説明

流体を受け取りかつ排出するシールコーティングを有する装置

本発明は、流体を高圧力で保持する装置および方法と、流体を受け取りかつ排出する装置とを特徴とする。この装置は、少なくとも1つの側壁を有する第1のハウジングを備える。この側壁は、少なくとも1つのチャンバを画定する内部面と、端部キャップを受ける少なくとも1つの端部キャップ当接面とを有する。端部キャップは、第1のハウジング当接面を有し、これが端部キャップ当接面を受けて、端部キャップを第1のハウジングに位置決めして、チャンバを囲む。第1のハウジング当接面と端部キャップ当接面のうちの少なくとも一方は、第1のシールコーティングを有する。第1のシールコーティングは、当接面に固着する変形可能なプラスチックを含む。この装置は、端部キャップを圧縮してシールコーティングを変形する圧縮手段をさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年3月5日に出願された米国特許仮出願第60/550972号と、2004年6月4日に出願された米国特許仮出願第60/577405号との優先権を主張する。参照によりこれらの出願の内容は、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の実施形態は、流体を受け取りかつ排出する構成要素を結合または接合する、装置および方法を対象とする。本発明によって作られる装置は、取付具、弁、および逆止弁に特別の用途を有する。
【背景技術】
【0003】
本発明は、流体を受け取りかつ排出する装置を対象とする。本発明の特徴を具体化する装置には、限定されないが、例として、T字形管継手、結合管、取付具、弁、および逆止弁が含まれる。これらの装置は、結合管、またはT字形管継手、または弁の形態で接合される、2つ以上の導管の間に直列配置されることがある。「結合管」という用語は、接合または1つにするという意味で使用される。「T字形管継手」とは、流体が分割されまたは一体化される、取付具の一形態である。こうした装置は、ポートまたは開口部を介して装置が連通するより大型の構造物の一部であることがある。本出願では、流体を搬送しまたは移送する、あらゆる導管、配管、パイプ、開口部、またはポートを意味するのに、「流体経路手段」という用語を使用する。
【0004】
本出願では、取付具という用語を、最も広い意味に、例えばポンプアセンブリなどのより大型の構造物内に、またはそれと直列配置できる装置を指すのに使用する。
【0005】
「弁」という用語は、従来通りに、導管またはパイプ内で流体流れを停止することが可能な装置を指すのに使用する。逆止弁とは、流れが一方方向にしか流れないようにする特殊な弁のことである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術の取付具および弁は、一般に別々の個別部品であるガスケットと封止部を有する。これらのガスケットと封止部は、材料のクリープ、コールドフロー、および緩和を呈する。即ち、流体圧力が変動するにつれて、ガスケットが移動する。この移動によって、ガスケットが元の位置から滑り、ガスケットまたは封止部の不具合が起こる可能性がある。
【0007】
この移動はまた、圧力が解放されるにつれて、ガスケットの戻りも生んで、潜在的に圧力リップルを生じる。特に分析機器が、戻り作用および圧力リップル作用に対して高感度である。
【0008】
これらの問題は、そのような装置によって含まれる圧力が増加する程に拡大する。クロマトグラフィーポンプおよび検出器などの分析機器は、一般に1平方インチ(6.452cm)当たり(psi)3000から4000ポンド(1361から1814キログラム)までの圧力で動作する。より高圧力で分析機器を動作させることが望ましいが、3000psi(210.9kgf/cm)を超える圧力では、取付具、弁、および逆止弁の不具合のレートが高くなる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態は、流体を高圧力で保持する装置および方法を特徴とする。本発明の一実施形態は、流体を受け取りかつ排出する装置を特徴とする。この装置は、少なくとも1つの側壁を有する第1のハウジングを備える。その側壁は、少なくとも1つのチャンバを画定する内部面を有し、端部キャップを受ける少なくとも1つの端部キャップ当接面を有する。この装置は、少なくとも1つの第1のハウジング当接面を有する少なくとも1つの端部キャップを有する。第1のハウジング当接面は、端部キャップ当接面を受けて、端部キャップを、チャンバを囲むために第1のハウジングに位置決めする。第1のハウジング当接面と端部キャップ当接面のうち少なくとも一方は、第1のシールコーティングを有する。第1のシールコーティングは、当接面に固着する変形可能なプラスチックを含む。この装置は、チャンバから流体を受け取りかつ移動させる流体経路手段をさらに備える。また、この装置は、前記第1のシールコーティングを変形しかつ前記チャンバを封止するように、前記第1のハウジング当接面で受けた前記端部キャップ当接面が、前記第1のハウジングに向う状態で、端部キャップを圧縮する圧縮手段を備える。
