説明

水分散性ポリオレフィン系樹脂組成物

【課題】基材に塗布した際に、表面が固化された平滑な塗膜が形成され、かつ保存安定性に優れる水分散性ポリオレフィン系樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】(A)(i)メソペンタッド分率[mmmm]が20〜80モル%及び(ii)GPCにより測定した重量平均分子量(Mw)が10,000〜1,000,000であるポリ(1−ブテン)系樹脂5〜70質量%と、(B)水95〜30質量%との組み合わせ100質量部に対して、(C)界面活性剤0.01〜1.00質量部、(D)水溶性高分子化合物0.01〜1.00質量部及び(E)水不溶性の有機溶媒2〜200質量部を含む水分散性ポリオレフィン系樹脂組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水分散性ポリオレフィン系樹脂組成物に関し、詳しくは、基材に塗布した際に、表面が固化された平滑な塗膜が形成され、かつ保存安定性に優れる水分散性ポリオレフィン系樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポリオレフィン系樹脂はパウダーやペレットの状態で市場に供給されている。この状態のポリオレフィン系樹脂を用い、コーティングなどの方法により基材表面に成膜するためには、押出機、ラミネ−ター等の熱成形機が必要であった。ポリオレフィン系樹脂を融解させて、コーティングする手法の場合、溶融混練する必要があり、その際に、大きなエネルギーを必要とし、また、ポリオレフィン系樹脂の物性も、混練により大きな影響を受けるという問題があった。
そこで、有機溶媒にポリオレフィン系樹脂を溶解させた塗工液を用いて、コーティングする方法が考えられている。しかし、この方法の場合、ポリオレフィン系樹脂の濃度を高くして塗布しようとすると、粘度が上昇して、塗布性も悪化し、膜厚にムラも生じ易い。一方、ポリオレフィン系樹脂の濃度を低くすると、十分な膜厚を得るために何度も塗工しなければならないという問題があった。
このような問題を解消方法として、ポリオレフィン系樹脂を微粒子の状態で水中に分散させて分散液とし、この分散液を用いてコーティングする方法が考えられる。この場合、一般のコーター、印刷機、スプレー等によりプラスチックや紙、金属等の表面に塗布し、乾燥させることにより、基材に耐水性、耐薬品性及び耐油性などを付与することができる。また、上記分散液は、ヒートシール剤としても使用することができる。このように、上記分散液の状態とすると、容易に基材表面にポリオレフィン系樹脂の膜を形成することができるようになる。
【0003】
しかし、ポリオレフィン系樹脂の微粒子を水中に分散させるのは、容易ではない。例えば、ポリオレフィン誘導体と乳化剤と水不溶性の有機溶媒からなる水性エマルジョン及びその製造方法が開示されており(例えば、特許文献1参照)、ポリオレフィン誘導体として、ポリプロピレンなどが例示されており、具体的には、水酸基含有共役ジエン系重合体の水素添加誘導体が使用されている。この水素添加誘導体は、ジエン系化合物を重合し、得られた重合体に水素添加するという2段階プロセスで製造されるため、生産性が高いとはいえない。また、塗装膜を固化させるためには、水性エマルジョンに硬化剤を含有させ、塗布後、加熱して硬化させる必要がある。
上記水酸基含有共役ジエン系重合体の代わりにポリプロピレンワックスを用いる技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2には、特定の平均粒径と特定の酸価を有するポリプロピレンワックスと、特定の不飽和モノカルボン酸グリセリドからなる水性ポリオレフィンワックス分散液が開示されている。この技術においては、ポリプロピレンワックスが固体として分散するため、塗装膜の平滑性に問題がある。
ところで、低結晶性ポリオレフィン(例えば、特許文献3及び4参照)は、高結晶性ポリプロピレンフィルムの表面改質に用いることが可能であるが、低結晶性ポリオレフィンのポリマーを表面改質に使用する際には、有機溶媒に溶解したりして使用しなければならない。そこで、環境に悪影響を与えず、作業者に無害な水性塗料への需要が高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−261724号公報
【特許文献2】特表平9−502216号公報
【特許文献3】特開2001−172325号公報
【特許文献4】特開2001−172325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、基材に塗布した際に、表面が固化された平滑な塗膜が形成され、かつ保存安定性に優れる水分散性ポリオレフィン系樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、低結晶性ポリオレフィン系樹脂である特定の物性を有するポリ(1−ブテン)系樹脂、水、界面活性剤、水溶性高分子化合物及び水不溶性有機溶媒をそれぞれ特定量含有する樹脂組成物により、上記目的が達成されることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明は、以下の水分散性ポリオレフィン系樹脂組成物を提供するものである。
1. (A)(i)メソペンタッド分率[mmmm]が20〜80モル%及び(ii)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)が10,000〜1,000,000であるポリ(1−ブテン)系樹脂5〜70質量%と、(B)水95〜30質量%との組み合わせ100質量部に対して、(C)界面活性剤0.01〜1.00質量部、(D)水溶性高分子化合物0.01〜1.00質量部及び(E)水不溶性の有機溶媒2〜200質量部を含むことを特徴とする水分散性ポリオレフィン系樹脂組成物。
2. (A)成分と(E)成分との混合物Iと、(B)成分と(C)成分と(D)成分との混合物IIを混合してなる上記1に記載の水分散性ポリオレフィン系樹脂組成物。
3. 混合物Iと混合物IIとの混合を0〜90℃の温度範囲で行う上記2に記載の水分散性ポリオレフィン系樹脂組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、基材に塗布した際に、表面が固化された平滑な塗膜が形成され、かつ保存安定性に優れる水分散性ポリオレフィン系樹脂組成物を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の水分散性ポリオレフィン系樹脂組成物(以下、単に「水分散性組成物」と称することがある。)で用いる(A)成分のポリ(1−ブテン)系樹脂は、(i)メソペンタッド分率[mmmm]が20〜80モル%及び(ii)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)が10,000〜1,000,000の要件を満足する低結晶性ポリオレフィン系樹脂である。
(A)成分のポリ(1−ブテン)系樹脂のメソペンタッド分率[mmmm]が80モル%以下であると、水と容易に混合し、保存安定性に優れる水分散性組成物が形成される。また、20モル%以上であると、基材に塗布し、乾燥させた際にべたつきが発生し難くなる。
(A)成分のポリ(1−ブテン)系樹脂は、さらに、以下の(a)、(b)を満たすことが好ましい。これらの要件が満たされると、本発明の水分散性組成物を基材に塗布し、乾燥させた際にべたつきが発生し難くなる。
(a)[mmmm]/([mmrr]+[rmmr])≦20
(b)[mmmm]≦90−2×[rr]
(A)成分のポリ(1−ブテン)系樹脂は、GPCにより測定した重量平均分子量(Mw)は10,000〜1,000,000であることを要し、好ましくは10,000〜500,000である。このMwが10,000以上であると、本発明の水分散性組成物を基材に塗布した際に、乾燥後にべたつきが発生し難くなる。また、このMwが1,000,000以下であると、保存安定性に優れる水分散性組成物が得られる。
【0009】
本発明において、ポリ(1−ブテン)系樹脂のメソペンタッド分率[mmmm]は、朝倉らにより報告された「Polymer Journal,16,717(1984)」、J.Randallらにより報告された「Macromol.Chem.Phys.,C29,201(1989)」及びV.Busicoらにより報告された「Macromol.Chem.Phys.,198,1257(1997)」で提案された方法に準拠して求めた。すなわち、13C核磁気共鳴スペクトルを用いてメチレン基、メチン基のシグナルを測定し、ポリ(1−ブテン)分子中のメソペンタッド分率を求めた。立体規則性指数([mmmm]/[mmrr]+[rmmr])は、上記方法により、[mmmm]、[mmmr]及び[rmmr]を測定した値から算出した。また、ラセミトリアッド分率[rr]も上記方法により算出した。
