説明

流量制御装置

【課題】 複数のブロック体を積層して構成される流量制御装置をコンパクトに構成し、しかも配管抵抗が小さくなるようにして流量制御装置を構成する各制御弁の作動を円滑に行わせることのできる流量制御装置を提供することにある。
【解決手段】 メインブロック65に優先弁とリフトシリンダを制御する流量制御弁8とチルトシリンダを制御する方向切換弁17の制御弁を配するとともに、優先弁3と流量制御弁8とを近接させて、しかも優先弁3をポンプポート71の近くに配設する。アタッチメント用ブロック64をメインブロック65とカバーブロック63との間に配して、各ブロックを積層構造とする。カバーブロック63にはタンクポート66、高ロードセンシング圧ポート67を配設し、メインブロック65には、入力用のポートを配設して、流量制御装置62を構成するブロック体の一面側には、これらの各ポートが配列されるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のブロックを積層して構成される流量制御装置に関するものであって、負荷圧感応型の油圧回路に用いられる流量制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばフォークリフトのリフトシリンダやチルトシリンダなどの制御を行う流量制御装置では、リフトシリンダ用バルブ、チルトシリンダ用バルブ、アタッチメント用バルブ等をそれぞれ独立したブロックとして構成し、各ブロックを複数連接して積層した流量制御装置が用いられている。
【0003】
各ブロックを複数連接して積層した流量制御装置としては、特許文献1に記載されている、フォークリフト用流量制御装置などが提案されている。特許文献1に記載された流量制御装置の回路構成を図11に示し、図12には、その流量制御装置を示している。
【0004】
図11の油圧回路に示すように、流量制御装置80は、リフト用の上げ主弁83が内蔵されるリフト制御ブロック86と、リーチ用流量制御弁82が内蔵されるリーチ制御ブロック87と、チルト用流量制御弁85が内蔵されるチルト制御ブロック88と、タンクポートTが形成されたタンクポートブロック89との4つの独立したブロックを有した構成となっている。
【0005】
図12に示すように、各ブロック86〜89が組付けられて流量制御装置80が構成されている。また、図11、図12に示すように流量制御弁80のリフト用制御ブロック86には、固定油圧ポンプ81からの吐出流量が供給されるポンプポートPと、リフト用シリンダ84に油を導くためのリフト用の入出力ポートCLとが形成されている。
【0006】
特許文献1では、油圧ポンプ81として固定容量型の油圧ポンプが用いられている。このため油圧ポンプ81からは、各作業機のうちで最も作業油の流量が必要とする作業機に対して、何時でも作業油を供給できるだけの流量を吐出している。しかも、最大流量を必要とする作業機が休止中であった場合でも、油圧ポンプ81からは最大流量を吐出し続けることになり、作業に供せられなかった作業油は無駄に排出されてしまうことになる。
【0007】
このため、負荷圧感応型の可変容量油圧ポンプを用いて、油圧ポンプから吐出した油が無駄に消費されることなく、しかも、優先的に油を供給することが必要なアクチュエータに対しては、優先的に油を供給することができる油圧システムが、特許文献2に記載されている。そして、特許文献2に記載された油圧システムは、本願出願人によって提案されている。
【0008】
図13には、特許文献2に記載された油圧システムの油圧回路を示している。図13に示すように、負荷圧感応型の可変容量ポンプ91からの吐出流量は、優先弁92に供給される。優先弁92は、第1位置(I)から第3位置(III)の3位置に切換えることができる。
【0009】
優先弁92の第1位置(I)は、リフトシリンダ93やチルトシリンダ94に対して、油圧ポンプ91からの吐出流量の供給を停止し、優先されるアクチュエータであるステアリングの駆動操作アクチュエータに対しては、油圧ポンプ91からの吐出流量を供給できる位置である。第2位置(II)は、油路96と油路95との両油路に油圧ポンプ91からの吐出流量を供給できる位置である。
【0010】
即ち、油路96に油圧ポンプ91からの吐出流量を供給することで、リフトシリンダ93やチルトシリンダ94に油を供給することができるようになる。また、油路95に油圧ポンプ91から吐出した油を供給することで、ステアリングの駆動操作アクチュエータに油を供給することができる。
また、第3位置(III)は、油圧ポンプ91からの吐出流量を、油路96に供給するとともに、油路95に対しては絞りを介して供給することのできる位置である。
【0011】
そして、ステアリングの駆動操作アクチュエータに供給した油の圧力と、前記駆動操作アクチュエータの負荷圧との差圧に応じて、優先弁92の切換制御を行うことができる。特許文献2に記載されている負荷圧感応型の可変容量油圧ポンプを用いた油圧システムによって、油圧ポンプからの吐出流量が無駄に消費されることなく、しかも、優先的に吐出流量の供給が必要なステアリングの駆動操作アクチュエータに対しては、油圧ポンプ91からの吐出流量を優先的に供給することができる。
【特許文献1】特開平11−292494号公報
