説明

流動食品を詰めた密閉パッケージの製造方法、およびこの方法を実施する包装装置

所定の通路(P)に沿って移動する包装材料ウェブ(3)から流動食品を収容した密封パッケージ(5)を製造する方法が記載される。この方法は、包装材料ウェブ(3)に印刷された整合マーク(13)の繰返し現れるパターンを備える段階と、印刷された整合マーク(13)の位置の関数として、包装材料ウェブ(3)に対して折曲げまたは折畳み線(19,20,21)の繰返し現れるパターン(18)を付与する段階と、折曲げまたは折畳み線(19,20,21)の繰返し現れるパターン(18)を付与する段階と同期して、包装材料ウェブ(3)に折曲げまたは折畳み線(19,20,21)とは別個の新たな参照手段(26,26’)を形成する段階と、新たな参照手段(26,26’)の検出により発生される同期パルスに基づいて前記包装材料ウェブ(3)に対して1つ以上の順次の作業を遂行する段階とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動食品を詰めた密閉パッケージの製造方法、およびこの方法を実施する包装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
公知のように、フルーツ・ジュース、UHT(超高温処理)ミルク、ワイン、トマト・ソース等の多くの流動食品は、殺菌した包装材料で作られたパッケージに詰めて販売されている。
【0003】
この形式のパッケージの典型例は、テトラ・ブリック・アセプティック(登録商標)として公知の、平行六面体の形状をした液体または流動食品用のパッケージであり、積層した包装材料シートを折曲げ、シールして作られている。
【0004】
この包装材料は多層構造を有しており、剛性および強度を得るための、例えば紙のような繊維質材料または鉱物充填ポリプロピレン材料の層で構成される基本層と、この基本層の両面を覆う複数の例えばポリエチレン薄膜のような熱シール性プラスチック材料の層とを実質的に含む。
【0005】
UHTミルクのような長期保存製品用の無菌パッケージの場合には、包装材料は、例えばアルミニュウム箔またはエチル・ビニル・アルコール(EVOH)薄膜のようなガス遮断および液体遮断材料の層を含み、この層は熱シール性プラスチック材料の層に重ねられ、さらにその上から、最終的に食品に接触するパッケージ内面を形成することになる他の熱シール性プラスチック材料の層で覆われる。
【0006】
公知のようにこの種のパッケージは連続した包装材料ウェブから全自動包装ユニットにおいて製造されており、この包装材料ウェブは切断されてブランクに形成されるか、または長手方向にシールされて包装材料チューブに形成される。
【0007】
以下に一般的に無駄のない方法であると称する後者の場合、包装材料ウェブはリールに巻かれた形状で包装機械に装填され、そのリールから連続的に繰出されて殺菌のために無菌室へ送られるのであり、殺菌は、例えば過酸化水素液のような殺菌剤を塗布した後に加熱して殺菌剤を蒸発させる方法、および(または)適当な波長および強さの放射線に包装材料を曝す方法によって行われる。
【0008】
殺菌されたウェブはその後公知の方法で円筒状に折畳まれて長手方向にシールされ、無菌室の延長部を構成する連続の垂直に配向された長手方向シールのあるチューブが形成されるのであり、この包装材料チューブは引続いて殺菌済みの、または殺菌処理を経た流動食品を充填された後、個々のパッケージを形成する成形/シールユニットへ送られる。
【0009】
成形/シールユニットは一対のジョーを含み、このジョーは周期的に等間隔の横断部分にてチューブに接触してこれをグリップ且つシールし、その横方向シール帯によってチューブと連結しているいわゆる枕形パックを形成する。
【0010】
その後枕形パックは関係する横方向シール帯を切断することでチューブから切離され、折曲げステーションへ搬送されてそれぞれ完成形、例えば平行六面体形状のパックを形成するように機械的に折曲げ加工される。
【0011】
成形および仕上げの折曲げ加工時の両方において包装材料ウェブを折曲げるために、生産ライン(折り目形成作業)において、いわゆる「折り目パターン」を定める折曲げまたは折畳み線、すなわち折り目または弱化線が包装材料にエンボス加工される。
【0012】
さらに詳しくは、包装材料ウェブは変換プラントで製造されており、そのプラントでは、片面を熱シール性プラスチック材料層およびバリヤ材料層で覆われた紙層を典型的に含んで成る板紙、予め積層されている板紙等が上述の折り目形成作業を含む多くの連続した処理作業を施される。
