説明

洗濯組成物

本発明に従うと、色相染料及びパールエッセンス剤を含む洗濯洗剤組成物であって、このような色相染料が、少なくとも10の色相効率、及び約30%〜約85%の範囲の洗浄除去値を示す、洗濯洗剤組成物が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体組成物、好ましくはパールエッセンス剤及び織物色相染料を含む水性組成物の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
織物物品、特に白色織物物品の着用及び洗濯は、もとの織物色からの変色を引き起こし得る。例えば、繰返し洗濯された白色織物は、色外観の黄ばみを示し得り、織物をより古く、着古して見せる。白色織物の望ましくない黄ばみ及び他の明るい色の織物の類似の変色を防ぐため、いくつかの洗濯洗剤製品には、洗濯洗浄及び/又はすすぎサイクル中に織物に付着する、色相染料又は青味づけ染料が包含される。
【0003】
しかし、青味づけ染料を含有する洗剤で織物を繰返し洗濯した後、青味づけ染料は、織物に蓄積する傾向があり、織物に青みがかった色合いを与える。このように白色織物物品を繰返し洗濯すると、物品に白い外観ではなく青い外観を与える傾向がある。織物へのこの青味づけ染料の蓄積に対処するため、塩素処理が開発されている。塩素処理は、蓄積した青味づけ染料を除くのに有効であるが、洗濯プロセスにおいて追加の、しばしば不便な工程である。更に、塩素処理は洗濯コストの増加を伴い、織物にとって過酷であるため、望ましくなく織物の悪化を進める。それ故に、白色織物の望ましくない黄ばみや他の明るい色の織物の類似の変色に対処できる改善された洗濯洗剤に対する必要性がある。
【0004】
出願人は、色相染料が、白色織物の望ましくない黄ばみへの対処に役立つ一方で、組成物に非常に濃い真っ黒な色を与える傾向があることを見出した。こうした色の深さは、消費者にとって好ましくなく、望ましくなく、又は魅力的でない。それ故に、上記に加えて、消費者によりアピールするために、及び組成物の性能をより良く反映するために、液体組成物の審美性を改善することは、組成物製造業社の狙いでもある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それ故に、織物を洗濯することによって、織物上への望ましくない蓄積がない好ましい色相、及び改善された審美性を織物に付与できる、改善された洗濯洗剤への必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従うと、色相染料及びパールエッセンス剤を含む洗濯洗剤組成物であって、このような色相染料が、少なくとも10の色相効率、及び約30%〜約85%の範囲の洗浄除去値を示す、洗濯洗剤組成物が提供される。
【0007】
本発明に従うと、色相染料及びパールエッセンス剤を含む洗濯洗浄組成物を含む洗浄溶液中で織物物品を洗浄することを含む織物物品の洗濯方法であって、このような色相染料が、少なくとも10の色相効率、及び約30%〜約85%の範囲の洗浄除去値を示す、織物物品の洗濯方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の液体組成物は、洗濯又は硬質表面の洗浄処理組成物として使用するのに適している。洗濯物処理組成物という用語は、洗浄及び柔軟化又はコンディショニング組成物を包含する洗濯物の処理において使用される全ての液体組成物を包含することを意味する。本発明の組成物は、液体であるが、容器内に包装されてもよく、又は封入された及び/又は一体化された用量であってもよい。後者の形態は、以下により詳細に記載される。液体組成物は、水性又は非水性であってよい。組成物が水性である場合、2%〜90%の水、より好ましくは20%〜80%の水、最も好ましくは25%〜65%の水を含んでよい。非水性組成物は、12%未満の水、好ましくは10%未満、最も好ましくは9.5%未満の水を含む。水溶性フィルム内に包まれた液体組成物を含む一体化用量製品として使用される組成物は、非水性であると記載されることが多い。この用途のための本発明に従う組成物は、2%〜15%の水、より好ましくは2%〜10%の水、最も好ましくは4%〜9%の水を含む。
【0009】
本発明の組成物は、好ましくは、20s−1及び21℃において、1〜1500mPa.s(1〜1500センチポアズ)、より好ましくは100〜1000mPa.s(100〜1000センチポアズ)、最も好ましくは200〜500mPa.s(200〜500センチポアズ)の粘度を有する。粘度は、従来の方法により決定できる。しかし、本発明に従う粘度は、直径40mm及び間隙サイズ500μmで、平板鋼スピンドルを使用する、TAインスツルメント(TA instruments)からのAR550レオメーターを使用して測定される。20s−1での高剪断粘度、及び0.05−1での低剪断粘度は、21℃における3分間の0.1−1〜25−1の対数剪断速度曲線から得ることができる。ここに記載される好ましいレオロジーは、内部に存在する構造剤を洗剤成分と共に使用することにより、又は外部レオロジー変性剤を採用することにより、得られてもよい。より好ましくは、洗濯洗浄液体組成物は、約100mPa.s〜1500mPa.s(100センチポアズ〜1500センチポアズ)、より好ましくは100Pa.s〜1000mPa.s(100〜1000cps)の高剪断速度粘度を有する。1回用量洗濯洗浄液体組成物は、400〜1000mPa.s(400〜1000cps)の高剪断速度粘度を有する。洗濯柔軟化組成物は、10〜1000、より好ましくは10000〜800mPa.s(800cps)、最も好ましくは10000〜500mPa.s(500cps)の高剪断速度粘度を有する。食器手洗い組成物は、300〜4000mPa.s(300〜4000cps)、より好ましくは300〜1000mPa.s(300〜1000cps)の高剪断速度粘度を有する。
【0010】
パールエッセンス剤が添加される組成物は、好ましくは透明又は半透明であるが、不透明であってもよい。好ましくは、組成物(パールエッセンス剤の添加前)は、ネフェロ型の濁度メーターにて測定して絶対濁度5〜3000NTUを有する。本発明に従う濁度は、マックバン・インスツルメント(McVan Instruments)(オーストラリア)からのプローブNEP260を有する検体NEP160を使用して測定される。本発明の一実施形態においては、2800NTU以上の濁度を持つ組成物でさえ、適切な量の真珠光沢材料にて真珠光沢を作ることができることが見出された。しかし、出願人は、組成物の濁度が上昇すると、組成物を通過する光透過性が低下することを見出した。この光透過性の低下は、光を透過する真珠光沢粒子をより少なくし、そして更に真珠光沢効果を低下させる。従って、出願人は、この効果は、より多量のパールエッセンス剤の添加によって、ある程度改善できることを見出した。しかし、濁度3000NTUで閾値に達し、この後は、パールエッセンス剤を更に添加しても真珠光沢効果のレベルが改善されない。
【0011】
本発明の液体は、脱塩水中1%のレベルに液体を溶解することにより測定するとき、好ましくは3〜10、より好ましくは5〜9、更により好ましくは6〜9、最も好ましくは7.1〜8.5のpHを有する。
【0012】
パールエッセンス剤
本発明に従うパールエッセンス剤は、真珠光沢効果を生じるために光を反射及び屈折させることが可能である結晶性又はガラス状固体透明又は半透明の化合物である。典型的に、パールエッセンス剤は、それらが組み込まれる組成物に不溶性である結晶性粒子である。好ましくは、パールエッセンス剤は、薄板又は球体の形状を有する。本発明に従う球体は、一般に球形状と解釈されるべきである。粒径は、球体の最大直径を横切って測定される。板様粒子は、粒子の2つの寸法(長さ及び幅)が、3つ目の寸法(深さ又は厚さ)の少なくとも5倍である。立方体又は針又は他の結晶形状のような他の結晶形状は、真珠光沢効果を示さない。雲母のような多くのパールエッセンス剤は、単斜晶結晶を有する天然鉱物である。形状は、剤の安定性に影響を及ぼすように見える。球形状、更により好ましくは、板様剤は、最もうまく安定する。
【0013】
パールエッセンス剤は、文献で知られているが、一般にシャンプー、コンディショナー、又はパーソナルクレンジング用途において使用される。それらは、組成物に真珠層の外観を与える材料として記載される。真珠光沢の機構は、R.L.クロンビー(Crombie)により、化粧科学国際ジャーナル(International Journal of Cosmetic Science)19巻、205〜214頁に記載される。理論に束縛されるものではないが、真珠光沢は、以下の図で示すような光の鏡面反射によって生じると考えられている。
(図1)

【0014】
真珠小板又は球体から反射した光は、組成物中の異なる水平面において、互いに本質的に平行に位置するので、深さと光沢の感覚を引き起こす。いくらかの光は、パールエッセンス剤に反射され、残りは、剤を透過する。パールエッセンス剤を透過する光は、直接通過する可能性があり、又は屈折する可能性がある。反射した、屈折した光は、異なる色、白色度及び光沢を生じる。他方で不透明化剤は、パールエッセンス剤とは別個に理解されるべきである。この真珠光沢効果を生み出すために、パールエッセンス剤が光を反射及び屈折するところでは、不透明化剤は、光を反射及び屈折しない。反対に、不透明化剤は、光を透過せず、全ての方向に拡散する。
【0015】
パールエッセンス剤は、好ましくは、50μm未満のD0.99(時々、D99と称される)体積粒径を有する。より好ましくは、パールエッセンス剤は、40μm未満、最も好ましくは30μm未満のD0.99を有する。最も好ましくは、粒子は1μm超過の体積粒径を有する。最も好ましくは、パールエッセンス剤は、0.1μm〜50μm、より好ましくは0.5μm〜25μm、及び最も好ましくは1μm〜20μmの粒径分布を有する。D0.99は、粒径分布に関する粒径の尺度であり、この場合には、粒子の99%が50μm未満の体積粒径を有することを意味する。体積粒径及び粒径分布は、マルバーン・インスツルメント社(Malvern Instruments Ltd)から入手可能なヒドロ(Hydro)2000G装置を使用して測定される。粒径は、剤の安定化の役割を有する。粒径及び分布が小さいほど、より容易に懸濁する。しかし、パールエッセンス剤の粒径が減少すると、剤の有効性は減少する。
【0016】
理論に束縛されるものではないが、出願人は、パールエッセンス剤とそれが懸濁する液体媒質との界面における光の透過は、フレネル方程式によって支配される物理法則によって支配されると考える。パールエッセンス剤と液体媒質の間の屈折率の差が増加すると、パールエッセンス剤によって反射されるであろう光の割合は増加する。残りの光は、エネルギー保存によって屈折し、それが別のパールエッセンス剤面に接触するまで、液体媒質を透過するであろう。確立されているように、パールエッセンス剤を含有する組成物に目に見える真珠光沢を与えるために、屈折する光の量に比例して、十分な光が反射されるように、屈折率の差は、十分に高くなければならないと考えられている。
【0017】
より少ない水とより多い有機溶媒を含有する液体組成物は、典型的に、より水性の組成物と比較して、屈折率がより高いであろう。従って、出願人は、高屈折率を有するこうした組成物においては、不十分な高屈折率を持つパールエッセンス剤は、組成物中に多量(典型的に3%超過)導入されるときでさえも、十分な目に見える真珠光沢を与えないことを見出した。従って、製剤中の顔料の量をかなり低い量に保つために、高屈折率を持つ真珠光沢顔料を使用することが好ましい。従って、パールエッセンス剤は、好ましくは、1.41超過、より好ましくは1.8超過、更により好ましくは2.0超過の屈折率を有するように選択される。好ましくは、パールエッセンス剤と、次にパールエッセンス剤が添加される組成物又は媒質との間の屈折率の差は、少なくとも0.02である。好ましくは、パールエッセンス剤と組成物との間の屈折率の差は、少なくとも0.2、より好ましくは少なくとも0.6である。出願人は、剤の屈折率が高いほど、剤はより有効に真珠光沢効果を生み出すことを見出した。しかし、この効果は、剤の屈折率と組成物の屈折率の差にも依存する。差が大きいほど、効果の認識は大きい。
【0018】
本発明の液体組成物は、好ましくは、組成物の0.01重量%〜2.0重量%の100%活性パールエッセンス剤を含む。より好ましくは、液体組成物は、組成物の0.01重量%〜0.5重量%、より好ましくは0.01重量%〜0.35重量%、更により好ましくは0.01重量%〜0.2重量%の100%活性パールエッセンス剤を含む。出願人は、上述の粒径と組成物中の量にもかかわらず、良好で消費者に好まれる真珠光沢を液体組成物に供給することが可能であることを見出した。
【0019】
パールエッセンス剤は、有機又は無機であってよい。
【0020】
有機パールエッセンス剤:
好適なパールエッセンス剤としては、以下の式:
【化1】