【特許文献2】特開2006−71002号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1に記載されている流量制御装置80では、流量制御装置80を構成するブロックが、リフト制御ブロック86、リーチ用制御ブロック87、チルト制御ブロック88及びタンクポートブロック89のように、それぞれの制御弁毎に個別のブロックとして構成されている。このため、各ブロックを積層して流量制御装置80を構成するのには、各ブロック間にシール材等を配設して、積層間からの漏れを防止しておかなければならない。
【0013】
しかも、各ブロック内には制御弁や油路、ポート等を構成しておかなければならず、各ブロックの容積を小さく構成しておくことができなかった。このため、各ブロックを積層して構成した流量制御装置80の容積としては、必然的に大きな容積のものに構成されてしまう。また、上述したように、油圧ポンプ81からの吐出流量を無駄に消費してしまう問題を解決することができない。
【0014】
特許文献2に記載されている油圧回路では、負荷圧感応型の可変容量ポンプを用いることができ、しかも優先弁を用いて可変容量ポンプからの吐出流量を常に優先されるアクチュエータに供給することができる利点を有している。これらの利点を有していながら、特許文献2に記載されている油圧回路における流量制御装置を実体化したブロック構成については、開示も示唆もされていなかった。特に、流量制御装置をブロック構成したときに、コンパクトに流量制御装置をブロック化する構成に関しては、開示も示唆もされていなかった。
【0015】
本発明は、特許文献2に記載されているような油圧回路をコンパクトに構成してブロック化を図ったものであり、流量制御装置を構成する各制御弁の作動を円滑に行わせることのできる構成を実体化した流量制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願発明の課題は請求項1〜6に記載された構成により達成することができる。
即ち、本願発明では、複数のブロック体を積層して構成される流量制御装置であって、前記流量制御装置が、少なくともメインブロックとカバーブロックとを有して構成され、
前記メインブロックが、アクチュエータへの油の給排制御を行う制御弁と、優先されるアクチュエータへの油の供給を優先して行う優先弁と、油圧ポンプに接続するポンプポート及び前記制御弁に接続したシリンダポートとを備え、
カバーブロックが、ロードセンシングリリーフ弁と、ロードセンシング圧を選択するシャトル弁と、タンクポートと、前記シャトル弁で選択された最も圧力の高いロードセンシング圧を出力する高ロードセンシング圧ポートと、を備え、
前記制御弁及び前記ポンプポートが、前記優先弁の近傍に配設され、前記カバーブロックの内部油路と前記メインブロックの内部油路とを連通させて、前記カバーブロックが、前記メインブロック上に積層されてなることを最も主要な特徴となしている。
【0017】
また、本発明では、カバーブロックの内部油路とメインブロックの内部油路とを連通させる油路を特定したことを主要な特徴となしている。
【0018】
更に、本願発明では、メインブロックに形成される制御弁とシリンダポートとの構成を特定したことを主要な特徴となしている。
更にまた、本願発明では、メインブロックとカバーブロックに形成されている各ポートの配置構成及びリフト用シリンダポートとチルト用シリンダポートとの配置関係を特定したことを主要な特徴となしている。
【0019】
また、本願発明では、追加することのできるアタッチメント用ブロックの構成を特定したことを主要な特徴となしている。
【0020】
更に、本願発明では、流量制御装置を配設する油圧回路を特定したことを主要な特徴となしている。
【発明の効果】
【0021】
本願発明によって、特許文献2に記載されている油圧回路における流量制御装置をコンパクトにブロック化した構成を得ることができる。一つのメインブロック内に配設したモノブロック構造として構成することができる。これにより、最適なレイアウト構造や最適な寸法形状を流量制御装置に持たせておくことができる。
【0022】
本願発明では、アクチュエータへの油の給排制御を行う制御弁をフォークリフト用の流量制御弁として使用することにより、フォークリフトを構成するのに必要なリフト制御弁及びチルト制御弁をモノブロック構造の流量制御装置内に構成しておくことができる。
【0023】
流量制御弁として種々のアタッチメントが必要なときには、これらのアタッチメントを制御する制御弁等を備えたアタッチメント用ブロックを用いることができる。アタッチメント用ブロックは、メインブロックとカバーブロックとの間に挿入して積層することで、流量制御装置内に容易に組み込むことができる。しかも、油圧回路を構成するのに必要なアタッチメント数に応じて、必要な数のアタッチメント用ブロックを流量制御装置内に組み込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて以下において具体的に説明する。本願発明の流量制御装置を用いた油圧回路の構成としては、優先弁を備えたフォークリフトにおける油圧回路を例に挙げて説明する。
しかし、本願発明の油圧回路及び流量制御弁としての構成は、以下で説明するフォークリフトの油圧回路及び流量制御弁の構成に限定されるものではなく、本願発明としての作用効果を奏することのできる構成であれば、他の構成に係わる油圧回路及び流量制御弁の構成として多様な構成のものに適用することができる。
【実施例】
【0025】
