説明

洗浄・現像処理装置における基板搬送ローラー自動清掃装置

【課題】洗浄・現像処理装置における基板を搬送する搬送ローラーの洗浄、清掃を自動化し、洗浄清掃操作の手間や労力を省力化し、洗浄・清掃作業を短時間で実施し、搬送ローラーの洗浄、清掃操作による洗浄・現像装置の長期の稼動停止ロスの発生を防止する。
【解決手段】基板材料pを水平に載置して洗浄・現像チャンバー1内の洗浄処理手段Bと現像処理手段Cとに水平搬送する搬送ローラー40を備えた洗浄・現像処理装置Aにおいて、基板材料pが載置、搬送されていない搬送ローラーを特定する検出手段を備え、特定された搬送ローラーの回転中又は回転停止中に、洗浄・現像チャンバー1内の搬送ローラー40上方に対峙する専用の清掃ノズル31にて該搬送ローラーに清掃液dを噴射し、搬送ローラーに付着する汚損物を自動清掃除去して搬送ローラーを清掃する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーフィルタ等の精密部品の製造において使用されるガラス基板等の基板材料に塗工されたパターン露光後の感光性樹脂塗膜を、現像処理する現像処理装置において、該ガラス基板等の基板材料を搬送する搬送ローラーに付着した現像処理液や、現像除去した残留塗膜を洗浄除去するための洗浄・現像処理装置における基板搬送ローラー自動清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ガラス基板をベースとする精密部品の製造や、液晶テレビやプラズマテレビ等のディスプレイ製品の製造等においては、それらに使用されるカラーフィルタ用ガラス基板(ワーク)面に感光性樹脂を塗工し、乾燥(あるいは感光性樹脂フィルムを積層ラミネート)して感光性薄膜を形成し、その感光性樹脂薄膜に紫外線パターン露光手段にて、製品製作のための原版パターンをパターン露光して潜像パターンを形成した後、所定の現像液を用いて、現像手段にて、露光後の感光性薄膜を現像剥離処理(現像液の吹き付け、水洗、乾燥等)して潜像パターンを顕像化することにより、そのガラス基板面に、製品製作のためのフォトグラフィ法によるフォトレジストパターンや、カラーフィルタパターンを形成している。
【0003】
カラーフィルタの製造工程においては、感光性樹脂液が塗布されて乾燥した感光性樹脂薄膜を有するガラス基板面(その表裏面)に付着する汚れ・異物等を洗浄除去する洗浄除去装置、またはパターン露光したガラス基板面の感光性樹脂薄膜の潜像パターンを、現像処理液にて剥離・現像処理して顕像化する現像処理装置、あるいはその両方の装置を組み合わせた洗浄・現像処理装置が使用される。
【0004】
図1に洗浄・現像処理装置の側面図、図2に上面図を示す。図1、図2に示すように、ガラス基板は、チャンバ内に設けられたモーター等にて駆動回転するシャフトに複数個のローラーを軸支した搬送ローラー上に載置されて、チャンバ内に設けられたノズルから、その基板面に純水・洗剤・現像処理等を吹き付けられながら搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−89148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
洗浄・現像処理装置の洗浄除去手段においては、ガラス基板面(その表裏面)から洗浄除去した汚れや異物等が搬送ローラーに付着し、現像処理手段においては、剥離・現像除去した感光性樹脂が、搬送ローラーに付着して、ガラス基板の裏面へ転写して、不良品やトラブルの発生を招いてしまう。
【0007】
このような場合、カラーフィルタ製造工程にある洗浄・現像処理装置に設置した不良検査手段等により、搬送ローラーに起因したガラス基板の裏面汚れ、異物等による不良の発生が発見された場合、手動にて搬送ローラーの清掃を実施しなければならないが、搬送ローラーの洗浄、清掃を手動にて行うと、長時間の手間や労力を要し、洗浄・現像装置が長期停止して停止ロスが生ずる。
