説明

歯の侵食を抑制するための固形組成物

【課題】歯の浸食を抑制するための新たな組成物の提供。
【解決手段】カルシウム化合物および酸性物質を含有し、酸に対するカルシウムのモル比が0.3ないし0.8の範囲であり、必要ならばアルカリでpHを調節した後、組成物の有効pHが3.5ないし4.5となるように酸組成物にカルシウム化合物を添加することにより、歯を侵食する特性を減じられた固形または半固形酸性経口組成物を製造する。製品中に高レベルのカルシウムを含有し、組成物のpHが調節される場合、酸性物質よりも少量のカルシウムを使用すると心地よさを損なうことなく酸性経口投与用組成物の歯の侵食の効果的な減少が成し遂げられうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経口投与用組成物、詳細には、固形または半固形酸性製品および口腔ヘルスケア組成物、ならびに酸の消費に関連した歯のダメージの軽減または予防のためのかかる組成物におけるカルシウムの使用に関する。詳細には、本発明は、カルシウムの製品への添加に係わる心地よさについての問題を軽減する。
歯の侵食は、とりわけ、正常な無機質化プロセスにより置換されうるよりも早く歯からカルシウムを浸出させる酸性食品により引き起こされると考えられている。本発明により製品が製造され、消費またはヘルスケア目的で口腔中に使用されたならば、化学的プロセスによる歯からのカルシウムおよびリン酸の溶解または除去が有意に抑制される。
【背景技術】
【0002】
カルシウムは体内で最も豊富な無機質である。カルシウムの大部分は骨および歯に沈着しているが、神経機能の調節、筋肉の収縮および血液の凝固のごとき他の身体機能にとっても無機質は必須である。あらかじめ軟化させずに飲料製品に使用する場合、カルシウムは果実を原料とした飲料および硬水由来の飲料に共通した成分である。このようにして生じるカルシウムの濃度は、典型的には、0.005〜0.02重量%の範囲である。カルシウムイオンによる食事の栄養強化の一般的な栄養面での利益に対する興味は、0.02重量%ないし2重量%の高いレベルでのこのイオンを含有させるための実用的方法の探求へと駆り立てた。飲料添加物としてのカルシウムの使用はWO88/03762に記載されている。
リンゴ酸の添加は、カルシウム強化飲料中のカルシウム溶解度を維持することを助け、それゆえ、沈殿による損失を最小にすることがよく知られている。このことは、可溶性複合体「カルシウムクエン酸リンゴ酸」の形成による。一方、Lussiら(1995, Caries Res 29, 349-354)は、飲料の侵食能と飲料の滴定可能な酸性度との関連を調べた。飲料中の酸濃度が高いほど、歯へのダメージは大きくなった。
EP551398(Procter & Gamble)には、リンゴ酸に対するクエン酸のモル比が1:0.5ないし1:4.5であるカルシウムクエン酸リンゴ酸複合体の形態となった0.02%ないし0.15%のカルシウムを含有する酸性飲料(5.5未満のpHを有する)の消費による歯のエナメル質の侵食の予防方法が開示されている。カルシウムクエン酸リンゴ酸複合体において、カルシウム全モル数:クエン酸全モル数:リンゴ酸全モル数のモル比は約2:1:1ないし約6:3:4でありうる。飲料に好ましい複合体は4:2:3のモル比を有する。米国特許第5073389号には、無機質補足キャンディー製品を製造するためのカルシウムクエン酸リンゴ酸の使用が記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
我々は、製品中に高レベルのカルシウムを含有させることが心地よさの問題を生じさせることを見いだした。しかしながら、組成物のpHが調節される場合、酸性物質よりも少量のカルシウムを使用すると心地よさを損なうことなく酸性経口投与用組成物の歯の侵食の効果的な減少が成し遂げられうることを、我々は見いだした。WO97/30601(1997年8月28日公開)には、一定割合のカルシウムおよび酸性物質を含有する、調節されたpHの液体組成物が開示されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、カルシウム化合物および酸性物質を含有し、酸1モルに対してカルシウムが0.3ないし0.8モルの範囲で存在することならびに組成物の有効pHが3.5〜4.5となるように組成物中のカルシウムおよび酸性物質の量が選択されることを特徴とする、経口投与用固形または半固形組成物を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本発明において用語「有効pH」は、硬化前の組成物のpH(組成物は液相中間体を経て製造される)、あるいは液体、例えば水中で復元もしくは溶解された場合の組成物のpHを意味する。用語「硬化」は、固形物または半固形物を形成するための液相中間体に対する処理もしくは補足を包含する。
