説明

水処理方法および水処理装置

【課題】第1鉄イオンを含む原水に酸化剤と凝集剤を注入して凝集した後、固液分離する水処理方法において、薬品コストを低減でき、固液分離の安定運転が可能な水処理方法および水処理装置を提供することにある。
【解決手段】第1鉄イオンを含む原水に酸化剤と凝集剤を注入して凝集した後、固液分離して清澄水を得る水処理方法において、原水の第1鉄イオン濃度を測定し、第1鉄イオンを酸化するための酸化剤注入量および第1鉄イオンと酸化剤との反応で生成される水酸化鉄(III)生成量を演算し、原水を凝集するための適正凝集剤注入量から前記水酸化鉄(III)生成量を差し引いて必要凝集剤注入量を演算することで、前記酸化剤注入量および前記必要凝集剤注入量を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は濁度成分、色度成分、第1鉄イオンを含有する原水を固液分離する水処理方法および水処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上下水道や廃水処理等の水処理においては、原水中の濁度成分や色度成分を除去し、所定の濁度、色度以下になるまで処理する必要があり、凝集処理した後に沈澱、砂ろ過、膜ろ過等の固液分離処理を行うことが多い。通常は、初めに凝集剤を原水に注入し、攪拌機等により混和を十分に行ってフロックを形成させた後、粗大化したフロックは、沈澱池にて沈降分離される。残留する微小なフロックは、砂ろ過や膜ろ過にて固液分離され、最終的に所定の濁度、色度以下の処理水が得られる。
【0003】
いずれの方法でも、原水にPAC(ポリ塩化アルミニウム)や塩化第2鉄等の凝集剤を注入して原水中の濁度成分や色度成分を凝集フロック内に取り込ませた上でろ過することにより、ろ過水質の向上を図るとともに、ろ過差圧の上昇を抑制している。また、凝集剤の注入率は、取水した原水の濁度を濁度計で測定し、濁度に比例した量の凝集剤を注入する濁度比例注入制御あるいは容器やビーカー等を用いたジャーテスト等の結果から、人為的に制御することが一般的である(特許文献1、非特許文献1)。
【0004】
一方、原水中に第1鉄イオンが含まれている場合、酸化剤によって第1鉄イオンを第2鉄イオンに酸化すると共に、中和剤を注入してpHを調整し、水酸化鉄(III)主体の粒子を生成させて、凝集させる方法が提案されている(特許文献2)。これにより、第1鉄イオンも後段の固液分離手段で除去可能となる。
【0005】
固液分離手段、特に膜ろ過法においては凝集剤の注入量を適切に制御することが重要であり、もし凝集剤の注入量が不足すると凝集フロック内への濁度成分や色度成分の取り込みが十分に行われないために膜ろ過水質の低下とろ過差圧の上昇が起こる。逆に凝集剤の注入量が多すぎると過剰にフロックが形成されて膜の閉塞が急速に進行し、短時間に膜差圧が上昇して処理不能に陥る。しかも河川水や湖沼水は季節や天候によって水質が変動するため、水質変化に応じて凝集剤の注入量を制御することは、重要な管理項目となっている。
【0006】
しかし、酸化剤を注入して第1鉄イオンを酸化しつつ、凝集剤単独の濁度比例注入制御あるいは色度比例注入制御をそのまま膜ろ過法における前処理に適用すると、原水の濁度、色度が低く、第1鉄イオンが上昇した場合に、問題があることが判明した。すなわち原水の濁度、色度が低い場合には、凝集剤の注入量が少ないが、酸化剤注入によって多量の水酸化鉄(III)を生成し、結果として水酸化鉄(III)由来の凝集フロックが過剰に生成されて膜の閉塞が発生することがあることが判明した。酸化剤注入によって多量の水酸化鉄(III)を生成するのを防止するために酸化剤注入量を少なくした場合には、第1鉄イオンが膜を通過してしまい、処理水質が悪化する問題があった。
【0007】
このように、濁度、色度、第1鉄イオン濃度が頻繁に変動する原水に対して、原水の濁度成分や色度成分を凝集するのに必要な凝集剤および第1鉄イオンを酸化するのに必要な酸化剤の注入量を決定するのは、非常に困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平5−146608号公報
【特許文献2】特開2005−296866号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】「水道施設設計指針2000」、日本水道協会、p175〜p177