【0008】
本発明は、洗浄・現像処理装置における基板搬送ローラー自動清掃装置であって、洗浄
・現像処理装置における基板材料を搬送する搬送ローラーの洗浄、清掃操作を自動化し、洗浄・清掃操作の手間や労力を省力化し、洗浄・清掃作業を短時間で実施できるようにすることにより、搬送ローラーの洗浄、清掃操作による洗浄・現像装置の長期の稼動停止ロスの発生を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に係る発明は、基板材料を水平に載置して洗浄・現像チャンバー内の洗浄処理手段と現像処理手段とに水平搬送する搬送ローラーを備えた洗浄・現像処理装置において、基板材料が載置、搬送されていない搬送ローラーを特定する検出手段を備え、特定された搬送ローラーの回転中又は回転停止中に、洗浄・現像チャンバー内の搬送ローラー上方に対峙する専用の清掃ノズルにて、該搬送ローラーに清掃液を噴射し、搬送ローラーに付着する汚損物を自動清掃除去して搬送ローラーを清掃することを特徴とする洗浄・現像処理装置における基板搬送ローラー自動清掃装置である。
【0010】
本発明の請求項2に係る発明は、上記請求項1に係る洗浄・現像処理装置における基板搬送ローラー自動清掃装置において、前記洗浄処理手段と現像処理手段には、洗浄・現像チャンバー内の搬送ローラーの回転動作と回転停止動作の動作制御と、その動作検知確認を行い、また搬送ローラー上への基板の載置・非載置状態の動作制御とその状態検知確認を行い、また洗浄処理手段と現像処理手段の動作制御と動作検知確認を行い、また専用の前記清掃ノズルの噴射動作の動作制御とその動作検知確認を行い、前記各々動作検知確認に基づき、専用の前記清掃ノズルの噴射動作の動作制御を行う各々動作制御手段と検知(センサー)手段とを備えることを特徴とする洗浄・現像処理装置における基板搬送ローラー自動清掃装置である。
【0011】
本発明の請求項3に係る発明は、上記請求項1に係る洗浄・現像処理装置における基板搬送ローラー自動清掃装置において、前記専用の清掃ノズルは、搬送ローラーの基板搬送方向に対して平行前後方向に反復移動可能であることを特徴とする洗浄・現像処理装置における基板搬送ローラー自動清掃装置である。
【0012】
本発明の請求項4に係る発明は、上記請求項3に係る洗浄・現像処理装置における基板搬送ローラー自動清掃装置において、前記搬送ローラーの回転中であって且つ基板を載置していない状態にて、洗浄・現像チャンバー内の搬送ローラー上方に搬送ローラーの基板搬送方向に対して平行前後方向に反復移動動作可能に対峙する専用の前記清掃ノズルにて該搬送ローラーに清掃液を噴射し、搬送ローラーに付着する汚損物を自動清掃除去することを特徴とする洗浄・現像処理装置における基板搬送ローラー自動清掃装置である。
【0013】
本発明の請求項5に係る発明は、上記請求項1又は3又は4に係る洗浄・現像処理装置における基板搬送ローラー自動清掃装置において、前記洗浄手段と現像処理手段には、洗浄・現像チャンバー内の搬送ローラーの回転動作と回転停止動作等の動作制御と、その動作検知確認を行い、また搬送ローラー上への基板の載置・非載置状態の動作制御とその状態検知確認を行い、また洗浄処理手段と現像処理手段の動作制御と動作検知確認を行い、また専用の前記清掃ノズルの噴射動作の動作制御とその動作検知確認を行い、前記各々動作検知確認に基づき、専用の前記清掃ノズルの噴射動作の動作制御と噴射動作状態及びリアル位置の検知確認を行う各々動作制御手段と検知(センサー)手段とを備えることを特徴とする洗浄・現像処理装置における基板搬送ローラー自動清掃装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の現像処理装置における搬送ローラー自動清掃装置によれば、洗浄処理手段と現像処理手段とに備える搬送ローラーの回転中、又は回転停止中、又は回転中であって、且つ基板を載置していない状態にて、洗浄・現像チャンバー内の搬送ローラー上方に定位置
