説明

流路を実質的に気密的に遮断するための弁

【課題】流路を気密的に遮断する弁があるが、摩耗による外部漏れ、複数の作動部材のため、メンテナンスが困難であった。耐摩耗性に優れ、メンテナンスが容易な弁を提供する。
【解決手段】弁体8は、外側弁体部9および内側弁体部11を有す。内側弁体部は、外側弁体部に対して相対的に直線的に移動可能であり、閉鎖設定において弁体への圧力差により、内側弁体部は、弁筺体に押し付けられ、外側弁体に対する差圧力は無くなる。弁座5は、放射状に内側を向いた第1内面14を有し、外側弁体部は、放射状に外側を向いた第1外面15を有する。第1外面は、閉鎖設定において、放射状に封止する接触が第1内面との間に存在する配置となる。外側弁体部は、放射状に内側を向いた第2内面16を有し、内側弁体部は、放射状に外側を向いた第2外面17を有する。第2外面は、放射状に封止する接触が第2内面との間に存在する配置となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の冒頭部分に記載の、流路を実質的に気密的に遮断するための弁に関する。そのような弁、特にシャトル弁またはスライド弁式の弁は、特に真空技術において使用される。
【0002】
請求項1の冒頭部分に記載の弁は、最も近い先行技術と考えられるUS 2007/0138424(Geiser)から公知である。
【0003】
序文で述べたような種類の弁は、先行技術から様々な態様で知られており、特に、IC、半導体または基板製造の分野における真空チャンバーシステムで使用されている。これらの製造は、汚染粒子が存在しない可能な限り防護された雰囲気中で行われなければならない。そのような真空チャンバーシステムは、特に、機械加工または製造対象の半導体素子または基板を収容するように設計された少なくとも一つの排気可能な真空チャンバーを含む。この真空チャンバーは、半導体素子または他の基板が、そこを通って真空チャンバー内に搬入または外に搬出されることが可能な少なくとも一つの真空チャンバー開口部を有し、さらに、真空チャンバーを排気するための少なくとも一つの真空ポンプを含む。例えば、半導体ウエハーまたは液晶基板の製造プラントにおいて、非常に繊細な半導体または液晶素子は、複数のプロセス真空チャンバーに順次通され、プロセス真空チャンバー内に置かれた部品は、各機械加工装置によって機械加工される。上記プロセス真空チャンバー内での機械加工プロセス、およびチャンバー間の運搬の際は、非常に繊細である半導体素子または基板は、常に防護された雰囲気中、特に無気環境中になくてはならない。
【0004】
この目的のため、一方では、吸気口または排気口の開閉用の外周弁(peripheral valves)が使用され、他方では、部品の導入および取り出しのための真空チャンバーの切換開口部の開閉用の切換弁が使用されている。
【0005】
半導体部品が通過する真空弁は、上記利用分野およびそれに関連する寸法から真空切換弁とよばれ、その矩形開口断面から直角弁ともよばれ、その通常の作用方法からスライド弁、直角スライド弁または切換スライド弁ともよばれる。
【0006】
外周弁は、特に、真空チャンバーと真空ポンプまたは別の真空チャンバーとの間の気流を制御または調節するために使用される。例えば、外周弁は、プロセス真空チャンバーまたは切換チャンバーと、真空ポンプ、大気または別のプロセス真空チャンバーとの間のパイプシステム内に見られる。ポンプ弁ともいわれるそのような弁の開口断面は、通常、真空切換弁における開口断面よりも小さい。外周弁は、利用分野に応じて、開口部を全開または全閉して使用されるだけでなく、開口断面を全開設定と気密閉鎖設定との間で連続的に調整することにより流速を制御または調節するためにも使用されることから、これらの弁は、調節弁ともよばれる。気流を制御または調節するための外周弁の一つにシャトル弁がある。
【0007】
代表的なシャトル弁において、例えば、US 6,089,537(Olmsted)から公知のように、第1工程で、実質的に円形の弁体が、実質的に同様な円形の開口部を通って回転旋回し、開口部が開放された設定から開口部が覆われた中間設定へと旋回する。スライド弁の場合、例えば、US 6,416,037(Geiser)またはUS 6,056,266(Blecha)に記載されているように、弁体は、開口部と同様に通常矩形状であり、この第1工程において、開口部が開放された設定から開口部が覆われた中間設定へと、直線的に摺動される。この中間設定において、シャトルまたはスライド弁の弁体は、開口部を取り囲む弁座と遠隔して対向している。第2工程において、弁体と弁座との間の距離が狭められ、弁体と弁座とが互いに均一に押圧されて、開口部が実質的に気密的に閉鎖される。この第2動作は、好ましくは弁座に対して実質的に垂直な方向で行われる。上記封止は、例えば、弁体の閉鎖側に設置されるリングであって、開口部周辺に延在する弁座上に押圧されるシールリング、または、弁座上のリングであって、弁体の閉鎖側が押圧されるシールリングを介して達成することができる。上記2工程の閉鎖操作の結果、第2工程での弁体の動きが実質的に弁座に対して垂直に直線的に起こるため、弁体と弁座との間のシールリングは、シールリングを破壊する可能性のあるせん断力をほとんど受けない。
【0008】
先行技術より、開口部全体にわたる弁体の平行方向の動作、すなわち、シャトル弁の場合は平行回転動作、スライド弁の場合は平行並進動作と、開口部に対して実質的に垂直な並進動作との組み合わせを得るための異なる駆動システムが、例えば、シャトル弁についてはUS 6,089,537(Olmsted)、およびスライド弁についてはUS 6,416,037(Geiser)から知られている。
【0009】
弁体の弁座上への押圧は、所望の気密性が全圧力範囲で確実に得られ、かつ、シール媒体、特に、O−リング形状のシールリングが過度の圧力負荷により破損することが回避されるように行わなければならない。このことを確実にするために、公知の弁では、弁体の二つの側の間に存在する圧力差によって制御される、弁体の接触圧力の調節が行われる。しかしながら、特に、大きな圧力変動、または低圧から高圧への変化もしくは逆の変化の場合、必ずしもシールリング周囲の全体に沿って均一に力を分配することはできない。一般に、弁に存在する圧力に由来する支持力からシールリングを切り離す努力がなされている。US 6,629,682(Duelli)では、この目的のために、シール媒体を有する真空弁が提案されている。この真空弁は、シールリングおよび隣接する支持リングから構成され、シールリングが実質的に支持力から解放されている。
【0010】
必要に応じて高圧下および低圧下の両方で要求される気密性を達成するために、上記第2動作工程に加えて、またはそれに代えて、公知のシャトル弁またはスライド弁の一部では、弁体に対して垂直移動が可能で、開口部を取り囲む弁リングであり、弁を気密的に閉鎖するために弁体に押圧される弁リングが提供される。弁体に対して能動的に移動可能な弁リングを有するそのような弁は、例えば、DE 1 264 191 B1、DE 34 47 008 C2、US 3,145,969(von Zweck)およびDE 77 31 993 Uから公知である。US 5,577,707(Brida)は、開口部を有する弁筺体を含み、さらにその開口部を通る流速を制御するために開口部全体にわたって平行旋回することが可能な弁体を含むシャトル弁を記載している。上記開口部を囲む弁リングは、複数のバネおよび圧縮空気シリンダーにより、弁体の方向に能動的に垂直移動することが可能である。このシャトル弁において考えられる改良が、US 2005/0067603 A1(Lucasら)に提案されている。
