説明

流体継手

【課題】有効開口面積が大きく、しかも強度を低下させることのないバルブホルダを備えた低圧損型の流体継手を提供する。
【解決手段】互いに液密に接合されるプラグ1とソケット2のそれぞれの内部に、バルブ33と、バルブホルダ31と、バルブ33とバルブホルダ31の間に圧縮状態で配置されたスプリング32と、をそれぞれ収容してなり、プラグ1をソケット2に挿入したときに、プラグ1のバルブ33とソケット2のバルブ33が互いに当接してスプリング32の付勢力に抗して後退し、プラグ1とソケット2の間の流路を接続する流体継手において、バルブ33とバルブホルダ31の間に、プラグ1のバルブ33とソケット2のバルブ33が互いに当接してスプリング32が圧縮されたときに、バルブ33の外径部とバルブホルダ31の外径部とを結ぶ線に沿った円錐状の外径を有する円錐状部材32、51を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はソケットとプラグからなる流体継手に関する。
【背景技術】
【0002】
図18は、特許文献1,2に記載されているような従来の流体継手のプラグ1とソケット2を組み合わせた状態、図19はプラグ1とソケット2を分離した状態を示す。
【0003】
図19に示すように、プラグ1は、内面に流路が形成された筒状の形状を有する。プラグ1の一端(図19において左端)の内面には雌ねじ3が形成され、ここに一方の配管がねじ結合により接続される。プラグ1の他端(図19において右端)の内面には弁座4が形成されている。プラグ1の内面の中央には、ホルダストッパ5が装着されている。プラグ1の外面の中央には鋼球係止外周溝6が形成されている。
【0004】
ソケット2は、内面に流路が形成された筒状の形状を有し、図19において右側の本体部7と、左側のプラグ挿入部8とで構成されている。
【0005】
ソケット2の本体部7は、プラグ1と対称的に、一端(図19において右端)の内面に雌ねじ9が形成され、ここに他方の配管がねじ結合により接続され、他端(図19において左端)の内面に弁座10が形成されている。本体部7の内面の中央には、ホルダストッパ11が装着されている。
【0006】
ソケット2のプラグ挿入部8は、プラグ1が嵌合する内径を有する。プラグ挿入部8の開口端(図19において左端)近傍には、外面にストッパー8aが形成されるとともに、複数の孔12が形成され、該孔12に鋼球13が収容されている。プラグ挿入部8の内面の中央に形成された内周溝14にはOリング15が装着されている。プラグ挿入部8の外周面にはスリーブ16が嵌挿され、スプリング17により開放端(図19において左端)に向かって付勢されている。スリーブ16が開放端に付勢されてストッパー8aに当接しているときには、スリーブ16の内面が鋼球13を押圧してプラグ挿入部8の内側に突出させている。また、スリーブ16が開口端と反対側に矢印A方向に移動すると、スリーブ16の内周面に形成した内周溝18に退避するようになっている。
【0007】
前記プラグ1と前記ソケット2の本体部7の内部には、バルブ19、バルブホルダ20、及びスプリング21が収容されている。バルブ19、バルブホルダ20、及びばね21は、プラグ1側とソケット2側とで同一形状であるが、対称に配置されているので、以下、プラグ1側のものについて説明し、ソケット2側のものは説明を省略する。
【0008】
バルブ19は、プラグ1の弁座4に当接する弁本体部22と、該弁本体部22からプラグ1の開口端の外方に突出する突部23と、前記弁本体部22からプラグ1の内方に突出する弁軸24とからなっている。弁本体部22の外周面は円錐面からなり、その外周溝25には弁パッキン26が装着されている。
【0009】
バルブホルダ20は、焼成金属製で、図20に示すように、環状部27と、該環状部27の内側に位置して環状部27よりも流路方向に長い筒部28と、前記環状部27の内面と前記筒部28の外面を連結する複数の支持部29とから構成されている。バルブホルダ20はプラグ1の内面に挿入され、その環状部27がプラグ1の内面に装着したホルダストッパ5にと当接することで、図19において左方向への抜け止めがなされている。筒部28は、その内側にバルブ19の弁軸24が挿入されて、バルブ19を軸方向に摺動可能に支持している。
【0010】
スプリング21は、ストレートのコイルばねからなり、バルブホルダ20の筒部28とバルブ19の弁軸24の外側に圧縮状態で挿通され、バルブ19の弁本体部22が弁座4に当接するように付勢している。
【0011】
前記構成を備えた従来の流体継手を結合するには、まず、図19に示すように、ソケット2のスリーブ16を矢印A方向にスプリング21の付勢力に抗して移動させる。この状態で、プラグ1をソケット2のプラグ挿入部8に差し込むと、ソケット2の鋼球13がプラグ1の外周面に押圧されてスリーブ16の内周溝18に後退するので、プラグ1はソケット2のプラグ挿入部8に挿入することができる。プラグ1をソケット2のプラグ挿入部8の奥まで挿入すると、プラグ1のバルブ19の突部23がソケット2のバルブ19の突部23を押圧する。これにより、図18に示すように、プラグ1のバルブ19とソケット2のバルブ19が違いに押し合って後退し、弁本体部22が弁座4,11から離隔して、流路が開放され、流体の移動が可能となる。スリーブ16を矢印A方向と反対側に戻すと、鋼球13がスリーブ16の内周溝18から離脱し、スリーブ16の内周面に押圧されて孔12からソケット2の内面に突出し、プラグ1の外周面に係合してロックされる。これにより、プラグ1はソケット2のプラグ挿入部8から離脱するのが阻止される。また、プラグ1とソケット2のプラグ挿入部8の間はOリング15によって液密にシールされる。
【0012】