に固定状態に対峙する、又は搬送ローラーの基板搬送方向に対して平行前後方向に反復移動可能に対峙する専用の清掃ノズルにて、該搬送ローラーに清掃液を噴射し、搬送ローラーに付着する汚損物を自動清掃除去するものである。
【0015】
本発明装置により搬送ローラーに洗浄液を噴射して搬送ローラーに付着する汚損物を自動清掃除去する際には、装置の動作制御手段及び検知(センサー)手段等により、洗浄・現像チャンバー内の搬送ローラーの回転動作と回転停止動作等の制御と、その動作確認等が行なわれ、また搬送ローラー上への基板の載置・非載置状態の動作制御と、その状態確認等が行われ、また洗浄処理手段と現像処理手段の動作制御と、その動作検知確認が行われ、また専用の清掃ノズルの噴射動作の動作制御とその動作位置の検知確認が行われて、その各々動作検知確認に基づき、専用の清掃ノズルによる清掃液の噴射動作制御を行い、搬送ローラーに付着する汚損物を自動的に清掃除去することができる。
【0016】
また、洗浄・現像処理装置の洗浄処理手段と現像処理手段とにそれぞれ不良検査手段(光学フォトセンサー等)を備えることにより、搬送ローラーに起因したガラス基板の裏面汚れや異物等による不良の発生が発見された場合には、前述した通り自動的に搬送ローラーの清掃を実施でき、搬送ローラーの清掃に要する時間を短縮でき、手間や労力を省力化して、搬送ローラー清掃に起因する洗浄・現像処理装置の長期稼動停止による製造ロスを解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の基板搬送ローラー自動清掃装置の全体側面図。
【図2】本発明の基板搬送ローラー自動清掃装置の動作制御系を説明するブロック図。
【図3】本発明の基板搬送ローラー自動清掃装置の動作の一例を説明するフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の洗浄・現像処理装置における基板搬送ローラー自動清掃装置の一実施の形態を図1に基づき以下に詳細に説明する。
【0019】
図1に示すように、本発明の洗浄・現像処理装置Aは、処理室として洗浄・現像チャンバー1と、そのチャンバー1の基板搬入口1b、搬出口1cとを備え、該洗浄・現像チャンバー1内には、カラーフィルタ用ガラス基板等の基板材料p(例えばフォトレジスト膜塗工前又はフォトレジスト膜塗工乾燥及びパターン露光済みのカラーフィルタ基板)を洗浄する洗浄処理手段Bと、その基板材料pに現像液を吹き掛けて現像処理する現像処理手段Cが、この順に配置されている。なお、チャンバー1内の洗浄処理手段Bと現像処理手段Cとの間の上部と下部には、処理区画用の仕切板1dを備えていてもよい。
【0020】
洗浄処理手段Bは洗浄ノズル支持部10を備え、該洗浄ノズル支持部10には洗浄液を下方に向かって噴射する複数の洗浄ノズル11を備え、現像処理手段Bは現像ノズル支持部20を備え、該現像ノズル支持部20には現像液を下方に向かって噴射する複数の現像ノズル21を備えている。尚、各ノズル11、21からの時間当たりの噴射量、噴射速度等は適宜に設定を可能とする。
【0021】
前記洗浄処理手段Bの洗浄ノズル支持部10及び現像処理手段Cの現像ノズル支持部20の下方には、カラーフィルタ用ガラス基板等の基板材料pを、所定間隔(略等間隔)を置いて載置して、水平矢印方向(図面右方向)に搬送するコンベアとして、洗浄処理手段B側の洗浄搬送ローラー40bと、現像処理手段C側の現像搬送ローラー40cとを、連続して配置して搬送ローラー40を構成している。前記洗浄ノズル11と現像ノズル21は、そのノズル先端部を下方の基板搬送ローラー40の方向(略垂直方向)に向けて対峙して配置されている。尚、搬送ローラー40の搬送速度(ローラー回転速度等)は、適宜に設定が可能となっている。
【0022】