13C核磁気共鳴スペクトルの測定は、下記の装置及び条件にて行った。
【0010】
装置:日本電子(株)製JNM−EX400型13C−NMR装置
方法:プロトン完全デカップリング法
濃度:230mg/ml
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの90:10(容量比)混合溶媒
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:10000回
【0011】
上記重量平均分子量(Mw)は、GPC法により、下記の装置及び条件で測定したポリスチレン換算の値である。
GPC測定装置
カラム :TOSO GMHHR−H(S)HT
検出器 :液体クロマトグラフィー用RI検出器 WATERS 150C
測定条件
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0ml/分
試料濃度 :2.2mg/ml
注入量 :160μl
検量線 :Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
【0012】
本発明で用いる(A)成分のポリ(1−ブテン)系樹脂は、1−ブテン単独重合体でもよく、1−ブテン系共重合体であってもよい。1−ブテン系共重合体は、1−ブテンとエチレン及び/又は1−ブテン以外の炭素数3〜20のα−オレフィンの共重合体であり、1−ブテンとそれ以外の炭素数3〜20のα−オレフィンの共重合体が好ましい。
本発明で用いる1−ブテン系共重合体としては、ランダム共重合体が好ましい。また、1−ブテンから得られる構造単位は90モル%以上であることが好ましく、より好ましくは95モル%以上である。1−ブテンに由来する構造単位が90モル%以上であると、成形体表面のべたつきや透明性の低下が抑制される。
【0013】
本発明で用いる1−ブテン単独重合体又は1−ブテン系共重合体の製造方法としては、メタロセン触媒と呼ばれる触媒系を用いて1−ブテンを単独重合する方法又は1−ブテンとエチレン及び/又は1−ブテン以外の炭素数3〜20のα−オレフィンを共重合する方法が挙げられる。メタロセン系触媒としては、特開昭58−19309号公報、特開昭61−130314号公報、特開平3−163088号公報、特開平4−300887号公報、特開平4−211694号公報、特表平1−502036号公報等に記載されるようなシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基等を1又は2個配位子とする遷移金属化合物、及び該配位子が幾何学的に制御された遷移金属化合物と助触媒を組み合わせて得られる触媒が挙げられる。
【0014】
本発明においては、メタロセン触媒のなかでも、配位子が架橋基を介して架橋構造を形成している遷移金属化合物からなるものが、架橋構造を形成していないメタロセン触媒よりも重合活性が高い点から好ましく、なかでも、2個の架橋基を介して架橋構造を形成している遷移金属化合物と助触媒を組み合わせて得られるメタロセン触媒を用いて1−ブテンを単独重合する方法又は1−ブテンとエチレン及び/又は1−ブテン以外の炭素数3〜20のα−オレフィンを共重合する方法がさらに好ましい。具体的に例示すれば、(a)一般式(I)で表される遷移金属化合物、及び(b)(b−1)該(a)成分の遷移金属化合物又はその派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物及び(b−2)アルミノキサンから選ばれる少なくとも一種の成分を含有する重合用触媒の存在下、1−ブテンを単独重合させる方法、又は1−ブテンとエチレン及び/又は1-ブテン以外の炭素数3〜20のα−オレフィンを共重合させる方法が挙げられる。
【0015】
【化1】

【0016】
[式中、Mは周期律表第3〜10族又はランタノイド系列の金属元素を示し、E1及びE2はそれぞれ置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換インデニル基,ヘテロシクロペンタジエニル基,置換ヘテロシクロペンタジエニル基,アミド基,ホスフィド基,炭化水素基及び珪素含有基の中から選ばれた配位子であって、A1及びA2を介して架橋構造を形成しており、またそれらはたがいに同一でも異なっていてもよく、Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX,E1,E2又はYと架橋していてもよい。
Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のY,E1,E2又はXと架橋していてもよく、A1及びA2は二つの配位子を結合する二価の架橋基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−Se−、−NR1−、−PR1−、−P(O)R1−、−BR1−又は−AlR1−を示し、R1は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよい。qは1〜5の整数で[(Mの原子価)−2]を示し、rは0〜3の整数を示す。]
【0017】
上記一般式(I)において、Mは周期律表第3〜10族又はランタノイド系列の金属元素を示し、具体例としてはチタン,ジルコニウム,ハフニウム,イットリウム,バナジウム,クロム,マンガン,ニッケル,コバルト,パラジウム及びランタノイド系金属などが挙げられるが、これらの中ではオレフィン重合活性などの点からチタン,ジルコニウム及びハフニウムが好適である。
1及びE2はそれぞれ、置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換インデニル基,ヘテロシクロペンタジエニル基,置換ヘテロシクロペンタジエニル基,アミド基(−N<),ホスフィン基(−P<),炭化水素基[>CR−,>C<]及び珪素含有基[>SiR−,>Si<](但し、Rは水素又は炭素数1〜20の炭化水素基あるいはヘテロ原子含有基である)の中から選ばれた配位子を示し、A1及びA2を介して架橋構造を形成している。また、E1及びE2はたがいに同一でも異なっていてもよい。このE1及びE2としては、重合活性がより高くなる点から、置換シクロペンタジエニル基,インデニル基及び置換インデニル基が好ましい。
【0018】
また、Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX,E1,E2又はYと架橋していてもよい。該Xの具体例としては、ハロゲン原子,炭素数1〜20の炭化水素基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数1〜20のアミド基,炭素数1〜20の珪素含有基,炭素数1〜20のホスフィド基,炭素数1〜20のスルフィド基,炭素数1〜20のアシル基などが挙げられる。
一方、Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のYやE1,E2又はXと架橋していてもよい。該Yのルイス塩基の具体例としては、アミン類,エーテル類,ホスフィン類,チオエーテル類などを挙げることができる。
次に、A1及びA2は二つの配位子を結合する二価の架橋基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−Se−、−NR1−、−PR1−、−P(O)R1−、−BR1−又は−AlR1−を示し、R1は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよい。このような架橋基としては、例えば一般式
【0019】
【化2】

【0020】
(Dは炭素、珪素、ゲルマニウム又はスズ、R2及びR3はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基で、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、またたがいに結合して環構造を形成していてもよい。eは1〜4の整数を示す。)
で表されるものが挙げられ、その具体例としては、メチレン基,エチレン基,エチリデン基,プロピリデン基,イソプロピリデン基,シクロヘキシリデン基,1,2−シクロヘキシレン基,ビニリデン基(CH2=C=),ジメチルシリレン基,ジフェニルシリレン基,メチルフェニルシリレン基,ジメチルゲルミレン基,ジメチルスタニレン基,テトラメチルジシリレン基,ジフェニルジシリレン基などを挙げることができる。これらの中では、重合活性がより高くなる点から、エチレン基,イソプロピリデン基及びジメチルシリレン基が好適である。qは1〜5の整数で[(Mの原子価)−2]を示し、rは0〜3の整数を示す。
このような一般式(I)で表される遷移金属化合物の中では、一般式(II)
【0021】
【化3】

【0022】
で表される二重架橋型ビスシクロペンタジエニル誘導体を配位子とする遷移金属化合物が好ましい。