図1は、本発明に係わる流量制御装置62を備えた油圧回路図であり、図2は、図1において1点鎖線で囲んだ本願発明に係わる流量制御装置62を、流量制御装置62を構成するブロックに対応させて示した流量制御装置62の油圧回路図である。図3及び図4は、流量制御装置62の外観図を示しており、図5〜図10は、流量制御装置62の断面図を示している。尚、図2〜図10では、図1には記載されていなかったアタッチメント用のアクチュエータを設けた構成を示している。
【0026】
図1には、フォークリフトのステアリングを駆動操作するアクチュエータ22を優先されるアクチュエータとして、フォーク昇降用のリフトシリンダ13A,13B及びマストの前後傾動用のチルトシリンダ20A,20Bを優先されないアクチュエータとした油圧回路を示している。
【0027】
図1に示すように、負荷圧感応型の可変容量ポンプ1と優先弁3とは、吐出油路35を介して接続している。優先弁3は、油路36,37に接続しており、油路36はチェック弁33を介して流量制御弁8及びチェック弁34を介して方向切換弁17に接続している。油路37は、優先されるアクチュエータ22を制御するステアリング駆動装置21に接続している。
【0028】
油路37を介した優先されるアクチュエータ22への分流と、油路36を介した優先されないリフトシリンダ13A,13B及びチルトシリンダ20A,20Bへの分流は、負荷圧感応型の優先弁3により制御されることになる。ステアリング駆動装置21からの戻り油は、ドレイン油路45を介してタンク50に排出される。
【0029】
流量制御弁8は、油路38を介して一対のリフトシリンダ13A,13Bに接続している。油路38には、パイロットチェック弁12が配設されており、パイロットチェック弁12は電磁切換弁15によって制御される。一対のリフトシリンダ13A,13Bにおけるヘッド側からの戻り油は、ドレイン油路47を介してタンク50に排出され、一対のリフトシリンダ13A,13Bにおけるボトム側からの戻り油は、油路38を介して排出制御される。
方向切換弁17は、油路39,40を介して一対のチルトシリンダ20A,20Bに接続している。
【0030】
一対のリフトシリンダ13A,13Bにおけるロードセンシング圧(以下、ロードセンシング圧をLS圧と略記する。)は、パイロット油路54によって取り出され、シャトル弁27の一端側に導かれている。一対のチルトシリンダ20A,20BにおけるLS圧は、パイロット油路56によって取り出され、シャトル弁27の他端側に導かれている。
【0031】
シャトル弁27で選択された高圧側のLS圧は、パイロット油路57によって取り出され、シャトル弁28の一端側に導かれている。アクチュエータ22におけるLS圧は、パイロット油路51によって取り出され、シャトル弁28の他端側に導かれている。シャトル弁28で選択された最も圧力の高いLS圧は、パイロット油路58によって取り出され、可変容量ポンプ1を制御する容量制御装置2に導かれている。
【0032】
また、容量制御装置2には、吐出油路35におけるポンプ圧が導かれている。容量制御装置2は、吐出油路35におけるポンプ圧とパイロット油路58によって取り出された最も圧力の高いLS圧との差圧(以下、LS差圧という。)に応じて、可変容量ポンプ1のポンプ容量を制御することになる。容量制御装置2は、LS差圧が大きいときには、可変容量ポンプ1からの吐出流量を減少させ、前記LS差圧が小さいときには、可変容量ポンプ1からの吐出流量が増大するように可変容量ポンプ1のポンプ容量を制御する。
【0033】
パイロット油路58は、LSリリーフ弁32を介してドレイン油路46と連通しており、パイロット油路58を流れる油圧が、所望の圧力以上に上昇したときにはLSリリーフ弁32を介してタンク50に流出させることができる。即ち、LSリリーフ弁32により、パイロット油路58における異常圧力上昇を防止することができ、パイロット油路58を流れる油圧を予め設定した一定の圧力以下にしておくことができる。
【0034】
次に、図1に示す油圧回路を構成する主要部材についての説明を順次行うことにする。
優先弁3は3ポート23A〜23Cを有した構成となっており、ポート23Cは吐出油路35を介して負荷圧感応型の可変容量ポンプ1に接続している。ポート23Aは、油路36を通りチェック弁33を介して流量制御弁8のポンプポート24Eに接続するとともに、チェック弁34を介して方向切換弁17のポンプポート25Dに接続している。ポート23Bは、油路37を介してステアリング駆動装置21に接続している。
【0035】
優先弁3は、ステアリング駆動装置21に油を供給する油路37における油圧と、電磁切換制御弁4を介してパイロット油路51から取り出したアクチュエータ22のLS圧との差圧に応じて、位置が切換えられる構成となっている。
【0036】
優先弁3のポート23Bに接続した油路37における圧力は、パイロット油路52a,52bを介して優先弁3に導かれており、パイロット油路52aによって導かれた圧力とパイロット油路52bによって導かれた圧力との差圧に応じて優先弁3の切換え制御が行われる。優先弁3を図1における第1位置(I)側に切換える圧力としては、パイロット油路52aに配した絞りの下流側における圧力とバネ3a付勢力とが作用している。また、優先弁3を図1における第3位置(III)側に切換える圧力としては、パイロット油路52bで導かれている圧力が作用している。
【0037】
また、パイロット油路52aとアクチュエータ22のLS圧を検出するパイロット油路51とは、パイロット油路53を介して接続している。パイロット油路53には電磁切換制御弁4が配設されている。電磁切換制御弁4が連通状態にあるときには、パイロット油路52aによって優先弁3に導かれる圧力を、パイロット油路51におけるLS圧と等しくすることができる。
