説明

樹脂組成物及びそれよりなる絶縁膜、半導体装置、及び有機電界発光素子

【課題】感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表される構造単位および/または一般式(1)で表される構造単位の前駆体よりなる化合物を成分(a)として含み、かつ、カルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基より選ばれる少なくとも1つの官能基を有することを特徴とする樹脂組成物。
【化1】




(一般式(1)において、nは1〜2の整数である。R〜RはH、F、CF、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかを示し、同じでも異なっていてもよい。R、RはH、または炭素数1〜10のアルキル基のいずれか一つを示し、同じでも異なっていてもよい。Raは置換基を示す。)

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子の表面保護膜及び層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層などに適した、紫外線で露光した部分がアルカリ水溶液に溶解するポジ型の感光性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
大規模集積回路(LSI)は、微細加工技術の進歩を反映して、高集積化、多機能化、高性能化が進んでいる。その結果、回路抵抗や配線間のコンデンサー容量(以下、それぞれ「寄生抵抗」、「寄生容量」という)が増大して、消費電力が増大するだけでなく、デバイスの信号スピードが低下する大きな要因となっている。そのため、配線の周辺を低誘電率の層間絶縁膜で被って寄生容量を下げ、デバイスを高速化させようとしている。具体的には、従来の層間絶縁膜に用いられている酸化ケイ素膜を、より誘電率の小さい有機膜に替える試みがなされている。しかし、層間絶縁膜には、低誘電性とともに、実装基板製造時の薄膜形成工程や、チップ接続、ピン付け等の後工程に耐えられる優れた耐熱性及び機械特性を有することが要求される。代表的な低誘電性有機材料としてポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂やノルボルネン系樹脂が知られているが、耐熱性や機械特性が不十分である。一方では、耐熱性や機械特性の優れた有機材料が知られているが、従来のポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の比誘電率は3.0〜4.0程度であり、低誘電性の面で満足できない。また、従来のポリイミドは誘電率の異方性が大きく、配線間方向と配線層間方向で比誘電率が異なるという問題がある。また、ノルボルネンイミド系ポリマーが知られているが(例えば非特許文献1参照)、電気特性(特に比誘電率)及び機械特性、フォトレジスト性能に関する記載はない。
【0003】
また、ポリイミドのような従来の絶縁膜は不溶不融であるため、形成加工が困難である。そこで、可溶性の前駆体を用いて塗膜形成後、前駆体を絶縁膜に変換するため、高温加熱工程が必須である。このため、プロセス工程が長い、耐熱性の低い基板では使用できない等の問題が生じる。特に、プラスチック基板を用いた軽量で、割れにくく、湾曲可能な有機電界発光素子では、プラスチック基板の耐熱性が低いため、低温加熱工程でも使用可能な有機電界発光素子用絶縁膜が要望されている。
【0004】
すなわち、低温加熱工程、フォトレジスト性能、耐熱性、機械特性、低誘電性、誘電率の等方性を同時に兼ね備えた絶縁材料は、未だ見出されていないのが現状である。
【0005】
【非特許文献1】Macromol.Chem.Phys.200,338−347,1999
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、低温キュア工程、フォトレジスト性能、低誘電性、耐熱性、低屈折性、誘電率の等方性(低複屈折率)および機械特性を同時に兼ね備えた絶縁材料として有用なポリマーを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基本的には以下の構成を有する。即ち、一般式(1)で表される構造単位および/または一般式(1)で表される構造単位の前駆体よりなる化合物を成分(a)として含み、かつ、カルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基より選ばれる少なくとも1つの官能基を有することを特徴とする樹脂組成物である。
【0008】
【化3】



【0009】
(一般式(1)において、nは1〜2の整数である。R〜RはH、F、CF、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかを示し、同じでも異なっていてもよい。R、RはH、または炭素数1〜10のアルキル基のいずれか一つを示し、同じでも異なっていてもよい。Raは置換基を示す。)
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明における樹脂組成物は、カルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基より選ばれる少なくとも1つの官能基を有するものである。その存在形態は、以下で説明する成分(a)に結合した置換基であっても良いし、やはり、以下で説明する成分(b)の置換基であっても良いし、或いは両方であっても良い。特に成分(b)の置換基である場合は、フェノール性水酸基であることが好ましい。
【0011】
本発明における成分(a)である一般式(1)で表される構造単位を有する化合物(好適にはポリ(脂環式オレフィン))は、一般式(3)で表される不飽和基含有脂環式イミド化合物を、重合溶媒中、ビニル付加重合することにより得られる。
【0012】
【化4】



【0013】
(一般式(1)において、kは1〜2の整数である。R〜RはH、F、CF、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかを示し、同じでも異なっていてもよい。R、RはH、または炭素数1〜10のアルキル基のいずれか一つを示し、同じでも異なっていてもよい。Raは置換基を示し、好ましくは、カルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基より選ばれる基を少なくとも一つ有する炭素数1から30までの一価の有機基である。)
【0014】
【化5】



【0015】
(一般式(3)は一般式(1)の単量体であるので、記号は一般式(1)と同じである。)
単量体である不飽和基含有脂環式イミド化合物は、一般式(4)で表される不飽和基含有脂環式酸無水物と一般式(5)で表されるアミン化合物を有機溶媒中、反応温度20℃〜200℃が好ましく、より好ましくは50℃〜150℃で0.5〜24時間反応させることにより得られる。
【0016】
【化6】



【0017】
一般式(4)において、kは1〜2の整数を示す。R〜RはH、F、CF、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかを示し、同じでも異なっていてもよい。R、RはH、または炭素数1〜10のアルキル基のいずれかを示し、同じでも異なっていてもよい。
【0018】
【化7】



【0019】
一般式(5)において、Raは、一般式(1)のRaであり、好ましくは、カルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基より選ばれる少なくとも一つの官能基を有する炭素数1から30までの一価の有機基を示す。さらに、Raは下記一般式(6)で表されるものが好ましい。
【0020】
【化8】



