説明

液体洗浄剤組成物

【課題】 キメ細かい泡が持続し、クレンジング力、低温安定性に優れる、フォーマー容器充填用の液体洗浄剤組成物を提供。
【解決手段】 下記成分(a)、(b)、(c)、(d)を含有するフォーマー容器充填用の液体洗浄剤組成物であって、組成物全量に対し、成分(a)0.5〜20質量%、成分(b)0.2〜8質量%、成分(c)0.1〜4質量%、成分(a)、(b)、(c)の和[a+b+c]が1〜30質量%、成分(a)と成分(c)の質量比[a/c]が2/1〜20/1である、フォーマー容器充填用の液体洗浄剤組成物。
(a) エチレンオキシドの平均付加モル数が60〜100モルであるポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル
(b) 脂肪酸の炭素数が8〜12である脂肪酸グリセライドであって、グリセライド全量に対するモノグリセライドの含有量が85質量%以上である脂肪酸グリセライド
(c) アシル基の炭素数が8〜14であるアシルアミノ酸型陰イオン性界面活性剤
(d) 水

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体洗浄剤組成物、詳しくはフォーマー容器充填用の液体洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧落としのための洗浄工程は、通常はクレンジング(メイク落とし)と洗顔の二つのステップからなり、クレンジング料としては、クレンジング力を高めるために液状油性成分を高濃度で含有するクレンジングオイル、クレンジングクリーム等が存在し、洗顔料としては、洗浄後のさっぱり感を重視して、石鹸や界面活性剤を洗浄成分とする水性洗浄料が存在する。通常、水性洗浄料は、掌で水と空気を含ませてホイップして得られた泡を使用して洗顔を行うが、ホイップの手間を省くために、洗浄液を微細な孔より空気とともに噴出させることにより、泡として吐出するポンプフォーマータイプの洗浄料も登場している。ポンプフォーマータイプの洗浄料は、泡立てが苦手な人でも簡単にキメ細かい泡を得られる手軽さから、近年人気を集めている。
【0003】
また近年、化粧ステップの簡素化が目指されており、ポンプフォーマータイプ洗浄料においても、クレンジング機能と洗顔機能を併せ持つ、ダブル洗顔不要の洗浄料が開発されている。例えば、特許文献1には、ポリオキシエチレンソルビタン型ノニオン性界面活性剤、スルホコハク酸型アニオン性活性剤、及び両性界面活性剤を含有し、低刺激で、良好な泡立ちと細かい泡質を有する洗浄剤組成物が提案されている。しかしながら、特許文献1の洗浄剤組成物は、クレンジング料として使用した場合、洗浄時の泡の持続性とクレンジング力において不十分であった。
これまでにクレンジング力(洗浄力)を高める試みとして、例えば、特許文献2ではポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及び/又はグリセリン脂肪酸エステル、並びにヒドロキシカルボン酸を含有する食品又は食器用液体洗浄剤組成物が提案されている。しかしながら、特許文献2の洗浄剤組成物は、クレンジング料として使用した場合、洗浄時の泡の持続性において不十分であった。また、特許文献3では、アシルタウリン塩とモノアシルグリセリンとを含有する洗浄剤組成物が提案されている。特許文献3の洗浄剤組成物は、良好な泡立ち及び泡質が得られるものの、クレンジング料として使用した場合はクレンジング力が不十分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−169884号公報
【特許文献2】特開2010−116494号公報
【特許文献3】特開平8−253793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、キメ細かい泡が洗浄時も持続し、クレンジング力に優れ、さらに低温安定性にも優れる、フォーマー容器充填用の液体洗浄剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明者が鋭意検討した結果、本発明の構成とすることで、キメ細かい泡が洗浄時も持続し、クレンジング力に優れ、さらに低温安定性にも優れる、フォーマー容器充填用の液体洗浄剤組成物を得るに至った。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
下記成分(a)、(b)、(c)、及び(d)を含有する、フォーマー容器充填用の液体洗浄剤組成物であって、液体洗浄剤組成物全量に対する、成分(a)の含有量が0.5〜20質量%、成分(b)の含有量が0.2〜8質量%、成分(c)の含有量が0.1〜4質量%であり、成分(a)、(b)及び(c)の含有量の和[a+b+c]が1〜30質量%で、成分(a)と成分(c)の質量比[a/c]が2/1〜20/1である、フォーマー容器充填用の液体洗浄剤組成物。
