液体処理装置用の光学センサシステムおよび検査方法
【課題】液体など測定対象物の界面を精度よく検出する。
【解決手段】空間内の少なくとも1つの照明位置に光を投光する装置と、受光された光に応じて測定信号を出力するために、少なくとも1つの受光素子で少なくとも1つの照明位置を結像する少なくとも1つの装置と、投光装置が、複数個の照明位置に光を同時に投光する装置であり、および/または投光装置が同じ照明位置に異なる角度で光を同時に投光する装置であり、および/または複数個の受光素子が実在し、少なくとも1つの測定信号を分析するために少なくとも1つの受光素子に接続される分析装置とを備える液体処理装置における光学センサシステム。
【解決手段】空間内の少なくとも1つの照明位置に光を投光する装置と、受光された光に応じて測定信号を出力するために、少なくとも1つの受光素子で少なくとも1つの照明位置を結像する少なくとも1つの装置と、投光装置が、複数個の照明位置に光を同時に投光する装置であり、および/または投光装置が同じ照明位置に異なる角度で光を同時に投光する装置であり、および/または複数個の受光素子が実在し、少なくとも1つの測定信号を分析するために少なくとも1つの受光素子に接続される分析装置とを備える液体処理装置における光学センサシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体処理装置用の光学センサに関する。
【0002】
特に、容器(例えば、反応槽またはマイクロタイタープレートのウェル)中の液面の高さの決定、容器(例えば、反応槽またはマイクロタイタープレート)の位置および同一性(identity)の決定、並びに対象物(例えば、工具、付属品、ラック内のピペット点、および液体処理装置の他のいわゆる「実験機器」)の位置および同一性の決定に役立つ。
【背景技術】
【0003】
特に、液体処理装置は、液体測定、および/または液体搬送、および/または液体検査、および/または(化学的に、物理的にまたは生物学的に)液体処理する装置である。液体を処理するための公知の装置において、そのプロセスは、手動、あるいは部分的または完全自動のいずれかで実行される。例えば、手動ピペット、PC支援型計量供給システムおよび完全自動計量供給ステーションが、計量供給に関して知られている。液体を計量供給、搬送、検査、および処理するための完全自動処理ステーション(いわゆる「ワークステーション」)がある。
【0004】
計量供給誤差は侵入深度とともに増加するし、または、ピペット点または容器のそれぞれについて、侵入が深すぎると損傷を受ける可能性があるので、自動的に分注する(pipetting)ときだけではなく、手動で分注するときにも、ピペット点は可能な限り小さい侵入深度で液体中に浸さなければならない。加えて、ピペット点は、空気が吸引されないように、液体をピックアップする間、連続的に液中に入れられなければならない。この際、液体をピックアップするときに、容器中の液面が下がることが考慮されなければならない。手動ピペットを用いると、ユーザは、連続的にピペット点の侵入深度を確認し、ピペット点を追跡しなければならない。自動計量装置では、監視装置および制御装置がこのために使用される。
【0005】
EP第1288635A2号(特許文献1)により、空間内のおよそ点形状の照明位置、および受光強度に応じて測定信号を出力する受光素子を有するおよそ点形状の受光素子を照明する照明装置を用いる液体処理装置が、知られている。当該装置は、およそ点形状の受光素子に照明位置を撮像する撮像システムを有する。さらに、当該装置は、受光素子によって与えられる測定信号を分析することによって、屈折率が異なる2つの媒体間の界面の接近を監視する分析装置を有する。屈折率が異なる2つの媒体間の界面が照明位置に入ると、受光素子により受け取られる光放射の強度、および、受光素子によって出力される測定信号は強く変化する。したがって、照明位置に界面があるかどうかを決定することができる。
【0006】
照明装置および撮像システムの光ビームは、照明位置に向かって同じ光軸上に整列できるので、より大きな距離から、および、側面方向の空間要求が大幅に低い界面の非接触検索が可能である。これは、相対的に小さな開口部および/または相対的に大きい深度を有する容器において液面の検索を促進する。
【0007】
それは、近傍の容器を通る外乱を受けずに液面を検索するために、液体(例えば水)を透明しない波長の光を選択的に使用できる。
【0008】
界面の位置決定の場合、照明位置と界面の相対的な位置は、界面が照明位置に位置するまで変化し得る。さらに、測定信号の個々の値または進路に基づいて対象物全体の位置および/またはその同一性を導き出すために、対象物の表面を照明位置で走査することができる。これを行うためには、装置は撮像システムの光軸の方向で、および/またはそれに直角となり、照明位置および界面の相対位置を調整する調整装置を有してよい。分析装置は、照明位置と界面の相対的な位置の調整を調整装置によって誘発できる。これにより、その調整は、照明位置を界面に設定、および/またはそれを界面に沿って移動するように設定するように、測定信号に応じて行われる。
【特許文献1】EP第1288635A2号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、上記装置は、それぞれ、界面の照明点を位置決め、あるいは界面を検出するために、調整装置は多くの場合長い移動経路を通り抜けなければならない。このことは、多大な時間を要し、液体処理装置の動作速度を減速させる。
【0010】
本発明は、液体処理装置に光学センサシステム、および界面のより迅速な検出を可能にするこのような光学センサシステムを操作する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
当該目的は請求項1の特徴を有する光学センサシステムによって解決される。センサシステムの有利な実施形態は従属クレームで示される。
【0012】
液体を処理する装置における光学センサシステムは、
空間内の少なくとも1つの照明位置に投光する投光装置と、
受光に応じて測定信号を出力する少なくとも1つの受光素子の少なくとも1つの照明位置を撮像する少なくとも1つの撮像装置と、
前記投光装置は、複数個の照明位置に光を同時に投光する装置であり、および/または前記投光装置は、異なる角度で同じ照明位置に光を同時に投光する装置であり、および/または複数個の受光素子が実在しており、
少なくとも1つの測定信号を分析する少なくとも1つの受光素子に接続される分析装置とを備えている。
【0013】
本発明は特に以下の知見に基づいている。EP第1288635A2号の液体処理装置の光学センサシステムは、照明装置、受光素子、および界面が、界面における照明位置からの光が点形状の受光素子に対して正確に反射されるように互いに向かって整列されるという事実に依存している。照明装置および撮像システムが照明位置に向かって同光軸上で整列すると、照明装置および撮像システムは、点形状の照明位置からの光が点形状の受光素子に対して反射されるように界面に向かって垂直に配向されなければならない。照明装置の光軸に対して界面の特定の傾斜角度からについては、その反射光は受光装置に当たらない。したがって、この傾斜した界面は、光学センサシステムによって検出されない。
【0014】
容器のおいて、特に、反応容器およびマイクロタイタープレートの深部(deepenings)のような小さな寸法の容器では、液体の表面はさまざまに形成される。これらの界面の形状は、重力、容器の寸法、液体の補充モード、液体の表面張力、容器の壁面の湿潤性、および、さらに複雑な影響によって決定され、これらは、照明装置および撮像システムが界面に向かって垂直に整列されている最適反射部位のいずれの予測も許容しない。
【0015】
最適反射部位は、特に相対的に大きな容器の平面的な液体表面の領域では相対的に大きく、特に小さい容器の相対的に平らではない液体表面の領域では小さい。液体は好ましくは容器の壁で運ばれるので、手動で分注される液体試料においては、液体表面が傾斜している場合がある。このため、最適反射部位は、中心からかなり離れて位置していてよい。
【0016】
公知の光学センサシステムは、最適反射部位が見つかるまで数回、水平および垂直に動かされなければならない。したがって、界面の検出は長い移動経路を必要とし、時間要求も相応して高い。
【0017】
本発明の光学センサシステムは、同時に複数個の照明位置を照明し、および/または異なる角度で同じ照明位置を同時に照明し、および/または同時に光を受光し、受光された光に応じて測定信号を出力できる複数個の受光素子を有する。複数個の照明位置または複数個の受光素子は、それぞれ空間内で異なる位置にある。したがって、複数個の照明位置は、検出される界面をより大きな領域で同時に照明できる。照明位置が異なる角度で照明されるとき、光は検出される界面からさまざまな角度で反射される。複数個の受光素子は、異なる角度で界面から照射される光を受光できる。前述されたすべての変形例では、投光装置および検出される界面に対する撮像装置のある特定の配列で最適反射部位を見つける確率が高められており、照明位置への投光は、それが少なくとも1つの受光素子に当たるように界面によって反射される。同様に受光素子は、分析装置が照明位置での界面の場所を決定できるように対応する測定信号を出力するする。結果として、界面に対する光学センサシステムの移動を省略できる可能性がある。最適反射部位の位置は、瞬時に突き止めることができないので、光学センサシステムを界面に対して動かすことが必要である場合において、光学センサシステムは、分析装置が測定信号を分析することにより、界面の最適反射部位が照明位置の中にあると決定するまで界面に対して動かすことができる。最適反射部位を検出するための移動経路は短縮できる。このため、より迅速な界面の検出が可能になり、液体処理装置の動作速度を高められる。
【0018】
言及された有利な効果は、特に、投光装置が複数個の照明位置に光を同時に投光するとき、および/または同時に異なる角度で同じ照明位置に投光し、単一の受光素子がすぐ使えるときに達成される。さらに、それらは、投光装置が1つの角度で1つの照明位置を照明し、複数個の受光素子がすぐ使えるときに達成される。それらは、投光装置が同時に複数個の照明位置を照明するとき、および/または同時に異なる角度で同じ照明位置を照明し、複数個の受光素子がすぐ使えるときに特に有利に達成される。
【0019】
光学センサシステムは、特にさまざまな種類の界面、特に乱反射する界面または直接的に反射する界面を有する液体および対象物を検出できる。したがって、光学センサシステムは、特に界面の位置および/またはこれを特徴付ける液体または対象物の同一性をそれぞれ決定するために利用できる。原則的には、投光装置は、外部光源を利用できる。一実施形態によると、投光装置は、少なくとも1つの光源を有する。追加の実施形態では、光源は少なくとも1つのレーザ、LEDまたは電球である。例えば、レーザは、半導体レーザ、特にレーザダイオードである。
【0020】
投光装置が複数個の光源を有するとき、さまざまな光源の光は、完全同時に異なる照明位置に投光でき、および/または異なる角度で同じ照明位置に同時に投光できる。しかしながら、本発明は、さまざまな光源の光が複数個の照明位置に時間的に変位(offset)されて投光され、および/または異なる角度で同じ照明位置に時間的に変位(offset)されて投光されるように組み込まれている。その結果、1つの光源だけが特定の時点でオンに切り替えられる。これらの具現化は、特に光源が非常に速い順序でオンに切り替えられるとき、この切換動作は、調整装置によって公知のワンビームセンサシステムを代用したときよりも迅速に界面を走査できるので、界面のより迅速な検出も可能にする。複数個の光源を連続してオンに切り替えることは、さまざまな光源に測定信号を割り当てるのに役立つ。次々にオンに切り替えられる複数個の光源は、さまざまな照明位置をある程度同時に照明し、あるいは1つの照明位置を異なる角度である程度同時に照明するので、それらは本発明の趣旨において同時にオンに切り替えられる。
【0021】
一実施形態によると、光源は検出される界面により特に高い度合いで反射される波長を有する光を照射する。したがって、対象物の界面の検出に使用される波長以外の波長を有する光は、液体の界面の検出に使用できる。この実施例は、非透過な液体に当該波長の光と作用させると、液面は近傍の容器壁を通る外乱を受けずに検出できる。液体は、特定の波長の光に対して透過するとき、容器底の場所はこの光を用いて液体を横切って検出できる。液体の検出に適切な波長は、その組成に依存し得る(例えば、水溶液または有機溶液)。対象物の表面の検出に適切な波長は、どの物質(例えば、金属またはプラスチック)から、どの特性(透明、反射、光沢のある、つやのないなど)で対象物が作られているかに依存し得る。可視光および非可視光(IRおよびUV放射)を含む幅広い範囲の波長が検討される。レーザダイオードは、特に可視光の範囲で使える。
【0022】
一実施形態によると、投光装置は、異なる波長に切り替え可能な光源を有し、これにより、検出される界面に応じてオンに切り替えることができる。別の実施形態によると、投光装置は調整可能な波長を有する1つの光源(例えば、同調可能なレーザダイオード)を有する。
【0023】
これらの実施形態は、異なる波長の光で界面を検出することを可能にする。無効測定値は、別の波長の光での測定の検査の後に認識でき、そして除去できる。特に非常に少量の液体しか容器に入っていない場合、液体の表面と容器の底部とを区別することは重要である。1つの波長しかない光を測定するとき、これは非常に困難である。異なる波長を有する光を使用することにより、特に波長が測定容器および対象物に従って最適化されるときに割り当てが容易になる。
【0024】
一実施形態によると、投光装置は、少なくとも1つの点形状、線形状、あるいは二次元の照明位置に光を投光する装置である。点形状の照明位置は、狭い容器中の界面、あるいは、例えばマイクロタイタープレートのウェル中の小さな界面を検出するのに有利である。加えて、少なくとも1つの点形状の照明位置に光を集めると、点形状の照明位置が最適反射部位に当たると特に強いな測定信号が取得される。点形状の焦点位置を生じさせるために、少なくとも1つの光源は、一実施形態により点形状になる。追加の実施形態によると、外見上点形状の光源がそれぞれ絞り、または、光導波路(light guide)の光出力側に存在するように、投光装置は少なくとも1つの光源の光路に少なくとも1つの絞りおよび/または少なくとも1つの光導波路を有する。
【0025】
照明位置は、空間でさまざまな配置を有してよい。実施形態によると、照明位置は三次元配置または二次元での配置を有する。追加の実施形態によると、照明位置は凸面または凹面に、あるいは互いに向かって傾斜した複数の平面に配置されている。これらの実施形態は、界面(例えば、狭い容器中の液体表面)の特徴的な形状に匹敵する(approach)し、それらは最適反射部位を検出するのを容易にすることができる。
