説明

水溶性ビタミンB3化合物及びα−ヒドロキシカルボニルセルフタンニング剤化粧品組成物を含むセルフタンニング組成物

セルフタンニング組成物として、α−ヒドロキシアルデヒドセルフタンニング剤及び水溶性ビタミンB3化合物を含む化粧品組成物の使用が提供される。前記化粧品組成物は、局所適用したときに、皮膚に、自然で均一な、及び持続的な日焼け色を付与するために有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品組成物に関する。より具体的には、セルフタンニング(self-tanning)剤及び水溶性ビタミンB3化合物を含む化粧品組成物が提供される。本明細書中の化粧品組成物は、向上した即時的な皮膚の色の促進をもたらし、及びさらに、局所的な適用後のより均一な皮膚の着色をもたらす。
【背景技術】
【0002】
皮膚の色素形成を増大させるためにセルフタンニング剤を含有する多種多様な化粧品組成物が使用されてきた。これらの組成物は人工的な日焼け色(tans)を作り出し、太陽に曝されるのと同様の様式で皮膚を褐色化するために使用されてきた。セルフタンニング剤は、皮膚中に存在するアミノ酸と反応し、着色発色団を形成することによる皮膚の着色、及びそれによる日焼け色を生じさせると信じられている。しかしながら、個体間の皮膚のアミノ酸の構成及び含有量のバリエーションが、単一の製品により達成される色合いの広範なバリエーションをもたらす。これを克服するために、皮膚中に天然に存在するアミノ酸を補充することによってこれらの差異をなくすための色合い促進剤を使用することが示唆されてきた。
【0003】
PCT国際公開特許WO94/04130、同WO94/13258、及び同WO94/22419は、ジヒドロキシアセトンを含む流体、並びに、一級アミン、二級ポリアミン、及びアミノ酸をそれぞれ含む色合い促進剤を含む別の流体処方から構成されるサンレスタンニング(sunless tanning)のための装置及び方法を開示する。これらの物質は色合い促進剤として十分働くけれども、それらはセルフタンニング剤とあまりにも迅速に反応する傾向があり、セルフタンニング剤が皮膚層に浸透することができないことが見出されている。結果として、反応は皮膚の表面で起こり、それ故に、皮膚から洗い流され得る。
【0004】
EP0,456,545B1及びEP0,500,446B1は、構成成分(A)中にジヒドロキシアセトンを含み、構成成分(B)中にモノヒドロキシインドール又は二置換インドール誘導体をそれぞれ含む、皮膚へ色合いを付与するための2つの構成成分の組み合わせについて、開示する。さらに、これらの物質は、このようなシステムにより皮膚へ付与される色合いを効果的に増大させるが、これらの物質の使用における安全への懸念がそれらの広範な使用を妨げてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、局所的に適用されたときに、セルフタンニング剤と刺激又は毒性が少なく、セルフタンニング剤と反応して皮膚に対し均一及び持続的な色合いを付与する代替的な色合い促進剤を含む、皮膚へ自然な日焼け色を付与するための向上された化粧品組成物を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にしたがい、セルフタンニング組成物として、水溶性ビタミンB3化合物及び以下の式に従う、α−ヒドロキシアルデヒドセルフタンニング剤を含む化粧品組成物の使用が提供される;
【0007】
【化1】

式中、R1は、H、CH2OH、CHOHCH2OH、CH(OH)CH(=O)、CH(OCH3)CH=O)、CH(NH2)CH(=O)、又はCH(NH−フェニル)CH(=O)であり;及び、R2は、H又はCH2OHである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書のすべての重量、測定値及び濃度は、特に指定のない限り、組成物全体に関して25℃で測定される。
指示がない限り、本明細書中にて言及される組成物の全てのパーセンテージは、組成物全体における重量パーセンテージであり、また全ての比は重量比である。
指示がない限り、分子量は全て、重量平均分子量である。
指示がない限り、本文内で参照されるすべての文献の内容は、そのすべてを本明細書に参考として組み込む。
【0009】
本明細書で言及される数値は、実際に測定した値の特定の例を提示する場合を除いて、「約」という言葉が付与されていると考えるべきである。
【0010】
本明細書で使用する時、「水溶性」は、25℃において100mLあたり少なくとも1gの濃度で水に溶解する物質を含む。
【0011】
本明細書で使用するとき、「安全かつ効果的な量」という用語は、活性成分が、処置される状態を整え又は望ましいスキンケア効果をもたらすために十分に高い量であるが、健全な医薬的判断の範囲内で適切な効果対危険比で、重大な副作用を回避するのに十分に少ない量であることを意味する。活性成分の安全かつ効果的な量が何であるかは、活性成分の種類、活性成分の皮膚又は毛髪に対する浸透力、使用者の年齢、健康状態、皮膚又は毛髪の状態、及びその他のこれらに類する要因によって変化する。
【0012】
本明細書において使用するとき、「化粧品として許容できる」という用語は、用語が記述されている成分が、過度の毒性、不適応性、不安定性、刺激性、アレルギー反応などがなく、ヒト及び下等動物の皮膚又は毛髪に接触させて使用するのに適していることを意味する。
【0013】
