説明

気泡径測定用治具および気泡径測定方法

【課題】
軟質包装袋内に分散して存在するガスの量を迅速かつ正確に測定すること。
【解決手段】
いずれか一方の面に円形凹部を設けると共に、円形凹部に対応するいずれか少なくとも一方の面には気泡径測定用環状目盛を該円形凹部と同心円状に表示してなる透明基板からなることを特徴とする封入液体内発生ガスの気泡径測定用治具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気泡径測定用治具および気泡径測定方法に関し、とくに農産物や畜産物、魚介類などの生鮮食品、弁当や惣菜などの加工食品、ジュースや酒などの飲料、醤油やソース、みそなどの調味料、ワクチンなどの薬剤、生化学用サンプル、化粧品などの物品についての品質低下の程度を評価測定するために用いられるものおよびその方法であって、形状不安定な軟質フィルム包装袋に充填された液体または粘性流体中に分散した状態で存在しているガスの量を、正確かつ迅速に測定するための治具およびそれを用いた気泡径測定方法について提案する。
【背景技術】
【0002】
生鮮食品や加工食品、ジュースなどの飲料、ワクチン、血液等(以下、便宜上、これらを総称して「飲食品等」と略記して述べる)は、これらの安全性を確保するため、流通過程に保持された時間、即ち保管時間のみならず、その流通環境の温度履歴などの管理が重要である。もし、流通時の環境温度や経過時間の管理を誤ると、例えば生鮮食品の場合は、変質(鮮度の低下)を招くだけでなく、腐敗することさえあり、さらには食中毒を発生する危険さえもあった。
こうした飲食品や薬剤等の変質や腐敗は、その多くが、生産者から流通業者を経て消費者に渡り、飲食や使用に供されるまでの間に微生物が増殖することによって生じる。ところが、飲食品等の品質は、従来、該飲食品自体の腐敗に伴う異臭や変色、異味等を人の感覚によって主観的に判断するのが普通である。しかしながら、こうした主観的な判断には個人差があり、正しい品質(変質や腐敗の進行程度)を知るのは難しいのが実情である。
【0003】
しかも、こうした飲食品等の品質低下は、たとえその飲食品等がチルド域(0〜10℃)に保存されていたとしても生じることがある。それは、実際の流通過程において、該飲食品等がどのような温度環境にあったか、どのように取り扱われたかという条件、例えば、該飲食品等を保冷庫に入れるまでの時間や、出し入れの回数などによって異なるからである。とくに、該飲食品等の腐敗は、保管環境の温度が高ければ高い程、また保管時間が長くなればなるほど進行しやすくなる。このような背景の下で、従来より、流通過程における温度上昇や保管時間の経過に伴う飲食品等の品質低下を測定するためのインジケータの開発が強く求められてきた。
【0004】
こうした状況下において、飲食品等の品質低下をより客観的に測定するためのインジケータとして、密閉された透明な合成樹脂製の容器もしくは軟質フィルム袋内に、ガスを発生する性質のある微生物を基質と共に封入したものが開発されている(特許文献1)。このインジケータは、品質を測定しようとする飲食品等に帯同させて流通過程におくことにより、その容器内もしくは袋内に発生するガスの量によって、飲食品等の品質を測定しようとするものである。このとき、容器内等に発生したガスの量を測定するにあたっては、インジケータを構成する合成樹脂製の容器もしくは軟質フィルム袋の外表面の一部に気泡径測定用環状目盛を印刷しておき、該容器等を傾けたり、指でしごいたり、押圧するなどして、該包装袋内に存在するガスがすべて該目盛内に入るようにして、ガスの量を測定していた。
【特許文献1】WO 03/067254 A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この従来の方法では、形状不安定な包装袋内に存在するガスは、該包装袋内に分散して存在しており、かつ常に特定の位置に存在しているわけではないので、たとえ該包装袋表面に気泡径測定用環状目盛を印刷表示していたとしても、その位置に該包装袋内発生ガスを集約して移動させるのに、手間取ったり、該包装袋内ガスを全てを該目盛部分に移動することは困難であった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、袋や容器内に封入した液体中に発生したガスの気泡径を簡便に測定するための治具およびその方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従来技術の抱えている上述した課題に鑑み、発明者らは鋭意研究した結果、以下に述べる要旨構成に係る本発明に想到した。