【0021】
は−CR1819−、−CHO−、−CHSO−より選ばれる2価の基を示し、R18、R19は水素原子、水酸基、炭素数1から10までの炭化水素基より選ばれる1価の基を示す。R、Rは水素原子、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、チオール基、炭素数1から10までの炭化水素基より選ばれ、少なくとも一つは水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、チオール基を示す。A、B、Cは炭素原子、または窒素原子であり、各々同じでも異なっていてもよい。mは0から10まで整数であり、好ましくは0から4の整数である。lは0または1であり、好ましくは0である。pは0または1であり、好ましくは0である。qは1〜3までの整数であり、好ましくは1及び2である。
【0022】
この反応(一般式(4)、(5)の化合物から一般式(3)の化合物を得る反応)に用いる溶媒の好ましい具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ヘプタノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸−t−ブチル、酢酸−n−ブチル、酢酸−n−ヘキシル等のエステル類、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒、酢酸等のプロトン性極性溶媒等を挙げることができる。また、これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0023】
本発明で用いられる不飽和基含有脂環式酸無水物(一般式(4))の具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、2,3−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、7−フルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、7,7−ジフルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5,6−ジフルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5,6,7,7,−テトラフルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、7−トリフルオロメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、7,7−ビス(トリフルオロメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5,6−ビス(トリフルオロメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5,6,7,7,−テトラキス(トリフルオロメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、7−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5,6,7,7−テトラメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、7−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、7,7−ジエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5,6−ジエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5,6,7,7−テトラエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、7−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、7,7−ジシクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、7−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、7,7−ジフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、7−メチル−7−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5,6−ジフルオロ−7,7−ジフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5,6−ジメチル−7,7−ジフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5,6−ビス(トリフルオロメチル)−7,7−ジフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、7,8−ジフルオロ−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、7,7,8,8−テトラフルオロ−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5,6−ジフルオロ−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5,6,7,7,8,8−ヘキサフルオロ−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、7,8−ビス(トリフルオロメチル)−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、7,7,8,8−テトラキス(トリフルオロメチル)−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5,6−ビス(トリフルオロメチル)−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5,6,7,7,8,8−ヘキサキス(トリフルオロメチル)−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、7,8−ジメチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、7,7,8,8−テトラメチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5,6,7,7,8,8−ヘキサメチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、7,8−ジエチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、7,7,8,8−テトラエチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5,6−ジエチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5,6,7,7,8,8−ヘキサエチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、7,8−ジシクロヘキシル−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、7,8−ジフェニル−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5,6−ジフルオロ−7,8−ジフェニル−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5,6−ジメチル−7,8−ジフェニル−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、5,6−ビス(トリフルオロメチル)−7,8−ジフェニル−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、等を挙げることができるがこれに限定されない。
【0024】
用いる不飽和基含有脂環式酸無水物としては、酸無水物部の立体配置がexo−体であることが、endo−体であることより、不飽和基含有脂環式酸無水物から得られる不飽和基含有脂環式イミド化合物の重合反応性が高いという点で好ましい。
【0025】
本発明で用いられるアミン化合物(一般式(5))の例としては、5−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、4−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、1−ヒドロキシ−8−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−4−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−3−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−2−アミノナフタレン、1−アミノ−7−ヒドロキシナフタレン、2−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−4−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−3−アミノナフタレン、1−アミノ−2−ヒドロキシナフタレン、1−カルボキシ−8−アミノナフタレン、1−カルボキシ−7−アミノナフタレン、1−カルボキシ−6−アミノナフタレン、1−カルボキシ−5−アミノナフタレン、1−カルボキシ−4−アミノナフタレン、1−カルボキシ−3−アミノナフタレン、1−カルボキシ−2−アミノナフタレン、1−アミノ−7−カルボキシナフタレン、2−カルボキシ−7−アミノナフタレン、2−カルボキシ−6−アミノナフタレン、2−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−カルボキシ−4−アミノナフタレン、2−カルボキシ−3−アミノナフタレン、1−アミノ−2−カルボキシナフタレン、2−アミノニコチン酸、4−アミノニコチン酸、5−アミノニコチン酸、6−アミノニコチン酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、6−アミノサリチル酸、3−アミノ−o−トルイック酸、アメライド、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、2−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、5−アミノ−8−メルカプトキノリン、4−アミノ−8−メルカプトキノリン、1−メルカプト−8−アミノナフタレン、1−メルカプト−7−アミノナフタレン、1−メルカプト−6−アミノナフタレン、1−メルカプト−5−アミノナフタレン、1−メルカプト−4−アミノナフタレン、1−メルカプト−3−アミノナフタレン、1−メルカプト−2−アミノナフタレン、1−アミノ−7−メルカプトナフタレン、2−メルカプト−7−アミノナフタレン、2−メルカプト−6−アミノナフタレン、2−メルカプト−5−アミノナフタレン、2−メルカプト−4−アミノナフタレン、2−メルカプト−3−アミノナフタレン、1−アミノ−2−メルカプトナフタレン、3−アミノ−4,6−ジメルカプトピリミジン、2−アミノチオフェノール、3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノール等が挙げられる。
【0026】
これらのうち、5−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、1−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−4−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−カルボキシ−7−アミノナフタレン、1−カルボキシ−6−アミノナフタレン、1−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−カルボキシ−7−アミノナフタレン、2−カルボキシ−6−アミノナフタレン、2−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、6−アミノサリチル酸、2−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、2−アミノチオフェノール、3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノール等が好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
【0027】
前記不飽和基含有脂環式イミド(一般式(3))のビニル付加重合反応は、ラジカル発生剤や金属触媒を用いて行われる。反応温度は、0〜250℃が好ましく、より好ましくは20℃〜150℃である。反応圧力は特に限定されず、通常、常圧で実施することができる。また、反応時間は、好ましくは0.5〜120時間であり、より好ましくは0.5〜48時間である。
【0028】
重合溶媒の好ましい具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ヘプタノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸−t−ブチル、酢酸−n−ブチル、酢酸−n−ヘキシル等のエステル類、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒等を挙げることができる。また、これらの重合溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0029】
本発明で好ましく用いられるラジカル発生剤は、例えば、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール類;クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類;デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;ビス(t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート類;t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)へキサン等のパーオキシエステル類等の有機過酸化物や、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート、4,4′−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、2,2′−アゾビスプロピオンニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ化合物などが挙げられ
る。これらの重合開始剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。前記重合開始剤の中でもアゾ化合物が好ましい。なお、重合系内には重合開始剤とともに連鎖移動剤を存在させてもよい。連鎖移動剤としては慣用のものを使用できる。
【0030】
本発明で好ましく用いられる金属触媒は、通常、第4属あるいは第10属遷移金属触媒であり、その具体例としては、CpZrCl/メチルアルミノキノサン(以下、MAOという、なおCpはシクロペンタジエニル基である)、CpZrCl/メチルイソブチルアルミノキサン、PdCl/MAO、Ni(acac)/MAO(acacはアセチルアセナートである)、Ni(acac)/EtAlCl、Ni(acac)・2HO/EtAlCl、Ni(acac)/TiCl、Ni(acac)/BF・EtO、NiCl(PPh/AlCl、Pd(acac)/EtAlCl、PdCl(CCN)/EtAlCl、PdCl(CCN)/TiCl、PdCl(CCN)/BF・EtOの組み合わせた触媒系、[(η−allyl)PdX](X=BF,SbF,AsF,PF,CFSO)で表されるアリルPdイオン錯体、CpTiCl、CpTiClのシクロペンタジエニル基にエーテル基を有するハーフチタノセン、CpTiClのシクロペンタジエニル基にエステル基を有するハーフチタノセン、等を挙げることができるがこれに限定されない。触媒の濃度は、反応原料に対して0.01〜10モル%が好ましく、より好ましくは0.1〜5モル%である。また、重合反応は触媒の失活を抑えるため、不活性ガス下で行うのが好ましい。
【0031】
また、ポリマー中の残留触媒はNaBH、活性アルミナ、HCl、HBr、水素、ヒドロシラン化合物を用いて除去することができる。
【0032】
本発明の一般式(1)のRa中のカルボキシル基、フェノール基、スルホン酸基、チオール基は、その極性のために重合阻害剤となる可能性があるので、これらの置換基に保護基を置換することもできる。保護基の例として、一般的な有機合成の分野において用いられるものが使用することができる。例えば、置換メチルエステル基(ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、メトキシメチル基、ベンジルチオメチル基など)、2−置換エチルエステル(t−ブチル基、2−メチルチオエチル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、シクロヘキシル基など)、置換ベンジル基(トリフェニルメチル基、メトキシベンジル基など)、シリル基(トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基)、アセチル基、ベンゾイル基、ベンジルオキシカルボニル基、N−メトキシメチルカルバメート基、メチレン基などが挙げられる。
【0033】
本発明における一般式(1)で表される構造単位を有する化合物(好適にはポリ(脂環式オレフィン))は一般式(1)で表される構造単位の前駆体よりなる化合物を経由しても得ることもできる。一般式(1)で表される構造単位の前駆体の例として、下記一般式(7)が挙げられるが、これに限定されない。
【0034】
【化9】



【0035】
一般式(7)において、R31は、H、炭素数1〜10までアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかを示し、同じでも、異なっていてもよい。その他の記号については、一般式(1)で表される構造単位の前駆体であるので、一般式(1)と同じである。
【0036】
一般式(7)で表されるポリマーは、一般式(8)で表される単量体から得ることができるし、一般式(4)で表される不飽和基含有脂環式酸無水物を上記の方法で重合後、一般式(5)で表されるアミン化合物と反応させることで得ることもできる。
【0037】
【化10】



【0038】
一般式(8)は一般式(7)の単量体であるので、一般式(8)中の記号は一般式(7)中の記号と同じである。
【0039】
以上のような重合方法により、一般式(1)で表される構造単位および/または一般式(1)で表される構造単位の前駆体を含むポリ(脂環式オレフィン)を得ることができる。
【0040】
本発明の一般式(1)で表されるポリ(脂環式オレフィン)を用いたポジ型感光性樹脂組成物のアルカリ水溶液に対する溶解性の点から、一般式(1)で表されるポリ(脂環式オレフィン)と、不飽和基を有する化合物とを共重合かつ/またはブレンドすることが好ましい。一般式(1)で表されるポリ(脂環式オレフィン)の組成を制御することで、アルカリ水溶液に対する溶解速度が変化するので、この調整により適度な溶解性を有したポジ型感光性樹脂前駆体組成物を得ることができる。好ましい範囲は、一般式(1)で表される構造単位またはその前駆体が1〜99モル%、好ましくは5〜70モル%、さらに好ましくは20〜50モル%であることが良い。一般式(1)で表されるポリ(脂環式オレフィン)の組成物が多すぎるとアルカリ水溶液に溶解しすぎ、少なすぎるとアルカリ水溶液に溶解しなくなる。
【0041】
ブレンドもしくは共重合するポリマーとして、一般式(2)のポリ(脂環式オレフィン)が好ましい。特に、共重合が好ましい。共重合体は、一般式(2)の単量体である一般式(9)で表される不飽和基含有脂環式イミド化合物と一般式(3)で表される不飽和基含有脂環式イミド化合物とを、上記の方法でビニル付加重合することにより得られる。
【0042】
【化11】



【0043】
(一般式(9)は一般式(2)の単量体であるので、記号は一般式(2)と同じである。)
一般式(9)で表される不飽和基含有脂環式イミド化合物は上記一般式(4)で表される不飽和基含有脂環式酸無水物と一般式(10)で表される芳香族アミン化合物との反応で得ることができる。
【0044】
【化12】