【0013】
この変換プラントでウェブに対して行われる連続した処理作業の典型例は、以下の作業である。すなわち、
例えばそれぞれが各色を印刷するユニットで構成された複数の連続印刷ユニットによって通常は作られる繰返しの模様パターンの印刷、
折曲げまたは折畳み線の繰返しパターン(折り目パターン)のエンボス加工、
機械装置またはレーザー装置によるウェブ材料の穴あけ、切れ目形成または切断、および
印刷面上への別の熱シール性プラスチック材料層の形成である。
【0014】
変換プラントおよび包装機械の両方における全ての個別の作業が互いに整合して行われる、すなわちウェブ上での正確な相対位置において行われることを保証するために、整合マークをウェブに備えておかねばならない。
【0015】
公知方法によれば、この目的は、第1印刷ユニットにおいてウェブに第1および第2整合マークを印刷することによって達成される。第1整合マークは、残りの色の印刷、折り目形成、および必要ならばレーザー処理、機械的穿孔、穴打抜き等の連続作業を遂行するために、ウェブの実位置を決定するために変換作業の連続する各段階で使用される。第2整合マークは、包装材料チューブの給送およびチューブの成形作業を制御するために包装機械で使用される。
【0016】
EP−B−0357841は、レーザー装置により包装材料ウェブに切れ目を形成する方法を開示しており、この装置は前記材料上に印刷された繰返し現れる整合マークを検出することでトリガーされる。
【0017】
材料ウェブの長手方向位置を検出するために印刷マークが長年にわたって使用されてきており、このマークは簡単に作ることができ、容易に読取ることができる。事実、印刷したマークは簡単にパッケージ模様の一部とすることができ、したがっていかなる付加コストも生じない。しかしながら印刷模様の一部とされることは、印刷および切れ目形成の段階が材料ウェブを製造する上での2つの異なる連続した作業であって、たとえこの2作業間での相対変位が最小限に保たれたとしても、製造工程に固有の公差(印刷から折り目形成までの公差)があるために、整合マークそのものが例えばそれぞれ折曲げ線または折畳み線と完全には整合されないことを意味する。これは、折曲げ線または折畳み線の位置で折られるようにするために印刷マークにしたがって包装材料が位置決めされる連続した包装作業において、問題を生じることになる。
【0018】
一般に、連続した作業に関して1つの印刷整合マークを使用することは、それらの作業が印刷マークに関する工程公差によって位置誤差を含んで行われることを意味する。これは、連続作業(印刷模様、折り目パターン、レーザーパターン等)のあらゆる結果が位置マークで決定される理論的位置に対して正または負の位置誤差を有することを意味する。すなわち、誤差の絶対値は工程公差による最大値の範囲内に含まれる。パッケージの成形および充填時に機能的に衝撃を与える折り目パターンおよびレーザーパターンのような2つの連続作業が逆方向の誤差を生じる場合、公差の連鎖は、それらの作業の間にそれぞれの単一作業の公差幅の合計値までの相対誤差を生じることになる。
【0019】
折り目パターン形成作業およびレーザーパターン形成作業の間の上述した相対誤差を排除するために、レーザー装置をトリガーする包装材料上の折曲げまたは折畳み線の位置を検出する方法が米国特許第6046427号で提案された。この方法は印刷から折り目形成までの公差を生じることは防止するが、他の問題を生じる。
【0020】
特に、折曲げまたは折畳み線を「整合マーク」として使用するなら、それらの折曲げまたは折畳み線が折り目パターンを構成する他の折曲げまたは折畳み線に対して正確に識別されるならば、与えられた方向例えば長手方向の材料ウェブの位置を検出することができる。これは、「読取り窓」をトリガーするために付加的な参照コード、例えば印刷したコードの使用、またはこれに代わる非常に複雑なセンサーの使用が必要となる。
【0021】
さらに、そのようなセンサーは変換作業において平たい材料上の折曲げまたは折畳み線の検出には使用できるが、以下に述べる状態が生じるチューブ給送式包装機械での使用には適さない。すなわちその状態とは、
充填および包装作業時の包装材料チューブ内での内部圧力変化による流動食品の物理的な拍動、
チューブ給送方向に沿う垂直方向の変位
水平な「チューブの捩じれ」における水平方向の変位、および
センサーが作動される稼動環境が厳しい状態となることである。
【0022】
