説明

浄水処理方法及び浄水処理装置

【課題】原水性状が大きく変化しても安定した品質の浄水が得られる、浄水処理方法及び浄水処理装置を提供すること。
【解決手段】原水に凝集剤を注入してフロックを含む凝集処理水を生成する工程、及び前記凝集処理水を膜ろ過して浄水を得る膜ろ過工程を含む、浄水処理方法であって、前記凝集処理水の紫外線吸光度(A)が、予め設定された紫外線吸光度目標値(A)以下となるように、原水の紫外線吸光度(A)及び濁度の情報から凝集剤注入率を制御する、浄水処理方法。原水に凝集剤を注入するための凝集剤注入装置、凝集剤注入装置からの凝集剤によりフロックを含む凝集処理水を生成する凝集処理装置、及び前記凝集処理水を膜ろ過して浄水を得る膜ろ過装置を含む、浄水処理装置であって、該浄水処理装置は、原水の紫外線吸光度(A)、及び前記凝集処理水の紫外線吸光度(A)を測定する装置、並びに前記A、A、及び濁度の情報を処理して、前記凝集剤注入装置の凝集剤注入率を制御する制御部を含む、浄水処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原水の浄水処理方法及び浄水処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多くの浄水場では、凝集沈殿、砂ろ過による浄水処理方法が採用されているが、一般的に凝集沈殿における凝集剤注入率の決定方法は、(1)運転管理員が原水を採水し、ジャーテストを実施し決定する、あるいは(2)原水濁度を工業計器で連続的に測定し、その測定結果に基づき注入率を決定するなどが挙げられる。しかし、(1)の方法では、注入率決定までの操作が煩雑で時間を要し、(2)の方法では、降雨などの高濁度でかつ有機物が増加した場合、有機物の除去が不十分となる場合があり、結果的に所望の処理水質が安定して得られないなどの懸念がある。
【0003】
また、近年、浄水場において、砂ろ過の代わりに膜ろ過を採用する事例が増えているが、膜ろ過は砂ろ過よりも高い除濁性能を有し、種々の凝集剤注入率の制御方法が発案されている。
例えば、特許文献1は、指標として紫外線吸光度または色度を用いてフミン質濃度を測定し、膜処理装置10から排出されるろ過水のフミン質濃度に基づき凝集剤を前記原水に注入し、原水に溶存するフミン質の監視と除去により分離膜の負担を軽減する方法を提案している。
また、特許文献2は、膜ろ過される原水への凝集剤の注入量を、原水の色度/濁度の値に基づいて制御する方法を提案している。
更に、特許文献3は、濾過膜を具備した濾過手段と、この濾過手段の上流側に設けた凝集剤注入手段及び活性炭注入手段とを備えた浄水設備を運転するに際し、前記濾過手段を通過後の処理水中の有機物濃度が所定値以上のとき、前記活性炭注入手段による注入を開始させる方法により、凝集剤と活性炭との重複注入を少なくし、水質を維持しつつ運転コストを低減することができる旨を開示している。
【0004】
原水の状態が、降雨などにより激しく変動した場合、従来技術では、十分に対処しきれない懸念があり、更に改善が要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−126223号公報
【特許文献2】特許第3830085号公報
【特許文献3】特開2007−117947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
原水の状態が、降雨などにより激しく変動した場合、原水に注入される凝集剤が濁度成分の集塊化に消費されるため、注入すべき凝集剤量を正確に把握することが困難となるという問題があった。
また、測定波長390nmの紫外線吸光度測定値は、水質変動に対する変動幅が小さいために、凝集剤注入率を正確に制御することが困難になる場合があるという問題もあった。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、原水性状が大きく変化しても安定した品質の浄水が得られる、浄水処理方法及び浄水処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下のとおりである。
