説明

洗浄泡噴射ポンプ

【課題】 自動車車体に吹き付けた洗浄泡を長時間留まらせて洗浄効果を高める。洗浄泡を、水道水の圧力だけで洗浄泡を離れた場所から自動車車体に吹き付けられるようにする。
【解決手段】 ジェットポンプ機構1の作動流体噴射ノズル2に水道水の入口を追加し、ジェットポンプ機構1のディフューザ3の他端に洗浄泡噴射口51を追加し、ジェットポンプ機構1のチャンバー4に液体洗剤吸込口61と空気吸入口7とを追加する。洗浄泡噴射口51を形成している噴射筒5の内部に、水道水と液体洗剤と気泡との混合流体を通過させてその気泡を細分化するための有孔部材52が配備する。液体洗剤吸込口61に、洗剤容器8の洗剤吸上げチューブ81を連設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄泡噴射ポンプ、特に液体洗剤と水との混合液を泡立てて噴射させることのできる洗浄泡噴射ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
水で希釈した液体洗剤(希釈洗剤)に十分な量の気泡(泡)を含ませた洗浄泡で自動車車体を濡らし、その後に自動車車体の汚れを雑巾やスポンジ、ブラシなどで擦り落とすという洗車作業には、気泡を含まないか或いは少しの気泡しか含んでいない希釈洗剤で自動車を濡らして汚れを同様の素材で擦り落とすという洗車作業に比べて、洗浄効果に優れ、しかも、車体への傷付きが抑制されるという利点があるとされている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、上掲の特許文献1には、水道蛇口に接続した水道ホースから供給される水道水と、エアーコンプレッサから供給される圧搾空気とを合流させて混合し、その混合流体をベンチュリー通路から高速で噴出させると共に、その噴出によって生じる負圧を利用して液体洗剤の吸上げチューブから液体洗剤を吸い上げさせて上記混合流体に液体洗剤を混入させ、その混合流体を網状塊を備えた泡沫生成部を通過させて洗剤入り泡沫を生成させ、そのような洗剤入り泡沫を自動車ボデーなどに吹き付けるということを可能にした泡沫発射ガンについての記述がなされている。
【0004】
また、洗車具にあっては、放出部から混合部に供給した水と洗浄液とに、混合部で空気を混入攪拌することによって洗浄泡を生成させ、その洗浄泡を混合部から流出させるようにしたものも知られている(たとえば、特許文献2参照)。
【0005】
一方、従来より、タンクに移した洗剤に水道水を供給して両者を連続的に混合し、生成した希釈洗剤をノズルから噴射させることのできる洗浄ノズルが市販されている。また、業務用では、電気的にポンプを使用して洗浄剤と空気を混合させ、それによって生成した洗浄泡で自動車車体を濡らすようにした洗浄システムが知られている。
【0006】
【特許文献1】特開2003−24837号公報(0002、図2)
【特許文献2】特開2003−276575公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記した市販の洗浄ノズル、すなわち、水に洗剤のみを混合するだけの機能を備えた洗浄ノズルを用いて希釈洗剤を自動車車体などの対象物に吹き付けると、希釈洗剤が対象物に衝突したときの物理的現象によって若干の泡が発生するけれども、対象物を濡らした希釈洗剤のほとんどが液状のままであるために直ぐに流れ落ちてしまい、洗浄効果の保持性に欠けて洗浄作用が乏しくなるという問題があった。
【0008】
これに対し、上記した業務用の洗浄システム、すなわち、電気的にポンプを使用して洗浄剤と空気を混合させる洗浄システムでは、自動車車体などの対象物に吹き付けられた洗浄泡が対象物を濡らしたまま長時間その対象物上に留まるため、より高い洗浄効果を期待することができる。しかしながら、このものは、ポンプを動かすための動力として電気などの外部エネルギーが必要であって、使用することのできる場所が限られてしまうという問題がある。
