説明

欠陥分析器

【課題】半導体ウェファのようなオブジェクト内の欠陥を分析する方法とデバイスとシステムを提供する。
【解決手段】半導体ウェファは検査されて欠陥を探し出される。そして、探し出された欠陥に対応する位置が欠陥ファイルに格納される。複式荷電粒子ビームシステムが、欠陥ファイルからの情報を用いて、自動的にその欠陥位置の近傍にナビゲートされる。その欠陥が自動的に特定され、欠陥の荷電粒子ビーム画像が得られる。そして、その荷電粒子ビーム画像は分析され、欠陥をキャラクタライズする。次いで、欠陥の更なる分析のためにレシピが決められる。このレシピが自動的に実行されて、荷電粒子ビームを用いて欠陥部分をカットする。そのカット位置は荷電粒子ビーム画像の分析に基づく。最後に、荷電粒子ビームカットによって露呈された表面が画像化されて、欠陥についての追加の情報を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、微細加工方法に関するが、より詳細には、本発明は欠陥分析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
トラブルショットを行い、調整し、微細加工方法を改善するために、技術者は微細加工中の欠陥や他の不良を分析する必要がある。例えば、欠陥分析は設計検証診断や製品診断や微細回路研究開発の他のアスペクトを含む半導体製造の全てのアスペクトにおいて有用である。デバイスジオメトリが引き続き小さくなり新たな材料が導入されるので、今日の半導体の構造上の複雑さは指数関数的に増大する。これらの新規な材料によって創り出された多くの構造は、以前に形成された層を貫通するような凹部を形成する。このように、欠陥とデバイス不良の構造的な原因は、度々、表面の下に隠されている。
【0003】
それ故に、欠陥分析は度々断面化や3次元方式で欠陥を観察することが必要となる。半導体ウェファ上の銅の導体デバイスの使用増大につれて、3次元欠陥分析を行うことのできる良好なシステムは、今までよりもずっと重要なっている。このことは、埋設された及び/又はより微細なより多くの欠陥が存在するからであり、それに加えて、化学的な分析が多くの場合に必要となるからである。更に、欠陥の特性評価(キャラクタライゼーション)や不良分析のための構造診断ソルーションは、より少ない時間でより信頼性のある結果を配信する必要があり、設計者や製造者が複雑な構造上の不良を確信を持って分析し、材料組成と欠陥原因を理解し、収量を増加することを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
残念なことに、従来のシステム(例えば、光学検査ツール)によって提供された欠陥の特性評価(キャラクタライゼーション)は、多くの場合不適切であった。欠陥分析方法は、一般的に時間が掛かり、分析の各工程を個別に決定すると共にそれらの工程を実施する技術者によって手動で行われている。製造方法に統合されるよりもむしろ、欠陥分析方法は製造指向というよりも研究機関指向である。実際に、多くの製造施設において、欠陥分析は「クリーンルーム」環境外におかれた研究機関において実施されている。その結果が製造部門に戻るのにあまりにも時間が掛かることがあり、その分析結果の遅延はより多くの欠陥を生み出すか、又は、製造を停止することさえもありうる。ウェファが詳細な欠陥分析に掛けられたとき、多くの場合において、たとえウェファの小部分だけが分析によって破壊されたとしても、ウェファは異物混入などの恐れがあると分析された後では廃棄されねばならない。ウェファサイズと材料処理の複雑さの恒常的な増大に関して、そのようなロスは結果的に重大な財政上の困難さとなる。
従って、必要なのは、改良された欠陥分析方法とそのシステムである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、半導体ウェファのようなオブジェクト内の欠陥を分析する方法とデバイスとシステムを提供する。ある実施の形態において、それは半導体製造施設内での製造中に半導体ウェファの欠陥を特性評価(キャラクタライズ)する方法を提供する。その方法は部分的に又は完全に自動化されており、プロセス技術者に早急のフィードバックを提供してトラブルシュートを行わせる又はプロセスを改善するために、ウェファ製造施設内で行うことが可能である。
【0006】
一つの実施の形態の方法は以下のようなアクションからなる。半導体ウェファは検査されて欠陥を位置を決められる。そして、位置決めされた欠陥に対応する位置が欠陥ファイルに格納される。ワークピースが荷電粒子ビームシステム内で調整されて、欠陥ファイルからの情報を用いてシステムが自動的にその欠陥位置の近傍にナビゲートされる。その欠陥は荷電粒子ビーム画像内で特定され、欠陥の画像が得られる。荷電粒子画像は自動的に若しくは手動で分析され、欠陥を特性評価(キャラクタライズ)する。欠陥が更なる調査を当然に必要とする場合、レシピが決められる。このレシピが一般に一又はそれ以上の荷電粒子ビーム操作を伴い、材料を取り除きその後に露出面の画像を形成する。荷電粒子ビームによって作られたカット又は各カットの位置と向きが荷電粒子ビーム画像の分析に基づいて自動的に若しくは手動で決められる。最後に、荷電粒子ビームによって露呈された一又はそれ以上の表面が画像化されて、欠陥についての追加の情報を得る。欠陥情報が歩留まり管理システムにアップロードされて記憶され、その結果複数の欠陥からの情報が分析されて欠陥の原因となった製造工程を突き止める。
【0007】
上記は、以下の本発明の詳細な説明がよりよく理解されるために、本発明の特徴と技術的な利点をむしろ広範に概説したものである。本発明の別の特徴と利点が以下に説明されている。開示された概念と特定の実施の形態が本発明と同様の目的を実行するための他の構造を改変したり設計するための根拠として容易に利用されうることは業界で通常の知識を有する者によって認められるべきである。そのような均等な構成が添付の特許請求の範囲に記載された発明の精神と範囲を逸脱しないことは、業界で通常の知識を有する者によって理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明とその利点のより完全な理解のために、添付の図面に関連して以下の説明がなされる。
【図1A】本発明の欠陥分析システムの一実施の形態のブロック図である。
【図1B】図1Aの欠陥分析システムの欠陥データフローを示す。
【図2】本発明の欠陥分析システムのスクリーンインタフェースの一実施の形態を示す。
【図3A】本発明のジョブビルダーの一実施の形態のインタフェーススクリーンと機能定義を示す。
【図3B】本発明のジョブビルダーの一実施の形態のインタフェーススクリーンと機能定義を示す。
【図3C】本発明のジョブビルダーの一実施の形態のインタフェーススクリーンと機能定義を示す。
【図3D】本発明のジョブビルダーの一実施の形態のインタフェーススクリーンと機能定義を示す。
【図3E】本発明のジョブビルダーの一実施の形態のインタフェーススクリーンと機能定義を示す。
【図3F】本発明のジョブビルダーの一実施の形態のインタフェーススクリーンと機能定義を示す。
【図3G】本発明のジョブビルダーの一実施の形態のインタフェーススクリーンと機能定義を示す。
【図3H】本発明のジョブビルダーの一実施の形態のインタフェーススクリーンと機能定義を示す。
【図3I】本発明のジョブビルダーの一実施の形態のインタフェーススクリーンと機能定義を示す。
【図3J】本発明のジョブビルダーの一実施の形態のインタフェーススクリーンと機能定義を示す。
【図3K】本発明のジョブビルダーの一実施の形態のインタフェーススクリーンと機能定義を示す。
【図3L】本発明のジョブビルダーの一実施の形態のインタフェーススクリーンと機能定義を示す。
【図3M】本発明のジョブビルダーの一実施の形態のインタフェーススクリーンと機能定義を示す。
【図3N】本発明のジョブビルダーの一実施の形態のインタフェーススクリーンと機能定義を示す。
【図3O】制御と説明を列挙した表を有するプロダクトマネージャモジュールの一実施の形態のスクリーンインタフェースの例示である。
【図3P】制御と説明を列挙した表を有するプロダクトマネージャモジュールの一実施の形態のスクリーンインタフェースの例示である。
【図3Q】制御と説明を列挙した表を有するプロダクトマネージャモジュールの一実施の形態のスクリーンインタフェースの例示である。
【図3R】制御と説明を列挙した表を有するプロダクトマネージャモジュールの一実施の形態のスクリーンインタフェースの例示である。
【図3S】制御と説明を列挙した表を有するプロダクトマネージャモジュールの一実施の形態のスクリーンインタフェースの例示である。
【図3T】制御と説明を列挙した表を有するプロダクトマネージャモジュールの一実施の形態のスクリーンインタフェースの例示である。
【図3U】制御と説明を列挙した表を有するプロダクトマネージャモジュールの一実施の形態のスクリーンインタフェースの例示である。
【図3V】制御と説明を列挙した表を有するプロダクトマネージャモジュールの一実施の形態のスクリーンインタフェースの例示である。
【図3X】制御と説明を列挙した表を有するプロダクトマネージャモジュールの一実施の形態のスクリーンインタフェースの例示である。
【図3Y】制御と説明を列挙した表を有するプロダクトマネージャモジュールの一実施の形態のスクリーンインタフェースの例示である。
【図3Z】図3O乃至図3V、図3X、図3Yのプロダクトマネージャの調整データツリービューノードの構造例を示す。
【図4A】本発明のシーケンサーアプリケーションの一実施の形態のインタフェーススクリーンとディスプレイの一例を示す。
【図4B】本発明のシーケンサーアプリケーションの一実施の形態のインタフェーススクリーンとディスプレイの一例を示す。
【図4C】本発明のシーケンサーアプリケーションの一実施の形態のインタフェーススクリーンとディスプレイの一例を示す。
【図4D】本発明のシーケンサーアプリケーションの一実施の形態のインタフェーススクリーンとディスプレイの一例を示す。
【図4E】本発明のシーケンサーアプリケーションの一実施の形態のインタフェーススクリーンとディスプレイの一例を示す。
【図4F】本発明のシーケンサーアプリケーションの一実施の形態のインタフェーススクリーンとディスプレイの一例を示す。
【図4G】本発明のシーケンサーアプリケーションの一実施の形態のインタフェーススクリーンとディスプレイの一例を示す。
【図4H】本発明のシーケンサーアプリケーションの一実施の形態のインタフェーススクリーンとディスプレイの一例を示す。
【図4I】本発明のシーケンサーアプリケーションの一実施の形態のインタフェーススクリーンとディスプレイの一例を示す。
【図4J】本発明のシーケンサーアプリケーションの一実施の形態のインタフェーススクリーンとディスプレイの一例を示す。
【図4K】本発明のシーケンサーアプリケーションの一実施の形態のインタフェーススクリーンとディスプレイの一例を示す。
【図4L】本発明のシーケンサーアプリケーションの一実施の形態のインタフェーススクリーンとディスプレイの一例を示す。
【図4M】本発明のシーケンサーアプリケーションの一実施の形態のインタフェーススクリーンとディスプレイの一例を示す。
【図4N】本発明のシーケンサーアプリケーションの一実施の形態のインタフェーススクリーンとディスプレイの一例を示す。
【図5】欠陥エクスプローラの一実施の形態によって実現される異なる使用ケースを示すブロック図である。
【図6A】本発明の欠陥エクスプローラアプリケーションの一実施の形態のスクリーンインタフェースの一例を示す。
【図6B】本発明の欠陥エクスプローラアプリケーションの一実施の形態のスクリーンインタフェースの一例を示す。
【図6C】本発明の欠陥エクスプローラアプリケーションの一実施の形態のスクリーンインタフェースの一例を示す。
【図7A】自動ダイ同時発生ツールのウィンドウの一例を示す。
【図7B】自動ダイ同時発生閾値領域の一例を示すダイのグラフィカル図である。
【図8A】cal調整ツールのスクリーンインタフェースの一例を示す。
【図8B】図8Aのスクリーンインタフェースのコマンドとフィールドの説明の表である。
【図8C】cal調整ツールの整合結果を示す。
【図8D】整合が見つからなかったときに返ってくるスクリーンインタフェースの一例を示す。
【図9A】断面ツールスクリーンインタフェースの一例を示す。
【図9B】図9Aのスクリーンインタフェースのコマンドとフィールドの説明の表である。
【図10A】構成ツールスクリーンインタフェースの一実施の形態を示す。
【図10B】図10Aのスクリーンインタフェースのコマンドとフィールドの説明の表である。
【図10C】欠陥分析スクリーンインタフェースの画像象限内の校正ツールアイコンの一例を示す。
【図10D】校正ツールの一実施の形態の情報ダイアログボックスの一例を示す。
【図10E】図10A乃至図10Dの校正ツールの実施の形態において現れる各種のダイアログボックスを示す。
【図10F】図10A乃至図10Dの校正ツールの実施の形態において現れる各種のダイアログボックスを示す。
【図10G】図10A乃至図10Dの校正ツールの実施の形態において現れる各種のダイアログボックスを示す。
【図10H】図10A乃至図10Dの校正ツールの実施の形態において現れる各種のダイアログボックスを示す。
【図11A】再調整ツールのスクリーンインタフェースの一実施の形態を示す。
【図11B】図11Aのスクリーンインタフェースのコマンドとフィールドの説明の表である。
【図12A】ジョブビルダーコンフィグレーション内のEDSツールの一実施の形態のためのスクリーンインタフェースを示す。
【図12B】図12Aのスクリーンインタフェースのコマンドとフィールドの説明の表である。
【図12C】ランタイム(シーケンサー)コンフィグレーション内のEDSツールの一実施の形態のためのスクリーンインタフェースを示す。
【図12D】図12Dのスクリーンインタフェースのコマンドとフィールドの説明の表である。
【図13A】ゲットシステムセッティングツールの一実施の形態のスクリーンインタフェースを示す。
【図13B】図13Aのスクリーンインタフェースのコマンドとフィールドの説明の表である。
【図13C】画像取り込みツールの一実施の形態のスクリーンインタフェースを示す。
【図13D】図13Dのスクリーンインタフェースのコマンドとフィールドの説明の表である。
【図14A】パターンツールの一実施の形態のスクリーンインタフェースを示す。
【図14B】図14Aのスクリーンインタフェースのコマンドとフィールドの説明の表である。
【図15A】ポーズツールスクリーンインタフェースの一実施の形態を示す。
【図15B】図15Aのスクリーンインタフェースのコマンドとフィールドの説明の表である。
【図15C】図15Aと図15Bのポーズツールのランタイムスクリーンを示す。
【図15D】図15Cのスクリーンインタフェースのコマンドとフィールドの説明の表である。
【図16】セットセッティングツールの一実施の形態のスクリーンインタフェースを示す。
【図17A】スライスアンドビューツールの一実施の形態のスクリーンインタフェースを示す。
【図17B】図17Aのスクリーンインタフェースのコマンドとフィールドの説明の表である。
【図18A】自動スクリプトツールの一実施の形態のスクリーンインタフェースを示す。
【図18B】図18Aのスクリーンインタフェースのコマンドとフィールドの説明の表である。
【図19A】システムセッティングツールの一実施の形態のスクリーンインタフェースを示す。
【図19B】図19Aのスクリーンインタフェースのコマンドとフィールドの説明の表である。
【図20A】ADRツールの一実施の形態のスクリーンインタフェースを示す。
【図20B】図20Aのスクリーンインタフェースを実現するためのルーティンの一実施の形態を示す。
【図21】欠陥を有するダイを含む複数のダイを有するウェファを図示する。
【図22】自動欠陥特定方法の一実施の形態を示すグラフィカルフローチャートである。
【図23A】異なるアウトライン改善方法を図示する。
【図23B】特定された欠陥を取り除くためのルーティンの一実施の形態のフローチャートである。
【図24】欠陥分析方法の一実施の形態を示す。
【図25】欠陥の再検討に使用されるケースの一例のルーティンを示す。
【図26A】欠陥分析に使用されるケースの一例のルーティンを示す。
【図26B】欠陥分析に使用されるケースの一例のルーティンを示す。
【図27】欠陥再検討及び分析に使用されるケースの一例のルーティンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A概観
本発明は、半導体ウェファ上に製造された集積回路又は他の構造のようなアイテム内の微細な欠陥を部分的に若しくは完全に位置決めして特徴評価(キャラクタライゼーション)することを提供する。欠陥の自動的な特徴評価(キャラクタライゼーション)は、頂面画像を形成し、一又はそれ以上の断面をミリングし、その一又はそれ以上の断面の画像を形成し、X線分光器分析(例えば、エネルギー分散型分光、以下「EDS」とする)を行って表面上若しくは断面内に存在する材料のタイプを決定し、欠陥の特徴評価(キャラクタライゼーション)データを格納する各工程を有する。部分的若しくは完全に自動化されることによって、本発明はプロセスエンジニアに対して迅速なフィードバックを提供する。本発明の各実施の形態は、研究機関において行われる労働集約的な時間の掛かる方法からトラブルシューティング又は製造改善のためにプロセスエンジニアに対してタイムリーにフィードバックを提供する製造方法へと欠陥分析方法を変化させる。
【0010】
一つの好適な実施の形態において、本発明は、半導体ウェファ製造過程のいずれの点においても半導体ウェファの欠陥を自動的に分析するために特に有効である欠陥分析器システムを有する。(好適な実施の形態は、SECS−GEMを含む200mmと300mm産業基準とガイドラインに適合しており、そして、0.13μm以下のプロセスにも拡張可能である。)欠陥は一般的に欠陥検査システムによって特定されるが、そのシステムは一般的に検出された欠陥のおおよその位置を含んだ欠陥リストを生成する。集束イオンビームカラムと電子顕微鏡を有する「複式ビーム」の荷電粒子ビームシステムからなる欠陥分析器システムについての実施の形態において、システムは自動的にウェファを調整(アライン)させ、そして、自動的に検査システムによって指定された欠陥位置にナビゲートされてその欠陥を処理する。更に、システムは、自動的に欠陥を特定しその欠陥についての画像と追加のデータを生成して格納することもできる。欠陥は、より正確な位置と決められたサイズと形状の情報によって再び特定される。その画像は主にシステムの荷電粒子ビームのうちの一つを用いて形成される。2つのビームを有することで異なる撮像技術が使用可能となり、そのことは単独のビーム技術よりもより多くの情報を提供することができることとなる。例えば、ワークピースに対して傾いている一つのビームからの情報は、ワークピースに対してほぼ垂直のビームよりもサイトについての異なるサイズと形状の情報を提供する。加えて、電子ビームとイオンビームからの情報は、相当に異なっていることがありワークピースの材料や形態についての情報を提供する。他の実施の形態は、イオンビーム又は電子ビームのいずれか一つのビームであって固定されているか又は傾動可能なもの、又は2つの電子ビームを使用することもできる。多くの応用例において、電子ビームはガスと共に使用されミリング又は堆積を行いそして他の操作も度々イオンビームによって行われる。