プラグ1とソケット2の結合を解除するには、図18に示す状態から、スリーブ16を矢印A方向に移動させ、プラグ1を引き離す方向に引っ張ると、鋼球13がスリーブ16の内周溝に後退し、ロックが解除されるので、プラグ1を引き抜くことができる。プラグ1がソケット2から離れると、プラグ1側とソケット2側のバルブ19がそれぞれスプリング21に付勢されて前進し、弁座4,10に圧接して、開口端が液密に閉塞されるとともに、プラグ1とソケット2の間のOリング15によるシールも開放され。この結果、プラグ1はソケット2から液漏れなく、取り外すことができる。
【特許文献1】特開2002−295770号公報
【特許文献2】特開2001−124277号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
配管系の流体継手では、流路径が変化せず、同一断面積を有し、流れ方向が一定であることが、圧力損失を発生させずに流量を確保する上で理想的である。しかし、前記従来の流体継手では、図21に示すように、プラグ1の流入路aから流入した流体は、プラグ1のバルブホルダ20(流路b)、スプリング21(流路c)、バルブ19の外径部(流路d)、バルブ19の狭小部(流路e)、プラグ1とソケット2の境界部(流路f)を経て、ソケット2のバルブ19の狭小部(流路g)、バルブ19の外径部(流路h)、スプリング21(流路i)、バルブホルダ20(流路j)を通って、流出路kから流出する。このような複雑な経路を有するため、断面積及び流れ方向が変化し、圧力損失が発生している。
【0014】
例えば、プラグ1側では、バルブホルダ20の流路(b)は、その取付部の内径が十分に与えられているにも拘わらず、バルブホルダ20の環状部27、筒部28及び支持部29のみならず、スプリング21及びバルブ19の弁軸24により縮小され、図4(b)に示すような有効開口面積になっている、この有効開口面積は、流路の本来の面積の1/4以下になることもある。このため、バルブホルダ20の流路(b)で、流路断面積が低下し、流路抵抗が増大する。
特許文献2には、バルブホルダを板金製にしたものも提案されているが、脚部の強度が弱いという問題がある。しかも、肉厚の薄いバルブホルダにバルブの弁軸が挿通されているだけであるので、弁軸を安定してガイドすることができず、振動が発生し、耐久性が悪く、小径の流体継手にしか使用できないという問題がある。
【0015】
また、スプリング21の流路(c)では、コイルによって流れが攪乱される。スプリング21の流路(c)からバルブ19の外径部の流路(d)へは、流れの縮小が生じる。バルブ19の外径部の流路(d)からバルブ19の狭小部の流路(e)へは、流れの方向転換が生じる。
【0016】
さらに、バルブ19の狭小部の流路(e)や境界部(f)では、径が小さいために流路断面積が減少し、流路抵抗が増大する。
【0017】
ソケット2側においても同様の問題が生じる。特に、バルブ19の外径部の流路(d)からスプリング21の流路(c)へは、流れの拡大が生じ、渦が発生し、さらに流路抵抗を増大させている。
【0018】
流体継手はこのような複雑な流路を有するため、ある程度の圧損は是認する必要があるが、市場では、各部の流路抵抗が小さくてより大きな流量を確保することができる低圧損型の流体継手が要望されている。
【0019】
そこで、本発明の第1の課題は、有効開口面積が大きく、しかも強度を低下させることのないバルブホルダを備えた低圧損型の流体継手を提供することを課題とする。
【0020】
第2の課題は、流れの攪乱や、縮小、拡大を生じせないスプリングを備えた低圧損型の流体継手を提供することを課題とする。
【0021】
第3の課題は、バルブの狭小部の径が大きい低圧損型の流体継手を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記課題を解決するための手段として、本発明に係る流体継手は、互いに液密に接合されるプラグとソケットのそれぞれの内部に、バルブと、バルブホルダと、前記バルブを前記ソケットの内周面に形成された弁座に圧接するように付勢するスプリングと、をそれぞれ収容してなり、前記プラグを前記ソケットに挿入したときに、前記プラグのバルブと前記ソケットのバルブが互いに当接して前記スプリングの付勢力に抗して後退し、前記プラグと前記ソケットの間の流路を接続する流体継手において、前記バルブと前記バルブホルダの間に、前記プラグのバルブと前記ソケットのバルブが互いに当接して前記スプリングが圧縮されたときに、前記バルブの外径部と前記バルブホルダの外径部とを結ぶ線に沿った円錐状の外形を有する円錐状部材を設けたものである。
【0023】
バルブとバルブホルダの間に、プラグのバルブとソケットのバルブが互いに当接してスプリングが圧縮されたときに、バルブの外径部とバルブホルダの外径部とを結ぶ線に沿った円錐状の外径を有する円錐状部材を設けたので、従来のような流路の段差による流れの縮小や拡大が無くなり、流体の衝突、渦の発生が無く、圧力損失を低減することができる。
【0024】
具体的な1つの手段として、前記円錐状部材は、前記スプリングを構成する円錐コイルばねからなり、前記円錐コイルばねの小径部が前記バルブホルダの、前記スプリングを支持するとともに前記バルブの弁軸を受け入れる環状部の外径とほぼ同径で、前記円錐コイルばねの大径部が前記バルブの外径部とほぼ同径であり、前記プラグのバルブと前記ソケットのバルブが互いに当接して前記スプリングが圧縮されたときに、前記円錐コイルばねのコイルが近接することが好ましい。
【0025】
円錐コイルばねの小径部がバルブホルダの環状部の外径とほぼ同径で、大径部が前記バルブの外径部とほぼ同径であるため、プラグ側のスプリングからバルブ外径部への流路に極端な流れの縮小が生じないし、ソケット側のバルブ外径部からスプリングへの流路に極端な流れの拡大が生じず、渦の発生もない。また、プラグのバルブとソケットのバルブが互いに当接してスプリングが圧縮されたときに、円錐コイルばねのコイルが近接するので、スプリングの流路で流れが攪乱されることもない。