本明細書で使用する時、「セルフタンニング組成物」という用語は、人工的な手段、好ましくは化学的手段、を用いて皮膚へ色合いを付与する組成物を包含する。この用語は、太陽照射へ持続的に曝すことにより生ずる日焼け色に類似する人工的な日焼け色を生じる組成物を包含し、また、人工的な日焼け色とは容易に認識されず、むしろ皮膚をより健康的に見せる皮膚上における微妙な色合いを生じさせるようなわずかな着色を皮膚へ付与するそれらの組成物を包含する。
【0014】
本発明にしたがい、セルフタンニング組成物として、水溶性ビタミンB3誘導体及びα−ヒドロキシアルデヒドセルフタンニング剤を含む化粧品組成物の使用が提供される。驚くべきことに、α−ヒドロキシアルデヒドセルフタンニング剤及び水溶性ビタミンB3誘導体の組み合わせが相乗的に作用して、局所的適用後に皮膚に向上された人工的な日焼け色を付与することが見出された。ビタミンB3化合物が、皮膚バリア機能の修復に関して皮膚に卓越した効果を付与することがこれまでに示されている。ビタミンB3化合物は、NAD(H)、NADP(H)のようなニコチンアミド共因子(cofactor)の前駆体としての既知の状態により、幅広い皮膚効果を有することが証明された。ナイアシンアミドの既知の効果には、脂質二分子層の形成及び角質層バリアの一体性にきわめて重要なセラミドを包含する、スフィンゴ脂質合成の上方調節が挙げられる。驚くべきことに、セルフタンニング剤と同時に適用したとき、又は連続して適用したとき、ビタミンB3化合物又は誘導体は、結果として持続的な、均一且つ豊かな皮膚の色合いの生成をもたらすことが、今回見出された。さらに、ビタミンB3化合物は、局所的に適用したときに、刺激又は毒性も少なく又は全く無く、安全且つ有効であることが知られている。ビタミンB3化合物とセルフタンニング剤との反応は、これらの物質がセルフタンニング剤との求核反応には関与しないと考えられていたので、驚くべきものである。理論に束縛されることを望むものではないが、ベンゼン環構造中に存在する窒素(第三級アミンである)は高度に安定であり、それゆえ、セルフタンニング剤とは反応しないであろうと信じられていた。しかしながら、理論に束縛されることを望むものではないが、ベンゼン環中に存在する窒素は電荷を脱局在化し、それにより、中間体、すなわち本明細書中のセルフタンニング剤と一緒に反応性シッフ塩基中間体を形成することができることが重要であると、今や考えられる。シッフ塩基中間体の形成は、これらの中間体の濃度の増大が、通常はそれほど反応しない皮膚中に存在するアミノ酸との反応を可能にするので、該システムの反応性を増大させる。したがって、広範な範囲のアミノ酸が色合いの生成に利用することができる。したがって、本発明は、色合いを生み出す皮膚のアミノ酸の能力を増大させるための本明細書中の化粧品組成物の使用を提供する。
【0015】
これを達成するために、ベンゼン環構造中に存在する窒素は、セルフタンニング剤を含む組成物のpH(典型的には、3.0〜5.5)において少なくとも10%のビタミンB3化合物がプロトン化されないで残っているように、十分低いpKaを有する。好ましくは、ビタミンB3化合物又はその誘導体は、5未満、好ましくは4.5未満の第三級アミンのpKaを有する。例えば、ナイアシンアミドの第三級アミンのpKaは3.54である。
【0016】
さらに、驚くべきことに、本明細書中の化粧品組成物は、皮膚への調節された着色及び促進された着色をもたらすために有用であることが見出された。本明細書で使用する時、「調節された着色」という用語は、化粧品組成物により付与される着色の程度が、皮膚への着色の予測可能性が向上する程度に、個人間及び個人内の双方においてばらつきが少ないことを意味する。色合いの生成における個人間のばらつきは、それぞれのヒトが、それぞれの皮膚において異なる濃度の最も反応性を有するアミノ酸を有することに関連する。その他のアミノ酸の反応性の増大が、これらの個人間の差異を均一にする。本明細書で使用する時、「促進された着色」という用語は、皮膚への同量の着色をもたらすために、より少ないα−ヒドロキシアルデヒドセルフタンニング剤が必要とされることを意味する。理論に束縛されることを意図するものではないが、このことは、α−ヒドロキシアルデヒドセルフタンニング剤と水溶性ビタミンB3化合物とを組み合わせたときに2つの組み合わせが、皮膚への色合いの提供において相乗的に作用するように、α−ヒドロキシアルデヒドセルフタンニング剤の反応性スペクトルが改善されることによるものと信じられている。
【0017】
さらに、第三級アミンの高度に安定であるという特性は、局所適用したときにセルフタンニング剤との反応がゆっくりと進行し、ビタミンB3化合物が皮膚に十分な程度吸収されることを可能にしていると考えられる。このことにより、皮膚層のいたるところに着色発色団の形成を生じ、その結果、より持続的な日焼け色を生みだすと考えられる。したがって、本発明により、人工的な日焼け色の耐用性及び持続性を向上させる本明細書の化粧品組成物の使用が提供される。
【0018】
さらにまた、驚くべきことに、本発明の化粧品組成物の使用後に皮膚上に生成される日焼け色又は着色はより均一であることを見出した。このことは、着色の度合いが高すぎるか又は着色の度合いが低すぎる皮膚の斑の形成が少ない、より均一な着色を皮膚が有することを意味する。さらに、本明細書の組み合わせの相乗的作用は、セルフタンニング剤の皮膚への不均一な適用により皮膚が不均一に着色される、セルフタンニング組成物に時折付随する線(streaks)も、減少させることが見出された。
【0019】