上記一般式(II)において、M,A1,A2,q及びrは、一般式(I)と同じである。X1はσ結合性の配位子を示し、X1が複数ある場合、複数のX1は同じでも異なっていてもよく、他のX1又はY1と架橋していてもよい。このX1の具体例としては、一般式(I)のXの説明で例示したものと同じものを挙げることができる。Y1はルイス塩基を示し、Y1が複数ある場合、複数のY1は同じでも異なっていてもよく、他のY1又はX1と架橋していてもよい。このY1の具体例としては、一般式(I)のYの説明で例示したものと同じものを挙げることができる。
4〜R9はそれぞれ水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20の炭化水素基,炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基,珪素含有基又はヘテロ原子含有基を示すが、その少なくとも一つは水素原子でないことが必要である。また、R4〜R9はたがいに同一でも異なっていてもよく、隣接する基同士がたがいに結合して環を形成していてもよい。なかでも、R6とR7は環を形成していること及びR8とR9は環を形成していることが好ましい。R4及びR5としては、酸素、ハロゲン、珪素等のヘテロ原子を含有する基が、重合活性が高くなり好ましい。
【0023】
この二重架橋型ビスシクロペンタジエニル誘導体を配位子とする遷移金属化合物は、配位子間の架橋基に珪素を含むものが好ましい。
一般式(I)で表される遷移金属化合物の具体例としては、(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−メチレン)(2,1’−メチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−イソプロピリデン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(5,6−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(4,7−ジイソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(3−メチル−4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(5,6−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,
【0024】
(1,2’−メチレン)(2,1’−エチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−メチレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(5,6−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,
【0025】
(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(4,7−ジ−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−メチル−4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(5,6−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド,
【0026】
(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)−ビス(3−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,
【0027】
(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジフェニルシリレン)(2,1’−メチレン)−ビス(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−メチレン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−メチレン)(2,1’−メチレン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−メチレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
【0028】
(1,2’−イソプロピリデン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(3’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−メチレン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−メチレン)(2,1’−メチレン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
【0029】
(1,2’−メチレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−イソプロピリデン)(2,1’−イソプロピリデン)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−メチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−メチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−メチル−5−イソプロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−メチル−5−n−ブチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−メチル−5−フェニルシクロペンジエニル)(3’−メチル−5’−フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
【0030】
(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチル−5−イソプロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチル−5−n−ブチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチル−5−フェニルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−フェニルシクロペンジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)(3−メチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)(3−メチル−5−イソプロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)(3−メチル−5−n−ブチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
【0031】
(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)(3−メチル−5−フェニルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)(3−メチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−エチルシクロペンジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)(3−メチル−5−イソプロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)(3−メチル−5−n−ブチルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−メチレン)(3−メチル−5−フェニルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−メチレン)(3−メチル−5−イソプロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−エチレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチル−5−イソプロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
【0032】
