説明

樹脂の製造

化合物の粉末および/または離散ゲル粒子を形成させる方法であって、該化合物は、金属酸化物、メタロイド酸化物、混合酸化物、有機金属酸化物、有機メタロイド酸化物、有機混合酸化物樹脂、および/または有機樹脂からなる群から選択され、これらはそれぞれの1種以上の有機金属前駆体、有機メタロイド前駆体、および/または有機前駆体、ならびにこれらの混合物由来であり、ガスを、励起および/または不安定ガス種を形成させるための手段、典型的には大気プラズマ生成手段中へと通し(1a);該ガスを、該手段を離れる際に該ガスが励起および/または不安定ガス種を含むように処理するステップを含み、該励起および/または不安定ガス種は実質的に、10℃〜500℃の温度において、電荷を持たない。ガス状および/または液体前駆体が次いで、励起および/または不安定ガスを形成させるための手段へと、外部下流領域(20)中の該励起および/または不安定ガス種中へと導入される(50a、50b)。該前駆体と該励起および/または不安定ガス種との間の相互作用が結果として、粉末および/または離散ゲル粒子の形成を与え、これらが引き続いて収集される。本方法により調製された粒子は、引き続いて官能基化されてもよい。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は粉末、特に液体およびガス状前駆体から有機シリコーン樹脂粉末を調製する方法を記載する。
【背景技術】
【0002】
シリコーン樹脂を調製する標準プロセスは一般的に、クロロシラン、アルコキシシラン、および珪酸ナトリウムのようなシリケートの加水分解および縮合を含んでいる。これらプロセスは一般的に、結果的に得られるシリコーン樹脂生成物のゲル化を防ぐ/抑えるために、比較的低濃度の反応試薬と共に、大量の溶媒の使用を必要とする。環境に関する増加していく関心のために、産業界は、可能である場合はいつでも、このような大量の溶媒の使用を避ける必要性を長く感じてきた。これを達成するための1ルートとしては、所謂「乾式製造プロセス」を使用してのものであり、これは最小限の溶媒を必要とし、好ましくは無溶媒であり、粉末化シリコーン樹脂を製造する。これは環境への関心を和らげ、製造者らに、コスト削減の更なるインセンティブを与え、これは大量の溶媒の、保管、使用、ならびに使い捨ておよび/またはリサイクルへの必要性の回避に付け加えられる。シリコーン樹脂製造の場合、その製造プロセスにおける溶媒に関する必要性を避けることにより達成される他の利点は、反応混合物中に存在する低濃度の反応試薬により現時点では一般的に引き起こされる滞留の時間の短縮、反応容器を熱するのに必要とされるエネルギーの低減、顧客の特定用途に適する液体運搬媒体中で、顧客へ樹脂製品を運ぶための溶媒交換ステップの必要性の回避、ならびに、固形樹脂を運ぶための噴霧乾燥ステップを有する必要性の回避を包含する。
【0003】
シリコーン樹脂は一般的に、M、D、T、およびQという分類を使用して記述され、ここで、M単位は一般式RSiO1/2を持ち、D単位は一般式RSiO2/2を持ち、T単位は一般式RSiO3/2を持ち、Q単位は一般式SiO4/2を持つ。一般的に、他に指し示されなければ、各R基は通常、アルキル基(例えば、メチルもしくはエチル)またはアルケニル基(例えば、ビニルもしくはヘキセニル)のような有機炭化水素基であるが、これらR基の幾つかは、シラノール基であってもよい。
【0004】
伝統的な「湿式化学プロセス」は一般的に、離散粒子中に種々の比の組み合わせのQ、T、D、および/またはM基を含有しているシリコーン樹脂組成物をゲル化させることなく運ぶのは、特に一部官能基化されている場合不可能である。とりわけ1つの問題は、樹脂処方において、例えば、アミン基、−OH基、エポキシ基、およびカルボン酸基、のような広範な有機基および官能基、ならびに、酸無水物、過フッ素基、アクリレート基、アルキルアクリレート基、および同様のもののような誘導体の取り込みを可能にすることができないことであった。その粒子サイズ範囲、分子量、および分子量分布の制御の向上も望まれるが、今日の従来プロセスでは達成できない。
【0005】
プラズマは時々、物質の第4の状態と言われるが、少なくとも一部イオン化されたガス状媒体であり、励起され不安定なイオン化原子および分子でできており、可視およびUV照射を発する。物質にエネルギーが連続して供給される場合、その温度が上昇し、典型的には固体から液体へ、次いでガス状状態へと形態変換する。エネルギー供給を続けることは、物質が尚更なる状態変化を受けるようにし、ここで、該ガスの中性原子もしくは分子は、エネルギー衝突により壊され、マイナスに荷電した電子およびプラスもしくはマイナスに荷電したイオンを生成する。プラズマ中に生成する他の種は、励起状態のガス分子、準安定性の化合物、分子の断片、および/またはラジカルのような高エネルギー非荷電粒子を包含する。プラズマは電気的に中性で、これゆえ、プラスイオン、マイナスイオン、および電子を、それらの電荷の代数和が0であるような量で含有する。プラズマ相は、実験室では純粋なガスもしくはガス状混合物を外部励起に付すことにより得られ、これが最も一般的に電気的な方法である。
【0006】
用語「プラズマ」は、その密度および温度が多くの桁の規模で変動する広大な範囲のシステムをカバーする。ある幾つかのプラズマは非常に熱く、それらの微細種(イオン、電子等)全てが熱平衡付近にあり、そのエネルギーが該システム中へと注入され、これは原子/分子レベルの衝突を介して、広範に分布されている。例としては、炎を基としたプラズマを包含する。しかしながら他のプラズマは、特に低圧(例えば、100Pa)のものであって衝突が相対的に頻繁でない場合、それらの構成種が幅広く異なる温度にあり、「非熱平衡」プラズマと呼ばれる。
【0007】
非熱平衡プラズマ中では、自由電子は非常に熱く、何千ケルビン(K)もの温度を有する一方、中性種およびイオン種は冷たいままである。該自由電子は殆ど無視できる質量を持つので、システム全体での熱含量は低く、該プラズマは室温近くで作用し、これゆえ、プラスチックもしくはポリマーのような温度に敏感な材料の加工を、熱負荷を強制したりダメージを与えることなく可能にする。熱電子は高エネルギー衝突を通じて、深遠な化学的および物理的反応性を可能にする高い化学的ポテンシャルエネルギーを有するラジカルならびに励起および/または不安定種の豊富な供給源を創出する。低温での作用と高い反応性とのこの組み合わせが、非熱平衡プラズマを、技術的に重要かつ製造および材料加工の非常に強力なツールとしているが、これは、プラズマなしでは全く達成できない場合それが非常な高温もしくは有害で侵襲性の化学物質を必要とすることになるプロセスを、達成できるからである。
【0008】
産業適用におけるそれらの潜在能力のために、大気圧プラズマ(APP)システムが、産業にとって特に興味を持たれている。APPは、大気圧非熱平衡プラズマを包含し、これは典型的に、2つの平衡電極間に発生し、これらはサイズおよび形状において変動するが、お互いから数mmの距離内にある必要がある。電気回路およびシステム形状に依って、大気圧グロー放電(APGD)および/または誘電障壁放電(DBD)プラズマが、一般的に発生される。有利なことに、現時点で利用可能なプラズマ主体の多くのシステムに比較した場合、APPは大気圧付近および低温(<200℃、好ましくは<100℃)において作用する。しかしながら、システム形状に関する限界が存在し、これは、該プラズマが、電極間に非常に狭いギャップを有する平行電極間のプラズマ領域中に発生されるからである。理想的には、プラスチックフィルム、テキスタイル布等のような、平らな、薄い、フレキシブルな基材を処理するのに適用される。
【0009】
APGDタイプのプロセスを使用しての粉末の調製の場合、システム形状に関する1つの問題は、粉末の生成の間中、粒子、副産物、反応試薬、および/または処理済みの粒子のような他の種がこれら電極に付着し、これによって該プラズマの電気的および化学的特性に悪影響を及ぼし、潜在的にこれら電極の有用性の耐久性に悪影響を及ぼすことがあることである。更に、APGDを使用しての電導性粒子の使用および/または調製は難しく、それで粒子は電場と相互作用し、フィラメントもしくは局所放電を創出し、潜在的に電極表面へと付着する。
【0010】
最近、新たなプラズマシステムが開発され、これは高流速で、隣接する電極間を通過していくガスを使用しながら、プラズマを生成させる。これらのガスは、これら電極の形状により定められるプラズマ領域を通過し、大気圧付近で、励起および/または不安定ガス混合物の形態で、該システムを出る。これらガス混合物はプラズマ領域、つまりプラズマが生成される隣接電極間のギャップから離れた、下流での適用において利用されることがある電荷を帯びた種を実質的に含まないことにより、特徴付けられる。この「大気圧プラズマ後放電」(APPPD)は、低圧グロー放電およびAPGDの物理的特徴の幾つかを持ち、例えば、グロー、発光活性種の存在、および化学反応性を包含する。しかしながら、ある幾つかの明らかで独特な違いが存在し、より高い熱エネルギー、境界壁がないこと、例えば、電極がないこと、荷電種が実質的にないこと、ガスおよびガス混合物の幅広い選択、ガスの大流速を、APPPDが持つという事実を包含している。
【0011】
米国特許第5,807,615号明細書は、例えば酸化ケイ素フィルムを金属基板上に塗布することに関する「後放電」大気圧プラズマシステムを記載し、ここでは「第1次」ガスがプラズマを通過させられることにより励起され、次いで、該プラズマ下流の前駆体ガスと混合される。該前駆体ガスはシリコン含有化合物ではあったが、プラズマ処理されていない。該前駆体ガスは、「第1次」ガスとの相互作用により励起され、結果として、基板表面上でのフィルム形成に至った。このシステムの後放電という性質は結果として、これら電極間のプラズマ領域中以外での如何なる荷電種も実質的に存在させなかった。第3欄第33〜40行は、「該シリコン前駆体ガスが該装置を通過していないので、該プラズマ放電の内側でシリカ粉末(もしくはより一般的にシリコン化合物粉末)を形成するリスクが、結果的に排除される」と述べている。
【0012】
