウントを示している。具体的には、光ファイバは図2Aの水平配置(x軸線)または図2Bの垂直配置(y軸線)のいずれかで2つのアクチュエータの間に物理的に設けられる。図2Aの配置では、x軸線に沿って光ファイバの位置を適合させるために、このアクチュエータが用いられる。同様に、図2Bの配置では、y軸線に沿って光ファイバの位置を適合させるために、このアクチュエータが用いられる。更なる実施形態では、ファイバの2次元位置決めがアクチュエータの制御を介してもたらされるように、x軸線およびy軸線両方のアクチュエータが用いられる。
【0026】
図3は例えばレーザ・ダイオードのためのレーザ源サブマウントを備える調整可能な構成要素サブマウントを示している。具体的には、レーザ源は2つのアクチュエータより上に物理的に設けられ、レーザ源の近位部分は第1のアクチュエータよりも上で、レーザ源の遠位部分は第2のアクチュエータよりも上にある。レーザ源はアクチュエータの上に直接設けられてもよいし、アクチュエータの上に載っているプラットフォームまたは基板領域の上に設けられてもよい。図3Aは静止または緩んだ状態のレーザ源サブマウントを示している(すなわち、実質的に水平方向のビームが得られるように、アクチュエータはレーザ源を支持している)。図3Bは能動状態のレーザ源サブマウントを示しており、アクチュエータはビームが水平よりも上で提供されるようにレーザ源の伝送端部をレーザ源の非伝送端部よりも上に上げるように適合されている。このアクチュエータを用いて、アクチュエータによってレーザ源に対して一部が相対的に偏向させられたことによって、角度が水平よりも上または下の出力ビームを提供してもよいことに留意されたい。複数のアクチュエータが、場合によっては、2つ以上の軸線周囲の運動(例えばピッチおよびロール)が達成されるように組み合わされる。
【0027】
図4は、例えば2本の光ファイバ間で光を結合するように適合されたレンズのためのレンズ・サブマウントを備える調整可能な構成要素サブマウントを示している。図4に示すように、このレンズはアクチュエータからの圧力に応じて、並進されるか、または第1のファイバから受け取られた光が第2のファイバ近位の異なるポイントの方に向けられるように、その光学特性を適合する実質的に球形の物体を備える。実質的に球形の物体として示されているが、本発明はアクチュエータを付勢することに応じて適合され得るどのようなレンズ構造(例えば、球形、楕円形、プリズム、等)の文脈内でも有用であることを認識されたい。このため、図4に示す「ボール・レンズ」は、光ファイバ間の結合効率を増大させるのに用い得る複数の光学構成要素の単純な1つである。ボール・レンズは図7に関連して以下に更に詳細に示される。
【0028】
図5は本発明の第2の実施形態の1つに係る調整可能な構成要素サブマウントの略図を示す。図5に示すように、調整可能な構成要素サブマウントは例えばレーザ・ダイオード用などのレーザ源サブマウントを備える。具体的には、レーザ源および調整可能なプリズムは、レーザ源が提供する光がプリズムを通過するようにプラットフォームを介して作動的に配置されている。
【0029】
調整可能なプリズムは、TLMMで示した透明な低弾性材料と少なくとも1つのアクチュエータAとの間に配設した、PW1およびPW2で示した2つの透明なプリズム壁(例えば、ガラス、プラスチック、等)を備える。図5の実施形態では、A1およびA2で示した2つのアクチュエータは、透明なプリズム壁の間の上方部分(A1)および下方部分(A2)に配置されたものとして示されている。必要なのは、源によって生成された光の経路が、例えば、プリズム壁の一方または両方に対するその光の入射角を変えることによって制御されるように、1つまたは複数のアクチュエータが通常は同一平面上にある透明なプリズム壁を乱すように作用可能であることである。
【0030】
図5Aは静止または緩んだ状態の調整可能なプリズムを示している(すなわち、実質的に水平方向のビームが得られるように、アクチュエータはレーザ源を支持している)。この状態においては、レーザ源によって生成された光は、第1のプリズム壁、TLMM、および第2のプリズム壁を実質的に直線状に通過する。
【0031】
図5Bは、プリズム壁間の距離がアクチュエータA1近位の壁部分からアクチュエータA2近位の壁部分まで徐々に大きくなるように第2のアクチュエータA2が拡張した能動状態である調整可能なプリズムを示している。プリズムを通過する光がプリズム壁材料およびTLMM材料だけを通過するように、透明な低弾性材料が2つのプリズム壁間で利用可能な空隙に適合することが好ましいことに留意されたい。図5はアクチュエータによって変位されている第2のプリズム壁PW2を示すが、プリズム壁の一方または両方がそのように変位されてもよいことにも留意されたい。このような変位はアクチュエータの一方または両方を用いて生じ得る。また、追加のアクチュエータは場合によっては、図5に示した調整可能なプリズム内に含まれる。例えば、相互に対する壁の相対位置を任意の方向に調整するために、追加のアクチュエータがプリズム壁内に配設されてもよい。すなわち、図5の図示された「上部」および「下部」アクチュエータに加えて、あるいはこれの代わりに、「左」および/または「右」アクチュエータが場合によっては、本発明に係る種々の構成で設けられる。