【0026】
三次元配置では、照明位置は特に空間格子の交点に配置される。二次元で配置されると、照明位置は、特に二次元の格子形状の網(またはそれぞれラスタ状)の交点に、あるいは他のパターンで配置される。
【0027】
特に複数個の異なる照明位置は、それぞれ、互いに分離された照明位置、すなわち個々の照明位置であってよい。しかもそれらは、互いに接触、あるいは部分的に互いを覆っていてもよい。
【0028】
一実施形態によると、少なくとも1つの照明位置を照らす光ビームは8°以下の開口角を有し、光ビームは、端縁領域で陰影を付けられることなく、相対的に小さな開口部直径および/または大きな深度で容器に導入される。容器は、計量供給ステーションまたは完全自動処理装置での液体の収容に頻繁に使用される、ミリリットル範囲以下の充填体積の容器であってよい。
【0029】
一実施形態によると、撮像システムからの照明位置の距離は100mm以上であり、前述された種類の多くの通常の容器における液面の非接触測定が可能である。
【0030】
少なくとも1つの照明位置は、さまざまな方法で作り出すことができる。例えば、照明位置は、例えばレーザによって作り出すことができる線形状の光ビームによって照らされる。少なくとも1台の撮像装置により、少なくとも1つの点形状の照明位置は、少なくとも1つの受光素子で撮像される線形状の光ビームにおいて画定される。
【0031】
一実施形態によると、投光装置は1つの単一光源と、光源を少なくとも1つの照明位置で撮像する少なくとも1つの装置とを有する。この投光装置は特に1つの単独の照明位置を照らし出すことができる。複数個の異なる照明位置に光を同時に投光するため、および/またはさまざまな角度で同じ照明位置に光を同時に投光するために、一実施形態によると、投光装置は、光源を複数個の仮想光源に分割する装置と、複数個の仮想光源を少なくとも1つの照明位置に撮像する少なくとも1つの装置とを有する。
【0032】
一実施形態によると、光源を分割する装置は扇形に広がる光導波路、および/または多孔絞りを有する。それ自体扇形に広がる光導波路は、扇形に広げられていない端部を光源に向け、扇形状に広がった端部を撮像装置に向ける。仮想光源は扇形の導光板の扇形端部にある。多孔絞りは、光源と撮像装置との間の光路に配置される。複数個の仮想光源は、多孔絞りの絞り開口部により画定される。
【0033】
別の実施形態によると、投光装置は、複数個の光源と、複数個の光源を少なくとも1つの照明位置で撮像する少なくとも1つの装置とを備える。この実施形態では、複数個の光源の光は複数個の照明位置に光を同時に投光するため、および/または異なる角度で同じ照明位置に光を同時に投光するために使用される。
【0034】
追加の実施形態によると、投光装置は、複数個の仮想光源または複数個の光源から少なくとも1つの照射位置に投光した反射光を撮像する装置を備えている。
【0035】
一実施形態によると、少なくとも1つの受光素子は点形状、線形状または平面状である。例えば、少なくとも1つの受光素子は光ダイオード、光ダイオードアレイ、光ダイオードマトリックス、または平面受光素子である。好ましくは、受光素子の形状は、受光素子にて撮像される照明位置の形状に相当する。したがって、点形状の照明位置は、好ましくは点形状の受光素子にて撮像され、線形状の照明位置は線形状の受光素子にて撮像され、二次元の照明位置は二次元の受光素子にて撮像される。
【0036】
受光素子は空間内に、例えば三次元配置または面上の配置などの異なる配置をしてもよい。当該面は、特に平らな面である。受光素子は、空間格子、または特に平面的な格子形状の網(またはそれぞれラスタ状)の交点上に、あるいは他のパターンで配置できる。好ましくは、受光素子の配置は照明位置の配置に相当しており、各照明位置はこれらの割り当てられた受光素子の1つにて撮像される。例えば、照明位置および受光素子は、一度に一つ一つ空間格子の、または平面的な格子形状の網の交点の延長線上に配置され、照明位置と交点の距離は、受光素子と交点の距離に相当する。
【0037】
例えば、照明位置および/または受光素子の距離は1ミリメートルの10分の1から数ミリメートルの範囲内である。
【0038】
特に複数個の受光素子は、互いから分離された受光素子、すなわちそれぞれ個々の受光素子であり、つまりそれらは互いに接触できる。複数個の受光素子は、別々のアセンブリパート、あるいは1つの単独のアセンブリパートの部分である。
【0039】
点形状の受光素子は特に小さな感光領域のある受光素子である。一実施形態により、少なくとも1つの絞り、および/または少なくとも1つの光導波路が、少なくとも1つの撮像装置と少なくとも1つの受光素子との間の光路の中に配置される。絞りまたは光導波路は、外見上点形状の受光素子が得られるように、受光素子の感光領域の点形状の領域に光の通過を制限する。
【0040】
一実施形態によると、1つの単独の受光素子および少なくとも1つの照明位置を受光素子にて撮像する少なくとも1つの装置がある。好ましくは、少なくとも1つの撮像装置は、最適反射部位の検出を容易にするために、複数個の照明位置を単独の受光素子にて撮像する。しかし、撮像装置が受光素子にて1つの照明位置を撮像し、反射部位が最適である入射角で照明位置に光を投光するために、その照明位置に光が異なる角度で投光される具現化も含まれる。
【0041】
一実施形態により、光の結合装置が、少なくとも1つの撮像装置と受光素子との間の光路に配置される。結合装置は、光が通過して入射する複数の入射口を有する。結合装置では、入射した光は結合され、共通の出力口を通って受光素子に出力される。追加の実施形態に従って、光の結合装置は、それぞれと結合する光導波路を有する。
【0042】
一実施形態により、複数個の受光素子と、少なくとも1つの照明位置を複数個の受光素子にて撮像する少なくとも1つの装置を備える。複数個の受光素子によって、1つの単独の照明位置から反射光を受光する確率が高められる。複数個の照明位置があるとき、少なくとも1つの照明位置から反射光を受光する確率は複数個の受光素子を通して高められる。
【0043】
一実施形態により、投光装置と、少なくとも1つの撮像装置とは同光軸上で配置される。これによって、狭い容器および強く構造化された表面のある走査対象物での界面の取得が好ましい。
【0044】
一実施形態により、少なくとも1つの光源の光は、ビームスプリッタを介して少なくとも1つの照明位置で少なくとも1つの光源を撮像する装置に出力され、撮像する同装置がビームスプリッタを介して少なくとも1つの照明位置を少なくとも1つの受光素子にて撮像する。これにより、影響する光の測定が可能になる。撮像装置は、単に1つであるので、費用は相対的に少ない。
【0045】
一実施形態により、少なくとも1つの光源を撮像する少なくとも1つの装置、および/または少なくとも1つの照明位置を撮像する少なくとも1つの装置は、1枚のレンズ、および/または撮像装置と照明位置の両側に配置される複数個のレンズ、および/またはレンズアレイ、および/またはフレネルレンズを有する。特に、撮像装置の撮像方光に向う軸に直角に並んで配置されている複数個のレンズ、レンズアレイ、およびフレネルレンズは、複数個の光源または仮想光源を少なくとも1つの照明位置にて撮像するために、および/または少なくとも1つの照明位置を複数個の受光素子にて撮像するために使用される。
【0046】
一実施形態により、分析装置は少なくとも1つの受光素子によって出力される測定信号をフィルタにかける手段を有する。これによって、測定信号のノイズ部分を抑制することができ、外部光および他の外乱の影響を回避できる。例えば、少なくとも1つの照明位置を垂直に移動するときに受光素子によって出力される測定信号は、ノイズ除去のために空間微分され、界面は、導関数がゼロになる位置にあると判断される。ノイズ信号を測定信号から除去するための追加の評価方法(例えば、対数、さらに高次の積分)が利用できる。測定信号をフィルタにかけることによって、光学センサシステムの感度および光学センサシステムによる界面の検出の速さが向上される。
【0047】
一実施形態により、最適反射部位に少なくとも1つの照明位置を位置決めするために、少なくとも1つの撮像システムの光学軸の方向で、および/または同様に横断方向での少なくとも1つの照明位置および界面の相対位置を調整する調整装置を備える。追加の実施形態により、投光装置、撮像システムおよび少なくとも1つの受光素子により形成される光学部品の界面に対する相対位置は、調整装置によって調整可能である。このために、光学センサシステムは、例えば(X軸、YX軸およびZ軸の方向で)水平におよび垂直に移動可動な搬送装置によってシフト可能であり、おおび/または界面は、例えばオブジェクトスライドによってシフト可能である。
【0048】
一実施形態により、調整装置は、少なくとも1つの撮像システムの光軸の調整のために撮像システム中にズームレンズ、および/またはオートフォーカスシステムを有する。光軸に対して直交方向の調整のために、調整装置は撮像システムに少なくとも1つの走査ミラーを有してよい。
【0049】
一実施形態により、調整装置は、例えば液体を処理する自動装置への組込みのために、モータ駆動式である。
【0050】
一実施形態により、分析装置は、少なくとも1つの照明位置の界面に対する相対位置の、調整装置による調整を開始する。分析装置は、少なくとも1つの照明位置を界面に設定するために、および/または界面に沿って照明位置を移動するために、測定信号に応じて調整を実行できる。
【0051】
一実施形態により、分析装置は、界面の位置または界面を有する液体もしくは対象物の位置、および/または同一性をそれぞれ検出する。液体または対象物の同一性は、それらの界面を特定の波長の光で走査すること、および測定信号を基準データと比較することによって検出できる。対象物の同一性は、走査によって検出された界面の外形を基準データと比較することによって検出できる。基準データは、例えばそれぞれ基準液体または基準対象物に対して予め行なった走査によって検出した後に記憶する。これらの決定の結果は、液体処理装置の処理の自動制御に使用できる。
【0052】
追加の実施形態により、分析装置は容器(例えば、反応容器またはマイクロタイタープレートのウェル)中の界面、および/または実験用品(例えば、反応容器、マイクロタイタープレート、ピペット点などのいわゆる「実験器具」)、および/または工具の位置および/または同一性を検出する。
【0053】
一実施形態により、光学センサシステムは、液体を処理する自動装置に配置される。
【0054】
一実施形態により、分析装置は、対象物の光学的に走査可能な特徴(mark)を取得するための分析装置である。光学的に操作可能な特徴は、例えば対象物に配置されるバーコードまたはラインコード、すなわち対象物におけるラスタの穴のまたは線の符号化された配列である。
【0055】
さらに、目的は請求項38の特徴のある方法によって解決される。請求項1〜請求項37のいずれかにより光学センサシステムを操作するこの方法では、
光を少なくとも1つの照明位置に投光し、
少なくとも1つの照明位置を、少なくとも1つの受光素子で撮像し、
光を複数個の照明位置に同時に投光し、および/または光を複数個の照明位置に同時に投光し、および/または光を同じ照明位置に異なる角度で投光し、および/または少なくとも1つの照明位置を複数個の位置検出器で撮像し、
少なくとも1つの照明位置と界面との間の垂直距離を変化させ、
少なくとも1つの受光素子の測定信号の最大値を、垂直距離を変化させるときに取得し、
測定信号の最大値での照明位置の位置を界面の位置として決定される。
【0056】
本発明による方法は、垂直方向で(またはそれぞれZ軸の方向で)、つまり地球の引力の方向で、または地球の引力の方向に逆らって界面の空間位置を検出する。水平位置(またはX軸とY軸の方向)での検出および最適反射部位の界面上の特定の位置への割り当てを省略することができる。これによって、液面の検出速度が上げられる。
【0057】
一実施形態により、照明位置と界面との間の垂直位置を変化させるときに、少なくとも1つの受光素子の測定信号の最大値が検出されず、その後少なくとも1つの照明位置と界面との垂直距離の変動により測定信号の最大値がないか新たに検出される場合には、少なくとも1つの照明位置の位置を垂直線の横断方向で変化させる。垂直距離の第1の変動で測定信号の最大値が検出されないときだけ、これらの補足ステップが実行されなければならない。
【0058】
さらに、目的は請求項40の特徴のある方法によって解決される。請求項1〜37のいずれかに記載される光学センサシステムを操作する方法では、
界面の方向の光を少なくとも1つの照明位置に投光し、
・反射される光の量の分散を複数個の受光素子によって検出し、
界面上の最適反射位置の有望な位置、および/または界面の有望な位置、および/または同一性を、光量の検出された分布に基づいて決定する。
【0059】
この方法では、界面上の有望な位置および/または界面上の最適反射部位および/または界面またはこれを含む液体またはこれを含む対象物の有望な同一性は、それぞれ反射される光の分布から推定される。複数個の受光素子によって出力される測定信号は相応して分析される。それぞれ、有望な位置または有望な同一性についての情報は、例えば容器に液体が入っているかどうか、対象物がプロセスの最後に到達しているかどうか、あるいは(384個のウェルのあるマイクロタイタープレートのような)ある特定の種類の対象物が存在するかどうかを検出しさえすればよいときに、多くの用途にとって流用できる。一実施形態により、位置の正確な決定または界面の正確な識別は、すでにいくつかの測定信号を分析した後では、それは目標に応じた方法で測定できるため、延長されたステップで速やかに実行できる。一実施形態により、このために、少なくとも1つの照明位置を、それぞれ最適反射位置の有望なな位置、あるいは界面の有望な位置に向かって調整し、その後測定を繰り返す。
【0060】
さらに、目的は請求項42の特徴のある方法によって解決される。請求項1〜請求項37のいずれかに記載の光学センサシステムを操作するこの方法では、
光を複数個の照明位置に投光し、
照明位置を界面全体で移動させ、
各照明位置を、割り当てられる受光素子にて撮像し、
複数個の受光素子によって出力される測定信号を比較して、測定誤差を偏差として明示する。
【0061】
この方法では、対象物の表面を数回走査し、測定信号は測定誤差を検出するために使用される。測定誤差の検出は、対象物の界面の反復走査のための開始点となることがある。しかし、誤りのある測定の補正のために、ただ1つの作業ステップで得られる追加の走査の測定信号を使用することによって補正を行うこともできる。この方法のために、光学センサシステムのすべてのチャネルを使用することができる、あるいは、それらの一部だけを使用できる。特に、それは、バーコード、ラインコード、対象物でのラスタの穴のまたは線の符号化された配列を走査するために使用されてよい。しかも、その方法は、対象物を識別するために界面を走査するのにも適している。