国際公開第03/086029号パンフレットは、本願の最先の優先日後に公開されたが、低圧と大気圧と両方でのグロー放電プラズマにより電極間に生成されるプラズマ内での、金属酸化物、メタロイド酸化物、および混合金属酸化物の調製を記載するものである。
【0013】
国際公開第02/28548号パンフレットは、固体もしくは液体前駆体の、大気圧プラズマ放電および/またはその結果得られるイオン化ガス流への導入を可能にするプロセスを記載し、これは、基材上にコーティングを形成させるためのものである。該基材は、粉末であってもよい。この方法により粉末を調製することを論じるものではない。
【0014】
金属酸化物およびメタロイド酸化物は、広範な種々のプロセスにより調製される。二酸化チタンは例えば、硫酸中チタン鉱石を混合することにより調製されてもよく、硫酸チタンを調製し、これは次いで焼成されて二酸化チタンを生成する。二酸化硅素もしくは二酸化チタンは、それぞれの塩化物を、酸素と上昇した温度において反応させることにより、調製されてもよい。この方法では、メタンもしくはプロパンのような可燃ガスを燃焼させることにより、反応試薬が反応温度にされる。
【0015】
シリコン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、鉄、およびアンチモンの酸化物の生産用の熱平衡プラズマプロセスの使用は、米国特許出願第20020192138号明細書に記載されており、3,000〜12,000℃の温度を創出するプラズマ発生機が使用され、上記金属およびメタロイドの塩の蒸気を酸化する。Karthikeyanら(Materials Science&Engineering、A238、1997、pp.275〜286)は、アルミナ、ジルコニア、およびイットリアの調製方法を記載し、高温プラズマジェットを使用しながら、供給ストックを反応系中へと溶融噴霧し、「プラズマジェット噴霧熱分解」によるナノ粒子を形成させる。国際公開第98/19965号パンフレットは、マイクロ波プラズマを使用しながら超微細粒子を生産するプロセスを記載し、ここでは反応試薬が、そのプラズマ領域を通過させられる。該反応試薬の、プラズマを通過することによる励起は、反応を開始させるのに使用される。
【0016】
基材上でのシリカもしくはシリコーン樹脂主体のコーティングの形成に関する大量の公開情報がある一方、電気放電手段としてプラズマタイプのシステムを使用しながら、放電後の段階において、励起および/または不安定ガス種を発生させる粒子調製へは、僅かな努力しか実施されていないように見える。Coopesら(J.of Appl.Polym.Sci.,37(12),1989,p3413〜22)は低圧での、ヘキサメチルジシロキサン前駆体由来のフィルムの形成を調査した。R.d’Agostinoら(Polymer Preprints,34(1),1993,p673〜4)は、有機シリコン薄膜(ここでは、該有機基はメチル基である)の低圧付着の調査を記載し、これはPE化学蒸着(CVD)により、Si(OEt)−Oおよびヘキサメチルジシラザン−O放電を使用している。
【0017】
EP1 090 159は、二酸化硅素フィルムの付着を記載し、これは、テトラエチルオルト珪酸(TEOS)を低温(85〜350℃)大気圧プラズマジェット(APPJ)の出流中へと導入することによるものである。EP0 617 142は、APGDプロセスを使用しながら調製されたシリカ薄膜の調製を記載する。JP06−001870は、積層体の調製を記載し、低圧プラズマCVD(<0.2Torr)を使用しながら、ここでは硬くて耐磨耗性のコーティングは、ヘキサメチルジシロキサンをOもしくはNO中80℃において処理することによる。JP2002−127294は、ガスバリア(障壁)プラスチックフィルムの形成を記載し、低圧プラズマCVD(50〜500mTorr)を使用し、シリカ層を形成させる。JP58−223333は、良好な電気特性を有する半導体装置の製造を記載し、これは該装置を、シランカップリング剤の低圧プラズマ重合により形成されたシリコーン樹脂でコーティングすることによる。JP11−221517は、自動車のライトにおける適用のための反射フィルムを記載し、これは最上層コーティングフィルムを包含し、これはヘキサメチルジシロキサンおよびSi(OEt)のようなモノマーの低圧プラズマ重合(<8×10−2Torr)により形成されてもよいものである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明によれば、金属酸化物、メタロイド酸化物、混合酸化物、有機金属酸化物、有機メタロイド酸化物、有機混合酸化物樹脂、および/または有機樹脂の群から選択される化合物の粉末および/または離散ゲル粒子を、1種以上のそれぞれの有機金属前駆体、有機メタロイド前駆体、および/または有機前駆体から形成させる方法が提供され:
i)ガスを、励起および/または不安定ガス種を形成させる手段中へと通し;
ii)該ガスを、該手段を離れていく時、該ガスが励起および/または不安定ガス種を含むように処理し、これは実質的に、10℃〜500℃の温度において電荷を持たず;
iii)ステップi)およびii)に付されていないガス状および/または液体前駆体を、該励起および/または不安定ガス種中へと、励起および/または不安定ガスを形成させる該手段の外側の下流領域において導入し、該前駆体と該励起および/または不安定ガス種との間の相互作用が結果的に、粉末および/または離散ゲル化粒子の形成に至り;
iv)結果的に得られてくる粉末および/または離散ゲル化粒子を収集する
ステップを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
この出願の目的のためには、粉末は、ナノ粒子、ナノチューブ、粒子、微粒子、ペレット、板状、針状/チューブ、フレーク、粉塵、顆粒、および以上述べた形態の如何なる凝集体の形態の固体材料でもある。ゲルは典型的にゼリー状材料であり、薄膜もしくは固化された塊の形態である。本明細書において使用される場合の用語「荷電種」は、イオンおよび電子を意味することを意図されるものと理解される。用語「粉末化生成物」への今後の言及は、本発明のプロセスによる製品を意味するものと理解され、粉末および/または離散ゲル化粒子を包含する。
【0020】
10℃〜500℃の温度において励起および/または不安定ガス種を形成させる該手段は、ここを通過していくガス(単数もしくは複数)を励起させるよう適応され、これらガスが該手段を離れていく時、励起および/または不安定ガス種を含み、これらは実質的に電荷を持たない。このような励起は、好ましくは1対の電極間の放電により得られ、例えば、グロー放電および/または誘電障壁放電のような非熱平衡タイプのプラズマ放電である。ガス混合物を励起できる他の方法は、コロナ放電、光照射支援プロセス、例えばレーザー、および他の如何なる高エネルギーによる方法のようなものが使用されてもよく、これゆえ、本発明の範囲内に入っているものとして解釈される。好ましくは、励起された該ガス混合物は、非熱平衡プラズマおよび/または誘電障壁放電および/またはコロナ放電中に、およそ大気圧条件下に生成される(例えば約0.1×10Pa〜約3×10Paであるが、好ましくは、約0.5×10Pa〜約1.5×10Paの圧力において)。最も好ましくは、励起および/または不安定ガス種を形成させる該手段は非熱平衡プラズマシステムであって、励起および/または不安定ガス種を形成させる該手段の下流に、好ましくは外側に、励起および/または不安定種のプラズマ後放電領域を提供するよう適応される。今後、この領域は「下流領域」として言及される。本下流領域は一般的に、荷電粒子を実質的に持たない。励起および/または不安定ガス種を形成させる該手段の操作温度は10〜500℃、好ましくは10〜400℃である。より好ましくは、このような装置の操作温度は約室温(つまり約20℃)〜約200℃であるが、最も好ましくは、本発明の方法は室温(20℃)〜160℃の温度において操作される。好ましくは、プラズマにより励起されるガスは、励起および/または不安定ガス種を形成させる該手段を通過する、50L/分より大きい、好ましくは50L/分〜500L/分の範囲の、より好ましくは約75L/分〜300L/分の、速い流速を持つ。
【0021】
10〜500℃の温度において励起および/または不安定ガス種を形成させる該手段は、下流領域を創り出すのに使用するのに適切な如何なる設備をも含んでよい。大気圧非平衡プラズマシステム、特に、下流領域を創り出すのに充分速いガス流速を持っている大気圧グロー放電が好ましい。グロー放電主体のシステムのような多くの大気圧主体のプラズマシステムが典型的に遅いガス流速システムを持っており、ここではプラズマが隣接する電極間に発生され、本発明によって必要とされるタイプの下流領域を提供せず、それで本発明による粒子調製には不向きである。下流領域の創出に充分速いガス流速が好ましく、例えば1分当たり50Lより大きいが、使用されている装置の形状に基づき決められる。
【0022】
励起および/または不安定ガス種を形成させる該手段はあるいは、誘電障壁放電および/またはコロナ放電システムであってもよく、これらは、適切な下流領域を提供するのに充分速いガス流速を持っており、これは好ましくは荷電種を実質的に持たず、これは本発明の方法による官能基化していく前駆体を処理するためである。励起および/または不安定ガス種を形成させる特に好ましい手段は、所謂プラズマジェットおよびプラズマナイフタイプのシステムを包含する。
【0023】
本発明にとって特に好ましいシステムは、米国特許第5,941,448号明細書および/または本出願人の係属出願WO03/085693に記載のような、励起および/または不安定ガス種を形成させる手段であり、動的ガス流を用いて使用される場合である。WO03/085693は、本発明の最先の優先日後に公開された。
【0024】
