説明

水素生産装置及びそれを用いた水素生産方法

本発明は、燃焼触媒及び/又は改質触媒がコーティングしてなるマイクロチャネルを含む単位反応装置を含んでなり、メタノールなどのアルコールを燃料として燃料電池システムなどに水素を供給し、高い熱効率と高い水素転換率で水素を生産することができるように考案された水素生産装置及びそれを用いた水素生産方法に関する。本発明に係る水素生産装置は、燃焼触媒を含む燃焼用プレート組立体と改質触媒を含む改質用プレート組立体とからなる少なくとも一つ以上の燃焼/改質兼用の第1単位反応装置11を含んでなり、上記プレート組立体が一側の表面上にマイクロチャネルが形成された一対のマイクロチャネルプレートを上記マイクロチャネルが対向する形で互いに対して結合して構成され、上記燃焼用プレート組立体は上記マイクロチャネル内に燃焼触媒を含み、上記改質用プレート組立体は上記マイクロチャネル内に改質触媒を含んでなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水素生産装置及びそれを用いた水素生産方法に関する。より詳細には本発明は燃焼触媒及び/又は改質触媒がコーティングされてなるマイクロチャネルを含む単位反応装置を含んでなり、メタノールなどのアルコールを燃料として燃料電池システムなどに水素を供給し、高い熱効率と高い水素転換率で水素を生産できるように考案された水素生産装置及びそれを用いた水素生産方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、環境問題に対する関心が高まりながら、水素を燃料とする清浄燃料に対する関心と需要が増大しつつある。
【0003】
それにより、従来のガソリン機関及び化石燃料の発電に対する代案として燃料電池などに対する研究が活発に行われている。
【0004】
燃料電池の活用性を高めるためには、原料として使用される水素の生産及び/又は供給を円滑にする諸般与件を備えていなければならない。水素は気体中で最も軽く、空気中で容易に爆発するなど、その貯蔵及び取扱いが非常に難しい。現在の技術水準では、大容量の水素貯蔵タンクなどを用いて水素を供給している。しかし、このような水素貯蔵タンクでは上記問題点を完全に解決することは難しく、また大容量の水素貯蔵タンクの開発及びさらに大きな容量の水素貯蔵所などを準備しなければならないなど、初期設備投資に莫大なコストがかかるという短所があった。従って、国家的な次元のインフラ(infrastructure)で論じなければならない程度に膨大な事業であった。
【0005】
そのため、水素を生産する水素生産装置を小型化して重量と体積を低減することは、上記巨大設備投資無しに、水素を清浄燃料として使用できるようにするという点で非常に好ましい。
【0006】
また、小型化された水素生産装置から生産される水素を直接燃料電池などに供給するためには、燃料電池の陰極の活性を阻害する一酸化炭素(CO)の含量を最小限に抑制しなければならない。
【0007】
メタノールから水素を生産する方法の一つとして、メタノール水蒸気改質方法が既に開発され、広く使用されている。
【0008】
メタノール水蒸気改質反応を遂行するためには、まず液体状態のメタノールと水の混合物を気化させるための気化器、改質反応器に熱を供給するための燃焼器、及び燃焼用液体燃料を気化させるための気化器が求められ、生成される水素中に含まれる一酸化炭素の濃度を下げる優先酸化反応器(PrOx)が別途に求められる。
【0009】
メタノールの水蒸気改質反応を下記反応式1で表した。
【0010】
【化1】

【0011】
上記するようなメタノール水蒸気改質反応は、上記反応式1の反応(1)のように遂行されながら、メタノール直接分解反応である上記反応式1の反応(2)も高温で部分的に起こる。上記反応式1の反応(1)と反応式1の反応(2)は吸熱反応であり、これらの反応が行われるためには外部から持続的に熱を供給しなければならない。
【0012】
メタノール水蒸気改質反応は300℃付近から最適に実施されると知られている。温度がこれより高い場合、メタノール直接分解反応と上記反応(3)の逆反応が起こり、生成物中の一酸化炭素の濃度が高くなる。一酸化炭素の濃度を下げるためには上記反応式1の反応(3)である水−ガス遷移反応が求められる。それにより、生成物中の一酸化炭素濃度を下げるためには、改質器の温度を正確に保持する必要がある。
【0013】
特許文献1(大韓民国登録特許第0314829号公報)には、改質器の温度を一定に保持するために二重管方式で構成されるメタノール改質装置が記載されている。これは、内部管にハニカム燃焼触媒を一定間隔で配置し、外部管に改質触媒を充填して改質反応が行われるように構成されている。この構成によって、改質器の局部的な温度上昇を防止し、200〜300℃の範囲で温度を一定に維持するようにした。しかし、このような構成の反応器を使用することは改質器を小型化させるには限界があるという短所がある。
【0014】
パシフィックノースウエスト国立研究所の論文(例えば、非特許文献1参照)にはメタノールを燃焼燃料と改質原料として同時に使用する小型メタノール水蒸気改質装置が記載されている。しかし、これは200mW程度の低い出力を有し、反応温度を保持するために燃焼器に供給する燃料としてのメタノールの量が多くなり、全体熱効率が5〜10%と非常に低いという短所がある。
【0015】
従って、重量及びサイズの面で小型であるが、熱効率と水素への高い転換率を有しながら、多量の水素を生産できる水素生産装置の開発に対する必要性は、依然高い。
【特許文献1】大韓民国特許第0314829号公報明細書
【非特許文献1】J.of Power source,108(2002)21−27
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、燃焼触媒及び/又は改質触媒がコーティングしてなるマイクロチャネルを含む単位反応装置を含んでなり、メタノールなどのアルコールを燃料として燃料電池システムなどに水素を供給し、高い熱効率と高い水素転換率で水素を生産できるように考案された水素生産装置及びそれを用いた水素生産方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る水素生産装置は、燃焼触媒を含む燃焼用プレート組立体と改質触媒を含む改質用プレート組立体とからなる少なくとも一つ以上の燃焼/改質兼用の第1単位反応装置を含んでなり、上記プレート組立体が一側の表面上にマイクロチャネルが形成された一対のマイクロチャネルプレートを上記マイクロチャネルがお互いに対向する形で互いに結合して構成され、上記燃焼用プレート組立体は上記マイクロチャネル内に燃焼触媒を含み、上記改質用プレート組立体は上記マイクロチャネル内に改質触媒を含んでなることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る水素生産装置は、少なくとも一つ以上の燃焼/改質兼用の第1単位反応装置、少なくとも一つ以上の気化用の第2単位反応装置、及び少なくとも一つ以上の熱交換用の第3単位反応装置を含んでなり、上記第1単位反応装置が燃焼触媒を含む燃焼用プレート組立体と改質触媒とを含む改質用プレート組立体を含み、上記第2単位反応装置が燃焼用プレート組立体と熱交換用プレート組立体とを含み、上記第3単位反応装置が熱交換用のプレート組立体を含み、上記第1単位反応装置の燃焼用プレート組立体が上記第3単位反応装置の熱交換用プレート組立体中のいずれかに一つに連結され、上記3単位反応装置の別の一つの熱交換用プレート