説明

注入のための輸液検証システム及び方法

輸液注入チャネル中の医療輸液の組成を、臨床医が入れた入力と比較することにより検証するための装置及び方法が提供される。光がチャネルを介して送られ、検出された光のスペクトル・データを表す信号を生成するセンサにより検出される。プロセッサは、検出された光のスペクトル・データを、チャネルの予測された内容物に関連付けられたスペクトル・データと比較して、正しい輸液が注入されていることを検証する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸液の内容物の検証に関し、より詳細には、輸液注入チャネルを介して患者に注入される医薬品の存在を検証するための医療輸液の分析に関する。
【背景技術】
【0002】
医者及び他の医療要員は、患者の様々な医療障害を治療するために、静脈内(「IV」)注入治療を適用する。IV注入治療は、通常、輸液源から輸液投与セットの管類を介して患者の血管中に挿入されたカニューレに、医薬品などの医療輸液を注入することを含む。
【0003】
典型的な施設では、医者が特定の患者用のための薬品指示を出す。その指示は、簡単に記入された処方箋として処理され、又は医者向けオーダー・エントリ(「POE」)システムなどの自働システムに入力され得る。処方は、薬局に送られ、指示が実施される。通常、その処方された薬剤は、薬局で調製され、バッグに挿入される。薬剤師はまた、例えば、人が読取り可能なラベル及びバー・コード・ラベルを用いて、バッグの内容物、及びそのバッグが用いられる予定である患者を識別する。調製された薬品は、次いで、臨床医の部局に渡され、その後、患者に投与される。
【0004】
安全上の理由から、また最適な結果を達成するために、医薬品は、医者により処方された正確な量を、注入ポンプを用いるなどにより制御して投与される。注入ポンプは、輸液を、医療輸液バッグから輸液注入チャネルを介して患者に移送する。注入ポンプは、特定のポンプ送りパラメータ、又は医者により処方された注入パラメータに従って、医療臨床医によりプログラムされる。臨床医によってポンプ中にプログラムされたポンプ送りパラメータは、薬剤及び患者特有のものである。すなわち、ポンプ送りパラメータは、処方された特定の薬剤、及び使用が予定される特有の患者に基づいて医者によって選択される。処方された薬剤を、正しい患者及び適正にプログラムされたポンプとマッチさせることは臨床医の責任である。
【0005】
病院及び他の施設は、絶えず、品質のよい患者治療を提供するように努力している。患者が誤った薬剤を受け取る場合など、医療過誤は、すべての健康管理施設にとって重大な関心事である。いくつかの場合、1人の患者に、同時に、時には4以上の複数の異なる薬剤の注入が処方されることもあり得る。通常、複数の注入は、薬剤ごとに異なる注入パラメータを必要とする。更に、このような複数の注入は、複数のポンプ・チャネルを必要とする可能性がある。例えば、各注入に対して1チャネル、又は第1の注入に対する第2の注入などである。いくつかのポンプ・システムは、別個のポンプ送りチャネルを形成する別個の輸液管類に対して動作する注入ポンプをそれぞれが備える4以上のポンプ送りモジュールを含む。1システムが複数チャネルを有するのか、それとも複数システムがそれぞれ1チャネルだけを有するのかにかかわらず、各チャネルが、正しい薬剤を患者に注入するように正しくプログラムされていることが重要である。管類を薬剤バッグから誤ったポンプ送りモジュールに配管することは、正しい薬剤のラベルが付けられていたとしても、誤った薬剤が患者に送られてしまうことになり得る。
【0006】
正しい薬剤が正しいチャネルを介して正しい患者に投与されることを保証しようとする試みが従来行われてきた。一実施例では、薬局で、薬剤及び患者を識別するバー・コード・ラベルがバッグに貼付されている。臨床医が手動でポンプをプログラムした後、そのポンプに接続されたバー・コード・スキャナが使用されて、バッグ上のバー・コード・ラベルを読み取り、それがプログラムされたものと同じ薬品であると識別することを検証する。他の実施例では、バー・コード・ラベルがバッグに貼付され、そのラベルがバー・コード・スキャナで読み取られて自動的にポンプをプログラムし、従って、手動でプログラムすることを完全に回避する。医者は、GUARDRAILS(登録商標)安全システムを動作させるMEDLEY(商標)患者治療システムによるなど、現在利用可能なポンプによって、処方した投薬量及び注入速度が正確に患者にデリバリされることを更に確信しているが、正しい薬剤を正しいポンプに取り付ける問題が残っている。
【0007】
現在のポンプ・システムは、医療過誤を回避するために当技術分野でかなり進歩しているが、正しい薬剤が注入されていることをより高い信頼性で判定することが所望されている。例えば、薬剤師がバッグに対する成分輸液の混合を間違えるおそれがあり、或いは、バッグに誤ったバー・コード・ラベルを貼付することもあり得る。バー・コードはまた、正しくない情報を含む可能性があり、又は臨床医が正しいバッグのバー・コード・ラベルを走査するが、特に、緊急の状況若しくは(例えば、ヘリコプタ輸送など)MEDVAC中に注意が逸れ、バッグからの管を誤ったポンプ送りチャネルに接続することもあり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、当業者は、正しい薬剤又は薬剤の組合せを正しい患者に適正に注入することを更に正確に保証する必要性があると理解している。より詳細には、ポンプが患者に注入している特定の医薬品が、正しい濃度の正しい薬剤であることを更に明確に確認する必要性があると当業者は理解している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、導管中の輸液の内容物を検証するためのシステム及び方法を対象とする。より詳細には、導管壁、及び輸液がその中を導かれる内部を含む輸液注入導管内に含まれる輸液の組成を検証するための装置であって、導管内に含まれる輸液を通して光を送るように配置され、且つ構成された光源と、光が輸液を通過した後に、導管内に含まれる輸液を介して送られた光を受け取るように配置された光センサであって、導管内に含まれる輸液の実際の組成のスペクトルを表す光センサ信号を提供する光センサと、輸液の実際の組成のスペクトルを、導管内に含まれる輸液の予測される組成のスペクトルと比較するように適合されたプロセッサとを備える装置が提供される。
【0010】
他の態様では、導管内に含まれる輸液の予測される組成のスペクトルが記憶されているメモリであって、プロセッサが、導管内に含まれる輸液の予測される組成のスペクトルを取得するためにアクセスするメモリが提供される。輸液の予測される組成の指示をプロセッサに入力するための入力デバイスも提供される。他の態様では、導管は、注入ポンプのポンプ送り機構によって動作され、光源及び光センサが、ポンプ送り機構の上流側の注入ポンプ上の位置に配設される。
【0011】
他の態様では、装置は更に、導管壁のスペクトルを示す参照要素を備え、光源が参照要素を通して光を送るように配置及び構成され、また、光センサが参照要素を通過した後に参照要素を介して送られた光を受け取るように配置されており、その光センサが、参照要素の実際の組成のスペクトルを表す光センサ信号を提供し、プロセッサが更に、導管内の輸液の実際の組成のスペクトルを、参照要素の実際の組成のスペクトルを用いて調整するように適合される。
【0012】
他の態様では、所定のスペクトルは、導管壁の組成を表しており、プロセッサが更に、導管壁を表す所定のスペクトルを用いて、導管内の輸液の実際の組成のスペクトルを調整するように適合される。他の態様では、装置は更に、導管内に含まれる可能な予測される輸液組成の複数のスペクトルを記憶するメモリと、輸液導管内に含まれる輸液の予測される組成をプロセッサに入力するための入力デバイスとを備え、プロセッサが、入力デバイスに応答して、導管内に含まれる輸液の予測される組成のスペクトルを取得するためにメモリにアクセスする。本発明による他の態様では、プロセッサが、予測される組成のスペクトルが実際の組成のスペクトルとマッチしない場合、メモリ中の更なるスペクトルにアクセスし、メモリからのスペクトルを実際の組成のスペクトルと更に比較し、マッチが検出された場合はマッチしたスペクトルを示すように適合される。他の態様では、プロセッサが更に、メモリ中のスペクトルから、予測される輸液組成に対するスペクトルを合成するように適合される。