従って、チューブ給送式包装機械でさらに容易に読取れる付加的な印刷マークを備えるか、ウェブ端縁位置、開口装置用の予め積層されている穴、またはチューブの長手方向シール位置のような別の光学的に読取り可能な指標を使用することが必要となる。そのような指標は上述した理由により検出が困難であり、またいずれの場合もそのためのセンサーが必要となる。
【0023】
要するに、「印刷から折り目形成まで」の公差は有効に排除するが、米国特許第6046427号に記載された提案は依然として2つの検出システムを必要とし、1つは印刷した指標または光学的に検出可能な指標のためのシステムであり、他は折曲げまたは折畳み線のためのシステムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】EP−B−0357841公報
【特許文献2】米国特許第6046427号明細書
【特許文献3】EP−A−1116659公報
【特許文献4】EP−A−1325868公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明の概念は、上述した従来技術の欠点を克服した流動食品を収容する密封パッケージの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
この概念は、請求項1に記載された方法によって達成される。
【0027】
本発明の他の概念はそのような方法を遂行するための包装設備を提供することである。
【0028】
この概念は請求項11に記載された包装設備によって達成される。
【0029】
2つの好ましいが本発明を限定するものではない実施例が以下に添付図面を参照して例を挙げて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】包装材料ウェブに対して本発明の方法を遂行するための変換プラントを概略的に示す図である。
【図2】図1の変換プラントによって作られた包装材料ウェブから密封パッケージを製造する成形/充填機会を概略的に示す図である。
【図3】図1および図2の包装材料ウェブの一部分を拡大して示す図である。
【図4】図1の変換プラントの処理ステーションの細部の拡大断面図である。
【図5】包装材料ウェブに対して本発明の方法を遂行するための変換プラントの他の実施例を概略的に示す図である。
【図6】図5の包装材料ウェブの一部を拡大して示す図である。
【実施例1】
【0031】
図1の符号1は、流動食品を収容する密封パッケージ5を作るための成形/充填機械4に使用される包装材料ウェブ3のリール2を製造する変換プラントを全体的に示している。
【0032】
プラント1および機械4は所定の通路Pに沿って給送される素材の包装材料ウェブから密封パッケージ5を形成する包装設備の連続したユニットを構成している。
【0033】
プラント1は、素材の材料ウェブのリール7が装填される繰出し装置6と、通路Pに沿って配置されている以下に詳細に説明される多数の処理ステーション8,9,10,11と、完成した包装材料ウェブ3のリール2を形成する巻取り装置12とを本質的に含んでいる。
【0034】
第1の処理ステーションは包装材料ウェブ3(図3)に整合マーク13を印刷するそれ自体は公知の印刷ステーション8であり、整合マーク13は引続く処理ステーション9においてウェブの実位置を決定するために使用される。整合マーク13は、パッケージ5の製造に必要なウェブ長さ(繰返し長さ)に等しいピッチR(図3)で包装材料ウェブ3に沿って繰返される。
【0035】
制限要素のない唯一可能な図3の実施例において、整合マーク13は通路Pに対して直角に伸びた所定の長さおよび太さの真直線で形成される。図3に示されるように、整合マーク13は包装材料ウェブ3の繰返し長さの底端中央に配置される。
【0036】
次の処理ステーションは、例えば補完的な折り目形状(図示せず)を有する、すなわち一方のローラーは突出リブを、他方のローラーは溝を有する2本の折り目形成ローラー14,15の間を包装材料ウェブ3が送られる折り目形成ステーション9であり、「折り目パターン」として都合よく知られている折曲げまたは折畳み線の繰返しパターン18を形成する所定の線に沿って包装材料ウェブ3を局部的に剥離させる。
【0037】
各繰返しパターン18(図3)は、公知のように仕上げられたパッケージの垂直方向のコーナーに対応する複数の長手方向の折曲げまたは折畳み線19と、パッケージの水平方向のコーナーおよび横方向シール部分すなわち「折り代」の基部に対応する複数の横方向の折曲げまたは折畳み線20とを含んでいる。