1)原水に凝集剤を注入してフロックを含む凝集処理水を生成する工程、及び前記凝集処理水を膜ろ過して浄水を得る膜ろ過工程を含む、浄水処理方法であって、前記凝集処理水の紫外線吸光度(A)が、予め設定された紫外線吸光度目標値(A)以下となるように、原水の紫外線吸光度(A)及び濁度の情報から凝集剤注入率を制御する、浄水処理方法。
2)原水に凝集剤を注入するための凝集剤注入装置、凝集剤注入装置からの凝集剤によりフロックを含む凝集処理水を生成する凝集処理装置、及び前記凝集処理水を膜ろ過して浄水を得る膜ろ過装置を含む、浄水処理装置であって、該浄水処理装置は、原水の紫外線吸光度(A)、及び前記凝集処理水の紫外線吸光度(A)を測定する装置、並びに前記A、A、及び濁度の情報を処理して、前記凝集剤注入装置の凝集剤注入率を制御する制御部を含む、浄水処理装置。
【0009】
本発明は、紫外線吸光度目標値(A)を予備的な試験や経験則などから予め設定し、凝集処理水の紫外線吸光度(A)が、該A以下となるように、原水の紫外線吸光度(A)及び濁度の情報から凝集剤注入率を制御することが、従来では見られない重要な技術思想である。
本発明は、原水の状態が、降雨などにより激しく変動した場合、凝集剤が濁度成分の集塊化等に消費される結果、凝集剤注入率が不正確になることに着目し、該消費量を補完するように制御するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、原水の状態が、降雨などにより激しく変動した場合にも柔軟かつ正確に凝集剤注入率を見出すことができ、種々の原水性状に対して安定して清澄な浄水を提供することができる。また、本発明は、種々の原水性状に対して、凝集剤、更には粉末活性炭の最適な注入率を用いることができるので、コストの低減に寄与することができる。更に、本発明は、膜ろ過装置の膜の目詰まりが低減し、膜の機能維持が長時間化し、メンテナンスも容易である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る、紫外線吸光度除去率と凝集剤注入率の関係式を示すグラフである。
【図2】本発明の実施の形態に係る、原水濁度と濁度による凝集剤注入率の補正値の関係式を示すグラフである。
【図3】本発明の実施の形態に係る、紫外線吸光度除去量と粉末活性炭注入率との関係式を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、Aが、A以下となるように、原水のA及び濁度の情報から凝集剤注入率を制御することができる。
、A、及びAの紫外線吸光度は、各々異なる波長を採用してもよい。また、A、及びA並びに濁度の測定は、通常、常時連続測定であるが、気象条件等が一定の場合等、場合により断続測定でもよく、特に、濁度の測定は、断続測定でよい場合がある。
本発明において、濁度は、透過光散乱方式、レーザー散乱光方式等により測定した値が採用される。
本発明は、基本的にはAがA以下である場合は、凝集剤注入率を増加することは回避されるとともに現状を維持するか、又は凝集剤注入率が低減されるように制御される。可能な限り、A=Aとなるように制御することが、凝集剤の有効使用量を最大限に発揮させるため、好ましい。
本発明は、基本的には上記Aが上記Aを上回る場合は、濁度が増加している傾向が高く、上記Aが上記A以下となるように濁度の測定値等を勘案して凝集剤注入率を増加し、制御される。この場合、本発明の浄水処理方法において、粉末活性炭の注入を併用してもよい。粉末活性炭の注入は、凝集処理水への注入が好ましい。
例えば、本発明において、前記凝集剤注入率を増加させるための制御方法としては、予め設定されている紫外線吸光度除去率ΔA[ΔA=100×(A−A)/A]と凝集剤注入率の関係式(1)、及び予め設定されている濁度と凝集剤注入率の補正値の関係式(2)から、凝集剤注入率を決定することが挙げられる。具体的には、関係式(1)の凝集剤注入率に関係式(2)の凝集剤注入率を合算することが挙げられる。これら関係式は、予備試験、経験則等から事前に設定されるものであり、運転管理員の判断で任意に変更可能なものである。