【0009】
そのほか、上掲の特許文献1によって提案されている泡沫発射ガンは、泡を生成させることのためにエアコンプレッサで圧搾空気を作り出す必要があり、そのために、泡沫発射ガン自体をハンディタイプとした場合でも、それを用いる洗車作業に際してエアコンプレッサのような大掛かりな装置や電力が余分に必要になるという問題がある。
【0010】
また、上掲の特許文献2によって提案されている洗車具は、対象物から離れた位置から洗浄泡をその対象物に吹き付けるというものではなく、洗車具を対象物(自動車車体)の直上に位置させて洗浄泡をその対象物の上に流出させるというものであるに過ぎないため、離れた場所から洗浄泡を対象物に吹き付けるという作業を行うことができないという問題がある。
【0011】
本発明は、以上の問題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、作動流体の供給圧力によって優れた流体攪拌作用が得られるという特性を持つジェットポンプ機構(エダクタ機構)に着目し、水道水の圧力だけで洗浄泡を離れた場所から自動車車体などの対象物に吹き付けられるようにすることと併せ、そのジェットポンプ機構の特性を利用することにより希釈洗剤の全体又はほゞ全体を洗浄泡にして対象物上に長時間留まらせて洗浄作用を高めることのできる洗浄泡噴射ポンプを提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、自動車車体などの対象物に吹き付けられる洗浄泡を細分化する機能を付加することによって、洗浄効果に優れ、しかも、対象物上で長時間に亘って洗浄泡を安定して留まらせることのできる洗浄泡噴射ポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る洗浄泡噴射ポンプは、液体洗剤と水との混合液を泡立てて噴射する洗浄泡噴射ポンプにおいて、一端に吸引ノズル部を備えたディフューザと、このディフューザの上記吸引ノズル部に臨む作動流体噴射ノズルと、上記吸引ノズル部と作動流体噴射ノズル部との周囲を取り囲むチャンバーと、を備えるジェットポンプ機構を有し、このジェットポンプ機構の上記作動流体噴射ノズルに水道水の入口を追加し、そのジェットポンプ機構のディフューザの他端に洗浄泡噴射口を追加し、上記チャンバーに上記液体洗剤吸込口と空気吸入口とを追加したものである。
【0014】
この構成であれば、水道水がジェットポンプ機構の作動流体として役立つ。そして、ジェットポンプ機構のディフューザを水道水と液体洗剤と空気とが通過するときに、それら3者がジェットポンプ機構の特性によって効率よく攪拌されて豊富な泡を含む洗浄泡を生成し、その洗浄泡が水道水の圧力だけで洗浄泡噴射口から噴射される。そのため、離れた場所からでも自動車車体などの対象物に洗浄泡を吹き付けてその洗浄泡をその対象物上に長時間留まらせることが可能になる。特に、このものは、ジェットポンプ機構の特性を利用して水道水と液体洗剤との混合液に空気を混入させ、それらを攪拌して洗浄泡を生成させるものであるので、エアーコンプレッサのような大掛かり装置を用いずに洗浄泡を効率よく生成させることが可能になるという利点を備えている。
【0015】
本発明では、上記ディフューザの他端に連設されて上記洗浄泡噴射口を形成している噴射筒の内部に、水道水と液体洗剤と気泡との混合流体を通過させてその気泡を細分化するための有孔部材が配備されていることが望ましく、これによれば、洗浄効果に優れ、しかも、対象物上で長時間に亘って洗浄泡を安定して留まらせることのできる洗浄泡をその対象物に吹き付けることが可能になる。
【0016】
本発明では、上記液体洗剤吸込口に、洗剤容器に貯留した液体洗剤を吸い上げるための洗剤吸上げチューブの出口が連設されている、という構成を採用することができる。そして、この構成を採用すると、チャンバーの液体洗剤吸込口に洗剤容器を装着することにより、洗剤容器が一体化されたハンディタイプの洗浄泡噴射ポンプを構成することが可能になる。