【0006】
もう1つの態様において、本発明は、カルシウム化合物および酸性物質を含む経口投与用固形または半固形組成物における歯の侵食抑制剤としてのカルシウムの使用であって、1モルの酸に対してカルシウムが0.3ないし0.8モルの範囲で存在することならびに組成物の有効pHが3.5ないし4.5となるように組成物中のカルシウムおよび酸性物質の量が選択されることを特徴とする使用を提供する。
【0007】
さらなる態様において、本発明は、1モルの酸に対してカルシウムが0.3ないし0.8モルの範囲で存在し、有効pHが3.5ないし4.5となるようにカルシウムを酸性経口投与用組成物に添加し、必要または所望ならばアルカリの添加により有効pHを3.5ないし4.5の範囲とすることを含む、固形または半固形酸性経口投与用組成物の歯侵食能を低下させる方法を提供する。
また本発明は、カルシウム化合物および酸性物質を含む固形または半固形組成物を経口投与することを含み、1モルの酸に対してカルシウムが0.3ないし0.8モルの範囲で存在することならびに組成物の有効pHが3.5ないし4.5となるように組成物中のカルシウムおよび酸性物質の量が選択されることを特徴とする、経口投与用組成物中の酸により引き起こされる歯の侵食を抑制する方法も包含する。
さらに本発明は、経口投与された組成物中の酸により引き起こされる歯の侵食を抑制するための医薬の製造における、カルシウム化合物および酸性物質を含有する固形または半固形組成物の使用であって、1モルの酸に対してカルシウムが0.3ないし0.8モルの範囲で存在することならびに組成物の有効pHが3.5ないし4.5となるように組成物中のカルシウムおよび酸性物質の量が選択されることを特徴とする使用を包含する。
【0008】
さらにもう1つの態様において、本発明は、1モルの酸に対してカルシウムが0.3ないし0.8モルの範囲で存在し、組成物の有効pHが3.5ないし4.5となるようにカルシウム化合物を酸性物質と混合することを含む、本発明組成物の製造方法を提供する。必要または所望ならば、アルカリを添加することにより有効pHを3.5ないし4.5の範囲とすることができる。
本発明は特に、ハードキャンディー、砂糖菓子、錠剤、甘味入り錠剤、棒付き砂糖菓子、噛み物、ゼリー、ガム、ドロップ、例えば水に溶解して使用する粉末飲料のごとき乾燥粉末混合物等のごとき経口消費用の固形または半固形酸性物質に適用可能である。半固形製品は、ヨーグルトのごとき乳製品および固化もしくは凍結飲料も包含する。
適当には、WO97/30601(参照により本明細書に記載されているものとみなす)に記載の方法を用いて硬化前の組成物を調製し、試験する。
本発明組成物の有効pHは、典型的には、約3のpH値を有するヒト用の通常の酸をベースにした製品よりも高く、その結果、味のシャープさに関連する心地よさが維持される。本発明の実施は製品の味の劣化を引き起こさない。有効pHの約pH4への上昇は酸性物質により提供される味のシャープさを減じると考えられるが、驚くべきことに、本発明によるカルシウムの含有はこのことを軽減する。
【0009】
本発明の低レベルのカルシウムの使用、適当にはアルカリ塩の形態での使用によりさらなる利点が生じる。酸の部分的中和により処方の緩衝能が低下し、口腔中に残存する酸を唾液がより迅速に中和することを可能となる。
本発明組成物に使用するカルシウムの絶対濃度は重要でない。なぜなら、存在する酸の性質および濃度によりこの絶対濃度が変化するからである。酸の組成物は有機および/または無機酸を含有していてもよく、アスコルビン酸のごときビタミン類が補足されていてもよい。カルシウム濃度は1リットルあたり0.001モルないし0.25モル以上と様々であり、典型的には、1リットルあたり0.002モルないし0.1モル、適当には、1リットルあたり0.01モルないし0.05モルである。
いずれの適当な形態でカルシウムを添加してもよく、便利には、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、クエン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、グリセロリン酸カルシウムまたはギ酸カルシウムのごとき可溶性の塩として、あるいは組成物に対する悪い風味付けを最小とする他の塩として添加してもよい。