(a) エチレンオキシドの平均付加モル数が60〜100モルであるポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル
(b) 脂肪酸の炭素数が8〜12である脂肪酸グリセライドであって、グリセライド全量に対するモノグリセライドの含有量が85質量%以上である脂肪酸グリセライド
(c) アシル基の炭素数が8〜14であるアシルアミノ酸型陰イオン性界面活性剤
(d) 水
【発明の効果】
【0007】
本発明の液体洗浄剤組成物は、とくにフォーマー容器充填用の洗浄剤として適し、フォーマー容器から吐出される泡はキメが細かく良質で、手や顔面の汚れ落とし中も、クリーミィで弾力性のある良質の泡が保持される。また、クレンジング効果にも優れ、別途メイク落とし用のクレンジング剤を使わなくても、本発明の液体洗浄剤組成物のみで、メイク落としと洗浄を同時に行うことができる。低温安定性にも優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
以下の記載において、各成分(a)、(b)、(c)、及び(d)を、それぞれ、a成分、b成分、c成分、及びd成分と表記する。
a成分の、エチレンオキシドの平均付加モル数が60〜100モルであるポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステルは、ソルビトール又はソルビタンと脂肪酸との部分エステルであるソルビタン脂肪酸エステルに、エチレンオキシドを付加させた非イオン性界面活性剤である。ソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビタンと脂肪酸との比率を変えることで、モノエステル体、ジエステル体、トリエステル体を合成できるが、本発明のa成分の出発原料として使用されるソルビタン脂肪酸エステルはモノエステル体を主成分(50質量%以上)とすることが好ましい。ジエステル体又はトリエステル体が主成分であるソルビタン脂肪酸エステルを出発原料として用いた場合、泡質が低下し、低温安定性が悪化する場合がある。
エチレンオキシドの付加モル数は60〜100モルであり、好ましくは65〜95モル、より好ましくは70〜90モルである。エチレンオキシドの付加モル数が60モル未満であると、洗浄時の泡の持続性が低下し、洗浄後のうるおい感が十分に得られない。エチレンオキシドの付加モル数が100モルを超えると、溶融時の粘性が著しく高くハンドリングが悪いため、工業的な製造が困難であるばかりでなく、ポンプフォーマーからの吐出性も悪化する。
【0009】
a成分における脂肪酸残基は特に限定されるものではないが、炭素数が8〜22の飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖の脂肪酸を使用できる。例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸等が挙げられ、好ましくはカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸であり、最も好ましくはラウリン酸である。また、ラウリン酸を主成分とするヤシ油・パーム核油等の天然油脂由来の脂肪酸や混合脂肪酸も好適に使用することができる。
【0010】
b成分は、脂肪酸の炭素数が8〜12である脂肪酸グリセライドであって、グリセライド全量に対するモノグリセライドの含有量が85質量%以上である脂肪酸グリセライドである。脂肪酸グリセライドは、脂肪酸とグリセリンのエステル化反応、又は油脂及び脂肪酸エステルとグリセリンとのエステル交換反応によって得られる。反応によって得られたものは反応グリセライドと呼ばれる。反応グリセライドは、一般に、主成分として1−モノグリセライド、副成分として2−モノグリセライド、1,3−ジグリセライド、1,2−ジグリセライド、トリグリセライド、そしてグリセリンからなる混合物である。反応グリセライドを蒸留することで、モノグリセライド純度を高めることが可能であり、得られたものは蒸留モノグリセライドと呼ばれる。
【0011】
b成分において、グリセライド全量に対するモノグリセライドの含有量は85質量%以上であり、好ましくは87質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。グリセライド全量に対するモノグリセライドの含有量が85質量%未満である場合、泡の持続性が十分に発揮されず、クレンジング力が低下する。尚、モノグリセライドの含有量は、前処理として試料をシリルエーテル化した後、ガスクロマトグラフィー等で測定することができる。
b成分の脂肪酸は、炭素数8〜12であり、より好ましくは炭素数10〜12、最も好ましくは炭素数12である。原料となる炭素数8〜12の脂肪酸の好ましい純度としては80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。炭素数が8未満では、皮膚や眼への刺激性が懸念され、炭素数が12を超えると、低温安定性が悪化する。