【0038】
主として45゜に傾くが、長手方向に対して異なる角度ともされる斜めの折曲げまたは折畳み線21は、繰返しパターン18の頂部および底部に見られ、パッケージの折り代を形成する。
【0039】
折り目形成ステーション9における包装材料ウェブ3の位置は、整合マーク13を読取るセンサー22で検出される。添付図面に示した例では、包装材料ウェブ3の速度は、配置されているローラーの周速度を使用する増分シャフトエンコーダ23(これ自体は公知)により、または、例えばレーザードップラー風速計(図示せず)を有する無接触測定装置によって、測定される。
【0040】
折り目形成ステーション9におけるウェブの送り、従って折り目パターン18の整合は、センサー22に即応する、また、増分シャフトエンコーダ23に即応する制御ユニット24で制御される。
【0041】
印刷ステーション8および折り目形成ステーション9は包装材料ウェブ3に対して異なる作業を連続して遂行するので、各整合マーク13の間およびそれぞれの折曲げまたは折畳み線19,20,21の間の接合状態は上述した製造工程に固有の公差(伊佐から折り目形成までの公差)によって保証できない。
【0042】
印刷から折り目形成までの公差を変換プラント1、さらに包装機械4で遂行される連続した作業に対して影響しないようにするために、次の処理ステーションは、包装材料ウェブ3に対して新たな整合マーク26を与える付与ステーション10である。この新たな整合マーク26はそれぞれ折曲げまたは折畳み線19,20,21とは別個の完全に整合されたものである。付与ステーション10は折り目形成ステーション9と同期されて、折り目形成ステーション9で遂行される折り目形成作業時に整合マークが付与されるように成されることが有利である。
【0043】
図示例では、付与ステーション10は一対の付与ローラー27,28を含み、それらのローラー間に包装材料ウェブ3が送られる。図1に示す実施例によれば、付与ステーション10と折り目形成ステーション9との間の同期は、例えば歯車伝達機構30(図1に点線で概略的に示している)による2組のローラー14,15および27,28の間の機械的連結によって得ている。
【0044】
図4に詳細に示すように、付与ローラーは半径方向の突出リブ29を有するローラー27と、リブに対応する如何なる凹みもない純粋に円筒形の対向ローラー28とを含むことが好ましい。付与ローラー27,28のこの構造により、得られる整合マーク26は圧搾線、すなわち包装材料ウェブ3の一方の面に対してのみ圧搾された線として形成される。
【0045】
これに替えて整合マーク26は、印刷ステーション8で使用されるような通常の印刷技術を使用して、または折り目形成ステーション9で使用されているような雄雌式折り目形成ローラーによって得ることができる。
【0046】
図3の実施例では、整合マーク26は包装材料ウェブ3の繰返し長さの底部コーナーの一方に位置され、2組の平行で、ウェブ給送方向すなわち通路Pに沿う方向から互いに対して偏倚している2つの十文字を形成する4本の斜線を含む。
【0047】
次の処理ステーションは、固定点から少なくとも直角な2方向へ移動できる制御可能なレーザービームによって包装材料ウェブ3を局部的に蒸発させることでそのウェブに対する切断、穿孔、折り目形成または切れ目形成作業のような構造変更作業を遂行するためのレーザーステーション11である。
【0048】
レーザーステーション11で遂行される作業は、包装材料ウェブ3に対する繰返しのレーザーパターン(図示せず)を形成することであり、繰返して現れる整合マーク26の位置をセンサー31により検出することで発生される同期パルスを基準にして作動される。
【0049】
さらに詳しくは、レーザーステーション11は、センサー31で検出された整合マーク26の位置、さらに増分シャフトエンコーダ23で検出された包装材料ウェブ3の速度の関数として制御ユニット24により制御される。
【0050】
レーザーステーション11はレーザービームを発生するレーザー源32と、望まれるパターンを形成するように少なくとも直角な2方向にレーザービームを偏向させるための可動ミラーおよびレンズを含むスキャナー33(これ自体はこの分野でよく知られている)とを基本的に含んでいる。
【0051】
さらに、局部的な蒸発によって生じる煙霧を吸引する煙霧排出ユニット34が包装材料ウェブ3の処理面積部分に隣接して示されている。
【0052】
