説明

水中探知装置

【課題】水中の様子を3次元的に容易かつ正確に認識できる水中探知装置を提供する。
【解決手段】水平モードおよび垂直モードでのスキャンにより得られたエコーのデータから3次元のエコー表示データを生成し、このエコー表示データに基づいて、表示画面17a上に3次元の魚群映像34を立体的に表示する。また、魚群映像34に加えて、水平モードでの傘形ビームのスキャン領域32、垂直モードでの扇形ビームのスキャン領域33、海底地形映像35、等深度線36などの3次元映像を立体的に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中を広域に探知するために用いられるスキャニングソナー等の水中探知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スキャニングソナーは、水中の広い範囲に超音波ビームを送信し、所定方向へのスキャンによってエコーを受信し、受信したエコーに基づいて魚群等の映像を表示する水中探知装置の一種である。一般に、スキャニングソナーは、傘形の超音波ビームを所定のティルト角で水中へ送信し、水平の全方位にわたるスキャンによってエコーを受信する水平モードと、所定の水平方位における垂直面の扇形領域に超音波ビームを送信し、前記扇形領域のスキャンによってエコーを受信する垂直モードとを具備している。スキャニングソナーに関しては、例えば後掲の特許文献1〜3に記載されている。
【0003】
図16は、スキャニングソナーの原理を説明する図である。図において、50は船舶51に搭載されたスキャニングソナー、52はスキャニングソナー50に備えられた送受波器、53、54は送受波器52から発射された超音波ビーム、55は水面である。水平モードにおいては、送受波器52から水中の全方位へ向けて、所定のティルト角(俯角)δで傘形の超音波ビーム53が一斉に送信される。そして、ビーム送信後、送受波器52を円周方向に走査して、矢印C方向に高速でスパイラル状にスキャンする受信ビームを形成し、魚群や水底で反射したエコーを受信する。また、垂直モードにおいては、送受波器52から図の斜線に示したような扇形の垂直断面に超音波ビーム54が送信される。そして、ビーム送信後、送受波器52を縦方向に走査して、扇形領域を矢印D方向にスキャンする受信ビームを形成し、魚群や水底で反射したエコーを受信する。スキャニングソナー50の表示画面には、このようなスキャンによって受信されたエコーの信号強度に応じて、魚群や水底の映像がカラーで表示される。
【0004】
図17は、スキャニングソナー50の表示画面に表示された映像の例を示している。60は表示画面であって、この画面60には、水平モードで受信したエコーから得られる水平モード映像Hと、垂直モードで受信したエコーから得られる垂直モード映像Vとが並べて表示されている。水平モード映像Hにおいて、61は船体のマーク、62a,62bはエコーから得られた魚群の映像、63はエコーから得られた水底の映像である。垂直モード映像Vは、V1とV2の2つの映像からなる。V1は、水平モード映像Hにおける方位V1での垂直スキャンによる映像であって、64aはエコーから得られた魚群の映像、65aはエコーから得られた水底の映像である。V2は、水平モード映像Hにおける方位V2での垂直スキャンによる映像であって、64bはエコーから得られた魚群の映像、65bはエコーから得られた水底の映像である。垂直モード映像Vにおける魚群の映像64a,64bは、水平モード映像Hにおける魚群の映像62a,62bとそれぞれ対応している。
【0005】
【特許文献1】特開2003−202370号公報
【特許文献2】特開昭57−196172号公報
【特許文献3】特開平9−43350号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のスキャニングソナーにあっては、図17で示したように、エコーデータから得られる魚群の映像を2次元の描画により表示している。しかしながら、このような2次元表示では、水中における魚群やその場所などを立体的にイメージしようと思えば、水平モード映像Hと、垂直モード映像Vとを頭の中で組み合わせねばならず、これを正確に行うためには経験が必要となる。したがって、経験の浅いユーザが簡単に3次元の映像をイメージすることは困難であった。
【0007】
これに対して、前掲の特許文献3には、魚群の広がりや厚みを3次元的に認識できるようにした超音波ソナーが記載されている。本文献においては、海中から受波したエコーを3次元直交座標に記憶させたボリュームデータを作成し、このボリュームデータをエコーレベルの閾値を用いて等値面化処理を行い、その結果得られた各等値面を明暗濃度差あるいは色相差をもって半透明にして重ねて映像表示するようにしている。
【0008】
しかしながら、上記特許文献3のものは、魚群を3次元的に把握できるといっても、平面的に表示された魚群の映像に濃度や色の差をつけることによって垂直方向の厚みを表現しているにすぎず、このような表示では魚群の様子を直感的に認識することは困難である。また、魚群の表示のみでは、水中の状況を総合的に正確に把握することは不可能である。