(1,2’−メチレン)(2,1’−メチレン)(3−メチル−5−イソプロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−メチレン)(2,1’−イソプロピリデン)(3−メチル−5−イソプロピルシクロペンタジエニル)(3’−メチル−5’−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジフェニルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジイソプロピルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−ジイソプロピルシリレン)ビスインデニルジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレンインデニル)(2,2’−ジメチルシリレン−3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジフェニルシリレンインデニル)(2,2’−ジフェニルシリレン−3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジフェニルシリレンインデニル)(2,2’−ジメチルシリレン−3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
【0033】
(1,1’−ジメチルシリレンインデニル)(2,2’−ジフェニルシリレン−3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジイソプロピルシリレンインデニル)(2,2’−ジメチルシリレン−3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレンインデニル)(2,2’−ジイソプロピルシリレン−3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジイソプロピルシリレンインデニル)(2,2’−ジイソプロピルシリレン−3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレンインデニル)(2,2’−ジメチルシリレン−3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジフェニルシリレンインデニル)(2,2’−ジフェニルシリレン−3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジフェニルシリレンインデニル)(2,2’−ジメチルシリレン−3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレンインデニル)(2,2’−ジフェニルシリレン−3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
【0034】
(1,1’−ジイソプロピルシリレンインデニル)(2,2’−ジメチルシリレン−3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレンインデニル)(2,2’−ジイソプロピルシリレン−3−トリメチルメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジイソプロピルシリレンインデニル)(2,2’−ジイソプロピルシリレン−3−トリメチルメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリドなど及びこれらの化合物におけるジルコニウムをチタン又はハフニウムに置換したものを挙げることができる。もちろんこれらに限定されるものではない。また、他の族又はランタノイド系列の金属元素の類似化合物であってもよい。
また、上記化合物において、(1,1’−)(2,2’−)が(1,2’−)(2,1’−)であってもよく、(1,2’−)(2,1’−)が(1,1’−)(2,2’−)であってもよい。
【0035】
次に、(b)成分のうちの(b−1)成分としては、上記(a)成分の遷移金属化合物と反応して、イオン性の錯体を形成しうる化合物であれば、いずれのものでも使用できるが、次の一般式(III),(IV)
([L1−R10k+a([Z]-b ・・・(III)
([L2k+a([Z]-b ・・・(IV)
(ただし、L2はM2、R11123、R133C又はR143である。)
[(III),(IV)式中、L1はルイス塩基、[Z]-は、非配位性アニオン[Z1-及び[Z2-、ここで[Z1-は複数の基が元素に結合したアニオンすなわち[M112・・・Gf-(ここで、M1は周期律表第5〜15族元素、好ましくは周期律表第13〜15族元素を示す。G1〜Gfはそれぞれ水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数2〜40のジアルキルアミノ基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリール基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数7〜40のアルキルアリール基,炭素数7〜40のアリールアルキル基,炭素数1〜20のハロゲン置換炭化水素基,炭素数1〜20のアシルオキシ基,有機メタロイド基、又は炭素数2〜20のヘテロ原子含有炭化水素基を示す。G1〜Gfのうち2つ以上が環を形成していてもよい。fは[(中心金属M1の原子価)+1]の整数を示す。)、[Z2-は、酸解離定数の逆数の対数(pKa)が−10以下のブレンステッド酸単独又はブレンステッド酸及びルイス酸の組み合わせの共役塩基、あるいは一般的に超強酸と定義される酸の共役塩基を示す。また、ルイス塩基が配位していてもよい。また、R10は水素原子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数6〜20のアリール基,アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示し、R11及びR12はそれぞれシクロペンタジエニル基,置換シクロペンタジエニル基,インデニル基又はフルオレニル基、R13は炭素数1〜20のアルキル基,アリール基,アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示す。R14はテトラフェニルポルフィリン,フタロシアニン等の大環状配位子を示す。kは[L1−R10],[L2]のイオン価数で1〜3の整数、aは1以上の整数、b=(k×a)である。M2は、周期律表第1〜3、11〜13、17族元素を含むものであり、M3は、周期律表第7〜12族元素を示す。]
で表されるものを好適に使用することができる。
【0036】
ここで、L1の具体例としては、アンモニア,メチルアミン,アニリン,ジメチルアミン,ジエチルアミン,N−メチルアニリン,ジフェニルアミン,N,N−ジメチルアニリン,トリメチルアミン,トリエチルアミン,トリ−n−ブチルアミン,メチルジフェニルアミン,ピリジン,p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン,p−ニトロ−N,N−ジメチルアニリンなどのアミン類、トリエチルホスフィン,トリフェニルホスフィン,ジフェニルホスフィンなどのホスフィン類、テトラヒドロチオフェンなどのチオエーテル類、安息香酸エチルなどのエステル類、アセトニトリル,ベンゾニトリルなどのニトリル類などを挙げることができる。
【0037】
10の具体例としては水素,メチル基,エチル基,ベンジル基,トリチル基などを挙げることができ、R11,R12の具体例としては、シクロペンタジエニル基,メチルシクロペンタジエニル基,エチルシクロペンタジエニル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル基などを挙げることができる。
13の具体例としては、フェニル基,p−トリル基,p−メトキシフェニル基などを挙げることができ、R14の具体例としてはテトラフェニルポルフィン,フタロシアニン,アリル,メタリルなどを挙げることができる。
また、M2の具体例としては、Li,Na,K,Ag,Cu,Br,I,I3などを挙げることができ、M3の具体例としては、Mn,Fe,Co,Ni,Znなどを挙げることができる。
【0038】
