説明

洗浄剤組成物

【課題】 ポンプ式容器に充填した際にノズル内又はノズル出口における固化を防止できるとともに、起泡性、泡のクリーミー性、すすぎ時や乾燥後の感触及び経時安定性に優れる洗浄剤組成物を提供すること。
【解決手段】 本発明の洗浄剤組成物は、(a)成分を0.001〜1重量%及び(b)成分を1〜40重量%含有する。(a)成分は、一般式[1]で表される単量体と、該単量体以外の陽イオン性単量体とを50/50〜95/5のモル比で重合させて得られる、重量平均分子量5,000〜2,000,000の共重合体である。(b)成分は、炭素数8〜20の脂肪酸のアルカリ金属塩である。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗浄剤組成物に関し、更に詳しくは、ポンプ式容器に充填した際にノズル内又はノズル出口における固化を防止できるとともに、起泡性、泡のクリーミー性、すすぎ時や乾燥後の感触及び経時安定性に優れる洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボディソープ、ハンドソープなどの洗浄剤組成物においては、起泡性、泡のクリーミー性、洗浄性、洗い上がりのさっぱり感などに優れる点から、脂肪酸のアルカリ金属塩が使用されており、さらには他の界面活性剤と組み合わせて使用されてきた。
【0003】
しかしながら、脂肪酸のアルカリ金属塩を含有する洗浄剤組成物をポンプ式容器に充填して使用すると、ノズル内又はノズル出口で該洗浄剤組成物が乾燥固化しやすくなる。このため、使用時において目詰まりが生じポンプアップが困難になるだけでなく、また、予期せぬ方向に吐出して壁や床、服などを汚染したり、使用者の目や口に入るなどの問題が生じた。
【0004】
そこで、このようなノズルでの固化を防止する方法として、グリセリン又はジグリセリンのアルキレンオキサイド付加物を含有する洗浄剤組成物とする方法(特許文献1参照)、脂肪酸塩と特定の第四級アンモニウム塩とを組み合わせた洗浄剤組成物とする方法(特許文献2参照)、ヒドロキシ脂肪酸又はその塩を有効成分とする固化抑制剤を用いる方法(特許文献3参照)などが提案されている。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載の方法においては、ノズルにおける洗浄剤組成物の目詰まりが必ずしも改善されているわけではなく、また使用感及び安定性の点についても充分満足できるものではなかった。すなわち、特許文献1及び2に記載の洗浄剤組成物においては、泡のクリーミー性が充分でなく、長時間保存すると分離を起こしやすいなど経時安定性にも問題があった。また、特許文献3に記載の方法においては、起泡性が充分でない、すすぎ時にすべり感が得られない、乾燥後につっぱり感が残りすべすべ感が得られないなどの問題があった。
【0006】
また、脂肪酸石鹸、両性界面活性剤又はアルカノールアミド型非イオン性界面活性剤、及びホスホリルコリン基含有モノマーを構成単位として有する高分子化合物を含有する洗浄剤組成物も知られているが(特許文献4参照)、特許文献4に記載の洗浄剤組成物においては、洗い上がりの感触が良好であるものの、ノズルでの固化防止という点では必ずしも充分ではなかった。
【特許文献1】特開平8−20795号公報
【特許文献2】特開平9−104618号公報
【特許文献3】特開平9−48962号公報
【特許文献4】特開2001―72998号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題はポンプ式容器に充填した際にノズル内又はノズル出口における固化を防止できるとともに、起泡性、泡のクリーミー性、すすぎ時や乾燥後の感触及び経時安定性に優れる洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、洗浄剤組成物の構成成分として、特定構造を有する共重合体と脂肪酸のアルカリ金属塩とを組み合わせることで上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1)下記(a)成分を0.001〜1重量%及び下記(b)成分を1〜40重量%含有する洗浄剤組成物、
(a)成分:下記一般式[1]で表される単量体と、該単量体以外の陽イオン性単量体とを50/50〜95/5のモル比で重合させて得られる、重量平均分子量5,000〜2,000,000の共重合体。
【0010】
【化1】

