説明

浄水装置

【目的】種々の外観形態の変更を簡易かつ低価格に行える浄水装置を提供することを目的としている。
【構成】浄水部収容ケースは、原水流入部13及び原水導入路が設けられた基台15と、送水ホース6を延出させる開口部を備え、基台15に着脱自在に係着されて前記浄水部を内装する本体ケース1とからなり、種々の形態の本体ケースが交換可能な取り付け構造を備える。本体ケース1を基台15に係着する際には、送水ホース6を化粧キャップ3上部の開口部より遊挿して、係合部90を係合部70に添わせながら本体ケース1を回動すると、係着溝72と突起91が嵌合して係止し、係着状態にすることができる。本体ケース1を基台15から外す際には、逆方向に、本体ケース1を回動させると、係着溝72と突起91の係着状態が解除される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、活性炭やイオン交換樹脂等により水道水等の原水を浄化する浄水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の浄水装置には、家庭等の水道の蛇口にコンパクトに取り付けられる簡易型浄水装置がある。特許文献1には切換式浄水装置の一例が示されている。この切換式浄水装置は、水道の蛇口に接続される原水入口を、レバー操作により、原水出口と浄化水供給口に切換自在に接続する切換バルブと、浄化水出口を有するとともに切換バルブの浄化水供給口に着脱自在に接続されるろ過器とからなる。
【0003】
これに対し、特許文献2に示されるように、水道の蛇口に給水ホース等を介して直結される流水式浄水装置がある。この流水式浄水装置では、カートリッジ式浄水部を収容ケースに収容する据置型あるいは卓上型構造が一般的である。この場合における収容ケースのハウジング構造は、浄水部を収容する収容部と、収容部を載置する台部と、浄水部によりろ過された浄化水を吐出させる送水管等が内設された蓋体とからなる。また、カートリッジ式浄水部の取替えの際、収容部及び蓋体を台部から分解して、使用済みのカートリッジを取り出して新品のカートリッジに取り替えるカートリッジ脱着構造になっている。
また、流水式浄水装置の別のハウジング構造が特許文献3に示されている。この場合のハウジング構造は、カートリッジの収容筒を底部材にパッキング材を介装して装着し、かつ筒上端をパッキング材を介装して上蓋を装着し、更に上蓋より送水管を引き出し、その送水管を遊挿するナットを上蓋上側から嵌めて上蓋と収容筒を底部材に押し付けるように強くナット締めして組み立てられている。
【特許文献1】特開平9−174041号公報
【特許文献2】特開平8−257559号公報
【特許文献3】実開平7−13483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の据置型浄水装置は、家庭や職場において、日常的に人目につきやすい台所や厨房室等に設置して使用される。このため、浄水装置のメーカあるいはレンタル浄水装置の提供元は、上記収容ケースの形状や意匠デザインの外観形態が使用者の好みや使用環境を考慮したものにする必要がある。
しかしながら、特許文献2の浄水装置は、送水管等が蓋体に一体化されているので、収容ケースの形状や意匠デザインの外観形態を変更すると、ケース蓋体形状を変更したり意匠変更したりする必要がある。このため、使用者ニーズに合わせて外観形態が異なる種々の浄水装置を用意するには、メーカ等にとって多くの在庫品を抱えることになってしまい、低価格で多品種化を図るのが困難であるといった問題があった。また、特許文献3の浄水装置は、上蓋と収容筒を底部材にナット締めする締結構造であるため、ケース全体が筒状の対称形状に制限され、種々のケース形態に変更する自由度が少ない不具合があった。
【0005】