また、上記の凝集剤注入率にて、本発明の浄水処理方法を実施した結果、A>Aの場合のみ、凝集処理水への粉末活性炭の注入を行うことが粉末活性炭の有効利用上好ましい。この場合、粉末活性炭注入率は、予め設定されている紫外線吸光度除去量(A−A)と粉末活性炭注入率との関係式から決定することが好ましい。この関係式は、予備試験、経験則等から事前に設定されるものであり、運転管理員の判断で任意に変更可能なものである。
【0013】
本発明において、A、A、及びAの紫外線吸光度の波長は、原水の性状及びその変動状態に応じて予備試験、経験則等から事前に設定されるが、上述のように各々同一波長を指標にしても異なる波長を指標にしてもよい。例えば、測定波長390nm、260nm等が挙げられる。降雨等による原水の260nm測定値の上昇幅は、390nm測定値に比べて大きく、濁度の上昇幅と相関することを本発明者は見出している。
本発明は、上記紫外線吸光度除去率ΔA[ΔA=100×(A−A)/A]の情報からの凝集剤注入率に関係式(2)の濁度情報による凝集剤注入率を加えることにより、凝集剤注入率を制御することができる。
の値は、適宜設定されるが、通常、0.25未満であり、0.1未満であることが好ましい。
【0014】
本発明の浄水処理装置は、上記本発明の方法を実施できるものであれば、制限されない。本発明の装置としては、具体的には、原水に凝集剤を注入するための凝集剤注入装置、凝集剤注入装置からの凝集剤によりフロックを含む凝集処理水を生成する凝集処理装置、及び前記凝集処理水を膜ろ過して浄水を得る膜ろ過装置を含み、A、A、及び濁度を測定する装置、並びにそれらの情報を処理して、前記凝集剤注入装置の凝集剤注入率を制御する制御部を含むものが挙げられる。
凝集剤注入装置は、制御部と情報の交換が可能なように連絡され、制御部の凝集剤注入率の情報を受けて凝集剤を凝集処理装置に注入する制御装置、駆動装置、凝集剤受容・注入装置等を具備する。
また、凝集処理装置は、単なる槽(攪拌混和により凝集フロックを形成する槽と凝集フロックを分離する槽に分け、清澄水をオーバーフローで得る等)でも、凝集フロックを分離する装置(例えば、遠心装置、スクリーン装置等)を具備していてもよい。
【0015】
本発明に用いる膜ろ過装置は、膜モジュールの種類や形状に特に限定されるものではないが、槽浸漬型膜ろ過装置の方が好ましい。従来のケーシング型膜モジュールを用いた装置では、除去すべき成分(濁質)が膜面に堆積し易く、膜の流路閉塞が生じ、膜ろ過装置の運転ができない状態になる事もある。
槽浸漬型膜ろ過装置は、槽内に膜モジュールを設置した構造を有し、モジュールの周囲に障害物がないものが好ましく、数千〜1万mg/L程度の濁質の蓄積が可能なタイプが、本発明の方法により膜の洗浄等の機能回復処理までの時間を、更に長期化できるので好ましい。本発明の膜ろ過装置では、原水の回収率は、99.7%以下である。
【0016】
本発明は、凝集剤の原水への注入は、原水、そのままのものでも、所望の前処理を施したものであってもよい。前処理としては、マンガン、鉄、等を除く処理が挙げられる。A、A、及び濁度は、通常、前処理前の原水そのものを用いるが、前処理後であって、凝集処理前のものを用いてもよいし、両者を用いてもよい。
また、本発明は、粉末活性炭を原水へ注入することができるが、注入される原水は、そのままのものでも、所望の前処理を施した水であってもよい。前処理としては、マンガン、鉄、等を除く処理、凝集処理等が挙げられる。粉末活性炭の注入位置は、好ましくは、上述のように、凝集処理された水であり、好ましくはフロックが除去された水である。
本発明において、Aが測定される凝集処理水は、フロックが除去されていた方が好ましい。
粉末活性炭注入装置は、制御部と、更に所望により凝集剤注入装置と上記情報の交換が可能なように連絡される。粉末活性炭注入装置としては、上記凝集剤注入装置と同様な構成が採用できる。
粉末活性炭は、フロックが除去された凝集処理水に注入されることが好ましいが、膜ろ過装置に直接、注入しても凝集処理装置と膜ろ過装置を連絡する経路に注入してもよい。本発明は、粉末活性炭を膜ろ過装置に注入した場合、その滞留時間を長期化することできるという効果もある。
【0017】
制御部は、ΔAと凝集剤注入率の関係式、及び濁度と凝集剤注入率の補正値の関係式、並びに紫外線吸光度除去量(A−A)と粉末活性炭注入率との関係式の少なくとも何れかが、記憶されており、A、A、及び濁度の情報と前記関係式を比較し、凝集剤注入装置及び粉末活性炭注入装置の各々の注入率を制御することが好ましい。