【0032】
上記の本発明の種々の実施形態は、整合から利益を受ける構成要素および整合を達成するように作動する1つまたは複数のアクチュエータを含んだ、アセンブリまたは装置を備える。このアクチュエータは幾つかの技術のいずれかを用いて実現され得る。例えば、熱アクチュエータは、熱に反応して予測可能に拡張または収縮する熱機械的ポリマーを用いて実現され得る。電気的アクチュエータは、電圧または電流に応答して予測可能に拡張または収縮する電気活性ポリマー、圧電セラミック、等を用いて実現され得る。他のアクチュエータはMEMSデバイス、電磁アクチュエータ、等を含む。典型的には、光学的再整合または他の効果を実現するのに必要な機械的調整の量は比較的小さく、約数十マイクロメートルである。しかし、これら数十マイクロメートルは本発明の教示に従って適合された構成要素を利用した光学アセンブリの電力伝達、効率、および全般的動作の点で非常に大きな違いを生じることがある。
【0033】
MEMS型デバイスは典型的には、10乃至100ボルト必要とし、10乃至20マイクロメートルの変位を提供したことに留意されたい。更に具体的には、静電アクチュエータは約数マイクロメートルの変位を用いて最も良く機能する。100マイクロメートル以下の行程の櫛歯駆動アクチュエータを作成することができるが、電圧が高くなり、側方安定性は悪くなる。この櫛歯を支持するバネも大型で、非常に壊れ易い。対照的に、ポリマー・アクチュエータは2ボルト未満で40マイクロメートルを超える変位が可能である。光、熱、または電気の力に起因して拡張/収縮するポリマーを用いると、歯車の歯、ギア、ヒンジ、ジンバル等の可動パーツは不要である。そういったポリマーは、例えば200nmの精度で40マイクロメートルの可動域が可能である。
【0034】
図6は本発明の第3の(読み手がどのように数えているか分からないが、これは第5の可能性もある)実施形態に係る調整可能な構成要素サブマウントの略図を示している。図6に示すように、調整可能な構成要素サブマウントはアクチュエータ・アレイ・ミラーを備える。このアクチュエータ・アレイ・ミラーは光反射表面(または、より一般的には、エネルギー反射表面)がアクチュエータのアレイを介して適合されて、これによりミラーの焦点を変える。このミラーは可撓性反射性メンブレンを用いて形成され、緊密に離間されたアクチュエータのアレイの上に設けられる。一実施形態では、アクチュエータ・アレイは、電気活性ポリマー材料の単一片上に設けられた電極アレイを備える。電極に電圧を印加すれば、ポリマーが制御された様式で変形され、これが反射性メンブレンの曲率を調整し、これによって、ミラーに関連付けられた焦点が省略されていますが、この調整は対称的であってもよく、その結果、ミラーの焦点距離が変えられる。この調整は非対称であってもよく、その結果、ビーム焦点の側方併進が生じかつ/または焦点が変化する。別の実施形態では、この電気活性ポリマーの単一片は、空気または他の何かの誘電体材料の間隙などの小さなギャップによって分離された個々の電極のアレイと置換される。
【0035】
図7は図4に関して上で議論したようなバルーン・レンズの略図を示している。具体的には、バルーン・レンズは、例えば、ウェット/イオン電気活性ポリマーが可撓性のバルーン様電極内に封入された調整可能な電気活性レンズを備える。この電気活性ポリマーに電荷が注入されると、注入された電荷の相互反発に起因して材料が拡張または収縮し、この拡張または収縮はレンズの形状を変形し、ひいてはその焦点距離を変化させる。また、この電荷の注入は電気活性ポリマーの屈折率を変化させ、その結果、レンズの焦点距離も変化させることになる。このように、焦点距離の変更は、2つの機構、つまり、レンズの形状の幾何学的適合および/またはレンズを形成する材料の屈折率の修正を用いて達成される。更に、バルーン・レンズは、それに関わる拡張性および収縮性に起因して起動デバイスとして用いられてもよい。
【0036】
図7Aは静止または緩んだ状態(すなわち、レンズの形状および/または屈折率を適合させるために、電荷が注入されていない)のバルーン・レンズを示している。この状態では、入ってくる光ビームはレンズ表面に入射し、レンズを超えたある地点に収束するように描かれる。ここではレンズの焦点と外面との間の距離は焦点距離として示される。図7Bは電荷が注入されてレンズのサイズが増大した、すなわち「バルーン化した」能動状態のバルーン・レンズを示している。この状態では、入ってくるビームは異なる焦点に収束する。具体的には、バルーン・レンズのサイズおよび/または屈折率を増大させることによって、図示のように焦点距離が増大される。この様式では、注入された電荷と焦点距離との関係が、光信号の焦点を適合させるために有利には適用され得る。
【0037】
図7に関してここに記載のバルーン・レンズは、例えば、図4に関して上で議論した光ファイバ間に光エネルギーを結合するためのレンズの文脈において適用可能である。具体的には、レンズに関連付けられた焦点距離を適合させて、第1の光ファイバの出力によって提供される最大量の光が第2の光ファイバの入力上に集束されるように、バルーン・レンズへの電荷の制御された注入が用いられる。
【0038】