この発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、種々の外観形態の変更を簡易かつ低価格に行える浄水装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を達成するためになされたものであり、本発明の第1の形態は、流入口より流入路を通じて導入された被浄化水を流通させながら浄化した浄化水を流出口から送出する浄水部と、この浄水部を取替自在に収納する収納ケースと、前記流出口に連通して前記浄化水を吐出する送水管とを有する浄水装置において、前記収納ケースが、前記流入路を含んで、前記浄水部が装着される台座部と、前記送水管を延出させる開口部を備え、前記台座部に着脱自在に係着されて前記浄水部を内装する本体ケースとからなり、前記本体ケースを交換自在にした浄水装置である。
【0007】
本発明の第2の形態は、前記第1の形態において、前記浄水部の前記流出口に前記送水管の始端が嵌着されるノズル部を設け、前記本体ケースは前記ノズル部を被覆する浄水装置である。
【0008】
本発明の第3の形態は、前記第1又は第2の形態において、少なくとも前記台座部の上部及び前記本体ケースの下部は略円筒形状からなり、前記上部及び前記下部に一対の係合部が形成され、前記本体ケースを回動しながら前記下部の係合部を前記上部の係合部に係止させることにより前記係着状態にし、また前記回動方向と逆方向に、前記本体ケースを回動させて前記係着状態を解除して前記着脱自在にした浄水装置である。
【0009】
本発明の第4の形態は、前記第2又は3の形態において、前記本体ケースは、前記浄水部の大部分を内装するケース主体と、前記ケース主体に冠着され、少なくとも前記ノズル部を覆い、かつ前記開口部が設けられた化粧キャップとからなる浄水装置である。
【0010】
本発明の第5の形態は、前記第4の形態において、少なくとも前記ケース主体の頭部及び前記化粧キャップの裾部は略円筒形状からなり、前記頭部及び前記裾部に一対の係合部が形成され、前記化粧キャップを回動しながら前記裾部の係合部を前記頭部の係合部に係止させることにより、前記化粧キャップを前記ケース主体に係着させ、また前記回動方向と逆方向に、前記化粧キャップを回動させて前記係着状態を解除して着脱自在にして、前記化粧キャップを交換自在にした浄水装置である。
【0011】
本発明の第6の形態は、前記第3又は5のいずれかの形態において、前記一対の係合部が、突起と、前記突起が嵌入可能な凹部とからなる浄水装置である。
【0012】
本発明の第7の形態は、前記第1〜6のいずれかの形態において、前記浄水部は、前記被浄化水をろ過して浄化するろ過部材を含む交換可能なカートリッジからなり、前記被浄化水を前記ろ過部材内に流通させて浄化する浄水装置である。
【0013】
本発明の第8の形態は、前記第7の形態において、前記ろ過部材は、中空糸、セラミック膜、活性炭又はイオン交換物質の一つ以上からなる浄水装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1の形態によれば、流入口より流入路を通じて導入された被浄化水を流通させながら浄化した浄化水を流出口から送出する浄水部と、この浄水部を取替自在に収納する収納ケースと、前記流出口に連通して前記浄化水を吐出する送水管とを有する浄水装置において、前記収納ケースが、前記流入路を含んで、前記浄水部が装着される台座部と、前記送水管を延出させる開口部を備え、前記台座部に着脱自在に係着されて前記浄水部を内装する本体ケースとからなり、前記本体ケースを交換自在にしたので、前記開口部を有し、かつ前記台座部に対する係着構造が同じである本体ケースであれば、外観形態が異なる本体ケースが交換可能になり、種々の外観形態の変更を簡易に行える。殊に、本体ケースのみの交換により外観形態が異なる浄水装置を実現できるため、特許文献2の場合のように、ケース蓋体形状を変更したり意匠変更したりする必要がなく、外観が異なる多種類の収納ケースを備えた浄水装置を安価に構成することができる。
【0015】
本発明の第2の形態によれば、前記浄水部の前記流出口に前記送水管の始端が嵌着されるノズル部を設け、前記ノズル部を被覆するので、前記開口部より前記送水管を延出させた状態で前記ノズル部をコンパクトに内装する、外観形態の異なる前記本体ケースを種々交換可能にすることができる。
【0016】
