説明

水中溶着部の品質確認方法

【課題】水中接合作業においてその接合部の遮水性能の品質確認ができ、工期の短縮、工費の節減が可能となり、かつ遮水性能に対して信頼性を高められる水中溶着部の品質確認方法を提供する。
【解決手段】水中溶着は、2枚の遮水シート10,11のうち、金属体13のU字形の奥部側の端部からこれとは反対側の開口側の端部へ低速度で加熱コイル部17を移行させることで行われる。水中溶着中、第1電極50aと第2電極51aとの間で形成された電気回路のインピーダンスを測定する。この測定値から2枚の遮水シート10,11の溶着部分の溶着状態の確認が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、海面処分場や池などの底面や法面で遮水に使用される遮水シートの水中での接合部の溶着状態の確認方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまで、陸上に設けられる最終処分場では遮水シートの接合部の溶着状態を確認する方法として、溶着部にマイナスドライバーを挿入する方法や、溶着部を2列にしてその間の空間に若干高圧の空気を挿入してその圧力変化を見て確認する方法、そして、接合部に筐体を被せてその中の空気を吸引し負圧状態にして判断する方法などがあった。
【0003】
一方、海面処分場では遮水シートの水中接合はできないとして、シート接合は全て空中で行う方法を採用していた。これができない場合には、遮水シートの重ね幅を大きくし、その重ねライン上にアスファルトを打設し、その重量により漏水を防ぐことで遮水性を確保する方法が採用されていた。その他、接合部分にブチルゴムのテープを挿入し、その粘着性でシートとの空間を埋めることで遮水性を確保する方法も知られていた。いずれも施工能率が低く工期が長くなり、信頼性に欠けるとともに接合作業後の遮水性の確認方法も確立されていなかった。また、水中溶着方法として接着剤を使用することも考えられてきたが、この方法の場合でも溶着状態の品質を確認する方法はなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、水中接合作業においてその接合部の遮水性能の品質確認ができ、これを利用することで工期の短縮、工費の節減が可能となり、かつ遮水性能に対して信頼性を高めることができる水中溶着部の品質確認方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、電磁誘導で加熱される金属体が熱可塑性樹脂製の被覆材により被覆された防水型発熱材を、水中で重ね合わされた2枚の遮水シートの端部間に挿入し、その後、この重ね合わされた遮水シートの上から防水型電磁誘導加熱機により上記金属体を発熱させ、その熱により上記被覆材を溶かして上記2枚の遮水シートを溶着した溶着部の溶着状態を確認する水中溶着部の品質確認方法であって、上記金属体は、平行な2辺が上記被覆材の長さ方向へ長いU字形とし、上記被覆材と上記遮水シートとの間のうち、上記金属体のU字形の奥部と対峙する部分に第1電極を配置し、上記被覆材の外部に第2電極を配置し、上記水中溶着は、上記2枚の遮水シートのうち、上記金属体のU字形の奥部側の端部からこれとは反対側の開口側の端部へと移行し、上記水中溶着中、上記第1電極と上記第2電極との間で形成された電気回路のインピーダンスを測定し、この測定値から上記2枚の遮水シートの溶着部分の溶着状態を確認することを特徴とする水中溶着部の品質確認方法である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、上側の上記遮水シートの重ね合わせ側の辺部には、該辺部の長さ方向へ所定ピッチで上記被覆材のうち、上記金属体と対峙した部分の一部が露出する複数の切欠部をそれぞれ形成し、上記水中溶着中、溶けた上記被覆材が上記切欠部から漏出することで、上記溶着部の溶着状態を確認する請求項1に記載の水中溶着部の品質確認方法である。
【0007】
請求項1に記載の発明では、遮水シートの接合用材を使用して水中接合する際の接合部の品質確認を行う方法を提案する。すなわち、U字形状の金属体が熱可塑性樹脂製の被覆材により被覆された防水型発熱材を、接合しようとする2枚の遮水シートの間に挿入する。その後、遮水シートの上から防水型電磁誘導加熱機により金属体を発熱させ、その熱で被覆材と遮水シートとを溶着する。このとき、被覆材の溶着開始端を金属体のU字形の奥部埋め込み側とし、被覆材と上記遮水シートとの間のうち、金属体のU字形の奥部と対峙する部分に第1電極を配置する。また、被覆材の外部に第2電極を配置し、第1電極と第2電極との間で形成された電気回路のインピーダンスを測定する。