【0017】
本発明では、上記空気吸入口が、上記液体洗剤吸込口を形成している接続具に形成されていることが望ましく、これによれば、チャンバーに吸い込まれる前の液体洗剤に空気が混入され、その後のディフューザでの攪拌に先立って空気と液体洗剤とが予備攪拌されるために、ディフューザでの攪拌による洗浄泡の生成がいっそう効率よく行われるようになる。
【0018】
本発明では、上記接続具が、上記チャンバーの内部の水道水と液体洗剤と気泡との混合流体が上記洗剤吸上げチューブと上記空気吸入口とに逆流することを阻止する逆流防止弁機構を有していることが望ましい。これによれば、当該噴射ポンプの使用後に、水道水と液体洗剤と空気との混合流体が洗剤容器に逆流してその洗剤容器の中の液体洗剤を汚すという事態が起こらなくなる。
【0019】
本発明に係る洗浄泡噴射ポンプは、液体洗剤と水との混合液を泡立てて噴射する洗浄泡噴射ポンプにおいて、上記構成を備えるジェットポンプ機構が前後2連に亘って配備され、前段ジェットポンプ機構の上記作動流体噴射ノズルに水道水の入口を追加し、後段ジェットポンプ機構のディフューザの他端に洗浄泡噴射口を追加し、前段ジェットポンプ機構のチャンバーに上記液体洗剤吸込口を追加し、後段ジェットポンプ機構のチャンバーに空気吸入口を追加したものであってもよい。この発明においては、後段ジェットポンプ機構のディフューザの他端に連設されて上記洗浄泡噴射口を形成している噴射筒の内部に、水道水と液体洗剤と気泡との混合流体を通過させてその気泡を細分化するための有孔部材が配備されているという構成を採用することが可能であり、上記液体洗剤の吸込口に、洗剤容器に貯留した液体洗剤を吸い上げるための洗剤吸上げチューブの出口が連設されているという構成を採用することも可能である。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明に係る洗浄泡噴射ポンプによれば、ジェットポンプ機構の優れた攪拌作用や吸込作用を利用して希釈洗剤の全体又はほゞ全体を洗浄泡にすることが可能になったので、自動車車体などの対象物上に洗浄泡を長時間留まらせて洗浄効果を高めることが可能になる。しかも、そのような洗浄泡を、水道水の圧力だけで、離れた場所から自動車車体などの対象物に吹き付けられるようにすることが可能になったので、エアコンプレッサのような大掛かりな装置を用いることなく、離れた場所から洗浄泡を対象物に吹き付けられるようになるという効果が奏される。本発明に係る洗浄泡噴射ポンプを用いて洗浄を行うことのできる対象物には、上記した自動車車体の他に、電車車体などの軌条車車体、小型船体などの船舶関連車体、住宅外壁や門扉、家具、さらは人体などが含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は本発明の実施形態に係る洗浄泡噴射ポンプの概略断面図である。図1で判るように、この実施形態の洗浄泡噴射ポンプはジェットポンプ機構1を備えていて、このジェットポンプ機構(エダクタ機構)1の作動流体噴射ノズル2に水道水の入口(不図示)を追加し、ジェットポンプ機構1のディフューザ3の出口側の端部に後述する洗浄泡噴射口51を追加し、ジェットポンプ機構1のチャンバー4に液体洗剤吸込口61と空気吸入口7とを追加したものとして構成されている。
【0022】
ジェットポンプ機構1の作動流体噴射ノズル2に追加されている水道水の入口は、たとえば、作動流体噴射ノズル2を先端部に有する流体給送管21の根元側端部に取り付けられるホース継手によって形成され、そのようなホース継手が樹脂ホースなどの管路を介して水道蛇口に接続される。こうして作動流体噴射ノズル2に水道水の入口を追加することによって、水道水をジェットポンプ機構1の作動流体として用いることができるようになる。
【0023】
