説明

液体除去装置

液体と固体とからなる組成物スラリから液体を分離するために構成された液体除去装置である。この装置は、互いに反対側とされた第1及び第2の側部を持つ、可動でかつ透過性の膜を含む。第2の側部における「積載ベルト部」は、スラリを受け取るように構成されている。透過性膜支持システムは、積載ベルト部のために、可動の支持を提供するように構成されており、そして、積載ベルト部の下方において、透過性膜における第1の側部に接触して配置された運搬デッキを含んでいる。液体除去装置は、透過性膜の第1の側部に密着した低圧チャンバを備えたハウジングを有する。圧力制御システムは、ハウジングを介して圧力差を適用し、これによって、フィルタベルトにおける第1の側部において、第2の側部よりも低い圧力を生成する。運搬デッキは、低圧チャンバの内部に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体除去装置に関するものである。特に本発明は、液体と固体とから構成されたスラッジあるいはスラリから水の大部分を除去するための脱水装置に関するが、他を排除するものではない。
【関連出願の宣言】
【0002】
本出願は、ニュージーランド特許出願番号566710に関して出願された仮出願からの優先権を主張しており、これは、参照によってここに組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
固体と液体との混合物から液体を除去する必要がある用途は多数存在する。固体は、典型的には、液体中を浮遊しているが、液体濃度が低い場合は、液体は固体に包まれる。例えば、液体が固体により吸収される。
【0004】
こうした用途の一例は、工業的な副生物あるいはゴミから液体及び固体を再生利用(リサイクル)することである。ここで、液体は、固体のための搬送媒体として利用され、あるいは、製品処理において、例えば、機械装置のための冷却剤あるいは潤滑剤として使われる。あるいは、液体は、製品あるいはゴミの一部として存在する。例えば、有機ゴミの中の水である。
【0005】
ゴミは、典型的には、「スラリ」あるいは「スラッジ」として構成される。ここで参照される「スラッジ」は、「スラッジ」よりも、懸濁液として(in suspension)、固体濃度が高いものである。
【0006】
固体と液体を分離する一つの方法は、混合物を静置池(settling ponds)に放置することである。ここでは、浮遊した固体は、時間が経つにつれて、液体に比較したそれらの密度に応じて、層状に積み重なる。下水処理施設や、石炭火力のボイラからの灰スラリ(ash slurry)設備は、このようなシステムを用いている。
【0007】
これらの混合物からの固体を処理する前に、水分量を大幅に、例えば、重量比で約80パーセントから20パーセント以下に減らすべきである。これにより、スラリを、低い容積及び水気の、半固体スラッジに変換することができる。この半固体スラッジは、扱いが容易であり、かつ、運搬の負荷が小さくなる。あるいは、これは、一層簡単な処理が可能なものである。
【0008】
液体−固体混合物から液体を除去するための多数の技術が存在しており、以下は、典型的な先行技術の例示である:
・蒸発あるいは加熱抽出−このプロセスでは、混合物が加熱され、固体から液体が蒸発する。蒸発した液体は凝縮されて再利用される。
・遠心分離−混合物は、遠心分離チャンバの内部に配置される。遠心分離機は、その外周付近に、液体を透過するフィルタを有する。遠心分離機を動作させると、液体はフィルタを通過する。そして、固体は、チャンバから取り出される。
・圧縮−混合物は、二つのコンベア・ベルトの間を通過することにより圧縮される。これらのコンベア・ベルトの間には、圧縮空間(constricting-space)が備えられている。
・濾過−混合物は、液体を透過させる濾過媒体あるいは格子に押し付けられ、これによって、液体は、混合物から排出される。
【0009】
明らかに、前記した各方法は、異なる混合タイプを処理するときにおいて、付随的な利点及び欠点を有する。例えば、圧縮する技術は、固体濃度が低い混合物には向かない。また、遠心分離する方法は、固体が鋭利あるいは角がある場合には適さない。
【0010】
以下においては、各種の混合タイプにおいて最も有益であると考えられる濾過の手法に焦点を合わせて記載する。
【0011】
利用可能な、多数の異なる濾過技術が存在している。それらは、一般的に、液体を透過させるフィルタ膜の一側に混合物を配置し、そして、フィルタに向けて混合物に圧力を適用して、液体を透過させる。この圧力は、受動的に(例えば重力により)適用されてもよく、及び/又は、能動的に(例えば混合物側の圧縮チャンバあるいはフィルタに対向する側からの吸引によって)適用されてもよい。フィルタを揺り動かして、液体の分離を促進することも可能である。
【0012】
このような真空濾過システムの既知のタイプが、El Hindiによる米国特許番号4137169号及び4880538号、Ootaniらによる4154686号、Pahlらによる7334688号、及びPrinssenによる6622870号に記載されている。同様のシステムが、van Oostenによるカナダ特許991094号、及び、MarchalによるWO2001/097948号国際公開公報に記載されている。
【0013】
Thissen、PrinssenおよびMarchalの装置は、いずれも類似したシステムであり、これらは一般的に、濾過されるべき混合物が載置される搬送システムを備える。この搬送システムは、二つのローラを持つ。これのローラの周囲には、無端の支持ベルトが配置されており、これらのローラの間に、可動の支持エリアを提供している。このベルトは、フィルタ媒体を支持しており、このフィルタ媒体も、ローラの周りを通過する。このベルトは多数の孔を有しており、これにより液体は、フィルタ媒体を通過して落下することができる。このベルトは、横断するように形成された一連の窪みを備えており、この窪みは、窪みの中に配置された孔に向けて混合物を案内することを助ける。真空チャンバ(すなわち「吸引ボックス」)は、ローラの間において、ベルトの下方に配置されており、そして、布地とベルトとを通過する圧力勾配を形成する。これにより、布地及び孔を介して、混合物から液体を吸引することができる。Prinssen、Thissen及びMarchalのシステムにおける真空チャンバは、ベルトと共に移動して、ローラどうしの間を往復するように構成されており、これにより、各サイクルにおける吸引時間を最大化している。
【0014】
Thissen及びPrissenの装置は、布地における、真空チャンバとは反対の側において、圧縮チャンバも使用する。これにより、より大きな圧力勾配を形成することができる。あるいは、Prinssenのシステムでは、装置全体を加圧して、混合組成物のガス化を防ぐ。
【0015】
このような先行技術のシステムは、多くの応用において、水分含有量を大きく減らすために有効である。しかしながら、このような複雑なシステムを使用する場合には、以下に説明するように、多数の固有の欠点が生じる。
【0016】
Thissen、Prinssen及びMarchalのシステムのようなベルトに基づくシステムは高価である。なぜなら、支持用に使用されるラバーベルトを頻繁に交換する必要がある。このベルトは、真空や混合物の重さによって引き起こされる大きな応力の下で、引き伸ばされたり、損傷されるためである。ベルトの交換は、材料及び操業遅れのために、コスト要因となる。
【0017】
さらに、このようなシステムは、典型的には、ベルトにおける孔を介した真空のみを適用する。この孔は小さくて細いので、可能性としては、フィルタ媒体を介しても、液体を排出できないことがありうる。
【0018】
一方、Pahlら及びEl-Hindiのシステムは、ラバーベルトを使わず、代わりに、チェーンメッシュ・ベルトあるいはスクリーンを用いる。これは、スクリーンの上面に単に掛け渡されたフィルタ媒体を備えたものである。したがって、限定的な吸引であるとか、ベルト交換という問題は、ある程度軽減される。
【0019】
しかしながら、El-Hindiのシステムにおけるメッシュスクリーンに対して真空チャンバを密封することは、根本的に難しい。このためこれは、適切に動作するために、複雑な密封機構(sealing mechanism)を必要とする。このような密封機構は、El-Hindiによる米国特許4880538号、Croweによる4147635号、及びPahlらによる米国特許7334688号に記載されている。
【0020】
したがって、本発明の目的は、少なくとも、前記した問題を解決するために有効な、あるいは、公衆に対して有効な選択肢を提供することができる液体除去装置を提供することである。
【0021】
理解されるべきこととして、参照文献における議論は、著者の主張を述べるものであり、そして、出願人は、当該引用文献についての正確さ及び関連性を否定する権利を留保する。多数の先行技術文献がここで参照されているけれども、この参照は、これらの文献のいずれかが、ニュージーランド及び他の国における、当該技術についての共通の一般知識を構成することを認めるものではないことは、明白に理解されるべきである。
【0022】
用語「含む(comprise)」は、多様な管轄権の下で、排他的及び包含的な意味を持っていることが知られている。この明細書の目的のためには、そして特に注記された場合以外では、用語「含む」は、包含的な意味を持つものとする。すなわち、この言葉は、直接に参照された記載要素のみならず、特定されない構成部分あるいは要素を含むものとして扱われる。この解釈は、方法あるいはプロセスにおける一つ又はそれ以上のステップに関連して、用語「含まれる(comprised)」又は「含んでいる(comprising)」が用いられている場合でも同様である。
【0023】
本発明のさらなる側面及び利点は、単なる例示として与えられた以下の記述により明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0024】
ある側面では、本発明は、液体及び固体で構成された投入組成物スラリ(infeed composite slurry)から液体を少なくとも部分的に分離するための液体除去装置を提供する。この装置は以下を含む:
・第1の側部と、これと反対側の第2の側部とを有する可動の透過膜(以下においては「フィルタベルト」という)、ここで、前記第2の側部の少なくとも一部(以下においては「積載ベルト部」(loaded belt portion)という)は、前記スラリを受け入れるように構成されている;
・前記積載ベルト部のために可動の支持を提供するように構成された透過膜支持システム、ここで、前記支持システムは以下を備える:
−積載ベルト部の下方において、フィルタベルトにおける前記第1の側部の少なくとも一部に隣接してあるいはそれと接触して配置された少なくとも一つの運搬デッキ;
・フィルタベルトにおける第1及び第2の側部の間に適用されるべき圧力差を許容するように構成されたハウジング、ここで、前記第1の側部は、第2の側部に比較して、低い圧力である;ここで、前記ハウジングは以下を含む:
−積載ベルト部の下方において、フィルタベルトの前記第1の側部と密封的に接触した第1の開口を有する少なくとも一つの低圧チャンバ;
・ハウジングを介して前記圧力差を適用することによって、フィルタベルトの第1の側部において第2の側部よりも低い圧力を生成するための圧力調整システム;
ここで、前記運搬デッキ(一つ又は複数)の全体は、前記低圧チャンバの内部に配置されている。
【0025】
ここで使用されている用語は以下のように定義される:
−「スラリ」は、液体及び固体を含有する種々の混合物を含む。ここで固体は、パーティクル、堆積物(sediment)、ファイバ、微粉(fines)、粒状物(grains)、染料、着色剤、色素、灰、パルプ、砂、泥、塩、排出物などを含むが、これらに制限されない;
−「透過膜−フィルタベルト」は、様々な多孔性(porous)の、液体を透過させる材質あるいは層であり、これは、ベルト、チェーン、メッシュ、柔軟シート、織物、フェルトなどを含む;
−「圧力調整装置」は、フィルタベルトにおける二つの側部の間において圧力差を提供できる様々な装置を含む。当業者には明らかなこととして、これは、前記第1の側部に対して、低圧チャンバを介して真空を適用するか、あるいは、第1の側部よりも高い圧力を第2の側部に対して適用するか、あるいはこれらの両方により達成できる。したがって、第1及び第2の側部の両方は、両側部が大気圧以上でもそれ以下でも、対応する圧力差を維持できる。明らかに、前記第2の側部に大気圧より高い圧力を適用するためには、前記ハウジングが、前記第2の側部をも大気圧に対して密封する必要がある。
−「低圧チャンバ」は、様々なチャンバ、開口(aperture)、導管、あるいは、圧力調整装置から適用された低圧(第2の側部に対してのもの)を維持できるアセンブリを含む。したがって、低圧チャンバは、真空チャンバなどを含むが、これには制限されない。
【0026】
したがって、本発明の一側面においては、圧力調整装置は、高圧チャンバをさらに含んでおり、それは、(フィルタベルトにおける第1の側部に比較して)フィルタベルトにおける第2の側部に対して、上昇した圧力を適用できるように構成されている。前記の上昇した圧力は、好ましくは、超大気圧(super-atmospheric pressures)を含む。好ましくは、前記圧力チャンバは、フィルタベルトにおける前記第2の側部の少なくとも一部と連通(in communication)しており、さらに、好ましくは、前記第1の開口に重畳する前記第2の側部の一部と少なくとも連通している。
【0027】
さらに理解されるべきこととして、「低圧チャンバ」と「高圧チャンバ」という二つの用語は、個別の及び集合的な意味を包含することを意図しており、これらは、個別構造、又は、複数の構造、複数のハウジング、複数のほこり取り(dustings)若しくは複数の器(vessels)などの両者をカバーする。
【0028】
明確化を図り、そして理解を容易とするために、この明細書は、低圧チャンバに適用される真空の形態の圧力調整装置に主に言及する。そして、この低圧チャンバは、フィルタベルトにおける前記第1の側部での真空チャンバの形態であり、第2の側部は、大気圧に対して開放されている。しかしながら、理解されるべきこととして、明確に反対が示されていない場合には、本発明は、このような実施形態には制限されず、このような使用は、あくまで例示である。
【0029】
低圧チャンバの内部に少なくとも一つの運搬デッキ全体を配置することにより、運搬デッキにより支持された積載ベルト部の表面領域全体にわたって圧力差を適用することができる。このことは、積載ベルト部における限られた領域に真空を適用するように制約された典型的な先行技術に対する顕著な利点をもたらす。流体分離装置におけるスループットは、圧力差と、それが適用される表面領域とのそれぞれの程度により直接に支配される。したがって、圧力差にさらされる積載ベルト部における表面領域を最大化することは、スループットを相応に改善する。
【0030】
しかしながら、この可能性を現実化するには、この装置は、このような広い表面領域にわたる圧力差(それが控えめな圧力差であったとしても)によって生成される相当の力に耐える必要がある。本発明では、このことは、運搬デッキ(単数又は複数)の構成によって対応される。
【0031】
したがって、一実施形態では、運搬デッキは以下を含む:
−一つあるいはそれ以上の連続的な柔軟駆動部材(continuous flexible drive members);そして
−複数の支持ビーム(support beams)。
【0032】
支持ビームは多様な形態を取ることができるけれども、連続的な周期的コンベアの構成における使用においては、このビームが、フィルタベルトの動きの方向を実質的に横切るように配置されていることが有利である。このことにより、複数のビームは、個別に、大きな第1の開口に横切ってかかり(transversely span)、そして、高い負荷に耐えることができる。これは、複数のビームが、前記柔軟な駆動メンバによって無端の回転可能なループを進むように、集合的に作られたとしても、同様である。
【0033】
好ましくは、前記駆動メンバは、ベルトあるいはチェーンなどを含む。
【0034】
好ましくは、運搬デッキはさらに以下を含む:
−一つ又はそれ以上のローラ。
【0035】
好ましくは、一つ又はそれ以上のローラは、従動ローラである。本発明の一側面によれば、無端ローラチェーンのペアの形態での柔軟な連続的部材であって、二つ又はそれ以上のローラによって平行な軌道に規制され、かつ、その間に取り付けられる複数の横断支持ビームを備えるものが、前記規制された軌道の周りで、スプロケットを備える少なくとも一つの従動ローラによって、回転させられる。したがって、支持ビーム/チェーン機構における上端での軌跡は、好ましくは、真空チャンバ内での第1の開口を直接に横切る平面内を進行する。
【0036】
この中心的な構成を適用して、多様なスラリを処理することができる。そしてこの構成は、追加的な装置/特徴と組み合わせて使用可能であり、これにより、液体抽出を最大化するために投入物に適応してこれを操作することができる。
【0037】
多様な構成及び変形を、以下の分類に従って考察する:
1.中心的機能及び特徴
a)装置の可搬性/多用途性
b)フィルタベルト支持及び耐久性の特徴
c)気体/液体/オイルの分離
d)低圧調整装置の構成
e)真空及び水の機械的調整バルブ
f)マルチステージ濾過
2.スラリ操作
a)投入条件
b)装置の遷移
c)出力物の扱い(Outfeed management)
3.超大気圧の気圧差の適用(Super-atmospheric pressure differential applications)
4.固体・液体のレギュレータ
【0038】
1a)中心的機能−装置の可搬性/多用途性
前記した中心的構成による微妙であるが顕著な結果は、本発明を可搬性のある構成に集約できることである。現存する多くの液体除去あるいは脱水技術では、処理が必要なスラリ容積の絶大な規模と、そのようなスラリ容積を収容するに必要な従来装置の実際の大きさにより、実際は、据え置き型の装置の使用が求められる。したがって、柔軟性、追加的なコスト、及び不動産資源の点において、可搬性ある装置に比較して、明らかな欠点が予想される。
【0039】
これに対して、装置設置面積における単位面積での高い液体抽出効率のおかげで、完全に機能する装置を、ISO国際基準の輸送コンテナの大きさの範囲内に収めるように構成することが可能になる。このようなコンテナは、標準的な幅及び二つの長さ−20’(20フィート)か40’(40フィート)のいずれか−によって規定されている。したがって、同等なメートル法条件では、(2.44m)×(6.058mあるいは12.2m)の大きさの設置面積を持つ可搬性工業装置を構成可能とすることが強く望まれる。この大きさに適合する十分なコンパクトさを達成することにより、液体除去装置の扱いについて、パラダイムが変化する。汚濁物管理における有効な脱水を現地で、迅速かつ有効な方法で行うことができ、したがって、スラリを据え置き型の処理プラントに運搬する必要がない。この装置は、現場に再移動でき、そして、変化する環境条件に整合させることができ、そして、必要がなくなれば除去することができる。したがって、装置の運休による経費の発生を避けることができる。
【0040】
本発明における可搬性ある実施形態についてのコンパクトさ及び実用性に関係する主な要素は以下のとおりである:
・圧力差にさらされるフィルタベルト領域が、装置ハウジングの設置面積に対して高い比率であること;
・低圧チャンバの内部に、そして上部に、運搬デッキを配置すること、そして
・異なる投入スラリの組成に対する高い許容度。
【0041】
したがって、ひとつの側面によれば、本発明は、液体及び固体からなる投入された組成物スラリ(composite slurry)から液体を少なくとも部分的に分離するための液体除去装置を、ここに記載のように提供する。この装置は、輸送コンテナのための国際基準に接するあるいはその範囲内の外形寸法を備えるように構成される。好ましくは、この装置は、標準化されたISO輸送コンテナ締結用付属品を、実質的に直方体のハウジング装置構成の端部において備える。
【0042】
ここで用いられるように、装置ハウジングの設置面積は、平面視した状態(in plain view)での装置の領域及び形状を意味するために用いられる。
【0043】
1b)中心的機能−フィルタベルト支持及び耐久性の特徴
運搬デッキ支持ビーム(単独あるいは各々)の動きと同じ速さでフィルタベルトが動くことは特に有利である。これにより、フィルタベルトの摩耗や裂けについての破壊的な効果を最小化することができる。例えば、支持ビームとフィルタベルトとの間で速度の相違が多少でもあると、真空となっている間、フィルタベルトが高いせん断力にさらされる。フィルタベルトにおける第1の側部に真空が適用されると、真空チャンバの第1の開口の領域であってフィルタベルトに接触しているものが大部分となることがあり、このことは、フィルタベルトを高い荷重にさらすことになる。大気圧は、フィルタベルト上のスラリを、その下にある指示ビーム、及び、隣接するビーム間に挟まれた空間に押し付けることになる。