【0011】
US 6,561,483(Nakagawa)およびUS 6,561,484(Nakagawaら)は、分割弁体を含む真空弁を、異なる実施形態で開示している。軸方向シール部材を搭載する第1弁体部は、開口部を有している。第2弁体部は、伸縮体によって第1弁体部に接続されている。第1および第2弁体部の間にはアクチュエータが設置され、これら二つの弁体部を能動的に互いに近接または離反して動かすことができる。上記伸縮体は、ベローズとして構成されている。アクチュエータによって第1弁体部を弁座に押圧することができ、軸方向に封止する接触が得られる。ここで、第2弁体部は、特に、弁座側に高圧が存在する場合、必要に応じて、対向する弁筺体側で支持される。記載されている真空弁は、特に、部品の数が多く、第2弁体部から第1弁体部を封止するためにベローズを使用する必要があること、ならびに、場合によっては、ベローズ内の独立した駆動部のために、弁の構造が比較的複雑である。さらに、記載されている弁は、メンテナンスが困難であり、埃により汚染されやすい。さらに、軸方向シール部材は、弁に存在する差圧力から完全には解放されておらず、軸方向の接触押圧力がある程度変動する。これにより、特に、軸方向シール部材の接触圧力が低すぎる場合、軸方向シール部材の摩耗が増加し、あるいは漏れが生じる可能性がある。
【0012】
能動的に調整可能な弁リングを有するそのような弁の他の問題点は、弁構造が比較的複雑で組付スペースが集中していること、複雑な接触押圧力の制御が必要であること、および流路に複数の作動部品が存在し、弁のメンテナンスおよびクリーニングがより困難となることである。
【0013】
特に、シャトルおよびスライド弁は、長い製造プラントにおいてプロセスチャンバーと真空ポンプとの間で利用される分野であるため、例えば、部品またはガスの運搬経路を短く維持して内部ガスの全体積を小さく維持するため、さらに製造プラントの個々の構成要素を可能な限り互いに接近させて配置して、それにより製造プラントの建設をコンパクトにするために、開口部から開口部への距離に関して可能な限り平坦な弁構造とすることが必要とされる。弁、特に、能動的に調整可能な弁リングまたは弁体部を有する弁では、この多様な用途への要求は、不十分にしか満たされない。
【0014】
流路を実質的に気密的に遮断するための弁、特に、シャトルまたはスライド弁は、US 2007/0138424(Geiser)およびUS 2007/0138425(Geiser)から公知である。上記弁は、第1開口部および第1弁座を有する第1壁部を有する弁筺体、シールリングを含む閉鎖側を有する弁体、および少なくとも一つの駆動部を含む。弁体は、駆動部により、開放位置から、第1弁座に対して実質的に平行に旋回可能または移動可能であり、弁体と第1弁座との間の垂直距離は、シールリングと第1弁座との間の軸方向に封止する接触により、閉鎖位置での流路が実質的に気密的に遮断されるように狭めることが可能である。弁体は、その後側に星形支柱機構が設置された外側弁体部を含み、この支柱機構は、第1開口部の中央軸の近傍に位置する中央領域において外側弁体部を、駆動部に接続されたアームに接続する。弁体は、シールリングを、第1弁座に対して垂直に固定している。さらに、弁体は、外周面を有する内側弁体部を有している。内側弁体部は、外側弁体部に対して、第1弁座と実質的に垂直な方向に可動となるように取り付けられている。外周面は、実質的に気密な内部封止が形成されるようにシールリングによって囲まれている。よって、シールリングは、二つの封止機能を果たす。一方では、シールリングは、内側弁体部および外側弁体部の間の接合部を放射状方向に封止し、他方では、弁の閉鎖位置において、弁座に対して外側弁体部を軸方向に封止する。よって、閉鎖位置において、弁体での圧力差は、実質的に内側弁体部に作用し、内側弁体部は、外側弁体部から垂直方向に切り離されて、弁筺体の一部、特に、第1弁座または側溝に支持される。この弁の利点の一つは、軸方向および放射状方向のシール部材としての二重機能を有する単一シール部材のみを使用することにある。問題点は、弁の構造が比較的複雑であり、軸方向の封止を確実にするために弁座上のシール部材に特定の軸方向の接触押圧力が必要であることにある。このため、傾くのを避けるために中央部分を通してアームに接続された後部支柱機構により、外側弁体部を比較的強固に作らなければならない。
【0015】
したがって、本発明は、上記問題を解決すること、および可能な限り簡素でコンパクトに作られ、双方向に作用する高圧負荷に耐えることができ、大きい差圧および圧力変動に際してもシール部材の摩耗が低い特徴を有する、序文で述べた種類の弁を提供することを目的とする。
【0016】
上記目的は、独立請求項の特徴を実現することにより達成される。本発明を代替的または有利な形で改良する特徴は、従属請求項から得ることができる。
【発明の概要】
【0017】
本発明は、外側弁体部および内側弁体部を有する少なくとも二部型の弁体を提供すること、および上記二つの弁体部を、それらが放射状シール部材を形成するように設計することに基づいている。外側弁体部は、放射状に作用するメインシール部材を介して、弁筺体の弁座に接触することができる。そのような放射状方向のシール部材は、実質的に軸方向の支持をせず、他の要素で軸方向の支持をしなければならないが、そのことにより軸方向の力はシール部材に作用せず、それによりシール部材は保護される。外側弁体部内に設置される内側弁体部は、外側弁体部に対して軸方向に封止的、特に気密的に可動であるように取り付けられ、ここで、放射状方向に作用する二次的シール部材が弁体部間に設けられる。弁の閉鎖設定において、弁体での圧力差は、実質的に可動内側弁体部に作用し、内側弁体部は、実質的に外側弁体部から切り離されて、直接または間接的に弁筺体上に支持される。作用する差圧力に対して垂直方向に放射状に封止する二つの放射状方向のシール部材を使用することにより、放射状方向の両シール部材は、存在する差圧によるストレスを受けない状態を保ち、それによりシール部材の寿命が増加する。さらに、存在する差圧、または接触押圧力も、弁体の駆動装置に作用せず、駆動装置または駆動装置と外側弁体部との間の接続部分は、強い力に曝されない。このことにより、弁を、構成部品が比較的少ない、コンパクトで簡素な構造にすることが可能である。
【0018】
流路を実質的に気密的に遮断するための本発明による弁は、第1壁部を有する弁筺体を含み、この壁部は、流路用の第1開口部を有する。第1開口部は、幾何学的開口軸、および第1開口部を囲む弁座を有している。換言すれば、弁座は、第1開口部を取り囲んでいる。第1開口部および弁座は、弁筺体の第1の側に配置されている。例えば、第1の側は、真空チャンバーを排気するための真空ポンプが接続される側であり、一方、弁筺体の第2の側は、その真空チャンバーに通じている。勿論、他の応用や配置も可能である。例えば、第1開口部は、円形もしくは楕円形断面、または角丸の矩形断面を有している。幾何学的開口軸は、特に、第1開口部の中心軸であり、例えば、開口部の長手方向の進路、開口部上に設置される接続部の進路、弁筺体に存在し得る第2開口部へ続く接続線、または弁座の表面領域によって定義される。弁座とは、一般的な機能表現として、封止面として機能し、さらに、別の封止面として機能する面がその面上に静止することができる第1壁部の一部と理解されるべきである。また、弁筺体は、壁部のみによって形成されていてもよい。流路は、ガス状または液状媒体が第1開口部、必要に応じて第2開口部、および弁を通過する、遮断可能な通常の流路である。
