説明

水管の電気抵抗測定方法及び装置

【課題】熱交換装置に設けられた水管の耐食性を、簡便、迅速、定量的かつ高精度に測定及び診断することができる装置及び方法を提供する。
【解決手段】熱交換装置に設けられた水管93の電気抵抗を測定する方法及び装置において、第1の端子97を該水管93内面に接触させると共に、第2の端子98を第1の端子97から離隔させて該水管93に接触させ、両端子間に通電して電気抵抗を測定することを特徴とする。特に前記第1の端子97は弾性的に変形可能であり、該第1の端子97を水管93内に挿入し、該第1の端子97の弾性により該水管93内面に弾性的に接触させるものが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラ等の熱交換装置に設けられた水管の耐食性の確認等のために、該水管の電気抵抗を測定する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換装置は、多数の細い水管(チューブ)を備えている。これら水管内面の腐食状態を確認するためには、多数の水管の中からサンプルとして何本かを抜管して半割りする以外、直接目視することができない。この直接目視の他に、以下のような方法を用いて水管の耐食性を確認することも行われている。
【0003】
(1) 外観観察法
外観観察法は、ファイバースコープ等をチューブに挿入し、内表面の状態を目視観察するものである。例えば、特開2001−264260号公報には、工業用内視鏡を鋼管の内部に挿入して管の内面を撮像する旨が記載されている。
しかしながら、外観観察法にあっては、評価結果を数値化できないので、判断結果に個人差が生じ、だれもが再現性よく正しい評価を行うことはできない。
【0004】
(2) センサー法
センサー法は、チューブ内表面を模擬したセンサーあるいは試験片を、対象とする熱交換器等に取り付け、測定するものである。
【0005】
例えば、特開平2−310452号公報のモニター装置は、金属部材としての配管のモニター取付用開口に装着されたホルダと、該ホルダ内に挿入され、配管と同一材料の金属片よりなるアノード電極と、該ホルダ内に形成された液溜部と、該液溜部内と配管内とを連通するように該ホルダに設けられた小孔(液絡部)と、該アノード電極と配管とに対しリード線を介して接続された電流計とを備えてなる。
【0006】
液溜部内に局部腐食が生じ、アノード電極とカソード電極(配管)との間に酸素濃淡電池よりなる局部電池が形成される。リード線を介して配管(カソード電極)へアノード電極(金属片)から流れる電流を電流計で測定し、この電流値から局部腐食の進行速度及び浸食深さなどを推定する。
【0007】
特開平11−44633号公報には、実装置の金属部材と同一材料よりなる平板状の試験片に、実装置内に流通している腐食性流体を接触させると共に、該試験片が実装置と同一の加熱、伝熱条件となるように該試験片裏面に接着された抵抗体に通電し、該試験片を該流体内に浸漬された対極又は参照電極間の電気信号の測定結果に基づいて、該試験片の腐食モニタリングを行う旨が記載されている。
【0008】
特開平10−318962号公報には、ボイラのブロー配管に筒状のセルを接続し、該セルの側面に参照極、対極、試料極を差し込み、該試料極の分極抵抗値の計測結果に基づいて、ブロー配管の腐食速度を求める旨が開示されている。
【0009】
しかしこれらのセンサー法にあっては、一般に清浄化あるいは単純化された試験片を用いるため、実際の熱交換装置の水管表面とは厳密には異なる。このため、これらはいくつかの仮定が必要となる間接的な手法であると考えられ、評価結果が実交換装置の状況と一致しないことがある。
【特許文献1】特開2001−264260号公報
【特許文献2】特開平2−310452号公報
【特許文献3】特開平11−44633号公報
【特許文献4】特開平10−318962号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記問題点を解決し、熱交換装置に設けられた水管の耐食性を、簡便、迅速、定量的に測定及び診断することができる装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明(請求項1)の水管の電気抵抗測定方法は、熱交換装置に設けられた水管の電気抵抗を測定する方法において、第1の端子を該水管内面に接触させると共に、第2の端子を該第1の端子から離隔させて該水管に接触させ、両端子間に通電して電気抵抗を測定することを特徴とするものである。
【0012】
請求項2の水管の電気抵抗測定方法は、請求項1において、前記第1の端子は水管の内面に接触する部分の少なくとも一部が導電性を有したバルーンであり、該バルーンを膨張させて前記水管内面に接触させることを特徴とするものである。
【0013】