本発明の方法における使用のための励起および/または不安定ガス種を形成させるための典型的な手段は、大気圧非平衡プラズマ系であり、その間でプラズマが生成、および/または、誘電障壁放電および/またはコロナ放電が生じる1対以上の同心円上の電極を含む電極配置を取り込んでもよい。その中で該プラズマが生成される電極間の距離は、好ましくは実質的に一定のギャップ1〜100mmであり、好ましくはこれら電極間は、2〜10mmである。これら電極はラジオ周波数(RF)のエネルギーを付与され、平均平方根(rms)ポテンシャルは1〜100kVであり、好ましくは1〜30kVであり、最も好ましくは2.5〜10kVであるが、実際の値は、これら電極間の化学/ガスの選択およびプラズマ領域の大きさに依ることになる。該周波数は一般的に、1〜500kHzであり、好ましくは10〜300kHzである。本装置で使用される電力は、好ましくは1W/cm以上であり、より好ましくは10W/cm以上、最も好ましくは約10〜約100W/cm以上となる(誘電単位表面積につき規格化)。
【0025】
好ましい電極システムは、同心円上円筒電極配置を含み、励起されるガスの導入用の入口および出口を持っており、スリットの形態をしていて、これを通して、励起および/または不安定ガスが、励起領域、つまり、プラズマが生成されるプラズマ領域を離れることができる。該励起領域は実質的に、隣接する1対の同心円上電極間のギャップであり、ここでプラズマが形成され、および/または、誘電障壁放電および/またはコロナ放電が生じる。該電極配置は典型的に、内側円筒電極および外側同心円上管状電極を含む。これら電極の少なくとも1つが、それともう1方の電極との間に、誘電材料層を持つ。好ましくは、少なくとも該外側電極の内面もしくは該内側電極の外面が、誘電材料で覆われる。スリットが、該外側配置電極の軸長の大部分に沿って設けられ、これは、励起および/または不安定ガスの延長供給を下流領域において与えるためであり、この中へと官能基化されていく前駆体が導入される。このような配置では、プルーム(plume)を見ることができ、実質的に該外側電極の該スリットの直ぐ外側である。この見ることができるプルームは一般的に、励起および/または不安定種(原子および分子)、例えば準安定種により引き起こされると考えられ、下流領域に行ってしまった後それらの基底状態に戻っていく時に、エネルギーを置き去りにしていく。
【0026】
金属電極が使用されてもよい。これらは例えば、金属円筒、管、ピン、板、もしくはメッシュの形態であってもよい。該金属電極は誘電材料に結合されてもよく、接着によるか、または、該電極の金属の熱および融解の、該誘電材料への何らかの適用による。あるいは、これら電極の1つ以上が誘電材料内に閉じこめられてもよく、または、例えば金属コーティングでスパッタリングされた誘電材料、好ましくは、ガラス誘電材料のような、金属コーティングされた誘電材料の形態であってもよい。あるいは、適切な場合、本発明において使用される電極は実質的に非金属タイプのものであってもよく、本出願人の係属出願WO2004/068916に記載されるが、これは本願優先日後に公開された。
【0027】
該誘電材料は如何なる適切な誘電材料から作られてもよく、例としては、ポリカーボネート、ポリエチレン、ガラス、ガラス積層体、エポキシ充填ガラス積層体、セラミック、および同様なものを包含するが、これらに拘束されない。
【0028】
前記励起および/または不安定ガス種の下流領域への導入は、好ましくはガスを速い流速(例えば、50L/分より速く)で、上記大気圧非平衡プラズマシステムの電極配置を通過させることにより達成され、これが、電位差がこれら電極間に適用される場合、隣接する1対の電極間に、プラズマあるいは誘電障壁放電および/またはコロナ放電を生成させる。プラズマがこれら電極間に生成される場合、これら電極間のギャップはイオン化ガス状媒体を含有することとなり、これは、励起、不安定、およびイオン化原子および分子を含み、可視およびUV照射を発することとなる。これら電極間を通過し、該スリットを通過して出たガスは、励起および/または不安定ガス混合物を含み、これは実質的に荷電種がなく、これは、実質的に全ての荷電種が、これら電極間のギャップ中に残されるからである。前記可視プルームは該スリットにおいて観察されるが、準安定原子および/または分子、励起状態のガス分子、分子断片、および/またはラジカルのような高エネルギー非荷電励起および不安定原子および分子の効果であり、それらの基底状態へと戻っていく時に、エネルギーを手放して与えていく。
【0029】
上記電極配置の形状は。このタイプのシステムが、現実的な、経済的な、大規模での生産を可能にするユニークな利点を提供することを意味する。
【0030】
このましくは、励起および/または不安定ガス種を形成させるための手段は、励起および/または不安定ガス種を、適切な反応器中に保持される下流領域へと導入するよう適応される。如何なる適切な反応器も利用されてよいが、好ましくは該反応器は、流動床もしくは循環床反応器である。本発明の文脈での流動床もしくは循環床とは、固体粒子の流動床に基づくプロセスを意味し、ここで該固体は、懸濁もしくは攪拌により、0角静止を有する拡張された状態において存在し、コンテナ容器の形状を仮定する。このような流動床は、流動床、泡床、自己支持もしくは沸騰床、発泡床、および乱床としても知られることがあり、ガス表面速度が充分速い場合、相対的に稀釈する循環システムおよび輸送システムにもなり得る。流動化は一般的に、空気ガス速度手段により達成されるが、当業者にとって既知の機械的および音波手段によっても支援され得る。本発明に適切な輸送システムは、Perry’s Chemical Engineer’s Handbook 第6版、1984年、20−59〜20−77頁に記載の流動床システムを包含し、特に図20〜75に言及する。本発明による方法に利用されてよい代わりの反応器は、例えば、回転ドラム、回転窯、ジェットミキサー、リサイクル/経時ループを有する平床反応器(FBR)、静混合反応器。音波混合反応器、振動床、コンベヤー・ベルト、タンブラーを包含し、これらは単独もしくは如何なる適切な組み合わせでもある。
【0031】
本発明に使用される反応器が流動床もしくは循環床の形態である場合、励起および/または不安定ガス種を形成させるための手段は好ましくは、該流動床もしくは循環床反応器の基底部にある下流領域において、励起および/または不安定ガス種源として使用されるガスも、該流動床もしくは循環床を支えるガスとして利用できるよう位置される。流動床もしくは循環床タイプのシステムの使用は結果的に優れた混合となり、これにより、一般的に一貫した製品粒子サイズとなり、これは実質的に、該流動床もしくは循環床の下流領域中の前駆体の被曝時間を予め設定することにより、予め決められてもよい。
【0032】
外部ガス源からの更なるガスの入口もしくは出口、および/または、励起および/または不安定ガス種を形成させるための更なる手段は、該流動床もしくは循環床中のどこにでも、例えば、反応器の底部、側部、もしくは頂部に位置されてもよく、粒子および/または液滴あるいは同様なものを、重力に対抗して懸濁させるのを支援する。これら更なる手段の各々は、該流動床もしくは循環床用のガスと同じガス源を利用することになる。単一音自己発振ジェットプラズマヘッドが利用されてもよく、該流動床もしくは循環床中での動的混合/流動化を、電極間でのプラズマ形成同様、提供する。
【0033】
このような流動床もしくは循環床の使用は、その中を循環している前駆体および/または結果的に得られてくる粉末化生成物が、下流領域を通しても、適切であれば外部プルームを通しても、輸送可能にする。
【0034】
前駆体は好ましくは該反応器中へと、噴霧化された液体および/またはガス前駆体の形態で導入されるが、固体もしくは液体/固体スラリーの形態で導入されてもよい。本発明のためには、「液体」は、液体化合物、高粘度液体の溶液、または、液体担体もしくは液体共反応試薬中の固体化合物、および/または、溶融固体を意味するものと理解される。
【0035】
しかしながら、あるいは、本粉末化生成物および/または前駆体は、適切な容器中に静かに維持されてもよく、該容器は下流領域に固定されてもよく、この場合、望まれれば、励起および/または不安定ガス種を形成させるための手段が、該容器に対して相対的に移動されてもよく、本前駆体は適応されて、該容器中へと直接導入されてもよい。本粉末化生成物および/または前駆体を輸送および/または保持するどちらの手段が利用されても、粉末化生成物および/または前駆体が下流領域内に留まる被曝時間が一定あるのが好ましく、これは、本発明による方法の期間を通じての均一な処理を確実にするためである。
【0036】
液体を主体とした前駆体の使用は、本発明に、先行技術を凌駕する主要な利点を提供し、ここでは液体を主体とした該前駆体は、担体ガスなしに反応器の下流領域中の励起および/または不安定ガス中へと導入されてもよく、つまり、液体前駆体は直接、反応器中へと直接注入により導入され得る。これゆえ、本発明者らは、上に論じられたように、非常に高い作業温度と、塩が蒸気形態である必要性との両方を必要とするUS20020192138の必須の特徴に関する必要性を避ける。
【0037】
如何なる適切な噴霧器も、該液体前駆体の噴霧および導入のために利用されてよく、例としては、超音波ノズル、または、空気ネブライザーおよびノズルの使用を包含する。本噴霧器は好ましくは、10nm〜100μm、より好ましくは1μm〜50μmの液体前駆体液滴サイズを生成させる。本発明による方法における使用に適切な噴霧器は、Sono−Tek Corporation,Milton,New York,USAもしくはLechler GmbH,Metzingen,Germanyからの超音波ノズル、または、Clement Clarke Internationalからのインターサージカル(intersurgical)チャンバーである。
【0038】
本発明による方法において利用されてよい装置は、複数の噴霧器を包含してよい。
【0039】
液体前駆体を使用する場合、本液体前駆体はまた、担体ガス上に同調されてもよく、ボルテックスもしくはデュアル・サイクロン型装置中で輸送されてもよく、この場合、処理されるべき液体は、例えば流動床内の1つ以上の入口を通してくべられてもよい。
【0040】
流動床もしくは回転床が利用される場合、本前駆体は該流動床中へと、如何なる適切な位置においても導入されてよいが、好ましくは直接、励起および/または不安定ガスの下流領域(単数もしくは複数)中へと導入される(プラズマもしくは同様なものが発生されている場合)。