【0019】
さらに、弁は、第1開口部を閉鎖および再開放することができる弁体を含む。弁体は、例えば、円形、楕円形または矩形断面を有している。弁体の寸法は、第1開口部およびその弁座上に弁体を重ねて装着することにより、第1開口部を閉鎖することを可能にする。弁体は、少なくとも二つの部からなる構成であり、二つの構成要素、すなわち、外側弁体部および内側弁体部に分割され、これらは、移動範囲内において互いに対して軸方向に移動可能である。
【0020】
本発明の範囲において、放射状方向および軸方向、ならびに封止効果と記載する場合、これらの用語は、一般に、幾何学的開口軸に対して実質的に垂直な方向もしくはそれを横断する方向、または開口軸に対して実質的に平行な方向を意味する。実質的に、その面に対して開口軸が幾何学的垂線を形成する面上にある全ての方向または直線は、たとえそれらが直接開口軸を向いていない、もしくは開口軸から離れる方向を向いていない、または開口軸と交差せずに、例えば、開口軸に対して横に逸れて走っているとしても、放射状方向または直線と解釈されるべきである。それに対して、開口軸に対して実質的に平行に走る全ての方向または直線は、軸方向または直線と解釈されるべきである。よって、“放射状”という用語は、開口部または弁体の、それぞれの部分を含む円形断面だけでなく、他の断面、例えば、矩形断面のことも指す。後者の場合、放射状とは、例えば、開口軸に対して垂直に、またはそれを横断して内側から外側へ向かう、またはそれとは逆に向かう方向と理解されるべきであり、軸方向とは、開口軸に対して実質的に平行なあらゆる方向と理解されるべきである。可動な構成要素、特に弁体の場合、軸および放射状方向は、弁の閉鎖状態に関する。
【0021】
外側弁体部は、特に、環状またはフレーム状に構成され、塞閉構成の内側弁体部を囲んで、または取り囲んでいる。塞閉弁体部とは、内側弁体部が、必要に応じて他の構成要素と共同して塞閉面を形成し、内側弁体部が、それを取り囲む外側弁体部と共同して閉鎖面を形成し、その閉鎖面により第1開口部を完全に覆い閉鎖することが可能であるものと理解されるべきである。
【0022】
内側弁体部は、格納設定と延出設定との間を、開口軸と平行な方向に、外側弁体部に対して直線的に外側弁体部内を移動可能であるように密閉的、特に、気密的に取り付けられる。換言すれば、内側弁体部は、格納および延出設定の間を外側弁体部に対して自由に移動可能であり、これらの設定において、また、これらの設定間において、内側弁体部および外側弁体部の間に気密的な接合が存在する。再度換言すれば、内側弁体部は、開口軸方向の特定の移動範囲内において、外側弁体部から切り離されている。格納設定とは、一般的な用語として、外側弁体部に対する内側弁体部の第1設定と理解されるべきであり、一方、延出設定とは、そのような相対的な第2設定と理解されるべきである。好ましくは、格納設定は、内側弁体部が、その軸方向の範囲において、外側弁体部によって周囲をほぼ全体にわたって囲まれている設定であり、一方、延出設定は、内側弁体部が、その軸方向の範囲において、外側弁体部によって部分的にのみ囲まれている設定である。
【0023】
外側弁体部は、放射状に内側を向き、開口軸に対して平行に延在する第2内面を有している。内側弁体部は、外側弁体部の第2内面と対応する面であり、放射状に外側を向き、開口軸に対して平行に延在する第2外面を有している。この第2外面およびこの第2内面は、介在する第2シール部材を介して放射状に封止する接触が、外側弁体部の第2内面と内側弁体部の第2外面との間に存在するように配置および構成されている。この放射状に封止する接触は、格納設定と延出設定との間の領域において確実になされる。これら二つの設定間の領域について通常言及する際、通常、これら二つの設定も共に含まれる。
【0024】
弁体部間を放射状に封止する第2シール部材は、特に、O−リングまたは加硫シール部材として構成されている。この第2シール部材は、内側弁体部の第2外面との間で放射状に外側から封止する接触を形成するために外側弁体部の第2内面上に設置することができ、または、外側弁体部の第2内面との間で放射状に内側から封止する接触を形成するために内側弁体部の第2外面上に配置される。しかしながら、このシール部材が単に機能に基づいて存在し、第2内面における第2外面の封止案内部により形成されることも可能である。
【0025】
第2シール部材は、重力を除いて内側弁体部に外部の力が作用していない状態、特に、弁での差圧の影響が無い状態において、内側弁体部が、弁の組立設定に応じて、その軸方向の各設定において外側弁体部内に保持されるように構成され、またそのように配置されている。換言すれば、第2シール部材は、外部からの機械的な影響または圧力の影響がない状態では内側弁体部がずれないような部材である。
【0026】
さらに、弁は、少なくとも一つの駆動装置を含み、この駆動装置は、外側弁体部に接続され、この外側弁体部および間接的に内側弁体部を横移動および縦移動の両方により調整することができる。横移動とは、一般的な用語として、開口軸に対して実質的に垂直な、またはそれを横断する移動、すなわち、実質的にその面に対して開口軸が幾何学的垂線を形成する面内での移動であり、一方、縦移動とは、開口軸に対して実質的に平行な移動であると理解されるべきである。
【0027】
一方では、駆動装置は、弁体が、開口軸を実質的に横断してなされる横移動によって開放設定と中間設定との間を旋回可能または移動可能なように構成されている。よって、この移動は、実質的に開口軸を横断する旋回移動、特に、円形軌道上の旋回移動、直線移動または他の移動であり得る。開放設定において、弁体は、第1開口部の隣に設置された保持部に置かれ、第1開口部および流路を開放する。この保持部は、弁筺体内の適当な部、特に、弁体のパーキング部、または、他のより抽象的な部とすることができる。中間設定において、弁体は、第1開口部上にわたって置かれ、第1開口部の開口断面を覆う。ここで、弁体は、弁座とは遠隔に対向して配置されている。換言すれば、中間設定において、弁体と弁座との間には開口軸の方向に距離が存在する。よって、中間設定において, 第1開口部は、弁体によって覆われているが、気密的に閉鎖されてはいない。
【0028】
他方では、駆動装置は、弁体が、開口軸に対して平行になされる縦移動によって中間設定と閉鎖設定との間を移動可能なように構成されている。閉鎖設定において、第1開口部を密閉的、特に気密的に閉鎖して流路を遮断する密接触が外側弁体部と弁座との間に存在する。換言すれば、弁体と弁座との間の垂直距離は、閉鎖設定において、外側弁体部と弁座との間に密接触が存在するように狭められ、第1開口部は、外側弁体部と塞閉表面の内側弁体部との間の密接合により、完全に密閉された状態で閉鎖される。よって、閉鎖設定において、弁体での圧力差は、実質的に可動内側弁体部に作用する。内側弁体部の可動性が制限されていないため、圧力差が存在する場合、内側弁体部は、移動する。弁および弁体は、内側弁体部が、外側弁体部から実質的に切り離されて、開口軸と平行な方向において弁筺体上に直接または間接的に支持されるように構成されている。よって、差圧力は、内側弁体部を介して実質的に弁筺体に作用し、外側弁体部および駆動装置は、実質的に差圧力によるストレスを受けない状態を保つ。