請求項3の水管の電気抵抗測定方法は、請求項1において、前記第1の端子に電磁石が一体化されており、該電磁石に通電し、該電磁石と前記水管との磁気的吸引力により該第1の端子を該水管内面に接触させることを特徴とするものである。
【0014】
請求項4の水管の電気抵抗測定方法は、請求項1において、前記第1の端子は弾性的に変形可能であり、該第1の端子を水管内に挿入し、該第1の端子の弾性により該水管内面に弾性的に接触させることを特徴とするものである。
【0015】
請求項5の水管の電気抵抗測定方法は、請求項4において、前記第1の端子は、水管内に差し込み可能な差込体の先端側に設けられており、該差込体の先端側を水管内に差し込むことにより、該第1の端子を水管の内面に接触させることを特徴とするものである。
【0016】
請求項6の水管の電気抵抗測定方法は、請求項5において、該差込体は棒状であり、該第1の端子は、該差込体から放射方向に延設された複数の片材又は線材よりなることを特徴とするものである。
【0017】
請求項7の水管の電気抵抗測定方法は、請求項6において、該第1の端子はブラシ状に設けられていることを特徴とするものである。
【0018】
請求項8の水管の電気抵抗測定装置は、熱交換装置に設けられた水管の電気抵抗を測定する装置において、該水管の内面に接触させる第1の端子と、該第1の端子から離隔させて該水管に接触させる第2の端子と、両端子間に通電して電気抵抗を測定する測定器とを有することを特徴とするものである。
【0019】
請求項9の水管の電気抵抗測定装置は、請求項8において、該第1の端子は、水管と接触する部分の少なくとも一部が導電性を有したバルーンであることを特徴とするものである。
【0020】
請求項10の水管の電気抵抗測定装置は、請求項8において、前記第1の端子に電磁石が一体化されていることを特徴とするものである。
【0021】
請求項11の水管の電気抵抗測定装置は、請求項8において、前記第1の端子は、弾性的に変形可能であり、水管内に挿入されたときにそれ自身の弾力性により水管の内面に接触可能であることを特徴とするものである。
【0022】
請求項12の水管の電気抵抗測定装置は、請求項11において、前記電気抵抗測定装置は、水管内に差し込まれる棒状の差込体を備えており、前記第1の端子は、該差込体の先端部から放射方向に延設された複数の片材又は線材よりなることを特徴とするものである。
【0023】
請求項13の水管の電気抵抗測定装置は、請求項12において、該第1の端子はブラシ状に設けられていることを特徴とするものである。
【0024】
請求項14の水管の電気抵抗測定装置は、請求項11において、該電気抵抗測定装置は、該第1の端子を前記水管よりも小径とした状態に拘束可能な拘束部材を備えたことを特徴とするものである。
【0025】
請求項15の水管の電気抵抗測定装置は、請求項11において、前記拘束部材は該第1の端子を窄ませた状態にて収容する筒体であり、該第1の端子は、該筒体から離脱することにより弾性的に拡開することを特徴とするものである。
【0026】
請求項16の水管の電気抵抗測定装置は、請求項8において、第1の端子は長手方向の途中がそれぞれ端子支持ベースに対し支軸によって回動自動に支持された1対の長尺体よりなり、該第1の端子の後端側に対し進退用部材が連結されており、該進退用部材を進退させることにより該第1の端子の先端側が前記支軸回りに回動して第1の端子の先端側同士の間隔が大小変化することを特徴とするものである。
【0027】
請求項17の水管の電気抵抗測定装置は、請求項16において、該第1の端子の先端同士の間隔を大きくする方向に付勢する付勢部材が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明の水管の電気抵抗測定方法(請求項1)及び電気抵抗測定装置(請求項8)によると、第1の端子を水管内面に接触させると共に、第2の端子を該第1の端子から離隔させて該水管に接触させ、両端子間に通電することにより、水管自体の電気抵抗を簡便に測定することができる。
【0029】
一般に、水の防食処理を的確に実施した場合、水管の電気抵抗が大きいことは、水管が耐食的であることを示すものと考えられる。即ち、水の防食処理を的確に実施すると、水管表面に酸化鉄などによる防食皮膜が形成される。この皮膜の電気抵抗が大きいほど、耐食的である。なお、第15図に、ボイラ伝熱面の状態と電気抵抗との関係の一例を示す。
【0030】
本発明にあっては、水管の電気抵抗を測定することにより、水管を抜管及び半割りすることなく、水管の耐食性を定量的に確認することができる。
【0031】