ジェットポンプ機構1のディフューザ3の出口側の端部に追加されている洗浄泡噴射口51は、そのディフューザ3の出口側の端部に連設された先端開放の噴射筒5の内部空間によって形成されている。そして、この噴射筒5の内部には、メッシュと呼ばれる金網などでなる有孔部材52が配備されていて、ジェットポンプ機構1のディフューザ3から噴射された洗浄泡が有孔部材の小さな細孔を通過することによって、その洗浄泡が細分化される。したがって、この有孔部材52に備わっている網目又は細孔の大きさを大きく定めておくと、大きな気泡の集まりでなる洗浄泡が洗浄泡噴射口51から噴射され、その大きさを小さく定めておくと、小さな気泡の集まりでなる洗浄泡が洗浄泡噴射口51から噴射されるようになる。また、有孔部材52の網目又は細孔に洗浄泡を通過させてその気泡を細分化させさえすれば、その細分化した気泡の大きさがディフューザ3内で生成された直後の洗浄泡の気泡よりも小さくなっているために、気泡が安定し、気泡が消失するまでの持続時間(気泡持続時間)が長くなる。
【0024】
ジェットポンプ機構1のチャンバー4に追加されている液体洗剤吸込口61は、ディフューザ3に一体に備わっているチャンバー外壁41の周方向1箇所に装備された接続具6の内部通路によって形成されていて、その接続具6には、液体洗剤を貯留している洗剤容器8の洗剤吸上げチューブ81の上端が接続されてその洗剤吸上げチューブ81が上記液体洗剤吸込口61を経てチャンバー4に連通している。また、この接続具6には、洗剤容器8の口部が接続されている。したがって、図例の洗浄泡噴射ポンプは、洗剤容器8が一体化されたハンディタイプのものとなっている。なお、液体洗剤を貯留している洗剤容器8の器壁には、その内部の気相部と外部とを連通する通気孔83を具備させてあり、この通気孔83を空気が流通することによって、当該洗浄泡噴射ポンプの使用中や使用後の洗剤容器8の内圧を常圧に保つことができるようになっている。
【0025】
また、上記接続具6の1箇所又は複数箇所に外部に向けて開放した上記空気吸入口7が形成されていて、この空気吸入口7が、接続具6の内部通路によって形成されている上記液体洗剤吸込口61に連通している。
【0026】
さらに、この実施形態では、接続具6の液体洗剤吸込口61の上部を拡げて径大空間62を形成し、この径大空間62にボール弁63を収容させると共に、径大空間62の底面を弁座64として形成することによって、その接続具6に逆流防止弁機構60を具備させてある。
【0027】
図2はジェットポンプ機構100の周知の基本構成を示した説明図である。同図のように、ジェットポンプ機構1は、一端に吸引ノズル部121を備えたディフューザ120(図1のディフューザ3に相当している)と、このディフューザ120の吸引ノズル部121に臨む作動流体噴射ノズル110(図1の作動流体噴射ノズル2に相当している)と、吸引ノズル部121と作動流体噴射ノズル110との周囲を取り囲むチャンバー130(図1のチャンバー4に相当している)とを備えていて、チャンバー130には流体吸込口131(図1の液体洗剤吸込口)が設けられている。
【0028】
この基本構成を備えたジェットポンプ機構100は、作動流体噴射ノズル110から噴射される作動流体の作用だけによって動作し、機械的な駆動部を必要としないという特徴を備えている。そのためにそれ自体の構成が簡単で小形化しやすいという長所を持っている。そして、このジェットポンプ機構100によると、作動流体噴射ノズル110から高速で噴出する所定量の流体の噴流がディフューザ120の吸引ノズル部121を通過することによってチャンバー130の内部空間が負圧になり、その結果、流体吸込口131からチャンバー130に吸い込まれた流体が矢印aのように吸引ノズル部121を経てディフューザ120に入り、そのディフューザ120を通過する間に攪拌されて作動流体と混合し、その後、ディフューザ120から出ていく。
【0029】