【0044】
一実施形態では、フィルタベルトは、好ましくは支持ビームの動きに伴って、独立に駆動される。フィルタベルト駆動の速度、及び、支持ローラを駆動する駆動ローラの速度を調整するには、何らかの形態での、速度及び/又は位置センサ及び制御システムを必要とする。しかしながら、前記から分かるように、本発明では、このような複雑さを避けることができる。
【0045】
高圧がフィルタベルトとスラリとを支持ビームに押し付けるので、フィルタベルトは、フィルタベルトにおける第1の側部と第2の側部との間での圧力差の圧力により支持ビームに対して「固定された(clamped)」だけで動くことができる。フィルタベルトにおける両側部にわたる大きな圧力差が確立する前に、補助的な駆動を使ってフィルタベルトを動かすことができる。
【0046】
一つ又はそれ以上の補助的なレイヤを、フィルタベルトと支持ビームとの間に介在させて、追加的な機械的支持、あるいは、他の必要な特徴、例えば支持メッシュ、粗いフィルタ布、素材を強化すること、及び/又は電気的にチャージされた層、を提供することができる。
【0047】
1c)中心的機能−気体/液体/オイルの分離
使用においては、液体のスラリ投入物は、投入調整システムのマニフォールドを介して液体除去装置に送り込まれそして、可動フィルタベルトにおける第2の側部に提供され、これによって、前記積載ベルト部が規定される。フィルタベルトがその規制された経路を周回するので、スラリは、運搬デッキ(一つ又は各々)の上面に沿って連続的に動く。多数の運搬デッキを前記透過膜支持システムに組み込むことは可能である。しかしながら、読みやすさのために、以下の記載では、特に言及しない限り、単一の運搬デッキの使用について言及する。しかしながら、本発明はこれに限定されないことが理解されるべきである。
【0048】
前記した真空チャンバについての有利な密封構成のために、本発明は、フィルタベルトの上部走行路(upper run)を備える事ができ、これは、前記ハウジングにおける低圧チャンバ部の幅及び長さについての主な部分に向けて伸びる。スラリは、フィルタベルトの幅にわたって広がり、そして、装置の長さに沿って移動するので、フィルタの液体(つまり濾液)は、ベルトの第1及び第2の側部にわたって適用された圧力差と重力との影響下でフィルタベルトを通過した後に、回収/排出(expulsion)のために低圧チャンバに入る。スラリ中の固体は、粒状物なので、フィルタベルトの上面に保持され、そして、フィルタベルトに沿って,排出ポイントまで運ばれる。
【0049】
ここで使われるように、粒状の固体からスラリの液体が部分的に除去されたとき、結果としてのスラリは、「粒状物」又は単に「製品」と呼ばれることがある。これは、抽出についての定義ではない。しかし、このことは、「製品」が、実際上、濡れている、湿っている、あるいは時には、比較的に乾いた粒状物ないし粒状製品であることを示している。製品という用語は、このように、比喩的なものであり、したがって、スラリからの液体除去の程度を意味するものではない。
【0050】
好ましい実施形態では、ファイバベルトは、実質的に平坦な上部走行部(upper run-portion;これは、スラリを受け入れるための前記積載ベルト部を提供する)を備えた連続的で無端のループを通る。あるいはこれは、二つのリール間に巻きついた廃棄可能なベルトとして構成される。液体除去の後に粒状物を排出するために便利な位置は、フィルタベルトにおける平面状走行路の終点であって、低圧チャンバの下方に向かってループする前の点であって、ここは、平坦な上部走行路と再結合するよりも前の点である。フィルタベルトは急激に傾きを変えるので、粒状物(典型的には塊状となっている)は、他の適宜な受容器(receptacle)における傾斜したコンベア上に排出される。
【0051】
ここで使用されるように、粒状物という用語は、積載ベルト部を横切りながらスラリが液体除去を通過した後にフィルタベルト上に残存した粒状物についての様々な形態を包含するように用いられている。もし、十分な液体が除去されれば、粒状物は、半凝集性の材料特性を持つ、もろい塊を形成する。
【0052】
1d)中心的機能−ファンの配置/低圧調整装置の構成/真空−濾液リリーフバルブ
動作においては、フィルタベルトを横切る圧力差を適用することによって、液体は、フィルタベルトと濾過された固体とを通って引き出される。フィルタベルトにおける第1の側部に対して比較的に低い圧力が、低圧チャンバに真空を適用することで生成される構成では、真空の供給源(典型的には抽出ファン又は真空ポンプ)が濾液で汚染されないようにすることが望ましい。さらに、濾液は、それ自体、商業的な価値を備えることがあり、その後の使用のために回収される。したがって、本発明の好ましい実施形態では、真空チャンバへのガス排出口が、液体排出口の上方に配置される。好ましくは、前記液体排出口は、濾液を回収するように形成された真空チャンバの一部分内において、重力による排出の低位置(low-point)に配置される。他の側面によれば、前記液体排出口は、大気中に排出する圧力リリーフバルブによって、開放可能なように密封されている。リリーフバルブは、いくつかの態様をとることができるが、ひとつの有効で、簡単で、信頼性のある構成は、弾性的に付勢されたバルブ部材、例えば単純なバネ付勢のフラップバルブである。
【0053】
前記の真空チャンバ及びリリーフバルブの構成は、フィルタベルトにわたる圧力差の強さについての、特に信頼性のある、視覚的な表示器を提供し;実際、真空ゲージとして動作する。リリーフバルブを開くために必要な濾液の上端は、弾性的に付勢されたバルブ部材における閉鎖力に対して、直接に比例的である。したがって、閉鎖力を同等な値に調整することによって、真空チャンバ内の真空レベルを予め設定しておくことができる。使用においては、液体除去装置がその動作する真空レベルに達した後、追加的に回収された濾液における増加重量は、リリーフバルブを開く状態を維持するに不十分なほどのレベルに液体の上端が落ちるまでリリーフバルブを開けさせる。そしてその後、サイクルが繰り返される。
【0054】
ガス排出口は、覆い隠す囲いの中に配置された大径の取り出しファンとして好ましくは形成される。この囲いは、フィルタデッキ構造のオーバヘッドから落下する様々な液体の取り込みを避けるように形成される。
【0055】
好ましくは、前記取り出しファンの囲いは、実質的に下方に向けられたガス排出用の開口を備える。
【0056】
1e)中心的機能−多段階濾過
スラリから固体を除去する程度は、濾過工程の一部として、濾液自体を用いることで強化される。装置のハウジングは、二つ又はそれ以上の個室ないし区分を有する低圧チャンバを含む。これらは、積載ベルト部における既定の位置から濾液を回収するように構成されている。ここで、少なくとも一つの個室から回収された濾液は、積載ベルト部におけるさらなる既定位置に再循環される。好ましくは、一つの個室から回収された少なくとも一つの前記既定位置は、他の個室に対応して、積載ベルト部における既定位置に再び適用される。
【0057】
明らかなこととして、この技術は、多段階構成において使用可能である。ここでは、連続的な低圧チャンバの個室(スラリ投入から見て末端の個室を除く)は、それらが回収した濾液の一部を、隣接する個室に対応する積載ベルト部の一部の上に再利用する。例えば木パルプや、各種の採石粒混合物(quarry grain mixtures)のようなスラリ入力、特に、大きな固体を含む他の混合物には、このような技術が適切である。大きな粒を有するスラリについての初期層がフィルタベルトの上に配置された後、抽出された濾液は、より微細な粒を含む。そして、これが、フィルタベルトの上面に繰り返して適用されると、それらは、結果として、より微細なフィルタを提供することになる。三段階プロセスにおける濾液の再適用は、実質的に全ての、例えば樹脂や染料等の、溶解していない固体を取り除くために行われる。再利用の最終段階において、ポリエチレンオキサイド(PEO)などの添加物を導入して、着色樹脂との凝集を行うことができる。
【0058】
他の面においては、本発明は、液体及び固体で構成された投入組成物スラリから液体を少なくとも部分的に分離する方法を提供する。ここでは、フィルタ膜と、このフィルタ膜にわたって圧力差を提供するための装置とを用いる。前記方法は以下のステップを含む:
・積載部を構成する膜にわたって、前記スラリを適用すること;
・フィルタ膜にわたって、圧力差を適用すること;
・積載部の膜の領域から濾液を回収すること、ここで、液体は、前記圧力差によって、スラリを通過して排出される;
・回収された濾液の少なくとも一部を、前記積載部におけるさらなる領域に再適用すること。
【0059】
PEOのようなポリマ凝集添加剤は、工業的な規模で用いるには高価である。本発明のさらなる利点は、微細粒の量を大幅に減少させることによって達成されるコストの節減である。ここでは、必要とされるPEO(あるいは類似のもの)の量は、たとえ単純な2段階の再利用であっても、大幅に減少する。
【0060】
2.製品の操作
2a.投入の調整
投入されたスラリからの最適な液体抽出を行うには、フィルタベルトの幅にわたって、安定的にスラリを供給することが重要であり、このことは、様々な手段で達成できる。さらに、ある種のスラリ組成は、液体成分のうちの大部分を事前濾過することに適しており、これにより、さらなる調整手段の使用が可能になる。
【0061】
一実施形態では、本発明は、前記フィルタベルトへのスラリ投入を操作するように構成された投入調整システムを含む。前記投入調整システムは、さらに以下を含む:
−投入供給マニフォールド、これは、投入スラリを、フィルタベルトにわたって、横方向に供給するように構成されている。
【0062】
好ましくは、前記マニフォールドは、前記スラリを受け取り可能な取り入れ口と、積載ベルト部の始点に隣接して配置され、かつ、フィルタベルトを横切るように、好ましくはフィルタベルトの実質的な全幅にわたって延長された、拡大取り出し口とを含む。スラリの液体内にある固体の供給についてのさらなる制御を実行するために、投入供給マニフォールドは、以下のうちの少なくとも一つとさらに組み合わされうる:
−拡散器;
−方向性ガイド;
−ガス攪拌器/エアレータ、及び/又は
−流出量制御。
【0063】