請求項2の水管の電気抵抗測定方法及び請求項9の電気抵抗測定装置にあっては、第1の端子は、水管と接触する部分の少なくとも一部が導電性を有したバルーンであり、該バルーンを膨張させて水管の内面に密着させることにより、精度良く電気抵抗を測定することができる。また、水管の磁気的性質にかかわらず、第1の端子を水管内面に接触させることができる。なお、バルーンは、収縮させることにより水管内を移動可能となるため、該バルーンを水管内の所望の箇所に配置して電気抵抗測定を行うことができる。
【0032】
請求項3の水管の電気抵抗測定方法及び請求項10の電気抵抗測定装置にあっては、第1の端子に一体化された電磁石に通電(励磁)し、該電磁石と前記水管との磁気的吸引力により該第1の端子を該水管内面に密着させ、精度良く電気抵抗を測定することができる。また、電磁石を非通電(消磁)状態として第1の端子を水管内の所望の位置まで移動させ、その後通電することにより、第1の端子を水管内の所望の位置に接触させ、水管の所望の位置の電気抵抗を測定することができる。電磁石の励磁、消磁の切替は瞬時に行うことができるため、第1の端子の水管内面への着脱を迅速に行うことができる。
【0033】
請求項4〜7の水管の電気抵抗測定方法及び請求項11〜13の電気抵抗測定装置にあっては、第1の端子をその弾力性により水管内面に密着させることができるので、電気抵抗を精度良く測定することができる。
【0034】
ここで、第1の端子を水管よりも小径となるように拘束部材で拘束した状態で該水管内に挿入した後、該拘束部材による拘束を解除して該水管内面に該第1の端子を密着させることができる。第1の端子を拘束部材で拘束した状態においては、第1の端子は水管内面に非接触の状態であるため、水管内を移動させることができる。従って、第1の端子を水管内の所望の位置に容易に配置することができる。
【0035】
上記拘束部材は筒体であり、前記第1の端子を該筒体内に収容して該水管内に挿入した後、該筒体から送り出して拡開させて該水管内面に接触させることが好ましい(請求項15)。この構成は簡易であり、低コストである。
【0036】
請求項16の電気抵抗測定装置にあっては、進退用部材を進退させて1対の第1の端子の先端側同士の間隔を変化させることができる。この第1の端子の先端側同士の間隔を小さくしておいて1対の第1の端子を水管内の所望位置に差し込み、次いで進退用部材を操作して第1の端子の先端側同士の間隔を大きくして各第1の端子の先端側を水管内面に接触させ、電気抵抗測定を行うことができる。
【0037】
請求項17の通り付勢部材を設けておくことにより、第1の端子を水管内面に弾性的に押し付け、電気抵抗の測定を安定して行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0039】
第1図は本発明の実施の形態に係る電気抵抗測定方法及び装置を示す概略図、第2図(a)は第1図のバルーンを水管内に挿入した状態を示す縦断面図、第2図(b)は第2図(a)のB−B線に沿う水平断面図、第3図(a)は第2図(a)のバルーンを膨張させた状態を示す縦断面図、第3図(b)は第3図(a)のB−B線に沿う水平断面図である。
【0040】
第1図の通り、導電性チューブ3が絶縁性チューブ4に挿通されている。導電性チューブ3の先端には導電性ゴムよりなるバルーン1が設けられている。導電性チューブ3の後端には、該チューブ3を介してバルーン1に空気を供給するためのエアポンプとして、中空ゴム2が接続されている。この中空ゴム2には、外部から中空ゴム2内への空気の流入を許容し、中空ゴム2内から外部への空気の流出を阻止する逆止弁2aが設けられている。
【0041】
導電性チューブ3の後端側には、バルブVを備えた空気抜き用配管5と、圧力計Pとが接続されている。
【0042】
この導電性チューブ3の後端側は、リード線6を介して電気抵抗測定器10に接続されている。導電性チューブ3は導電性ゴムよりなるバルーン1に導通しており、該バルーン1が第1の端子として機能する。また、電気抵抗測定器10に、別のリード線7を介して第2の端子8が接続されている。
【0043】
バルーン1を構成する導電性ゴムとしては、例えばゴムに銀、銅、アルミ等の金属や導電性金属酸化物を分散させたもの等が挙げられる。
【0044】
このゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(BR)、スチレン・ブタジエン共重合ゴム(SBR)、アクリロニトリロ・ブタジエン共重合ゴム(NBR)、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(EPR)、クロロプレンゴム(CR)、イソブチレン・イソプレン共重合ゴム(IIR)等を用いることができる。
【0045】
中空ゴム2としては、例えば、上記ゴムよりなるものが用いられる。
【0046】
導電性チューブ3は、炭素鋼等の金属、導電性樹脂、導電性ゴムなどの導電性材料により構成されている。
【0047】
絶縁性チューブ4は、絶縁性の合成樹脂やゴム等にて構成される。
【0048】