本発明の組成物は、皮膚の外観及び/又は感触の利益を提供するために広範囲の量を使用することができる。1回の適用当たりに通常適用される本組成物の量は、皮膚1cm2当たりの組成物(mg)で表すと、約0.1mg/cm2〜約20mg/cm2である。特に有用な適用量は、約0.5mg/cm2〜約10mg/cm2である。好ましくは、ビタミンB3化合物又はその誘導体を、本明細書において定義されるセルフタンニング剤と同時に、又は連続して、局所的に投与する。
【0020】
本発明によれば、化粧品組成物はセルフタンニング剤を含む。本明細書で使用するとき、「セルフタンニング剤」という用語は、α−ヒドロキシアルデヒド類及びジヒドロキシアセトンなどのケトン類並びに構造的に関連の化合物を包含する。この定義は、ヒトの皮膚における人工的な日焼け肌化(tanning)プロセスを生ずる又は引き起こす際に、同様に有用であるようなすべての作用剤を包含する。したがって、本発明の組成物は、以下の式(I)のα−ヒドロキシアルデヒド又はケトンを含む:
【0021】
【化2】

式中、R1は、H、CH2OH、CHOHCH2OH、CH(OH)CH(=O)、CH(OCH3)CH=O)、CH(NH2)CH(=O)、又はCH(NH−フェニル)CH(=O)であり;及び、R2は、H又はCH2OHである。ジヒドロキシアセトン(DHA)そのものは、次の一般構造式でも表され得る:
【0022】
【化3】

DHAによって生ずる又は引き起こされるものと同様のヒトの皮膚における人工的な日焼け肌化(tanning)プロセスを生ずる又は引き起こすことのできるものとして、多くの他の化合物が当該技術分野において既知である。これらのうちの幾つかはDHAと構造的に類似しており、次のものが挙げられる:
【0023】
【化4】

【0024】
【化5】

好ましくは、セルフタンニング剤は、DHA、エリトルロース、又はこれらの混合物を含み、より好ましくはDHAを含む。好ましくは、本発明の組成物は、全組成物の0.01重量%〜20重量%のセルフタンニング剤を含む。より好ましくは、本発明による組成物は、全組成物の0.05重量%〜15重量%、より好ましくは0.1重量%〜7重量%、さらにより好ましくは0.1重量%〜5重量%のセルフタンニング剤を含む。
【0025】
本発明による化粧品組成物はまた、水溶性ビタミンB3化合物又はその誘導体を含む。本明細書で使用する時、「ビタミンB3化合物」は、次式(II)を有する化合物を包含し、
【0026】
【化6】

式中、Rは、−CONH2(即ち、ナイアシンアミド)、−COOH(即ち、ニコチン酸)、又は−CH2OH(即ち、ニコチニルアルコール);これらの誘導体;及び前記のいずれかの塩である。前出の水溶性ビタミンB3化合物の代表的な誘導体としては、ニコチニルアミノ酸、カルボン酸のニコチニルアルコールエステル、ニコチン酸N−オキシド、及びナイアシンアミドN−オキシドが挙げられる。好ましくは、本明細書の組成物はナイアシンアミドを含む。理論に束縛されることを望むものではないが、局所的に適用されたときに、油溶性ビタミンB3化合物は、本明細書中に記載のセルフタンニング剤と、それらが反応に関与するための水相中に存在できないために、着色発色団を生じることができないと考えられる。
【0027】
好ましくは、本明細書の化粧品組成物は全組成物の0.1重量%〜10重量%、より好ましくは0.5重量%〜5重量%のビタミンB3を含む。
【0028】
任意構成成分が、物理的及び化学的に本明細書に記載された必須成分と適合し、及び本発明の組成物に付随する安定性、効力又はその他の使用効果を過度に損なわなければ、本発明の局所適用組成物は、種々の任意構成成分を含んでもよい。任意構成成分は、本組成物のキャリアに分散、溶解等されてもよい。
【0029】
本発明の化粧品組成物は、スキンケア活性物質をさらに含んでもよい。本明細書に用いるのに適したスキンケア活性物質は、パンテノール及びその誘導体、レチノイド類及びその誘導体、サリチル酸又はその誘導体、湿潤剤、アミノ酸及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、又はそれらの混合物を含む。スキンケア活性物質は、当該組成物の皮膚への複数回の局所適用後の皮膚の外観又は状態の視覚的向上をもたらすために有用である。「慢性的」効果は、皮膚のきめを均一にし、そうして落屑、角質溶解及び若返り効果並びに/又は保湿を提供することによって皮膚の輝きを増大することから、特に望ましい。本発明の組成物は、セルフタンニング剤及びビタミンB3色合い促進剤により付与される皮膚の外観の即時的な向上を伴う、長期にわたる視覚的な効果を提供する。
【0030】
スキンケア活性物質は、パンテノール又はその誘導体を含んでもよい。パンテノール及びその誘導体としては、D−パンテノール([R]−2,4−ジヒドロキシ−N−[3−ヒドロキシプロピル)]−3,3−ジメチルブタミド)、DL−パンテノール、パントテン酸カルシウム、ローヤルゼリー、パンテチン(panthetine)、パントテイン、パンテニルエチルエーテル、パンガミン酸、ピリドキシン、パントイルラクトース及びビタミンB複合体が挙げられる。より好ましくは、本明細書の組成物はパンテノールを含む。パンテノール又はその誘導体は、好ましくは約0.1%〜約5%、より好ましくは約0.2%〜約3%の量で使用される。
【0031】