(式中、Rは、直鎖又は分枝鎖C12〜C22アルキル基であり、
Rは、直鎖又は分枝鎖C2〜C4アルキレン基であり、
Pは、H、C1〜C4のアルキル、又は−CORから選択され、Rは、C4〜C22のアルキル、好ましくはC12〜C22のアルキルであり、
n=1〜3である。)を有するアルキレングリコールのモノエステル及び/又はジエステルが挙げられる。
【0021】
本発明の一実施形態においては、長鎖脂肪酸エステルは上記の一般構造を有し、式中、Rは直鎖又は分枝鎖C16〜C22アルキル基であり、Rは−CH−CH−であり、Pは、H、又は−CORから選択され、ここで、RはC4〜C22のアルキル、好ましくはC12〜C22のアルキルである。
【0022】
典型的な例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール又はテトラエチレングリコールと、カプロン酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸、エルカ酸、及びこれらの混合物のような約6〜約22、好ましくは約12〜約18の炭素原子を含有する脂肪酸との、モノエステル及び/又はジエステルである。
【0023】
一実施形態においては、エチレングリコールモノステアレート(EGMS)及び/又はエチレングリコールジステアレート(EGDS)及び/又はポリエチレングリコールモノステアレート(PGMS)及び/又はポリエチレングリコールジステアレート(PGDS)が、本組成物において使用されるパールエッセンス剤である。これらの材料には、いくつかの商業的供給源が存在する。例えば、PEG6000MS(登録商標)は、ステパン(Stepan)から入手可能であり、エンピラン(Empilan)EGDS/A(登録商標)は、アルブライト&ウィルソン(Albright & Wilson)から入手可能である。
【0024】
別の実施形態においては、パールエッセンス剤は、エチレングリコールジエステル/エチレングリコールモノエステルの重量比約1:2〜約2:1の混合物を含む。別の実施形態では、EGDS/EGMSの重量比約60:40〜約50:50の混合物を含むパールエッセンス剤は、水懸濁液中で特に安定であることが見出される。
【0025】
共結晶化剤:
所望により、得られる製品中で真珠光沢粒子が製造されるように、共結晶化剤は、有機パールエッセンス剤の結晶化を強化するために使用される。好適な共結晶化剤としては、直鎖又は分枝鎖の、所望によりヒドロキシル置換された、約12〜約22、好ましくは約16〜約22、より好ましくは約18〜20の炭素原子を含有するアルキル基を有する脂肪酸及び/又は脂肪族アルコール、例えば、パルミチン酸、リノール酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、ベヘニル酸、セテアリルアルコール、ヒドロキシステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、リノリルアルコール、リノレニルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
共結晶化剤が有機パールエッセンス剤より高い融点を有するように選択されるとき、これらの共結晶化剤と上記の有機パールエッセンス剤との溶融した混合物において、典型的に、共結晶化剤が、最初に凝固して、均一に分配された微粒子を形成し、これが、次に続くパールエッセンス剤の結晶化のための核としての役目を果たすことが見出される。有機パールエッセンス剤と共結晶化剤の比率を適切に選択することにより、得られる製品の真珠光沢外観を強化するために、得られる結晶サイズを制御することができる。あまりにたくさんの共結晶化剤を使用すると、得られる製品は、魅力がより少ない真珠光沢外観と、より不透明な外観を示すことが見出される。
【0027】
共結晶化剤が存在する一実施形態においては、組成物は、1〜5重量%のC12〜C20の脂肪酸、C12〜C20の脂肪族アルコール、又はこれらの混合物を含む。
【0028】
別の実施形態においては、有機パールエッセンス剤と共結晶化剤との重量比は、約3:1〜約10:1、又は約5:1〜約20:1の範囲である。
【0029】
有機パールエッセンス剤含有組成物を製造するために広く採用される方法の1つは、室温において固体である有機真珠光沢材料を使用する方法である。これらの材料は、それらの融点を超えて加熱され、組成物の調製に添加され;冷却される際に、得られる組成物中に真珠光沢艶が現れる。しかし、この方法には、製造バッチ全体を、真珠光沢材料の融解温度と一致する温度まで加熱しなければならないという不都合が存在し得り、製品中の均一な真珠光沢は、均質な溶融混合物を作り、よく制御された冷却及び攪拌条件を適用することによってのみ達成される。
【0030】
有機パールエッセンス剤を組成物中に組み込むための代わりの及び好ましい方法は、事前に結晶化された有機真珠光沢分散体を使用することである。この方法は、「コールドパール」として当業者に知られている。この代わりの方法においては、長鎖脂肪酸エステルが融解され、担体混合物と組合せられ、担体中で最適な粒径に再結晶化される。典型的に、担体混合物は、界面活性剤、好ましくは2〜50%の界面活性剤、並びに残部の水及び任意の補助剤を含む。規定されたサイズの真珠光沢結晶は、界面活性剤担体混合物、混合及び冷却条件の適当な選択によって得られる。コールドパールの製造方法は、米国特許第4,620,976号、米国特許第4,654,163号(共にホーケスト(Hoechest)に譲渡された)及びPCT国際公開特許WO2004/028676(ハンツマン・インターナショナル(Huntsman International)に譲渡された)に記載されている。多くのコールドパールが市販されている。これらとしては、ステパン・パール(Stepan Pearl)−2及びステパン・パール4(ステパン社(Stepan Company)、(イリノイ州、ノースフィールド(Northfield))により製造される)、マックパール(Mackpearl)202、マックパール15−DS、マックパールDR−104、マックパールDR−106(全てマックインタイレグループ(McIntyre Group)、(イリノイ州、シカゴ(Chicago))により製造される)、ユーパーラン(Euperlan)PK900ベンズ(Benz)−W及びユーパーランPK3000AM(コグニス社(Cognis Corp)により製造される)のような商品名が挙げられる。
【0031】
有機パールエッセンス剤を組み込む本発明の典型的な実施形態は、組成物の0.1重量%〜5重量%の有機パールエッセンス剤;組成物の0.5重量%〜10重量%の分散界面活性剤;及び所望により、水と所望により1以上の有機溶媒とを含む溶媒系中の有効量の共結晶化剤;加えて、組成物の5重量%〜40重量%の洗浄性界面活性剤;及び組成物の少なくとも0.01重量%、好ましくは少なくとも1重量%の香料、柔軟仕上げ剤、酵素、漂白剤、漂白活性化剤、カップリング剤、又はこれらの組合せのような1以上の洗濯補助剤材料;を含む組成物である。
【0032】
共結晶化剤の「有効量」は、所与の設定処理(set processing)パラメータ下において、パールエッセンス剤の望ましい結晶サイズ及びサイズ分布を生じるのに十分な量である。ある実施形態においては、共結晶化剤の量は、有機パールエッセンス剤100重量部当たり5〜30部の範囲である。
【0033】
コールドパールのための好適な分散界面活性剤としては、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、及びこれらの混合物が挙げられ、ここでアルキル基は直鎖又は分枝鎖C12〜C14のアルキルである。典型的な例としては、ラウリル硫酸ナトリウム及びラウリル硫酸アンモニウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
本発明の一実施形態においては、組成物は、20〜65重量%の水;5〜25重量%のナトリウムアルキルサルフェートアルキルサルフェート又はアルキルエーテルサルフェート分散界面活性剤;及び0.5〜15重量%の重量比1:2〜2:1のエチレングリコールモノステアレート及びエチレングリコールジステアレートを含む。
【0035】
本発明の別の実施形態においては、組成物は、20〜65重量%の水;5〜30重量%のナトリウムアルキルサルフェート又はアルキルエーテルサルフェート分散界面活性剤;5〜30重量%の長鎖脂肪酸エステル、及び1〜5重量%のC12〜C22の脂肪族アルコール又は脂肪酸を含み、ここで長鎖脂肪酸エステルと脂肪族アルコール及び/又は脂肪酸との重量比は、約5:1〜約20:1、又は約3:1〜約10:1の範囲である。
【0036】
本発明の別の実施形態においては、組成物は、組成物の少なくとも約0.01重量%、好ましくは約0.01重量%〜約5重量%のパールエッセンス剤、有効量の共結晶化剤、及び以下のもののうち1以上を含む:洗浄性界面活性剤;アニオン性染料の固定剤;水及び有機溶媒を含む溶媒系。この組成物は、他の洗濯及び織物ケア補助剤を更に包含できる。
【0037】
有機パールエッセンス剤を組み込むための製造方法:
コールドパールは、2〜50%の界面活性剤、残部水及び他の補助剤を含む担体を、有機パールエッセンス剤及び共結晶化剤の融点を超える温度まで、典型的に約60〜90℃、好ましくは約75〜80℃に加熱することにより、製造される。有機パールエッセンス剤及び共結晶化剤を混合物に添加し、約10分間〜約3時間混合する。所望により、次に温度を約80〜90℃に上げる。所望の分散液滴直径のパールエッセンス剤を製造するために、高剪断ミル装置を使用してよい。
【0038】
混合物を、約0.5〜5℃/分の冷却速度で冷却する。あるいは、冷却は、二工程プロセスで実行され、これは、混合物を単一パス熱交換器に通すことによる瞬間冷却工程と、混合物を約0.5〜5℃/分の速度で冷却するスロー冷却工程とを含む。温度が約50℃に達すると、長鎖脂肪酸エステルのようなパールエッセンス剤の結晶化が始まる;結晶化は、混合物の粘度の実質的な増加によって証明される。混合物を約30℃に冷却し、攪拌を停止する。
【0039】
得られるコールドパール事前結晶化有機真珠光沢分散体は、攪拌して、いかなる外部からの熱も適用せずに、続いて液体組成物に組み込まれることができる。得られる製品は、魅力的な真珠光沢外観を有し、典型的な保存条件下において数ヶ月間安定である。換言すれば、得られる製品は、その真珠光沢外観を維持し、コールドパールは、数ヶ月間、組成物マトリックスから分離又は成層しない。
【0040】
無機パールエッセンス剤:
無機パールエッセンス剤としては、雲母、金属酸化物被覆雲母、シリカ被覆雲母、オキシ塩化ビスマス被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、ミリスチルミリステート、ガラス、金属酸化物被覆ガラス、グアニン、グリッター(glitter)(ポリエステル又は金属)及びこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。
【0041】
好適な雲母としては、白雲母又は水酸化カリウムアルミニウムフッ化物(potassium aluminum hydroxide fluoride)が挙げられる。雲母の小板は、金属酸化物の薄層でコーティングされることが好ましい。好ましい金属酸化物は、ルチル、二酸化チタン、酸化第二鉄、酸化スズ、アルミナ及びこれらの混合物から成る群から選択される。結晶性真珠光沢層は、金属酸化物でコーティングされた雲母を約732℃にて焼成することにより、形成される。熱は、樹脂に不溶性で、安定した色を有し、以降の加工の熱応力に耐える、不活性顔料を作る。
【0042】
これらのパールエッセンス剤における色は、金属酸化物層の上面及び底面から鏡面反射角で反射する光線の間の干渉を通して発現する。剤は、視角が非鏡面反射角に変わると色の強さを失い、真珠光沢外観を得る。
【0043】
より好ましくは、無機パールエッセンス剤は、雲母及びオキシ塩化ビスマス、並びにこれらの混合物から成る群から選択される。最も好ましくは、無機パールエッセンス剤は雲母である。市販の好適な無機パールエッセンス剤は、メルク(Merck)から、商品名イリオディン(Iriodin)、ビロン(Biron)、キシロナ(Xirona)、チミロン・コロロナ(Timiron Colorona)、ジクロナ(Dichrona)、キャンデュリン(Candurin)、及びロナスター(Ronastar)として入手可能である。他の市販の無機パールエッセンス剤は、BASF(エンゲルハルド,ミール(Engelhard,Mearl))から商品名ビジュ(Biju)、ビライト(Bi-Lite)、クロマライト(Chroma-Lite)、パールグロ(Pearl-Glo)、マーライト(Mearlite)として、並びにエッカート(Eckart)から商品名プレステージ・ソフト・シルバー(Prestige Soft Silver)及びプレステージ・シルク・シルバースター(Prestige Silk Silver Star)として入手可能である。
【0044】
エチレングリコールモノステアレート及びエチレングリコールジステアレートのような有機パールエッセンス剤は、真珠光沢を提供するが、組成物が動いているときだけである。それ故に、組成物が注がれるときだけ、組成物は真珠光沢を示すであろう。無機真珠光沢材料は、動的及び静的真珠光沢の両方を提供するので好ましい。動的真珠光沢とは、組成物が動いているときに、組成物が真珠光沢効果を示すことを意味する。静的真珠光沢とは、組成物が静止しているときに、組成物が真珠光沢効果を示すことを意味する。
【0045】
無機パールエッセンス剤は、粉末として、又は適切な懸濁剤中の粉末のスラリーとして入手可能である。好適な懸濁剤としては、エチルヘキシルヒドロキシステアレート、硬化ヒマシ油が挙げられる。粉末又は粉末のスラリーは、いかなる追加的なプロセス工程も必要とせずに、組成物に添加することができる。
【0046】
色相染料
本洗剤組成物に包含される色相染料は、少なくとも10の色相効率、及び約30%〜約85%の範囲の洗浄除去値を示す。こうした染料は、洗濯洗浄サイクル中に、好ましい色付け効率を示し、洗濯中に過度の望ましくない蓄積を示さないことが見出された。染料の色相効率は、染料を含有しない溶液中で洗浄された織物サンプルを、染料を含有する溶液中で洗浄された織物サンプルと比較することにより測定され、色相染料が望ましい色付け、例えば白くなること、を付与するのに有効かどうかを示す。具体的には、25cm×25cmの織物片が採用され、その例には、16オンス綿両面編みメリヤス生地(270g/平方メートル、ユビテックス(Uvitex)BNB蛍光増白剤で漂白され、私書箱26の試験織物(ペンシルバニア州、ウエストン(Weston)、18643)から得られる)が含まれてよい。白色綿材料を採用するのが好ましいが、他の織物サンプルを使用してもよい。表1に示されるようなAATCC標準重質液(HDL)試験用洗剤1.55gを含有する1リットルの蒸留水中で、サンプルを45分間室温で洗浄し、すすぐ。染料を含有しない(コントロール)洗剤及び30ppm洗浄濃度の染料を含有する洗剤を使用して、各サンプルを調製し、試験する。各織物サンプルをすすぎ・乾燥後、洗濯物の色相効率、DE*effを以下の式により評価する。
DE*eff=((L*−L*+(a*−a*+(b*−b*1/2
式中、添字c及びsはそれぞれ、コントロール、すなわち染料のない洗剤中で洗浄された織物サンプル、及び審査されるべき染料を含有する洗剤中で洗浄された織物サンプルについて測定されたL*,a*及びb*値を指す。L*,a*及びb*値の測定は、D65照度、10度観測器及び遮断UVフィルターを有するハンターカラークエスト(Hunter Colorquest)反射分光光度計を使用し行われる。本洗剤組成物において使用するのに好適な色相染料は、少なくとも10の色相効率を示す。より具体的な実施形態においては、色相染料は少なくとも15の色相効率を示す。
【0047】
洗浄除去値は、色相染料の織物への蓄積に対する耐性の表示であり、従って、色相染料が色付けには有効であるが、繰返し洗浄した後、望ましくない織物の青味づけを引き起こさないことを示している。洗浄除去値は、以下のように決定される:上記の色相効率試験で得られた15cm×5cmの大きさの織物サンプル片をランダロメーター(Launderometer)中で45分間49℃で表1に示されたHDL洗剤溶液150mlでAATCC試験法61−2003、試験2Aに従って洗浄する。洗剤濃度は、蒸留水中AATCC HDL処方の1.55g/リットルである。すすぎをして暗所で風乾後、残留着色の量を、以下の式で与えられるDE*resを測定することにより評価する:
DE*res=((L*−L*+(a*−a*+(b*−b*1/2
式中、添字c及びsはそれぞれ、コントロール、すなわち染料のない洗剤中で最初に洗浄された織物サンプル、及び審査されるべき染料を含有する洗剤中で最初に洗浄された織物サンプルについて測定されたL*,a*及びb*値を指す。次に、染料の洗浄除去値を以下の式に従って計算する:除去%=100×(1−DE*res/DE*eff)。本洗剤組成物において使用するのに適した色相染料は、約30%〜約85%の範囲の洗浄除去値を示す。より具体的な実施形態においては、色相染料は、約40%〜約85%、あるいは約45%〜約85%の範囲の洗浄除去値を示す。
【表1】