【0009】
本発明は、上述した課題に鑑み、水中の様子を3次元的に容易かつ正確に認識できる水中探知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、送波器から、超音波信号を傘形ビーム状に水中の広範囲へ送信し、当該広範囲を所定方向へスキャンすることにより受信したエコーに基づいて、スキャン領域内の水中情報の映像を表示する水中探知装置において、スキャンにより得られたエコーのデータから3次元のエコー表示データを生成し、このエコー表示データに基づいて、スキャン領域内の水中情報を3次元映像として表示画面上に表示するようにしている。
【0011】
このように、水中の広範囲をスキャンして得られる水中情報を3次元映像として表示することにより、経験の浅い者であっても、魚群等の水中情報を立体的に容易に認識することができるとともに、スキャン領域内での魚群等の位置なども一目瞭然にわかり、水中の全体状況を正確に把握することができる。
【0012】
本発明の典型的な実施形態では、送波器から超音波信号を傘形ビーム状に水中の広範囲へ送信し、当該広範囲を所定方向へスキャンすることにより受信したエコーに基づいて、スキャン領域内の水中情報の映像を表示する水中探知装置において、スキャンにより得られたエコーのデータから3次元のエコー表示データを生成し、このエコー表示データに基づいて、スキャン領域内の水中情報を、送波器を頂点とする傘形ビームに相似の仮想立体映像として表示画面上に表示する。これによると、水中情報は円錐形の立体映像として表示される。
【0013】
本発明は、超音波信号を水中へ送信し、第1の方向へのスキャンによってエコーを受信する第1のモードと、第2の方向へのスキャンによってエコーを受信する第2のモードとを具備し、受信したエコーに基づいてスキャン領域内の水中情報の映像を表示する水中探知装置に適用することができる。この場合、第1のモードでのスキャンにより得られたエコーのデータ、および第2のモードでのスキャンにより得られたエコーのデータからそれぞれ3次元のエコー表示データを生成し、第1のモードにおけるエコー表示データに基づく水中情報の3次元映像と、第2のモードにおけるエコー表示データに基づく水中情報の3次元映像とを、表示画面上で重ねて立体的に表示する。これによると、異なるスキャン領域における水中情報が重ねられて立体表示されるので、魚群等の映像を多面的に認識することができ、水中情報をより正確に把握することができる。
【0014】
典型的な実施形態においては、上記第1のモードは、水平の全方位にわたるスキャンによってエコーを受信する水平モードであり、上記第2のモードは、所定の水平方位における垂直面の扇形領域をスキャンすることによってエコーを受信する垂直モードである。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、複数のモードの1つとして、例えば、水面から斜め下方に向かう半円状の傾斜面領域に超音波ビームを送信してスキャンを行うスラントモードなども考えられる。
【0015】
本発明では、超音波信号を水中へ送信し、所定方向へのスキャンにより受信したエコーに基づいて、スキャン領域内の水中情報の映像を表示する水中探知装置において、スキャンにより得られたエコーのデータから3次元のエコー表示データを生成し、このエコー表示データをスキャン回数分だけ保存し、保存されたエコー表示データに基づいて、スキャン領域内の魚群の3次元映像を履歴表示することができる。これによると、魚群の複数断面が履歴の数だけ同時に表示されるため、魚群の形状や規模を容易に把握することができ、また、魚群の移動状況や移動場所なども容易に把握することができる。
【0016】
また、本発明の好ましい実施形態においては、スキャン領域の3次元映像を、水中情報の3次元映像に重ねて表示画面上に表示する。これによると、スキャンによる探知領域を立体的に明瞭に認識できるので、水中情報をより正確に把握することができる。
【0017】
また、本発明の好ましい実施形態においては、エコーの信号レベルに閾値を設定するための閾値設定手段が設けられ、設定された閾値以上の信号レベルを有するエコーについてのみ魚群の3次元映像を履歴表示する。これによると、履歴表示される魚群映像は、ノイズによる映像が除去された鮮明なものとなるため、魚群の状態をより一層容易に把握することができる。
【0018】
また、本発明の好ましい実施形態においては、立体表示される映像の透明度を設定するための透明度設定手段が設けられる。これによると、透明度を高くするほど、重なり部分の映像が鮮明に表示され、魚群やスキャン領域等の立体イメージをより一層認識しやすくなる。また、透明度を低くすれば、重なり部分の後方にある映像を隠すことができる。
【0019】
また、本発明の好ましい実施形態においては、立体表示される映像の視点を任意に変更できるようにする。これによると、同じ映像を様々な角度から見ることによって、魚群のボリューム等をより正確に把握することができる。