上記関係式は、運転管理員の判断で任意に変更可能であり、上記記憶されたものをパソコン等で書き換え、置き換え等をすることができる。
【0018】
以下、本発明の好ましい態様を原水の前処理として除マンガン処理を施す処理を例に具体的に説明するが、本発明はこの態様に制限されず、上述の種々の態様が適用可能である。
原水は、上向流除マンガン装置、急速混和槽と凝集処理水受槽からなる凝集処理装置、粉末活性炭注入装置、槽浸漬型膜ろ過装置の順番に処理が施される。
原水は、次亜塩素酸ナトリウムを注入した後、原水供給ポンプで上向流除マンガン装置に供給され、溶解性マンガンを酸化・不溶化する。次亜塩素酸ナトリウムは、上向流除マンガン装置を通水した処理水の残留塩素として0.5mg/L程度検出するように注入する。なお、上向流除マンガン装置は、後段に膜ろ過装置があるので、除濁の必要性がないため、設置面積を狭く、処理水量を大きくできる利点がある。
上向流除マンガン装置にて処理された処理水は、自然流下により上向流除マンガン装置から流出し、凝集剤、更には所望によりpH調整剤等が注入され、急速混和層に供給される。
凝集剤には、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄等、水道用水に供するものであればいずれでもよい。
pH調整剤は、凝集処理時のpHを調整するものであって、一般的には凝集処理時のpHを酸性側にした方が、有機物、色度の除去性が向上するが、浄水処理設備として目標とする水質によっては、注入してもしなくとも良い。なお、注入する場合、使用する薬液は、硫酸、塩酸、苛性ソーダ等、水道用水に供することができるものであればいずれでも良い。急速混和槽から流出した処理水は、凝集処理水受槽にて一時的に貯留した後、槽浸漬型膜ろ過装置にポンプにより供給される。凝集処理水受槽と槽浸漬型膜ろ過装置の配管途中には、粉末活性炭注入装置が設けられ、運転管理者が設定する凝集処理後の紫外線吸光度目標値に応じて粉末活性炭が注入される。
【0019】
凝集剤の注入率の決定は、上向流除マンガン装置への原水供給配管上に紫外線吸光度計を設置し、原水の紫外線吸光度(A)を連続測定し、制御部において、この値と運転管理者が設定する凝集処理後の紫外線吸光度目標値(A)を比較することで、紫外線吸光度除去率ΔA[ΔA=100×(A−A)/A]を算出する。図1に示す紫外線吸光度除去率と凝集剤注入率の関係式を予め設定しておき、前記の凝集処理によって得られる紫外線吸光度除去率から、凝集剤注入率を導き出す。ただし、降雨等によって原水濁度が上昇した場合には、図2に示す原水濁度と濁度による凝集剤注入率補正の関係式に基づき、原水濁度に応じて前記の導出された凝集剤注入率に対して注入率の補正・加算がなされる。すなわち、図1に示す紫外線吸光度除去率と凝集剤注入率の関係式において、低濁度時には通常時の一例として図示される関係式にて凝集剤が注入されるのに対し、高濁度時の一例として図示される関係式に基づき凝集剤が注入されるようになる。なお、図1の高濁度時の一例として図示される関係式は、図2の関係式で補正されたものである。
【0020】
しかし、上記手順に則り導出された凝集剤注入率において、得られる凝集処理水の紫外線吸光度(A)が、運転管理者が設定する凝集処理後の紫外線吸光度目標値(A)に到達しない場合のみ、即ち、A>Aの場合のみ粉末活性炭の注入を行う。この粉末活性炭注入率は、図3に示すような予め設定されている紫外線吸光度除去量(A−A)と粉末活性炭注入率との関係式から決定される。
なお、紫外線吸光度(A)、(A)、及び(A)は、波長260nmを採用した。また、濁度は、透過光散乱方式により測定した。
【実施例】
【0021】
以下、本発明の実施例を説明する。なお、本発明はこの実施例により何等制限されるものではない。
【0022】
実施例1
上記図1〜3を採用した上記好ましい態様の浄水処理方法及び装置を適用し、処理水の経日変化を観察した。測定は、2011年1月26日(水)〜28日(金)まで、毎日9:00頃1回実施した。結果を表1に示す。
【0023】
【表1】

【0024】
比較例1
