説明

歯周病発症の評価システム

【課題】 簡便かつ迅速で客観性に富む歯周病発症の評価システム、歯周病の予防・治療剤のスクリーニング方法、歯周病モデル器官培養物、歯周病の予防・治療剤のスクリーニングセット、歯周病発症モデル動物等を提供すること。
【解決手段】 マウスより下顎を摘出し、実体顕微鏡下において臼歯及び切歯を抜歯し、大きさを揃えた歯槽骨を採取し、歯槽骨の器官培養系に、LPS又はTLR2リガンドを添加して、被検物質の存在下又は非存在下に6日間培養し、培養後、培養上清中のカルシウム濃度の定量により骨吸収活性を測定する。また、実体顕微鏡下において、マウスの下顎臼歯外側の歯肉に、LPSを被検物質と共に、又は単独で投与し歯槽骨の骨密度を測定する。このスクリーニングにより、シークヮーサーエキスなどに含まれるポリメトキシフラボノイド類が歯周病の予防・治療に有効であることがわかった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非ヒト動物の歯槽骨とTLR4リガンド及び/又はTLR2リガンドとを備えた歯周病発症の評価システム、より詳しくは、歯周病の予防・治療剤のスクリーニング方法、歯周病モデル器官培養物、歯周病の予防・治療剤のスクリーニングセット、歯周病発症モデル動物等に関する。
【背景技術】
【0002】
歯周病は、歯の表面についた汚れ(プラーク)により、歯を支えている歯ぐきや骨が、化膿したり破壊されたりする病気であり、日本国民の8割が罹患する国民病疾患である。歯周病の治療方法としては外科的治療方法や、ペリオクリンやファンキゾンという抗生物質による薬物治療法や、チアゾール化合物もしくはその薬学的に許容される塩からなる骨粗鬆症、骨折、歯周病等、種々の骨疾病・障害の治療薬(例えば、特許文献1参照)や、抗CD14抗体を有効成分として含有する歯周病治療薬(例えば、特許文献2参照)や、血管内皮細胞増殖因子/血管透過性因子(VEGF/VPF)に対する抗体を含む製剤からなることを特徴とする歯周病治療薬(例えば、特許文献3参照)等が知られている。
【0003】
また、歯周病の予防や治療に有用な物質を評価する方法としては、歯垢が付着しやすくなるように、動物の歯の周りに糸を巻いて装着し、数ヶ月放置して歯周病を発症させ、その後、歯周組織を摘出して切片を作製し、形態学的に観察して評価する、自然発症モデルを用いる方法(例えば、非特許文献1参照)や、ヒト歯周病菌の生きた菌を動物に投与して感染させて発症させる歯周病菌を投与する方法(例えば、非特許文献2参照)等が報告されている。
【0004】
しかし、上記自然発症モデルを用いる評価方法の場合、その評価は切片を用いた顕微鏡観察による形態学的手法を用いて行われるが、歯周組織は石灰度の高い歯を有しているため、脱灰する必要があり、その切片作製の過程は固定した組織の包埋や薄切を含み、手間と時間がかかる上に、熟練した手技をも必要とする。また、歯周病菌を投与する方法の場合、動物を無菌環境で飼育する必要性があり、実施環境の整備が求められるため、スクリーニング系としては汎用性に欠ける上に、この場合の評価方法も形態学的手法によることから、動物の感染に時間がかかり、切片作製と形態学的評価もあわせると数ヶ月の時間を要するという問題があった。
【0005】
他方、トール(Toll)遺伝子は、ショウジョウバエの胚発生中の背腹軸の決定(例えば、非特許文献3、4参照)、また成体における侵入病原体を検出する自然免疫に関与しており(例えば、非特許文献5〜7参照)、近年、トール遺伝子の哺乳類のホモログが同定され(例えば、非特許文献8〜12参照)、ヒトのトール様受容体(TLR)ファミリーについては、TLR2やTLR4等これまでに10種が報告されている。TLRファミリーの役割は、細菌の共通構造を認識するパターン認識受容体として、別々の病原体会合分子パターンを識別し、転写因子であるNF−κBの核内への移行を導く同様の細胞内シグナル伝達経路の活性化を引き起こす。かかるシグナル伝達経路は、最終的には炎症性サイトカインを産生させ、宿主防衛反応を誘起し、さらに獲得免疫に対しても宿主防衛反応を誘起させる。また、近年多くのTLRリガンドが報告されている。
【0006】
TLR2リガンドとしては、グラム陽性菌のペプチドグリカン(PGN)、細菌由来トリアシル化リポタンパク質、マイコプラズマ由来ジアシル化リポタンパク質等の種々の細菌由来のリポタンパク質、結核菌のリポアラビノマンナン、酵母のザイモザン、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)のGPIアンカーなどのさまざまな細菌成分が報