【0013】
他の態様では、プロセッサは更に、実際の組成のスペクトルが予測される組成のスペクトルにマッチしない場合、警報信号を出すように適合される。更に、プロセッサは、ポンプ送り機構を制御し、また実際の組成のスペクトルが、予測される組成のスペクトルにマッチしない場合、ポンプ送り機構が動作するのを阻止するように適合される。プロセッサは更に、スペクトルがマッチしない場合、ポンプの操作者がプロセッサをオーバライドできるように適合される。装置は更に、メモリを備え、プロセッサが更に、プロセッサのオーバライドをメモリ中に記憶するように適合される。プロセッサは更に、スペクトルの比較に関するイベントを、プロセッサから遠隔に位置する病院サーバと通信するように適合される。
【0014】
より詳細な態様では、装置は更に、輸液の予測される組成の指示を含む輸液に関係する識別デバイスを読み取るように適合されたプロセッサと通信する読取りデバイスを備える。識別デバイスは、輸液の予測される組成のスペクトルを含む。識別デバイスは、予測される輸液組成の指示を含み、且つ、プロセッサは、予測される輸液組成と整合性のあるスペクトルを取得するように適合される。識別デバイスは、バー・コードを含み、読取り装置は、バー・コード・スキャナを備える。他の態様では、識別デバイスは、RFIDタグを含み、読取り装置は、RFID読取り装置を含む。他の詳細な態様では、識別デバイスは、無線情報デバイスを含み、読取り装置は、無線情報デバイスの互換性のある読取り装置を含む。
【0015】
本発明の諸態様による方法によると、導管壁、及び輸液がその中を導かれる内部を含む輸液注入導管内に含まれる輸液の組成を検証する方法であって、導管内に含まれる輸液を通して光を送るステップと、導管内に含まれる輸液を通して送られた光を、それが輸液を通過した後に感知し、導管内に含まれる輸液の実際の組成のスペクトルを表す光センサ信号を提供するステップと、輸液の実際の組成のスペクトルを、導管内に含まれる輸液の予測される組成のスペクトルと比較するステップとを含む方法が提供される。
【0016】
より詳細な態様では、本方法は更に、導管内に含まれる輸液の予測される組成のスペクトルをメモリ中に記憶するステップと、及び導管内に含まれる輸液の予測される組成のスペクトルを取得するためにメモリにアクセスするステップとを含む。他の詳細な態様では、本方法は、参照要素を通して光を送るステップと、参照要素を通して送られた、参照要素の実際の組成のスペクトルを表している光を、参照要素を通過した後に受け取るステップと、導管内の輸液の実際の組成のスペクトルを参照要素の実際の組成のスペクトルを用いて調整するステップとを含む。
【0017】
他の態様では、本方法は更に、導管壁の予測される組成を表す所定のスペクトルを受け取るステップと、導管を通って移動する輸液の実際の組成のスペクトルを、導管壁を表す所定のスペクトルを用いて調整するステップとを含む。本方法は更に、導管内に含まれる可能な予測される輸液組成の複数のスペクトルを記憶するステップと、輸液導管内にある間、含まれている輸液の予測される組成を入力するステップと、複数のスペクトルから、導管内に含まれている輸液の予測される組成のスペクトルにアクセスするステップとを含むことができる。更に、本方法は、予測される組成のスペクトルが実際の組成のスペクトルとマッチしない場合、更なるスペクトルにアクセスするステップと、スペクトルを実際の組成のスペクトルと更に比較するステップと、マッチが検出された場合は、マッチしたスペクトルを示すステップとを含む。更に、本方法は、励起(drive)を識別するために、スペクトルから、予測される輸液組成に対するスペクトルを合成するステップとを含む。
【0018】
他の詳細な態様では、本方法は更に、実際の組成のスペクトルが予測される組成のスペクトルとマッチしない場合、警報を提供するステップを含む。本方法は更に、輸液の予測される組成の指示を含む輸液に関係する識別デバイスを読み取るステップを含む。本方法は更に、輸液の予測される組成のスペクトルを含む識別デバイスを読み取るステップを含む。本方法は更に、バー・コード・スキャナでバー・コード識別デバイスを読み取るステップを含む。本方法は更に、RFID読取り装置でRFIDタグを読み取るステップを含む。本方法は更に、互換性のある読取り装置で無線情報デバイスを読み取るステップを含む。
【0019】
本発明の他の態様及び利点は、本発明の特徴を例示する以下の詳細な説明及び添付の図面から明らかとなろう。
【実施例】
【0020】
次に、図面を参照するが、図中、同様の参照番号は、同様の又はいくつかの図中で対応する要素を示す。図1に、例として、各輸液投与セット30、32、34、及び36の管類とそれぞれが動作可能に係合状態にある4つの注入ポンプ・モジュール22、24、26、及び28を有する患者治療システム20を示す。様々な形態を取り得るがこの場合ボトルとして示す4つの医療輸液源38、40、42、及び44を逆さまにし、患者治療システム20の上につり下げている。患者治療システム20及びボトル38、40、42、及び44は、ローラ・スタンド又はIVポール46に取り付けられる。投与セット30、32、34、及び36は、各輸液源と患者48(ブロックの形でのみ示す)の間に接続され、従って、患者は、各注入ポンプ・モジュールにより制御された速度で、輸液源中の輸液を受け取ることができる。図1に示すポンプ送りシステムは、本発明の薬剤検証システム及び方法を使用できるシステムの単なる一実施例として提供されている。重力送りシステムなど、他のポンプ送りシステム及び非ポンプ送りシステムも本発明に従って使用可能である。
【0021】
図1の図面は、縮尺が合っておらず、明確化のために距離は圧縮されていることに留意されたい。実際の設定では、ボトル38、40、42、及び44と、注入ポンプ・モジュール22、24、26、及び28の間の距離は、もっと大きくなる可能性がある。4つがすべてボトルからぶら下がっているとき、投与セット30、32、34、及び36の管類が互いに絡み合う機会が多くなるはずであり、どの管類がどの注入モジュール中にあるべきかに関して混乱を生ずる可能性がある。混乱する機会は、管類の数が増すにつれて増加する。
【0022】
次に、図1及び2を共に参照すると、プログラミング・モジュール(「PM」)50が、注入ポンプ・モジュール22、24、26、及び28に接続されている。他の装置又はモジュールをPMに取り付けることもできる。一実施例では、PMは、注入ポンプ・モジュールと外部デバイスの間のインターフェースを提供するために、並びに、注入ポンプ・モジュールに対するユーザ・インターフェースの大部分を提供するために使用される。PMは、各ポンプ・モジュールの動作パラメータなどの様々な情報を視覚的に伝えるための、並びに警告及び警報メッセージを表示するためのディスプレイ52を含む。PMはまた、可聴警報を提供するためのスピーカ(図示せず)を含むこともできる。PMはまた、この実施例では制御キー54を含む様々な入力デバイスを有する。図1及び2に示す物など、PM及び患者治療システムに関する更なる詳細は、Eggers他による米国特許第5713856号中に見ることができ、それを参照により本明細書に組み込む。
【0023】