【0062】
原則的には、光学センサシステムは、光学センサシステムのただ1つのチャネルが使用されるときに、つまり1つの単独受光素子上で撮像される1つ光ビームによって1つの単照明位置を作り出すことによって、それぞれ、対象物の識別のために、あるいはその位置の検出のために使用することもできる。マルチチャネル光学センサシステムは、例えばただ1つの受光素子から検出結果を読み出すことによって、および/または投光装置の適切な絞りで照明位置を覆うことによって、および/または光源をオフ状態にすることによってなど、適切な処置によって単一チャネル光学センサシステムに切り替えることができる。したがって、システムは調整装置の(X方向とY方向の)水平移動を介して空間内の対象物の位置を取得できる。
【0063】
一実施形態によると、界面および/または対象物の決定された位置および/または同一性を、液体処理方法を制御し、および/またはチェックするために記憶し、および/または使用する。求められた値はデータベースにファイルし、それぞれ、液体体積の決定のため、および対象物の位置の検出のために使用できる。さらに、前記方法により検出されるデータは、その方法を利用して液体処理装置を制御する制御装置として、バスシステムを介して提供できる。
【0064】
一実施形態に従って、界面および/または対象物の位置および/または同一性を、液体を処理するプロセスの初めに検出し、および/または液体を処理するプロセスの過程で新たに検出し、および/または液体を処理するプロセスを通じて変化が検出された位置および/または同一性に基づいて算出する。分注装置によって、液体体積を特定の容器から採取し、液体を処理するプロセスの要求に応じてそれに追加することもできる。あらゆる容器の体積の変化は制御装置によって算出、記録することができ、液体を処理するプロセスの追加のステップのために記憶できる。原則的には、液体の界面位置の新しい検出はもはや必要ではない。さらに、対象物は、把持装置または他の搬送装置を介して液体を処理する方法により移動できる。これにおいても、特定の場所での対象物の新しい位置または不在を検出することは、原則的に必要ではない。つまり、新しい位置を算出できるからであす。したがって、原則的には、液体を処理するプロセスの初めに、それらがユーザによってプリセットされないように状態(界面または同じ特徴の液体または対象物の場所および/または同一性)を検出することで十分である。
【0065】
追加の実施形態により、算出された値は、位置および/同一性の新規検出によって確認する。液体を処理する方法のそれぞれの中間段階では、以前に実行されたコマンドおよびアクションを検査でき、この中間段階での値を記憶することができる。
【0066】
追加の実施形態により、検出および/または算出された位置および/または同一性をファイルおよび/または表示する。プロセスの完了後、それぞれすべての実行されたコマンドまたはアクションの検査は、それぞれ品質管理または妥当性検査の目的で光学センサによって可能である。結果は、ファイリングおよび/または検証のために記憶および/または出力できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0067】
以下に、本発明をその具体例の添付図面を参照することによりさらに詳しく説明する。
【0068】
以下の説明では、異なる具体例の一致する部分は、同じ参照番号が付けられて示されている。
【0069】
図1から図7は、1ミリリットルの一部分から数ミリリットルの範囲内の容量のある反応槽内の液面の生成のための例を示す。このような反応容器は、それぞれエッペンドルフ・ローレン(Eppendorf Rohrchen)またはエッペンドルフ(Eppendorf )管の名称で出願人により販売されている。
【0070】
容器1は、下部2で円錐形であり、内部で凹状の半球形状となる容器底部3を有する。容器1はその軸4と垂直に位置合わせされている。
【0071】
図1によると、容器1の中に配置される液体5は、凹面をなしている「メニスカス」つまり界面6を有する。
【0072】
界面6に向かって縦軸4に平行に配向される光ビーム7は、最適反射部位8で垂直に界面6にあたる。最適反射部位8から、光ビームは垂直軸4に平行に反射される。EP第1288635A2号の図1による界面を取得する装置は、光ビームが最適反射部位8に配向されるときに界面6の位置を取得できる。
【0073】
図2は、容器1内で凸面をなしている界面6上の最適反射部位8を示している。
【0074】
図3によると、最適反射部位8は、理想的なケースでは容器1の中心軸4の上に配置される。容器1の位置が既知であるとき、充填レベルは、EP第1288635A2号により界面を取得する装置によって容易に決定できる。図によると、最適反射部位8は現実には中心からずれて配置されている。EP第1288635A2号によるセンサシステムは、最適反射部位8を検出するために垂直におよび水平に移動さなければならない。
【0075】
本発明に従って、複数の平行した光ビーム7は、図5および図6による容器1の中の界面6に配向される。したがって、反射光は、反射光に配向される、図示されていない受光素子によって検出できる。
【0076】
図7は、図4に相当する実在する界面6での光ビーム7のマトリックス状の配列によって最適反射部位8がどのように検出されるのかを示す。原則的には、最適反射部位8は、単一の走査プロセスで検出できる。場合によっては、光ビーム7を投光する装置が、界面6上の最適反射部位8に光ビーム7を集めるために垂直線(描画面に対して垂直に)上で移動されなければならない。
【0077】
界面6を走査する複数の光ビーム7は、さまざまな方法で作り出すことができる。以下にこのいくつかの例が説明されている。
【0078】
図8によれば、平行光源9.1、9.2、9.3からの平行光ビーム7.1、7.2、7.3は、ビームスプリッタ10に向けられる。ビームスプリッタ10から、光ビーム7.1、7.2、7.3は、レンズアレイ11で反射される。レンズアレイ11は、整列配置される複数個のレンズを有し、各光ビーム7.1、7.2および7.3に1枚のレンズが割り当てられる。レンズアレイ11によって、光ビーム7.1、7.2、7.3は、ラスタ状に配列された照明位置12.1、12.2、12.3に集められる。
【0079】
当該実施例において、すべての光ビーム7.1、7.2および7.3が垂直に反射界面6にあたり、その結果、反射光は入射光ビーム7.1、7.2、7.3の方向に反射される。反射光は、レンズアレイ11とビームスプリッタ10に対して平行な受光素子13.1、13.2、13.3にて撮像される。
【0080】
レンズアレイ11は、光ビーム7.1、7.2、7.3を照明位置12.1、12.2および12.3に集め、照明位置からの反射光を受光素子13.1、13.2および13.3に集光する。照明位置12.1、12.2、12.3が界面6にあるとき、受光素子13.1、13.2、13.3への受光量は最大となる。したがって、受光素子13.1、13.2、13.3の測定信号は、照明位置12.1、12.2、12.3が界面6にあることを示す。これによって、界面6の光学センサシステムからの距離は既知となる。
【0081】
図8では、界面6は平坦である。起伏のある界面6の場合、この界面の領域に垂直に入射する光ビーム7.1、7.2、または7.3のいずれかだけが最適反射部位8にあたる。反射光は、対応する照明位置12.1、12.2、12.3のいずれかが撮像される受光素子13.1、13.2、または13.3のいずれかによって受ける。受光素子13.1、13.2、または13.3の測定信号は、最適反射部位8が検出されることを示し、その結果、光学センサシステムから界面6の距離は、非平面状の界面6であると決定できる。
【0082】
図9の光学センサシステムは、単一光源9を有する。この光源の光は、それ自体扇形状に広がる光導波路(light guide)14.1、14.2、14.3によって複数個の仮想光源9.1、9.2、0.3に分割される。光導波路から出力される光ビーム7.1、7.2、7.3は、前述したように、ビームスプリッタ10とレンズアレイ11との配置を介して、同様に照明位置12.1、12.1、12.3に集光される。最適照明位置から反射される光ビームは、平坦として仮定した界面6に平行した受光素子13.1、13.2、13.3にて撮像される。
【0083】
図10の光学センサシステムは、単一の受光素子13のみしか備えていない点で前述の実施形態(図9)とは異なっている。受光素子13の上流には、反射光をまとめる光導波路15.1、15.2および15.3が配備されている。光導波路15.1、15.2、15.3の扇形状の出力端は、各光ビーム7.1、7.2、7.3に分割して割り当てられる。入射光ビーム7.1、7.2、7.3の方向で照明位置12.1、12.2、12.3から反射される光は、光導波路15.1、15.2、15.3の入射口から入射して撮像される。光導波路15.1、15.2、15.3到達する光は、その内部で束ねられたて受光素子13に出力される。少なくとも1つの照明位置12.1、12.2、12.3における界面6の最適反射部位8の配置は、受光素子13で強度が高められた測定信号として表れる。
【0084】
図11による光学センサシステムは、図8の光学センサシステムの複数個の光源9.1、9.2、9.3を、結合する光導波路15.1、15.2、15.3を備え、図10の下流に位置する受光素子13に反射光を集光させるようになっている。したがって、図10の仮想光源は実在する光源9.1、9.2、9.3により置換される。少なくとも1つの照明位置12.1、12.2、12.3が界面6の最適反射部位8に当たると、これは受光素子13から出力される測定信号の増加分として表れる。
【0085】
図12の配置では、光源9は、ビームスプリッタ10によって反射され、レンズアレイ11を介して照明位置12.1、12.2、12.3に集光される発散光ビーム7.1、7.2、7.3を出力する。すべての照明位置12.1、12.2、12.3は平面状の界面6に当たる。そこから反射される光ビーム7.1、7.2、7.3は、レンズアレイ11とビームスプリッタ10とを介して受光素子13.1、13.2、13.3上で撮像される。界面6の一部だけが平坦であるとき、そこに入射する光ビーム7.1、7.2または7.3の少なくともいずれかだけが、割り当てられた受光素子13.1、13.2、13.3に向かって反射される。結果として、少なくとも1つの受光素子13.1、13.2、13.3の測定信号の増幅され、界面6が照明位置12.1、12.1、および121.3に位置していることが識別できる。
【0086】
図13の具体例は、すべての受光素子が、界面6によって平行反射される光ビーム7.1、7.2、7.3を受光可能な位置に対応している点で前述された形態とは異なる。光源9は発散光ビーム7.1、7.2、7.3を発するため、それらは1つの平面中心領域6.1と2つの対向して傾斜する端縁領域6.2、6.3のある界面6によってのみ受光素子13.1、13.2、13.3に反射される。界面6の形状は、多くの場合容器内の液体の表面によって形成される凹面メニスカスの形にほぼ一致する。したがって、この配置は、容器内の液面の検出に特に適している。受光素子13.1、13.2、13.3の測定信号の総計の増幅によって、界面6.1、6.2、6.3上の照明位置12.1、12.2、12.3の配置は精度よく識別できる。
【0087】
図14の光学センサシステムは、その光ビーム7.1、7.2、7.3が、それらがビームスプリッタ10による反射およびレンズアレイ11による集光の後に、1つの共通の照明位置12で互いに遭遇するように収束する光源9.1、9.2、9.3を有する。受光素子13.1、13.2、13.3は、レンズアレイ11の光軸に垂直に位置合わせされ、平面状の界面8によって反射される光ビーム7.1、7.2、7.3の光路上に配置される。照明位置における最適反射部位の配置は、すべての受光素子13.1、13.2、13.3の測定信号として表れる。入射する光ビーム7.1または7.2または7.3の1つだけが受光素子13.1または13.2または13.3に向けて反射される場合、これらに対応する受光素子の測定信号として表れる。したがって、この光学センサシステムでさえ最適反射部位の検出を容易にする。
【0088】
上記光学センサシステムの照明位置12.1、12.1、12.3が、界面6の最適反射部位8に当たらないとき、光学センサシステムを界面6に対して変位させることによって、1つの照明位置が最適反射部位8に当たることが達成できる。したがって、界面6の位置が決定できる。
【0089】
図15により、光学センサシステムは、異なる波長を有する複数個の光源9用の電源16を有する。光源9は、光制御装置17によって制御される。光制御装置17によって、異なる光源9の1つを選択的にオンに切り替えることができ、特定の界面検出のために最適な波長を選択することができる。
【0090】
受光素子13の測定信号は、増幅制御部19付きの増幅器18を介してノイズフィルタに出力される。図示されていないA/D変換器によるデジタル化の後、フィルタにかけられた測定信号は、コンピュータ21として測定信号を分析する分析装置に出力される。測定信号に応じて、コンピュータ21は、水平(X−Y)方向と垂直(Z)方向で界面に対して光学センサシステムを調整するための調整装置22として機能する。
【0091】
図16によって、本発明による光学センサシステムは、液体処理装置25の作業区域24内でのマイクロタイタープレート23の位置を決定できる。マイクロタイタープレート23の意図された位置に対して、回転する平行シフトまたは別の誤りのある配置が光学センサシステムを活用して認識される。それは、マイクロタイタープレート23のウェル内、および/またはマイクロタイタープレート23の搬送での液体処理において補正または考慮される。
【0092】
図17により、ラック27内のマイクロタイタープレート23と受液容器26の位置、および同様に意図される位置28でのマイクロタイタープレートの不在は、光学センサシステムを利用して決定できる。液体25を処理する装置の作業区域24内の実験機器の検出された状態は、追加処理ステップで考慮に入れられる。
【0093】
図18は、単一光源9と単一受光素子13がバーコードを走査するためにオンに切り替えられ、その結果測定配置がEP第1288635A2号による具現化の例に一致することを示す。前述された一般閲覧に公開されたドイツ明細書における、これに関する説明が本出願に参照することにより組み込まれている。測定配置によって、対象物30上のバーコード29を特定するために走査される。走査をチェックするため、図示されていない第2の光源9と、図示されていない第2の受光素子を起動することにより同時測定が実行できる。このために、光学センサシステムはバーコード29に関して水平方向で動かされる。
【0094】
なお、上記各実施例では、受光素子13に代えて光検出器を利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】容器内で凹面となる液体界面での最適反射部位に投光された光ビームを示す図である。