【0041】
好ましくは、経時および/またはリサイクル・ループが、求められる官能基化生成物が調製されるまで、粉末および/または前駆体等が反応器から移動され、反応器中へと再導入されるよう設けられてもよい。これらは特に、予め決められた粒子サイズが粉末化生成物に関して求められる場合、有用なことがある。
【0042】
好ましくは、本発明による下流領域中(好ましくは、流動床もしくは循環床中)で形成される粉末および/または離散ゲル粒子は、前記出口スリットを通って配置電極中へと通過していくのを妨げられ、1つ以上の電極に付着していくのを妨げられ、これは、該流動床もしくは循環床に該スリットを通って入っていくガスあるいは励起および/または不安定ガスの流速により、プラズマがこれら電極間で発生されているのか否かに依る。しかしながら適切な場合、導電メッシュが外側電極外部の該流動床もしくは循環床中に置かれてもよく、好ましくは外部プルームと下流領域との間である。該メッシュの包含は、幾つかの目的に寄与することがある。第1に、それは有意にその機会を減らし、好ましくは、本発明の方法により得られた官能基化および非官能基化粉末粒子が該スリットに入っていき、電極表面に付着していくのを妨げる。第2に、それはまた実質的に、如何なる残った荷電種も、下流領域に入っていくのを妨げる。第3に、それはガスが流動床もしくは循環床中へと導入されていく分布手段として振る舞い、つまりそれはガスの該流動床もしくは循環床中への進入を拡大させる。該導電メッシュは、如何なる適切な材料から作られてもよいが、好ましくは、ステンレス鋼、銅、および同様なものから作られる。該導電メッシュは、それがプルーム中に存在する全ての+もしくは−荷電分子を惹き付けるか反発させ、これによりこれら荷電分子が、該流動床もしくは循環床中の下流領域に入っていくのを妨げるような、それに適用される電圧を持ってもよい。
【0043】
本発明による方法から結果的に得られてくる粉末化生成物粒子は、如何なる適切な手段によっても収集されてよい。例えばそれらは、静電沈澱器、フィルター、サイクロン、スクラッバー、および/または電気泳動、ならびに同様なものにより、収集されてもよい。この結果的に得られてくる生成物を収集する他の選択肢は、静電荷孔プレートもしくは振動シーブを包含し、プラズマ領域からの該粉末化粒子の出口と一直線上に置かれ、結果的に得られてくる粉末化粒子を収集する。本発明の1実施形態において、静電荷孔プレートもしくは振動シーブは、反応器からの粉末化基材の出口と一直線上に置かれ、結果的に得られてくる粉末化基材を収集する。好ましくは、末端(最終)生成物を収集する手段が励起および/または不安定ガス領域の下流に位置されてもよく、特に、結果的に得られてくる生成物粒子が非常に細かい、例えば、ナノ粒子化されたサイズの粒子である場合であり、この場合、該粒子は例えば流動床もしくは循環床中を漂う。
【0044】
これゆえ、本発明の好ましい1実施形態において、励起および/または不安定ガス種を形成させるための手段、前駆体を下流領域中へと導入させる前駆体導入手段(ここでは該前駆体が、励起および/または不安定ガスと相互作用し得、この期間、励起および/または不安定ガス種を形成させるための該手段が稼動している)、ならびに、末端(最終)生成物を収集する適切な手段を含む単一ユニットが設けられる。
【0045】
該前駆体およびある幾つかの場合では粉末化生成物が、励起および/または不安定ガスならびに官能基化されていく前駆体と、下流領域中で相互作用する。
【0046】
下流領域へと供給される励起および/または不安定ガス種を形成させるのに使用されるガスは、ヘリウムおよび/またはアルゴンのような稀ガスを含む必要がなく、これゆえ、空気、窒素、酸素、水素、もしくは同様なもの単独、および、これらの如何なる適切な混合物でもあってよい。酸化ガスもしくは還元ガスが、励起および/または不安定ガス種を形成させるのに使用されるガス中に包含されるべく必要とされる場合、使用されるガスは例えば、窒素の、O、HO、CO、CO、窒素酸化物(NOのような)のような適切な酸化ガスとの混合物、または、還元プラズマ環境が必要とされる場合、空気および窒素の、適切な還元ガス、例えば、H、CH、もしくはNHとの混合物を含んでもよい。しかしながらガスのこの選択は、実施されるべきプラズマプロセスに依る。酸化ガスもしくは還元ガスは、単独もしくは混合物として使用されることとなるが、典型的には、例えば窒素と酸素との混合物の場合のような、如何なる適切な混合物中の窒素でもあり、該混合物は、90〜99.995%の窒素と、50ppm〜10%の酸化ガスもしくは還元ガスとを含んでよい。稀ガスたる、Ar、He、Ne、Xe、およびKrが単独、または、酸化ガスもしくは還元ガスと組み合わせて利用されてもよいが(Arおよび/またはHeが最も好ましい)高価であり、このため、必要とされる場合のみ使用される。上記のいずれの混合物も、適切と思われる場合、使用されてよい。
【0047】
酸化条件下では、本方法は、粉末化基材上に酸素含有コーティングを形成させるのに使用されてもよい。例えば、シリカ主体のコーティングは、粉末化基材表面上に、噴霧化シリコン含有コーティング形成材料から形成され得る。還元条件下では、本方法は、無酸素コーティングを形成させるのに使用されてもよく、例えば、シリコン・カーバイド主体のコーティングが、噴霧化シリコン含有コーティング形成材料から形成されてもよい。
【0048】
その酸化物および同様なものに本発明が特に関与する金属は、周期表3aおよび4a族のもの、つまり、アルミニウム、ガリウム、インジウム、テルル、錫、鉛、および遷移金属である。これゆえ、本発明の金属酸化物生成物は、例えば、チタン、ジルコニウム、鉄、アルミニウム、インジウム、鉛、および錫の酸化物のような単一金属酸化物であってもよく、混合酸化物は例えば、珪酸アルミニウム、チタン酸アルミニウム、重珪酸鉛、チタン酸鉛、錫酸亜鉛、TiO−ZrO−SiO−SnO、およびインジウム錫混合酸化物を包含する。混合酸化物の割合は、本発明の方法においてプラズマ処理される前駆体の各構成分量の比により、決められてもよい。
【0049】
メタロイドもしくは準金属(以降、メタロイドとして言及される)は、金属性および非金属性両方を持っている元素であり、ボロン(硼素)、シリコン(硅素)、ゲルマニウム、砒素、アンチモン、およびテルルから選択される。本発明の方法により作られる好ましいメタロイド酸化物生成物は、特に、シリコーン樹脂および同様なものを包含するシリコン酸化物、ボロン酸化物、アンチモン酸化物、およびゲルマニウム酸化物である(有機金属酸化物、有機メタロイド酸化物、および有機混合酸化物樹脂は上記されたように、更に有機基を含む酸化物であると理解されるべきである)。
【0050】
特に好ましいのは、有機官能基を有する金属、メタロイド、および/または混合酸化物樹脂の調製であって、上記組成記述を伴い、上記組成中有機基が追加され、例えば、アミノ基、アルデヒド基、ハロゲン化アルキル基、アルキン基、アルコール基、アミド基、カルバメート基、ウレタン基、アミノ酸および/またはそれらの誘導体のようなグラフトもしくは共有結合生化学基、蛋白、酵素、およびDNAのようなグラフトもしくは共有結合生化学種、有機塩、カルボン酸基および酸無水物基のようなこれらの誘導体、メルカプト基およびスルフィド基のようなボロン原子もしくはリンもしくは硫黄含有基を含有する有機基である。特に、以下の経験式:−
(R’SiO1/2(R’SiO2/2(R’SiO3/2(SiO4/2
を持っており、式中、各R’が独立に、アルキル、アルケニル、アリール、H、OH、もしくは前段落に記載の基のいずれかであり、式中、w+x+p+z=1、w<0.9、x<0.9、p+z>0.1であるシリコーン樹脂が、本発明による方法により形成されてもよい。
【0051】
本発明により得ることができる有機樹脂は、如何なる適切な有機樹脂であってもよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレンオキシド、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、如何なるリン含有有機樹脂、例えば、ポリ塩化ビニル、フッ化ポリビニリデンのようなハロゲン含有樹脂、例えば、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミドのような窒素含有ポリマー、もしくは、ポリチオフェンおよび/またはポリフェニルスルホンのような硫黄含有樹脂である。
【0052】
好ましくは、有機金属主体の前駆体の場合、該前駆体が例えば、如何なる適切な酸化可能基を含有してもよく、これには、クロリド(塩化物)、ヒドリド(水素化物)、ジケトネート、カルボキシレート、および混合された酸化可能基が包含され、例えば、ジ−t−ブトキシジアセトキシシランもしくはジクロロジエトキシチタン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタンもしくはジイソプロポキシビス(テトラメチルヘプタンジオネート)チタンが包含されるが、液体金属アルコキシドが特に好ましい。本発明における前駆体としての使用に適した液体金属アルコキシドは例えば、以下の一般式:−
R’’M(OR’’’)y−t
を持っていてもよく、式中、Mが金属であり、yがアルコキシド基の最大数であり、該金属に結合していてもよく、tが0もしくは1〜yの整数であり、各R’’基が、アルキル、アルケニル、アリール、H、OH、アミノ基、アルデヒド基、ハロゲン化アルキル基、アルキン基、アミド基、カルバメート基、ウレタン基、有機塩、カルボン酸基および酸無水物基のようなこれらの誘導体、メルカプト基およびスルフィド基のようなボロン原子およびリンおよび硫黄含有基を含有する有機基、アミノ酸および/またはそれらの誘導体のようなグラフトもしくは共有結合生化学基、蛋白、酵素、およびDNAのようなグラフトもしくは共有結合生化学種から選択されてよく、各R’’’は同一もしくは異なっていて、直鎖もしくは分岐アルキル基であり、1〜10炭素原子を持っており、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、およびヘキシルのようなものである。適切な金属アルコキシドの例は例えば、チタンイソプロポキシド、錫t−ブトキシド、およびアルミニウムエトキシドを包含する。混合金属アルコキシドはまた、液体前駆体として使用されてもよく、例えば、インジウム錫アルコキシド、アルミニウムチタンアルコキシド、アルミニウムイットリウムアルコキシド、およびアルミニウムジルコニウムアルコキシドである。例えばジ−s−ブトキシアルミノキシトリエトキシシランのような金属+メタロイド混合アルコキシドも、利用されてよい。