【0045】
(一般式(10)において、h、i、jは0〜5の整数を示し、h+j≧1を満たす整数である。Xは直接結合、またはO、S、CH、CO、SO、SOのいずれかを示す。R17、R18はH、F、CF、OCF、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかを示し、同じでも異なっていてもよい。)
芳香族アミン化合物(一般式(10))の具体例としては、2−トリフルオロメチルアニリン、3−トリフルオロメチルアニリン、4−トリフルオロメチルアニリン、2,3−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,4−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,4−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)アニリン、2,3,4,5,6−ペンタキス(トリフルオロメチル)アニリン、2−フルオロ−3−トリフルオロアニリン、2−フルオロ−4−トリフルオロアニリン、2−フルオロ−5−トリフルオロアニリン、3−フルオロ−4−トリフルオロアニリン、3−フルオロ−5−トリフルオロアニリン、2−メチル−3−トリフルオロアニリン、2−メチル−4−トリフルオロアニリン、2−メチル−5−トリフルオロアニリン、3−メチル−4−トリフルオロアニリン、3−メチル−5−トリフルオロアニリン、2−フェニル−3−トリフルオロアニリン、2−フェニル−4−トリフルオロアニリン、2−フェニル−5−トリフルオロアニリン、3−フェニル−4−トリフルオロアニリン、3−フェニル−5−トリフルオロアニリン、2−(3−トリフルオロメチルフェニル)アニリン、3−(3−トリフルオロメチルフェニル)アニリン、4−(3−トリフルオロメチルフェニル)アニリン、2−[3,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]アニリン、3−[3,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]アニリン、4−[3,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]アニリン、2−[2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、3−[2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、4−[2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、2−[3,4−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、3−[3,4−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、4−[3,4−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、2,4−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、2,3−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、2,6−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、3,4−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、3,5−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、2,4,6−トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、2−フルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、3−フルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、2,5−ジフルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、2,6−ジフルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、3,5−ジフルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、2−トリフルオロメチル−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、3−トリフルオロメチル−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、2,5−ビス(トリフルオロメチル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリン、3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリン、4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリン、2,4−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリン、2,6−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリン、3,5−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリン、2,4,6−トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリン、2−フルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリン、3−フルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリン、2,5−ジフルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリン、2,6−ジフルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリン、3,5−ジフルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリン、2−トリフルオロメチル−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリン、3−トリフルオロメチル−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリン、2,5−ビス(トリフルオロメチル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリン、2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アニリン、3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アニリン、4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アニリン、2,4−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アニリン、2,6−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アニリン、3,5−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アニリン、2,4,6−トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アニリン、2−フルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アニリン、3−フルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アニリン、2,5−ジフルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アニリン、2,6−ジフルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アニリン、3,5−ジフルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アニリン、2−トリフルオロメチル−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アニリン、3−トリフルオロメチル−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アニリン、2,5−ビス(トリフルオロメチル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アニリン、2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルチオ]アニリン、3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルチオ]アニリン、4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルチオ]アニリン、2,4−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルチオ]アニリン、2,6−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルチオ]アニリン、3,5−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルチオ]アニリン、2,4,6−トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルチオ]アニリン、2−フルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルチオ]アニリン、3−フルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルチオ]アニリン、2,5−ジフルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルチオ]アニリン、2,6−ジフルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルチオ]アニリン、3,5−ジフルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルチオ]アニリン、2−トリフルオロメチル−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルチオ]アニリン、3−トリフルオロメチル−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルチオ]アニリン、2,5−ビス(トリフルオロメチル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルチオ]アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルチオ]アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルチオ]アニリン、2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルフィニル]アニリン、3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルフィニル]アニリン、4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルフィニル]アニリン、2,4−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルフィニル]アニリン、2,6−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルフィニル]アニリン、3,5−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルフィニル]アニリン、2,4,6−トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルフィニル]アニリン、2−フルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルフィニル]アニリン、3−フルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルフィニル]アニリン、2,5−ジフルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルフィニル]アニリン、2,6−ジフルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルフィニル]アニリン、3,5−ジフルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルフィニル]アニリン、2−トリフルオロメチル−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルフィニル]アニリン、3−トリフルオロメチル−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルフィニル]アニリン、2,5−ビス(トリフルオロメチル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルフィニル]アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルフィニル]アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルフィニル]アニリン、2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルホニル]アニリン、3−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルホニル]アニリン、4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルホニル]アニリン、2,4−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルホニル]アニリン、2,6−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルホニル]アニリン、3,5−ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルホニル]アニリン、2,4,6−トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルホニル]アニリン、2−フルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルホニル]アニリン、3−フルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルホニル]アニリン、2,5−ジフルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルホニル]アニリン、2,6−ジフルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルホニル]アニリン、3,5−ジフルオロ−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルホニル]アニリン、2−トリフルオロメチル−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルホニル]アニリン、3−トリフルオロメチル−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルホニル]アニリン、2,5−ビス(トリフルオロメチル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルホニル]アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルホニル]アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルホニル]アニリン、等を挙げることができるがこれに限定されない。
【0046】
また、一般式(9)以外の他の不飽和基含有化合物と共重合しても良い。特に、共重合性単量体としては、(メタ)アクリル系単量体(例えば、(メタ)アクリル酸,(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸ヘキシル,(メタ)アクリル酸オクチル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸C1−10アルキルエステル,(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシC2−6アルキルエステル,(メタ)アクリル酸グリシジルなど),スチレン系単量体(スチレンなど)、ビニルエステル系単量体(酢酸ビニルなど),カルボキシル基含有単量体(無水マレイン酸,イタコン酸)、脂環式炭化水素環を有する単量体などが例示できる。脂環式炭化水素環を有する単量体としては、例えば、単環式炭化水素環を有する(メタ)アクリレート、多環式炭化水素環(スピロ炭化水素環,環集合炭化水素環,縮合環式炭化水素環や架橋環式炭化水素環)を有する(メタ)アクリレートが例示できる。単環式炭化水素環を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート,シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレートなどのC4−10シクロアルキル(メタ)アクリレートなどが例示できる。スピロ炭化水素環を有する(メタ)アクリレートには、スピロ[4.4]ノニル(メタ)アクリレート、スピロ[4.5]デカニル(メタ)アクリレート、スピロビシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのスピロC8−16炭化水素環を有する(メタ)アクリレートが含まれる。環集合炭化水素環を有する(メタ)アクリレートとしては、ビシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのC5−12シクロアルカン環を有する環集合炭化水素環を有する(メタ)アクリレートが例示でき、縮合環式炭化水素環を有する(メタ)アクリレートには、例えば、パーヒドロナフチル(メタ)アクリレート、パーヒドロアントリル(メタ)アクリレートなどの5〜8員シクロアルカン環が縮合した縮合環を有する(メタ)アクリレートが例示できる。架橋脂環式炭化水素環を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、ボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレートなどの2環式炭化水素環を有する(メタ)アクリレート;ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル(メタ)アクリレート)、トリシクロデカニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロ[4.3.1.12,5]ウンデカニル、アダマンチル(メタ)アクリレートなどの3環式炭化水素環を有する(メタ)アクリレート;テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、パーヒドロ−1,4−メタノ−5,8−メタノナフタレンなどの4環式炭化水素環を有する(メタ)アクリレート、2つ以上の不飽和結合基を有する脂環式化合物(シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルエチル(メタ)アクリレート)、ノルボルネン誘導体(2−ノルボルネン、ナジック酸無水物)、エチレン、プロピレン、スチレン、p−ヒドロキシスチレンなどが挙げられる。これらの共重合性単量体は種々の置換基を有していてもよい。また、共重合性単量体は、単独で又は二種以上組合せて使用できる。
【0047】
本発明で使用される成分(b)であるフェノール性水酸基を有する化合物としては、たとえば、Bis−Z、BisOC−Z、BisOPP−Z、BisP−CP、Bis26X−Z、BisOTBP−Z、BisOCHP−Z、BisOCR−CP、BisP−MZ、BisP−EZ、Bis26X−CP、BisP−PZ、BisP−IPZ、BisCR−IPZ、BisOCP−IPZ、BisOIPP−CP、Bis26X−IPZ、BisOTBP−CP、TekP−4HBPA(テトラキスP−DO−BPA)、TrisP−HAP、TrisP−PA、BisOFP−Z、BisRS−2P、BisPG−26X、BisRS−3P、BisOC−OCHP、BisPC−OCHP、Bis25X−OCHP、Bis26X−OCHP、BisOCHP−OC、Bis236T−OCHP、メチレントリス−FR−CR、BisRS−26X、BisRS−OCHP(以上、商品名、本州化学工業株式会社製)、BIR−OC、BIP−BIOC−F、TEP−BIP−A(以上、商品名、旭有機材工業株式会社製)が挙げられる。
【0048】
また、成分(b)であるフェノール性水酸基を有する化合物は一般式(11)で表される化合物であることが好ましい。
【0049】
【化13】



【0050】
ここで、一般式(11)中R21からR24は水素原子、水酸基、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数4から20までの脂環式基を示す。αは0から5までの整数を示す。また好ましくはR23およびR24が炭素数4から20までの脂環式基で表されることが好ましい。
【0051】
一般式(11)で表されるものとして、BisPC−PCHP、BisRS−PEP、BisTBC−PC、Bis24X−PC、Bis35X−PC、メチレンビス−p−CR、o,o’−BPF、oo−BisOC−F、oo−Bis25X−F、MB−PIPP、BisMHQ−F、Bis24X−F(以上、商品名、本州化学工業株式会社製)、BIHQ−PC、BI2MR−PC、BI4MC−PC、BIR−34X、BIR−PAP、BIPC−PC、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−PCHP、4PC、BIR−BIPC−F(以上、商品名、旭有機材工業株式会社製)が挙げられる。
【0052】
また、成分(b)であるフェノール性水酸基を有する化合物は一般式(12)で表される有機基を含有する熱架橋性化合物であることが好ましい。
【0053】
【化14】



【0054】
ここで、一般式(12)中R25は水素原子、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数4から20までの脂環式基またはR26CO基を示す。また、R26は、炭素数1から20までのアルキル基を示す。また好ましくはR25が炭素数1から20までのアルキル基、炭素数4から20までの脂環式基を示すことが好ましい。
【0055】
一般式(12)で表される基を含有する熱架橋性化合物としては、たとえば、上記有機基を1つ有するものとしてML−26X、ML−24X、ML−236TMP、4−メチロール3M6C、ML−MC、ML−TBC(商品名、本州化学工業株式会社製)等、2つ有するものとしてDM−BI25X−F(商品名、旭有機材工業株式会社製)、DML−MBPC、DML−MBOC、ジメチロール−Bis−C、ジメチロール−BisOC−P、DML−BisOC−Z、DML−BisOCHP−Z、DML−MB25、DML−MTrisPC、DML−Bis25X−34XL、DML−Bis25X−PCHP(商品名、本州化学工業株式会社製)が挙げられる。
【0056】
また、一般式(12)で表される有機基を含有する熱架橋性化合物が、一般式(13)で表される化合物であることが好ましい。
【0057】
【化15】