【0011】
ある種の実施の形態において、一群の欠陥に対して各画像が自動的に得られた後で、ウェファ製造プロセスエンジニアのような利用者は、オフラインで欠陥の記憶された画像を見ていつかの又は全ての欠陥を分析するために使用されるべき別の方法を割り当てる。プロセスエンジニアは、既知の原因を有するありふれた欠陥を無視することもできるが、しかし、システムに命じてある種の他の欠陥の断面を累積的に撮像し、その断面のいくつかで化学的な成分組成を決定することもできる。そして、ウェファは、システム上で再配置されて、再び欠陥に自動的にナビゲートされ自動的に規定された処理を行い利用者にそれら欠陥についての別の情報を得る。
【0012】
特定された処理は、例えば、一又はそれ以上の断面をミリングし、露呈された断面を撮像し、一又はそれ以上の材料層を取り除いて埋設された層を露呈させて分析し、表面又は埋設されていた層を物理的に測定するか又は化学的な分析(EDSのような)を行うことを含んでいる。多くの場合、利用者をほとんど若しくは全く介在することなく、全ての特定された方法は好適に自動的に行われる。分析結果は記憶されて、複数の測定に基づいて統計処理が自動的に決定される。結果は、又、歩留まり管理ソフトウェアにアップロードされる。
【0013】
他の実施の形態においては、システムは検査ツールによって生成された欠陥リストの欠陥にナビゲートされ、そして、自動的にその欠陥を特性評価(キャラクタライズ)し操作者が介在することなく一組の処理を決定してその特性評価(キャラクタライゼーション)に基づいてそれを各欠陥に適用する。例えば、システムは上から下に向かった(トップダウン)画像を作りだして、その画像を分析し自動的に欠陥を特性評価(キャラクタライズ)する。特性評価(キャラクタライゼーション)は、各欠陥のアウトラインと中心を決定することを含むことも可能である。例えば、複数の断面をカットしてその長軸に垂直な方向で撮像することによって薄くて長い欠陥が分析されることをシステムが決定することも可能である。欠陥が自動的に特性評価(キャラクタライズ)された後で、欠陥の分類に応じて、システムは、一又はそれ以上の断面をカットして露呈された材料を測定し、又は、化学的に分析するような、別の方法を行うこともできる。例えば、エンジニアは、特定クラスの欠陥のうちのある一定の割合が複数の断面をカットして撮像されるべきであると定めることもできる。
【0014】
本発明の使用の簡素さは、それをウェファ製造方法の専門家であるが必ずしも荷電粒子ビームシステムの熟練者ではないプロセスエンジニア又は技術者によるウェファ製造施設内での使用に適するようにすることである。このように、本発明は、ウェファ製造時に自動的に迅速に情報をプロセスエンジニアに対して提供することができる。
【0015】
好適な実施の形態は、完全な3D欠陥自動化パッケージを提供する。この好適な実施の形態は、一体化されたナビゲーション、断面化機能、組成成分分析、高度なガス化学堆積及びミリングを含んでいる。「ジョブ」と呼ばれるこの分析方法の生成と実行がエンジニアや技術者にとっての簡単なタスクに軽減される。好適な実施の形態において手で操作する必要のない操作は、正確な分類と高品質画像と表面又は埋設特徴構造(feature)の3D情報と化学的データを含む、安定した信頼性のあるデータを利用者が出力することを可能にする。
【0016】
上記の自動化された機能を提供するために、出願人は、とりわけ、欠陥を正確に位置決めしそして十分な精度でその欠陥を再配置して利用者の介在を必要とすることなく2つのビームを用いて複数の操作を行う方法を開発した。ある実施の形態においては、ビーム電流のようなビームパラメータが各欠陥に対して適正になるべく調節されたときに又は衝撃点近傍のガス噴射ニードルの存在又は不存在のような環境が代わったときに、ワークピース上のビームの位置が変わった場合でも電子ビームとイオンビームの合致が自動的に維持される。
【0017】
ある実施の形態においては、ビーム衝撃点は合致してはいないが既知の距離だけ離れている。システムがあるビームから他のビームに切り替えたときには、ワークピースは自動的に既知の距離だけ移動して同じポイントが両ビームによって照射されるようにする。
【0018】
システムは自動的に欠陥のサイズと形状を再配置して決定し、画像倍率を適切な値に調節し、ビームパラメータを調節し、2つのビームの調整(アランメント)を維持するか、又は、ビームパラメータの変更に伴って必要な場合にはそれを再調整(リアライン)する。例えば、欠陥のサイズと形状に依存して、適切なビームアパーチャが自動的に選択されてビームサイズとビーム電流を制御する。より詳細な欠陥の特性評価(キャラクタライゼーション)情報が、特性評価(キャラクタライゼーション)をすることなく集束イオンビーム操作を誘導する従前のシステムに比べて必要とされる。
【0019】
再配置してビームを調整(アライン)する一つの方法は、ビーム画像を調整(アライン)するために使用される基点(フィデューシャル)をミリングすることによるが、それによって、欠陥上に各ビームを調整(アライン)することによって生じる潜在的な損傷又は欠陥がプロセス中に変更された場合に生じる潜在的な損傷を軽減する。ウェファの曲がり又はウェファ内の厚みのバラツキにも係わらず、ビームカラムからウェファ頂部への一定の距離を維持する、静電センサのようなプローブによって衝撃点が基点(フィデューシャル)から遠くに移動するときでもこのビーム調整(アラインメント)は維持される。そのような自動化されたビーム調節と調整(アランメント)を提供することによって、システムは操作者を介在することなく異なるサイズとタイプの欠陥に対して自動的に操作を行うことができ、それによって、ウェファ製造施設内のプロセスエンジニアのために自動化されたシステムがデータを収集して分析することを可能にする。
【0020】
実際の操作者にとって必要ではない欠陥を迅速に分析するためにこれをプロセスエンジニアに提供することによって、システムはFAB信頼性を改善し、データ収集の自動的性格は劇的にデータの安定性と正確性を改善する。
【0021】
Bシステム
図1Aに関連して、一つの実施の形態において、欠陥分析システム105は、ネットワーク100を介して各リモートインタフェースコンピュータ103に接続されたものが図示されている。欠陥分析システム105は、一般に複式ビーム欠陥分析器109とデータベースシステム111に操作可能に接続され(又はそれらと一体になった)欠陥分析器コンピュータ(以下「DAコンピュータ」という)107を有する。DAコンピュータ107と複式ビームシステム109は、欠陥分析と特徴評価(キャラクタライゼーション)を実現するためのソフトウェア108を用いる。
【0022】
図示されたデバイスである、各リモートインタフェースコンピュータ103とネットワーク100とDAコンピュータ107と複式ビームシステム109とデータベースシステム111は、従来の装置(ことによると改良されたものであっても)の適切な組み合わせによって実現されるが、多くのシステムの実施例においては、装備すらされていない。(例えば、ネットワークとネットワークコンピュータは使用されていない。)ネットワーク100は、仮想プライベートネットワーク(以下「VPN」という)又はローカルエリアネットワーク(以下「LAN」という)若しくはワイドエリアネットワーク(以下「WAN」という)若しくはこれらの組み合わせのような適切なネットワーク構成であればよい。同様に、リモートインタフェース103の機能やDAコンピュータ107の機能やデータベースシステム111の機能を遂行するコンピュータは、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、PDA、サーバシステム、メインフレーム、ディスクリート部品から構成されたプロセシングシステム及び/又は一又はそれ以上のそれらの組み合わせのようないかなる適切なコンピューティングデバイスであればよい。これらは、Windows(登録商標)、Unix(登録商標)、Linux(登録商標)、Solaris(登録商標)及び/又はカスタマイズされたジョブ特定オペレーティングシステムのような従来のオペレーティングシステムを実行することができる。
【0023】
一つの実施の形態において、本発明は、ワークピース表面の平面に垂直か又は数度傾いているかのいずれかであるイオンビームとイオンビームの軸から例えば52℃傾斜している軸を有する電子ビームを用いた複式ビームシステム109を用いる。ある実施の形態においては、イオンビームと電子ビームは、両ビームの視野が一致して数ミクロン以内になるように、調整(アライン)することが可能となる。イオンビームは一般的にワークピースの撮像と機械加工に使用され、そして、電子ビームは主に撮像のために使用されるがワークピースのある種の改造のためにも使用される。電子ビームは、イオンビーム画像よりも、一般的に高分解能の画像を生成すると共に、イオンビームのように観察した表面を損傷しない。2つのビームによって形成された画像が異なって見えることもあり、従って、2つのビームは単独ビームに比べてより多くの情報を提供することができる。このような複式ビームシステムは、ディスクリート部品から作られるか、又は、それとは別に、オレゴン州ヒルズボロのFEIカンパニーから入手可能なAltura(登録商標)システム又はExpida(登録商標)システムのような従来のデバイスに由来するものであってもよい。
【0024】
図示の実施の形態においては、ソフトウェア108は、ユーザーインタフェースコンポーネント112と、欠陥分析器アプリケーション/システム113と、ジョブビルダーアプリケーション115と、シーケンサーアプリケーション116と、欠陥エクスプローラアプリケーション117と、ツールコンポーネント118を有する。ユーザーインタフェースコンポーネント112は、欠陥分析器アプリケーションと、欠陥エクスプローラアプリケーションと、シーケンサーアプリケーションと、ジョブビルダーアプリケーションと、更にツールコンポーネントによって提供される各機能に制御可能なアクセスをユーザーに提供するための(例えば、スクリーンインタフェースである)ユーザーインタフェースを発生する。欠陥分析器アプリケーション113は、欠陥分析器システム105の全体動作を制御する。それはシステムへのアクセスを制御し、ユーザーからのリクエストを受け取った時点で各種の他のアプリケーションとツールコンポーネントを呼び出す。
【0025】
ジョブビルダーアプリケーション115は、ユーザーが欠陥分析を定義し一又はそれ以上のウェファ内の欠陥サイトに対して行われるべきタスクを検討する「ジョブ」を生成することを可能にする。ジョブはシーケンサーアプリケーション116によって実行されるが、それは少なくとも部分的に欠陥分析システムが指定された欠陥サイトでのジョブタスクを自動的に行う原因となるものである。一つの実施の形態においては、Active−X(登録商標)とxPLIB(登録商標)自動化レイヤ を支持するソフトウェアプラットフォームが使用され、それによって、ユーザーインタフェースとシステムの電子部品間のよりよい通信を可能にする。欠陥エクスプローラアプリケーション117は、ユーザーが欠陥分析器システムによって行われた欠陥分析から得られた画像とデータを選択的に検討することを可能にする。欠陥エクスプローラアプリケーション117は、欠陥分析システム105から実行させることもできるか、又は、個々のインタフェース又はリモート若しくは他のインタフェースから実行させることも可能である。例えば、データ分析器アプリケーション113は、リモートインタフェースクライアント103のためのセントラルサーバ(例えば、ことによるとFAB内に位置されている)として機能するDAコンピュータ107上で実行させることができるが、そのことは欠陥分析結果をモニタするための例えばユーザーのデスクトップから欠陥エクスプローラアプリケーション115にアクセス可能にするものである。
【0026】
適切なソフトウェア(従来の及び/又は自己発生した)アプリケーション及びモジュール並びにコンポーネントが、ソフトウェア108を実現するために使用される。例えば、一つの実施の形態において、欠陥分析器アプリケーション/システムは、多くの欠陥分析システムにおいてFEIカンパニーによって提供されるxP(登録商標)欠陥分析ソフトウェアによって実現されている。この実施の形態においては、ソフトウェアは、ジョブビルダーとシーケンサーと欠陥エクスプローラとツールコンポーネントと別のユーザーインタフェースコンポーネントを実現するために生成される。従来のソフトウェア設計技術が、以下の欠陥分析と特徴評価(キャラクタライゼーション)原理に基づいてそのようなソフトウェアを生成するために使用されている。
【0027】
図1Bは、実行ソフトウェアアプリケーション間のデータフローを図示している。この図において、ジョブビルダーアプリケーション115とシーケンサーアプリケーション116は、欠陥分析器アプリケーション113内に包含されている。欠陥分析器アプリケーション113は、入力として欠陥ファイルを受け取る。それは、データベースシステム111に欠陥ファイル情報を、関連して取り込まれた画像へのパスに沿って転送する。欠陥エクスプローラ117は、データベースシステム111からの欠陥データと画像を検索して選択的に表示するインタフェースを有する。そして、一組の検討された画像とデータは、発生された欠陥ファイルと画像を判別することによって、構成可能なファイルホルダ/ディレクトリ構造119を介して選択的に歩留まり管理モジュール120にエクスポートされうる。次のセクションにおいてソフトウェアモジュールが詳細に検討される。
【0028】
1.欠陥分析器アプリケーション
図2は欠陥分析アプリケーションの一つの実施の形態を実行するためのスクリーンインタフェースを図示する。この実施の形態において、欠陥分析器アプリケーション113は、ジョブビルダーアプリケーション115とシーケンサーアプリケーション116と欠陥エクスプローラアプリケーション117と共に、FEIカンパニー社製のxP(商標)ベースの複式ビームシステムに組み込まれている。この欠陥分析アプリケーション113は、そのシステムソフトウェアの一つの機能部分であり、イメージ部分205とサイトステータス部分215とツール部分225とナビゲーション部分235と専用欠陥分析器部分245による複数に分割されたディスプレイを提供する。これらの部分のそれぞれの目的と動作を以下に詳細に説明する。ツール部分225と専用欠陥分析器部分245から、利用者はジョブインタフェース又はシーケンサーインタフェース若しくは欠陥エクスプローラインタフェースを表示することができる。(表示された図においては、ジョブビルダー/レシピビルダー画面が表示されている。)一つの実施の形態においては、特定のジョブタイプのためのシステムを構築するための自動調整セットアップページも利用者に対して利用可能にする。欠陥エクスプローラ又はシーケンサー若しくはジョブビルダー若しくはツールコンポーネントのいずれかを呼び出すために、利用者は欠陥分析器アプリケーション113をオープンして図2に示されたものと同様のスクリーンインタフェースを介して所望のモジュールにアクセスする。これらのモジュール(例えば欠陥エクスプローラ)の全て又は一部が、別途又は個別に、スタンドアローンインタフェース及び/又は異なるコンピュータデバイスにおいてアクセス可能になるようにしてもよい。
【0029】
2.ジョブビルダー(JOB BUILDER)
ジョブビルダーアプリケーション115は、利用者が欠陥サイトを分析するための「各ジョブ」を構築することを可能にする。このことは又利用者が各ジョブを編集し、(例えば自動調整セットアップアプリケーションが提供されていない場合には)サイトを構築し、そして、サイトにプロセスを割り当てることを可能にする。各ジョブは、特定の欠陥サイトで実行されるべきワークを定義する一又はそれ以上のレシピからなる。3つの基本的なジョブ構造が存在する。すなわち、(1)各サイトにおける同じサイトシーケンスと、(2)異なるサイトにおける異なるサイトシーケンスと、(3)同じプロセスを有する一群のサイトである。このようなワークは、例えば、基点(フィデューシャル)によってそのサイトをマークすること、又は、断面をミリングすること、若しくは、一つの画像又は組み合わせをセーブすることを具備していてもよい。各レシピとツール(予め定義されたシステムレシピ/ツールと利用者が定義したレシピ/ツールを含む)を配列して定義することによって、利用者はジョブを構築する。各ツールはツールコンポーネント118に由来し、シーケンサー116によって初期化されたり及び/又は実行されるソフトウェア命令と関連付け(例えば、対応したり呼び出したり)される。シーケンサーはジョブビルダーによって生成された各ジョブを実行する。このことには、分析情報を書き込むこととデータベースシステム111に記憶され管理された欠陥分析ファイルデータベースに及び/又はそこから記憶された画像を転送することも含まれている。ジョブビルダーは、又、一つの実施の形態においては、各ジョブや各レシピによって使用され、そして、それらのために生成されたデータを管理するためのスタンドアローンのプロダクトマネージャを具備する。
【0030】
少なくとも2つのタイプのレシピが存在する。すなわち、基準(フィデューシャル)によってそのサイトをマークすることのような、手動又は半自動タスクを有するセットアップレシピであり、断面をミリングするか又は画像を取り込むような自動化されたタスクを有するプロセスレシピである。各レシピはレシピ内の構築ブロック、すなわち、2,3の名前を付するために、欠陥サイトで特定のタスクを行うために使用される対象であるツールを具備するパターン化ツールや撮像ツールやダイ間を移動するツール及びビーム位置補正を確実にするツールが存在する。レシピはいくつかのツールを有することもできる。このように、部分的又は完全に自動化されたジョブは、一般的に、少なくとも一つのレシピを有し、各レシピが大体一又はそれ以上のツールを有する。
【0031】
図3A乃至図3Nに関連して、ジョブビルダーインタフェース例が図示されている。図3Aは、ジョブビルダーページ302が選択された状態の欠陥分析器スクリーンインタフェースを図示している。ジョブビルダーアプリケーションは、ジョブ構築のための多くのコマンドと機能を具備している。図示されたコマンドオプションが図3Bの表に列挙説明されている。ジョブ特定情報はロットナンバーやウェファIDやサイトリストやサイトシーケンス(又は複数のサイトシーケンス)を含んでいる。この情報はジョブページ上に表示される。ジョブビルダーページから、利用者はツールを選択し、一つの実施の形態においては予め入力された欠陥ファイルに大まかに記載されている所定の欠陥サイトに基づいたデータを入力することができる。利用者は、又、後述する、プロダクトマネージャを呼び出すことも可能である。
【0032】