【0012】
c成分は、アシル基の炭素数が8〜14であるアシルアミノ酸型陰イオン性界面活性剤である。本発明においてアシルアミノ酸型陰イオン界面活性剤とは、1級〜3級のアミノ基とカルボン酸基又はスルホン酸基を同一分子内に含有するアミノ酸と、炭素数が8〜14の脂肪酸とのアシル化物であり、主に、アシル化剤として脂肪酸クロライドを用いたショッテン・バウマン反応等によって製造される。1級〜3級のアミノ基とカルボン酸基又はスルホン酸基を同一分子内に含有するアミノ酸としては、抽出法や発酵法で得られる天然の酸性又は中性アミノ酸や、合成法や酵素法で得られる合成の酸性又は中性アミノ酸が挙げられる。アミノ酸の具体例としては、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、アラニン、タウリン、メチルタウリン、ザルコシン(N−メチルグリシン)、β-アラニン等が挙げられ、それぞれL体、D体、ラセミ体が存在しうるが、これらのいずれをも使用することができる。
【0013】
上記アミノ酸のアシル化物である、アシルアミノ酸型陰イオン性界面活性剤の種類としては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アシルメチルタウリン塩、アシルタウリン塩、アシルメチル−β−アラニン又はその塩、アシル−β−アラニン又はその塩、アシルグルタミン酸又はその塩、アシルグリシン又はその塩、アシルアスパラギン酸又はその塩などが挙げられる。その中で、洗浄時の泡の持続性及び洗浄後のしっとり感が得られる点で、アシルメチルタウリン塩、アシルメチル−β−アラニン又はその塩が好ましい。また、アシルアミノ酸型陰イオン性界面活性剤には、L体、D体、ラセミ体があるが、前記c成分としては、これらのいずれをも使用することができる。
前記塩としては、特に限定されるものでなく、アルカリ金属塩、アルカノールアミン塩などが例示される。前記アルカリ金属塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられ、前記アルカノールアミン塩としては、例えば、モノエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩などが挙げられる。泡の持続性を高めるためには、アルカリ金属塩が好ましく、その中でもナトリウム塩が最も好ましい。
【0014】
c成分のアシル基の炭素数は8〜14であり、好ましくは8〜12、最も好ましくは10である。炭素数が8未満では、使用時の泡の持続性及びクレンジング力が低下し、皮膚や眼への刺激性が懸念される。炭素数が14を超えると、使用時の泡の持続性及び低温安定性が悪化する。
d成分は水であり、蒸留水やイオン交換水等の精製水を好ましく用いることができる。
【0015】
a成分の含有量は、液体洗浄剤組成物全量に対し0.5〜20質量%であり、好ましくは1〜18質量%、より好ましくは2〜16質量%である。a成分の含有量が20質量%を超えると、洗浄液の粘度が上昇し、フォーマー容器からの吐出性が悪くなる。0.5質量%未満では、泡の持続性が不十分である。
b成分の含有量は、液体洗浄剤組成物全量に対し0.2〜8質量%であり、好ましくは0.4〜6質量%、より好ましくは0.6〜4質量%である。
b成分の含有量が8質量%を超えると、低温安定性及び洗浄液の増粘による吐出性の悪化が懸念され、含有量が0.2質量%未満ではクレンジング力が低下する。
c成分の含有量は、液体洗浄剤組成物全量に対し0.1〜4質量%であり、好ましくは0.2〜3質量%、より好ましくは0.4〜2質量%である。含有量が4質量%を超えると皮膚への刺激性が懸念され、含有率が0.1質量%未満では、泡の持続性が悪化する。
【0016】
a成分、b成分、及びc成分の和[a+b+c]は、液体洗浄剤組成物全量に対し1〜30質量%であり、好ましくは2〜25質量%、より好ましくは8〜21質量%である。[a+b+c]が30質量%を超えると、コスト的に不利であるばかりでなく、洗浄液の粘度が上昇し吐出性が悪化する懸念がある。また、[a+b+c]が1質量%未満では、洗浄時の泡の持続性及びクレンジング力が不十分である。a成分とc成分の質量比[a/c]は、2/1〜20/1であり、好ましくは4/1〜16/1、より好ましくは8/1〜12/1である。[a/c]が20/1を超えると、洗浄時の泡の持続性及びクレンジング力が不十分である。他方、[a/c]が2/1未満では、洗浄時の泡の持続性が不十分である。
【0017】
a成分は、親水性部位であるポリエチレングリコール鎖の分子量が大きいため、泡膜中の水の粘度を高め、破泡の原因となる排液を抑制する特性を有し、c成分は、動的表面張力、つまり新しく形成された気−液界面に素早く吸着する能力に優れる。よって、a成分、b成分、及びc成分を、上記比率で組み合わせることで、洗浄時の泡の持続性を相乗的に高め、良好なクレンジング効果を発揮することができる。