PM50はまた、薬剤の識別、患者の識別、看護婦の識別、及び他の情報など、注入に関する情報を受け取るための読取り装置55を含むことができる。この場合バー・コードである識別デバイス57が、輸液容器38の上に示されている。同様に、読取り装置55はこの場合、バー・コード・スキャナである。しかし、識別デバイスは、RFIDタグ、無線デバイス、又は他の物など、他の形態を取ることができるが、予測される輸液組成の指示を含む。その指示はまた、予測される輸液組成と整合性のあるスペクトル・データを含むことができるが、単に、薬剤名だけを含むこともできる。同様に、読取り装置は、RFID読取り装置又は識別デバイス57と互換性のある無線デバイスを含むことができる。PMはまた、通信システムを有し、それを用いて医療施設サーバ56若しくは他のコンピュータと、又は、治療付与者が持つことのできるパーム・ベース(palm−based)のシステムなど、PDA(portable digital assistant)58と通信することができ、従って、情報を、このようなデバイス、PM、及び注入ポンプ・モジュールの間で転送することができる。ポンプのプログラミング情報は、PMにアップロード又はPMから検証することができる。PMはまた、注入デバイス並びに生命徴候監視デバイスと共に使用するための、及び他の用途のための薬剤ライブラリを記憶するために使用することもできる。PMと他のデバイスの間の通信システムは、RF(高周波)システム、赤外線システム、ブルートゥース・システム、若しくは他の有線又は無線システムの形を取ることができる。例示のために、患者治療システム20と医療施設サーバ56の間の通信リンクを、番号59で示す実線で示す。バー・コード・スキャナ及び通信システムは、PM50が使用されない場合、1つ又は複数の注入ポンプ22、24、26、及び28と一体化して含めることができる。
【0024】
患者治療システム20は、異なる手段を介して様々な医療施設情報システムと相互接続することができる。例えば、病院は、患者データ及び薬剤データを含む主情報サーバ56を有することができる。他の実施例では、医療施設は、薬局サーバ、医者向けオーダー・エントリ・サーバ、患者投与サーバ、ナース・ステーション・サーバ、及び他の物など、様々な個々のサーバを有することができる。患者治療システム20は、様々な手段を介して、これらのサーバの1つ又は複数に接続することができる。ローカル・エリア・ネットワークへの配線を行うことができるが、RF、IR、ブルートゥース、並びに他の有線及び無線接続を患者治療システムと施設の他の情報システムの間に使用することもできる。PDA58の使用を介して患者治療システムと情報交換することもできる。一実施例では、PDAは、無線又は他の手段を介して主サーバ56にリンクすることができ、患者治療システムと主サーバの間の情報コンジットとなることができる。
【0025】
注入ポンプ・モジュール28の閉じた前面の図を図2に示す。ポンプ・モジュールは、前面ドアを閉じた位置に固定し、内部のポンプ送り及び感知機構にアクセスするためにドアの固定を解放し開くように動作する前面ドア60とハンドル62を含む。LEDディスプレイなどのディスプレイ64は、本実施例の平面図中のドア上に位置しており、「警告(alerting)」及び警報メッセージなど、ポンプ・モジュールに関する様々の情報を視覚的に伝えるために使用することができる。制御キー66は、所望に応じて注入ポンプの動作をプログラミングし、制御するために存在する。注入ポンプ・モジュール28はまた、スピーカ(図示せず)の形のオーディオ警報機器を含む。
【0026】
次に図3を参照すると、図1及び2の注入ポンプが、前面ドア60が開けられて投与セット30がポンプ22と動作可能に係合された状態を示す斜視図で示されている。プラテン68がドア60とポンプ送り機構70の間に取り付けられる。この場合、ポンプ送り機構は、直線状のぜん動運動タイプの物である。圧力センサ72は、ポンプ22中でポンプ送り機構の上流側及び下流側の両方に含まれている。ポンプはまた、その下流側端にエア・インライン・センサ74を含む。ハンドル62は、ポンプのハウジング80上に位置するヨーク78と係合するように配置されたラッチ・アーム76を含む。ラッチ・アームによるヨークの係合により、ドアは閉じた位置で固定された状態のままでいることができる。ハンドル62はまた、流れ停止システムを制御するのに使用するための少なくとも1つのフック84を有する掛け金82を含む。
【0027】
輸液投与セット30は、上流側管86、ポンプ送りセグメント88、及び下流側管90を含む、輸液源38(図1)から患者48まで延設される輸液注入導管を備える。投与セット管類30の他の構成要素は、上流側管86とポンプ送りセグメント88を接続する上流側取付け具92である。同様に、流れ停止部94は、ポンプ送りセグメント88と下流側管90を接続する。ポンプ送りセグメント88は、上流側取付け具92を上部ハウジング部分96と確実に係合させることにより、且つ流れ停止部94を下方の流れ停止ブラケット98と係合させることにより、注入ポンプ22のポンプ送り機構70を横断して取り付けられる。取り付けられた上流側の取付け具と流れ停止ブラケットの間の距離により、ポンプ送りセグメント88に対して張力が生じ、それを計画的にポンプ送り機構70の上の定位置に保持するようにする。投与セット30がポンプ22と係合されると、ポンプ送りセグメント88は、ポンプ送り機構70に対して位置決めされ、ポンプ・モジュール・ドア60が閉じられると動作位置に旋回するプラテン68により定位置に保持される。
【0028】
図4を参照すると、患者48に接続された本発明の諸態様による薬剤検証システム100のブロック図が示されている。様々な形態を取り得る輸液源38が、本明細書で輸液デリバリ「チャネル」と呼ぶ輸液投与セット30を介して患者48に接続されている。「チャネル」の呼称は、同時に同じ患者に投与される4本のライン又は「チャネル」の薬剤があるので、図1に示すポンプ・システムに関して特に適切である。図4の実施例では、輸液源38を患者48に接続する輸液デリバリ・チャネル30は、患者に対する輸液源の薬剤の注入速度を正確に制御するために用いられる注入ポンプ22によって実施される。しかし、Yサイト・デバイス104を介して輸液チャネル30に更に接続されている第2の輸液サプライ102もまた示されている。第2の注入を行うことはまた、患者への医療輸液の投与において典型的なものであり、第1及び第2の薬剤は、同じチャネルを使用して連続的に投与される。かかる構成が図4で示されており、第2の輸液サプライ102が、第2の輸液ライン106を通りYサイト・デバイス104を介してチャネル30に接続されている。周知のように、一度に1つの輸液だけがチャネルを流れるように、第2の輸液源を、第1の輸液源の上方に上げることになる。逆止弁又は他のデバイスがチャネル30中の輸液を制御するために通常使用されるが、図4を分かりやすくするために、当業者に周知のこのような細部は含めていない。
【0029】
前述の背景によると、患者に注入される輸液の実際の組成を検証することが望ましい。それが注入ポンプであれ、単なる重力、又は他の手段であれ、注入を行うのに使用される手段にかかわらず、このような検証が望ましい。本明細書の明細及び図面中に注入ポンプの使用の一実施例を提供しているが、他の手段も使用できることを理解されたい。本明細書に記載し図示した実施例は、輸液検証システムのセンサを注入ポンプの上流側に配置するが、他の位置で検証を行うこともできる。例えば、輸液検証システムのセンサは、注入ポンプの下流側に配置することもできる。重力送りシステムの場合、輸液検証システムセンサは、輸液注入チャネルに沿った場所のいずれかに配置することができる。同じチャネルを通る第2の注入の場合、図4で示すように、輸液検証システムのセンサを、第2の輸液が輸液チャネルに追加される点の下流側に配置することが望ましい。
【0030】