上記構造は光および他の指向性エネルギー・サブマウントおよびサブアセンブリ、ならびにより高いレベルのアセンブリおよび機器または機器の一部の高速組立に有利には適合される。一実施形態では、階層的アセンブリおよび試験スキームが提供される。具体的には、クリティカルな整合パラメータに関連付けられた構成要素の各々は、その個々のサブマウントの上に、整合誤差を制御自在に補償するようになされた1つまたは複数の起動手段を含む。次のレベルでは、種々のサブマウントがより高いレベルのサブアセンブリまたはアセンブリ内に含まれる。このサブアセンブリまたはアセンブリは、それ自身の整合誤差を制御自在に補償するようになされた1つまたは複数の起動手段をそれに県連付けさせてもよい。すなわち、光エネルギーまたは指向性エネルギー整合がサブアセンブリ間で必要である程度にまで、サブアセンブリの1つまたは複数内に起動手段を含めることにより、サブアセンブリ間に誘導されたエネルギーの制御自在の整合が可能になる。最終的に、複数の構成要素および/または複数のサブアセンブリを組み合わせて、適切なオペレーションを保証するために高速で構成および試験され得るネットワーク要素、計算要素、光または指向性エネルギー伝送要素、等を製造し得る。一体化された起動手段を有する種々の階層的要素のコンピュータ制御された試験により、光学または他の指向性エネルギー・デバイスを実装するのに用いられる特定の階層の各レベルにおいて構成要素、サブアセンブリ、等に関連するコストが劇的に低減される。
【0039】
本発明の上記実施形態に加え、その他の種々の実施形態が本発明者らによって意図される。
【0040】
一実施形態では、本発明は、クリティカルな整合を必要とする構成要素が相互に対する構成要素の最初の配置のどのようなずれも補正し、これによりパッケージを通る光信号を最適化できるように制御可能な一体化アクチュエータ(作動型のサブマウントまたはマイクロポジショナ)を有する光学パッケージを提供するのに利用される。
【0041】
別の実施形態では、本発明を利用して、アクチュエータを用いてビームを操作して最初の整合オフセットを補償することのできるビーム操作デバイスを含んだ光学パッケージが提供される。例えば、パッケージを通る光信号を最適化するように位置および形状などの特性を調整することのできるプリズム、レンズ、ミラーが挙げられる。
【0042】
種々の実施形態では、整合オフセットがSMT(表面実装技術)などの高速製造工程を用いた設置から生じる用途に使用するのに適するように十分な範囲および動作特性を有するとともに、標準的なCMOS技術に適合する電力/電圧で動作することのできるアクチュエータが提供される。また、種々の実施形態は、高度な加工(このアプローチを採用すれば、コスト削減が相殺される)の必要がなく光学パッケージに容易に統合することのできるアクチュエータ−例えばポリマー製アクチュエータを利用する。ポリマー・アクチュエータは、圧電アクチュエータに比して高い歪を、MEMSに用いられる静電アクチュエータに比して低電量消費/低電圧および低い加工要件を有することができる。
【0043】
本発明の上記実施形態は、方法、コンピュータ読取可能媒体、およびコンピュータ・プログラム処理の文脈において実施され得る。一般に、本発明の方法は、プロセッサおよび種々の制御プログラム、他のプログラム、およびデータを格納するメモリを有する計算デバイスを用いて実施されてよい。メモリはこのプログラムを支援するオペレーティング・システムを格納してもよい。このプロセッサは、従来のサポート回路、例えば、電源、クロック回路、キャッシュ・メモリ、等、およびメモリに格納されたソフトウェア・ルーチンを実行するのを支援する回路と協働する。したがって、ソフトウェア処理として本明細書において議論したステップの幾つかは、ハードウェア、例えば、プロセッサと協働して種々のステップを実行する回路内に実装され得ることが意図される。入力/出力(I/O)回路はこのデバイスと通信する種々の機能要素の間にインタフェースを形成する。
【0044】
計算デバイスは、例えば、本発明に従って種々の制御機能を実行するようにプログラムされた汎用コンピュータとして意図され、本発明は例えば特定用途向け集積回路ASICまたはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイFPGAのようなハードウェアにおいて実装することができる。したがって、本明細書に記載のプロセス・ステップはソフトウェア、ハードウェア、またはこれらの組み合わせによって同等に実行されるものとして広く解釈されるものとする。
【0045】
本発明はコンピュータによって処理されるときに、コンピュータ命令が本発明の方法および/または技法が呼び出されるか、または提供されるようにコンピュータの動作を適合させるコンピュータ・プログラム製品として実装されてもよい。本発明の方法を呼び出すための命令は、固定または取り出し可能な媒体に格納され、放送媒体などの信号保持媒体におけるデータ・ストリームを介して伝送され、および/または命令に従って動作している計算デバイス内のワーキング・メモリ内に格納されることができる。
【0046】
上記は本発明の様々な実施形態に向けられたものであるが、本発明のその他の実施形態および更なる実施形態が本発明の基本的範囲から逸脱することなく考案されてもよい。したがって、発明の適した範囲は添付の特許請求の範囲に従って決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明を理解するのに有用な指向性エネルギー・アセンブリ100を示すハイレベルなブロック図である。