前記洗浄ノズル支持部10には、洗浄液供給主管12と洗浄液供給管13を備え、洗浄液bが、洗浄液供給主管12、供給管13、洗浄ノズル支持部10内部を通って、洗浄ノズル11から噴出される。また前記現像ノズル支持部20には、現像液供給主管22と現像液供給管23を備え、現像液cが、現像液供給主管22、供給管23、現像ノズル支持部20内部を通って、現像ノズル21から噴出される。
【0023】
本発明の基板搬送ローラー自動清掃装置には、洗浄処理手段Bの洗浄ノズル支持部10及び現像処理手段Cの現像ノズル支持部20と、それに対峙する基板搬送ローラー40との間には、該搬送ローラー40の配列方向(基板pの搬送方向)に平行(水平方向、矢印方向)に、反復進退移動な可動ブラケット30が、搬送ローラー40の幅方向を長手方向として配置されていて、該可動ブラケット30には、搬送ローラー40を清掃するための専用の複数個の清掃ノズル31が、その搬送ローラー40の幅方向に、その噴出口を下向きの該搬送ローラー40方向に向けて配列されている。尚、清掃ノズル31からの清掃液dの時間当たりの噴射量、噴射速度等は、適宜に設定が可能である。
【0024】
前記可動ブラケット30には、清掃液供給主管32と清掃液供給管33を備え、搬送ローラー清掃用液d(洗浄液)が、清掃液供給主管32、供給管33、可動ブラケット30内部を通って、清掃ノズル31から噴出される。
【0025】
可動ブラケット30は、洗浄処理手段Bの洗浄ノズル支持部10及び現像処理手段Cの現像ノズル支持部20と、それに対峙する基板搬送ローラー40との間において、リニアガイド35に沿って水平方向に駆動移動する。可動ブラケット30は、リニアガイド35に沿って摺動移動する磁力式リニアモータ方式の可動ブラケット30、可動ブラケット30とリニアガイド35とを空圧式又は油圧式のリニアシリンダ方式可動ブラケット30、リニアガイド35に沿って摺動する電動モータにて回転するスクリューシャフト螺着式可動ブラケット30などであってもよい。なお、リニアガイド35に対する可動ブラケット30の位置検出にはリニアエンコーダやロータリエンコーダなどが使用される。
【0026】
また可動ブラケット30と、一体的に清掃液供給主管32(フレキシブルホース)も反復移動するため、リニアガイド35に平行に該清掃液供給主管32が反復移動できる主管受のリニアガイド34を設置することができる。
【0027】
なお、清掃ノズル31が固定のブラケット30に取り付けられている形式の固定式清掃ノズルの場合には、搬送ローラー40の搬送方向を長手方向として搬入口1bから搬出口1cまでの長さを有し、搬送ローラー40の幅方向に可動の1本の固定ブラケット30に複数個の清掃ノズル31を配置して、該固定ブラケット30を、搬送ローラー40の幅方向に所定のタイミングにて反復移動させることにより、搬送ローラー40を清掃するようにしてもよい。
【0028】
本発明の洗浄・現像処理装置Aにおける基板搬送ローラー自動清掃装置は、基板材料pが載置、搬送されていない搬送ローラー40が存在するタイミングにおいて、搬送ローラー40(洗浄搬送ローラー40b又は/及び現像搬送ローラー40c)の回転中、又は回転停止中において、洗浄・現像チャンバー1内の前記基板材料pが載置、搬送されていない搬送ローラー40上方に対峙する専用の清掃ノズル31から、適正なタイミングにて、当該搬送ローラー40に対して自動的に清掃液を噴射して、搬送ローラー40(洗浄搬送ローラー40b又は/及び現像搬送ローラー40c)に付着する汚損物を清掃除去し、搬送ローラー40を清掃するものである。
【0029】
本発明の洗浄・現像処理装置Aにおける基板搬送ローラー自動清掃装置には、図2のブロック図に示すように、動作検出確認手段I と動作制御手段IIとを、洗浄・現像処理装置Aにおける基板搬送ローラー自動清掃装置III に備えるものである。
【0030】