【0026】
他の手段として、前記円錐状部材は、円錐カップからなり、前記円錐カップの小径部が前記バルブホルダの、前記スプリングを支持するとともに前記バルブの弁軸を受け入れる環状部の外径とほぼ同径で、前記円錐カップの大径部が前記バルブの外径部とほぼ同径であり、前記プラグのバルブと前記ソケットのバルブが互いに当接して前記スプリングが圧縮されたときに、前記円錐カップと前記バルブの外径部とが近接することが好ましい。
【0027】
円錐カップの小径部がバルブホルダの環状部の外径とほぼ同径で、大径部が前記バルブの外径部とほぼ同径であるため、プラグ側のスプリングからバルブ外径部への流路に極端な流れの縮小が生じないし、ソケット側のバルブ外径部からスプリングへの流路に極端な流れの拡大が生じず、渦の発生もない。また、プラグのバルブとソケットのバルブが互いに当接してスプリングが圧縮されたときに、円錐カップと前記バルブの外径部とが近接するので、円錐カップとバルブとの間で流れが攪乱されることもない。
【0028】
前記プラグのバルブと前記ソケットのバルブが互いに当接して前記スプリングが圧縮されたときに、前記円錐状部材の外周面と略平行になるように前記流路を形成したことが好ましい。
これにより、円錐状部材と流路内面との間の流体の流れを円滑にすることができる。
【0029】
前記バルブホルダは、前記円錐カップの底壁に設けられて砲弾型部材を構成し、該砲弾型部材は流線形をなすことが好ましい。
【0030】
前記バルブホルダは、流線形をなす砲弾型部材を構成するので、流体が流入する際にはバルブホルダと流体との衝突現象が発生せずに、円滑な流体の流入が可能になる。また、流体が流出する際には渦の発生が少なくなり、流体は少ない抵抗で流出することができる。
【0031】
前記バルブホルダは、該バルブホルダを前記プラグ及びソケット内に支持する支持脚と一体に設けられたことが好ましい。
【0032】
バルブホルダを、支持脚と一体に設けることで、部品点数を削減して製造コストを削減することができる。
【0033】
前記バルブホルダは、前記支持脚と別体に設けられ、前記支持脚は、前記プラグ及びソケットの内周面に形成された内周溝と前記バルブホルダとの間に配置された線材からなることが好ましい。
【0034】
支持脚が線材からなるので、金型投資など、初期投資を削減することができると共に、支持脚の体積を小さくして有効開口面積を大きくし、流路抵抗を削減するので、流体が円滑に流れることができる。
【0035】
前記スプリングは、前記プラグ及びソケットの内周面に形成された内周溝と前記バルブホルダとの間に圧縮状態で配置されて、前記バルブホルダを介して前記バルブを前記弁座に圧接するように付勢し、線材からなる前記バルブホルダの保持する前記バルブの端部が、半球型に形成されたことが好ましい。
【0036】
バルブホルダが線材からなるので、金型投資など、初期投資を削減することができると共に、支持脚の体積を小さくして有効開口面積を大きくし、流路抵抗を削減するので、流体が円滑に流れることができる。
【0037】
また、バルブの端部を半球型に形成することで、流体が流入する際には、バルブと流体との衝突現象が発生せずに、円滑な流体の流入が可能になる。流体が流出する際には渦の発生が少なくなり、流体は少ない抵抗で流出することができる。
【0038】
前記スプリングと前記バルブホルダとが一体に設けられたことが好ましい。
【0039】
スプリングとバルブホルダとを一体に設けることで、部品点数を削減して製造コストを減少することができる。
【0040】
前記バルブは、円錐面と、該円錐面に形成された周溝と、該周溝に装着されたシール部材とを有し、前記シール部材は、前記周溝に設けられたカシメ部を介して、前記円錐面の延長線よりも内側に装着されたことが好ましい。
【0041】
シール部材が、円錐面の延長線よりも内側に装着されているので、バルブがスプリングに付勢され、プラグ及びソケットの開口端に向かって移動している間に、バルブが弁座と当接しても、シール部材が弁座と当接して大きな抵抗になることがなく、バルブを円滑に移動することができる。
【0042】
前記カシメ部の周縁に、傾斜を設けたことが好ましい。
【0043】
これにより、バルブがスプリングに付勢され開口端に向かって移動している間に、バルブが弁座と当接しても、弁座に対してバルブは滑りやすくなり、バルブを円滑に移動することができる。
【0044】
前記バルブは、円錐面と、該円錐面に形成された周溝と、該周溝に装着されたシール部材とを有し、前記シール部材は、前記バルブと同時に成型されて、前記円錐面の延長線よりも内側に装着されたことが好ましい。
【0045】
シール部材は、カシメ部を介して、またはバルブと同時に成型されてバルブに装着される。従って、複数の方法でシール部材をバルブに装着することができる。
【0046】
前記シール部材は、前記プラグのバルブと前記ソケットのバルブが互いに離れて前記スプリングが伸張したときに、前記プラグとソケットとの開口部の円筒面と、前記開口部に連続する円錐状の弁座の円錐面との接続部に形成される座面に当接して、半径方向内方に押圧されることが好ましい。
【0047】
シール部材は座面に当接して、半径方向内方に向かって力を受けるので、力の釣り合いを取ろうとする作用が働き、プラグ及びソケットとバルブとの中心線が一致した状態で安定したシール状態を確保することができる。
【0048】
前記円錐面の前記シール部材より外側の大径部が、前記流路の弁座と当接することが好ましい。
【0049】
シール部材より外側の大径部が流路の弁座と当接するので、シール部材より内側の流路の径を大きくすることができる。
【0050】