【0038】
電磁切換制御弁4に対する切換制御としては、例えば、運転席に設置した着座確認スイッチにより切換制御を行わせることができる。即ち、着座確認スイッチにより運転者の着座が検出されているときには、電磁切換制御弁4の電磁コイル4aは励磁されて電磁切換制御弁4は導通状態を維持する。これにより、パイロット油路52aによって優先弁3に導かれる圧力として、パイロット油路51におけるLS圧を利用することができ、アクチュエータ22のLS圧とステアリング駆動装置21に供給するポンプ圧との差圧に応じて、優先弁3を制御することができる。
【0039】
また、電磁切換制御弁4が閉塞状態に切換えられているときには、パイロット油路52a及びパイロット油路52bからそれぞれ優先弁3に導かれる圧力は、略等圧状態となる。このため、優先弁3は、バネ3aの付勢力により第1位置(I)に切換わり、この第1位置(I)状態が維持されることになる。このとき、優先弁3は、他のアクチュエータであるリフトシリンダ13A,13B及び/又はチルトシリンダ20A,20Bへの給油を停止した状態となる。そして、優先弁3は、優先されるアクチュエータ22に対してだけ可変容量ポンプ1からの吐出流量を供給することができる切換位置となっている。
【0040】
優先弁3が第3位置(III)又は第2位置(II)に切換わっているときには、可変容量ポンプ1からの吐出流量を、優先弁3のポート23Aから油路36を通って流量制御弁8のポンプポート24E及び方向切換弁17のポンプポート25Dに供給することができる。
【0041】
流量制御弁8は7ポート24A〜24Gを備え、直引きスプール8Aと自動制御スプール8Bとに2分割されたスプールを有している。直引きスプール8Aは、操作レバー9の操作によって摺動し、自動制御スプール8Bは、バネ10aの付勢力によって直引きスプール8Aの摺動に追従できる構成となっている。また、操作レバー9には図示せぬ中立バネ機構が設けられており、操作レバー8に対する操作を解除すると、操作レバー8は中立位置に復帰する構成となっている。
【0042】
ロードセンシングポート24A(以下、ロードセンシングポートをLSポートと略記する。)は、リフトシリンダ13A,13BのLS圧を検出するポートとして構成されており、パイロット油路54を介してシャトル弁27に接続している。ポート24Bは、パイロット油路55を介してパイロットチェック弁12に接続しており、パイロット油路55にはパイロットチェック弁12を制御する電磁切換制御弁15が配設されている。
【0043】
直引きスプール8Aの作動側にあるアクチュエータポート24Cと自動制御スプール8Bの作動側にあるアクチュエータポート24Dとは、それぞれ油路38に接続している。ポンプポート24Eは、チェック弁33を介して優先弁3の出力側のポート23Aに接続している。タンクポート24F,24Gは、リフトシリンダ13A,13Bのボトム側から排出される油をドレイン油路43に排出するポートとして使用されている。ドレイン油路43は、方向切換弁17に接続したドレイン油路44と合流したのち、ドレイン油路46を介してタンク50に接続している。
【0044】
ドレイン油路43には、絞り60が配設されており、絞り60の上流側における圧力は、パイロット油路59によって取り出されて自動制御スプール8Bの一端面側に導かれている。パイロット油路59によって取り出された戻り油による圧力は、自動制御スプール8Bを切換位置(VI)側に切換える圧力として作用している。
【0045】
また、自動制御スプール8Bの他端面側には、パイロット油路48で取り出したタンク圧とバネ10aの付勢力とが作用しており、これらの力は自動制御スプール8Bを(IV)位置側へ切換える力として作用している。
【0046】
流量制御弁8における切換位置(IV)〜切換位置(VI)は、自動制御スプール8Bにおける切換位置であり、切換位置(VII)〜切換位置(IX)は、直引きスプール8Aにおける切換位置である。
操作レバー9による操作が行われていないときには、流量制御弁8は、中立バネ10bの作用によって、中立位置である切換位置(V),(VIII)に切換わっており、油圧ポンプ1からの吐出流量がリフトシリンダ13A,13Bに供給されるのを遮断しておくことができる。即ち、中立バネ10bは、直引きスプール8Aを中立位置に戻すバネとして配設されており、操作レバー9による操作が行われていないときには、直引きスプール8Aを中立位置に戻すことができる。同時に、直引きスプール8Aが中立位置に戻されるのに伴って、自動制御スプール8Bも中立位置に戻すことができる。流量制御弁8が中立位置にあるとき、直引きスプール8Aは切換位置(VIII)に切換わっており、自動制御スプール8Bは切換位置(V)に切換わっている。
また、流量制御弁8の切換位置(VI),(IX)は、油圧ポンプ1からの吐出流量をリフトシリンダ13A,13Bに供給して、リフトシリンダ13A,13Bを上昇させる位置である。
【0047】
流量制御弁8の切換位置(IV),(VII)は、リフトシリンダ13A,13Bを下降させる位置であり、パイロット油路59によって取り出された絞り60の上流側の圧力とパイロット油路48のタンク圧との差圧に応じて、自動制御スプール8Bを直引きスプール8Aとは独立して制御することができる位置である。
流量制御弁8を切換位置(IV),(VII)とすることで、リフトシリンダ13A,13Bからの戻り油の流量を、自動制御スプール8Bで制御することができる。