処方pHを8.5に調整
ジエチレントリアミン五酢酸、五ナトリウム塩
【0048】
色相染料は、洗濯洗剤組成物中に洗剤を含有する溶液中で洗浄される織物に色付け効果を与えるのに十分な量が包含される。一実施形態においては、洗剤組成物は、約0.0001重量%〜約0.1重量%、より具体的には約0.001重量%〜約0.05重量%の色相染料を含む。
【0049】
本発明による色相効率と洗浄除去値の組合せを示す代表的な染料としては、表2に示されるような特定のトリアリールメタンブルー及びバイオレット塩基性染料、表3に示されるようなメチンブルー及びバイオレット塩基性染料、表4に示されるようなアントラキノン染料、アントラキノン染料塩基性ブルー35及び塩基性ブルー80、アゾ染料塩基性ブルー16、塩基性ブルー65、塩基性ブルー66、塩基性ブルー67、塩基性ブルー71、塩基性ブルー159、塩基性バイオレット19、塩基性バイオレット35、塩基性バイオレット38、塩基性バイオレット48、オキサジン染料塩基性ブルー3、塩基性ブルー75、塩基性ブルー95、塩基性ブルー122、塩基性ブルー124、塩基性ブルー141、ナイルブルーA及びキサンテン染料塩基性バイオレット10、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【表2−1】