組立体が上記第1単位反応装置の上記燃焼用プレート組立体に連結され、上記第2単位反応装置の熱交換用プレート組立体が上記第1単位反応装置の改質用プレート組立体に連結されてなることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る水素生産装置を用いた水素生産方法は、燃焼触媒を含む燃焼用プレート組立体と改質触媒を含む改質用プレート組立体とからなる少なくとも一つ以上の燃焼/改質兼用の第1単位反応装置を含んでなり、上記プレート組立体が一側の表面上にマイクロチャネルが形成された一対のマイクロチャネルプレートを上記マイクロチャネルが対向する形で互いに対して結合して構成され、上記燃焼用プレート組立体は上記マイクロチャネル内に燃焼触媒を含み、上記改質用プレート組立体は上記マイクロチャネル内に改質触媒を含んでなる水素生産装置を用いて水素を生産する方法であって、(1)上記第1単位反応装置の燃焼用プレート組立体に気体燃料と酸化剤を共に供給して上記燃焼用プレート組立体内で燃焼させ、その熱を用いて上記燃焼用プレート組立体に隣接する改質用プレート組立体を加熱する第1燃焼段階;及び(2)上記加熱された改質用プレート組立体にメタノールと水の混合物からなる改質原料を供給して改質させて水素を生産する改質段階;を含んでなることを特徴とする。
【0020】
本発明に係る水素生産装置を用いた水素生産方法は、少なくとも一つ以上の燃焼/改質兼用の第1単位反応装置、少なくとも一つ以上の気化用の第2単位反応装置、及び少なくとも一つ以上の熱交換用の第3単位反応装置を含んでなり、上記第1単位反応装置が燃焼触媒を含む燃焼用プレート組立体と改質触媒とを含む改質用プレート組立体を含み、上記第2単位反応装置が燃焼用プレート組立体と熱交換用プレート組立体とを含み、上記第3単位反応装置が熱交換用のプレート組立体を含み、上記第1単位反応装置の燃焼用プレート組立体が上記第3単位反応装置の熱交換用プレート組立体中のいずれかに一つに連結され、上記3単位反応装置の別の一つの熱交換用プレート組立体が上記第1単位反応装置の上記燃焼用プレート組立体に連結され、上記第2単位反応装置の熱交換用プレート組立体が上記第1単位反応装置の改質用プレート組立体に連結されてなる水素生産装置を用いた水素を生産する方法であって、(1)上記第1単位反応装置の燃焼用プレート組立体に気体燃料と酸化剤を供給して燃焼させる第1燃焼段階;(2)上記第1燃焼段階で上記燃焼用プレート組立体から排出される排ガスを上記第3単位反応装置のいずれか一つの熱交換用プレート組立体を経由して排出させ、上記第3単位反応装置の温度を80〜100℃の範囲に予熱する第1予熱段階;(3)上記第3単位反応装置の別の一つの熱交換用プレート組立体を経由して液体燃料を供給、気化して上記第1単位反応装置の燃焼用プレート組立体に供給し、同時に酸化剤を供給して燃焼させて上記第1単位反応装置の温度を260〜320℃に加熱させる第2燃焼段階;(4)上記第2単位反応装置の上記燃焼用プレート組立体に気体燃料と酸化剤を供給して燃焼させて上記第2単位反応装置の温度を110〜200℃に加熱させる第3燃焼段階;(5)上記第2単位反応装置の上記熱交換用プレート組立体に改質のため原料としてのメタノールと水の混合物を通過させることによって気化させて上記第1単位反応装置の上記改質用プレート組立体に供給する気化段階;及び(6)上記気化段階で気化された原料を上記第1単位反応装置の上記改質用プレート組立体に通過させて水素に改質させる改質段階;を含んでなることを特徴とする
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
図1に示されるように、本発明に係る水素生産装置は、燃焼触媒を含む燃焼用プレート組立体と改質触媒を含む改質用プレート組立体とからなる少なくとも一つ以上の燃焼/改質兼用の第1単位反応装置11を含んでなり、上記プレート組立体が、一側の表面上にマイクロチャネルが形成された一対のマイクロチャネルプレートを上記マイクロチャネルが対向する形で互いに対して結合して構成され、上記燃焼用プレート組立体は上記マイクロチャネル内に燃焼触媒を含み、上記改質用プレート組立体は上記マイクロチャネル内に改質触媒を含んでなることを特徴とする。それにより、本発明では改質のための熱を、改質触媒を含む改質用プレート組立体と隣接するように位置する燃焼用プレート組立体から得ることができるようにすることによって、改質反応を最適の温度で遂行することができるようにし、熱効率を高めると同時に水素への転換率を高めることができるようにした点に特徴がある。また、燃焼反応が起こる燃焼器の機能を燃焼用プレート組立体で構成し、この燃焼用プレート組立体での燃焼反応が、マイクロチャネル内で行われるようにすることで、従来の水素発生装置での燃焼器の機能を遂行しながら、小型化を可能にした点及び改質反応が起こる改質器の機能を改質用プレート組立体で構成し、この改質用プレート組立体での改質反応がマイクロチャネル内で行われるようにすることで、従来の水素発生装置での改質器の機能を遂行しながらも小型化を可能にした点に特徴がある。さらに、本発明によれば、図2に示されるように、上記燃焼用プレート組立体41’と改質用プレート組立体41’’とからなる上記第1単位反応装置11を上記燃焼用プレート組立体41’と改質用プレート組立体41’’とが交互に位置して積層されるようにし、燃焼熱を最大限改質反応で活用できるようにした。上記で、第1単位反応装置11における「第1」とは、燃焼触媒と改質触媒を皆含む単位反応装置を区別して表示するためのものである。上記で、燃焼触媒としては白金(platinum)、ロジウム(rhodium)、ルテニウム(ruthenium)、オスミウム(osmium)、イリジウム(iridium)、パラジウム(palladium)などのような白金族元素、金、銀、銅及びその混合物よりなる群から選択できる。特に、上記燃焼触媒は触媒支持体に担持され使用できる。上記燃焼触媒の担持は触媒支持体を、まずコーティングし、上記燃焼触媒の水溶液を燃焼触媒の量が上記触媒支持体に対して、0.1〜5重量%になるように添加した後、乾燥及び焼成処理で構成される。上記で、触媒支持体としては酸化アルミニウム、α−酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム(ZrO)、シリカ(SiO)及びその混合物よりなる群から選択され、好ましくはα−酸化アルミニウムが用いられる。しかし、本発明はこれに制限されず、炭化水素やアルコールなどの酸化を促進させるために使用される別の触媒も本発明で使用されることは自然のことである。
【0023】
上記で、改質触媒としては、銅/酸化セリウム/酸化ジルコニウム(Cu/CeO/ZrO)の合成物、銅/酸化亜鉛/酸化アルミニウム(Cu/ZnO/Al)の合成物、銅/酸化セリウム/酸化アルミニウム(Cu/CeO/Al)の合成物、銅/酸化ジルコニウム/酸化アルミニウム(Cu/ZrO/Al)の合成物、銅−亜鉛−アルミニウム(CuZnAl)酸化物固溶体などが挙げられ、好ましくは銅:亜鉛:アルミニウム酸化物を3〜5:3〜5 :1〜3の重量比で球共沈法によって合成したものが挙げられる。しかし、本発明はこれに制限されず、炭化水素やアルコールなどを改質させて水素を生産するために用いられる別の触媒も本発明で使用されることは当然のことである。
【0024】