プラント1は1つ以上の他の処理ステーション、例えば包装材料ウェブ3に繰返し模様パターン35を印刷する他の印刷ステーション(それ自体は公知なので示していない)、および包装材料ウェブ3の片面または両面に熱可塑性層を形成し、さらにまた必要な場合にアルミニュウム箔層のような気体および光の遮断層を付与する積層装置(それ自体は公知なので示していない)を含むことができる。これらの作業に対しても整合マーク26は参照手段として使用される。
【0053】
図示していない可能な代替例によれば、繰返し模様パターン35を印刷する印刷ステーションは整合マーク13を印刷する印刷ステーション8と関連させて最初のステーションとして配置することもできる。
【0054】
上述に照らして、プラント1で遂行される包装材料ウェブ3の製造工程は以下の段階を含む。すなわち、
包装材料ウェブ3に対する印刷整合マーク13の形成、
整合マーク13の位置の関数として折曲げまたは折畳み線19,20,21による繰返し現れる折り目パターン18の付与、
折曲げまたは折畳み線19,20,21による繰返し現れる折り目パターン18の付与段階と同期した包装材料ウェブ3に対する整合マーク26の付与、および、
整合マーク26の検出により発生される同期パルスに基づく包装材料ウェブ3に対するレーザー作業、模様印刷作業および積層のような順次の作業の遂行である。
【0055】
包装材料ウェブ3は、その後、図2に概略的に示されている無菌パッケージ5を形成するための成形/充填機械4で使用される。特に、包装材料ウェブ3はリール2から繰出され、通路Pに沿って殺菌を行う無菌室(図示せず)を通り、円筒形となるように公知の方法で順次折曲げてシールして通路Pと同軸な軸線Aおよびその軸線と平行な長手方向シーム43を有する連続した垂直方向に配向されたチューブ42に形成する組立体39(図2に概略的に示され、例えばEP−A−1116659に詳細に記載されており、その記載内容は本明細書の記載として援用される)を通して送られる。
【0056】
要約すれば、組立体39は、通路Pの垂直部分に沿って連続的に配置されたユニットであって、それぞれのユニットが通路Pの垂直部分に直角な軸線を有して包装材料ウェブ3を強制する通路を形成し、ウェブの断面を開いたC字形から実質的に円形に順次変化させる折曲げローラーによって構成されている多数の成形ユニット40(簡明化のために、そのうちの2つのみを図2に開示している)を含む。
【0057】
図2に示されるように、成形ユニット40の1つは、軸線Aに対するチューブ42の角度位置を調整するために作動装置41によって軸線の回りに角度移動できる。
【0058】
包装材料チューブ42は、その後、公知の充填装置44によって流動食品を連続的に充填された後、成形および横方向シールステーション45(図2に概略的に示され、例えばその記載内容のすべてが本明細書で援用されるEP−A−1325868に詳細に記載されている)へ送られ、そこで対を成すジョー(図示せず)の間にグリップされて横方向にチューブがシールされ、枕形パック46に形成される。
【0059】
枕形パック46は、その後、パック間の知る部分を切断して切離され、最終成形ステーション47へ送られ、そこで完成パッケージ5を形成するように機械的に折曲げられる。
【0060】
パッケージ5は折曲げまたは折畳み線19,20,21に沿って材料を折曲げること、および間隔Rにて材料に配置された整合マーク26を「読取る」センサー48によって材料の給送およびチューブ42の軸線Aに対する角度位置(より正確には、チューブ42の長手方向シーム43の角度位置)を制御することで得られる。
【0061】
さらに詳しくは、制御ユニット49がセンサー48からの位置信号を受取り、公知の方法で作動装置41によって軸線Aの回りにチューブ42を正確に位置決めするための組立体39用の第1の制御信号と、包装材料の各々の繰返し長さ(すなわち、レーザーステーション11で形成された折曲げまたは折畳み線19,20,21の各々のパターン、および各々の模様パターン)をグリップ/シールジョーに対して正確に位置決めするための成形および横方向シールステーション45用の第2の制御信号と、折曲げまたは折畳み線19,20,21に沿って枕形パック46を正確に折曲げるための最終成形ステーション47用の第3の制御信号を少なくとも発生させる。
【0062】
上述の観点から、本発明は、図1〜図4を参照して説明し図示したように、従来技術に勝る以下の利点を達成できる。
【0063】