即ち、本発明の第一のものは、いずれか一方の面に円形凹部を設けると共に、円形凹部に対応するいずれか少なくとも一方の面には気泡径測定用環状目盛を該円形凹部と同心円状に表示してなる透明基板からなることを特徴とする封入液体内発生ガスの気泡径測定用治具を提案するに至った。
なお、この発明において、前記基板は、ガラス製または樹脂製であることを特徴とする。
【0008】
本発明の第二のものは、いずれか一方の面に円形凹部を設けると共に、この円形凹部に対応するいずれか少なくとも一方の面には気泡径測定用環状目盛を該円形凹部と同心円状に表示してなる透明基板からなる気泡径測定用治具の該円形凹部を有する面を、液体または粘性流体を封入した形状不安定な包装袋の外表面に押し付け、該包装袋の外表面の一部に前記円形凹部に対応する位置に円形凸部を形成させると共に、該包装袋内に封入した液体から発生するガスを該円形凸部内に浮上収集させることにより、前記円形凹部に対応して設けられた気泡径測定用環状目盛との対比において、その気泡径を特定することにより、該包装袋内に存在するガスの量を測定することを特徴とする気泡径測定方法も提案するに至った。
なお、この発明において、前記包装袋の収納物は、ガス産生菌と培養液および/または培地とを含む試料溶液であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る気泡径測定用治具およびそれを用いたガス量の測定方法によれば、形状不安定な包装袋内に存在するガス量を迅速かつ正確に測定することができる。さらに、本発明に係る気泡径測定用治具を用いて、ガス産生菌と培養液および/または培地とを含む試料溶液を封入したインジケータ内に発生したガス量を測定する場合には、飲食品等の品質を迅速かつ正確に判定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明に係る気泡径測定用治具について、その構造とその使用方法について以下に説明する。
気泡径測定用治具は、図1の斜視図に示すように、薄い(0.5〜30mm程度)透明な基板1を主要部とし、それのいずれか一方の面に円形凹部2を設けてなるものである。この円形凹部2は、基板1の一方の面の一部を、円形の外周からその中心が頂点となるようにドーム形状に彫り込まれたものである。その切断端面を、図2に示す。使用にあたって、このドーム形状の円形凹部2は、液体等を封入した形状不安定な軟質包装袋の外表面に押し付けられたとき、該包装袋の外表面の該当する部分に逆に円形凸部を形成させることになり、その結果として、該包装袋内に発生した全てのガスが該凸部に集まってくる作用を発揮することになる。しかも、この円形凹部2の役割はそれだけに止まらず、一度、集めたガスが、治具の微妙な傾き等によって再び分散してしまうのを防ぐのに有効に機能する。この点、もし円形凹部が頂点をもたないドーム形状であれば、そのような円形凸部に集まった気泡が該治具の微妙な傾き等によって容易に分散してしまい、その気泡径を測定することが困難となる。
【0011】
このような、気泡径測定用治具は、前記円形凹部2に集まった気泡の大きさを測定するために、該円形凹部2が設けられている面とは反対側の面に、この円形凹部と同心円状の環状目盛、即ち、気泡径測定用環状目盛が表示されている。この気泡径測定用環状目盛5は、図3に示すように、円径凹部の中心と同心円状に複数の円を描いたものである。なお、この目盛は、基板1の基板上面3に円形凹部の中心と同心円状に印刷したものであっても、基板1の作業面4に円形凹部の中心と同心円状に印刷したものであってもよいが、基板上面3に印刷したもののほうがより好ましく、場合によっては両面に表示してもよい。ただし、本発明に係る気泡径測定用治具は、上述したように作業面4を包装袋に強く押しつけて使用するものであるため、作業面4に前記目盛を印刷したものでは、繰り返し測定することにより包装袋の表面と摩擦により印刷が不明瞭となることがあるから、円形凹部が設けられている面とは反対側の面に表示する方が好ましい実施の形態となる。