本発明の第3の形態によれば、少なくとも前記台座部の上部及び前記本体ケースの下部は略円筒形状からなり、前記上部及び前記下部に一対の係合部が形成され、前記本体ケースを回動しながら前記下部の係合部を前記上部の係合部に係止させることにより前記係着状態にし、また前記回動方向と逆方向に、前記本体ケースを回動させて前記係着状態を解除して前記着脱自在にしたので、前記台座部に対する共通の係合部を前記本体ケース下部に形成するだけで、前記台座部に対してワンタッチで交換可能であり、かつ外観形態が異なる本体ケースを使用でき、簡易かつ安価なケース交換構造を備えた浄水装置を実現することができる。
【0017】
本発明の第4の形態によれば、前記第2又は3の形態において、前記本体ケースは、前記浄水部の大部分を内装するケース主体と、前記ケース主体に冠着され、少なくとも前記ノズル部を覆い、かつ前記開口部が設けられた化粧キャップとからなるので、単一部材からなる本体ケースと比較して、前記化粧キャップと前記ケース主体からなる複合型本体ケースを用いて、一層外観形態のバリエーションを豊富にできる、簡易かつ安価なケース交換構造を備えた浄水装置を実現することができる。
【0018】
本発明の第5の形態によれば、前記第4の形態において、少なくとも前記ケース主体の頭部及び前記化粧キャップの裾部は略円筒形状からなり、前記頭部及び前記裾部に一対の係合部が形成され、前記化粧キャップを回動しながら前記裾部の係合部を前記頭部の係合部に係止させることにより、前記化粧キャップを前記ケース主体に係着させ、また前記回動方向と逆方向に、前記化粧キャップを回動させて前記係着状態を解除して着脱自在にして、前記化粧キャップを交換自在にしたので、前記ケース主体に対する共通の係合部を前記化粧キャップ裾部に形成するだけで、前記頭部に対してワンタッチで交換可能であり、かつ外観形態が異なる化粧キャップを使用できる。従って、本体ケースに対して豊富な外観形態のバリエーションを持たせることができる、簡易なケース交換構造を備えた浄水装置を実現することができる。
【0019】
本発明の第6の形態によれば、前記第3又は5の形態において、前記一対の係合部が、突起と、前記突起が嵌入可能な凹部とからなるので、例えば合成樹脂成型加工により係着構造を前記本体ケース及び前記台座部、あるいは前記ケース主体及び前記化粧キャップに安価に形成付与することができる。
【0020】
本発明の第7の形態によれば、前記浄水部は、前記被浄化水をろ過して浄化するろ過部材を含む交換可能なカートリッジからなり、前記被浄化水を前記ろ過部材内に流通させて浄化するので、カートリッジ式の前記浄水部を内装する、外観形態の異なる前記本体ケースを種々交換可能にした浄水措置を実現することができる。
【0021】
本発明の第8の形態によれば、前記ろ過部材は、中空糸、セラミック膜、活性炭又はイオン交換物質の一つ以上からなるので、外観形態の異なる前記本体ケースを種々交換可能であり、しかも浄水性能に優れ、かつ清潔に浄水を生成処理可能な浄水装置における、浄水措置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1はこの発明の実施形態に係る浄水装置の外観正面を示す。図2の(2A)は同実施形態に係る浄水装置の上面を、また、図2の(2B)は同実施形態に係る浄水装置の底面を示す。図3は同実施形態に係る浄水装置の側面を示す。
この浄水装置は、上部に縮径部2を備えた略円錐台形状の本体ケース1と、本体ケース1が着脱自在に取り付けられる基台15からなる美装収納ケースを有する。縮径部2の頂部には化粧キャップ3が螺着係合により着脱自在に取り付けられている。化粧キャップ3上部の開口部より蛇腹式金属製フレキシブルチューブ5が外方に延出されている。フレキシブルチューブ5はチューブ内部に送水ホース6を挿通させて、送水ホース6を被覆している。送水ホース6の吐水口7はフレキシブルチューブ5の先端開口部8より1〜2cm外方に突出している。本体ケース1が取着される台座部としての基台15より給水ホース4が外方に延出されている。本体ケース1には、給水ホース4よりを導入された原水を流通させながら浄化し、浄化水を送水ホース6を通じて吐水口7側に送出する浄水部が取替自在に収納されている。送水ホース6は軟性合成樹脂からなり、蛇腹式のフレキシブルチューブ5内に装着することにより、吐水口7を任意の方向に移動させることができ、使用特性の向上を図っている。本体ケース1等のケース部材は安価に多量製造できる合成樹脂製部材からなる。