【0010】
シールコーティングは、ポリトリフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、過フルオロアルコキシ(PFA)、およびフッ化エチレンプロピレン(FEP)から成る高分子コーティングの1つまたは複数から選択されることが好ましい。
【0011】
本明細書で使用するように、「流体経路手段」という用語は、流体をもたらす開口部、ポート、導管、およびパイプを指す。したがって、本発明の実施形態を、導管およびパイプを備える流体経路手段と直列配置し、または限らないが、例えばポンプヘッドまたはポンプハウジングなどのより大型構造のハウジングに組み込むことができる。
【0012】
端部キャップ当接面および/またはハウジング当接面は、圧縮力を前記シールコーティングに集中するリッジであることが好ましい。このリッジは、対向する当接面と接触することが可能な比較的幅の狭い突起である。
【0013】
本発明の実施形態は、取付具および弁に最適である。この装置が弁の形態である場合、チャンバは、弁アセンブリを含む。この弁アセンブリは、回転式弁、ゲート付弁、または逆止弁を備えることができる。
【0014】
装置が逆止弁の形態である場合には、第1のハウジングは、端部キャップに対向する少なくとも1つの端壁を有する。流体経路手段は、前記端部キャップに少なくとも1つの開口部を、前記端壁に少なくとも1つの開口部を備える。また、チャンバは、球座と球を備える弁アセンブリを保持する。
【0015】
内部壁および/または端部キャップは、球座当接面を有することが好ましい。球座は、2つのリムと流体通路とを有するシリンダを備える。リムのうち少なくとも一方は、球と係合して流体通路を閉鎖する球受面を有する。リムのうちの少なくとも一方は、球座当接面と係合して、球座とハウジングおよび/または端部キャップとを封止するリム当接面を有する。
【0016】
球座当接面および/またはリム当接面は、球座シールコーティングを有することが好ましい。球座コーティングは、シールコーティングに関して上に述べたように作られかつ形成されることが好ましい。
【0017】
第1のハウジング端壁は、内部面と外部面、ならびに1つまたは複数の端壁開口部を有することが好ましい。外部面は、1つまたは複数の端壁開口部を取り囲む端壁当接面を有する。端壁当接面は、端壁シールコーティングを有し、端壁シールコーティングは、隣接壁と封止可能に係合するように変形可能なプラスチックを含むことが好ましい。端壁シールコーティングは、シールコーティングに関して上に述べたように作られかつ形成されることが好ましい。このタイプの装置は、隣接壁を有するさらに主ハウジング構造物内に取り付けるのに最適である。例えば、限定しないが、端壁シールコーティングは、ポンプヘッドハウジングの隣接壁と係合することになる。この実施形態では、隣接壁は、流体が端壁開口部内に入るための隣接壁開口部を有することが好ましい。この実施形態では、圧縮手段は、端壁を受けて端壁シールコーティングを封止係合して圧縮するような隣接壁を備える。
【0018】
直列に使用する場合は、圧縮手段は、圧縮ハウジングと圧縮スリーブを備える圧縮ハウジングアセンブリを備えることが好ましい。圧縮ハウジングは、ハウジングを受け取る圧縮チャンバを有する。圧縮スリーブは、端部キャップと係合して、端部キャップと第1のハウジングを圧縮下に配置するようにする。
【0019】
圧縮ハウジングアセンブリは、圧縮ナットを有することが好ましい。圧縮ナットと圧縮ハウジングは、圧縮ナットと圧縮ハウジングの相対的な回転によって係合する協働ネジ山を有する。圧縮ナットは、圧縮スリーブと係合して、圧縮ハウジングチャンバ内で圧縮スリーブ、端部キャップ、および第1のハウジングを圧縮する。
【0020】
本発明の別の実施形態は、流体通路を接合する方法を含む。本方法の一実施形態は、少なくとも1つの側壁を有する第1のハウジングを有する装置を提供する複数のステップを含む。この側壁は、少なくとも1つのチャンバを画定する内部面を有し、端部キャップを受ける少なくとも1つの端部キャップ当接面も有する。この装置は、少なくとも1つの端部キャップを有する。端部キャプは、少なくとも1つの第1のハウジング当接面を有し、前記チャンバを囲むために第1のハウジング当接面で受けられることが可能である。この装置は、第1のハウジング当接面と端部キャップ当接面のうち少なくとも一方に、第1のシールコーティングを有する。第1のシールコーティングは、当接面に固着する変形可能なプラスチックを含む。この装置は、チャンバから流体を受け取りかつ除去する流体経路手段と、前記第1のシールコーティングを変形しかつ前記チャンバを封止するように、前記第1のハウジング当接面で受けた前記端部キャップ当接面が、前記第1のハウジングに向う状態で、前記端部キャップを圧縮する圧縮手段とを有する。この方法は、受取用導管と排出用導管を流体通路と連通するように配置するステップをさらに含む。
【0021】