【0011】
[式中、Rは水素原子又はメチル基、R、R及びR4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基、nは2〜4の整数、をそれぞれ示す。]
(b)成分:炭素数8〜20の脂肪酸のアルカリ金属塩。
(2)ポンプ式容器充填用として供される、上記(1)記載の洗浄剤組成物、
(3)上記陽イオン性単量体が下記一般式[2]で表される単量体である、上記(1)又は(2)記載の洗浄剤組成物、
【0012】
【化2】

【0013】
[式中、Rは水素原子又はメチル基、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基、Xはアニオン性対イオン、Yは酸素原子又はNH、Zは炭素数2〜4のアルキレン基又はヒドロキシプロピレン基、をそれぞれ示す。]
(4)上記陽イオン性単量体が2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドである、上記(1)〜(3)のいずれか一に記載の洗浄剤組成物、
に関するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の洗浄剤組成物によれば、ポンプ式容器に充填したときにノズル内又はノズル出口における固化を防止できる。さらに、本発明の洗浄剤組成物は、起泡性、泡のクリーミー性、すすぎ時や乾燥後の感触及び経時安定性に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明の洗浄剤組成物は、0.001〜1重量%の(a)成分及び1〜40重量%の(b)成分を含有するものである。
【0016】
((a)成分)
(a)成分は、上記一般式[1]で表される単量体(以下、「単量体[1]」という。)と、該単量体[1]以外の陽イオン性単量体(以下、単に「陽イオン性単量体」という。)と、を重合させて得られる共重合体である。
【0017】
単量体[1]は、上記一般式[1]で表されるものである。一般式[1]中、Rは水素原子又はメチル基を示し、好ましくはメチル基である。R、R及びR4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示し、アルキル基は直鎖状、分枝状及び環状のいずれであってもよい。R、R及びR4としては、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基、より好ましくはメチル基である。nは2〜4の整数を示し、好ましくは2である。これらの中では、ポンプ式容器のノズル内又はノズル出口における洗浄剤組成物の固化防止の観点から、下記式[3]で表される2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)が好ましい。
【0018】
【化3】