本明細書で有用なスキンケア活性物質のさらなる部類は、レチノイド類を含む。本発明で使用する時、「レチノイド」は、皮膚内でビタミンAの生物活性を有する、ビタミンA又はレチナール様化合物のすべての天然及び/又は合成類縁体、並びにこれらの化合物の幾何異性体及び立体異性体を包含する。レチノイドは、好ましくは、レチノールエステル類(例えば、パルミチン酸レチニル、酢酸レチニル、レチニルプロプリオネート(retinyl proprionate)等を包含するレチノールのC2〜C22アルキルエステル類)、レチナール、及び/又はレチノイン酸(全トランスレチノイン酸及び/又は13−シス−レチノイン酸を包含する)を包含するレチナール、より好ましくはレチノイン酸以外のレチノイド類である。これらの化合物は、当該技術分野において周知であり、複数の供給元、例えば、シグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Company)(ミズーリ州セントルイス)、及びベーリンガー・マンハイム(Boehringer Mannheim)(インディアナ州インディアナポリス)より市販されている。本明細書において有用なその他のレチノイドは、米国特許第4,677,120号(パリッシュ(Parish)ら、1987年6月30日発行);米国特許第4,885,311号(パリッシュ(Parish)ら、1989年12月5日発行);米国特許第5,049,584号(パーセル(Purcell)ら、1991年9月17日発行);米国特許第5,124,356号(パーセル(Purcell)ら、1992年6月23日発行);及び米国再発行特許34,075号(パーセル(Purcell)ら、1992年9月22日発行)に記載されている。好ましいレチノイド類は、レチノール、パルミチン酸レチニル、酢酸レチニル、レチニルプロプリオネート、レチナール又はこれらの混合物を含む。より好ましいものは、レチノール、パルミチン酸レチニル、又はこれらの混合物である。
【0032】
本発明の組成物はレチノイドを安全且つ有効な量で含有してもよい。組成物は、好ましくは約0.005%〜約2%、更に好ましくは0.01%〜約2%のレチノイドを含有する。
【0033】
本発明によるスキンケア活性物質のさらなる部類は、湿潤剤を含む。本明細書で有用な適した湿潤剤としては、多価アルコール類、2−ピロリドン−5−カルボン酸ナトリウム(NaPCA)、アミノ酸類及び誘導体、グアニジン;グリコール酸及びグリコ−ル酸塩(例えば、アンモニウム及び四級アルキルアンモニウム);乳酸及び乳酸塩(例えば、アンモニウム及び四級アルキルアンモニウム);リンゴ酸のようなその他のαヒドロキシ酸類、種々の形態のいずれかのアロエベラ(例えば、アロエベラゲル);ヒアルロン酸、その前駆体及び誘導体(例えば、グルコサミン及びヒアルロン酸ナトリウムのような塩誘導体);ラクタミドモノエタノールアミン;アセトアミドモノエタノールアミン;尿素;及びこれらの混合物が挙げられる。本発明の組成物への使用に好ましいのは、多価アルコール類である。
【0034】
本明細書に用いるのに適した多価アルコール類としては、ポリアルキレングリコール類、より好ましくはアルキレンポリオール類及びその誘導体、例えばプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール及びその誘導体、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、エリスリトール、トレイトール、ペンタエリスリトール、キシリトール、グルシトール、マンニトール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール(例えば、1,3−ブチレングリコール)、ヘキサントリオール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール)、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、グリセリン、エトキシル化グリセリン及びプロポキシル化グリセリンが挙げられる。本発明の好ましい多価アルコール類は、分子内に3〜9個の炭素原子を有する多価アルコール類である。例としては、グリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール及びその誘導体、ヘキサントリオール、エトキシル化グリセリン及びプロポキシル化グリセリン、並びにこれらの混合物が挙げられる。本発明に使用するのにより好ましいのはグリセリンである。本発明の組成物は、組成物の約5重量%〜約40重量%、好ましくは約8重量%〜約15重量%の多価アルコール類を含む。
【0035】
湿潤剤のさらなる部類は、アミノ酸類及びそれらの誘導体である。本明細書に用いるのに適したアミノ酸類としては、天然アミノ酸のD−及びL−異性体の両方が挙げられる。適した例としては、セリン、アラニン、プロリン及びヒドロキシプロリンのL−異性体が挙げられる。
【0036】
本明細書中で使用するのに適した別のスキンケア活性物質は、サリチル酸又はその誘導体を含む。サリチル酸誘導体には、以下の式(III)を有するいずれかの2、3又は4−OR置換安息香酸化合物が挙げられる:
【0037】
【化7】

式中、Rは、C1〜C6アルキル又はC1〜C6アシルから選択され、好ましくは、RはC2〜C3アルキル又はC2〜C3アシルから選択される。好ましくは、本明細書中の組成物はサリチル酸を含む。好ましくは、本発明の化粧品キットは、全組成物の、2重量%までの、より好ましくは1重量%〜2重量%のサリチル酸又はその誘導体を含む。
【0038】
