説明

油田随伴水の処理方法及び処理装置

【課題】原油採掘により産出された原油産出水から油を分離除去した後の油田随伴水に含まれる溶存有機化合物を除去するのに適した処理方法と処理装置を提供する。
【解決手段】油田随伴水をSiO/Alのモル比が100〜200の範囲内にあるゼオライトと接触させて溶存有機化合物を吸着除去する。油田随伴水を、SiO/Alのモル比が170〜200の範囲内にあるY型ゼオライトと接触させ、次いで、SiO/Alのモル比が100〜200の範囲内にあるZSM−5と接触させることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原油を採掘したときに産出される原油産出水の処理に係り、特に原油産出水から油を分離除去した後の油田随伴水の処理方法及び処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原油の採掘時には塩分を含んだ原油産出水が排出される。この原油産出水は原油を分離した後に海洋等に放流されるが、原油産出水には有機化合物が溶解しており、悪臭発生の原因或いは海洋汚染の原因になりかねないことから、これを事前に処理することが要求される。
【0003】
特許文献1には、海底油田から採掘した際に産出される原油産出水から油分を分離除去すること、及び、乳化破壊を起こさせて油水分離した水を微生物処理する例があることが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、原油産出水ではなく、発電所や下水或いはごみ埋め立て地の排水に含まれている油や有機化合物を除去する技術であるが、砂濾過による油吸着と活性炭によるCOD成分の吸着とを組み合わせることが記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−144805号公報
【特許文献2】特開2004−275884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
原油を採掘した際に産出される原油産出水から油分を分離除去した後の水(以下、油田随伴水と称す)には、酢酸、プロピオン酸、吉草酸など、多種類の有機化合物が溶解している。このように多種類の溶存有機化合物を吸着除去する方法として、活性炭吸着法は必ずしも適切ではない。
【0007】
本発明の目的は、油田随伴水に含まれる溶存有機化合物を除去するのに適した処理方法と処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、原油の採掘時に産出された原油産出水から原油を分離除去した後の油田随伴水を、SiO/Alのモル比が100〜200の範囲内にあるゼオライトと接触させて、油田随伴水に含まれている溶存有機化合物を吸着除去することにある。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、油田随伴水に含まれている溶存有機化合物の除去性能を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
溶存有機化合物の含有量を測る指標としては、生物化学的酸素要求量(COD:Chemical Oxygen Demand)がある。このため、溶存有機化合物は一般にCOD成分と称される。
【0011】
本発明者は、有機化合物の処理方法として従来から知られている各種の方法について、油田随伴水の処理に適するかどうか検討した。その結果、活性汚泥処理法は塩素の影響を受ける上に処理時間が長いこと、次亜塩素酸ナトリウム添加法と次亜塩素酸発生法(電気分解法)及びフェントン酸化法は、COD成分の低減効果が乏しいことが分かった。また、減圧濃縮(蒸留)法は、水と沸点が大きく異なる物質でないと分離しにくい上に濃縮液の処理が問題であること、活性炭吸着法はCOD成分除去効果に優れるが、再生しにくく、且つ、大量の活性炭が必要でありコストが高くなることが分かった。
【0012】
これに対し、ゼオライトのうちで、SiO/Alのモル比が100〜200の範囲内にあるものは、油田随伴水中のCOD成分の吸着剤として適することが分かった。ゼオライトは再生も容易である。
【0013】