【0019】
なお、本発明の洗浄剤組成物の(a)成分を構成する単量体[1]は、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと環状リン化合物とを反応させ、次いで3級アミンを用いて開環反応を行う方法によって製造することができる。
【0020】
一方、陽イオン性単量体としては、単量体[1]以外の正電荷を有する単量体であれば特に限定されることなく使用できる。陽イオン性単量体としては、2−メタクリロイルオキシエチル−N、N−ジメチルアンモニウムクロリド、2−アクリロイルオキシエチル−N、N−ジメチルアンモニウムクロリド、ビニルピリジンクロリド、2−メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、2−アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、2−ヒドロシキ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(以下、「QAMA」という。)、2−ヒドロシキ−3−アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。なお、陽イオン性単量体は、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
【0021】
また、陽イオン性単量体としては、ポンプ式容器のノズル内又はノズル出口における洗浄剤組成物の固化防止の観点から、上記一般式[2]で表される単量体(以下、「単量体[2]」という。)が好適に使用される。上記一般式[2]中、Rは水素原子又はメチル基を示し、好ましくはメチル基である。R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示し、アルキル基は直鎖状、分枝状及び環状のいずれであってもよい。R、R及びRとしては、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基、より好ましくはメチル基である。Yは酸素原子又はNHを示し、好ましくは酸素原子である。Zは炭素数2〜4のアルキレン基又はヒドロキシプロピレン基を示し、好ましくはエチレン基、プロピレン基、ヒドロキシプロピレン基である。Xとしては、例えば、クロライドイオンなどのハロゲンイオン、硫酸イオン、メチル硫酸イオンなどの酸残基が挙げられる。これらの中では、ハロゲンイオンが好ましい。
【0022】
本発明においては、上述した洗浄剤組成物の固化防止効果をより高めるために単量体[2]として、2−メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、2−アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、2−ヒドロシキ−3−アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、QAMAを使用することが好ましく、より好ましくはQAMAである。
【0023】
なお、本発明の洗浄剤組成物の(a)成分を構成する陽イオン性単量体は、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートにトリメチルアミンの塩酸塩を反応させ、開環付加反応を行うことによって製造することができる。
【0024】
また、(a)成分である共重合体の製造においては、単量体[1]と陽イオン性単量体とを一般に(メタ)アクリル系単量体を重合する際に採用される条件に準じて適宜反応させればよい。かかる共重合体の製造において、単量体[1]と陽イオン性単量体と
の割合はモル比で50/50〜95/5(前者/後者、以下、同様である。)、好ましくは50/50〜90/10、より好ましくは60/40〜90/10である。かかる範囲を外れると、ポンプ式容器のノズル内又はノズル出口における洗浄剤組成物の固化を防止することが困難となる。なお、「ポンプ式容器」とはポンプ機能を有する容器をいい、「ポンプ機能」としてはポンプの作動により生じた圧力(例えば、空気圧)を利用して容器本体に充填された洗浄剤組成物を該容器本体から吐出させることなどが挙げられる。
【0025】
また、共重合体の重量平均分子量は、5,000〜2,000,000であり、好ましくは200,000〜1,000,000である。重量平均分子量が5,000未満である場合は、ポンプ式容器のノズル内又はノズル出口における洗浄剤組成物の固化を防止する効果が低い。一方、重量平均分子量が2,000,000を超える場合は、洗浄剤組成物の起泡性や経時安定性が不良となる。なお、「重量平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という。)による標準ポリエチレングリコールを用いた検量線により換算した重量平均分子量をいう。
【0026】
(a)成分の含有量は、洗浄剤組成物の全重量基準で0.001〜1重量%、好ましくは0.005〜0.7重量%、さらに好ましくは0.01〜0.5重量%である。かかる含有量が0.001重量%未満であると、ポンプ式容器のノズル内又はノズル出口において固化が起こりやすくなると同時にすすぎ時のすべり性及び乾燥後のすべすべ感が悪くなる。一方、かかる含有量が1重量%を超えると、洗浄剤組成物の粘度が高く、配合が困難になったり、またポンプからの取り出しが困難になる。
【0027】
((b)成分)
(b)成分は、炭素数8〜20の脂肪酸のアルカリ金属塩である。その脂肪酸としては、炭素数が8〜20、好ましくは10〜18の飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸を使用することができる。具体的には、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、ひまわり脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸などが挙げられる。これらの中でも、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、ひまわり脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸が好適である。炭素数が8未満の場合は、泡のクリーミー性が不良となる。一方、炭素数が20を超える場合は、起泡性が低く、経時安定性が不良となる。また、アルカリ金属塩を構成するアルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが挙げられ、これらのなかでもナトリウム、カリウムが好適である。なお、脂肪酸のアルカリ金属塩は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0028】
(b)成分の含有量は、洗浄剤組成物の全重量基準で1〜40重量%、好ましくは5〜35重量%、さらに好ましくは7〜30重量%である。かかる含有量が1%未満であると充分な起泡性、泡のクリーミー性が得られず、一方、40重量%を超えると経時安定性が不充分となる。
【0029】
(任意成分)