電気回路は、U字形溶着部の辺の長さに応じてその長さが変更される。そのため、溶着部が長くなるにつれ、両電極間のインピーダンスが変動し、これによりその接合部の品質を確認することができる。これにより、遮水シートを水中から浮上させることなく、陸上作業と同様の溶着品質が得られ、工期の短縮ひいては工費の削減も可能となる。なお、インピーダンスに代えて、電圧の減少により接合部の品質を確認してもよい。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、上側の遮水シートの張り合わせ側の辺部に、この辺部の長さ方向へ所定ピッチで、被覆材のうち、金属体と対峙した部分の一部が露出する複数の切欠部をそれぞれ形成しておく。次に、水中溶着中、溶けた被覆材が所定の切欠部から漏出したことを作業者が視ることで、水中溶着が遮水シートのどの位置まで完了したかを簡単に確認することができる。これにより、潜水作業者の視認も合わせて、より高精度な水中溶着部の品質確認を行うことができる。
【0009】
遮水シートの素材としては、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンターポリマー(EPT)などの単体もしくはブレンド物などからなるゴムや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性合成樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマーなど熱溶着可能な熱可塑性樹脂が好ましい。
遮水シートは、例えば幅が2〜5m程度の長尺のシートである。遮水シートは、工場内で複数枚接合した大判の遮水シートを現場に持ち込んで海底に沈めてもよい。
また、遮水シートの厚さは、1.0〜5.0mm、好ましくは1.5〜3.0mmである。1.0mm未満では、強度不足のため破断しやすく、また施工途中で作用する外力に耐えられない場合があり、一方、5.0mmを超えると、剛性が高く地盤の凹凸に追随せず柔軟性が低下し、施工が難しくなり、さらに経済的でもない。
【0010】
被覆材の素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテートなどのオレフィン系樹脂やそれらを変性した塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、マレイン化エチレンビニルアセテートなどの変性オレフィン系樹脂のほか、ポリ塩化ビニル、オレフィン系熱可塑性エラストマー、未加硫ゴムなどが挙げられる。防水・遮水シートの素材として加硫ゴムを使用する場合は、この中でも加硫ゴムと融着したときの接着強度が大きいことから、被覆材としては、ポリプロピレン、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエチレンを用いることが好ましい。
【0011】
被覆材の素材としては、遮水シートのものと同一素材を採用することができる。この場合、陸上での接合と同じ状態を得ることができる。また、被覆材の素材として遮水シートとは異なる素材を採用した場合には、あらかじめ陸上で溶着試験を行い、その品質を確認する必要がある。
【0012】
金属体の形状は、平面視して平行な2辺が被覆材の長さ方向へ長いU字形状である。
金属体の素材としては、電磁誘導加熱によって加熱することができる導体である必要があり、さらには防錆性、耐候性の高いものであることが好ましい。具体的には鋼、溶融亜鉛メッキ鋼、溶融アルミニウムメッキ鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、ガルバニウム鋼などを挙げることができる。
金属材の厚さは、0.05〜1.5mm、好ましくは0.1〜1.0mmである。0.05mm未満では、過加熱しやすいという不都合が生じる。一方、1.5mmを超えれば、柔軟性が不足するという不都合が生じる。
【0013】
電磁誘導による加熱時の金属体の温度は、被覆材の融点にもよるが、50〜400℃、好ましくは100〜300℃である。