【0023】
図4は図2の(2A)のA−A縦断面を示す。浄水部はろ過部材を収納する合成樹脂製カートリッジで構成されており、このカートリッジは上部11、中央部9及び底部10からなる。上部11は中央部9と一体に形成され、底部10には中央部9と着脱自在に螺着部が形成されている。上部11、中央部9及び底部10には、それぞれ中空糸、活性炭、イオン交換樹脂のろ過部材が収納される。縮径部2に位置する上部11は、中央部9を通過した浄化水の流速が拡大するように中央部9より縮径されている。上部11に用いる中空糸ろ過部材は、例えば中空の極細繊維素体束からなる。極細繊維素体には、側壁に多数の孔が開口した多孔性のファイバー材が、微細な不純物やバクテリア等の微生物をろ過するのに好適である。底部10を外すことにより上部11及び中央部9にろ過部材を充填できる。底部10の下部は基台15に連結され、原水導入口14が開口されている。原水導入口14の近傍には原水流入部13が形成されている。原水流入部13には原水の流入圧力により弁開閉する弁体を設けてもよい。原水流入部13は給水ホース4の取り付けノズル12に至る原水導入路に連通している。
【0024】
上部11の頂部にはノズル部16が形成されている。ノズル部16中央に浄化水の流出口23が設けられており、流出口23に連通するノズル24が突設されている。ノズル24に送水ホース6の始端を嵌着することにより、送水ホース6と浄水部とが一体化されている。フレキシブルチューブ5の先端は先端キャップ8の凹部81内部に無理ばめにより嵌着されている。送水ホース6の吐水口7は先端キャップ8の開放端82より1〜2cm外方に突出している。これにより、吐水口7付近における水切り効果によりフレキシブルチューブ5の先端開口部8付近に滴が伝って残ったりすることがなく、吐水口7付近で雑菌が繁殖するのを防止でき、清潔性をより良好に維持できる。送水ホース6は軟性合成樹脂からなり、蛇腹式のフレキシブルチューブ5内に装着することにより、吐水口7を任意の方向に移動させることができ、使用特性の向上を図っている。ケース体1等の容器部材は安価に多量製造できる樹脂製部材からなる。
【0025】
上記の一体化構造を保持する保持機構を図4により詳述する。フレキシブルチューブ5の基端部分18の先端にはチューブ本体より拡径された金属性中空ホルダ部19が一体に取り付けられている。金属性中空ホルダ部19を含む基端部分18はフレキシブルチューブ5と溶着により固着されている。中空ホルダ部19の下端面はノズル24を覆うようにノズル部16上面の外周部分に載置される。この載置状態により、中空ホルダ部19の中空部が送水ホース6始端の嵌着状態を覆い、該始端部分を密閉する密閉空間が形成される。送水ホース6始端の嵌着状態を保持するためにリング状の弾性押圧部材21が送水ホース6始端外周に外嵌されている。
中空ホルダ部19及びスペーサ部材21をノズル部16の外周部分に載置した状態で、締着ナット20を中空ホルダ部19に対して外嵌し、ノズル部16側面の係合突起部17と螺着させることにより、締着ナット20の鍔部22と中空ホルダ部19の肩部との係合により締着ナット20の締結力を加えることができる。この締結の際、スペーサ部材21の介在により締着ナット20との間に中空ホルダ部19を挟着して、フレキシブルチューブ5及び送水ホース6を種々の向きに動かしても送水ホース6がノズル24より外れない強固な保持構造を形設することができる。従って、中空ホルダ部19内側に形成される前記密閉空間に、送水ホース6始端の嵌着状態を内装して、締着ナット20の締め付け作用により固定保持して、送水ホース6と浄水部との一体化保持構造を簡単かつ簡易に組み立てられ、組み立て作業性の向上を図ることができ、しかも簡単構造により組み立て材料コストの低減化も実現できる。
【0026】
上部保持構造における送水ホース6と浄水部との連結部分において、化粧キャップ3を縮径部2に着脱自在に冠着することにより、送水ホース6始端の取り付け部分等が外気に直接晒されないようして、大気中に浮遊する塵芥や雑菌等の汚染物質が付着したり堆積したりせず、より清潔な浄水処理が可能となる。化粧キャップ3の開口部裏側には、フレキシブルチューブ5の基端部分18を支持するガイド筒体25が突設されている。