前記バルブホルダは、前記環状部と、前記環状部の外周縁から屈曲して放射状に延設され前記流路に支持された複数の脚部とからなり、前記脚部に側縁から、前記流路方向から見てL字形に屈曲するリブを形成したことが好ましい。
【0051】
バルブホルダを流路方向から見ると、スプリングは環状部に隠れ、リブは脚部に隠れているため、流路を妨げるのは環状部と脚部のみとなる。このため、有効開口面積が大きい。脚部はリブによって補強されているので、強度が大きい。また、リブは流路の流れを整流することができる。
【0052】
前記バルブホルダの環状部に立上り部を設け、前記立上り部の内面で前記バルブの弁軸をガイドし、前記立上り部の外面で前記スプリングをガイドすることが好ましい。
これにより、弁軸を安定してガイドすることができるとともに、スプリングを確実に保持することができる。
【0053】
前記バルブホルダのリブの前記流路方向の一端を前記流路に当接させ、前記流路方向の他端を前記環状部に当接させることが好ましい。
これにより、リブが脚部に対するステーとなり、バルブホルダの脚部の強度を増大することができる。
【0054】
前記バルブホルダのリブを前記バルブの弁軸に当接させることが好ましい。
これにより、バルブの弁軸の移動時に、リブにより弁軸をガイドすることができ、バルブの確実な開閉動作を保証することができる。
【発明の効果】
【0055】
前記第1の手段からなる発明によれば、バルブホルダを流路方向から見ると環状部と脚部のみであるため、有効開口面積が大きくなり、圧力損失を低減することができる。また、脚部はリブによって補強されているので、スプリングを支持する強度を低下させることがないうえ、振動の発生が少なく、耐久性が向上し、バルブホルダを大径で高圧の流体継手にも使用することができる。さらに、リブによって流れが整流され、流れの均一化を図ることができる。
【0056】
前記第2の手段からなる発明によれば、バルブホルダの環状部からバルブの外径部まで円錐スプリングが介在し、流れの極端な縮小や拡大が生じず、渦の発生もないので、流路抵抗が減少する。また、円錐スプリングは圧縮されたときに、円錐コイルばねのコイルが近接するので、スプリングの流路で流れが攪乱されず、流路抵抗が減少し、圧力損失を低減することができる。
【0057】
前記第3の手段からなる発明によれば、パッキンより外側の大径部が流路の弁座と当接するので、パッキンより内側の流路の径を大きくすることができ、バルブの狭小部での圧力損失を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
【0059】
図1は、本発明の第1実施形態である流体継手のプラグとソケットを組み合わせた状態、図2はプラグとソケットを分離した状態を示す。
【0060】
図1,2において、プラグ1及びソケット2は、流路の一部形状を除いて、図18、19に示す従来の流体継手のプラグ及びソケットと実質的に同一であり、対応する部分については同一符号を附して説明を省略し、以下プラグ1内部のバルブホルダ31、スプリング32、バルブ33について説明するが、ソケット2内部のものもプラグ1側と同一形状で、対称に配置されるので、同一符号を附して説明を省略する。なお、プラグ1内の部品の説明では、便宜上、流路の下流側を「前」、上流側を「後」、中心側を「内」、外周側を「外」と表現する。
【0061】
図3は、バルブホルダ31の実施形態を示す。バルブホルダ31は、環状部34と、複数(実施例では3個)の脚部35とからなっている。バルブホルダ31は、ステンレス鋼等の板材からプレス成形によって形成される板金製であるが、これに限らず、焼成金属製としてもよい。
【0062】
環状部34は、ドーナツ形の板で、内周縁にバルブ33の方向に向かって立ち上がる筒状の立上り部36が形成されている。この立上り部36は、後述するバルブ33の弁軸44を挿通してガイド可能な内径と、スプリング32が挿入されガイド可能な外径を有する。立上り部36は、筒状でなくとも、環状部34の内周縁の複数箇所(好ましくは3箇所)から立ち上がる矩形の突片で構成してもよい。
【0063】
脚部35は、環状部34の外周縁から後方に約60°屈曲して放射状に延設されている。脚部35は、その一方の側縁に流路方向から見て略L字形(図3(c)参照)に内側に90°屈曲するリブ37を有している。リブ37は、脚部35の基端から環状部34に平行に延びる前縁37aと、脚部35の先端から流路に平行な方向に延びる外縁37bと、前縁37aの先端からバルブホルダ31の中心線に平行に延びる内縁37cと、外縁37bの先端から内縁に向かって環状部34に平行に延びる後縁37dとを有している。リブ37の内縁37cは、環状部34の立上り部36の内径と一致している。リブ37の前縁37aは環状部34の後面に当接している。リブ37の外縁37bは流路の壁面に当接し、一方脚部35の先端は、流路に形成した内周溝38に係合している。
【0064】
前記構成のバルブホルダ31は、流路方向から見た場合、リブ37は脚部35からL字形に屈曲していてリブ37から大きくはみ出していないし、またスプリング32は環状部34に隠れている。このため、リブ37やスプリング32によって流路が妨げられることはなく、流路方向から見たバルブホルダ31の有効開口面積は、図4(a)にハッチングで示すように、図4(b)の従来のバルブホルダ20の有効開口面積よりも大きく、約50%まで確保することができる。
【0065】
バルブホルダ31のリブ37は、脚部35とともに流路に直角な断面がL字形をなしているため、断面係数が増大し、スプリング32の反力に対する強度を確保することができる。また、リブ37は、脚部35の先端を流路の内周溝38に係止したときに、前縁37aが環状部34の後面に当接し、外縁37bが流路の壁面に当接していることで、環状部34と流路の壁面との間のステー(筋交い)の役割を果たし、支持強度を向上させている。