本方法の実施形態は、上に述べた本発明の任意の装置で実施することができる。本発明の装置および方法は、高圧力の用途に最適である。こうした高圧力の用途は、4000psi(281.3kgf/cm)以上の圧力を含む。
【0022】
本発明によって作られる装置は、材料のクリープ、コールドフロー、および緩和を呈する封止部を有さない。即ち、流体圧力が変動するにつれて、シールコーティングが移動することはない。シールコーティングは、当接面のうち一方に固着され、または固定される。したがってシールコーティングが元の位置から移動し、または滑る可能性はない。このように、本発明の実施形態は、ガスケットの不具合がない装置を提供する。
【0023】
本発明の装置はまた、圧力解放の際のガスケット移動による圧力リップルの戻りを呈することもない。特に本発明によって作られた装置を有する分析機器は、圧力の変動に対して低感度である。これらの特徴および利点は、図面を見て、以下の詳しい説明を読めば、本発明が関係する分野の技術者に明らかとなろう。
【0024】
図面および記述が、本発明の好ましい実施形態に向けられていることを理解して、本発明の実施形態を次に図面に関して述べる。例えば、本発明を逆止弁に関して詳しく述べる。当業者には、本発明の特徴が、圧力下で流体を保持または移送する多くの装置で使用できることを理解されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に図1を参照すると、符号11によって全体を示す、高圧力で流体を保持する装置が描かれてある。流体を受け取りかつ排出する装置11は、逆止弁の性質を有する。装置11は、第1のハウジング13、端部キャップ15、少なくとも1つのシールコーティング17、および圧縮手段19を備える。
【0026】
次に図2を参照すると、第1のハウジング13は、少なくとも1つの側壁25を有する。側壁25は、内部面27aと外部面27bを有する。内部面27aは、好ましくは形状が円筒形である少なくとも1つのチャンバ29を画定する。内部面27aは、端部キャップ15を受ける少なくとも1つの端部キャップ当接面31を有する。端部キャップ当接面31は、端部キャップ15の位置決めをし易くするように、チャンバ29内に凹部として作られることが好ましい。ここに描くように、内部面27は、端部キャップ15を受ける凹部を形成する凹部セクション33を有する。
【0027】
ハウジング13は、内部面37aと外部面37bを有する端壁35を有する。端壁35は、側壁25の内部面27aによって画定されるチャンバ29を閉鎖する。
【0028】
端部キャップ15の形状は、第1のハウジング13の内部面27aの凹部セクション33と協働するように円筒形である。端部キャップ15は、少なくとも1つの第1のハウジング当接面39を有する。次に図3および図4を参照すると、端部キャップ15の代替的実施形態が開示してある。図2の端部キャップ15を、図3により詳しく示す。端部キャップ当接面39は、圧縮力を前記シールコーティング17に集中するリッジ39aである。リッジ39aは、平面39bから上向きに突出する突起部である。リッジ39aは、第1のハウジング13の端部キャップ当接面31などの対向する当接面と接触することが可能である。リッジ39aは、圧縮力を小面積に局部限定し、または集中させる。
【0029】
次いで図4を参照すると、符号15’によって全体を示す端部キャプ15の別の実施形態が示してある。端部キャップ15’の形状は、第1のハウジング13の内部面27aの凹部セクション33と協働するように円筒形である。端部キャップ15’は、少なくとも1つの第1のハウジング当接面39’を有する。この実施形態では、第1のハウジング当接面39’は平面であり、突起表面の特徴はない。当接面39’は、第1のハウジング13の端部キャップ当接面31などの対向する当接面と接触することが可能である。
【0030】
第1のハウジング当接面31は、端部キャップ当接面39および39”を受けて、端部キャップ15および/または15’を、チャンバ29を囲むために第1のハウジング13に位置決めする。端部キャップ15および/または15’、ならびに第1のハウジングは、通常一般にステンレススチールから作られるが、容易に他の材料を代用することができる。第1のハウジング13と端部キャップ15および/または15’が、逆止弁の一部である場合、第1のハウジング13の長さおよび直径は、約0.25mmから0.75mmである。端部キャップ15および/または15’の直径は、約0.1mmから0.7mm、厚みは0.1mmから0.2mmである。
【0031】
第1のハウジング当接面39および/または39’と端部キャップ当接面31のうち少なくとも一方は、第1のシールコーティング17を有する。第1のシールコーティング17は、第1のハウジンング当接面31および/または31’あるいは端部キャップ当接面39に固着する変形可能なプラスチックを含む。シールコーティング17は、ポリトリフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、過フルオロアルコキシ(PFA)、およびフッ化エチレンプロピレン(FEP)から成る高分子コーティングの1つまたは複数から選択される。高分子コーティングは、端部キャップ15および/または15’あるいは第1のハウジング面31および/または31’の全体に、0.0005インチから0.0025インチ(0.0127mmから0.0635mm)の厚みに、最も好ましくは約0.0010インチから0.0015インチ(0.0254mmから0.0381mm)の厚みに塗布される。高分子コーティングを金属基板に配置する方法は、当技術分野でよく知られている。