【0027】
上記構成の浄水装置においては、浄水部のろ過材を交換する際には、化粧キャップ3を外して締着ナット20の締結を解除することにより、フレキシブルチューブ5の基端部分18を引き出して、送水ホース6始端の嵌着状態の被覆状態を開放でき、更にフレキシブルチューブ5を引き抜くことにより、送水ホース6と浄水部とが一体化した状態が露出される。そして、本体ケース1と基台15との係合状態を解除して本体ケース1を取り外すと、浄水部が取替え可能な状態になるため、ワンタッチでろ過部材のカートリッジ交換作業を行える。
【0028】
図5は上記構成の浄水装置の分解図である。本実施形態における浄水部収容ケースは、原水流入部13及び原水導入路が設けられた基台15と、送水ホース6を延出させる開口部を備え、基台15に着脱自在に係着されて前記浄水部を内装する本体ケース1とからなり、種々の形態の本体ケースが交換可能な取り付け構造を備える。
図6の(6A)は基台15に設けられた係合部70を示す。係合部70は原水流入部13より少し上の円周縁部の外周に180°対向する位置に2個設けられている。係合部70は内周に沿って、一端が開放された凹部形状からなり、凹部終端付近に鉛直方向に刻設された係着溝72を有する。
図6の(6B)は本体ケース1下部に設けられた係合部90を示す。係合部90は本体ケース1下端の内周面に180°対向する位置に2個設けられている。係合部90は係合部70の凹部より短いレール形状からなり、レール先端付近に鉛直方向に突設された突起91を有する。これらの係合部のうち、上記の係着溝72及び突起91は本発明の一対の係合部を構成する。本体ケース1下端が密着して基台15に係着するように、本体ケース1下端の内面と周基台15の前記円周縁部の外周は同一径に設定されている。
【0029】
本体ケース1を基台15に係着する際には、送水ホース6を化粧キャップ3上部の開口部より遊挿して、係合部90を係合部70に添わせながら本体ケース1を回動すると、係着溝72と突起91が嵌合して係止し、係着状態にすることができる。本体ケース1を基台15から外す際には、逆方向に、本体ケース1を回動させると、係着溝72と突起91の係着状態が解除される。
【0030】
上記構成に係る、着脱自在のケース取付構造により、基台15の係着溝72に対する共通の突起91を本体ケース下部に形成するだけで、基台15に対してワンタッチで交換可能であり、かつ外観形態が異なる本体ケースを使用でき、簡易かつ安価なケース交換構造を備えた浄水装置が得られる。例えば、本実施形態では2段構造でそれぞれの段差部分を傾斜させた斬新な意匠デザインを具備した縮径部2及び本体ケース1を用いているが、ケース表面に凹凸模様を付したり、あるいは化粧キャップ3も同径の円筒ケース等々の外観形態を備えた本体ケースに取替える際にも、少なくとも共通の突起91を本体ケース下部に形成することで対処でき、簡易かつ安価にケースデザイン変更を行える。
【0031】
また、本実施形態では、縮径部2においても化粧キャップ3を着脱自在の取付構造を具備している。ケース主体としての縮径部2の円形頭部の外周に、係着溝72を含む係合部70と同様の形状の係合部71が外周に180°対向する位置に2個設けられている。化粧キャップ3の裾部は円筒形状からなり、図示しないが、突起91を含む係合部90が前記裾部の内周面に180°対向する位置に2個設けられている。本体ケースと同様に、化粧キャップ3を回動しながら前記裾部の突起を前記頭部の係着溝に係止させることにより、化粧キャップ3を縮径部2に係着させ、また逆方向に回動させると、係着状態が解除されて着脱自在となっている。従って、縮径部2に対する共通の突起等の係合部を化粧キャップ裾部に形成するだけで、縮径部2に対してワンタッチで交換可能であり、かつ外観形態が異なる化粧キャップを使用できる。これにより、色彩や外観形状の異なる化粧キャップを取替えて、本体ケース1に対して豊富な外観形態のバリエーションを持たせることができる。
【0032】
