説明

液体殺菌洗浄剤組成物

【課題】低温安定性に優れ、広い殺菌スペクトルを有し、短時間で高い殺菌効果を発揮する洗浄剤組成物の提供。
【解決手段】(a)ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、N−アシルサルコシン塩、アシル化イセチオン酸及びポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩からなる群より選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤 0.5〜5重量%、並びに
(b)トリクロサン(b1)とイソプロピルメチルフェノール(b2)及び/又はパラクロロキシレノール(b3)を含有してなり、これらの総量として 0.05〜1重量%
を含有する液体殺菌洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、短時間の使用において高い殺菌効果と広い殺菌スペクトルを有し、低温安定性に優れる身体用の液体殺菌洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
身体用洗浄剤組成物には洗浄効果に加えて、病原菌の感染を防止、菌の伝播を防止するなどの衛生的見地より殺菌効果も求められており、この要求に応えるべく殺菌効果を有する身体用洗浄剤組成物について多くの検討がなされている。
従来の身体用の殺菌洗浄剤組成物は、優れた洗浄力や起泡性を得る目的で、脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩などのアニオン界面活性剤を主基剤として殺菌剤を配合したものが多いが、洗浄剤中で高い殺菌効果とあらゆる種類の菌に効果を発揮させるのは困難であった
特許文献1ではアニオン界面活性剤中でカチオン性殺菌剤と各種殺菌剤の組合せを提案しているが、カチオン性殺菌剤による皮膚への刺激性が高いという課題がある。
また、特許文献2においては、フェノール系抗菌剤を洗浄剤組成物に、室温で飽和濃度の50%以上になるように含有する抗菌剤組成物が提案されているが、抗菌剤の洗浄剤組成物に対する飽和濃度を50%以上とするためには、界面活性剤量を少なく配合するか、あるいは抗菌剤配合量を許容範囲以上に配合する必要があり、皮膚用の殺菌洗浄剤組成物としては、適当でない。
また、低温下での安定性は、液体洗浄剤組成物において重要である。
【特許文献1】特開平10−147795号公報
【特許文献2】特表2003−502353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の目的は、洗浄性を付与する界面活性剤との併用系であっても短時間で高い殺菌効果と広い殺菌スペクトルを有し、低温安定性に優れる液体殺菌洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、N−アシルサルコシン塩、アシル化イセチオン酸塩及びポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩からなる群より選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤0.5〜5重量%と殺菌剤としてトリクロサンを必須としてイソプロピルメチルフェノール及び/又はパラクロロメタキシレノールを組合せて配合することにより、短時間で高い殺菌効果と広い殺菌スペクトルを示し、さらに皮膚刺激性が少なく、低温安定性に優れる液体殺菌洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち本発明は、
(a)ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、N−アシルサルコシン塩、アシル化イセチオン酸塩及びポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩からなる群より選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤 0.5〜5重量%、並びに
(b)トリクロサン(b1)とイソプロピルメチルフェノール(b2)及び/又はパラクロロキシレノール(b3)を含有してなり、これらの総量として 0.05〜1重量%
を含有する液体殺菌洗浄剤組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の身体用の液体殺菌洗浄剤組成物は低温安定性に優れ、洗浄性を付与する界面活性剤との併用系においても、短時間で高い殺菌効果と広い殺菌スペクトルを発揮するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明で用いる(a)成分は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、N−アシルサルコシン塩、アシル化イセチオン酸塩及びポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩からなる群より選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤である。
ここでポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩とポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩とポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩とポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩とポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩のオキシエチレン基の付加モル数は、1〜10が好ましく、特に2〜5が好ましい。また、これらのアルキル基又はアシル基としては、炭素数8〜18のアルキル基又はアシル基が好ましく、特に10〜14のアルキル基又はアシル基が好ましい。