本発明の組成物中で使用するのに適した別のスキンケア活性物質は、ビタミンC化合物を含む。ビタミンC化合物としては、水溶性アスコルビン酸塩及びそのエステルが挙げられる。ビタミンC化合物は、美白剤として特に有用である。適した例としては、アスコルビルリン酸マグネシウム及びアスコルビン酸の一リン酸エステルのナトリウム塩が挙げられ、ロッシュ・ビタミンズ・ヨーロッパ社(Roche Vitamins Europe Ltd)よりステイ−C(Stay-C)50(商標)として市販されている。
【0039】
意構成成分が、物理的及び化学的に本明細書に記載された必須成分と適合し、及び本発明の組成物に付随する安定性、効力又はその他の使用効果を過度に損なわなければ、本発明の局所適用組成物は、種々の任意構成成分を含んでもよい。任意構成成分は、本組成物のキャリアに分散、溶解等されてもよい。
【0040】
本発明の化粧品組成物は、遷移金属酸化物をさらに含んでもよい。これらの物質は、色素又は日焼け止め剤等級であってよい。非限定例としては、エッカート(Eckart)による銀及び金のプレステージレンジ(Prestige range)、及びエンゲルハード(Engelhard)によるフラメンコサミットレッド(Flamenco Summit Red)のようなフラメンコサミットレンジ(Flamenco Summit Range)が挙げられる。存在する場合、前記遷移金属酸化物は、通常、全組成物の0.01重量%〜20重量%、より好ましくは0.5重量%〜10重量%のレベルで存在する。
【0041】
好ましくは、化粧品組成物のpHは、セルフタンニング剤の分解を制限するために調整される。好ましくは、本発明の組成物のpHは、組成物中のセルフタンニング剤を安定させるために、6.0未満、より好ましくは2.0〜5.5、さらにより好ましくは3.0〜5未満である。
【0042】
本明細書中の化粧品組成物は、安全且つ有効な量の皮膚科学的に許容可能なキャリアを含む。好ましいキャリアは、親水性相及び疎水性相を含むエマルションを含む。当業者に周知のように、親水性相が疎水性相に分散して、又はその逆で、組成物成分に応じて、それぞれ親水性又は疎水性の分散連続相を形成するであろう。エマルションは、(例えば、3相又は他の多相エマルションにおいて)水中油型エマルション、又はシリコーン中水型エマルションのような油中水型エマルションであってもよく、又はこれらを含んでもよい。本明細書中の組成物は、好ましくは、油中水型又は水中油型エマルション、より好ましくは水中油型エマルションの形態である。本発明の組成物における油相構成成分の総濃度は、典型的には、全組成物の0.1重量%〜60重量%、好ましくは1重量%〜30重量%、より好ましくは3重量%〜20重量%、さらにより好ましくは5重量%〜15重量%である。
【0043】
親水性相は、水、又は水と1つ以上の水溶性若しくは水に分散性の成分との組み合わせを含むことができる。充分な量の水を含む親水性構成成分が好ましい。本発明の組成物は、好ましくは約10%〜約95%、より好ましくは30%〜85%の親水性希釈溶液を含む。
【0044】
好ましい実施形態において、油相は好ましくは鉱油、植物油、動物油、脂肪及びろう、脂肪酸エステル類、脂肪族アルコール類、脂肪酸類及びこれらの混合物から選択される天然又は合成油のような油性物質を含む。本明細書に用いるのに好ましいのは、例えば、ベヘニルアルコール、セチルアルコール及びステアリルアルコールのような飽和及び不飽和の脂肪族アルコール類、及び鉱油又はペトロラタムのような炭化水素類である。
【0045】
油相は、油溶性のスキンケア活性物質をさらに含んでもよい。本明細書に用いるのに適した油溶性スキンケア活性物質の非限定例としては、セラミド、コレステロール、脂肪酸、ビタミンEもしくはその誘導体、油溶性ビタミンB3化合物、又はこれらの混合物が挙げられる。本明細書に用いるのに適した別の油溶性スキンケア活性物質は、「非血管拡張性」のニコチン酸のエステル(それらの例としてはニコチン酸トコフェロールが挙げられる)が挙げられる油溶性ビタミンB3化合物を含む。本明細書で使用する時、「非血管拡張性」という用語は、該エステルが、対象組成物内で皮膚に適用された後、目に見える紅潮反応を一般に生じないことを意味する。
【0046】
本組成物は、さらにシリコーン相を含んでもよい。シリコーン相は、シリコーン流体、ガム、及びこれらの混合物のようなシリコーン構成成分を1つ以上含むことができる。そのシリコーン相、又は各々のシリコーン相は一般に、組成物の0.1%〜20%、好ましくは0.2%〜10%、より好ましくは0.3%〜5%が含まれる。
【0047】
本発明の局所適用組成物は、好ましくは、重量平均分子量100〜15,000を有する分岐鎖炭化水素類を包含する皮膚軟化剤物質を含む。本明細書に用いるのに適した分岐鎖炭化水素としては、イソドデカン、イソヘキサデカン、イソエイコサン、イソオクタヘキサコンタン、イソヘキサペンタコンタヘクタン、イソペンタコンタオクタクタン、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明の組成物に用いるのに適したさらなる軟化剤は、ペトロラタムである。前記皮膚軟化剤物質は、好ましくは約0.1%〜約10%の濃度で組成物中に存在する。
【0048】
本明細書の組成物は、一般に連続相内の不連続相の分散及び懸濁を助けるために、乳化剤及び/又は界面活性剤を含んでもよい。選択される薬剤が、化学的及び物理的に組成物の必須成分との適合性があり、望ましい特性を提供する場合には、既知の又は従来の界面活性剤を組成物に使用することができる。本発明の組成物は好ましくは、0.05%〜15%の界面活性剤又は界面活性剤類の混合物を含む。選択される的確な界面活性剤又は界面活性剤混合物は、組成物のpH及び存在するその他の構成成分に依存する。本明細書で使用するのに適した界面活性剤としては、非イオン性、陽イオン性、陰イオン性、双性イオン性、両性界面活性剤、又はこれらの混合物が挙げられ、好ましくは非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0049】