このように構成された電気抵抗測定装置を用いて水管の電気抵抗を測定するには、第2図の通り、バルーン1を非膨張状態としておき、該バルーン1を水管20内に挿入し、所定の位置に配置する。
【0049】
次いで、中空ゴム2を複数回握離し、該中空ゴム2から導電性チューブ3を介してバルーン1に空気を供給し、第3図の通り、バルーン1の外面を水管20の内面の地金部分に密着させる。圧力計Pが所定の値を示したところで、バルーン1への空気の供給を停止する。
【0050】
これとは別に、水管20の外面を研磨し、この研磨した部分に第2の端子を当接させ、必要に応じ押え部材によって押え付けておく。
【0051】
その後、測定器10によってバルーン1(第1の端子)と第2の端子8との間に通電し、水管20の電気抵抗を測定する。
【0052】
測定後、バルブVを開弁し、バルーン1内の空気を空気抜き用配管5から排気して該バルーン1を収縮させ、水管20から抜き出す。
【0053】
この実施の形態にあっては、導電性ゴムよりなるバルーン1を膨張させて水管20の内面に密着させ、水管20の電気抵抗を精度良く測定することができる。また、バルーン1を収縮させた状態にあっては、該バルーン1は水管20内を移動自在であるため、該バルーン1を水管20内の所望の箇所に配置して、電気抵抗測定を行うことができる。
【0054】
第4図は別の実施の形態に係る電気抵抗測定方法及び装置を示す概略図、第5図(a)は第4図の第1の端子及び電磁石を水管内に挿入した状態を示す縦断面図、第5図(b)は第5図(a)のB−B線に沿う水平断面図、第6図(a)は第5図(a)の第1の端子及び電磁石を水管の内面に接触させた状態を示す縦断面図、第6図(b)は第6図(a)のB−B線に沿う水平断面図である。
【0055】
第4図の通り、楕円筒状の第1の端子31が楕円柱状の電磁石30に外嵌されている。なお、電磁石は楕円筒状であってもよい。
【0056】
第1の端子31は、導電性材料よりなる。この導電性材料は、銅等の金属であってもよいが、水管との密着性の観点から、導電性ゴムであることが好ましい。
【0057】
電磁石30は、電磁石用リード線33を介して、図示しない電源に接続されている。
【0058】
第1の端子31はリード線6を介して電気抵抗測定器10に接続されている。また、この電気抵抗測定器10に、別のリード線7を介して第2の端子8が接続されている。
【0059】
このように構成された電気抵抗測定装置を用いて水管の電気抵抗を測定するには、第5図の通り、電磁石30に通電しない状態において、第1の端子31及び電磁石30を水管20内の所定の位置に配置する。
【0060】
次いで、電磁石30に通電して励磁させ、水管20との間に磁気的吸引力を発現させ、第6図の通り、第1の端子31を水管20内面の地金部分に密着させる。
【0061】
これとは別に、水管20の外面を研磨し、この研磨した部分に第2の端子8を当接させ、必要に応じ押え部材によって押え付けておく。その後、測定器10によって第1の端子31と第2の端子8との間に通電し、水管20の電気抵抗を測定する。
【0062】
本実施の形態にあっては、第1の端子31を電磁石30によって水管20の内面に密着させ、電気抵抗を精度良く測定することができる。また、電磁石30を消磁させた状態にあっては、第1の端子31が水管20内を移動自在となるため、第1の端子31を水管20内の所望の位置に容易に配置することができる。この電磁石30の励磁、消磁の切替は瞬時に行うことができるため、第1の端子31の水管20内面への着脱を迅速に行うことができる。なお、電磁石30を楕円柱形としているため、水管20の内面に沿って転動することがなく、第1の端子31と水管20の内面との接触状態が安定したものとなる。
【0063】
第7図はさらに別の実施の形態に係る電気抵抗測定方法及び装置を示す分解斜視図、第8図(a)は第7図の筒体41及び弾性金属片46を水管内に挿入した状態を示す縦断面図、第8図(b)は第8図(a)のB−B線に沿う水平断面図、第9図(a)は第8図(a)の弾性金属片46を筒体41から送り出して拡開させた状態を示す縦断面図、第9図(b)は第9図(a)のB−B線に沿う水平断面図である。
【0064】
第7図及び第8図の通り、拘束部材としての合成樹脂製の円筒状の筒体41の一端にエンドプレート42が設けられ、エンドプレート42の中央に開口43が設けられている。
【0065】
合成樹脂製の支持管44の下端が開口43の外側の縁部に連結されており、該支持管44内にロッド45が挿入されている。ロッド45の下端は開口43を通って筒体41内に差し込まれている。このロッド45の下端に、第1の端子として弾性金属片46が取り付けられている。
【0066】
この実施の形態では弾性金属片46はロッド45の下端から下方かつ放射方向に拡がるように複数個設けられている。例えば、第8図(b)の通り、弾性金属片46は6個設けられている。なお、第7図では、図面を明確にするために、弾性金属片46は2個のみ図示されている。