【図2】容器内で凸面となる液体界面での最適反射部位に投光された光ビームを示す図である。
【図3】容器内の液体界面の理想的な反射部位を示す平面図である。
【図4】容器内の液体界面の実在する反射部位を示す平面図である。
【図5】容器内で凹面となる液体界面に投光した複数の平行光ビームを示す図である。
【図6】容器内で凸面となる液体界面に投光した複数の平行光ビームを示す図である。
【図7】マトリックス状に配列された光ビームによって容器内で実在する液体界面を走査する様子を示す図である。
【図8】複数個の光源と複数個の受光素子を備えた光学センサシステムの概略側面図である。
【図9】複数個の仮想光源と複数個の受光素子を備えた光学センサシステムの概略側面図である。
【図10】上流側で光結合を可能とする複数個の仮想光源と単一受光素子を備えた光学センサシステムの概略側面図である。
【図11】上流側で光結合を可能とする複数個の光源と単一受光素子を備えた光学センサシステムの概略側面図である。
【図12】発散光ビーム用光源と、収束した位置合わせの複数個の受光素子を備えた光学センサシステムの概略側面図である。
【図13】傾斜界面および複数の平行した受光素子に向けられる発散光ビームを示す光学センサシステムの概略側面図である。
【図14】光ビームが異なる角度で同一照明点に向けられ、複数個の受光素子がそれらに向かって位置合わせされている光学センサシステムの概略側面図である
【図15】図10による光学センサシステムのブロック図である。
【図16】位置認識および実験機器の特定のための、光学センサシステムを用いて液体を処理する装置におけるマイクロタイタープレートの例示的な配置を示す平面図である
【図17】位置認識および実験機器の特定のための、光学センサシステムを用いて液体を処理する装置における実験機器の例示的な配列を示す平面図である。
【図18】バーコードを走査するときの光学センサシステムを示す概略側面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は液体処理装置用の光学センサに関する。
【0002】
特に、容器(例えば、反応槽またはマイクロタイタープレートのウェル)中の液面の高さの決定、容器(例えば、反応槽またはマイクロタイタープレート)の位置および同一性(identity)の決定、並びに対象物(例えば、工具、付属品、ラック内のピペット点、および液体処理装置の他のいわゆる「実験機器」)の位置および同一性の決定に役立つ。
【背景技術】
【0003】
特に、液体処理装置は、液体測定、および/または液体搬送、および/または液体検査、および/または(化学的に、物理的にまたは生物学的に)液体処理する装置である。液体を処理するための公知の装置において、そのプロセスは、手動、あるいは部分的または完全自動のいずれかで実行される。例えば、手動ピペット、PC支援型計量供給システムおよび完全自動計量供給ステーションが、計量供給に関して知られている。液体を計量供給、搬送、検査、および処理するための完全自動処理ステーション(いわゆる「ワークステーション」)がある。
【0004】
計量供給誤差は侵入深度とともに増加するし、または、ピペット点または容器のそれぞれについて、侵入が深すぎると損傷を受ける可能性があるので、自動的に分注する(pipetting)ときだけではなく、手動で分注するときにも、ピペット点は可能な限り小さい侵入深度で液体中に浸さなければならない。加えて、ピペット点は、空気が吸引されないように、液体をピックアップする間、連続的に液中に入れられなければならない。この際、液体をピックアップするときに、容器中の液面が下がることが考慮されなければならない。手動ピペットを用いると、ユーザは、連続的にピペット点の侵入深度を確認し、ピペット点を追跡しなければならない。自動計量装置では、監視装置および制御装置がこのために使用される。
【0005】
EP第1288635A2号(特許文献1)により、空間内のおよそ点形状の照明位置、および受光強度に応じて測定信号を出力する受光素子を有するおよそ点形状の受光素子を照明する照明装置を用いる液体処理装置が、知られている。当該装置は、およそ点形状の受光素子に照明位置を撮像する撮像システムを有する。さらに、当該装置は、受光素子によって与えられる測定信号を分析することによって、屈折率が異なる2つの媒体間の界面の接近を監視する分析装置を有する。屈折率が異なる2つの媒体間の界面が照明位置に入ると、受光素子により受け取られる光放射の強度、および、受光素子によって出力される測定信号は強く変化する。したがって、照明位置に界面があるかどうかを決定することができる。
【0006】
照明装置および撮像システムの光ビームは、照明位置に向かって同じ光軸上に整列できるので、より大きな距離から、および、側面方向の空間要求が大幅に低い界面の非接触検索が可能である。これは、相対的に小さな開口部および/または相対的に大きい深度を有する容器において液面の検索を促進する。
【0007】
それは、近傍の容器を通る外乱を受けずに液面を検索するために、液体(例えば水)を透明しない波長の光を選択的に使用できる。
【0008】
界面の位置決定の場合、照明位置と界面の相対的な位置は、界面が照明位置に位置するまで変化し得る。さらに、測定信号の個々の値または進路に基づいて対象物全体の位置および/またはその同一性を導き出すために、対象物の表面を照明位置で走査することができる。これを行うためには、装置は撮像システムの光軸の方向で、および/またはそれに直角となり、照明位置および界面の相対位置を調整する調整装置を有してよい。分析装置は、照明位置と界面の相対的な位置の調整を調整装置によって誘発できる。これにより、その調整は、照明位置を界面に設定、および/またはそれを界面に沿って移動するように設定するように、測定信号に応じて行われる。
【特許文献1】EP第1288635A2号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、上記装置は、それぞれ、界面の照明点を位置決め、あるいは界面を検出するために、調整装置は多くの場合長い移動経路を通り抜けなければならない。このことは、多大な時間を要し、液体処理装置の動作速度を減速させる。
【0010】
本発明は、液体処理装置に光学センサシステム、および界面のより迅速な検出を可能にするこのような光学センサシステムを操作する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
当該目的は請求項1の特徴を有する光学センサシステムによって解決される。センサシステムの有利な実施形態は従属クレームで示される。
【0012】
液体を処理する装置における光学センサシステムは、
空間内の少なくとも1つの照明位置に投光する投光装置と、
受光に応じて測定信号を出力する少なくとも1つの受光素子の少なくとも1つの照明位置を撮像する少なくとも1つの撮像装置と、
前記投光装置は、複数個の照明位置に光を同時に投光する装置であり、および/または前記投光装置は、異なる角度で同じ照明位置に光を同時に投光する装置であり、および/または複数個の受光素子が実在しており、
少なくとも1つの測定信号を分析する少なくとも1つの受光素子に接続される分析装置とを備えている。
【0013】
本発明は特に以下の知見に基づいている。EP第1288635A2号の液体処理装置の光学センサシステムは、照明装置、受光素子、および界面が、界面における照明位置からの光が点形状の受光素子に対して正確に反射されるように互いに向かって整列されるという事実に依存している。照明装置および撮像システムが照明位置に向かって同光軸上で整列すると、照明装置および撮像システムは、点形状の照明位置からの光が点形状の受光素子に対して反射されるように界面に向かって垂直に配向されなければならない。照明装置の光軸に対して界面の特定の傾斜角度からについては、その反射光は受光装置に当たらない。したがって、この傾斜した界面は、光学センサシステムによって検出されない。
【0014】
容器のおいて、特に、反応容器およびマイクロタイタープレートの深部(deepenings)のような小さな寸法の容器では、液体の表面はさまざまに形成される。これらの界面の形状は、重力、容器の寸法、液体の補充モード、液体の表面張力、容器の壁面の湿潤性、および、さらに複雑な影響によって決定され、これらは、照明装置および撮像システムが界面に向かって垂直に整列されている最適反射部位のいずれの予測も許容しない。
【0015】
最適反射部位は、特に相対的に大きな容器の平面的な液体表面の領域では相対的に大きく、特に小さい容器の相対的に平らではない液体表面の領域では小さい。液体は好ましくは容器の壁で運ばれるので、手動で分注される液体試料においては、液体表面が傾斜している場合がある。このため、最適反射部位は、中心からかなり離れて位置していてよい。
【0016】
公知の光学センサシステムは、最適反射部位が見つかるまで数回、水平および垂直に動かされなければならない。したがって、界面の検出は長い移動経路を必要とし、時間要求も相応して高い。
【0017】
本発明の光学センサシステムは、同時に複数個の照明位置を照明し、および/または異なる角度で同じ照明位置を同時に照明し、および/または同時に光を受光し、受光された光に応じて測定信号を出力できる複数個の受光素子を有する。複数個の照明位置または複数個の受光素子は、それぞれ空間内で異なる位置にある。したがって、複数個の照明位置は、検出される界面をより大きな領域で同時に照明できる。照明位置が異なる角度で照明されるとき、光は検出される界面からさまざまな角度で反射される。複数個の受光素子は、異なる角度で界面から照射される光を受光できる。前述されたすべての変形例では、投光装置および検出される界面に対する撮像装置のある特定の配列で最適反射部位を見つける確率が高められており、照明位置への投光は、それが少なくとも1つの受光素子に当たるように界面によって反射される。同様に受光素子は、分析装置が照明位置での界面の場所を決定できるように対応する測定信号を出力するする。結果として、界面に対する光学センサシステムの移動を省略できる可能性がある。最適反射部位の位置は、瞬時に突き止めることができないので、光学センサシステムを界面に対して動かすことが必要である場合において、光学センサシステムは、分析装置が測定信号を分析することにより、界面の最適反射部位が照明位置の中にあると決定するまで界面に対して動かすことができる。最適反射部位を検出するための移動経路は短縮できる。このため、より迅速な界面の検出が可能になり、液体処理装置の動作速度を高められる。
【0018】
言及された有利な効果は、特に、投光装置が複数個の照明位置に光を同時に投光するとき、および/または同時に異なる角度で同じ照明位置に投光し、単一の受光素子がすぐ使えるときに達成される。さらに、それらは、投光装置が1つの角度で1つの照明位置を照明し、複数個の受光素子がすぐ使えるときに達成される。それらは、投光装置が同時に複数個の照明位置を照明するとき、および/または同時に異なる角度で同じ照明位置を照明し、複数個の受光素子がすぐ使えるときに特に有利に達成される。
【0019】
光学センサシステムは、特にさまざまな種類の界面、特に乱反射する界面または直接的に反射する界面を有する液体および対象物を検出できる。したがって、光学センサシステムは、特に界面の位置および/またはこれを特徴付ける液体または対象物の同一性をそれぞれ決定するために利用できる。原則的には、投光装置は、外部光源を利用できる。一実施形態によると、投光装置は、少なくとも1つの光源を有する。追加の実施形態では、光源は少なくとも1つのレーザ、LEDまたは電球である。例えば、レーザは、半導体レーザ、特にレーザダイオードである。
【0020】
投光装置が複数個の光源を有するとき、さまざまな光源の光は、完全同時に異なる照明位置に投光でき、および/または異なる角度で同じ照明位置に同時に投光できる。しかしながら、本発明は、さまざまな光源の光が複数個の照明位置に時間的に変位(offset)されて投光され、および/または異なる角度で同じ照明位置に時間的に変位(offset)されて投光されるように組み込まれている。その結果、1つの光源だけが特定の時点でオンに切り替えられる。これらの具現化は、特に光源が非常に速い順序でオンに切り替えられるとき、この切換動作は、調整装置によって公知のワンビームセンサシステムを代用したときよりも迅速に界面を走査できるので、界面のより迅速な検出も可能にする。複数個の光源を連続してオンに切り替えることは、さまざまな光源に測定信号を割り当てるのに役立つ。次々にオンに切り替えられる複数個の光源は、さまざまな照明位置をある程度同時に照明し、あるいは1つの照明位置を異なる角度である程度同時に照明するので、それらは本発明の趣旨において同時にオンに切り替えられる。
【0021】
一実施形態によると、光源は検出される界面により特に高い度合いで反射される波長を有する光を照射する。したがって、対象物の界面の検出に使用される波長以外の波長を有する光は、液体の界面の検出に使用できる。この実施例は、非透過な液体に当該波長の光と作用させると、液面は近傍の容器壁を通る外乱を受けずに検出できる。液体は、特定の波長の光に対して透過するとき、容器底の場所はこの光を用いて液体を横切って検出できる。液体の検出に適切な波長は、その組成に依存し得る(例えば、水溶液または有機溶液)。対象物の表面の検出に適切な波長は、どの物質(例えば、金属またはプラスチック)から、どの特性(透明、反射、光沢のある、つやのないなど)で対象物が作られているかに依存し得る。可視光および非可視光(IRおよびUV放射)を含む幅広い範囲の波長が検討される。レーザダイオードは、特に可視光の範囲で使える。
【0022】
一実施形態によると、投光装置は、異なる波長に切り替え可能な光源を有し、これにより、検出される界面に応じてオンに切り替えることができる。別の実施形態によると、投光装置は調整可能な波長を有する1つの光源(例えば、同調可能なレーザダイオード)を有する。
【0023】
これらの実施形態は、異なる波長の光で界面を検出することを可能にする。無効測定値は、別の波長の光での測定の検査の後に認識でき、そして除去できる。特に非常に少量の液体しか容器に入っていない場合、液体の表面と容器の底部とを区別することは重要である。1つの波長しかない光を測定するとき、これは非常に困難である。異なる波長を有する光を使用することにより、特に波長が測定容器および対象物に従って最適化されるときに割り当てが容易になる。
【0024】
一実施形態によると、投光装置は、少なくとも1つの点形状、線形状、あるいは二次元の照明位置に光を投光する装置である。点形状の照明位置は、狭い容器中の界面、あるいは、例えばマイクロタイタープレートのウェル中の小さな界面を検出するのに有利である。加えて、少なくとも1つの点形状の照明位置に光を集めると、点形状の照明位置が最適反射部位に当たると特に強いな測定信号が取得される。点形状の焦点位置を生じさせるために、少なくとも1つの光源は、一実施形態により点形状になる。追加の実施形態によると、外見上点形状の光源がそれぞれ絞り、または、光導波路(light guide)の光出力側に存在するように、投光装置は少なくとも1つの光源の光路に少なくとも1つの絞りおよび/または少なくとも1つの光導波路を有する。