告されている(例えば、非特許文献13〜17参照)。また、TLR4リガンドとしては、グラム陰性菌の細胞壁に特異的な糖脂質であるリポポリサッカライド(LPS)が知られており、LPSは、宿主に対して強力な自然免疫誘導活性を有することも知られている(例えば、非特許文献18、19参照)。LPSは、コア領域とO−抗原からなる親水性の多糖部分と、リピドAと総称される疎水性の糖脂質から構成される両親媒性物質であり、O−抗原は、細菌種・菌株に特異的なオリゴ糖による繰り返し構造を持っており、グラム陰性細菌の血清学的な分類に用いられており、また、コア領域は、Kdoやヘプトースといった特徴的な糖成分を含むオリゴ糖であり、その構造はO−抗原多糖よりも多様性が少ない。リピドAは、リン酸化されたグルコサミン二糖に複数のアシル基が結合した構造をもっており、LPSの免疫誘導活性の本体として認識されている。
【0007】
【特許文献1】特開平11−209284号公報
【特許文献2】特開平10−114679号公報
【特許文献3】特開2002−097157号公報
【非特許文献1】J.Periodont Res.39:107-110,2004
【非特許文献2】J.Clin.Invest.106:R59-R67,2000
【非特許文献3】Cell 52, 269-279, 1988
【非特許文献4】Annu. Rev. Cell Dev. Biol. 12, 393-416, 1996
【非特許文献5】Nature 406, 782, 2000
【非特許文献6】Nat. Immunol. 2, 675, 2001
【非特許文献7】Annu. Rev. Immunol. 20, 197, 2002
【非特許文献8】Nature 388, 394-397, 1997
【非特許文献9】Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95, 588-593, 1998
【非特許文献10】Blood 91, 4020-4027, 1998
【非特許文献11】Gene 231, 59-65, 1999
【非特許文献12】Science 285, 732, 1999
【非特許文献13】Science 285, 736, 1999
【非特許文献14】J.Biol. Chem. 274, 33419, 1999
【非特許文献15】J. Immunol. 164, 554, 2000
【非特許文献16】Nature 401, 811, 1999
【非特許文献17】J. Immunol. 167, 416, 2001
【非特許文献18】Trends Glycosci. Glycotechnol., 14, 53-68, 2002
【非特許文献19】Crit. Rev. Microbiol., 16, 477-523, 1989
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記のように、従来、動物の歯周組織を摘出して切片を作製し、形態学的に観察して評価する方法が用いられてきたが、これらの方法は簡便でなく、評価までの時間もかかり、数ヶ月単位の時間を要する評価系であった。従って、数多くの候補物質のスクリーニングは困難である上に、形態学的評価は作製した切片の作製状態や評価する人によってバラツキが生じやすく、実施者や施設間における実験結果に差が生じやすいことから、客観的評価が求められるスクリーニング系としては適さない。本発明の課題は、簡便かつ迅速で客観性に富む歯周病発症の評価システム、歯周病の予防・治療剤のスクリーニング方法、歯周病モデル器官培養物、歯周病の予防・治療剤のスクリーニングセット、歯周病発症モデル動物等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、マウスより下顎を摘出し、実体顕微鏡下において臼歯および切歯を抜歯し、大きさを揃えた歯槽骨を採取し、歯槽骨の器官培養系に、LPSまたはTLR2リガンドを添加して6日間培養し、培養後、培養上清中のカルシウム濃度の定量により骨吸収活性を測定したところ、LPSまたはTLR2リガンドを添加すると濃度依存的に骨吸収活性が上昇することを見い出し、次に、インドメタシン(Indomethacin)を併用添加して、歯槽骨の骨吸収活性を検討した結果、インドメタシンを併用添加すると、LPSまたはTLR2リガンドによる骨吸収活性が完全に抑制されることを見い出した。また、本発明者は、実体顕微鏡下において、マウスの下顎臼歯外側の歯肉に、LPSを投与することにより歯槽骨の骨密度が低下することを見い出し、次に、インドメタシンを併用投与すると、LPSによる歯槽骨の骨密度低下が完全に抑制されることを見い出した。本発明は上記の知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0010】
すなわち本発明は、非ヒト動物の歯槽骨に、TLR4リガンド及び/又はTLR2リガンドを接触せしめることを特徴とする歯周病発症の評価システム(請求項1)や、非ヒト