一つの実施の形態においては、ジョブビルダーアプリケーションは、集積化されてはいるが分離されているレシピビルダーコンポーネントを有する。このことで利用者は、以後の利用のために、予め構成されているツールを含めた各ツールから各レシピを構築することが可能となる。そして、各レシピはジョブアセンブリにおいて、又は、全ての欠陥サイトが同じレシピを使用する利用ケースの場合において使用される。一般的に、レシピは、実行時間中にウェファと欠陥ファイルがシーケンサー内のレシピと関連付けされるように、構成されている。利用者は、既存のレシピからレシピを構築するか、又は、新しくレシピを生成することによってレシピを構築することができる。新たなレシピを構築するために、利用者は(1)新たなレシピを開き、(2)ツールを選択してそれをそのレシピに挿入し、(3)そのツールを構成し、(4)必要ならば工程(2)と(3)を繰り返し、(5)新しく生成されたレシピを保存する。利用者は、又、同様に既存のレシピを編集することもできる。利用者は、(1)欠陥ファイル内の全てのサイト及び(2)特定の欠陥サイトに対して割り振られるレシピのライブラリを構築することもできる。いかなる場合にもサイトに割り振られたレシピは、修正されうる。利用者はサイトを訪問してそのプロセスを決定することも可能である。
【0033】
図3Cは、挿入ツールインタフェースを図示している。このインタフェースにより、利用者はジョブシーケンスにツールを追加したり削除したりする。個々のツールは固有の名前を有することもある。ジョブ構築中、予め構成されたツールと組み合わされたツールが個別に又はまとめてサイトに追加される。各サイトについては、固有の構成が定義付けされるようにしてもよい。
【0034】
図3Dは、ジョブウェファデータエントライパネルを図示している。ジョブビルダーのための入力データが、(シーケンサーによって使用されることもある)ダイアログボックス内に入れられる。オペレータはこのダイアログボックス内の欠陥サイトフィルタを選択する。ジョブビルダーに入れられたデータは、取り込まれた画像が保存される場所を特定する位置データと画像注釈を定義するデータと特定のサイトシーケンスのための名前データを有する。一つの実施の形態では、ジョブビルダーがロジックをジョブに挿入してある種のクラス、サイズなどの多くの欠陥を分析した後で、停止するか、又は、ジョブにおいて定義されているいくつかの他のアクションを起こす。
【0035】
図3Eと図3Fに関連して、ジョブビルダーアプリケーションも組み合わせフィルタ機能を有する。このことは、フィルタをジョブサイトリストに属すようにすることによって、利用者が検討セッションをある種のタイプの欠陥であって他のものではないものに限定することを可能にする。(ここで、用語「検討セッション」は欠陥を検討するためのセッションの意味で使用され、初期欠陥ファイルを受け取ることから欠陥の位置決めをしてその欠陥の特徴を明らかにし、更にその欠陥を分析することまでも含むことがある。)利用者は、検討セッション中はいつでもサイトフィルタを属すことができる。図3の表は各種のフィルタインタフェースコマンド/機能を列挙説明している。図示された実施の形態において、欠陥サイトを濾過するために、利用者は(1)図3Fのフィルタダイアログボックス内の「新規」ボタンをクリックして新規なフィルタファイルを作成するか、又は、既存のフィルタファイルを選択するために「開く」ボタンをクリックし、更に、(2)前記新たなフィルタを定義するか、又は、既存のフィルタファイルに変更を加える。構成に応じて、定義された基準に合致するそれらのサイトだけがウェファマップに表示され、「検討サイトリスト」領域内の「次へ」と「前へ」ボタンを用いて利用可能になると共に「選択サイト」ダイアログボックス内のサイトリストに列挙される。
【0036】
図3Hは、フィルタを構成するために使用されうるサイトフィルタ基準パラメータの表を示す。一組のフィルタ基準パラメータがフィルタを定義する。活動中のサイトフィルタの基準に合致していない欠陥サイトは検討から除外される。
【0037】
フィルタ値を指定するためには、利用者はサイト番号又はサイト番号の範囲(例えば、3−7)若しくは番号の前の関係演算子(例えば、>10)によって示されたサイト番号に対する関連性を入れてもよい。この後者の例(>10)において、サイト値7と10は排除されるが、10.001と13は通過することとなる。許容される関係演算子が図3Iの表に示されている。
【0038】
図3Jに関連して、利用者はサイトのランダムサブセットが選択されるようにすることも可能である。図示されたダイアログボックスにおける制御を用いることによって、利用者はサイトの最大数又は所定のパーセントのサイトのみがフィルタを通過することを指定することができる。ランダムサブセットを指定するために、利用者は、「ランダムサブセットを利用可能にする」を選択し、リストボックスから「パーセント」又は「最大」を選択して指定すべきランダムサブセットのタイプを示す。テキストボックス内のタイプとしては、「パーセント」が選択された場合のサイトの割合(サイトフィルタは他のフィルタ基準に合致する指定されたパーセントのサイトをランダムに通過させる)若しくは(b)「最大」が選択された場合のサイトの最大数(サイトフィルタは他のフィルタ基準に合致する指定された数を超えない数のサイトをランダムに通過させる)のいずれかである。
【0039】
図3Kと図3Lに関連して、編集された活動サイトフィルタの結果が試験される。このことは、利用者が「今適用する」ボタンをクイックすることによって、「活動サイトフィルタの編集」ダイアログボックスを閉じる必要なくサイトフィルタの結果を試験することを可能にする。このことは「試験結果」グループのサイトカウント数と「検討サイトリスト」ウィンドウを更新する。
【0040】
図3Mに関連して、活動サイトフィルタは、一時的に無効にされることがありうる。活動サイトフィルタを一時的に無効にするために、利用者は「一時的にサイトフィルタを無効にする」を選択して、ダイアログボックスを現出する。ジョブが創出されて保存されている場合、欠陥分析器装置において構成されたと同様に、データベースシステム111に情報がエクスポートされる。
【0041】
図3Nはサイトデータを記憶するためのジョブビルダーサイトリストフォーマットの一例を示している。このサイトデータは、スプレッドシートから利用できて、データがソートされたり、フィルタされたり、コピーされたり、ペーストされたりなどすることが可能となる。利用者が、どの列がジョブビルダーサイトリスト内に存在するのかを決定することができる。この利点は、情報をフィルタし、ソートし、コピーし、ペーストすることを容易にすることであり、他の実施の場合に比べて一度に見ることのできる情報を増加することができることである。利用者は、又、ステージ移動の通路を指定することもできる。利用者は、又、ダイがどのようにしてソートされるのかを指定することもできる。例えば、利用者は、又、(1)検討中のステージ移動の全体量を減らす蛇行順において、(2)ダイの各行内のステージ運動の一般的な方向を同じにする、行を増加して次いで列も増加することによって、ダイがソートされることを指定することができる。
【0042】
利用者は、又、どのようにしてサイトをソートするかを制御できる。利用者が適切な選択をした場合には、各ダイにおいて各サイトは個別にソートされる。例えば、(1)検討中のステージ移動の全体量を減らす、y軸を増加して次いでx軸も増加することによってか、又は、検討中においてサイトIDの概ね増加する傾向を維持するサイトIDを増やすことによってか、若しくは、欠陥ファイル内における同順位に各サイトを維持する欠陥ファイル内の同じ順位を使用して各サイトがソートされる。
【0043】
図3O乃至図3Zに関連して、プロダクトマネージャインタフェースの一例が示されている。プロダクトマネージャインタフェースは、多方面のレシピや調整検討やトレーニングや作成を可能にするレシピ/調整データベースに対する汎用目的のインタフェースとして設計された制御としての役目をする。それは基本的にスタンドアローンのモジュールからなり、レシピビルダーインタフェースから直接立ち上げられるか若しくはジョブビルダーインタフェース内におけるオプションとして立ち上げられる。ある実施の形態において、それは、手動で選択されるダイや区分化された調整トレーニングや区分化された調整試験や新規なモジュールを作成するためのウィザードインタフェースサポートや欠陥エクスプローラインタフェース修正機能やドラッグアンドドロップインタフェースを介しての既存のレシピとフィルタと調整データとサイトマップの使い勝手のよいコピーやサイトマップの簡単な編集/生成やサイトフィルタの簡単な編集/生成やサイトシーケンサーの簡単な編集/生成のような各種の属性を有する。
【0044】
図3Oは、レシピマネージャのスクリーンインタフェースを図示し、図3Pはレシピツリーのスクリーンインタフェースを図示し、更に、図3Qはそれらの制御を列挙して説明を加えた表である。図3Rは新規なセットアップウィザードのスクリーンインタフェースを図示し、図3Sはコンポーネントエディタのインタフェースを図示し、図3Tはそれらの制御を列挙して説明を加えた表である。図3Uは、調整エディタのスクリーンインタフェースを図示し、図3Vはそれらの制御を列挙して説明を加えた表である。図3Xは、レシピエクスプローラのスクリーンインタフェースを図示し、図3Yはそれらの制御を列挙して説明を加えた表である。最後に、図3Zは、調整データツリービューノードの構造例を図示している。
【0045】
図示されたプロダクトマネージャは、既存の調整やレシピやサイトリストやサイトマップのより多くのデータベーススタイルビューを提供する。ソートされてはいるが構成可能である必要はない標準のデータグリッド制御がUIを介して示される。この制御の第1の目的は、利用者が新規な若しくは既存のプロダクトに対してドラッグアンドドロップした調整及びレシピ情報のレポジトリにアクセスすることを可能にすることである。
【0046】
3.シーケンサー(SEEQUENCER)
シーケンサーは、指定されたサイトのジョブで定義された、例えば、指定されたサイト/タスクシーケンスに従って、アクションとツールタスクを実行する。本質的に、それは各サイトとそれらに対して実行しているツールの間の調整と通信を提供する。欠陥分析器内のシーケンサーは、次のような動作の組み合わせをサポートすることができる。すなわち、(1)指定された複数サイトでのジョブを実行することができることと、(2)異なるウェファにおいて同じサイトリストとサイトシーケンスを実行することができることと、(3)たとえ複数のジョブが実行された場合でもデータをウェファと各サイトに対して関連付けを続行することができることと、(4)カセット内で各ウェファに対して異なるジョブを順次実行するができることと、(5)異なるサイトにおいて異なるサイトシーケンスを実行することができることである。加えて、いくつかのシステムに関して、欠陥ファイルは、手動で濾過されることもあり、若しくは、欠陥ファイルによって指定された全てのサイトが加工されることもある。
【0047】
図4A乃至図4Nは、シーケンサーアプリケーションのスクリーンインタフェースの一実施の形態のスクリーンビューを図示する。図Aは、シーケンサーページ445が表示された状態の欠陥分析器スクリーンインタフェースを図示し、図4Bはコマンドオプションと関連説明の表を示している。シーケンサーページ445には、特定のタスクを完遂するために、ツールバーボタン若しくは画面上部右に位置するドロップダウンメニューであり利用者がシーケンサーページ又はジョブビルダーページのようないくつかのページのうちからいずれかを選択することを可能にする「ページ」メニューを介してアクセス可能である。利用者は、「実行」ボタンをクリックすることで、シーケンサーからのジョブを実行することができる。欠陥分析器が稼働中、システムは画像象限405においては欠陥サイトの生画像を、ステータス象限415においてはランタイムステータス情報を、そして、ナビゲーション象限425においてはナビゲーションウェファマップを表示することができる。
【0048】
図示の場合、シーケンサーページ445はシーケンサーランタイム中に現れるランタイム表示447を有する。これはジョブの進行とそのジョブの各サイトのステータスと結果(合格/処理中/失敗)を示す。利用者は、サイトリストからどのアイテムが表示に現出すべきか(必要な場合にはスクロールするように)を設定することができる。サイトのステータスは、(例えば、アクセスされて、処理が始まっているが終わっていないか又は始まってはいない)タッチステータスと、(例えば、アクセスされてもいず処理されてもいない)非タッチステータスと、(例えば、アクセスされて処理も終了されてしまった)完了/完遂/処理終了ステータスにすることができる。このようなサイトステータスを知ることは「ホットロット(hot lots)」のため、そして、中断されたり部分的に完了しているマルチパスシーケンスにおいて複数のウェファを利用者が処理する場合には利用者にとって重要である。
【0049】
シーケンサーが稼動している場合、ウェファマップ表示425がナビゲーション象限425内に示される。カーソルのカレントな位置がウェファマップの左下隅に表示される。ウェファマップは色を使用して処理中のウェファについての情報を伝えることもできる。例えば、ウェファの外の領域(ウェファによってカバーされていない表示領域の部分)については灰色を用い、ウェファの背景については黒を用い、パターン化されたウェファのダイの外形については緑色を用い、更に、ゼロ行列(ダイパターンの列ゼロと行ゼロのダイ外形)については赤色を用いる。ウェファマップ表示427においては、各サイトに関連するプロセスを有するサイトにフラッグを立てられており目に見えるようにされている。稼働中のサイトフィルタの基準に合致するサイトが、ウェファマップ上に生じるようにしてもよい。更に、異なるサイトシーケンスとカレントサイト(表示されたクロスが現在稼動されているサイトを示している)と合格/失敗を示すために各サイトについてダイナミックな色彩変更もありうる。
【0050】
図4Cに関連して、シーケンサーセットアッププロセスの一実施の形態が図示されている。利用者が欠陥分析システムにログインし(451)、イオン源をスタートし(452)、イオンビームと電子ビームの双方に電圧を設定した(453)後で、「ページ」メニューからシーケンサーページを選択する(454)。次いで、利用者は実行コマンドを選択し(455)、「ウェファデータダイアログ」ボックス462が工程456において現出するようにする。ジョブウェファデータがウェファの搭載に先立ってこのダイアログ内に入れられる。
【0051】
図4Dは、関連説明と共にコマンドオプションとデータフィールドの表を示す図4Eと一緒に、ジョブウェファデータ入力ボックスの一実施の形態を図示している。この実施の形態において、全てのフィールドは概して編集可能であり大抵共通に用いられる値のリストを有する。(このデータは又ジョブビルダーにおいても定義されうる。)図4Fと図4Gは、ジョブウェファデータ入力ボックスの別々の例を図示している。図4Gのシステムに関連して、欠陥分析器によって自動的に(この場合インベントリーボタンは不必要である)若しくはインベントリーボタンをクリックすることによって手動でインベントリーが行われる。ある種の実施の形態においては、インベントリー操作はウェファカセットが欠陥キャラクタライゼイションシステム(defect characterization system)に搭載されたか否かをチェックして確認する。図4Fと図4Gに図示されているように、この実施の形態は、利用者が複式カセット内の複数のウェファに対する自動処理を指定することを可能にする。インベントリーが行われた後で、利用者は個々のウェファを選択する。チップ挿入スロットを一度クリックすることでそれを選択し、その表示色を青からアクティブな赤に変更する。利用者はウェファとロットの情報を入力する。そして、利用者は他のスロットを選択する。このスロットはアクティブな赤となり、利用者はその情報を入力する。予め選択されていたスロットは赤(アクティブな赤ではない)に変わる。(アクティブな赤ではない)赤色のスロットをクリックするとそれがアクティブな赤に変わる。利用者がアクティブなスロットをクリックした場合には、それは非選択状態となりその表示色は赤から青に変わる。その情報は保持される。少なくとも一つのウェファ情報が入れられた後で、実行ボタンがアクティブとなる。利用者が実行ボタンをクリックしたときには、非選択ウェファについての情報が消去され、欠陥分析器がそのジョブを遂行する。情報ダイアログが表示される。利用者がキャンセルをクリックすると、全ての情報が消去されてシステムは前の工程に戻る。
【0052】
図4Cの工程456のシーケンス処理ダイアグラムに戻って、利用者はジョブ情報を設定し、その情報を保存し、ジョブをロードする。シーケンサーは光学式文字認識(OCR)を装備したカセットツーカセットシステムとOCRを装備しないものの双方において作動する。OCRを装備したカセットツーカセットシステムにおいては、そのシステムはウェファIDを読み込みで自動的に欠陥ファイルを設定することができる。利用者は大体ジョブファイルとオペレータIDを入れるが、しかしそれは最初のウェファの場合にのみ当てはまる。追加の情報には、スロット番号やカセット番号を含めることも可能である。利用者がスロットを選択しない場合、最も埋められたスロットが選択される。OCRを装備しないシステムにおいては、利用者は全ての情報を入力しない場合であってもいつもほとんどのものを入力する。各ウェファは個別に搭載される。利用者は、ジョブを実行する前に、スロット番号をウェファIDと関連付ける。全てのウェファは通常予めスキャンされている。すなわち、各ウェファに対する欠陥ファイルが存在し、各ファイルがシステム上にある。ジョブが完了したとき、シーケンサーがウェファを取り出して次のウェファを搭載する。このシステムは、普通には最初のウェファを搭載する。そして、利用者はジョブファイルを選択し、オペレータIDを入れて、特定のスロットを選択することができる。利用者はそして実行ボタンをクリックする。反対に、OCRを装備するシステムは、ロットIDとウェファIDを読み込むことができる。そして、そのシステムはデータベースシステムから関連する欠陥ファイルを見つけ、シーケンサーがそのジョブを実行する。
【0053】
図4Hは、データフォーマットと欠陥ファイルを選択するための「欠陥ファイル」ダイアログボックスを図示している。このダイアログボックスは、ジョブウェファデータ入力ダイアログボックスの欠陥ファイル選択ボタンを利用者がクリックしたときに現れる。この欠陥ファイルを開く前に、非選択欠陥ファイルダイアルボックスか若しくは図4Iに図示されたサイト選択リストウィンドウのいずれかのリストボックスから利用者はデータフォーマットを選択する。データフォーマットの選択時、利用者は以前に選択された欠陥ファイルのいずれをも選択解除してそのコンテンツを(図4Iに示された)サイト選択リストウィンドウから取り除く。そして、利用者は、アクティブなウェファマップを選択解除する。直金に選択されたデータフォーマットが通常デホルトである。従って、大抵データフォーマットを再選択することは不必要である。欠陥ファイルを選択する。最初は、欠陥ファイルは以前に選択されたファイルである。次の方法のいずれかによって、異なる欠陥ファイルも選択されうる。すなわち、(1)欠陥ファイルテキストボックス内に欠陥ファイル名を書き込んでOKボタンをクリックすることと、(2)ファイルリストから欠陥ファイルを選択して、OKボタンをクリックする(又は、欠陥ファイル名をダブルクリックする)ことである。このリストは被選択データフォーマットのデホルトソ−スディレクトリ内に含まれている欠陥ファイル名を含有する。
