説明

歩車道境界用コケ植生体及び歩車道境界用コケ植生構造

【課題】 縁石ブロックの上面と、これに連続する歩道の上面をコケによる緑化の対象とすることにより緑化面積を増加させることができる歩車道境界用コケ植生技術の提供。
【解決手段】 縁石ブロック1の上面に重合する縁石重合枠部材80と、歩道3の上面に重合する歩道重合枠部材81を備えている。縁石重合枠部材の縁石側開口部80cに形成した縁石側モルタル底面層80dに縁石側植生用立体編物80eが埋設されて縁石側コケ植生部が形成される。歩道重合枠部材の歩道側開口部81cに形成した歩道側モルタル底面層81dに歩道側植生用立体編物81eが埋設されて歩道側コケ植生部が形成される。縁石重合枠部材の後縁部と、歩道重合枠部材の前縁部とが突き合わされて一対をなすように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩道と車道の境界に敷設されたコンクート縁石ブロックの上面と、歩道の上面とに連続する状態で設置される歩車道境界用コケ植生体及びこの歩車道境界用コケ植生体を使用した歩車道境界用コケ植生構造に関する。
【背景技術】
【0002】
都市圏におけるヒートアイランド現象の対策として、従来、縁石ブロックの上面をコケ等によって緑化するようにした技術が提案されている(特許文献1)。
【0003】
この縁石ブロックの緑化技術は、縁石ブロックの上面に植生用凹部が形成され、この植生用凹部に土壌や肥料等を埋め込んで、この上にコケを植生させる構造になっていた。
【0004】
又、本願出願人において、本願に先行してコケ緑化用コンクリート体及びコンクリート体のコケ緑化構造を既に提案している(特願2006−314696、特願2006−226605参照)。
この先行技術は、縁石ブロックの上面に、内部に開口部が形成されたコンクリート枠が重合設置され、このコンクリート枠部材の開口部の内部にコケ植生用マットを敷設させることにより、縁石ブロックの上面をコケによって緑化させるようにしたものである。
【特許文献1】特開2002−212911号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、歩道と車道の境界に縁石ブロックを敷設させた場合、縁石ブロックの上面と歩道の上面とを連続させるように施工するのが一般的である。
このように、縁石ブロックの上面と歩道の上面とが連続している場合、縁石ブロックの上面の上面だけでなく、歩道の上面についても緑化できれば、それだけ緑化面積を増加することができる。
【0006】
本発明は、縁石ブロックの上面と、これに連続する歩道の上面をコケによる緑化の対象とすることにより緑化面積を増加させることができるようにした歩車道境界用コケ植生体及び歩車道境界用コケ植生構造を提供することを課題としている。
【0007】
なお、本発明でいうコケとは、スナゴケ、ハイゴケ、スギゴケ、その他のコケ類を含む。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明(請求項1)の歩車道境界用コケ植生体は、
歩道(3)と車道(2)の境界に敷設された縁石ブロック(1)の上面と、前記歩道の上面とに連続する状態で設置される歩車道境界用コケ植生体(8)であって、
前記歩車道境界用コケ植生体は前記縁石ブロックの上面に重合する縁石重合枠部材(80)と、歩道の上面に重合する歩道重合枠部材(81)を備え、
前記縁石重合枠部材には後縁部が開放して前縁枠部(80a)と左右枠部(80b,80b)とで3方が囲まれた縁石側開口部(80c)が形成され、
この縁石側開口部の内部に底面全面を覆うように縁石側モルタル底面層(80d)が形成され、
かつ表裏に開口して多数の空隙(43)が形成されるように樹脂繊維を用いてハニカム状に編成された縁石側植生用立体編物(80e)の裏面部が前記縁石側モルタル底面層の上面に埋設されることにより、前記空隙の内部が縁石側コケ植生部に形成され、
前記歩道重合枠部材には前縁部が開放して後縁枠部(81a)と左右枠部(81b,81b)とで3方が囲まれた歩道側開口部(81c)が形成され、
この歩道側開口部の内部に底面全面を覆うように歩道側モルタル底面層(81d)が形成され、
かつ表裏に開口して多数の空隙(43)が形成されるように樹脂繊維を用いてハニカム状に編成された歩道側植生用立体編物(81e)の裏面部が前記歩道側モルタル底面層の上面に埋設されることにより、前記空隙の内部が歩道側コケ植生部に形成され、
前記縁石重合枠部材の後縁部と、前記歩道重合枠部材の前縁部とが突き合わされて一対をなすように形成されている構成とした。
【0009】
本発明(請求項2)の歩車道境界用コケ植生体は、