上記第1単位反応装置11を構成する単位反応装置41は、図2に示されるように、2個の金属ブロックからなるケース42、42’を含み、上記ケース42、42’間に上記燃焼用プレート組立体41’と改質用プレート組立体41’’とが多数交互に積層されて固定される。上記ケース42、42’中の上ケース42には、例えば、燃焼器出口43’と改質器出口44’が形成され、下ケース42’には燃焼器入口43と改質器入口44が形成される。しかし、これらの引用符号は参照のためだけであり、その逆にも可能に機能できることは当業者には当然のことである。上記単位反応装置の一つの具体的な例を部分的に分解して撮影した写真を図3に示した。図3に示されるように実際の構成の一例では、上記マイクロチャネルプレート45の膜厚は約0.3mmであり、マイクロチャネルの深さは10〜150μmで形成した。チャネルは平行四辺形の形態に金属板上に形成され、金属板の各頂点には流体の流れを可能にする孔が形成される。
【0025】
上記単位反応装置41を構成する上記プレート組立体は、図2、図4及び図5に示されるように、共通的に一側の表面上にマイクロチャネル51、51’が形成された一対のマイクロチャネルプレート45、45’を上記マイクロチャネル51、51’が対向する形で互いに対して結合して構成され、上記燃焼用プレート組立体41’は上記マイクロチャネル51、51’内に燃焼触媒を含み、上記改質用プレート組立体41’’は上記マイクロチャネル51、51’内に改質触媒を含んでなる。上記ケースとマイクロチャネルプレートは皆金属で成形でき、好ましくはステンレススチールなどのように耐食性と耐熱性に優れた材質で成形できる。上記マイクロチャネルプレート45、45’間には図6に示されるようなガスケット61が介在されていてもよい。上記ガスケット61は、好ましくは銅板で形成されていてもよく、上記マイクロチャネルプレート45、45’間に一定の空間を形成するための開口62と貫通孔63とが形成される。それにより、上記プレート組立体は、図2の一例で示されるように、燃焼用プレート組立体41’と改質用プレート組立体41’’などのように2個以上が互いに積層される。必要に応じて、即ち、生産しようとする水素の量等によって上記燃焼用プレート組立体41’と改質用プレート組立体41’’との積層個数を増減することができる。各プレート組立体の内部には、図7に示されるように、多数のチャネル形成空間71が形成され、その内部壁が上記した燃焼用触媒または改質用触媒などのような触媒がコーティングされる触媒コーティング部72として機能する。
【0026】
上記マイクロチャネルプレート45、45’ 中の上マイクロチャネルプレート45は、図4及び図5に示されるように、一つの入口46と一つの出口47が互いに対して対角線上に位置し、また第1連結口48と第2連結口49とも互いに対して対角線上に位置し、上記入口46と出口47との間がこれらの入口46と出口47を含んで表面から一定の深さを有する溝で形成され、上記溝の壁が上記マイクロチャネル51を通過する燃料または原料の流れ方向を制限する遮断壁53として機能する。上記溝内で、上記マイクロチャネル51は隔壁52によって区分され多数個で形成される。上記入口46と出口47の近くには、これらの入口46または出口47から多数のマイクロチャネル51に燃料または原料を拡散するか、またはこれらの入口46または出口47に燃料または原料が収集されるように、これらの燃料または原料の流れを制限する収斂溝54及び収斂突起55が多数形成される。上記マイクロチャネルプレート45、45’中の下マイクロチャネルプレート45’は上記上マイクロチャネルプレート45と同一であるが、鏡像に対称される構造を有するので、同じ符号を付し、単に符号(’)で区分して表示した。
【0027】
また、図2に示されるように、本発明によれば、少なくとも2個以上の燃焼用プレート組立体41’と改質用プレート組立体41’’とが互いに対して交互に積層されている場合でも、燃料の流れと原料の流れが互いに交差しなくなる。図2を参照すると、下ケース42’の燃焼器入口43に流入された燃料の一部はその上方に位置する第1改質用プレート組立体41’’の第2連結口49を通過した後、第1燃焼用プレート組立体41’の入口46に流入され、上記第1燃焼用プレート組立体41’の内部のマイクロチャネルを通過しながら燃焼した後、第1燃焼用プレート組立体41’の出口47を通じて放出され、その上方に位置する第2改質用プレート組立体41’’の第2連結口49及び第2燃焼用プレート組立体41’の出口47を通過して上ケース42の燃焼器燃焼器出口43’ を通じて排出される。一方、下ケース42’の燃焼器の入口43に流入され、その上方に位置する第1改質用プレート組立体41’’ の第2連結口49を通過した燃料の別の一部は第1燃焼用プレート組立体41’の入口46及び第2改質用プレート組立体41’’の第1連結口48を通過して第2燃焼用プレート組立体41’の入口46に流入され、上記第2燃焼用プレート組立体41’の内部のマイクロチャネルを通過しながら燃焼した後、第2燃焼用プレート組立体41’の出口47を通じて放出され、上ケース42の燃焼器燃焼器出口43’を通じて排出される。これは改質用プレート組立体41’’に対する原料の流れにおいても同様にして適用されるので、燃料と原料がその流れが互いに区分されて流れるようになる。
【0028】
上記燃焼器入口43を経由して上記第1単位反応装置11の燃焼用プレート組立体41’を水素供給源21と第1酸素供給源22とに連結して気体燃料、好ましくは水素を供給しながら、同時に酸化剤、好ましくは酸素または空気を供給し、上記燃焼用プレート組立体41’内で燃焼させることによって燃焼熱を発生させ、これを用いてそれに隣接する改質用プレート組立体41’’に熱を供給し、上記改質用プレート組立体41’’を原料供給源27に連結して改質のためのメタノールと水の混合物の改質原料を供給してメタノールを水素に転換させて水素を生産できるようになる。上記第1単位反応装置11の上記燃焼用プレート組立体41’には燃焼熱を利用する代わりに、その内部で(に)熱流体を通過させることによっても改質反応を起こすことが可能であり、主に廃熱が多く発生する場所では、このような廃熱を持つ熱流体を利用することができることは当業者には当然のことである。この場合、上記燃焼用プレート組立体41’の内部には燃焼触媒を含んでいなくてもよい。
【0029】
図1に示されるように、上記第1単位反応装置11には第3単位反応装置12がさらに連結されていてもよい。上記第3単位反応装置12は熱交換用プレート組立体を含んでなり、上記熱交換用プレート組立体は一側の表面上にマイクロチャネルが形成された一対のマイクロチャネルプレートを上記マイクロチャネルが対向する形で互いに対して結合してなる。上記熱交換用プレート組立体は燃焼触媒または改質触媒などのような触媒を全く含まずに、単に上記したマイクロチャネルを通じて流体が通過するようにし、それによって隣接したプレート組立体を通過する流体間に熱交換が行われるように機能するのを除いては、上記した燃焼用プレート組立体または改質用プレート組立体と同一または類似な構造を持つことが理解できる。上記で第3単位反応装置12における「第3」とは、燃焼触媒または改質触媒を皆含まない単位反応装置を区別して表示するためのものである。上記第3単位反応装置12は上記第1単位反応装置11の燃焼用プレート組立体41’に連結され、上記第1単位反応装置11の燃焼用プレート組立体41’の出口に上記第3単位反応装置12のいずれか一つの熱交換用プレート組立体の入口そ連結されればよい。
【0030】