【0058】
ここで、一般式(13)中R27は、前記に等しく、R28及びR29は水素原子、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数4から20までの脂環式基またはR30COO基を示す。また、R30は、炭素数1から20までのアルキル基を示す。
【0059】
一般式(13)で表される化合物としては、46DMOC、46DMOIPP、46DMOEP、46DMOCHP(商品名、旭有機材工業株式会社製)、DML−OCHP、DML−PC、DML−PCHP、DML−PTBP、DML−34X、DML−EP、DML−POP、DML−OC、DML−PFP、DML−PSBP(商品名、本州化学工業株式会社製)、2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール、2,6−ジアセトキシメチル−p−クレゾール等、3つ有するものとしてTriML−P、TriML−35XL、TriML−TrisCR−HAP(商品名、本州化学工業株式会社製)等、4つ有するものとしてTM−BIP−A(商品名、旭有機材工業株式会社製)、TML−BP、TML−HQ、TML−pp−BPF、TML−BPA、TMOM−BP(商品名、本州化学工業株式会社製)等、6つ有するものとしてHML−TPPHBA、HML−TPHAP(商品名、本州化学工業株式会社製)が挙げられる。
【0060】
これらのうち、好ましくは、Bis−Z、BisP−EZ、TekP−4HBPA、TrisP−HAP、TrisP−PA、BisOCHP−Z、BisP−MZ、BisP−PZ、BisP−IPZ、BisOCP−IPZ、BisP−CP、BisRS−2P、BisRS−3P、BisP−OCHP、メチレントリス−FR−CR、BisRS−26X、一般式(5)で表されるものとして、BisPC−PCHP、BisTBC−PC、Bis35X−PC、メチレンビス−p−CR、o,o’−BPF、MB−PIPP、BisMHQ−F、Bis24X−F(以上、商品名、本州化学工業株式会社製)、BI2MR−PC、BI4MC−PC、BIR−PAP、BIPC−PC、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−PCHP、4PC、BIR−BIPC−F(以上、商品名、旭有機材工業株式会社製)及び、一般式(12)で表される基を含有する熱架橋性化合物としては、上記有機基を2つ有するものとして、DML−MBPC、DML−MBOC、ジメチロール−BisOC−P、DML−MTrisPC及び、一般式(13)で表される化合物としては、46DMOC、46DMOEP、46DMOCHP、DML−OCHP、DML−PC、DML−PCHP、DML−PTBP、DML−34X、DML−EP、DML−POP、DML−PFP、DML−PSBP、2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール、2,6−ジアセトキシメチル−p−クレゾール等、3つ有するものとしてTriML−P、TriML−35XL等、4つ有するものとしてTM−BIP−A、TML−BP、TML−HQ、TML−pp−BPF、TML−BPA、TMOM−BP等、6つ有するものとしてHML−TPPHBA、HML−TPHAPが挙げられる。
【0061】
これらのうち、特に好ましくは、Bis−Z、TekP−4HBPA、TrisP−HAP、TrisP−PA、一般式(11)で表されるものとして、BisPC−PCHP、BisTBC−PC、BI2MR−PC、BI4MC−PC、BIR−PAP、BIPC−PC、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−PCHP、4PC、BIR−BIPC−F及び、一般式(12)で表される基を含有する熱架橋性化合物としては、上記有機基を2つ有するものとして、DML−MBPC、DML−MBOC及び、一般式(13)で表される化合物としては、DML−OCHP、DML−PC、DML−PCHP、DML−PTBP、DML−POP、2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール、2,6−ジアセトキシメチル−p−クレゾール等があげられる。
【0062】
これらのうち、さらに好ましくは、一般式(11)で表されるものとして、BisPC−PCHP、BIR−PCHP及び、一般式(13)で表される化合物としては、DML−OCHP、DML−PC、DML−PCHP、DML−PTBP、DML−POP、2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール、2,6−ジアセトキシメチル−p−クレゾール等があげられる。
【0063】
【化16】