拡散器は、スラリを横方向に供給し、そして、スラリの液体の中で、固体を撹拌するという両者を行う。一実施形態では、拡散器は、フィルタベルトにわたって均一にスラリを放出するために、外に向く突起を備えた、長尺の、回転可能なシャフトである。好ましくは、前記突起は、枝状、剛毛状、及び/又はブレード状、壁状などを含む。一実施形態では、拡散器は、共通の回転シャフトの周囲における一対のオーガ部(auger sections)として形成される。ここでは、前記オーガ部を形成する螺旋状のフランジが、シャフトの中央位置から、互いに離れて、交互に配置されている。この螺旋状/渦巻き状構成は、スラリを横方向に供給することに加えて、さらに、拡散器の表面に留まろうとする固体の堆積物を防ぐ。この拡散器は、様々な方向において回転することができ、これにより、必要に応じて、スラリの流れの中心から外側あるいは内側に向けて、スラリの供給を移動させることができる。
【0064】
投入供給マニフォールドの方向ガイドの向きは、マニフォールドの外側において、好ましくは調整可能である。それらは、典型的には、操作サイクルの初めにおいて調整されて、フィルタベルトへのスラリ供給における横方向のオフセットを修正する。ガス攪拌器/エアレータは、エアストーン、ピッコロチューブ、あるいは他の、泡の流れを作る手段として構成されうる。スラリは、泡の流れを通過するので、上昇するガスの泡による上方への力に対する固体の内部抵抗によって、固体は撹拌され、かつ、分離される。
【0065】
したがって、一般的に、より軽い、より小さい、より浮力のある粒は、スラリの流れにおける上方に移動し、より大きい、より重い、浮力の小さい粒は、下部に集まる。細かい粒が大きな粒より上に来るという、この垂直方向の分離は、分離されていない、ランダムで均一な混合物の場合に比較して、液体抽出のためのフィルタ構造を強化する。本発明の一側面によれば、前記投入供給マニフォールドは、スラリが泡の流れを通過することによって、スラリの粒を、サイズに応じて上下方向に分離する。この泡は、フィルタベルトの前記積載部にスラリが提供される前に、ガス撹拌器/エアレータによって生成されたものである。
【0066】
あるいは、マニフォールドは、凝集添加物(flocculant additives;例えばポリアクリルアミド)の使用を必要とするスラリ組成について使用する混合プレートをさらに備えることができる。液体濾過技術において凝集剤あるいは凝固剤を使うことはよく知られており、これにより、粒状物を凝集させて凝集物とすることができる。この凝集物は、浮遊して分散した粒状物に比較して、液体から分離することが容易である。ここで、「凝固剤(coagulant)」あるいは「凝集剤(flocculant)」は、異なる機能で凝集させる機能物である。明確化及び参照の弁護のために、「凝集剤」という用語は、凝集及び凝固の両方を参照するものとして使用される。
【0067】
よく知られた凝集剤は以下を含む:ミョウバン、アルミニウム クロロハイドレート(aluminum chlorohydrate)、硫酸アルミニウム(aluminum sulfate)、酸化カルシウム、塩化鉄(III)(iron(III) chloride)、硫酸鉄(II)(iron(II) sulfate)、ポリアクリルアミド、ポリDADMAC、アルミン酸ナトリウム(sodium aluminate)、ケイ酸ナトリウム(sodium silicate)及びポリエチレンオキサイド(PEO)。理解されることとして、最も有効な凝集剤が何であるかは、濾過されるべき粒状物の組成及び静電的な電荷に応じて変わる。工業的なゴミおよび排水の濾過のために使われる最も一般的な凝集剤は、ポリアクリルアミド、ポリDADMAC、ポリエチレンオキサイド(PEO)、他の高分子電解質(polyelectrolyte)、あるいはこれらの組み合わせを含む。
【0068】
本発明では、凝集剤を使用することで、濾過を改善することができる。したがって、好ましい実施形態では、濾過の前に、混合物に凝集剤が添加され、これにより、液体濾過を改善することができる。
【0069】
代替的な投入供給マニフォールドを、例えば砂のような高い質量/サイズを持つスラリ組成物のためのいくつかの投入調整システムとして実現することができる。このような応用では、スラリが、さらなる横への移動を規制する圧力差の効果に完全にさらされる前に、スラリを必要な程度に横方向へ分配して、フィルタベルトを均一に覆うようにすることが望ましい。
【0070】
したがって、一実施形態では、投入調整システムは以下を含む;
1.可変のノズル取り出し口(nozzle outlet)を備える投入供給マニフォールド;
2.供給シュート(dispersion chute)、これは、マニフォールドのノズル取り出し口からファイバベルトに向けて、下方に傾斜している、
そして選択的には、
3.一つ又はそれ以上の方向性ガイド。
【0071】
好ましくは、前記可変ノズル取り出し口は、少なくとも以下のうちの一つを調整可能である:
−取り出し口のサイズ;
−取り出し口の方向;
−取り出し口でのスラリの供給、及び/又は
−力を付勢する取り出し口カバーの閉鎖(outlet cover closure)。
【0072】
一実施形態では、前記した投入調整システムは、以下の形態として実装される:−閉鎖位置に向けて弾性的に付勢される密閉カバーによって提供される、力を付勢する取り出し口カバーの閉鎖を備えた取り出し口ノズルを有する導管の形態の投入供給マニフォールド;ここで前記取り出し口ノズルは、その頂点に配置されており、
−それらの間に配置された一つ又はそれ以上の方向性ガイドを備えており、フィルタベルトに向けて下方に傾斜した、扇型のシュート(fan-shaped chute);
−前記ノズル取り出し口は、傾ける、及び/又は、上昇させる/低くすることができ、これにより、取り出し口のサイズ及び形状を変え、その結果、スラリの流出の量及び形状を変えることができる。
【0073】
ノズル取り出し口は、例えば、傾斜した供給シュートの平面内に実質的に存在するノズル開口を有する、実質的に上に向いた導管上の、単純な扇型のカバーである。したがって、開口のサイズ及び角度を、取り出し口とカバーとの間で変えることは、偏向されたスラリが取る、供給シュートへの方向を決める。代替的な実施形態では、取り出し口カバーは、供給の表面に隣接して下に向けられたマニフォールド取り出し口を備えた供給シュート自体と置換可能である。
【0074】
したがって、ノズルを通るスラリ流出の方向と量は、マニフォールドの高さと傾斜を変えることで規制されうる。シュートを下るスラリの拡散は、傾斜したシュート表面に配置された方向性ガイドを調整することによって、さらに制御されかつ方向づけられる。横方向の傾斜(ramps)、ガイド、溝(channel)などを使って、スラリの流れをファイバベルトに向けることも可能である。
【0075】
ある種のスラリ成分は、投入供給マニフォールド内における事前濾過処理に適しており、これにより、液体成分の大部分を除去可能である。生物的なスラッジのようなスラリは、典型的には、より大きくて濾過が容易な粒子を作る凝集添加剤と組み合わされる。このような粒子の大部分が同じような質量あるいは浮力を持っており、そして、比較的均質である場合は、事前濾過装置を使って、事前濾過される液体を除去可能である。これは、残留物として「濃い」製品を残し、この製品は、マニフォールドの取り出し口、及び、他の調整システム要素を、フィルタベルトに供給される前に通過する。
【0076】
好ましい実施形態によれば、前記供給調整システムは、事前濾過チャンバを有する投入供給マニフォールドを含んでおり、前記チャンバは以下を含む:
−前記供給マニフォールド・スラリの取り入れ口及び取り出し口、これらは、前記スラリの受け入れおよび排出が可能である;
−液体抽出取り出し口;
−少なくとも第1及び第2の実質的に水平な層(horizontal strata);
−分離機構(segregation mechanism)、これは、前記事前濾過チャンバ内において、前記スラリの固体を前記第1の水平な層に制約するように構成されている、
ここで、前記第2の水平な層内に配置された前記スラリの液体は、抽出取り出し口(extraction outlet)を介して除去される。
【0077】
一実施形態では、分離機構は、以下を含む:
−複数のエアレータ(aerators)、これは、スラリの流れの下方に配置されることによって、スラリを、実質的に連続的な流れのガスの泡にさらすものであり、これによって、前記固体を、上部の第1の水平な層に付勢するようになっている;
−ガス透過性の膜、これは、前記第1の層と、第2の低い層との間に介在させられている、そして、
−液体抽出取り出し口、これは、前記ガス透過性の膜の下方に配置されている。
【0078】
ガス透過性の膜は適宜な形態を様々にとることができ、それは、合成の、織られた、穿孔された、あるいは機械的なバリヤを含み、一例としては、金属製のウエッジワイヤ(wedge-wire)である。使用においては、凝集されたスラリが事前濾過チャンバへ流れこむと、それは、スラリが取り出し口に向けて流れるときに、上昇するガスの泡の効果にさらされる。一実施形態では、事前濾過チャンバは、持ち上げ部(lifting portion)と抽出チャンバとに分割される。持ち上げ部は、十分な長さを持つように構成され、これにより、ガス透過性の膜の高さの上にある上部の第1の層に、固体を、上昇する泡が持ち上げることができるようになっている。残留するスラリの液体は、実質的にきれいな液体であり、これは、抽出取り出し口から除去され、これにより、実質的により高い固体含有量を持つスラリが残る。液体除去装置は、このように、かなり低い液体含有量を持つスラリ製品を受け取るので、さらなる液体除去段階の間に実行されるであろう製品制御を強化することができる。
【0079】
代替的な実施形態では、分離機構は以下を含む:
−スラリと混合される凝集添加物
−浮かんだ、液体透過性の、固体バリア、これは、前記第1の層と第2の低い層との間に配置されている、そして
−前記事前濾過チャンバ内の、少なくとも一つのバッフル(baffle)、これは、前記スラリの流れを、そして、前記凝集添加物とスラリ固体物との間の凝集効果を妨げて弱めるために配置されている;
−事前濾過チャンバの構成、これは、スラリの流れの変化に応じて、前記浮かんだ固体バリアのために、可変の表面領域を提供する、そして
−液体抽出の取り出し口、これは、前記液体透過性バリヤの上方に配置されている。
【0080】
好ましくは、前記固体バリヤは、凝集添加材料の「ブランケット(blanket)」層として形成され、これは、凝集添加物に凝集したスラリ固体の流れを阻害する。好ましくは、前記事前濾過チャンバ構成は、可変の水平断面領域(すなわち、少なくとも部分的にテーパ、傾斜あるいは円錐とされた部分であり、ここでは、「拡大」部として参照する)を有する部分を含む。これにより、スラリの流速が変化すると、浮かんだ固体バリアが、バリヤによって占拠される表面領域内において対応する変化を有する前記拡大部を上下に動かす。液体抽出取り出し口は、好ましくは、一定のきれいな液体のオーバーフローを、事前濾過チャンバの前記上部層から回収するように構成される。