【0066】
バルブホルダ31の立上り部36により、バルブ33の弁軸44がガイドされ、スプリング32が位置決めされ保持される。バルブ33の弁軸44が立上り部36でガイドされることで、バルブ33の直立性も維持され、振動を防止することができる。また、この立上り部36とリブ37の内縁37cとでバルブ33の弁軸44が長い区間でガイドされるので、バルブ33をさらに安定させることができ、振動の少ない長寿命の流体継手を提供することができる。
【0067】
バルブホルダ31の環状部34は、スプリング32を保持するだけでよいので、スプリング32の外径と略一致した寸法でよい。このため、流路方向から見た環状部34の面積を最小にすることができ、有効開口面積をさらに増大させることができる。
【0068】
バルブホルダ31は、板金製であることで、安価にかつ容易に製造することができる。
【0069】
図5は、図3のバルブホルダ31の第1変形例を示す。この第1変形例では、リブ37の先端の略半分を、中心軸に平行な折線Lでさらに屈曲させ、その折曲げ部39の内面を立上り部36の内径に接し、立上り部36に挿通するバルブ33の弁軸44をガイドするようにしている。このため、バルブ33の弁軸44をさらに安定してガイドすることができる。
【0070】
この第1変形例では、さらに、リブ37の前縁37aと環状部34の間に隙間40を設けたものである。これにより、脚部35の先端を流路の内周溝38に装着する際に、脚部35の外径を縮径することができ、流路への装着が容易になる。
【0071】
図6は、図3のバルブホルダ31の第2変形例を示す。前記第1変形例では、脚部35からリブ37を約90°屈曲し、さらにリブ37の先端半分を屈曲したが、この第2変形例では、脚部35からリブ37を90°よりやや大きな角度で屈曲して、立上り部36に挿通するバルブ33の弁軸44に接するようにしたものである。これにより、曲げ加工の回数が減少し、製造が容易になる。
【0072】
図7は、スプリング32の形状と配置を示す。スプリング32は本発明に係る円錐状部材を構成する。スプリング32は円錐コイルばねからなっている。円錐コイルばねの小径部32aは、バルブホルダ31の環状部34の外径とほぼ同径であり、大径部32bはバルブ33の外径部とほぼ同径である。また、スプリング32は、バルブホルダ31とバルブ33の間に圧縮状態で装着されるが、プラグ1とソケット2が結合される前(図7(a)にプラグ1のみ示す。)は、コイル間の間隔は広くなっている。しかし、図8(b)に示すように、プラグ1とソケット2が結合されて、プラグ1のバルブ33とソケット2のバルブ33が互いに当接してスプリング32が圧縮されると、円錐コイルばねのコイル同士が近接する。これにより、円錐コイルばねのコイルの外面は流路を構成し、流れを攪乱することがない。また、バルブホルダ31とバルブ33の外径部までがスプリング32で連続することで、従来のような流路の段差による流れの縮小や拡大が無くなり、流体の衝突、渦の発生がなく、圧力損失を低減することができる。
【0073】
また、結合時のスプリング32と対向するプラグ1の流路の壁面Sは、スプリング32のコイルの外面が形成する円錐面と略平行になるように形成することで、より流動抵抗を少なくし、圧力損失を低減することができる。また、流路の角部は丸面取りを行って、円滑な流路を形成することが好ましい。
【0074】
図8(a)は、プラグ1のバルブ33とその弁座41の関係を示す。バルブ33は、プラグ1の弁座41に当接する弁本体部42と、該弁本体部42からプラグ1の開口端の外方に突出する突部43と、弁本体部42からプラグ1の内方に突出する弁軸44とからなっている。弁本体部42の外周面は円錐面からなり、その外周溝45にはシール部材58である弁パッキン46が装着されている。弁本体部42の弁座41との当接面Pは、弁パッキン46よりも外側に位置する。この点で、本願発明のバルブ33は、図8(b)に示すように、従来のバルブ19の弁本体部22の弁座4との当接面P´が、弁パッキン26よりも内側に位置していたものと異なる。
【0075】
図8(b)の従来のバルブ19では、弁パッキン26の内側で弁座4を確保しなければならないために、プラグ1の開口部の径D´を大きくできなかった。これに対し、本願発明では、弁座41が弁パッキン46の外側にあるため、弁パッキン46より内側はプラグ1の開口部の形状寸法に自由度が生じ、プラグ1の開口部の径Dを弁パッキン46の近傍まで拡大することができる。この結果、流路を拡大することができ、圧力損失を低減することができる。
【0076】
以上説明した構成は、プラグ1側のものであるが、ソケット2側も対称に配置され、同様の作用効果を奏する。
【0077】
(第2実施形態)
図9に第2実施形態であるプラグ1及びソケット2を示すが、図1の第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
このプラグ1及びソケット2は、バルブ33の弁本体部42と、バルブホルダ31との間に円錐カップ51を備え、円錐カップ51の内部にバルブ33を付勢するばね52を設けている。円錐カップ51は、本発明に係る円錐状部材を構成する。
【0078】
円錐カップ51は、バルブホルダ31の上面と当接する底壁53を有し、底壁53にはバルブ33の弁軸44が挿通する挿通孔54が形成されている。また円錐カップ51は、底壁53の周縁から弁本体部42に向かって延びる周壁55を有する。バルブホルダ31は、図6に示す第2変形例のバルブホルダ31を使用している。
【0079】