【0064】
この成分(b)であるフェノール性水酸基を有する化合物を添加することで、得られる樹脂組成物は、露光前はアルカリ現像液にほとんど溶解せず、露光すると容易にアルカリ現像液に溶解するために、現像による膜減りが少なく、かつ短時間で現像が容易になる。
【0065】
このようなフェノール性水酸基を有する化合物の添加量としては、ポリマー100重量部に対して、好ましくは1から50重量部であり、さらに好ましくは3から40重量部の範囲である。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
【0066】
一般式(12)を含有する熱架橋性化合物以外の架橋構造を形成する化合物を共重合かつ/または分散することができる。本発明におけるポリ(脂環式オレフィン)は架橋構造を形成させることができ、耐薬品性、耐熱性、機械特性を向上させることができる。架橋構造は、架橋構造を形成する化合物と一般式(1)で表されるポリ(脂環式オレフィン)との共重合体かつ/または分散体から形成することができる。
【0067】
架橋構造を形成する化合物を単量体の一部として用いて、架橋性基を有する共重合体を得ることができる。また、一般式(4)の不飽和基含有脂環式酸無水物と、一般式(3)の不飽和基含有脂環式イミド化合物かつ/または一般式(8)の不飽和基含有脂環式アミド化合物との共重合体に、共重合体中の酸無水物と反応する架橋構造を形成する化合物(例えばアミノ基を有する架橋構造を形成する化合物)とを反応させて架橋性基を有する共重合体を得ることができる。また、反応性基を有するポリ(脂環式オレフィン)(例えば、反応性基が酸無水物)を合成し、その反応性基と反応する基を2つ以上有する化合物(例えば、ジアミン化合物)を溶媒に分散させ、両者を反応させることで架橋構造を形成することができる。また、ポリ(脂環式オレフィン)と反応点を持たない架橋構造を形成する化合物を用いて、相互貫入型ポリマーとしても良い。
【0068】
本発明における架橋構造を形成する化合物の具体例としては、架橋構造を有する単量体として、架橋基を有するノルボルネンイミド誘導体(N−{4−エチニルフェニル}ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−{3−エチニルフェニル}ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−{4−(トリメトキシシリル)フェニル}ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−{3−(トリエトキシシリル)プロピル}ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−{4−(フェニルビニル)フェニル}ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−{4−ビニルフェニル}ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−{4−(4−エチニルフェノキシ)フェニル}ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、2,5−ノルボルナジエン等が挙げられ、アミノ基を有する架橋構造を形成する化合物として、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、4−アミノフェニルトリメトキシシラン、3−アミノフェニルトリメトキシシラン、4−アミノフェニルトリエトキシシラン、4−エチニルアニリン、3−エチニルアニリン、4−アミノ−4’−エチニルジフェニルエーテル、2−[(トリメチルシリル)エチニル]アニリン、3−[(トリメチルシリル)エチニル]アニリン、4−[(トリメチルシリル)エチニル]アニリン、2−[(トリメチルシリル)エチニル]アニリン、2−[2−(2−ヒドロキシプロピル)エチニル]アニリン、3−[2−(2−ヒドロキシプロピル)エチニル]アニリン、4−[2−(2−ヒドロキシプロピル)エチニル]アニリン、4−アミノスチレン、4−アミノスチルベン、4−アリルアニリン等があげられるがこららに限定されない。また、前記ジアミン化合物の例として、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、4,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジン、m−フェニレンジアミン、P−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,3,3’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’,4,4’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジ(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、あるいはこれらの芳香族環にアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物や、脂肪族のシクロヘキシルジアミン、メチレンビスシクロヘキシルアミン等が挙げられるが、これらに限定されない。架橋構造を形成する化合物として、アルコキシシラン化合物(例えば、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、トリメトキシシラン、ヘキサメトキシジシラン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、テトラキス(ジメチルシロキシ)シラン、等)、エチニル化合物(例えば、1,3−ジエチニルベンゼン、1,4−ジエチニルベンゼン、9,10−ビス(フェニルエチニルアントラセン)、1,3,5−トリエチニルベンゼン、ジフェニルアセチレン、1,2−ビス(フェニルエチニルベンゼン)、1,3−ビス(フェニルエチニルベンゼン)、1,4−ビス(フェニルエチニルベンゼン)、等)、ビニル化合物(例えば、ジビニルベンゼン、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、等)、アリル化合物(例えば、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート等)、等があげられるがこれらに限定されない。上記架橋構造を形成する化合物は単独もしくは複数で用いることができる。
【0069】
架橋構造を形成する化合物は0〜80重量%、好ましくは0〜50重量%とするのが良い。架橋構造を形成する化合物の添加量が少なすぎると架橋密度が不十分で耐薬品性や耐熱性が改善されない恐れがある。また、架橋を形成する化合物の添加量が多すぎると架橋密度が高すぎ、膜が脆くなる恐れがある。
【0070】
本発明に添加される(c)の光酸発生剤としては、放射線の照射によって酸を発生する酸発生剤が含まれる。酸発生剤の具体例としては、オニウム塩、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物等が挙げられる。
【0071】
オニウム塩の具体例としては、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、オキソニウム塩等が挙げられる。好ましいオニウム塩としては、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート等が挙げられる。
【0072】
ハロゲン含有化合物の具体例としては、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有ヘテロ環状化合物等が挙げられる。好ましいハロゲン含有化合物としては、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ナフチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
【0073】
ジアゾケトン化合物の具体例としては、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等が挙げられる。好ましいジアゾケトン化合物は、フェノール性水酸基を有する化合物にナフトキノンジアジドのスルホン酸がエステルで結合した化合物が好ましい。ここで用いられるフェノール性水酸基を有する化合物は、2,2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンや(b)のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられる。このような化合物としては、Bis−Z、BisP−EZ、TekP−4HBPA、TrisP−HAP、TrisP−PA、BisOCHP−Z、BisP−MZ、BisP−PZ、BisP−IPZ、BisOCP−IPZ、BisP−CP、BisRS−2P、BisRS−3P、BisP−OCHP、メチレントリス−FR−CR、BisRS−26X(以上商品名、本州化学工業株式会社製)、BIR−OC、BIP−PC、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−PCHP、BIP−BIOC−F、4PC、BIR−BIPC−F、TEP−BIP−A(以上、商品名、旭有機材工業株式会社製)、ナフトール、テトラヒドロキシベンゾフェノン、没食子酸メチルエステル、ビスフェノールA、メチレンビスフェノール、BisP−AP(商品名、本州化学工業株式会社製)などの化合物に4−ナフトキノンジアジドスルホン酸あるいは5−ナフトキノンジアジドスルホン酸をエステル結合で導入したものが好ましいものとして例示することが出来るが、これ以外の化合物を使用することもできる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
【0074】
また、本発明で用いるナフトキノンジアジド化合物の分子量が1000より大きくなると、その後の熱処理においてナフトキノンジアジド化合物が十分に熱分解しないために、得られる膜の耐熱性が低下する、機械特性が低下する、接着性が低下するなどの問題が生じる可能性がある。このような観点より見ると、好ましいナフトキノンジアジド化合物の分子量は300から1000である。さらに好ましくは、350から800である。このようなナフトキノンジアジド化合物の添加量としては、ポリマー100重量部に対して、好ましくは1から50重量部である。
【0075】
本発明における感光性樹脂組成物は溶媒に溶解して成膜することができる。好ましい溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ヘプタノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸−t−ブチル、酢酸−n−ブチル、酢酸−n−ヘキシル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒、あるいはこれらの混合したもの、その他、本発明における感光性樹脂組成物が溶解するものを好ましく用いることができる。また、これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0076】
また、本発明における感光性樹脂組成物に、固体粒子を添加することで、機械特性の向上、低誘電率化、さらに組成物溶液の粘性を高めて塗布性を改善することができる。
【0077】
上記固体粒子としては、シリカ粒子、チタニア粒子、ジルコニア粒子、セリア粒子などの無機酸化粒子やその分散ゲル、あるいはフラーレン粒子、カーボンナノチューブ、ポリテトラフルオロエチレンおよびポリテトラフルオロエチレンプロピレン共重合体やこれらの分散ゲルなどを挙げることができ、これら固体粒子の少なくとも1つを含有することで上記特性の改善を図ることができる。固体粒子は、樹脂成分100重量部に対して1〜100重量部添加することが好ましく、より好ましくは5〜50重量部である。
【0078】
また、必要に応じて上記、感光性樹脂組成物と基板との塗れ性を向上させる目的で界面活性剤、乳酸エチルやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、エタノールなどのアルコール類、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類を混合しても良い。また、2酸化ケイ素、2酸化チタンなどの無機粒子、あるいはポリイミドの粉末などを添加することもできる。
【0079】
さらにシリコンウエハなどの下地基板との接着性を高めるために、シランカップリング剤、チタンキレート剤などを感光性樹脂組成物のワニスに0.5から10重量%添加したり、下地基板をこのような薬液で前処理したりすることもできる。
【0080】
感光性樹脂組成物に添加する場合、メチルメタクリロキシジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、などのシランカップリング剤、チタンキレート剤、アルミキレート剤をワニス中のポリマーに対して0.5から10重量%添加する。
【0081】
基板を処理する場合、上記で述べたカップリング剤をイソプロパノール、エタノール、メタノール、水、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、アジピン酸ジエチルなどの溶媒に0.5から20重量%溶解させた溶液をスピンコート、浸漬、スプレー塗布、蒸気処理などで表面処理をする。場合によっては、その後50℃から300℃までの温度をかけることで、基板と上記カップリング剤との反応を進行させる。
【0082】
また、本発明の樹脂組成物(ポリ(脂環式オレフィン)等)の酸化を防ぐ目的で市販の酸化防止剤を添加してもよい。
【0083】
次に、本発明の感光性樹脂組成物を用いて樹脂パターンを形成する方法について説明する。
【0084】
感光性樹脂組成物を基板上に塗布する。基板としてはシリコンウエハ、セラミックス類、ガリウムヒ素、ソーダ硝子、石英硝子などが用いられるが、これらに限定されない。塗布方法としてはスピンナを用いた回転塗布、スプレー塗布、ロールコーティングなどの方法がある。また、塗布膜厚は、塗布手法、組成物の固形分濃度、粘度などによって異なるが通常、乾燥後の膜厚が、0.1から10μmになるように塗布される。
【0085】
次に感光性組成物を塗布した基板を乾燥して、感光性樹脂組成物被膜を得る。乾燥はオーブン、ホットプレート、赤外線などを使用し、50℃から170℃の範囲で1分から数時間行うのが好ましい。
【0086】
次に、この感光性樹脂組成物被膜上に所望のパターンを有するマスクを通して化学線を照射し、露光する。露光に用いられる化学線としては紫外線、可視光線、電子線、X線などがあるが、本発明では水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)を用いるのが好ましい。
【0087】
耐熱性樹脂のパターンを形成するには、露光後、現像液を用いて露光部を除去することによって達成される。現像液としては、テトラメチルアンモニウムの水溶液、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルカリ性を示す化合物の水溶液が好ましい。また場合によっては、これらのアルカリ水溶液にN−メチル−2−ピロリドン、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクロン、ジメチルアクリルアミドなどの極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などを単独あるいは数種を組み合わせたものを添加してもよい。現像後は水にてリンス処理をする。ここでもエタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類などを水に加えてリンス処理をしても良い。
【0088】
現像後、500℃以下、好ましくは250℃以下、さらに好ましくは200℃以下、さらに好ましくは170℃以下の温度を加えて樹脂被膜に変換する。本発明のポリ(脂環式オレフィン)組成物はあらかじめ耐熱性樹脂に変換した後に塗布成膜が可能なので、塗布溶剤が乾燥する温度で加熱することにより、耐熱性被膜を形成できる。つまり、耐熱性被膜を低温加熱で得ることができるので、耐熱性の高くない基板に対して使用することができる。