したがって、図1を参照して説明したジェットポンプ機構1を備える洗浄泡噴射ポンプにおいて、水道水の入口に水道蛇口を接続して水道水を作動流体として用い、かつ、接続具6に洗剤容器8を装着してその液体洗剤吸込口61に洗剤吸上げチューブ81を接続した状態で、作動流体噴射ノズル2から水道水を水道水圧力で噴出させると、水道水の噴流がディフューザ3を通過することによってチャンバー4の内部空間が負圧になり、その結果、洗剤吸上げチューブ81を介して液体洗剤吸込口61からチャンバー4に吸い込まれた液体洗剤がディフューザ3に入り、そのディフューザ3を通過する間に攪拌されて水道水と混合する。併せて、チャンバー4の負圧は接続具6の空気吸入口7にも作用するので、その空気吸入口7から外気が吸入されて液体洗剤吸込口61を通過する液体洗剤と混ざってチャンバー4に入った後、ディフューザ3に入り、そのディフューザ3を通過する間に攪拌されて水道水と混合する。この過程で液体洗剤が水道水で希釈されると共に、その液体洗剤が泡になって洗浄泡を生成する。
【0030】
したがって、噴射筒5によって形成されている洗浄泡噴射口51から洗浄泡が遠くまで噴射されるようになり、離れた場所からでも自動車車体などの対象物に洗浄泡を吹き付けることが可能になる。しかも、対象物に吹き付けられるのは、流れ落ちやすい液体洗剤ではなく、気泡の吸着力によって対象物に留まりやすい洗浄泡であるので、対象物に吹き付けられた洗浄泡が長時間に亘り対象物上に留まって高い洗浄作用が発揮される。特に、この実施形態では、ディフューザ3から噴射された洗浄泡が、洗浄泡噴射口51に配備されている有孔部材52を通過して細分化されるため、洗浄泡噴射口51から噴射した洗浄泡が対象物に留まりやすい性質を具備するようになる。そのため、上記した洗浄作用がいっそう向上するという利点がある。
【0031】
また、この実施形態の洗浄泡噴射ポンプは、接続具6に逆流防止弁機構60を具備させてあるので、使用後に水道水と液体洗剤と空気との混合流体が洗剤容器8に逆流してその洗剤容器の中の液体洗剤を汚すという事態が起こらないという利点がある。
【0032】
以上説明した実施形態の洗浄泡噴射ポンプは、単段のジェットポンプ機構1を備えていて、そのチャンバー4に液体洗剤吸込口61と空気吸入口7とを追加したものであるけれども、この点は、ジェットポンプ機構を前段と後段の2連構成として液体洗剤吸込口を前段ジェットポンプ機構のチャンバーに追加し、空気吸入口を後段ジェットポンプ機構のチャンバーに追加するという構成を採用することも可能である。
【0033】
図3はそのように構成された洗浄泡噴射ポンプの要部を示した断面図である。同図において、1Aは前段ジェットポンプ機構、1Bは後段ジェットポンプ機構をそれぞれ示してあり、前段ジェットポンプ機構1Aのディフューザ3Aの出口側の端部を絞ってノズル部31Aとし、そのノズル部31Aを後段ジェットポンプ機構1Bのディフューザ3Bに連設されているチャンバー4B内でそのディフューザ3Bの入口(吸引ノズル部)に臨ませてある。そして、前段ジェットポンプ機構1Aのチャンバー(不図示:図1参照)に空気吸入口を有しない接続具(不図示:図1参照)を取り付けてその接続具の液体洗剤吸込口61に洗剤容器の洗剤吸上げチューブ(不図示:図1参照)を接続してあるのに対し、後段ジェットポンプ機構1Bのチャンバー4Bのチャンバー外壁41Bに空気吸入口7Bを形成している。
【0034】
この構成であると、前段ジェットポンプ機構1Aのディフューザ3A内で攪拌混合された作動流体としての水道水と液体洗剤との混合液が、後段ジェットポンプ機構1Bのディフューザ3B内で空気吸入口7Bから吸入された空気と攪拌混合されて洗浄泡を生成する。そして、その洗浄泡が、後段ジェットポンプ機構1Bのディフューザ3Bに追加されている洗浄泡噴射口51から噴射される。その際、洗浄泡噴射口51に配備されている有孔部材52を通過することによって気泡が細分化されて噴射される。その他の事項は、図1を参照して説明したところと同様である。
【0035】