【0067】
この弾性金属片46は、リード線6を介して電気抵抗測定器10に接続されている。該リード線6は支持管44内に挿通されている。
【0068】
電気抵抗測定器10には別のリード線7を介して第2の端子8が接続されている。
【0069】
このように構成された電気抵抗測定装置を用いて水管の電気抵抗を測定するには、第8図の通り、ロッド45を後退させて各弾性金属片46を筒体41内に収容し、各弾性金属片46を縮径状態とする。
【0070】
この状態で、該筒体41を水管20内の所定の位置に配置する。
【0071】
次いで、第9図の通り、ロッド45を前進させて各弾性金属片46を筒体41外に送り出す。これにより、各弾性金属片46はそれ自身の弾性により放射方向に拡開し、水管41の内面の地金部分に弾性的に密着する。
【0072】
これとは別に、水管20の外面を研磨し、この研磨した部分に第2の端子8を当接させ、必要に応じ押え部材で押え付けておく。その後、測定器10によって弾性金属片46と第2の端子8との間に通電し、水管20の電気抵抗を測定する。
【0073】
本実施の形態にあっては、弾性的に拡開可能な弾性金属片46を筒体41内に収容し、水管20よりも小径となるようにした状態で該水管20内に挿入した後、該筒体41による拘束を解除して該水管20内面に該弾性金属片46を接触させることにより、弾性金属片46を水管20の内面に密着させ、電気抵抗を精度良く測定することができる。また、弾性金属片46を筒体41で拘束した状態においては、弾性金属片46は水管20内を自由に移動させることができる。従って、弾性金属片46を水管20の所望の位置に容易に配置することができる。
【0074】
第10図は異なる実施の形態に係る電気抵抗測定方法及び装置の第1の端子付近の構成を示す斜視図、第11図は第10図の支持ベースを裏側から見た状態の斜視図、第12図は電気抵抗測定時の状態を示す平面図である。
【0075】
板状の支持ベース80に対し1対の第1の端子81,82の長手方向の途中が支軸83,84によって回動可能に軸支されている。
【0076】
各第1の端子81,82の先端側は支持ベース80の前方に延出している。第1の端子81,82の基端側はL字形に折曲し、支持ベース80の板面に沿っている。第1の端子81は支持ベース80の上側の板面に沿って延在し、第1の端子82は支持ベース80の下側の板面に沿って延在している。
【0077】
第1の端子81,82は支持ベース80の中央線を挟んで左右対称に配置されている。支持ベース80の中央線に沿ってスロット85が穿設されており、該スロット85に連結軸86が挿通されている。第1の端子81,82の基端側には長孔81a,82aが設けられており、該長孔81a,82aに連結軸86が挿通されている。
【0078】
連結軸86は第1の端子81よりも上面側に突出している。
【0079】
支持ベース80の後端縁中央に小筒状のワイヤガイド87が固着され、該ワイヤガイド87にワイヤ88が挿通されている。このワイヤ88の先端は該連結軸86に固結されている。
【0080】
この連結軸86とワイヤガイド87との間にコイルバネ89が介在されている。このコイルバネ89は、ワイヤガイド87に友力を得て連結軸86を該ワイヤガイド87から離反する方向に付勢可能である。
【0081】
この実施の形態による電気抵抗測定方法は次の通りである。
【0082】
第12図(a)のように、ワイヤ88を矢印R方向に引張って第1の端子81,82の先端側同士の間隔を小さくする。なお、ワイヤ88をR方向に引張ると、第1の端子81,82の基端側が連結軸86と共にワイヤガイド87側へ移動し、第1の端子81,82が支軸83,84回りに矢印θ方向に回動してそれらの先端側同士が接近する。また、このとき、コイルバネ89は押し縮められた蓄力状態となる。
【0083】
このように先細状とした第1の端子81,82を水管20内に挿入し、次いでワイヤ88の引張力を解放する。そうすると、コイルバネ89の反発力により連結軸86がスロット85内を前進し、第1の端子81,82が第12図(b)のように先端側の間隔が広がるように支軸83,84回りに回動し、開脚状となる。そして、第1の端子81,82の先端側が水管20の内面の地金部分に弾性的に当接する。
【0084】
そこで、ワイヤ88を介し、該第1の端子81,82と、他の箇所の第2の端子との間の電気抵抗を測定する。
【0085】
第13図は、小型貫流ボイラの水管の電気抵抗を測定する測定装置の実施の形態を示すものであり、第13図(a)はこの測定装置を水管に差し込んだ測定状態を示す側面図、第13図(b)は第13図(a)の測定装置先端部付近の拡大図である。
【0086】
蒸発水管93は、上部管寄せ91と下部管寄せ92との間に上下方向に複数本配設されている。
