説明

油中水型乳化組成物

【課題】粉末として通常香粧品に使用されている疎水性のものを用いて乳化安定性に優れ、べたつき感が少ない油中水型乳化組成物を提供する。
【解決手段】(a)水に分散しない粉末成分を1〜40質量%と、(b)親水性界面活性剤を0.001〜1質量%と、(c)油相成分と、(d)水相成分とを配合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は油中水型乳化組成物に関し、さらに詳しくは、界面活性剤量が少なく、べたつきのなさに優れ、しかも安定性の良い油中水型乳化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品等に用いられる油中水型乳化組成物は、添加されている界面活性剤の乳化作用により、水性成分と油性成分を安定的に混合せしめている。
しかしながら、界面活性剤はべたつきの強い物質であるため、使用感触の良好な化粧品を調製するためには出来る限りこれを減量または抜去することが望まれていた。
界面活性剤を用いず、粉末を界面に吸着させることによって調製するエマルションは、ピッカリングエマルションとして従来知られている。ピッカリングエマルションの調製に関しては、これまで数多くの研究成果が報告されており(例えば非特許文献1)、香粧品の分野においても、その活用が提案されてきた(特許文献1)。
安定なピッカリングエマルションの調製には、親水性及び親油性の両特性を有する両親媒性粉末を用いることが必須で(例えば特許文献2)、親水性、あるいは親油性が高すぎ、もう一方の相になじまないような粉末では安定なエマルションが調製できないことが知られている(非特許文献2)。
一方で、香粧品に用いられる粉末は、水相あるいは油相への分散性を良好にするために親水性か親油性かに偏っているのが普通であり、乳化する能力はほとんど持たない。従って、香粧品にピッカリングエマルション技術を適用するには、両親媒性粉末を新たに合成する必要があったが、粉末の合成にはコストがかかるため、既存の粉末を用いて、安定なピッカリングエマルションを調製する技術が望まれていた。
【0003】
【特許文献1】特許第2656226号公報
【特許文献2】特表2001−518111号公報
【非特許文献1】B.Binks et. al, Advances in Colliod and Interface Science 100−102,503−546(2003)
【非特許文献2】B.Binks et. al, Langmuir 16,8622−8631,(2000)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記事情を鑑みて行われたものであり、乳化安定性に優れ、べたつき感が少ない油中水型乳化組成物を、通常香粧品に使用されている疎水性の高い粉末を用いて提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために本発明者らは鋭意研究を行った結果、粉末、油相成分、水相成分、および特定量の親水性界面活性剤を配合した油中水型乳化組成物が優れた乳化安定性及びべたつき感のなさを有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明は、(a)水に分散しない粉末成分を1〜40質量%、(b)親水性界面活性剤を0.001〜1質量%、(c)油相成分、(d)水相成分、を含有することを特徴とする油中水型乳化組成物である。
【発明の効果】
【0007】
従来の粉末乳化では、粉末表面を両親媒性に改質した粉末を用いて乳化を行っていたが、本発明においては、粉末は通常香粧品に使用されている疎水性のものをそのまま利用し、水相に親水性界面活性剤を特定量添加するだけで、乳化安定性に優れ、べたつき感が少ない油中水型乳化組成物を調製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明の最良の実施の形態について説明する。
本発明の油中水型乳化組成物は、従来のピッカリングエマルションの構成成分である油相、水相、及び粉末成分に加え、親水性界面活性剤を特定量と、必要に応じて親油性非イオン性界面活性剤を特定量含有するものであり、常法により製造することができる。
【0009】
本発明における水に分散しない粉末成分としては、疎水化処理粉末や疎水性の樹脂粉末等を指す。「水に分散しない粉末」とは、粉末を水に強制的に分散した場合、水相と粉末とが完全に分離し、水相が透明となるような粉末を意味する。
【0010】
疎水化処理粉末は、疎水化処理剤としてメチルハイドロジェンポリシロキサンやシランカップリング剤などのシリコーン系化合物、金属石鹸、パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩やパーフルオロアルキルシランなどの有機フッ素化合物、デキストリン脂肪酸エステル等により処理された粉末である。
【0011】
疎水化処理を施す粉末はどんなものでもよく、例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー)、無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等)、無機赤色系顔料(例えば、チタン酸鉄等)、無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等)、無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等)、無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等)、パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等)、金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等)、ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等)、天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)が挙げられる。