動物の歯槽骨を器官培養した後、培養液にTLR4リガンド及び/又はTLR2リガンドと被検物質とを添加してさらに培養し、培養上清中のカルシウム濃度を測定・評価することを特徴とする歯周病の予防・治療剤のスクリーニング方法(請求項2)や、非ヒト動物の歯槽骨近傍の歯肉に、TLR4リガンド及び/又はTLR2リガンドと被検物質とを投与し、歯槽骨の骨密度を測定・評価することを特徴とする歯周病の予防・治療剤のスクリーニング方法(請求項3)や、TLR4リガンドとして、リポポリサッカライド(LPS)を用いることを特徴とする請求項2又は3記載の歯周病の予防・治療剤のスクリーニング方法(請求項4)や、TLR2リガンドとして、ペプチドグリカン、リポタンパク質、リポアラビノマンナン、ザイモザンの1種又は2種以上を用いることを特徴とする請求項2又は3記載の歯周病の予防・治療剤のスクリーニング方法(請求項5)や、非ヒト動物がマウスであることを特徴とする請求項2〜5のいずれか記載の歯周病の予防・治療剤のスクリーニング方法(請求項6)や、非ヒト動物の歯槽骨を器官培養した後、培養液にTLR4リガンド及び/又はTLR2リガンドを添加してさらに培養した歯周病モデル器官培養物(請求項7)に関する。
【0011】
また本発明は、TLR4リガンドが、リポポリサッカライド(LPS)であることを特徴とする請求項7記載の歯周病モデル器官培養物(請求項8)や、TLR2リガンドが、ペプチドグリカン、リポタンパク質、リポアラビノマンナン、ザイモザンの1種又は2種以上であることを特徴とする請求項7記載の歯周病モデル器官培養物(請求項9)や、非ヒト動物がマウスであることを特徴とする請求項7〜9のいずれか記載の歯周病モデル器官培養物(請求項10)や、非ヒト動物の歯槽骨を器官培養用培地、TLR4リガンド及び/又はTLR2リガンド、及び培養上清中のカルシウム濃度の測定キットを有することを特徴とする歯周病の予防・治療剤のスクリーニングセット(請求項11)や、TLR4リガンドが、リポポリサッカライド(LPS)であることを特徴とする請求項11記載の歯周病の予防・治療剤のスクリーニングセット(請求項12)や、TLR2リガンドが、ペプチドグリカン、リポタンパク質、リポアラビノマンナン、ザイモザンの1種又は2種以上であることを特徴とする請求項11記載の歯周病の予防・治療剤のスクリーニングセット(請求項13)や、非ヒト動物がマウスであることを特徴とする請求項11〜13のいずれか記載の歯周病の予防・治療剤のスクリーニングセット(請求項14)に関する。
【0012】
さらに本発明は、非ヒト動物の歯槽骨近傍の歯肉に、TLR4リガンド及び/又はTLR2リガンドを投与することにより得られる歯周病発症モデル動物(請求項15)や、TLR4リガンドが、リポポリサッカライド(LPS)であることを特徴とする請求15記載の歯周病発症モデル動物(請求項16)や、TLR2リガンドが、ペプチドグリカン、リポタンパク質、リポアラビノマンナン、ザイモザンから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項15記載の歯周病発症モデル動物(請求項17)や、非ヒト動物がマウスであることを特徴とする請求項15〜17のいずれか記載の歯周病発症モデル動物(請求項18)や、請求項1〜6のいずれか記載の歯周病の予防・治療剤のスクリーニング方法により得られる歯周病予防・治療剤(請求項19)や、インドメタシンを有効
成分とする歯周病予防・治療剤(請求項20)や、ポリメトキシフラボノイド類を有効成分とする歯周病予防・治療剤(請求項21)や、ポリメトキシフラボノイド類が、柑橘類由来のポリメトキシフラボノイド類である請求項21記載の歯周病予防・治療剤(請求項22)や、ポリメトキシフラボノイド類が、タンゲレチンを有効成分とするポリメトキシフラボノイド類である請求項21又は22記載の歯周病予防・治療剤(請求項23)や、ポリメトキシフラボノイド類を有効成分として含有する歯周病予防・治療用の食品又は食品素材(請求項24)や、ポリメトキシフラボノイド類が、柑橘類由来のポリメトキシフラボノイド類である請求項24記載の歯周病予防・治療用の食品又は食品素材(請求項25)や、ポリメトキシフラボノイド類が、タンゲレチンである請求項24又は25記載の歯周病予防・治療用の食品又は食品素材(請求項26)に関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の歯周病の予防・治療剤のスクリーニング方法、歯周病モデル器官培養物、歯周病の予防・治療剤のスクリーニングセット、歯周病発症モデル動物を用いることにより、歯周病の予防あるいは治療に有用な候補物質を1週間程度の短期間に評価することができる。マウス歯槽骨の器官培養系を用いたインビトロ(in vitro)スクリーニング系においては、歯周病に対する数多くの候補物質の有効性の有無を簡便に調べることが可能となり、一次スクリーニング系として特に適している。また、歯周病発症モデル動物を用いたインビボ(in vivo)スクリーニング系においては、歯周病に対する候補物質の有効性の有