【0048】
このとき、自動制御スプール8Bは、リフトシリンダ13A,13Bからの戻り油による圧力とタンク圧との差圧に応じて制御されることになる。即ち、ドレイン油路43に設けた絞り60の上流側における圧力とタンク圧との差圧に応じて、自動制御スプール8Bを介して排出されるリフトシリンダ13A,13Bのボトム側からの戻り油の流量を、制御することができる。
【0049】
即ち、絞り60の上流側における圧力が高くて戻り油による圧力とタンク圧との差圧が大きいときには、自動制御スプール8Bは(VI)位置側に切換わり、タンクポート24Gを通って排出されるリフトシリンダ13A,13Bから戻り油の排出流量を減少させることができる。
【0050】
これにより、リフトシリンダ13A,13Bにおける下降速度が高速とならないように制御することができる。また、絞り60の上流側における圧力が低くて戻り油による圧力とタンク圧との差圧が小さいときには、自動制御スプール8Bは(IV)位置側に切換わり、タンクポート24Gを通って排出されるリフトシリンダ13A,13Bから戻り油の排出流量を増大させておくことができる。
【0051】
このように、自動制御スプール8Bによって、リフトシリンダ13A,13Bから排出される油の排出流量を制御することができ、流量制御弁8に流量調整弁としての機能を持たせておくことができる。従って、リフトシリンダ13A,13Bにおける下降速度の制御を自動制御スプール8Bによって行うことができる。
【0052】
尚、自動制御スプール8Bに作用する差圧に応じて自動制御スプール8Bが、リフトシリンダ13A,13Bから排出される戻り油の排出流量を制御しているときにおいても、直引きスプール8Aは、切換位置(VII)にあって操作レバー9の操作量に応じてリフトシリンダ13A,13Bから排出される戻り油の排出流量を制御している。そして、リフトシリンダ13A,13Bから排出される戻り油の総排出流量としては、自動制御スプール8Bによる排出流量と直引きスプール8Aによる排出流量との合計流量となっている。
【0053】
アクチュエータポート24C,24Dに接続した油路38は、リフトシリンダ13A,13Bのボトム側に接続しており、油路38の途中には、パイロットチェック弁12が配されている。パイロットチェック弁12は、パイロット油路55に設けた電磁切換制御弁15によって制御される。
【0054】
電磁切換制御弁15は安全装置として作動し、運転者が運転席に着座しているときには、電磁コイル15aが励磁されて電磁切換制御弁15を連通位置に切換えることができる。また、運転者が運転席に着座していないときには、電磁コイル15aが励磁されていないときには、電磁切換制御弁15はバネの付勢力によって遮断位置に切換えられている。
【0055】
流量制御弁8が切換位置(IV),(VII)にあって電磁切換制御弁15が遮断位置にあるときには、リフトシリンダ13A,13Bを下降させようとしてもパイロットチェック弁12のリフトシリンダ13A,13Bのボトム側の圧力、即ち、パイロット油路55の圧力、が落ちないため、パイロットチェック弁12が開かない。
このため、リフトシリンダ13A,13Bからの戻り油は、パイロットチェック弁12において止められることになる。
【0056】
流量制御弁8が切換位置(IV),(VII)にあって電磁切換制御弁15が連通位置に切換わっているときには、パイロット油路55の圧力は、ポート24Bからタンクポート24Fを通ってタンク50に通じる圧力になる。これにより、パイロットチェック弁12を連通状態としておくことができる。即ち、リフトシリンダ13A,13Bからの戻り油は、パイロットチェック弁12を通ってアクチュエータポート24C,24Dに戻されることになる。
【0057】
リフトシリンダ13Aとリフトシリンダ13Bとの間には、下降セフティ弁14が配されている。下降セフティ弁14は、例えば、油路38等が破損した場合にリフトシリンダ13Aが下降したとしても、リフトシリンダ13Bの下降を停止させるように機能する。
【0058】
チルトシリンダ20A,20Bの作動制御を行う方向切換弁17は、3位置5ポート25A〜25Eの制御弁として構成されている。アクチュエータポート25A,25Cは、油路39,40を介してそれぞれチルトシリンダ20A,20Bのボトム側とヘッド側とに接続している。LSポート25Bは、チルトシリンダ20A,20BにおけるLS圧を取り出すポートであって、リフトシリンダ13A,13BのLS圧との間で高圧側のLS圧を取り出すシャトル弁27に接続している。
【0059】
ポンプポート25Dには、油路36及びチェック弁34を介して優先弁3から出力された油が供給されている。タンクポート25Eは、ドレイン油路44に接続しており、チルトシリンダ20A,20Bからの戻り油は、タンクポート25Eからドレイン油路44を介してタンク50に戻すことができる。
【0060】
次に、図1において一点鎖線で囲んだ流量制御装置62をブロック構造にて構成した例について、図2〜図10を用いて説明する。尚、図2〜図10における流量制御装置62としては、図1で示した流量制御装置62にアタッチメント用の方向切換弁30を追加した構成となっている。図2〜図10に示した流量制御装置62を図1における流量制御弁と同等の構成とするには、アタッチメント用ブロック64を取り除いて、メインブロック65にカバーブロック63を積層することによって構成することができる。
【0061】