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、濁度成分、色度成分、第1鉄イオンが変動する原水に対して、酸化剤および凝集剤を注入して凝集した後、固液分離して清澄水を得る水処理方法において、第1鉄イオンを水酸化鉄(III)に酸化するために注入する酸化剤の量と、原水の濁度成分や色度成分を凝集するために注入する凝集剤の量を最適化し、さらに後段の逆浸透膜が酸化剤で劣化するのを防止するために注入する還元剤の量を最適化する固液分離の安定運転が可能な水処理方法および水処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の水処理方法および水処理装置は、次の特徴を有するものである。
【0012】
(1)第1鉄イオンを含む原水に酸化剤と凝集剤を注入して凝集した後、固液分離して清澄水を得る水処理方法において、原水の第1鉄イオン濃度を測定し、第1鉄イオンを酸化するための酸化剤注入量および第1鉄イオンと酸化剤との反応で生成される水酸化鉄(III)生成量を演算し、原水を凝集するための適正凝集剤注入量から前記水酸化鉄(III)生成量を差し引いて必要凝集剤注入量を演算することで、前記酸化剤注入量および前記必要凝集剤注入量を制御することを特徴とする水処理方法。
【0013】
(2)第1鉄イオンを含む原水に酸化剤と凝集剤を注入して凝集した後、固液分離して清澄水を得る水処理方法において、清澄水の第1鉄イオン濃度を測定し、第1鉄イオンを酸化するための酸化剤注入量および第1鉄イオンと酸化剤との反応で生成される水酸化鉄(III)生成量を演算し、原水を凝集するための適正凝集剤注入量から前記水酸化鉄(III)生成量を差し引いて必要凝集剤注入量を演算することで、前記酸化剤注入量および前記必要凝集剤注入量を制御することを特徴とする水処理方法。
【0014】
(3)固液分離手段が砂ろ過、精密ろ過膜、限外ろ過膜のいずれかである、(1)または(2)に記載の水処理方法。
【0015】
(4)原水の濁度または色度を測定し、適正凝集剤注入量を原水の濁度または色度で比例演算する、(1)〜(3)のいずれかに記載の水処理方法。
【0016】
(5)凝集剤が鉄系凝集剤またはアルミ系凝集剤を含む、(1)〜(4)のいずれかに記載の水処理方法。
【0017】
(6)酸化剤が塩素系酸化剤を含む、(1)〜(5)のいずれかに記載の水処理方法。
【0018】
(7)清澄水を逆浸透膜で処理する、(1)〜(6)のいずれかに記載の水処理方法。
【0019】
(8)逆浸透膜で処理する前に清澄水に還元剤を注入する、(7)に記載の水処理方法。
【0020】
(9)第1鉄イオンを含む原水を固液分離して清澄水を得る固液分離手段と、原水の第1鉄イオン濃度を測定する手段と、原水に酸化剤を供給する手段と、原水に凝集剤を供給する手段と、第1鉄イオンを酸化するための酸化剤注入量および第1鉄イオンと酸化剤との反応で生成される水酸化鉄(III)生成量を演算する手段と、適正凝集剤注入量を演算する手段と、前記適正凝集剤注入量から前記水酸化鉄(III)生成量を差し引いて必要凝集剤の注入量を演算する手段と、原水と凝集剤と酸化剤を攪拌する手段と固液分離手段の1次側に原水を供給する手段とを備えた水処理装置。
【0021】
(10)第1鉄イオンを含む原水を固液分離して清澄水を得る固液分離手段と、清澄水の第1鉄イオン濃度を測定する手段と、原水に酸化剤を供給する手段と、原水に凝集剤を供給する手段と、第1鉄イオンを酸化するための酸化剤注入量および第1鉄イオンと酸化剤との反応で生成される水酸化鉄(III)生成量を演算する手段と、適正凝集剤注入量を演算する手段と、前記適正凝集剤注入量から前記水酸化鉄(III)生成量を差し引いて必要凝集剤の注入量を演算する手段と、原水と凝集剤と酸化剤を攪拌する手段と固液分離手段の1次側に原水を供給する手段とを備えた水処理装置。
【0022】
(11)固液分離手段が砂ろ過、精密ろ過膜、限外ろ過膜のいずれかである、(9)または(10)に記載の水処理装置。
【0023】
(12)原水の濁度または色度を測定する手段を備え、適正凝集剤注入量を演算する手段が原水の濁度または色度で比例演算したものである、(9)〜(11)のいずれかに記載の水処理装置。
【0024】
(13)清澄水を逆浸透膜処理する逆浸透膜を備えた(9)〜(12)のいずれかに記載の水処理装置。
【0025】
(14)清澄水を逆浸透膜で処理する前に還元剤を注入する手段を備えた(13)に記載の水処理装置。
【発明の効果】
【0026】