【表2−2】

【表2−3】

【表2−4】

【表2−5】

【表3】

【表4】

【0050】
本明細書に参考として組み込まれるミリケンリサーチ社(Milliken Research Corporation)の米国特許第3,157,663号、同第3,927,044号、同第4,113,721号、同第4,400,320号、同第4,601,725号、同第4,871,371号、同第5,766,268号、同第5,770,552号、同第5,770,557号、同第5,773,405号及び同第6,417,155号は、極性溶媒に可溶のポリオキシアルキレンを含有する着色剤について記載している。なお他の好適な色相染料は、参照として本明細書に組み込まれる米国特許第4,137,243号、同第5,591,833号、及び同第6,458,193号(ミリケンリサーチ社(Milliken Research Corporation))に見られる。米国特許第4,137,243号は、ポリマー鎖を包含する、可変置換基を持つ3環アントラキノン発色団を包含する、アルコキシル化アントラキノン高分子着色剤を記載している。
【0051】
一実施形態においては、色相染料は、米国特許第4,871,371号に記載されるもののようなアルコキシル化トリフェニルメタン高分子着色剤、及び/又は米国特許第4,601,725号に記載されるもののようなアルコキシル化チオフェン系高分子着色剤である。
【0052】
得られる着色剤が少なくとも10の色相効率、及び約30%〜約85%の範囲の洗浄除去値を示すとき、こうした材料を、本発明で使用することができる。
【0053】
発明の洗剤組成物の一実施形態において、非色相染料もまた、色相染料と組み合わせて使用される。非色相染料は、天然に非実在である可能性がある。色相染料と非色相染料を組み合わせると、製品の色及び織物の色合いの特注生産が可能となる。
【0054】
同様に、本明細書において使用するのに好適なものは、反応染料である。反応染料は、好適な染色条件下で、基材と共有結合を形成することが可能な染料の群である。化学構造の観点から、典型的な反応染料は、発色団、並びにセルロース、羊毛、絹、及びポリアミド繊維のような基材と反応することができる1以上の官能基、いわゆるアンカー基を含む。反応染料の典型的な発色団は、アゾ、アントラキノン、フタロシアニン、ホルマザン、及びトリフェンジオアキサジンである。反応染料の典型的なアンカー基は、トリクロロピリミジニル、モノクロロトリアジニル、ビニルスルホニル、ジクロロキノキサリニル、モノフルオロトラジニル、ジフルオロクロロピリミジニル、及びジクロロトリアジニルである。付加及び置換反応は、反応染料と織物繊維との間の2つの起こり得る反応機構である。しかし、こうした反応は、典型的に、染色浴中の多量の反応染料、30℃より高い温度、10〜12の染色浴のpH、並びに染色浴中の他の成分の共存のような、好適な染色条件下において生じる。洗浄条件は、染色条件よりも非常に穏やかであるので、本明細書の洗濯洗浄組成物中の反応染料は、その水溶液中で洗濯される織物と、実際に反応しないと考えられている。本明細書に用いるのに好適な反応染料としては、チバクロンブリリアントブルー(Cibacron Brilliant Blue)FN−6、チバクロンレッド(Cibacron Red)FN−R、レバフィックスロイヤルブルー(Levafix Royal blue)E−FR、ドリマレンバイオレット(Drimarene Violet)K−2RL、ドリマレンブルー(Drimarene Blue)K−2RL、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0055】
任意の組成物成分
本発明の液体組成物は、以下に示す任意成分のリストから選択される他の成分を含んでよい。本明細書において以下に指定されない限り、特定の洗濯補助剤の「有効量」は、洗剤組成物の好ましくは0.01重量%〜、より好ましくは0.1重量%〜、更により好ましくは1重量%〜20重量%、より好ましくは〜15重量%、更により好ましくは〜10重量%、なお更により好ましくは〜7重量%、最も好ましくは〜5重量%である。
【0056】
界面活性剤又は洗浄性界面活性剤
本発明の組成物は、約1重量%〜80重量%の界面活性剤を含んでよい。好ましくは、このような組成物は、約5重量%〜50重量%の界面活性剤を含む。本発明の界面活性剤は、2つの方法で使用されてもよい。第一に、上記のコールドパール有機パールエッセンス剤のための分散剤として使用されてもよい。第二に、汚れの懸濁目的で洗浄性界面活性剤として使用されてもよい。
【0057】
利用される洗浄性界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、双極性、両性、又はカチオン性型であることができ、あるいは、これらの種類の適合性のある混合物を含むことができる。より好ましくは、界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から成る群から選択される。好ましくは、組成物は、実質的にベタイン界面活性剤フリーである。本明細書において有用な洗浄性界面活性剤は、米国特許第3,664,961号(ノリス(Norris)、1972年5月23日発行)、同第3,919,678号(ラフリン(Laughlin)ら、1975年12月30日発行)、同第4,222,905号(コックレル(Cockrell)、1980年9月16日発行)、及び同第4,239,659号(マーフィー(Murphy)、1980年12月16日発行)に記載されている。アニオン性及び非イオン性の界面活性剤が好ましい。
【0058】
有用なアニオン性界面活性剤は、それら自体がいくつかの異なる種類であることができる。例えば、高級脂肪酸の水溶性塩、すなわち「石鹸」は、本明細書の組成物において有用なアニオン性界面活性剤である。これは、約8〜約24の炭素原子、好ましくは約12〜約18の炭素原子を含有する高級脂肪酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びアルキルアンモニウム塩のような、アルカリ金属石鹸を包含する。石鹸は、脂肪及び油の直接鹸化によって、又は遊離脂肪酸の中和によって製造することができる。特に有用であるのは、ココヤシ油及びタローから誘導される脂肪酸の混合物のナトリウム塩及びカリウム塩、すなわち、ナトリウム又はカリウムタロー及びココヤシ石鹸である。
【0059】
本明細書において使用するのに好適な、石鹸以外の更なるアニオン性界面活性剤としては、その分子構造内に約10〜約20の炭素原子を含有するアルキル基とスルホン酸又は硫酸エステル基とを有する有機イオウ反応生成物の、水溶性塩、好ましくはアルカリ金属及びアンモニウム塩が挙げられる。(用語「アルキル」には、アシル基のアルキル部分が包含される。)この群の合成界面活性剤の例は、a)ナトリウム、カリウム及びアンモニウムアルキルサルフェート、とりわけ、タロー又はココヤシ油のグリセリドの還元により製造されるもののような高級アルコール(C〜C18の炭素原子)の硫酸化により得られるもの;b)ナトリウム、カリウム及びアンモニウムアルキルポリエトキシレートスルフェート、特にアルキル基が10〜22、好ましくは12〜18の炭素原子を含有し、ポリエトキシレート鎖が1〜15、好ましくは1〜6のエトキシレート部分を含有するもの;並びにc)アルキル基が直鎖又は分枝鎖形体の約9〜約15の炭素原子を含有するナトリウム及びカリウムアルキルベンゼンスルホネート、例えば、米国特許第2,220,099号及び同第2,477,383号に記載される種類のものである。とりわけ貴重であるのは、アルキル基における炭素原子の平均数が約11〜13であり、C11〜C13LASと略される直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩である。
【0060】
好ましい非イオン性界面活性剤は、式R(OCOHのものであり、式中、RはC10〜C16のアルキル基又はC〜C12のアルキルフェニル基であり、nは3〜約80である。特に好ましいのは、C12〜C15のアルコールと、アルコール1モル当たり約5〜約20モルのエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、アルコール1モル当たり約6.5モルのエチレンオキシドと縮合したC12〜C13のアルコールである。
【0061】
織物ケア有益剤
本組成物の好ましい実施形態に従うと、織物ケア有益剤が含まれる。本明細書で使用するとき、「織物ケア有益剤」とは、衣類/織物上に十分な量の材料が存在するとき、衣類及び織物に対して、特に綿及び綿が豊富な衣類及び織物上において、織物柔軟化、色の保護、毛玉/毛羽立ちの低減、磨耗防止、皺防止等のような織物ケア効果を提供できるいずれかの材料を指す。織物ケア有益剤の非限定的な実施例としては、カチオン性界面活性剤、シリコーン、ポリオレフィンワックス、ラテックス、油性糖誘導体、カチオン性多糖類、ポリウレタン、脂肪酸、及びこれらの混合物が挙げられる。織物ケア有益剤は、組成物に存在するとき、特定の実施形態においては、好適には組成物の約30重量%まで、より典型的には約1%〜約20%、好ましくは約2%〜約10%の量である。
【0062】
本発明の目的のために、シリコーン誘導体は、織物ケア効果を供給することができ、エマルション、ラテックス、分散体、懸濁液等のような液体処理組成物に組み込まれることができるいずれかのシリコーン材料である。洗濯製品において、これらは、好適な界面活性剤と共に最も一般に組み込まれる。典型的に、洗濯製品は、乳化剤、分散剤、懸濁剤等のように作用して水不溶性シリコーン誘導体の乳化、分散、及び/又は懸濁を助けることのできる多くの異なる界面活性剤を含有するので、洗濯製品に直接乳化又は分散させることのできるいかなる純シリコーンもまた、本発明の範囲内である。これらのシリコーン誘導体は、織物上に付着することによって、織物に、皺防止、色の保護、毛玉/毛羽立ちの低減、磨耗防止、織物の柔軟化等を包含する1以上の織物ケア効果を提供することができる。本発明において有用なシリコーンの例は、オノヨシアキ(Yoshiaki Ono)、(信越シリコーン社(Shin-Etsu Silicones Ltd)、日本)による「シリコーン−適用分野及び技術動向(Silicones-Fields of Application and Technology Trends)」、並びにM.D.ベルチアウメ(Berthiaume)による「高分子科学の原則並びに化粧品及びパーソナルケアにおける技術(Principles of Polymer Science and Technology in Cosmetics and Personal Care)」(1999)に記載されている。
【0063】
好適なシリコーンとしては、ポリ(ジ)アルキルシロキサン、とりわけポリジメチルシロキサン及び環状シリコーンのようなシリコーン流体が挙げられる。ポリ(ジ)アルキルシロキサンは、分枝状で、部分的に架橋している、又は直鎖状であってもよく、以下の構造を有する:
【化2】

式中、各Rは、独立して、H、1〜20の炭素原子を有する直鎖状、分枝状及び環状アルキル並びに基、2〜20の炭素原子を有する直鎖状、分枝状及び環状アルケニル基、7〜20の炭素原子を有するアルキルアリール及びアリールアルケニル基、1〜20の炭素原子を有するアルコキシ基、ヒドロキシ、並びにこれらの組合せから選択され、wは3〜10から選択され、kは2〜10,000である。
【0064】
本発明のポリジメチルシロキサン誘導体としては、有機官能性シリコーンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
官能性シリコーンの一実施形態は、米国特許第6,903,061B2号、米国特許第6,833,344号、及びPCT国際公開特許WO02/018528に開示されるABn型シリコーンである。これらのシリコーンの市販の例は、ワロ(Waro)及びシルソフト(Silsoft)843であり、共にGEシリコーン(GE Silicones)、(コネティカット州、ウィルトン(Wilton))から販売されている。
【0066】
官能化シリコーンの別の実施形態は、下記一般式のシリコーンの群である。
【化3】

式中:
(a)各R”は、独立して、R及び−X−Qから選択され;ここで:
(i)Rは、C〜Cのアルキル又はアリール基、水素、C〜Cのアルコキシ、あるいはこれらの組合せから選択される基であり;
(b)Xは、アルキレン基−(CH−、又は
−CH−CH(OH)−CH−から選択される連結基であり;ここで:
(i)pは2〜6であり、
(c)Qは、−(O−CHR−CH−Zであり;ここで、qは平均で約2〜約20であり;更にここで:
(i)Rは、H、C〜Cのアルキルから選択される基であり;
(ii)Zは、−OR、−OC(O)R、−CO−R−COOH、−SO、−PO(OH)から選択される基であり;
【化4】