酸(例えば、クエン酸)を対応カルシウム塩(例えば、クエン酸カルシウム)または別のカルシウム塩と混合することにより本発明組成物を製造してもよい。炭酸カルシウムまたは水酸化カルシウムのごときアルカリ性カルシウム塩と酸を混合し、そのことにより処方に適用される酸濃度を最小化させることが有利であるかもしれない。塩化カルシウムのごとき無機カルシウム塩と酸を混合することもできる。酸に対するカルシウムのモル比は0.3ないし0.75であってもよく、典型的には0.3ないし0.7、より典型的には0.3ないし0.65、適当には0.3ないし0.60、好ましくは0.3ないし0.55または0.4ないし0.55である。最も好ましくは、モル比は少なくとも0.4であり、約0.5の値が特に有効であることがわかっている。
酸に対して適当な割合でカルシウム化合物を添加することにより処方の有効pHを調節して所望範囲としてもよい。必要ならば、存在する酸に応じて、例えば、水酸化ナトリウムのごときアルカリまたは例えばクエン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウムもしくは乳酸ナトリウムのような適当な塩を用いることにより有効pHをさらに調節してもよい。好ましくは、組成物の有効pHは4を超えず、最も好ましくは、3.7ないし3.9である。約3.8の有効pHを有する組成物が特に有効であることがわかっている。
典型的には、本発明組成物中の酸濃度、例えば、果実をベースにした製品中のクエン酸またはリンゴ酸濃度は0.01重量%ないし4重量%の範囲、適当には0.1重量%ないし1重量%の範囲であろう。本発明の製品によく使用される他の軽便な酸、例えば、乳酸を用いてもよい。
【0010】
好ましい具体例において、酸の組成物は、天然果汁、例えばクロスグリから製造される濃縮物、例えば風味付けされたシロップ濃縮物に基づく。カルシウムを適当な形態として濃縮物に添加することができ、得られた組成物を固形または半固形とする。好ましくは、製品は減じられたレベルの糖分または炭水化物を含有し、あるいは強力甘味料を含有する低カロリータイプのものである。
経口用組成物はマグネシウムまたは他のイオンを再石灰化のための添加物として含有していてもよい。また、カルシウムの溶解度を維持して不溶性カルシウム塩の沈殿を防止または最小化するために有効量のリンゴ酸またはその軽便な塩類を含有していてもよい。添加リンゴ酸は飲料の全酸味の10%程度を供給することができ、残りの酸味は他のものにより、好ましくは、クエン酸またはアスコルビン酸のごとき本来的に存在している物質により提供される。
本発明を、濃縮物をベースにした種々の製品に、特に、クロスグリ果汁または抽出物または添加ビタミン類を含有する健康用製品に適用してもよい。典型的には、凍結、調理、ゲル化のごとき知られた方法により、あるいは固形または半固形アマルジョンまたはゲルを形成することにより組成物を固化させる。適当な処方方法は、E. B. Jacksonによる”Sugar Confectionary Manufacture”(第2版)のごとき標準的な菓子製造テキストブックに見いだされる。
有利には、本発明を、天然クエン酸または添加クエン酸含有製品に適用する。製品は甘味付けされていなくてもよく、あるいは砂糖またはサッカリン、アスパルチルフェニルアラニルメチルエステルのごとき強力甘味料、または当該分野で知られた他の甘味料で甘味付けされていてもよい。また製品は、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、香料および着色料のごとき他の慣用的な添加物を含有していてもよい。
慣用的方法に従って成分を混合することにより製品を製造してもよい。必要ならば、他の構成成分を添加する前に成分を水または熱水に溶解させてもよい。典型的には、濃縮物を低温殺菌する。
下記実施例により本発明を説明する。
【実施例】
【0011】
実施例1
先ず、下記の成分を混合することにより濃縮製品を調製する。最後に炭酸カルシウムを他の成分に添加する。
クロスグリ果汁濃縮物 SG1.27 84リットル
アスパルチルフェニルアラニルメチルエステル* 1.15kg
アセスルフェームK 1.8kg
アスコルビン酸 0.8kg
安息香酸ナトリウム 0.325kg
メタ重亜硫酸ナトリウム 0.145kg
クロスグリ香料 0.3リットル
水 添加して最終体積1000リットルとする
炭酸カルシウム 4.2kg
*アスパルテーム(RTM)として販売されている。
カルシウム:酸のモル比は0.5。