防水型発熱材の厚みは、好ましくは0.5〜5.0mm、さらに好ましくは1.0〜3.0mmである。0.5mm未満では、接合強度が十分に得られず、一方、5.0mmを超えると、シートの接合部の段差が高くなってしまい外観的に好ましくない。しかも、電磁誘導加熱により融解させ時間が長くなり、短時間の加熱であれば融解が不十分で接合不良になる可能性があるので好ましくない。
水型電磁誘導加熱機としては、例えば第一高周波工業(株)製社製のHI−HEATERなどを採用することができる。
【0014】
第1電極は、単なる電極でも、被覆が剥がされた電線の一端部でもよい。電線の場合、金属体のU字形の両辺に沿って電線が延びるように配置される。
第1電極は被覆材に埋め込まれているのではなく、被覆材と遮水シートとの間(隙間)に介在されている。例えば、被覆材の表面に溝を形成し、この溝に第1電極を収納させてもよい。
第2電極としては、単なる電極でも、被覆が剥がされた電線の一端部でもよい。第2電極は、被覆材の外部に配置されるので、常時水と接することになる。
水中溶着の作業は、2枚の遮水シートのうち、金属体のU字形の奥部側の端部から溶着を開始し、2枚の遮水シートのうち、金属体のU字形の開口側の端部へと移行する。
水中溶着中は、第1電極と第2電極との間で形成された電気回路のインピーダンスが測定される。
【0015】
切欠部の形状は任意である。例えば、平面視して三角形状、四角形状以上の多角形状、円形状、楕円形状、円弧形状などを採用することができる。
切欠部の形成ピッチは任意である。例えば防水型電磁誘導加熱機の加熱コイル部の長さ間隔(50センチ間隔)などを採用することができる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、溶着すべきシートを水中から浮上させることなく、陸上作業と同様の溶着品質が得られる水中接合作業において、その接合部の遮水性能の品質確認ができる。これを利用することにより、工期の短縮、工費の節減が可能になり、かつ遮水性能に対し信頼性を向上することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、上側の遮水シートの張り合わせ側の辺部に、この辺部の長さ方向へ所定ピッチで複数の切欠部をそれぞれ形成するようにしたので、水中溶着中、溶けた被覆材が所定の切欠部から漏出した状態を潜水作業者が視ることで、水中溶着が遮水シートのどの長さ位置まで完了したかを簡単に確認することができる。これにより、潜水作業者の視認も合わせて、より高精度に水中溶着部の品質確認を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。ここでは、海面処分場における遮水シートの溶着部の品質確認方法を例とする。
【実施例1】
【0019】
本発明の水中溶着部の品質確認方法では、シート水中接合に際して、図1に示すように海面処分場の海底を遮水する2枚の遮水シート10,11と、防水型発熱材12と、防水型発熱材12の一部を構成し、電磁誘導で加熱される金属体13と、防水型発熱材12の残り部分を構成し、金属体13を被覆する熱可塑性樹脂製の被覆材14と、図2に示す防水型電磁誘導加熱機15とが使用される。
【0020】
遮水シート10,11は、厚さ3.0mm、幅5.0m、長さ40mのポリエチレン樹脂シートである。
防水型発熱材(被覆材)12は、厚さ2.5mm、幅100mm、長さ40mの長尺な板材である。
金属体13としては、亜鉛鍍金金網を用いており、板状にした被覆材14の厚み方向略中央に金属体13を埋設している。網材とすることで防水型発熱材12の表裏を貫通する孔があるので、被覆材14がその孔を通して表裏でつながり接合強度を高めることができる。金属体13の厚みは0.1〜1.0mmである遮水シート10,11は、厚さ3.0mm、幅5.15m、長さ40mのポリエチレン樹脂シートである。
防水型発熱材(被覆材)12は、厚さ2.5mm、長さ40mm、幅100mmの長尺な板材である。
金属体13の素材は亜鉛鍍金金網で、金属体13の形状は、平面視して平行な2辺が被覆材14の長さ方向へ長いU字形状である。
金属体13は、板状にした被覆材14の厚み方向略中央に、被覆材14の重ね合わせ側の辺の略全長にわたって埋設されている。金属体13の厚みは0.1〜1.0mmである。
【0021】
被覆材14はポリエチレン製である。このように金属体13をU字形状とし、これを包含する被覆材14をポリエチレン製とすれば、陸上で行うシート接合と略同じような溶着の品質を得ることができる。また、遮水シート10,11をポリエチレン樹脂とし、金属体13を亜鉛鍍金金網製とし、これを包含する樹脂としてEVAの被覆材14を採用した場合も、同様にシート接合の高い溶着品質を得ることができる。
