説明

流体流通ラインの二重化自動切換制御装置

【課題】制御対象値の変動を最小限に抑えつつ調節弁の切り換えを自動で行い得ると共に、調節弁のレンジを広げることなく、そのアクチュエータ部分の大型化を回避してコストダウンを図ることができる流体流通ラインの二重化自動切換制御装置を提供する。
【解決手段】通常時には、従系遮断弁13B,14Bを全閉とし、主系遮断弁13A,14Aを全開とした状態で、流量計15で検出された流量11が流量設定値16となるよう主系調節弁12Aの開度を自動調節する一方、主系調節弁12Aに異常が発生した際には、該主系調節弁12Aの開度をその時点での開度に保持し、主系遮断弁13Aの開度を全開から全閉へ向け徐々に絞って行くと同時に、従系遮断弁13B,14Bの開度を全閉から全開とし、且つ流量計15で検出された流量11が流量設定値16となるよう従系調節弁12Bの開度を自動調節する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体流通ラインの二重化自動切換制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ボイラや蒸気タービン等を有するプラントにおいては、給水や燃料といった流体の制御対象値としての流量等を制御することはきわめて重要である。
【0003】
このため、従来においては、図4に示される如く、プラントに流体を供給する流体供給系をA系とB系の二重化構成とし、これら各系統に調節弁1A,1B、電動弁2A,2B及び手動弁3A,3Bをそれぞれ設け、
プロセスデータが入力され、該プロセスデータから適正な流量に制御すべく調節弁1A,1Bの開度をそれぞれ決定し、その開度信号(電気信号)を電/空変換器5A,5Bで空気信号に変換して調節弁1A,1Bに出力するA系及びB系に共用のコントローラ6を設けると共に、
該コントローラ6より弁開/閉指令が入力され、通常時にはA系の電動弁2A、及びB系の電動弁2Bを全開とする弁操作信号を出力し、A系の調節弁1Aの異常時にはA系の電動弁2Aを全閉とする操作信号を出力する弁オペレーション装置7を設けるようにしたものが存在する。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開平5−341849号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されているような従来の切換制御装置では、図5に示される如く、通常時にはA系及びB系の電動弁2A,2Bを全開として調節弁1A,1Bの開度制御の配分率を50:50[%]として制御し、A系の調節弁1Aの異常時にはA系の電動弁2Aを全閉にすると共に、その全閉時間に合せてB系の調節弁1Bの開度制御の配分率を徐々に増加させ、最終的には0:100[%]となるようにしているため、調節弁1A,1Bがそれぞれプラントとして必要な最低流量の半分の流量を調節できないといけなくなる。
【0005】
具体例を挙げると、プラントとして必要な最低流量が10[ton/hr]であって、最大流量が100[ton/hr]であった場合、仮に、調節弁1A,1Bを完全に切り換えて使用するのであれば、該調節弁1A,1Bとしては、10[ton/hr]〜100[ton/hr]のレンジのものを使用すれば良いが、特許文献1に開示されている調節弁1A,1Bでは、通常時に開度制御の配分率を50:50として制御する関係上、5[ton/hr]〜100[ton/hr]のレンジのものを使用しなければならなくなる。
【0006】
これは、調節弁1A,1Bのレンジが大幅に広がることを意味し、そのアクチュエータ部分が大型化してコストアップにつながると共に、特に、前記アクチュエータ部分が電動モータの場合、電気容量が大きくなり、ランニングコストにも大きく影響を及ぼすという欠点を有していた。
【0007】
本発明は、斯かる実情に鑑み、制御対象値の変動を最小限に抑えつつ調節弁の切り換えを自動で行い得ると共に、調節弁のレンジを広げることなく、そのアクチュエータ部分の大型化を回避してコストダウンを図ることができる流体流通ラインの二重化自動切換制御装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、流体が流通する主系ライン途中に設けられた主系調節弁と、