ここで:
は、H、C〜C26のアルキル又は置換アルキル;C〜C26のアリール又は置換アリール;C〜C26のアルキルアリール又は置換アルキルアリールから選択される基であり;ある実施形態においては、Rは、H、メチル、エチルプロピル、又はベンジル基から選択される基であり;
は、−CH−、又は−CHCH−から選択される基であり;
は、独立して、H、C〜Cのアルキル、
−(CH−NH、及び−X(−O−CHR−CH−Zから選択される基であり;
(d)kは、平均で約1〜約25,000、又は約3〜約12,000であり;
(e)mは、平均で約4〜約50,000、又は約10〜約20,000である。
【0067】
本発明に包含される官能化シリコーンの例は、シリコーンポリエーテル、アルキルシリコーン、フェニルシリコーン、アミノシリコーン、シリコーン樹脂、シリコーンメルカプタン、カチオン性シリコーン等である。
【0068】
官能化シリコーン、又はアミノ、アルコキシ、アルキル、フェニル、ポリエーテル、アクリレート、水素化ケイ素、メルカプトプロピル(mercaptoproyl)、カルボン酸、四級化窒素のような1以上の異なる種類の官能基を持つコポリマー。市販のシリコーンの非限定的な実施例としては、GEシリコーン(GE Silicones)から市販されているSM2125、シルウェット(Silwet)7622、並びに全てダウ・コーニングから市販されているDC8822及びPP−5495、及びDC−5562が挙げられる。他の例としては、共に信越シリコーン(Shin Etsu Silicones)、(オハイオ州、アクロン(Akron))から入手可能なKF−888、KF−889;全てノベオン社(Noveon Inc.)、(オハイオ州、クリーブランド(Cleveland))から入手可能なウルトラシル(Ultrasil)(登録商標)SW−12、ウルトラシル(登録商標)DW−18、ウルトラシル(登録商標)DW−AV、ウルトラシル(登録商標)Q−プラス、ウルトラシル(登録商標)Ca−1、ウルトラシル(登録商標)CA−2、ウルトラシル(登録商標)SA−1及びウルトラシル(登録商標)PE−100が挙げられる。更なる非限定的な例としては、フォエニックスケミカル社(Phoenix Chemical Inc.)(サマービル)から入手可能なペコシル(Pecosil)(登録商標)CA−20、ペコシル(登録商標)SM−40、ペコシル(登録商標)PAN−150が挙げられる。
【0069】
シリコーンエマルションに関しては、粒径が、マイクロエマルション(<150nm)、標準エマルション(約200nm〜約500nm)、及びマクロエマルション(約1ミクロン〜約20ミクロン)を包含して、約1nm〜100ミクロン、好ましくは約10nm〜約10ミクロンの範囲であることができる。
【0070】
本発明において使用するのに適した油性糖誘導体は、PCT国際公開特許WO98/16538に教示されている。本発明の文脈において、頭文字CPE又はRSEは、それぞれ、環状ポリオール又は還元糖の35%〜100%のヒドロキシル基がエステル化及び/又はエーテル化されている、環状ポリオール誘導体又は還元された糖誘導体を表し、ここで、少なくとも2つ以上のエステル又はエーテル基が、C8〜C22のアルキル又はアルケニル鎖に独立して付着する。典型的にCPE及びRSEは、3以上のエステル又はエーテル基又はこれらの混合物を有する。CPE及びRSEの2つ以上のエステル又はエーテル基が、独立して、C8〜C22のアルキル又はアルケニル鎖に付着することが好ましい。C8〜C22のアルキル又はアルケニル鎖は、直鎖又は分枝鎖であってよい。一実施形態においては40〜100%のヒドロキシル基が、エステル化又はエーテル化している。別の実施形態においては、50%〜100%のヒドロキシル基が、エステル化又はエーテルしている。
【0071】
本発明の文脈において、環状ポリオールという用語は、全ての形態の糖を網羅する。とりわけ好ましいのは、単糖類及び二糖類からのCPE及びRSEである。単糖類の例としては、キシロース、アラビノース、ガラクトース、フルクトース、及びグルコースが挙げられる。還元糖の例はソルビタンである。二糖類の例は、スクロース、ラクトース、マルトース及びセロビオースである。スクロースがとりわけ好ましい。
【0072】
CPE又はRSEは、4以上のエステル又はエーテル基を有することが好ましい。環状CPEが二糖類である場合、二糖類は、3つ以上のエステル又はエーテル基を有することが好ましい。特に好ましいのは、4以上のエステル基を持つスクロースエステルである。これらは、プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter and Gamble Company)、(オハイオ州、シンシナティ(Cincinnati))から、商品名オレアン(Olean)として市販されている。
【0073】
環状ポリオールが還元糖である場合、CPEの環が、好ましくはC1位置において、1つのエーテル基を有することが有利である。残りのヒドロキシル基は、アルキル基でエステル化される。
【0074】
織物ケア効果を提供する全ての分散性ポリオレフィンを、本発明に従う水不溶性織物ケア有益剤として使用することができる。ポリオレフィンは、ワックス、エマルション、分散体、又は懸濁液の形態であることができる。非限定的な実施例を以下に記載する。
【0075】
好ましくは、ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はこれらの混合物である。ポリオレフィンは、カルボキシル、アルキルアミド、スルホン酸又はアミド基のような様々な官能基を含有するように、少なくとも部分的に変性されていてもよい。より好ましくは、本発明で採用されるポリオレフィンは、少なくとも部分的にカルボキシル変性されており、換言すれば、酸化されている。特に、酸化又はカルボキシル変性ポリエチレンは、本発明の組成物に好ましい。
【0076】
配合を容易にするために、分散性ポリオレフィンは、好ましくは、乳化剤を用いて分散されたポリオレフィンの懸濁液又はエマルションとして導入される。ポリオレフィン懸濁液又はエマルションは、好ましくは約1重量%〜約60重量%、より好ましくは約10重量%〜約55重量%、最も好ましくは約20〜約50重量%のポリオレフィンを含む。ポリオレフィンは、好ましくは、約20〜170℃、より好ましくは約50〜140℃のワックス滴点(ASTM D3954−94、15.04巻−−−「ワックスの滴点のための標準試験方法(Standard Test Method for Dropping Point of Waxes)」を参照、この方法は本明細書に参考として組み込まれる)を有する。好適なポリエチレンワックスは、これらに限定されないが、ハネウェル(Honeywell)(A−Cポリエチレン)、クラリアント(Clariant)(ベルストロール(Velustrol)エマルション)、及びBASF(LUWAX)を包含する供給元から市販されている。
【0077】
エマルションが採用されるときには、乳化剤は、アニオン性、カチオン性、又は非イオン性の界面活性剤、あるいはこれらの混合物を包含する、いずれかの好適な乳化剤であってよい。いずれかの好適な界面活性剤のほとんども、本発明の乳化剤として採用してよい。分散性ポリオレフィンは、乳化剤又は懸濁剤を用いて1:100〜約1:2の比で分散される。好ましくは、比の範囲は、約1:50〜1:5である。
【0078】
ポリマーラテックスは、典型的に、1以上のモノマー、1以上の乳化剤、反応開始剤、及び当業者にはなじみ深い他の成分を包含するエマルション重合プロセスによって製造される。織物ケア効果を提供する全てのポリマーラテックスを、本発明の水不溶性織物ケア有益剤として使用することができる。好適なポリマーラテックスの非限定的な実施例としては、PCT国際公開特許WO02/018451(ローディア化学(Rhodia Chimie)の名で公開)に開示されるものが挙げられる。更なる非限定的な実施例としては、次のようなポリマーラテックスを製造する際に使用されるモノマーが挙げられる:
1)100%又は純ブチルアクリレート
2)少なくとも20重量%(モノマー比)のブチルアクリレートを有する、ブチルアクリレートとブタジエンとの混合物
3)ブチルアクリレートと、20重量%未満(モノマー比)のブタジエンを除いた他のモノマー
4)C6以上のアルキル炭素鎖を有するアルキルアクリレート
5)C6以上のアルキル炭素鎖を有するアルキルアクリレートと、50重量%未満(モノマー比)の他のモノマー
6)1)〜5)のモノマー系に添加される第3のモノマー(モノマー比で20重量%未満)。
【0079】
本発明において好適な織物ケア有益剤であるポリマーラテックスとしては、ガラス転移温度が約−120℃〜約120℃、好ましくは約−80℃〜約60℃のものが挙げられる。好適な乳化剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の界面活性剤が挙げられる。好適な反応開始剤としては、ポリマーラテックスのエマルション重合に適した全ての反応開始剤が挙げられる。ポリマーラテックスの粒径は、約1nm〜約10μmであることができ、好ましくは約10nm〜約1μmである。
【0080】
カチオン性界面活性剤は、本発明において有用な別の部類のケア活性物質である。以下の式を有するカチオン性界面活性剤の例は、
【化5】