無を、生体を用いて極めて短期間で評価することが可能となり、生体を用いる系であることから、ヒトにおける有効性の有無を判断する材料として特に適している。これら2つの評価システムは、歯磨剤などのオーラルケア製品、ガムや飴などの食品やサプリメント、及び歯周病予防・治療薬などを対象として、有効成分の添加を検討する際に用いるスクリーニング系としても適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の歯周病発症の評価システムとしては、非ヒト動物の歯槽骨に、TLR4リガンド及び/又はTLR2リガンドを接触せしめることを特徴とし、かかる評価システムの具体的な実施の態様としては、かかる評価システムを利用した歯周病の予防・治療剤のスクリーニング方法、歯周病モデル器官培養物、歯周病の予防・治療剤のスクリーニングセット、歯周病発症モデル動物等を挙げることができる。また、本発明における非ヒト動物としては、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウマ、ウシ、サル等を挙げることができるが、短期間に歯槽骨に歯周病を発症させることができ、かつ取扱いが簡便である点で、特にマウスが好ましい。
【0015】
本発明の歯周病の予防・治療剤のスクリーニング方法としては、インビトロ系とインビボ系に大別することができ、インビトロ系としては、非ヒト動物の歯槽骨を器官培養した後、培養液にTLR4リガンド及び/又はTLR2リガンドと被検物質とを添加してさらに培養し、培養上清中のカルシウム濃度を測定・評価するスクリーニング方法であれば特に制限されるものではないが、被検物質を添加しない対照におけるカルシウム濃度を測定し、比較評価することが好ましい。非ヒト動物がマウスの場合、インビトロ系における器官培養する歯槽骨として、臼歯および切歯を抜歯したものを有利に用いることができ、ここで、器官培養とは、器官片を生体より取り出し、もとの三次元的な構築を失わせることなく、有機的な成長を行わせる培養を云う。また、インビボ系としては、非ヒト動物の歯槽骨近傍の歯肉に、TLR4リガンド及び/又はTLR2リガンドと被検物質とを投与し、歯槽骨の骨密度を測定・評価するスクリーニング方法であれば特に制限されるものではないが、被検物質を投与しない対照における歯槽骨の骨密度を測定し、比較評価することが好ましく、特に同一動物における被検物質を併用投与した以外の左右どちらか一方の歯槽骨の骨密度を測定し、比較評価することが好ましい。また、非ヒト動物がマウスの場合、インビボ系における歯槽骨近傍の歯肉として、下顎臼歯外側の歯肉を好適に例示することができる。
【0016】
上記TLR4リガンドとしては、LPSを好適に例示することができる。また、TLR2リガンドとしては、グラム陽性菌のPGN、細菌由来トリアシル化リポタンパク質、マイコプラズマ由来ジアシル化リポタンパク質等の種々の細菌由来のリポタンパク質、結核菌のリポアラビノマンナン、酵母のザイモザン、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)のGPIアンカー等を具体的に挙げることができる。これらTLR4リガンドや
TLR2リガンドの使用濃度や使用量は、リガンドの種類、動物種やその体重によって適宜変更しうるが、短期間で歯槽骨に歯周病が発症するように使用濃度や使用量を決定する
ことが好ましく、例えばLPSを使用するマウスの場合、インビトロ・スクリーニング系では、培養液中の濃度が0.1〜10μg/ml、好ましくは1〜10μg/mlとなる
ように添加すればよく、インビボ・スクリーニング系では825〜1650μg/kgとなるように投与すればよい。TLR2リガンドを使用するマウスの場合、インビトロ・スクリーニング系では、培養液中の濃度が30〜300μg/ml、好ましくは100〜300μg/mlとなるように添加すればよく、インビボ・スクリーニング系では8.3〜
83mg/kgとなるように投与すればよい。
【0017】
上記被検物質としては特に制限されないが、鎮痛・消炎・抗炎症薬(NSAID、ステロイ
ドなど)、抗生物質、動植物からの抽出物、生薬、核酸、糖類、糖アルコール、ポリペプチドなどを挙げることができるが、動植物からの抽出物、生薬、糖類、糖アルコール等の歯磨剤などのオーラルケア製品、ガムや飴などの食品やサプリメントに適用可能な物が好ましい。
【0018】