各整合マーク26は折曲げまたは折畳み線19,20,21の対応するパターン18と完全に整合し、これは両方に適用されるそれぞれの作業が互いに同期するからである。その上、変換プラント1における、また同様に包装機械4おける連続した下流側の作業は整合マーク26の検出位置の関数として制御されるので、各整合マーク13と対応する折り目パターン18との間の公差は包装材料ウェブ3およびパッケージ5の製造に対して影響を全く与えない。
【0064】
さらに、本発明による工程は、実際に極めて困難で、極めて複雑且つ高価なセンサーを否応なく要求する折曲げまたは折畳み線の読取りを必要とせずに、容易に検出できる参照手段(整合マーク26)の使用を可能にする。これは、包装材料の長手方向および横方向位置、およびその速度を完全に確立するために「外的」参照指標または補助指標を要求することなく、折曲げまたは折畳み線とは違って整合マーク26を容易に読取ることのできるチューブ給送式の包装機械で遂行する作業の場合には、特に有利となる。
【0065】
特に、包装機械4では、例えば整合マーク26は、成形および横方向シールステーション45のグリップ/シールジョーに対する包装材料の各繰返し長さの垂直方向の位置修正(模様修正)、および軸線Aに対する包装材料チューブ42の角度位置修正(チューブの捩じれ修正)を可能にするための参照手段として使用できる。
【0066】
さらに、本発明による工程は、包装材料が連続して機械的に折曲げられてパッケージ5に形成される折曲げまたは折畳み線19,20,21においても完全な印刷を得るために、予め印刷した材料に折り目を形成する概念を保持している。
【0067】
最後に、本発明の工程は、順次の作業の全てにおいて使用される参照手段を形成するさまざまな技術(整合マーク26)および指標を読取るさまざまな技術の使用を可能にすることにより高い融通性を保持している。
【0068】
図5および図6は、変換プラント、および包装材料ウェブ3に対する折り目パターン18の付与に続く作業において参照指標として使用される整合マーク、の可能な異なる構造にそれぞれ関係するものである。変換プラントおよび整合マークのこのような構造は、以下にそれぞれ符号1′および符号26’ で示され、変換プラント1および整合マーク26と異なるところのみ説明される。既に説明した構成要素と同じまたは同等の構成要素を示すために可能な場合は同じ符号を使用する。
【0069】
特に、変換プラント1’では、折り目形成ステーション9に至る前に包装材料ウェブ3は追加の印刷ステーション50へ送られ、そのステーションでは、折り目パターン18の部分がその後に付与される位置に、ウェブ3の透明または単色の面積部分51(図6)が感光インクにより印刷される。
【0070】
図示していない可能な代替例によれば、この作業は繰返し模様パターン35を印刷する作業および(または)整合マーク13を印刷する作業と関連して遂行できる。
【0071】
包装材料ウェブ3が折り目形成ステーション9で折目を形成された後、印刷された面積部分51に位置する折り目パターン18がレーザー源または他の光源を使用する照射装置52で照射される。このようにして、印刷された面積部分51に位置する折り目パターン18の部分は活性化され、例えば変色され、また、センサー31で容易に検出できる。
【0072】
印刷された面積部分51の活性化部分は新たな整合マーク26’を形成し、以降の作業の遂行のために参照指標として使用される。
【0073】
また、この例では、整合マーク26’は折り目パターン18を付与する段階と同期して必然的に得られる。
【0074】
さらに、整合マーク26’は折り目パターン18から明確に異なる参照要素を形成する。換言すれば、整合マーク26’は複雑なセンサーを使用することなく折り目パターン18の残る部分から容易に識別できる。
【0075】
図示していない可能な代替例によれば、印刷ステーション50は感圧インクでウェブ3の面積部分51を印刷するのに使用できる。この場合、インクの活性化は印刷された面積部分51に対する折り目パターン18の付与の結果として遂行され、したがって照射装置52は必要ない。
【0076】
図5および図6を参照して示した実施例、および上述の代替例は以下の利点を達成できる。
【0077】
同様にこの例では、図1〜図4の実施例に関する部分で示したように、各整合マーク26’は、折り目パターン18の一部の形状で定められた折曲げまたは折畳み線19,20,21の対応する折り目パターン18と完全に整合される。
【0078】
折曲げまたは折畳み線とは異なり、インクで活性化された整合マーク26’の検出には、印刷されたマークの検出のための光ダイオードのような通常のセンサーのみ必要とされる。これは、整合マーク26’が容易に検出できるチューブ給送式包装機械で遂行される作業の場合に特に有利である。