US2005/0164905に開示されており、ここで、R及びRは、独立してC〜Cのアルキル、C〜Cのヒドロキシアルキル、ベンジル、及び−−(C2nO)Hから成る群から選択され、式中xは2〜5の値を有し;nは1〜4の値を有し;Xはアニオンであり;
及びRは、それぞれC〜C22のアルキルであり、又は(2)RはC〜C22のアルキルであり、Rは、C〜C10のアルキル、C〜C10のヒドロキシアルキル、ベンジル、−−(C2nO)Hから成る群から選択され、式中xは2〜5の値を有し;nは1〜4の値を有する。
【0081】
別の好ましい織物ケア有益剤は、脂肪酸である。織物に付着するとき、脂肪酸又はその石鹸は、洗濯織物に織物ケア(柔軟性、形状保持)を提供するであろう。有用な脂肪酸(又は石鹸=脂肪酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びアルキルアンモニウム塩のようなアルカリ金属石鹸)は、約8〜約24の炭素原子、より好ましくは約12〜約18の炭素原子を含有する高級脂肪酸である。石鹸は、脂肪及び油の直接鹸化によって、又は遊離脂肪酸の中和によって製造することができる。特に有用であるのは、ココヤシ油及びタローから誘導される脂肪酸の混合物のナトリウム塩及びカリウム塩、すなわち、ナトリウム又はカリウムタロー及びココヤシ石鹸である。脂肪酸は、天然又は合成源由来であることができ、直鎖又は分枝鎖を持つ飽和及び不飽和である。
【0082】
洗浄性酵素
本明細書に用いるのに好適な洗浄性酵素としては、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ及びエンドグルカナーゼを包含するカルボヒドラーゼ、及びこれらの混合物が挙げられる。酵素は、その技術分野で教示される濃度、例えば、ノボ(Novo)及びジェネンコア(Genencor)のような供給元によって推奨される濃度で使用することができる。組成物中の典型的な量は、約0.0001%〜約5%である。酵素が存在するとき、本発明の特定の実施形態では、酵素を非常に低い濃度、例えば約0.001%以下で使用することができ、又は本発明に従う強力型の洗濯洗剤製剤では、酵素をより高濃度、例えば約0.1%以上で使用することができる。「非生物学的」洗剤を好む消費者もいるため、本発明は、酵素含有実施形態と、酵素フリー実施形態の両方を包含する。
【0083】
付着助剤
本明細書で使用するとき、「付着助剤」とは、洗濯中の織物上への織物ケア有益剤の付着を著しく強化するいずれかのカチオン性ポリマー、又はカチオン性ポリマーの組合せを指す。有効な付着助剤は、好ましくは、ファンデルワールス力のような物理力、あるいは水素結合及び/又はイオン結合のような非共有化学結合を介した、水不溶性織物ケア有益剤との強い結合能力を有する。それは、好ましくは、天然の織物繊維、特に綿繊維に対して非常に強い親和力を有する。
【0084】
好ましくは、付着助剤はカチオン性又は両性ポリマーである。また本発明の両性ポリマーは、カチオン性の正味電荷を有する、すなわち、これらのポリマー上のカチオン性電荷の合計は、アニオン性電荷の合計を上回るであろう。ポリマーのカチオン電荷密度は、約0.05ミリ当量/g〜約6ミリ当量/gの範囲である。電荷密度は、繰り返し単位当たりの正味電荷数を、繰り返し単位の分子量で割ることにより、計算される。一実施形態においては、電荷密度は、約0.1ミリ当量/g〜約3ミリ当量/gで変化する。正電荷は、ポリマーの主鎖又はポリマーの側鎖上に存在することができる。
【0085】
付着助剤の非限定的な実施例は、カチオン性多糖類、キトサン及びその誘導体、並びにカチオン性合成ポリマーである。より特に好ましい付着助剤は、カチオン性ヒドロキシエチルセルロース、カチオンデンプン、カチオン性グアー誘導体、及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0086】
構造式I型の市販のセルロースエーテルとしては、JR30M、JR400、JR125、LR400及びLK400ポリマー(これら全ては、アマコール社(Amerchol Corporation)(ニュージャージー州、エッジウォーター(Edgewater))から購入される)、並びにセルクアト(Celquat)H200及びセルクアト(Celquat)L−200(ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社(National Starch and Chemical Company)又はブリッジウォーター(Bridgewater)(ニュージャージー州)から入手可能)が挙げられる。カチオンデンプンは、ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社(National Starch and Chemical Company)からカトー(Cato)の商品名で市販されている。カチオン性グアーガムの例は、ローディア社(Rhodia, Inc)(ニュージャージー州、クランベリー(Cranburry))から入手可能なジャガー(Jaguar)C13及びジャガーエクセル(Jaguar Excel)である。
【0087】
本発明に従う好ましいポリマーの非限定的な実施例としては、以下を含むコポリマーが挙げられる。
a)N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、これらの四級化誘導体、ビニルアミン及びその誘導体、アリルアミン及びその誘導体、ビニルイミダゾール、四級化ビニルイミダゾール及びジアリルジアルキル塩化アンモニウムから成る群から選択されるカチオン性モノマー。
b)アクリルアミド(AM)、N,N−ジアルキルアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、C1〜C12のアルキルアクリレート、C1〜C12のヒドロキシアルキルアクリレート、C1〜C12のヒドロキシエーテルアルキルアクリレート、C1〜C12のアルキルメタクリレート、C1〜C12のヒドロキシアルキルメタクリレート、ビニルアセテート、ビニルアルコール、ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド、ビニルアルキルエーテル、ビニルブチレート、及び誘導体、並びにこれらの混合物から成る群から選択される第二のモノマー。
【0088】
最も好ましいポリマーは、ポリ(アクリルアミド−コ−ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(アクリルアミド−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(アクリルアミド−コ−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(アクリルアミド−コ−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート−コ−ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート−コ−ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート−コ−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド)である。
【0089】
レオロジー変性剤
本発明の好ましい実施形態においては、組成物は、レオロジー変性剤を含む。レオロジー変性剤は、組成物の水性液体マトリックスに剪断減粘特徴を付与する非高分子結晶性、ヒドロキシ官能性材料、高分子レオロジー変性剤から成る群から選択される。こうしたレオロジー変性剤は、好ましくは、水性液体組成物に、20sec−1、21℃にて、高剪断粘度1〜1500mPa.s(1〜1500cps)、及び低剪断力(0.05sec−1、21℃)において、粘度5000mPa.s(5000cps)超過を付与するものである。本発明に従う粘度は、直径40mm及び間隙サイズ500μmで、平板鋼スピンドルを使用する、TAインスツルメント(TA instruments)からのAR550レオメーターを使用して測定される。20s−1での高剪断粘度、及び0.5−1での低剪断粘度は、21℃における3分間の0.1−1〜25−1の対数剪断速度曲線から得ることができる。結晶性ヒドロキシ官能性材料は、その場でのマトリックス中の結晶化に際し、組成物のマトリックスの全体にわたって糸様構造系を形成するレオロジー変性剤である。高分子レオロジー変性剤は、好ましくは、ポリアクリレート、高分子ゴム、他の非ゴム多糖類、及びこれらの高分子材料の組合せから選択される。
【0090】
一般に、レオロジー変性剤は、本明細書における組成物の0.01重量%〜1重量%、好ましくは0.05重量%〜0.75重量%、より好ましくは0.1重量%〜0.5重量%を構成するであろう。
【0091】
本発明の組成物のレオロジー変性剤は、「剪断減粘」であるマトリックスを提供するために使用される。剪断減粘流体は、剪断力が流体に加わると粘度が低減するものである。従って、液体洗剤製品の静止時、すなわち保存間又は輸送間に、組成物の液体マトリックスは、相対的に高い粘度を有するべきである。しかし、容器から組成物を注ぐ又は絞り出すような行為において、組成物に剪断力が加わるとき、マトリックスの粘度は、流体製品の分配が容易及び直ちに達成されるほどまで低下するべきである。
【0092】
水又は他の水性液体と組み合わされると剪断減粘流体を形成する材料は、一般に当該技術分野において既知である。こうした材料は、以上で記載されたレオロジー特性を有する水性液体マトリックスを形成するために使用できるものであれば、本明細書の組成物における使用のために選択できる。
【0093】
本発明の組成物に特に有用である1種の構造剤は、その場でマトリックス中に結晶化されると、液体マトリックスの全体にわたって糸様構造系を形成することができる非高分子(従来のアルコキシル化を除く)結晶性ヒドロキシ官能性材料を含む。こうした材料は、一般に、結晶性ヒドロキシル含有脂肪酸、脂肪酸エステル又は脂肪ワックスとして特徴付けできる。
【0094】
好ましい結晶性ヒドロキシル含有レオロジー変性剤の具体例としては、ヒマシ油及びその誘導体が挙げられる。特に好ましいものは、硬化ヒマシ油及び水素添加キャスターワックスのような硬化ヒマシ油誘導体である。市販の、ヒマシ油系結晶性ヒドロキシル含有レオロジー変性剤としては、レオックス社(Rheox, Inc.)(現在はエレメンチス(Elementis))からのTHIXCIN(登録商標)が挙げられる。
【0095】
結晶性ヒドロキシル含有レオロジー変性剤として使用するのに適した代わりの市販材料は、上式IIIのものである。この種類のレオロジー変性剤の例は、R,R、及びS,S形態、並びにいずれかの混合物、光学活性又は不活性の1,4−ジ−O−ベンジル−D−トレイトール(1,4-di-O-benzyl-D-Threitol)である。
【0096】
これらの好ましい結晶性ヒドロキシル含有レオロジー変性剤、及び水性剪断減粘マトリックスへのこれらの組み込みは、米国特許第6,080,708号及びPCT国際公開特許WO02/40627により詳細に記載されている。
【0097】
好適な高分子レオロジー変性剤としては、ポリアクリレート、多糖類又は多糖類誘導体型のものが挙げられる。レオロジー変性剤として典型的に使用される多糖類誘導体は、高分子ゴム材料を含む。こうしたゴム類としては、ペクチン、アルギネート、アラビノガラクタン(アラビアゴム)、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム及びグアーガムが挙げられる。
【0098】
更なる代わりの好適なレオロジー変性剤は、溶媒とポリカルボキシレートポリマーとの組合せである。より具体的には、溶媒は、好ましくはアルキレングリコールである。より好ましくは、溶媒は、ジプロピレンルグリコール(dipropy glycol)である。好ましくはポリカルボキシレートポリマーは、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、又はこれらの混合物である。溶媒は、好ましくは組成物の0.5〜15%、好ましくは2〜9%の量で存在する。ポリカルボキシレートポリマーは、好ましくは組成物の0.1〜10%、より好ましくは2〜5%の量で存在する。溶媒成分は、好ましくはジプロピレングリコール及び1,2−プロパンジオールの混合物を含む。ジプロピレングリコールと1,2−プロパンジオールの比は、好ましくは3:1〜1:3、より好ましくは好ましくは1:1である。ポリアクリレートは、好ましくは不飽和モノ−又はジ−炭酸と、(メタ)クリル酸の1〜30Cアルキルエステルとのコポリマーである。他の好ましい実施形態においては、レオロジー変性剤は、不飽和モノ−又はジ−炭酸のポリアクリレート及び(メタ)アクリル酸の1〜30Cアルキルエステルである。こうしたコポリマーは、ノベオン社(Noveon inc)から商品名カーボポールアクア(Carbopol Aqua)30として入手可能である。
【0099】
ビルダー
本発明の組成物は、所望によりビルダーを含んでよい。好適なビルダーは、以下に記述される:
好適なポリカルボキシレートビルダーとしては、環状化合物、特に米国特許第3,923,679号、同第3,835,163号、同第4,158,635号、同第4,120,874号及び同第4,102,903号に記載されるもののような脂環式化合物が挙げられる。
【0100】
他の有用な洗浄性ビルダーとしては、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸のエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、及びカルボキシメチルオキシコハク酸、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸のようなポリ酢酸の各種アルカリ金属塩、アンモニウム塩及び置換型アンモニウム塩、並びにメリト酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、及びこれらの可溶性塩のようなポリカルボキシレートが挙げられる。
【0101】
クエン酸塩ビルダー、例えば、クエン酸及びその可溶性の塩(特にナトリウム塩)は、再生可能資源からの入手可能性及びその生分解性のために、重質液体洗剤製剤にとって特に重要なポリカルボキシレートビルダーである。またオキシジサクシネートは、こうした組成物及び組合せにおいて特に有用である。
【0102】
また、米国特許第4,566,984号(ブッシュ(Bush)、1986年1月28日発行)に開示の3,3−ジカルボキシ−4−オキサ−1,6−ヘキサンジオエート及び関連化合物も、本発明の液体組成物に好適である。有用なコハク酸ビルダーとしては、C5〜C20のアルキル及びアルケニルコハク酸、並びにこれらの塩が挙げられる。この種類の特に好ましい化合物は、ドデセニルコハク酸である。コハク酸塩ビルダーの具体例としては:ラウリルサクシネート、ミリスチルサクシネート、パルミチルサクシネート、2−ドデシルサクシネート(好ましい)、2−ペンタデセニルサクシネート等が挙げられる。ラウリルサクシネートは、この群の好ましいビルダーであり、EP−A−0200263(1986年11月5日発行)に記載されている。
【0103】
窒素を含有する、蛍光体フリーのアミノカルボキシレートの具体例としては、エチレンジアミン二コハク酸及びその塩(エチレンジアミンジスクシネート、EDDS)、エチレンジアミン四酢酸及びその塩(エチレンジアミンテトラアセテート、EDTA)、並びにジエチレントリアミン五酢酸及びその塩(ジエチレントリアミンペンタアセテート、DTPA)が挙げられる。
【0104】
他の好適なポリカルボキシレートが、米国特許第4,144,226号(クラッチフィールド(Crutchfield)ら、1979年3月13日発行)及び米国特許第3,308,067号(ディール(Diehl)、1967年3月7日発行)に開示されている。米国特許第3,723,322号(ディール(Diehl))も参照のこと。こうした材料としては、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸、アコニット酸、シトラコン酸、及びメチレンマロン酸のような脂肪族カルボン酸の、ホモ−及びコポリマーの水溶性塩が挙げられる。
【0105】
漂白剤系
本明細書に用いるのに好適な漂白剤系は、1以上の漂白剤を含有する。好適な漂白剤の非限定的な実施例は、触媒作用の金属錯体、活性化過酸素供給源、漂白活性化剤、漂白ブースター、光漂白剤、漂白酵素、フリーラジカル反応開始剤、及びヒオハライト(hyohalite)漂白剤から成る群から選択される。
【0106】
好適な活性過酸素源としては、事前に形成された過酸、漂白活性化剤と組合せた過酸化水素源、又はこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。好適な事前に形成された過酸としては、ペルカルボン酸及び塩、過炭酸及び塩、ペルイミド酸及び塩、ペルオキシ一硫酸及び塩、並びにこれらの混合物から成る群から選択される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な過酸化水素供給源としては、過ホウ酸塩化合物、過炭酸塩化合物、過リン酸塩化合物、及びこれらの混合物から成る群から選択される化合物が挙げられるがこれらに限定されない。活性過酸素源の好適な種類及び濃度は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812号、及び同第6,326,348号に見出される。
【0107】
香料
好ましくは、本発明の洗剤組成物に、香料が組み込まれる。本発明の洗剤組成物に添加する前に、香料成分をプレミックスして調和香料(perfume accord)を形成してよい。本明細書で使用するとき、用語「香料」は、個々の香料成分、並びに調和香料(perfume accord)を網羅する。より好ましくは本発明の組成物は、香料マイクロカプセルを含む。香料マイクロカプセルは、尿素及びホルムアルデヒド、メラミン及びホルムアルデヒド、フェノール及びホルムアルデヒド、ゼラチン、ポリウレタン、ポリアミド、セルロースエーテル、セルロースエステル、ポリメタクリレート及びこれらの混合物から成る群から選択される材料から作製されるカプセル内に封入される香料原材料を含む。封入技術は、ベニータ(Benita)及びサイモン(Simon)により編集された「マイクロ封入(Microencapsulation)」方法及び工業用途(マーセル・デッカー社(marcel Dekker Inc)、1996)に見出されることができる。
【0108】
洗剤組成物中の調和香料(perfume accord)の量は、典型的に洗剤組成物の約0.0001重量%〜約2重量%以上、例えば、〜約10重量%;好ましくは約0.0002重量%〜約0.8重量%、より好ましくは約0.003重量%〜約0.6重量%、最も好ましくは約0.005重量%〜約0.5重量%である。
【0109】
調和香料(perfume accord)中の香料成分の量は、典型的に調和香料の約0.0001重量%(より好ましくは0.01重量%)〜約99重量%、好ましくは約0.01重量%〜約50重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約30重量%、更により好ましくは約1重量%〜約20重量%、最も好ましくは約2重量%〜約10重量%である。代表的な香料成分及び調和香料(perfume accord)は、米国特許第5,445,747号;米国特許第5,500,138号;米国特許第5,531,910号;米国特許第6,491,840号;及び米国特許第6,903,061号に開示されている。
【0110】
溶媒系
本組成物中の溶媒系は、水単独、又は有機溶媒と水の混合物を含有する溶媒系であることができる。好ましい有機溶媒としては、1,2−プロパンジオール、エタノール、グリセロール、ジプロピレングリコール、メチルプロパンジオール及びこれらの混合物が挙げられる。他の低級アルコール、モノエタノールアミン及びトリエタノールアミンのようなC〜Cのアルカノールアミンも同様に使用してよい。溶媒系は、例えば、本発明の無水固体実施形態において存在しないこともあり得るが、より典型的に約0.1%〜約98%、好ましくは少なくとも約10%〜約95%、より通常は約25%〜約75%の範囲の量で存在する。
【0111】
織物直接染料
また本発明の組成物は、織物直接染料を含んでよい。染料は、従来、酸性染料、塩基性染料、反応染料、分散染料、直接染料、バット染料、硫化染料、又は溶媒染料等として定義される。本発明の目的のために、直接染料、酸性染料、及び反応染料が好ましく、直接染料が最も好ましい。直接染料は、おそらく選択的吸着に起因して、電解質を含有する水溶液から、繊維によって、直接取り上げられる水溶性染料の群である。色指数系において、直接染料とは、1以上のアニオン性スルホン酸基を含有する様々な平面的高度共役分子構造を指す。酸性染料は、酸性溶液から適用される水溶性アニオン性染料の群である。反応染料は、天然又は合成繊維の分子の特定部分と共有結合を形成することが可能な反応基を含有する染料の群である。化学構造の観点から、本明細書で有用な好適な織物直接染料は、アゾ化合物、スチルベン、オキサジン及びフタロシアニンであってもよい。
【0112】
本明細書に用いるのに好適な織物直接染料としては、直接バイオレット染料、直接ブルー染料、酸性バイオレット染料、及び酸性ブルー染料として、色指数に列記されるものが挙げられる。
【0113】
1つの好ましい実施形態においては、織物直接染料は、以下の式を有するDV99染料としても既知のアゾ系直接バイオレット99である:
【化6】