水酸化ナトリウム溶液を用いて濃縮物のpHを3.7に合わせる。以下のようにして濃縮物についてインビトロプラノメトリー試験を行うことができる。37℃において、平らな歯のエナメル質切片を、pH3.85の試験溶液(濃縮物を水で5倍希釈したもの)に30分間さらす。試験中に失われたエナメル質の深さを物理的に測定することにより侵食能を評価する。14mMのクエン酸を含むpH3.2の対照処方は、4ミクロンのエナメル質を失わせ、14mMのクエン酸を含むpH3.85のさらなる対照処方は1.8ミクロンのエナメル質を失わせ、14mMのクエン酸、7mMのカルシウムを含み、pHを3.85に調節されカルシウムを添加された試験処方はわずかに0.17ミクロンのエナメル質を失わせるだけであり、本発明の有用性が示される。
この溶液または希釈前の濃縮物を下記実施例5または6に従って固化させることができる。
【0012】
実施例2
下記の成分を混合することにより溶液調製した。
成分 %w/v
安息香酸ナトリウム 0.01
リンゴ酸 0.30
香料 0.1
人工甘味料 0.05
水 差の分だけ 99.5
水酸化カルシウム 0.083
典型的には、得られる組成物のpHは3.85であり、酸に対するカルシウムのモル比は0.5である。この溶液を下記実施例5または6に従って固化させることができる。
溶液に関してインビトロプラノメトリー試験を行った。37℃において平らな歯のエナメル質切片を試験溶液に30分間さらした。試験中に失われたエナメル質の深さを物理的に測定することにより侵食能を評価した。水酸化カルシウムを添加していない対照処方はpH2.5であり、8.1ミクロンのエナメル質を失わせ、水酸化ナトリウムでpHを3.85まで上昇させたさらなる対照処方は1.65ミクロンのエナメル質を失わせ、上で詳述した組成物はわずかに0.6ミクロンのエナメル質を失わせるだけであり、歯の侵食を抑制することにおける本発明の有用性が示された。
【0013】
実施例3
下記の成分を混合することにより溶液を調製した。
成分 %w/w
砂糖 10
安息香酸ナトリウム 0.01
オレンジジュース 5.04
アスコルビン酸 0.03
クエン酸一水和物 0.15
香料 0.005
着色料 0.004
水 差の分だけ 86
炭酸カルシウム 0.048
水酸化ナトリウム pHを3.9にするに十分な量
二酸化炭素 0.48
この溶液中のカルシウム:酸のモル比は0.46である(典型的には、オレンジジュースは1重量%のクエン酸を含む)。
ついで、この溶液を下記実施例5または6に従って固化させる。
【0014】
実施例4
下記の成分を混合することにより溶液を調製した。
成分 %w/w
砂糖 8
安息香酸ナトリウム 0.01
リンゴ果汁 10
アスコルビン酸 0.03
リンゴ酸 0.15
香料 0.005
着色料 0.004
水 差の分だけ 82
炭酸カルシウム 0.093
水酸化ナトリウム pHを3.9とするに十分な量
この溶液において酸に対するカルシウムのモル比は0.74である(典型的には、リンゴ果汁は0.6重量%のリンゴ酸を含有する)。ついで、この溶液を下記実施例5または6に従って固化させる。
【0015】
実施例5
固化法
例えば、5℃未満の温度、好ましくはマイナス約20℃の温度で濃縮物を固化させることができる。固化点に達するまで、例えば、10分間溶液を煮て、ついで、冷却し、所望ならば塑造してもよい。溶解した粉末ゼラチンを添加して(製造者の指示に従って)、製品を固化させてもよい。
【0016】
実施例6
クロスグリゼリー
成分 グラム
ブドウ糖シロップ 564
ゼラチン190ブルーム 93
水 152
濃縮物(例えば、実施例1のもの) 191
方法
グルコースシロップを調理して固形分85%とし、ゼラチンを温水に溶解させる。ゼラチン溶液および濃縮物をグルコースシロップ溶液に添加する。混合物をトウモロコシ粉中で塑造し、一晩放置する。
【0017】
実施例7
乾燥粉末オレンジ風味スポーツ飲料
典型的には、リボンブレンダーを用いて成分を乾燥混合して均質な混合物を得る。ついで、袋、ジャーまたはドラム缶のような適当な容器に製品を入れる。
成分 kg数
ブドウ糖一水和物 389.12
マルトデキストリン 523.37
アスパルテーム 0.58
アセスルフェームk 0.37
クエン酸三ナトリウム 16.54
塩化ナトリウム 9.34
クエン酸 36.97
アスコルビン酸 1.17
クエン酸カリウム 2.33
炭酸カルシウム 11.46
オレンジ香料 2.92
ベータ−カロチン(1%) 5.84
全量 1000.00kg
粉末50gを水500mlに溶解してオレンジ風味スポーツ飲料を製造した。飲料はpH4であり、酸に対するカルシウムのモル比は0.6であった。