【0025】
照明位置は、空間でさまざまな配置を有してよい。実施形態によると、照明位置は三次元配置または二次元での配置を有する。追加の実施形態によると、照明位置は凸面または凹面に、あるいは互いに向かって傾斜した複数の平面に配置されている。これらの実施形態は、界面(例えば、狭い容器中の液体表面)の特徴的な形状に匹敵する(approach)し、それらは最適反射部位を検出するのを容易にすることができる。
【0026】
三次元配置では、照明位置は特に空間格子の交点に配置される。二次元で配置されると、照明位置は、特に二次元の格子形状の網(またはそれぞれラスタ状)の交点に、あるいは他のパターンで配置される。
【0027】
特に複数個の異なる照明位置は、それぞれ、互いに分離された照明位置、すなわち個々の照明位置であってよい。しかもそれらは、互いに接触、あるいは部分的に互いを覆っていてもよい。
【0028】
一実施形態によると、少なくとも1つの照明位置を照らす光ビームは8°以下の開口角を有し、光ビームは、端縁領域で陰影を付けられることなく、相対的に小さな開口部直径および/または大きな深度で容器に導入される。容器は、計量供給ステーションまたは完全自動処理装置での液体の収容に頻繁に使用される、ミリリットル範囲以下の充填体積の容器であってよい。
【0029】
一実施形態によると、撮像システムからの照明位置の距離は100mm以上であり、前述された種類の多くの通常の容器における液面の非接触測定が可能である。
【0030】
少なくとも1つの照明位置は、さまざまな方法で作り出すことができる。例えば、照明位置は、例えばレーザによって作り出すことができる線形状の光ビームによって照らされる。少なくとも1台の撮像装置により、少なくとも1つの点形状の照明位置は、少なくとも1つの受光素子で撮像される線形状の光ビームにおいて画定される。
【0031】
一実施形態によると、投光装置は1つの単一光源と、光源を少なくとも1つの照明位置で撮像する少なくとも1つの装置とを有する。この投光装置は特に1つの単独の照明位置を照らし出すことができる。複数個の異なる照明位置に光を同時に投光するため、および/またはさまざまな角度で同じ照明位置に光を同時に投光するために、一実施形態によると、投光装置は、光源を複数個の仮想光源に分割する装置と、複数個の仮想光源を少なくとも1つの照明位置に撮像する少なくとも1つの装置とを有する。
【0032】
一実施形態によると、光源を分割する装置は扇形に広がる光導波路、および/または多孔絞りを有する。それ自体扇形に広がる光導波路は、扇形に広げられていない端部を光源に向け、扇形状に広がった端部を撮像装置に向ける。仮想光源は扇形の導光板の扇形端部にある。多孔絞りは、光源と撮像装置との間の光路に配置される。複数個の仮想光源は、多孔絞りの絞り開口部により画定される。
【0033】
別の実施形態によると、投光装置は、複数個の光源と、複数個の光源を少なくとも1つの照明位置で撮像する少なくとも1つの装置とを備える。この実施形態では、複数個の光源の光は複数個の照明位置に光を同時に投光するため、および/または異なる角度で同じ照明位置に光を同時に投光するために使用される。
【0034】
追加の実施形態によると、投光装置は、複数個の仮想光源または複数個の光源から少なくとも1つの照射位置に投光した反射光を撮像する装置を備えている。
【0035】
一実施形態によると、少なくとも1つの受光素子は点形状、線形状または平面状である。例えば、少なくとも1つの受光素子は光ダイオード、光ダイオードアレイ、光ダイオードマトリックス、または平面受光素子である。好ましくは、受光素子の形状は、受光素子にて撮像される照明位置の形状に相当する。したがって、点形状の照明位置は、好ましくは点形状の受光素子にて撮像され、線形状の照明位置は線形状の受光素子にて撮像され、二次元の照明位置は二次元の受光素子にて撮像される。
【0036】
受光素子は空間内に、例えば三次元配置または面上の配置などの異なる配置をしてもよい。当該面は、特に平らな面である。受光素子は、空間格子、または特に平面的な格子形状の網(またはそれぞれラスタ状)の交点上に、あるいは他のパターンで配置できる。好ましくは、受光素子の配置は照明位置の配置に相当しており、各照明位置はこれらの割り当てられた受光素子の1つにて撮像される。例えば、照明位置および受光素子は、一度に一つ一つ空間格子の、または平面的な格子形状の網の交点の延長線上に配置され、照明位置と交点の距離は、受光素子と交点の距離に相当する。
【0037】
例えば、照明位置および/または受光素子の距離は1ミリメートルの10分の1から数ミリメートルの範囲内である。
【0038】
特に複数個の受光素子は、互いから分離された受光素子、すなわちそれぞれ個々の受光素子であり、つまりそれらは互いに接触できる。複数個の受光素子は、別々のアセンブリパート、あるいは1つの単独のアセンブリパートの部分である。
【0039】
点形状の受光素子は特に小さな感光領域のある受光素子である。一実施形態により、少なくとも1つの絞り、および/または少なくとも1つの光導波路が、少なくとも1つの撮像装置と少なくとも1つの受光素子との間の光路の中に配置される。絞りまたは光導波路は、外見上点形状の受光素子が得られるように、受光素子の感光領域の点形状の領域に光の通過を制限する。
【0040】
一実施形態によると、1つの単独の受光素子および少なくとも1つの照明位置を受光素子にて撮像する少なくとも1つの装置がある。好ましくは、少なくとも1つの撮像装置は、最適反射部位の検出を容易にするために、複数個の照明位置を単独の受光素子にて撮像する。しかし、撮像装置が受光素子にて1つの照明位置を撮像し、反射部位が最適である入射角で照明位置に光を投光するために、その照明位置に光が異なる角度で投光される具現化も含まれる。
【0041】
一実施形態により、光の結合装置が、少なくとも1つの撮像装置と受光素子との間の光路に配置される。結合装置は、光が通過して入射する複数の入射口を有する。結合装置では、入射した光は結合され、共通の出力口を通って受光素子に出力される。追加の実施形態に従って、光の結合装置は、それぞれと結合する光導波路を有する。
【0042】
一実施形態により、複数個の受光素子と、少なくとも1つの照明位置を複数個の受光素子にて撮像する少なくとも1つの装置を備える。複数個の受光素子によって、1つの単独の照明位置から反射光を受光する確率が高められる。複数個の照明位置があるとき、少なくとも1つの照明位置から反射光を受光する確率は複数個の受光素子を通して高められる。
【0043】
一実施形態により、投光装置と、少なくとも1つの撮像装置とは同光軸上で配置される。これによって、狭い容器および強く構造化された表面のある走査対象物での界面の取得が好ましい。
【0044】
一実施形態により、少なくとも1つの光源の光は、ビームスプリッタを介して少なくとも1つの照明位置で少なくとも1つの光源を撮像する装置に出力され、撮像する同装置がビームスプリッタを介して少なくとも1つの照明位置を少なくとも1つの受光素子にて撮像する。これにより、影響する光の測定が可能になる。撮像装置は、単に1つであるので、費用は相対的に少ない。
【0045】
一実施形態により、少なくとも1つの光源を撮像する少なくとも1つの装置、および/または少なくとも1つの照明位置を撮像する少なくとも1つの装置は、1枚のレンズ、および/または撮像装置と照明位置の両側に配置される複数個のレンズ、および/またはレンズアレイ、および/またはフレネルレンズを有する。特に、撮像装置の撮像方光に向う軸に直角に並んで配置されている複数個のレンズ、レンズアレイ、およびフレネルレンズは、複数個の光源または仮想光源を少なくとも1つの照明位置にて撮像するために、および/または少なくとも1つの照明位置を複数個の受光素子にて撮像するために使用される。
【0046】
一実施形態により、分析装置は少なくとも1つの受光素子によって出力される測定信号をフィルタにかける手段を有する。これによって、測定信号のノイズ部分を抑制することができ、外部光および他の外乱の影響を回避できる。例えば、少なくとも1つの照明位置を垂直に移動するときに受光素子によって出力される測定信号は、ノイズ除去のために空間微分され、界面は、導関数がゼロになる位置にあると判断される。ノイズ信号を測定信号から除去するための追加の評価方法(例えば、対数、さらに高次の積分)が利用できる。測定信号をフィルタにかけることによって、光学センサシステムの感度および光学センサシステムによる界面の検出の速さが向上される。
【0047】
一実施形態により、最適反射部位に少なくとも1つの照明位置を位置決めするために、少なくとも1つの撮像システムの光学軸の方向で、および/または同様に横断方向での少なくとも1つの照明位置および界面の相対位置を調整する調整装置を備える。追加の実施形態により、投光装置、撮像システムおよび少なくとも1つの受光素子により形成される光学部品の界面に対する相対位置は、調整装置によって調整可能である。このために、光学センサシステムは、例えば(X軸、YX軸およびZ軸の方向で)水平におよび垂直に移動可動な搬送装置によってシフト可能であり、おおび/または界面は、例えばオブジェクトスライドによってシフト可能である。
【0048】
一実施形態により、調整装置は、少なくとも1つの撮像システムの光軸の調整のために撮像システム中にズームレンズ、および/またはオートフォーカスシステムを有する。光軸に対して直交方向の調整のために、調整装置は撮像システムに少なくとも1つの走査ミラーを有してよい。
【0049】
一実施形態により、調整装置は、例えば液体を処理する自動装置への組込みのために、モータ駆動式である。
【0050】
一実施形態により、分析装置は、少なくとも1つの照明位置の界面に対する相対位置の、調整装置による調整を開始する。分析装置は、少なくとも1つの照明位置を界面に設定するために、および/または界面に沿って照明位置を移動するために、測定信号に応じて調整を実行できる。
【0051】
一実施形態により、分析装置は、界面の位置または界面を有する液体もしくは対象物の位置、および/または同一性をそれぞれ検出する。液体または対象物の同一性は、それらの界面を特定の波長の光で走査すること、および測定信号を基準データと比較することによって検出できる。対象物の同一性は、走査によって検出された界面の外形を基準データと比較することによって検出できる。基準データは、例えばそれぞれ基準液体または基準対象物に対して予め行なった走査によって検出した後に記憶する。これらの決定の結果は、液体処理装置の処理の自動制御に使用できる。
【0052】
追加の実施形態により、分析装置は容器(例えば、反応容器またはマイクロタイタープレートのウェル)中の界面、および/または実験用品(例えば、反応容器、マイクロタイタープレート、ピペット点などのいわゆる「実験器具」)、および/または工具の位置および/または同一性を検出する。
【0053】
一実施形態により、光学センサシステムは、液体を処理する自動装置に配置される。
【0054】
一実施形態により、分析装置は、対象物の光学的に走査可能な特徴(mark)を取得するための分析装置である。光学的に操作可能な特徴は、例えば対象物に配置されるバーコードまたはラインコード、すなわち対象物におけるラスタの穴のまたは線の符号化された配列である。
【0055】
さらに、目的は請求項38の特徴のある方法によって解決される。請求項1〜請求項37のいずれかにより光学センサシステムを操作するこの方法では、
光を少なくとも1つの照明位置に投光し、
少なくとも1つの照明位置を、少なくとも1つの受光素子で撮像し、
光を複数個の照明位置に同時に投光し、および/または光を複数個の照明位置に同時に投光し、および/または光を同じ照明位置に異なる角度で投光し、および/または少なくとも1つの照明位置を複数個の位置検出器で撮像し、
少なくとも1つの照明位置と界面との間の垂直距離を変化させ、
少なくとも1つの受光素子の測定信号の最大値を、垂直距離を変化させるときに取得し、
測定信号の最大値での照明位置の位置を界面の位置として決定される。
【0056】
本発明による方法は、垂直方向で(またはそれぞれZ軸の方向で)、つまり地球の引力の方向で、または地球の引力の方向に逆らって界面の空間位置を検出する。水平位置(またはX軸とY軸の方向)での検出および最適反射部位の界面上の特定の位置への割り当てを省略することができる。これによって、液面の検出速度が上げられる。
【0057】
一実施形態により、照明位置と界面との間の垂直位置を変化させるときに、少なくとも1つの受光素子の測定信号の最大値が検出されず、その後少なくとも1つの照明位置と界面との垂直距離の変動により測定信号の最大値がないか新たに検出される場合には、少なくとも1つの照明位置の位置を垂直線の横断方向で変化させる。垂直距離の第1の変動で測定信号の最大値が検出されないときだけ、これらの補足ステップが実行されなければならない。
【0058】
さらに、目的は請求項40の特徴のある方法によって解決される。請求項1〜37のいずれかに記載される光学センサシステムを操作する方法では、
界面の方向の光を少なくとも1つの照明位置に投光し、
・反射される光の量の分散を複数個の受光素子によって検出し、
界面上の最適反射位置の有望な位置、および/または界面の有望な位置、および/または同一性を、光量の検出された分布に基づいて決定する。
【0059】
この方法では、界面上の有望な位置および/または界面上の最適反射部位および/または界面またはこれを含む液体またはこれを含む対象物の有望な同一性は、それぞれ反射される光の分布から推定される。複数個の受光素子によって出力される測定信号は相応して分析される。それぞれ、有望な位置または有望な同一性についての情報は、例えば容器に液体が入っているかどうか、対象物がプロセスの最後に到達しているかどうか、あるいは(384個のウェルのあるマイクロタイタープレートのような)ある特定の種類の対象物が存在するかどうかを検出しさえすればよいときに、多くの用途にとって流用できる。一実施形態により、位置の正確な決定または界面の正確な識別は、すでにいくつかの測定信号を分析した後では、それは目標に応じた方法で測定できるため、延長されたステップで速やかに実行できる。一実施形態により、このために、少なくとも1つの照明位置を、それぞれ最適反射位置の有望なな位置、あるいは界面の有望な位置に向かって調整し、その後測定を繰り返す。
【0060】
さらに、目的は請求項42の特徴のある方法によって解決される。請求項1〜請求項37のいずれかに記載の光学センサシステムを操作するこの方法では、
光を複数個の照明位置に投光し、
照明位置を界面全体で移動させ、
各照明位置を、割り当てられる受光素子にて撮像し、