そして、前記動作検出確認手段I と動作制御手段IIは、洗浄・現像チャンバー1内の搬送ローラー40(洗浄搬送ローラー40b又は/及び現像搬送ローラー40c)の回転動作及び回転停止動作の動作制御と、その回転動作状態の検出確認を行う。
【0031】
また、前記動作検出確認手段I と動作制御手段IIは、洗浄処理手段Bと現像処理手段Cにおける搬送ローラー40上への基板pの載置・非載置動作状態の検出確認と、それに基づく動作制御とを行い、また洗浄処理手段Bと現像処理手段Cの動作制御と動作検知確認を行い、また専用の清掃ノズル31の噴射動作(バルブの開閉動作)の動作制御と、その動作検知確認を行うものである。
【0032】
そして、前記各々動作検知確認に基づいて、専用の前記清掃ノズル31の噴射動作の動作制御を行い、清掃ノズル31から所定のタイミングにて清掃液dを搬送ローラー40に向けて噴射して、その清掃液dの噴射力により、該搬送ローラー40に付着する汚れ・異物等を洗浄除去するものである。
【0033】
本発明の上記基板搬送ローラー自動清掃装置III を制御動作する前記動作検出確認手段I と動作制御手段IIの制御動作系について、図及び図2に基づいて、以下に説明すれば、図1に示す洗浄・現像処理装置Aの洗浄手段Bにある洗浄液供給主管12、洗浄液供給管13又は個々の洗浄ノズル11には、洗浄ノズル開閉検出器51が設置されている。
【0034】
本発明の上記基板搬送ローラー自動清掃装置III を制御動作する動作検出確認手段I と動作制御手段IIによる制御動作系について、図及び図2に基づいて以下に説明する。
【0035】
図1に示す洗浄・現像処理装置Aの洗浄手段Bにある洗浄液供給主管12、洗浄液供給管13、又は個々の洗浄ノズル11のいずれかには、洗浄ノズル(洗浄液供給バルブ)開閉検出器51が設置され、洗浄ノズル11から洗浄液bが噴射継続中か噴射停止中かのいずれかが確認がされ、現像手段Cにある現像液供給主管22、現像液供給管23、又は個々の洗浄ノズル21には、現像ノズル(現像液供給バルブ)開閉検出器52が設置され、洗浄ノズル11から洗浄液bが噴射継続中か噴射停止中かのいずれかが確認される。
【0036】
また、洗浄・現像処理装置Aのチャンバー1内にある可動式の清掃ノズル31の位置を確認するために、清掃ノズル31を取り付け支持する可動ブラケット30のリニアガイド35に対する位置を確認するためにリニアエンコーダ、ロータリーエンコーダなどの清掃ノズル位置検出器53を備えている。
【0037】
また、洗浄・現像処理装置Aのチャンバー1内にある清掃液供給主管32、清掃液供給管33、又は個々の清掃ノズル31には、清掃ノズル(清掃液供給バルブ)開閉検出器53aが設置されていて、清掃ノズル31から清掃液dが噴射継続中か噴射停止中かのいずれかが確認される。
【0038】
また、洗浄・現像処理装置Aのチャンバー1内に基板pを導入するための搬入口1b、搬出口1cには、搬送ローラー40上に載置されて搬送される基板pの通過完了を1枚ずつ検出して通過枚数をカウントする基板導入通過検出器54を備え、搬入口1bのカウン
ト数と搬出口1cのカウント数が一致した時点で、チャンバー1内の基板pの搬出が終了したことが確認されて、洗浄・現像処理装置Aの搬送ローラー40上には基板pが存在しないと判定され、不一致の時点では、洗浄・現像処理装置Aの搬送ローラー40上には基板pが存在していると判定される。
【0039】
前記洗浄ノズル(洗浄液供給バルブ)開閉検出器51、現像ノズル(現像液供給バルブ)開閉検出器52、清掃ノズル位置検出器53、清掃ノズル(清掃液供給バルブ)開閉検出器53a、基板導入検出器54により検出されたそれぞれ検出信号は、動作制御部55に受信されて、CPU、マイクロプロセッサ(制御用シーケンサー)にて動作制御信号(シーケンス制御信号)に変換され、動作制御信号に基づいて洗浄・現像処理装置Aの搬送ローラー自動清掃装置III に配設されている洗浄搬送ローラー56、現像搬送ローラー57、洗浄ノズル開閉パルブ58、現像ノズル開閉バルブ59、清掃ノズル開閉バルブ60を順次動作させて、洗浄・現像チャンバー1内の基板材料pが載置、搬送されていない搬送ローラー40上方に対峙する専用の清掃ノズル31から、適正なタイミングにて、当該搬送ローラー40に対して自動的に清掃液を噴射して、搬送ローラー40(洗浄搬送ローラー40b又は/及び現像搬送ローラー40c)に付着する汚損物を清掃除去し、搬送ローラー40を清掃するものである。