【0053】
同様に、有機メタロイド液体前駆体は、如何なる適切な基を含有してもよく、これは、該前駆体が本発明により導入される励起および/または不安定ガス種中で反応させられ、それぞれの酸化物もしくは同様なものを形成し、特に、シリコンの場合、シリコン樹脂を形成するものであり、アルコキシ基およびクロロ基のようなものである。適切なメタロイドアルコキシドの例は、シリコンテトラメトキシドおよびゲルマニウムテトライソプロポキシドを包含する。用語「有機メタロイド液体」は、本明細書において使用される場合、有機メタロイド元素のポリマーを包含し、特にシリコンの場合、好ましくは、例えばジフェニルシランおよびジアルキルシランのような液体有機シランを包含するものと理解され、例えば、ジエチルシラン、ならびに、以下:
アルケニル、アリール、H、OH、アミノ基、アルデヒド基、ハロゲン化アルキル基、アルキン基、アミド基、カルバメート基、ウレタン基、有機塩、カルボン酸基および酸無水物基のようなこれらの誘導体、メルカプト基およびスルフィド基のようなボロン原子およびリンおよび硫黄含有基を含有する有機基、アミノ酸および/またはそれらの誘導体のようなグラフトもしくは共有結合生化学基、蛋白、酵素、およびDNAのようなグラフトもしくは共有結合生化学種
の1種以上を含有する官能基化されたシランである。
【0054】
あるいは、シリコン主体の粉末および/または離散ゲル粒子生成物の前駆体は、シリカおよびシリケート(シリコーン樹脂)形成用の、直鎖、分岐、および/または環状有機ポリシロキサンを含んでもよい。本発明の方法用の液体前駆体として適切な直鎖もしくは分岐有機ポリシロキサンは、一般式W−A−Wの液体を包含し、式中、Aがポリ有機シロキサン鎖であり、式R’’SiO4−s/2のシロキサン単位を持っており、式中、各R’’は独立に、1〜10炭素原子を持っているアルキル基、ビニル、プロペニル、および/またはヘキセニル基のようなアルケニル基、水素、フェニルのようなアリール基、ハロゲン基、アルコキシ基、エポキシ基、アクリロキシ基、アルキルアクリロキシ基、またはフッ化アルキル基を表し、一般的にsは2の値を持つが、ある幾つかの場合、0もしくは1でもよい。好ましい材料は直鎖の材料であり、つまり、全単位につきs=2である。好ましい材料は、一般式−(R’’SiO)−に従うポリジ有機シロキサン鎖を持ち、式中、各R’’は同一でも異なってもよく、以前に記載のとおりであり、mは約1〜約4,000の値を持つ。適切な材料は、約0.65mPa.s〜約1,000,000mPa.sの桁の粘度を持つ。高粘度材料が使用される場合、それらは適切な溶媒に稀釈されてもよく、細かく分散された噴霧スプレーもしくは細かな液滴の形態での液体前駆体の供給を可能にし、前にも論じたとおりであるが、可能であれば、溶媒に対しての必要性を避けるのが好ましい。最も好ましくは、該液体前駆体の粘度は、約0.65mPa.s〜1,000mPa.sの範囲中にあり、液体前駆体として適切と以前記載したような直鎖もしくは分岐有機ポリシロキサンの混合物を包含してもよい。
【0055】
基Wは、同一でも異なってもよい。W基は、例えば、−Si(R’’)Xもしくは−Si(R’’)−(B)−R’’’SiR’’(X)3−kから選択されてもよく、式中、Bは−R’’’−(Si(R’’)−O)−Si(R’’)−であり、R’’は前に述べたとおりであり、R’’’は2価の炭化水素基であり、rは0もしくは1〜6の整数であり、dは0もしくは整数であり、最も好ましくはdは、0、1、もしくは2であり、kは、0、1、2、もしくは3であり、XはR’’と同一であってもよく、6までの炭素原子を持っているアルキル基を含有するアルコキシ基のような加水分解可能な基、エポキシ基、もしくはメタクリロキシ基、もしくはハライドでもよい。
【0056】
環状有機ポリシロキサンは一般式(R’’SiO2/2を持っており、式中、R’’は以前に記載されたとおりであり、nは3〜100であるが好ましくは3〜22であり、最も好ましくは、nは3〜6である。液体前駆体は、以前に定義されたとおりの環状有機ポリシロキサンの混合物を含んでもよい。
【0057】
尚更に代わりの実施形態では、該前駆体は、金属水素化物、水酸化物、窒化物、硫酸化物、スルフィド、酸化物水和物、もしくはハロゲン化物を含んでもよく、好ましくは塩化物である。該金属は如何なる適切な金属でもよく、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、錫、インジウム、およびこれらの混合物が好ましい。チタンを使用する特定例は例えば、水素化チタン、水酸化チタン、四塩化チタン、窒化チタン、硫酸チタン、および酸化チタン水和物を含む。
【0058】
ガス状および/または液体前駆体もまたは、前記のとおりの直鎖もしくは分岐有機ポリシロキサンの1種以上を、前記のとおりの環状有機ポリシロキサンの1種以上と共に含む混合物を含んでもよい。
【0059】
本発明により得られる有機樹脂の調製用の有機前駆体は、如何なる適切な有機モノマーおよび/またはオリゴマーでもよく、例えば、エチレン、プロピレン、アクリル酸、アクリレート、メタクリレート、および如何なる適切なリン含有有機前駆体、ハロゲン含有有機前駆体、例えば、塩化ビニル、フッ化ビニリデン、窒素含有有機前駆体、例えば、ウレタン、アミド、イミド、あるいは、硫黄含有有機前駆体、例えば、チオフェン、フェニルスルホンである。
【0060】
好ましくは、本発明の方法において、前駆体は、ガス状もしくは液体形態で導入され、これは、適切な液体担体、つまり、溶媒もしくは液体共反応性化合物に可溶化された固体を有する溶融金属を包含する(可能な場合はいつでも、溶媒の使用を避けるのが好ましいのではあるが)。上記にリストアップされた金属の有機金属液体およびガス(液体前駆体の使用が特に好ましいのではあるが)、および/または、上記にリストアップされたメタロイドの有機メタロイド液体前駆体が、特に好ましい。本発明の主要な利点の1つは、溶媒が通常必要とされず、好ましくは全く溶媒が使用されないことであり、つまり、本発明の方法において使用される有機金属および/または有機メタロイドガス状もしくは液体前駆体は無溶媒であり、結果的に得られてくる粉末および/または離散ゲル粒子生成物は無溶媒環境中で調製され、これにより、樹脂製品を顧客に、該顧客特定の適用に適した液体担体中で届けるための溶媒交換ステップの必要性を避けており、固体形態で該シリコーン樹脂を届けるための噴霧乾燥ステップを持つ必要性を避けている。
【0061】
本発明の1実施形態において、本発明の方法は、前駆体からの、官能基を有する樹脂の1ステップ調製、例えば、乾燥して回収されるシランもしくは目標とされる適用に適した液体担体中のシランを提供するべく使用される。
【0062】
本発明の代わりの実施形態において、粉末化生成物の多数のシリーズの処理が実施されてもよい。本発明の方法により生成された粉末および/または離散ゲル粒子生成物は引き続き、必要とされる場合、プラズマ技術その他を使用して、如何なる適切なプロセスによっても処理されてよい。特に、本発明により調製された粉末および/または離散ゲル粒子生成物は、きれいにされても、および/または、活性化されても、コーティングされてもよく、例えば、本出願人の係属出願WO02/28548に記載のような噴霧器もしくはネブライザーを通した、液体もしくは固体の噴霧の適用による。
【0063】
例えば、本発明の方法により生成される粉末化生成物は、本反応器、典型的には流動床中へと保持されるか再導入されてもよく、初期には励起ガス状種との相互作用等により、活性化されてもよい。該ガス状種は、酸化ガスもしくは還元ガスであり得るものと考えられる。活性化期間後、プラズマは止められてもよく、一方、ガス流は維持され、流動床の内容物を流動化させ、次いで適切な第1の官能基化されていく前駆体が導入されて、今粉末化基材として作用している活性化された粉末化生成物と相互作用する。第1の官能基化されていく前駆体で処理された基材は次いで、プラズマ、これゆえ下流領域を再生させることにより、再活性化されてもよい。例えば、第1の官能基化されていく前駆体がO−Si−Hを含有している化合物であれば、官能基化に引き続き、このような結合が空気のような酸化励起ガス中で酸化されてもよいことが考えられ、結果的により反応性のO−Si−OHを与える。官能基化されていく更なる前駆体が次いで加えられてもよく、必要とされる官能基化されていく基の充分な備え付けが、必要とされる目的に関して達成されるまで、このプロセスは続けられる。当業者は、広大な範囲の代わりのプロセスが、官能基化されたコーティングを基材上に徐々に作り上げる本発明による方法によるこのルートを使用して実施されてみてもよいことを、認識する筈である。
【0064】
官能基化されていく該前駆体は、好ましくは液体および/またはガス前駆体の形態であるが、固体または液体/固体スラリーの形態で導入されてもよい。液体の官能基化されていく前駆体を使用している場合、官能基化されていく液体の該前駆体は担体ガスに同調されてもよく、または、ボルテックスもしくはデュアル・サイクロン型装置中で輸送されてもよく、この場合、処理される該液体は、例えば流動床内の1つ以上の入口を通して、中へとくべられてもよい。
【0065】
液体形態の官能基化されていく前駆体を使用している場合や、固体または液体/固体スラリーが使用される場合、該液体は、反応器中へと導入されるか、および/または、粉末化基材と接触されるようにされてもよく、適切な場合、励起および/または不安定ガスは、如何なる適切な手段をも使用していく。好ましい実施形態では、該液体前駆体が好ましくは、以前に記載のような噴霧器もしくはネブライザーを通した液体噴霧により、該反応器(典型的には、流動床)中へと導入される。