この加熱処理は温度を選び、段階的に昇温するか、ある温度範囲を選び連続的に昇温しながら5分から5時間施する。一例としては、130℃、200℃、350℃で各30分づつ熱処理する。あるいは室温より250℃まで2時間かけてまたは、400℃まで2時間かけて直線的に昇温するなどの方法が挙げられる。
【0089】
また、本発明におけるポリ(脂環式オレフィン)は酸化されやすいため、200℃以上で加熱処理する際に、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン、ヘリウムなど)雰囲気下で処理するのが好ましく、このとき、加熱処理雰囲気の酸素濃度が1000ppm以下、好ましくは300ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下であることが好ましい。さらに、ポリマーの酸化を防ぐために、加熱処理雰囲気に還元性ガスを含むことが好ましい。還元性ガスの例として、水素、メタン、エタン、プロパン、シラン、メチルシラン、硫化水素等が挙げられるが、特に水素を含むことが好ましい。これらを1種または2種以上のガスを用いても良い。還元性ガスの混合率は、安全性の面で、爆発限界濃度以外で用いることが好ましい。例えば水素の場合、爆発限界濃度が4〜72.4%であるので、0〜4%または72.4〜100%であることが望ましい。
【0090】
本発明におけるポリ(脂環式オレフィン)組成物の5%重量減少温度(Td1)は、工程上必要とされる耐熱性の点から、170℃以上が好ましく、より好ましくは200℃以上、さらに好ましくは300℃以上である。また、ガラス転移温度(Tg)は170℃以上が好ましく、より好ましくは250℃以上である。
【0091】
本発明におけるポリ(脂環式オレフィン)の重量平均分子量は、500以上が好ましく、より好ましくは1000以上である。本発明におけるポリ(脂環式オレフィン)組成物の誘電率(1kHz)は3.5以下、さらに3.0以下であることが好ましい。
【0092】
本発明による感光性樹脂組成物により形成した樹脂被膜は、半導体の層間絶縁膜、パッシベーション膜、半導体素子の保護膜や半導体素子基板の平坦化膜、有機電界発光素子(特にプラスチック基板を用いた湾曲可能な有機電界発光素子)などを搭載した表示装置における絶縁層や光部品など光学材料の用途に用いられる。
【0093】
ここで、平坦化膜とは半導体素子が形成された基板表面の凹凸を埋めて、基板表面を平坦化するための薄膜である。特に、薄膜トランジスター(TFT)で駆動するアクティブ表示装置において、TFT基板表面の平坦化のために用いられる。
【0094】
また本発明の組成物を用いて表示装置に形成される絶縁層は、基板上に形成された第一電極と、前記第一電極に対向して設けられた第二電極とを含む表示装置に関するものであり、具体的には例えば、LCD、ECD、ELD、有機電界発光素子を用いた表示装置(有機電界発光装置)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、蛍光表示管(VFD)、プラズマディスプレイ(PDP)などが該当する。有機電界発光装置とは、基板上に形成された第一電極と、第一電極上に形成された少なくとも有機化合物からなる発光層を含む薄膜層と、薄膜層上に形成された第二電極とを含む有機電界発光素子からなる表示装置である。発光材料の違いにより。低分子材料を用いる低分子型と高分子材料を用いる高分子型に大別される。前者の低分子型の場合、本発明による感光性樹脂組成物により形成した樹脂被膜は、第一電極のエッジ部分に集中する電界を緩和するために、第一電極を部分的に露出せしめるように第一電極上に形成されるものである。また、後者の高分子型の場合、前者低分子型におけるエッジ部集中電界緩和の役割に加え、高分子発光材料を溶解せしめたインクをインクジェット方式にてパターン加工する際に、インクを打ち込む土手(バンク)としても好適に機能することがある。
【0095】
【実施例】
以下実施例および技術をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、実施例中の感光性樹脂組成物の評価は以下の方法により行った。
【0096】
感光性樹脂組成物の膜作製
6インチシリコンウエハ上に、感光性樹脂組成物(以下ワニスと呼ぶ)をプリベーク後の膜厚が1.5μmとなるように塗布し、ついでホットプレ−ト(大日本スクリーン製造株式会社製SCW−636)を用いて、120℃で3分プリベークすることにより、感光性樹脂組成物の膜を得た。
【0097】
膜厚の測定方法
大日本スクリーン製造株式会社製ラムダエースSTM−602を使用し、屈折率1.54で測定を行った。
【0098】
露光
露光機(キャノン株式会社製コンタクトアライナーPLA501F)に、ニコンテストパターンをセットし、紫外線強度10mW/cm(365nm換算)で、所定の時間、紫外線全波長露光を行った。
【0099】
現像
水酸化テトラメチルアンモニウムの2.38%水溶液からなる現像液を用い、23℃60秒間浸漬現像を実施した。次いで水にて20秒間リンス処理後、乾燥した。
【0100】
残膜率の算出
残膜率は以下の式に従って算出した。
残膜率(%)=現像後の膜厚÷プリベーク後の膜厚×100
感度の算出
露光、現像後、50μmのライン・アンド・スペースパターン(1L/1S)を1対1の幅に形成する露光量(以下、これを最適露光量という)を求めた。
【0101】
解像度の算出
露光、現像後、50μmのライン・アンド・スペースパターン(1L/1S)を1対1の幅に形成する最適露光量における最小のパターン寸法を解像度とした。
【0102】
重量平均分子量の測定
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(Model510(Waters社製))を用いて、ポリスチレン換算にて重量平均分子量(Mw)を測定した。
【0103】
比誘電率の測定
6×6cmのAl基板上にワニスをプリベーク後の膜厚が1.5μmとなるように塗布し、ついでホットプレ−ト(大日本スクリーン製造株式会社製SCW−636)を用いて、120℃で3分プリベークし、さらにオーブン(光洋リンドバーグ株式会社製イナートオーブン)を用いて、窒素下で140℃で0.5時間、250℃で1時間乾燥することにより、前記樹脂の膜を得た。その後、Al基板上に形成したこのポリマー膜上にマスクをしてAlを真空蒸着し、上部電極を形成して比誘電率(ε)測定試料とした。1kHzにおける静電容量を横川・ヒューレット・パッカード株式会社製のLCRメーター4284Aを用いて測定し、下記式により比誘電率(ε)を求めた。
ε=C・d/ε・S(但し、Cは静電容量(F)、dは試料膜厚(m)、εは真空中の誘電率、Sは上部電極面積(m)である。)。
【0104】
ガラス転移温度(Tg)の測定
示差走査熱量計DSC−50(島津製作所株式会社製)により、窒素雰囲気中、昇温速度20℃/分で測定した。
【0105】
重量減少率(Td)の測定
熱重量測定装置TGA−50(島津製作所株式会社製)を用い、200℃1時間熱処理後を時点を100%とし、昇温速度10℃/分で加熱して5重量%減少したときの温度を測定した。
核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)の測定
溶媒THF−d8に溶解し、270MHzで測定した。測定装置は超伝導FTNMR「EX−270」(日本電子データム株式会社製)を用いた。
【0106】
平坦化率の測定
凹凸のある基板上に樹脂組成物をスピンコート法により塗布し、ホットプレート上でプリベーク、クリーンオーブン中で加熱した。得られた基板に対し、図1の基板の凹凸段差x、平坦か膜形成後の凹凸段差yの値を(x−y)/x×100の式に代入し、平坦化率を算出した。なお、一般的に平坦化膜としては0.7以上の平坦化率が要求される。
【0107】
参考例1 exo−ナジック酸無水物の合成
exo−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物(exo−ナジック酸無水物)の合成
endo−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物(endo−ナジック酸無水物)100g(0.61モル)を、窒素下、200℃で6時間攪拌して熱異性化させた。反応物を120℃まで冷却し、トルエン100mlを加えた後、室温まで冷却すると淡黄色の結晶が析出した。さらに、この結晶をトルエンで再結晶することにより無色透明の針状結晶を得た。濾過により、結晶を分離し、減圧下で乾燥し、目的の化合物を32.83g得た。
【0108】
参考例2 パラジウム錯体の合成
塩化パラジウム(II)2g(0.011モル)を塩酸(36%)5mlに加熱しながら溶解し、冷却後エタノール150mlを加えた。この反応液を濾過後、濾液に2,5−ノルボルナジエン2.31g(0.025モル)を加えたところ、黄色固体が析出した。濾過により固体を分離し、減圧下で乾燥し、ビシクロ[2.2.1]ヘプタジエン−パラジウムクロリド3.07gを得た。
【0109】
このビシクロ[2.2.1]ヘプタジエン−パラジウムクロリド2.62g(0.0097モル)、炭酸ナトリウム0.88g(0.0083モル)にメタノール35mlを加え、窒素下、室温で2時間撹拌して反応させた。反応液を濾過により分離し、減圧下で乾燥したところ、ビシクロ[2.2.1]ヘプタジエン−パラジウムクロリド二量体2.57gを淡黄色の粉末として得た。
【0110】
さらに、このビシクロ[2.2.1]ヘプタジエン−パラジウムクロリド二量体をクロロベンゼンに溶解させた後、1.6等量のヘキサフルオロアンチモン酸銀を加え、室温で15分撹拌し、目的とするパラジウム錯体の溶液を得た。この溶液を不飽和基含有脂環式イミドの重合触媒として用いた。
【0111】
参考例3 ナジイミドAの合成
N−{3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル}ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドの合成
exo−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物6.85g(0.04モル)を氷酢酸34ml(20w/v)に溶解した。この溶液に3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン10.19g(0.04モル)を滴下し、窒素下、120℃で8時間攪拌して反応させた。反応液を冷却後、水600mlに注ぐと淡黄色の結晶が析出した。さらに、この結晶を酢酸エチルで再結晶することにより無色透明の針状結晶を得た。濾過により、結晶を分離し、減圧下で乾燥し、目的の化合物を11.62g得た。
【0112】
参考例4 ナジイミドBの合成
N−(4−トリフルオロメチルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドの合成
exo−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物9.26g(0.06モル)を氷酢酸46ml(20w/v)に溶解した。この溶液に4−トリフルオロメチルアニリン10g(0.06モル)を滴下し、窒素下、120℃で8時間攪拌して反応させた。反応液を冷却後、水600mlに注ぐと淡黄色の結晶が析出した。さらに、この結晶を酢酸エチルで再結晶することにより無色透明の針状結晶を得た。濾過により、結晶を分離し、減圧下で乾燥し、目的の化合物を13.12g得た。
【0113】
参考例5 ナジイミドCの合成
N−[3−トリフルオロメチル−4−{3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドの合成
exo−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物5.75g(0.04モル)を氷酢酸29ml(20w/v)に溶解した。この溶液に3−トリフルオロメチル−4−{3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ}アニリン15g(0.04モル)を滴下し、窒素下、120℃で8時間攪拌して反応させた。反応液を冷却後、水600mlに注ぐと淡黄色の結晶が析出した。さらに、この結晶を酢酸エチルで再結晶することにより無色透明の針状結晶を得た。濾過により、結晶を分離し、減圧下で乾燥し、目的の化合物を13.61g得た。
【0114】
参考例6 ナジイミドDの合成
N−(3,5−ジメチルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドの合成
exo−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物5.75g(0.04モル)を氷酢酸29ml(20w/v)に溶解した。この溶液に3,5−ジメチルアニリン4.84g(0.04モル)を滴下し、窒素下、120℃で8時間攪拌して反応させた。反応液を冷却後、水600mlに注ぐと淡黄色の結晶が析出した。さらに、この結晶を酢酸エチルで再結晶することにより無色透明の針状結晶を得た。濾過により、結晶を分離し、減圧下で乾燥し、目的の化合物を9g得た。
【0115】
参考例7 ナジイミドEの合成
N−(3−ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドの合成
exo−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物8.20g(0.05モル)を氷酢酸54.4mlに溶解した。この溶液に3−アミノフェノール5.40g(0.05モル)を滴下し、窒素下、120℃で8時間攪拌して反応させた。反応液を冷却後、水600mlに注ぐと淡黄色の結晶が析出した。さらに、この結晶を酢酸エチルで再結晶することにより無色透明の針状結晶を得た。濾過により、結晶を分離し、減圧下で乾燥し、目的の化合物を11.5g得た。
【0116】
参考例8 ナジイミドFの合成
N−(3−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドの合成
ナジイミドE10.20g(0.040モル)とイミダゾール2.99g(0.044モル)をジメチルホルムアミド12mlに溶解し、t−ブチルジメチルシリルクロライド6.63g(0.044モル)を加えた。室温で20時間反応させた。酢酸エチルを100ml加え、水で3回洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、酢酸エチルを留去した。酢酸エチル/ヘキサンで再結晶を行い目的物を8.00g得た。
【0117】
参考例9 ナジイミドGの合成
N−(3−カルボキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドの合成
exo−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物8.20g(0.05モル)を氷酢酸54.4mlに溶解した。この溶液に3−アミノ安息香酸6.85g(0.05モル)を滴下し、窒素下、120℃で8時間攪拌して反応させた。反応液を冷却後、水600mlに注ぐと淡黄色の結晶が析出した。さらに、この結晶を酢酸エチルで再結晶することにより無色透明の針状結晶を得た。濾過により、結晶を分離し、減圧下で乾燥し、目的の化合物を12g得た。
【0118】
参考例10 光酸発生剤(1)の合成
乾燥窒素気流下、TrisP−HAP(商品名、本州化学工業株式会社製)21.23g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド33.58g(0.125モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン12.65g(0.125モル)を系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後30℃で2時間攪拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、ろ液を水に投入させた。その後、析出した沈殿をろ過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、光酸発生剤(1)を得た。
【0119】
【化17】