【0029】
さらに本発明では、弁座が第1内面を有し、この第1内面は、放射状に内側を向き、開口軸に対して平行に延在している。外側弁体部は、第1外面を有し、この第1外面は、放射状に外側を向き、開口軸に対して平行に延在している。この第1外面およびこの第1内面は、閉鎖設定において、介在する第1シール部材を介して放射状に封止する接触が第1内面と第1外面との間に存在するように配置および構成されている。外側弁体部と弁座との間に存在するこの放射状に封止する接触の結果、弁座の第1内面が外側弁体部の第1外面を囲んで、介在する第1シール部材が気密的な接合を形成するように外側弁体部の第1外面を弁座の第1内面内の領域に移動させることのみによって、気密閉鎖が実現される。よって、気密的な接触は、外側弁体部の第1外面が第1シール部材を介して弁座の第1内面内に配置されている限り確実に持続され、軸方向に僅かな相対的移動が起きても外側弁体部と弁座との間の気密的な接合は損なわれない。また、第1シール部材は、対応した密閉性を有する、第1内面における第1外面の案内部により機能的に形成されていてもよい。
【0030】
実質的な差圧力が外側弁体部に作用せず、高い接触圧力を弁座上に維持する必要もないため、駆動装置、および弁体の取り付け部材は、大きな力を吸収することはなく、それ相応の寸法とすることができる。特に、外側弁体部は、アームによって上記少なくとも一つの駆動装置に接続することができ、このアームは、閉鎖設定において、開口軸に沿って幾何学的に突出する第1開口部の開口断面の外にアームが来るように外側弁体部の側に配置され、またそのように開口軸に対して垂直に延在している。換言すれば、弁体の後部に設置され、第1開口部の中心軸近傍の中央領域において外側弁体部を駆動装置に接続する支柱機構、特に、先行技術において必要とされるような星形支柱機構を省略することができる。これは、駆動アームによって大きな力を吸収する必要がないためである。本発明では、駆動アームが外側弁体部の側に設置されるのみである。
【0031】
好ましくは、第1シール部材は、放射状に封止する接触を弁座の第1内面と形成するために、外側弁体部の第1外面上に固定される。このことは、弁が全開の時、第1シール部材が流れの領域の外にあり、よって、媒体により発生する汚染および弁中を流れる汚染からほぼ保護されるという利点を有する。しかしながら、上記に代えて、放射状に封止する接触を外側弁体部の外面の第1外面と形成するために、第1シール部材を弁座の第1内面上に固定することも可能である。第1シール部材を両方の部材上に配置することも可能である。第1シール部材は、特に、例えば溝中に保持されたO−リング、または加硫シール部材により形成される。
【0032】
本発明の一改良において、外側弁体部は、環状に構成され、内側弁体部は、塞閉円板、特に、円柱状胴表面形状の横側面を有する塞閉円板の形状を有し、その胴表面上に第2外面が設置される。好ましくは、この実施形態または一般的な実施形態において、第1内面と第1外面、および/または第2内面と第2外面は、幾何学的な円柱状胴表面である。もしくは、これらが開口軸に平行に延在する実質的に円柱状の胴表面形状であり、基線が、円形ではなく、楕円形、多角形または他の形を有することも可能である。特に、弁は、シャトル弁であり、駆動装置は、好ましくは、弁体が第1開口部の断面全体にわたって実質的に平行で開口軸に対して垂直な横移動によって旋回可能であるように構成されている。しかしながら、弁がスライド弁または切換弁、例えば、L−型の弁であることも可能である。
【0033】
図示するように、閉鎖設定において、弁体での圧力差は、実質的に可動内側弁体部に作用し、ここで内側弁体部は、実質的に外側弁体部から切り離されて、開口軸と平行な方向に、弁筺体上に直接または間接的に支持される。本発明の一改良において、内側弁体部は、一方向において、弁筺体上に外側弁体部を介して間接的に支持される。好ましくは、この目的のため、第1座面、特に、第1開口部を囲む第1座面が第1壁部に形成される。この第1座面および外側弁体部は、弁体の閉鎖設定において、外側弁体部が第1座面上に静止するように配置および構成されている。この目的のため、外側弁体部上に第1面が設けられ、この第1面は、中間設定において、第1座面とは遠隔に対向して置かれ、閉鎖設定において、第1の側の方向の第1座面上に静止する。第1壁部の第1座面および外側弁体部の第1面は、互いに対応する形状を有し、特に、これらは、それぞれ環形状を有する。一改良において、第1座面は、第1開口部における突起として構成され、この突起は、弁座の第1内面に隣接し、開口軸に対して実質的に垂直に延在する。この第1座面は、一方では、外側弁体部を定義される閉鎖設定に導くように駆動装置の移動を制限する部分としての機能を果たし、他方では、内側弁体部の間接支持面としての機能も追加的に果たすことができる。
【0034】
本発明の一改良では、第1の側および第1開口部の方向における内側弁体部の相対的直線移動度を制限するために、外側弁体部と内側弁体部との間に係止部が設けられる。この係止部は、閉鎖設定において第1開口部の第1の側が相対的に低い圧力の状態となる時に、内側弁体部が外側弁体部上に格納設定で静止するように配置される。例えば、係止部は、内側弁体部の肩部として構成され、この肩部は、第2外面から放射状に外側を向いて延在する。よって、相対的に低い圧力が第1開口部に付加される時、内側弁体部が係止部によって外側弁体部上に支持され、その結果今度は、外側弁体部がその第1面によって第1座面上に支持されることが可能である。駆動装置、駆動アームおよび二つのシール部材は、この場合、実質的にストレスを受けない状態を保つ。
【0035】
本発明の一改良によると、弁筺体は、第1の側と遠隔に対向して位置する第2の側に第2壁部を有する。この第2壁部において、流路用の第2開口部が、第1壁部および第1開口部と遠隔に、実質的に平行に対向して形成されている。この第2開口部は、第2開口軸を有し、この第2開口軸は、好ましくは、第1開口部の開口軸と対応する。第2壁部上には、第2座面が形成され、この第2座面は、特に、第2開口部を囲み、平行な距離を隔てて特に第1座面に対向して置かれる。第2座面および内側弁体部は、第2の側および第2開口部の方向における内側弁体部の相対的直線移動度を制限するために、閉鎖設定において第2開口部の第2の側が相対的に低い圧力の状態となる時に、内側弁体部が、第2の側の方向にある第2面を第2座面上に置いて延出設定で静止するように配置および構成されている。換言すれば、第2壁部上の第2座面および内側弁体部上の第2面の離間距離および位置は、弁体の閉鎖設定において第2開口部の第2の側が相対的に低い圧力の状態になるとほぼ同時に内側弁体部が第2の側の方向にある第2面を第2座面上に置いて支持されるような離間距離および位置である。内側弁体部が静止状態の時に第2座面上にあるこの設定は、内側弁体部の延出設定である。本発明で考えられる一実施形態において、内側弁体部の第2面は、第2外面から放射状に外側を向いて延在する肩部に設置される。特に、上記肩部は、内側弁体部の上記係止部としても機能する肩部である。
【0036】