【0114】
封入された組成物
本発明の組成物は、水溶性フィルム内に封入されてよい。水溶性フィルムは、ポリビニルアルコール又は他の好適な変形物、カルボキシメチルセルロース、セルロース誘導体、デンプン、加工デンプン、糖、PEG、ワックス、又はこれらの組合せから作製されてよい。
【0115】
別の実施形態では、水溶性は、ビニルアルコールとカルボン酸のコポリマーのような他の補助剤を包含してよい。米国特許第7,022,656B2号(モノソール(Monosol))は、こうしたフィルム組成物及びこれらの利点を記載している。これらのコポリマーの1つの効果は、洗剤との適合性がより良いために、小袋入り洗剤の貯蔵寿命が改善されることである。こうしたフィルムの別の利点は、これらの冷たい水(10℃未満)への溶解度がより良いことである。フィルム材中に存在するコポリマーの量は、フィルムの少なくとも60重量%である。ポリマーは、好ましくは1.7E−21g〜1.7E−18g(1000ダルトン〜1,000,000ダルトン)、より好ましくは1.7E−20g〜5.0E−19g(10,000ダルトン〜300,000ダルトン)、更により好ましくは2.5E−20g〜3.3E−19g(15,000ダルトン〜200,000ダルトン)、最も好ましくは3.3E−20g〜2.5E−19g(20,000ダルトン〜150,000ダルトン)のいずれかの重量平均分子量を有することができる。好ましくは、前記フィルム内に存在するコポリマーは、材料の溶解を改善するために60%〜98%、より好ましくは80%〜95%が加水分解されている。非常に好ましい手法では、コポリマーは0.1モル%〜30モル%、好ましくは1モル%〜6モル%の前記カルボン酸を含む。
【0116】
本発明の水溶性フィルムは、追加のコモノマーを更に含んでよい。好適な追加のコモノマーとしては、スルホネート及びエトキシレートが挙げられる。好ましいスルホン酸の一例は、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(AMPS)である。本発明の文脈で使用するのに好適な水溶性フィルムは、商品名M8630(商標)として、モノソール(Mono-Sol)(米国、インディアナ州)から市販されている。また本明細書の水溶性フィルムは、ポリマー又はポリマー材料以外の成分も含んでよい。例えば、可塑剤、例えばグリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ソルビトール及びこれらの混合物、追加の水、崩壊助剤、充填剤、消泡剤、乳化/分散剤、並びに/又はブロッキング防止剤を添加することが有益である可能性がある。小袋又は水溶性フィルム自体が、洗浄水に供給されるべき洗剤添加物、例えば、有機ポリマー性の汚れ放出剤、分散剤、移染防止剤を含むことが有用である可能性がある。所望により小袋のフィルム表面に微細粉末を散布して、摩擦係数を減少させてもよい。アルミノケイ酸ナトリウム、シリカ、タルク及びアミロースは、好適な微細粉末の例である。
【0117】
本発明の封入された小袋は、あらゆる従来の既知の技術を使用して製造できる。より好ましくは、小袋は、水平形式充填熱成形技術(horizontal form filling thermoforming techniques)を使用して製造される。
【0118】
他の補助剤
他の好適な洗浄補助剤材料の例としては、トリメトキシ安息香酸(TMBA)又はこれらの塩のようなアルコキシル化安息香酸又はこれらの塩;酵素安定化系;アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、窒素フリーホスホネート、及びリン−及びカルボキシレート−フリーキレート剤を包含するキレート剤;ゼオライトのような無機ビルダーを包含する無機ビルダー及びポリアクリレート、アクリレート/マレアートコポリマー等のような水溶性有機ビルダー;アニオン性染料の固定剤、アニオン性界面活性剤の錯化剤、及びこれらの混合物を包含する捕捉剤(scavenging agents);過酸化水素及びカタラーゼを含む発泡系;蛍光増白剤又は蛍光剤;汚れ放出ポリマー;分散剤;泡抑制剤;染料;着色剤;硫酸ナトリウムのような充填剤塩;トルエンスルホネート、クメンスルホネート、及びナフタレンスルホネートのような向水性物質;光活性剤;加水分解性界面活性剤;防腐剤;抗酸化剤;防縮剤;抗しわ剤;殺菌剤;防カビ剤;カラースペックル(color speckles);着色ビーズ、球体又は押出品;サンスクリーン;フッ素化物;粘土;発光剤又は化学発光剤;耐腐食剤及び/又は機器保護剤;アルカリ源又は他のpH調整剤;可溶化剤;加工助剤;顔料;フリーラジカルスカベンジャー、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な材料としては、米国特許第5,705,464号、第5,710,115号、第5,698,504号、第5,695,679号、第5,686,014号及び第5,646,101号に記載のものが挙げられる。補助剤の混合物−上記成分の混合物は、いずれかの割合で製造できる。
【0119】
組成物の調製
一般に本明細書の組成物は、成分を混合して、パールエッセンス剤を添加することにより、調製できる。しかし、レオロジー変性剤を使用する場合、プレミックスを最初に形成することが好ましく、その中で、レオロジー変性剤が、組成物を構成するために最終的に用いられる水の一部に分散される。このプレミックスは、構造化された液体を含むようにして形成される。
【0120】
次に、プレミックスが攪拌されている間、この構造化されたプレミックスに、水及び使用されるべきあらゆる任意の洗剤組成物補助剤と共に、界面活性剤(単数又は複数)及び必須の洗剤補助剤材料を添加することができる。プレミックスへのこれらの材料の都合のよいあらゆる添加順序、あるいは更に言えばこれらの組成物成分の同時添加を、実施することができる。構造化されたプレミックスと組成物成分の残部との得られる組合せが、水性液体マトリックスを形成し、これにパールエッセンス剤が添加されるであろう。
【0121】
結晶性ヒドロキシ含有構造剤(structurant)が利用される特に好ましい実施形態においては、構造剤(structurant)を活性化するために、以下の工程を使用することができる:
1)好ましくはプレミックスの約0.1重量%〜約5重量%の量の結晶性ヒドロキシル安定化剤と、プレミックスの少なくとも20重量%を構成する水、及び組成物において使用される1以上の界面活性剤、及び所望により、洗剤組成物に包含されるあらゆる塩とを組み合わせることにより、プレミックスを形成する。
2)工程1)で形成されたプレミックスを、結晶性ヒドロキシル含有構造剤(structurant)の融点を超えて加熱する。
3)糸様構造系がこの混合物内に形成されるように、混合物を攪拌しながら、工程2)で形成された加熱されたプレミックスを周囲温度に冷却する。
4)残りの洗剤組成物成分を、水の残部と共に、いずれかの順序で別個に混合し、それによって別個の混合物を形成する。
5)次に、工程3の構造化されたプレミックス及び工程4の別個の混合物を攪拌下で組合せ、構造化された水性液体マトリックスを形成し、それに目に見えて別個のビーズが組み込まれるであろう。
【実施例】
【0122】
以下の非限定的な実施例は、本発明を例示するものである。別途明記しない場合、百分率は重量によるものである。
【表5】