【0012】
さらに、気泡径測定用治具は、測定しようとする容器、袋体の大きさ、即ちガスの量にあわせてその大きさの異なるものを用いることが好ましい。具体的には、包装袋が大きくなり、包装袋内部に存在するガスの量が多くなれば、気泡径測定用治具も大きなものを用い、また、包装袋が小さくなり、包装袋内部に存在するガスの量が少なくなれば、気泡径測定用治具も小さなものを用いる。包装袋内に存在するガスの量に対して、適切な大きさの気泡径測定用治具を用いなければ、包装袋の外表面に該治具を押し当てることにより形成される円形凸部が適切な形状とならず、包装袋内に存在するガスを該凸部の中心に集めることができなくなるからである。
【0013】
なお、液体や粘性流体を封入する形状不安定な包装袋(以下、単に「包装袋」という)としては、合成樹脂製の透明な軟質フィルム袋が代表的であり、軟質フィルムとしては、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレンなどのプラスチックフィルムを用いることが好ましい。その理由は、これらの透明な包装袋を用いなければ、包装袋内の気泡を視認することができないからである。また、軟質フィルム袋のベースフィルムは、二軸延伸ナイロンフィルム25μmなどの強度の高い材料であることがより好ましい。その理由は、本発明においては、上述したように、気泡径の測定にあたって、気泡径測定用治具を包装袋に強い力で押しつけることが必須となり、強度の不十分な軟質フィルムを包装袋の材料として用いると、包装袋が破裂したり収納物が漏れだしたりしてしまうからである。
【0014】
次に、気泡径測定用治具の使用方法について以下に説明する。
この治具は、円形凹部を設けた基板の一面、すなわち作業面を、液体または粘性流体を封入した包装袋の内容物収納部に押し付けて用いる。このとき、包装袋は、図4(b)に示すように、押し付けられた治具に密着し、円形凹部2に対応する形状に変形することにより、該包装袋の一部に円形凸部6が形成される。そして、包装袋内に存在するガス6は、その浮力により、この周囲より高くなった円形凸部6の頂部に自然に集まってくる。このため、本発明に係る治具の使用により、包装袋内のガス7を余すところなく、この円形凸部6に集めることができるようになる。
【0015】
気泡径測定用治具の主要部材である透明な基板1は、ガラス製または樹脂製であることが好ましい。その理由は、当該治具は、実際の使用時には包装袋に対して強く付けて用いられるために、ある程度の強度を有しない部材であると加えた力によって該治具が変形してしまい、包装袋に力が十分に加わらず、その外表面の一部に円形凸部を形成することができなくなるからである。
例えば、樹脂製のものとしては、アクリル樹脂製やポリカーボネート製、ポリプロピレン製、ポリスチレン製、ポリエステル製を使用することができる。これらは、透明性に優れ、高い強度を有する樹脂だからである。
【0016】
包装袋の収納物9は、ガス産生菌と培養液および/または培地とを含む試料溶液であることが好ましい。その理由は、密閉された包装袋内に封入したガス産生菌と培養液および/または培地とを含む試料溶液は、ガス産生菌が培養液等を分解することにより生成したガスの発生量が飲食品等の品質の経時変化の履歴を示す指標として用いられ、この袋内のガスの発生量を迅速かつ正確に測定することができれば、飲食品等の品質の測定を容易に行うことができるようになるからである。
【0017】
以下に、密封された包装袋内に封入したガス産生菌と培養液および/または培地とを含む試料溶液について説明する。
【0018】
ガス産生菌とは、飲食品等の中でガス産生機能をもつ微生物のことである。一般に、微生物は、飲食品の中にあって、発酵と腐敗の働きを担っている。発酵とは、有用微生物およびそれらが作り出す酵素が有機物を代謝し、有用物質を生産する現象を言い、醸造や発酵食品(醤油、味噌等)などの分野で広く利用されている。これに対し、腐敗は、有害微生物(腐敗微生物)が飲食品中の炭水化物やタンパク質、脂肪などを分解する酵素を菌体外に分泌し、その分解生成物を栄養源として繁殖することによって生じる現象をいう。なお、この分解生成物(有機酸、アルデヒド、アンモニア等)が、腐敗臭や味の変質、変色等の原因になっている。
【0019】