本発明の水処理方法によれば、第1鉄イオンを含む原水に酸化剤と凝集剤を注入して凝集した後、固液分離して清澄水を得る水処理方法において、第1鉄イオンを水酸化鉄(III)に酸化するために注入する酸化剤の量が必要最低限で済むとともに、第1鉄イオンを水酸化鉄(III)に酸化することで、原水の濁度成分や色度成分を凝集するために注入する凝集剤の量が必要最低限で済む。さらに後段の逆浸透膜が酸化剤で劣化するのを防止するために注入する還元剤の量が必要最低限で済むので、薬品コストを低減でき、固液分離の安定運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明が適用される水処理装置の一例を示す装置概略フロー図である。
【図2】本発明が適用される水処理装置の別の一例を示す装置概略フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面に示す実施態様に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施態様に限定されるものではない。
【0029】
本発明の水処理装置は、例えば、図1に示すように、酸化剤を貯留する酸化剤貯留槽1と、原水に酸化剤を注入する酸化剤供給ポンプ2と、凝集剤を貯留する凝集剤貯留槽3と、原水に凝集剤を注入する凝集剤供給ポンプ4と、原水の第1鉄イオン濃度を測定する第1鉄イオン測定器5と、原水の濁度/色度を測定する濁度計/色度計6と、第1鉄イオンを酸化するのに必要な酸化剤注入量および第1鉄イオンと酸化剤との反応で生成される水酸化鉄(III)生成量を演算する酸化剤演算器7と、原水濁度あるいは原水色度に比例する適正凝集剤注入量および前記理論凝集剤注入量から前記水酸化鉄(III)生成量を差し引いて必要凝集剤の注入量を演算する凝集剤演算器8と、原水と酸化剤と凝集剤を混合撹拌する攪拌機9、凝集反応槽10と、凝集反応槽10内の凝集水を精密ろ過膜/限外ろ過膜13に注入する凝集水供給ポンプ11と、凝集水供給時に開となる凝集水供給弁12と、凝集水をろ過する精密ろ過膜/限外ろ過膜13と、逆圧洗浄や空気洗浄する場合などに開となるエア抜き弁14と、膜ろ過時に開となるろ過水弁15と、膜ろ過水を貯留するろ過水貯留槽16と、膜ろ過水で精密ろ過膜/限外ろ過膜13を逆洗洗浄する時に稼働する逆洗ポンプ17と、逆圧洗浄する時に開となる逆洗弁18と、精密ろ過膜/限外ろ過膜13の空気洗浄の空気供給源であるブロワー19と、空気を精密ろ過膜/限外ろ過膜13の下部に供給し空気洗浄する場合に開となる空洗弁20と、精密ろ過膜/限外ろ過膜13の1次側の水を排出する場合に開となる排水弁21と、逆浸透膜22と、膜ろ過水を逆浸透膜22に供給する高圧ポンプ23と、逆浸透膜透過水を貯留する逆浸透膜透過水貯留槽24と、逆浸透膜濃縮水を貯留する逆浸透膜濃縮水貯留槽25と、膜ろ過水に還元剤を注入する還元剤供給ポンプ26と、還元剤を貯留する還元剤貯留槽27とが設けられている。
【0030】
上述の水処理装置において、原水の第1鉄イオン濃度(α)[mg−Fe/L]を第1鉄イオン測定器5で測定するとともに、原水の濁度あるいは色度(β)[度]を濁度計/色度計6で測定する。第1鉄イオンの測定値は酸化剤演算器7に入力され、酸化剤演算器7は原水の第1鉄イオン濃度(α)[mg−Fe/L]と原水流量(γ)[L/min]に基づいて、単位時間あたり原水中の第1鉄イオンを酸化するのに必要な酸化剤注入量(A)[mg−Cl/min]を演算して、酸化剤供給ポンプ2の吐出流量を制御するとともに、第1鉄イオンと酸化剤との反応で生成される水酸化鉄(III)濃度(B)[mg−Fe/L]を演算し、凝集剤演算器8に入力される。原水の濁度あるいは色度(β)[度]も凝集剤演算器8に入力され、原水中の濁度あるいは色度を凝集するのに適正な凝集剤注入濃度(C)[mg−Fe/L]を演算した後、適正な凝集剤注入濃度(C)[mg−Fe/L]から第1鉄イオンと酸化剤との反応で生成される水酸化鉄(III)濃度(B)[mg−Fe/L]を差し引いて演算した必要凝集剤注入濃度(D)[mg−Fe/L]と原水流量(γ)[L/min]に基づいて、単位時間あたり原水中の濁度成分あるいは色度成分を酸化するのに必要な凝集剤注入量(E)[mg−Fe/min]を演算して、凝集剤供給ポンプ4の吐出流量を制御する。第1鉄イオン測定器5は、ジピリジル、o−フェナントロリン等の発色剤を用いた比色分析法を用いるのが一般的である。感度、特異性、溶解性等を考慮すると、バソフェナントロリン、2−ニトロソ−5−(N−プロピル−N−スルホプロピルアミノ)−フェノール(ニトロソPSAP)、3−(2−ピリジル)−5,6−ビス[2−(5−フリルスルホン酸)]1,2,4−トリアジン・二ナトリウム塩、トリピリジルトリアジン、フェロジン等の発色剤がよく使われ、定期的な手動計測や自動オンライン計測でも構わない。