上記図1〜3を採用した浄水処理方法及び装置を適用することなく、処理水の経日変化を観察した。測定は、2010年3月12日(金)〜16日(火)まで、毎日9:00頃1回実施した。なお、期間中は浄水場の運転条件(凝集剤、活性炭注入率)を参考に、注入率(12日、14〜16日では凝集剤40mg/L、活性炭0mg/L、13日では凝集剤71mg/L、粉末活性炭19mg/L;期間中固定)を決定した。結果を表2に示す。
【0025】
【表2】

【0026】
上表より、本発明の方法及び装置を用いると、原水水質の変動に対して安定した処理が実施できることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水に凝集剤を注入してフロックを含む凝集処理水を生成する工程、及び前記凝集処理水を膜ろ過して浄水を得る膜ろ過工程を含む、浄水処理方法であって、前記凝集処理水の紫外線吸光度(A)が、予め設定された紫外線吸光度目標値(A)以下となるように、原水の紫外線吸光度(A)及び濁度の情報から凝集剤注入率を制御する、浄水処理方法。
【請求項2】
前記原水は、少なくとも除マンガン処理が施されたものであり、前記凝集処理水を生成する工程の後に、凝集処理水へ粉末活性炭を注入する工程を設けたものである、請求項1の浄水処理方法。
【請求項3】
前記A及び濁度を連続して測定し、予め設定されている紫外線吸光度除去率ΔA[ΔA=100×(A−A)/A、A=前記紫外線吸光度目標値]と凝集剤注入率の関係式、及び予め設定されている濁度と凝集剤注入率の補正値の関係式から、凝集剤注入率を決定する、請求項1又は2の浄水処理方法。
【請求項4】
請求項3の凝集剤注入率にて、請求項1又は2の浄水処理方法を実施した結果、A>Aの場合のみ、凝集処理水への粉末活性炭の注入を行う、請求項1〜3のいずれか1項の浄水処理方法。
【請求項5】
予め設定されている紫外線吸光度除去量(A−A)と粉末活性炭注入率との関係式から、粉末活性炭注入率を決定する、請求項4の浄水処理方法。
【請求項6】
請求項1のA、請求項3のΔAと凝集剤注入率の関係式、及び濁度と凝集剤注入率の補正値の関係式、並びに請求項5の紫外線吸光度除去量(A−A)と粉末活性炭注入率との関係式の少なくとも何れかは、任意に変更可能である、請求項1〜5のいずれか1項の浄水処理方法。
【請求項7】
前記Aは、0.25未満である、請求項1〜6のいずれか1項の浄水処理方法。
【請求項8】
前記紫外線吸光度は、波長260nmにて測定される、請求項1〜7のいずれか1項の浄水処理方法。
【請求項9】
原水に凝集剤を注入するための凝集剤注入装置、凝集剤注入装置からの凝集剤によりフロックを含む凝集処理水を生成する凝集処理装置、及び前記凝集処理水を膜ろ過して浄水を得る膜ろ過装置を含む、浄水処理装置であって、該浄水処理装置は、原水の紫外線吸光度(A)、及び前記凝集処理水の紫外線吸光度(A)を測定する装置、並びに前記A、A、及び濁度の情報を処理して、前記凝集剤注入装置の凝集剤注入率を制御する制御部を含む、浄水処理装置。
【請求項10】
前記凝集処理装置の前段に少なくとも除マンガン処理を施こすための除マンガン処理装置、前記凝集処理装置の後段に粉末活性炭注入装置を設けた、請求項9の浄水処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、請求項3のΔAと凝集剤注入率の関係式、及び濁度と凝集剤注入率の補正値の関係式、並びに請求項5の紫外線吸光度除去量(A−A)と粉末活性炭注入率との関係式の少なくとも何れかが、記憶されており、請求項7のA、A、及び濁度の情報と前記関係式を比較し、凝集剤注入装置及び粉末活性炭注入装置の各々の注入率を制御する、請求項9又は10の浄水処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−196628(P2012−196628A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62881(P2011−62881)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(591030651)水ing株式会社 (94)
【Fターム(参考)】