それにより、上記第1単位反応装置11の燃焼用プレート組立体41’から放出される排ガスが上記第3単位反応装置12のいずれか一つの熱交換用プレート組立体を通過しながら、それに隣接する別の一つの熱交換用プレート組立体を加熱させ、その内部を通過する流体を加熱することができる。このとき、上記別の一つの熱交換用プレート組立体に第1燃料供給源24を連結し、そこから供給される液体燃料を上記別の一つの熱交換用プレート組立体に通過させれば、この液体燃料が気化されるようになり、この気化された燃料がまた上記第1単位反応装置11の燃焼用プレート組立体41’に連結され、燃焼反応が続けられるようになる。従って、初期予熱の間に気体燃料を用いて上記第1単位反応装置11と上記第3単位反応装置12とを所定の温度、例えば、上記第1単位反応装置11は260〜320℃の温度範囲に、また上記第3単位反応装置12は80〜100℃の温度範囲に予熱させた後、気体燃料を遮断し、上記第3単位反応装置12によって気化された燃料を用いて燃焼反応を継続しながら、改質反応を続けることができる。これは小型化された水素発生装置の運転において、取扱い及び保管が不便な気体燃料の使用を最小化し、取扱い及び保管が一層簡便な液体燃料を使用できるようにする。上記液体燃料としては、メタノールが好ましい。上記するような構成によって、少なくとも上記第1単位反応装置11から発生される排ガスの廃熱を用いて液体燃料を気化させて燃料の効率的な使用が可能になる。
【0031】
上記第1単位反応装置11には第2単位反応装置13が、さらに連結されていてもよい。
【0032】
上記第2単位反応装置13は燃焼用プレート組立体と熱交換用プレート組立体とを含んでなる。上記第2単位反応装置13は上記第1単位反応装置11の改質用プレート組立体41’に連結され、上記第2単位反応装置の熱交換用プレート組立体の出口が上記第1単位反応装置の改質用プレート組立体の入口に連結され得る。上記で、第2単位反応装置13の燃焼用プレート組立体は、上記第1単位反応装置11の燃焼用プレート組立体41’と同一または類似な構成を有していることが分かる。また上記第2単位反応装置13の熱交換用プレート組立体は、上記第3単位反応装置12の熱交換用プレート組立体と同一または類似な構成を有していることが分かる。上記で、第2単位反応装置13における「第2」とは、燃焼触媒のみを含む単位反応装置を区別して表示するためのものである。上記第2単位反応装置13は上記第1単位反応装置11に供給される原料としてのメタノールと水の混合物を加熱、気化させ、上記第1単位反応装置11での改質反応を促進させる機能をする。即ち、上記第2単位反応装置13の燃焼用プレート組立体に水素供給源21と第2酸素供給源25とを連結し、気体燃料と酸化剤を共に供給して燃焼させ、その燃焼熱で上記第2単位反応装置13内の燃焼用プレート組立体に隣接する熱交換用プレート組立体を加熱させ、上記熱交換用プレート組立体に原料供給源27を連結して原料がその内部を通過するようにし、原料としてのメタノールと水の混合物を通過させて気化させ、気化された原料を上記第1単位反応装置11の改質用プレート組立体41’に供給して改質できるようにする。上記第2単位反応装置13は、例えば110〜200℃の温度範囲に保持されればよい。
【0033】
上記第2単位反応装置13と上記第1単位反応装置11との間に第4単位反応装置15を、さらに連結することができる。上記第4単位反応装置15は熱交換用プレート組立体を含んでなる。上記で、第4単位反応装置15における「第4」とは、燃焼触媒または改質触媒を皆含まない単位反応装置を区別して表示するためのものである。即ち、上記第2単位反応装置13の上記燃焼用プレート組立体の入口には、第4単位反応装置15の熱交換用プレート組立体中のいずれか一つの熱交換用プレート組立体の出口が連結され、同時にその熱交換用プレート組立体の入口には、液体燃料供給源である第2燃料供給源26が連結され、上記第4単位反応装置15の別の一つの熱交換用プレート組立体の入口には、上記第1単位反応装置11の上記改質用プレート組立体41’’の出口が連結され、そこから放出される生成物流れ熱を用いて上記液体燃料を気化させ、上記第2単位反応装置13の上記燃焼用プレート組立体に供給して燃焼反応が起こるようにする。これにより、上記水素供給源21から供給される気体燃料を遮断し、上記第4単位反応装置15によって気化された燃料を用いて燃焼反応を継続することができる。これは小型化された水素発生装置の運転において、取扱い及び保管が不便な気体燃料の使用を最小化し、取扱い及び保管が一層簡便な液体燃料を使用できるようにする。上記液体燃料としては、メタノールが好ましい。上記するような構成によって、少なくとも上記第1単位反応装置11から発生される生成物流れの廃熱を用いて液体燃料を気化させ、燃料の効率的な使用が可能になる。
【0034】
上記第1単位反応装置11の改質用プレート組立体41’’の出口には、優先酸化反応器(PrOx)14が連結されていてもよい。上記優先酸化反応器(PrOx)14は上記第1単位反応装置11によって改質されて生産される生成物としての水素中に含まれ得る一酸化炭素を除去する一酸化炭素酸化反応を遂行する機能を行い、それにより、別途の精製過程を必要とすることなく、本発明に係る水素発生装置で生産される水素を直接燃料電池などに供給して使用するにおいて、燃料電池の電極に影響を与える可能性のある一酸化炭素を最大限除去し、直接連結して使用することを可能にする。上記優先酸化反応器(PrOx)14も、また上記したような本発明に係るプレート組立体が使用されており、上述した燃焼用プレート組立体の燃焼触媒または改質用プレート組立体の改質触媒の代わりに優先酸化反応触媒を、さらに含むことを除いては、上記プレート組立体と同一または類似な構造を有していても良い。上記優先酸化反応器(PrOx)14には、一酸化炭素の酸化のための酸素または空気を供給するための第3酸素供給源28が連結される。
【0035】
また、上記第1単位反応装置11の改質用プレート組立体41’’と上記優先酸化反応器(PrOx)14との間にフィルタ31が連結されればよい。上記フィルタ31は通常の機械式フィルタであってもよい。
【0036】
本発明に係る水素生産装置は、図1〜図7に示されるように、少なくとも一つ以上の燃焼/改質兼用の第1単位反応装置11と、少なくとも一つ以上の気化用の第2単位反応装置13及び少なくとも一つ以上の熱交換用の第3単位反応装置12を含んでなり、上記第1単位反応装置11が燃焼触媒を含む燃焼用プレート組立体41’と改質触媒を含む改質用プレート組立体41’’を含み、上記第2単位反応装置13が燃焼用プレート組立体と熱交換用プレート組立体とを含み、上記第3単位反応装置12が熱交換用のプレート組立体を含み、上記第1単位反応装置11の燃焼用プレート組立体41’が上記第3単位反応装置12の熱交換用プレート組立体中のいずれか一つに連結され、上記3単位反応装置12の別の一つの熱交換用プレート組立体が上記第1単位反応装置11の上記燃焼用プレート組立体41’に連結され、上記第2単位反応装置13の熱交換用プレート組立体が上記第1単位反応装置11の改質用プレート組立体41’’に連結されてなることを特徴とする。
【0037】
上記第1単位反応装置11の燃焼用プレート組立体41’には、流路変更バルブ23が連結され、この流路変更バルブ23には水素供給源21が連結される。上記流路変更バルブ23は、好ましくは四方弁であってもよく、それにより、それに連結された水素供給源から供給される水素を還元用として、まず上記第1単位反応装置11の燃焼用プレート組立体41’に注入し、以後、改質用プレート組立体41’’に還元用として注入し、最後に第2反応装置13の燃焼用プレート組立体に順次に供給することができる。それにより、上記水素を燃料として使用することによって上記第1反応装置11及びそれに連結された上記第3反応装置12の温度が燃料としてのメタノールの沸点以上に上昇すれば、燃料を水素からメタノールに変え、続くメタノールの燃焼反応によって上記第1反応装置11の温度を還元温度(約300℃)まで上昇させた後、水素によって上記改質用プレート組立体41’’内の改質触媒を還元させることができる。