半導体製造プロセスに使用される真空弁に求められる基本的な要求は、摩擦粒子の回避である。弁の利用分野によっては、弁の開閉時に金属−金属間の接触が起こらないことが根本的に重要である場合がある。したがって、弁体を中間設定と開放設定との間で横方向に調整する際に内側弁体部が第2壁部の第2座面に摩擦接触するのを防ぐために、中間設定から開放設定へと弁体を横方向に調整するのに先立って、延出設定において第2座面上に静止している内側弁体部を格納設定に戻さなければならない。このことは、例えば、内側弁体部および外側弁体部の間で作用し、無負荷状態にある内側弁体部を格納設定に保持するバネを使用することにより実現することができる。この種類のバネの配置は、最も近い先行技術から公知である。そのようなバネの配置の欠点は、弁体構造の複雑さがさらに増し、バネにより弁のクリーニングがより困難になるという事実にある。さらに、バネの使用により、粒子発生の恐れが増加する。したがって、バネの代わりに、内側弁体部および外側弁体部との間で作用し、格納設定の方向に力を及ぼす他の弾性作用要素を本発明に用いることができる。
【0037】
しかしながら、内側弁体部および外側弁体部の間にそのような弾性要素を全く使用しないことが好ましい。この目的のため、本発明では、特に、弁体を閉鎖設定から開放設定に調整するのに先立って、第1開口部の第1の側で弁に対して相対的に低い圧力を付加し、必要に応じて採用された延出設定から、または中間設定から、格納設定へと内側弁体部を移動させる。もしくは、第2の側において相対的に高い圧力を付加する。しかしながら、弁を開放するに先立って、そのような圧力比を作ることが不可能な場合、本発明では、弁筺体に案内部を設ける。この案内部は、弁体が中間設定から開放設定へと横方向に旋回する時に、内側弁体部が格納設定へと案内されるように弁筺体に配置される。
【0038】
本発明の好ましい有利な改良において、内側弁体部を格納設定へ戻すために駆動装置が使用される。この目的のため、上記少なくとも一つの駆動装置は、弁体が、横移動により開放設定と中間設定との間を旋回可能または移動可能であり、さらに、縦移動により中間設定、閉鎖設定および初期化設定の間を移動可能であるように構成されている。初期化設定において、第2壁部からの外側弁体部の距離は、内側弁体部がその第2面を第2座面上に置いて静止し、格納設定に押し込まれる、特に、完全に押し込まれるように狭められる。中間設定は、閉鎖設定と初期化設定との間の位置にあり、初期化設定は、第2の側、すなわち、第2開口部側にあり、閉鎖設定は、第1の側、すなわち、第1開口部側にある。
【0039】
無衝突開閉プロセスの自動化のため、本発明では、弁が制御システムを有する。この制御システムは、流路を気密的に遮断するために、駆動装置の横移動によって弁体を開放設定から中間設定へ調整可能であり、駆動装置の縦移動によって弁体を中間設定から閉鎖設定へ調整可能であるように構成され、またそのように駆動装置に接続、特に、制御接続されている。さらに、制御システムは、流路を完全に開放するために、駆動装置の縦移動によって弁体を閉鎖設定から初期化設定、引き続き中間設定へと調整可能であり、駆動装置の横移動によって弁体を中間設定から開放設定へ調整可能であるように構成され、またそのように駆動装置に接続、特に、制御接続されている。よって、弁を開放する前の時点では、内側弁体部は、格納設定と延出設定との間の任意の設定にあることができる。これは、弁体を閉鎖設定から初期化設定に調整することによって、内側弁体部が格納設定へと押し込まれる、特に、完全に押し込まれるためである。よって、内側弁体部と弁筺体、特に第2座面との間の摩擦接触または衝突、および結果として生じる粒子の発生が回避される。使用される駆動装置に応じて、電子的、電気的、機械的、空気圧、油圧または他の制御システムによって制御システムを構成することができ、ここで、適当な動力伝達装置も制御システムとして解釈されるべきである。特に、制御システムは、電気駆動装置と適切に電気信号接続された電子制御システムにより構成される。
【0040】
図面に概略を示す具体的な実施形態に基づいて、本発明による弁を、単に例として以下にさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、中間設定にある本発明による弁を示す斜視図である。
【図2】図2は、中間設定にある図1の弁を示す斜視断面図である。
【図3a】図3aは、内側弁体部が格納設定にある中間設定の図1の弁を示す側面断面図である。
【図3b】図3bは、内側弁体部が格納設定にある閉鎖設定の弁を示す側面断面図である。
【図3c】図3cは、内側弁体部が延出設定にある閉鎖設定の弁を示す側面断面図である。
【図3d】図3dは、内側弁体部が格納設定にある初期化設定の弁を示す側面断面図である。
【図4a】図4aは、図3aの詳細を示す図である。
【図4b】図4bは、図3bの詳細を示す図である。
【図4c】図4cは、図3cの詳細を示す図である。
【図4d】図4dは、図3dの詳細を示す図である。
【図5】図5は、内側弁体部が格納設定にある中間設定の弁の代替実施形態を示す詳細な側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1〜4dは、異なる状態にある本発明による弁の実施形態を、共同して、異なる視野および異なる詳細度で示す。よって、これらの図は、共同で記載され、先行する図中においてすでに説明された参照符号および特徴は、場合によっては、再度説明しない。
【0043】
図1〜4dは、本発明による弁の可能な一実施形態を、シャトル弁形状として示す。図2で矢印を用いて表される流路Fを実質的に気密的に遮断するための弁は、第1開口部3および対向する第2開口部7を有する弁筺体1を有している。開口部3および7は、共に円形断面を有する。図3b、3c、4bおよび4cに示す弁体8の閉鎖設定Cにおいて、二つの開口部3および7は、弁体8によって気密的に、互いから区切られている。一方、弁体8の開放設定Oにおいては、二つの開口部3および7は、互いに接続されている。弁体8の開放設定Oは、図1で曲線矢印を用いて示されている。
【0044】
弁筺体1は、特に、第1開口部3が形成される第1壁部2、および第1壁部2に平行して存在し、第2開口部7が形成される第2壁部6から構成される。第1壁部2は、弁筺体1の第1の側20に配置され、第2壁部6は、弁筺体1の第2の側21に配置される。第2壁部6は、図2〜4dに示すように、第1壁部2および第1開口部3と遠隔に、実質的に平行に対向した、流路Fを形成する第2開口部7を有している。
【0045】
開口部3および7は、共通の幾何学的直線状の開口軸4を有しており、その軸は、図1〜3dに示すように、円形開口部3および7の幾何学的中心点を通る。
【0046】
第1開口部3は、弁座5によって囲まれている。この弁座5は、第1内面14によって形成されており、この第1内面は、図2に示すように、放射状に内側を向き、開口軸4に対して平行に延在し、幾何学的な円柱状胴表面の形を有し、弁筺体1に形成されている。
【0047】
さらに、上記弁は、図2〜4dに示すように、環状外側弁体部9および塞閉円板形状の内側弁体部11を有する弁体8を有している。
【0048】
外側弁体部9は、第1外面15を有しており、この第1外面は、放射状に外側を向き、開口軸4に対して平行に延在し、幾何学的な円柱状胴表面の形を有している。この第1外面15は、弁座5の第1内面14に対応した形状を有しており、弁体8の外側弁体部9が閉鎖設定Cにある時に、第1シール部材10によって第1内面14と放射状に封止する接触が存在するように配置および構成されている。円形断面を有するO−リング形状をした第1シール部材10は、放射状に封止する接触を弁座5の第1内面14と形成するために、図2〜4dに示すように、外側弁体部9の第1外面15上で外側弁体部9の周囲にわたって延在する溝中に固定されている。