【0018】
実施例8
乾燥粉末低カロリーオレンジ風味スポーツ飲料
典型的には、リボンブレンダーを用いて成分を乾燥混合して均質な混合物を得る。ついで、袋、ジャーまたはドラム缶のような適当な容器に製品を入れる。
成分 kg数
マルトデキストリン 129.52
アスパルテーム 30.73
アセスルフェームk 9.77
クエン酸三ナトリウム 153.07
塩化ナトリウム 59.81
クエン酸 353.23
アスコルビン酸 27.55
クエン酸カリウム 21.55
炭酸カルシウム 109.50
オレンジ香料 35.09
ベータ−カロチン(1%) 70.18
全量 1000.00kg
粉末4gを水500mlに溶解して低カロリーオレンジ風味スポーツ飲料を製造した。飲料はpH4であり、酸に対するカルシウムのモル比は0.6であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1モルの酸に対してカルシウムが0.3ないし0.55モルの範囲で存在することならびに組成物の有効pHが3.5ないし4.5となるように組成物中のカルシウムおよび酸性物質の割合が選択されることを特徴とする、カルシウム化合物および酸性物質を含有する経口用固形または半固形組成物。
【請求項2】
1モルの酸に対してカルシウムが少なくとも0.4モルの量で存在する請求項1記載の組成物。
【請求項3】
組成物の有効pHが4を超えない請求項1記載の組成物。
【請求項4】
組成物の有効pHが3.7ないし3.9である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
酸がクエン酸、リンゴ酸もしくは乳酸またはそれらの混合物である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
カルシウム化合物が炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、クエン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、グリセロリン酸カルシウムまたはギ酸カルシウムである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
砂糖菓子である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
菓子が香錠である請求項7記載の組成物。
【請求項9】
乾燥粉末混合物である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
粉末飲料製品である請求項9記載の組成物。
【請求項11】
経口ヘルスケア組成物である請求項1ないし10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
酸により引き起こされる歯の侵食を抑制するために経口投与される組成物の製造における、カルシウム化合物および酸性物質を含有する固形または半固形組成物の使用であって、1モルの酸に対してカルシウムが0.3ないし0.55モルの範囲で組成物中に存在することならびに組成物の有効pHが3.5ないし4.5となるように組成物中のカルシウムおよび酸性物質の量が選択されることを特徴とする使用。
【請求項13】
1モルの酸に対してカルシウムが少なくとも0.4モルの量で存在する請求項12記載の使用。
【請求項14】
1モルの酸に対してカルシウムが0.3ないし0.55モルの範囲で存在し、組成物の有効pHが3.5ないし4.5であることを特徴とするカルシウム化合物および酸性物質を含む固体または半固体組成物の製造方法であって、1モルの酸に対してカルシウムが0.3ないし0.55モルの範囲で存在するようにカルシウム化合物と酸性物質を混合し、必要または所望ならば、有効pHが3.5ないし4.5の範囲となるようにアルカリを添加することによりpHを調節することを含む製造方法。

【公開番号】特開2009−62370(P2009−62370A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−228352(P2008−228352)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【分割の表示】特願2000−509306(P2000−509306)の分割
【原出願日】平成10年8月11日(1998.8.11)
【出願人】(595047190)スミスクライン ビーチャム ピー エル シー (34)
【Fターム(参考)】