ばね52は、円錐カップ51の底壁53の内面とバルブ33との間に圧縮状態で装着され、円錐カップ51の底壁53をバルブホルダ31に押し付け、円錐カップ51がガタ付かないようにしている。プラグ1とソケット2が結合する前は、図9(a)に示すように、円錐カップ51の縁部56とバルブ33の弁本体部42とは、間隔を開けて配置されている。しかし、図9(b)に示すように、プラグ1とソケット2が結合されて、プラグ1のバルブ33とソケット2のバルブ33が互いに当接してばね52が圧縮されると、縁部56と弁本体部42とが近接する。これにより、円錐カップ51の外面は流路を構成し、流れを攪乱することがない。また、円錐カップ51とバルブ33とが連続するので、従来のような流路の段差による流れの縮小や拡大が無くなり、流体の衝突、渦の発生が無く、圧力損失を低減することができる。更に、結合時の円錐カップ51と対向するプラグ1の流路の壁面Sは、円錐カップ51の外面が形成する円錐面と略平行になるように形成することで、より流動抵抗を少なくし、圧力損失を低減することができる。
【0080】
図10(a)に示すように、バルブ33の外周部45には、シール部材58が装着されている。シール部材58はゴム等の弾性体からなる。シール部材58は、突部43の下縁に設けられたカシメ部59により、内方に押圧された状態で装着されている。図10(b)に示すように、カシメ部59の外周面60は、弁軸44と角度αを設けて形成されている。これにより、バルブ33がばね52に付勢され開口端に向かって移動している間に、バルブ33が弁座41と当接しても、弁座41に対してバルブ33は滑りやすくなり、バルブ33を円滑に移動することができる。
【0081】
更に、シール部材58は、突部43の傾斜面から延ばした延長線よりも内側に、距離βを設けて装着されている。これにより、バルブ33がばね52に付勢され開口端に向かって移動している間に、バルブ33が弁座41と当接しても、シール部材58が弁座41と当接して大きな抵抗になることがなく、バルブ33を円滑に移動することができる。
【0082】
図11は、プラグ1のバルブ33とその弁座41との関係を示す。
弁本体部42の弁座41との当接面Rは、シール部材58よりも外側に位置する。弁座41がシール部材58の外側にあるため、シール部材58より内側はプラグ1の開口端の形状寸法に自由度が生じ、プラグ1の開口端の径Dをシール部材58の近傍まで拡大することができる。この結果、流路を拡大することができ、圧力損失を低減することができる。
【0083】
また、プラグ1が閉じた状態では、シール部材58は、プラグ1の開口部61の円筒面と弁座41の円錐面との接続部に形成される座面41aと当接して、矢印B方向に圧縮されている。これにより、シール部材58は半径方向内方に向かって力を受けるので、力の釣り合いを取ろうとする作用が働き、プラグ1とバルブ33との中心線が一致した状態で安定したシール状態を確保することができる。
【0084】
ただしシール部材58は、突部43の傾斜面から延ばした延長線よりも内側に装着され、かつプラグ1が閉じた状態で、シール部材58がプラグ1の座面41aと当接して矢印B方向に圧縮される限り、バルブ33にカシメ部59を介して装着することに限定されない。例えば図12に示すように、四角形断面のシール部材58を、バルブ33に同時成型工法で装着しても、同様の効果が得られる。
【0085】
(第3実施形態)
図13に第3実施形態であるプラグ1及びソケット2を示すが、図9の第2実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
このプラグ1及びソケット2は、円錐カップ51の底壁53に流線型のバルブホルダ31を一体に設けた砲弾型部材65を備える。バルブホルダ31は、中空部66にバルブ33の弁軸44を挿通し、キャップ部64を有する胴体67と、胴体67から延び、内周溝38に係合してバルブホルダ31を支持する2本の支持脚68とが一体に設けられている。胴体67にキャップ部64を一体に設け、流線型に形成することで、流体が流入する際にはキャップ部64と流体との衝突現象が発生せずに、円滑な流体の流入が可能になる。また、流体が流出する際には渦の発生が少なくなり、流体は少ない抵抗で流出することができる。
【0086】
次に、胴体67に一体に設けられた支持脚68に代わって、図14に示すように、胴体67と別体の支持部としてホルダばね70を有するバルブホルダ31も採用し得る。このバルブホルダ31は胴体67に、ホルダばね70と当接するための段部71が形成されている。
【0087】
前記段部71に当接するホルダばね70は、図14(c)に示すように、内周溝38と係合する端巻部72と、端巻部72から立ち上がる繋ぎ部73と、繋ぎ部73と連続し、段部71と当接して砲弾型部材65を保持する環状の保持部74とからなる。端巻部72を設けることで内周溝38との係合を強固にし、ホルダばね70の安定性を確保することができる。また、ホルダばね70に線材を使用することで、金型投資など、初期投資を削減することができる。更に、ホルダばね70に線材を使用することで、ホルダばね70の体積を小さくして有効開口面積を大きくし、流路抵抗を削減するので、流体が円滑に流れることができる。
【0088】
(第4実施形態)
図15に第4実施形態であるプラグ1及びソケット2を示すが、図9の第2実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
このプラグ1とソケット2との本体部7の内部には、バルブ33、バルブ支持体77、及びバルブスプリング78が収容されている。
【0089】
バルブ33の弁軸44の、弁本体部42と反対側にある端部が半球型に形成されている。半球型に形成することで、流体が流入する際には、弁軸44と流体との衝突現象が発生せずに、円滑な流体の流入が可能になる。また、流体が流出する際には渦の発生が少なくなり、流体は少ない抵抗で流出することができる。
【0090】