【0079】
しかしながら、特許請求の範囲で定めた保護範囲から逸脱することなく、本明細書に記載し図示したような工程および包装設備に対してさらに他の変形を行うことができる。
【符号の説明】
【0080】
1,1’ 変換プラント
2,7 リール
3 包装材料ウェブ
4 成形/充填機械
5 パッケージ
6 繰出し装置
8 印刷ステーション
9 折り目形成ステーション
10 付与ステーション
11 レーザーステーション
12 巻取り装置
13,26,26’ 整合マーク
14,15,27,28 ローラー
18 折り目パターン
19,20,21 折曲げまたは折畳み線
22,31,48 センサー
23 増分シャフトエンコーダ
24 制御ユニット
29 突出リブ
30 歯車伝達機構
32 レーザー源
33 スキャナー
34 煙霧排出ユニット
35 繰返し模様パターン
39 組立体
40 成形ユニット
41 作動装置
42 包装材料チューブ
43 長手方向シーム
44 充填装置
45 成形および横方向シールステーション
46 枕形パック
47 最終成形ステーション
49 制御ユニット
50 印刷ステーション
51 面積部分
52 照射装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の通路(P)に沿って移動する包装材料ウェブ(3)から流動食品を収容した密封パッケージ(5)を製造する方法であり、
前記包装材料ウェブ(3)に印刷された整合マーク(13)を備える段階と、
前記印刷された整合マーク(13)の位置の関数として、前記包装材料ウェブ(3)に対して折曲げまたは折畳み線(19,20,21)の繰返し現れるパターン(18)を付与する段階とを含む前記方法であって、
折曲げまたは折畳み線(19,20,21)の繰返し現れるパターン(18)を付与する前記段階と同期して、前記包装材料ウェブ(3)に折曲げまたは折畳み線(19,20,21)の前記パターン(18)とは別個の新たな参照手段(26,26’)を形成する段階と、
前記新たな参照手段(26,26’)の検出により発生される同期パルスに基づいて前記包装材料ウェブ(3)に対して1つ以上の順次の作業を遂行する段階とをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記新たな参照手段(26,26’)を形成する前記段階が、
感圧または感光インクで前記包装材料ウェブ(3)の面積部分(51)を印刷する段階と、
前記印刷された面積部分(51)に位置する折曲げまたは折畳み線(19,20,21)の前記パターン(18)の部分の前記インクを活性化させる段階とを含んでいる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
感圧インクが使用され、また、印刷された面積部分(51)に対して折曲げまたは折畳み線(19,20,21)を付与する結果として前記インクの活性化が遂行される請求項2に記載の方法。
【請求項4】
感光インクが使用され、また、印刷された面積部分(51)に位置する折曲げまたは折畳み線(19,20,21)のパターン(18)の部分を照射することで前記インクの活性化が遂行される請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記包装材料ウェブ(3)に対する折曲げまたは折畳み線(19,20,21)のパターン(18)の付与が最初の作業手段(14,15)により遂行され、また、前記新たな参照手段(26)が第2の作業手段(27,28)により前記最初の作業手段(14,15)と同期して前記包装材料ウェブ(3)に対して付与される請求項1に記載された方法。
【請求項6】
前記順次の作業が、固定点から直角な少なくとも2方向へ移動可能な少なくとも1つの制御可能なレーザービームによる局部的な蒸発で前記包装材料ウェブ(3)に対して行われる切断、穿孔、パターンの折り目または切れ目形成の少なくとも1つの作業を含む請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載された方法。
【請求項7】
前記順次の作業が前記包装材料ウェブ(3)を円筒とする順次の折曲げ作業、および前記流動食品を連続して充填される垂直チューブ(42)に形成するための長手方向のシール作業を含み、また、前記円筒とする折曲げ作業および長手方向のシール作業の間のチューブ軸線Aに対するチューブの捩じれが前記新たな参照手段(26,26’)の検出位置の関数として制御される請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載された方法。