また、図2〜図10に示した流量制御装置62に更にアタッチメント用ブロック64を積層していくことで、各種バリエーションに富んだ流量制御装置62を構成していくことができる。積層する複数のアタッチメント用ブロック64は、バルブブロック65とカバーブロック63との間に順次積層していくことができる。
尚、図1と同じ部材については、図1で用いた部材符号を用いることでその部材についての説明は省略する。
【0062】
図2に示すように、メインブロック65内における油圧回路構成としては、優先弁3、電磁切換制御弁4、チェック弁33、流量制御弁8、パイロットチェック弁12、電磁切換弁15、チェック弁34、方向切換弁17及びシャトル弁27を供えた油圧回路となっている。
【0063】
そして、メインブロック65には、可変容量ポンプ1からの吐出流量が流入されるポンプポート71、ステアリング駆動装置(図1参照)に可変容量ポンプ1からの吐出流量を供給するポンプ圧ポート73、ステアリング用のアクチュエータ22(図1参照)のLS圧を取り入れるLS圧ポート72、リフトシリンダ13A,13B(図1参照)との間で油の給排を行うリフトポート70、チルトシリンダ20A,20Bとの間で油の給排を行うチルトポート69が形成されている。
【0064】
アタッチメント用ブロック64には、他の作業機用の制御弁である方向切換弁30やチェック弁42及び図1に記載した可変容量ポンプ1のポンプ容量を制御する容量制御装置2にLS圧を供給するためのシャトル弁29が配設されている。方向切換弁30は、5ポート3位置切換えの切換弁として構成されており、アクチュエータポート31A,31Cはそれぞれ外部接続用のポート68B,68Aに接続している。LSポート31Bは、シャトル弁29に導かれている。ポンプポート31Dは、チェック弁42を介して、油路36に接続している。タンクポート31Eは、ドレイン油路49を介してドレイン油路46に接続している。
【0065】
カバーブロック63には、容量制御装置2に導くLS圧の最高圧を規制するLSリリーフ弁32及び容量制御装置2に導くLS圧を選択するシャトル弁28が配設されている。そして、容量制御装置2に導くLS圧を取り出す高ロードセンシング圧ポート67(以下、高ロードセンシング圧ポートを高LSポートと言う。)及びタンク50(図1参照)へ油を排出するタンクポート66が、外部との接続用に形成されている。
【0066】
そして、メインブロック65とメインブロック65に積層したアタッチメント用ブロック64及びカバーブロック63の間は、パイロット油路48、ドレイン油路44、パイロット油路51,54等の各油路によって相互に接続されている。また、メインブロック65とアタッチメント用ブロック64とカバーブロック63とは、ボルト75により積層された状態で連結固定されている。
【0067】
図2に示すような油圧回路から構成された流量制御装置62のブロック構造として、図3にはその正面図を示し、図4には左側面図を示している。また、図5には、図4におけるA−A断面図を示している。そして、図3におけるK―K断面図を図6に示し、N−N断面図を図7に示し、J−J断面図を図8に示し、H−H断面図を図9に示し、F−F断面図を図10に示している。
【0068】
図3に示すように、流量制御装置62のブロック構造を構成するメインブロック65の一側面には、ポンプポート71,リフトポート70,チルトポート69,LS圧ポート72,ステアリング用のポンプ圧ポート73、方向切換弁17のアクチュエータポート25A,25C(図1参照。)に接続した油路39,を集中的に配設している。また、アタッチメント用ブロック64の一側面には、アタッチメント用ブロック64内に配設した方向切換弁30で制御するアクチュエータ用のポート68A,68Bを配設している。更に、カバーブロック63の一側面には、タンクポート66,高LS圧ポート67を配設している。
【0069】
しかも、これらの各ポートをそれぞれ配設した各ブロック63,64,65の一側面を、流量制御装置62のブロック構造における同一面側に配設しているので、各ポートと外部との接続を容易にし、メンテナンスや修理等における作業が行ない易い構成となっている。
【0070】
また、図3に示すように、メインブロック65にチルトポート69とリフトポート70とをポンプポート71を挟んで上下方向に配設しているので、チルトポート69とリフトポート70とを取り違えて接続することが防止できる。このように、メインブロック65をコンパクトに、しかも流路における圧損が少なくなるように、ポンプポート71の上下方向に各制御弁を配置しておくことができるようになる。
【0071】
しかも、アタッチメント用ブロック64は、バルブブロック65とカバーブロック63との間に挟持される形で積層することができるので、必要な個数だけアタッチメント用ブロックをメインブロック65とカバーブロック63との間に順次積層していくことが可能となる。
【0072】
図4及び図4のA−A断面図である図5に示すように、メインブロック65とメインブロック65に積層したアタッチメント用ブロック64との間での配置構成では、流量制御弁8,方向切換弁17,方向切換弁30を上下方向に並列した配置構成となっている。また、図5に図4のA−A断面図を示しているように、流量制御弁8、方向切換弁17及び方向切換弁30を並列状態に配設しておくことができる。ドレイン油路44は、メインブロック65からアタッチメント用ブロック64を介してカバーブロック63まで連通して配設されており、カバーブロック63に形成したタンクポート66に接続している。