【0087】
ボイラのバーナ94が上部中央に配置されている。上部管寄せ91には上部検査口95が設けられている。
【0088】
測定装置は、水管93内に差し込まれる棒状の差込体96と、該差込体96の先端にブラシ状に設けられた第1の端子97と、上部検査口95に当接された第2の端子98とを有する。
【0089】
差込体96としては、剛性の高い剛性樹脂などの非導電性材料よりなる筒状の本体96aと、この本体96aの先端から軸心線の延長方向に突設された金属等の導電材料よりなる軸体96bとからなるものが好適である。本体96aは、金属パイプ等の導電パイプに絶縁被覆を施したものであってもよい。
【0090】
第1の端子97は、その基端側が該軸体96bに固着され、先端側が放射方向に延設されて、ブラシ状とされている。軸体96bにはリード線97aが接続されている。このリード線97aは筒状の本体96a内を引き回され、電気抵抗測定器99に接続されている。
【0091】
第1の端子97は、細い弾力性を有した多数本の金属線よりなる。なお、各金属線がすべて同一素材から成っていてもよく、異種素材よりなる金属線を混在させてもよい。金属線の代わりに金属片を用いてもよい。
【0092】
金属線よりなる第1の端子97は、軸体96bを構成するための2本の太い金属線を用意し、この太い金属線同士の間で第1の端子97用の細い金属線を挟み、次いで該太い金属線を捩り合わせるように捻ることにより作成するのが好ましい。この第1の端子97を差込体96にとりつけるには、差込体96にメスのネジ切りを施した金属の接続部を設け、第1の端子97にはオスのネジ切りを施した金属の接続部を設けて接続する。
【0093】
このようにしてブラシ状とされた第1の端子97の集合体は、円柱形であってもよいが、水管93内に差し込み易くするために円錐台形、円錐形など、先細形のテーパを有する形状であることが好ましい。
【0094】
この測定装置によって水管93の電気抵抗を測定するには、上部検査口95から差込体96を水管93内に差し込み、第1の端子97を水管93の内面の地金部分に弾性的に接触させる。なお、ブラシ状の第1の端子97の集合体の外径が水管93内径よりも若干(例えば5〜20%程度)大きいものを用いる。
【0095】
これとは別に、上部検査口95の一部を研磨し、この研磨した部分に第2の端子98を当接させ、必要に応じ押え部材で押え付けておく。この第2の端子98としては金属片が好適である。第2の端子98をリード線98aを介して電気抵抗測定器99に接続し、端子97,98間の電気抵抗を測定する。この電気抵抗測定器99としてはテスター等を用いることができる。
【0096】
この電気抵抗の測定結果に基づいて水管93の表面状態(腐食状況)を判断するには、ファイバースコープなどの内視鏡で数多くの小型貫流ボイラ伝熱鋼材表面の外観を観察しそれらの電気抵抗を測定することで、表面状態と電気抵抗の関係を確認し、判断基準を設けておく。
【0097】
この判断基準に対し、測定された電気抵抗をあてはめることにより、外観観察なしにボイラ缶体の防食・腐食状況を把握することができる。この実施の形態による腐食状況の検出方法は、次のような種々の長所を有する。
1)個人差のない定量的な結果が得られる。
2)評価したい伝熱鋼材表面を直接測定できる。
3)水管縦方向の腐食傾向の分布を測定することができる。
4)上部検査口を有するほとんどの小型貫流ボイラに適用可能である。
5)測定面への密着性がよい。
6)操作性がよく、取り扱いが容易である。
7)耐久性がある。
8)メンテナンスが容易である。
9)比較的安価である。
【0098】
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は上記実施の形態に限定されない。例えば、第1〜3図では、バルーン1全体が導電性ゴムよりなっているが、バルーン1の最大拡径部、即ち水管20と接触する部分のみを導電性ゴムとしてもよく、またバルーン1を絶縁性ゴムとし、その最大拡径部の外面の少なくとも一部に金属端子や導電性ゴム端子を設けてもよい。
【0099】
導電性チューブ3の代りに絶縁性チューブを用い、リード線6を該チューブと絶縁性チューブ4との間に引き回してバルーン1やバルーン1に設けられた導電性端子に接続してもよい。
【0100】
第4〜6図の電磁石30の代りに、永久磁石を用いてもよい。
【実施例】
【0101】
以下に、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0102】
<実施例1>
第1図〜第3図に示される装置及び方法により、水管の電気抵抗の測定を行った。
バルーンとしては、導電性ゴムよりなり、非膨張時の外径が20mmのものを用いた。
導電性チューブ3としては、導電性ゴムよりなる、外径8mm×長さ2mmのものを用いた。