上記の注入ポンプ送りシステムにおける調合薬を検証するプロセスは、上記の任意の方法、すなわち、キーの押下エントリ、PDA、RFID、又はシステムにおける技術で使用される他の任意の手段により、ポンプ送りシステム22に関連するプロセッサ122に対して、予測される薬剤選択及び薬剤濃度を入力することで開始する。薬剤の選択は、プロセッサをトリガして、薬剤スペクトル・データ・ベース124におけるマッチする薬剤スペクトル・データにアクセスする。プロセッサは、実際に測定された薬剤スペクトル・データの応答を待ち、薬剤ライブラリ選択の予測される薬剤スペクトル・パターンと、輸液注入チャネルからの実際の薬剤の読取りとの間でマッチするのか、それともマッチしないのかを判定する。図4ではポンプ22の近くに示されているが、プロセッサ及び薬剤スペクトル・データのデータ・ベースは、ポンプの近く以外に配置することもできる。更に、薬剤スペクトル・データのデータ・ベースは、プロセッサから遠隔に置くこともできる。例えば、Medley(商標)Point―Of―Care Systemの場合、プロセッサは図1のプログラミング・モジュール50中に配置され、或いは他の場所に配置することもできる。薬剤スペクトル・データのデータ・ベースは、病院サーバ56領域に位置することができ、プログラミング・モジュール50は、直接それと通信することになる。他の場合では、プロセッサ及び薬剤スペクトル・データは共に、PDA58中に位置することができる。他の構成も可能である。
【0031】
チャネル「1」から「4」における輸液の検出は、光エネルギが輸液を介して送られ、輸液の分子と相互作用することにより行われる。任意の波長で送られる光エネルギは、様々に、減衰し、周波数シフトし、又はその相互作用によりその他の形で影響を受ける可能性がある。受け取った光ビームの特性を検出するために、分散的な、フーリエ変換赤外(FTIR)、及びラーマン分光法などの光学的分析手段を使用することができる。そのように得られた輸液のスペクトル及び関連データは当該薬剤を検出するために使用される。光源及び他の光/電子構成要素は、事前に記録された薬剤ライブラリと比較することによって、注入チャネル中の薬剤を区別するために必要なスペクトル解像度特性を生成するように選択される。
【0032】
一実施例では、デリバリ・チャネルの横断において、その中に含まれている医療輸液をビームが通過するように、単色光又は多色光の入力ビームを輸液デリバリ・チャネルに当てる。医療輸液中を通過した後、今や出力ビームと呼ばれる光エネルギが、次いで、上記のように光学的に分析される。輸液を通して送られた光が分光計及びそこに含まれている検出手段に運ばれるように、入出力ビームを光ファイバ又は他の適切な光学的手段によって導くことができる。この実施例では、チャネルの両側にビーム送り(directing)装置を含むが、他の構成も可能である。前述のこの光検出システムは、全体的に図4の破線で示され、番号108が付与されている。このような検出システム108の性能は、迷光バフリング(baffling)、光学的フィルタリング、共焦点開口の使用、及びヘテロダイン検波技法など、当業者に知られた手段によって改善することができる。
【0033】
引き続き図4を参照すると、光源110が、レンズ及び光ファイバなどの入力ビーム形成光学素子112に結合されて、光の適切な主入力ビーム114を提供する。主入力ビームは、チョッパ115によって交互に送られて、2つの別々の断続的なビーム111及び113を生成する。一方のビーム、すなわち、チャネル入力ビームは、チャネル入力ビームの光が輸液チャネルの医療輸液内容物と相互作用し得るように、輸液チャネル30に送られる。他方の断続的なビーム、すなわち、参照入力ビーム113は、チャネル材料だけを介してミラー117により送られるが、この場合、図6でより詳細に示し以下で説明するその「フィン」119を介して送られる。主入力ビームの適正な送りは、入力ビーム形成光学素子112の部分を形成する光ファイバ及びレンズ(図示せず)を使用することによって達成することができる。
【0034】
チャネル入力ビーム111が輸液チャネル30の内容物と相互作用をした後、チャネル出力ビーム116が得られる。同様に、参照入力ビーム113がチャネル30の材料と相互作用した後、参照出力ビーム121が得られる。この実施例では、チャネル出力ビーム116は、第2のミラー123の反射により方向が変更される。チャネル出力ビーム及び参照出力ビームは共に、チョッパ125に送られ、主出力ビーム127が生成される。レンズ(図示せず)及び光ファイバなどの、出力主ビーム形成光学素子118は、主出力ビーム127を分光計120に導く。参照ビーム出力データは、輸液スペクトル・データから減算される。分光計のチャネル出力は、輸液チャネルの組成を検証するために、プロセッサ122によって薬剤スペクトル・データ・ベース124と比較される。検証プロセスの結果として、注入の進度に対する制御をプロセッサにより働かせることができる。図4では、プロセッサ122が、患者48への医療輸液38の注入を制御している注入ポンプ22に接続されている。医療輸液は、患者に注入される薬剤を含むことができる。実施例として、プロセッサ122が、輸液チャネル30中で検出された薬剤がそこにあることが予測される薬剤と整合性がないと判定された場合、プロセッサは、注入を停止し且つ警報などの信号を提供するため信号をポンプ22へ送信する。
【0035】
光源110は、赤外線(「IR」)エネルギ源若しくはタングステン・エネルギ源若しくは狭帯域又は広帯域光を含むことができる。光源は、検証を受ける医療輸液の化学組成を変えることのない非破壊的な光を生成することが好ましい。一実施例では、光源は、チャネル30中の輸液の内容物と相互作用する波長範囲を包含する光を生成するように選択される。具体的には、光源は、輸液チャネルの可能な内容物が、それを用いると顕著な光吸収又は反射特性を有する波長範囲又はスペクトルの光を生成するように選択することができる。一実施例では、光源は、輸液組成を検証するためにチャネル30中の可能性のある輸液の吸収又は透過性挙動に関する顕著なスペクトル・データを提供するのに適した波長帯域の適切なIRエネルギを生成する。多くの医療薬剤は、IRスペクトルにおいて特有の波長帯域で顕著な光吸収又は透過特性を有する。
【0036】
他の実施例では、光源110は、ラーマン分光法により検証を受ける医療輸液の内容物と相互作用する単一波長の光を生成する。一実施例では、光は、チャネル30内の可能な輸液に対して顕著なラーマン・スペクトル・データを提供するのに適した可視光の単色ビームである。チャネルの輸液内容物と相互作用すると、単色光は、ラーマン効果として知られているエレクトロンのシフトにより励起される。次いで、得られたシフトは、分析されて輸液の化学的構成を検証することができる。
【0037】
出力ビーム形成光学素子118はまた、処理及び検証のために、出力光をその個々の波長のスペクトルに分離する回折格子などの光分散デバイスを含むことができる。代替的には、光分散デバイスは、干渉計とすることもできる。分散光は、CCDマトリクスなどの光検出装置、又はその個々のセルに衝突する光の波長強度を表すスペクトル・データ信号を生成する他の光感応デバイスの形を取ることができるセンサに衝突する。図4の場合、センサは分光計120と称する。
【0038】
分光計120は、プロセッサ122と通信し、検証のためにプロセッサにチャネル30の実際の輸液内容物のスペクトル・データ信号を送る。プロセッサは多くの機能を有しており、そのうちの1つが、受け取ったスペクトル・データ信号に基づいて、チャネル30の実際の輸液内容物が輸液チャネル30の予測された輸液内容物であることを検証することである。プロセッサは、その検証のためにアナログ・スペクトル・データ信号をデジタル・データに変換することができる。検証機能を実施するために、プロセッサは、分光計によって生成されたスペクトル・データを、薬剤スペクトル・データ・ベース124から検索した薬剤スペクトル・データとマッチさせる、又はマッチするように試みる。一実施例では、臨床医は、制御キー54(図2)又は薬剤師により輸液源38に貼付されたバー・コード・ラベルを読み取るバー・コード・スキャナなどの入力デバイスを介して、若しくはPDA58(図1)により、若しくは上記のRFIDタグなどの他の手段又は他のデバイスを介して、患者治療システム20に、予測される薬剤内容物の識別を入力している。これは、看護婦が輸液源38に取り付けられた投与セット30をポンプ22に装備するときに行うこともできる。
【0039】