ゼオライトには、天然ゼオライト、合成ゼオライト、人工ゼオライト等があるが、SiO/Alのモル比が100〜200の範囲内に含まれるものであれば、そのいずれも使用可能である。その中でも、合成ゼオライトの一種であるZSM−5は、他のゼオライトに比べて油田随伴水の溶存有機化合物の吸着特性が特に優れており、最も好ましい吸着剤である。
【0014】
油田随伴水には、少量の油がエマルジョン化して分散しており、また、極めて微小な泥、砂、そのほかの固形物が含まれている。これらは吸着剤の目詰まりの原因になるので、油田随伴水を吸着剤と接触させる前に除去しておくことが望ましい。また、油田随伴水にはアセトンのように揮発性有機化合物も含まれている。吸着剤による溶存有機化合物の吸着性能を高めるためには、この揮発性有機化合物も事前に除去しておくことが望ましい。
【0015】
油田随伴水に含まれる溶存有機化合物を低分子化してから、吸着剤と接触させることも望ましい。特にZSM−5の場合、低分子有機化合物の吸着性能が優れるので、この方法はZSM−5による吸着性能を高める上で好ましい。
【0016】
油田随伴水を最初にSiO/Alのモル比が170〜200の範囲内にあるY型ゼオライトと接触させ、次に、SiO/Alのモル比が100〜200の範囲内にZSM−5と接触させることも、好ましい方法の一つである。SiO/Alのモル比が170〜200の範囲内にあるY型ゼオライトは、分子サイズの大きな有機化合物を吸着するのに適し、ZSM−5は油田随伴水に含まれる溶存有機化合物の全てに対して良好な吸着性能を有するが、特に分子サイズが小さい有機化合物を吸着するのに適する。油田随伴水をまずY型ゼオライトに接触させ、その後、ZSM−5に接触させることにより、油田随伴水に含まれる溶存有機化合物が効率よく除去できるようになる。
【0017】
本発明の油田随伴水処理装置は、油田随伴水の処理系統にSiO/Alのモル比が100〜200の範囲内にあるゼオライトが充填された吸着装置を備えることによって達成される。好ましい処理装置は、前記吸着装置の上流側に、油田随伴水に含まれている固形物を除去する装置と、油田随伴水に含まれている揮発性有機化合物を除去する装置及び油田随伴水に溶解している溶存有機化合物を低分子化する装置の少なくとも1つよりなる前処理装置を備える。また、好ましい処理装置は、油田随伴水の処理系統の上流側にSiO/Alのモル比が170〜200の範囲内にあるY型ゼオライトが充填された吸着装置を備え、下流側にSiO/Alのモル比が100〜200の範囲内にあるZSM−5が充填された吸着装置を備える。
【実施例1】
【0018】
油田随伴水に含まれている主要な物質とその分子式及び濃度分析値の例を表1及び表2に示す。表1と表2では、原油採掘地が異なる。
【0019】
【表1】

【0020】
【表2】

【0021】
表1及び表2に記載されている溶存有機化合物のうち、ノルマル酪酸(n−酪酸)イソ酪酸(iso−酪酸)、ノルマル吉草酸(n−吉草酸)は、特に悪臭を発生しやすい原因物質とされている。
【0022】
表1に示す油田随伴水のCODMn値は430mg/Lであり、表2に示す油田随伴水のCODMn値は1080mg/Lであった。
【0023】
油田随伴水に含まれている主要な溶存有機化合物の分子サイズを表3に示す。
【0024】
【表3】

【0025】
合成ゼオライトの一種であるZSM−5のSiO/Alのモル比と各種カルボン酸に対する吸着特性との関係を図1に示し、Y型ゼオライトのSiO/Alのモル比と各種カルボン酸に対する吸着特性との関係を図2に示す。また、モルデナイトと各種カルボン酸に対する吸着特性との関係を図3に示す。
【0026】
図1〜3により明らかなように、ゼオライトの種類によって有機化合物の除去性能は異なり、また、SiO/Alのモル比によって有機化合物の除去性能が異なる。図1〜3の結果から言えることは、いずれのゼオライトでもSiO/Alのモル比が大きくなるにつれて吸着量が増大し、特にSiO/Alのモル比が100〜200の範囲において、その効果が顕著に現れるということである。
【0027】
図2より、SiO/Alのモル比が170〜200の範囲にあるY型ゼオライトは、分子サイズが大きい有機化合物を多く吸着することが分かる。また、図1より、ZSM−5は分子サイズが小さい有機化合物を多く吸着することが分かる。これより、SiO/Alのモル比が170〜200の範囲にあるY型ゼオライトと、SiO/Alのモル比が100〜200の範囲にあるZSM−5を組み合わせることは有効である。