アルキルリン酸エステル塩とアルキルスルホコハク酸塩のアルキル基としては、炭素数8〜18のアルキル基が好ましく、特に10〜14のアルキル基が好ましい。
また、N−アシルメチルタウリン塩とN−アシルサルコシン塩とアシル化イセチオン酸塩のアシル基としては、炭素数8〜18のアシル基が好ましく、特に10〜14のアシル基が好ましい。
アルキルリン酸エステル塩とポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩はモノエステル体、ジエステル体又はそれらの混合物が好ましく、起泡性、溶解性の観点から、モノエステル体を60重量%以上含むものが更に好ましい。
また、塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩等が挙げられる。
(a)成分の具体例としては、ポリオキシエチレン(3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、モノ〔ポリオキシエチレン(3モル)ラウリル〕エーテルリン酸塩、ポリオキシエチレン(4.5モル)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、モノラウリルリン酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(3モル)アルキル(炭素数2〜14)スルホコハク酸2ナトリウム、N−ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(3モル)ヤシ脂肪酸アミドエーテル硫酸塩等が挙げられる。尚、これらの化合物の( )内のモル数はエチレンオキサイドの平均付加モル数を意味する(以下、同様)。
本発明で用いる(a)成分として好ましいものは、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸エステル塩である。
【0008】
本発明おいて(a)成分は、洗浄剤組成物中に0.5〜5重量%含まれる。当該範囲より少なくなると、起泡性、洗浄性が好ましくなく、当該範囲より多くなると殺菌性の点で好ましくない。本発明において(a)成分は、起泡性、洗浄性及び殺菌性の観点から、好ましくは0.5〜4.5重量%、より好ましくは、1〜4重量%の範囲で用いられる。
本発明の(a)成分は単独あるいは2種以上を組合せて用いることができる。
【0009】
本発明で用いられる(b)成分の殺菌剤はトリクロサン(b1)、イソプロピルメチルフェノール(b2)、パラクロロキシレノール(b3)であり、トリクロサン(b1)を必須成分としてイソプロピルメチルフェノール(b2)及び/又はパラクロロキシレノール(b3)を組合せて用いる。洗浄剤組成物中のこれら殺菌剤の合計量〔(b1)+(b2)+(b3)〕は、0.05〜1重量%である。当該範囲より少なくなると殺菌性が劣り、多くなると低温安定性が劣り好ましくない。本発明において(b)成分は、殺菌性及び低温安定性の観点から、好ましくは0.1〜0.9重量%、更に好ましくは0.2〜0.8重量%で用いられる。
【0010】
トリクロサン(b1)とイソプロピルメチルフェノール(b2)及び/又はパラクロロキシレノール(b3)の重量比〔(b1)/〔(b2)+(b3)〕〕は、殺菌性、特に短時間での殺菌効力のため、好ましくは1/10〜10/1、特に好ましくは1/4〜5/1、さらに好ましくは1/3〜4/1である。 (a)成分と(b)成分の重量比は、殺菌剤の溶解性及び殺菌性の観点から、(a)/(b)=3〜20が好ましく、更に好ましくは4〜15、より好ましくは5〜10である。
【0011】
本発明の洗浄剤組成物に成分(a)及び成分(b)以外にさらに、成分(c)としてノニオン界面活性剤〔下記(d)成分を除く〕及び両性界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上を含有することが洗浄性及び起泡性の観点から好ましい。
ここで用いるノニオン界面活性剤としては、アルキルポリグリコシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルアルカノールアミド、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。
また、両性界面活性剤としては、アミドプロピルベタイン、アルキルアミンオキシド、ヒドロキスルホベタイン、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインが挙げられる。
(c)成分は、洗浄性及び起泡性の観点から好ましくは0.05〜3重量%、更に好ましくは0.1〜2重量%で用いられる。
【0012】
本発明の洗浄剤組成物は更に、成分(d)としてグリセリルエーテルを含有することが起泡性、低温安定性の観点で好ましい。
成分(d)のグリセリルエーテルとしては、炭素数8〜12の直鎖または分岐のアルキル基を有する、モノアルキル体が好ましい。該アルキル基としては例えば、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基が挙げられ、好ましくは、炭素数8〜12のアルキル基、より好ましくは炭素数8〜10の分岐したアルキル基で、具体的には2−エチルヘキシル基、イソデシル基が挙げられる。
【0013】
成分(d)のグリセリルエーテルは1種あるいは2種以上を組合せて用いることができる。