上記の識別手段は例示のためだけである。看護婦がPM50(図2)の前面パネル上のスクロール・リストから薬剤又は薬剤の組合せを選択するなど、他の手段を輸液源の予測される組成を識別するのに使用することができる。この実施例では、PMは、まず、プロセッサ122を介して薬剤ライブラリ126にアクセスし、次いで、薬剤ライブラリ中に存在する薬剤だけをスクロール・リスト中に表示することができる。看護婦又は他の手段によって行われたこの薬剤選択は、次いで、プロセッサに、どの薬剤がチャネルの輸液内容物中にあると予測されるかを示す。他の実施例では、全く同一の薬剤ライブラリが、注入ポンプ22及びプロセッサ122中に存在することができる。他の実施例では、薬剤ライブラリは、ポンプ中に存在することができ、プロセッサ122により使用される。更に、薬剤ライブラリ126はまた、適切なソフトウェアを動作させるコンピュータ56などの外部デバイスを用いた通信システム59を介して、又はPDA58(図1)を介して、又は他の手段によって定期的に更新されるように構成することもできる。どの薬剤が輸液内容物中に予測されるかをプロセッサ122に示すために、他の手段も使用することができる。例えば、主サーバは、輸液チャネル中に存在することが予測される薬剤の識別を示すために、PM50又はプロセッサ122と直接通信することができる。上記の実施例は、他の物の排除を意味するものではなく、実際に、他の構成も使用することができる。
【0040】
より全体的な議論として、注入の開始に先立って臨床医により生成された入力は、最初の薬剤データ比較及び検証活動をトリガする。一実施例では、検出は、注入の残りに対して周期的に続けることができる。
【0041】
光学的な検出システム108からの出力は、分析のためにプロセッサ122に送られるデータ信号を含む。プロセッサの主要な機能は、以下のものを収集し、解釈することである。
【0042】
1.メモリの薬剤ライブラリ126から識別された、ユーザ入力による薬剤選択スペクトル・データ・パターン。選択されたものは、薬剤スペクトル・データ・ベース124からの一意的なスペクトル・データにマッチする。
2.予測されるスペクトル・データを生成する希釈率。
3.光学的検出システム108により検出された薬剤スペクトル、及び上記のステップ1で使用可能な形にそれを変換すること。及び
4.輸液チャネル30を含む材料のスペクトル・データ(以下で論ずる)。
更に、プロセッサは、
5.薬剤単独で生ずるスペクトル特性を分離するための、チャネル・スペクトル・データからの一意の壁材料スペクトル・データ(以下で論ずる)、及び
6.上記の第5を第1と、すなわち、ユーザ・エントリにより識別された薬剤スペクトルを実時間測定により判定された薬剤データとマッチするように試みること。
【0043】
上記を再度説明すると、プロセッサ122は、注入チャネル30中に含まれる輸液の分光法によって得られたデータを、そのチャネル中にあることが予測される薬剤に対する記憶されたデータ124と比較する。この実施例では、プロセッサは、まず、顧客プロトコルによって指示された薬剤スペクトル・データ・ベース124にアクセスすることができる。プロセッサ122が、薬剤の組合せがチャネル中に存在するはずであると知らされた場合、適切なスペクトルを判定するためのアルゴリズムを使用することができる。薬剤スペクトル・データ・ベース124は、1組の薬剤、化合物、及び輸液チャネル内のすべての可能な組成を表す薬剤の組合せに対する記憶されたスペクトルを組み合わせ得るアルゴリズムを含むことができる。薬剤スペクトル・データ・ベースは、例えば、塩化ナトリウム又はドーパミンなど、純粋又は化合物薬剤に関連するスペクトルを含み、それらの輸液の組合せのスペクトルも合成できる可能性がある。輸液チャネル30の予測される組成は、例えば、ポンプのプログラミング中に、ユーザ対話によりデータ・プロセッサに識別される。プロセッサは、予測される組成を、チャネルの管腔内容物から実時間で取得した感知された薬剤と比較する。プロセッサは、予測されたスペクトルと測定されたスペクトルを比較し、それらの間の相関の程度を判定する。比較は、自己相関により、又は当業者に知られた他の手段により、ピークごとに行うことができる。プロセッサ122は、予測された信号と実時間で感知された信号の間で行われたマッチ又は非マッチを示す信号を提供することによって検証結果を出力する。
【0044】
他の実施例では、薬剤の組合せのスペクトルを合成するためのアルゴリズムを有するのではなく、データ・ベース124は、単純に、すべての可能な純粋の薬剤及び薬剤の組合せのスペクトルを含むことができる。1つの場合において、輸液チャネル中の薬剤の識別は、所定のリストから選択することを含むので、看護婦又は医療施設が直面する選択は限られている。従って、その限られた選択のすべてのスペクトルをデータ・ベース124中にインストールすることもできる。
【0045】
他の態様では、薬剤スペクトル・データ・ベース124はまた、第1の注入に加える追加の作用薬の光スペクトル・パターンを含むことができる。そのような状態は、デキストロースの第1の注入が行われており、看護婦が図4で示すものなど、第1の下流側であるが、ポンプの上流側のチャネルの注入ポートを介して追加の薬を加える場合に起こり得る。薬剤スペクトル・データ・ベースは、可能な第2の薬剤のそれぞれに対する、及び第2の薬剤と第1の薬剤の組合せのそれぞれに対するスペクトルを含むことができる。データ・ベース124は、従って、任意の可能な第2の薬剤を有する、又は有しないチャネル30の可能な組成すべてを表すスペクトルを含むことになる。
【0046】
一実施例で述べたシステムを用いる手順の概要は、以下のものを含む。
【0047】
1.臨床医は、注入する予定の輸液源の予測される組成を識別する。
2.薬剤源38が取り付けられ、薬剤チャネル30が用意され、薬剤チャネルが通常の方法でポンプ22に適正に取り付けられる。
3.輸液容器中に存在すると予測される薬剤の識別も含めて、注入のためにポンプがプログラムされる。
4.ポンプが起動される。
5.起動されると、注入を開始する前に、入力光ビーム114が輸液デリバリ・チャネルを介して送られ、また本出願に記載の検出手段108が使用される。
6.注入チャネル中の輸液の組成から得られたスペクトルが、注入チャネル中にあることが予測される輸液の記憶されたスペクトル124と比較される。
7.分析によりそのスペクトルが十分に類似していることが確認され、注入チャネル中の輸液が、実際に、予測された薬剤であると結論された場合、注入が開始される。マッチしたことをユーザに知らせるために、適切なメッセージをディスプレイ上に表示できる。
8.比較が、注入チャネル中の輸液は予測された薬剤と十分マッチしていないことを示す場合、警報又は警告ディスプレイ及び信号を起動することができる。この場合、注入を開始するためにはユーザの関与が必要となる。
【0048】
図1に示す注入ポンプ・モジュール22は、図4の注入ポンプとして使用することができ、一方、図2のPM50は、プロセッサ122を備えることができる。薬剤スペクトル・データ・ベース124及び薬剤ライブラリ126は、同様に、PM50中に位置することができ、或いは、他の実施例では、注入ポンプ中に、又はナース・ステーション・サーバ若しくは他の場所など、注入ポンプ及びPMから更に遠隔に位置することもできる。通信リンク59は、PM50中の薬剤デリバリ制御システムと共に使用することができて、臨床施設が、サーバ56又は他の手段を介して、例えば、薬剤濃度と、投薬量限度と、薬剤、患者体重、病院病棟に対するシステム構成パラメータとを含むPMのメモリ126中に薬剤ライブラリを設定できるようになる。このような薬剤ライブラリ・システムに関する更なる詳細は、Fordによる米国特許第5681285号中で見ることができ、それを参照により本明細書に組み込む。例えば、PDA58(図1)などの通信デバイスを用いた無線接続など、薬剤をメモリ中に設定するために他の手段を使用することも可能であり、又は薬剤ライブラリは、参照により本明細書に組み込むFordによる米国特許第6269340号中に示される可搬型コンピュータなどの異なるタイプのプロセッサを介してロードすることができる。2つのメモリ124及び126が図示されているが(図4)、それらは、実際には同じ物理メモリ中に常駐することができる。