【0038】
上記するような構成によって、本発明によれば、燃焼反応を、マイクロチャネルを含む単位反応装置の燃焼用プレート組立体で遂行し、それに隣接するように改質用プレート組立体を積層して位置させることによって、改質反応が起こる改質用プレート組立体を安定した運転温度に保持するようにすることによって、高いメタノール転換率と生成物中の水素の組成を高め、一酸化炭素の含量を下げることができ、高い熱効率と高い水素生産性を発揮することができ、小型化が可能になり、一酸化炭素含量が低いので、直接燃料電池などに付着して水素を供給できるようにする長所を提供する。また、優先酸化反応器(PrOx)を、さらに含み、一酸化炭素を可能なかぎり除去することによって、燃料電池の電極の活性が低下することなく、燃料電池を運転することができる長所も提供する。
【0039】
本発明に係る水素生産装置を利用する水素生産方法は、燃焼触媒を含む燃焼用プレート組立体と改質触媒を含む改質用プレート組立体とからなる少なくとも一つ以上の燃焼/改質兼用の第1単位反応装置11を含んでなり、上記プレート組立体が一側の表面上にマイクロチャネルが形成された一対のマイクロチャネルプレートを上記マイクロチャネルが対向する形で互いに対して結合して構成され、上記燃焼用プレート組立体は上記マイクロチャネル内に燃焼触媒を含み、上記改質用プレート組立体は上記マイクロチャネル内に改質触媒を含んでなる水素生産装置を利用して水素を生産する方法であって、(1)上記第1単位反応装置11の燃焼用プレート組立体41’に気体燃料と酸化剤を共に供給して上記燃焼用プレート組立体41’内で燃焼させ、その熱を用いて上記燃焼用プレート組立体41’に隣接する改質用プレート組立体41’’を加熱させる第1燃焼段階;及び(2)上記加熱された改質用プレート組立体41’’にメタノールと水の混合物からなる改質原料を供給して改質させ、水素を生産する改質段階;を含んでなる。上記第1燃焼段階で発生する燃焼熱を用いて改質用プレート組立体41’’に熱を供給し、この熱を用いて改質反応を遂行することができるようにする。それにより、燃焼反応をマイクロチャネルを含む単位反応装置の燃焼用プレート組立体41’で行い、それに隣接するように改質用プレート組立体41’’を積層して位置させることによって、改質反応が起こる改質用プレート組立体41’’を安定した運転温度である260〜320℃の温度範囲に一定に保持することによって、高いメタノール転換率と生成物中の水素の組成を高め、一酸化炭素の含量を下げることができ、高い熱効率と高い水素生産性を発揮できるようにした点に特徴がある。上記で、第1単位反応装置11の温度が260℃未満の場合、改質反応の温度が低くて、水素への転換率が低下される問題点があり、反対に320℃を超える場合、生成物中の一酸化炭素の含量が高まり、後続される優先酸化反応によっても一酸化炭素の濃度を十分に下げることができなくなり、水素の生産量が低下される問題点がある。一酸化炭素の濃度が相対的に高くなると、生成物としての水素を燃料電池の原料として直接導入することができない問題点がある。
【0040】
上記(1)の第1燃焼段階と上記(2)の改質段階との間で、熱交換用プレート組立体からなり、上記熱交換用プレート組立体は一側の表面上にマイクロチャネルが形成された一対のマイクロチャネルプレートを上記マイクロチャネルが対向する形で互いに対して結合して構成される第3単位反応装置12を上記第1単位反応装置11の燃焼用プレート組立体41’に連結し、上記第1単位反応装置11の燃焼用プレート組立体41’の出口に上記第3単位反応装置12のいずれか一つの熱交換用プレート組立体の入口を連結する第1連結段階;及び上記第1単位反応装置11の燃焼用プレート組立体41’より排気される排ガスを上記第3単位反応装置12のいずれか一つの熱交換用プレート組立体に連結し、別の一つの熱交換用プレート組立体に液体燃料を供給して気化させる第1気化段階;を、さらに含むことができる。上記第1連結段階によって上記第3単位反応装置12を上記第1単位反応装置11に連結し、上記第1単位反応装置11から放出される排ガスを利用して液体燃料を気化させ、この気化された燃料を、また上記第1単位反応装置11に供給して燃料として使用することによって、一旦、運転が開始されて上記第3単位反応装置が所定の温度、好ましくは80〜100℃の温度範囲に達すれば、気体燃料の使用を中断し、液体燃料を使用することによって、保管及び取扱いが不便な気体燃料の使用を最小化し、保管及び取扱いが一層簡便な液体燃料を使用することができるようにする点に特徴がある。上記第3単位反応装置の温度が80℃未満の場合、十分な量の液体燃料が気化されなくなる問題があり、実際に工程運転時、100℃を超える場合はない。
【0041】
上記(1)の第1燃焼段階と上記(2)の改質段階との間で、燃焼用プレート組立体と熱交換用プレート組立体とからなる第2単位反応装置13を上記第1単位反応装置11の改質用プレート組立体41’’に連結し、上記第2単位反応装置13の熱交換用プレート組立体の出口を上記第1単位反応装置11の改質用プレート組立体41’’の入口に連結する第2連結段階;上記第2単位反応装置13の燃焼用プレート組立体に気体燃料と酸化剤を共に供給して上記燃焼用プレート組立体内で燃焼させ、その熱を用いて上記燃焼用プレート組立体に隣接する熱交換用プレート組立体を加熱させる第2燃焼段階;上記第2単位反応装置13の熱交換用プレート組立体にメタノールと水の混合物からなる改質原料を供給して気化させる第2気化段階;及び上記第2気化段階で気化された改質原料を上記第1単位反応装置11の改質用プレート組立体41’’に供給する第1供給段階;を、さらに含むことができる。上記第2連結段階によって上記第2単位反応装置13を上記第1単位反応装置11に連結し、上記第2単位反応装置13の上記燃焼用プレート組立体内での燃焼反応による燃焼熱を用いて上記第1単位反応装置11内に流入され改質される原料を、まず気化させて改質反応が円滑に起きるようにすることによって、熱効率と水素への転換率を高めることができる。
【0042】
上記(1)の第1燃焼段階と上記(2)の改質段階との間で、熱交換用プレート組立体を含んでなる第4単位反応装置15を上記第2単位反応装置13の燃焼用プレート組立体に連結し、上記第4単位反応装置15のいずれか一つの熱交換用プレート組立体の出口を上記第2単位反応装置13の燃焼用プレート組立体の入口に連結し、上記熱交換用プレート組立体の入口を液体燃料供給源と連結する第3連結段階;上記第4単位反応装置15の別の一つの熱交換用プレート組立体の入口を上記第1単位反応装置11の改質用プレート組立体の出口に連結し、上記熱交換用プレート組立体の出口を生成物コレクタに連結する第4連結段階;及び上記第1単位反応装置11の改質用プレート組立体より放出される生成物流れが持っている熱を用いて上記第2単位反応装置13に供給される液体燃料を気化させる第3気化段階;を含むことができる。従って、上記第2単位反応装置13が所定の温度、好ましくは110〜200℃の温度範囲に到達し、上記第4単位反応装置15が上記第1単位反応装置11から放出される生成物流れによって十分に予熱されるまでは、気体燃料、即ち、水素を用いて運転し、上記第2単位反応装置13が所定の温度、好ましくは110〜200℃の温度範囲に達した後には、上記第4単位反応装置15に液体燃料、即ち、メタノールを供給し、これを上記第4単位反応装置15で気化させ、この気化された燃料を上記第2単位反応装置13に供給し、それ以上の気体燃料を使用することなく、液体燃料を気化させて使用することによって、保管及び取扱いが不便な気体燃料の使用を最小化し、保管及び取扱いが一層簡便な液体燃料を使用することできるようにする点に特徴がある。上記第3単位反応装置の温度が110℃未満の場合、十分な量の液体燃料が気化されなくなる問題点があり、実際に工程運転時、200℃を超える場合はない。