また、成分(c)のグリセリルエーテルは洗浄剤組成物中に低温安定性の観点から好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%、更に好ましくは0.2〜2重量%、特に好ましくは0.3〜1重量%の範囲で用いることが望ましい。
【0014】
本発明の洗浄剤組成物は、水を媒体とする液状であることが好ましい。
更に、本発明の洗浄剤組成物は、通常の皮膚用洗浄剤組成物に用いられる成分、例えばエタノール、イソプロパノール、n−プロパノールなどの低級アルコール類; プロピレングリコール、グリセリリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトールなどの多価アルコール類; グアーガムなどの植物由来の多糖類、キサンタンガムなどの微生物由来の多糖類、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース類、分子内にポリオキシエチレン鎖を有するエステルあるいはエーテル系化合物、アクリル酸重合体あるいはアクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体などのカルボキシビニルポリマー類などの増粘剤; カチオン化セルロースなどのカチオンポリマー、シリコーン化合物及びその誘導体などのコンディショニング成分; エチレングリコールジステアレート等のパール化剤; ステアリルトリメチルアンモニウムクロライドなどの陽イオン性界面活性剤; 染料、顔料等の着色剤; 酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、有機アミン類などのpH調整剤; 塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどの無機塩類; 植物エキス類; 防腐剤; キレート剤; ビタミン剤; 抗炎症剤; 抗ふけ剤; 香料; 紫外線吸収剤; 酸化防止剤などを本発明の効果を損なわない範囲で使用することが可能である。
【0015】
本発明の液体殺菌洗浄剤組成物は常法に従って製造することができる。また、本発明の液体殺菌洗浄剤組成物は身体洗浄用として用いるのが好ましく、例えば、全身用洗浄料、手指用洗浄料、洗顔料、毛髪用シャンプーとして用いるのが好ましい。
【0016】
本発明の液体殺菌洗浄剤組成物のpHは、低温安定性と皮膚への刺激性の観点から好ましくは4〜10、より好ましくは5〜9、更に好ましくは6〜8に調整することが望ましい。
【0017】
本発明の液体殺菌洗浄剤組成物は通常使用されている容器に充填して使用することが可能であるが、特にフォーマー容器に充填することで起泡性が良く、泡安定性良好なものとなるため特に好ましい。
【実施例】
【0018】
以下、実施例を挙げて更に詳細に説明する。なお、以下の実施例における各成分の配合量は有効分を基準として示した。実施例1及び2に用いた配合成分は下記に示す試験に用いた薬剤につけた番号で表示した。実施例3〜5の成分のうち下記に示す試験に用いた薬剤から選ばれるものは*印をつけた。
【0019】
(試験に用いた薬剤)
(a)成分
1.ポリオキシエチレン(3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、エマール20C〔花王(株)製〕
2.ポリオキシエチレン(4.5モル)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム カオーアキポRLM45NV〔花王(株)製〕
3.モノラウリルリン酸エステルナトリウム〔花王(株)製〕
4.モノ〔ポリオキシエチレン(3モル)ラウリル〕エーテルリン酸塩〔花王(株)製〕
5.ラウリルスルホコハク酸2ナトリウム〔花王(株)製〕
6.ポリオキシエチレン(3モル)アルキル(炭素数12〜14)スルホコハク酸2ナトリウム〔花王(株)製〕
【0020】
7.N−ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ニッコールLMT〔日光ケミカル(株)製〕
8.ラウロイルサルコシンナトリウム〔川研ファインケミカル(株)製〕
9.ココイルイセチオン酸ナトリウム〔花王(株)製〕
10.ポリオキシエチレン(3モル)ヤシ脂肪酸アミドエーテル硫酸塩〔花王(株)〕
(b)成分
11.トリクロサン(2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシ−ジフェニルエーテルともいう)、イルガサンDP300〔チバスペシャリティーケミカルズ(株)製〕
12.イソプロピルメチルフェノール〔3−メチル−4−(1−メチルエチル)フェノールともいう〕、〔大阪化成(株)製〕
13.パラクロロキシレノール(4−クロロ−3,5−キシレノールともいう)、〔クラリアント(株)製〕
【0021】
(殺菌試験方法と評価基準)
供試菌として、大腸菌(Escherichia coli NBRC3972)、黄色ブドウ球菌(Staphirococcus aureus NBRC12732)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa NBRC13275)、セラチア菌(Serratia amrcescens NBRC12648)を用いた。
予め、SCD培地〔日本製薬(株)製〕にて前培養した培養液を用いた。培養液0.1mL(109〜1010cell/ml)を、滅菌水で所定の濃度(組成物希釈倍率×1、×3、×10、×40)に希釈した各洗浄剤組成物10mlに接種させた。一定時間(15秒、30秒、1分)毎に、一白金耳をとり、生育用液体培地に接種し、30℃で48時間培養した後、菌の生育の有無を観察した。1試料につき、4つの希釈濃度と3つの反応時間で行っているので、合計12の生育用液体培地を用いた。殺菌試験の判定は、全希釈濃度、全反応時間に菌の生育が認められない場合を12、全希釈濃度、全反応時間に菌の生育が認められた場合を0とした。すなわち、0〜12の間で値が高いほど殺菌性が高いことを意味する。