バルブ支持体77は、本発明に係るバルブホルダを構成する。バルブ支持体77は、図15(c)に示すように、後述するバルブスプリング78と当接する端巻部81と、端巻部81から立ち上がる繋ぎ部82と、繋ぎ部82と連続し、バルブ33の段部71と嵌合してバルブ33を保持する保持部83とからなる。端巻部81を設けることで、バルブスプリング78との当接を強固にしてバルブ支持体77の安定性を確保することができる。
【0091】
バルブ支持体77は、線材から構成されている。線材を使用することで、金型投資など、初期投資を削減することができる。また、線材を使用することで、バルブ支持体77の体積を小さくして有効開口面積を大きくし、流路抵抗を削減するので、流体が円滑に流れることができる。
【0092】
バルブスプリング78は公知のばねであり、バルブ支持体77の端巻部81と、流路に設けたバルブスプリング支持溝84との間に、伸縮可能に配置されている。
【0093】
前記実施形態では、バルブ33を保持するバルブ支持体77とバルブスプリング78とを別体としたが、図16に示すように、バルブ支持体77とバルブスプリング78とを一体に設けて、バルブ支持体77を構成してもよい。このバルブ支持体77は伸縮可能なばね部86と、ばね部86から連続して延びる繋ぎ部82と、バルブ33を保持する保持部83とからなる。ばね部86の、繋ぎ部82と反対する側の端部87は、他のばね部86よりも径が大きく形成されており、プラグ1の内径に設けられた内周溝38と嵌合して、バルブ支持体77を保持している。繋ぎ部82は、保持部83及びばね部86と、角度を付けて設けられている。保持部83は、略3/4から7/8回転、巻かれている。
【0094】
バルブ支持体77とバルブスプリング78とを一体に設けて、バルブ支持体77を構成することで部品点数を削減して製造コストを減少することができる。ばね部86は、プラグ1及びソケット2の内周面に沿った状態で構成されるため、中央部分が空間となり流路経路となるので、有効開口面積を大きくし、流体が円滑に流れることができる。繋ぎ部82は、円形の線材で構成され、かつ一回程の巻き数であるため、流路抵抗の増大を防止することができる。
【0095】
また、図17に示すように、ソケット2の外周面とスリーブ16との間に、スプリング17の一端を支持するC型リング88を装着してもよい。これにより、図15(b)に示すように、段部でスプリング17の一端を支持するものに比べて寸法Lだけ、外径を小さくすることができる。従って、ソケット2本体の外径寸法を縮小して、使用する材料の省資源化、及び製造コストを減少するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の第1実施形態による流体継手の結合時の断面図。
【図2】図1の本発明の流体継手の分離時の断面図。
【図3】図1の本発明の流体継手のバルブホルダの側面図(a)と正面図(b)、脚(a)のI−I線断面図(c)。
【図4】図3のバルブホルダ(a)と従来のバルブホルダ(b)の有効開口面積を示す正面図。
【図5】図3のバルブホルダの第1変形例を示す側面図(a)と正面図(b)。
【図6】図3のバルブホルダの第2変形例を示す側面図(a)と正面図(b)。
【図7】図1の本発明の流体継手の分離時(a)と結合時(b)のスプリングの状態を示す断面図。
【図8】図1の本発明の流体継手(a)と従来の流体継手(b)のバルブと弁座の位置を示す断面図。
【図9】本発明の第2実施形態による流体継手の分離時の断面図(a)と流体継手の結合時の断面図(b)。
【図10】図9に示すバルブの断面図(a)とその部分拡大断面図。
【図11】図10のバルブが弁座と当接した状態を示す部分拡大断面図。
【図12】図11のシール部材の変形例を示す部分拡大断面図。
【図13】本発明の第3実施形態による流体継手の分離時の断面図(a)と流体継手の結合時の断面図(b)。
【図14】図13のバルブホルダの変形例を示す流体継手の分離時の断面図(a)と流体継手の結合時の断面図(b)、バルブホルダの側面図(c)と上面図(d)。
【図15】本発明の第4実施形態による流体継手の分離時の断面図(a)と流体継手の結合時の断面図(b)、バルブホルダの側面図(c)と上面図(d)。
【図16】図15のバルブスプリングと一体に設けたバルブホルダを有するプラグの断面図(a)と、そのバルブホルダの側面図(b)。
【図17】図16のプラグを有する流体継手にC型リングを装着した状態を示す断面図。
【図18】従来の流体継手の結合時の断面図。
【図19】図18の従来の流体継手の分離時の断面図。
【図20】図18の従来の流体継手のバルブホルダの側面断面図(a)、正面図(b)。
【図21】図18の従来の流体継手の流路を示す断面図。
【符号の説明】
【0097】
1 プラグ
2 ソケット
31 バルブホルダ
32 スプリング(円錐状部材)
32a 小径部
32b 大径部
33 バルブ
34 環状部
35 脚部
36 立上り部
37 リブ
40 隙間
41 弁座
42 弁本体部
44 弁軸
45 外周部
46 弁パッキン(シール部材)
51 円錐カップ(円錐状部材)
53 底壁
58 シール部材
59 カシメ部
60 外周面
64 キャップ部
65 砲弾型部材
68 支持脚
77 バルブ支持体(バルブホルダ)
78 バルブスプリング(スプリング)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに液密に接合されるプラグとソケットのそれぞれの内部に、
バルブと、
バルブホルダと、
前記バルブを前記ソケットの内周面に形成された弁座に圧接するように付勢するスプリングと、
をそれぞれ収容してなり、
前記プラグを前記ソケットに挿入したときに、前記プラグのバルブと前記ソケットのバルブが互いに当接して前記スプリングの付勢力に抗して後退し、前記プラグと前記ソケットの間の流路を接続する流体継手において、