【0031】
濁度計/色度計6は、透過光吸光度方式を用いるのが一般的である。透過光吸光度方式とは、濁度成分あるいは色度成分の入った水の層に一定の強さの光が入射すると、濁度成分の粒子あるいは色度成分の粒子により反射または散乱し,透過光が減じることから、透過光の強度に対する入射光の強度の比をとり、その対数(吸光度)が、水の層の厚さと濁度あるいは色度に比例する原理(Lambert−Beerの法則)を用いて、吸光度を測定することにより濁度あるいは色度を測定する方法である。濁度の測定波長は、色度による妨害を避けるため、660nm付近の吸光度を測定する場合が多く、色度の測定波長は、390nm付近の吸光度を測定する場合が多い。濁度計としては、前記の透過光吸光度方式以外にも、入射した光が反射あるいは散乱によって生じた光の強度を測定する散乱光測定方式を用いたものでもよい。
【0032】
酸化剤貯留槽1に貯留する酸化剤としては、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、過マンガン酸カリウム、オゾン等いずれでも構わない。例えば酸化剤が次亜塩素酸ナトリウムの場合、第1鉄イオンとの反応式は下記の通りである。
【0033】
2Fe2++4OH+NaOCl+HO→2Fe(OH)+NaCl
理論的にはFe2+を1mg酸化するのに塩素Cl0.63mgが必要であることから
(A)=0.63×(α)×(γ)
(B)=(α)
となるが、実際には酸化剤は第1鉄イオン以外の物質を酸化するのに消費されうるので、原水性状に応じて、係数を0.63より適宜大きくしたほうが好ましい。
【0034】
また、原水中の第1鉄イオンを酸化するのに必要な酸化剤注入流量(A)[mg−Cl/min]の演算方法としては、上記演算以外に、図2のように第1鉄イオン測定器5を膜ろ過水側に設置して、得られた膜ろ過水中の第1鉄イオン濃度の測定値に基づいて酸化剤供給ポンプ2の吐出量をフィードバック制御してもよい。具体的な制御手段としては、(1)第1鉄イオン濃度の測定値をアナログ値(電圧、電流など)又はデジタル値に変換する手段(信号変換器など)と変換した値が一定値以上になると酸化剤供給ポンプ2を稼働させる手段(調整スイッチ+電磁リレーなど)、(2)第1鉄イオン濃度の測定値の変換手段と、変換した値を更に酸化剤供給ポンプ2を制御するための信号に変換する手段(電流、電圧、パルスなどへの信号変換器など)と制御信号により酸化剤供給ポンプ2を稼働させる手段、(3)第1鉄イオン濃度の測定値の変換手段と、変換された値から適正酸化剤注入量を計算し、これに基き酸化剤供給ポンプ2を制御する信号を出力する手段(PIDコントローラーなど)と制御信号により酸化剤供給ポンプ2を稼働させる手段、などが挙げられる。ただし、制御手段はここに挙げたものに何ら限定されるものではない。本発明のフィードバック制御においては、膜ろ過水中の第1鉄イオン濃度の測定値が予め定めた上限設定値を超えた場合において、酸化剤の注入量を増加する信号を酸化剤演算器7から発信し、第1鉄イオン濃度の測定値が予め定めた下限設定値を下回った場合において、酸化剤演算器7から酸化剤の注入量を減少する信号を発信するといった制御を行うことにより、酸化剤の過剰注入を防止して安定かつ効率的な処理を行える。
【0035】
原水中の濁度成分あるいは色度成分を凝集するのに適正な凝集剤注入濃度(C)[mg−Fe/L]は原水の濁度あるいは色度(β)[度]とは比例関係にあり、
(C)=(K)×(β)
となる。係数(K)[mg−Fe/(L・度)]は原水性状や固液分離手段に応じて適宜設定する。係数(K)を算出する方法としては、例えば、ジャーテスタと称する多連の攪拌機によって凝集条件を個々に変えた数個のビーカーの中の原水を凝集させて相対的に最も良好な凝集フロックを形成する凝集条件を見出すためのジャーテストを実施することで得られる。動的光散乱法、レーザー回析散乱法、電気的検知体法等によって凝集フロックの粒子径を測定したり、凝集フロックの沈降速度を測定したり、凝集フロックのゼータ電位を測定して、所定の数値になるための凝集剤注入濃度[mg−Fe/L]が得られ、ジャーテスト時に使用した原水の濁度あるいは色度[度]で除することで係数(K)を算出できる。固液分離手段が精密ろ過膜/限外ろ過膜13の場合、凝集フロックのゼータ電位の所定の数値としては−10mV以上0mV未満であることが好ましい。