【0049】
内側弁体部11は、格納設定Aおよび延出設定Bの間で、外側弁体部9内を外側弁体部9に対して直線的に、開口軸3と平行な方向に可動であるように気密的に取り付けられている。この目的のため、環状外側弁体部9は、第2内面16を有しており、この第2内面は、放射状に内側を向き、開口軸4に対して平行に延在し、幾何学的な円柱状胴表面の形を有している。外側弁体部9の第2内面16および第1外面15は、互いに同心円状に延在する。円板形状の内側弁体部11は、第2外面17を有しており、この第2外面は、放射状に外側を向き、開口軸4に対して平行に延在し、第2内面16と対応し、同様に幾何学的な円柱状胴表面の形を有している。この第2外面17と第2内面16との間において、格納設定Aおよび延出設定Bの間で、介在する第2シール部材18を介して放射状に封止する接触が存在する。この第2シール部材18は、円形断面を有するO−リングとして構成されている。図1〜4dに示す実施形態において、第2シール部材18は、放射状に封止する接触を内側弁体部11の第2外面17と形成するために、外側弁体部9の第2内面16上の内溝に固定されている。
【0050】
それに対し、図5に示す代替実施形態は、第2シール部材18が、放射状に封止する接触を外側弁体部9の第2内面16と形成するために、内側弁体部11の第2外面17上の外溝に固定されている点において図1〜4dに示す実施形態と異なっている。
【0051】
外側弁体部9は、外側弁体部9の側面に配置された、開口軸4に対して垂直に延在するアーム28によって電気駆動装置12に接続されている。弁体8の閉鎖設定Cにおいて、このアーム28は、図1、2、3bおよび3cに見られるように、開口軸4に沿って突出する第1開口部3の開口断面の外に配置される。
【0052】
対応する動力伝達装置31の使用により、電気駆動装置12は、以下のように構成される。すなわち、図1に示すように、弁体8が、シャトル弁において通常そうであるように、駆動装置12の横移動x、すなわち、開口軸4を横断し、実質的に第1開口部3の断面全体にわたって平行であって、開口軸4に対して垂直である、旋回軸30を中心とした旋回動作の形態の移動によって開放設定Oと中間設定Iとの間を旋回可能であるように構成され、ならびに、図3a〜4dに示すように、開口軸4に対して平行な駆動装置12の縦移動yによって弁体8が直線的に移動可能であるように構成される。開放設定Oにおいて、弁体8は、第1開口部3の隣に設置された保持部13に配置され、第1開口部3および流路Fが開放される(図1を参照)。中間設定Iにおいて、図1、2、3aおよび4aに示すように、弁体8は、第1開口部3の全体にわたって配置され、第1開口部3の開口断面を覆う。閉鎖設定Cにおいて、図3b、3c、4bおよび4cに示すように、外側弁体部9の第1外面15と弁座5の第1内面14との間に気密的な接触が存在することにより、第1開口部3は、気密的に閉鎖され、流路Fが遮断される。
【0053】
弁体8を、アーム28を介して駆動装置12に連結され、弁座5と気密的に接触することが可能な外側弁体部9と、外側弁体部9に対して開口軸4と平行な方向に実質的に自由に動くことが可能な内側弁体部11とに分割することにより、閉鎖設定Cにおいて、弁体8での圧力差は、実質的に可動内側弁体部11に作用する。開口軸4と平行な方向において、内側弁体部11は、実質的に外側弁体部9から切り離されており、下記に記載するように、弁筺体1に直接または間接的に支持される。
【0054】
第1壁部1上には、第1開口部3を囲む第1座面19が弁筺体1に形成されている。この第1座面19は、第1開口部3内の突起19により形成され、この突起は、図3a〜4dに示すように、第1内面14に隣接し、開口軸4に対して実質的に垂直または放射状に延在している。この突起19は、第1開口部3の周囲に環状に配置され、幾何学的垂線である開口軸4に対しての幾何学的面に沿って延在している。よって、この突起19は、外側弁体部9の方向を向いた、外側弁体部9の第1面26に対する第1座面19を構成する。突起19および第1面26は、互いに対応する形状を有し、第1面26を第1座面19上に載置することができる。よって、第1座面19および外側弁体部9は、図3b、3c、4bおよび4cに示すように、閉鎖設定Cにおいて、第1の側20の方向にある第1面26を第1座面19上に置いた状態で外側弁体部9が静止するように配置および構成されている。よって、第1壁部2の第1座面19は、図3aおよび4aに示す中間設定Iにある外側弁体部9を開口軸4に沿って直線的に図3bおよび4bに示す閉鎖設定Cへと調整する際に、外側弁体部9の移動を制限する部分を形成する。よって、この第1座面は、外側弁体部9の閉鎖設定Cを規定する。
【0055】
初期設定において、図3a、3b、4aおよび4bに示すように、内側弁体部11は、外側弁体部9内への格納設定Aにある。第1の側20および第1開口部3の方向への内側弁体部11の相対的直線移動度を制限するために、外側弁体部9および内側弁体部11の間に係止部22が設置されている。この係止部は、内側弁体部11の肩部22により形成され、内側弁体部11の第2外面17から放射状に外側に向かって延在する。外側弁体部9の閉鎖設定Cにおいて、第1開口部3の第1の側20が相対的に低い圧力23の状態となった場合、肩部22は、図3bおよび4bに示すように、内側弁体部11を外側弁体部9上に静止させて格納設定Aとする。肩部22は、外側弁体部11に衝突することにより、図3bおよび4bに示すように、格納設定Aを規定する。外側弁体部9がその第1面26を第1座面19の上に置いて静止している閉鎖設定Cにおいて、図3bおよび4bに示すように、第1開口部3の第1の側20が相対的に低い圧力の状態となる場合、すなわち、第2開口部7の第2の側21が相対的に高い圧力の状態となるとも理解されるべき場合において、内側弁体部11は、第1の側20および第1開口部3の方向に押し込まれる。内側弁体部11は、格納設定Aにおいて外側弁体部9上に静止し、内側弁体部11の肩部22が外側弁体部9上に支持される。よって、内側弁体部11は、図3bおよび4bに示すように、弁筺体5の第1壁部2の第1座面19上に間接的に、すなわち、外側弁体部9を介して支持される。この弁体8全体を弁筺体1上に支持する結果、全差圧が実質的に弁筺体1に作用するため、駆動装置12のアーム28および駆動装置12自体は、低い圧力23が存在することによる負荷を受けない。
【0056】
閉鎖設定Cにおいて差圧の逆転が起き、第2開口部7の第2の側21が相対的に低い圧力25の状態となる場合、すなわち、第1開口部3の第1の側20が相対的に高い圧力の状態となるとも理解されるべき場合において、力は、弁体8に対して第2開口部7および第2の側21の方向に作用する。よって、可動内側弁体部11は、格納設定Aから延出設定Bへと第2の側21の方向に移動する。この状況においても弁筺体1上で内側弁体部11を支持するために、第2開口部7を完全に囲い、内側弁体部11の座面として機能する第2座面24が第2壁部6上に形成されている。この第2座面24は、開口軸4に対して垂直または放射状に延在し、垂線である開口軸4に対しての幾何学的面に沿って延在している。内側弁体部11の第2外面17から放射状に外側に向かって延在する肩部22、および第2座面24は、内側弁体部11の肩部22が有する、第2の側21を向いた第2面27を第2座面24上に載置することができるように対応した寸法を有し、またそのように配置され構成されている。よって、この肩部21の第2面27、および第2壁部6の第2座面24は、第2の側21および第2開口部7の方向への内側弁体部11の相対的直線移動度を制限する機能を果たす。図3cおよび4cに示すように、外側弁体部9が閉鎖設定Cにあり、第2開口部7の第2の側21が相対的に低い圧力25の状態となる場合、内側弁体部11は、延出設定Bへと移動し、第2の側21の方向にある第2面27を第2座面24上に置いて静止する。よって、内側弁体部11は、弁筺体1の第2壁部7の第2座面24上に直接支持され、このような圧力比においても、駆動装置12および駆動装置28のアーム28は、第2の側21に低い圧力25が存在することにより弁体8に作用する力の影響を実質的に受けない。