【0054】
欠陥ファイルが選択されたとき、以前に選択されていた欠陥ファイルはいずれも選択解除され、そのコンテンツはサイト選択リストウィンドウから取り除かれて、そのウィンドウは新しく選択された欠陥ファイルのコンテンツを表示する。欠陥ファイルにおいては最初のサイトリストが自動的に選択される。
【0055】
図4Iは、サイト選択リストウィンドウを図示している。このウィンドウから、利用者は既に選択されていない場合にはデータフォーマットを選択し、既に選択されていない場合には検討のために欠陥ファイルを選択し、欠陥ファイルの検討用に利用できる欠陥サイトリストを観察し、ウェファマップ領域内の欠陥サイトリストのコンテンツをプレビューし、OKボタンをクリックする。
【0056】
欠陥ファイルが選択されたとき、サイト選択リストウィンドウは被選択欠陥ファイルに関連するサイトリストを表示する。被選択欠陥ファイルに対するロットIDとプロセスIDも表示する。
【0057】
サイトリスト表示(図4J)には3つの情報カラムが存在する。これらのカラムはウェファIDと検査とサイトカウントからなる。利用者は所望のサイトリストを選択することができる。これらのカラムの説明は図4Kの表に列挙されている。
【0058】
図4Cのシーケンサープロセス図の工程457に戻ると、シーケンサーは次いで情報ダイアログボックス464を表示させ、そして、利用者はシステムが利用準備状態にあることをチェックして確認する。そして、工程458でウェファが(例えばカセットから)搭載される。判定工程459では、シーケンサーは、調整トレーニングが行われるべきか否かを判定する。このことは、ジョブパラメータやシステム及び/又はシステム構成に基づいて自動的に行うこともできるし、さもなければ、利用者の入力に基づいても行うこともできる。調整トレーニングが行われるべき場合、工程460において、シーケンサーは(例えば、調整トレーニングウィザードを介して)調整トレーニングを開始して、ジョブレシピを実行して欠陥分析を行う。反対に、調整トレーニングが行われるべきでない場合、工程461において、ウェファは(例えば、パターン認識と共に)調整され、ジョブが実行される。
【0059】
図4Lに関連して、情報ダイアログボックスは、利用者がジョブウェファデータ入力ダイアログボックスの実行ボタンをクリックしたときを表示する。利用者はジョブビルダーにおいてこの情報ダイアログボックスに表示された情報を定義する。この警告ボックスは、ジョブを実行する前に利用者に必要な初期化工程(例えば、ガス噴入システムヒーティングあるいはそのソースなど)を利用者がOKボタンをクリックすると、このダイアログボックスが閉じてシーケンサーがジョブを実行する。第1の工程はウェファを搭載することである。ウェファが既に搭載されている場合には、内包メッセージと共に図4Mのダイアログボックスが現れる。ジョブが完了した場合、図4Nに示されたようなジョブ完了ボックスが表示される。
【0060】
4.欠陥エクスプローラ(DEFECT EXPLORER)
図5に関連して、欠陥エクスプローラは、記憶された画像を検討することや改定された欠陥ファイルを検討することや処理するために物理的に欠陥サイトに再び訪れるためそして自動欠陥転移検証のためのタグを設定することを含む異なる利用の場合において利用者が各種のタスクを行うことを可能にする。それは又データと欠陥の画像を検討するために、データベースシステム111に対するユーザーインタフェースを提供する。それは、利用者/検査員がデータベースシステムをナビゲートするのに役立ち、それによって使い勝手のよい検討を容易にすると共に関連するサイトのデータのフィルタと、例えば、収量管理システムへのエクスポートも容易にする。加えて、欠陥分析器によって行われたジョブの結果を検討するためのツールとしても役立つ。
【0061】
欠陥エクスプローラは、収量管理システムのような外部のシステムに対して、選択された注釈付き画像(単独画像のファイル又は複数画像のファイル)や欠陥ファイルやそれらに対応するサイト情報をエクスポートするために利用者によって使用されることもある。画像と欠陥ファイルはグループ化されそしてアップロードされ、そして、データベースシステムは、例えば、エクスポートされたウェファの画像とサイト詳細のような情報と共にアップロードされる。それに関連付けされたサイトの画像にリンクして各サイトの情報を選択させて、欠陥ファイルは、又、作成されることもできる。(KLARFFのような適切なフォーマットにすることもできる)エクスポートされたデータが単独のウェファ又は複数のウェファに関連する。欠陥ファイルはウェファ−ジョブ組み合わせ毎に発生されることもあり、各ファイルは設定可能なディレクトリのエクスポ−トされる。そして、スクリーンインタフェースにおいて、利用者はエクスポートされるべき用意のある詳細の全てを見ることができる。このように、利用者は特定のサイトにおける欠陥について多くの情報を表すことのできないデータを消去することができる。利用者は、ジョブレベルで削除されたデータと対応する画像と共にDAの結果を消去することができる。欠陥エクスプローラの他の用途は、以下のADRセクションに記載されたADR検証を実現することである。
【0062】
図6A乃至図6Cは、欠陥エクスプローラの一実施の形態のスクリーンインタフェースを示している。図示された実施の形態において、欠陥エクスプローラのインタフェースは欠陥分析器アプリケーションのそれとは別個のものである。そのように、それはリモートインタフェース上と共に欠陥分析器システム上でも容易に実行される。この欠陥エクスプローラユーザーインタフェースは、利用者が欠陥分析器とベータベースシステムのコンテンツをナビゲートすることを可能にするし、利用者の認証証明も提供される。
【0063】
図6Aに関連して、利用者は、ロットIDやウェファIDや日付のようなサーチ基準のいずれか一つ又はそれらの組み合わせに基づいて検査用のジョブを選択することができる。利用者は、複数のジョブを選択することができ、ジョブは検査のためにある複数の日付に亘って実行する。ある基準に基づいてサーチされ若しくは選択されたジョブに対して、対応するウェファ情報が表示される。この情報にはウェファIDとロットIDとスロットと欠陥ファイル名情報が含まれることがある。ウェファ履歴の選択時に、選択されたウェファ内の各サイトの情報も表示されうる。ジョブにおいて選択されたウェファの全てのサイトに関連する情報も又表示される。例えば、選択された(単独の)サイトに対応する画像が適切な名前を付してそして顕微鏡によって取り込まれた順序においてサムネイルとして表示されうる。利用者は、欠陥の分類を変更することができ、検査用に選択されたサイトは強調表示される。
【0064】
サムネイルとして表示された画像は電子ビーム画像であっても、イオンビーム画像であってもよく、それらの画像はスライスアンドビュー(Slice & View)やEDSスペクトラやEDSスペクトラムやEDSスポットマップに由来するものであってもよい。特定のサイトのスライスアンドビュー画像はそれらが撮像された順序で動画のように表示される。これらの画像は(例えばTIFFやJPEGやBMPのような)いかなるフォーマットでもよい。選択されたサムネイル画像は、注釈と共にフルサイズで表示されることもあり、利用者が一又はそれ以上のスライスアンドビュー画像をローカルマシーンに保存/ダウンロードすることを可能にすることができる。
【0065】
利用者は、又、画像に基づいてサイトに関するコメントを追加することができる。加えられたコメントはそのサイトに対応して、データベースに(例えば、欠陥ファイル内に)保存される。コメントは、X軸とY軸位置を変更して欠陥を再配置するために欠陥を再分類することも可能にする。検査員の特定とコメントも保存される。利用者はサイトに関してコメントを変更することもできる。
【0066】
図6Bは、欠陥エクスプローラインタフェースからのウェファサイトマップインタフェースを図示している。ウェファマップページはジョブにおいて選択されたウェファの各サイトに関してあらゆる情報を有している。この情報は欠陥ファイル又はデータベースから集められる。ウェファ上で選択されたサイトに基づいて、ウェファマップセクションが対応するサイトを異なる色で強調表示することができる。利用者は、再び訪れるか若しくは以後の処理のためにサイトにタグ付け(マークするか又はリストする)をすることができる。アップデートされた画像は、もしあればコメントと共にカレントな画像と共に保存されるべきである。タグ付けは、又、以後の処理のためにサイト上で実行されるのにどのレシピが必要であるかを定義するためにも使用されうる。サイトのタグコメントはテキストファイルに書き込むこともできるし、又は、データベースに書き込むこともできる。再び訪れるためにマークされたサイト詳細を有する新規な欠陥ファイル画生成されることもある。ウェファのサイト詳細が再び訪れるためにマークされたことを示すために、データベースシステム111は又更新されることもある。図6Cは、利用者が様々な詳細を見て、ジョブを削除することができて、エクスポートすることができて、再び訪れるためのタグ付けをすることができて、画像を削除することができるインタフェースを示す。
【0067】
5.ツール(TOOL)
いくつかのツールコンポーネントを説明する。ツールコンポーネントは、特定のツールを制御するための適切なユーザーインタフェースを利用者に提供するソフトウェアからなる。それらはツールに割り当てられた機能を実行するために関連するハードウェア(例えば、電子ビーム、イオンビーム、ステージ、ガス噴射プローブ)を制御するためのコードオブジェクトコールを含んでいる。
【0068】
a)ダイの自動位置補正(AutoDieCoincidence)
ある実施の形態において、電子ビームとイオンビームは同じ垂直面内にあるが一方のビームはほぼ直立しているが他方のビームは傾斜しているので、2つのビームが交差する点が存在する。ステージを昇降してこの交差点がウェファ表面にくるようにすることによって、2つのビームは合致することが可能となる。ウェファは大抵歪んでおり厚みもバラバラであるので、ステージがX又はY方向に移動されたときにはウェファの頂面はビームの光学カラムから異なる高さとなり、ビームはもはや合致するものではなくなる。好適な実施の形態において、容量性のセンサのようなセンサがステージからイオン又は電子ビームカラムまでの距離を測り、両ビームが合致するようにステージを昇降して一定の差を維持する。
【0069】
ダイの自動位置補正ツールは、他の近くの各サイトにおいて確立したビーム一致データを再利用することによって、欠陥分析器がビーム一致点を欠陥サイトに見出すのに役立つ。それは主にジョブビルダー構成とシーケンサー実行モードにおいて使用される。利用者が小さな領域において複数の欠陥を試験した場合、欠陥分析器に命じてその領域内の全てのサイトにおけるビーム一致情報を再利用することにより、処理は合理化される。
【0070】
図7Aは、ダイの自動位置補正ツールが選択されたときに現れるウィンドウの一例を示す。それは、欠陥分析器がビーム一致情報を再利用する範囲内の円の半径を示す、再調整距離閾値フィールド702を具備している。ある実施の形態においては、所望の結果のために、一つのダイの対角線と同等か若しくはそれよりも大きな数が使用されるべきである。次の式がこの状況を表している。
【0071】
閾値≧ダイピッチX2+ダイピッチY2
【0072】
図7Bに関連して、欠陥分析器は、普通には、ダイDの左下隅Zdに一致点を確定し、ビームがウェファ表面に接する点のXYZ座標を記憶する。ほとんどのウェファにとって、指定された半径すなわち再調整距離閾値内におけるあらゆるサイトでビーム一致を確立するためにこの点で設定されたZ値が使用される。ダイの自動位置補正ツールが使用されているときには、この閾値に対応する半径を有すると共に被測定Zd点に近接してダイ内に位置する円の内部の他のサイトにおけるビーム合致を確立するために欠陥分析器はこの点においては測定されたZ値を用いる。例えば、ある実施の形態において、ダイの自動位置補正ツールが稼働中であるとき、システムは、ダイDの対角線長に対応する半径を有する、図示された点線円内の全ての点におけるビーム合致を確立するために被測定Z(高さ)を用いる。このダイの自動位置補正ツールは、単独のダイ又はそれに均等な領域内における複数のサイトを処理するときにはいつでも有用である。
【0073】
図示の実施の形態においては、ダイの自動位置補正ツールは基準ツール以前に実行されるべきである。更に、あるシステムにおいては、ダイの自動位置補正ツールが正確に機能するために、画像が最初にトレーニングされうる。両ビームに関する画像がナビゲーション傾動機能を使ってトレーニングされうる。
【0074】
b)コンピュータ支援調整ツール(CalAlign Tool)
図8Aはコンピュータ支援調整ツールが選択されたときに現れるスクリーンインタフェースの一例を示し、図8Bはそのコマンドとフィールドの説明の表である。コンピュータ支援調整ツールは、ステージを移動するか又はビームをシフトすることによって、基点がミリングされた後で問題の領域を再調整する。この問題の領域は、大抵、適切な倍率である視野の中心に調整される。校正目的のために、画像の中心と基点の中心の間のずれを測定するために、追加オプションが利用されることもありうる。
【0075】
図示の実施の形態において、コンピュータ支援調整ツールは基点ツールと協働して作動する。すなわち、基点(又はその均等物)はコンピュータ支援調整ツールが使用される前に、ミリングされるべきである。使用時、基点ツール内において設定されたパターン認識パラメータはどのようにしてコンピュータ支援調整ツールが基点を見出すことに影響する。
【0076】
コンピュータ支援調整ツールは、校正データを集めるために、自動スクリプトツールに連結されることもある。例えば、イオンビームは50pAのアパーチャに設定される。コンピュータ支援調整ツールは基点の位置を測定する。自動スクリプトツールは、そのアパーチャを変更し自動コントラスト及び輝度調整(ACB)を行う。コンピュータ支援調整ツールは、画像中心と基点の間の距離を測定するが、その位置はアパーチャの誤調整に応じて変わる。このプロセスが繰り返され、集められたデータがアパーチャの調整のために使用される。加えて、加速電圧を変化させて、GISを変えて、(欠陥特性のための超高分解能と検索のための低分解能の間の)分解能と視野を変動させて、更に、電子ビームスポットサイズを変化させて調整プロセスが行われるが、校正が同じやり方で行われる。自動的にユーセントリック(eucentric)高さを見つけるレシピも作成される。
【0077】
「マッチダイアログ表示」が選択されている場合には、システムは図8Cに示された画像マッチウィンドウにマッチ結果を表示する。0以外の数字がアシストタイムアウトフィールド内に入れられている場合、(図8Dに示されたような)ダイアログボックスが画像認識に失敗した場合に現れる。このダイアログボックスはアシストタイムアウトフィールドで指定された秒数の間画面上に残る。このダイアログボックスが現れた場合、3つの選択肢が利用できる。すなわち、(1)利用者はリトライボタンをクリックすることで、自動調整を再びトライすることができる。(2)利用者が手動で調整するための追加の時間がほしい場合には、タイマー停止ボタンを選択して視野内の欠陥を中央に移動してOKボタンをクリックするとよい。(3)利用者が調整を停止したい場合には、キャンセルボタンをクリックするとよい。
【0078】
c)断面ツール(Cross−section Tool)
図9Aは、断面ツールスクリーンインタフェースを図示しており、図9Bはそのコマンドとフィールドの説明の表である。各グループに対する共通の制御がまず列挙され、次いで、特定のグループに対して固有の制御が列挙される。基点ツールによって設定された視野を使って、金属堆積やバルクミリングや断面クリーニングを含む各種の処理に対して完全な断面を生成するために、断面ツールが複式ビーム装置を制御する。このツ−ルの一つの特徴は、それが関連タスクパラメータに基づいて適切なビームセッティングを自動的に決定することである。堆積及び断面パターンに関する図示の実施の形態においては、X軸寸法とY軸寸法が視野のパーセンテージとして利用者によって指定され、深さがミクロンで指定される。バルクミリングのためには、その幅が視野のパーセンテージとして利用者によって指定され、高さと深さ(Y軸とZ軸)は欠陥分析システムによって計算される。
【0079】
断面ツールは断面ツールユーザーインタフェースにおいて選択されたパターンをステップ毎に実行する。アパーチャが変わるか若しくはGISニードルが挿入される毎に、システムは自動的に基点マークを再調整する。
【0080】
Y方向オフセットは断面の上部境界である。Y方向オフセットのデホルトの位置は0μmであるか若しくは視野の垂直方向の中心である。断面の上部境界を再定義するためには、利用者はY方向オフセットオプションをクリックする。システムは画像象限内に断面ターゲットラインをマークする黄色の線を表示すると共に、次のようなダイアログボックスを表示する。
【0081】
断面ターゲットを再定義するためには、利用者は画像象限内において断面が終了する点でクリックする。システムは、画像象限内のバルクミリングと断面パターンを表示して、断面ツールインタフェース内のカレントオフセットを更新する。
【0082】
バルクカットは、階段状パターンと清掃カットの組み合わせである。階段状パターンは複数の細線(複数の長方形のボックス)からなる。清掃カットはいかなる再堆積物を取り除いて前縁を作り変え、より清掃された断面を容易に創り出すために行われる。
【0083】
図示の実施の形態において、断面ツールを適正に作動するために、基点ツールが断面ツールに先立って実行されるべきである。基点ツールは欠陥のサイズと位置を決定し、視野を設定する。ミリングパターンのサイズはこの視野に基づく。
【0084】
d)基点(フィデューシャル)ツール(Fiducial Tool)
欠陥が最初に位置決めされた後で、一又はそれ以上の基準マークを提供してその欠陥が以後の処理のために容易に再び見つけることができるようにすると有効である。欠陥マークすなわち基点は好適には欠陥が最初に位置決めされた後にイオンビームを用いてミリングされる。本発明の一つの側面において、欠陥特定情報を含む基点が実現される。例えば、この基点は欠陥のサイズによって変わるサイズで作られる。すなわち、大きな欠陥は大きな基点によってマークされる。加えて、画像認識ソフトウェアによって容易に認識されうる形状で作られると共に、周囲の特徴から目立つように変更することもできる。以後の検査時に基点の向きが決定されるように、基点は、好適には、回転対称ではない。実際には、基点の形状はイオンビームによってミリングされるべきである。より正確な向きで調整が望まれる場合には、複数の基点がミリングされる。
【0085】