【0020】
また、本発明の好ましい実施形態においては、水中情報の3次元映像とともに水底地形の3次元映像が表示される。これによると、水底地形が立体映像として表示されるので、水底の様子や魚群の位置などを立体的に認識することができ、水中の状態をより一層正確に把握することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、経験の浅いユーザであっても、水中の状況を立体映像によって3次元的に容易かつ正確に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、本発明に係るスキャニングソナー100のブロック図である。図において、10は送受波器であって、送信時には送信信号を音響変換して水中へ超音波ビームを送信し、受信時には水中の標的で反射して帰来するエコーを受信して電気信号に変換する。送受波器10としては、例えば円筒形や球形の送受波器が用いられる。本発明における送波器は、送受波器10のように送波と受波の両方を行うものでもよいし、送波のみを行うものでもよい。後者の場合は、送波器と別に受波器が設けられる。11はスキャン部であって、送受波器10へ与える送信信号を生成する送信回路、送受波器10で受信したエコーを増幅しフィルタにて所定の周波数成分の信号を取り出す受信回路、送信動作と受信動作とを切り替える送受切替部、水平および垂直スキャンによりエコーを受信するための受信ビームを形成するビーム形成部などから構成されている。
【0023】
12はティルト角や水平方位角などの各種パラメータの設定および調整を行うためのキーやダイアル等を備えた操作部であって、本発明における閾値設定手段および透明度設定手段を構成する。13はスキャニングソナー100の動作を制御する制御部、14は受信したエコーの信号に基づいて魚群等の水中映像を生成する画像処理部である。ここでは、制御部13と画像処理部14とが1チップのマイクロプロセッサ(CPU)15として構成されているが、制御部13と画像処理部14とは独立して設けてもよい。16は画像処理部14で生成された水中映像のデータが格納されるVRAM(Video RAM)、17はVRAM16のデータに基づいて水中映像をカラー表示する表示部である。表示部17は、CRTや液晶ディスプレイ等から構成される。
【0024】
18はROMやRAM等からなるメモリ、19は海底マップデータベースである。メモリ18には、ティルト角θや水平方位角φのほか、後述する履歴閾値Z、履歴回数N、透明度αなどのパラメータが設定される領域が設けられている。また、図示は省略するが、受信したエコーのデータや3次元描画用のデータなどが一時的に格納される領域が確保されている。海底マップデータベース19は、各地点における海底地形の立体表示データを緯度および経度に対応させて蓄積したものであり、市販の電子チャート(例えば国土地理院発行)を利用することができる。20は地球座標を取得するためのGPS(Global Positioning System)受信機であって、スキャニングソナー100とは別のユニットとして船舶に搭載される。
【0025】
図2は、スキャニングソナー100における水平モードでのスキャン(以下「水平スキャン」という。)と、垂直モードでのスキャン(以下「垂直スキャン」という。)の様子を示した図である。水平スキャン時には、所定のティルト角θで傘形の超音波ビーム21を水平の全方位へ送信した後、矢印A方向へのスキャンにより受信ビーム22を形成してエコーを受信する。また、垂直スキャン時には、所定の水平方位角φにおける垂直面上で、超音波ビーム23を略90°の扇形領域へ送信した後、矢印B方向へのスキャンにより受信ビーム24を形成してエコーを受信する。水平スキャンと垂直スキャンとは、交互に行ってもよいし、同時に並行して行ってもよい。25はスキャニングソナー100を搭載した船舶、26は水中の魚群、27は海底をそれぞれ表している。
【0026】
図3は、表示部17に表示される水中映像の例を示した図である。17aは表示部17の表示画面である。この表示画面17aには、船舶31、水平モードにおける傘形の超音波ビーム(以下「傘形ビーム」という。)のスキャン領域32、垂直モードにおける扇形の超音波ビーム(以下「扇形ビーム」という。)のスキャン領域33、魚群映像34、海底地形映像35が3次元映像として立体的に表示されている。傘形ビームのスキャン領域32は円錐体(中実円錐)のイメージで表示されているが、実際のスキャン領域32は受信ビームにより形成される円錐体の表面である(厳密には、受信ビームが一定の厚みを有するため、スキャン領域32には円錐体の表面とその近傍とが含まれる)。36は上記円錐体の表面における等深度線、37は傘形ビームのスキャン領域32と扇形ビームのスキャン領域33との交差線、38は上記円錐体と扇形ビームのスキャン領域33との交差面である。39は、GPS受信機20から取得した船舶31の現在位置(緯度および経度)と、当該位置における水深値などを表示するデータ表示欄である。水深は、船舶に搭載された測深機、あるいは測深機能を備えたスキャニングソナー100によって測定される。なお、水深値の表示は省略してもよい。