【0012】
また、第四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤や疎水性の非イオン性界面活性剤で処理した水膨潤性の粘土鉱物(例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、フッ素四ケイ素雲母等)や、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等)も用いることができる。
【0013】
撥水性の有機粉末としては、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリエステル粉末、ポリウレタン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、ポリメチルシルセスキオキサン等のシリコーン樹脂粉末、疎水化処理したセルロース粉やでんぷん粉末等も用いることが出来る。疎水性粉末単独で用いることも2種以上を配合することもできる。また、粉末に金属酸化物等を被覆させて得られる複合粉体や、粉末表面を化合物等で処理した改質粉体を、被疎水化処理粉体として用いてもよい。
【0014】
本発明で用いられる(a)成分の粉末の粒径には特に規定はないが、香粧品へ配合する際の扱い易さや、乳化安定性の観点からいえば、粒子径が1〜200nmであるものが好ましいが、これより大きいものでも乳化物の調製は可能である。
【0015】
本発明の油中水型乳化組成物における粉末成分の配合量としては、エマルション全量に対し1〜40質量%であり、5〜25質量%が特に好適である。配合量が5質量%未満であると乳化が十分に進まないことがあり、25質量%を超えるときしきし感が上がる傾向にある。
【0016】
本発明で用いられる親水性界面活性剤は、最大の水への溶解度が5質量%以上のものを指す。水に分散しない粉末、水、油のみでは油中水型乳化組成物は調製されないが、水相中に親水性界面活性剤を適量加えることにより、乳化状態が顕著に良好になる。
【0017】
本発明における親水性界面活性剤を例示すれば、非イオン性であれば、ポリオキシエチレン付加(以下POEと略す)オレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POEラウリルエーテル、POEアルキルフェニルエーテル、POEベヘニルエーテル、POE−デシルペンタデシルエーテル、POE−デシルテトラデシルエーテル、POE−デシルテトラデシルエーテル、POE−オクチルデシルエーテル等のエーテル型活性剤、およびPOE(硬化ヒマシ油、POE脂肪酸モノエステル、POE脂肪酸ジエステル、POEソルビタン脂肪酸エイテル等のエステル型活性剤、更にPOEグルセリルモノイソステアレート、POEグルセリルトリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート等のエーテルエステル型活性剤等のエチレンオキシド付加型界面活性剤、及びデカグリセリルテトラオレート、ヘキサグリセリルトリイソステアレート、テトラグリセリルジイソステアレート、ジグリセリルジイソステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリルモノイソステアレート、グリセリルモノオレート等のグリセリン脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪酸エーテル型界面活性剤、ノニオン変性シリコーン活性剤、例えば下記式(1)で示されるジメチルポリシロキサンポリオキシアルキレン共重合体等の変性シリコーン:
【0018】
【化1】

【0019】
(式中、R1は水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、mは平均で1〜150の数を表し、nは平均で1〜50の数を表し;a、bは平均で0〜35の数を表す)
またPOEとPOP、POPとPOBのブロック共重合体の他、下記一般式(2)で表される化合物:
O−[(AO)(EO)]−R …(2)
(式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、mおよびnはそれぞれ前記オキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、2≦m≦70、2≦n≦70である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基はブロック状に付加しており、炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は20〜80質量%である。RおよびRは同一もしくは異なっていてもよく炭素数1〜4の炭化水素基または水素原子であり、RおよびRの炭化水素基数に対する水素原子数の割合は0.15以下である。)などが挙げられる。
【0020】
イオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、エ−テルカルボン酸及びその塩、アルカンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、高級脂肪酸アミドのスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、高級アルコ−ル硫酸エステル塩、二級高級アルコ−ル硫酸エステル塩、アルキル及びアルキルアリルエ−テル硫酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロ−ルアミドの硫酸エステル塩、硫酸化油、リン酸エステル塩、アミノ酸、コラ−ゲン加水分解物と高級脂肪酸縮合物、コラ−ゲン加水分解物誘導体等のアニオン性界面活性剤、及びアルキルアミン塩、ポリアミンまたはアルカノ−ルアミン脂肪酸誘導体、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモルホリニウム塩等のカチオン界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤等を用いることができる。