【0057】
図3cおよび4cに示すように、閉鎖設定Cにおいて第2開口部7の第2の側21が相対的に低い圧力の状態となり、内側弁体部11が延出設定Bにある場合、弁体8を図3aの中間設定Iから開放設定Oへと旋回させる前に、摩擦接触を防ぐために内側弁体部11を格納設定Aへと戻さなければならない。このような摩擦接触は、図1の横移動xを実行する際に内側弁体部11および第2壁部6との間で摩擦粒子を発生させる。この目的のため、本発明の本実施形態において、駆動装置12、特に、駆動装置12の動力伝達装置31は、弁体8が旋回軸30を中心とした横移動xによって図1の開放設定Oと、図3aおよび4aの中間設定Iとの間を旋回可能なように構成され、ならびに、開口軸4に沿った縦移動yによって図3aおよび4aの中間設定Iと、図3b、3c、4bおよび4cの閉鎖設定Cと、図3dおよび4dの初期化設定Nとの間を直線的に移動可能なように構成されている。中間設定Iは、閉鎖設定Cと初期化設定Nとの間に存在する。
【0058】
図3dおよび4dに示す初期化設定Nにおいて、第2壁部6から外側弁体部9への距離は、内側弁体部11がその第2面27を第2座面24上に置いて静止して格納設定Aに完全に押し込まれ、図3dおよび4dに示すように、初期化設定Nでの内側弁体部11の肩部22が外側弁体部9上に静止するように狭められる。弁を完全に開放するために、図3dおよび4dに示すこの初期化設定Nから開始して、内側弁体部11が格納設定Aにある状態で駆動装置12によって弁体8を図3aおよび4aの中間設定Iへと直線的に調整し、そこから旋回する横移動xによって、内側弁体部11と弁筺体1との間に衝突を起こすことなく開放設定Oへと旋回させることができる。
【0059】
弁の自動開閉を可能とするために、弁は、電子制御システム29を備える。この電子制御システムは、流路Fを気密的に遮断する目的、および流路Fを完全に開放する目的に対応して弁体8を調整することが可能なように構成され、またそのように駆動装置12および動力伝達装置31に接続されている。流路Fを気密的に遮断するために、弁体8は、制御システム29によって、駆動装置12の横移動xを介して図1の開放設定Oから図3aおよび4aの中間設定Iへ、ならびに、駆動装置12の縦移動yを介して図3aおよび4aの中間設定Iから図3bおよび4bの閉鎖設定Cへ調整可能である。流路Fを完全に開放するために、弁体8は、制御システム29によって、内側弁体部11が図3bおよび4bの格納設定Aと、図3cおよび4cの延出設定Bと、の間の任意の設定にある閉鎖設定Cから、内側弁体部11を格納設定Bへ完全に押し込むための図3dおよび4dに示す初期化設定Nを介して、図3aおよび4aの中間設定Iへと、駆動装置12の縦移動yを介して調整可能であり、さらにそこから、駆動装置12の横移動xを介して図3aおよび4aの中間設定Iから図1の開放設定Oへと調整可能である。
【0060】
あるいは、弁の閉鎖に際し、初期化設定Iを採用することも可能である。特に、制御システムが電子制御システムではない場合、上記のことは、制御システム構造の簡素化に有利であり得る。この場合、閉鎖操作における弁体8の一連の動きは、開放操作におけるものと対応する。
【0061】
本実施形態において、駆動装置12は、電気モーターとして構成され、ここで動力伝達装置31は、駆動装置12の駆動により横移動xまたは縦移動yが起こるように切換可能である。駆動装置12および動力伝達装置31は、制御システム29により電子的に制御される。よって、調整方向、すなわち開放か閉鎖かを予め決定する、制御システムに送られる入力信号によって、弁体8の一連の動きを自動的に実行することが可能である。もしくは、個々の設定が、特に駆動装置12の調整方向に応じて採用される動力伝達装置31により制御システム29を形成することも可能である。そのような動力伝達装置、特にゲートシフトを有するものは、先行技術から公知である。さらに、複数の駆動装置を用いて横移動xおよび縦移動yを起こし、制御システム29に駆動装置の制御を行わせることも可能である。
【0062】
上記シャトル弁は、調節弁として使用するのに特に適しており、横移動xを介して弁体8を開放設定Oと中間設定Iとの間で旋回調整することだけでなく、特に縦移動yを介して弁体8を中間設定Iと閉鎖設定Cと初期化設定Nとの間で開口軸4に沿って直線的に調整することによって流速の正確な調節が可能である。よって、上記シャトル弁は、正確な調節機能を目的としても使用することができる。層流ではなく分子流の場合、調節運転において弁体8に作用する力は、十分に小さいため、内側弁体部11は、第2シール部材18によって固定され、ずれない。弁体8の減衰、特に弾性シール部材10および18による減衰のため、内側弁体部11の振動または揺れを防ぐことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路(F)を実質的に気密的に遮断するための弁であって、該弁は、
・第1壁部(2)を有する弁筺体(1)であり、該壁部が流路(F)用の第1開口部(3)を有し、該開口部が幾何学的開口軸(4)、および弁筺体(1)の第1の側(20)で第1開口部(3)を囲む弁座(5)を有する、弁筺体(1)、
・弁体(8)であり、
−特に、環状またはフレーム状の外側弁体部(9)および
−格納設定(A)と延出設定(B)との間を、開口軸(3)と平行な方向に、外側弁体部(9)に対して直線的に外側弁体部(9)内を移動可能であるように気密的に取り付けられる塞閉内側弁体部(11)を有する、弁体(8)、
・少なくとも一つの駆動装置(12)であって、弁体(8)が、開口軸(4)を実質的に横断してなされる横移動(x)によって、
−弁体(8)が第1開口部(3)の隣に設置された保持部(13)に置かれ、第1開口部(3)および流路(F)を開放する開放設定(O)と、
−弁体(8)が第1開口部(3)上にわたって置かれ、第1開口部(3)の開口断面を覆う中間設定(I)と、
の間を旋回可能または移動可能なように、ならびに、
開口軸(4)に対して平行になされる縦移動(y)によって、
−中間設定(I)と、
−第1開口部(3)を気密的に閉鎖して流路(F)を遮断する気密的な接触が外側弁体部(9)と弁座(5)との間に存在する閉鎖設定(C)と、
の間を移動可能なように外側弁体部(9)に接続され、またそのように構成されている少なくとも一つの駆動装置(12)を含み、
閉鎖設定(C)において、弁体(8)での圧力差が実質的に可動内側弁体部(11)に作用し、内側弁体部(11)が、開口軸(4)と平行な方向において、実質的に外側弁体部(9)から切り離され、弁筺体(1)に直接または間接的に支持される弁であり、
・弁座(5)が、放射状に内側を向いて開口軸(4)に対して平行に延在する第1内面(14)を有し、