歩道(3)と車道(2)の境界に敷設された縁石ブロック(1)の上面と、前記歩道の上面とに跨る状態で設置される歩車道境界用コケ植生体(4)であって、
前記縁石ブロックの上面に重合する縁石重合枠部(40)と、歩道の上面に重合する歩道重合枠部(41)とが一体に形成されると共に、前記縁石重合枠部と歩道重合枠部に跨るように開口部(42)が形成されたコンクリート枠(4a)と、
前記コンクリート枠の開口部の内部に形成されたモルタル底面層(4b)と、
表裏に開口して多数の空隙(43)が形成されるように樹脂繊維を用いてハニカム状に編成され植生用立体編物(4c)を備え、
前記歩道重合枠部の底面は前記縁石重合枠部の底面と同一平面に形成され、
前記モルタル底面層がコンクリート枠の開口部の底面全面を覆うように形成され、
前記植生用立体編物の裏面部が前記モルタル底面層の上面に埋設されることにより、前記空隙の内部がコケ植生部に形成されている構成とした。
【0010】
本発明(請求項3)の歩車道境界用コケ植生体は、
歩道(3)と車道(2)の境界に敷設された縁石ブロック(1)の上面と、前記歩道の上面とに跨る状態で設置される歩車道境界用コケ植生体(4)であって、
前記縁石ブロックの上面に重合する縁石重合枠部(40)と、歩道の上面に重合する歩道重合枠部(41)とが一体に形成されると共に、前記縁石重合枠部と歩道重合枠部に跨るように開口部(42a),(42b)が形成されたコンクリート枠(4a)と、
前記コンクリート枠の開口部の内部に形成されたモルタル底面層(4b)と、
表裏に開口して多数の空隙(43)が形成されるように樹脂繊維を用いてハニカム状に編成され植生用立体編物(4c)を備え、
前記歩道重合枠部の底面は底面段差部(46)によって縁石重合枠部の底面よりも上方になるように形成され、
前記モルタル底面層が縁石重合枠部の開口部(42a)だけを覆うように形成されると共に、歩道重合枠部の開口部(42b)は開口されたままに形成され、
前記植生用立体編物の裏面部が前記モルタル底面層の上面に埋設されることにより、前記空隙の内部がコケ植生部に形成され、
かつ前記歩道重合枠部の開口部に敷設される後付け植生用立体編物(7)を具備している構成とした。
【0011】
本発明(請求項4)の歩車道境界用コケ植生構造は、
歩道(3)と車道(2)の境界に敷設された縁石ブロック(1)の上面と、この縁石ブロックの上面に連続する歩道の上面とを緑化対象面とし、縁石ブロックの上面と、歩道の上面とに連続する状態で歩車道境界用コケ植生体(8)が設置された歩車道境界コケ植生構造であって、
前記歩車道境界用コケ植生体は前記縁石ブロックの上面に重合する縁石重合枠部材(80)と、歩道の上面に重合する歩道重合枠部材(81)を備え、
前記縁石重合枠部材には後縁部が開放して前縁枠部(80a)と左右枠部(80b,80b)とで3方が囲まれた縁石側開口部(80c)が形成され、
この縁石側開口部の内部に底面全面を覆うように縁石側モルタル底面層(80d)が形成され、
かつ表裏に開口して多数の空隙(43)が形成されるように樹脂繊維を用いてハニカム状に編成された縁石側植生用立体編物(80e)の裏面部が前記縁石側モルタル底面層の上面に埋設されることにより、前記空隙の内部が縁石側コケ植生部に形成され、
前記歩道重合枠部材には前縁部が開放して後縁枠部(81a)と左右枠部(81b,81b)とで3方が囲まれた歩道側開口部(81c)が形成され、
この歩道側開口部の内部に底面全面を覆うように歩道側モルタル底面層(81d)が形成され、
かつ表裏に開口して多数の空隙(43)が形成されるように樹脂繊維を用いてハニカム状に編成された歩道側植生用立体編物(81e)の裏面部が前記歩道側モルタル底面層の上面に埋設されることにより、前記空隙の内部が歩道側コケ植生部に形成され、
前記縁石重合枠部材の後縁部と、前記歩道重合枠部材の前縁部とが突き合わされて一対をなすように形成されている構成とした。
【0012】
本発明(請求項5)の歩車道境界用コケ植生構造は、
歩道(3)と車道(2)の境界に敷設された縁石ブロック(1)の上面と、この縁石ブロックの上面に連続する歩道の上面とを緑化対象面とし、前記歩道の上面が縁石ブロックの上面とほぼ同一平面に形成されると共に、両者の上面に跨る状態で歩車道境界用コケ植生体(4)が設置された歩車道境界コケ植生構造であって、
前記歩車道境界用コケ植生体は、前記縁石ブロックの上面に重合する縁石重合枠部(40)と、歩道の上面に重合する歩道重合枠部(41)とが一体に形成されると共に、前記縁石重合枠部と歩道重合枠部に跨るように開口部(42)が形成されたコンクリート枠(4a)と、
前記コンクリート枠の開口部の内部に形成されたモルタル底面層(4b)と、
表裏に開口して多数の空隙(43)が形成されるように樹脂繊維を用いてハニカム状に編成され植生用立体編物(4c)を備え、