【0043】
本発明に係る水素生産装置を利用する水素生産方法は、少なくとも一つ以上の燃焼/改質兼用の第1単位反応装置と、少なくとも一つ以上の気化用の第2単位反応装置、及び少なくとも一つ以上の熱交換用の第3単位反応装置を含んでなり、上記第1単位反応装置が改質触媒を含む改質用プレート組立体と燃焼触媒を含む燃焼用プレート組立体とからなり、上記第2単位反応装置が燃焼用プレート組立体と熱交換用プレート組立体を含んでなり、上記第3単位反応装置が熱交換用のプレート組立体を含み、上記第1単位反応装置の燃焼用プレート組立体が上記第3単位反応装置の熱交換用プレート組立体中のいずれか一つに連結され、上記3単位反応装置の別の一つの熱交換用プレート組立体が上記第1単位反応装置の上記燃焼用プレート組立体に連結され、上記第2単位反応装置の熱交換用プレート組立体が上記第1単位反応装置の改質用プレート組立体に連結されてなる水素生産装置を利用して水素を生産する方法であって、(1)上記第1単位反応装置の燃焼用プレート組立体に気体燃料と酸化剤を供給して燃焼させる第1燃焼段階;(2)上記第1燃焼段階で上記燃焼用プレート組立体から排出される排ガスを上記第3単位反応装置のいずれか一つの熱交換用プレート組立体を経由して排出させて上記第3単位反応装置を80〜100℃の温度範囲に予熱させる第1予熱段階;(3)上記第3単位反応装置の別の一つの熱交換用プレート組立体を経由して液体燃料を供給、気化させて上記第1単位反応装置の燃焼用プレート組立体に供給し、同時に酸化剤を共に供給して燃焼させて上記第1単位反応装置を260〜320℃に加熱させる第2燃焼段階;(4)上記第2単位反応装置の上記燃焼用プレート組立体に気体燃料と酸化剤を供給して燃焼させて上記第2単位反応装置を110〜200℃に加熱させる第3燃焼段階;(5)上記第2単位反応装置の上記熱交換用プレート組立体に改質のための原料としてのメタノールと水の混合物を通過させることによって気化させて上記第1単位反応装置の上記改質用プレート組立体に供給する気化段階;及び(6)上記気化段階で気化された原料を上記第1単位反応装置の上記改質用プレート組立体に通過させて水素に改質させる改質段階;を含んでなることを特徴とする。
【0044】
上記するような本発明に係る水素生産装置を利用して水素の生産において、最適の実施例としては上述の方法が使用されれば良い。
【0045】
即ち、改質反応を開始するためには、まず水素と空気または酸素の混合気体を上記第1単位反応装置11に供給して上記燃焼用プレート組立体41’内で燃焼させ、この時、発生した熱を排ガスと共に第3単位反応装置12を経由して排気され、上記第3単位反応装置12には液体燃料メタノールを供給してメタノールを気化させた後、これを、また上記第1単位反応装置11に供給して燃焼反応を継続させる。ここで、メタノールによる燃焼反応が開始されれば、気体燃料である水素はその供給を中断し、水素を空気または酸素の混合気体と共に上記第2単位反応装置13に転換、供給させる。一方、上記第1単位反応装置11の温度が260〜320℃に達するまでメタノールの注入量を調節して燃焼反応を継続させ、上記温度に達すれば、上記第1単位反応装置11の改質用プレート組立体41’’に原料としてメタノールと水の混合物を供給して改質反応を行い、その生成物流れである水素の流れを上記第4単位反応装置15に供給する。また、上記第4単位反応装置15では液体燃料としてのメタノールを気化させて上記第2単位反応装置13に供給する。また上記第2単位反応装置13で燃焼反応が行われ、その温度が110〜200℃に達すれば、本発明に係る水素生産装置の運転開始段階が終了され、持続的に液体燃料であるメタノールのみを使用しながら上記第1単位反応装置11と第2単位反応装置13で燃焼反応を継続し、上記第1単位反応装置11の改質用プレート組立体41’’内で原料としてのメタノールと水の混合物を改質させて水素を持続的に生産できるようになる。
【0046】
以下では、本発明の好ましい実施例及び比較例を説明する。
【0047】
以下の実施例は本発明を例示するためのものであり、本発明を何ら制限するものではない。
【0048】
[実施例1]
改質触媒として銅/亜鉛/アルミニウム酸化物を4/4/2の重量比で球共沈法によって合成したものを用いて、第1単位反応装置の改質用プレート組立体のマイクロチャネルプレート一つ当たり0.6gの量でコーティングして改質用プレート組立体を構成し、燃焼触媒としてα−酸化アルミニウムをマイクロチャネルプレートに、まずコーティングし、白金の量がα−酸化アルミニウムに対して、約3重量%になるようにして白金水溶液を添加した後、乾燥及び焼成したものを用いて、燃焼用プレート組立体を構成した。このように構成された改質用プレート組立体の6個と燃焼用プレート組立体の5個を交互に積層して上記第1単位反応装置を構成し、優先酸化反応器(PrOx)を付着しない状態で、上記第1単位反応装置が約300℃になるように調節して運転を開始し、改質反応を遂行した。このとき、改質原料としてのメタノールと水の混合比は50:50であり、上記第1単位反応装置内に供給される改質原料の流速は、3cc/分に調節し、燃料としてのメタノールの流速は1.1cc/分に調節した。このような運転条件で、上記第1単位反応装置が上記した温度に達するまでの時間は、約90分程度かかった。上記第1単位反応装置が300℃で運転されるとき、改質後、生成物の組成比は水分を除去した乾燥重量基準に水素 74.8%、二酸化炭素 24.4%、一酸化炭素 0.84%として分析された。
【0049】
改質反応に加わったメタノールの量に基づいたとき、メタノールの転換率は99.5%であった。運転効率を表わす熱効率は下記数式1で計算した。下記数式1は本発明で先行技術として言及された小型メタノール水蒸気改質装置を記述したパシフィックノースウエスト国立研究所の論文(例えば、非特許文献1)に記載に従って客観的に対比した。
【0050】
[数式1]
運転効率 =(ΔH)/(ΔH total CHOH)
CHOH(液体)+1.5O=CO+2HO(液体) ΔH=−726kJ/mol
+0.5O=HO(気体) ΔH=−242kJ/mol
【0051】
式中、ΔHcHは生成された水素の総エンタルピーであり、ΔH total CHOHは改質反応と燃焼反応に加わったメタノール全体の総エンタルピーである。
【0052】