【0018】
さらに、本発明の除菌洗浄剤組成物には、発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を添加することができ、その他任意成分としては、例えば、植物油脂、動物油脂などの油脂類; スクワラン、流動パラフィン、水添ポリイソブテンなどの炭化水素油; セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール類、環状シリコーン、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン等のシリコーン類; パルミチン酸−2−エチルヘキシル、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル油; 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ココイルアルギニンエチルPCAなどのカチオン性界面活性剤; ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸石鹸等のc成分以外の陰イオン性界面活性剤; アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、N−アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルイミノジ酢酸塩等の両性界面活性剤; ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル等のa成分及びb成分以外の非イオン性界面活性剤; エタノール、プロピレングリコール、グリセリン等の溶剤; クエン酸塩、コハク酸塩、リノゴ酸塩、酒石酸塩等のpH調整剤、トコフェロール等の抗酸化剤、多糖類、アミノ酸、ペプチド、防腐剤、香料、着色剤などを適宜に配合することができる。
【0019】
本発明の除菌洗浄剤組成物のpHは、特に限定されるものではないが、25℃、原液で好ましくは4.5〜8.0、より好ましくは5.0〜7.5、さらに好ましくは5.5〜7.0である。pHが中性から大きく外れると、a成分の加水分解が懸念される。
【0020】
本発明の液体洗浄剤組成物は、容器内の液体を泡状に吐出させるフォーマー容器充填用の洗浄剤として適する。フォーマー容器としては、例えば、ノンガス型の泡吐出容器が例示される。ノンガス型の泡吐出容器としては、液体洗浄剤組成物を空気と混合して発泡状態で吐出できるものであれば特に限定されず、例えば、ボトル胴部を手で圧搾することによって泡を吐出できるスクイズフォーマー容器、ノズル部を押し下げることによって泡を吐出できるポンプフォーマー容器等が挙げられ、目的に応じて、適宜に選択することができる。
本発明の液体洗浄剤組成物は、化粧落とし用のクレンジング料のほか、ボディシャンプー、ハンドソープ、毛髪用シャンプー等として利用することができる。
【実施例】
【0021】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
<泡状クレンジング料の調製>
表1及び表2に示した実施例1〜4及び比較例1〜13の各原料をビーカーに全て投入し、プロペラを使って60℃で1時間攪拌した。溶解確認後、40℃以下に冷却してクレンジング料を得た。調製したクレンジング料をポンプフォーマー容器に充填し、下記の評価に用いた。
【0022】
なお、b成分である脂肪酸グリセライド及び比較成分(b´成分)としては以下の原料を使用した。
[本発明のb成分]
・ モノラウリン酸グリセライド(A):太陽化学(株)製 サンソフトNo.750(モノグリセライド含量:92.2%)
[比較成分(b´成分)]
・ モノカプリル酸グリセライド(B):花王(株)製 ホモテックスPT(モノグリセライド含量:56.0%)
・ テトラグリセリンモノラウリルエーテル
・ POE(23)ラウリルエーテル
・ モノステアリン酸グリセリル
表1及び表2中の数字は、質量%を示す。
【0023】
比較例1〜9は、aないしc成分のいずれかが本発明の成分とは異なり、比較例10〜13は、aないしc成分の配合量ないし配合比が、本発明とは相違する。
【0024】
<泡状クレンジング料の評価>
専門パネラー20名による使用感テストを行った。調製した泡状クレンジング3プッシュ(約30mL)を手に取ってメイクを落としてもらい、1)洗浄時の泡の持続性、2)クレンジング力について、パネラー各人が下記絶対評価にて4段階に評価し、評点をつけた。そして、評点の合計からAA〜Cの4段階評価を行い、AA及びAを合格とした。また、低温安定性について、1ヶ月保存後の外観を目視観察した。
【0025】
1) 洗浄時の泡の持続性
<絶対評価基準>
(評点) : (評価)
3 : 吐出直後のキメ細かい泡質が洗浄中も持続するばかりでなく、洗浄中にマッサージするたびに泡のクリーミィ性や弾力性が高まる。
2 : 吐出直後のキメ細かい泡質が洗浄時も持続する。