【0032】
装置11は、チャンバから流体を受け取りかつ除去する流体経路手段をさらに備える。次に図3および図4を参照すると、端部キャップ15および15’は、端部キャップ開口部45を有する。また次いで図1にもどると、第1のハウジングは、流体をチャンバ29内に導入するために、第1のハウジング開口部、より好ましくは1対の第1のハウジング開口部47aと47bを有する。この1対の開口部は、端壁35に逆止弁を使用するために軸線から外して設定されることが好ましい。
【0033】
端部キャップ開口部45と第1のハウジング開口部47aおよび47bとは、流体をもたらす任意のポート、導管、およびパイプを備えることができる。したがって本発明の実施形態を、導管およびパイプを備える流体経路手段と直列配置し、あるいは例えば、限定しないが、図1で描いたようにポンプヘッドまたはポンプハウジング49などのより大型構造のハウジングに一体化することができる。
【0034】
装置11は、圧縮手段19を備え、前記第1のハウジング当接面39で受けた端部キャップ当接面31および/または31’が、前記第1のハウジング13に向う状態で、端部キャップ15および/または15’を圧縮する。この圧縮は、第1のシールコーティング17を変形し、チャンバを封止する。図1に示すように、圧縮手段19は、ポンプハウジング49、圧縮ハウジング51、およびねじ取付具53を備える。
【0035】
当業者には、装置11が流体ラインに配置されるように、ポンプハウジング49を、圧縮ハウジング51およびねじ取付具53と協働する別の取付具と置き換えてよいことを理解されたい。
【0036】
本発明の実施形態は、取付具および弁に最適である。装置が弁の形態である場合、図2を参照すると、チャンバ29は弁アセンブリ61を含む。弁アセンブリ61は、(図示しない)回転式弁、(図示しない)ゲート付弁、または以下にさらに詳しく述べる逆止弁を備えることができる。
【0037】
装置が逆止弁の形態である場合、第1のハウジング13は、端部キャップ15または15’に対向する少なくとも1つの端部壁65を有する。流体経路手段は、前記端部キャップ15または15’に少なくとも1つの開口部45を、前記端部壁65に少なくとも1つ、好ましくは2つの開口部47aおよび47bを備える。チャンバ29は、球座71と球73を備える弁アセンブリ61を保持する。
【0038】
内部壁27aは、第1の球座当接面77を有することが好ましい。また、端部キャップ15および/または15’は、球座当接面79を有する。球座71は、第1のリム83、第2のリム85、および流体通路87を有するシリンダセクション81を備える。第1のリム83は、球73と係合して流体通路87を閉鎖する球受面89を有する。第2のリム85は、リム当接面91を有し、端部キャップ15および/または15’は、球座当接面79を有する。リム当接面91と球座当接面79のうち少なくとも一方は、球座シールコーティング95を有することが好ましい。球座シールコーティング95は、それが配置される位置と対向する当接面と係合し、球座とハウジング13とを、ならびに/あるいは球座と端部キャップ15および/または15’とを封止する。球座コーティング95は、シールコーティング17の一部分を端部キャップ15および/または15’に含んでもよい。球座コーティングは、シールコーティング17に関して上に述べたように作られかつ形成されることが好ましい。
【0039】
端壁35の外部面37bは、1つまたは複数の端壁開口部47aおよび47bを取り囲む端壁当接面99を有する。端壁当接面99は、端壁シールコーティング101を有することが好ましい。端壁シールコーティング101は、シールコーティング17に関して上に述べたように作られかつ形成された変形可能なプラスチックである。端壁シールコーティング101は、それが圧縮される隣接壁と封止可能に係合する。
【0040】
このタイプの装置は、隣接壁を有するさらなる主ハウジング構造物内に取り付けるのに適している。例えば、次に図1を参照すると、端壁シールコーティング101は、ポンプヘッドハウジング49の隣接壁105と係合する。この実施形態では、隣接壁105は、流体が(図示しない)端壁開口部内に入るための開口部103を有することが好ましい。この実施形態では、圧縮手段19は、端壁当接面99を受けて端壁シールコーティング101を封止係合して圧縮するために、そのような隣接壁105および円筒形壁107を有する。圧縮手段19は、圧縮ハウジング51および圧縮スリーブ53を備える圧縮アセンブリを備える。圧縮ハウジング51は、第1のハウジング13と端部キャップ15および/または15’を受ける圧縮チャンバ113を有する。圧縮スリーブ53は、圧縮ハウジング51と係合して、前記端部キャップ15および/または15’と第1のハウジング13を圧縮下に配置する。