候補薬剤としての上記鎮痛・消炎・抗炎症薬としては、イブプロフェンピコノール、インドメタシン、ウフェナマート、ケトプロフェン、グリチルレチン酸、ジクロフェナクナトリウム、スプロフェン、ピロキシカム、フェルビナク、ブフェキサマク、フルルビプロフェン、ペンダザック、ジフェンヒドラミン、ラウリル硫酸ジフェンヒドラミン、アムシノニド、吉草酸酢酸プレドニゾロン、吉草酸ジフルコルトロン、吉草酸デキサメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、酢酸ジフロラゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、ジフルプレドナート、ジプロピオン酸ベタメタゾン、デキサメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、ハルシノニド、ピバル酸フルメタゾン、フランカルボン酸モメタゾン、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、フルドロキシコルチド、プレドニゾロン、プロピオン酸アルクロメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、プロピオン酸デキサメタゾン、プロピオン酸デプロドン、プロピオン酸ベクロメタゾン、酪酸クロベタゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン、酢酸プレドニゾロンなどを挙げることができる。また、候補薬剤としての上記抗生物質としては、塩酸オキシテトラサイクリン、塩酸テトラサイクリン、ゲンタマイシン、フラジオマイシン、エリスロマイシン、ピマリシン、硫酸ブレオマイシン、合成ペニシリン、合成セファロスポリン、バンコマイシンなどを挙げることができる。さらに、植物からの抽出物としては、柑橘類由来のポリメトキシフラボノイド類であるノビレチン、タンゲレチン、ナリルチン、シネンセチンなどを挙げることができ、またこれらのポリメトキシフラボノイドに代えて、シークヮーサーエキスなどのポリメトキシフラボノイド類を含む柑橘類由来のエキス類を候補薬剤として用いることもできる。
【0019】
本発明の歯周病予防・治療剤としては、上記本発明の歯周病の予防・治療剤のスクリーニング方法により得られるものであれば特に制限されず、具体的には、インドメタシンや、ノビレチン、タンゲレチン、ナリルチン、シネンセチン等のポリメトキシフラボノイド類などを挙げることができる。これらは1種単独若しくは2種以上を混合して用いてもよく、又は、これらの混合物であるシークヮーサーエキスなどのポリメトキシフラボノイド類を含む柑橘類由来のエキス類を用いることもできる。これらの歯周病予防・治療剤を医薬用の治療剤として用いる場合は、薬学的に許容される通常の担体、結合剤、安定化剤、賦形剤、希釈剤、pH緩衝剤、崩壊剤、可溶化剤、溶解補助剤、等張剤などの各種調剤用配合成分を添加することができる。これら治療剤は、経口的又は非経口的に投与することができ、例えば、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液等の剤型で経口的に投与することができ、あるいは、例えば、練り歯磨、口腔内軟膏剤、含嗽剤溶液等の口腔内使用剤や、乳剤、懸濁液等の剤型にしたものを注射剤として非経口投与することができる。また、本発明の歯周病予防・治療剤を食品又は食品素材に添加・配合して歯周病予防・治療用の食品又は食品素材とすることもできる。上記食品又は食品素材としては、ヨーグルト、ドリンクヨーグルト、ジュース、牛乳、豆乳、酒類、コーヒー、紅茶、煎茶、ウーロン茶、スポーツ飲料等の各種飲料や、プリン、クッキー、パン、ケーキ、ゼリー、煎餅などの焼き菓子、羊羹などの和菓子、冷菓、チューインガム等のパン・菓子類や、うどん、そば等の麺類や、かまぼこ、ハム、魚肉ソーセージ等の魚肉練り製品や、みそ、しょう油、ドレッシング、マヨネーズ、甘味料等の調味類や、チーズ、バター等の乳製品や、豆腐、こんにゃく、その他佃煮、餃子、コロッケ、サラダ等の各種総菜へ配合して食品として使用することができる。なお、歯周病予防・治療用とは、包装容器や説明書に、歯周病の予防や治療に有効である旨表示されている場合などを意味する。
【0020】
本発明の歯周病モデル器官培養物としては、マウス等の非ヒト動物の歯槽骨を器官培養した後、培養液にTLR4リガンド及び/又はTLR2リガンドを添加してさらに培養したものであれば特に制限されるものではなく、かかる歯周病モデル器官培養物は、インビトロにおける歯周病の予防・治療剤のスクリーニングに有利に用いることができる他、歯周病発症のメカニズムの解明に有利に用いることができる。歯槽骨の器官培養は、歯槽骨を生体より取り出し、もとの三次元的な構築を失わせることなく、有機的な成長を行わせる培養であれば公知の方法を含めどのような方法であってもよい。