図2に示すように、防水型電磁誘導加熱機15としては、第一高周波工業社製のHI−HEATERを採用している。防水型電磁誘導加熱機15は、防水型高周波加熱電源15Aと、ゴム材(防水材)により被覆されて防水機能が付与された高周波トランス16と、加熱コイル部17とを備えている。加熱コイル部17は、本体部17aの下部から平行な離間状態で突出した2本の板状コイル17bと、本体部17aの上部に連結された1本のグリップ17cとを有している。本体部17aおよび板状コイル17bは、ゴム材(防水材)17dにより被覆されて防水機能が付与されている。
【0022】
次に、図1〜図5を参照して、実施例1に係る水中溶着部の品質確認方法を説明する。
図1および図3に示すように、海面処分場の海底において、繋ぎ合わされる上側の遮水シート10の端部10aと下側の遮水シート11の端部11aとを、潜水作業員が重ね合わせる。このとき、防水型発熱材12を、その長さ方向を両遮水シート10,11の重ね合わせ側の辺に沿って、重ね合わされた2枚の遮水シート10,11の端部10a,11a間に挿入する。
【0023】
次に、この重ね合わされた上側の遮水シート10の端部10aと被覆材14との間のうち、被覆材14の幅方向の中間部に、この端部10aの長さ方向と平行に電線50を挿入する。この電線50のうち、被覆を剥がされた先端部が第1電極50aとなり、金属体13のU字形の奥部と対峙する部分に配置される。被覆材13の外部には、第1電極50aに対する第2電極51aが配置されている。すなわち、下側の遮水シート11の端部11aの近傍には、この辺部11aの長さ方向と平行に別の電線51が配置されている。この別の電線51のうち、被覆を剥がされた先端部が第2電極51aである。第2電極51aは、第1電極50aと対峙する位置に配置されている。
【0024】
次に、図2に示すように、この重ね合わされた遮水シート10,11の端部10a,11aの上に防水型電磁誘導加熱機15の加熱コイル部17を配置し、金属体13を被覆材14の溶融温度を超える200℃まで加熱しながら、加熱コイル部17をこの重ね合わされた遮水シート10,11の端部10a,11aに沿ってゆっくりと移動させる。すなわち、水中溶着は、2枚の遮水シート10,11のうち、金属体13のU字形の奥部側の端部からこれとは反対側の開口側の端部へ低速度で加熱コイル部17を移行させることで行われる。
電磁誘導加熱は、電圧をかけた板状コイル17bに金属体13を対向させて、板状コイル17bによって発生する磁力線が金属体13を通過する際に金属内に誘導電流(渦電流)が流れ、この誘導電流が材料の電気抵抗に変化して加熱するものである。防水型電磁誘導加熱機15の出力としては、ほぼ100cmあたり400〜1,000W程度のものを用いる。その際、電磁誘導により加熱された金属体13の熱で被覆材14は、対峙する両辺の長さを徐々に長くしながら平面視してU字形状に溶け、2枚の遮水シート10,11が溶着される。
なお、電磁誘導で加熱される金属体13の温度は、被覆材の融点にもよるが、50〜400℃、好ましくは100〜300℃である。
また、電磁誘導加熱の時間は、通常、30秒〜2分程度、好ましくは1分程度である。
【0025】
水中溶着中、第1電極50aと第2電極51aとの間で形成された電気回路60のインピーダンスを、インピーダンス測定装置(図示せず)を用いて測定することで、この測定値から2枚の遮水シート10,11の溶着部分の溶着状態の確認が行われる。具体的には、両電線50,51の元側の端部間に電流計(電圧計でも可)61を配置し、上記電気回路60のインピーダンスが測られる。未溶着状態では、重ね合わされた上側の遮水シート10の端部10aと被覆材14との間に水が浸入している。そのため、両電極50a、50bは通電状態となっている。その後、2枚の遮水シート10,11の溶着が進行する程、被覆材14により封止(絶縁)された電極50aから溶着終端までの距離が長くなる(図4および図5)。これにより、両電極50a、50bの間に形成される電気回路60のインピーダンスが変動する。このときの変動値と、あらかじめ試験溶着した際に取得した基本データとを対比することで、2枚の遮水シート10,11のどの部分まで溶着されているのかを確認することができる。
【0026】