【0120】
参考例11 光酸発生剤(2)の合成
乾燥窒素気流下、TrisP−HAP(商品名、本州化学工業株式会社製)、15.31g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド40.28g(0.15モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン15.18g(0.15モル)を用い、合成例4と同様にして光酸発生剤(2)を得た。
【0121】
【化18】



【0122】
参考例12 光酸発生剤(3)の合成
乾燥窒素気流下、4−イソプロピルフェノール6.81g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド13.43g(0.05モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン5.06gを用い、合成例4と同様にしてを用い、光酸発生剤(3)を得た。
【0123】
【化19】



【0124】
参考例13 光酸発生剤(4)の合成
乾燥窒素気流下、ビスフェノールA 11.41g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド26.86g(0.1モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン10.12gを用い、合成例4と同様にして光酸発生剤(4)を得た。
【0125】
【化20】



【0126】
同様に、各実施例に使用したフェノール性水酸基を有する化合物を下記に示した。
【0127】
【化21】



【0128】
実施例1 ポリマーAFの合成
窒素下、参考例3で得られたナジイミドA4.87g(0.013モル)と参考例8で得られたナジイミドF2.58g(0.007モル)を加え、参考例2で得られたパラジウム錯体のクロロベンゼン溶液(触媒:モノマーに対して1/50モル)を加え、室温で36時間反応させた。この反応液を固体をメタノールに投入し、ポリマーを析出させた。減圧下にて乾燥しポリマーを得た。収量は、6.00gであった。このポリマーをクロロベンゼン60gに溶解し、ポリマーAF溶液とした。ジメチルフェニルシラン6gを加え、24時間攪拌した。析出した黒色沈澱(Pd)を濾過で取り除き、濾液をヘキサンに投入し白色沈殿を得た。この沈澱を濾取し、減圧下にて乾燥し、ポリマーを得た。収量は5.50gであった。ポリマー中のPd濃度は0.1重量%以下であった。1H−NMRからナジイミドFユニットが35モル%導入していることがわかった。さらに、このポリマーをテトラヒドロフラン25gに溶解し、ついで、テトラブチルアンモニウムフルオリドを4.1g加えて室温で6時間撹拌し、脱保護によるフェノール性水酸基の脱保護化を(3−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニル基=> 3−ヒドロキシフェニル基)図った。析出したポリマーを濾取して、水500mlで洗浄した。減圧乾燥して、ポリマーAF4.5gを得た。重量平均分子量(Mw)は39000であった。このポリマーAF1.00g、上記に示した光酸発生剤(1)0.25g、フェノール水酸基を有する化合物としてBis−Z0.10gをジメチルアセトアミド4.36gに溶解してワニスAFを得た。得られたワニスAFを用いて前記のようにシリコンウエハー上に感光性樹脂組成物の膜を作製、露光、現像し、ワニスの感度、残膜率、解像度について評価を行った。また、誘電率、ガラス転移温度、5%重量減少温度を測定した。
【0129】
実施例2 ポリマーBFの合成
参考例4で得られたナジイミドB5.53g(0.018モル)と参考例8で得られたナジイミドF4.42g(0.012モル)を単量体として用いた以外は実施例1と同様に重合行い、ポリマーBFの固体を得た。収量は、7.00gであった。重量平均分子量(Mw)は40000であった。ポリマー中のPd濃度は0.1重量%以下であった。
【0130】
このポリマーBF1.00g、上記に示した光酸発生剤(2)0.30g、フェノール水酸基を有する化合物としてBisRS−2P0.15gをジメチルアセトアミド4.36gに溶解してワニスBFを得た。得られたワニスBFを用いて前記のようにシリコンウエハー上に感光性樹脂組成物の膜を作製、露光、現像し、ワニスの感度、残膜率、解像度について評価を行った。また、誘電率、ガラス転移温度、5%重量減少温度を測定した。
【0131】
実施例3 ポリマーCFの合成
参考例5で得られたナジイミドC10.5g(0.021モル)と参考例8で得られたナジイミドF3.31g(0.009モル)を単量体として用いた以外は実施例1と同様に重合行い、ポリマーCFの固体を得た。収量は、10.03gであった。重量平均分子量(Mw)は50000であった。ポリマー中のPd濃度は0.1重量%以下であった。このポリマーCF1.00g、上記に示した光酸発生剤(3)0.25g、フェノール水酸基を有する化合物としてTrisP−PA0.10gをジメチルアセトアミド5.36gに溶解してワニスCFを得た。得られたワニスを用いて前記のようにシリコンウエハー上に感光性樹脂組成物の膜を作製、露光、現像し、ワニスの感度、残膜率、解像度について評価を行った。また、誘電率、ガラス転移温度、5%重量減少温度を測定した。
【0132】
実施例4 ポリマーDFの合成
参考例6で得られたナジイミドD5.34g(0.02モル)と参考例8で得られたナジイミドF7.35g(0.02モル)を単量体として用いた以外は実施例1と同様に重合行い、ポリマーDFの固体を得た。収量は、10.88gであった。重量平均分子量(Mw)は55000であった。ポリマー中のPd濃度は0.1重量%以下であった。このポリマーDF1.00g、上記に示した光酸発生剤(4)0.25g、フェノール水酸基を有する化合物としてBIR−PC0.05gをジメチルアセトアミド5.36gに溶解してワニスDFを得た。得られたワニスを用いて前記のようにシリコンウエハー上に感光性樹脂組成物の膜を作製、露光、現像し、ワニスの感度、残膜率、解像度について評価を行った。また、誘電率、ガラス転移温度、5%重量減少温度を測定した。
【0133】
実施例5 ポリマーEnの合成
窒素下、endo−ナジック酸無水物5.74g(0.035モル)、2−ノルボルネン5.93g(0.063モル)、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート0.6g(0.002モル)と重合開始剤のジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート1.15g(0.005モル)をテトラヒドロラン12.27mlに溶解し、80℃で5時間撹拌した。冷却後、テトラヒドロフランを48ml加えて希釈した後、ヘキサンに投入しポリマーを析出させた。析出したポリマーを濾取後、減圧乾燥し、ポリマーEn’を10.08gであった。このポリマーEn’をガンマブチロラクトンに溶解し、3−アミノフェノール4.20g(0.038モル)、イミダゾール0.5gを加え、50℃で3時間撹拌した。その後、無水酢酸を3.57g(0.035モル)を加え、120℃で3時間撹拌した。その後冷却し、水500mlに投入し、ポリマーを析出させた。析出したポリマーを減圧乾燥し、ポリマーEnを11.12gを得た。重量平均分子量(Mw)は17000であった。このポリマーEn1.00g、上記に示した光酸発生剤(1)0.30g、フェノール水酸基を有する化合物としてBisPC−PCHP0.1gを乳酸エチル5.36gに溶解してワニスEnを得た。得られたワニスを用いて前記のようにシリコンウエハー上に感光性樹脂組成物の膜を作製、露光、現像し、ワニスの感度、残膜率、解像度について評価を行った。また、誘電率、ガラス転移温度、5%重量減少温度を測定した。
【0134】
実施例6 ポリマーEpの合成
メチルメタアクリレート1.30g(0.013モル)と参考例7で得られたナジイミドE2.58g(0.007モル)と重合開始剤のジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート0.23g(0.001モル)をテトラヒドロラン14mlに溶解し、80℃で5時間撹拌した。冷却後、テトラヒドロフランを12ml加えて希釈した後、水100mlに投入し、ポリマーを析出させた。析出したポリマーを減圧乾燥し、ポリマーEpを2.07gを得た。重量平均分子量(Mw)は20000であった。このポリマーEp1.00g、上記に示した光酸発生剤(2)0.30g、フェノール水酸基を有する化合物としてDML−PC0.35gをプロピレングリコールモノメチルエーテル5.36gに溶解してワニスEpを得た。得られたワニスを用いて前記のようにシリコンウエハー上に感光性樹脂組成物の膜を作製、露光、現像し、ワニスの感度、残膜率、解像度について評価を行った。また、誘電率、ガラス転移温度、5%重量減少温度を測定した。
【0135】
実施例7 ポリマーGnの合成
窒素下、参考例9のナジイミドG8.33g(0.035モル)、2−ノルボルネン5.93g(0.063モル)、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(TCDM)0.6g(0.002モル)と重合開始剤のジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート1.15g(0.005モル)をテトラヒドロラン14.86mlに溶解し、80℃で5時間撹拌した。冷却後、テトラヒドロフランを50ml加えて希釈した後、水500mlに投入し、ポリマーを析出させた。析出したポリマーを減圧乾燥し、ポリマーGnを11.12gを得た。重量平均分子量(Mw)は17000であった。このポリマーGn1.00g、上記に示した光酸発生剤(1)0.30g、フェノール水酸基を有する化合物として2,6−ジアセトキシ−p−クレゾール0.3gをジメチルアセトアミド5.36gに溶解してワニスGnを得た。得られたワニスを用いて前記のようにシリコンウエハー上に感光性樹脂組成物の膜を作製、露光、現像し、ワニスの感度、残膜率、解像度について評価を行った。また、誘電率、ガラス転移温度、5%重量減少温度を測定した。
【0136】
実施例8 ポリマーFの合成
実施例1の単量体をナジイミドF3.68g(0.01モル)のみにした以外は実施例1と同様に重合・調製(フェノール性水酸基の脱保護化を含む)を行い、ポリマーFを3.40g得た。重量平均分子量(Mw)は50000であった。このポリマーF1.00g、上記に示した光酸発生剤(1)0.30g、ジメチルアセトアミド5.36gに溶解してワニスFを得た。得られたワニスを用いて前記のようにシリコンウエハー上に感光性樹脂組成物の膜を作製、露光、現像し、ワニスの感度、残膜率、解像度について評価を行った。また、誘電率、ガラス転移温度、5%重量減少温度を測定した。
【0137】
実施例9 ワニスAF’の調製
実施例1のポリマーAF1.00gに、上記に示した光酸発生剤(1)0.25g、ジメチルアセトアミド4.36gに溶解してワニスAF’を得た。得られたワニスAF’を用いて前記のようにシリコンウエハー上に感光性樹脂組成物の膜を作製、露光、現像し、ワニスの感度、残膜率、解像度について評価を行った。また、誘電率、ガラス転移温度、5%重量減少温度を測定した。
【0138】
実施例10
厚さ1.1mmの無アルカリガラス表面にスパッタリング蒸着法によって厚さ130nmのITO透明電極膜が形成されたガラス基板を120×100mmの大きさに切断した。ITO基板上にフォトレジストを塗布して、通常のフォトリソグラフィ法による露光・現像によってパターニングした。ITOの不要部分をエッチングして除去した後、フォトレジストを除去することで、ITO膜を長さ90nm、幅80μmのストライプ形状にパターニングした。このストライプ状第一電極は100μmピッチである。こうして、第一電極を形成した基板を作成した。
【0139】
次に、実施例1で得られたワニスAFの濃度調整をプロピレングリコールモノメチルエーテルを用いて行い、スピンコート法により第一電極を形成した基板上に塗布し、ホットプレート上で120℃で3分間プリベークした。この膜にフォトマスクを介してUV露光した後、2.38%TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)水溶液で露光部分のみを溶解させることで現像し、純水でリンスした。得られたパターンをクリーンオーブン中、空気雰囲気下で200℃60分加熱してキュアし、絶縁層を第一電極のエッジを覆うように形成した。絶縁層の厚さは約1μmであった。
【0140】
次に、絶縁層を形成した基板を用いて低分子型の有機電界発光装置の作製を行った。発光層を含む薄膜層は、抵抗線加熱方式による真空蒸着法によって形成した。なお、蒸着時の真空度2×10−4Pa以下であり、蒸着中は蒸着源に対して基板を回転させた。まず、銅フタロシアニンを15nm、ビス(N−エチルカルバゾール)を60nm、基板有効エリア全面に蒸着して正孔輸送層を形成した。
【0141】
さらに、シャドーマスクを用いて発光層を形成した。0.3重量%の1,3,5,7,8−ペンタメチル−4,4−ジフルオロ−4−ボラ−3a、4a−ジアザ−s−インダセン(PM546)をドーピングした8−ヒドロキシキノリン−アルミニウム錯体(Alq3)を21nm蒸着し、緑色発光層をパターニングした。
【0142】
次に、シャドーマスクを1ピッチ分ずらした位置の第一電極パターンに位置合わせをして、1重量%の4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(ジュロリジルスチリル)ピラン(DCJT)をドーピングしたAlq3を15nm蒸着して、赤色発光層をパターニングした。
【0143】
さらに、シャドーマスクを1ピッチ分ずらした位置の第一電極パターンに位置合わせをして、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)ジフェニル(DPVBi)を20nm蒸着して青色発光層をパターニングした。緑色、赤色、青色それぞれの発光層はストライプ状第一電極の3本ごとに配置され、第一電極の露出部分を完全に覆っている。
【0144】
最後に、シャドーマスクを用いて、抵抗線加熱方式の真空蒸着法により第二電極を形成した。なお、蒸着時の真空度は3×10−4Pa以下であり、蒸着中は2つの蒸着源に対して基板を回転させた。発光層のパターニングと同様に、アルミニウムを240nmの厚さに蒸着して、第二電極をパターニングした。第二電極は、間隔をあけて配置された複数のストライプ状第一電極と直交する配置で、間隔をあけて配置されたストライプ状にパターニングされている。
【0145】
得られた上記基板を蒸着機から取り出し、基板と封止用ガラス板とを硬化性エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止した。このようにしてITOストライプ状第一電極上に、パターニングされた発光層が形成され、第一電極と直交するようにストライプ状第二電極が配置された単純マトリクス型カラー有機電界発光装置を作製した。本表示装置を線順次駆動したところ、良好な表示特性を得ることができた。絶縁層の境界部分で薄膜層や第二電極が、薄くなったり段切れを起こすようなこともなく、スムーズに成膜されたので、発光領域内での輝度ムラは認められず、安定な発光が得られた。また断面は順テーパーになっていた。
【0146】
実施例11
実施例5で得られたワニスEnを用い、キュア条件を170℃で60分にした他は、実施例10と同様にして、単純マトリクス型カラー有機電界発光装置を作製した。本表示装置を線順次駆動したところ、輝度ムラも認められず良好な表示特性を得ることができた。
【0147】
実施例12
実施例6で得られたワニスEpを用い、キュア条件を170℃で60分にした他は、実施例10と同様にして、単純マトリクス型カラー有機電界発光装置を作製した。本表示装置を線順次駆動したところ、輝度ムラも認められず良好な表示特性を得ることができた。
【0148】
実施例13
実施例10と同様にして、第一電極を形成した基板を作成した。
【0149】
次に、実施例1で得られたワニスAFの濃度調整をプロピレングリコールモノメチルエーテルを用いて行い、スピンコート法により第一電極を形成した基板上に塗布し、ホットプレート上で120℃で3分間プリベークした。この膜にフォトマスクを介してUV露光した後、2.38%TMAH水溶液で露光部分のみを溶解させることで現像し、純水でリンスした。得られたパターンをクリーンオーブン中で200℃60分加熱してキュアし、バンク層を第一電極のエッジを覆うように形成した。バンク層の厚さは約3μmであった。
【0150】
次に、バンク層を形成した基板を用いて高分子型の有機電界発光装置の作製を行った。発光層を含む薄膜層は、高分子発光材料を含む溶液をインクジェット法によりバンクの中に吐出した。その後、乾燥して溶媒を除去し、シャドーマスクを用いて第二電極のアルミニウムを形成した。
【0151】
得られた上記基板を、基板と封止用ガラス板とを硬化性エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止した。このようにしてITOストライプ状第一電極上に、パターニングされた発光層が形成され、第一電極と直交するようにストライプ状第二電極が配置された単純マトリクス型カラー有機電界発光装置を作製した。本表示装置を線順次駆動したところ、良好な表示特性を得ることができた。バンク層の境界部分で薄膜層や第二電極が、薄くなったり段切れを起こすようなこともなく、スムーズに成膜されたので、発光領域内での輝度ムラは認められず、安定な発光が得られた。また断面は順テーパー形状で、テーパー角は約60゜になっていた。
【0152】
実施例14
実施例5で得られたワニスEnを用い、キュア条件を170℃で60分にした他は、実施例13と同様にして、単純マトリクス型カラー有機電界発光装置を作製した。本表示装置を線順次駆動したところ、輝度ムラも認められず良好な表示特性を得ることができた。
【0153】
実施例15
実施例6で得られたワニスEpを用い、キュア条件を170℃で60分にした他は、実施例13と同様にして、単純マトリクス型カラー有機電界発光装置を作製した。本表示装置を線順次駆動したところ、輝度ムラも認められず良好な表示特性を得ることができた。
【0154】
実施例16
ガラス基板上に薄膜トランジスター素子を形成し、アクティブマトリックス基板を得た。次に、実施例1で得られたワニスAFの濃度調整をプロピレングリコールモノメチルエーテルを用いて行い、スピンコート法によりアクティブマトリックス基板上に塗布し、ホットプレート上で120℃で3分間プリベークした。この膜にフォトマスクを介してUV露光した後、2.38%TMAH水溶液で露光部分のみを溶解させることで現像し、純水でリンスした。得られたパターンをクリーンオーブン中で200℃60分加熱してキュアし、平坦化膜を形成した。平坦化膜の厚さは約2μmであった。平坦化率は91%を示し、良好な平坦化性能を示した。
【0155】
実施例17
実施例5で得られたワニスEnを用い、キュア条件を170℃で60分にした他は、実施例16と同様にして、アクティブマトリックス基板上に平坦化膜を作製した。平坦化膜の厚さは約2.5μmであった。平坦化率は89%を示し、良好な平坦化性能を示した。
【0156】
実施例18
実施例6で得られたワニスEpを用い、キュア条件を170℃で60分にした他は、実施例16と同様にして、アクティブマトリックス基板上に平坦化膜を作製した。平坦化膜の厚さは約2.3μmであった。平坦化率は90%を示し、良好な平坦化性能を示した。
【0157】
比較例1
実施例1の単量体をナジイミドA4.87g(0.013モル)のみにした以外は実施例1と同様に重合を行い、ポリマーAを2.00g得た。重量平均分子量(Mw)は50000であった。このポリマーA1.00g、上記に示した光酸発生剤(1)0.30g、2−ヘプタノン3gに溶解してワニスAを得た。得られたワニスを用いて前記のようにシリコンウエハー上に感光性樹脂組成物の膜を作製、露光、現像し、ワニスの感度、残膜率、解像度について評価を行った。しかし、露光後、膜を現像液に浸したが露光部は溶解せず、パターンは得られなかった。
【0158】
比較例2
実施例7で得られたポリマーGn1.00gをジメチルアセトアミド5.36gに溶解してワニスGn’(光酸発生剤(1)、2,6−ジアセトキシ−p−クレゾールを含まず)を得た。得られたワニスGn’を用いて前記のようにシリコンウエハー上に感光性樹脂組成物の膜を作製、露光、現像し、ワニスの感度、残膜率、解像度について評価を行った。しかし、露光後、膜を現像液に浸したが露光部、未露光部とも溶解してしまい、パターンは得られなかった。
【0159】
比較例3
市販の感光性ポリイミドを用い、キュア条件を170℃で60分にした他は、実施例10と同様にして、単純マトリクス型カラー有機電界発光装置を作製した。本表示装置を線順次駆動したところ、画素周辺部に輝度ムラが認められた。
【0160】
実施例1〜9の感光性樹脂組成物の評価結果と、誘電率、ガラス転移温度、5%重量減少温度それぞれ表1と表2に示す。
【0161】
【表1】