【0066】
官能基化されていく該前駆体は、励起および/または不安定ガス種の存在下もしくは非存在下に、粉末化基材と接触するようになってもよい。必要とされる場合、官能基化されていく該前駆体が導入される一方、該励起および/または不安定ガス種を生成させる手段、典型的には大気圧非平衡プラズマシステムが、作動している。しかしながら、粉末化基材のみが励起および/または不安定ガス種により活性化される必要がある場合、該プラズマは停止されてもよく、結果的に、前もって活性化された粉末化基材(下流領域での該励起および/または不安定ガス種との相互作用により活性化)と官能基化されていく該前駆体との間での相互作用の期間中、励起および/または不安定ガス種の実質的な不在をもたらす。該プラズマ発生器のスウィッチが切られる一方、未励起ガス(単数もしくは複数)が、励起および/または不安定ガス種(攪乱されている)を発生させる手段を通過し続けてもよく、これは、活性化された粉末化基材と官能基化されていく該前駆体との間での相互作用の期間中、該流動床の機能発揮を維持させるためであることが認められる筈である。該粉末化基材および官能基化されていく該前駆体が、プラズマ形成前に、流動床中で混合されること、つまり、プラズマ処理前の基材上への「ウェットな」コーティングの適用が完全に実施可能である一方、これは一般的には好ましくなく、というのも、化学吸着よりもむしろ、物理的吸着に至ることがより多いからである。しかしながら、多重適用プロセスの場合、必要性が生じれば、1段階はプラズマ形成前に基材の「ウェット化」ステップを含み得よう。
【0067】
上記に定義されたような如何なる適切な液体前駆体も、官能基化していく前駆体として利用されてよく、これは、本発明によるプロセスのステップ(iii)において形成される生成物を官能基化するためである。
【0068】
液体形態の官能基化していく前駆体を使用している場合や、固体または液体/固体スラリーが使用される場合、該液体は、反応器中へと導入されるか、および/または、粉末化基材および/または前駆体と接触されるようにされてもよく、適切な場合、励起および/または不安定ガスは、如何なる適切な手段をも使用していく。好ましい実施形態では、該液体前駆体は好ましくは、本出願人の係属出願WO02/28548に記載のような噴霧器もしくはネブライザー(以降、噴霧器として言及される)を通した液体噴霧により、該反応器(典型的には、流動床)中へと導入される。
【0069】
本発明者らはまた、穏やかな塩基性の有機もしくは無機触媒、例えば、アミン、ピリジン、水酸化アンモニウム、もしくはジメチルアミノプロパノールの導入が、本発明より調製される粒子のマルチステップ官能基化に含まれている縮合タイプの反応を触媒することも見出している。これらのアミンは例えば、3級アミンのようなもの、トリアルキルアミンのようなもの、例えば、トリエチルアミンもしくはトリプロピルアミン、ジプロピルアミンのような2級アミンを含んでもよい。選ばれる触媒および水酸化アンモニウムが有利に加えられることがあり、この場合、上記に開示されたタイプのマルチステッププロセスは、縮合反応を含んでいる。このような化合物の添加は、縮合を促進するものとも、非結合化学物質に関する脱けを有意に抑制するとも理解される。
【0070】
形成される粒子の平均粒子サイズは、好ましくは1nm(ナノメートル)〜2,000μm(もしくはミクロン)であり、好ましくは10nm〜250μmである。
【0071】
本発明の方法により調製されたシリコーン樹脂に関する数多くの可能な使用が見込まれ、これらは例えば、以降を包含する。
【0072】
紙コーティングにおける、接着剤における、抗発泡剤における解離性修飾剤としての、および、電子適用用のカプセル化材料における、シロキサン主体のポリマーおよび特定特性を必要としているエラストマーの粘度弾性を修飾するための中間体;ウェーハ製造における使用のための、処方されたスピン・オン・グラス相間誘電体(無炭素フィルム);高温耐性コーティングおよびフォトコピー・トナー用担体;熱安定性、天候安定性、および表面特性のための、有機ポリマーコーティングを有する処方;耐磨耗性コーティング(ARC);エレクトロニクス(IC製造、パッケージング)、フォトニクス(導波、レンズ)、掃流、耐熱性および耐酸性を有する丈夫なコーティング、高性能複合体および耐火材料への適用;および/または、自動車産業における、柔軟性であり耐磨耗性の自動車用トップコート。シリコーンの有益性を、アルキル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、熱い溶融密封剤、太陽電池、およびゆっくり硬化していくビニル樹脂のような有機系に提供する手段として。
【0073】
本発明の方法に従い調製された粉末に関する1つの認識された利点は、本発明の方法に従い調製された粉末の粒子サイズが、一般的にナノメートルサイズの範囲にあることである(ナノ粒子)。従って、本発明の方法により生産された粉末化粒子は、種々の利便性を持つことがあり、例えば、光電子工学、光子工学、固体状態電子工学、フレキシブルな電子部品、光学装置、フラットパネルディスプレイ、および太陽電池の分野において有用であることがある。本発明の方法により調製されたシリコーン樹脂は、高性能複合素材、耐火材料、例えばマイクロ電子産業用の電気的および/または熱的絶縁コーティング、光学的に透明なコーティング、ならびに、例えば、テレビ、フラットパネルディスプレイのような適用でのディスプレイ産業用の、光学レンズのような適用での光学産業用の、高屈折率コーティングとして有用であることがある。インジウム錫混合酸化物は、透明電導フィルムおよびフラットパネルディスプレイ用電極として、使用される。
【0074】
図1は、励起および/または不安定ガス種1を生成させる手段を示し、これは、ガス均一化チャンバー3への入口2と、ガスが均一化チャンバー3から配置電極15中へと通るための入口4とを持っている。配置電極15は、外側電極5、内側電極6、および、内側電極6上に誘電材料層7を含む。両電極5および6は実質的に構造が管状であり、手段1に管状チャネル9を与えるよう適応され、これは両電極間にあって、チャンバー3から入口4に入ってくる全てのガスを受け入れ導くよう適応されており、励起および/または不安定ガス種の出口スリット10へと向かっている。チャネル9は実質的に管状であり、好ましくは1mまでの軸長を持つが、典型的には長さ50cm未満である。誘電層7の外側表面と外側電極5の内側表面との間の距離は100mmまでであるが、好ましくは10mm未満である。スリット10は、本システムの全軸長に亘って伸びる。使用時、チャネル9は、ガスが手段1を通過するとプラズマが生成される領域である。
【0075】
電極5および6は、高電圧高周波数発電機8に接続され、これは、15kHzより高い周波数において作動し、10kWの桁の電力を供給する。
【0076】
使用時、励起および/または不安定化されるガスが、入口2を通って均一化チャンバー3中へ、引き続いて配置電極15中へと導入される。プラズマ、誘電障壁放電、および/またはコロナ放電が、該ガスがチャネル9を通過すると電極5と6との間に発生され、結果的に高エネルギー種を与え、出口10経由で手段1を離れていく。チャネル9内で形成される荷電種はチャネル9中に、つまりこれら電極間に留まるが、荷電していない励起および/または不安定種を含む該ガスは、出口10を通って配置15を離れ、下流領域11を形成する。荷電していない励起および/または不安定種を含む該ガスは、本発明のプロセスに従い下流領域11中で形成された前駆体そして任意に本粉末化材料と相互作用する。本粉末化生成物が引き続き官能基化されるプロセスでは、これら電極間に適用される電圧は、官能基化されていくこの材料の導入前に切られてもよい。プルーム40は肉眼で見ることができ、前もって励起および/または不安定化された種が、ある期間下流領域11中で励起されたこの状態で存在した後、その基底状態へと戻っていく際にエネルギーを置き去りにしていく結果であると思われる。
【0077】
図2は、本発明のある実施形態を示し、ここでは、本発明による手段1が、流動床20中での使用のために適応され、ガスが入口2に入り、上記図1に関して記載されたタイプの励起に引き続いて、配置電極を離れ、出口スリット10を通って、流動床20に入るようにされる。チャネル9/電極配置15を通っていく該ガスの流速は、該ガスが、流動床20中での流動ガスとしても作用するような流速である。本下流領域は再び11により同定され、本プルームは、出口スリット10に沿って40において見られる。
【0078】
図3は、本発明による方法のある実施形態に従う流動床の、より詳細なスキーム図であり、図1および2に関連して記載されたような励起および/または不安定ガス種1aを形成させる手段を包含している。励起および/または不安定ガス種を形成させる手段のための代わりおよび/または更なるサイト(部位)が、番号1b、1c、および1dにより同定される。液体前駆体50aを導入する手段が、本流動床の頂部に設けられ、このための代わりおよび/または更なる手段が、50bに指し示される。好ましくは、このような手段50aおよび50bは、液体前駆体を液体スプレーの形態で導入し、これは、本出願人の係属出願WO02/28548に記載のタイプの噴霧器もしくはネブライザーを通したものである。スライド弁56が、励起および/または不安定ガス種1aを形成させる手段の直上に設けられ、これは、手段1を通るガス流が一旦切られてしまったら、粉末および前駆体が配置電極15(図1)に入っていこうとするのを防ぐ手段として意図される。この弁56は、適切であれば、前記したようなメッシュにより置き換えられてもよい。粉末化生成物および廃ガスは流動床20から、ガス除去/粒子回収システム52経由で除去されてもよく、流動床の基底部54にある空気を送る装置を使用しても除去可能であると見られる。
【0079】