本明細書の組成物、及び特に本明細書のエマルションは、構造剤を含有してもよい。構造剤は、本発明の水中油型エマルションにとって特に好ましい。本明細書で使用するのに好ましいのは、例えば、ベヘニルアルコール、セチルアルコール及びステアリルアルコールのような、飽和及び不飽和脂肪族アルコール類である。
【0050】
本発明の組成物は、増粘剤、好ましくは約0.1%〜約5%、より好ましくは約0.1%〜約3%、最も好ましくは約0.25%〜約2%の増粘剤も含むことができる。本明細書で使用するのに適した増粘剤の非限定例としては、架橋アクリレートコポリマー、ヒドロキシアルキルアクリレートコポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、天然ゴム増粘剤(natural gum thickeners)、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0051】
本発明の組成物は、任意に粒子状物質を包含してもよい。本明細書で適した粒子状物質としては、水及び油のいずれにも不溶性であり、中央値粒径が1μm〜50μmのものである。適した微粒子物質は、有機性又はオルガノシリコーン性又は無機性である。本明細書で有用な粒子状物質の代表的な市販の例は、マイクロセン(Microthene)FN510(商標)、トスパール(Tospearl)145(商標)、オルガソル(Orgasol)2002(商標)、ナイロンポリ(Nylonpoly)WL10(商標)、ドライフロ(Dry Flo)(商標)又はこれらの混合物である。本発明の組成物は、約0.1重量%〜約5重量%の粒子状物質を含むことができる。
【0052】
さらなる任意構成成分は、日焼け止め剤を含んでもよい。一般に、日焼け止め剤は、本明細書で有用な組成物に約0.5%〜約20%含まれることができる。正確な量は、選択した日焼け止め剤及び所望の太陽光線保護指数(SPF)により変化する。SPFとは、一般に使用される、紅斑に対する日焼け止め剤の光防護指標である。米国官報(Federal Register)第43巻、166号、38206〜38269頁(1978年8月25日)を参照されたい。
【0053】
セルフタンニング剤とビタミンB3化合物は互いに反応するという事実のため、本発明の化粧品組成物は、別々に貯蔵され、使用時に混合されるか、又は皮膚へ連続的に適用されることが意図される、セルフタンニング剤を含む構成成分(a)及びビタミンB3化合物を含む構成成分(b)の、少なくとも2つの構成成分(a)及び(b)を含むキットとして処方してもよい。本発明の目的のために、少なくとも2つの構成成分が構成成分(a)及び構成成分(b)という表記が与えられている。これらの表記は、例えば、構成成分の適用の順序を示すように、限定することを意図するものではない。この表記は2つの別々の構成成分及びその構成要素を示すことを意図するものである。2つの構成成分(a)及び(b)は、1:99〜99:1の重量比で皮膚へ投与及び適用してもよい。好ましくは、該構成成分は20:80〜80:20、より好ましくは40:60〜60:40の比率で皮膚へ投与及び適用される。本明細書で使用する時、「連続的に適用する」という用語は、投与順序を限定するものではないが、構成成分(a)を、構成成分(b)の前又は後で投与できるように、本発明の構成成分を順々に投与及び適用することを意味する。さらに、本発明の少なくとも2つの構成成分は、少なくとも2つの構成成分の一方の最初の適用の前又は後の時点でもう一方の構成成分を投与及び適用してもよいというように、一方ともう一方とが一時的に直接続くのではなく、連続的に投与及び適用してもよく、但し、構成成分(a)及び構成成分(b)の連続適用は互いの間隔が2時間未満、好ましくは1時間未満、より好ましくは30分未満で行われる。
【0054】
少なくとも2つの構成成分の別々の貯蔵を容易にするために、本発明の化粧品組成物は、当該少なくとも2つの構成成分を別々に貯蔵するためのパッケージ中に貯蔵してもよい。これらのパッケージは、典型的には、「デュアルチャンバ」パッケージとして当業者に知られている。本明細書に用いるのに適したパッケージの非限定例としては、構成成分(a)を含む一方の区画及び構成成分(b)を含むもう一方の区画を、分離手段により分け隔てられている、少なくとも2つの区画を含む統合型パッケージ(integral package)が挙げられる。2つの構成成分を別々の状態に維持するための分離手段は、隔壁等の物理的バリア、又は少なくとも2つの区画からの2つの構成成分が混合することを防ぐ、当業者に知られているその他の類似のバリアを含んでよい。このようなパッケージの非限定例としては、チューブの外面と内部間隙(void)とを画定する外壁と、2つの構成成分が投与されるまで別々の状態で維持されるように、長手方向軸に沿って内部間隙を2つの区画に分ける内部隔壁を含むチューブが挙げられる。2つの別々の区画を含む市販の統合型デュアルチャンバパッケージ(integral dual chamber packages)の非限定例としては、エアスプレー(Airspray)及びメガプラスト(Megaplast)から入手可能なデュアルチャンバパッケージ、及びシーベル(Cebel)から入手可能なデュアルチャンバチューブが挙げられる。