【0041】
圧縮スリーブ53と、(図示しない)圧縮ナットまたはポンプヘッド49またはそれが配置される他の装置は、図1に描くように協働ネジ山115を有することが好ましい。協働ネジ山115は、圧縮スリーブとポンプハウジング49または(図示しない)圧縮ナットとの相対的な回転で係合する。
【0042】
次に図2を参照すると、圧縮ハウジング51は、第2の端部キャップ当接面117を有する。端部キャップ15および/または15’のうち少なくとも一方は、圧縮アセンブリシールコーティング121を有する。圧縮アセンブリシールコーティング121は、シールコーティング17に関して上に述べたように作られかつ形成された変形可能なプラスチックである。圧縮アセンブリシールコーティング121は、それが圧縮される隣接壁と封止可能に係合する。
【0043】
実施においては、本発明を流体通路接合に使用する方法は、第1のハウジング13、端部キャップ15および/または15’、シールコーティング17、および圧縮手段19を有する手段11を提供するステップを含む。この装置は、チャンバ29から流体を受け取りかつ移動させる流体経路手段を有する。この方法は、受取用導管と排出用導管を、流体通路と連通するように配置し、シールコーティング17を圧縮してチャンバ29を封止するステップをさらに含む。
【0044】
本発明の装置および方法は、高圧力の用途に最適である。本発明によって作られた装置は、材料のクリープ、コールドフロー、および緩和を呈する封止部を有さない。即ち、流体圧力が変動するにつれて、シールコーティングが移動することはない。シールコーティングは、当接面のうち一方に固着され、または固定される。したがってシールコーティングが、元の位置から移動し、または滑る可能性はない。このように、本発明の実施形態は、ガスケットの不具合がない装置を提供する。
【0045】
これらおよび他の利点および特徴が、本発明が関係する分野の技術者に明らかとなろう。したがって、本発明は、本明細書に開示した詳細に限定されるべきではなく、特許請求の範囲の主題を包含するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明によって作られた装置の側断面図である。
【図2】本発明によって作られた装置の端部キャップの僅かに斜めから見た立面図である。
【図3】本発明によって作られた装置の端部キャップの僅かに斜めから見た立面図である。
【図4】本発明によって作られた装置の端部キャップの側断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を受け取りかつ排出する装置であって、
a)少なくとも1つの側壁を有する第1のハウジングを備え、前記側壁が、少なくとも1つのチャンバを画定する内部面を有し、端部キャップを受ける少なくとも1つの端部キャップ当接面を有し、前記装置がさらに、
b)少なくとも1つの端部キャップを備え、前記端部キャップが、少なくとも1つの第1のハウジング当接面を有し、前記第1のハウジング当接面が、前記チャンバを囲むために前記端部キャップ当接面に位置決めされ、前記装置がさらに、
c)前記第1のハウジング当接面と前記端部キャップ当接面のうちの少なくとも一方の第1のシールコーティングを備え、前記第1のシールコーティングが、前記第1のハウジング当接面に固着する変形可能なプラスチックを含み、前記装置がさらに、
d)前記チャンバから流体を受け取りかつ除去する流体経路手段と、
e)前記第1のシールコーティングを変形しかつ前記チャンバを封止するように、前記第1のハウジング当接面で受けた前記端部キャップ当接面が、前記第1のハウジングに向う状態で、前記端部キャップを圧縮する圧縮手段とを備える、装置。
【請求項2】
前記シールコーティングが、ポリトリフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、過フルオロアルコキシ(PFA)、およびフッ化エチレンプロピレン(FEP)から成る高分子コーティングの1つまたは複数から選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記端部キャップ当接面と前記ハウジング当接面のうち少なくとも一方が、圧縮力を前記シールコーティングに集中するリッジである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのチャンバが、弁アセンブリを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ハウジングが、前記端部キャップの対向する少なくとも1つの端壁を有し、前記流体経路手段が、前記端部キャップに少なくとも1つの開口部を、前記端壁に少なくとも1つの開口部を備える、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