前記主系ラインの主系調節弁より上流側或いは下流側のうち少なくとも一方に設けられた主系遮断弁と、
前記主系ラインの主系調節弁と主系遮断弁とを迂回するよう並設される従系ライン途中に設けられた従系調節弁と、
前記従系ラインの従系調節弁より上流側或いは下流側のうち少なくとも一方に設けられた従系遮断弁と、
流体の制御対象値を検出する検出器と、
通常時には、従系遮断弁を全閉とし、主系遮断弁を全開とした状態で、検出器で検出された制御対象値が設定値となるよう主系調節弁の開度を自動調節する一方、主系調節弁に異常が発生した際には、該主系調節弁の開度をその時点での開度に保持し、主系遮断弁の開度を全開から全閉へ向け徐々に絞って行くと同時に、従系遮断弁の開度を全閉から全開とし、且つ検出器で検出された制御対象値が設定値となるよう従系調節弁の開度を自動調節する制御手段と
を備えたことを特徴とする流体流通ラインの二重化自動切換制御装置にかかるものである。
【0009】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0010】
通常時には、制御手段により、従系遮断弁が全閉とされ、主系遮断弁が全開とされた状態で、検出器で検出された制御対象値が設定値となるよう主系調節弁の開度が自動調節される一方、主系調節弁に異常が発生した際には、制御手段により、主系調節弁の開度がその時点での開度に保持され、主系遮断弁の開度が全開から全閉へ向け徐々に絞られて行くと同時に、従系遮断弁の開度が全閉から全開とされ、且つ検出器で検出された制御対象値が設定値となるよう従系調節弁の開度が自動調節される。
【0011】
この結果、制御対象値の変動を最小限に抑えつつ調節弁の切り換えを自動で行うことが可能になると共に、主系調節弁と従系調節弁は、制御対象値が流量である場合、それぞれプラントとして必要な最低流量を調節できるものを使用すれば良く、主系調節弁と従系調節弁のレンジを広げなくて済み、そのアクチュエータ部分が大型化せずコストダウンが可能になり、更に、前記アクチュエータ部分が電動モータの場合には、電気容量が大きくならず、ランニングコストも抑えられることとなる。
【0012】
前記流体流通ラインの二重化自動切換制御装置においては、主系調節弁へ出力される開度指令と、主系調節弁の実際の開度との開度偏差の絶対値が許容値を越えている状態が所定時間継続した場合に、主系調節弁に異常が発生したと判定する異常検出手段を備えるようにすることができ、このようにすると、主系調節弁の異常を確実に検出することが可能となる。
【0013】
又、前記流体流通ラインの二重化自動切換制御装置においては、主系ラインの主系調節弁より上流側と下流側の両方に主系遮断弁を設け、主系調節弁の異常発生時に上流側の主系遮断弁の開度が徐々に絞られて全閉となった時点で下流側の主系遮断弁を全閉とするよう構成することが望ましく、このようにすると、主系調節弁側から従系調節弁側への切り換えが完了した後、主系調節弁の修理等を即座に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の流体流通ラインの二重化自動切換制御装置によれば、制御対象値の変動を最小限に抑えつつ調節弁の切り換えを自動で行い得ると共に、調節弁のレンジを広げることなく、そのアクチュエータ部分の大型化を回避してコストダウンを図ることができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0016】
図1〜図3は本発明を実施する形態の一例であって、
給水或いは燃料等の流体が流通する主系ライン10A途中に、流体の制御対象値としての流量11を調節するための主系調節弁12Aを設け、前記主系ライン10Aの主系調節弁12Aより上流側及び下流側に、主系遮断弁13A及び主系遮断弁14Aを設け、
前記主系ライン10Aの主系調節弁12Aと主系遮断弁13A,14Aとを迂回するよう並設される従系ライン10B途中に、流体の流量11を調節するための従系調節弁12Bを設け、前記従系ライン10Bの従系調節弁12Bより上流側及び下流側に、従系遮断弁13B及び従系遮断弁14Bを設け、