【0027】
傘形ビームのスキャン領域32および扇形ビームのスキャン領域33は、操作部12で設定したティルト角θや水平方位角φなどのデータに基づいて表示される。魚群映像34は、水平スキャンにより得られたエコーのデータ、および垂直スキャンにより得られたエコーのデータから生成された3次元のエコー表示データに基づいて、スキャン領域32および33の交差線37上に表示される。海底地形映像35は、海底マップデータベース19から取得した現在位置の海底地形データに基づいて表示される。等深度線36は、データのレンジ、ティルト角θ等から計算により求められ、表示される。
【0028】
図3においては、スキャン領域32内の水中情報が、船舶31に装備された送受波器(図示省略)を頂点とする傘形ビームに相似の仮想立体(円錐体)映像として、表示画面17a上に表示される。水中情報の映像には、魚群映像34のほかに水中の浮遊物や海底で反射したエコーによる映像も含まれているが、図3では簡略化のためにこれらの図示を省略してある。また、図3では船舶31、傘形ビームのスキャン領域32、扇形ビームのスキャン領域33、魚群映像34、海底地形映像35および等深度線36の各3次元映像が、同一の表示画面17a上で重ねて立体的に表示されている。このため、船舶31からみて、どの方向の、どの位の深度の所に、どの程度のボリュームの魚群が存在しているかを、3次元のイメージによって一目瞭然に把握することができる。特に、異なるスキャン領域32、33における水中情報が重ねられて立体表示されるので、魚群映像34を多面的に認識することができ、水中情報をより正確に把握することができる。また、スキャン領域32、33が立体表示されるので、探知領域を立体的に明瞭に認識することができる。さらに、海底地形映像35が3次元映像として表示されるので、海底の様子や魚群の位置などを立体的に認識することができ、水中の状態を正確に把握することが可能となる。なお、前述した海底のエコー映像が表示される場合でも、立体的な海底地形映像35がエコー映像と重なるため、海底面が容易に分かり、ヒラメのような底付き魚の判別が容易となる。
【0029】
この場合、映像の透明度を操作部12で設定できるようにしてもよい。ここでいう透明度とは、映像が重なり合った場合に、重なった部分の映像がどの程度鮮明に見えるかを表すファクターであって、透明度を高くするほど、重なり部分の映像が鮮明に表示され、透明度を低くするほど、重なり部分の映像が見えにくくなる。例えば、図3において透明度が高い場合は、傘形ビームのスキャン領域32の奥にある海底地形(図3には表れていない)が鮮明に表示され、傘形ビームのスキャン領域32と扇形ビームのスキャン領域33との重なり部分にある魚群映像34や等深度線36なども鮮明に表れる。これによって、スキャン領域、魚群、海底地形などの立体イメージをより一層認識しやすくなる。また、重なり部分の奥にある映像を隠して手前にある映像のみを強調したいときは、透明度を低く設定すればよい。
【0030】
図3は、立体表示される水中映像をある定まった方向から見た場合の表示例であるが、水中映像を見る視点を任意に変更できるようにしてもよい。図4はその場合の表示例であって、図3における船舶31を右方向から見た場合の立体映像を示している。視点の可変操作は操作部12において行われ、例えば視点の方向を設定したり切り替えたりすることで、任意の視点からみた水中映像を表示することができる。これによって、魚群のボリュームや水中の状態をより一層正確に把握することが可能となる。
【0031】
図5は、本発明の他の実施形態である履歴表示モードを説明する原理図である。図5(a)は、方位角は固定とし、ティルト角を変えることによって履歴表示を行う場合であって、1つの垂直モード映像V1と、2つの水平モード映像H1、H2とを重ねて立体的に表示する例である。水平モード映像のH1とH2とは時間差を有するので、これが履歴となる。また、図5(b)は、ティルト角は固定とし、方位角を変えることによって履歴表示を行う場合であって、1つの水平モード映像H1と、2つの垂直モード映像V1、V2とを重ねて立体的に表示する例である。垂直モード映像のV1とV2とは時間差を有するので、これが履歴となる。図5(c)および(d)は、一方のモードのみの映像を複数用いて履歴表示を行う例であって、図5(c)では2つの水平モード映像H1、H2により履歴表示がされ、図5(d)では2つの垂直モード映像V1、V2により履歴表示がされる。なお、履歴表示モードは、操作部12(図1)の操作により設定される。
【0032】