・外側弁体部(9)が、放射状に外側を向いて開口軸(4)に対して平行に延在する第1外面(15)を有し、該第1外面が、閉鎖設定(C)において、介在する第1シール部材(10)を介して放射状に封止する接触が第1内面(14)との間に存在するように配置および構成されており、
・外側弁体部(9)が、放射状に内側を向いて開口軸(4)に対して平行に延在する第2内面(16)を有し、
・内側弁体部(11)が、放射状に外側を向いて開口軸(4)に対して平行に延在する第2外面(17)を有し、該第2外面が、介在する第2シール部材(18)を介して放射状に封止する第2内面(16)との接触が格納設定(A)と延出設定(B)との間の領域において存在するように配置および構成されていることを特徴とする弁。
【請求項2】
・第1壁部(1)が、特に第1開口部(3)を囲む第1座面(19)を有し、
・第1座面(19)および外側弁体部(9)が、閉鎖設定(C)において、外側弁体部(9)が、第1の側(20)の方向にある第1面(26)を第1座面(19)の上に置いて静止するように配置および構成されていることを特徴とする請求項1に記載の弁。
【請求項3】
前記第1座面が、第1開口部(3)における突起(19)として構成され、該突起が、第1内面(14)に隣接し、開口軸に対して実質的に垂直に延在することを特徴とする請求項2に記載の弁。
【請求項4】
第1の側(20)および第1開口部(3)の方向における内側弁体部(11)の相対的直線移動度を制限するために、外側弁体部(9)および内側弁体部(11)の間に係止部(22)が配置され、係止部(22)は、閉鎖設定(C)において、第1開口部(3)の第1の側(20)が相対的に低い圧力(23)の状態となった時に、内側弁体部(11)が格納設定(A)で外側弁体部(9)上に静止するように配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の弁。
【請求項5】
前記係止部が、内側弁体部(11)の肩部(22)として構成され、該肩部が、第2外面(17)から放射状に外側を向いて延在することを特徴とする請求項4に記載の弁。
【請求項6】
・弁筺体(1)が、第2の側(21)に第2壁部(6)を有し、該第2壁部が、第1壁部(2)および第1開口部(3)と遠隔に、実質的に平行して対向する流路(F)用の第2開口部(7)を有し、
・第2壁部(2)が、特に第2開口部(7)を囲む第2座面(24)を有し、
・第2の側(21)および第2開口部(7)の方向における内側弁体部(11)の相対的直線移動度を制限するために、第2座面(24)および内側弁体部(11)が、閉鎖設定(C)において、第2開口部(7)の第2の側(21)が相対的に低い圧力(25)の状態となった時に、内側弁体部(11)が、第2の側(21)の方向にある第2面(27)を第2座面(24)の上に置いて延出設定(B)で静止するように配置および構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の弁。
【請求項7】
内側弁体部(11)の第2面(27)が、第2外面(17)から放射状に外側を向いて延在する肩部(22)上に設置されていることを特徴とする請求項6に記載の弁。
【請求項8】
前記少なくとも一つの駆動装置(12)が、
弁体(8)が、
・開放設定(O)と、
・中間設定(I)と、
の間を横移動(x)によって旋回可能または移動可能なように、ならびに、
・中間設定(I)と、
・閉鎖設定(C)と、
・第2壁部(6)からの外側弁体部(9)の距離が、内側弁体部(11)がその第2面(27)を第2座面(24)の上に置いて静止して格納設定(A)に完全に押し込まれるように狭められる初期化設定(N)(中間設定(I)は、閉鎖設定(C)と初期化設定(N)との間に存在する)と、
の間を縦移動(y)によって移動可能であるように構成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の弁。
【請求項9】
前記弁が制御システム(29)を含み、該制御システムが、
流路(F)を気密的に遮断するために、弁体(8)を
・駆動装置(12)の横移動(x)によって
−開放設定(O)から
−中間設定(I)へ
調整可能であり、
・駆動装置(12)の縦移動(y)によって
−中間設定(I)から
−閉鎖設定(C)へ
調整可能であるように、ならびに、流路(F)を完全に開放するために、弁体(8)を
・駆動装置(12)の縦移動(y)によって
−内側弁体部(11)が格納設定(A)および延出設定(B)の間の任意の設定にある閉鎖設定(C)から
−内側弁体部(11)を格納設定(B)へ完全に押し込むための初期化設定(N)を介して
−中間設定(I)へ
調整可能であり、
・駆動装置(12)の横移動(x)によって
−中間設定(I)から
−開放設定(O)へ
調整可能であるように構成され、またそのように駆動装置(12)に接続されていることを特徴とする請求項8に記載の弁。
【請求項10】
第1シール部材(10)が、放射状に封止する接触を弁座(5)の第1内面(14)と形成するために、外側弁体部(9)の第1外面(15)上に固定されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の弁。
【請求項11】
第2シール部材(18)が、
・放射状に封止する接触を内側弁体部(11)の第2外面(17)と形成するために、外側弁体部(9)の第2内面(16)上に、または
・放射状に封止する接触を外側弁体部(9)の第2内面(16)と形成するために、内側弁体部(11)の第2外面(17)上に
固定されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の弁。
【請求項12】
外側弁体部(9)が、アーム(28)によって前記少なくとも一つの駆動装置(12)に接続され、該アームが、閉鎖設定(C)において、開口軸(4)に沿って幾何学的に突出する第1開口部(3)の開口断面の外にアーム(28)が来るように外側弁体部(9)の側面に配置され、またそのように開口軸(4)に対して垂直に延在していることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の弁。
【請求項13】
・外側弁体部(9)が環状に構成され、
・内側弁体部(11)が塞閉円板の形状を有し、
・第1内面(14)、第1外面(15)、第2内面(16)および第2外面(17)が幾何学的な円柱状胴表面であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の弁。
【請求項14】
・前記弁がシャトル弁として構成され、
・駆動装置(12)が、第1開口部(3)の断面全体にわたって実質的に平行で開口軸(4)に対して垂直な横移動(x)によって弁体(8)を旋回させることが可能であるように構成されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の弁。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−32840(P2013−32840A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−166908(P2012−166908)
【出願日】平成24年7月27日(2012.7.27)
【出願人】(593030945)バット ホールディング アーゲー (31)
【Fターム(参考)】