上記式に基づいて計算した結果、本発明に係る水素生産装置の熱効率は59.5%であった。また、優先酸化反応器(PrOx)を連結した後、生成物である水素中の一酸化炭素含量は70ppmまで低下されることが分かる。このときの熱効率は、優先酸化反応中の一部水素も一緒に反応されるので、56.7%に低下されて現れていることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明によって燃焼触媒及び/又は改質触媒がコーティングしてなるマイクロチャネルを含む単位反応装置を含んでなる水素生産装置と、それを用いた水素生産方法によれば、マイクロチャネル上に改質触媒を含む改質用プレート組立体と、マイクロチャネル上に燃焼触媒を含む燃焼用プレート組立体を含む単位反応装置とを用いて、これらを互いに対して隣接するように積層し、燃焼反応及び改質反応を遂行させ、改質反応が一定の温度範囲に保持されながら進行され、燃焼反応が、改質反応が起こる所に隣接するように構成されているので、燃焼反応で発生した熱が早く改質反応に伝達され、マイクロチャネル内で高い反応速度を保持しながら燃焼反応と改質反応が行われ、99%以上のメタノール転換率と、59.5%以上の高い熱効率で水素を生産することを可能にする効果がある。また、マイクロチャネルを利用して燃焼反応と改質反応が全て可能になり、熱交換による気化などを可能にして水素生産装置自体を極めて小型化することができ、メタノールなどのアルコールを燃料として燃料電池システムなどに水素を供給し、高い熱効率と高い水素転換率で水素を生産できるように考案された水素生産装置及びそれを用いた水素生産方法を提供する効果がある。さらに、燃焼用プレート組立体と改質用プレート組立体を単位体に構成することで、これらのプレート組立体の積層数を調節することだけで、水素の生産量を任意に調節しうる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る水素生産装置の全体構成を概略的に示した模式図である。
【図2】図1の水素生産装置で使用される単位反応装置を分解して示した分解斜視図である。
【図3】本発明に係る水素生産装置の一つの具体的な実施例を分解して撮影した写真である。
【図4】図2の単位反応装置を構成するプレート組立体のみを分解して示した分解斜視図である。
【図5】図4のプレート組立体を構成するマイクロチャネルプレートの平面図である。
【図6】本発明に係る単位反応装置を構成するプレート組立体に使用されるガスケットの平面図である。
【図7】図2の単位反応装置を構成するプレート組立体の側断面図である。
【符号の説明】
【0055】
11 第1単位反応装置
12 第3単位反応装置
13 第2単位反応装置
14 優先酸化反応器(PrOx)
15 第4単位反応装置
21 水素供給源
22 第1酸素供給源
23 流路変更バルブ
24 第1燃料供給源
25 第2酸素供給源
26 第2燃料供給源
27 原料供給源
28 第3酸素供給源
31 フィルタ
41 単位反応装置
41’ 燃焼用プレート組立体
41’’ 改質用プレート組立体
42、42’ 上・下ケース
43 燃焼器入口
43’ 燃焼器出口
44 改質器入口
44’ 改質器出口
45、45’ マイクロチャネルプレート
46、46’ 入口
47、47’ 出口
48、48’ 第1連結口
49、49’ 第2連結口
51、51’ マイクロチャネル
52、52’ 隔壁
53、53’ 遮断壁
54、54’ 収斂溝
55、55’ 収斂突起
61 ガスケット
62 開口
63 貫通孔
71 チャネル形成空間
72 触媒コーティング部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼触媒を含む燃焼用プレート組立体と改質触媒を含む改質用プレート組立体とからなる少なくとも一つ以上の燃焼/改質兼用の第1単位反応装置を含んでなり、
上記プレート組立体が一側の表面上にマイクロチャネルが形成された一対のマイクロチャネルプレートを上記マイクロチャネルがお互いに対向する形で互いに結合して構成され、上記燃焼用プレート組立体は上記マイクロチャネル内に燃焼触媒を含み、上記改質用プレート組立体は上記マイクロチャネル内に改質触媒を含んでなることを特徴とする水素生産装置。
【請求項2】
上記燃焼用プレート組立体と改質用プレート組立体とからなる上記第1単位反応装置が、上記燃焼用プレート組立体と改質用プレート組立体が交互に積層されてなることを特徴とする請求項1に記載の水素生産装置。
【請求項3】
上記燃焼触媒が白金(platinum)、ロジウム(rhodium)、ルテニウム(ruthenium)、オスミウム(osmium)、イリジウム(iridium)、及びパラジウム(palladium)のような白金族元素、金、銀、銅及びその混合物よりなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の水素生産装置。
【請求項4】
上記燃焼触媒が、触媒支持体を、まずコーティングし、燃焼触媒を燃焼触媒の量が上記触媒支持体に対して、0.1〜5重量%になるように添加した後、乾燥、焼成処理し、担持させて形成されることを特徴とする請求項3に記載の水素生産装置。
【請求項5】
上記触媒支持体が、酸化アルミニウム、α−酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム(ZrO)、シリカ(SiO)、またはその混合物よりなる群から選択されることを特徴とする請求項4に記載の水素生産装置。
【請求項6】
上記改質触媒が、銅/酸化セリウム/酸化ジルコニウム(Cu/CeO/ZrO)の合成物、銅/酸化亜鉛/酸化アルミニウム(Cu/ZnO/Al)の合成物、銅/酸化セリウム/酸化アルミニウム(Cu/CeO/Al)の合成物、銅/酸化ジルコニウム/酸化アルミニウム(Cu/ZrO/Al)の合成物、及び銅−亜鉛−アルミニウム(CuZnAl)酸化物固溶体よりなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の水素生産装置。
【請求項7】
上記改質触媒が、銅:亜鉛:アルミニウム酸化物を3〜5:3〜5:1〜3の重量比で球共沈法によって合成することを特徴とする請求項6に記載の水素生産装置。
【請求項8】
上記第1単位反応装置を構成する単位反応装置が、2個の金属ブロックからなるケースを含み、上記ケース間に上記燃焼用プレート組立体と改質用プレート組立体とが多数交互に積層されてなることを特徴とする請求項1に記載の水素生産装置。
【請求項9】
上記単位反応装置を構成する上記プレート組立体が、一側の表面上にマイクロチャネルが形成された一対のマイクロチャネルプレートを上記マイクロチャネルが対向する形で互いに結合してなることを特徴とする請求項8に記載の水素生産装置。
【請求項10】
銅板からなるガスケットを、さらに含んでなることを特徴とする請求項8に記載の水素生産装置。
【請求項11】
上記マイクロチャネルプレートが一つの入口と一つの出口が互いに対して対角線上に位置し、また第1連結口と第2連結口が互いに対して対角線上に位置し、上記入口と出口との間に、これらの入口と出口を含んで表面から一定深さを有する溝が形成されてなることを特徴とする請求項9に記載の水素生産装置。
【請求項12】
上記入口と出口の近くに、これらの入口または出口から多数のマイクロチャネルに燃料または原料を拡散するか、またはこれらの入口または出口に燃料または原料が収集されるように、これらの燃料または原料の流れを制限する収斂溝及び収斂突起が多数形成されてなることを特徴とする請求項11に記載の水素生産装置。
【請求項13】
上記第1単位反応装置に第3単位反応装置12が、さらに連結されてなることを特徴とする請求項1に記載の水素生産装置。
【請求項14】
上記第3単位反応装置が熱交換用プレート組立体を含んでなり、上記熱交換用プレート組立体は一側の表面上にマイクロチャネルが形成された一対のマイクロチャネルプレートを上記マイクロチャネルが対向する形で互いに対して結合して構成され、上記熱交換用プレート組立体は燃焼触媒または改質触媒などのような触媒を含まないように構成されることを特徴とする請求項13に記載の水素生産装置。