【0055】
本願の化粧品組成物は、一方のパッケージに構成成分(a)が貯蔵されていて、もう一方に構成成分(b)が貯蔵されている、少なくとも2つのパッケージを含むキットの形態で使用してもよい。これらのパッケージは、類似したデザインであっても、異なるデザインであってもよい。当業者には知られているように、ローションやクリームは可撓性の又は堅い壁部を有するパッケージに詰められてもよく、一方、エアゾール組成物は典型的には堅い壁部を有する加圧型のパッケージに詰められているというように、パッケージのデザインは、製品形態にある程度依存し得る。
【0056】
本発明の化粧品組成物は、当該分野で既知のものなどの多種多様な製品形態に製造されてもよい。これらには、ローション、クリーム、ジェル、スティック、スプレー、軟膏、ペースト、ムース、エアゾール及び化粧品(例えば、ファンデーション、目元用メークアップ、有色又は無色リップトリートメント、例えばリップスティックなど)が挙げられるが、これらに限定されない。先に示したように、本発明の化粧品組成物は、同時に投与して使用時に混合するか、又は1つの構成成分を適用した後に他方を連続的に使用することが意図された、2つの別の構成成分として処方することが好ましい場合があり得る。前記2つの構成成分が同時に適用される場合には、それらが適合性のある製品形態に製造されることが好ましい。あるいは、2つの構成成分が連続的に適用される場合には、少なくとも前記2つの構成成分が当業者に知られた製品形態のいずれかの組み合わせに製造してもよい。
【実施例】
【0057】
他に記載がない限り、全ての以下の例は、適用の間、50:50の比率で混合されるように処方される。構成成分(a)及び(b)のそれぞれは、全成分の合計が100%となるようにした。
【0058】
実施例1〜3:保湿クリームキット
【0059】
【表1】

1.SKインフラックス(Influx):ドイツ、エッセン(Goldschmidtstrasse 100,D-45127 Essen,Germany)のゴールドシュミット(Goldschmidt AG)より供給
2.ニコチン酸トコフェロール:ロンドン、ウェットストーン(Edelman House,1238 High Road,Whetstone,London)のエナグラムUK社(Ennagram UK Ltd)より供給
3.シムゲル(Simugel)NS:パリ、オルセイ(75 Quai D'Orsay,Paris)のセピック(Seppic)より供給
4.ルビゲル(Luvigel)EM:英国、チェシャー(PO Box 4-Earl Road,Cheadle Hulme,Cheshire SK8 6QG)のBASF Plcより供給
5.セピゲル(Sepigel)305:パリ、オルセイ(75 Quai D'Orsay,Paris)のセピック(Seppic)より供給
6.エマルゲード(Emulgade):ドイツ、デュッセルドルフ(Paul-Thomas Strasse 56,D-40551 Dusseldorf,Germany)のコグニス・ドイツランド社(Cognis Deutchland GmbH)より供給
7.ナイロンポリ(Nylonpoly)WL10:英国、ミドルセックス(Unit17,Chiltern Business Village,Arundel Road,Uxbridge,Middlesex,UB8 2SN)のオプチマ・ケミカルズ(Optima Chemicals)より供給
8.ドライフロ(Dry Flo):米国ニュージャージー州(10,Finderne Avenue,Bridgewater,NJ 08807,USA)のナショナルスターチケミカル社(National Starch Chemical Company)より供給
9.マイクロセン(Microthene):米国テキサス州(1221 McKinney Street,Suite 700,Houston,TX 77252-2583)のエクイスター・ケミカルズ(Equistar Chemicals)より供給
10.フラメンコサミットレッド(Flamenco Summit Red):オランダ、ハーレム(Emrikweg 18,NL-2031 BT Haarlem,Netherlands)のエンゲルハード P&A ヨーロッパ(Engelhard P&A Europe)より供給
11.DHA:ドイツ、ダルムシュタット(Frankfurter Strasse 250,64293 Darmstadt,Germany)のメルク社(Merck GmBH)より供給
12.エリトルロース(Erythrulose):スイス、バーゼル(Engelgasse 109,4002 Basel,Switzerland)のペンタファーム(Pentapharm)より供給
【0060】
組成物は次のように製造される:
DHA及びエリトルロース(含有される場合)を除くすべての水溶性成分(キサンタンガムを包含する)を水中で混合し80℃に加熱することにより、水相を調製する。シリコーンオイル(DC1503)を除く油溶性成分を混合し、同様に80℃に加熱することにより、第2のプレミックスを調製する。前記油相を前記水相に添加し、剪断してエマルションを形成する。
【0061】
エマルションを60℃に冷却し、次いで高分子増粘剤を加える。45〜50℃でベンジルアルコール及びDC1503、並びに微粒子類(含有される場合)を加え、得られる生成物を剪断して確実に粒子が分散し、デアグロメレーション(de-agglomeration)し及び均質化するようにする。次に組成物を40℃未満に冷却し、DHA、エリトルロース(含有される場合)及び香料を加えることができる。組成物を皮膚に対して適用し、人工的な日焼けが起こるようにさせる。