【0021】
これら親水性界面活性剤は単独で配合してもよいし、併せて配合してもよい。配合量は総量で0.001〜1質量%であり、0.1〜0.5質量%が特に好適である。配合量が0.1質量%未満であると乳化が十分に進まないことがあり、1質量%を超えると親水性界面活性剤のべたつき感が感じられたり、水中油型乳化組成物が調製される傾向にある。
【0022】
本発明における親油性非イオン性界面活性剤は、水に対する溶解度が3質量%未満のものを示す。界面活性剤の種類は特に限定されない。配合されていなくとも安定な乳化組成物は調製できるが、少量加えた方が安定な乳化物が調製できる。効果を発揮するには配合量は0.001〜0.5質量%が好適であり、より好ましくは0.01〜0.1質量%である。0.5質量%を超えて配合すると、乳化安定性は逆に悪化する傾向にある。
【0023】
本発明における親油性非イオン性界面活性剤を例示すれば、ポリオキシエチレン付加(以下POEと略す)オレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POEラウリルエーテル、POEアルキルフェニルエーテル、POEベヘニルエーテル、POE−デシルペンタデシルエーテル、POE−デシルテトラデシルエーテル、POE−デシルテトラデシルエーテル、POE−オクチルデシルエーテル等のエーテル型活性剤、およびPOE(硬化ヒマシ油、POE脂肪酸モノエステル、POE脂肪酸ジエステル、POEソルビタン脂肪酸エイテル等のエステル型活性剤、更にPOEグルセリルモノイソステアレート、POEグルセリルトリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート等のエーテルエステル型活性剤等のエチレンオキシド付加型界面活性剤、及びデカグリセリルテトラオレート、ヘキサグリセリルトリイソステアレート、テトラグリセリルジイソステアレート、ジグリセリルジイソステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリルモノイソステアレート、グリセリルモノオレート等のグリセリン脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪酸エーテル型界面活性剤、ノニオン変性シリコーン活性剤、例えば下記式で示されるジメチルポリシロキサンポリオキシアルキレン共重合体等の変性シリコーン、またPOE、POP共重合体、POP,POB共重合体などが挙げられる。親油性界面活性剤の1種類を単独で用いることも2種以上を配合することもできる。
【0024】
本発明の油中水型乳化組成物に含まれる油相成分としては、液体油脂として、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
【0025】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0026】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、 POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0027】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0028】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0029】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
【0030】
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、 12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0031】
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)、アクリルシリコーン類等が挙げられる。
【0032】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6-ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE-テトラハイドロフルフリルアルコール;POP-ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテルリン酸;POP・POE-ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0033】
本発明の油中水型乳化組成物には、上記成分の他、その効果を損なわない範囲において、通常化粧料や医薬部外品に用いられる成分を配合することができ、常法に応じて製造される。配合可能な成分には制限はないが、例えば保湿剤、単糖、オリゴ糖、有機アミン、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等)、美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等)、各種抽出物(例えば、ショウガ、ウバク、オウレン、シコン、バーチ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、ボタン、海藻等)、賦活剤(例えば、パンテニールエチルエーテル、ニコチン酸アミド、ビオチン、パントテン酸、ローヤルゼリー、コレステロール誘導体等)、抗脂漏剤(例えば、ピリドキシン類、チアントール等)、香料、色素等が挙げられる。