【0081】
したがって、操作上の鍵となる特徴は、事前濾過チャンバへの及びそれからの流入(inflow)と流出(outflow)との間のインタラクションであり、それは、この実施形態では、マニフォールド取り出し口/取り出し口にそれぞれ対応する。この装置が始動され、スラリがチャンバに流入すると、凝集添加物は、スラリの固体と結びつき、そして、より重い、集まった固体が、チャンバの床に沈み、そして、マニフォールド・チャンバの取り出し口から外に出る。スラリの流れにおいてもっと乱れた部分は、前記バッフル(単数又は複数)に衝突し、そして、凝固されて集まった固体のブランケット層が、スラリの流れの押し上げ(up-thrust)と層の浮力との、重力の効果に対する、競合する力によって決定されるレベルに形成される。きれいな液体は、それが抽出取り出し口に達するまで、バリヤ層を自由に通過できる。
【0082】
事前濾過チャンバを通過するスラリの流れを調整して、動的な釣り合い(dynamic equilibrium)を維持することができる。ここでは、マニフォールドからの、管理可能な比率のスラリ出力(高く安定した固体含有量を持つもの)を、固体バリヤを通る液体の流量と、拡大部の範囲内におけるバリヤの対応する高さとによって、バランス状態に維持できる。好ましくは、前記液体抽出取り出し口は、流れ制御バルブを含み、これは、事前濾過チャンバからの液体の流れを規制することができるものである。
【0083】
関連する設計は、「スラッジ・ブランケット」あるいは「固体コンタクト」のいずれかの浄化器として知られているが、これらは、典型的には、スタンドアロンの装置として動作するものであって、液体抽出装置におけるスラリの流れ制御/事前濾過における動的な要素として動作するものではない。
【0084】
理解できることとして、事前濾過チャンバの分離機構についての二つの例が、スラリ固体の異なるタイプにおける相対的な浮力/質量に対応して、使用可能である。したがって、さらなる面によれば、本発明は、事前濾過チャンバのための分離機構を選択する方法を提供し、これは以下のステップによる:
−凝集後のスラリ粒子についての相対的な浮力を決定すること;
−前記凝集した粒子の大半が、上昇するガスの泡によって、持ち上げられた層内に維持可能であるかどうかを決定すること;
−もし決定が肯定であれば、前記したうちの前者の分離機構を選択すること;
−もし決定が否定であれば、前記したうちの後者の分離機構選択すること。
【0085】
低いスラリ投入流速を用いる応用では、あるいは、スラリ投入物が、残余の流れが装置(前記したもの)を通過する前に高比率の水分を事前除去するのに適している場合は、多数の追加的な特徴を前記した投入供給マニフォールドに組み合わせることができる。したがって、さらなる実施形態によれば、投入供給マニフォールドは、以下の一つ又はそれ以上と組み合わせることができる:
−表面ワイパ、これは、供給マニフォールドの取り出し口と隣接して配置され、さらに、少なくとも部分的な圧縮的ないし摩擦的力を、マニフォールド取り出し口を出るスラリ固体の上面に適用するように構成される;
−硬質塊状物形成器(rigid cake former)、これは、供給マニフォールド取り出し口に隣接して配置され、さらに、マニフォールド取り出し口を出るスラリ固体を少なくとも部分的に、粒状物塊(particulate product cake)に圧縮及び押し出すように構成される;
−真空形成器;
−減衰大気圧スラリ形成器(an attenuated atmospheric pressure slurry former);
−流量制御;これは、マニフォールドからフィルタベルトへのスラリの流れを制御して減衰させるように構成されている。
【0086】
表面ワイパは、実質的に傾斜したシートあるいは膜として形成されており、それは、低いワイパ表面と高いフィルタベルト表面(前記第2の側部)との間に、長尺状の先細りスロット(elongated tapering slot)を生成する。したがって、表面ワイパは、マニフォールドを出て行くスラリ/粒状物の上面に少しの圧縮力を適用する。これにより、幾らかの液体は、スラリ固体を通るような力を受ける。ワイパは、製品の上面に摩擦的ないし摩耗的な力をさらに適用し、粒状物の上部層を、それらに隣接する低い層から切断させ、そして、上部の製品表面に小さなクラック及び裂け目を生成させる。これらの表面クラックは、製品を通過する空気及び液体の通路を提供し、そして、上部の表面が効果的な非透過性の層となることを防ぐ。
【0087】
好ましくは、表面ワイパは、エラストマ・シートのような柔軟あるいは半柔軟(semi flexible)な素材から構成される。硬いワイパの構成も可能ではあるが、ゴムのような柔軟なシートは、特に有効と考えられる。
【0088】
硬質塊状物形成器は、マニフォールドによって実行される前段階の処理によって少なくとも部分的には濃縮、圧縮、あるいは脱水されたスラリ製品を受け取る。この形成器を通過する製品は、所望の断面形状に形成されそして圧縮される。この形状は、稜線、あるいはグルーブを含むことができ、これにより、装置を出る製品についての、最終的な破壊動作が決まる。これら両者が設置されたときは、前者は、流量制御と表面ワイパとの間に配置される。
【0089】
真空形成器は、密封された囲い(sealed enclosure)を用いており、これにより、マニフォールドノズル取り出し口を出るフィルタベルト上のスラリの上部表面に局所的な真空を適用する。ここで前記表面は、液体を透過させるバリヤによって規制されている。局所的な真空は、製品の表面からさらなる液体を引き出す。局所的な真空及び低圧チャンバの力は反対(in opposition)なので、製品への効果は極端ではなく、そして、製品としての塊を、より安定な構成に形成することができる。
【0090】
他の側面では、減衰大気圧スラリ形成器は、前記積載ベルト部の局所的部分にわたる前記圧力差を制御することが可能なものとして提供されうる。好ましくは、前記スラリ形成器は、ガス透過性膜を備えるチャンバを含み、このガス透過性膜は、前記透過性膜の第2の側部の上のスラリに接触して配置可能である。このチャンバは、サイズ調整可能な開口をさらに含む.好ましくは、前記開口は、ガスが開口内を通過することを防ぐ閉鎖構成に向けて付勢されたバルブを含む。ここでバルブは、圧力差が既定レベルを超える場合には少なくとも部分的に開くように構成される。したがって、バルブが開いて、ある程度のガスがチャンバに入り、そして、バルブの付勢によって変化する圧力差を提供する。
【0091】
流量制御は、マニフォールドによって実装される他の流れ制御手段(後述)との関係では、一次的に使用されるものであり、これにより、スラリ流量を、装置における流体抽出能力の範囲内に維持することができる。本質的に、流れ制御は、バルブあるいはスロットル(throttle)として動作し、フィルタベルトへのスラリの流れを規制し、そして、最も単純な態様では、装置の幅方向にわたって横方向に延びる硬質ビームから構成される。様々な力が、ビームに対して垂直方向に加えられ、そして、圧力が、マニフォールド取り出し口における移動部分に加えられて、取り出し口の規制(outlet constriction)を変化させる。好ましくは、可動マニフォールドのノズル部分は、柔軟なゴム状材料から形成され、及び/又は、硬いマニフォールドの部分にヒンジ結合される。
【0092】
理解できることとして、本発明は、乱流ないし未処理のスラリ流を、フィルタベルトの幅にわたって均一に供給される流れに移行させるための様々な手段(典型的には長尺で、比較的狭い導管、例えばパイプ)を提供する。さらに、フィルタベルトタイプの媒体にわたって高い圧力差が使用される応用においては、圧力の効果にさらされるスラリにおける初期部分への圧力差の効果を管理する必要がある。さらに認識できることとして、このようなスラリ製品管理は、多様な真空フィルタの応用やフラットベッドフィルタなどに適用可能である。
【0093】
フィルタベルトへのスラリ制御についての様々な手段に共通して関係するファクタは、圧力差の初期的な効果の下での、最小の固体粒子による濾液の汚染(contamination)を最小化することである。したがって、一実施形態では、本発明は、実質的にここに記載された液体除去装置と共に使用するためのスラリ管理システムを提供する。これは、一つ又はそれ以上の前記した投入物調整システムの要素を使用する。
【0094】
2b)スラリ操作−装置の移行
前記したように、フィルタベルト上のスラリ固体のベッドを通過する有効な液体抽出における大きな問題は、実質的に通過できない上面を作ることである。累進的にサイズが大きくなる固体粒子からなるフィルタベッドの層を設けることは、効果的な濾過を提供し、そして、より細かい固体粒子が製品とファイバベルトとを通過することを妨げる。しかしながら、最も細かい粒子で支配的に構成される上面は、簡単に浸透すべきスラリ液体すら実際に通過できないバリヤを提供する。したがって、製品表面において局所的な不完全さ、クラック、亀裂、ギャップなどを提供する手段が望まれ、それらは好ましくは、少なくとも部分的には、スラリ固体の深さ方向を通過するように延長されている。
【0095】
一側面によれば、本発明は、液体と固体との組成物であるスラリから液体を分離する方法を提供し、これは、以下を含む液体除去装置を用いる:
−互いに反対側の第1の側部及び第2の側部を有する、可動の透過性膜、ここで、前記第2の側部における少なくとも一部は、前記スラリを受け取るように構成されている;
−フィルタベルトにおける第1及び第2の側部の間に適用されるべき圧力差を許容するように構成されたハウジング、これにより、前記第1の側部は、第2の側部に比較して低い圧力であり;前記ハウジングは以下を含む:
−積載ベルト部の下の可動のフィルタベルトにおける前記第1の側部に対して密着した第1の開口を有する、少なくとも一つの低圧チャンバ、
−ハウジングを介して前記圧力差を適用するための圧力調整システム、これにより、第1のフィルタベルトの側部において、第2の側部よりも低い圧力を生成する;
ここで、前記方法は、以下のステップを含む:
−前記第1の開口上で、第1の速度で、透過性膜を動かすこと;
−フィルタ膜における第1の側部に前記スラリを適用すること;
−フィルタベルトにおける第1及び第2の側部の間に圧力差を適用すること;
特徴として、移動する膜についての前記第1の速度は、周期的にパルス化されて、フィルタ膜上のスラリに様々な運動量(impetus)を与えるようになっている。
【0096】