【0036】
必要凝集剤注入濃度(D)[mg−Fe/L]と原水中の濁度あるいは色度を酸化するのに必要な凝集剤注入量(E)[mg−Fe/min]の演算式は下記の通りである。
【0037】
(D)=(C)−(B)=(K)×(β)−(α)
(E)=(D)×(γ)=(K)×(β)×(γ)−(α)×(γ)
凝集剤貯留槽3に貯留する凝集剤としては、塩化第2鉄、硫酸第2鉄、ポリシリカ鉄等の鉄系凝集剤であれば、上記演算式をそのまま適用できるが、ポリ塩化アルミニウムやポリ硫酸アルミニウム等のアルミ系凝集剤を用いる場合には、1molのFeと1molのAlは同等の凝集効果を有することから、
(C`)[mg−Al/L]=0.48×(C)
(D`)[mg−Al/L]=0.48×(D)
(E`)[mg−Al/min]=0.48×(E)
と変換して演算すればよい。なお、(D)が負の場合は、凝集剤無注入でよい。
【0038】
原水の第1鉄イオン濃度および濁度あるいは色度を測定した原水は凝集反応槽10に流入し、前記演算に基づいて制御された酸化剤供給ポンプ2から吐出された酸化剤と凝集剤供給ポンプ4から吐出された凝集剤とが攪拌機によって混合攪拌することで、原水中の第1鉄イオンが酸化されるとともに、凝集処理が行われる。その後、凝集水供給弁12を開とし、凝集水供給ポンプ11を稼働して凝集反応槽10に貯留されている凝集水を精密ろ過膜/限外ろ過膜13の1次側に供給し、ろ過水弁15を開にすることで精密ろ過膜/限外ろ過膜13の加圧ろ過が行われる。ろ過時間は原水水質や膜透過流束に応じて適宜設定するのが好ましいが、所定の膜ろ過差圧に到達するまでろ過時間を継続させてもよい。
【0039】
原水を精密ろ過膜/限外ろ過膜13でろ過して得られた膜ろ過水は一時的にろ過水貯留槽16に貯留された後、膜ろ過水中の残留酸化剤を消失するために、還元剤供給ポンプ26を稼働し、還元剤貯留槽27内の還元剤が注入される。その後、高圧ポンプ23によって昇圧され、逆浸透膜22に供給される。供給された膜ろ過水は、塩分や有機物などが除去された逆浸透膜透過水と、塩分や有機物などが濃縮された逆浸透膜濃縮水とに分離された後、それぞれ逆浸透膜透過水貯留槽24と逆浸透膜濃縮水貯留槽25に貯留される。
【0040】
還元剤貯留槽27に貯留する還元剤としては、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウムおよびチオ硫酸ナトリウム等いずれでも構わない。
【0041】
凝集水供給ポンプ11を停止し、凝集水供給弁12、ろ過水弁15を閉とし、精密ろ過膜/限外ろ過膜13のろ過工程を停止した後、逆洗弁18とエア抜き弁14を開とし、逆洗ポンプ17を稼動することで逆圧洗浄が行われる。
【0042】
逆圧洗浄の時間は、特に制限するものではなく、逆圧洗浄の流量についても特に制限するものではないが、ろ過圧力より高い圧力で逆圧洗浄したほうが膜表面や膜細孔内の付着汚濁物質を剥離しやすいので、ろ過工程におけるろ過流量の1倍以上であることが好ましく、膜モジュール容器の破壊や膜の亀裂等の損傷を起こさない範囲内に適宜設定する。
【0043】
さらに、精密ろ過膜/限外ろ過膜13に多量の汚濁物質が付着している場合は空洗弁20を開にして、ブロワー19を稼働して、精密ろ過膜/限外ろ過膜13の下方に空気を供給し、精密ろ過膜/限外ろ過膜13を振動させる空気洗浄を上述の逆圧洗浄と同時に実施することも好ましい。逆圧洗浄と空気洗浄の併用により洗浄効果が向上する。空気流量が大きいほど洗浄効果が高くなるので好ましいが、膜の擦過や亀裂等の損傷を起こさない範囲内に空気流量を適宜設定する。
【0044】
逆洗弁18、空洗弁20を閉とし、逆洗ポンプ17、ブロワー19を停止して、上述の逆圧洗浄と空気洗浄を終了した後、排水弁21を開とすることで、膜面や膜細孔内から剥離してモジュール内で浮遊しているファウリング物質が系外に排出される排水工程を行う。排水工程終了後、排水弁21を閉、凝集水供給弁12を開とし、凝集水供給ポンプ11を稼動して給水工程が行われ、モジュール内が凝集水で満水になった後、エア抜き弁14を閉、ろ過水弁15を開にすることで、ろ過工程に戻り、上記工程を繰り返す。
【0045】