複数個の受光素子によって出力される測定信号を比較して、測定誤差を偏差として明示する。
【0061】
この方法では、対象物の表面を数回走査し、測定信号は測定誤差を検出するために使用される。測定誤差の検出は、対象物の界面の反復走査のための開始点となることがある。しかし、誤りのある測定の補正のために、ただ1つの作業ステップで得られる追加の走査の測定信号を使用することによって補正を行うこともできる。この方法のために、光学センサシステムのすべてのチャネルを使用することができる、あるいは、それらの一部だけを使用できる。特に、それは、バーコード、ラインコード、対象物でのラスタの穴のまたは線の符号化された配列を走査するために使用されてよい。しかも、その方法は、対象物を識別するために界面を走査するのにも適している。
【0062】
原則的には、光学センサシステムは、光学センサシステムのただ1つのチャネルが使用されるときに、つまり1つの単独受光素子上で撮像される1つ光ビームによって1つの単照明位置を作り出すことによって、それぞれ、対象物の識別のために、あるいはその位置の検出のために使用することもできる。マルチチャネル光学センサシステムは、例えばただ1つの受光素子から検出結果を読み出すことによって、および/または投光装置の適切な絞りで照明位置を覆うことによって、および/または光源をオフ状態にすることによってなど、適切な処置によって単一チャネル光学センサシステムに切り替えることができる。したがって、システムは調整装置の(X方向とY方向の)水平移動を介して空間内の対象物の位置を取得できる。
【0063】
一実施形態によると、界面および/または対象物の決定された位置および/または同一性を、液体処理方法を制御し、および/またはチェックするために記憶し、および/または使用する。求められた値はデータベースにファイルし、それぞれ、液体体積の決定のため、および対象物の位置の検出のために使用できる。さらに、前記方法により検出されるデータは、その方法を利用して液体処理装置を制御する制御装置として、バスシステムを介して提供できる。
【0064】
一実施形態に従って、界面および/または対象物の位置および/または同一性を、液体を処理するプロセスの初めに検出し、および/または液体を処理するプロセスの過程で新たに検出し、および/または液体を処理するプロセスを通じて変化が検出された位置および/または同一性に基づいて算出する。分注装置によって、液体体積を特定の容器から採取し、液体を処理するプロセスの要求に応じてそれに追加することもできる。あらゆる容器の体積の変化は制御装置によって算出、記録することができ、液体を処理するプロセスの追加のステップのために記憶できる。原則的には、液体の界面位置の新しい検出はもはや必要ではない。さらに、対象物は、把持装置または他の搬送装置を介して液体を処理する方法により移動できる。これにおいても、特定の場所での対象物の新しい位置または不在を検出することは、原則的に必要ではない。つまり、新しい位置を算出できるからであす。したがって、原則的には、液体を処理するプロセスの初めに、それらがユーザによってプリセットされないように状態(界面または同じ特徴の液体または対象物の場所および/または同一性)を検出することで十分である。
【0065】
追加の実施形態により、算出された値は、位置および/同一性の新規検出によって確認する。液体を処理する方法のそれぞれの中間段階では、以前に実行されたコマンドおよびアクションを検査でき、この中間段階での値を記憶することができる。
【0066】
追加の実施形態により、検出および/または算出された位置および/または同一性をファイルおよび/または表示する。プロセスの完了後、それぞれすべての実行されたコマンドまたはアクションの検査は、それぞれ品質管理または妥当性検査の目的で光学センサによって可能である。結果は、ファイリングおよび/または検証のために記憶および/または出力できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0067】
以下に、本発明をその具体例の添付図面を参照することによりさらに詳しく説明する。
【0068】
以下の説明では、異なる具体例の一致する部分は、同じ参照番号が付けられて示されている。
【0069】
図1から図7は、1ミリリットルの一部分から数ミリリットルの範囲内の容量のある反応槽内の液面の生成のための例を示す。このような反応容器は、それぞれエッペンドルフ・ローレン(Eppendorf Rohrchen)またはエッペンドルフ(Eppendorf )管の名称で出願人により販売されている。
【0070】
容器1は、下部2で円錐形であり、内部で凹状の半球形状となる容器底部3を有する。容器1はその軸4と垂直に位置合わせされている。
【0071】
図1によると、容器1の中に配置される液体5は、凹面をなしている「メニスカス」つまり界面6を有する。
【0072】
界面6に向かって縦軸4に平行に配向される光ビーム7は、最適反射部位8で垂直に界面6にあたる。最適反射部位8から、光ビームは垂直軸4に平行に反射される。EP第1288635A2号の図1による界面を取得する装置は、光ビームが最適反射部位8に配向されるときに界面6の位置を取得できる。
【0073】
図2は、容器1内で凸面をなしている界面6上の最適反射部位8を示している。
【0074】
図3によると、最適反射部位8は、理想的なケースでは容器1の中心軸4の上に配置される。容器1の位置が既知であるとき、充填レベルは、EP第1288635A2号により界面を取得する装置によって容易に決定できる。図によると、最適反射部位8は現実には中心からずれて配置されている。EP第1288635A2号によるセンサシステムは、最適反射部位8を検出するために垂直におよび水平に移動さなければならない。
【0075】
本発明に従って、複数の平行した光ビーム7は、図5および図6による容器1の中の界面6に配向される。したがって、反射光は、反射光に配向される、図示されていない受光素子によって検出できる。
【0076】
図7は、図4に相当する実在する界面6での光ビーム7のマトリックス状の配列によって最適反射部位8がどのように検出されるのかを示す。原則的には、最適反射部位8は、単一の走査プロセスで検出できる。場合によっては、光ビーム7を投光する装置が、界面6上の最適反射部位8に光ビーム7を集めるために垂直線(描画面に対して垂直に)上で移動されなければならない。
【0077】
界面6を走査する複数の光ビーム7は、さまざまな方法で作り出すことができる。以下にこのいくつかの例が説明されている。
【0078】
図8によれば、平行光源9.1、9.2、9.3からの平行光ビーム7.1、7.2、7.3は、ビームスプリッタ10に向けられる。ビームスプリッタ10から、光ビーム7.1、7.2、7.3は、レンズアレイ11で反射される。レンズアレイ11は、整列配置される複数個のレンズを有し、各光ビーム7.1、7.2および7.3に1枚のレンズが割り当てられる。レンズアレイ11によって、光ビーム7.1、7.2、7.3は、ラスタ状に配列された照明位置12.1、12.2、12.3に集められる。
【0079】
当該実施例において、すべての光ビーム7.1、7.2および7.3が垂直に反射界面6にあたり、その結果、反射光は入射光ビーム7.1、7.2、7.3の方向に反射される。反射光は、レンズアレイ11とビームスプリッタ10に対して平行な受光素子13.1、13.2、13.3にて撮像される。
【0080】
レンズアレイ11は、光ビーム7.1、7.2、7.3を照明位置12.1、12.2および12.3に集め、照明位置からの反射光を受光素子13.1、13.2および13.3に集光する。照明位置12.1、12.2、12.3が界面6にあるとき、受光素子13.1、13.2、13.3への受光量は最大となる。したがって、受光素子13.1、13.2、13.3の測定信号は、照明位置12.1、12.2、12.3が界面6にあることを示す。これによって、界面6の光学センサシステムからの距離は既知となる。
【0081】
図8では、界面6は平坦である。起伏のある界面6の場合、この界面の領域に垂直に入射する光ビーム7.1、7.2、または7.3のいずれかだけが最適反射部位8にあたる。反射光は、対応する照明位置12.1、12.2、12.3のいずれかが撮像される受光素子13.1、13.2、または13.3のいずれかによって受ける。受光素子13.1、13.2、または13.3の測定信号は、最適反射部位8が検出されることを示し、その結果、光学センサシステムから界面6の距離は、非平面状の界面6であると決定できる。
【0082】
図9の光学センサシステムは、単一光源9を有する。この光源の光は、それ自体扇形状に広がる光導波路(light guide)14.1、14.2、14.3によって複数個の仮想光源9.1、9.2、0.3に分割される。光導波路から出力される光ビーム7.1、7.2、7.3は、前述したように、ビームスプリッタ10とレンズアレイ11との配置を介して、同様に照明位置12.1、12.1、12.3に集光される。最適照明位置から反射される光ビームは、平坦として仮定した界面6に平行した受光素子13.1、13.2、13.3にて撮像される。
【0083】
図10の光学センサシステムは、単一の受光素子13のみしか備えていない点で前述の実施形態(図9)とは異なっている。受光素子13の上流には、反射光をまとめる光導波路15.1、15.2および15.3が配備されている。光導波路15.1、15.2、15.3の扇形状の出力端は、各光ビーム7.1、7.2、7.3に分割して割り当てられる。入射光ビーム7.1、7.2、7.3の方向で照明位置12.1、12.2、12.3から反射される光は、光導波路15.1、15.2、15.3の入射口から入射して撮像される。光導波路15.1、15.2、15.3到達する光は、その内部で束ねられたて受光素子13に出力される。少なくとも1つの照明位置12.1、12.2、12.3における界面6の最適反射部位8の配置は、受光素子13で強度が高められた測定信号として表れる。
【0084】
図11による光学センサシステムは、図8の光学センサシステムの複数個の光源9.1、9.2、9.3を、結合する光導波路15.1、15.2、15.3を備え、図10の下流に位置する受光素子13に反射光を集光させるようになっている。したがって、図10の仮想光源は実在する光源9.1、9.2、9.3により置換される。少なくとも1つの照明位置12.1、12.2、12.3が界面6の最適反射部位8に当たると、これは受光素子13から出力される測定信号の増加分として表れる。
【0085】
図12の配置では、光源9は、ビームスプリッタ10によって反射され、レンズアレイ11を介して照明位置12.1、12.2、12.3に集光される発散光ビーム7.1、7.2、7.3を出力する。すべての照明位置12.1、12.2、12.3は平面状の界面6に当たる。そこから反射される光ビーム7.1、7.2、7.3は、レンズアレイ11とビームスプリッタ10とを介して受光素子13.1、13.2、13.3上で撮像される。界面6の一部だけが平坦であるとき、そこに入射する光ビーム7.1、7.2または7.3の少なくともいずれかだけが、割り当てられた受光素子13.1、13.2、13.3に向かって反射される。結果として、少なくとも1つの受光素子13.1、13.2、13.3の測定信号の増幅され、界面6が照明位置12.1、12.1、および121.3に位置していることが識別できる。
【0086】
図13の具体例は、すべての受光素子が、界面6によって平行反射される光ビーム7.1、7.2、7.3を受光可能な位置に対応している点で前述された形態とは異なる。光源9は発散光ビーム7.1、7.2、7.3を発するため、それらは1つの平面中心領域6.1と2つの対向して傾斜する端縁領域6.2、6.3のある界面6によってのみ受光素子13.1、13.2、13.3に反射される。界面6の形状は、多くの場合容器内の液体の表面によって形成される凹面メニスカスの形にほぼ一致する。したがって、この配置は、容器内の液面の検出に特に適している。受光素子13.1、13.2、13.3の測定信号の総計の増幅によって、界面6.1、6.2、6.3上の照明位置12.1、12.2、12.3の配置は精度よく識別できる。
【0087】
図14の光学センサシステムは、その光ビーム7.1、7.2、7.3が、それらがビームスプリッタ10による反射およびレンズアレイ11による集光の後に、1つの共通の照明位置12で互いに遭遇するように収束する光源9.1、9.2、9.3を有する。受光素子13.1、13.2、13.3は、レンズアレイ11の光軸に垂直に位置合わせされ、平面状の界面8によって反射される光ビーム7.1、7.2、7.3の光路上に配置される。照明位置における最適反射部位の配置は、すべての受光素子13.1、13.2、13.3の測定信号として表れる。入射する光ビーム7.1または7.2または7.3の1つだけが受光素子13.1または13.2または13.3に向けて反射される場合、これらに対応する受光素子の測定信号として表れる。したがって、この光学センサシステムでさえ最適反射部位の検出を容易にする。
【0088】
上記光学センサシステムの照明位置12.1、12.1、12.3が、界面6の最適反射部位8に当たらないとき、光学センサシステムを界面6に対して変位させることによって、1つの照明位置が最適反射部位8に当たることが達成できる。したがって、界面6の位置が決定できる。
【0089】
図15により、光学センサシステムは、異なる波長を有する複数個の光源9用の電源16を有する。光源9は、光制御装置17によって制御される。光制御装置17によって、異なる光源9の1つを選択的にオンに切り替えることができ、特定の界面検出のために最適な波長を選択することができる。
【0090】
受光素子13の測定信号は、増幅制御部19付きの増幅器18を介してノイズフィルタに出力される。図示されていないA/D変換器によるデジタル化の後、フィルタにかけられた測定信号は、コンピュータ21として測定信号を分析する分析装置に出力される。測定信号に応じて、コンピュータ21は、水平(X−Y)方向と垂直(Z)方向で界面に対して光学センサシステムを調整するための調整装置22として機能する。
【0091】
図16によって、本発明による光学センサシステムは、液体処理装置25の作業区域24内でのマイクロタイタープレート23の位置を決定できる。マイクロタイタープレート23の意図された位置に対して、回転する平行シフトまたは別の誤りのある配置が光学センサシステムを活用して認識される。それは、マイクロタイタープレート23のウェル内、および/またはマイクロタイタープレート23の搬送での液体処理において補正または考慮される。
【0092】
図17により、ラック27内のマイクロタイタープレート23と受液容器26の位置、および同様に意図される位置28でのマイクロタイタープレートの不在は、光学センサシステムを利用して決定できる。液体25を処理する装置の作業区域24内の実験機器の検出された状態は、追加処理ステップで考慮に入れられる。
【0093】