【0021】
本発明の歯周病の予防・治療剤のスクリーニングセットとしては、マウス等の非ヒト動物の歯槽骨の器官培養用培地、TLR4リガンド及び/又はTLR2リガンド、及び培養上清中のカルシウム濃度の測定キットを有するセットであれば特に制限されず、歯槽骨の器官培養用培地としては、1mg/mlBSA, Penicillin(P)(63.2mg/l),Streptomycin(S)(100mg/l)を含むBGJb液体培地、アルファMEM液体培地等を挙げることができる。
【0022】
本発明の歯周病発症モデル動物としては、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウマ、ウシ、サル等の非ヒト動物の歯槽骨近傍の歯肉に、TLR4リガンド及び/又はTLR2リガンドを投与することにより得られる非ヒト動物であれば特に制限されず、かかる歯周病発症モデル動物はインビボにおける歯周病の予防・治療剤のスクリーニングに有利に用いることができる他、歯周病発症のメカニズムの解明に有利に用いることができる。
【0023】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【実施例1】
【0024】
[インビトロ・スクリーニング系(マウス歯槽骨の器官培養系:LPSによる骨吸収活性の上昇)]
6週齢のddy系マウスより下顎を採取し、実体顕微鏡下において、臼歯および切歯を抜歯したものを歯槽骨とした。48ウェルプレートを用い、1mg/mlBSA/BGJb medium/Penicillin(P)(63.2mg/l), Streptomycin(S)(100mg/l)培養液500μlにて37℃で24時間培養した。その後、同培養液、すなわち、1mg/mlBSA/BGJb medium/PSの200μlにLPS(1μg/ml;Sigma社製)を添加した培地に変え、さらに6日間培養した。培養後、カルシウムCテストワコー(和光社製)により培養上清中のカルシウム濃度を測定した(n=4)。培養液のみの場合のカルシウム濃度を差引き、カルシウム濃度の上昇分を歯槽骨から遊出したカルシウムであると判断し、骨吸収活性とした。結果を図1(左)に示す。図1(左)中、*はp<0.001を表す。図1(左)に示されるように、LPS添加により骨吸収活性の上昇が認められた。
【実施例2】
【0025】
[インビボ・スクリーニング系(マウス歯槽骨の骨密度による歯周病評価:下顎へのLPS投与による骨密度低下)]
実体顕微鏡下において、6週齢ddy系マウスの左下顎臼歯外側の歯肉にLPS(0.5mg/ml)を2ヶ所に分けて25μlずつ(total 50μl)を1日置きに3回投与する(LPS(25μg/body/day))。右下顎臼歯外側の歯肉には対象としてPBSを同様に投与した。3回目投与の3日後に左右下顎より歯槽骨を取り出し、抜歯の後、DEXA(dual energy X-ray absorptiometry:Aloka社製)法により歯槽骨の骨密度(BMD)を測定した(n=4)。結果を図1(右)に示す。図1(右)中、*はp<0.001を表す。図1(右)に示されるように、LPS投与により骨密度の減少が認められた。
【実施例3】
【0026】
[インビトロ・スクリーニング系(マウス歯槽骨の器官培養系:LPS、TLR2リガンドによる骨吸収活性の上昇とインドメタシン併用による骨吸収活性の上昇抑制)]
実施例1と同様に、6週齢のddy系マウスより下顎を採取し、実体顕微鏡下において、臼歯および切歯を抜歯したものを歯槽骨とした。48ウェルプレートを用い、1mg/mlBSA/BGJb medium/PS培養液500μlにて37℃で24時間培養した。その後、同培養液の200μlに、それぞれLPS(1μg/ml;Sigma社製)を添加した培地、LPS(1μg/ml;Sigma社製)とインドメタシン(10−6M;Sigma社製)を添加した培地、TLR2リガンドであるリポペプチド(300μg/ml;BACHEM社製)を添加した培地、リポペプチド(300μg/ml;BACHEM社製)とインドメタシン(10−6M;Sigma社製)を添加した培地に変え、さらに6日間培養した。培養後、カルシウムCテストワコー(和光社製)により培養上清中のカルシウム濃度を測定した(n=各4)。培養液のみの場合のカルシウム濃度を差引き、カルシウム濃度の上昇分を歯槽骨から遊出したカルシウムであると判断し、骨吸収活性とした。結果を図2に示す。図2中、*はp<0.01を、**はp<0.001を表す。図2に示されるように、LPS、TLR2リガンドの添加により骨吸収活性の上昇が認められたが、インドメタシンの併用により、骨吸収活性の上昇が抑制された。
【実施例4】
【0027】
[インビボ・スクリーニング系(マウス歯槽骨の骨密度による歯周病評価:下顎へのLPS投与による骨密度低下とインドメタシン併用による骨密度低下の抑制)]