流量制御弁8のアクチュエータポート24C,24Dは、リフトポート70に接続しており、ポンプポート24Eは、一対のアクチュエータポート24C,24D間の部位に形成されている。
【0073】
更に、図3のH−H断面図である図9に示すように、優先弁3と流量制御弁8とを水平方向に並列して配設した配置構成となっている。ポンプポート71は、優先弁3のポンプポート23C連通しており、符号23Aで示すポートは、優先弁3から流量制御弁8及び方向切換弁30に油を出力するポートを示している。
このような配置構成とすることで、優先弁3から流量制御弁8及び方向切換弁30までの流路の長さを短く構成することができる。しかも、優先弁3の配設位置をポンプポート71の近くに配設しているので、これらを接続する流路における配管抵抗を可能な限り小さく構成することができる。
【0074】
図3のJ−J断面図である図8に示すように、方向切換弁17に並んでチェック弁34,シャトル弁27を配設しておくことによって、メインブロック65のスペースを有効利用してチェック弁34,シャトル弁27の配設場所を確保することができる。図8では、方向切換弁17のアクチュエータポート25Aは、一方のチルトポート69に接続しており、アクチュエータポート25Cは、他方のチルトポート69に接続している。LSポート25Bはシャトル弁27に接続しており、ポンプポート25Dは、チェック弁34に接続している。
【0075】
また、図3のF−F断面図である図10に示すように、電磁切換制御弁4や電磁切換弁15及びパイロットチェック弁12をまとめてメインブロック65の底部に配設しておくことによって、電磁コイル4a,15aを並列させて配設しておくことができる。
【0076】
しかも、電磁切換弁15で制御されるパイロットチェック弁12を電磁切換弁15の近くに配設しておくことができるので、電磁コイル4a,15aに対する配線をまとめて配しておくことができる。パイロットチェック弁12はリフトポート70に接続している。
【0077】
図3のN−N断面図である図7に示すように、方向切換弁30に油を供給する上で配設しておくことが望ましいチェック弁42やバルブブロック65から勝ち上がってきたLS圧とアタッチメント用ブロック64におけるLS圧との内で高圧側のLS圧を取り出すためのシャトル弁29を配設しておくことができる。
【0078】
図3のK−K断面図である図6に示すように、カバーブロック63にはタンク50(図1参照)への排出ポートであるタンクポート66と高LS圧ポート67のほかに、LS圧の最高圧を制限するためのLSリリーフ弁32、ステアリングのアクチュエータ22(図1参照)におけるLS圧と比較して最終的なLS圧を選択するシャトル弁28を配設している。タンクポート66とドレイン油路46との間には、LSセンシングリリーフ弁32が配設されており、タンクポート66と高LS圧センシングポート67との間にはシャトル弁28が介在している。
【0079】
シャトル弁28をカバーブロック63に配設しておくことによって、容量制御弁2を制御するためのLS圧の取り出すポートが混同されることなく的確に選定することができる。
【0080】
また、図4のA−A断面図である図5に示すように、ドレイン流路44を縦方向に一直線に配設しておくことができる。このため、各ブロック間で連接される各油路、各パイロット油路及びドレイン油路を、それぞれ大きな油路として構成しておくことができるので、これらの油路における配管抵抗を小さく構成できる。
【0081】
図5、図7、図8及び図9に示すように、各制御弁を制御するのに必要なバネ室を、各ブロックに対して外付けで取り付けているので、バネ室内にタンク圧等を作用させておくためのポートを構成したりすることが容易になる。また、ブロック内に配設した制御弁をスプール操作方式でEPC(電磁式圧力比例)制御を行うように構成したい場合にも、メインブロックの加工の一部及びバネ室をEPC弁つきのケースに変更すれば、対応が可能となる。
更に、必要に応じてスタック化したアタッチメント用の制御弁を簡単に積層して、流量制御措置62に組み込むことができる。
【0082】
このように、メインブロック65内に配設した油路における配管抵抗が小さくなるように、メインブロック65内における油路の配設レイアウトを自由に設定することができる。しかも、優先弁3と各アクチュエータへの油の制御を行う各制御弁(例えば、流量制御弁8、方向切換弁17、方向切換弁30)と、を接続する油路の長さを短く構成しておくことができるので、各制御弁に対する応答性を向上させることができる。
【0083】
流量制御弁8は、少なくともメインブロック65とカバーブロック63との間にシール部材を介在させて積層する構成としておくことができるので、従来例1のようにブロック間毎に複数のシール部材を介在させなくてすみ、流量制御弁としての容積を小さくコンパクトに構成することができる。
【0084】
また、カバーブロック63にロードセンシングリリーフ弁32やタンクポート66等を設けておくことによって、ブロック化した流量制御装置62の構成に自由度をもたせておくことができる。これによって、各仕様に最適なレイアウト構造や最適な寸法形状をもった流量制御装置62のブロック構造を得ることができる。
【0085】