このような履歴表示によると、魚群の複数断面を履歴の数だけ同時に表示して魚群の形状を立体的に把握できるので、1つの魚群の骨格がわかり、魚群の規模などを容易に推定することができる。例えば、図6に示すように、比較的規模が大きい魚群26に対して、図5(a)の原理に基づきティルト角をθ1,θ2,θ3と順次変化させて、それぞれのティルト角においてスキャンを行うと、魚群26から得られたエコーのデータがスキャン回数分だけメモリ18に保存される。このときのスキャン回数が履歴の数となる。この結果、メモリ18に保存されたエコーの履歴データに基づいて、図7に示したような3次元の魚群映像34が立体表示され、魚群の形状や、魚群の規模が比較的大きいことが容易に把握できる。図7においては、図5(a)のように、水平モード映像と垂直モード映像とが重ねて表示されるため、魚群を多面的に認識することができ、これによって魚群の形状や規模をより正確に把握することが可能となる。
【0033】
なお、図5において、H1とH2の映像、およびV1とV2の映像は、それぞれ異なった時刻でスキャンして得られるが、前掲の特許文献1の方法を用いて異なった周波数でスキャンするようにすれば、H1とH2の映像、およびV1とV2の映像をそれぞれ同時に得ることができる。また、図5で示した以外に、複数の水平モード映像H1、H2と、複数の垂直モード映像V1、V2とを同時に表示することで履歴表示を行うこともできる。さらに、航行中の船の場合は、船の進行に伴ってスキャン領域が変化することを利用して履歴表示を行うこともできる。
【0034】
また、履歴表示モードを用いると、上述した魚群形状の立体的な把握以外に、例えば、魚群の移動状況を把握することもできる。すなわち、図8に示したように、ティルト角をθ1,θ2,θ3と順次変化させて、それぞれのティルト角においてスキャンを行うと、X方向へ移動している魚群26から得られたエコーのデータがスキャン回数分だけメモリ18に保存される。このときのスキャン回数が履歴の数となる。この結果、メモリ18に保存されたエコーの履歴データに基づいて、図9に示したような3次元の魚群映像34a,34b,34cが履歴表示される。一方、魚群26が移動しておらず同じ場所にとどまっている場合は、履歴表示モードであっても、表示画面17aに表示される魚群の映像は、図3に示したような変化のない3次元の魚群映像34となる。
【0035】
図9においては、魚群映像34a,34b,34cが、船舶31、海底地形映像35、スキャン領域32,33とともに、同一の表示画面17a上で重ねて立体的に表示されるので、船舶31からみて、魚群がどの方向に移動中であるかを3次元のイメージによって一目瞭然に把握することができる。
【0036】
履歴表示モードにおいても、先の例と同様に、映像の透明度を操作部12で設定できるようにしたり、映像を見る視点を任意に変更できるようにしてもよい。また、受信したエコーの信号レベルに閾値を設定し、設定された閾値以上の信号レベルを有するエコーについてのみ履歴表示を行うようにすれば、ノイズによる映像を除去して鮮明な履歴を残すことができる。このときの閾値を、以下では「履歴閾値」と呼ぶ。履歴閾値の設定は、操作部12において行われる。
【0037】
また、操作部12において、履歴表示を詳細モードと簡易モードとに切り替えられるようにし、詳細モードでは例えば図9のような立体映像を画面上に表示し、簡易モードでは、例えば図10に示したような単純化した履歴表示がされるようにしてもよい。図10では、図9における扇形ビームのスキャン領域33や海底地形映像35などの表示が省略されている。
【0038】
図11は、水中映像を表示する場合の手順を示したフローチャートである。この手順は、マイクロプロセッサ(CPU)15の制御部13によって実行される。以下、図11を参照しながら、映像表示の手順について説明する。最初に、操作部12において履歴閾値Zと、履歴回数Nと、透明度αとが設定される(ステップS1〜S3)。履歴閾値Zは、前述したように、履歴表示される魚群映像のエコー信号レベルを弁別する閾値である。履歴回数Nは、魚群映像を履歴として残す回数である(例えば、図9では履歴回数はN=3)。透明度αは、前述したように、重なり合った映像がどの程度鮮明に見えるかを表すファクターである。これらの各設定値は、図1に示したメモリ18の所定領域に記憶される。
【0039】
次に、スキャン部11による水平スキャンまたは垂直スキャンが行われ、1スキャン分のエコーのデータが取得される(ステップS4)。水平スキャンの場合、1スキャン分のデータとは、図2において、受信ビーム22がA方向に1回転(360°)する間に受信したエコーのデータ(信号レベル)のことである。また、垂直スキャンの場合、1スキャン分のデータとは、図2において、受信ビーム24がB方向に略90°回転する間に受信したエコー信号のデータ(信号レベル)のことである。こうして1スキャンにより得られたエコーのデータは、メモリ18の所定領域に一時的に格納される。
【0040】
次に、スキャン回数と履歴回数Nとが比較される(ステップS5)。比較の結果、スキャン回数が履歴回数Nを超えてなければ(ステップS5:NO)、ステップS7へ進み、スキャン回数が履歴回数Nを超えておれば(ステップS5:YES)、ステップS6へ進む。初回は、スキャン回数が1であるので、ステップS5での判定はNOとなり、ステップS6を実行することなく、ステップS7へ進む。