なお、図1及び図3において、同一又は相当する要素には同一符号を付してある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態に係る洗浄泡噴射ポンプの概略断面図である。
【図2】ジェットポンプ機構の基本構成を示した説明図である。
【図3】他の実施形態による洗浄泡噴射ポンプの要部を示した断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1,100 ジェットポンプ機構
121 吸引ノズル部
2,31A,110 作動流体噴射ノズル部
3,3B,120 ディフューザ
4,4B,130 チャンバー
5 噴射筒
6 接続具
7,7B 空気吸入口
51 洗浄泡噴射口
52 有孔部材
60 逆流防止弁機構
81 洗剤吸上げチューブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体洗剤と水との混合液を泡立てて噴射する洗浄泡噴射ポンプにおいて、
一端に吸引ノズル部を備えたディフューザと、このディフューザの上記吸引ノズル部に臨む作動流体噴射ノズルと、上記吸引ノズル部と作動流体噴射ノズル部との周囲を取り囲むチャンバーと、を備えるジェットポンプ機構を有し、
このジェットポンプ機構の上記作動流体噴射ノズルに水道水の入口を追加し、そのジェットポンプ機構のディフューザの他端に洗浄泡噴射口を追加し、上記チャンバーに上記液体洗剤吸込口と空気吸入口とを追加したことを特徴とする洗浄泡噴射ポンプ。
【請求項2】
上記ディフューザの他端に連設されて上記洗浄泡噴射口を形成している噴射筒の内部に、水道水と液体洗剤と気泡との混合流体を通過させてその気泡を細分化するための有孔部材が配備されている請求項1に記載した洗浄泡噴射ポンプ。
【請求項3】
上記液体洗剤吸込口に、洗剤容器に貯留した液体洗剤を吸い上げるための洗剤吸上げチューブの出口が連設されている請求項1又は請求項2に記載した洗浄泡噴射ポンプ。
【請求項4】
上記空気吸入口が、上記液体洗剤吸込口を形成している接続具に形成されている請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載した洗浄泡噴射ポンプ。
【請求項5】
上記接続具が、上記チャンバーの内部の水道水と液体洗剤と気泡との混合流体が上記洗剤吸上げチューブと上記空気吸入口とに逆流することを阻止する逆流防止弁機構を有している請求項4に記載した洗浄泡噴射ポンプ。
【請求項6】
液体洗剤と水との混合液を泡立てて噴射する洗浄泡噴射ポンプにおいて、
請求項1に記載したジェットポンプ機構が前後2連に亘って配備され、前段ジェットポンプ機構の上記作動流体噴射ノズルに水道水の入口を追加し、後段ジェットポンプ機構のディフューザの他端に洗浄泡噴射口を追加し、前段ジェットポンプ機構のチャンバーに上記液体洗剤吸込口を追加し、後段ジェットポンプ機構のチャンバーに空気吸入口を追加したことを特徴とする洗浄泡噴射ポンプ。
【請求項7】
後段ジェットポンプ機構のディフューザの他端に連設されて上記洗浄泡噴射口を形成している噴射筒の内部に、水道水と液体洗剤と気泡との混合流体を通過させてその気泡を細分化するための有孔部材が配備されている請求項6に記載した洗浄泡噴射ポンプ。
【請求項8】
上記液体洗剤吸込口に、洗剤容器に貯留した液体洗剤を吸い上げるための洗剤吸上げチューブの出口が連設されている請求項6又は請求項7に記載した洗浄泡噴射ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−837(P2007−837A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−186814(P2005−186814)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(000227331)株式会社ソフト99コーポレーション (84)
【Fターム(参考)】