【0028】
ここに示した合成ゼオライトは、いずれも、三次元構造の細孔を有している。ただし、Y型ゼオライトは細孔同士が交差する位置に、さらに径の大きな空孔が存在する結晶構造を有する点で他のZSM−5等とは結晶構造が若干異なっている。Y型ゼオライトが分子サイズの大きい有機化合物の吸着性能が優れるのは、径の大きな空孔に分子サイズの大きな有機化合物で吸着されるためではないかと推定される。
【0029】
図4に、ZSM−5、Y型ゼオライト及びモルデナイトのSiO/Alモル比と酢酸吸着量との関係を示した。また、図5に、ZSM−5、Y型ゼオライト及びモルデナイトのSiO/Alモル比とプロピオン酸吸着量との関係を示した。図6にZSM−5、Y型ゼオライト及びモルデナイトのSiO/Alモル比とn−酪酸吸着量との関係を示した。ZSM−5、Y型ゼオライト及びモルデナイトの三種類の中では、ZSM−5の吸着特性が最も優れており、ついで、Y型ゼオライト、モルデナイトの順であった。
【実施例2】
【0030】
本発明による処理装置の一実施形態を図7に示す。図7の処理装置は、油田随伴水中の油分及び固形物を分離除去する磁気分離式の回転濾過装置4と油田随伴水中の油分及び固形物を除去した後の濾過水90を曝気処理する曝気処理装置15と一次処理水から溶存COD成分を吸着除去する吸着装置17,18及び排気燃焼装置16から構成されている。
【0031】
油田随伴水1には少量の油がエマルジョン化して残留しており、そのほかに泥、砂、その他の固形物が混入している。そこで、水タンク2に収容された油田随伴水1を凝集槽3に送り、硫酸第二鉄やポリ塩化アルミニウム等の凝集剤或いはマグネタイト(Fe)、γヘマタイト(Fe)等の磁性粒子を用いて、浮遊物を凝集させてフロック化する処理を行う。
【0032】
フロックを含む油田随伴水は回転濾過装置4に送り、油分とフロックを油田随伴水から分離する。回転濾過装置4には回転濾過膜5と回転円筒体6が備えられており、回転円筒体6の内部には図示しないが電磁石等の磁場発生装置が設けられている。油田随伴水は回転濾過膜5によって濾過され、回転円筒体6に堆積した油分及びフロック7は、洗浄水の吹き付け或いは掻き落し板による掻き落しによって回転円筒体6から除去され、回転濾過装置4の外部に排出される。本発明において、固形物除去装置は磁気分離式の回転濾過装置に限定されるものではないが、この磁気分離式の回転濾過装置は油田随伴水における固形物除去装置として極めて好適である。
【0033】
油分及びフロックが分離除去された濾過水90は、次いで、曝気処理装置15に送られ、濾過水中に溶解している揮発性有機化合物が気化される。濾過水を吸着装置に送る前に、予め揮発性有機物を気化して除去しておくことにより、吸着装置でのCOD成分の除去性能を高めることができる。
【0034】
曝気処理された処理水62は合成ゼオライトよりなる吸着剤171が充填された吸着装置17に送られ、続いて合成ゼオライトよりなる吸着剤181が充填された吸着装置18に送られる。ここで、分子サイズの大きい有機化合物は吸着装置17で除去し、分子サイズの小さい有機化合物は吸着装置18で除去することにより、吸着効果を高めることができる。このためには、吸着装置17にSiO/Alのモル比が170〜200の範囲内にあるY型ゼオライトを充填し、吸着装置18にはSiO/Alのモル比が100〜200の範囲内にあるZSM−5を充填することが望ましい。
【0035】
なお、吸着装置17,18に同一種類のゼオライトを充填してもよく、吸着装置を一基設けるときよりも吸着量を多くすることができる。この場合には、ゼオライトとしてZSM−5を充填することが望ましい。
【0036】
吸着装置17には加熱装置20,21が備えられ、吸着装置18には加熱装置21が備えられている。これらの加熱装置は電気炉であってもよいし、マイクロ波誘導加熱炉であっても良い。加熱装置20,21は吸着剤を加熱して再生するために使用される。吸着剤の加熱再生は、吸着装置内の水を水抜き管24,25によって抜き、ブロワ22,23を作動して吸着装置内に100〜120℃程度の温風を数十分ないし1時間程度吹き込み、吸着剤を乾燥することによって行うことができる。送風時間は吸着装置の高さ及び送風温度によって変わり、この限りではない。ブロア22,23によって発生する空気の温度が400℃以上であれば、加熱装置20,21の代替としても用いることができる。ブロアで送風する熱風の雰囲気は大気成分であることが望ましい。