ところで、微生物のガス産生機能とは、前記のとおりの微生物が、代謝やつくり出す酵素によって飲食品中の有機物を分解する際に、分解生成物と共にCO2やH2などのガスを発生する機能を言い、該機能を有する微生物をガス産生菌と言う。このガス産生菌による有機物の分解は、ガス産生開始温度を超えたあたりから始まり、増殖したガス産生菌の1つ1つから少量のガスを徐々に発生する。なお、このガス産生開始温度は、ガス産生菌の種類や保存状態によっても異なるが、ほとんどのガス産生菌は1〜10℃の範囲内にある。
なお、微生物とは、一般に顕微鏡でなければ観察することができないほどに小さな生物の総称で、酵母、かび、細菌などが含まれる。表1に主要な有機物発酵の種類と発酵を行なう微生物、発酵に伴う主な微生物を示す。
【0020】
【表1】

【0021】
ガス産生菌による有機物分解反応、つまりガス産生反応は、飲食品が置かれている環境温度、および経過(保存)時間によって徐々に進行するその他、水、酸素および栄養素の有無、pH値などの影響を受けることから、ガス産生菌を含む発酵基質(試料液)を飲食品と同じ条件に調整し、これを包装袋内に充填封入し、この袋を飲食品と同じ環境下に置いて一緒に保存し、袋内で発生したガスによる気泡の大きさの程度を判断することにより、飲食品等の品質を測定することができる。本発明の測定方法およびインジケータに用いるガス産生菌としては、表2に示す微生物のうちの一種以上を用いることが好ましい。
【0022】
【表2】

【0023】
表2に示したガス産生菌のうち、本発明に係る測定方法への採用にあたっては、アスペルギルス属カビおよびラクトバシルス属細菌などがよく適合するが、とくに、サッカロマイセス属酵母を用いることが好ましい。なお、サッカロマイセス属酵母は、パンやビールの製造に、アスペルギルス属カビは、清酒の製造に、そして、ラクトバシルス属細菌は、ヨーグルトやチーズの製造に一般的に使用されている微生物であり、安心して使用することができる。
とくに前記のサッカロマイセス属酵母には、パン酵母、醸造酵母、飼料酵母および核酸原料酵母などがあり、醸造物のほか、一般に果汁、果皮、樹液のように糖密度の高い基質にも存在する。なお、パン酵母の代表的なものとしては、サッカロマイセス セルビシエ(Saccharomyces cerevisiae)があり、その中には、つくったパン生地を冷凍処理・冷蔵保存しても活性が失われない冷凍耐性酵母や冷蔵耐性酵母がある。一般的なパン酵母は4℃で発酵することもあるが、この冷蔵耐性酵母においては10℃で発酵するという特徴があり、また、冷凍耐性酵母は、冷凍による発酵能の低下を招きにくいという特徴を有する。
なお、酵母は、嫌気条件下においてアルコール発酵を行い、糖(グルコース)などの栄養分を分解して二酸化炭素とエタノールを生成する。一方、好気条件下において呼吸を行い、表3に示すような栄養源を含有する液内で、適当な温度:30℃前後およびpH:5〜6の下で増殖していく。
【0024】
【表3】

【0025】
次に、包装袋内への試料溶液の封入方法について説明する。
まず、上記に示した微生物の少なくとも一種以上を、発酵基質である培養液および/または発酵用培地と混合し、試料液を作製する。また、微生物と培養液および/または培地からなる発酵基質とは、別々に保管し、軟質フィルムの縦・横をヒートシールして形成される包装袋中への充填に当たっては、その充填直前に両者を混合する。
なお、培養液の例としては、牛乳、肉エキス、果汁、野菜ジュースおよび発酵調味料などのいずれか一種以上のものが好適に用いられる。また、培地の例としては、ブドウなどの果物の糖分や野菜の糖分などが好適に用いられるが、これらは酵母がアルコールと炭酸ガスに代謝する現象があるために好適であり、その他、糖分の多いリンゴ、ジャガイモなども好適に用いられる。
【0026】
上記のようにして作製したガス産生菌を種菌した試料液(発酵基質)を、合成樹脂製の透明な軟質フィルムをヒートシールして形成される包装袋内に内部が見えるように充填封入し、インジケータを作製する。この充填封入の方法は、特許第2930515号公報、特開2001−335005号公報および特開2002−2601号公報などに提案の液状物充填装置を用いて行なうが、その際、インジケータ内に空気が混入しないように注意することが肝要である。これは、本発明に係る方法が、インジケータ内に発生するガス量によって腐食の程度を判断する技術であるから、初めからインジケータ内に空気が混入すると、正確なガス発生量を確認することができなくなるからである。