【0049】
薬剤ライブラリ126は、ライブラリの各薬剤に対して臨床施設により設定された制限を含むことができる。このような制限は、薬剤のデリバリに関連付けられた患者ファクタ又は他のファクタに依存して行われ得る各薬剤に対する最大及び最小投薬量の形を取ることができる。例えば、投薬量の制限は、患者の体重若しくは体表面積(「BSA」)に依存して、薬剤が使用されている医療施設のユニット(unit)若しくは病棟(例えば、新生児治療室(NCU)、集中治療室(ICU)など)に依存して、及び他のファクタに依存して変わる可能性がある。看護婦が、特定の薬剤に対する制限間の範囲外で動作させるようにポンプを設定した場合、警報を提供することができる。いくつかの場合にその警報がオーバライドされ、他の場合はオーバライドされないこともあり得る。医療施設は、看護婦によって無効にできる薬剤ごとの「ソフト」な制限、及び無効にできない「ハード」な制限を設定することができる。制限を超過した場合はいずれも、ポンプ22のデータ・ログ若しくはPM50中のデータ・ログ、又は注入ポンプと通信する他のプロセッサが、後の解析のために、最大投薬量より高い、又は最小投薬量より低い設定が試みられたこのような制限イベントを記録することができる。
【0050】
スペクトル・データの分析を、図5のブロック図で更に詳細に示す。輸液源の予測される組成は、PMのキー54などの入力デバイスを介して、又は通信リンク59を介して遠隔位置から、及びその他の形で前述したようにプロセッサ122に識別される。予測される組成のデータは、メモリ130の薬剤スペクトル・データ・ベース124からアクセスされる。次いで、プロセッサ122は、データ・ベース薬剤スペクトルを、分析下のチャネルの輸液組成を表す、分光計120から受け取った薬剤スペクトルと比較する。データのマッチングに使用できる比較技法は、前に述べており、比較及びマッチングに使用されるアルゴリズムは、メモリ130のアルゴリズム部分132、又はその他の場所に記憶される。プロセッサによる比較が、チャネルの実際の輸液の組成のスペクトルがそのチャネルの予測される輸液組成のスペクトルとマッチしないことを示す場合、プロセッサは、スピーカ134によるオーディオ警報信号を、及び/又はPM上の画面52若しくは他の画面による視覚的な警報を、及び/又は59などの通信リンク若しくは他のリンクを介する遠隔の警報を提供することができる。メモリは、すべての警報、及びこの医療機器で生ずる警報のどんなオーバライド138も含む警報に関連するデータ136を記憶することができる。かかる記憶された警報及びオーバライドデータは、プロセッサ122により処理され、又は他のシステムに、解析のため且つ医療治療要員に報告のためにダウンロードすることができる。このようなデータの使用には、薬剤ライブラリ中の薬剤制限が適切であるか、又は医療施設における医療行為が調整を必要とするか判定することが含まれる。データの他の使用も行うことができる。検証結果はまた、メモリ128に記憶することができる。
【0051】
次に、光検出システム108と共に使用するためのチャネルであり、輸液検証システム及び上記の方法と共に使用可能なチャネルの機械的な実装形態の一実施例の開示を提供する。ここで、図6を参照すると、図3に示す取付け具92と同様の上流側取付け具158は、輸液チャネル30の部分を形成する上流側管86とポンプ送りセグメント88を相互接続する。2つのフィン119を有する取付け具158が示されており、そのうちの1つが参照入力ビーム113と共に使用される。チャネル入力ビーム111は、取付け具158のほぼ中心を通って延びるように配置された状態で示されている。光111及び113の入力ビームが共に、取付け具を貫通し、反対側から出た後、この実施例では、チャネル出力ビーム116及び参照出力ビーム121となる。
【0052】
図3に示すように、取付け具92は、輸液チャネル30を、ポンプに関して適正な位置に固定するように使用され、従って、輸液検証、エア・イン・ライン感知74、圧力感知72、機械的なポンプ送り70を成功裡に行うことができる。図6の実施例では、取付け具158は、図3の取付け具92と置き換わることになる。図3はまた、輸液検証システム100の様々な構成要素が取り付けられ得るハウジング160を示す。具体的には、図3に示されていないが、光検出システム108の構成要素を輸液検証ハウジング160中に配置することもできる。例えば、ビーム形成光学素子112、第1のチョッパ115、第1のミラー117、第2のミラー123、第2のチョッパ125、及び出力ビーム形成光学素子118をハウジング160中に配置することができる。それらの実装形態に応じて、追加の、又はより少ないその構成要素をハウジング中に配置することができる。
【0053】
他の実施例では、輸液注入導管用に使用される典型的なプラスチック材料の光吸収及びラーマン特性は一般によく知られているので、輸液検証システム100は、入力参照ビーム113を使用せずに、取付け具158の材料の吸収及びラーマン・スペクトルを自動的に補償するように構成することも可能である。この実施例では、輸液検証システムは、導管スペクトルに関するデータを記憶し、輸液分析中に輸液組成スペクトルから導管スペクトルを自動的に減算することができる。
【0054】
治療付与者が、薬剤ライブラリ126中にない薬剤を注入する必要のある場合、検証システム100はオーバライド状態に置かれ、スペクトル比較が行われないが、なお、ポンプを動作させることができる。
【0055】
更なる処理機能が利用可能な他の実施例では、検証システム100は、まず、予測された輸液組成と実際に検出された輸液組成の間で、上記開示のマッチングを実施することができる。マッチするものが存在しない場合、システムは、上記の手段を介してその事実を治療付与者に示す。治療付与者は、次いで、システムに、輸液導管の実際の組成の識別を試みるように要求する選択肢を有することができる。次いで、システムは、輸液組成を識別するために、実際に検出された輸液組成のスペクトルを薬剤スペクトル・データ・ベース124中のスペクトルにマッチさせるように試みる。識別が成功した場合、薬剤の識別は、ディスプレイ52上に示され、言葉で伝えられ134、若しくは他の形で治療付与者又は他の者に伝えることができる。他の態様では、治療付与者が、システム100に、薬剤ライブラリ126から選択された薬剤のスペクトルを、実際に検出された輸液導管組成のスペクトルと比較することを直接要求できるようにシステムを構成することもできる。この後者の手段によると、識別が成功した場合、治療付与者は、次いで、1つの薬剤からの輸液投与セットが検証下の注入ポンプに誤って取り付けられていることを判定でき、次いで、その投与セットをより速やかに正しいポンプへと移動することができる。
【0056】
PM50が複数の注入ポンプ・モジュール22、24、26、及び28を制御する図1及び2に示すものなどのシステムが使用され、投与セット中の実際の薬剤の識別が成功している他の実施例では、PMは、単に、自動的に又は治療付与者の任意選択で、正しい薬剤に対するその注入モジュールを再プログラムすることができる。このようなシステムでは、医薬品のバッグを最初に受け取ったときに必要なポンプ送りプログラムをPMに入力することができ、その特定の医薬品を中に有する投与セットの存在をモジュールが検出すると、PMはそのプログラムを用いて特有の注入ポンプ・モジュールを適正にプログラムする。この手順の他の変形も可能である。
【0057】
第1の注入が第2の注入の後に続く場合、又は図1に示すように先行する場合、患者に注入されている第1の輸液及び第2の輸液の内容物を共に検証するために、複数回、Yサイト104の下流側の輸液チャネルの組成を検査することが望ましい。このような場合、注入チャネルは、特定の時間に一方の又は他方の薬剤だけを含むことができる。従って、注入の開始前に、注入チャネルの内容物を検証することに加えて、継続して、検出手段に輸液チャネル30の内容物を周期的に監視させることは望ましい機能となる。このような連続的な監視により、システムは、輸液チャネルの輸液内容物のスペクトルが変わるので、いつ第2の注入が完了したかを判定できるようになる。薬剤検証システム100を自動化することにより、システムのプロセッサ122は、注入ポンプ22のポンプ送りパラメータを、正確に正しい時間で、第1の注入又は第2の注入のために必要なものに切り替えることができる。