実施例2と同様に、実体顕微鏡下において、6週齢ddy系マウスの左下顎臼歯外側の歯肉に、それぞれLPS(0.5mg/ml)のみを2ヶ所に分けて25μlずつ(total 50μl)、LPS(0.5mg/ml)を2ヶ所に分けて25μlずつ(total 50μl)とインドメタシン(Sigma社製)1μg、LPS(0.5mg/ml)を2ヶ所に分けて25μlずつ(total 50μl)とインドメタシン(Sigma社製)10μgを投与した。右下顎臼歯外側の歯肉には対象としてPBSを同様に投与した。投与の7日後に左右下顎より歯槽骨を取り出し、抜歯の後、DEXA(dual energy X-ray absorptiometry:Aloka社製)法により歯槽骨の骨密度(BMD)を測定した(n=各4)。結果を図3に示す。図3中、*は対照と比較してp<0.05を、**はp<0.001を表し、##はLPS単独投与と比較してp<0.001を表す。図3に示されるように、LPS投与により骨密度の減少が認められたが、インドメタシンの併用により、濃度依存的に骨密度の減少が抑制された。
【実施例5】
【0028】
[歯槽骨器官培養系におけるノビレチンおよびタンゲレチンの骨吸収抑制作用]
マウスより下顎を採取し、実体顕微鏡下において、臼歯、および切歯を抜歯したものを歯槽骨とした。1mg/mlBSA/BGJb medium/PSにて24時間培養後、LPS(10μg/ml) および、式(1)に示すノビレチン(30μM)または式(2)に示すタンゲレチン(30μM)を併用処理し、さらに3日間培養後、培養上清中のCa濃度を測定し、骨吸収活性を求めた。その結果を図4に示す。処理後3日目において、骨吸収活性はLPS処理により有意に増加したが(*P<0.001 vs control)、ノビレチンまたはタンゲレチン併用処理により、有意に低下した(###P<0.001 vs LPS)。
【0029】
【化1】

【0030】
【化2】

【実施例6】
【0031】
[歯周病モデルマウスの歯槽骨の骨密度に及ぼすノビレチンおよびタンゲレチンの投与効果]
6週齢マウスの下顎臼歯外側の歯肉に溶媒 (DMSO/PEG300 1:4) を1日置きに3回投与したマウスを control群、LPS(30μg/body/day)を同様のスケジュールで投与したマウスをLPS群として、歯周病モデルマウスを作製した。さらに、LPSにノビレチン(0.3mg/body/day)またはタンゲレチン(0.5mg/body/day)を混合した液を1日置きに3回併用投与した。4群について、3回目投与の3日後に歯槽骨を摘出し、抜歯の後、Dual Energy X-ray Absorptiometry (DEXA) 法にて歯槽骨の骨密度を測定した。その結果を図5に示す。LPS投与により低下した歯槽骨の骨密度はノビレチン(0.3mg/body/day)併用投与によりコントロールレベルに維持された(LPS投与群:*P<0.001 vs control, ノビレチン群:##P<0.01 vs LPS)。また、LPS投与により低下した歯槽骨の骨密度はタンゲレチン(0.5mg/body/day)併用投与により有意に回復した(タンゲレチン群:#P<0.05 vs LPS)。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明のインビトロ・スクリーニング系(マウス歯槽骨の器官培養系:LPSによる骨吸収活性の上昇)及びインビボ・スクリーニング系(マウス歯槽骨の骨密度による歯周病評価:下顎へのLPS投与による骨密度低下)の結果を示す図である。
【図2】本発明のインビトロ・スクリーニング系(マウス歯槽骨の器官培養系:LPS、TLR2リガンドによる骨吸収活性の上昇とインドメタシン併用による骨吸収活性の上昇抑制)の結果を示す図である。
【図3】本発明のインビボ・スクリーニング系(マウス歯槽骨の骨密度による歯周病評価:下顎へのLPS投与による骨密度低下とインドメタシン併用による骨密度低下の抑制)の結果を示す図である。
【図4】歯槽骨器官培養系におけるノビレチンおよびタンゲレチンの骨吸収抑制作用の結果を示す図である。
【図5】歯周病モデルマウスの歯槽骨の骨密度に及ぼすノビレチンおよびタンゲレチンの投与効果の結果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非ヒト動物の歯槽骨に、TLR4リガンド及び/又はTLR2リガンドを接触せしめることを特徴とする歯周病発症の評価システム。
【請求項2】
非ヒト動物の歯槽骨を器官培養した後、培養液にTLR4リガンド及び/又はTLR2リガンドと被検物質とを添加してさらに培養し、培養上清中のカルシウム濃度を測定・評価することを特徴とする歯周病の予防・治療剤のスクリーニング方法。