実機の小型貫流ボイラの水管(材質:STB,外径:40mm,厚さ:3mm)内にバルーンを挿入し、バルーン内が1kg/cmとなるまでバルーン内に空気を供給し、水管内面に密着させた。この水管の外面を研磨し、第2の端子8を押し付けて密着させた。この状態で水管の電気抵抗を測定したところ30kΩであった。
【0103】
<実施例2>
第4図〜第6図の装置及び方法により、実施例1と同一の水管について電気抵抗の測定を行った。
第1の端子31としては、外径(長径)24mm×長さ50mmの導電性ゴム製のものを用いた。
第2の端子8としては実施例1と同一のものを用いた。測定の結果、電気抵抗は30kΩであった。
【0104】
<実施例3>
第7図〜第9図の装置及び方法を用いて、実施例1と同一の水管について電気抵抗の測定を行った。
弾性金属片としては、SUS316よりなり、厚さ0.2mm,幅5mm,長さ35mmの短冊状の金属片をS字に曲げ、焼結処理を行ったものを用いた。
筒体41は、合成樹脂製であり、外径20mmのものを用いた。第2の端子8としては実施例1と同一のものを用いた。測定の結果、電気抵抗は30kΩであった。
なお、ファイバースコープで観察しながら測定端子(弾性金属片)を大きな錆こぶに当てて測定したところ、電気抵抗は20Ωと小さな値であった。
【0105】
<実施例4>
第13図に示す方法及び装置によって小型貫流ボイラの蒸発水管93の電気抵抗を測定した。
水管93は、内径40mm、長さ1500mmである。ブラシ状の第1の端子97は、先端側の直径が40mm、後端側の直径が70mmの円錐台形状であり、線径0.08mmのステンレス細線を約1000本用いて構成されている。この細線は、線径3mmの2本のステンレス太線の間に挟み込まれ、該太線を捩り合わせることにより製造されたものである。
【0106】
ブラシ状の第1の端子97を第13図の如く水管93内に水管上端から130cmのレベルにまで差し込み、端子97,98間の電気抵抗をテスターよりなる電気抵抗測定器99で測定した。ブラシ状の第1の端子97の位置を25mmずつ上方に引き上げ、その都度電気抵抗を測定した。
【0107】
この電気抵抗の測定結果を第14図に示す。一方、水管93の内面をファイバースコープで観察したところ、上部検査口から110〜130cmの位置では、孔食などの腐食が発生しておらず、水処理による防食皮膜が生成していて、106Ωの大きな電気抵抗値を示した。一方、上部検査口から60〜100cmの位置では、水管93の内面に小さな孔食が点在していた。この個所では、数〜数百Ωの小さな電気抵抗値を示した。
以上より、本発明の電気抵抗を測定して腐食状況を判断する方法が、実状をよく反映し、かつ実用に十分耐えうるものであることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】実施の形態に係る電気抵抗測定装置の概略図である。
【図2】(a)は図1のバルーンを水管内に挿入した状態を示す縦断面図、(b)は(a)のB−B線に沿う水平断面図である。
【図3】(a)は図2(a)のバルーンを膨張させた状態を示す縦断面図、(b)は(a)のB−B線に沿う水平断面図である。
【図4】別の実施の形態に係る電気抵抗測定装置の概略図である。
【図5】(a)は図4の第1の端子及び電磁石を水管内に挿入した状態を示す縦断面図、(b)は(a)のB−B線に沿う水平断面図である。
【図6】(a)は図5(a)の第1の端子及び電磁石を水管の内面に接触させた状態を示す縦断面図、(b)は(a)のB−B線に沿う水平断面図である。
【図7】さらに別の実施の形態に係る電気抵抗測定装置の分解斜視図図である。
【図8】(a)は図7の筒体及び弾性金属片を水管内に挿入した状態を示す縦断面図、(b)は(a)のB−B線に沿う水平断面図である。
【図9】(a)は図8(a)の弾性金属片を筒体から送り出して拡開させた状態を示す縦断面図、(b)は(a)のB−B線に沿う水平断面図である。
【図10】異なる実施の形態に係る電気抵抗測定装置の第1の端子付近の構成を示す斜視図である。
【図11】図10の支持ベースを裏側から見た状態の斜視図である。
【図12】図10の装置による電気抵抗測定時の状態を示す平面図と断面図である。
【図13】小型貫流ボイラの水管の電気抵抗を測定する測定装置の実施の形態を示すものであり、第13図(a)はこの測定装置を水管に差し込んだ測定状態を示す側面図、第13図(b)は第13図(a)の測定装置先端部付近の拡大図である。
【図14】実施例4の測定結果を示すグラフである。
【図15】ボイラ伝熱面の状態と水管の電気抵抗との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0109】
1 バルーン
2 中空ゴム
3 導電性チューブ
8 第2の端子
10 電気抵抗測定器
20 水管
30 電磁石
31 第1の端子
32 保護チューブ
41 筒体
45 ロッド