ここで使われるように、「周期的にパルス化」という用語は、同期的あるいは非同期的な速度変動、痙攣(jerks)、変動、停止して開始すること、動揺、方向反転、振動、あるいは、スラリに可変の運動量を与える他の手段を包含する。
【0097】
可変の運動量を与えることにより、スラリ製品は、ゆらぎ、あるいは震える。フィルタベルトに最も近いスラリ製品は、周期的な運動パルスに対して、最小の慣性力を持つ。したがって、速度の変化により、製品の上端レベルは、より大きなモーメント変化を受け、これにより、表面クラックのようなものが形成されてくる。このことは、圧力差によって製品を通過する力を受けるスラリ液体のためのアクセスチャネルを供給する。
【0098】
理解されることとして、この技術は、様々なフラットベッドの真空フィルタ、あるいは、移動するフィルタベルトと圧力差とを用いる他の同様な濾過/液体分離に適用可能である。
【0099】
代替的な応用では、可変の運動量は、前記透過性膜の動きに直交する平面内でのフィルタベルトについての機械的な動揺あるいは振動によって提供される。これは、アクチュエータ又は偏心して回転するクランク等で操作される、フィルタ膜の下での振動プラットフォームの形態を取ることができる。
【0100】
本発明は、追加の数のスラリ製品管理機構を提供する。これは、積載ベルト部にわたるスラリの移行の間に適用可能である。理解されることとして、本発明のような液体分離装置は、スラリの流速について、操作上の許容誤差を持つ。それは、i)濾液に対する有害な効果の下で処理されるために十分に高い、あるいは、ii)液体抽出技術についての効果的機能を得るには、さらに、装置の操業においてコスト的に有効な商業的見返りをもたらすには低すぎるというものである。本発明は、装置全体の経路を通るスラリについての効果的な流量を調整するための、単純だが有効な手段を提供する。
【0101】
好ましい実施形態では、本発明は、少なくとも1つの持ち上げ機構をさらに提供し、それは、装置の末端を上昇させ及び低下させる。末端(つまり、取り入れ又は取り出しの、装置の端部)を上昇あるいは低下させることにより、スラリの流れを増加させ、又は減少させることができる。代替的な実施形態では、装置の末端は、選択的に上昇させられ、これにより、過剰に高いプラットフォームの上に装置を建設する必要を回避し、これにより、一つの端部における単一の持ち上げ機構で、その端部を水平より高くあるいは低く、上昇させあるいは低下させることが可能になる。典型的には、持ち上げ機構は、本装置の低部の隅に取り付けられた流体的駆動機構から構成される。
【0102】
スラリの液体分離を管理するためのさらなる手段は、一つ又はそれ以上の真空フェルトローラを用いる。既に述べたように、ある種のスラリ成分には、凝集剤を用いる必要があり、これにより、固体を生成することができる。この固体は、物理的な技術を用いて液体から分離するに十分なサイズとされる。ポリマの凝集剤は、電荷を有しており、この電荷は、それらを、スラリの固体に引きつける。これにより、それらは、結合し、あるいは、「凝集」する。フェルト真空ローラは、高い吸収性を持つ材料(例えばウール)を、長持ちする(hard-wearing)合成ガード素材に組み合わせることによって、この特性を発揮させる。この剛性ガード素材は、凝集剤に対して、反発的な電荷を持っている。その結果、ローラを使用して、液体を吸収することができ、その一方で、固体は通さない。理解されることとして、結果的に同等な特性物を使用して、代替的な構成も使用できる。それは例えば、均質な材料であって、液体を吸収し、さらに、固体/凝集物に反発するものである。
【0103】
好ましい実施形態では、本発明は、内部真空チャンバと、液体吸収性材料のスリーブを備えた回転可能な外表面とを有する円筒状のローラを提供する。ここで、前記内部真空チャンバは、前記吸収性のスリーブの少なくとも一部と連通している。好ましくは、前記外表面は、穿孔されており、そして、前記連通の手段は、内部チャンバから前記回転可能な外表面に延びる長尺の導管により提供される。一実施形態では、前記導管は、前記吸収性材料がフィルタベルト上のスラリに接触する点に実質的に向かい合う位置に固定される。運搬デッキによりフィルタベルトが動くと、スラリ上面との軽い摩擦接触に置かれたローラは、スラリとの摩擦的接触によって、単独で回転する。
【0104】
フェルト材料は、スラリとの初期接触によりわずかに圧縮され、一方で、ローラ内の真空によりスラリから引き出された液体の進入を受け入れる。ローラが前方に進行していくと、フェルトにおける圧縮部分は拡張し、そして、スラリからのさらなる液体を吸いとることができる。さらに、わずかに圧縮された状態のローラは、接触しているスラリから、フィルタベルトを通過するように幾らかの液体を、隣接するフィルタベルトに向けて押す。
【0105】
真空ローラは、液体含有量についてのある範囲内で、スラリについての最適レベルで動作すると考えられる。したがって、ローラは、望ましいスラリ液体含有量に対応して、フィルタベルトにおける載置部(loaded portion)に沿って、離れて配置される。あるいは、ローラは、フィルタベルト上で、対で使用することもできる。逆に回転する一対のローラを使用することによって、取り出される製品を取得し、取り扱うことができる。ここでは、ローラは、やはり、装置の真空供給に接続されている。
【0106】
実際上分かることとして,ローラにおける初期の液体除去能力は、液体への予侵(pre-soaking)により改善される。当業者には明らかであるが、このようなローラを、ベルト押し付け(belts presses)のような他の液体除去装置に使用することもできる。
【0107】
他の側面によれば、液体除去装置は、以下を含む:
・少なくとも二つの低圧チャンバ、これらは、積載ベルト部の下方のフィルタベルトにおける前記第1の側部に密着した、それぞれの第1の開口を備え、そして
・ハウジングを介して前記圧力差を適用して、第1のフィルタベルトの側部に、第2の側部よりも低い圧力を生成するための、少なくとも一つの圧力調整システム、
ここで、運搬デッキの一つ又はそれぞれは、前記低圧チャンバの内部に、完全に配置されている。
【0108】
本発明における一つの側面によれば、液体除去装置は、少なくとも二つの前記運搬デッキを含む。それらは各々、積載ベルト部の下方のフィルタベルトにおける前記第1の側部と少なくとも部分的に接触している。
【0109】
好ましくは、液体除去装置は、第1の前記運搬デッキと、第2の前記運搬デッキとを含む。ここで、前記第1及び第2の運搬デッキは、それぞれ、第1の前記低圧チャンバと第2の前記低圧チャンバの内部に、完全に配置されている。
【0110】
好ましくは、前記第1及び第2の低圧チャンバは、第1及び第2の圧力調整システムをそれぞれ有する。好ましくは、前記第1及び/又は第2の圧力調整システムは、以下を行うように構成されている:
・前記第1及び/又は前記第2の低圧チャンバからそれぞれガスを排除する、そして
・前記第1及び第2の運搬デッキの間の前記フェルトベルトの一部に、排除されたガスを通過させる。
【0111】
好ましくは、第1及び第2の低圧チャンバは、大気圧に比較して、異なる圧力に維持される。好ましくは、スラリは、第1の低圧チャンバの上の第1の運搬デッキ上に最初に載置される。ここで、第1の低圧チャンバは、第2の低圧チャンバよりも高い圧力に維持される。したがって、第1の低圧チャンバの上方のファイバベルトにわたる圧力差は、第2の低圧チャンバの上方のファイバベルトにわたる圧力差よりも小さい。
【0112】
さらに他の側面によれば、本発明は、一つ又はそれ以上のローラを選択的に備えることができ、このローラは、積載ベルト部上のスラリへの「波紋(rippling)」効果を慎重に適用するように構成されかつ配置されている。これは、様々な手段において達成しうるけれども、いずれにおいても、本質的には同様な原理に従って動作する。すなわち、ファイバベルトの平面に向けてローラを押し出すことによって、スラリ製品の塊に局所的な歪を作り出す。フィルタベルトは、ローラ上を引っ張られるので、結果としての張力は、スラリの塊を、その表面において伸張させ、このことは、クラックなどを生じさせる。もし、複数のローラが、間隔を置いて、フィルタベルトの下方に配置されると、フィルタベルトがローラの間において下向きに引っ張られるときに、スラリは「絞り(squeezing)」効果を受け、このとき、フィルタ塊に圧縮が作用する。スラリの塊にひびを入れることは、低圧チャンバ内に引き入れられるべき液体のために、改善された排出チャネルを提供する。同様に、ローラの間におけるスラリの塊の圧縮は、液体を、固体から搾り出させる。フィルタベルトの動きの経路に沿って配置された複数のローラにわたるフィルタベルトの波打つ動きにおける利点を、長さ方向及び横方向の両方において、実現しうる。フィルタベルトの幅にわたって複数の拡大されかつ収縮された部分を有するように各ローラを構成することは、同じような波打効果を作り出す。隣接するローラを配置するときは、夫々における収縮及び拡大された部分を整列させ、あるいは、オフセットさせる。
【0113】
一実施形態では、前記ローラ(単数又は複数)は、フィルタベルトと運搬デッキとの間に配置される。
【0114】
代替的な実施形態では、前記ローラ(単数又は複数)は、運搬デッキと、フィルタベルトの幅にわたって密着した第1の開口の周囲との間に配置される。
【0115】
フィルタベルトの操作における有効性を増すために、ローラは、各ローラの長さに沿って延びる長尺状の稜線(ridge)を備えることができる。このような稜線は、稜線上を通過するフィルタベルトによって行われる曲率変化を増大させ、これによって、上昇部分のスラリ製品における伸びとひび割れが増大する。
【0116】
3.超大気圧差の適用
一側面によれば、本発明は、液体及び固体からなる投入組成物スラリから液体を少なくとも部分的に分離するための液体除去装置を提供する。この装置は以下を含む:
・可動の透過性膜(以下においては「フィルタベルト」と称する)、これは、第1の側部と、反対側の第2の側部とを有しており、そして、前記第2の側部における少なくとも一部(以下においては「積載ベルト部」と称する)は、前記スラリを受け取るように構成されている;
前記積載ベルト部のために可動の支持を提供するように構成された透過性膜支持システム、ここで前記支持システムは以下を有する:
−少なくとも一つの運搬デッキ、これは、積載ベルト部の下方のフィルタベルトにおける前記第1の側部の少なくとも一部に隣接して又は接して配置されている;
・フィルタベルトにおける第1及び第2の側部の間に間に適用されるべき圧力差を許容するように構成されたハウジング、これにより、前記第1の側部は、第2の側部に比較して、低い圧力にある;前記ハウジングは以下を含む:
−積載ベルト部の下方のファイバベルトにおける前記第1の側部に密着した第1の開口を有する、少なくとも一つの低圧チャンバ;
−前記積載ベルト部の上方の、少なくとも一つの超大気圧チャンバ;
・第1のフィルタベルトの側部において第2の側部よりも低い圧力を生成するために、ハウジングを介して前記圧力差を適用するための、少なくとも一つの圧力調整システム;
ここで、前記運搬デッキの一つ又はそれぞれは、前記低圧チャンバの内部に完全に配置されている。
【0117】
この液体除去装置は、低圧チャンバを用いることによって、例えば、超大気圧チャンバに伴う第1の側部における真空と、反対の側部における圧縮チャンバによって、フィルタベルトにわたって、より強い圧力差を提供する。
【0118】
一つの好ましい実施形態では、前記ハウジングは、大気圧から実質的に密封されており、超大気圧チャンバを形成している。液体除去装置を、大気圧内でガス化するかもしれない液体成分を持つスラリに使用することができる。なぜなら、ハウジング全体が加圧され、そのために、そのような成分のガス化を妨げるからである。
【0119】
代替的な実施形態では、前記超大気圧チャンバは、前記フィルタベルトの上方に配置されたガス透過性膜と密接した状態で提供され、かつそれは、前記スラリが、前記ガス透過性膜と前記フィルタベルトとの間を通過できるように構成される。
【0120】
圧力温度と容積との間には、十分に確立された相互関係(状態図としてしばしば表される)があり、それは、与えられた様々な圧力、温度、容量のレベルにおける物質の状態を決定する。本発明については、圧力調整システムにおける圧力チャンバの容積は、本質的には固定である。しかしながら、明らかに、低圧チャンバ内の圧力を大気圧以下に減らすことができ、そして、もしあれば、高圧チャンバ内の圧力を、大気圧以上に上昇させることができる。しかしながら、スラリからの液体除去の効率は、スラリ温度を変化させることによっても強化される。液体を、そのガス状態に変換することは、液体をスラリ固体から除去するための効果的な手段である。一旦気化され又は蒸発されると、フィルタベルトを通して低圧チャンバにガス流を抽出することは、ずっと容易になる。
【0121】
さらに他の側面によれば、本発明は、以下のステップを含む方法を提供する;すなわちここでは、前記圧力差を適用する圧力調整システムは、低圧チャンバ内において、第1のフィルタベルトの側部に対する、第1の既定圧力レベル範囲内での圧力を生成するステップ;そして、積載ベルト部上で受け取られたスラリを、第1の既定の温度レベル範囲内の温度に加熱するステップ;ここで特徴として、前記第1の既定の圧力及び温度レベルは、フィルタベルトを通過する前記スラリ液体をガスに変換するために選択される。スラリ液体の変換は、気化又は蒸発によることができる。
【0122】
瀝青(bitumen)オイルサンドあるいはタールサンドとして捕捉された状態にある大量のオイル(油分)が存在している。非経済的なエネルギ入力を使わないで、あるいは、不利益な環境問題を生じないでオイルを抽出することは大変に困難なので、このような大量のオイル捕捉があっても、その利用可能性を高めることは難しい。本発明は、オイル抽出についての代替的な手段を提供し、それは、可能性としては、より低いエネルギ入力を提供して、既定量の瀝青オイルを除去することができる。したがって、一実施形態では、本発明は、前記された液体除去装置を用いて、瀝青オイルサンドを含むスラリから瀝青オイルを抽出する方法を提供する。前記方法は以下のステップを含む;
−前記スラリを事前加熱すること;
−前記事前加熱からガスを取得すること;
−前記スラリを積載ベルト部に配置すること;
−前記取得された加熱ガスを、前記高圧チャンバ内に適用すること;そして
−前記フィルタベルトを通過して前記低圧チャンバに入る、溶けた及び/又は液体のオイルを、前記圧力差の適用の効果の下で、収集すること。
【0123】
オイルサンドを直接に操作及び処理することは難しいので、お湯や溶剤のような補助的な液体をスラリに加えて、オイルの分離を助けることができる。結果としての濾液を処理するためには、さらなる手順が必要になるかもしれない。
【0124】
さらなる実施形態では、前記圧力調整システムにおける全てのスラリ流体通路、及び、前記スラリと物理的に接触する様々な装置部分は、非金属製の表面を備える。ここでは、前記物理的接触は、スラリから放出された様々なガスからの接触を含む。このような実施形態は、装置内での金属製通路に反応する、あるいは、それによりダメージを生じるような、反応的又は有毒な化学品を含む液体を除去する応用に適切であろう。
【0125】
4.固体流のレギュレータ
本発明の他の側面によれば、液体及び気体からなる投入組成物スラリにおける液体−固体比を制御する方法が提供される。ここで、前記スラリは、液体除去装置によって分離されるべきものである。前記方法は以下を含む:
a)前記投入スラリにおける第1の部分を、前記液体除去装置に渡すこと;
b)スラリにおける前記第1の部分から、濾液を、前記液体除去装置によって、少なくとも部分的に分離すること、ここで、前記濾液は、スラリにおける前記第1の部分からの液体を含む;
c)前記投入スラリにおける第2の部分に前記濾液を再循環させて、投入スラリの前記第2の部分における固体−液体比を変更すること;
d)投入スラリにおける前記第2の部分を、前記液体除去装置に渡すこと。
【0126】
好ましくは、ステップa)〜d)を繰り返して、投入スラリにおける固体−液体比を調整する。好ましくは、投入スラリにおける固体−液体比を測定し、そして、ステップa)〜d)を繰り返して、既定範囲内に固体−液体比を維持する。
【0127】
本発明における他の側面によれば、液体及び固体からなる投入組成物スラリにおける固体−液体比を制御する方法が提供される。ここで、前記方法は、既に述べたように、以下のステップを含む:
−凝集剤を前記投入スラリに追加すること。
【0128】
本発明の他の側面によれば、液体及び固体からなる組成物スラリから濾液を除去可能な液体除去装置からの濾液を再度循環させるための、濾液再循環システムが提供される。この濾液再循環システムは以下を含む:
a)前記液体除去装置における濾液取り出し口と、前記液体除去装置におけるスラリ取り入れ口とに、流体的に接続された再循環の導管;
b)前記濾液取り出し口から前記スラリ取り入れ口への前記濾液の通過を選択的に阻止する、少なくとも一つの制御バルブ;
ここで、使用においては、前記制御バルブは、選択的に開かれて、前記濾液取り出し口から前記スラリ取り入れ口への濾液の通過を許容して、そこにおけるスラリの固体−液体比を変更する。
【0129】
好ましくは、前記投入スラリにおける固体−液体比を測定するために、一つ又はそれ以上のセンサが提供される。さらなる実施形態では、前記センサからのフィードバックを受け取って、前記再循環システムを制御して、前記濾液を選択的に再循環させることが可能なコントローラ(制御器)が提供され、これによって、投入スラリにおける固体−液体比を維持することができる。
【0130】
様々な液体除去装置において、例えば下水スラリからの液体除去において重要なこととして、対応する液体除去装置に入る時に、固体−液体比は一般的に一定に維持される。なぜなら、もし固体−液体比が許容動作範囲内でなければ、液体除去処理は、有効でないからである。例えば、典型的には凝集剤がスラリに追加されて、そこにおけるスラリから凝集物を作る。
【0131】
大きな粒子の凝集物は、粒子よりも濾過が簡単であり、そして、液体の除去も比較的に簡単である。しかしながら、スラリが、高すぎる固体含有量を持っていると、凝集剤が有効にスラリ内に分散せず、したがって、スラリを効果的に濾過できないかもしれない。水あるいは他の液体を投入スラリに加えてこの問題を解決することができるけれども、そのためには、外部の水/液体供給が必要となる。
【0132】
理解されることとして、固体−液体比、及び/又は、前記濾液再循環システムを制御するための、前記した方法は、前記したような前記液体除去装置(単数又は複数)とともに、あるいは、公知の液体除去装置(単数又は複数)とともに使用される。
【0133】
明らかなこととして、本発明についての前記した実施形態は、固定式の液体除去プラントに組み合わせることも可能である。
【0134】
本発明は、一般的に言って、本願の明細書で個別あるいは集合的に言及あるいは示された部品、要素、及び特徴、及び、部品、要素あるいは特徴の二つ又はそれ以上の様々な組み合わせに存しており、既知の等価物を持つ特定の整数がここで言及されていたとしても、そのような等価物は、個々に示されている場合と同様に、この文書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0135】
本発明のさらなる態様が後続の説明から明らかになるであろう。この説明は、単に例としてのみ与えられており、かつ、以下の添付図面を参照している。
【図1】本発明における第1の好ましい実施形態による液体除去装置についての、側面における断面図である。
【図2】図1の液体除去装置の平面図である。
【図3】図1及び図2の液体除去装置における運搬デッキについての拡大視を示す、部分的な側面断面図である。
【図4】図3に示されたような運搬デッキを示す、部分的に切り取った斜視図である。
【図5】本発明における第2の好ましい実施形態による液体除去装置の側面断面図である。
【図6】図6a及び6bは、可動の透過性膜支持システムを有しない、及び有する、本発明における第3の好ましい実施形態による液体除去装置において、一部を破断した斜視図をそれぞれ示す。
【図7】本発明の第4の好ましい実施形態による液体除去装置について長手方向に断面視した側面図である。
【図8】図7の液体除去装置を左上から見た斜視図である。
【図9】図8の液体除去装置についての、反対の端からの、左上から見た他の斜視図である。
【図10】図7〜9の液体除去装置の平面図である。
【図11】図7〜10の液体除去装置の側面図である。
【図12】図7〜11の液体除去装置におけるスラリ投入端での端部の図である。
【図13】図7〜12の液体除去装置における製品取り出し端での端部の図である。
【図14】図14a及び14bは、図7〜13の液体除去装置で使用するための運搬デッキの斜視及び平面図をそれぞれ示す。
【図15】図15a及び15bは、図7〜13の液体除去装置の斜視図を示す。
【図16】図16a及び16bは、図15a及び図15bの液体除去装置の端部についての、拡大された部分斜視図を示す。
【図17】図7の液体除去装置において駆動されるフィルタベルトローラの拡大図を示す。