前記歩道重合枠部の底面は前記縁石重合枠部の底面と同一平面に形成され、
前記モルタル底面層がコンクリート枠の開口部の底面全面を覆うように形成され、
前記植生用立体編物の裏面部が前記モルタル底面層の上面に埋設されることにより、前記空隙の内部がコケ植生部に形成されている構成とした。
【0013】
本発明(請求項6)の歩車道境界用コケ植生構造は、
歩道(3)と車道(2)の境界に敷設された縁石ブロック(1)の上面と、この縁石ブロックの上面に連続する歩道の上面とを緑化対象面とし、前記歩道の上面が上面段差部(6)によって縁石ブロックの上面よりも上方に形成されると共に、両者の上面に跨る状態で歩車道境界用コケ植生体(4)が設置された歩車道境界コケ植生構造であって、
前記歩車道境界用コケ植生体は、前記縁石ブロックの上面に重合する縁石重合枠部(40)と、歩道の上面に重合する歩道重合枠部(41)とが一体に形成されると共に、前記縁石重合枠部と歩道重合枠部に跨るように開口部(42a),(42b)が形成されたコンクリート(4a)枠と、
前記コンクリート枠の開口部の内部に形成されたモルタル底面層(4b)と、
表裏に開口して多数の空隙(43)が形成されるように樹脂繊維を用いてハニカム状に編成され植生用立体編物(4c)を備え、
前記歩道重合枠部の底面は底面段差部(46)によって縁石重合枠部の底面よりも上方になるように形成され、
前記モルタル底面層が縁石重合枠部の開口部だけを覆うように形成されると共に、歩道重合枠部の開口部は開口されたままに形成され、
前記植生用立体編物の裏面部が前記モルタル底面層の上面に埋設されることにより、前記空隙の内部がコケ植生部に形成され、
かつ前記歩道重合枠部の開口部の内部に形成した現場打ちモルタル底面層(70)の上面に敷設される後付け植生用立体編物(7)を具備している構成とした。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、縁石ブロックの上面だけでなく、これに連続する歩道の上面をコケによる緑化の対象としたので、緑化面積を増加させることができる。
縁石ブロックの上面に連続した歩道の上面部分には、歩行の安全性を考慮してガードフェンスが設けられており、このような場所は都市部において多く見られる。
このガードフェンスよりも車道側の歩道部分は、実際に人が歩道として利用できないデットスペースであり、本発明では、このような場所をコケによって緑化できるため、都市部での緑化面積を増大させることができる。
【0015】
本発明の請求項1及び請求項4の技術は、歩車道境界用コケ植生体を、縁石ブロックの上面に重合する縁石重合枠部材と、歩道の上面に重合する歩道重合枠部材とを別体として一対をなすように形成させたものである。
歩車道境界部分では、その施工状態によって、歩道の上面と縁石ブロックの上面とがほぼ同一平面に形成されている場合や歩道の上面と縁石ブロックの上面とに段差が生じている場合がある。
この場合、縁石ブロックの上面に重合する縁石重合枠部材と、歩道の上面に重合する歩道重合枠部材とを別体に形成することにより、このような段差等の施工状態に容易に対応することができる。
また、縁石重合枠部材の後縁部と、前記歩道重合枠部材の前縁部とが突き合わされて一対(1組)をなすように形成されているため、縁石側植生用立体編物と歩道側植生用立体編物とが連続して縁石側と歩道側とが一体化され、全体として縁石ブロックの上面と歩道の上面とに跨った連続状態に緑化させることができる。
【0016】
本発明の請求項2及び請求項5の技術は、歩車道境界用コケ植生体を、歩道の上面が縁石ブロックの上面とほぼ同一平面に形成されている場合に対応させた技術である。
この場合、コンクリート枠の開口部の内部に、その開口部の底面全面を覆うように形成したモルタル底面層を形成させ、このモルタル底面層の上面に植生用立体編物を埋設しているため、施工に際し、歩車道境界用コケ植生体を設置するだけで緑化施工することができる。
又、縁石ブロックの上面と歩道の上面とに跨る状態で設置する歩車道境界用コケ植生体を用いているため、縁石ブロックの上面と歩道の上面を同時施工で緑化させることができ、これにより施工手間や施工時間を軽減させることができる。
【0017】
本発明の請求項3及び請求項6の技術は、歩車道境界用コケ植生体を、歩道の上面が上面段差部によって縁石ブロックの上面よりも上方に形成されている場合に対応させた技術である。
この場合、歩道重合枠部の底面を底面段差部によって縁石重合枠部の底面よりも上方になるように形成しているため、この底面段差部によって歩道の上面と縁石ブロックの上面との上面段差部を吸収することができ、歩車道境界用コケ植生体をガタ付きなく設置することができる。
【0018】