記弁アセンブリが、球座と球とを備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記内部壁と前記端部キャップのうちの少なくとも一方が、球座当接面を有し、前記球座が、2つのリムと流体通路とを有するシリンダを備え、前記リムのうちの少なくとも一方が、前記球と係合して流体通路を閉鎖する球受面を有し、前記リムのうち少なくとも一方が、前記球座当接面と係合して、球座と前記ハウジングおよび端部キャップのうちの少なくとも一方とを封止するリム当接面を有する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記球座当接面とリム当接面とのうち少なくとも一方が、球座シールコーティングを有する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記球座シールコーティングが、ポリトリフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、過フルオロアルコキシ(PFA)、およびフッ化エチレンプロピレン(FEP)から成る高分子コーティングの1つまたは複数から選択される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記端壁が、内部面と外部面を有し、1つまたは複数の端壁開口部を有し、前記外部面が、前記1つまたは複数の端壁開口部を取り囲む端壁当接面を有する、請求項5に記載の装置。
【請求項11】
前記端壁当接面が、端壁シールコーティングを有し、前記端壁シールコーティングが、隣接壁と封止可能に係合するように変形可能なプラスチックを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記端壁シールコーティングが、ポリトリフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、過フルオロアルコキシ(PFA)、およびフッ化エチレンプロピレン(FEP)から成る高分子コーティングの1つまたは複数から選択される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記圧縮手段が、前記端壁を受けて前記端壁シールコーティングを封止係合して圧縮する隣接壁を備える、請求項13に記載の装置。
【請求項14】
前記隣接壁が、流体が前記端壁開口部内に入るための隣接壁開口部を有する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記圧縮手段が、主ハウジングと圧縮スリーブとを備える主ハウジングアセンブリを備え、前記主ハウジングが、前記第1のハウジングを受ける第1のハウジングチャンバを有し、前記圧縮スリーブが、前記端部キャップと係合して、前記端部キャップと第1のハウジングを圧縮下に配置する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記主ハウジングアセンブリが、圧縮ナット手段を有し、前記圧縮ナット手段と主ハウジングが、圧縮ナット手段と主ハウジングの回転によって係合する協働ネジ山を有し、前記圧縮ナット手段が、前記圧縮スリーブと係合して、前記主ハウジングチャンバ内で前記圧縮スリーブ、端部キャップ、および第1のハウジングを圧縮する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
流体導管を接合する方法であって、装置を提供するステップを含み、前記装置が、
a)少なくとも1つの側壁を有する第1のハウジングを有し、前記側壁が、少なくとも1つのチャンバを画定する内部面を有し、端部キャップを受ける少なくとも1つの端部キャップ当接面を有し、前記装置がさらに、
b)少なくとも1つの端部キャップを有し、前記端部キャップが、少なくとも1つの第1のハウジング当接面を有し、前記第1のハウジング当接面が、前記チャンバを囲むために前記端部キャップ当接面に位置決めされ、前記装置がさらに、
c)前記第1のハウジング当接面と前記端部キャップ当接面とのうちの少なくとも一方の第1のシールコーティングを有し、前記第1のシールコーティングが、前記当接面に固着する変形可能なプラスチックを含み、前記装置がさらに、
d)前記チャンバから流体を受け取りかつ除去する流体経路手段と、
e)前記第1のシールコーティングを変形しかつ前記チャンバを封止するように、前記第1のハウジング当接面で受けた前記端部キャップ当接面が、前記第1のハウジングに向う状態で、前記端部キャップを圧縮する圧縮手段とを有し、前記方法がさらに、
前記受取用導管と排出用導管を、前記流体経路手段と連通するように配置するステップを含む、方法。
【請求項18】