図18は、単一光源9と単一受光素子13がバーコードを走査するためにオンに切り替えられ、その結果測定配置がEP第1288635A2号による具現化の例に一致することを示す。前述された一般閲覧に公開されたドイツ明細書における、これに関する説明が本出願に参照することにより組み込まれている。測定配置によって、対象物30上のバーコード29を特定するために走査される。走査をチェックするため、図示されていない第2の光源9と、図示されていない第2の受光素子を起動することにより同時測定が実行できる。このために、光学センサシステムはバーコード29に関して水平方向で動かされる。
【0094】
なお、上記各実施例では、受光素子13に代えて光検出器を利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】容器内で凹面となる液体界面での最適反射部位に投光された光ビームを示す図である。
【図2】容器内で凸面となる液体界面での最適反射部位に投光された光ビームを示す図である。
【図3】容器内の液体界面の理想的な反射部位を示す平面図である。
【図4】容器内の液体界面の実在する反射部位を示す平面図である。
【図5】容器内で凹面となる液体界面に投光した複数の平行光ビームを示す図である。
【図6】容器内で凸面となる液体界面に投光した複数の平行光ビームを示す図である。
【図7】マトリックス状に配列された光ビームによって容器内で実在する液体界面を走査する様子を示す図である。
【図8】複数個の光源と複数個の受光素子を備えた光学センサシステムの概略側面図である。
【図9】複数個の仮想光源と複数個の受光素子を備えた光学センサシステムの概略側面図である。
【図10】上流側で光結合を可能とする複数個の仮想光源と単一受光素子を備えた光学センサシステムの概略側面図である。
【図11】上流側で光結合を可能とする複数個の光源と単一受光素子を備えた光学センサシステムの概略側面図である。
【図12】発散光ビーム用光源と、収束した位置合わせの複数個の受光素子を備えた光学センサシステムの概略側面図である。
【図13】傾斜界面および複数の平行した受光素子に向けられる発散光ビームを示す光学センサシステムの概略側面図である。
【図14】光ビームが異なる角度で同一照明点に向けられ、複数個の受光素子がそれらに向かって位置合わせされている光学センサシステムの概略側面図である
【図15】図10による光学センサシステムのブロック図である。
【図16】位置認識および実験機器の特定のための、光学センサシステムを用いて液体を処理する装置におけるマイクロタイタープレートの例示的な配置を示す平面図である
【図17】位置認識および実験機器の特定のための、光学センサシステムを用いて液体を処理する装置における実験機器の例示的な配列を示す平面図である。
【図18】バーコードを走査するときの光学センサシステムを示す概略側面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を処理する装置における光学センサシステムであって、
空間内の少なくとも1つの照明位置(12)に光を投光する投光装置(9、10、11)と、
受光に応じて測定信号を出力する、少なくとも1つの受光素子(13)で少なくとも1つの照明位置を撮像する少なくとも1つの撮像装置(11)と、
前記投光装置(9、10、11)が、複数個の照明位置に光を同時に投光装置であり、および/または前記投光装置は、異なる角度で同じ照明位置(12)に光を同時に投光する装置であり、および/または複数個の受光素子(13)が実在し、
少なくとも1つの測定信号を分析する少なくとも1つの受光素子(13)に接続される分析装置(21)と
を備えることを特徴とする光学センサシステム。
【請求項2】
前記投光装置(9、10、11)は、少なくとも1つの光源(9)を有することを特徴とする請求項1に記載の光学センサシステム。
【請求項3】
少なくとも1つの光源(9)は、少なくとも1つのレーザ、LEDまたは電球のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の光学センサシステム。
【請求項4】
少なくとも1つの光源(9)は、検出されるべき界面(6)での反射率の高い波長を有する光を発することを特徴とする請求項2または3に記載の光学センサシステム。
【請求項5】
当該投光装置(9、10、11)は、異なる波長に切り替え可能な光源(9)を有し、および/または波長を調整可能な光源(9)を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項6】
前記投光装置(9、10、11)は、少なくとも1つの点形状、線形状、または二次元の照明位置(12)に光を投光する装置であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項7】
少なくとも1つの光源(9)は、点形状であることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項8】
前記投光装置(9、10、11)は、少なくとも1つの光源(9)の光路内に少なくとも1つの絞りおよび/または少なくとも1つの光導波路(14)を有することを特徴とする請求項7に記載の光学センサシステム。
【請求項9】
前記照明位置(12)は、三次元配置または平面配置となるよう設定されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項10】
前記照明位置(12)は、平面内に配置されることを特徴とする請求項9に記載の光学センサシステム。
【請求項11】
前記照明位置は、凹面または凸面内、あるいは互いに向かって傾斜する平面内に配置されることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項12】
少なくとも1つの照明位置(12)を照らす光ビーム(7)は、8°以下の開口角となるように構成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項13】
少なくとも1つの照明位置(12)から投光装置(9、10、11)までの距離が100mm以上となるように構成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項14】
前記投光装置(9、10、11)は、単一光源(9)と、少なくとも1つの照明位置(12)で光源を結像する少なくとも1つの装置(11)とを有することを特徴とする請求項2〜13のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項15】
前記投光装置(9、10、11)は、光源を複数個の仮想光源に分割する装置(14)と、
複数個の仮想光源を少なくとも1つの照明位置(12)を結像する少なくとも1つの装置(11)とを有することを特徴とする請求項14に記載の光学センサシステム。
【請求項16】
前記光源(9)を分割する装置(14)は、扇形状に広がる光導波路、および/または多孔絞りを有することを特徴とする請求項15に記載の光学センサシステム。
【請求項17】
前記投光装置(9、10、11)は、複数個の光源(9)であり、
少なくとも1つの照明位置(12)で複数個の反射光を結像する少なくとも1つの装置(11)とを有することを特徴とする請求項2〜13のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項18】
前記投光装置(9、10、11)は、複数個の仮想光源または複数個の光源であり、
少なくとも1つの照明位置(12)で結像する装置(11)を有することを特徴とする請求項14〜17のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項19】
少なくとも1つの受光素子(13)は、点形状、線形状または二次元であることを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項20】
少なくとも1つの絞りおよび/または少なくとも1つの光導波路(15)は、撮像する少なくとも1つの装置と少なくとも1つの受光素子との間の光路に配置されることを特徴とする請求項19に記載の光学センサシステム。
【請求項21】
単一受光素子(13)と、当該受光素子(13)に対して少なくとも1つの照明位置(12)を結像する少なくとも1つの装置(11)とを備えることを特徴とする請求項1〜20のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項22】
撮像する少なくとも1つの装置(11)と受光素子(13)との間の光路に配置される光結合装置(15)を備えたことを特徴とする請求項21に記載の光学センサシステム。
【請求項23】
光結合装置(15)は、互いと結合する光導波路を有することを特徴とする請求項22に記載の光学センサシステム。
【請求項24】
複数個の受光素子(13)と、複数個の受光素子(13)に少なくとも1つの照明位置(12)を結像する少なくとも1つの装置(11)とを備えることを特徴とする請求項1〜23のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項25】
前記投光装置(9、10、11)と、撮像する少なくとも1つの装置(11)とが同じ光軸上に配置されていることを特徴とする請求項1〜24のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項26】
少なくとも1つの光源(9)の光がビームスプリッタ(10)を介して少なくとも1つの照明位置(12)に少なくとも1つの反射光を結像する装置(11)に出力され、結像する同じ装置(11)が、ビームスプリッタ(10)を介して少なくとも1つの受光素子(13)により少なくとも1つの照明位置(12)を撮像することを特徴とする請求項1〜25のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項27】
少なくとも1つの光源(9)を結像する少なくとも1つの装置(11)および/または少なくとも1つの照明位置(12)を撮像する少なくとも1つの装置が、1枚のレンズおよび/または整列配置される複数個のレンズ、および/またはレンズアレイ、および/またはフレネルレンズを有することを特徴とする請求項1〜26のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項28】
少なくとも1つの受光素子(13)によって出力される測定信号をフィルタにかける手段(20)を有する分析装置(21)を備えたことを特徴とする請求項1〜27のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項29】
少なくとも1つの結像システム(11)の光軸の方向で、および/または当該光軸と直交する方向で、少なくとも1つの照明位置(12)と、界面(6)との相対位置を調整するための調整装置(22)を備えたことを特徴とする請求項1〜28のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項30】
前記投光装置(9、10、11)、結像システム(11)、および少なくとも1つの受光素子(13)によって形成される光学部品、並びに界面(6)の相対位置が、調整装置(22)によって調整可能に構成されていることを特徴とする請求項29に記載の光学センサシステム。
【請求項31】
前記調整装置(22)は、結像システムの中にズームレンズおよび/またはオートフォーカスシステムを有することを特徴とする請求項29または30に記載の光学センサシステム。
【請求項32】
前記調整装置(22)は、モータ駆動式であることを特徴とする請求項29〜31のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項33】
前記分析装置(21)は、調整装置(22)によって、少なくとも1つの照明位置(12)と界面(6)との相対位置の調整を可能にすることを特徴とする請求項29〜32のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項34】
界面の位置および/または測定対象物の同一性を分析装置(21)によって検出するよう構成したことを特徴とする請求項1〜33のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項35】
前記分析装置(21)は、容器内の界面、および/または実験機器、および/または工具の位置および/または測定対象物の同一性を検出するよう構成したことを特徴とする請求項34に記載の光学センサシステム。
【請求項36】
前記光学センサシステムを組込み液体を処理する自動装置(25)を構成したことを特徴とする請求項1〜35のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項37】
前記分析装置(21)は、対象物を光学的に走査可能な印を取得する分析装置であることを特徴とする請求項1〜36のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項38】
請求項1〜37のいずれかの光学センサシステムを操作する方法であって、
光を少なくとも1つの照明位置に投光し、
少なくとも1つの照明位置を、少なくとも1つの受光素子にて撮像し、
光を複数個の照明位置に同時に投光し、および/または光を同じ照明位置に異なる角度で投光し、および/または少なくとも1つの照明位置を複数個の受光素子で撮像し、
少なくとも1つの照明位置と界面との間の垂直距離を変化させ、
垂直距離を変化させるときに、少なくとも1つの受光素子の測定信号の最大値を取得し、
前記測定信号の最大値での照明位置の位置を界面の位置として決定する
ことを特徴とする。
【請求項39】
照明位置と界面との間の垂直位置を変化させるときに、少なくとも1つの受光素子の測定信号の最大値が検出されず、その後少なくとも1つの照明位置と界面との垂直距離の変動により測定信号の最大値がないか新たに検出される場合には、少なくとも1つの照明位置の位置を垂直線の横断方向で変化させることを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記界面の方向の光を、少なくとも1つの照明位置に投光し、
反射した光量の分散を複数個の受光素子によって検出し、
界面における最適反射位置および/または界面位置および/または同一性を、光量の検出された分散に基づいて決定する
ことを特徴とする請求項1〜37のいずれかに記載の光学センサシステムを利用した検査方法。
【請求項41】
少なくとも1つの照明位置を、最適反射位置、および界面の位置に調整し、次いで測定を繰り返すことを特徴とする請求項39に記載の検査方法。
【請求項42】
光を複数個の照明位置に投光し、
照明位置を界面全体に対して移動し、
各照明位置を、割り当てられる受光素子にて撮像し、