使用時、励起されるガスは、図1および2に関して上記したような手段1(図1)を通過せられ、これは、本流動床内でのガス循環を与え、該流動床を作動するようにするに充分な速度である。一旦該流動床が適切な状態になると、これら電極を横断する電圧が適用され、結果的に、プラズマもしくは同様なものの生成に至る。手段1を通っていくガスの速度は結果的に、荷電粒子がチャネル9中に保持されるようにし、一方、非荷電励起および/または不安定粒子は出口10を流動床20中へと通り抜け、下流領域を形成する。一旦該下流領域が平衡に達してしまえば、前記前駆体(単数もしくは複数)が該下流領域中へと導入され、54を経由し、該下流領域中で、そのプラズマにより生成された励起および/または不安定粒子により、活性化される。粉末化生成物が徐々に形成され、オペレーター(実践者)に見えることがある。該粉末化生成物の調製に引き続き、適用される電極は一般的には切られ、該生成物が本反応器から、手段52もしくは54により除去される。
【0080】
該粉末化生成物が、調製に引き続き官能基化されるべき場合、典型的には該粉末化生成物は除去されないが、適切に、酸化ガス(空気/酸素)、還元ガス(窒素)、もしくは官能基化していく前駆体のような反応性の励起および/または不安定ガスの導入により、処理される。官能基化していく前駆体の場合、官能基化していく該前駆体が次いで、手段1中のプラズマがまだ機能している間に加えられてもよいが、好ましくは、これら電極を横断する電圧は、これら官能基化していく材料の導入前に切られ、つまり、下流領域を形成している実質的に全ての励起および/または不安定種がその非励起状態へと戻ってしまうか、もしくは、分散してしまい、これら官能基化していく材料が励起していなくなる。両選択肢において、そのガス流は実質的に一定速度に維持され、本流動床の機能性を確実にする。採られるべき選択肢は実際に、利用されている基材および官能基化していく粒子に依り決定される必要がある。単一の官能基化ステップのみが実施される場合、その時官能基化される粒子は、該流動床から除去されてもよい。官能基化される粒子の除去プロセスは、手段1を通るガス流が切られ、ほぼ同時に、前記スライド弁が実働され、粒子が重力により手段1中へと戻っていくのを防ぐ。官能基化される粒子は次いで、例えばライン54経由の空気運搬により、該流動床から除去されてもよい。
【0081】
マルチステップ官能基化プロセスが好ましく利用されている場合、予定された量の官能基化していく前駆体材料が、流動床に既に存在している設定された量の基材(つまり、本粉末化生成物)に導入され、この混合物が、該流動床内で、予定された期間混合される。適切な場合、結果的に得られてくる官能基化された基材のサンプルは、本システムから分析用に除去されてもよいが、好ましくは該プロセスは自動化され、官能基化されていく第1の材料とのある設定期間の混合後、代わりのガス源、例えば上記のような酸化ガスもしくは還元ガスが使用され得るようにし、または、更なるコーティング/官能基化材料が該流動床中へと導入され、初期に官能基化された材料と相互作用するようにされる。同様なプロセスが次いで、適切に官能基化された末端(最終)生成物が形成されるまで、必要とされる異なる各化学変化/コーティング/官能基化ステップに関して実施されてもよい。該末端(最終)生成物は次いで、例えばライン54経由で、空気運搬もしくは如何なる他の適切な手段によっても、抽出される。
【0082】
図3に指し示されるように、上記は単に、単一の導入手段およびプラズマ源などに触れてきたが、一方、多数のプラズマ源および官能基化していく材料の導入手段が利用されてもよく、適切な場合、ガスの更なる入口が設けられ、本流動床の機能性を確実にしてもよい。
【実施例】
【0083】
以下の実施例において、M単位はMeSiO1/2を意味するものと意図され、D単位はMeHSiO2/2を意味し、T単位はMeSiO3/2を意味し、T単位はHSiO3/2を意味し、Q基はSiO4/2を意味する。
【0084】
実施例1
流動床反応容器を、200mm平方4mm厚ポリカーボネートを用いて組み立てた。該反応容器は、およそ1mの高さの真っ直ぐな部分からなり、これは300mm平方の拡がる頭部を有し、これもまたおよそ1mの高さである。その底部は、およそ150mm×30mm断面の矩形スリットへと細くなっていく。表面での材料の堆積を避けるために、鉛直方向の角は、鉛直から20°以下へと限定される(つまり、該底部での最大円錐角は40°)。該ポリカーボネートは容易に、熱エア・ガンにより融合され、一緒にされた。
【0085】
該矩形スリットが次いで、4mmポリカーボネートフレンジとフィットされ、これは、利用されたプラズマ発生装置の寸法に適するように適応された。該大気圧グロー放電プラズマ発生装置が次いで、該反応容器の底へ、シール用ガスケットと一緒に取り付けられた。スライド弁も、この組み立て品中へと組み込まれ、該プラズマ装置上の該反応容器の底部の閉鎖を可能にし、該プラズマ装置との混同なく密封を可能にした。
【0086】
液体が、約1〜10μmサイズで液滴を生成可能な1つ以上のネブライザー装置(例えば、CirrusTMNebulizerコード1501、Intersurgicalにより販売)を有するユニット中へと噴霧される。話題に挙がっている該液体に依って、本担体ガスは、空気もしくは不活性ガス(例えば、窒素)であり得る。噴霧される該液体流用の典型的な入口は、前記正方形部分の開始点にあるかまたは前記プラズマ頭部からおよそ200mm離れている。使用の際、該滴が、該プラズマ発生組み立て品および粉末化されたその基材により発生された励起種により占められる領域に入り、粉末化された該基材が、それらの相互作用により官能基化される。
【0087】
固形分の回収は、およそ50フィート/秒(15.24ms−1)の入口速度に設計されたかまたは前記流動床反応容器内に含有される外部サイクロンを用いて、該反応容器の最上部にフィットされたフィルターにより達成された。固形分は、約20L/分で圧縮空気(もしくは不活性ガス)を操作しながら、ヴェンチュリ(venturi)ノズルを用いた吸引により戻され、固形分が該サイクロンの底部から該反応容器へと戻るのを可能にした。使用された該ヴェンチュリノズルは、0.9mmの開口部直径および6バール(6×10Nm−2)の空気/ガス供給圧を持っていた。
【0088】
23の重合度(dp)を持っている液体ポリメチル水素シロキサン(M0.110.89)が連続的に、ネブライザーノズルを経由して、該流動床プラズマ反応容器中へとくべられ、流動され、該プラズマ組み立て品(以降、「大気プラズマ後放電」と言う)により、35分間、250L/分の窒素(N)中400ppmの酸素(O)を含む反応性ガス混合物の存在下に発生された励起種と接触させられた。該後放電大気プラズマのプラズマ源へと供給された電力は、2,200Wである。
【0089】
白い粉末が、ポリカーボネート支持体表面上へと塗布され、その結果得られてくる粉末および/または離散ゲル粒子生成物を収集するのに利用された。白い該粉末が回収され、分析された。該粉末が、29Si MAS NMRスペクトルにより求められたところ、M0.040.010.680.21<0.010.06という一般式を持つことが見出された(OHのモル%=13%)。走査電子顕微鏡は、数10nmの範囲中の初期粒子形成を示したが、これは、数10ミクロンの範囲中のより大きな粒子へと凝集した。ポリカーボネート上へ塗布された樹脂上での1μLの水滴の接触角は>150°であり、該樹脂粉末が超疎水性であることを示している。
【0090】
実施例2:
実施例1に記載のように、22.6の重合度(dp)を持っている液体ポリメチル水素シロキサン(M0.110.89)が連続的に、ネブライザーノズルを経由して、該流動床プラズマ反応容器中へとくべられ、流動され、大気プラズマ後放電の下流領域と、35分間接触させられた。励起および/または不安定種を提供するのに使用されたガスは、250L/分の速度で導入された空気であった。該プラズマ源へと供給された電力は、2,200Wであった。
【0091】
白い粉末が、ポリカーボネート支持体表面上へと塗布され、その結果得られてくる粉末および/または離散ゲル粒子生成物を収集するのに利用された。白い該粉末が再び回収され、分析された。得られた樹脂の組成は、29Si MAS NMRスペクトルにより、M0.02<0.020.040.600.34と求められた(OHのモル%=28%)。
【0092】
ポリカーボネート上へ塗布された樹脂上での1μLの水滴の接触角は>157°であり、該樹脂粉末が超疎水性であったことを示している。白い該有機シリコーン樹脂粉末の粒子サイズ分析が、イソプロピルアルコール(IPA)中、Coulter LS230 Laser Particles Size Analyserを使用しながら、Mie理論、IPAに対応している液体用ガラス光学モデル計算、およびガラスに対応しているサンプルを使用しながら(実数の屈折率(RI)=1.5、虚数のRI=0)、行われた(0.04〜2,000μm)。この有機シリコーン樹脂の粒子サイズ分布は、40〜600nmおよび1μm〜40μmの2節あり、両者は(それぞれ)300nmより下および4μmより下を中心とする。全体の粒子サイズ分布は、4μmより下の粒子直径を中心とする(50体積%)。
【0093】
実施例3:
実施例1に記載のように、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン中1:1.2混合物が連続的に、ネブライザーノズルを経由して、該流動床プラズマ反応容器中へとくべられ、流動され、大気プラズマ後放電の下流領域と、35分間接触させられた。励起および/または不安定種を提供するのに使用されたガスは、250L/分の窒素(N)中400ppmの酸素(O)であった。該後放電大気プラズマの電力は、2,200Wである。
【0094】