なお、被覆材14は、これをU字形状とすることで、はじめて2枚の遮水シート10,11の溶着部(接合部)62の遮水性能の品質確認が可能となる。仮に、2本の平行に離間した金属体を採用した場合には、防水型発熱材12の溶着開始側の端部を通した別の電気回路も形成されてしまう。両電気回路を比較した場合、別の電気回路の方が、2枚の遮水シート10,11の溶着距離に拘わらず常に短くなる。そのため、インピーダンスの変化は発生せず、この接合部62の遮水性能の品質確認はできなくなる。
【0027】
また、上側の遮水シート10の重ね合わせ側の辺部に、この辺部の長さ方向へ所定ピッチで被覆材14のうち、金属体13と対峙した部分の一部が露出する複数の切欠部10bをそれぞれ形成しておき、水中溶着中、溶けた被覆材13が切欠部10bから漏出したことを潜水作業者が視ることにより、この溶着部62の溶着状態を確認するようにしてもよい(図6)。これにより、インピーダンスを測定するだけでなく、潜水作業者の視認も合わせたより高精度な水中溶着部の品質確認を行うことができる。切欠部10bの形状は三角形である。切欠部10bの形成ピッチは、加熱コイル部17の長さに合わせた50cmである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施例1に係る水中溶着部の品質確認方法の使用状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例1に係る水中溶着部の品質確認方法で使用される防水型電磁誘導加熱機の斜視図である。
【図3】本発明の実施例1に係る水中溶着部の品質確認方法で使用される防水型発熱材および2本の電線の配置状態を示す斜視図である。
【図4】(a)は、本発明の実施例1に係る水中溶着部の品質確認方法の使用初期状態を示す端面図である。(b)は、本発明の実施例1に係る水中溶着部の品質確認方法の使用初期状態を示す平面図である。
【図5】(a)は、本発明の実施例1に係る水中溶着部の品質確認方法の使用後期の状態を示す端面図である。(b)は、本発明の実施例1に係る水中溶着部の品質確認方法の使用後期の状態を示す平面図である。
【図6】本発明の実施例1に係る別の水中溶着部の品質確認方法の使用状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
10,11 遮水シート
10a,11a 端部
12 防水型発熱材
13 金属体
14 被覆材
15 防水型電磁誘導加熱機
50a 第1電極
50b 第2電極
60 電気回路
61 電流計
62 溶着部
10b 切欠部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁誘導で加熱される金属体が熱可塑性樹脂製の被覆材により被覆された防水型発熱材を、水中で重ね合わされた2枚の遮水シートの端部間に挿入し、その後、この重ね合わされた遮水シートの上から防水型電磁誘導加熱機により上記金属体を発熱させ、その熱により上記被覆材を溶かして上記2枚の遮水シートを溶着した溶着部の溶着状態を確認する水中溶着部の品質確認方法であって、
上記金属体は、平行な2辺が上記被覆材の長さ方向へ長いU字形とし、
上記被覆材と上記遮水シートとの間のうち、上記金属体のU字形の奥部と対峙する部分に第1電極を配置し、
上記被覆材の外部に第2電極を配置し、
上記水中溶着は、上記2枚の遮水シートのうち、上記金属体のU字形の奥部側の端部からこれとは反対側の開口側の端部へと移行し、
上記水中溶着中、上記第1電極と上記第2電極との間で形成された電気回路のインピーダンスを測定し、この測定値から上記2枚の遮水シートの溶着部分の溶着状態を確認することを特徴とする水中溶着部の品質確認方法。
【請求項2】
上側の上記遮水シートの重ね合わせ側の辺部には、該辺部の長さ方向へ所定ピッチで上記被覆材のうち、上記金属体と対峙した部分の一部が露出する複数の切欠部をそれぞれ形成し、
上記水中溶着中、溶けた上記被覆材が上記切欠部から漏出することで、上記溶着部の溶着状態を確認する請求項1に記載の水中溶着部の品質確認方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−258059(P2009−258059A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−110402(P2008−110402)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【出願人】(593116272)東ソー・ニッケミ株式会社 (5)
【Fターム(参考)】