この意味において、本発明に用いる微生物としては、前記ガス産生菌のうち、低酸素濃度でも生育できるような微好気生菌、通性嫌気生菌あるいは嫌気生菌であることが条件となる。
このようにして作製したガス産生菌を含む試料液を充填して封入したインジケータは、使用されるまでガス産生菌のガス産生開始温度以下、つまり0℃以下の温度で冷蔵保存する。
【0027】
なお、軟質包装袋の収納物にガス産生菌と培養液および/または培地とを含む試料溶液を封入した場合には、気泡径測定用環状目盛としては、対象となる飲食品等の種類やガス産生菌の種類に応じて、品質の指標となる基準気泡径の役目を果たすものであることが好ましい。この基準気泡径は、同心円状に描かれた複数の円が前記基板の平面上に印刷されたものであり、飲食品の危険期、注意期および安全期などに相当する気泡径の大きさを示したものである。このように予め基準気泡径を印刷表示しておけば、食品の管理者がその都度、気泡径を測定する必要がなく、目視により品質(腐敗の進行程度)を容易に確認することができるという利点がある。
【0028】
なお、発明者らの研究によれば、小袋等の中に封入する菌はいずれの種類についても菌温度を変化させることにより、ガス発生時間は変化し、基盤、例えば、糖濃度を変化させることにより、最終ガス発生量は変化することがわかった。これらの性質を利用すれば、小袋内のガス発生時間と発生量を任意にコントロールし、用途に合った時間調整とガス発生後に破袋しない製品の製造が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、形状不安定な包装袋内に存在するガスの量を迅速かつ正確に測定することが必要となる分野で利用され、主に飲食品等の品質測定用インジケーター内に発生したガスの量を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】気泡径測定用治具の斜視図。
【図2】気泡径測定用治具の長手方向断面図。
【図3】気泡径測定用環状目盛を示す図。
【図4】気泡径測定用治具の使用状態を示す図。
【符号の説明】
【0031】
1 基板
2 円形凹部
3 基板上面
4 作業面
5 気泡径測定用環状目盛
6 円形凸部
7 ガス
8 軟質包装袋
9 収納物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
いずれか一方の面に円形凹部を設けると共に、円形凹部に対応するいずれか少なくとも一方の面には気泡径測定用環状目盛を該円形凹部と同心円状に表示してなる透明基板からなることを特徴とする封入液体内発生ガスの気泡径測定用治具。
【請求項2】
前記基板は、ガラス製または樹脂製であることを特徴とする請求項1に記載の気泡径測定用治具。
【請求項3】
いずれか一方の面に円形凹部を設けると共に、この円形凹部に対応するいずれか少なくとも一方の面には気泡径測定用環状目盛を該円形凹部と同心円状に表示してなる透明基板からなる気泡径測定用治具の該円形凹部を有する面を、液体または粘性流体を封入した形状不安定な包装袋の外表面に押し付け、該包装袋の外表面の一部に前記円形凹部に対応する位置に円形凸部を形成させると共に、該包装袋内に封入した液体から発生するガスを該円形凸部内に浮上収集させることにより、前記円形凹部に対応して設けられた気泡径測定用環状目盛との対比において、その気泡径を特定することにより、該包装袋内に存在するガスの量を測定することを特徴とする気泡径測定方法。
【請求項4】
前記包装袋の収納物は、ガス産生菌と培養液および/または培地とを含む試料溶液であることを特徴とする請求項3に記載の気泡径測定方法。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−55001(P2006−55001A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−236922(P2004−236922)
【出願日】平成16年8月17日(2004.8.17)
【出願人】(000206233)大成ラミック株式会社 (56)
【Fターム(参考)】