本発明の洗浄剤組成物においては、洗浄剤に常用されている添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。かかる添加剤としては、例えば、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アシルメチルタウリン塩等の陰イオン性界面活性剤、アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルイミノジカルボン酸塩等の両性界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド等の非イオン性界面活性剤、エチレングリコールジステアレート、スチレンポリマーなどのパール化剤、流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素系油、牛脂、豚脂、魚油等の天然油脂、2−エチルヘキサン酸グリセリル等の合成トリグリセライド、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル等の高級脂肪酸エステル、ミツロウ、カルナバロウ等のロウ、高級アルコール、セラミド等の油性基剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサン等のシリコーン誘導体、アルキルジメチルアミンオキシド等の半極性界面活性剤、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム等の水溶性高分子、クエン酸塩、食塩等の有機又は無機塩、pH調整剤である酸及びアルカリ、殺菌剤、キレート剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、動植物由来の天然エキス、色素及び香料が挙げられる。
【0030】
本発明の洗浄剤組成物は、身体(毛髪及び皮膚)用洗浄剤として好適に使用することができる。かかる洗浄剤の形態としては、シャンプー、ボディシャンプー、ハンドソープ、洗顔料などが挙げられる。
【実施例】
【0031】
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。なお、本実施例で用いた略号は以下のとおりである。
MPC :2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン。
QAMA:2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド。
BMA:n−ブチルメタクリレート。
【0032】
[合成例1〜5]
(合成例1:ポリマー1の合成)
MPC20.7g、QAMA7.1g(単量体組成モル比、MPC/QAMA=70/30)を水100gに溶解して4つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹き込んだ後、70℃で重合開始剤である2,2’−アゾビス(2−メチルプロパオンアミジン)ジハイドロクロリド(V−50:和光純薬製)0.56gを加えて8時間重合反応させた。反応終了後、重合液を3リットルのジエチルエーテル中に攪拌しながら滴下し、析出した沈殿を濾取して、48時間室温で真空乾燥を行い、共重合体の粉末25.1gを得た。得られた粉末について、リン酸バッファー(pH7.4、20mM)を溶解液としたGPCでポリエチレングリコールを標準として平均分子量を測定したところ、重量平均分子量450,000であった。
【0033】
(合成例2:ポリマー2の合成)
MPCとQAMAとの単量体モル比を60/40にしたこと以外は、合成例1と同様の操作を行って、重量平均分子量300,000のポリマー2を得た。
【0034】
(合成例3:ポリマー3の合成)
MPCとQAMAとの単量体モル比を80/20にしたこと以外は、合成例1と同様の操作を行って、重量平均分子量1,000,000のポリマー3を得た。
【0035】
(合成例4:ポリマー4の合成)
MPCとQAMAとの単量体モル比を99/1にしたこと以外は、合成例1と同様の操作を行って、重量平均分子量500,000のポリマー4を得た。
【0036】
(合成例5:ポリマー5の合成)
QAMAの代わりにn−ブチルメタクリレート(BMA)を用いた(単量体モル比、MPC/BMA=70/30)こと以外は、合成例1と同様の操作を行って、重量平均分子量1,000,000のポリマー5を得た。
【0037】
[実施例1〜7及び比較例1〜4]
(洗浄剤組成物の調製)
表1及び2に示す各成分を配合して実施例1〜7及び比較例1〜4の洗浄剤組成物を得た。なお、表1及び2に示す各成分の配合量は、重量%である。
【0038】
(洗浄剤組成物の評価)
得られた洗浄剤組成物をポンプ式容器に充填して、ノズルにおける固化防止性、起泡性、泡のクリーミー性、すすぎ時のすべり性、乾燥後のすべすべ感、及び経時安定性の各項目に関して評価を行った。以下に評価方法を説明する。なお、実施例1〜7の洗浄剤組成物の評価結果を表1に、比較例1〜4の洗浄剤組成物の評価結果を表2に、それぞれ示す。
【0039】
(1)ノズルにおける固化防止性
洗浄剤組成物をポンプ式容器に充填し、1日に3回ポンプを作動して、内容物を取り出す操作を行いながら、室温に2週間保存した。2週間後、以下の基準によりノズル部の固化状況を判定し、4点以上を固化防止性に優れていると評価した。
5点:固化物は全くなく、内容物は試験開始時と全く同じように取り出せる状態。
4点:固化物は若干確認されるものの、内容物は試験開始時と全く同じように取り出せる状態。
3点:8日目以降にポンプ作動時に液が飛び散って出る又は一部固まりが混じっているなどの異常が確認されるが、内容物は取り出せる状態。
2点:7日以内にポンプ作動時に液が飛び散って出る又は一部固まりが混じっているなどの異常が確認されるが、内容物は取り出せる状態。
1点:ポンプが詰まり、内容物が取り出せない状態。
【0040】
(2)起泡性
20名の女性(20〜40才)をパネラーとし、洗浄剤組成物5mlを用いて前腕及び手指を洗浄した時の起泡性について以下の基準により判定し、20名の平均値を求めて4点以上を起泡性が良好な組成物であると評価した。
5点:泡立ちがとても良好であると感じた場合。
4点:泡立ちがやや良好であると感じた場合。
3点:泡立ちが普通であると感じた場合。
2点:泡立ちがやや悪いと感じた場合。
1点:泡立ちが悪いと感じた場合。
【0041】
(3)泡のクリーミー性
20名の女性(20〜40才)をパネラーとし、洗浄剤組成物5mlを浴用スポンジ上にとって泡立てたときの泡を観察し泡のクリーミー性について以下の基準により判定し、20名の平均値を求めて4点以上を泡のクリーミー性が良好な組成物であると評価した。
5点:泡が細かくクリーミーであると感じた場合。
4点:泡がややクリーミーであると感じた場合。
3点:泡はクリーミーでもないが、粗くもないと感じた場合。
2点:泡がやや粗いと感じた場合。
1点:泡が粗いと感じた場合。
【0042】
(4)すすぎ時の滑り性
20名の女性(20〜40才)をパネラーとし、洗浄剤組成物5mlを用いて洗浄した後のすすぎ時のすべり性を以下の基準により判定し、20名の平均値を求めて、4点以上をすすぎ時のすべり性が良好な組成物であると評価した。
5点:すすぎ時に皮膚のすべりが非常によいと感じた場合。
4点:すすぎ時に皮膚のすべりがよいと感じた場合。
3点:すすぎ時に皮膚がややきしむ、又はすべりがやや弱いと感じた場合。
2点:すすぎ時に皮膚がきしむ、又はすべりが弱いと感じた場合。
1点:すすぎ時に皮膚がとてもきしむ、又はすべり感が無いと感じた場合。
【0043】
(5)乾燥後のすべすべ感
20名の女性(20〜40才)をパネラーとし、洗浄剤組成物5mlを用いて乾燥後のすべすべ感を以下の基準により判定し、20名の平均値を求めて、4点以上を乾燥後のすべすべ感が良好な組成物であると評価した。
5点:乾燥後に肌が非常にすべすべしていると感じた場合。
4点:乾燥後に肌がすべすべしていると感じた場合。
3点:乾燥後の肌にすべすべ感が弱いと感じた場合。
2点:乾燥後の肌にすべすべ感はないと感じた場合。
1点:乾燥後の肌につっぱり感又はべたつき感を感じた場合。
【0044】
(6)経時安定性
洗浄剤組成物を透明ガラス容器に密封して0℃、25℃、40℃で1ヶ月間保存し、その外観を観察して、以下の基準により3段階で評価した。
○:安定性良好(いずれの温度条件においても外観の変化がない。)。
△:安定性やや不良(いずれかの温度条件において若干の析出、分離又は変色を生じる。)。
×:安定性不良(いずれかの温度条件において析出、固化、分離、変色又は粘度変化が著しい。)。
【0045】
【表1】