【0041】
ステップS7では、ステップS4で得られたエコーのデータに基づいて、ポリゴン(多角形面)のデータを取得する。ここでは、図12に示したような三角形ポリゴンPを対象としている。図12において、22は水平スキャンにおける受信ビーム、SP,SP,SP,…は、受信ビーム22のサンプリング点、矢印Aはスキャン方向を表している。三角形ポリゴンPは、3つのサンプリング点を結んで形成される単位三角形である。図12では、一部の三角形ポリゴンPのみを図示してある。各サンプリング点ごとにエコーの信号レベルが測定され、そのデータがメモリ18に保持される。したがって、各三角形ポリゴンPは、頂点となる3つのサンプリング点における信号レベルのデータを保有している。また、各サンプリング点において得られた個々のデータは、緯度と経度より決まるX座標値とY座標値、およびティルト角より決まるZ座標値からなる3次元データ(地球座標)を保有している。なお、図12では、水平スキャンによって形成される三角形ポリゴンPを示しているが、垂直スキャンによって形成される三角形ポリゴンについても、原理は同じである。ステップS7においては、1スキャンで形成された三角形ポリゴンPの1つにつき、3つの頂点におけるエコーの信号レベルがメモリ18から読み出される。
【0042】
次に、取得した三角形ポリゴンPの3点の信号レベルが、全て閾値以上であるか否かを判定する(ステップS8)。この閾値は、ステップS1であらかじめ設定された履歴閾値Zである。魚群の存在する場所では、エコーの信号レベルが大きくなるから、3点の信号レベルが全て閾値以上の三角形ポリゴンPが抽出される割合が高くなる。判定の結果、三角形ポリゴンPの3点の信号レベルのうち1つでも閾値未満のものがあれば(ステップS8:NO)、その三角形ポリゴンPは無視してステップS7へ戻り、次の三角形ポリゴンPについて判定を行う。一方、三角形ポリゴンPの3点の信号レベルが全て閾値以上であれば(ステップS8:YES)、その三角形ポリゴンPの各頂点の3次元データ(地球座標)をメモリ18に記憶する(ステップS9)。この3次元データは、本発明における3次元のエコー表示データを構成する。その後、全ての三角形ポリゴンPについて処理が終了したか否かを判定し(ステップS10)、処理が終了してなければ(ステップS10:NO)、ステップS7へ戻って、次の三角形ポリゴンPに対して上述したステップS8、S9の処理を行う。
【0043】
ステップS10において、全ての三角形ポリゴンPについて処理が終了したと判定されると(ステップS10:YES)、ステップS11へ移って、海底マップの描画を行う。ステップS11においては、現在位置の情報(緯度および経度)をGPS受信機20から取得し、その現在位置に相当する海底地形のデータを海底マップデータベース19から抽出する。そして、抽出したデータに基づき、表示部17の表示画面17aに、図3で示したような海底地形映像35を立体表示する。
【0044】
次に、ステップS9で記憶した三角形ポリゴンの3次元データを用いて、魚群映像の描画を行う(ステップS12)。このとき用いられる三角形ポリゴンは、3点の信号レベルが全て閾値以上であって、魚群に対応したものであるので、当該三角形ポリゴンの集合体から得られる3次元映像は、そのまま魚群の3次元映像を表している。ステップS12での処理により、表示部17の表示画面17aには、図3で示したような魚群映像34が立体的に表示される。続いて、船舶、スキャン領域、等深度線などを描画する(ステップS13)。ステップS13での処理により、表示画面17aには、図3で示したような船舶31、傘形ビームのスキャン領域32、扇形ビームのスキャン領域33、等深度線36などが立体的に表示される。このときデータ表示欄39にもデータ値が表示される。なお、上述したステップS11〜S13の順序は入れ替わってもよい。
【0045】
次に、描画を終了するか否かを判定し(ステップS14)、操作部12において描画終了の操作がされれば(ステップS14:YES)、処理を終了する。描画終了の操作がされなければ(ステップS14:NO)、ステップS4へ戻って、次の1スキャン分のデータを取得する。ステップS4において、前回のスキャンが水平スキャンであった場合は、今回のスキャンは垂直スキャンとなる。そして、垂直スキャンによって得られたエコーのデータに基づいて、ステップS5〜S14が実行される。ステップS14から再びステップS4へ戻ると、今度は水平スキャンが行われ、水平スキャンによって得られたエコーのデータに基づいて、ステップS5〜S14が実行される。以後、同様にして、水平スキャンと垂直スキャンとが交互に行われる。但し、水平および垂直スキャンを交互に行うことは本発明にとって必須ではなく、水平スキャンと垂直スキャンとを同時に並行して行ってもよい。
【0046】