前記主系ライン10Aの主系調節弁12A及び主系遮断弁13A,14Aを通過した流体、或いは前記従系ライン10Bの従系調節弁12B及び従系遮断弁13B,14Bを通過した流体の流量11を検出する検出器としての流量計15を設け、
通常時には、従系遮断弁13B,14Bを全閉とし、主系遮断弁13A,14Aを全開とした状態で、流量計15で検出された流量11が流量設定値16となるよう主系調節弁12Aの開度を自動調節する一方、主系調節弁12Aに異常が発生した際には、該主系調節弁12Aの開度をその時点での開度に保持し、主系遮断弁13Aの開度を全開から全閉へ向け徐々に絞って行くと同時に、従系遮断弁13B,14Bの開度を全閉から全開とし、且つ流量計15で検出された流量11が流量設定値16となるよう従系調節弁12Bの開度を自動調節する制御手段としての制御装置17を設けるようにしたものである。
【0017】
前記制御装置17は、
プラントにおける負荷指令等の指令に基づく流量設定値16と流量計15で検出された流量11との流量偏差18を求めて出力する減算器19と、
該減算器19から出力される流量偏差18を比例積分処理し、該流量偏差18をなくすための主系調節弁12A或いは従系調節弁12Bの開度指令20を出力する比例積分調節器21と、
前記主系調節弁12Aが正常である通常時には、a側に切り換えられ、前記比例積分調節器21から出力される開度指令20を開度指令22Aとして主系調節弁12Aへ出力する一方、主系調節弁12Aに異常が発生した際には、b側に切り換えられ、主系調節弁12Aの開度をその時点での開度に保持する切換器23Aと、
前記主系調節弁12Aが正常である通常時には、b側に切り換えられ、従系調節弁12Bの開度を全閉に保持する一方、主系調節弁12Aに異常が発生した際には、a側に切り換えられ、前記比例積分調節器21から出力される開度指令20を開度指令22Bとして従系調節弁12Bへ出力する切換器23Bと、
前記切換器23Aから出力される主系調節弁12Aの開度指令22Aと主系調節弁12Aの実際の開度24Aとの開度偏差25を求めて出力する減算器26と、
該減算器26から出力される開度偏差25の絶対値が許容値より大となった場合に「1」の信号27を出力するシグナルモニタスイッチ28と、
該シグナルモニタスイッチ28から出力される信号27が入力され、該信号27が「1」の状態が予め設定した時間T[sec]だけ継続された場合に、主系調節弁12Aより上流側の主系遮断弁13Aへインチング閉指令29を出力すると共に、従系遮断弁13B,14Bへ全開指令30を出力するオンディレイタイマ31と、
前記主系調節弁12Aより上流側の主系遮断弁13Aの実際の開度32Aが全閉(即ち0[%]以下)となった時点で、主系調節弁12Aより下流側の主系遮断弁14Aへ全閉指令33Aを出力するシグナルモニタスイッチ34と
を備えてなる構成を有している。
【0018】
そして、前記制御装置17における減算器26とシグナルモニタスイッチ28とオンディレイタイマ31とによって異常検出手段35を構成し、主系調節弁12Aへ出力される開度指令22Aと、主系調節弁12Aの実際の開度24Aとの開度偏差25の絶対値が許容値を越えている状態が所定時間T[sec]だけ継続した場合に、主系調節弁12Aに異常が発生したと判定するようにしてある。
【0019】
次に、上記図示例の作用を説明する。
【0020】
主系調節弁12Aが正常である通常時には、制御手段としての制御装置17により、従系遮断弁13B,14Bが全閉とされ、主系遮断弁13A,14Aが全開とされた状態で、前記制御装置17の減算器19において、プラントにおける負荷指令等の指令に基づく流量設定値16と流量計15で検出された流量11との流量偏差18が求められて比例積分調節器21へ出力され、該比例積分調節器21において、前記減算器19から出力される流量偏差18が比例積分処理され、該流量偏差18をなくすための主系調節弁12Aの開度指令20が、a側に切り換えられている切換器23Aを介して主系調節弁12Aへ出力され、前記流量計15で検出された制御対象値としての流量11が流量設定値16となるよう主系調節弁12Aの開度が自動調節される。