【0162】
【表2】



【0163】
【発明の効果】
本発明による感光性樹脂組成物により形成した樹脂被膜は、半導体の層間絶縁膜、パッシベーション膜、半導体素子の保護膜、有機電界発光素子(特にフレキシブル基板を用いた折り曲げ可能な有機電界発光素子)などを搭載した表示装置における絶縁層などの用途に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】平坦化率測定法に関する断面図
【符号の説明】
1:平坦化膜
2:基板
3:段差構造体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)で表される構造単位および/または一般式(1)で表される構造単位の前駆体よりなる化合物を成分(a)として含み、かつ、カルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基より選ばれる少なくとも1つの官能基を有することを特徴とする樹脂組成物。
【化1】



(一般式(1)において、nは1〜2の整数である。R〜RはH、F、CF、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかを示し、同じでも異なっていてもよい。R、RはH、または炭素数1〜10のアルキル基のいずれか一つを示し、同じでも異なっていてもよい。Raは置換基を示す。)
【請求項2】
該一般式(1)のRaは、カルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基より選ばれる少なくとも一つの官能基を有する炭素数1から30までの一価の有機基であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
さらに、成分(b)として、フェノール性水酸基を有する化合物を含むことを特徴とする請求項1または2記載の樹脂組成物。
【請求項4】
さらに、成分(c)として光酸発生剤を含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項5】
さらに一般式(2)で表される構造単位および/または一般式(2)で表される構造単位の前駆体よりなる化合物を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
【化2】



(一般式(2)において、gは1〜2、h、i、jは0〜5の整数を示し、h+j≧1を満たす整数である。Xは直接結合、またはO、S、CH、CO、SO、SOのいずれかを示す。R11〜R14はH、F、CF、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかを示し、同じでも異なっていてもよい。R15、R16はH、または炭素数1〜10のアルキル基を示し、同じでも異なっていてもよい。R17、R18はH、F、CF、OCF、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基のいずれかを示し、同じでも異なっていてもよい。)
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物より形成されたことを特徴とする絶縁膜
【請求項7】
請求項6記載の絶縁膜を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項6記載の絶縁膜を有することを特徴とする有機電界発光素子。
【請求項9】
請求項6記載の絶縁膜を平坦化膜として用いることを特徴とする半導体素子基板。

【図1】
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【公開番号】特開2004−2753(P2004−2753A)
【公開日】平成16年1月8日(2004.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−84685(P2003−84685)
【出願日】平成15年3月26日(2003.3.26)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】