【請求項8】
前記順次の作業が横方向部分に沿う前記包装材料チューブ(42)のグリップ作業、シール作業、および枕形パック(46)を形成するための切断作業を含み、また、前記グリップ、シールおよび切断作業時に材料給送が前記新たな参照手段(26,26’)の検出位置の関数として制御される請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載された方法。
【請求項9】
前記順次の作業が、前記折曲げまたは折畳み線(19,20,21)に沿って、また前記新たな参照手段(26,26’)の検出位置の関数として行われる前記枕形パック(46)のさらなる折曲げ作業を含む請求項8に記載された方法。
【請求項10】
前記新たな参照手段(26)の付与が前記包装材料ウェブ(3)の少なくとも片側に対して所定のパターンを圧縮することで遂行される請求項5から請求項9までのいずれか一項に記載された方法。
【請求項11】
所定の通路(P)に沿って移動する包装材料ウェブ(3)から流動食品を収容した密封パッケージ(5)を製造する包装設備であり、
前記包装材料ウェブ(3)に印刷された整合マーク(13)を備える印刷ステーション(8)と、
前記印刷された整合マーク(13)の位置の関数として、前記包装材料ウェブ(3)に対して折曲げまたは折畳み線(19,20,21)のパターン(18)を付与する折り目形成ステーション(9)とを含む前記包装設備であって、
折曲げまたは折畳み線(19,20,21)の前記パターン(18)の付与と同期して、前記包装材料ウェブ(3)に折曲げまたは折畳み線(19,20,21)の前記パターン(18)とは別個の新たな参照手段(26,26’)を形成する手段(50,52,9;10)と、
前記新たな参照手段(26,26’)の検出により発生される同期パルスに基づいて前記包装材料ウェブ(3)に対する1つ以上の順次の作業を遂行する制御手段(24,49)とをさらに含むことを特徴とする包装設備。
【請求項12】
前記形成手段が感圧または感光インクで前記包装材料ウェブ(3)の面積部分(51)を印刷するステーション(50)と、前記印刷された面積部分(51)に位置する折曲げまたは折畳み線(19,20,21)の前記パターン(18)の部分の前記インクを活性化させる手段(52,9)とを含んでいる請求項11に記載された包装設備。
【請求項13】
感圧インクが使用され、また、インクを活性化させる前記手段が前記折り目形成ステーション(9)と定められる請求項12に記載された包装設備。
【請求項14】
感光インクが使用され、また、インクを活性化させる前記手段が、印刷された面積部分(51)に位置する折曲げまたは折畳み線(19,20,21)のパターン(18)の部分に作用する照射手段(52)と定められる請求項12に記載された包装設備。
【請求項15】
前記折り目形成ステーション(9)が前記包装材料ウェブ(3)に対して折曲げまたは折畳み線(19,20,21)の前記パターン(18)を付与する最初の作動手段(14,15)を含み、また、前記形成装置(10)が前記新たな参照手段(26)を付与する第2の作動手段(27,28)を含んでおり、さらに前記最初の作動手段(14,15)を第2の作動手段(27,28)と同期させる同期手段(30)を含んでいる前記請求項11に記載された包装設備。
【請求項16】
前記同期手段が前記第1および第2の作動手段(14,15,27,28)を連結する手段(30)を含む請求項15に記載された包装設備。
【請求項17】
前記連結手段が歯車伝達機構(30)を含む請求項16に記載された包装設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−506806(P2010−506806A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532811(P2009−532811)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際出願番号】PCT/EP2007/061172
【国際公開番号】WO2008/046896
【国際公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)
【Fターム(参考)】