1 : 吐出直後のキメ細かい泡質が洗浄中に低下する。
0 : 塗付直後の泡質が粗い、又は洗浄中の泡質の低下が著しい。
<評点の合計による4段階評価>
AA : 評点の合計が50〜60点
A : 評点の合計が40〜49点
B : 評点の合計が30〜39点
C : 評点の合計が30点未満
【0026】
2) クレンジング力
<絶対評価基準>
(評点) : (評価)
3 : メイクの落ちが非常に良く、十分なクレンジング効果を実感できる。
2 : メイクの落ちが良く、クレンジング効果を実感できる。
1 : メイクの落ちがあまり良くなく、クレンジング効果をあまり実感できない。
0 : メイクがほとんど落ちず、クレンジング効果を全く実感できない。
<評点の合計による4段階評価>
AA : 評点の合計が50〜60点
A : 評点の合計が40〜49点
B : 評点の合計が30〜39点
C : 評点の合計が30点未満
【0027】
3) 低温安定性
調製した泡状クレンジング料50gを50mLのスクリュー管に充填し、密閉した後、5℃の恒温槽で1ヶ月間保存した。試験後の試料の性状を確認し、以下の基準で評価を行った。
○ : 試料の外観に変化が確認されない。
× : 沈殿の発生や固化など、試料の外観に変化が確認される。
結果を表1及び表2に示す。
実施例のクレンジング料は、全ての評価項目において、良い結果であったのに対し、比較例のクレンジング料は、少なくとも1項目以上で評価が劣るものであった。
【0028】
【表1】

【0029】
【表2】

【0030】
(実施例5) 配合率(質量%)
(a) モノラウリン酸POE(80)ソルビタン 10.0
(b) モノラウリン酸グリセライド(A) 2.0
(c) ココイルメチルタウリンNa 1.0
(その他成分)
ラウリン酸BG 0.3
ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン 0.5
デシルグルコシド 0.4
1,3−BG 8.0
ソルビトール 2.0
クエン酸 0.05
クエン酸Na 0.95
アスコルビルグルコシド 0.1
エチドロン酸4Na 0.05
塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体 0.08
水(イオン交換水) 残部
【0031】
(実施例6) 配合率(質量%)
(a) モノラウリン酸POE(80)ソルビタン 10.0
(b) モノラウリン酸グリセライド(A) 2.0
(c) ココイルメチル−β−アラニンNa 1.0
(その他成分)
ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル) 0.1
2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン 0.5
ラウリン酸ポリグリセリル−10 0.4
ポリグリセリル−4−ラウリルエーテル 0.1
イソペンチルジオール 6.0
エタノール 4.0
エチレンジアミン四酢酸二Na 0.1
リンゴ酸Na 0.2
トコフェロール 0.05
アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体
0.3
水(イオン交換水) 残部
実施例5及び6の洗浄剤は、キメ細かい泡が洗浄時も持続し、クレンジング力及び洗浄後のうるおい感が良好で、さらに低温安定性にも優れていた。









【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(a)、(b)、(c)、及び(d)を含有するフォーマー容器充填用の液体洗浄剤組成物であって、液体洗浄剤組成物全量に対する、成分(a)の含有量が0.5〜20質量%、成分(b)の含有量が0.2〜8質量%、成分(c)の含有量が0.1〜4質量%であり、成分(a)、(b)及び(c)の含有量の和[a+b+c]が1〜30質量%で、成分(a)と成分(c)の質量比[a/c]が2/1〜20/1である、フォーマー容器充填用の液体洗浄剤組成物。
(a) エチレンオキシドの平均付加モル数が60〜100モルであるポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル
(b) 脂肪酸の炭素数が8〜12である脂肪酸グリセライドであって、グリセライド全量に対するモノグリセライドの含有量が85質量%以上である脂肪酸グリセライド
(c) アシル基の炭素数が8〜14であるアシルアミノ酸型陰イオン性界面活性剤
(d) 水



【公開番号】特開2013−108020(P2013−108020A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255542(P2011−255542)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000004341)日油株式会社 (896)
【Fターム(参考)】