この基点は利用者が欠陥サイトに戻ることを可能にし、例えば、ウェファ上の全ての欠陥が表面撮像を用いて描写され、その情報が分析された後で利用者は別の処理のために問題の欠陥に戻ることができる。例えば、ダイ又はウェファ上の全ての欠陥は、位置決めされ、それらのアウトラインが決められ、各欠陥によって一つの基点がミリングされる。技術者は、これらの欠陥の統計を見て、特定の欠陥又はクラスを特定するか、若しくは別の分析のために欠陥を特定する。そして、システムは、基点の位置決めをすることによってその欠陥を容易に再配置することができるが、欠陥自体がその基点から決められた距離ずれて位置していることを認知している。欠陥のサイズは、又、欠陥が以後に再検討されるときの画像の適切な大きさの値をシステムが自動的に設定することを可能にする。(大きさの変更が調整を変えることがあるのでこのことは望ましい。)基点サイズを欠陥サイズに対応させた状態で異なるサイズの基点を生成することによって、欠陥が再配置されたときにビームは所望の大きさに容易に調整される。
【0086】
基点は、システムが欠陥さいとから出入りしない場合、例えば、欠陥を位置決めした直後に断面をミリングする場合にも有用である。基点は、ビームパラメータのそれぞれの調節によりイオンビームと電子ビームを調整すると共にドリフト用のビームを調節するのにも使用されうる。再調整が必要とされるいくつかのイベントは、コンピュータ支援調整ツールに関連して上記で説明された。欠陥自体を用いてビームを繰り返し調整することはその欠陥を損傷することとなり、以後のチャラクタライゼーションをより不正確なものにしてしまう。
【0087】
多くの場合において、ビーム調整は必要とされる。例えば、ガス噴入ニードルが抜き差しされる場合である。断面をミリングする前に、例えばプラチナのような保護物質のパッドを堆積するためにはイオンビーム堆積が使用されるのが一般的である。イオンビームを用いて材料を堆積するためには、ガス噴入ニードルをワークピースのビーム衝撃点近くに配置して、前駆体ガスがそのワークピース表面に堆積するようにすることが必要である。金属ガス噴入ニードルの抜き差しは、試料近くの電界に影響を与えビーム位置を変えてしまうことがある。欠陥の近くに基点を設けることによって、ビームが基点上に調整され、ガス噴入ニードルが挿入された後でも、ビーム位置が変わらなくなるようにすると共に、ビームがニードル位置に係わらず調整された状態を維持するようにする。
【0088】
図10Aは、基点ツールが選択されたときに現れる基点ツールウィンドウの一実施の形態を図示しており、図10Bはそのコマンドとフィールドの説明を列挙した表である。基点ツールは、ミリングパターンとしてのユーザー指定のビットマップを用いて、視野を設定し、更に、再調整のための基点をミリングする。基点ツールが実行されているとき、欠陥分析器は画像象限に図10Cに示されたような基点パターンを表示する。同時に、システムは図10Dに示されたような情報ダイアログボックスを表示するが、それは利用者に問題の特徴形状の回りにボックス枠を描くように命じる。矢印ツールによって、利用者は問題の特徴形状の回りにボックス枠を描き、そして、ダイアログボックス内のOKボタンをクリックする。一度その領域が選択されると、システムはサイトを再び中心の位置決めを行い、指定されたような倍率を設定する。もし、欠陥サイズと基点サイズと基点オフセットの組み合わせパターンが基点が欠陥を覆ってしまうか又は視野を越えて延在するようなものである場合には、システムは利用者に警告して、状況を改善するようにする。そして、そのツールは基点をミリングし、各ビームによって一つの画像を取り入れ、ビーム合致を再度確立する。
【0089】
ミリングの後に取り込まれた画像と共に、基点ツールによって確定された視野は、引き続きそのサイトで実行される他のツール、例えば再調整ツール又は断面ツールによって使用されることもある。
【0090】
「電子ビーム再調整を構成する」又は「イオンビーム再調整を構成する」若しくは「電子ビームBMP再調整を構成する」若しくは「イオンビームBMP再調整を構成する」ボタンを利用者がクリックすると、再調整ダイアログボックス(図10Eと図10Fと図10Gと図10H)が現れる。(図10E乃至図10Hは、選択されたタブに応じて、異なるダイアログボックス表示を図示している。)
【0091】
再調整ダイアログボックス(図10Eと図10Fと図10Gと図10H)は、[Train Params]タブと[Train Region & Origin]タブと[Run Params]タブと[Search Region]タブと[Graphics]タブと[Results]タブを含む異なるパネルタブを有する。
【0092】
e)再調整ツール(Realign Tool)
図11Aは、再調整ツールのスクリーンインタフェースの一実施の形態を図示しており、図11Bはそのコマンドとフィールドの説明の表である。再調整ツールは単数又は複数の基点がミリングされた後で、問題の領域の中心を再び位置決めする。このツールはビーム合致を確定し、視野内の欠陥の中心を位置決めするために使用される。利用者はいかなるパターンツールにも先立って再調整ツールを実行することができ、確実に各パターンが基点(単数又は複数)に対して正確に配置されるようにする。アパーチャが変わったとき、又は、基点マークがドリフトされた信じられるとき、例えば、GISニードルが抜き差しされているときはいつでも、再調整ツールはステージを動かしながら電子ビームを再調整すると共に、ビームシフトしながらイオンビームを再調整することができる場合がある。
【0093】
f)EDSツール(EDS Tool)
EDSツールは利用者に手動(又は自動で)EDSスペクトラムを集めてそのスペクトラムをカレントサイトと関連付けし、それをデータベースに加える方法を提供する。(これは中断ツールの拡張である。)実行モード中、EDSツールダイアログボックスは、自動化された処理を続行する前に、EDSスペクトラムを集めるために利用者に特定の情報を提供する。EDSツールは、大抵材料が知られていない場合の欠陥をキャラクタライズするために使用される。ある実装例においては、デホルトのディレクトリがEDSソフトウェアからの各画面を保存するように構成されている。そして、EDSツールはそのディレクトリからスペクトラム画像を取り込むで、それらをデータベースに入れる。
【0094】
図12Aと図12Cは、それぞれジョブ構成時と実行(シーケンサー)構成時のEDSツールのスクリーンインタフェースの一実施の形態を図示し、図12Bと図12Dはそれらのコマンドとフィールドの説明を列挙した表である。ジョブビルダーインタフェース(図12A)は、利用者がEDSスペクトラムが得られる条件を設定することを可能にする。利用者はACBとスポット/スキャンモードと加速電圧を設定することができる。実行インタフェース(図12C)は処理継続のための命令とボタンを有する単純なダイアログボックスである。実行中テキストは大抵変更することはできない。利用者がキャンセルを選択した場合、そのサイトの試行を停止するか否かを聴いてくる他のダイアログが現出される。yesが選択された場合、そのサイトの試行は停止される。noが選択された場合は、利用者はEDSツール実行インタフェースに戻る。
【0095】
実行時、シーケンスの指定ポイントで、EDSツール実行インタフェースが表示される。これにより、利用者はEDSシステムを切り替えることができ、スペクトラムを得て、そして処理を継続することできる。そして、スペクトラムが集められるか又はサイトの試行が停止されるが、試行停止されたサイトは格子状に示され、そして、その指定されたサイトでの以後の処理を停止して次のサイトに移行する。ジョブ全体が停止すべき場合、利用者はシーケンサー内の「停止(abort)ボタンを使用する。
【0096】
g)システム設定始動(Get System Setting)
図13Aは「システム設定始動」(Get System Setting)ツールのスクリーンインタフェースを図示し、図13Bはこのコマンドとフィールドの説明を列挙した表である。このシステム設定始動ツールは利用者にシステム設定の断片(snapshot)を保存させる。設定セット(Set Setting)ツールは、既に定義された設定をリストアさせるために使用される。このツールは、システム設定の断片(snapshot)を定義してリストアするために設定セットツールと共同で使用されることもある。これらのツールは、他のツール若しくは設定の手動による変更のような、システム設定の変更が起こりそうないかなるイベントの前後においても使用されうる。
【0097】
h)画像取り込みツール(Grab Image Tool)
図13Cは「画像取り込み」(Grab Image)ツールのスクリーンインタフェースの一実施の形態を図示し、図13Dはこのコマンドとフィールドの説明を列挙した表である。画像取り込みツールは画像を集めて保存するために用いられる。このツールは適正なシステム設定をセットし、画像を取り込み、それを保存する。この画像は、標準的な名前を付された従来のファイルネームと共に、予め定義されたホルダ内に保存される。
【0098】
i)ダイ移動ツール(MoveDie Tool)
最短の移動軸を使用してダイ移動ツールはウェファ中心に近接する一つのダイを移動する。このツールは、例えば、システム設定始動ツールや設定セットツールと共同して使用されて、隣接するダイに移動しそのサイトで処理を行って、前の位置に戻る。
【0099】
j)パターン化ツール(Pattern Tool)
図14Aは「パターン化」(Pattern)ツールのスクリーンインタフェースの一実施の形態を図示し、図14Bはパターン化ツールのコマンド/フィールドを説明と共に列挙した表である。パターン化ツールは、断面パターンのような、ツール範囲外のパターンを生成する。それはミリング又は材料堆積若しくはエチングのために使用されうる。
【0100】
パターン化ツールが実行されているとき、システムは自動的に基点マークを再調整する。あるサイトで実行中に、システムはビームシフトを記憶し、GISニードルが挿入された後パターン化開始前にシステムを再調整し、そして、パターン化が終了した後で以前のパターン化設定にビームシフトを戻してニードルを取り出す。代表的な実施の形態について、基点ツールは、パターン化ツールが実行される前に、そのサイトで実行されるべきである。適正なGISも加熱されるべきである。
【0101】
k)停止ツール(Pause Tool)
図15Aはセットアップ段階の「停止」(Pause)ツールのスクリーンインタフェースを図示し、図15Bはそのコマンド/フィールドオプションとそれに関連する説明の表である。図15Cは、実行段階の「停止」(Pause)ツールのスクリーンを図示し、図15Dはそのコマンド/フィールドオプションとそれに関連する説明の表である。停止ツールは利用者が手動で欠陥分析器のユーザーインタフェースの範囲外でアクションを指定させる。レシピが自動化されていたとしても、利用者は停止ツールを使用して、オペレータの干渉を可能にすることができる。利用者は停止ツールのメッセージエリアにテキストを加えておき、自動化された処理を続行する前にあるアクションを行うジョブをその利用者が実行するようにすることもできる。利用者は、所望に応じて多くの停止ダイアログボックスを定義することがかのうである。ジョブ実行中、ダイアログボックス(図15C)はセットアップ中に利用者(管理者である利用者)によって定義されたメッセージを表示する。停止ツールに対するオペレータである利用者のアクションは制限されて停止を却下してシーケンスを続行するか若しくはそのサイトの試行を停止する。
【0102】
ジョブの最中、停止ツールダイアログボックスがレシピ中において特定のポイントに現れる。管理者が停止ツールをレシピ中においてタイムアウトするように構成した場合、タイマーがカウントダウンを開始する。オペレータである利用者がカウントを停止しない場合、欠陥分析器は自動的にそのツールを却下してジョブは続行する。
【0103】
停止ツールは、システム設定始動ツールと設定セットツールと共同して使用し、所望のシステム設定を記憶してその後リストアすることもできる。これを行うために、システム設定始動ツールはシステム状態を把握するために使用され、停止ツールは手動調節のために始動される。手動調節が必要なタスクが終了したときに、利用者は設定セットツールを用いて名前の付けられた組のシステム設定をリストアすることができる。
【0104】
l)設定セットツール(SetSetting Tool)
図16は、設定セット(Set Setting)ツールのスクリーンインタフェースの一実施の形態を図示している。設定セットツールはシステム設定始動ツールによって予め定義されたシステム設定の断片(snapshot)をリストアする。設定セットツールのスクリーンインタフェースは、リストアされるべき一組のシステム設定を示す設定始動識別子(Get Setting Identifier)を有する。
【0105】
m)スライスアンドビューツール(Slice and View Tool)
図17Aは「スライスアンドビュー」(Slice and View)ツールのスクリーンインタフェースの一実施の形態を図示し、図17Bはそのコマンド/フィールドオプションを関連する説明と共に列挙した表である。スライスアンドビューツールはミリングアンド撮像ツールの高度のものである。それは小さなボックスパターンをミリングし画像を収集して、選択された領域上でその工程を繰り返して表面構造についての3次元情報を集める。このツールは、断面化及び3次元による特徴構造の位置決め及び再構築化、更に、埋設された特徴構造物の調査のために用いられることもある。
【0106】
スライスアンドビューツールは、保護膜の堆積や、例えば問題の特徴構造を覆っている材料を取り除くことのような、バルクパターンのミリングを含む様々な用途に使用される。そして、それは電子ビームによる画像を取り出し、イオンビームで小さなボックス状のパターンをミリングし、結果的に得られる断面の電子ビームによる画像を取り出すことができる。ミリングと画像化のこの方法は、スライス領域全体が処理されるまで続行する。
【0107】
ある実施の形態においては、スライスアンドビューツールは、一旦基点ツールが実行された後に使用されることもある。スライスアンドビュー領域は、基点ツールによって定義されそして基点自体によって示された欠陥のサイズによって決められる。スライスアンドビュー操作は、一般的に、スライス深さがスライスアンドビューツールにより指定された状態で基点ツールによって用いられる視野の中心でなされる。基点マークは、又ドリフト制御(再位置決め)とミリング位置調整のためにも使用される。
【0108】
それぞれの画像は予め決められたホルダに所望のフォーマット(例えば、JPEG)で保存される。スライスアンドビューツールがあるサイトで実行されているときは、システムは画像の上にミリングパターンを表示して、堆積やミリングが実際に起こる場所を示すようにする。このパターンアウトラインは、その工程のパターン化がほとんど始まると同時に、順次現れる。このツールにより、ビーム設定が自動的に且つFOV/欠陥サイズと形状に基づいてオンザフライで条件付きで決定される。
【0109】
n)自動スクリプトツール(Auto Script Tool)
図18Aは「自動スクリプト」(Auto Script)ツールのスクリーンインタフェースの一実施の形態を図示し、図17Bはそのコマンド/フィールドオプションを関連する説明と共に列挙した表である。自動スクリプトツールは、新しく固有のツールの迅速且つ簡単な開発のための一般的なスクリプト/プロトタイプツールを提供する。それは、利用者がスクリプトとログファイルを指定することができるようにすることによって、欠陥分析器システムの多くの機能を自動化するためにも使用されうる。例えば、このツールを使用することによって、利用者がスクリプトを書いてミリングやスキャンニングや画像認識やステージ移動やイオンビーム電流やガス噴入や他の多くの機能を制御することができる。
【0110】
o)システム設定ツール(System Setting Tool)
図19Aは「システム設定」(System Setting)ツールのスクリーンインタフェースの一実施の形態を図示し、図19Bはそのコマンド/フィールドオプションを関連する説明と共に列挙した表である。システム設定ツールは、レシピの特定のポイントで利用者にシステム設定を指定させる。このツールは他のいかなるツールを実行するのにも先だってシステムをセットアップするために使用される。
【0111】
p)自動スライス及びEDSツール(AutoSlice and EDS Tool)
このツールは「スライスアンドビュー」ツールとEDSツールの組み合わせに類似するものである。それは欠陥の元素成分に関する3次元情報を提供する。3つのビームが合致したサイトにおいて、埋設された特徴構造はイオンビームによって繰り返し断面化され新しい表面を露出する。各断面がカットされた後で、電子ビームが用いられて露出された表面からEDS元素データを収集する。このデータが集められて埋設された特徴構造についての3次元成分情報を提供する。断面サイズとビーム条件とEDS収集パラメータは欠陥のサイズと形状に基づいて自動的に設定される。
【0112】
6.自動欠陥再配置(AUTOMATIC DEFECT RELOCATION)
図20乃至図23に関連して、特性評価と推奨を装備した自動欠陥再配置(ADR)ツールの一実施の形態が説明される。ADRツールは欠陥ファイルにおいて報告されたその位置に基づいて欠陥を位置決めすると共に点検する。そして、それはシステムパラメータを更新して、他のツールが以後の操作のためにより効率的に且つより正確にその欠陥を位置決めできるようにする。例えば、それは視野(FOV)の設定可能なパーセンテージ内で欠陥の中心を再び合わせることができるが、他の自動化された再配置や処理ジョブを行うことを可能にする。
【0113】
a)自動欠陥識別(Automatic Defect Identification)
図20AはADRツールのスクリーンインタフェースの一実施の形態を図示する。簡単には、図示されたADRツールは、(欠陥を有するダイに隣接するダイの)基準となる画像と欠陥の画像とを集め、それらの画像を比較して欠陥を特定(又は分離)し、例えば、終了する前にその画像の限定可能なパーセンテージ内でその検出された欠陥を中心にくるように調節する。
【0114】
ADRツールは、(例えばジョブレシピシーケンスにおいて)それを使用する次のツールによるアクセスのためにその結果報告を記憶することができる。ADRツールは、再配置の精度を損なわないために、大抵いかなるステージ移動も実行するものではない。ビームシフト補正すら認められないほど数の間違いを引き起こすこともありうる。更に、撮像を最小限にすることが望ましく、他の再調整も回避される。被測定欠陥位置がどのように通信されるかに係わらず、ミリングパターンツールのような他のツールは断面化を試みるのに先だってサイズと向きについての情報を利用することができる。
【0115】
図20Bは、本発明のADRツールルーティーンの一実施の形態を図示する。初めに、2002において、ツールはX,Y,Zステージの位置を記録する。次いでそれは工程2004−2010でステージ位置を校正する。2004において、Xステージの位置が0以上である愛名かを判別する。そうあれば、2008において、そのステージを一オフセット位置負の方向に動かす。反対に、それが0未満である場合には、それはX方向にそのステージを正に一オフセット位置動かす。工程2010において、それはコンデンサプローブの移動を実行する。