【0022】
(低温安定性試験方法と評価基準)
調製した殺菌洗浄剤をガラス瓶に100ml入れ密栓し、0℃の恒温槽に2週間保存した後、殺菌洗浄剤の外観を目視で観察し、以下のように評価した。
【0023】
○ : 調製時の外観に変化なく透明を維持できたの
△ : わずかに分離、沈殿、濁りの生じたもの
× : 分離、沈殿、濁りの生じたもの
【0024】
実施例1
表1に示す殺菌洗浄剤を常法に従い調製し、低温安定性試験及び殺菌試験を行った。 その結果を表1に示す。
【0025】
【表1】

【0026】
本発明品は各種の菌を効果的に殺滅していることが判る。比較品は殺菌効果が劣るかあるいは、一部の菌には効果はあっても全ての菌に対して効果を示すものはなかった。
【0027】
実施例2
表2に示す殺菌洗浄剤を常法に従い調製し、低温安定性試験及び殺菌試験を行った。 (a)成分を2.5重量%とし(b)成分の殺菌剤合計量及び殺菌剤配合比率を変更したものの試験を行った。
その結果を表2に示す。
【0028】
【表2】

【0029】
本発明品は短時間(1分以内)の接触で、各菌を効果的に殺滅していることが判る。また、殺菌剤であるトリクロサンとイソプロピルメチルフェノールあるいはパラクロロキシレノールを併用することにより相乗効果を発揮し、殺菌効果が向上するとともに、殺菌スペクトルが広がっていることが判る。
【0030】
実施例3 (ハンドソープ)
以下に示す組成のハンドソープを常法により製造した。得られたハンドソープはpH6.7(25℃)であり、保存安定性に優れ、殺菌効果の高いものであった。
【0031】
(成分) (重量%)
ポリオキシエチレン(4.5モル)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム* 4.0
トリクロサン* 0.3
イソプロピルメチルフェノール* 0.3
エチレンジアン四酢酸二ナトリウム 0.1
エタノール 5.0
メチルパラベン 0.1
香料 0.5
色素 0.001
水酸化ナトリウム 適量
精製水 バランス
合計 100
【0032】
実施例4 (ボディーシャンプー)
以下に示す組成のボディーシャンプーを常法により製造した。 得られたボディーシャンプーはpH6.0(25℃)であり、保存安定性に優れ、しかも殺菌効果の高いものであった。
【0033】
(成分) (重量%)
ポリオキシエチレン(4.5モル)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム* 3.0
モノ(2−エチルヘキシル)グリセリルエーテル 0.5
トリクロサン* 0.4
イソプロピルメチルフェノール* 0.3
エチレンジアン四酢酸二ナトリウム 0.1
プロピレングリコール 5.0
香料 0.5
水酸化ナトリウム 適量
精製水 バランス
合計 100
【0034】
実施例5 (抗フケシャンプー)
以下に示す組成の抗フケシャンプーを常法により製造した。 得られた抗フケシャンプーはpH7.0(25℃)であり、保存安定性に優れ、しかも殺菌効果の高いものであった。
【0035】
(成分) (重量%)
ポリオキシエチレン(3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム* 4.0
トリクロサン* 0.4
パラクロロメタキシレノール* 0.3
1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸 0.1
メントール 0.05
メチルパラベン 0.2
香料 0.5
水酸化ナトリウム 適量
精製水 バランス
合計 100
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の液体殺菌洗浄剤組成物は、低温安定性に優れ、洗浄性を付与する界面活性剤との併用系においても、短時間で高い殺菌効果と広い殺菌スペクトルを発揮するため、身体用洗浄剤組成物として好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、N−アシルサルコシン塩、アシル化イセチオン酸塩及びポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩からなる群より選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤 0.5〜5重量%、並びに
(b)トリクロサン(b1)とイソプロピルメチルフェノール(b2)及び/又はパラクロロキシレノール(b3)を含有してなり、これらの総量として 0.05〜1重量%
を含有する液体殺菌洗浄剤組成物。
【請求項2】
(a)成分と(b)成分の重量比が(a)/(b)=3〜20である請求項1記載の液体殺菌洗浄剤組成物。
【請求項3】
トリクロサン(b1)とイソプロピルメチルフェノール(b2)及び/又はパラクロロキシレノール(b3)の重量比(b1)/〔(b2)+(b3)〕が1/10〜10/1である請求項1又は2記載の液体殺菌洗浄剤組成物。
【請求項4】
更に(c)成分として、ノニオン界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上の界面活性剤を含有する請求項1〜3の何れか1項記載の液体殺菌洗浄剤組成物。
【請求項5】
フォーマー容器に充填された請求項1〜4の何れか1項記載の液体殺菌洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2008−138027(P2008−138027A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−323598(P2006−323598)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】