前記バルブと前記バルブホルダの間に、前記プラグのバルブと前記ソケットのバルブが互いに当接して前記スプリングが圧縮されたときに、前記バルブの外径部と前記バルブホルダの外径部とを結ぶ線に沿った円錐状の外形を有する円錐状部材を設けたことを特徴とする流体継手。
【請求項2】
前記円錐状部材は、前記スプリングを構成する円錐コイルばねからなり、前記円錐コイルばねの小径部が前記バルブホルダの、前記スプリングを支持するとともに前記バルブの弁軸を受け入れる環状部の外径とほぼ同径で、前記円錐コイルばねの大径部が前記バルブの外径部とほぼ同径であり、前記プラグのバルブと前記ソケットのバルブが互いに当接して前記スプリングが圧縮されたときに、前記円錐コイルばねのコイルが近接することを特徴とする請求項1に記載の流体継手。
【請求項3】
前記円錐状部材は、円錐カップからなり、前記円錐カップの小径部が前記バルブホルダの、前記スプリングを支持するとともに前記バルブの弁軸を受け入れる環状部の外径とほぼ同径で、前記円錐カップの大径部が前記バルブの外径部とほぼ同径であり、前記プラグのバルブと前記ソケットのバルブが互いに当接して前記スプリングが圧縮されたときに、前記円錐カップと前記バルブの外径部とが近接することを特徴とする請求項1に記載の流体継手。
【請求項4】
前記プラグのバルブと前記ソケットのバルブが互いに当接して前記スプリングが圧縮されたときに、前記円錐状部材の外周面と略平行になるように前記流路を形成したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の流体継手。
【請求項5】
前記バルブホルダは、前記円錐カップの底壁に設けられたキャップ部と一体に設けられて砲弾型部材を構成し、該砲弾型部材は流線形をなすことを特徴とする請求項4に記載の流体継手。
【請求項6】
前記バルブホルダは、該バルブホルダを前記プラグ及びソケット内に支持する支持脚と一体に設けられたことを特徴とする請求項5に記載の流体継手。
【請求項7】
前記バルブホルダは、前記支持脚と別体に設けられ、前記支持脚は、前記プラグ及びソケットの内周面に形成された内周溝と前記バルブホルダとの間に配置された線材からなることを特徴とする請求項5に記載の流体継手。
【請求項8】
前記スプリングは、前記プラグ及びソケットの内周面に形成された内周溝と前記バルブホルダとの間に圧縮状態で配置されて、前記バルブホルダを介して前記バルブを前記弁座に圧接するように付勢し、
線材からなる前記バルブホルダの保持する前記バルブの端部が、半球型に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の流体継手。
【請求項9】
前記スプリングと前記バルブホルダとが一体に設けられたことを特徴とする請求項8に記載の流体継手。
【請求項10】
前記バルブは、円錐面と、該円錐面に形成された周溝と、該周溝に装着されたシール部材とを有し、前記シール部材は、前記周溝に設けられたカシメ部を介して、前記円錐面の延長線よりも内側に装着されたことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の流体継手。
【請求項11】
前記カシメ部の周縁に、傾斜を設けたことを特徴とする請求項10に記載の流体継手。
【請求項12】
前記バルブは、円錐面と、該円錐面に形成された周溝と、該周溝に装着されたシール部材とを有し、前記シール部材は、前記バルブと同時に成型されて、前記円錐面の延長線よりも内側に装着されたことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の流体継手。
【請求項13】
前記シール部材は、前記プラグのバルブと前記ソケットのバルブが互いに離れて前記スプリングが伸張したときに、前記プラグとソケットとの開口部の円筒面と、前記開口部に連続する円錐状の弁座の円錐面との接続部に形成される座面に当接して、半径方向内方に押圧されることを特徴とする請求項10から12のいずれかに記載の流体継手。
【請求項14】
前記円錐面の前記シール部材より外側の大径部が、前記流路の弁座と当接することを特徴とする請求項10から13のいずれかに記載の流体継手。
【請求項15】
前記バルブホルダは、前記環状部と、前記環状部の外周縁から屈曲して放射状に延設され前記流路に支持された複数の脚部とからなり、前記脚部に側縁から、前記流路方向から見てL字形に屈曲するリブを形成したことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の流体継手。
【請求項16】
前記バルブホルダの環状部に立上り部を設け、前記立上り部の内面で前記バルブの弁軸をガイドし、前記立上り部の外面で前記スプリングをガイドすることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の流体継手。
【請求項17】
前記バルブホルダのリブの前記流路方向の一端を前記流路に当接させ、前記流路方向の他端を前記環状部に当接させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の流体継手。
【請求項18】
前記バルブホルダのリブを前記バルブの弁軸に当接させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の流体継手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−97714(P2009−97714A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233646(P2008−233646)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(308037797)長堀工業株式会社 (7)
【Fターム(参考)】