また、[Z1-、すなわち[M112・・・Gf]において、M1の具体例としてはB,Al,Si,P,As,Sbなど、好ましくはB及びAlが挙げられる。また、G1,G2〜Gfの具体例としては、ジアルキルアミノ基としてジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基など、アルコキシ基若しくはアリールオキシ基としてメトキシ基,エトキシ基,n−ブトキシ基,フェノキシ基など、炭化水素基としてメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,n−オクチル基,n−エイコシル基,フェニル基,p−トリル基,ベンジル基,4−t−ブチルフェニル基,3,5−ジメチルフェニル基など、ハロゲン原子としてフッ素,塩素,臭素,ヨウ素,ヘテロ原子含有炭化水素基としてp−フルオロフェニル基,3,5−ジフルオロフェニル基,ペンタクロロフェニル基,3,4,5−トリフルオロフェニル基,ペンタフルオロフェニル基,3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基,ビス(トリメチルシリル)メチル基など、有機メタロイド基としてペンタメチルアンチモン基、トリメチルシリル基,トリメチルゲルミル基,ジフェニルアルシン基,ジシクロヘキシルアンチモン基,ジフェニル硼素などが挙げられる。
【0039】
また、非配位性のアニオンすなわちpKaが−10以下のブレンステッド酸単独又はブレンステッド酸及びルイス酸の組み合わせの共役塩基[Z2-の具体例としてはトリフルオロメタンスルホン酸アニオン(CF3SO3-,ビス(トリフルオロメタンスルホニル)メチルアニオン,ビス(トリフルオロメタンスルホニル)ベンジルアニオン,ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド,過塩素酸アニオン(ClO4-,トリフルオロ酢酸アニオン(CF3CO2-,ヘキサフルオロアンチモンアニオン(SbF6-,フルオロスルホン酸アニオン(FSO3-,クロロスルホン酸アニオン(ClSO3-,フルオロスルホン酸アニオン/5−フッ化アンチモン(FSO3/SbF5-,フルオロスルホン酸アニオン/5−フッ化砒素(FSO3/AsF5-,トリフルオロメタンスルホン酸/5−フッ化アンチモン(CF3SO3/SbF5-などを挙げることができる。
【0040】
このような上記(a)成分の遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成するイオン性化合物、すなわち(b−1)成分化合物の具体例としては、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリメチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸テトラエチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸メチル(トリ−n−ブチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸ジメチルジフェニルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸トリメチルアニリニウム,テトラフェニル硼酸メチルピリジニウム,テトラフェニル硼酸ベンジルピリジニウム,テトラフェニル硼酸メチル(2−シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリエチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラ−n−ブチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラエチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルジフェニルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリメチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルピリジニウム,
【0041】
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジルピリジニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(2−シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(2−シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(4−シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルホスホニウム,テトラキス[ビス(3,5−ジトリフルオロメチル)フェニル]硼酸ジメチルアニリニウム,テトラフェニル硼酸フェロセニウム,テトラフェニル硼酸銀,テトラフェニル硼酸トリチル,テトラフェニル硼酸テトラフェニルポルフィリンマンガン,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(1,1’−ジメチルフェロセニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸デカメチルフェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸銀、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリチル,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸リチウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ナトリウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テオラフェニルポルフィリンマンガン,テトラフルオロ硼酸銀,ヘキサフルオロ燐酸銀,ヘキサフルオロ砒素酸銀,過塩素酸銀,トリフルオロ酢酸銀,トリフルオロメタンスルホン酸銀などを挙げることができる。この(b−1)は一種用いてもよく、また二種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、(b−2)成分のアルミノキサンとしては、一般式(V)
【0042】
【化4】

【0043】
(式中、R15は炭素数1〜20、好ましくは1〜12のアルキル基,アルケニル基,アリール基,アリールアルキル基などの炭化水素基あるいはハロゲン原子を示し、wは平均重合度を示し、通常2〜50、好ましくは2〜40の整数である。なお、各R15は同じでも異なっていてもよい。)
で表わされる鎖状アルミノキサン、及び一般式(VI)
【0044】
【化5】

(式中、R15及びwは上記一般式(V)におけるものと同じである。)
【0045】
で表わされる環状アルミノキサンを挙げることができる。
上記アルミノキサンの製造法としては、アルキルアルミニウムと水などの縮合剤とを接触させる方法が挙げられるが、その手段については特に限定はなく、公知の方法に準じて反応させればよい。例えば、(1)有機アルミニウム化合物を有機溶媒に溶解しておき、これを水と接触させる方法、(2)重合時に当初有機アルミニウム化合物を加えておき、後に水を添加する方法、(3)金属塩などに含有されている結晶水、無機物や有機物への吸着水を有機アルミニウム化合物と反応させる方法、(4)テトラアルキルジアルミノキサンにトリアルキルアルミニウムを反応させ、さらに水を反応させる方法などがある。なお、アルミノキサンとしては、トルエン不溶性のものであってもよい。これらのアルミノキサンは一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0046】
(a)触媒成分と(b)触媒成分との使用割合は、(b)触媒成分として(b−1)化合物を用いた場合には、モル比で好ましくは10:1〜1:100、より好ましくは2:1〜1:10の範囲が望ましく、上記範囲にあれば、単位質量ポリマー当りの触媒コストがあまり高くならず、実用的である。
また(b−2)化合物を用いた場合には、モル比で好ましくは1:1〜1:1000000、より好ましくは1:10〜1:10000の範囲が望ましい。この範囲にあれば、単位質量ポリマー当りの触媒コストがあまり高くならず、実用的である。
また、触媒成分(b)としては(b−1),(b−2)を単独又は二種以上組み合わせて用いることもできる。触媒成分(b)としては、重合活性の面で(b−1)化合物が好適である。
【0047】
本発明で用いるポリ(1−ブテン)系樹脂を製造する際の重合用触媒は、上記(a)成分及び(b)成分に加えて(c)成分として有機アルミニウム化合物を用いることができる。
ここで、(c)成分の有機アルミニウム化合物としては、一般式(VII)
16vAlJ3-v ・・・(VII)
[式中、R16は炭素数1〜10のアルキル基、Jは水素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン原子を示し、vは1〜3の整数である。]
で表わされる化合物が用いられる。