【0058】
前述のことから、本発明の原理による輸液検証システムは、適正な薬剤の注入を保証するために輸液注入ライン中の医療輸液の内容物を判定する有効なシステムを提供することを理解されたい。このようなシステム及び方法はまた、輸液注入のより自動化された処理を可能にすることができる。
【0059】
本発明の特有の諸実施例を説明し例示してきたが、本発明は、発明的な能力を発揮せずに当業者の能力内で、諸の変更及び諸の実施が可能であることは明らかである。従って、本発明の形態、細部、及び用途における様々の変更を、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行うことができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】各輸液投与セットを介して、各輸液源及び患者に接続された4つの医療輸液注入ポンプを有する医療機器を示す本発明の諸態様によるシステムの図である。プログラミング・モジュールは、すべてのポンプに接続され、通信リンクを介し遠隔のプロセッサに接続されているとして示されている。更に、異なる接続も可能であるが、無線リンクを介して医療機器と通信するための可搬型デバイスが示されている。
【図2】プログラミング・モジュールに取り付けられた輸液注入ポンプのディスプレイ及び制御キーを示す図1の医療デバイスの拡大図である。
【図3】ドアが開いた位置にあり、各投与セットの輸液注入チャネルが注入ポンプと動作可能に係合状態にある図1及び2の輸液注入ポンプのうちの1つの図である。更に、ポンプの上流側端部に、本発明の諸態様による検証システムのための光学素子及び光ハウジングを示す。
【図4】本発明の諸態様による医療輸液検証システム及び方法のブロック図である。
【図5】輸液チャネルの内容物のスペクトル・データと、チャネルの、予測される輸液組成の記憶されたスペクトル・データとの比較が行われる本発明によるシステム及び方法の諸態様のブロック図である。更に、本発明に関連する警報の実装及び記憶されたデータ・ベースを示す。
【図6】チャネルの内容物を検証するために、光ビームを送ることができる輸液チャネルの実装形態の斜視ブロック図であり、更に、そのチャネルは参照部分を有し、チャネルの内容物を検証する精度を改善できるように光の参照ビームを参照部分を通して送り、チャネルの壁の組成に関するスペクトル・データを生成する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャネル壁、及び輸液がその中を導かれる内部を含む輸液注入チャネル内に含まれる輸液の組成を検証するための装置であって、
前記チャネル内に含まれる前記輸液を通して光を送るように配置され、且つ構成された光源と、
前記光が前記輸液を通過した後に、前記チャネル内に含まれる前記輸液を通して送られた前記光を受け取るように配置された光センサであって、前記チャネル内に含まれる前記輸液の実際の組成のスペクトル・データを表す光センサ信号を提供する光センサと、
前記輸液の前記実際の組成の前記スペクトル・データを、前記チャネル内に含まれる前記輸液の予測される組成のスペクトル・データと比較するように適合されたプロセッサと
を備える装置。
【請求項2】
前記チャネル内に含まれる前記輸液の前記予測される組成の前記スペクトル・データが記憶されているメモリを更に備え、
前記プロセッサが、前記チャネル内に含まれる前記輸液の前記予測される組成の前記スペクトル・データを取得するために前記メモリにアクセスする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記輸液の前記予測される組成の指示を前記プロセッサに入力するための入力デバイスを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記チャネルが、注入ポンプのポンプ送り機構によって動作され、
前記光源及び前記光センサが、前記ポンプ送り機構の上流側の前記注入ポンプ上の位置に配設される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記チャネル壁の組成と近似的に同じ組成を有する参照要素と、
前記参照要素を通して光を送るように配置され、且つ構成された参照光と、
参照要素を介して送られた前記参照光を、前記参照要素を通過した後に感知する手段であって、前記参照光のセンサが、前記参照要素の前記実際の組成のスペクトル・データを表す光センサ信号を提供する手段とを更に備え、
前記プロセッサが更に、前記チャネル内の前記輸液の前記実際の組成の前記スペクトル・データを、前記参照要素の前記実際の組成の前記スペクトル・データを用いて調整するように適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記参照光が、前記光源によって生成される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記参照光を感知するための手段が、前記光センサを備える、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記光源とは別個の参照ビームとして前記参照光を形成するように構成され、前記参照要素を通して前記参照ビームを送るように更に構成された第1のビーム形成デバイスを更に備え、
前記光センサが、前記参照ビームを、前記参照要素を通過した後に受け取り、且つ前記参照要素のスペクトル・データを表すセンサ信号を提供するように配置される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記光センサが、前記参照ビームを、前記参照要素を通過した後に受け取り、且つ前記光センサに前記参照ビームを提供するように構成された第2のビーム形成デバイスを備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記チャネル壁の前記組成を表す所定のスペクトル・データを更に備え、
前記プロセッサが更に、前記チャネル内の前記輸液の前記実際の組成の前記スペクトル・データを、前記チャネル壁を表す前記所定のスペクトル・データを用いて調整する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記チャネル内に含まれる可能な予測される輸液組成を表す複数のスペクトル・データが記憶されているメモリと、
前記輸液チャネル内に含まれる前記輸液の前記予測される組成を前記プロセッサに入力するための入力デバイスとを更に備え、
前記入力デバイスに応答して、前記プロセッサが、前記チャネル内に含まれる前記輸液の前記予測される組成の前記スペクトル・データを取得するために、前記メモリにアクセスする、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記プロセッサが、前記予測される組成の前記スペクトル・データが前記実際の組成の前記スペクトル・データとマッチしない場合、前記メモリ中の更なるスペクトルにアクセスし、前記メモリからのスペクトル・データを前記実際の組成の前記スペクトル・データと更に比較し、マッチが検出された場合はマッチした前記スペクトル・データを示すように適合されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記プロセッサが更に、前記メモリ中のスペクトル・データから、前記予測される輸液組成のためのスペクトル・データを合成するように適合されている、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサが更に、前記実際の組成の前記スペクトル・データが前記予測される組成の前記スペクトル・データとマッチしない場合、警報信号を提供するように適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記プロセッサが、前記ポンプ送り機構を制御し、