【図2A】本発明の第1の実施形態に係る調整可能な構成要素サブマウントを示す略図である。
【図2B】本発明の第1の実施形態に係る調整可能な構成要素サブマウントを示す略図である。
【図3A】本発明の第1の実施形態に係る調整可能な構成要素サブマウントを示す略図である。
【図3B】本発明の第1の実施形態に係る調整可能な構成要素サブマウントを示す略図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る調整可能な構成要素サブマウントを示す略図である。
【図5A】本発明の第2の実施形態に係る調整可能な構成要素サブマウントを示す略図である。
【図5B】本発明の第2の実施形態に係る調整可能な構成要素サブマウントを示す略図である。
【図6A】本発明の第3の実施形態に係る調整可能な構成要素サブマウントを示す略図である。
【図6B】本発明の第3の実施形態に係る調整可能な構成要素サブマウントを示す略図である。
【図7A】バルーン・レンズを示す略図である。
【図7B】バルーン・レンズを示す略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受け取られたエネルギーおよび与えられたエネルギーの一方または両方との好ましい整合に関連付けられた指向性エネルギー処理構成要素と、
前記好ましい整合を可能にするように適合された力を与えるように、前記指向性エネルギー処理構成要素に近接して配置された少なくとも1つのポリマー・アクチュエータと、
前記与えられたエネルギーに関連付けられた定性パラメータを検出するための検出器と、
前記検出された定性パラメータを改善するように前記アクチュエータを調整するためのプロセッサと
を備える、装置。
【請求項2】
指向性エネルギー処理構成要素および少なくとも1つのアクチュエータを固定して、これにより調整可能な構成要素サブマウントを提供するように適合された設置手段を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記指向性エネルギー処理構成要素が光ファイバを備え、該少なくとも1つのアクチュエータが該光ファイバの一端を少なくとも一方向に付勢するように適合された、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記指向性エネルギー処理構成要素が近位端と遠位端とを有する光源を備え、該少なくとも1つのアクチュエータが、光ビームを通常の経路から離れる方に再方向付けし易い様式で該光源の少なくとも1つの一端を付勢するように適合された、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記指向性エネルギー処理構成要素が、2本の光ファイバの間の光エネルギーを結合するように適合されたレンズを備え、該レンズが、少なくとも1つのアクチュエータによって該レンズに関連付けられた焦点が適合されるように付勢することに応答して変形および/または並進される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記指向性エネルギー処理構成要素が、実質的に透明な低弾性材料を実質的に透明な2枚のプレート間に配設したプリズムを備え、少なくとも1つのプレートが、前記プレートを通過するビームがビーム伝搬方向に対して垂直ではない表面からの屈折により方向を変えるように、少なくとも1つのアクチュエータによって付勢することに応答して、他方のプレートに対して同一平面上にはない関係に配置された、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記指向性エネルギー処理構成要素および少なくとも1つのアクチュエータが、指向性エネルギー処理アセンブリ内に設置されるように適合された共通のプラットフォーム上に形成された、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記指向性エネルギー処理アセンブリが、複数のプラットフォームを含み、該プラットフォームの各々が、指向性エネルギー処理構成要素および少なくとも1つの個々のアクチュエータを含み、該指向性エネルギー処理アセンブリが、個々の好ましい整合を提供し易い様式で前記指向性エネルギー処理構成要素の各々を調整するように適合された、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
少なくとも2つの指向性エネルギー処理構成要素を整合させて、その間のエネルギー結合効率を最適化する方法であって、制御されたアクチュエータを用いて前記指向性エネルギー構成要素の少なくとも1つを付勢し、これにより構成要素の位置を並進させるステップを含み、該アクチュエータが決定されたエネルギー結合レベルに応答して制御される、方法。
【請求項10】
複数の光学構成要素を備え、前記光学構成要素の各々が、最初の配置の光学的整合から適した光学的整合に光学構成要素を付勢するように適合された少なくとも1つのアクチュエータに関連付けられた、光学アセンブリ。
【請求項1】