上記一般式(VII)で表わされる化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリイソプロピルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,ジメチルアルミニウムクロリド,ジエチルアルミニウムクロリド,メチルアルミニウムジクロリド,エチルアルミニウムジクロリド,ジメチルアルミニウムフルオリド,ジイソブチルアルミニウムヒドリド,ジエチルアルミニウムヒドリド,エチルアルミニウムセスキクロリド等が挙げられる。これらの有機アルミニウム化合物は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0048】
本発明に係るポリ(1−ブテン)系樹脂の製造においては、上述した(a)成分、(b)成分及び(c)成分を用いて予備接触を行なうこともできる。予備接触は、(a)成分に、例えば、(b)成分を接触させることにより行なうことができるが、その方法に特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。これら予備接触により触媒活性の向上や、助触媒である(b)成分の使用割合の低減など、触媒コストの低減に効果的である。また、さらに、(a)成分と(b−2)成分を接触させることにより、上記効果と共に、分子量向上効果も見られる。また、予備接触温度は、通常−20℃〜200℃、好ましくは−10℃〜150℃、より好ましくは、0℃〜80℃である。予備接触においては、溶媒の不活性炭化水素として、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素などを用いることができる。これらの中で特に好ましいものは、脂肪族炭化水素である。
【0049】
上記(a)触媒成分と(c)触媒成分との使用割合は、モル比で好ましくは1:1〜1:10000、より好ましくは1:5〜1:2000、さらに好ましくは1:10〜1:1000の範囲が望ましい。
該(c)触媒成分を用いることにより、遷移金属当たりの重合活性を向上させることができ、使用割合を上記範囲とすることにより、有機アルミニウム化合物が無駄になることもなく、α−オレフィン重合体中に多量に残存することもない。
本発明で用いるポリ(1−ブテン)系樹脂は、上述した重合用触媒を用いて、1−ブテンを単独重合、又は1−ブテン並びにエチレン及び/又は1−ブテン以外の炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合させることにより製造される。
この場合、重合方法は特に制限されず、スラリー重合法,気相重合法,塊状重合法,溶液重合法,懸濁重合法などのいずれの方法を用いてもよいが、溶液重合法が特に好ましい。
【0050】
重合条件については、重合温度は通常−100〜250℃程度、好ましくは−50〜200℃、より好ましくは0〜130℃である。また、反応原料に対する触媒の使用割合は、原料モノマー/上記(a)成分(モル比)が好ましくは1〜108、特に100〜105となることが好ましい。さらに、重合時間は通常5分〜10時間程度、反応圧力は好ましくは常圧〜20MPa(gauge)程度、さらに好ましくは常圧〜10MPa(gauge)である。
【0051】
重合体の分子量の調節方法としては、各触媒成分の種類,使用量,重合温度の選択、さらには水素存在下での重合などがある。
重合溶媒を用いる場合、例えば、ベンゼン,トルエン,キシレン,エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、シクロペンタン,シクロヘキサン,メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,オクタンなどの脂肪族炭化水素、クロロホルム,ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素などを用いることができる。これらの溶媒は一種を単独で用いてもよく、二種以上のものを組み合わせてもよい。また、α−オレフィンなどのモノマーを溶媒として用いてもよい。なお、重合方法によっては無溶媒で行うことができる。
【0052】
重合に際しては、上記重合用触媒を用いて予備重合を行うことができる。予備重合は、固体触媒成分に、例えば、少量のオレフィンを接触させることにより行うことができるが、その方法に特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。予備重合に用いるオレフィンについては特に制限はなく、上記に例示したものと同様のもの、例えばエチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、あるいはこれらの混合物などを挙げることができるが、該重合において用いるα−オレフィンと同じα−オレフィンを用いることが有利である。
また、予備重合温度は、通常−20〜200℃、好ましくは−10〜130℃、より好ましくは0〜80℃である。予備重合においては、溶媒として、脂肪族炭化水素,芳香族炭化水素,モノマーなどを用いることができる。これらの中で特に好ましいのは脂肪族炭化水素である。また、予備重合は無溶媒で行ってもよい。
予備重合においては、触媒中の遷移金属成分1mmol当たりに対する予備重合生成物の量が1〜10000g、特に10〜1000gとなるように条件を調整することが望ましい。
【0053】
本発明の水分散性ポリオレフィン系樹脂組成物で用いる(A')成分のポリプロピレン系樹脂は、(i)メソペンタッド分率[mmmm]が20〜60モル%及び(ii)テトラリン中、135℃で測定した極限粘度[η]が0.1〜15dl/gの要件を満足する低結晶性ポリオレフィン系樹脂である。
(A')成分のポリプロピレン系樹脂のメソペンタッド分率[mmmm]が60モル%以下であると、水と容易に混合し、保存安定性に優れる水分散性組成物が形成される。また、20モル%以上であると、基材に塗布し、乾燥させた際にべたつきが発生し難くなる。
(A')成分のポリプロピレン系樹脂は、さらに、以下の(a)、(b)、(c)を満たすことが好ましい。これらの要件が満たされると、本発明の水分散性組成物を基材に塗布し、乾燥させた際にべたつきが発生し難くなる。
(a)[rrrr]/(1−[mmmm])≦0.1
(b)([mm]×[rr])/[mr]2≦2.0
(c)[rmrm]>2.5モル%
【0054】
ポリプロピレン系樹脂のメソペンタッド分率[mmmm]は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,,925(1973)」で提案された方法に準拠し、13C核磁気共鳴スペクトルのメチル基のシグナルにより測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのメソ分率である。
13C核磁気共鳴スペクトルの測定は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,,687(1975)」で提案されたピークの帰属に従い、(A)成分のポリ(1−ブテン)系樹脂のメソペンタッド分率[mmmm]の測定と同様の装置及び条件にて行った。ラセミペンタッド分率[rrrr]、メソトリアッド分率[mm]、ラセミトリアッド分率[rr]、[mr]及び[rmrm]も同様にして測定した。
【0055】
(A')成分のポリプロピレン系樹脂は、テトラリン中、135℃で測定した極限粘度[η]が0.1〜15dl/gであることを要し、好ましくは0.1〜5dl/gである。この極限粘度が0.1dl/g以上であると、本発明の水分散性組成物を基材に塗布した際に、乾燥後にべたつきが発生し難くなる。また、この極限粘度が15dl/g以下であると、保存安定性に優れる水分散性組成物が得られる。
【0056】
本発明で用いる(A')成分のポリプロピレン系樹脂は、プロピレン単独重合体でもよく、プロピレン系共重合体であってもよい。プロピレン系共重合体は、プロピレンとエチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンの共重合体である。
本発明で用いるプロピレン単独重合体又はプロピレン系共重合体の製造方法としては、メタロセン触媒と呼ばれる触媒系を用いてプロピレンを単独重合する方法又はプロピレンとエチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンを共重合する方法が挙げられる。メタロセン系触媒としては、上記(A)成分のポリ(1−ブテン)系樹脂において説明したものと同様のものを用いることができる。ただし、上記一般式(I)で表される遷移金属化合物の例示のうち、配位子が(1,2’)(2,1’)二重架橋型が好ましい。
【0057】
本発明で用いるプロピレン系重合体は、上述した重合用触媒を用いて、プロピレンを単独重合、またはプロピレン並びにエチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンとを共重合させることにより製造される。重合方法、重合条件、反応原料に対する触媒の使用割合、重合体の分子量の調節方法、重合溶媒を用いる場合の具体例、上記重合用触媒を用いて予備重合を行う際の条件などについては、上記(A)成分ポリ(1−ブテン)系樹脂の製造と同様である。