複数個の受光素子によって出力される測定信号を比較し、測定誤差を偏差として明示する
ことを特徴とする請求項1〜37のいずれかに記載の検査方法。
【請求項43】
界面および/または対象物の決定された位置および/または同一性を記憶し、液体を処理するプロセスを制御および/または検査たするめに使用する、
ことを特徴とする請求項38〜42のいずれかに記載の検査方法。
【請求項44】
界面および/もしくは対象物の位置および/または同一性を、液体を処理するプロセスの初めに検出し、および/もしくは液体を処理するプロセスの過程で新規に検出し、並びに/または液体を処理するプロセスを通じて検出された状態の変化を、検出された位置および/もしくは同一性に基づいて算出することを特徴とする請求項38〜43のいずれかに記載の検査方法。
【請求項45】
算出された前記値を新しい検出によって確認することを特徴とする請求項44に記載の検査方法。
【請求項46】
検出および/または算出された位置および/または同一性をファイリングするおよび/または表示することを特徴とする請求項44また45に記載の検査方法。
【請求項1】
液体を処理する装置における光学センサシステムであって、
空間内の少なくとも1つの照明位置(12)に光を投光する投光装置(9、10、11)と、
受光に応じて測定信号を出力する、少なくとも1つの受光素子(13)で少なくとも1つの照明位置を撮像する少なくとも1つの撮像装置(11)と、
前記投光装置(9、10、11)が、複数個の照明位置に光を同時に投光装置であり、および/または前記投光装置は、異なる角度で同じ照明位置(12)に光を同時に投光する装置であり、および/または複数個の受光素子(13)が実在し、
少なくとも1つの測定信号を分析する少なくとも1つの受光素子(13)に接続される分析装置(21)と
を備えることを特徴とする光学センサシステム。
【請求項2】
前記投光装置(9、10、11)は、少なくとも1つの光源(9)を有することを特徴とする請求項1に記載の光学センサシステム。
【請求項3】
少なくとも1つの光源(9)は、少なくとも1つのレーザ、LEDまたは電球のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の光学センサシステム。
【請求項4】
少なくとも1つの光源(9)は、検出されるべき界面(6)での反射率の高い波長を有する光を発することを特徴とする請求項2または3に記載の光学センサシステム。
【請求項5】
当該投光装置(9、10、11)は、異なる波長に切り替え可能な光源(9)を有し、および/または波長を調整可能な光源(9)を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項6】
前記投光装置(9、10、11)は、少なくとも1つの点形状、線形状、または二次元の照明位置(12)に光を投光する装置であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項7】
少なくとも1つの光源(9)は、点形状であることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項8】
前記投光装置(9、10、11)は、少なくとも1つの光源(9)の光路内に少なくとも1つの絞りおよび/または少なくとも1つの光導波路(14)を有することを特徴とする請求項7に記載の光学センサシステム。
【請求項9】
前記照明位置(12)は、三次元配置または平面配置となるよう設定されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項10】
前記照明位置(12)は、平面内に配置されることを特徴とする請求項9に記載の光学センサシステム。
【請求項11】
前記照明位置は、凹面または凸面内、あるいは互いに向かって傾斜する平面内に配置されることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項12】
少なくとも1つの照明位置(12)を照らす光ビーム(7)は、8°以下の開口角となるように構成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項13】
少なくとも1つの照明位置(12)から投光装置(9、10、11)までの距離が100mm以上となるように構成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項14】
前記投光装置(9、10、11)は、単一光源(9)と、少なくとも1つの照明位置(12)で光源を結像する少なくとも1つの装置(11)とを有することを特徴とする請求項2〜13のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項15】
前記投光装置(9、10、11)は、光源を複数個の仮想光源に分割する装置(14)と、
複数個の仮想光源を少なくとも1つの照明位置(12)を結像する少なくとも1つの装置(11)とを有することを特徴とする請求項14に記載の光学センサシステム。
【請求項16】
前記光源(9)を分割する装置(14)は、扇形状に広がる光導波路、および/または多孔絞りを有することを特徴とする請求項15に記載の光学センサシステム。
【請求項17】
前記投光装置(9、10、11)は、複数個の光源(9)であり、
少なくとも1つの照明位置(12)で複数個の反射光を結像する少なくとも1つの装置(11)とを有することを特徴とする請求項2〜13のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項18】
前記投光装置(9、10、11)は、複数個の仮想光源または複数個の光源であり、
少なくとも1つの照明位置(12)で結像する装置(11)を有することを特徴とする請求項14〜17のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項19】
少なくとも1つの受光素子(13)は、点形状、線形状または二次元であることを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項20】
少なくとも1つの絞りおよび/または少なくとも1つの光導波路(15)は、撮像する少なくとも1つの装置と少なくとも1つの受光素子との間の光路に配置されることを特徴とする請求項19に記載の光学センサシステム。
【請求項21】
単一受光素子(13)と、当該受光素子(13)に対して少なくとも1つの照明位置(12)を結像する少なくとも1つの装置(11)とを備えることを特徴とする請求項1〜20のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項22】
撮像する少なくとも1つの装置(11)と受光素子(13)との間の光路に配置される光結合装置(15)を備えたことを特徴とする請求項21に記載の光学センサシステム。
【請求項23】
光結合装置(15)は、互いと結合する光導波路を有することを特徴とする請求項22に記載の光学センサシステム。
【請求項24】
複数個の受光素子(13)と、複数個の受光素子(13)に少なくとも1つの照明位置(12)を結像する少なくとも1つの装置(11)とを備えることを特徴とする請求項1〜23のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項25】
前記投光装置(9、10、11)と、撮像する少なくとも1つの装置(11)とが同じ光軸上に配置されていることを特徴とする請求項1〜24のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項26】
少なくとも1つの光源(9)の光がビームスプリッタ(10)を介して少なくとも1つの照明位置(12)に少なくとも1つの反射光を結像する装置(11)に出力され、結像する同じ装置(11)が、ビームスプリッタ(10)を介して少なくとも1つの受光素子(13)により少なくとも1つの照明位置(12)を撮像することを特徴とする請求項1〜25のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項27】
少なくとも1つの光源(9)を結像する少なくとも1つの装置(11)および/または少なくとも1つの照明位置(12)を撮像する少なくとも1つの装置が、1枚のレンズおよび/または整列配置される複数個のレンズ、および/またはレンズアレイ、および/またはフレネルレンズを有することを特徴とする請求項1〜26のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項28】
少なくとも1つの受光素子(13)によって出力される測定信号をフィルタにかける手段(20)を有する分析装置(21)を備えたことを特徴とする請求項1〜27のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項29】
少なくとも1つの結像システム(11)の光軸の方向で、および/または当該光軸と直交する方向で、少なくとも1つの照明位置(12)と、界面(6)との相対位置を調整するための調整装置(22)を備えたことを特徴とする請求項1〜28のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項30】
前記投光装置(9、10、11)、結像システム(11)、および少なくとも1つの受光素子(13)によって形成される光学部品、並びに界面(6)の相対位置が、調整装置(22)によって調整可能に構成されていることを特徴とする請求項29に記載の光学センサシステム。
【請求項31】
前記調整装置(22)は、結像システムの中にズームレンズおよび/またはオートフォーカスシステムを有することを特徴とする請求項29または30に記載の光学センサシステム。
【請求項32】
前記調整装置(22)は、モータ駆動式であることを特徴とする請求項29〜31のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項33】
前記分析装置(21)は、調整装置(22)によって、少なくとも1つの照明位置(12)と界面(6)との相対位置の調整を可能にすることを特徴とする請求項29〜32のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項34】
界面の位置および/または測定対象物の同一性を分析装置(21)によって検出するよう構成したことを特徴とする請求項1〜33のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項35】
前記分析装置(21)は、容器内の界面、および/または実験機器、および/または工具の位置および/または測定対象物の同一性を検出するよう構成したことを特徴とする請求項34に記載の光学センサシステム。
【請求項36】
前記光学センサシステムを組込み液体を処理する自動装置(25)を構成したことを特徴とする請求項1〜35のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項37】
前記分析装置(21)は、対象物を光学的に走査可能な印を取得する分析装置であることを特徴とする請求項1〜36のいずれかに記載の光学センサシステム。
【請求項38】
請求項1〜37のいずれかの光学センサシステムを操作する方法であって、
光を少なくとも1つの照明位置に投光し、
少なくとも1つの照明位置を、少なくとも1つの受光素子にて撮像し、
光を複数個の照明位置に同時に投光し、および/または光を同じ照明位置に異なる角度で投光し、および/または少なくとも1つの照明位置を複数個の受光素子で撮像し、
少なくとも1つの照明位置と界面との間の垂直距離を変化させ、
垂直距離を変化させるときに、少なくとも1つの受光素子の測定信号の最大値を取得し、
前記測定信号の最大値での照明位置の位置を界面の位置として決定する
ことを特徴とする。
【請求項39】
照明位置と界面との間の垂直位置を変化させるときに、少なくとも1つの受光素子の測定信号の最大値が検出されず、その後少なくとも1つの照明位置と界面との垂直距離の変動により測定信号の最大値がないか新たに検出される場合には、少なくとも1つの照明位置の位置を垂直線の横断方向で変化させることを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記界面の方向の光を、少なくとも1つの照明位置に投光し、
反射した光量の分散を複数個の受光素子によって検出し、
界面における最適反射位置および/または界面位置および/または同一性を、光量の検出された分散に基づいて決定する
ことを特徴とする請求項1〜37のいずれかに記載の光学センサシステムを利用した検査方法。
【請求項41】
少なくとも1つの照明位置を、最適反射位置、および界面の位置に調整し、次いで測定を繰り返すことを特徴とする請求項39に記載の検査方法。
【請求項42】
光を複数個の照明位置に投光し、
照明位置を界面全体に対して移動し、
各照明位置を、割り当てられる受光素子にて撮像し、
複数個の受光素子によって出力される測定信号を比較し、測定誤差を偏差として明示する
ことを特徴とする請求項1〜37のいずれかに記載の検査方法。
【請求項43】
界面および/または対象物の決定された位置および/または同一性を記憶し、液体を処理するプロセスを制御および/または検査たするめに使用する、
ことを特徴とする請求項38〜42のいずれかに記載の検査方法。
【請求項44】
界面および/もしくは対象物の位置および/または同一性を、液体を処理するプロセスの初めに検出し、および/もしくは液体を処理するプロセスの過程で新規に検出し、並びに/または液体を処理するプロセスを通じて検出された状態の変化を、検出された位置および/もしくは同一性に基づいて算出することを特徴とする請求項38〜43のいずれかに記載の検査方法。
【請求項45】
算出された前記値を新しい検出によって確認することを特徴とする請求項44に記載の検査方法。
【請求項46】
検出および/または算出された位置および/または同一性をファイリングするおよび/または表示することを特徴とする請求項44また45に記載の検査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−224673(P2008−224673A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−64889(P2008−64889)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(591121683)エッペンドルフ アクチエンゲゼルシャフト (23)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(591121683)エッペンドルフ アクチエンゲゼルシャフト (23)
【Fターム(参考)】
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