1)MPC70モル%、QAMA30モル%の構成単位で重量平均分子量約45万の共重合体。
2)MPC60モル%、QAMA40モル%の構成単位で重量平均分子量約30万の共重合体。
3)MPC80モル%、QAMA20モル%の構成単位で重量平均分子量約100万の共重合体。
4)セロサイズQP−4400H(商品名、ダウケミカル社製)。
【0046】
【表2】

5)MPC99モル%、QAMA1モル%の構成単位で重量平均分子量約50万の共重合体。
6)MPC70モル%、BMA30モル%の構成単位で重量平均分子量約100万の共重合体。
【0047】
実施例1〜7の洗浄剤組成物は、いずれもポンプ式容器のノズル内又はノズル出口における固化を防ぎ、かつすすぎ時のすべり性、乾燥後のすべすべ感に特に優れていた。一方、比較例1〜4の洗浄剤組成物は、ノズルにおける固化防止、あるいはすすぎ時のすべり性や乾燥後のすべすべ感などの使用感において不十分であり、十分な性能が得られなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)成分を0.001〜1重量%及び下記(b)成分を1〜40重量%含有する洗浄剤組成物。
(a)成分:下記一般式[1]で表される単量体と、該単量体以外の陽イオン性単量体とを50/50〜95/5のモル比で重合させて得られる、重量平均分子量5,000〜2,000,000の共重合体。
【化1】


[式中、Rは水素原子又はメチル基、R、R及びR4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基、nは2〜4の整数、をそれぞれ示す。]
(b)成分:炭素数8〜20の脂肪酸のアルカリ金属塩。
【請求項2】
ポンプ式容器充填用として供される、請求項1記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】
前記陽イオン性単量体が下記一般式[2]で表される単量体である、請求項1又は2記載の洗浄剤組成物。
【化2】


[式中、Rは水素原子又はメチル基、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基、Xはアニオン性対イオン、Yは酸素原子又はNH、Zは炭素数2〜4のアルキレン基又はヒドロキシプロピレン基、をそれぞれ示す。]
【請求項4】
前記陽イオン性単量体が2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2006−96828(P2006−96828A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−282549(P2004−282549)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000004341)日本油脂株式会社 (896)
【Fターム(参考)】