スキャンごとに取得したエコーのデータをメモリ18に保存してゆくことにより、保存したデータを読み出して、図7や図9のように魚群映像を履歴表示することができる。ここで、スキャンを何回か繰り返すうちに、ステップS5においてスキャン回数が履歴回数Nを超えると(ステップS5:YES)、メモリ18に保存されている一番古いデータを消去し(ステップS6)、データ履歴を最新のものに更新する。これによって、図7や図9の表示画面17aには、常に最新の魚群映像が履歴表示される。
【0047】
図3においては、水平モードにおける傘形ビームのスキャン領域32の映像と、垂直モードにおける扇形ビームのスキャン領域33の映像と、両スキャン領域における魚群映像34とを表示したが、水平モードと垂直モードのいずれか一方におけるスキャン領域の映像と、当該領域における魚群映像とを表示してもよい。図13はその一例であって、水平モードでのスキャン領域32の映像と、当該スキャン領域32における魚群映像34とが立体表示されている。また、これらとともに、船舶31、海底地形映像35、等深度線36の各映像も立体表示されている。図13の映像は、図3の映像から垂直モードのスキャン領域33と当該領域内の魚群映像とを除いたものに相当し、魚群映像34は、水平モードのスキャン領域32をなす円錐体表面付近にいる魚群の3次元映像を表している。
【0048】
また、以上の実施形態では、水平モードと垂直モードの両方を備えているスキャニングソナーを例に挙げたが、本発明は、いずれか一方のモードのみを備えているスキャニングソナーにも適用することができる。例えば、水平モードのみを備えたスキャニングソナーの場合は、上述した図13のような映像が表示される。さらに、本発明は、3つ以上のモード(例えば水平モード、垂直モード、および後述のスラントモード)を備えているスキャニングソナーにも適用することができる。また、本発明は、スキャニングソナーに限らず、PPIソナーや魚群探知機のような水中探知装置にも適用することができる。
【0049】
本発明の実施形態としては、上記以外にも種々のものが考えられる。例えば、上記実施形態では、スキャンモードとして水平モードと垂直モードを例に挙げたが、スラント(Slant)モードと垂直モードでスキャンを行う場合にも、本発明を適用することができる。図14は、スラントモードの概念図であって、本モードでは、水面41から斜め下方へ向う半円状の傾斜面42の領域に超音波ビームが送信され、当該領域にわたってスキャンが行われる。43は船舶、44は魚群をそれぞれ表している。
【0050】
また、3次元表示モード(3Dモード)と2次元表示モード(2Dモード)とを操作部12において切替可能とし、3次元表示モードに設定された場合は、図3、図4、図7、図9等で示したような立体的な映像が表示され、2次元表示モードに設定された場合は、図17で示したような平面的な映像が表示されるようにしてもよい。
【0051】
また、上述した実施形態では、海底地形映像35を表示するのに海底マップデータベース19を利用したが、海底マップデータベース19を用いずに、スキャンによって得たエコーのデータに処理を加えることによって、海底地形を立体的に表示するようにしてもよい。
【0052】
また、上述した実施形態では、図7や図9で示した履歴表示の場合にエコーの信号レベルに閾値を設定したが、図3や図13で示した通常表示の場合にも閾値を設定するようにしてもよい。
【0053】
また、本発明は、魚群の移動に合わせてティルト角を可変することで自動追尾を行う自動追尾式のスキャニングソナーに適用することもできる。この場合は、本発明の履歴表示を採用することにより、魚群が不規則に移動する場合であっても、自動追尾の機能により、魚群映像を正確に履歴表示することができる。このような自動追尾機能を備えたスキャニングソナーは、例えば特開2003−315453号公報に記載されている。
【0054】
さらに、本発明における履歴表示を応用して、図15に示すように、船舶の移動履歴31a〜31cとともに魚群の移動履歴34a〜34cを表示することも可能である。32a〜32cは傘型ビームの移動履歴、36a〜36cは等深度線の移動履歴である。図15では、扇形ビームのスキャン領域や海底地形映像は表示されていないが、これらを表示するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係るスキャニングソナーのブロック図である。
【図2】水平スキャンと垂直スキャンの様子を示した図である。
【図3】表示部に表示される水中映像の例を示した図である。
【図4】視点を変えた場合の水中映像を示した図である。
【図5】履歴表示モードを説明する原理図である。
【図6】履歴表示モードにおけるティルト角の変化を説明する図である。
【図7】履歴表示モードにおける水中映像の表示例を示した図である。
【図8】履歴表示モードにおけるティルト角の変化を説明する図である。
【図9】履歴表示モードにおける水中映像の他の表示例を示した図である。
【図10】単純化した履歴表示の例である。
【図11】水中映像を表示する場合の手順を示したフローチャートである。
【図12】ポリゴンを説明する図である。