また、縁石重合枠部の開口部だけを覆うように形成したモルタル底面層に植生用立体編物を埋設しているため、この歩車道境界用コケ植生体を設置するだけで縁石ブロックの上面を緑化施工することができる。
そして、施工に際し、この歩車道境界用コケ植生体を設置させたのち、現場施工で歩道重合枠部の開口部に現場打ちモルタル底面層を打設して、この現場打ちモルタル底面層の上面に後付け植生用立体編物を嵌め込んで歩道の上面に敷設させれば、この歩道の上面を緑化施工することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1及び図2は本発明の請求項1及び請求項4に対応するもので、図1は歩車道境界用コケ植生構造の第1実施例を示す斜視図、図2はその断面図である。
図において、1は縁石ブロックで、車道2と歩道3(アスファルト舗装路)との境界に敷設される歩車道境界ブロックであり、工場で製造されたコンクリート2次製品である。
【0020】
そして、前記縁石ブロック1の上面と、前記歩道3の上面とに連続する状態で歩車道境界用コケ植生体8が設置され、この歩車道境界用コケ植生体8は、縁石ブロック1の上面に重合する縁石重合枠部材80と、歩道3の上面に重合する歩道重合枠部材81とで形成されている。
この縁石重合枠部材80と歩道重合枠部材81とは別部材であり、それぞれ工場において製造されている。
【0021】
前記縁石重合枠部材80には後縁部が開放して前縁枠部80aと左右枠部80b,80bとで3方が囲まれた縁石側開口部80cが形成されると共に、この縁石側開口部80cの内部に底面全面を覆うように縁石側モルタル底面層80dが形成されている。
また、樹脂繊維を用いてハニカム状に編成された縁石側植生用立体編物80eの裏面部が前記縁石側モルタル底面層80dの上面に埋設されている。
なお、縁石重合枠部材80の底面(裏面)及び縁石側モルタル底面層80dの底面(裏面)は全面的に均一面の平面に形成されている。
【0022】
前記歩道重合枠部材81には前縁部が開放して後縁枠部81aと左右枠部81b,81bとで3方が囲まれた歩道側開口部81cが形成されると共に、この歩道側開口部81cの内部に底面全面を覆うように歩道側モルタル底面層81dが形成されている。
また、樹脂繊維を用いてハニカム状に編成された歩道側植生用立体編物81eの裏面部が前記歩道側モルタル底面層81dの上面に埋設されている。
なお、歩道重合枠部材81の底面(裏面)及び歩道側モルタル底面層81dの底面(裏面)は全面的に均一面の平面に形成されている。
【0023】
そして、前記縁石重合枠部材80の後縁部と、前記歩道重合枠部材81の前縁部とが突き合わされて一対(1組)をなすように形成されている。
【0024】
前記縁石側植生用立体編物80e(歩道側植生用立体編物81eも同様)は、表裏に開口して多数の空隙43が形成されるように樹脂繊維を用いてハニカム状に編成されている。なお、前記空隙43の平面形状は図面で示した六角形に限らず、円形、方形、多角形でもよい。
この植生用立体編物80e、81eとしては、ユニチカテクノス(株)製のキュービックアイ(商標)が好適に使用できる。
【0025】
なお、この植生用立体編物80e、81eは、本願出願人が既に提案したコケ植生体(特開2006−246886号公報)に用いた立体編物と同様に、多数の網目開口部を形成するように樹脂繊維を用いて編成した表裏二枚の網状編成部を厚み方向に連結させる連結繊維列を備え、前記連結繊維列により囲まれた空隙43が表裏の網目開口部間に開口して形成されたもので、その詳細は省略する。
【0026】
そして、前記植生用立体編物80e、81eの裏面部(下側部)が前記モルタル底面層80d、81dの上面に埋設されることで前記多数の空隙43にモルタルによる底壁が形成され、これにより空隙43の内部がコケ植生部に形成される。
【0027】
又、前記植生用立体編物80e、81eの空隙(コケ植生部)43に保水材(図示省略)を詰め込み、この保水材の上にコケを植生させるようにしている。
保水材としては、綿、ヘチマ繊維、ヤシ繊維、パルプかす、その他の植物繊維、熱可塑性樹脂製糸条(例えば、モスネット協会製作、商標:モスフラット)、布(織布、不織布繊維)、ロックウール、ガラスウール、保水性骨材、保水性発泡体、合成繊維綿マット、繊維ボード、繊維球状体等が用いられ、これらを単独、あるいは組み合わせて使用できる。
【0028】
この場合、コケが定着し易いように、綿や不織布等の繊維材で保水性骨材を包んで用いるようにすることができる。
この保水性骨材としては、パミス(商標:大江化学社製商品)、ゼオライト、珪藻土、軽石、パーライト等の多孔性骨材を、粒状のまま、あるいはセメントや接着剤で固めて使用することができる。
【0029】