【0021】
尚、前記主系調節弁12Aが正常である通常時には、切換器23Bはb側に切り換えられており、従系調節弁12Bの開度は全閉に保持されている。
【0022】
一方、異常検出手段35を構成する減算器26において、前記切換器23Aから出力される主系調節弁12Aの開度指令22Aと主系調節弁12Aの実際の開度24Aとの開度偏差25が求められてシグナルモニタスイッチ28へ出力され、前記減算器26から出力される開度偏差25の絶対値が許容値より大となった場合にシグナルモニタスイッチ28から「1」の信号27がオンディレイタイマ31へ出力され、該信号27が「1」の状態が予め設定した時間T[sec]だけ継続された場合には、前記主系調節弁12Aに異常が発生したとして、前記切換器23Aがb側に切り換えられ、主系調節弁12Aの開度がその時点での開度に保持され、前記オンディレイタイマ31から主系調節弁12Aより上流側の主系遮断弁13Aへインチング閉指令29が出力されると共に、従系遮断弁13B,14Bへ全開指令30が出力され、前記主系遮断弁13Aの開度が全開から全閉へ向け徐々に絞られて行くと同時に、前記従系遮断弁13B,14Bの開度が全閉から全開とされ、且つ前記切換器23Bがa側に切り換えられ、前記流量計15で検出された流量11が流量設定値16となるよう従系調節弁12Bの開度が自動調節される。
【0023】
続いて、前記主系調節弁12Aより上流側の主系遮断弁13Aの実際の開度32Aが全閉(即ち0[%]以下)となった時点で、シグナルモニタスイッチ34から主系調節弁12Aより下流側の主系遮断弁14Aへ全閉指令33Aが出力され、該主系遮断弁14Aが全閉とされる。
【0024】
前記主系調節弁12Aに異常が発生した時点から従系調節弁12Bへの切り換えが完了するまでの、上流側の主系遮断弁13A、主系調節弁12A、下流側の主系遮断弁14A、上流側の従系遮断弁13B、従系調節弁12B、及び下流側の従系遮断弁14Bのそれぞれの開度の変化は、例えば、図2のように示され、又、前記主系調節弁12Aに異常が発生した時点から従系調節弁12Bへの切り換えが完了するまでの、主系ライン10A側、及び従系ライン10B側のそれぞれの流量変化と、総流量は、例えば、図3のように示される。
【0025】
この結果、制御対象値としての流量11の変動を最小限に抑えつつ主系調節弁12Aから従系調節弁12Bへの切り換えを自動で行うことが可能になると共に、主系調節弁12Aと従系調節弁12Bは、それぞれプラントとして必要な最低流量を調節できるものを使用すれば良く、主系調節弁12Aと従系調節弁12Bのレンジを広げなくて済み、そのアクチュエータ部分が大型化せずコストダウンが可能になり、更に、前記アクチュエータ部分が電動モータの場合には、電気容量が大きくならず、ランニングコストも抑えられることとなる。
【0026】
しかも、本図示例においては、主系調節弁12Aへ出力される開度指令22Aと、主系調節弁12Aの実際の開度24Aとの偏差の絶対値が許容値を越えている状態が所定時間継続した場合に、主系調節弁12Aに異常が発生したと判定する異常検出手段35を、制御装置17における減算器26とシグナルモニタスイッチ28とオンディレイタイマ31とによって構成しているため、主系調節弁12Aの異常を確実に検出することが可能となる。
【0027】
又、本図示例においては、主系ライン10Aの主系調節弁12Aより上流側と下流側の両方に主系遮断弁13A,14Aを設け、主系調節弁12Aの異常発生時に上流側の主系遮断弁13Aの開度が徐々に絞られて全閉となった時点で下流側の主系遮断弁14Aを全閉とするよう構成しているため、主系調節弁12A側から従系調節弁12B側への切り換えが完了した後、主系調節弁12Aの修理等を即座に行うことが可能となる。尚、前記下流側の主系遮断弁14Aや下流側の従系遮断弁14Bについては、必要に応じてその設置を省略することも可能である。
【0028】
こうして、制御対象値としての流量11の変動を最小限に抑えつつ主系調節弁12Aから従系調節弁12Bへの切り換えを自動で行い得ると共に、主系調節弁12Aと従系調節弁12Bのレンジを広げることなく、そのアクチュエータ部分の大型化を回避してコストダウンを図ることができる。