【図13】表示部に表示される水中映像の他の例を示した図である。
【図14】スラントモードの概念図である。
【図15】履歴表示の応用例である。
【図16】スキャニングソナーの原理を説明する図である。
【図17】スキャニングソナーの表示画面に表示された映像の例である。
【符号の説明】
【0056】
10 送受波器
11 スキャン部
12 操作部
13 制御部
14 画像処理部
17 表示部
17a 表示画面
18 メモリ
19 海底マップデータベース
21 超音波ビーム
23 超音波ビーム
25 船舶
26 魚群
27 海底
31 船舶
32 傘形ビームのスキャン領域
33 扇形ビームのスキャン領域
34 魚群映像
34a〜34c 魚群映像
35 海底地形映像
36 等深度線
100 スキャニングソナー
θ ティルト角
φ 水平方位角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送波器から、超音波信号を傘形ビーム状に水中の広範囲へ送信し、当該広範囲を所定方向へスキャンすることにより受信したエコーに基づいて、スキャン領域内の水中情報の映像を表示する水中探知装置において、
前記スキャンにより得られたエコーのデータから3次元のエコー表示データを生成し、
前記エコー表示データに基づいて、前記スキャン領域内の水中情報を3次元映像として表示画面上に表示することを特徴とする水中探知装置。
【請求項2】
送波器から、超音波信号を傘形ビーム状に水中の広範囲へ送信し、当該広範囲を所定方向へスキャンすることにより受信したエコーに基づいて、スキャン領域内の水中情報の映像を表示する水中探知装置において、
前記スキャンにより得られたエコーのデータから3次元のエコー表示データを生成し、
前記エコー表示データに基づいて、前記スキャン領域内の水中情報を、前記送波器を頂点とする前記傘形ビームに相似の仮想立体映像として表示画面上に表示することを特徴とする水中探知装置。
【請求項3】
超音波信号を水中へ送信し、第1の方向へのスキャンによってエコーを受信する第1のモードと、第2の方向へのスキャンによってエコーを受信する第2のモードとを具備し、受信したエコーに基づいてスキャン領域内の水中情報の映像を表示する水中探知装置において、
第1のモードでのスキャンにより得られたエコーのデータ、および第2のモードでのスキャンにより得られたエコーのデータからそれぞれ3次元のエコー表示データを生成し、
第1のモードにおけるエコー表示データに基づく水中情報の3次元映像と、第2のモードにおけるエコー表示データに基づく水中情報の3次元映像とを、表示画面上で重ねて立体的に表示することを特徴とする水中探知装置。
【請求項4】
超音波信号を水中へ送信し、所定方向へのスキャンにより受信したエコーに基づいて、スキャン領域内の水中情報の映像を表示する水中探知装置において、
前記スキャンにより得られたエコーのデータから3次元のエコー表示データを生成し、
前記エコー表示データをスキャン回数分だけ保存し、
前記保存されたエコー表示データに基づいて、前記スキャン領域内の魚群の3次元映像を履歴表示することを特徴とする水中探知装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の水中探知装置において、
前記スキャン領域の3次元映像を、前記水中情報の3次元映像に重ねて表示画面上に表示することを特徴とする水中探知装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の水中探知装置において、
エコーの信号レベルに閾値を設定するための閾値設定手段を設け、設定された閾値以上の信号レベルを有するエコーについてのみ魚群の3次元映像を履歴表示することを特徴とする水中探知装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の水中探知装置において、
立体表示される映像の透明度を設定するための透明度設定手段を設けたことを特徴とする水中探知装置。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の水中探知装置において、
立体表示される映像の視点を任意に変更できるようにしたことを特徴とする水中探知装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の水中探知装置において、
前記水中情報の3次元映像とともに水底地形の3次元映像を表示することを特徴とする水中探知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−162480(P2006−162480A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−355959(P2004−355959)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【出願人】(000166247)古野電気株式会社 (441)
【Fターム(参考)】