【請求項15】
上記第1単位反応装置に第2単位反応装置が、さらに連結されてなることを特徴とする請求項1に記載の水素生産装置。
【請求項16】
上記第2単位反応装置が燃焼用プレート組立体と熱交換用プレート組立体とからなることを特徴とする請求項15に記載の水素生産装置。
【請求項17】
上記第2単位反応装置と上記第1単位反応装置との間に第4単位反応装置が、さらに連結されてなることを特徴とする請求項15に記載の水素生産装置。
【請求項18】
上記第4単位反応装置が熱交換用プレート組立体を含んでなることを特徴とする請求項17に記載の水素生産装置。
【請求項19】
上記第1単位反応装置に優先酸化反応器(PrOx)が、さらに連結されてなることを特徴とする請求項1に記載の水素生産装置。
【請求項20】
上記第1単位反応装置と上記優先酸化反応器(PrOx)との間にフィルタが連結されてなることを特徴とする請求項19に記載の水素生産装置。
【請求項21】
少なくとも一つ以上の燃焼/改質兼用の第1単位反応装置、少なくとも一つ以上の気化用の第2単位反応装置、及び少なくとも一つ以上の熱交換用の第3単位反応装置を含んでなり、
上記第1単位反応装置が燃焼触媒を含む燃焼用プレート組立体と改質触媒とを含む改質用プレート組立体を含み、上記第2単位反応装置が燃焼用プレート組立体と熱交換用プレート組立体とを含み、上記第3単位反応装置が熱交換用のプレート組立体を含み、上記第1単位反応装置の燃焼用プレート組立体が上記第3単位反応装置の熱交換用プレート組立体中のいずれかに一つに連結され、上記3単位反応装置の別の一つの熱交換用プレート組立体が上記第1単位反応装置の上記燃焼用プレート組立体に連結され、上記第2単位反応装置の熱交換用プレート組立体が上記第1単位反応装置の改質用プレート組立体に連結されてなることを特徴とする水素生産装置。
【請求項22】
請求項1に記載の水素生産装置を用いる水素生産方法であって、
(1)上記第1単位反応装置の燃焼用プレート組立体に気体燃料と酸化剤を共に供給して上記燃焼用プレート組立体内で燃焼させ、その熱を用いて上記燃焼用プレート組立体に隣接する改質用プレート組立体を加熱させる第1燃焼段階;及び
(2)上記加熱された改質用プレート組立体にメタノールと水の混合物からなる改質原料を供給して改質させて水素を生産する改質段階;
を含んでなることを特徴とする水素生産方法。
【請求項23】
上記第1単位反応装置の温度を260〜320℃の範囲に一定に保持することを特徴とする請求項22に記載の水素生産方法。
【請求項24】
上記第1燃焼段階(1)と上記改質段階(2)との間で、熱交換用プレート組立体を含み、上記熱交換用プレート組立体は一側の表面上にマイクロチャネルが形成された一対のマイクロチャネルプレートを上記マイクロチャネルが対向する形で互いに対して結合してなる第3単位反応装置を上記第1単位反応装置の燃焼用プレート組立体に連結し、上記第1単位反応装置の燃焼用プレート組立体の出口に上記第3単位反応装置のいずれか一つの熱交換用プレート組立体の入口に連結させる第1連結段階;及び
上記第1単位反応装置の燃焼用プレート組立体より排気される排ガスを上記第3単位反応装置のいずれか一つの熱交換用プレート組立体に連結し、別の一つの熱交換用プレート組立体に液体燃料を供給して気化させる第1気化段階;
を、さらに含んでなることを特徴とする請求項22に記載の水素生産方法。
【請求項25】
上記第3単位反応装置の温度を80〜100℃の範囲に一定に保持することを特徴とする請求項24に記載の水素生産方法。
【請求項26】
上記第1燃焼段階(1)と上記改質段階(2)との間で、燃焼用プレート組立体と熱交換用プレート組立体とを含む第2単位反応装置を上記第1単位反応装置の改質用プレート組立体に連結し、上記第2単位反応装置の熱交換用プレート組立体の出口を上記第1単位反応装置の改質用プレート組立体の入口に連結する第2連結段階;
上記第2単位反応装置の燃焼用プレート組立体に気体燃料と酸化剤を共に供給して上記燃焼用プレート組立体内で燃焼させ、その熱を用いて上記燃焼用プレート組立体に隣接する熱交換用プレート組立体を加熱させる第2燃焼段階;
上記第2単位反応装置の熱交換用プレート組立体にメタノールと水の混合物からなる改質原料を供給して気化させる第2気化段階;及び
上記第2気化段階で気化された改質原料を上記第1単位反応装置の改質用プレート組立体に供給する第1供給段階;
を、さらに含んでなることを特徴とする請求項22に記載の水素生産方法。
【請求項27】
上記第1燃焼段階(1)と上記改質段階(2)との間で、熱交換用プレート組立体を含む第4単位反応装置を上記第2単位反応装置の燃焼用プレート組立体に連結し、上記第4単位反応装置のいずれか一つの熱交換用プレート組立体の出口を上記第2単位反応装置の燃焼用プレート組立体の入口に連結し、上記熱交換用プレート組立体の入口を液体燃料供給源と連結する第3連結段階;
上記第4単位反応装置の別の一つの熱交換用プレート組立体の入口を上記第1単位反応装置の改質用プレート組立体の出口に連結し、上記熱交換用プレート組立体の出口を生成物コレクタに連結する第4連結段階;及び
上記第1単位反応装置の改質用プレート組立体より放出される生成物流れが有する熱を用いて上記第2単位反応装置に供給される液体燃料を気化させる第3気化段階;
を含んでなることを特徴とする請求項22に記載の水素生産方法。
【請求項28】
上記第2単位反応装置の温度を110〜200℃の範囲に一定に保持することを特徴とする請求項27に記載の水素生産方法。
【請求項29】
請求項21に記載の水素生産装置を用いる水素生産方法であって、
(1)上記第1単位反応装置の燃焼用プレート組立体に気体燃料と酸化剤を供給して燃焼させる第1燃焼段階;
(2)上記第1燃焼段階で上記燃焼用プレート組立体から排出される排ガスを上記第3単位反応装置のいずれか一つの熱交換用プレート組立体を経由して排出させ、上記第3単位反応装置の温度を80〜100℃の範囲に予熱する第1予熱段階;
(3)上記第3単位反応装置の別の一つの熱交換用プレート組立体を経由して液体燃料を供給、気化して上記第1単位反応装置の燃焼用プレート組立体に供給し、同時に酸化剤を供給して燃焼させて上記第1単位反応装置の温度を260〜320℃に加熱する第2燃焼段階;
(4)上記第2単位反応装置の上記燃焼用プレート組立体に気体燃料と酸化剤を供給して燃焼させ、上記第2単位反応装置の温度を110〜200℃に加熱する第3燃焼段階;
(5)上記第2単位反応装置の上記熱交換用プレート組立体に改質のため原料としてのメタノールと水の混合物を通過させることによって気化させ、上記第1単位反応装置の上記改質用プレート組立体に供給する気化段階;及び
(6)上記気化段階で気化された原料を上記第1単位反応装置の上記改質用プレート組立体に通過させて水素に改質させる改質段階;
を含んでなることを特徴とする水素生産方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−529953(P2008−529953A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556092(P2007−556092)
【出願日】平成18年4月3日(2006.4.3)
【国際出願番号】PCT/KR2006/001219
【国際公開番号】WO2006/109949
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】