【0058】
本発明の水分散性組成物において、(A)成分のポリ(1−ブテン)系樹脂又は(A')成分のポリプロピレン系樹脂の含有量は、(B)成分の水との合計量中5〜70質量%であることを要し、好ましくは10〜50質量%である。(A)成分又は(A')成分の含有量が5質量%以上であると、水分散性組成物中の樹脂と水の比率が適度のものとなるため、本発明の水分散性組成物を基材に塗布してから短時間で乾燥させることができる。また、70質量%以下であると、水分散性組成物に十分な流動性が発現するため、水分散性組成物を基材に塗布する際の作業効率が良好で、かつ平滑な表面を有する塗膜を得ることができる。
本発明で用いる(B)成分の水としては、精製水及び水道水などを用いることができる。本発明の水分散性組成物において、(B)成分の水の含有量は、(A)成分又は(A')成分との合計量中95〜30質量%であることを要し、好ましくは90〜50質量%である。
【0059】
本発明で用いる(C)成分の界面活性剤としては、非イオン系界面活性剤又はアニオン系界面活性剤が、水分散性組成物の保存安定性に優れるため好適に用いられる。非イオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;エチレンオキサイドの付加量が10〜80質量%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、さらにはポリアルキレングリコール系、脂肪酸エステル系などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、さらにはメチルタウリン酸塩、エーテルスルホン酸塩、リン酸エステル塩などが挙げられる。
また、第4級アンモニウム塩やアミン塩類などのカチオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
【0060】
本発明の水分散性組成物において、(C)成分の界面活性剤の含有量は、(A)成分又は(A')成分と、(B)成分の合計100質量部に対して、0.01〜1質量部であることを要し、好ましくは0.01〜0.6質量部である。(C)成分の含有量が0.01質量部以上であると、保存安定性に優れる水分散性組成物を得ることができる。また、1質量部以下であると、所望用途に水分散性組成物を使用した際に、界面活性剤がその性能に及ぼす悪影響を抑えることができる。例えば、1質量部を超える量の界面活性剤を用いた場合、界面活性剤の特性に起因して、水分散性組成物を基材に塗布し、乾燥させた後、表面にべたつきが生じるおそれがある。
【0061】
本発明で用いる(D)成分の水溶性高分子化合物としては、各種の水溶性高分子化合物を保護コロイドとして用いることができる。保護コロイドとしては、ポリアクリル酸ナトリウムなどのポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、さらには、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどの繊維系誘導体などが挙げられる。
ポリビニルアルコールとしては、通常の部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール及びスルホン酸変性ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、シラノール基変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコールなどの変性タイプのポリビニルアルコールなどが挙げられる。
本発明水分散性組成物において、(D)成分の水溶性高分子化合物の含有量は、(A)成分又は(A')成分と、(B)成分の合計100質量部に対して、0.01〜1質量部であることを要し、好ましくは0.01〜0.6質量部である。(D)成分の含有量が0.01質量部以上であると、保存安定性に優れる水分散性組成物を得ることができる。また、1質量部以下であると、所望用途に水分散性組成物を使用した際に、水溶性高分子化合物がその性能に及ぼす悪影響を抑えることができる。例えば、1質量部を超える量の水溶性高分子化合物を用いた場合、水溶性高分子化合物の特性に起因して、水分散性組成物を基材に塗布し、乾燥させた後、表面にべたつきが生じるおそれがある。なお、水溶性高分子化合物は、水分散性組成物において、エマルジョン粒子を包み、水分散性組成物の保存安定性に寄与する。
【0062】
本発明で用いる(E)成分の水不溶性の有機溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、ベンゼン等の炭化水素系有機溶媒を挙げることができる。特に、安全性や衛生性の点で、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族系有機溶媒が好ましい。
本発明水分散性組成物において、(E)成分の水不溶性の有機溶媒の含有量は、(A)成分又は(A')成分と、(B)成分の合計100質量部に対して、2〜200質量部であることを要する。(E)成分の含有量が2質量部以上であると、保存安定性に優れる水分散性組成物が得られる。また、200量部以下であると、水分散性組成物を塗布した後の乾燥が容易であるため、作業効率を高めることができる。また、(E)成分を配合することにより、水分散性組成物を構成する(A)成分又は(A’)成分が結晶化しにくくなるため、水分散性組成物を基材に塗布した際に、平滑な塗膜が形成される。
【0063】
本発明の水分散性組成物においては、(A)成分又は(A’)成分として、(A)成分又は(A’)成分を含酸素不飽和ケトン化合物とラジカル開始剤と有機酸により変性して製造した変性樹脂を用いてもよい。あるいはこれらの変性樹脂を、(A)成分又は(A’)成分と共に使用することができる。これらの変性樹脂を用いる際、(B)成分の水に、中和のために水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化化合物を混合してもよい。
本発明の水分散性組成物には、通常、水分散性組成物に配合される顔料などの添加剤を、必要に応じて配合することかができる。
【0064】
本発明の水分散性ポリオレフィン系樹脂組成物は、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)成分あるいは(A')、(B)、(C)、(D)、(E)成分を混合ことにより、得ることができる。この場合において、(A)成分又は(A')成分と(E)成分との混合物I又は混合物I'と、(B)成分と(C)成分と(D)成分との混合物IIを混合することにより、効率的に得ることができる。混合物I又は混合物I'と混合物IIとの混合は、加圧下、100℃以上で混合することもできるが、0〜90℃程度、好ましくは25〜90℃で混合することもできる。本発明の水分散性組成物は、0〜90℃という低温において混合した場合でも、基材に塗布した際に表面が固化された平滑な塗膜が形成され、かつ保存安定性に優れる。
本発明の水分散性組成物は、具体的には、例えば、次の方法によって製造することができる。(1)(A)成分又は(A')成分を水分散させる方法としては、有機溶媒((E)成分)存在下に(A)成分又は(A')成分を溶解させ、(B),(C),(D)成分及び必要に応じて配合する添加剤を含有してなる水溶液と混合し、せん断力を加えて水分散性ポリオレフィン系樹脂組成物を製造する方法。
(2)(A)成分又は(A')成分を有機溶媒((E)成分)に加熱溶解し、低粘度化した後、(B),(C),(D)成分及び必要に応じて配合する添加剤を含有してなる水溶液に分散させる方法。
【0065】
せん断応力を加えて水分散性組成物を得る方法として、50〜300℃に加熱した押出機を使用する方法を採用することができる。この場合、加圧下でせん断をかけることができるため、100℃を超える温度条件を採用することができる。また、ホモジナイザーを用いて、5000〜20000rpmの回転数、0〜90℃の温度条件下、30秒間〜2時間程度攪拌することにより、水分散性組成物を得ることができる。
本発明の水分散性ポリオレフィン系樹脂組成物を、プラスチックや紙、金属等の基材の表面に塗布してするには、一般のコーター、印刷機、スプレー等を用いればよい。塗布後、基材の耐熱温度以下に加熱したり、空気や窒素を吹き付けることにより、塗膜を乾燥させることができる。
【実施例】
【0066】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
製造例1[(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライドの製造]