【0037】
図7では、吸着装置17,18に、ブロア22,23によって吹き込まれた空気を外部へ排出するための送風管28が設けられ、また、送風管に水分計29が設置されている。ブロアからの排気91に含まれる水分量を水分計29で測定し、ブロアによる送風量をコントロールすることが望ましい。
【0038】
吸着剤を加熱再生し易くするために、吸着剤表面にはPt,Pd,Ru,Rh,Ni,Fe,Cu,Mn,Coから選ばれた少なくとも1種を担持しておくことが望ましい。これらの成分は燃焼触媒として働く。ゼオライト表面に担持した触媒成分によって、ゼオライトに吸着されている有機化合物は酸化燃焼され、吸着剤が再生されて、吸着性能が回復する。これらの燃焼触媒を担持した場合の吸着剤の再生温度は、400〜500℃が特に好ましい。
【0039】
本発明においては、吸着装置を並列に少なくとも二系統備え、一方で吸着処理中に、他方で再生処理を行うようにすることが望ましい。
【0040】
吸着装置18を通過した最終処理水40は、その後、海洋等へ放流される。最終処理水40のCOD成分をCOD分析計263で計測し、吸着剤の交換時期など、吸着剤の性能に及ぼす条件を制御することが好ましい。
【0041】
また、吸着剤の加熱再生によって吸着装置18で発生したガス30は、排気ガス抜き出し管の途中に排気燃焼装置16を設置して、ガス中に含まれる有機化合物を燃焼除去することが望ましい。
【0042】
なお、吸着剤の形状は、粉状、粒状、ペレット状、棒状、繊維状、板状、ハニカム状、ラシヒリングなど種々の形状でよい。しかし、使用済の吸着剤は再生し、繰り返し使用することが望ましいことから、できれば再生容易な粉状、粒状、ペレット状などがよい。また、吸着剤は、メッシュや多孔板などで挟んで吸着装置の内部に設置するのがよい。
【0043】
図1の処理装置において、吸着装置17にSiO/Alのモル比が100のZSM−5を充填し、吸着装置18にSiO/Alのモル比が200のZSM−5を充填して、表1に示す油田随伴水を模擬した水を処理した。サンプリングポート260,261で採取したCOD成分及び最終処理水のCODMn値を測定した。ここで、CODMn値を用いたのは、多成分の定量には時間を必要とするので、実際の操作中にはCODMn値(排出基準値CODMn≦120mg/L)を管理指標に用いるのが良いことによる。
【0044】
その結果、サンプリングポート260で採取した水はCODMn値が600mg/Lであったものが、サンプリングポート261で採取した水は200mg/Lに低下し、最終処理水40のメタノール濃度は10mg/L以下に減少し、CODMn値は50mg/Lとなった。
【実施例3】
【0045】
本発明による処理装置の別の実施形態を図8に示す。図8の処理装置は、吸着装置が直列に三基配置されており、これが並列に二系統設けられている。並列に二系統設けたのは、一系統で吸着処理を行っているときに、他方で再生処理を行い、連続的に処理を行えるようにするためである。吸着装置400,401には酪酸、吉草酸など比較的分子サイズの大きな有機化合物を吸着するのに適するSiO/Alのモル比が200のY型ゼオライトを充填した。吸着装置402,403にはSiO/Alのモル比が90〜200のZSM−5を用いた。吸着装置404,405にはメタノールの吸着特性が優れるモレキュラーシ−ブ4Aを充填した。
【0046】
吸着処理の過程で、サンプリングポ−ト406,407,408,409により水を採取し、CODMn値を分析した。COD濃度の測定は、JIS K 0102工場排水試験法の過マンガン酸カリウムによる酸素要求量(CODMn)によって行った。また、油田随伴水中のカルボン酸類の濃度はイオンクロマトグラフィーによって定量した。メタノール等のアルコール類およびベンゼン系炭化水素の定量はガスクロマトグラフィーによって行った。原水、一次処理水、二次処理水及び最終処理水の分析結果を表4に示す。本実施例により、最終処理水のCODMn値は一般的な基準とされる120mg/Lを大幅に下回ることが確認された。
【0047】
【表4】

【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】ZSM−5のSiO/Alのモル比とカルボン酸吸着量との関係を示す特性図である。