前記シールコーティングが、ポリトリフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、過フルオロアルコキシ(PFA)、およびフッ化エチレンプロピレン(FEP)から成る高分子コーティングの1つまたは複数から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記端部キャップ当接面と前記ハウジング当接面とのうち少なくとも一方が、圧縮力を前記シールコーティングに集中するリッジである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのチャンバが、弁アセンブリを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記ハウジングが、前記端部キャップの対向する少なくとも1つの端壁を有し、前記流体経路手段が、前記端部キャップに少なくとも1つの開口部を、前記端壁に少なくとも1つの開口部を備える、前記請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記逆止弁アセンブリが、球座と球とを備える、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記内部壁と前記端部キャップとのうちの少なくとも一方が、球座当接面を有し、前記球座が、2つのリムと流体通路とを有するシリンダを備え、前記リムのうちの少なくとも一方が、前記球と係合して流体通路を閉鎖する球受面を有し、前記リムのうち少なくとも一方が、前記球座当接面と係合して、球座と前記ハウジングおよび端部キャップの少なくとも一方とを封止するリム当接面を有する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記球座当接面と前記リム当接面とのうち少なくとも一方が、球座シールコーティングを有する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記球座シールコーティングが、ポリトリフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、過フルオロアルコキシ(PFA)、およびフッ化エチレンプロピレン(FEP)から成る高分子コーティングの1つまたは複数から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記端壁が、内部面と外部面とを有し、1つまたは複数の端壁開口部を有し、前記外部面が、前記1つまたは複数の端壁開口部を取り囲む端壁当接面を有する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記端壁当接面が、端壁シールコーティングを有し、前記端壁シールコーティングが、隣接壁と封止可能に係合するように変形可能なプラスチックを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記端壁シールコーティングが、ポリトリフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、過フルオロアルコキシ(PFA)、およびフッ化エチレンプロピレン(FEP)から成る高分子コーティングの1つまたは複数から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記圧縮手段が、前記端壁を受けて前記端壁シールコーティングを封止係合して圧縮する隣接壁を備える、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記隣接壁が、流体が前記端壁開口部内に入るための隣接壁開口部を有する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記圧縮手段が、主ハウジングと圧縮スリーブとを備える主ハウジングアセンブリを備え、前記主ハウジングが、前記第1のハウジングを受け取る第1のハウジングチャンバを有し、前記圧縮スリーブが、前記端部キャップと係合して、前記端部キャップと第1のハウジングとを圧縮下に配置する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記主ハウジングアセンブリが、圧縮ナット手段を有し、前記圧縮ナット手段と主ハウジングとが、圧縮ナット手段と主ハウジングの回転によって係合する協働ネジ山を有し、前記圧縮ナット手段が、前記圧縮スリーブと係合して、前記圧縮スリーブ、端部キャップ、および第1のハウジングを前記主ハウジングチャンバ内で圧縮する、請求項31に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−526975(P2007−526975A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501914(P2007−501914)
【出願日】平成17年3月2日(2005.3.2)
【国際出願番号】PCT/US2005/006672
【国際公開番号】WO2005/093256
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(504438255)ウオーターズ・インベストメンツ・リミテツド (80)
【Fターム(参考)】