【0116】
次に、2012において、ツールはダイ位置と欠陥位置と欠陥サイズを(欠陥ファイルから受け取って)ロードする。2014において、画像がFOVの5乃至10%となるように欠陥ファイルから報告された欠陥画像サイズに基づいて倍率を設定する。2016において、システムは欠陥の画像のダイに隣接するダイにナビゲートして、第1の基準画像R1を収集する。(図21は、拡大された画像サイト領域2104を共に、欠陥ウェファ2102の例を示す。)判定工程2018において、一つの基準画像だけが必要である場合には、システムは工程2020に移行して、報告された欠陥サイトに移動し収集された欠陥の画像Dを得て保存する。一方、2(又はそれ以上の)基準画像が使用されるべき場合には、システムは第2の基準サイトR2(図示されているように、欠陥ダイに隣接する他のダイに存在する)にナビゲートしその第2の基準画像を収集し保存する。そして、工程2020に移行して欠陥サイトDに移動し収集された欠陥の画像を収集し保存する。
【0117】
2022において、基準画像(単数又は複数)を用いて、収集された欠陥の画像から実際の欠陥を特定するように試みる。ある実施の形態においては、パターン認識アルゴリズムは本発明の技術に関連して使用され、実際の欠陥を特定することも可能である。(欠陥を特定する方法は、図22と図23Aと図23Bに関連して以下に詳細に説明する。)欠陥がうまく特定できた場合には、工程2026で、ツールは欠陥についての適切な記述情報を保存出力し、ルーティンが終了する。例えば、欠陥形状に関する情報と共に、欠陥に関連するサイズと位置とアスペクト比を提供することができる。反対に、工程2024において欠陥がうまく見つからないと判定された場合には、ルーティンは欠陥をサーチして特定する手続きとなる。このことには、倍率変更及び/又はステージ移動を用いた設定可能な視野サーチを使用するような技術を含むこともできる。究極的には、ADRツールは欠陥についての適切な記述情報を出力するか、若しくは、例えば、欠陥が見つからなかったといった適切なステータスメッセージを出力する。適切なサーチ/特定ルーティンの一実施の形態が工程2028から2040に関連して説明される。
【0118】
まず、工程2028において、ルーティンは、サーチが可能か否か判定する。不可能な場合、工程2030において、(例えば、「欠陥が見つからなかった」といった)適切なステータスメッセージを出力する。しかし、特定方法が可能であれば、ルーティンは、工程2032に移行して、(例えば、サーチがこれ以上できないか否かのように)サーチが実行されうるか否かを判定する。実行されない場合、ツールは、工程2030において、適切なメッセージを出力する。さもない場合には、工程2034に移行して適正なサーチを開始する。例えば、倍率のサーチを行うか、スパイラルサーチを行うか、若しくは、それらの組み合わせを行うことができる。(この特定のサーチ方法は予め設定された基準に基づいて自動的に決められることもあるし、又は、ユーザーインタフェースを介して利用者による選択により決められることもある。)倍率サーチが選択された場合、ルーティンは工程2038に移行して倍率をインクリメントする。スパイラルサーチが選択された場合、ルーティンは工程2040に移行してスパイラルパターンに関連して関連のある報告された欠陥位置をインクリメントする。倍率/スパイラルサーチが選択された場合、ルーティンは工程2036で、倍率変更オプションがこれ以上ないか否か判定する。(この実施の形態において、倍率/スパイラルサーチが選択された場合には、ルーティンは、基本的には、初めに倍率サーチを行い、次いで、必要に応じて、スパイラルサーチを行う。)倍率サーチがこれ以上できない場合、ルーティンは工程2038で倍率をインクリメントする。それとは別に、倍率調整がなされた場合、ルーティンは工程2040で報告された欠陥位置を螺旋的にインクリメントする。倍率若しくは報告された欠陥位置がインクリメントされたか否かに係わらず、ルーティンは工程2016の初期のセクションに戻り、システムは異なる倍率及び/又は異なる報告された欠陥位置を除いて、以前に説明されたように進行する。このことは、実際の欠陥が特定されて出力されるか、又は、欠陥が位置決めされることなくサーチがこれ以上できなくなるまで続く。
【0119】
b)自動特徴評価(Automatic Characterization)
欠陥が位置決めされた後で、それは自動的に特徴評価(キャラクタライズ)される。特徴評価(キャラクタライゼーション)は、イオンビームを使用することによって欠陥表面の「上から下への(top−down)」画像を形成することも含んでいる。電子ビームは表面画像を形成するためにも使用されることがあるが、しかし、電子ビームは大抵表面に対してある角度で配向しており、画像はソフトウェアで修正されない限り歪んでいる。特徴評価(キャラクタライゼーション)は、画像処理してデホルトのアウトラインと中心を決めることも含んでいる。ある実施の形態においては、欠陥を特徴評価してその欠陥をどのようにして断面取りするかを決めるときに、欠陥のアウトラインが一工程として特徴評価(キャラクタライズ)される。ある種の実施の形態においては、アウトラインは、それを膨らませて以後の計算を過度に複雑にするようなエッジ効果とエッジ形状を取り除くことによって単純化される。それとは別に、欠陥は単純にボックスにより取り囲まれてアウトラインを決めることもある。他の実施の形態においては、実際の欠陥アウトラインが使用されることもある。アウトラインデータは欠陥のサイズや位置や形状や向きやアスペクト比などを含む情報を提供するために用いられる。
【0120】
各欠陥はこのアウトラインに基づいて分類される。例えば、指定された値例えば20:1を越えたアスペクト比を有する特徴構造は、欠陥でありそうもないので、利用者はシステムをプログラムしてそのような特徴構造を処理することをこれ以上しないようにする。システムがイオンビームによる自動化された処理のための欠陥を特徴評価(キャラクタライズ)するので、欠陥のタイプを単に特定するのみ必要なより詳細な特徴評価(キャラクタライゼーション)が必要である。
【0121】
欠陥のアウトラインが特徴評価(キャラクタライズ)された後で、欠陥の中心が位置決めされる。その中心は、例えば、欠陥アウトラインの重心計算、又は、添付の図面に示されたようなノーダル(節目)法、若しくは、単純に囲繞している矩形の中心を用いて位置決めされる。重心を決めるために重み係数として画像コントラストが使用されることもある。すなわち、明暗において背景からより逸脱している領域が欠陥の中心を決めるときにより重く重み付けされる。アウトラインと中心が決められた後で、欠陥が分類分けされて、断面をミリングするか否かのような更なる処理がなされて、断面化方針が決められる。
【0122】
本発明は自動欠陥特徴評価を使用して更なる処理のために集束イオンビームに命令を提要する。例えば、断面が欠陥の計算された中心に形成されて、アウトラインの縁部に伸ばされるか又はそこを所定量まで通り越すこともある。断面は、例えば、x軸又はy軸に沿って形成されるか、若しくは所定の角度を有して形成される。アウトライン欠陥がその欠陥が大きいことを示している場合、例えば一ミクロン以上の長い場合、5nAから10nAのような比較的に大きなビーム電流が断面形成のために使用され、そして、1nAのようなより小さなビーム電流が観察する前に断面の表面を平滑にするための微細なカット用に使用される。反対に、欠陥アウトラインが、ビアホールの欠陥のように、欠陥が小さいことを示している場合、350pAのようなより小さなビーム電流が使用され、そして、仕上げカット用にも対応する小電流が用いられる。業界で通常の技術を有する者は、各種のサイズの欠陥に対して適正なビーム電流を容易に決めることができる。
【0123】
断面化方針は、単一の断面を形成するようにすべきか、又は、走査電子顕微鏡画像を各断面の後に形成し、それによって、一連のスライスされた欠陥としての3次元データを提供することによって一連の断面を形成するようにすべきかを決定する。例えば、欠陥領域に対し100個の断面と画像が取られて欠陥の特徴評価がなされる。複数断面は、また、例えば、欠陥がコンデンサに沿って存在しているが欠陥位置が不明であることを電圧コントラスト画像が示している場合に役立つ。複数断面は欠陥を露呈させて位置決めをする。各スライスは画像だけではなく露呈された断面のEDS分析のような他の情報も有する。
【0124】
図22と図23Aと図23Bに関連して、欠陥画像特定方式の一例が説明される。図22は、欠陥が収集された欠陥の画像と基準画像からどのようにして特定(及び/又は分離)されるのかを示すプロセス図である。この方式に関して、基準画像が収集された欠陥の画像と比較(から減算)される。しかし、まず、収集された欠陥の画像2202は、アフィン(affine)変換のような適応した変換方式を用いて変換された基準画像2206に変換(クリーンアップ)される。互いに比較される前に、2208に示すように、必要に応じて、各画像が調整されることもある。そして、基準画像2206は収集された欠陥の画像2204から減算される。欠陥を示す残った差分画像は2210に示される。ここから、適切な画像処理技術を用いて、アウトライン画像2212が発生され及び/又は改善(refine)される。
【0125】
図23Aは異なるアウトライン改善方法を示している。膨張アウトライン技術はエッジ効果と不適切なアウトラインを最小限にする。囲繞ボックス法は一般的に最も簡単で迅速な方法である。複合的な欠陥アウトラインも、アウトライン改善方法を適用されることなく、維持される。
【0126】
図23Bは、特定された、欠陥の画像を改善するための及び/又は撮像すべき断面画像を推奨するルーティンを示している。この特徴は、欠陥の形状とサイズを用いて、単独又は複数の断面の実装を推奨する。それは、例えば、(以下に説明する)ADR支援2パス欠陥レビューを行うときに利用者に対する任意のアドバイザーとして、そして、自動化ツールのインテリジェントエージェントとして、使用されうる。後続の処理タスクを実行するためのソフトウェアは、ADRツールの一部であってもよいし、欠陥分析器システム内のいずれかに提供されるものでもよい。まず、2302において、ADRツールによって得られたときに、特定された欠陥データを取り出す。このデータは、各データ点の回転偏光されたリストとして欠陥アウトラインを改善(refine)する。2304において、欠陥アウトラインが改善されるべきか否かを判定し、改善すべき場合には、どのようなタイプの改善がなされるべきかを判定する。図示の実施の形態において、「膨らませ」方式が選択された場合、システムは2306において膨らませアウトラインアルゴリズムを実行し、判定工程2310に移行してどのタイプの断面中心操作が行われるべきであるかを判定する。それとは別に、「囲繞」ボックス法のような別の方法が選択された場合、システムは工程2312においてこの方法を実行し、そして工程2310に移行して断面中心操作が行われるべきかを判定する。アウトライン改善が行われない場合、直接工程231に移行して行われるべき断面中心操作を判定する。図示の実施の形態において、ノーダルセンタ又は重心若しくは中心高さセンタリング法が使用されうる。ここから、システムは選択された方法(ノーダルの場合は2308、重心の場合は2316、中心高さの場合は2314)を実行して、判定工程2318に移行して複数の断面を形成すべきか否かを判定する。複数の断面を形成する場合には、判定工程2320に移行してどのタイプの方法が用いられるべきであるかを決める。図示の実施の形態において、2322と2326においてパーセント欠陥(% of defect)操作を実行するか、若しくは、2324と2326において重心関連(mass related)操作を実行する。最後に、これが行われた後か又は複数の断面が形成されない場合には、工程2328に移行して欠陥画像処理の結果を、例えば、利用者や更新された欠陥ファイルや欠陥分析器構成部分である指定された宛先に戻す。
【0127】
c)別のADRリソース(Addition ADR Resource)
標準的なセットの試験構造物がウェファにミリングされて、ADR実装の再配置精度を試験する。ADR構成部分が修正されたときには、このウェファは自動的に戻されて再配置精度の基本的な基準値を提供する。更に、画像ライブラリも構成されることがある。試験のためのリソースを提供するために、利用者は典型的な最悪ケースの画像のライブラリを作ることもできる。
【0128】
i)ADR実証(ADR Validation)
欠陥分析システムに一般的に関連した異なる利用ケースが以下に説明されるが、ここではADR実証利用ケースがADRの一機能として説明される。欠陥エクスプローラの興味のある一使用例は、自動欠陥再配置(ADR)の実証である。(ADRは以下に説明する。)ADR実証は、一般的に、自動欠陥再配置操作を行うことと、欠陥エクスプローラを用いてその結果を検討することと、適切にADR機能を調節することからなる。このことには、引き続いて、欠陥のデータを変更してミリングレシピを割り当てることもできる。
【0129】
ある特定の実施の形態においては、ADR実証を実行する方法が次のような一般的なタスクによって行われる。すなわち、(1)ADRを用いての欠陥サイト処理と、(2)サイトのタグ付けと、(3)タグ付けされたサイトの処理とデータの検討である。
【0130】
ADRを用いての欠陥サイト処理の最初の工程に関して、ウェファが手動か若しくは工場において自動でDAに配送される。そしてウェファは搭載されてその指定されたサイトが処理される。このような処理は、大抵は、(1)欠陥にナビゲートし、(2)ADRを介して欠陥を再検出し、(3)上から下への(top−down)画像を得て、(4)重要なプロセスイベントを報告し、(5)次のサイトにナビゲートされ、全てのサイトが処理されるまで、これら工程を繰り返すことからなる。そして、ウェファは大抵取り出される。
【0131】
次のサイトのタグ付けタスクは、オンライン若しくはオフラインのいずれにおいても行うことができ、実証されるべき欠陥サイトにタグを付けることを行う。まず、欠陥エクスプローラを用いて各サイトには断面処理又はスライスアンドビュー処理若しくは他の処理のためにタグが付される。ここから、欠陥アウトラインが以下に説明する方法で任意にリサイズされそして再配置される。
【0132】
最後に、タグ付けされたサイトが処理されてデータが検討される。これをするためには、ウェファが搭載されてシステムがタグ付けされたサイトにナビゲートされる。欠陥は再配置され断面(XS)又は自動スライスアンドビュー(AS&V)機能が実行される。そして、画像データが獲得されて重要なプロセスイベントが(施設ホストに)報告される。そして、これらの工程は、全てのタグ付けされたサイトが処理されるまで、他のタグ付けされたサイトでも繰り返され手、ウェファが取り出される。最後に、オンライン又はオフラインのどちらかでデータが欠陥エクスプローラにおいて検討され、そして、例えば、収量(Yield)マネージャ(YM)に出力される。
【0133】
このADR実証利用ケースは、いくつかの利点を有する。それはオペレータが数多くの欠陥を処理することの必要を有さずにそれらに対して自動欠陥再配置を実行することを可能にする。オンライン又はオフライン実証工程を提供することによって、問題のあると知られた欠陥だけが処理される必要がある。それはウェファに対する損傷を最小限にする。問題の欠陥のみが処理されるので、不必要なミリングが回避される。それはシステムの効率を最大限にする。再び、問題の欠陥のみが処理されるので、システムの処理時間が最適化される。このことは有効データ量を増やして、オペレータの時間の重要性を最大にする。
【0134】
ii)ADR画像パラメータ(Exemplary ADR Image Parameters)
ある実施の形態において、以下の仕様がADRソフトウェア構成部分のために使用された。検出可能な欠陥の最小サイズは、9ピクセル(3×3)である。(30mmの視野において、このことは1乃至10nmの欠陥に相当する。)検出可能な欠陥の最大サイズは、通常視野領域の<35%である。信頼性に関しては、電子ビーム可視欠陥に対して80%を越える成功レートである。アウトライン精度は、欠陥ピクセルの80%以上がアウトライン化され、そして、アウトライン化されたピクセルのたった20%が欠陥ピクセルではないようにすべきである。処理時間は5秒未満とし、システムは特徴構造の存在しない背景に対する欠陥設定を特定することができるべきである。(システムは、ベアーウェファ用にも使用されるし、製造された構造物を有するウェファにも使用される。)更に、ソフトウェアは、複雑な(ベクトル若しくはそれと均等な表現)欠陥アウトラインを返すこともできる。重心や囲繞ボックスや回転配向性を返すオプションも可能である。ソフトウェアは、又、アウトライン化された欠陥の信頼性レベルを報告することもできる。このことは、欠陥ピクセルと基準画像の対応するピクセルの間のコントラストの差異の質的な指標を提供する。断てば、ソフトウェアは全ての位置決めされた欠陥のアウトラインデータ及び信頼性データを少なくとも9ピクセルの大きさで返すことができる。更に、制限されたサーチ領域も定義可能である。例えば、欠陥の画像のエッジの25ピクセルで欠陥のためのサーチしないことは有利である。任意の角度で構造物を回転することもサポートされるべきである。それらの画像にとって、視野はアレイの単位セルの長軸の少なくとも3倍にすることができる。
【0135】
7.トレーニングモジュール(TRAINING MODULE)
ある実施の形態において、ADRが実際の欠陥ウェファの欠陥を位置決めするのに使用される前に、新たな製品がシステム内に導入された場合には多くのウェファ固有の校正がトレーニングされることを一般的に必要とする。トレーニングモジュ−ルは、利用者がシステムにどのようにウェファを調整するか、すなわち、どのようにして調整ポイントにドライブして画像を取り出し、パターンの起源を認識発見することを教授することを可能にする。トレーニングモジュ−ルは、又、2つのビームが合致するステージ高さを(容量プローブの電圧出力から)判定すると共に、電圧対高さ曲線を校正して容量センサの電圧出力がワークピースの頂面とイオンビーム又は電子ビームの間の距離の変化に対して適応するために使用されるようにする。
【0136】
トレーニングモジュ−ルによって行われる校正は、ゼロ度と傾斜時におけるダイ起源の電子ビーム画像とイオンビーム画像の校正と、ゼロ度と傾斜時における最大調整の校正と、ゼロ度と傾斜時における容量プローブ設定ポイントの校正を含む。トレーニングモジュ−ルは、好適には、トレーニングモジュ−ルは、製品全体の完全な再トレーニングすることなく(例えば、容量プローブ設定ポイントは最大調整を再トレーニングする必要なく校正される)、トレーニングすべき、そして、必要に応じて再トレーニングすべき個別の製品固有の校正パラメータを可能にする。
【0137】