又、前記モルタル底面層80d、81dは、植生用立体編物80e、81eの裏面を埋設させるためのベース部材となると共に、モルタルの保水性を利用した保水材としても機能する。
【0030】
以上のように、コケを植生用立体編物80e、81eの空隙43内に植生させるため、コケが植生用立体編物80e、81eの繊維に絡まり、また植生用立体編物80e、81eの樹脂繊維が防風林の如くコケを保護する状態になるため、風雨等によってコケが脱落するといったことがなく、コケの植生を長期に亘って確実に維持させることができる。
【0031】
なお、図2において、9はガードフェンスであり、90はそのポール、91はフェンスバーである。
【0032】
施工に際しては、施工現場において、縁石ブロック1の上面に前記縁石重合枠部材80を重合設置させると共に、歩道3の上面に歩道重合枠部材81合設置させるもので、このとき、前記縁石重合枠部材80の後縁部と、前記歩道重合枠部材81の前縁部とを突き合わせて一対をなすように設置させるものである。
【0033】
この際、縁石重合枠部材80を、固定穴84から縁石ブロック1の上面に形成した下穴にアンカー45を打ち込むことで固定させてもよいし、モルタルを接着剤として縁石ブロック1の上面に接着固定させることもできるし、合成樹脂接着剤で接着固定させることもできる。
なお、歩道重合枠部材81は、単に置くだけの設置でもよいし、縁石重合枠部材80と同様にアンカーや接着剤(モルタルを含む)で固定させてもよい。
【0034】
また、前記歩道重合枠部材81はガードフェンス9から車道側の歩道部分に設置されることになるが、この場合、図2に示すように、歩道重合枠部材81の後縁枠部81aがガードフェンス9のポール90に近づくように、歩道重合枠部材81の寸法を設計させれば、それだれ歩道側開口部81c(植生用立体編物81e)を広く取ることができ、デッドスペースであったガードフェンス9部分を有効利用したコケによる緑化を行なうことできる。
【0035】
また、縁石重合枠部材80と歩道重合枠部材81は、その上面が均一面になるように施工するのが望ましい。
例えば、縁石重合枠部材80の厚みと歩道重合枠部材81の厚みを同一に形成させた場合、縁石ブロック1の上面と歩道の上面とに段差が無い場合には、両者をそのまま施工するだけで容易に両者の上面が均一面になるように施工できるが、縁石ブロック1の上面よりも歩道の上面が低い段差ある場合、歩道重合枠部材81の下にモルタルを敷設して嵩上げし、両者の上面が均一面になるように施工する。
逆に、縁石ブロック1の上面よりも歩道の上面が高い段差ある場合を想定して、歩道重合枠部材81の厚みを縁石重合枠部材80の厚みよりも薄く形成させたタイプを用意しておくこともできる。
【0036】
また、縁石重合枠部材80を敷設する前に、縁石ブロック1の上面及び/又は歩道3の上面、または縁石ブロック1の上面と歩道3の上面に跨るように貯水穴5を形成させてもよい。なお、この貯水穴5には水の染み出しを防止するために不透水カップ50が嵌め込まれている。
このような貯水穴5を形成させた場合、モルタル底面層80dに貯水穴5の上に位置して貫通穴49を形成させている。
このように貯水穴5を形成させると、この貯水穴5に溜まった雨水が蒸発することに伴い、前記貫通穴を通して植生用立体編物4cの空隙(コケ植生部)43を湿潤させることができる。
この際、空隙(コケ植生部)43からモルタル底面層80dを貫通させて貯水穴5内に吸水紐等を延長させ、毛細管現象を利用してモルタル底面層80d及び空隙(コケ植生部)43を湿潤させることもできる。
この貯水穴5は必ずしも必要でなく、モルタル底面層80dの保水性や保水材によって湿潤環境を得ることができる。
【0037】
また、降雨によって開口部80c,81cの内部に雨水が溜ると、コケが水に浸りコケが腐るという育成不良が生じるため、開口部80c,81cの内部に溜った余分な水を排水する必要がある。そのための排水孔(図示省略)を縁石重合枠部材80及び歩道重合枠部材81に形成している。
【0038】
図3及び図4は本発明の請求項2及び請求項4に対応するもので、図3は歩車道境界用コケ植生構造の第2実施例を示す斜視図、図4はその断面図である。
この第2実施例は、歩道の上面が縁石ブロックの上面とほぼ同一平面に形成されている場合の例である。
図において、1は縁石ブロックで、車道2と歩道3との境界に敷設される歩車道境界ブロックであり、工場で製造されたコンクリート2次製品である。
【0039】
この第2実施例では、縁石ブロック1の上面と、前記歩道3の上面とに跨る状態で歩車道境界用コケ植生体4が設置され、この歩車道境界用コケ植生体4は、コンクリート枠4aと、モルタル底面層4bと、植生用立体編物4cを備え、工場において製造されている。
【0040】