受け取られたエネルギーおよび与えられたエネルギーの一方または両方との好ましい整合に関連付けられた指向性エネルギー処理構成要素と、
前記好ましい整合を可能にするように適合された力を与えるように、前記指向性エネルギー処理構成要素に近接して配置された少なくとも1つのポリマー・アクチュエータと、
前記与えられたエネルギーに関連付けられた定性パラメータを検出するための検出器と、
前記検出された定性パラメータを改善するように前記アクチュエータを調整するためのプロセッサと
を備える、装置。
【請求項2】
指向性エネルギー処理構成要素および少なくとも1つのアクチュエータを固定して、これにより調整可能な構成要素サブマウントを提供するように適合された設置手段を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記指向性エネルギー処理構成要素が光ファイバを備え、該少なくとも1つのアクチュエータが該光ファイバの一端を少なくとも一方向に付勢するように適合された、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記指向性エネルギー処理構成要素が近位端と遠位端とを有する光源を備え、該少なくとも1つのアクチュエータが、光ビームを通常の経路から離れる方に再方向付けし易い様式で該光源の少なくとも1つの一端を付勢するように適合された、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記指向性エネルギー処理構成要素が、2本の光ファイバの間の光エネルギーを結合するように適合されたレンズを備え、該レンズが、少なくとも1つのアクチュエータによって該レンズに関連付けられた焦点が適合されるように付勢することに応答して変形および/または並進される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記指向性エネルギー処理構成要素が、実質的に透明な低弾性材料を実質的に透明な2枚のプレート間に配設したプリズムを備え、少なくとも1つのプレートが、前記プレートを通過するビームがビーム伝搬方向に対して垂直ではない表面からの屈折により方向を変えるように、少なくとも1つのアクチュエータによって付勢することに応答して、他方のプレートに対して同一平面上にはない関係に配置された、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記指向性エネルギー処理構成要素および少なくとも1つのアクチュエータが、指向性エネルギー処理アセンブリ内に設置されるように適合された共通のプラットフォーム上に形成された、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記指向性エネルギー処理アセンブリが、複数のプラットフォームを含み、該プラットフォームの各々が、指向性エネルギー処理構成要素および少なくとも1つの個々のアクチュエータを含み、該指向性エネルギー処理アセンブリが、個々の好ましい整合を提供し易い様式で前記指向性エネルギー処理構成要素の各々を調整するように適合された、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
少なくとも2つの指向性エネルギー処理構成要素を整合させて、その間のエネルギー結合効率を最適化する方法であって、制御されたアクチュエータを用いて前記指向性エネルギー構成要素の少なくとも1つを付勢し、これにより構成要素の位置を並進させるステップを含み、該アクチュエータが決定されたエネルギー結合レベルに応答して制御される、方法。
【請求項10】
複数の光学構成要素を備え、前記光学構成要素の各々が、最初の配置の光学的整合から適した光学的整合に光学構成要素を付勢するように適合された少なくとも1つのアクチュエータに関連付けられた、光学アセンブリ。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【公表番号】特表2009−536371(P2009−536371A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−509629(P2009−509629)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/010369
【国際公開番号】WO2007/133433
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(596092698)アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド (965)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/010369
【国際公開番号】WO2007/133433
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(596092698)アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド (965)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]