【0062】
実施例4:使い捨て流体アプリケータキット
使い捨てアプリケータは、すでに分配されるべき流体を含んでおり、そのため使用前になんら流体を追加する必要がない。実施例1を行い、クリームを収容し、分配することができる破裂可能な投与レザーバー(rupturable dosing reservoir)中に、前記相の少なくとも1つを組み込む。第2の相は、同様の様式で、又は、別のタイプのレザーバー(すなわち、フォーム等)中に含有させてもよい。次いで、圧力をかけたときに皮膚上へクリームが投与されるのを可能にするための有孔のフィルムを含むフロー調節層内にレザーバーを閉じ込める。好ましくは、さらなる詰綿、スポンジ又はフォームが取扱い性の助けとなるために加えられ、手への製品のフローを防ぐために流体不透層を組み込む。
【0063】
実施例5:保湿ゲルキット
【0064】
【表2】

【0065】
組成物は次のように製造される:
ゲルは、防腐剤、ナイアシンアミド及びDHA(含有される場合)を、グリセリン/水及びパンテノールプレミックス中に溶解させることにより製造される。混合は、3枚ブレードのパドルプロペラを有するライティン(Lightin)ミキサーを用いて行うべきである。成分が溶解したら、キサンタンガムを添加し、水和物にする。次に、高分子増粘剤を、穏やかな速度で混合しながら添加すると、ゲルが形成する。これで、生成物は包装可能な状態となる。当該組成物を皮膚に適用し、人工的な日焼け色を顕色させることができる。
【0066】
実施例6:小じわ抑制湿潤剤キット
【0067】
【表3】

13、14及び15:英国バークシア(Kings Court,185 Kinds Rd,Reading,Berks,RGI 4EX)のダウ・コーニング(Dow Coming)より供給
14.KSG21:オランダ、アルメレ(Bolderweg 32,1332 AV,Almere,The Netherlands)のシンエツ(Shin Etsu)より供給
【0068】
組成物は次のように製造される:
DHA(含有される場合)及びフェノキシエタノールを除き、水中で全ての水溶性成分を混合し、50℃まで加熱することにより水相を調製する。一旦、この相が清澄になったら、該相を冷却し、フェノキシエタノール及びDHA(含有される場合)を添加する。第2のプレミックスは、DC245を80℃まで加熱することにより調製する。この温度でワックスを添加し、融解させる。一旦、十分に融解したら、DC9040を添加し、混合物を、低剪断力で連続的に混合しながら冷却する。一旦、40℃未満になったら、香料をシリコーン層に取み込み、次いで、水相を添加し、剪断力を加えエマルションを形成させる。そのとき、生成物は、適当な容器に詰め込むのに適している。組成物を皮膚に対して適用し、人工的な日焼けが起こるようにさせる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性ビタミンB3化合物及び以下の式;
【化1】

(式中、セルフタンニング組成物として、R1は、H、CH2OH、CHOHCH2OH、CH(OH)CH(=O)、CH(OCH3)CH(=O)、CH(NH2)CH(=O)、又はCH(NH−フェニル)CH(=O)であり;R2は、H又はCH2OHである)に従うα−ヒドロキシアルデヒドセルフタンニング剤を含む化粧品組成物の使用。
【請求項2】
前記セルフタンニング剤が、ジヒドロキシアセトン、エリトルロース、又はこれらの混合物、好ましくはジヒドロキシアセトンを含む、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記組成物の0.01重量%〜20重量%のセルフタンニング剤を含む、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記水溶性ビタミンB3化合物がナイアシンアミドを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
前記組成物の0.1重量%〜10重量%の水溶性ビタミンB3化合物又はその誘導体を含む、請求項1に記載の使用。
【請求項6】
スキンケア活性物質を追加的に含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
スキンケア活性物質が、パンテノール及びその誘導体、レチノイド類及びそれらの誘導体、サリチル酸若しくはその誘導体、湿潤剤、アミノ酸類及びそれらの誘導体、ビタミンC及びその誘導体、又はこれらの混合物を含む、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
前記湿潤剤が、C3〜C9多価アルコール類、好ましくはグリセリンを含む、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
5%〜40%の湿潤剤を含む、請求項7又は8に記載の使用。


【公表番号】特表2007−524642(P2007−524642A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518993(P2006−518993)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/023088
【国際公開番号】WO2005/004833
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】