【図2】Y型ゼオライトのSiO/Alのモル比とカルボン酸吸着量との関係を示す特性図である。
【図3】モルデナイトのSiO/Alのモル比とカルボン酸吸着量との関係を示す特性図である。
【図4】各種合成ゼオライトのSiO/Alのモル比と酢酸吸着量との関係を示す特性図である。
【図5】各種合成ゼオライトのSiO/Alのモル比とプロピオン酸吸着量との関係を示す特性図である。
【図6】各種合成ゼオライトのSiO/Alのモル比とn−酪酸吸着量との関係を示す特性図である。
【図7】本発明の一実施形態による油田随伴水処理装置の概略構成図である。
【図8】本発明による処理装置の他の実施形態を示した概略構成図である。
【符号の説明】
【0049】
1…油田随伴水、4…回転濾過装置、15…曝気処理装置、16…排気燃焼装置、17…吸着装置、18…吸着装置、171…吸着剤、181…吸着剤。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原油の採掘により産出された原油産出水から油を分離除去した後の油田随伴水を、SiO/Alのモル比が100〜200の範囲内にあるゼオライトと接触させて、前記油田随伴水に含まれている溶存有機化合物を吸着除去するようにしたことを特徴とする油田随伴水の処理方法。
【請求項2】
請求項1において、前記ゼオライトとしてZSM−5を用いることを特徴とする油田随伴水の処理方法。
【請求項3】
原油の採掘により産出された原油産出水から油を分離除去した後の油田随伴水の処理方法において、前記油田随伴水に懸濁している固形物を除去する処理と前記油田随伴水に含まれている揮発性有機化合物を除去する処理及び前記油田随伴水に溶解している溶存有機化合物を低分子化する処理の少なくとも1つの処理を施した後に、SiO/Alのモル比が100〜200であるゼオライトを用いて溶存有機化合物を吸着除去するようにしたことを特徴とする油田随伴水の処理方法。
【請求項4】
請求項3において、前記ゼオライトとしてZSM−5を用いることを特徴とする油田随伴水の処理方法。
【請求項5】
原油の採掘により産出された原油産出水から油を分離除去した後の油田随伴水を、SiO/Alのモル比が170〜200の範囲内にあるY型ゼオライトと接触させたのち、SiO/Alのモル比が100〜200の範囲内にあるZSM−5と接触させて溶存有機化合物を吸着除去するようにしたことを特徴とする油田随伴水の処理方法。
【請求項6】
原油の採掘により産出された原油産出水から油を分離除去した後の油田随伴水の処理装置であって、前記油田随伴水の処理系統にSiO/Alのモル比が100〜200の範囲内にあるゼオライトが充填された吸着装置を備えて、油田随伴水に含まれている溶存有機化合物を吸着除去するようにしたことを特徴とする油田随伴水の処理装置。
【請求項7】
原油の採掘により産出された原油産出水から油を分離除去した後の油田随伴水の処理装置であって、前記油田随伴水に含まれている固形物を除去する装置と前記油田随伴水に含まれている揮発性有機化合物を除去する装置及び前記油田随伴水に溶解している溶存有機化合物を低分子化する装置の少なくとも1つよりなる前処理装置と、前記前処理装置で処理された後の油田随伴水をSiO/Alのモル比が100〜200の範囲内にあるゼオライトと接触させて溶存有機化合物を吸着除去する吸着装置を備えたことを特徴とする油田随伴水の処理装置。
【請求項8】
原油の採掘により産出された原油産出水から油を分離除去した後の油田随伴水の処理装置であって、前記油田随伴水の処理系統の上流側にSiO/Alのモル比が170〜200の範囲内にあるY型ゼオライトが充填された吸着装置を備え、下流側にSiO/Alのモル比が100〜200の範囲内にあるZSM−5が充填された吸着装置を備えたことを特徴とする油田随伴水の処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−283203(P2007−283203A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−113058(P2006−113058)
【出願日】平成18年4月17日(2006.4.17)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】