本発明における精密ろ過膜/限外ろ過膜13は、実際に使用するために収納容器に装着し、容器に原水の流入部、ろ過水の取り出し部とモジュールの型式によっては濃縮水排出部、物理洗浄排出部などを具備した加圧型膜モジュールや原水の入った膜浸漬槽に浸漬させてポンプやサイフォン等で吸引ろ過する浸漬型膜モジュール等に組み込まれるが、いずれでも構わない。加圧型膜モジュールの場合、外圧式でも内圧式であっても良いが、前処理の簡便さの点から外圧式である方が好ましい。
【0046】
また、モジュールを構成する分離膜の孔径としては、多孔質であれば特に限定しないが、所望の処理水の水質や水量によって、MF膜(精密ろ過膜)を用いたり、UF膜(限外ろ過膜)を用いたり、あるいは両者を併用したりする。例えば、濁質成分、大腸菌、クリプトスポリジウム等を除去したい場合はMF膜でもUF膜のどちらを用いても構わないが、ウィルスや高分子有機物等も除去したい場合は、UF膜を用いるのが好ましい。
【0047】
分離膜の形状としては、中空糸膜、平膜、管状膜、モノリス膜等があるが、いずれでも構わない。
【0048】
分離膜の材質としても、特に限定しないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体およびクロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、酢酸セルロース、ポリビニルアルコールおよびポリエーテルスルホンやセラミック等の無機素材からなる群から選ばれる少なくとも1種類を含んでいると好ましく、さらに膜強度や耐薬品性の点からはポリフッ化ビニリデン(PVDF)がより好ましく、親水性が高く耐汚れ性が強いという点からはポリアクリロニトリルがより好ましい。
【0049】
ろ過方式は、全量ろ過方式、クロスフローろ過方式のどちらでも良いが、エネルギー消費が少ないという点から全量ろ過モジュールである方が好ましい。
【0050】
ろ過流束制御方法としては、定流束ろ過であっても定圧ろ過であってもよいが、一定の処理水量が得られ、また、全体の制御が容易であるという点から定流束ろ過である方が好ましい。
【0051】
本発明において、逆浸透膜22に用いられる逆浸透膜とは、被分離混合液中の一部の成分、例えば溶媒を透過させ他の成分を透過させない、実質的に逆浸透分離が可能な半透性の膜であって、その素材には酢酸セルロース系ポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ビニルポリマーなどの高分子素材がよく使用されている。またその膜構造は膜の少なくとも片面に緻密層を持ち、緻密層から膜内部あるいはもう片方の面に向けて徐々に大きな孔径の微細孔を有する非対称膜、非対称膜の緻密層の上に別の素材で形成された非常に薄い分離機能層を有する複合膜がある。膜形態には中空糸、平膜がある。本発明は、これら膜素材、膜構造や膜形態によらず実施することができいずれも効果があるが、代表的な膜としては、例えば酢酸セルロース系やポリアミド系の非対称膜およびポリアミド系、ポリ尿素系の分離機能層を有する複合膜などがあり、造水量、耐久性、塩排除率の観点から、酢酸セルロース系の非対称膜、ポリアミド系の複合膜を用いることが好ましい。
【0052】
本発明において、逆浸透膜22に用いられる逆浸透膜は、25℃、pH7、濃度32,000mg/Lの食塩水を5.5MPaで供給したときの塩排除率が99%以上の性能を有することが好ましい。原水が海水の場合、該塩排除率が99%よりも小さいと透過液中の塩素イオンの量が多くなり、ろ過水をそのまま飲料水として使用することが難しい。
【0053】
このような性能を有する逆浸透膜は、実際に使用するためにスパイラル、チューブラー、プレート・アンド・フレーム等のエレメントに組み込まれ、また中空糸は束ねた上でエレメントに組み込まれて使用されるが、本発明はこれらの逆浸透膜エレメントの形態に左右されるものではない。
【0054】
また、本発明において、逆浸透膜22は、前記逆浸透膜エレメントを1〜数本圧力容器の中に収めたモジュールはもちろんであるが、このモジュールを複数本並列に配置したものをも含むものである。組合せ、本数、配列は目的に応じて任意に行うことができる。
【実施例】
【0055】
(実施例1)