典型的なシステムにおいて、トレーニングは実行時に自動的に行われるが、全ての校正の強制的なセットアップが必要とされうる。このことは利用者にとって簡単であるが、パラメータがトレーニング又は再トレーニングをするのに必要であるときにはいつでも、利用者が製品の完全なトレーニングすることを阻止する。このように、ある実施の形態においては、利用者がジョブに先だっていつでも個々の校正パラメータをトレーニングすることを可能にするインタフェースが提供される。このことにより、データベースが直接校正パラメータを製品タイプに関連付けすることを可能にし、単独のパラメータを完全な再トレーニングすることなく再トレーニングすることを可能にし、複雑で獲得するのに難しいパラメータが必要に応じてトレーニングされることを可能にし、更に、必要が生じたときにそこに他の校正パラメータが加えられる一般的なモデルを確立する。レシピと製品実証に呼応して、複数のパラメータのトレーニングを介して利用者を案内するためにセットアップウィザードも使用されることがある。
【0138】
トレーニングモジュールは単純な小トレーニング構成部分−欠陥分析器のアナログ部分を実行する。構成により利用者を案内するために、各ツールが生成される。例示のために、容量プローブ校正ツールは、単純に、利用者に合致高さを見出させるようにするダイアログを発生させて、OKをクリックすることもある。たぶん、ボタンが校正を試験するために容量プローブの高さにステージを移動することもあるが、しかし、失敗しないためには他の構成に対する依存性は全く存在しない。図24は、各校正ルーティンを開始して保存するための方法を提供する単純なインタフェースを図示している。
【0139】
このやり方の利点は、「ウィザード」が容易に生成でき個々の構成部分を一緒に連続化することができることである。そのようなトレーニングシーケンスは、同様に、実証工程によって若しくはデホルトの新製品トレーニングとして容易に生成される。これらの個々の構成部分は、又、新規または旧式の製品パラメータに対してある種のトレーニングを必要とするか又はそれを推奨される毎日の校正ジョブによってアクセスされうる。
【0140】
C.欠陥分析方法(Defect Analysis Process)
図24は、欠陥分析方法の一実施の形態を図示している。ワークフロー手順は、3つの基本的な層を有する。ジョブセットアップ層2400とサイトセットアップ層2430とサイトプロセス層2450である。ジョブセットアップ層において、利用者は(欠陥ファイルを指定するような)パラメータを定義し、所望のジョブを行うために必要なレシピを作成する。サイトセットアップ層2430においては、ウェファが搭載されて調整され、そして、欠陥が特定されて基点でマークされ、欠陥分析器システムがサイトプロセス層で自動的に欠陥を位置決めしてビームを調整する。サイトプロセス層2450において、システムはジョブ内で各欠陥に向かってドライブし、プロセスレシピを実行する。この層は、ある種の実施の形態において他の層の一部又はその全てと共に、自動化されている。
【0141】
このワークフローはモジュラー式であって、個別の時間で個別の利用者によって実行される個別の層に分割されうる。例えば、ある利用者はジョブセットアップ層2400のジョブパラメータを定義し、別の場所の別の利用者はサイトセットアップ層2430の欠陥をマークすることもある。サイトプロセス層2450において、システムは無人でたぶん夜通しで作動するように設定される。
【0142】
図24に関連して、図示されたジョブセットアップ層2400を説明する。判定工程2402において、システムは予め存在する保存されたジョブが実行されるべきか否かを判定する。(このことは利用者からの入力に基づくか又はシステムパラメータに基づく。)予め存在するジョブが実行されるべきである場合、工程2432においてサイトセットアップ層2430に移行する。しかし、新たなジョブが作られるべきある場合、工程2404に移行してまずウェファトレーニングをする。図示の実施の形態において、このことは製品識別子を指定し、調整トレーニングをし、欠陥ファイルをロード(選択)する。工程2406において、レシピが作成される。このことは、通常、ジョブ/レシピビルダーインタフェースを介して利用者によりインタラクティブに行われる。判定工程2408において、システムはそのレシピのみが実行されるべきか若しくはセットアップレシピも実行されるべきか否かを判定する。セットアップレシピも実行されるべきである場合には、工程2410に移行してセットアップレシピを作成する。例えば、利用者に対してインタラクティブにセットアップレシピを作成するように求める。ここから、システムは工程2412に移行してジョブレシピ(又はプロセスレシピ)を作成する。判定工程2408においてセットアップレシピが処理されるべきでないと判定された場合、システムは工程2412に直接移行してジョブプロセスを作成する。ここから、システムは工程2432に移行してサイトセットアッププロセスを開始する。
【0143】
工程2432において、システムはジョブを開始し、ジョブウェファ入力に入る。工程2434として、ウェファが搭載されて調整される。工程2436において、システムは欠陥に向かってドライし(ナビゲート)する[システムが欠陥サイトに向かって「ドライブ」又は「ナビゲート」するときが何によって起こるのか?]
ここから、システムは工程2442に移行してセットアップレシピが存在しているか否かを判定する。存在するのであれば、工程244においてセットアップレシピが既に実行されているか否かを判定する。しかし、セットアップレシピが存在しないのであれば、直接にサイトプロセスセクション2450に移行して工程2452においてそのレシピ(プロセス)を実行する。
【0144】
工程2444に戻って、セットアップレシピがまだ実行されていない場合、工程2446においてそのセットアップレシピを実行する。このセットアッププロセス実行工程において、利用者が大抵欠陥を特定し適当な基点によってそれをマークする。しかし、セットアップレシピが既に実行されていると判定された場合、ルーティンは、再び、サイトプロセスセクション2450に移行してシステムがそのレシピを実行する。工程2446にも取って、セットアップレシピが実行され(欠陥が適切にマークされた)後で、ルーティンは判定工程2448に移行してマークすべき別の欠陥が存在しているか否か判定する。もしあれば、ルーティンは工程2436に移行して、次の欠陥に向かってドライブする。ここから、以前に説明されたような手続きが続行する。反対に、工程2448においてマークする別の欠陥が存在しないときには、ルーティンは、サイトプロセスセクション2450に移行して工程2452においてそのレシピを実行する。
【0145】
例えばレシピが実行されたように、工程2452が実行された後で、ルーティンは、判定工程2438に移行して処理すべき別の欠陥が存在するか否かを判定する。存在しない場合には、判定工程2440に移行して処理すべき別のウェファが存在するか否かを判定する。存在しない場合には、ルーティンは終了する。反対に、別の欠陥が存在する場合には、ルーティンは工程2434に戻って処理すべき次のウェファを搭載して調整し、そして、以前に説明されたような手続きが続行する。判定工程2438に戻って、搭載されたウェファに別の欠陥が存在する場合には、ルーティンは工程24364に戻って次の欠陥に向かってドライブする。
【0146】
図示の実施の形態において、サイトプロセスセクションはジョブレシピを実行する単独の工程からなる。どのようにジョブレシピが実行されるのかに関する追加の情報のためのシーケンサーセクションについて言及する。
【0147】
1.利用ケース例(EXENMPLARY USE CASE)
本発明の欠陥分析システムは前記プロセスの全て又はその一部を組み込んだ様々な方法において使用されうる。このシステムを使用する多くの方法が存在するが3つの利用ケースの例が提示される。(一つの利用ケースは単純に欠陥分析システムのパーツの全て又はそれらの組み合わせが使用される方法である。例えば、上記のADR実証プロセスは利用ケースである。)ここで説明される3つの基本的な利用ケースは、検討と分析と検討/分析である。
【0148】
図25に関連して、「検討」利用ケースルーティンが図示されている。まず、工程2502において、システムは第1のウェファの第1の欠陥サイトを選択する。工程2504において、システムはこの欠陥サイトに向かってステージを移動する。ここから、判定工程2506に移行してダイ変更が起こったか否かを判定する。ダイが変わった場合には、システムは工程2508に移行してシステムをダイ基点に移動して、再調整し、試料をユーセントリック(eucentric)高さに設定する。ここから、工程2510においてシステムを現在のサイトに移動する。そして、工程2512に移行してADRツールを用いて問題の領域(ROI)に対し倍率と再調整を設定する。それとは別に、工程2506においてダイが変わっていない場合には、システムは直接工程2512に移行して倍率と再調整を設定する。ここから、システムは工程2514において上から下に向けての(top−down)画像又は断面画像を取り込む。次いで、工程2516において、最後のサイトが検討されたか否かが判定される。検討されていない場合には、工程2518において次のサイトを選択し、工程2504に戻り、前記のような作業を続行する。検討されていた場合には、システムは工程2520に移行してウェファを取り出して、もし適切な場合には、次のウェファに対し処理を繰り返す。
【0149】
この利用ケースに関し、欠陥分析器システムは一つのパスを用いる。欠陥の検討は自動化されたプロセスである。それは電子ビームを用いて上から下に向けての(top−down)画像又は断面画像を取り込む。イオンビームは使われない。従って、システムはステージを各欠陥サイトに向かって2度ドライブすることはない。利用者はプロセスを始めることだけを必要とする。
【0150】
図26Aと図26Bは、各欠陥を分析するための利用ケースルーティンの例を図示している。このプロセスは以下の基本的な工程からなる。すなわち、(1)レシピ(単数又は複数)によってジョブを構築することと、(2)レシピを欠陥に関連付けし(例えばシーケンサーによって)ジョブを実行することと、(3)欠陥エクスプローラを用いて欠陥サイトに再度アクセスして分析することである。サイト検査はサイトからサイトに移行することもある。データ検討とサイトのタグ付けはオンライン若しくはオフラインにおいて行われる。この利用ケースに関しては、欠陥分析器は2つのパスを有する。それはサイトセットアップとサイトプロセスである。2つのパスのサイト検査プロセスは、欠陥分析器が利用者なしで欠陥を探査することを可能にする。調整後に、最初のパス(サイトセットアップ)がスタートする。第2のパスは完全に自動化されたプロセスである。利用者はオンスクリーンで起こっているプロセスを見ることができ、リアルタイムモニタ上でミリングも見ることができる。
【0151】
図26Aに関連して、まず、工程2602において、システムは最初の欠陥サイトを選択する。2604において、次にステージはこのサイトに移動される。システムは、次いで、工程2606において、サイト起点にナビゲートされる。工程2608において、ビーム合致ツールが起動される。次いで、工程2610において、システムツールはシステムを現在のサイトに移動する。次いで、工程2612において、レシピ中で実行されるべきツールが構成される。これらのツールは調整ツールや画像取り込みツールや起点ミリングツールを具備する。次いで、2614において、システム設定がシステム設定ツールによって保存される。判定工程2616において、システムはセットアップする別のサイト欠陥が存在するか否かを判定する。存在する場合、工程2624に移行して次の欠陥サイトを選択して工程2604に戻り、そして、以前に説明されたような手続きが続行する。それとは別に、残った別のサイト欠陥が存在しない場合、ルーティンは判定工程2618に移行して処理する他のウェファが存在するか否かを判断する。他のウェファが存在する場合には、工程2626に移行して次のウェファを選択して工程2602に戻って、新しいウェファの第1のサイトを選択する。ここから、以前に説明されたようなルーティンが続行する。最後のウェファが処理された場合、ルーティンは工程2620に移行して次のパス(サイトプロセス)に移行する。
【0152】
図26Bに関連して、第2のパス(サイトプロセス)を説明する。工程2630において、最初の欠陥サイトが選択される。次いで、2632において、システムパラメータが最初のパスの最後のもののように設定される。工程2634において、基点に基づいて再調整が実施される。次いで、工程2636乃至2640において、パターン化ツールが金属堆積とバルク断面及び/又は断面微細化のために使用される。工程2642において、断面画像が取り込まれる。このことには、画像ラベリングや画像ネーミングや保存が含まれている。2644において、システムは検討されるべき別のサイトが存在するか否かを判定する。存在する場合、工程2646で次の欠陥サイトを選択してそれに向かってドライブし、工程2632に戻り、そして、以前に説明されたような手続きが続行する。反対に、欠陥サイトが検討すべきウェファの最後のサイトである場合、ルーティンは判定工程2648に移行して分析すべき他のウェファが存在するか否かを判断する。他のウェファが存在する場合には、システムは工程2650で次のウェファを選択して工程2630に戻って、新しいウェファの第1のサイトを選択する。ここから、以前に説明されたようなルーティンが続行する。工程2648においてウェファが最後のウェファである場合、ウェファが取り出されて分析処理が終了する。
【0153】
図27は、検討及び分析利用ケースの流れ図を図示している。工程2702において、システムは最初の欠陥サイトを選択する。次いで、工程2704において、そのサイトのダイに向かってステージが移動される。ここから、判定工程2706に移行してダイ変更が起こったか否かを判定する。ダイが変わった場合には、システムは2708に移行してダイ基点を再調整する。ここから、システムが工程2710に移行して現在のサイトに向かって移動する。ここから、工程2712に移行してビーム合致ツールを実行する。次いで、2714で、システムは現在のサイトに向かって移動する。次いで、ADRツールを用いて問題の領域(ROI)に対し倍率と再調整パラメータを設定する。それとは別に、判定工程2706において十分にダイ変更がなされていない場合には、システムは直接工程2716に移行してADRツールを用いてROIに対して倍率と再調整パラメータを設定する。ここから、システムは工程2718において上から下に向けての(top−down)画像と基点をミリングする。次いで、工程2720乃至2724において、システムはパターン化ツールを実行する。このパターン化ツールは金属堆積とバルク断面化及び/又は最終断面化をすることができる。次いで、工程2726において、システムは断面画像を取り込む。このことは画像ラベリングや画像ネーミングや保存を含む。工程2728において、検討/分析する別の欠陥サイトが存在するか否かを判定する。もしあれば、工程2730において次のサイトを選択し、工程2704に戻り、前記のような作業を続行する。反対に現在のウェファにおいては他のサイトが残っていない場合には、システムは適切な場合には、次のウェファを搭載して処理する。
【0154】
この利用ケースに関し、欠陥分析器システムは一つのパスを用いる。この単一パス処理は欠陥分析器が利用者なくても欠陥を探査することを可能にする。利用者は、オンスクリーンで起こっているプロセスを見ることができ、リアルタイムモニタ上でミリングも見ることができる。
【0155】
D.リマークス(Remarks)
欠陥分析器システムの各実施の形態は、欠陥検討機能と3次元分析機能の双方を提供することができる。手動計測のために半自動式で使用されることもある完全に自動化された欠陥分析ツールである。X線分析は欠陥分析ツールの一機能である。それは銅デュアルダマシン(copper dual damascene)や化学機械研磨や高アスペクト比を含む0.13μm以下の処理マーケットのための高品質欠陥分類データを配信する。
【0156】
欠陥特定基点の使用は、従来の基準基点に比べていくつかの利点を提供する。例えば、それらはミリングと撮像のための2つのビームによる欠陥の位置決めを容易に行う能力を提供する一方欠陥への損傷を最小限にする。単独の欠陥特徴評価(キャラクタライゼション)ツールにおいてイオンビームと電子ビームの双方を組み合わせることによって、出願人は先行技術よりも多くの欠陥についての情報を提供することができる。例えば、2つのビームからの画像は異なって見えることがあるが、それはワークピースの原子の質量につての情報を提供し、更に、更なる分析が好ましいものであることを示す。表面にほとんど垂直に配向されたビームを使用することより、傾斜されたビームから得られる情報に比べてより正確なサイズ情報を提供することができる。このより正確な情報は、断面化のような以後の処理を制御するために使用される。
【0157】
例えば、上から下に向かって(top down)の画像が埋設された特徴構造を示している場合、断面がミリングされて撮像される。上から下に向かって(top down)の画像が長い欠陥を示している場合、複数の点においてミリングされることもある。欠陥の特徴評価は、荷電粒子ビームカラムの設定を決定するために使用されることができる。例えば、大きな欠陥が検出された場合、カラム内に大きなアパーチャが用いられて高電流を発生する。電流の変動は一般にビームの再調整を必要にする。そのような再調整は基点上で容易に行われうる。先行技術においては、欠陥特徴評価は以後の処理を制御するためには使用されていず、必要な細部のレベルははるかに小さい。
【0158】
イオンビームと電子ビームは好適には正確に調整され、すなわち、それらは同じ点で撮像される。先行技術においては、ビームは両ビームから欠陥画像を観察して画像が調整されるまで一方のビームを再び位置決めすることによって通常調整されていた。この調整方法は、両ビーム、特にイオンビームが欠陥に衝突するときに欠陥が損傷を受けるので、望ましくない。反対に、本発明の各実施の形態に関して、ビームは物理的に調整される、すなわち、両ビームはワークピースを移動することなくワークピース上の同じ点に衝突するか、又は、「コンピュータによる調整」すなわちビームの各衝撃点は既知の量だけ異なっており、他のビームが使用された場合にはワークピースは既知の量だけ移動される。この技術はビームカラムがワークピースのより近くに配設されることを可能にするが、このことはビーム分解能を改善する。
【0159】
好適な実施の形態において、調整手順は、最も近接するダイ起点が双方のビームの下にあるようにステージを移動することより開始される。ダイ起点は一般に基準マークでマークされる。最も近接するダイ起点は、欠陥が存在するダイとは異なるダイ上にあることもある。電子ビーム軸がイオンビーム軸に対して傾斜しているので、イオンビーム画像と電子ビーム画像のづれは、ステージの高さを変えることによって除かれる。ステージは画像が合致するまで昇降される。ステージの高さが調節されて両ビームが合致された後で、欠陥が両ビームのスキャンパターン内に存在するようにステージが移動される。状況に応じて、起点を観察して起点画像のづれに基づいてステージ高さの微調整をすることによって、両ビームの合致が更に調整される。ウェファが撓んであることがあり、ビームカラムからの頂面の高さが異なることがあるので、容量センサが用いられてステージが移動したときのビームカラムに対するウェファ頂面の高さを一定に維持する。