しかも、流量制御装置62として種々のアタッチメントに接続することが必要なときには、これらのアタッチメントに対する制御装置を備えたアタッチメント用のブロックをメインブロック65とカバーブロック63との間に挿入して積層していくことによって、必要な数のアタッチメントに対応させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明に係わる流量制御装置は、アクチュエータに対する流量制御を行うものに対して好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】流量制御装置を用いた油圧回路図である。(実施例)
【図2】流量制御装置の油圧回路図である。(実施例)
【図3】流量制御装置の正面図である。(実施例)
【図4】流量制御装置の側面図である。(実施例)
【図5】図4のA−A断面図である。(実施例)
【図6】図3のK−K断面図である。(実施例)
【図7】図3のN−N断面図である。(実施例)
【図8】図3のJ−J断面図である。(実施例)
【図9】図3のH−H断面図である。(実施例)
【図10】図3のF−F断面図である。(実施例)
【図11】流量制御装置の油圧回路図である。(従来例1)
【図12】流量制御装置のブロック図である。(従来例1)
【図13】流量制御装置を用いた油圧回路図である。(従来例2)
【符号の説明】
【0088】
1・・・可変容量ポンプ、3・・・優先弁、4・・・電磁切換制御弁、8・・・流量制御弁、13A、13B・・・リフトシリンダ、17・・・方向切換弁、20A、20B・・・チルトシリンダ、21・・・ステアリング駆動装置、27〜29・・・シャトル弁、30・・・方向切換弁、62・・・流量制御装置、63・・・カバーブロック、64・・・アタッチメント用ブロック、65・・・メインブロック、80・・・流量制御装置、81・・・固定油圧ポンプ、82・・・リーチ用流量制御弁、84・・・リフト用シリンダ、85・・・チルト用流量制御弁、86・・・リフト制御ブロック、87・・・リーチ制御ブロック、88・・・チルト制御ブロック、89・・・タンクポートブロック、92・・・優先弁、93・・・リフトシリンダ、94・・・チルトシリンダ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のブロック体を積層して構成される流量制御装置であって、
前記流量制御装置が、少なくともメインブロックとカバーブロックとを有して構成され、
前記メインブロックが、アクチュエータへの油の給排制御を行う制御弁と、優先されるアクチュエータへの油の供給を優先して行う優先弁と、油圧ポンプに接続するポンプポート及び前記制御弁に接続したシリンダポートとを備え、
カバーブロックが、ロードセンシングリリーフ弁と、ロードセンシング圧を選択するシャトル弁と、タンクポートと、前記シャトル弁で選択された最も圧力の高いロードセンシング圧を出力する高ロードセンシング圧ポートと、を備え、
前記制御弁及び前記ポンプポートが、前記優先弁の近傍に配設され、
前記カバーブロックの内部油路と前記メインブロックの内部油路とを連通させて、前記カバーブロックが、前記メインブロック上に積層されてなることを特徴とする流量制御装置。
【請求項2】
前記カバーブロックの内部油路と前記メインブロックの内部油路とを連通させる油路が、ドレイン油路と前記アクチュエータのロードセンシング圧を取り出すパイロット油路とであることを特徴とする請求項1記載の流量制御装置。
【請求項3】
前記制御弁が、リフト制御弁及びチルト制御弁として構成され、
前記シリンダポートが、リフト用シリンダポート及びチルト用シリンダポートとして構成されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の流量制御装置。
【請求項4】
前記ポンプポートと、前記リフト用シリンダポートと、前記チルト用シリンダポートと、前記タンクポート及び前記高ロードセンシング圧ポートとが、前記流量制御装置における同じ外側面側に配設されてなり、
前記リフト用シリンダポートと前記チルト用シリンダポートとが、前記ポンプポートを間に挟んで上下方向に離間して配設されてなることを特徴とする請求項3記載の流量制御装置。
【請求項5】
前記流量制御装置が、アタッチメント用アクチュエータを制御する制御弁を備えたアタッチメント用ブロックを更に有し、
前記アタッチメント用アクチュエータを制御する制御弁に接続したアタッチメント用ポートが、前記アタッチメント用ブロックに形成され、
前記アタッチメント用ブロックが、前記カバーブロックと前記メインブロックとの間に挟持されて積層され、
積層時に、前記アタッチメント用のブロックにおける内部油路を介して、前記カバーブロックの内部油路と前記メインブロックの内部油路とが連通し、前記アタッチメント用ポートが、前記シリンダポートを配設した前記流量制御装置における外側面と同じ外側面側に配設されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の流量制御装置。
【請求項6】
前記流量制御装置が、負荷圧感応型の油圧ポンプを用いて構成した油圧回路に用いられてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の流量制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−19661(P2009−19661A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−181151(P2007−181151)
【出願日】平成19年7月10日(2007.7.10)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】