白い粉末が、ポリカーボネート支持体表面上へと塗布され、その結果得られてくる粉末および/または離散ゲル粒子生成物を収集するのに利用された。白い該粉末が再び回収され、分析された。得られた樹脂の組成は、29Si MAS NMRスペクトルにより求められたところ、M0.020.030.270.430.030.22であると見出された(OHのモル%=17%)。ポリカーボネート上へ塗布された樹脂上での水の接触角は、>150°であった。白い該有機シリコーン樹脂粉末の粒子サイズ分析が、IPA中、Coulter LS230 Laser Particles Size Analyserを使用しながら、Mie理論、IPAに対応している液体用ガラス光学モデル計算、およびガラスに対応しているサンプルを使用しながら(実数のRIは1.5、虚数は0)行われた(0.04〜2,000μm)。この有機シリコーン樹脂の粒子サイズ分布は40〜600nmおよび1μm〜40μmの2節であり、両者は(それぞれ)200nmより下および10μmより下を中心とする。全体の粒子サイズ分布は、6μmより下の粒子直径を中心とする(50体積%)。
【図面の簡単な説明】
【0095】
本発明は今から更に、以下の実施例および図面に基づき記載される。
【図1】図1は、励起および/または不安定ガス種を発生させる本発明による手段の、スキーム図を示す。
【図2】図2は、図1に示されるような手段に適合するよう適応される流動床を、スキームにより示す。
【図3】図3は、本発明の1実施形態による流動床の、詳細なスキーム図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属酸化物、メタロイド酸化物、混合酸化物、有機金属酸化物、有機メタロイド酸化物、有機混合酸化物樹脂、および/または有機樹脂の群から選択される化合物の粉末および/または離散ゲル粒子を、1種以上のそれぞれの有機金属前駆体、有機メタロイド前駆体、および/または有機前駆体、ならびにこれらの混合物から形成させる方法であって:
i)ガスを、励起および/または不安定ガス種を形成させる手段中へと通し;
ii)該ガスを、該手段を離れていく時、該ガスが励起および/または不安定ガス種を含むように処理し、これが実質的に、10℃〜500℃の温度において電荷を持たず;
iii)ステップ(i)および(ii)に付されていないガス状および/または液体前駆体を、該励起および不安定ガス種中へと、励起および/または不安定ガスを形成させる該手段の外側の下流領域において導入し、該前駆体と該励起および不安定ガス種との間の相互作用が結果的に、粉末および/または離散ゲル化粒子の形成に至り;
iv)結果的に得られてくる粉末および/または離散ゲル化粒子を収集する
ステップを含む方法。
【請求項2】
励起および/または不安定ガス種を生成させる前記手段が放電装置である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記液体前駆体が、これから結果得られてくる前記励起および/または不安定ガス種により、容器中において処理される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記容器が流動床もしくは循環床である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
励起および/または不安定ガス種を含む前記ガスが、流動床もしくは循環床において、粉末、離散ゲル粒子、および/または液滴を懸濁させるためのガスとして利用される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記液体および/またはガス前駆体が、液体担体、液体共反応試薬、および/または溶融固体中の液体化合物、高粘度液体溶液、あるいは固体化合物の形態である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記液体前駆体が、前記励起および/または不安定ガス種中へ導入され、微粒化液体の形態である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記微粒化液体が、前記励起および/または不安定ガス種中へ、直接注入により導入される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記液体および/またはガス前駆体が、チタン、ジルコニウム、鉄、アルミニウム、インジウム、および錫の有機金属化合物、あるいは、これらの1種以上を含有する混合物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記液体および/またはガス前駆体が、ゲルマニウムもしくはシリコンの有機メタロイド化合物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記有機メタロイド化合物が、有機シランおよび無機シランから選択され、ここでその無機基が、ハロゲン基、水素基、もしくは水酸基、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記有機シランが、1種以上の有機基を含有する官能基化シランであり、これらが以下の、アルケニル、アリール、H、OH、アミノ基、アルデヒド基、ハロゲン化アルキル基、アルキン基、アミド基、カルバメート基、ウレタン基、有機塩、カルボン酸基、およびこれらの誘導体、硼素原子および/または燐原子を含有するヘテロ有機基、メルカプト、およびスルフィド基;グラフト化もしくは共有結合化アミノ酸および/またはこれらの誘導体、グラフト化もしくは共有結合化タンパク、酵素、およびDNAから選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記有機メタロイド化合物が有機ポリシロキサンであり、0.65〜1,000mPa.sの粘度を持っている、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記ガス状および/または液体前駆体が、有機化合物、有機化合物の混合物、または有機化合物と有機シリコン化合物との混合物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
調製に引き続いて、前記粉末および/または離散ゲル化粒子が1回以上、励起および/または不安定ガス種、および/または、1種以上の官能基化していく前駆体を用いて処理される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
金属酸化物、メタロイド酸化物、混合酸化物、有機金属酸化物、有機メタロイド酸化物、有機混合酸化物樹脂、および/または有機樹脂の群から選択される化合物の、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法により得られる粉末および/または離散ゲル粒子。
【請求項17】
1nm〜2,000μmの粒子サイズを持っている、請求項16に記載の粉末および/または離散ゲル粒子。
【請求項18】
以下の経験式:
(R’’’SiO1/2(R’’’SiO2/2(R’’’SiO3/2(SiO4/2
[式中、各R’’’が独立にアルキル、アルケニル、アリール、アルコール、H、OH、アミノ基、アルデヒド基、ハロゲン化アルキル基、アルキン基、アミド基、カルバメート基、ウレタン基、生化学基、生化学種、有機塩主体の基、カルボン酸基およびこれらの酸無水物基のような誘導体、硼素原子を含有する有機基、ならびにメルカプトおよびスルフィド基のような燐および硫黄含有基であり;
式中、w+x+p+z=1であり、w<0.9、x<0.9、p+z>0.1]
を持っている有機シリコーン樹脂を含む、請求項16もしくは17に記載の粉末および/または離散ゲル粒子。
【請求項19】
有機樹脂を含む、請求項16もしくは17に記載の粉末および/または離散ゲル粒子。
【請求項20】
請求項1〜15の方法による粉末または離散ゲル粒子を調製するための装置であって、励起および/または不安定ガス種を発生させるための手段(1)、ステップ(i)および(ii)に付されていないガス状および/または液体前駆体(50a、50b)を、該励起および不安定ガス種中へと、励起および/または不安定ガスを形成させる手段(1)の外側の下流領域(11)において導入するよう適応された手段、ならびに結果的に得られてくる粉末および/または離散ゲル化粒子(52、54)を収集する手段を含む装置。
【請求項21】
前記装置が、流動床もしくは循環床(20)の一部を形成する、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
ガス状および/または液体前駆体(50a、50b)を導入するよう適応された前記手段が噴霧器である、請求項20もしくは21に記載の装置。
【請求項23】
結果的に得られてくる粉末および/または離散ゲル粒子(52、54)の収集が、それらを液体材料と接触させるようにすることにより行われ、これにより、特定適用のための製品中へ、該粉末および/または離散ゲル粒子を直接処方する手段を提供する、請求項20、21、もしくは22に記載の装置。
【請求項24】
励起および/または不安定ガス種を発生させるための手段(1)が、放電用組み立て品である、請求項20、21、もしくは22に記載の装置。
【請求項25】
光電子製品、光学製品、フレキシブルな電子製品、光装置、透明導電フィルム、ディスプレイ、および太陽電池における、導熱充填剤、バイオテクノロジー、バイオセンサー、洗剤、濾過、および/または分離への適用としての、請求項16〜19のいずれか1項に記載の粉末および/または離散ゲル粒子の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−508923(P2007−508923A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534699(P2006−534699)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011610
【国際公開番号】WO2005/039752
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(502286568)ダウ・コーニング・アイルランド・リミテッド (11)
【氏名又は名称原語表記】Dow Corning Ireland Limited
【住所又は居所原語表記】Unit 12, Owenacurra Business Park, Midleton, Co. Cork, Ireland
【Fターム(参考)】