【0034】
保湿剤としては、例えば、低分子量のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0035】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール等);五炭糖(例えば、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース等);六炭糖(例えば、D−グルコース、D−タロース、D−ブシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2−デオキシ−D−リボース、6−デオキシ−L−ガラクトース、6−デオキシ−L−マンノース等);アミノ糖(例えば、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等)等が挙げられる。
【0036】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α-トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム) 、アシルグルタミン酸塩、アシルβ-アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0037】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
【0038】
紫外線防御剤としては、有機化合物である紫外線吸収剤として、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等);3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー;2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール;2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン;5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等が挙げられる。
無機化合物である紫外線吸収剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム、又はこれらを含む複合粉末等が挙げられる。
【0039】
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0040】
また、本発明の油中水型乳化組成物の剤型に規定はなく、ローション状、乳液状、クリーム状、ジェル状等、処方成分や使用目的等によって適宜決定すればよい。
【実施例】
【0041】
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれによって限定されるものではない。配合量については、断りのない限り質量%とする。
初めに、実施例で用いた評価法について説明する。
【0042】
評価(1):乳化安定性(外観)
エマルション調製後1日以内に、エマルションの外観を肉眼で観察した。
○:試料は均一で、水離しや粉の凝集を認めなかった。
△:試料はほぼ均一であるが、わずかな水離しなどを認めた。
×:試料が均一でないか、著しい水相の分離、もしくは粉の凝集を認めた。
【0043】
評価(2):乳化安定性(乳化粒子)
試料を光学顕微鏡で観察した。
○:乳化粒子は均一で、合一や凝集を認めなかった。
△:乳化粒子はほぼ均一であるが、わずかな合一や凝集などを認めた。
×:乳化粒子が均一でなく、著しい合一や凝集を認めた。
【0044】
評価(3):塗布時のべたつき感の評価
専門パネル10名によって、各々の試料の実使用試験を実施した。評価基準は以下のとおりである。
◎:パネル8名以上が、塗布中べたつき感がないと認めた。
○:パネル6名以上8名未満が、塗布中べたつき感がないと認めた。
△:パネル3名以上6名未満が、塗布中べたつき感がないと認めた。
×:パネル3名未満が、塗布中べたつき感がないと認めた。
【0045】
評価(4):塗布後のきしみ感の評価
専門パネル10名によって、各々の試料の実使用試験を実施した。評価基準は以下のとおりである。
◎:パネル8名以上が、塗布後にきしみ感がないと認めた。
○:パネル6名以上8名未満が、塗布後にきしみ感がないと認めた。
△:パネル3名以上6名未満が、塗布後にきしみ感がないと認めた。
×:パネル3名未満が、塗布後にきしみ感がないと認めた。
【0046】
実施例1〜4
表1に記載した配合組成よりなる油中水型乳化組成物を製造し、各試料について、上記評価(1)〜(2)に関する評価試験を行い、配合する親水性界面活性剤の種類について検討を行った。製剤の調製は、粉末15を分散した油相(9〜14)中に、水相(1〜8)を添加しながら乳化する方法で行った。
【0047】
【表1】

【0048】
表1中の実施例1〜4において、いずれも乳化安定性の良好な油中水型乳化組成物が調製できた。以上のことから、添加する親水性の界面活性剤の種類については特に限定されないことがわかる。
【0049】
実施例5〜6、比較例1〜3
表2に記載した配合組成よりなる油中水型乳化組成物を製造し、各試料について、上記評価(1)〜(3)に関する評価試験を行い、親水性界面活性剤の好適な配合量について検討を行った。
【0050】
【表2】

【0051】
表2より、親水性界面活性剤を配合しなかった比較例1においては、乳化できなかった。親水性界面活性剤を0.0001質量%加えた比較例2は、攪拌直後はドレッシング状に均一に混合されたものの、すぐに2層に分離してしまった。親水性界面活性剤を0.1質量%および0.5質量%加えた実施例5、実施例6は、乳化性が良好で、べたつき感も感じられなかった。親水性の界面活性剤を5質量%加えた比較例3においては、乳化性は良好であったものの、べたつき感が高かった。