【0029】
尚、本発明の流体流通ラインの二重化自動切換制御装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、制御対象値としては、流体の流量11に限らず、圧力、温度、濃度等を選定することも可能なこと、又、主系調節弁12Aより上流側の主系遮断弁13Aの実際の開度32Aが全閉となった場合に、主系調節弁12Aより下流側の主系遮断弁14Aへ全閉指令33Aを出力するシグナルモニタスイッチ34を設ける代わりに、主系遮断弁13Aが全閉となった際にオンとなるリミットスイッチを設け、該リミットスイッチがオンとなった場合に制御装置17から下流側の主系遮断弁14Aへ全閉指令を出力するようにしても良いこと等、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す系統構成図である。
【図2】本発明を実施する形態の一例における各弁の切換タイミングを示すタイミングチャートである。
【図3】本発明を実施する形態の一例における各弁による流量挙動を示す線図である。
【図4】従来例を示す系統構成図である。
【図5】従来例における各弁の開度及び流量の相関関係を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0031】
10A 主系ライン
10B 従系ライン
11 流量(制御対象値)
12A 主系調節弁
12B 従系調節弁
13A 主系遮断弁
13B 従系遮断弁
14A 主系遮断弁
14B 従系遮断弁
15 流量計(検出器)
16 流量設定値(設定値)
17 制御装置(制御手段)
22A 開度指令
22B 開度指令
24A 実際の開度
25 開度偏差
29 インチング閉指令
30 全開指令
32A 開度
33A 全閉指令
35 異常検出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流通する主系ライン途中に設けられた主系調節弁と、
前記主系ラインの主系調節弁より上流側或いは下流側のうち少なくとも一方に設けられた主系遮断弁と、
前記主系ラインの主系調節弁と主系遮断弁とを迂回するよう並設される従系ライン途中に設けられた従系調節弁と、
前記従系ラインの従系調節弁より上流側或いは下流側のうち少なくとも一方に設けられた従系遮断弁と、
流体の制御対象値を検出する検出器と、
通常時には、従系遮断弁を全閉とし、主系遮断弁を全開とした状態で、検出器で検出された制御対象値が設定値となるよう主系調節弁の開度を自動調節する一方、主系調節弁に異常が発生した際には、該主系調節弁の開度をその時点での開度に保持し、主系遮断弁の開度を全開から全閉へ向け徐々に絞って行くと同時に、従系遮断弁の開度を全閉から全開とし、且つ検出器で検出された制御対象値が設定値となるよう従系調節弁の開度を自動調節する制御手段と
を備えたことを特徴とする流体流通ラインの二重化自動切換制御装置。
【請求項2】
主系調節弁へ出力される開度指令と、主系調節弁の実際の開度との開度偏差の絶対値が許容値を越えている状態が所定時間継続した場合に、主系調節弁に異常が発生したと判定する異常検出手段を備えた請求項1記載の流体流通ラインの二重化自動切換制御装置。
【請求項3】
主系ラインの主系調節弁より上流側と下流側の両方に主系遮断弁を設け、主系調節弁の異常発生時に上流側の主系遮断弁の開度が徐々に絞られて全閉となった時点で下流側の主系遮断弁を全閉とするよう構成した請求項1又は2記載の流体流通ラインの二重化自動切換制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−119968(P2006−119968A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−308027(P2004−308027)
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【出願人】(000000099)石川島播磨重工業株式会社 (5,014)
【Fターム(参考)】