前記コンクリート枠4aは、縁石ブロック1の上面に重合する縁石重合枠部40と、歩道3の上面に重合する歩道重合枠部41とが一体に形成されると共に、前記縁石重合枠部40と歩道重合枠部41に跨るように開口部42が形成されている。
又、前記歩道重合枠部41の底面は前記縁石重合枠部40の底面と同一平面に形成されている。
【0041】
前記コンクリート枠4aの開口部42の内部には、この開口部42の底面全面を覆うようにモルタル底面層4bが形成されている。即ち、コンクリート枠4aの底面(裏面)及びモルタル底面層4bの底面(裏面)は全面的に均一の平面に形成されている。
【0042】
そして、前記植生用立体編物4cの裏面部(下側部)が前記モルタル底面層4bの上面に埋設されることで前記多数の空隙43にモルタルによる底壁が形成され、これにより空隙43の内部がコケ植生部に形成される。
【0043】
施工に際しては、工場で製造された歩車道境界用コケ植生体4を、施工現場において、縁石ブロック1の上面と、歩道3の上面とに跨る状態に重合設置させるものである。
このように、歩車道境界用コケ植生体4を設置するだけの簡単な施工で縁石ブロックの上面と歩道の上面を同時施工で緑化させることができる。
【0044】
図5及び図6は本発明の請求項3及び請求項6に対応するもので、図5は歩車道境界用コケ植生構造の第3実施例を示す斜視図、図6はその断面図である。
この第3実施例は、歩道3の上面が上面段差部6によって縁石ブロック1の上面よりも上方に形成されている場合の例である。
【0045】
この場合、歩道重合枠部41の底面(裏面)が底面段差部46によって縁石重合枠部40の底面(裏面)よりも上方になるように形成され、かつモルタル底面層4bが縁石重合枠部40の開口部42aだけを覆うように形成されると共に、歩道重合枠部41の開口部42bは開口されたままに形成されている構成に特徴がある。
【0046】
即ち、歩道3の施工に際し、この歩道3の上面が縁石ブロック1の上面よりも上方に形成されることもあり、このとき、歩道3の上面と縁石ブロック1の上面の間に上面段差部6が形成されてしまう。
歩車道境界用コケ植生体4を敷設するに際し、上面段差部6があると、歩車道境界用コケ植生体4の敷設状態が不安定になり、ガタ付きが生じてしまう。
そこで、底面段差部46を形成することにより、この底面段差部46で上面段差部6を吸収することができるもので、これにより、歩車道境界用コケ植生体4をガタ付きなく敷設することができる。
【0047】
前記底面段差部46を形成すると、モルタル底面層4bにも段差部を形成する必要が生じるため、製造に手間がかかるという不具合が生じる。
そこで、歩道重合枠部41の開口部42bは開口したままに形成させ、モルタル底面層4bを縁石重合枠部40の開口部42aだけを覆うように形成した歩車道境界用コケ植生体4の半製品を工場で製造させ、この半製品とは別部材として歩道重合枠部41の開口部42bに現場で敷設させるための後付け植生用立体編物7を具備させるものである。
【0048】
したがって、施工に際しては、歩道3の上面に現場打ちでモルタルを打設させた上から半製品である歩車道境界用コケ植生体4を敷設させ、これにより歩道3の上面と歩道重合枠部41の底面(裏面)を接着させると共に、歩道重合枠部41の開口部42bに現場打ちモルタル底面層70を露出させ、その現場打ちモルタル底面層70が固化する前に後付け植生用立体編物7の裏面部を埋設させるものである。
これにより、半製品である歩車道境界用コケ植生体4の植生用立体編物4cによって縁石ブロック1の上面を緑化できると共に、後付け植生用立体編物7によって歩道3の上面を緑化することができる。
【0049】
なお、施工現場によっては、歩道の上面が縁石ブロックの上面よりも下方に形成されている場合もある。
この場合には、歩道の上面に縁石ブロックの上面とほぼ同一高さになるようにモルタルを打設、或いは敷部材を敷設し、その上に歩車道境界用コケ植生体4を敷設することにより、歩道の上面と歩道重合枠部41の底面との間に生じる隙を塞いで歩車道境界用コケ植生体4のガタ付きを防止させるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の請求項1及び請求項4に対応するもので、歩車道境界用コケ植生構造の第1実施例を示す斜視図である。
【図2】その断面図である。
【図3】本発明の請求項2及び請求項5に対応するもので、歩車道境界用コケ植生構造の第2実施例を示す斜視図である。
【図4】その断面図である。
【図5】本発明の請求項3及び請求項6に対応するもので、歩車道境界用コケ植生構造の第3実施例を示す斜視図である。
【図6】その断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 縁石ブロック
2 車道
3 歩道
4 歩車道境界用コケ植生体