図1に示すように、酸化剤貯留槽1内の酸化剤には次亜塩素酸ナトリウムを用い、凝集剤貯留槽3内の凝集剤には塩化第2鉄を用い、精密ろ過膜/限外ろ過膜13には東レ(株)製の分画分子量15万Daのポリフッ化ビニリデン製中空糸UF膜で膜面積が72mの加圧型膜モジュール1本を用い、凝集水供給弁12とろ過水弁15を開とし、凝集水供給ポンプ11を稼動して、井戸水を膜ろ過流束2.5m/m/d(ろ過流量125L/min)で全量ろ過した。また、逆浸透膜22には東レ(株)製逆浸透膜エレメント(TM820S−400)4本を用いて高圧ポンプ23を稼働し、ろ過水貯留槽16内の膜ろ過水を膜ろ過流量60m/d、濃縮水流量120m/d(回収率33%)でクロスフローろ過した。還元剤貯留槽27内の還元剤にはチオ硫酸ナトリウムを用い、膜ろ過水に1mg/L注入した。第1鉄イオン測定器5には(株)共立理化学研究所のデジタルパックテストマルチを用い、手動で測定し、色度計6には横河電機(株)のCZ402Gを用い、自動で連続測定した。
【0056】
精密ろ過膜/限外ろ過膜13で30minろ過した後、凝集水供給弁12とろ過水弁15を閉とし、凝集水供給ポンプ11を停止すると同時に、エア抜き弁14、逆洗弁18、空洗弁20を開とし、逆洗ポンプ17、ブロワー19を稼動して、流束3.0m/dの逆圧洗浄と膜モジュールの下方から空気を供給する100L/minの空気洗浄を同時に1min実施した。その後、逆洗弁18、空洗弁20を閉とし、逆洗ポンプ17、ブロワー19を停止して、上述の逆圧洗浄と空気洗浄を終了した後、排水弁21を開とし、排水工程を1min行った。排水工程終了後、排水弁21を閉、凝集水供給弁12を開とし、凝集水供給ポンプ11を稼動して給水工程が行われ、モジュール内が凝集水で満水になった後、エア抜き弁14を閉、ろ過水弁15を開にすることで、ろ過工程に戻り、上記工程を繰り返していった。
【0057】
2011年3月1日に第1鉄イオン測定器5と色度計6で測定した結果、原水の第1鉄イオン濃度(α)=6[mg−Fe/L]、原水の色度(β)=9[度]であった。
【0058】
原水の第1鉄イオン濃度(α)=6[mg−Fe/L]、原水流量(γ)=125[L/min]を、酸化剤演算器7に入力後、酸化剤注入量(A)、第1鉄イオンと酸化剤との反応で生成される水酸化鉄(III)濃度(B)を演算し、酸化剤供給ポンプ2の吐出量を調整した。
【0059】
(A)=0.63×6×125=472.5[mg−Cl/min]
(B)=6[mg−Fe/L]
次に係数(K)=0.6[mg−Fe/(L・度)]とし、原水の色度(β)=9[度]、第1鉄イオンと酸化剤との反応で生成される水酸化鉄(III)濃度(B)=6[mg−Fe/L]を凝集剤演算器8に入力し、原水中の濁度あるいは色度を凝集するのに適正な凝集剤注入濃度(C)および必要凝集剤注入濃度(D)[mg−Fe/L]を演算した。
【0060】
(C)=0.6×9=5.4[mg−Fe/L]
(D)=5.4−6=−0.6[mg−Fe/L]
(D)は負だったので、凝集剤供給ポンプ4は稼働しなかった。
【0061】
上記要領で3月1日から1ヶ月間運転した結果、表1の通り、酸化剤の平均注入量は323[mg−Cl/min]、凝集剤の平均注入量は144[mg−Fe/min]となった。精密ろ過膜/限外ろ過膜13のろ過差圧は運転開始直後30kPaに対し、1ヶ月後も35kPaと安定運転が行えた。また、逆浸透膜22のろ過差圧は運転開始直後5.5MPaに対し、2ヶ月後も5.9MPaと安定運転が行えており脱塩率は運転開始直後99.7%に対し、1ヶ月後も99.7%と安定していた。
【0062】
【表1】

【0063】
(比較例1)
第1鉄イオン測定器5、色度計6を用いず、酸化剤供給ポンプ2で酸化剤を320[mg−Cl/min]常時定量注入し、凝集剤供給ポンプ4で凝集剤を150[mg−Fe/min]常時定量注入した以外は、実施例1と同じにした。
【0064】
その結果精密ろ過膜/限外ろ過膜13のろ過差圧は運転開始直後30kPaに対し、1ヶ月後は98kPaに上昇していた。安定運転が行えた。また、逆浸透膜22のろ過差圧は運転開始直後5.5MPaに対し、1ヶ月後は8.7MPaに上昇しており、脱塩率は運転開始直後99.7%に対し、2ヶ月後は96.1%に低下した。
【符号の説明】
【0065】
1:酸化剤貯留槽
2:酸化剤供給ポンプ
3:凝集剤貯留槽
4:凝集剤供給ポンプ
5:第1鉄イオン測定器
6:濁度計/色度計
7:酸化剤演算器
8:凝集剤演算器
9:攪拌機
10:凝集反応槽
11:凝集水供給ポンプ
12:凝集水供給弁
13:精密ろ過膜/限外ろ過膜
14:エア抜き弁
15:ろ過水弁
16:ろ過水貯留槽
17:逆洗ポンプ
18:逆洗弁
19:ブロワー
20:空洗弁