【0040】
次に、本発明の洗浄・現像処理装置Aにおける基板搬送ローラー自動清掃装置の動作制御信号に基づく動作の一実施例を、図3に示すフローチャート図に基づいて、以下に詳細に説明する。
【0041】
<step1>
洗浄・現像チャンバー1の搬入口1bにおける基板通過枚数と、搬出口1cにおける基板通過枚数とを、基板通過検出器54にて測定して確認し、洗浄・現像チャンバー1内の搬送ローラー40(洗浄搬送ローラー40b又は/及び現像搬送ローラー40c)に基板pが存在するか否かを確認する。
【0042】
<step2>
搬入口1bにおける最終基板通過枚数と、搬出口1cにおける最終基板通過枚数の各々数値を比較し、不一致で(差分値)があれば、搬送ローラー40上に基板pが存在するとして、搬入口1bと搬出口1cにおける最終基板通過枚数が一致するまで、枚数の測定を継続し、搬入口1bと搬出口1cにおける最終基板通過枚数が一致すれば、搬送ローラー40上に基板pが存在しないとして、step3に進む。
【0043】
<step3>
洗浄ノズル11及び現像ノズル21が、それぞれ洗浄液b、現像液cの噴射を停止しているか否かを、洗浄ノズル(洗浄液供給バルブ)開閉検出器51と、現像ノズル(現像液供給バルブ)開閉検出器52にて確認する。
【0044】
<step4>
洗浄ノズル11及び現像ノズル21が、それぞれ洗浄液b、現像液cの噴射を停止している場合は、step5に進み、噴射動作の稼動中又は停止動作の途中の場合は、step1又はstep3に戻る。
【0045】
<step5>
洗浄ノズル11及び現像ノズル21が、それぞれ洗浄液b、現像液cの噴射の停止動作を終了している場合は、清掃ノズル31の現在位置を、清掃ノズル位置検出器53にて確認する。
【0046】
<step6>
清掃ノズル31の現在位置を清掃ノズル位置検出器53にて確認した結果、清掃ノズル31がスタート原点(元の位置)に復帰している場合は、step7に進み、復帰の途中又復帰動作を終了していない場合は、step1又はstep5に戻る。
【0047】
<step7>
動作制御部55は、清掃液dの所定(例えば10分乃至1時間等)の噴射継続時間を予め設定可能な噴射継続タイマーを介して、清掃ノズル31による清掃液dの噴射動作の開始を承認する。
【0048】
<step8>
清掃ノズル開閉バルブ60は、動作制御部55による清掃ノズル噴射動作開始の承認を受けて、清掃ノズル31のバルブ開放動作をして、噴射継続タイマーにより設定された所定の噴射継続時間だけ、清掃ノズル31から搬送ローラー40(特にローラー表面)に向けて掃液dを噴射する。
【0049】
<step9>
動作制御部55は、清掃ノズル31の清掃液噴射動作が、噴射継続タイマーによる所定の継続時間に到達したか否かを確認し、所定の継続時間に到達した場合は、step10に進み、未だ継続時間に到達しない場合は、step9に戻り、到達するまで噴射を継続する。
【0050】
<step10>
清掃ノズル31による清掃液の噴射動作が、噴射継続タイマーによる所定の継続時間に到達すると、清掃ノズル31は、清掃液の噴射を停止して、清掃を終了する。
【符号の説明】
【0051】
A…洗浄・現像処理装置
B…洗浄処理手段
C…現像処理手段
D…清掃手段
I…動作検出確認手段
II…動作制御手段
III…基板搬送ローラー自動清掃装置
p…基板材料
1…洗浄・現像チャンバー
1b…基板搬入口
1c…基板搬出口2
10…洗浄ノズル支持部
11…洗浄ノズル