4a コンクリート枠
4b モルタル底面層
4c 植生用立体編物
40 縁石重合枠部
41 歩道重合枠部
42 開口部
42a 開口部
42b 開口部
43 空隙
44 固定穴
45 アンカー
46 底面段差部
49 貫通穴
5 貯水穴
50 透水カップ
6 上面段差部
7 植生用立体編物
70 現場打ちモルタル底面層
8 歩車道境界用コケ植生体
80 縁石重合枠部材
80a 前縁枠部
80b 左右枠部
80c 縁石側開口部
80d 縁石側モルタル底面層
80e 縁石側植生用立体編物
81 歩道重合枠部材
81a 後縁枠部
81b 左右枠部
81c 歩道側開口部
81d 歩道側モルタル底面層
81e 歩道側植生用立体編物
84 固定穴
9 ガードフェンス
90 ポール
91 フェンスバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩道(3)と車道(2)の境界に敷設された縁石ブロック(1)の上面と、前記歩道の上面とに連続する状態で設置される歩車道境界用コケ植生体(8)であって、
前記歩車道境界用コケ植生体は前記縁石ブロックの上面に重合する縁石重合枠部材(80)と、歩道の上面に重合する歩道重合枠部材(81)を備え、
前記縁石重合枠部材には後縁部が開放して前縁枠部(80a)と左右枠部(80b,80b)とで3方が囲まれた縁石側開口部(80c)が形成され、
この縁石側開口部の内部に底面全面を覆うように縁石側モルタル底面層(80d)が形成され、
かつ表裏に開口して多数の空隙(43)が形成されるように樹脂繊維を用いてハニカム状に編成された縁石側植生用立体編物(80e)の裏面部が前記縁石側モルタル底面層の上面に埋設されることにより、前記空隙の内部が縁石側コケ植生部に形成され、
前記歩道重合枠部材には前縁部が開放して後縁枠部(81a)と左右枠部(81b,81b)とで3方が囲まれた歩道側開口部(81c)が形成され、
この歩道側開口部の内部に底面全面を覆うように歩道側モルタル底面層(81d)が形成され、
かつ表裏に開口して多数の空隙(43)が形成されるように樹脂繊維を用いてハニカム状に編成された歩道側植生用立体編物(81e)の裏面部が前記歩道側モルタル底面層の上面に埋設されることにより、前記空隙の内部が歩道側コケ植生部に形成され、
前記縁石重合枠部材の後縁部と、前記歩道重合枠部材の前縁部とが突き合わされて一対をなすように形成されていることを特徴とする歩車道境界用コケ植生体。
【請求項2】
歩道(3)と車道(2)の境界に敷設された縁石ブロック(1)の上面と、前記歩道の上面とに跨る状態で設置される歩車道境界用コケ植生体(4)であって、
前記縁石ブロックの上面に重合する縁石重合枠部(40)と、歩道の上面に重合する歩道重合枠部(41)とが一体に形成されると共に、前記縁石重合枠部と歩道重合枠部に跨るように開口部(42)が形成されたコンクリート枠(4a)と、
前記コンクリート枠の開口部の内部に形成されたモルタル底面層(4b)と、
表裏に開口して多数の空隙(43)が形成されるように樹脂繊維を用いてハニカム状に編成され植生用立体編物(4c)を備え、
前記歩道重合枠部の底面は前記縁石重合枠部の底面と同一平面に形成され、
前記モルタル底面層がコンクリート枠の開口部の底面全面を覆うように形成され、
前記植生用立体編物の裏面部が前記モルタル底面層の上面に埋設されることにより、前記空隙の内部がコケ植生部に形成されていることを特徴とする歩車道境界用コケ植生体。
【請求項3】
歩道(3)と車道(2)の境界に敷設された縁石ブロック(1)の上面と、前記歩道の上面とに跨る状態で設置される歩車道境界用コケ植生体(4)であって、
前記縁石ブロックの上面に重合する縁石重合枠部(40)と、歩道の上面に重合する歩道重合枠部(41)とが一体に形成されると共に、前記縁石重合枠部と歩道重合枠部に跨るように開口部(42a),(42b)が形成されたコンクリート枠(4a)と、
前記コンクリート枠の開口部の内部に形成されたモルタル底面層(4b)と、
表裏に開口して多数の空隙(43)が形成されるように樹脂繊維を用いてハニカム状に編成され植生用立体編物(4c)を備え、
前記歩道重合枠部の底面は底面段差部(46)によって縁石重合枠部の底面よりも上方になるように形成され、
前記モルタル底面層が縁石重合枠部の開口部(42a)だけを覆うように形成されると共に、歩道重合枠部の開口部(42b)は開口されたままに形成され、
前記植生用立体編物の裏面部が前記モルタル底面層の上面に埋設されることにより、前記空隙の内部がコケ植生部に形成され、
かつ前記歩道重合枠部の開口部に敷設される後付け植生用立体編物(7)を具備していることを特徴とする歩車道境界用コケ植生体。
【請求項4】