21:排水弁
22:逆浸透膜
23:高圧ポンプ
24:逆浸透膜透過水貯留槽
25:逆浸透膜濃縮水貯留槽
26:還元剤供給ポンプ
27:還元剤貯留槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1鉄イオンを含む原水に酸化剤と凝集剤を注入して凝集した後、固液分離して清澄水を得る水処理方法において、原水の第1鉄イオン濃度を測定し、第1鉄イオンを酸化するための酸化剤注入量および第1鉄イオンと酸化剤との反応で生成される水酸化鉄(III)生成量を演算し、原水を凝集するための適正凝集剤注入量から前記水酸化鉄(III)生成量を差し引いて必要凝集剤注入量を演算することで、前記酸化剤注入量および前記必要凝集剤注入量を制御することを特徴とする水処理方法。
【請求項2】
第1鉄イオンを含む原水に酸化剤と凝集剤を注入して凝集した後、固液分離して清澄水を得る水処理方法において、清澄水の第1鉄イオン濃度を測定し、第1鉄イオンを酸化するための酸化剤注入量および第1鉄イオンと酸化剤との反応で生成される水酸化鉄(III)生成量を演算し、原水を凝集するための適正凝集剤注入量から前記水酸化鉄(III)生成量を差し引いて必要凝集剤注入量を演算することで、前記酸化剤注入量および前記必要凝集剤注入量を制御することを特徴とする水処理方法。
【請求項3】
固液分離手段が砂ろ過、精密ろ過膜、限外ろ過膜のいずれかである、請求項1または2に記載の水処理方法。
【請求項4】
原水の濁度または色度を測定し、適正凝集剤注入量を原水の濁度または色度で比例演算する、請求項1〜3のいずれかに記載の水処理方法。
【請求項5】
凝集剤が鉄系凝集剤またはアルミ系凝集剤を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の水処理方法。
【請求項6】
酸化剤が塩素系酸化剤を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の水処理方法。
【請求項7】
清澄水を逆浸透膜で処理する、請求項1〜6のいずれかに記載の水処理方法。
【請求項8】
逆浸透膜で処理する前に清澄水に還元剤を注入する、請求項7に記載の水処理方法。
【請求項9】
第1鉄イオンを含む原水を固液分離して清澄水を得る固液分離手段と、原水の第1鉄イオン濃度を測定する手段と、原水に酸化剤を供給する手段と、原水に凝集剤を供給する手段と、第1鉄イオンを酸化するための酸化剤注入量および第1鉄イオンと酸化剤との反応で生成される水酸化鉄(III)生成量を演算する手段と、適正凝集剤注入量を演算する手段と、前記適正凝集剤注入量から前記水酸化鉄(III)生成量を差し引いて必要凝集剤の注入量を演算する手段と、原水と凝集剤と酸化剤を攪拌する手段と固液分離手段の1次側に原水を供給する手段とを備えた水処理装置。
【請求項10】
第1鉄イオンを含む原水を固液分離して清澄水を得る固液分離手段と、清澄水の第1鉄イオン濃度を測定する手段と、原水に酸化剤を供給する手段と、原水に凝集剤を供給する手段と、第1鉄イオンを酸化するための酸化剤注入量および第1鉄イオンと酸化剤との反応で生成される水酸化鉄(III)生成量を演算する手段と、適正凝集剤注入量を演算する手段と、前記適正凝集剤注入量から前記水酸化鉄(III)生成量を差し引いて必要凝集剤の注入量を演算する手段と、原水と凝集剤と酸化剤を攪拌する手段と固液分離手段の1次側に原水を供給する手段とを備えた水処理装置。
【請求項11】
固液分離手段が砂ろ過、精密ろ過膜、限外ろ過膜のいずれかである、請求項9または10に記載の水処理装置。
【請求項12】
原水の濁度または色度を測定する手段を備え、適正凝集剤注入量を演算する手段が原水の濁度または色度で比例演算したものである、請求項9〜11のいずれかに記載の水処理装置。
【請求項13】
清澄水を逆浸透膜処理する逆浸透膜を備えた請求項9〜12のいずれかに記載の水処理装置。
【請求項14】
清澄水を逆浸透膜で処理する前に還元剤を注入する手段を備えた請求項13に記載の水処理装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−239947(P2012−239947A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110043(P2011−110043)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】