15 ローディア化学(Rhodia Chemie)(フランス)により供給される
【表6】

*水溶性フィルム内に包まれた液体組成物を含む一体化用量組成物。
【0123】
以下の組成物は、実験室規模バッチにて、並びに連続的液体プロセスでパイロットプラント規模にて、調製された。次に、製品を45mLの水溶性フィルム小袋内に包装した。水溶性フィルムは、モノソール(Monosol)型M8630からのものである。得られた一体化用量製品について、35℃で4ヶ月間、物理的安定性及び外観を観察した。製品は、良好な安定性を示し、組成物からの真珠光沢材料の視覚的分裂又は沈殿がないことを意味する。
【0124】
濃縮液体洗剤は、以下のように調製される:
【表7】

【表8】

10〜C18のアルキルエトキシサルフェート
〜C15直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩
12〜C13のエトキシル化(EO)アルコール
アクゾケミカルズ(Akzo Chemicals)(イリノイ州、シカゴ(Chicago))により供給される。
ノボザイム(Novozymes)(ノースカロライナ州)により供給される。
チバスペシャリティケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)(ノースカロライナ州、ハイポイント(high Point))により供給される。
米国特許第4,597,898号に記載される。
米国特許第5,565,145号に記載される。
BASFから商品名ルテンシット(LUTENSIT)(登録商標)として入手可能であり、例えば、PCT国際公開特許WO01/05874に記載されるもの。
10 ダウ・コーニング・コーポレーション(Dow Corning Corporation)(ミシガン州、ミッドランド(Midland))から供給される。
11 信越シリコーン(Shin-Etsu Silicones)(オハイオ州、アクロン(Akron))から供給される。
12 ナルコケミカルズ(Nalco Chemcials)(イリノイ州、ネーパービル(Naperville))から供給される。
13 エクハード・アメリカ(Ekhard America)(ケンタッキー州、ルーイビル(Louisville))から供給される。
14 デグサ社(Degussa Corporation)(バージニア州、ホープウェル(Hopewell))から供給される。
15 ローディア化学(Rhodia Chemie)、(フランス)から供給される。
16 アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)(ウィスコンシン州、グリーンベイ(Greenbay))から供給される。
17 ダウケミカルズ(Dow Chemicals)(ニュージャージー州、エッジウォーター(Edgewater))から供給される。
18 シェルケミカルズ(Shell Chemicals)から供給される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
色相染料及びパールエッセンス剤を含む洗濯洗剤組成物であって、前記色相染料が、少なくとも10の色相効率、及び約30%〜約85%の範囲の洗浄除去値を示す、洗濯洗剤組成物。
【請求項2】
前記色相染料が、少なくとも15の色相効率、及び約40%〜約85%の範囲の洗浄除去値を示す、請求項1に記載の洗濯洗浄組成物。
【請求項3】
(a)約5重量%〜約90重量%の界面活性剤、及び(b)約0.0001重量%〜約0.1重量%の前記色相染料を含む、請求項1又は2に記載の洗濯洗浄組成物。
【請求項4】
前記色相染料が、トリアリールメタンブルー塩基性染料、トリアリールメタンバイオレット塩基性染料、メチンブルー塩基性染料、メタンバイオレット塩基性染料、アントラキノンブルー塩基性染料、アントラキノンバイオレット塩基性染料、アゾ染料塩基性ブルー16、塩基性ブルー65、塩基性ブルー66、塩基性ブルー67、塩基性ブルー71、塩基性ブルー159、塩基性バイオレット19、塩基性バイオレット35、塩基性バイオレット38、又は塩基性バイオレット48、オキサジン染料塩基性ブルー3、塩基性ブルー75、塩基性ブルー95、塩基性ブルー122、塩基性ブルー124、塩基性ブルー141、又はナイルブルーA、キサンテン染料塩基性バイオレット10、アルコキシル化アントラキノン高分子着色剤、あるいはこれらの混合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗濯洗浄組成物。
【請求項5】
前記色相染料がメチン塩基性ブルー染料又はメチン塩基性バイオレット染料である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の洗濯洗浄組成物。
【請求項6】
前記色相染料がアルコキシル化アントラキノン高分子着色剤である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の洗濯洗浄組成物。
【請求項7】
前記色相染料がアルコキシル化トリフェニルメタン高分子着色剤である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の洗濯洗浄組成物。
【請求項8】
前記色相染料がアルコキシル化チオフェン高分子着色剤である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の洗濯洗浄組成物。
【請求項9】
前記パールエッセンス剤が有機又は無機パールエッセンス剤から成る群から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の洗濯洗浄組成物。
【請求項10】
前記パールエッセンス剤が、以下の式:
【化1】

(式中、Rは直鎖又は分枝鎖C12〜C22アルキル鎖であり、
Rは直鎖又は分枝鎖C2〜C4アルキレン基であり、
PはH、C1〜C4のアルキル又は−CORから選択され、RはC4〜C22のアルキルであり、及び
n=1〜3である)
を有する群から選択される有機パールエッセンス剤である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の洗濯洗浄組成物。
【請求項11】
前記パールエッセンス剤が、雲母、金属酸化物被覆雲母オキシ塩化ビスマス被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、ガラス、金属酸化物被覆ガラス、及びこれらの混合物から成る群から選択される無機パールエッセンス剤である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の洗濯洗浄組成物。
【請求項12】
前記無機パールエッセンス剤が、雲母、酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、及びこれらの混合物から選択される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の洗濯洗浄組成物。
【請求項13】
前記組成物が液体の形態である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の洗濯洗浄組成物。
【請求項14】
前記組成物が、水溶性フィルム内に包装された液体の形態である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の洗濯洗浄組成物。
【請求項15】
織物直接染料を更に含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の洗濯洗浄組成物。
【請求項16】
前記界面活性剤がアニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の洗濯洗浄組成物。
【請求項17】
洗浄性ビルダー、酵素、酵素安定剤、泡抑制剤、汚れ懸濁剤、汚れ放出剤、pH調整剤、キレート剤、スメクタイト粘土、溶媒、向水性物質、相安定剤、構造剤、染料移動阻害剤、蛍光増白剤、織物直接染料、及び香料から成る群から選択される1以上の追加成分を更に含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の洗濯洗浄組成物。
【請求項18】
プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、及びこれらの混合物から選択される酵素を更に含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の洗濯洗浄組成物。
【請求項19】
前記組成物が、20s−1、21℃において、高剪断粘度1〜1500mPa.s(1〜1500cps)を有し、0.05sec−1、21℃において、低剪断粘度5000mPa.s(5000cps)超過を有するように、水性液体組成物に剪断減粘特性を付与する変性剤から選択される粘度変性剤を含む、請求項1〜18のいずれか一項に記載の洗濯洗浄組成物。
【請求項20】
前記粘度変性剤が、ポリアクリレート、高分子ゴム、他の非ゴム多糖類、及びこれらの高分子材料の組合せから成る群から選択される、請求項19に記載の洗濯洗浄組成物。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか一項に記載の洗濯洗浄組成物を含む洗浄溶液中で織物物品を洗浄することを含む、織物物品の洗濯方法。
【請求項22】
前記色相染料を液体成分と組み合わせて色相染料プレミックスを形成し、前記色相染料プレミックスを前記洗濯洗浄組成物の残部成分の大部分を含有する組成物製剤に添加することを含む、請求項21に記載の液体洗濯洗浄組成物の調製方法。

【公表番号】特表2009−530478(P2009−530478A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501516(P2009−501516)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/006924
【国際公開番号】WO2007/111887
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】