歩道(3)と車道(2)の境界に敷設された縁石ブロック(1)の上面と、この縁石ブロックの上面に連続する歩道の上面とを緑化対象面とし、縁石ブロックの上面と、歩道の上面とに連続する状態で歩車道境界用コケ植生体(8)が設置された歩車道境界コケ植生構造であって、
前記歩車道境界用コケ植生体は前記縁石ブロックの上面に重合する縁石重合枠部材(80)と、歩道の上面に重合する歩道重合枠部材(81)を備え、
前記縁石重合枠部材には後縁部が開放して前縁枠部(80a)と左右枠部(80b,80b)とで3方が囲まれた縁石側開口部(80c)が形成され、
この縁石側開口部の内部に底面全面を覆うように縁石側モルタル底面層(80d)が形成され、
かつ表裏に開口して多数の空隙(43)が形成されるように樹脂繊維を用いてハニカム状に編成された縁石側植生用立体編物(80e)の裏面部が前記縁石側モルタル底面層の上面に埋設されることにより、前記空隙の内部が縁石側コケ植生部に形成され、
前記歩道重合枠部材には前縁部が開放して後縁枠部(81a)と左右枠部(81b,81b)とで3方が囲まれた歩道側開口部(81c)が形成され、
この歩道側開口部の内部に底面全面を覆うように歩道側モルタル底面層(81d)が形成され、
かつ表裏に開口して多数の空隙(43)が形成されるように樹脂繊維を用いてハニカム状に編成された歩道側植生用立体編物(81e)の裏面部が前記歩道側モルタル底面層の上面に埋設されることにより、前記空隙の内部が歩道側コケ植生部に形成され、
前記縁石重合枠部材の後縁部と、前記歩道重合枠部材の前縁部とが突き合わされて一対をなすように形成されていることを特徴とする歩車道境界用コケ植生構造。
【請求項5】
歩道(3)と車道(2)の境界に敷設された縁石ブロック(1)の上面と、この縁石ブロックの上面に連続する歩道の上面とを緑化対象面とし、前記歩道の上面が縁石ブロックの上面とほぼ同一平面に形成されると共に、両者の上面に跨る状態で歩車道境界用コケ植生体(4)が設置された歩車道境界コケ植生構造であって、
前記歩車道境界用コケ植生体は、前記縁石ブロックの上面に重合する縁石重合枠部(40)と、歩道の上面に重合する歩道重合枠部(41)とが一体に形成されると共に、前記縁石重合枠部と歩道重合枠部に跨るように開口部(42)が形成されたコンクリート枠(4a)と、
前記コンクリート枠の開口部の内部に形成されたモルタル底面層(4b)と、
表裏に開口して多数の空隙(43)が形成されるように樹脂繊維を用いてハニカム状に編成され植生用立体編物(4c)を備え、
前記歩道重合枠部の底面は前記縁石重合枠部の底面と同一平面に形成され、
前記モルタル底面層がコンクリート枠の開口部の底面全面を覆うように形成され、
前記植生用立体編物の裏面部が前記モルタル底面層の上面に埋設されることにより、前記空隙の内部がコケ植生部に形成されていることを特徴とする歩車道境界用コケ植生構造。
【請求項6】
歩道(3)と車道(2)の境界に敷設された縁石ブロック(1)の上面と、この縁石ブロックの上面に連続する歩道の上面とを緑化対象面とし、前記歩道の上面が上面段差部(6)によって縁石ブロックの上面よりも上方に形成されると共に、両者の上面に跨る状態で歩車道境界用コケ植生体(4)が設置された歩車道境界コケ植生構造であって、
前記歩車道境界用コケ植生体は、前記縁石ブロックの上面に重合する縁石重合枠部(40)と、歩道の上面に重合する歩道重合枠部(41)とが一体に形成されると共に、前記縁石重合枠部と歩道重合枠部に跨るように開口部(42a),(42b)が形成されたコンクリート(4a)枠と、
前記コンクリート枠の開口部の内部に形成されたモルタル底面層(4b)と、
表裏に開口して多数の空隙(43)が形成されるように樹脂繊維を用いてハニカム状に編成され植生用立体編物(4c)を備え、
前記歩道重合枠部の底面は底面段差部(46)によって縁石重合枠部の底面よりも上方になるように形成され、
前記モルタル底面層が縁石重合枠部の開口部だけを覆うように形成されると共に、歩道重合枠部の開口部は開口されたままに形成され、
前記植生用立体編物の裏面部が前記モルタル底面層の上面に埋設されることにより、前記空隙の内部がコケ植生部に形成され、
かつ前記歩道重合枠部の開口部の内部に形成した現場打ちモルタル底面層(70)の上面に敷設される後付け植生用立体編物(7)を具備していることを特徴とする歩車道境界用コケ植生構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−201500(P2009−201500A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−124089(P2008−124089)
【出願日】平成20年5月10日(2008.5.10)
【出願人】(391032864)
【Fターム(参考)】