46 弾性金属片
80 支持ベース
81 第1の端子
82 第2の端子
85 スロット
86 連結軸
88 ワイヤ
89 コイルバネ
91 上部管寄せ
92 下部管寄せ
93 蒸発水管
94 バーナ
95 上部検査口
96 差込体
96a 本体
96b 軸体
97 第1の端子
98 第2の端子
97a,98a リード線
99 電気抵抗測定器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換装置に設けられた水管の電気抵抗を測定する方法において、
第1の端子を該水管内面に接触させると共に、第2の端子を該第1の端子から離隔させて該水管に接触させ、両端子間に通電して電気抵抗を測定することを特徴とする水管の電気抵抗測定方法。
【請求項2】
請求項1において、前記第1の端子は水管の内面に接触する部分の少なくとも一部が導電性を有したバルーンであり、該バルーンを膨張させて前記水管内面に接触させることを特徴とする水管の電気抵抗測定方法。
【請求項3】
請求項1において、前記第1の端子に電磁石が一体化されており、該電磁石に通電し、該電磁石と前記水管との磁気的吸引力により該第1の端子を該水管内面に接触させることを特徴とする水管の電気抵抗測定方法。
【請求項4】
請求項1において、前記第1の端子は弾性的に変形可能であり、
該第1の端子を水管内に挿入し、該第1の端子の弾性により該水管内面に弾性的に接触させることを特徴とする水管の電気抵抗測定方法。
【請求項5】
請求項4において、前記第1の端子は、水管内に差し込み可能な差込体の先端側に設けられており、該差込体の先端側を水管内に差し込むことにより、該第1の端子を水管の内面に接触させることを特徴とする水管の電気抵抗測定方法。
【請求項6】
請求項5において、該差込体は棒状であり、該第1の端子は、該差込体から放射方向に延設された複数の片材又は線材よりなることを特徴とする水管の電気抵抗測定方法。
【請求項7】
請求項6において、該第1の端子はブラシ状に設けられていることを特徴とする水管の電気抵抗測定方法。
【請求項8】
熱交換装置に設けられた水管の電気抵抗を測定する装置において、
該水管の内面に接触させる第1の端子と、
該第1の端子から離隔させて該水管に接触させる第2の端子と、
両端子間に通電して電気抵抗を測定する測定器と
を有することを特徴とする水管の電気抵抗測定装置。
【請求項9】
請求項8において、該第1の端子は、水管と接触する部分の少なくとも一部が導電性を有したバルーンであることを特徴とする水管の電気抵抗測定装置。
【請求項10】
請求項8において、前記第1の端子に電磁石が一体化されていることを特徴とする水管の電気抵抗測定装置。
【請求項11】
請求項8において、前記第1の端子は、弾性的に変形可能であり、水管内に挿入されたときにそれ自身の弾力性により水管の内面に接触可能であることを特徴とする電気抵抗測定装置。
【請求項12】
請求項11において、前記電気抵抗測定装置は、水管内に差し込まれる棒状の差込体を備えており、
前記第1の端子は、該差込体の先端部から放射方向に延設された複数の片材又は線材よりなることを特徴とする電気抵抗測定装置。
【請求項13】
請求項12において、該第1の端子はブラシ状に設けられていることを特徴とする電気抵抗測定装置。
【請求項14】
請求項11において、該電気抵抗測定装置は、該第1の端子を前記水管よりも小径とした状態に拘束可能な拘束部材を備えたことを特徴とする水管の電気抵抗測定装置。
【請求項15】
請求項11において、前記拘束部材は該第1の端子を窄ませた状態にて収容する筒体であり、該第1の端子は、該筒体から離脱することにより弾性的に拡開することを特徴とする水管の電気抵抗測定装置。
【請求項16】
請求項8において、第1の端子は長手方向の途中がそれぞれ端子支持ベースに対し支軸によって回動自動に支持された1対の長尺体よりなり、
該第1の端子の後端側に対し進退用部材が連結されており、該進退用部材を進退させることにより該第1の端子の先端側が前記支軸回りに回動して第1の端子の先端側同士の間隔が大小変化することを特徴とする水管の電気抵抗測定装置。
【請求項17】
請求項16において、該第1の端子の先端同士の間隔を大きくする方向に付勢する付勢部材が設けられていることを特徴とする水管の電気抵抗測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−201150(P2006−201150A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−190071(P2005−190071)
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【出願人】(000001063)栗田工業株式会社 (1,536)
【Fターム(参考)】