20…現像ノズル支持部
21…現像ノズル
22…現像液供給主管
23…現像液供給管
30…反復進退移動な可動ブラケット
31…清掃ノズル
32…清掃液供給主管
33…清掃液供給管
34…主管受のリニアガイド
35…可動ブラケット用リニアガイド
40…搬送ローラー
40b…洗浄搬送ローラー
40c…現像搬送ローラー
51…洗浄ノズル開閉検出器
52…現像ノズル開閉検出器
53…清掃ノスル位置検出器
53a…清掃ノズル開閉検出器
54…基板導入検出器
55…動作制御部
56…洗浄搬送ローラー
57…現像搬送ローラー
58…洗浄ノズル開閉バルブ
59…現像ノズル開閉バルブ
60…清掃ノズル開閉バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板材料を水平に載置して洗浄・現像チャンバー内の洗浄処理手段と現像処理手段とに水平搬送する搬送ローラーを備えた洗浄・現像処理装置において、基板材料が載置、搬送されていない搬送ローラーを特定する検出手段を備え、特定された搬送ローラーの回転中又は回転停止中に、洗浄・現像チャンバー内の搬送ローラー上方に対峙する専用の清掃ノズルにて、該搬送ローラーに清掃液を噴射し、搬送ローラーに付着する汚損物を自動清掃除去して搬送ローラーを清掃することを特徴とする洗浄・現像処理装置における基板搬送ローラー自動清掃装置。
【請求項2】
前記洗浄処理手段と現像処理手段には、洗浄・現像チャンバー内の搬送ローラーの回転動作と回転停止動作の動作制御と、その動作検知確認を行い、また搬送ローラー上への基板の載置・非載置状態の動作制御とその状態検知確認を行い、また洗浄処理手段と現像処理手段の動作制御と動作検知確認を行い、また専用の前記清掃ノズルの噴射動作の動作制御とその動作検知確認を行い、前記各々動作検知確認に基づき、専用の前記清掃ノズルの噴射動作の動作制御を行う各々動作制御手段と検知(センサー)手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の洗浄・現像処理装置における基板搬送ローラー自動清掃装置。
【請求項3】
前記専用の清掃ノズルは、搬送ローラーの基板搬送方向に対して平行前後方向に反復移動可能であることを特徴とする請求項1又は2記載の洗浄・現像処理装置における基板搬送ローラー自動清掃装置。
【請求項4】
前記搬送ローラーの回転中であって且つ基板を載置していない状態にて、洗浄・現像チャンバー内の搬送ローラー上方に搬送ローラーの基板搬送方向に対して平行前後方向に反復移動動作可能に対峙する専用の前記清掃ノズルにて該搬送ローラーに清掃液を噴射し、搬送ローラーに付着する汚損物を自動清掃除去することを特徴とする請求項3記載の洗浄・現像処理装置における基板搬送ローラー自動清掃装置。
【請求項5】
前記洗浄手段と現像処理手段には、洗浄・現像チャンバー内の搬送ローラーの回転動作と回転停止動作等の動作制御と、その動作検知確認を行い、また搬送ローラー上への基板の載置・非載置状態の動作制御とその状態検知確認を行い、また洗浄処理手段と現像処理手段の動作制御と動作検知確認を行い、また専用の前記清掃ノズルの噴射動作の動作制御とその動作検知確認を行い、前記各々動作検知確認に基づき、専用の前記清掃ノズルの噴射動作の動作制御と噴射動作状態及びリアル位置の検知確認を行う各々動作制御手段と検知(センサー)手段とを備えることを特徴とする請求項1又は3又は4記載の洗浄・現像処理装置における基板搬送ローラー自動清掃装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−166120(P2012−166120A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27014(P2011−27014)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】