シュレンク瓶に(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(インデン)のリチウム塩の3.0g(6.97mmol)をTHF(テトラヒドロフラン)50mlに溶解し−78℃に冷却した。ヨードメチルトリメチルシラン2.1ml(14.2mmol)をゆっくりと滴下し室温で12時間撹拌した。
溶媒を留去しエーテル50mlを加えて飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄した。
分液後、有機相を乾燥し溶媒を除去して(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデン)を3.04g(5.88mmol)を得た(収率84%)。
次に、窒素気流下においてシュレンク瓶に上記で得られた(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデン)を3.04g(5.88mmol)とエーテル50mlを入れた。−78℃に冷却し、n−BuLiのヘキサン溶液(1.54mol/L、7.6ml(1.7mmol))を滴下した。室温に上げ12時間撹拌後、エーテルを留去した。得られた固体をヘキサン40mlで洗浄することによりリチウム塩をエーテル付加体として3.06g(5.07mmol)を得た(収率73%)。1H−NMR(90MHz、THF−d8)による測定の結果は、以下のとおりである。
δ:0.04(s,18H,トリメチルシリル);0.48(s,12H,ジメチルシリレン);1.10(t,6H,メチル);2.59(s,4H,メチレン);3.38(q,4H,メチレン);6.2-7.7(m,8H,Ar-H)
【0067】
窒素気流下で得られたリチウム塩をトルエン50mlに溶解した。−78℃に冷却し、ここへ予め−78℃に冷却した四塩化ジルコニウム1.2g(5.1mmol)のトルエン(20ml)懸濁液を滴下した。滴下後、室温で6時間撹拌した。その反応溶液の溶媒を留去した。得られた残渣をジクロロメタンにより再結晶化することにより、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル) ジルコニウムジクロライドを0.9g(1.33mmol)を得た(収率26%)。
1H−NMR(90MHz、CDCl3)による測定の結果は、以下のとおりである。
δ:0.0(s,18H,トリメチルシリル);1.02,1.12(s,12H,ジメチルシリレン);2.51(dd,4H,メチレン);7.1-7.6(m,8H,Ar-H)
【0068】
製造例2(プロピレン系ポリマーの製造)
内容積1Lのオートクレーブに窒素気流下、ヘプタン400mlを投入し、室温下でトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液0.15ml(2mol/L,0.3mmol)を投入した。さらに水素を0.25MPa、プロピレンを全圧0.8MPaになるように導入した。その後、攪拌しながら70℃まで昇温し、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−トリメチルシリルメチル−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液0.08ml(10μmol/ml)、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのヘプタンスラリー0.20ml(20μmol/ml)を投入し、30分間重合を行った。重合終了後、脱圧し、反応溶液をメタノール2Lに投入することにより、プロピレン重合体154gを得た。得られた重合体のメソペンタッド分率[mmmm]は42モル%、[rrrr]/(1−[mmmm])は0.04、([mm]×[rr])/[mr]2は1.2、[rmrm]は3.2モル%であり、極限粘度[η]は0.35dl/gであった。この極限粘度[η]は、株式会社離合社製のVMR−053型自動粘度計を用い、テトラリン溶媒中135℃において測定した。
【0069】
製造例3(ブテン系ポリマーの製造)
加熱乾燥した内容積1Lオートクレーブにヘプタン200ml、1−ブテン200ml、トリイソブチルアルミニウム0.5mmolを加え,さらに水素を0.05MPa導入した。攪拌しながら温度を70℃にした後,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライドを0.8μmol及びジメチルアルミニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート3.2μmol加え,60分間重合した。重合反応終了後、反応物を減圧下で乾燥することにより、1−ブテン重合体85gを得た。得られた1−ブテン重合体のメソペンタッド分率[mmmm]は71.6モル%、[mmmm]/([mmrr]+[rmmr])は9、90−2×[rr]の値は81.8であり、重量平均分子量(Mw)は66000であった。
【0070】
実施例1
内容積100mlのビーカーに製造例2で製造したプロピレン系ポリマー5.4g及びヘプタン50ml(34g)を投入し、60℃のウォーターバス中で完全に溶解させた。別途、内容積300mlのビーカーに、イオン交換水100g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.16g及びポリアクリル酸ナトリウム0.06gを投入し、60℃のウォーターバス中で完全に溶解させた。そのうちの20ml(20g)を、上記プロピレン系ポリマーのヘプタン溶液中に投入し、IKAジャパン株式会社製のホモジナイザー(DI25)を用いて13500rpmで1分間攪拌することにより水分散性組成物を得た。この水分散性組成物を、10日間放置し、観察したところ、凝集物は全く観察されず、保存安定性に優れることがわかった。
【0071】
実施例2
内容積100mlのビーカーに製造例3で製造したブテン系ポリマー15.0g及びヘプタン3ml(2.0g)を投入し、60℃のウォーターバス中で完全に溶解させた。別途、内容積300mlのビーカーに、イオン交換水100g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.16g及びポリアクリル酸ナトリウム0.06gを投入し、60℃のウォーターバス中で完全に溶解し、そのうちの35ml(35g)を、上記ブテン系ポリマーのヘプタン溶液中に投入し、IKAジャパン株式会社製のホモジナイザー(DI25)を用いて13500rpmで1分間攪拌することにより水分散性組成物を得た。この水分散性組成物を、10日間放置し、観察したところ、凝集物は全く観察されず、保存安定性に優れることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の水分散性ポリオレフィン系樹脂組成物は、低結晶性ポリオレフィン系樹脂を水中に微粒子として分散させた組成物であるため、一般のコーター、印刷機、スプレー等によりプラスチックや紙、金属等の表面に塗布して使用することができる。また、本発明の水分散性ポリオレフィン系樹脂組成物は、水不溶性の有機溶媒を必須成分として使用するが、水媒体中に低結晶性ポリオレフィン系樹脂と有機溶媒からなる微粒子が分散する分散体が形成されるため、作業者や環境への負担が低減される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)(i)メソペンタッド分率[mmmm]が20〜80モル%及び(ii)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)が10,000〜1,000,000であるポリ(1−ブテン)系樹脂5〜70質量%と、(B)水95〜30質量%との組み合わせ100質量部に対して、(C)界面活性剤0.01〜1.00質量部、(D)水溶性高分子化合物0.01〜1.00質量部及び(E)水不溶性の有機溶媒2〜200質量部を含むことを特徴とする水分散性ポリオレフィン系樹脂組成物。
【請求項2】
(A)成分と(E)成分との混合物Iと、(B)成分と(C)成分と(D)成分との混合物IIを混合してなる請求項1に記載の水分散性ポリオレフィン系樹脂組成物。
【請求項3】
混合物Iと混合物IIとの混合を0〜90℃の温度範囲で行う請求項2に記載の水分散性ポリオレフィン系樹脂組成物。

【公開番号】特開2011−256400(P2011−256400A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209647(P2011−209647)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【分割の表示】特願2005−189463(P2005−189463)の分割
【原出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【出願人】(000183646)出光興産株式会社 (2,069)
【Fターム(参考)】