前記プロセッサが更に、前記実際の組成の前記スペクトル・データが前記予測される組成の前記スペクトル・データとマッチしない場合、前記ポンプ送り機構が動作するのを阻止するように適合されている、請求項4に記載の装置。
【請求項16】
前記プロセッサが更に、前記スペクトルがマッチしない場合、前記ポンプの操作者が前記プロセッサをオーバライドできるように適合されている、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
メモリを更に備え、
前記プロセッサが更に、前記プロセッサのオーバライド及び輸液検証データを前記メモリに記憶するように適合されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記プロセッサが更に、スペクトル・データの比較に関するイベントを、前記プロセッサから遠隔に位置する病院サーバと通信するように適合されている、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記輸液の予測される組成の指示を含む前記輸液に関係する識別デバイスを読み取るように適合された、前記プロセッサと通信する読取りデバイスを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記識別デバイスが、前記輸液の前記予測される組成のスペクトル・データを含む、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記識別デバイスが、前記予測される輸液組成の指示を含み、また前記プロセッサが、前記予測される輸液組成と整合性のあるスペクトル・データを受け取るように適合されている、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記識別デバイスがバー・コードを含み、また前記読取り装置がバー・コード・スキャナを含む、請求項19に記載の装置。
【請求項23】
前記識別デバイスがRFIDタグを含み、また前記読取り装置がRFID読取り装置を含む、請求項19に記載の装置。
【請求項24】
前記識別デバイスが無線情報デバイスを含み、また前記読取り装置が前記無線情報デバイスの互換性のある読取り装置を含む、請求項20に記載の装置。
【請求項25】
チャネル壁、及び輸液がその中を導かれる内部を含む輸液注入チャネル内に含まれる前記輸液の組成を検証する方法であって、
前記チャネル内に含まれる前記輸液を通して光を送るステップと、
前記チャネル内に含まれる前記輸液を通して送られた前記光を、それが輸液を通過した後に感知し、前記チャネル内に含まれる前記輸液の前記実際の組成のスペクトル・データを表す光センサ信号を提供するステップと、
前記輸液の前記実際の組成の前記スペクトル・データを、前記チャネル内に含まれる前記輸液の予測される組成のスペクトル・データと比較するステップと
を含む方法。
【請求項26】
前記チャネル内に含まれる前記輸液の前記予測される組成の前記スペクトル・データを記憶するステップと、
前記チャネル内に含まれる前記輸液の前記予測される組成の前記スペクトル・データを取得するために前記メモリにアクセスするステップと
を更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
参照要素を通して光を送るステップであって、前記参照要素が、前記チャネル壁の組成と近似的に同じ組成を有するステップと、
前記参照要素を通して送られた光を、前記参照要素を通過した後に受け取るステップであって、前記受け取られた光が、前記参照要素の前記実際の組成のスペクトル・データを表しているステップと、
前記チャネル内の前記輸液の前記実際の組成の前記スペクトル・データを、前記参照要素の前記実際の組成の前記スペクトル・データを用いて調整するステップと
を更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記チャネル壁の前記予測される組成を表す所定のスペクトル・データを受け取るステップと、
前記チャネル内の前記輸液の前記実際の組成の前記スペクトル・データを、前記チャネル壁を表す前記所定のスペクトル・データを用いて調整するステップと
を更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記チャネル内に含まれる可能な予測される輸液組成の複数のスペクトル・データを記憶するステップと、
前記輸液チャネル内に含まれる前記輸液の前記予測される組成を入力するステップと、
前記複数のスペクトル・データから、前記チャネル内に含まれる前記輸液の前記予測される組成の前記スペクトル・データにアクセスするステップと
を更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記予測される組成の前記スペクトル・データが、前記実際の組成の前記スペクトル・データとマッチしない場合、更なるスペクトル・データにアクセスするステップと、スペクトル・データを前記実際の組成の前記スペクトル・データと更に比較するステップと、マッチが検出された場合は、マッチした前記スペクトル・データを示すステップとを更に含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
スペクトル・データから、前記予測される輸液組成のためのスペクトル・データを合成するステップを更に含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記実際の組成の前記スペクトル・データが前記予測される組成の前記スペクトル・データとマッチしない場合、警報を出すための信号を提供するステップを更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項33】
前記輸液の予測される組成の指示を含む前記輸液に関係する識別デバイスを読み取るステップを更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項34】
前記輸液の前記予測される組成のスペクトル・データを含む識別デバイスを読み取るステップを更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
バー・コード・スキャナを用いてバー・コード識別デバイスを読み取るステップを更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
RFID読取り装置を用いてRFID読取りタグを読み取るステップを更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
互換性のある無線読取り装置を用いて無線情報デバイスを読み取るステップを更に含む、請求項33に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−512041(P2007−512041A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538521(P2006−538521)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/037003
【国際公開番号】WO2005/046766
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(505403186)カーディナル ヘルス 303、インコーポレイテッド (69)
【氏名又は名称原語表記】Cardinal Health 303,INC.
【住所又は居所原語表記】10221 Wateridge Circle,Building A,San Diego,California 92121
【Fターム(参考)】