【請求項3】
非ヒト動物の歯槽骨近傍の歯肉に、TLR4リガンド及び/又はTLR2リガンドと被検物質とを投与し、歯槽骨の骨密度を測定・評価することを特徴とする歯周病の予防・治療剤のスクリーニング方法。
【請求項4】
TLR4リガンドとして、リポポリサッカライド(LPS)を用いることを特徴とする請求項2又は3記載の歯周病の予防・治療剤のスクリーニング方法。
【請求項5】
TLR2リガンドとして、ペプチドグリカン、リポタンパク質、リポアラビノマンナン、ザイモザンの1種又は2種以上を用いることを特徴とする請求項2又は3記載の歯周病の予防・治療剤のスクリーニング方法。
【請求項6】
非ヒト動物がマウスであることを特徴とする請求項2〜5のいずれか記載の歯周病の予防・治療剤のスクリーニング方法。
【請求項7】
非ヒト動物の歯槽骨を器官培養した後、培養液にTLR4リガンド及び/又はTLR2リガンドを添加してさらに培養した歯周病モデル器官培養物。
【請求項8】
TLR4リガンドが、リポポリサッカライド(LPS)であることを特徴とする請求項7記載の歯周病モデル器官培養物。
【請求項9】
TLR2リガンドが、ペプチドグリカン、リポタンパク質、リポアラビノマンナン、ザイモザンの1種又は2種以上であることを特徴とする請求項7記載の歯周病モデル器官培養物。
【請求項10】
非ヒト動物がマウスであることを特徴とする請求項7〜9のいずれか記載の歯周病モデル器官培養物。
【請求項11】
非ヒト動物の歯槽骨を器官培養用培地、TLR4リガンド及び/又はTLR2リガンド、及び培養上清中のカルシウム濃度の測定キットを有することを特徴とする歯周病の予防・治療剤のスクリーニングセット。
【請求項12】
TLR4リガンドが、リポポリサッカライド(LPS)であることを特徴とする請求項11記載の歯周病の予防・治療剤のスクリーニングセット。
【請求項13】
TLR2リガンドが、ペプチドグリカン、リポタンパク質、リポアラビノマンナン、ザイモザンの1種又は2種以上であることを特徴とする請求項11記載の歯周病の予防・治療剤のスクリーニングセット。
【請求項14】
非ヒト動物がマウスであることを特徴とする請求項11〜13のいずれか記載の歯周病の予防・治療剤のスクリーニングセット。
【請求項15】
非ヒト動物の歯槽骨近傍の歯肉に、TLR4リガンド及び/又はTLR2リガンドを投与することにより得られる歯周病発症モデル動物。
【請求項16】
TLR4リガンドが、リポポリサッカライド(LPS)であることを特徴とする請求15記載の歯周病発症モデル動物。
【請求項17】
TLR2リガンドが、ペプチドグリカン、リポタンパク質、リポアラビノマンナン、ザイモザンから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項15記載の歯周病発症モデル動物。
【請求項18】
非ヒト動物がマウスであることを特徴とする請求項15〜17のいずれか記載の歯周病発症モデル動物。
【請求項19】
請求項1〜6のいずれか記載の歯周病の予防・治療剤のスクリーニング方法により得られる歯周病予防・治療剤。
【請求項20】
インドメタシンを有効成分とする歯周病予防・治療剤。
【請求項21】
ポリメトキシフラボノイド類を有効成分とする歯周病予防・治療剤。
【請求項22】
ポリメトキシフラボノイド類が、柑橘類由来のポリメトキシフラボノイド類である請求項21記載の歯周病予防・治療剤。
【請求項23】
ポリメトキシフラボノイド類が、タンゲレチンを有効成分とするポリメトキシフラボノイド類である請求項21又は22記載の歯周病予防・治療剤。
【請求項24】
ポリメトキシフラボノイド類を有効成分として含有する歯周病予防・治療用の食品又は食品素材。
【請求項25】
ポリメトキシフラボノイド類が、柑橘類由来のポリメトキシフラボノイド類である請求項24記載の歯周病予防・治療用の食品又は食品素材。
【請求項26】
ポリメトキシフラボノイド類が、タンゲレチンである請求項24又は25記載の歯周病予防・治療用の食品又は食品素材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−105969(P2006−105969A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−249742(P2005−249742)
【出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成16年7月30日 日本骨代謝学会発行の「第22回 日本骨代謝学会学術集会 プログラム抄録集」に発表
【出願人】(504132881)国立大学法人東京農工大学 (595)
【出願人】(592068200)学校法人東京薬科大学 (32)
【Fターム(参考)】