【0052】
実施例7〜9、比較例4〜5
粉末の好適な配合量を調べるために、表3に記載した配合組成よりなる油中水型乳化組成物を常法により製造し、各試料について、上記評価(1)〜(2)、(4)に関する評価試験を行った。
【0053】
【表3】

【0054】
表3より、粉末(疎水化処理酸化亜鉛)を0.5質量%配合した比較例4については、乳化できなかった。粉末を4質量%配合した実施例7については、乳化粒子はやや粗大であったが外観は均一であり、低いきしみ感を示した。粉末を12質量%および22質量%配合した実施例8、実施例9のエマルションは、乳化安定性が良好で、かつきしみ感も低かった。粉末を42質量%配合した比較例5は、ペースト状になり、きしみ感も非常に強かった。
【0055】
参考例1〜3
親油性界面活性剤の好適な配合量を調べるために、表4に記載した配合組成よりなる油中水型乳化組成物を常法により製造し、各試料について、上記評価(1)〜(4)に関する評価試験を行った。
【0056】
【表4】

【0057】
表4より、親油性の界面活性剤を配合しなかった参考例1は、経時で乳化粒子の合一が若干認められた。親油性の界面活性剤を0.1質量%配合した参考例2は、乳化安定性、使用性ともに良好なエマルションであった。親油性の界面活性剤を1.0質量%配合した参考例3は、乳化粒子が凝集しており、外観も均一でなく、べたつき、きしみ感が強かった。
【0058】
以下に本発明の油中水型乳化組成物の処方例をあげるが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の処方例によって得られた油中水型乳化組成物は、いずれも乳化安定性が高く、べたつき感、きしみ感が低いものであった。
【0059】
(処方例1)乳液
(1)デカメチルシクロテトラシロキサン 20.0 質量%
(2)トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル 10.0
(3)(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 0.2
(「トレフィル E506」;東レ・ダウコーニング社製)
(4)セチルジメチコンコポリオール 0.2
(「ABIL EM90」;ゴールドシュミット社製)
(5)パーフルオロアルキルリン酸処理酸化チタン 3.0
(6)1,3−ブチレングリコール 5.0
(7)オレイン酸POE40ソルビタン 0.1
(8)グリセリン 5.0
(9)パラベン 適量
(10)4−メトキシサリチル酸カリウム 5.0
(11)クエン酸 適量
(12)クエン酸ナトリウム 0.1
(13)塩化ナトリウム 1.0
(14)EDTA・3Na・2H 2 O 0.05
(15)香料 適量
(16)イオン交換水 残余
[製法]
(1)〜(5)、(15)を均一に分散したものに、(16)に(6)〜(14)を加えて均一に溶解したものを添加し、均一分散を行い、美白乳液を得る。
【0060】
(処方例2)紫外線防御乳液
(1)シクロメチコン 27 質量%
(2)メトキシ桂皮酸オクチル 5
(3)ジメチコン 4.5
(4)コハク酸ジオクチル 1
(5)トリメチルシロキシケイ酸 0.25
(6)ポリエーテル変性シリコーン 0.2
(7)イソステアリン酸 0.5
(8)スクワラン 2.0
(9)香料 適量
(10)水 残量
(11)POE50POP40ジメチルエーテル 0.2
(12)エデト酸塩 0.05
(13)濃グリセリン 4
(14)エタノール 7
(15)セルロースガム 0.1
(16)疎水化処理酸化チタン 14.0
(17)有機変性ベントナイト 0.5
(18)防腐剤 適量
(製法)
(1)〜(9)の油相混合物中に、(16)、(17)を均一分散し、(10)〜(15)を溶解混合した水相を、高速攪拌機を用いて攪拌しながら添加し、目的の紫外線防御乳液を得た。
【0061】
(処方例3)ファンデーション
(1)シクロメチコン 19 質量%
(2)メチルフェニルポリシロキサン 3
(3)ポリエーテル変性シリコーン(疎水性) 0.2
(4)スクワラン 2
(5)テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 0.5
(6)酢酸トコフェロール 0.05
(7)パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 2
(8)香料 適量
(9)シリコーン樹脂粉末 1
(10)疎水化処理顔料 8
(11)疎水化処理微粒子酸化亜鉛 2
(12)精製水 残部
(13)塩化ナトリウム 1
(14)ポリエーテル変性シリコーン(EO付加10モル) 0.2
(15)濃グリセリン 5
(16)キシリトール 2
(17)ジプロピレングリコール 5
(18)酸化防止剤 適量
(19)エタノール 3
(20)防腐剤 適量
(21)酸化亜鉛被覆ポリメチルメタクリレート粉末 13
(製法)
(1)〜(8)の油相混合物中に、あらかじめ(9)〜(11)を均一に分散し、(12)〜(20)を溶解混合した水相を、高速攪拌機を用いて攪拌しながら添加し、更に(21)を高速攪拌機を用いて添加し、目的のファンデーションを得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)水に分散しない粉末成分を1〜40質量%
(b)親水性界面活性剤を0.001〜1質量%
(c)油相成分
(d)水相成分
を含有することを特徴とする油中水型乳化組成物。
【請求項2】
(e)親油性非イオン界面活性剤を0.5質量%以下含有することを特徴とする請求項1に記載の油中水型乳化組成物。

【公開番号】特開2008−208045(P2008−208045A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−44265(P2007−44265)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】