尚、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明によれば、送水ホース等を延出する開口部を有し、かつ台座部に対する係着構造が同じである本体ケースであれば、外観形態が異なる本体ケースが交換可能になり、種々の外観形態の変更を簡易に行える浄水装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態に係る浄水装置の外観図である。
【図2】同実施形態に係る浄水装置の上面図及び底面図である。
【図3】同実施形態に係る浄水装置の側面図である。
【図4】図2の(2A)のA−A縦断面図である。
【図5】上記浄水装置の分解図である。
【図6】(6A)は基台に設けられた係合部を示し、(6B)は本体ケース下部に設けられた係合部を示す。
【符号の説明】
【0035】
1 収納ケース
2 縮径部
3 化粧キャップ
4 給水ホース
5 フレキシブルチューブ
6 送水ホース
7 吐水口
8 先端開口部
9 中央部
10 底部
11 上部
12 取り付けノズル
13 原水流入部
14 原水導入口
15 基台
16 ノズル部
17 係合突起部
18 基端部分
19 中空ホルダ部
20 締着ナット
21 押圧部材
22 鍔部
23 流出口
24 ノズル
25 ガイド筒体
70 係合部
71 係合部
72 係着溝
81 凹部
82 開放端
90 係合部
91 突起


【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入口より流入路を通じて導入された被浄化水を流通させながら浄化した浄化水を流出口から送出する浄水部と、この浄水部を取替自在に収納する収納ケースと、前記流出口に連通して前記浄化水を吐出する送水管とを有する浄水装置において、前記収納ケースが、前記流入路を含んで、前記浄水部が装着される台座部と、前記送水管を延出させる開口部を備え、前記台座部に着脱自在に係着されて前記浄水部を内装する本体ケースとからなり、前記本体ケースを交換自在にしたことを特徴とする浄水装置。
【請求項2】
前記浄水部の前記流出口に前記送水管の始端が嵌着されるノズル部を設け、前記本体ケースは前記ノズル部を被覆する請求項1に記載の浄水装置。
【請求項3】
少なくとも前記台座部の上部及び前記本体ケースの下部は略円筒形状からなり、前記上部及び前記下部に一対の係合部が形成され、前記本体ケースを回動しながら前記下部の係合部を前記上部の係合部に係止させることにより前記係着状態にし、また前記回動方向と逆方向に、前記本体ケースを回動させて前記係着状態を解除して前記着脱自在にした請求項1又は2のいずれかに記載の浄水装置。
【請求項4】
前記本体ケースは、前記浄水部の大部分を内装するケース主体と、前記ケース主体に冠着され、少なくとも前記ノズル部を覆い、かつ前記開口部が設けられた化粧キャップとからなる請求項2又は3に記載の浄水装置。
【請求項5】
少なくとも前記ケース主体の頭部及び前記化粧キャップの裾部は略円筒形状からなり、前記頭部及び前記裾部に一対の係合部が形成され、前記化粧キャップを回動しながら前記裾部の係合部を前記頭部の係合部に係止させることにより、前記化粧キャップを前記ケース主体に係着させ、また前記回動方向と逆方向に、前記化粧キャップを回動させて前記係着状態を解除して着脱自在にして、前記化粧キャップを交換自在にした請求項4に記載の浄水装置。
【請求項6】
前記一対の係合部が、突起と、前記突起が嵌入可能な凹部とからなる請求項3又は5に記載の浄水装置。
【請求項7】
前記浄水部は、前記被浄化水をろ過して浄化するろ過部材を含む交換可能なカートリッジからなり、前記被浄化水を前記ろ過部材内に流通させて浄化する請求項1〜6のいずれかに記載の浄水装置。
【請求項8】
前記ろ過部材は、中空糸、セラミック膜、活性炭又はイオン交換物質の一つ以上からなる請求項7に記載の浄水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−175569(P2007−175569A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−374148(P2005−374148)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000133445)株式会社ダスキン (119)
【Fターム(参考)】