【0160】
本発明は広範な用途を有し上記の実施の形態に図示及び説明されているような多くの利点を提供するものである。実施の形態は特定の用途に依存して大きく変わるものであり、必ずしも全ての実施の形態は全ての利点を提供するものではなく、本発明によって達成される全ての目的に合致するものでもない。例えば、上記の実施の形態のうちの一つにおいては、電子ビームとイオンビームがワークピース上の同一点に狙いを定めている。他の実施の形態においては、両ビームは異なる点に狙いを定めており、ワークピースは所望のビーム下にある適切な点に平行移動される。
【0161】
本発明とその利点が詳細に説明されてきたが、添付の特許請求の範囲に記載された発明の精神と範囲を逸脱することなく各種の変更代替改変がなされうることは理解されるべきである。更に、本発明の範囲は明細書に記載されたプロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法及び工程の特定の実施の形態に制限されることを意図するものではない。業界で通常の知識を有する者は、本発明の開示事項から、プロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法及び工程を容易に理解できるので、既存の又は今後開発されるものであって上記に記載された対応する実施の形態と実質的に同じ機能を実行し又は実質的に同じ結果を得るものは、本発明に従って利用されうるものである。従って、添付の特許請求の範囲は、その範囲内にそのようなプロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法及び工程を含めることを意図するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラブルシューティングをするために又は微細加工方法を改良するために、迅速なフェードバックを提供する欠陥特性評価(キャラクタライゼーション)システムであって、
半導体ウェファ内で欠陥の位置を決めて、その欠陥を特性評価(キャラクタライズ)して適切な分析方法を決め、自動的に決定された分析方法を実行する構成要素を有する欠陥特性評価(キャラクタライゼーション)システム。
【請求項2】
前記分析が、ウェファ内の一又はそれ以上の埋設面を露呈して、その露呈された面を撮像することを含むことを特徴とする前記請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記分析が、露呈された表面で化学的な分析を行うことを含むことを特徴とする前記請求項1に記載のシステム 。
【請求項4】
複数の欠陥が欠陥ファイルを作成する検査システムによってまず見つけられるが、その欠陥ファイルは、高分解能映像システムを用いてそれらの欠陥の位置を見つけるために使用され、その位置を見つけられた欠陥を特性評価(キャラクタライズ)して分析方法を決めるのにも使用され、該分析方法は自動的にそのシステムによって実行されることを特徴とする前記請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
高分解能映像システムが、イオンビーム撮像システム、走査電子顕微鏡、光学顕微鏡のうちの少なくとも一つを有していることを特徴とする前記請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記分析方法がウェファの複数の断面部分をカットし、それらの部分をEDS分析によって試験して3次元の元素情報を提供することを特徴とする前記請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
半導体製造施設内での製造中にウェファの欠陥を特性評価(キャラクタライズ)する方法であって、
(a)半導体ウェファを検査して複数の欠陥の位置を決める工程と、
(b)位置決めされた複数の欠陥に対応する各位置を欠陥ファイルに格納する工程と、
(c)複式荷電粒子ビームシステムを、欠陥ファイルからの情報を用いて、自動的にその欠陥位置の近傍にナビゲートする工程と、
(d)欠陥を自動的に特定し、その欠陥の荷電粒子ビーム画像を得る工程と、
(e)荷電粒子ビーム画像を分析して、その欠陥を特性評価(キャラクタライズ)する工程と、
(f)その欠陥の更なる分析のためのレシピを決定する工程と、
(g)該レシピを自動的に実行して、荷電粒子ビームを用いて、欠陥部分をカットするが、そのカット部分が荷電粒子ビーム画像の分析に基づくものである工程と、
(h)荷電粒子ビームカットによって露呈された面を撮像して前記欠陥についての別の情報を得る工程とからなる方法。
【請求項8】
更に、自動的にレシピを実行する前に荷電粒子ビーム画像の分析結果に関連して荷電粒子ビームパラメータを自動的に調節する工程を有することを特徴とする前記請求項7に記載の方法。
【請求項9】
荷電粒子ビーム画像を分析し、その欠陥を特性評価(キャラクタライズ)する工程がその欠陥のアウトライン又はその欠陥の中心若しくはその欠陥のアウトラインと中心の双方を自動的に決定することを含んでいることを特徴とする前記請求項7に記載の方法。
【請求項10】
欠陥を自動的に特定し、その欠陥の荷電粒子ビーム画像を得る工程が、その欠陥の近傍のワークピースに基点(フィデューシャル)をカットすることを含んでいることを特徴とする前記請求項7に記載の方法。
【請求項11】
レシピを実行する工程が、基点(フィデューシャル)の位置決めをし、基点(フィデューシャル)のイオンビーム画像と電子ビーム画像の重ね合わせによって電子ビームとイオンビームを調整し、前記基点(フィデューシャル)からの既知の変位によってその欠陥の位置を見つけることを含んでいることを特徴とする前記請求項10に記載の方法。
【請求項12】
複数のウェファが検査され、複数の欠陥が欠陥ファイル内に格納され、複数の欠陥が特定されて荷電粒子ビームシステムを用いて撮像され、それらの欠陥を分析するための複数のレシピが決定され、そして、それらの欠陥がウェファ上で再配置(リロケート)されてそれらのレシピが複数のウェファ上で実行されることを特徴とする前記請求項7に記載の方法。
【請求項13】
問題の特徴構造(フューチャ)を分析する工程が、EDS又は同様の分析技術を用いた最適元素分析のために欠陥のサイズと形状に基づいて荷電粒子ビームパラメータを自動的に調節することを含んでいることを特徴とする前記請求項7に記載の方法。
【請求項14】
自動的に欠陥を特定する工程が、欠陥を含んでいると判断された領域の荷電粒子ビーム画像を得ることと、基準ダイの欠陥を含んでいない対応する領域の荷電粒子ビーム画像を得ることと、それらの画像を比較してその欠陥を特定することを含んでいることを特徴とする前記請求項7に記載の方法。
【請求項15】
オブジェクト内の欠陥を分析するシステムであって、
(a)そのオブジェクトを撮像する電子ビームと、
(b)そのオブジェクトをミリングするイオンビームであって、電子ビームとイオンビームがオブジェクトの所望の位置で衝突することができるものと、
(c)(i)それを制御して所望の画像部分を撮像する電子ビームと、(ii)それを制御して所望のミリング部分をミリングするイオンビームに通信可能に接続されるように適合された処理デバイスと、
(d)前記処理デバイスによって実行されたときに、前記撮像とミリングをし、欠陥ファイルからの情報を用いて欠陥を特定し、電子ビーム又はイオンビームによって形成される欠陥の画像に基づいて欠陥を特性評価(キャラクタライズ)し、その欠陥の特性評価(キャラクタライゼーション)に基づいて欠陥を覆っている材料部分を取り除いて欠陥を露呈し、欠陥の露呈部分を分析するためにシステムを制御する各命令を含んでいるコンピュータ読み取り可能な媒体とからなるシステム。
【請求項16】
前記命令が、更に、イオンビームが欠陥近傍のオブジェクトに基点(フィデューシャル)をミリングする命令を含んでおり、該基点(フィデューシャル)がシステムに欠陥についての物理的な情報を搬送する物理的性質を有するものであることを特徴とする前記請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
イオンビームと電子ビームが重複した位置でオブジェクトに衝突するように調整されることを特徴とする前記請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
イオンビームと電子ビームが異なる位置でオブジェクトに衝突するように調整され、前記命令がワークピース表面上のポイントがイオンビームの又は電子ビームの下に来るようにそのポイントを再配置(リロケート)して、いずれかのビームがそのワークピースの同じポイントを撮像するか若しくはミリングするために使用されるようにすることを特徴とする前記請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
オブジェクト内の欠陥を分析するシステムであって、
(a)そのオブジェクトを撮像する電子ビームと、
(b)そのオブジェクトをミリングするイオンビームであって、電子ビームとイオンビームがオブジェクトの所望の位置で衝突することができるものと、
(c)(i)それを制御して所望の画像部分を撮像する電子ビームと、(ii)それを制御して所望のミリング部分をミリングするイオンビームに通信可能に接続されるように適合された処理デバイスであって、前記撮像とミリングが前記プロセッサデバイスによって実行される命令に基づくものであり、その命令がイオンビームを制御して報告された欠陥の近くのオブジェクトに基点(フィデューシャル)マークをミリングする命令を含んでおり、該基点(フィデューシャル)がシステムに欠陥についての物理的な情報を搬送する物理的性質を有するものとからなるシステム。
【請求項20】
基点(フィデューシャル)マークのサイズが欠陥のそれに比例しており、それによって、システムが基点(フィデューシャル)マークのサイズを決定することによって欠陥の相対的な大きさを決定することができることを特徴とする前記請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記命令が、欠陥分析器アプリケーションと、利用者が基点(フィデューシャル)をミリングすることを制御可能にする基点(フィデューシャル)ツールを含む欠陥分析ツールを利用者に対して提供するためのツールコンポーネントを有することを特徴とする前記請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
ツールコンポーネントが、基点(フィデューシャル)マークを用いて電子ビームとイオンビームを自動的に集束することによってビームの合致を達成する自動合致ツールを有することを特徴とする前記請求項19に記載のシステム。
【請求項23】
半導体ウェファ内の欠陥を分析する欠陥分析システムであって、
ウェファ内の欠陥を分析する少なくとも2つの荷電粒子ビームと、
該少なくとも2つの荷電粒子デバイスを用いて欠陥の分析を行う、ソフトウェアコンポーネントを装備した少なくとも一つの処理デバイスであって、前記ソフトウェアコンポーネントが実行時にジョブビルダーとシーケンサーと欠陥エクスプローラを提供するものとからなる欠陥分析システム。
【請求項24】
前記ジョブビルダーが、前記シーケンサーによって実行されるべき欠陥分析方法を利用者が構築することを可能にするインタフェースを提供すること特徴とする前記請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記ジョブビルダーインタフェースが、スライスアンドビューツールコンポーネントを含むツールコンポーネントにアクセスすることができること特徴とする前記請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記ジョブビルダーインタフェースが、利用者がシーケンサーによって実行されるときに停止すべき分析方法の条件を定義することを可能にするポーズツールコンポーネントを含むツールコンポーネントにアクセスすることができること特徴とする前記請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
更に、ウェファの分析から得られたデータを格納するデータベースを有し、該データベースが欠陥エクスプローラを通じて前記データにアクセスされるローカルとリモートのコンピュータに接続されていること特徴とする前記請求項23に記載のシステム。
【請求項28】
半導体ウェファ内の欠陥を分析するための欠陥分析システムであって、
ウェファ内の欠陥を分析する少なくとも2つの荷電粒子ビームと、
該少なくとも2つの荷電粒子デバイスを用いてウェファ内の欠陥の分析を行う、ソフトウェアコンポーネントを装備した少なくとも一つの処理デバイスであって、前記ソフトウェアコンポーネントがシステムに(1)以前に特定された欠陥を自動的に再配置(リロケート)させ、(2)その欠陥のサイズと形状を決定させ、(3)欠陥の画像倍率を適切な値に調整させ、(4)荷電粒子ビームパラメータを調節させ、(5)ビームパラメータの変動によって必要に応じて少なくとの2つのビームの調整を維持させるようにするものとからなる欠陥分析システム。
【請求項29】
前記ソフトウェアコンポーネントが、更に、システムに欠陥のサイズと形状に応じて自動的に適切なビームアパーチャを選択させてビームサイズと電流を制御するようにすること特徴とする前記請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
半導体ウェファ内の欠陥を分析するための欠陥分析システムであって、
複数のダイを有するウェファ内の欠陥を分析する少なくとも2つの荷電粒子ビームと、
該少なくとも2つのビームに関連して前記ウェファを受け取って位置決めする制御可能なステージと、
前記少なくとも2つの荷電粒子デバイスを用いて前記ウェファ内の分析を行う、ソフトウェアコンポーネントを装備した少なくとも一つの処理デバイスであって、前記ソフトウェアコンポーネントが前記複数のダイにおいて自動的に行われるべき分析ジョブを利用者が定義することを可能にするジョブビルダーとその定義されたジョブを実行しその定義されたジョブに応じてダイを分析するシーケンサーを提供し、個々のダイを分析するために利用者がステージによって移動される通路を指定することを前記ジョブビルダーが可能にするものとからなる欠陥分析システム。
【請求項31】
個々のダイを分析するためにステージ移動の曲がりくねった通路が指定されること特徴とする前記請求項30に記載のシステム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図3I】
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【図3J】
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【図3K】
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【図3L】
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【図3M】
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【図3N】
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【図3O】
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【図3P】
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【図3Q】
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【図3R】
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【図3S】
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【図3T】
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【図3U】
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【図3V】
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【図3X】
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【図3Y】
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【図3Z】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図4H】
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【図4I】
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【図4J】
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【図4K】
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【図4L】
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【図4M】
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【図4N】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図10G】
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【図10H】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24】
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【図25】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−199323(P2011−199323A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147754(P2011−147754)
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【分割の表示】特願2004−552102(P2004−552102)の分割
【原出願日】平成15年11月12日(2003.11.12)
【出願人】(501419107)エフ・イ−・アイ・カンパニー (78)
【Fターム(参考)】