【図18】図18a及び18bは、図14及び17の運搬デッキの部分を構成する支持ビームおよび連結された駆動チェーンの一つについての、二つの代替的な実施形態をそれぞれ示す。図18c及び図18dは、図18bの運搬デッキの断面図及び側面図をそれぞれ示す。
【図19】運搬デッキについての、部分的に横断面とされた(図11に示されたような)、拡大された側面図である。
【図20】図20の運搬デッキについての、部分的に長手方向の断面とされた(図10に示されたような)、拡大された側面図である。
【図21】密着及び潤滑するシステムを示す、図20及び21の運搬デッキの一つの端部についての、拡大された部分的な斜視図である。
【図22】図7〜13の液体除去装置の真空ファンについての、拡大された部分的斜視図である。
【図23】濾液再循環システムを用いる液体除去装置の変形についての、拡大された側面図である。
【図24】図7の液体除去装置における真空フィルタローラを断面にした側面図である。
【図25】図25a及び25bは、図24の真空フィルタローラにおける端部の図と部分的な斜視図とをそれぞれ示す。
【図26】図26a及び26bは、図7の液体除去装置における二重の真空フィルタローラについての端部の図と部分的な斜視図とをそれぞれ示す。
【図27】図24及び26の二重の真空フィルタローラを用いるベルト押圧の液体除去装置についての、長手方向に沿って断面とした側面図である。
【図28】図28a及び28bは、マニフォールドが製品取り出し口より低い及び高いように傾斜された、図7〜13の液体除去システムの、傾斜における効果をそれぞれ示す。
【図29】図7の液体除去システムにおける第1の投入調整システムについての、長手方向に断面とされた拡大された側面図である。
【図30】図29に示された投入調整システムの平面図である。
【図31】図1〜13の液体除去装置で使用するための第2の投入調整システムについての、長手方向に断面とされた側面図である。
【図32】図31に示された投入調整システムの平面図である。
【図33】図1〜13の液体除去装置で使用するための第3の投入調整システムについての、長手方向に断面とされた側面図である。
【図34】図33に示された投入調整システムの平面図である。
【図35】図1〜13の液体除去装置で使用するための第4の投入調整システムについての、長手方向に断面とされた側面図である。
【図36】図1〜13の液体除去装置で使用するための第5の投入調整システムについての、長手方向に断面とされた側面図である。
【図37】図36に示された投入調整システムの一部を形成する第1のスラリ塊状物形成器についての、拡大された側面図である。
【図38】図36及び37に示された投入調整システムにおける表面ワイパの拡大された側面図である。
【図39】図7〜13の液体除去装置で使用するための第2のスラリ塊状物形成器についての、長手方向に断面とされた側面図である。
【図40】図7〜13の液体除去装置で使用するための第3のスラリ塊状物形成器についての、長手方向に断面とされた側面図である。
【図41】図7〜13の液体除去装置における運搬デッキの一つの端部について長手方向に断面とされた側面図であって、これは、駆動ローラの速さを変えることの効果を示す。
【図42】図42a、42b及び42cは、図7〜13の液体除去装置での可変の駆動ローラスピードにおける、スラリについての様々な効果を示す。
【図43】図7〜13の液体除去装置とともに使用可能な撹拌機構についての象徴的な図を示す。
【図44】本発明の第5の好ましい実施形態による液体除去装置についての、長手方向に断面とされた側面図である。
【図45】本発明の第6の好ましい実施形態による液体除去装置についての、長手方向に断面とされた側面図である。
【図46】本発明の第7の好ましい実施形態による液体除去装置についての、長手方向に断面とされた側面図である。
【図47】本発明の第8の好ましい実施形態による液体除去装置についての、長手方向に断面とされた側面図である。
【図48】図8〜13の液体除去システムに接続された濾液再循環システムの概略図である。
【図49】ベルト押圧の液体除去システムとともに用いられる図48の濾液再循環システムの概略図である。
【図50】本発明の他の面によるスラリ添加物システムの端部からの図である。
【図51】図50のスラリ添加物システムの平面図である。
【図52】図52a及び52bは、好ましい一実施形態による運搬デッキの代替的実施形態を示す。
【図53】他の実施形態による、一対のフィルタベルト操作ローラを示す。
【発明を実施するための形態】
【0136】
図1〜4は、本発明の好ましい一実施形態による液体除去装置(1)の第1の例を示す。液体除去装置(1)は、液体及び固体からなる投入組成物スラリ(50)から液体を少なくとも部分的に分離するようになっている。
【0137】
液体除去装置(1)は可動の透過性膜を有し、これは、第1の側部(2a)及び反対側の第2の側部(2b)を有するファイバベルト(2)の形態で提供される。第2の側部(2b)の少なくとも一部(以下「積載ベルト部」(3)という)は、スラリ(50)を受け取るように構成されている。フィルタベルト(2)は、液体透過性であるが、実質的にはスラリ(50)の固体内容物を通さないものであり、これにより、固体内容物の大半は通過できないようになっている。
【0138】
液体除去装置(1)は、積載ベルト部(3)のために可動の支持を提供するように構成された透過性膜支持システム(4)を有している。支持システム(4)は、積載ベルト部(3)の下方において、フィルタベルト(2)の第1の側部(2a)の一部に接触して配置された運搬デッキ(5)を有している。運搬デッキ(5)は、フィルタベルト(2)に同期して動くように構成されており、これにより、それらの間に摩擦がない、あるいはほとんどないようになっている。この摩擦は、このようにしなければ、ベルト(2)を損傷する可能性がある。運搬デッキ(5)は、「上端走行路(upper-most run)」(16)を有しており、その上で、ファイバベルトの第1の側部(2a)が支持される。
【0139】
ハウジング(6)は、フィルタベルト(2)の第1(2a)及び第2(2b)の側部に圧力差を適用できるように提供されかつ構成され、これにより、第1の側部(2a)は、第2の側部(2b)に比較して、低い圧力に置かれる。ハウジング(6)は、積載ベルト部(3)の下方において、フィルタベルトの第1の側部(2a)の一部に密着した第1の開口(8)を有する低圧チャンバ(7)を含む。第1の開口(8)は、図15に示される実施形態において、よりはっきりと示される。そして、その境界線(perimeter)は、真空チャンバ(7)の境界線の周りにおいて延長された上側密着ストリップ(24)により規定される。
【0140】
図1〜4に示される実施形態では、ハウジング(6)を介して圧力差を適用するためのバキューム(9)の形態で、圧力調整システムが提供され、これにより、フィルタベルトの第2の側部(2b)よりも低い圧力をフィルタベルトの第1の側部(2a)において生成することができる。
【0141】
運搬デッキ(5)は、完全に、低圧あるいは「真空」チャンバ(7)の「内部に(within)」配置される。この真空チャンバは、フィルタベルト(2)の第1の側部(2a)から、シール(24)の間に、そして、液体取り出し口(17)に延びている。低圧チャンバ(7)の内部に、運搬デッキ(5)を完全に配置することにより、運搬デッキ(5)で支持された積載ベルト部(3)の表面領域全体にわたって圧力差を適用することができる。このことは、同様な積載ベルト部の制約された領域にしか真空を適用していない典型的な先行技術に対する、顕著な利点を生み出す。
【0142】
液体除去装置(1)におけるスループットは、圧力差と、それが適用される表面領域の程度により直接に支配される。したがって、圧力差にさらされる積載ベルト部(3)の表面領域を最大化することは、相応のスループット改善をもたらす。
【0143】
フィルタベルト(2)の積載ベルト部(3)は、実質的に水平方向に延長して示されている。しかしながら、運搬デッキは、ある種の応用においては、傾斜してもよく、これにより、積載ベルト部(3)の上のスラリ(50)の流れを制御できる。
【0144】
図1〜4に示す例では、運搬デッキ(5)は、二つの駆動チェーン(10)の形態で提供された、連続的で柔軟な駆動部材を有する。ただ一つのチェーン(10)が図1〜4に示されている。多数の支持ビーム(11)が、二つの駆動チェーン(10)の間に(つまり図1の紙面に入り込む方向で)延びており、そしてそれらは、フィルタベルト(2)の動きの方向を実質的に横切るように配置されている。他の形態の柔軟駆動部材を用いることができ、それは例えば、ケーブル、ワイヤ、ロープ、ベルトあるいは他の、支持ビーム(11)を取り付け可能な柔軟な部材である。
【0145】
運搬デッキ(5)は、駆動チェーン(10)及び支持ビーム(11)を支持及び駆動するために、二つの従動ローラ(12)も持っている。これらの駆動ローラ(12)は、駆動チェーン(10)に噛み合うスプロケットとして構成されうる。好ましい実施形態では、フィルタベルト(2)は、フィルタベルト(2)の第1(2a)及び第2(2b)の側部の間の圧力差によってチェーン(10)及び支持ビーム(11)に「固定される(clamped)」おかげで単独で動かされ、これによって、フィルタベルト(2)を同期して駆動する必要性をなくすことができる。
【0146】
支持ビーム(11)は、第1の開口(8)における開放された空間に掛け渡されており、その方向は、フィルタベルト(2)が進む方向を実質的に横切っている。横切って延びるビーム(11)は、第1の開口(8)を大きく横切って、個別に掛け渡されており、そして、ローラ(12)と駆動チェーン(10)とによって無端の回転ループを移動するように集合的に接続されていながら、かつ、高い荷重に耐えることができる。
【0147】
バキューム(9)は、低圧チャンバ(7)内のガス取り出し口(15)に大気から延びる排出ダクト(14)内に、抽出ファンあるいは真空ポンプ(13)を有する。バキューム(9)が操作されると、低圧チャンバ(7)内の空気/ガスは、ガス取り出し口(15)、ポンプ(13)及びダクト(14)を介して排出される。
【0148】
装置(1)が使用状態にあり、かつ、第1(2a)及び第2(2b)のフィルタベルト側部の間に圧力差が存在するるとき、フィルタベルト(2)が受ける大きな力は、フィルタベルト(2)を、支持ビーム(11)に押し付けるように作用することができる。例えば、圧力差が一平方メートルあたりでたった1キログラムであったとしても、第1の開口(8)にわたって延びる積載ベルト部(3)は、一般に大きな表面領域(つまり開口(8)のサイズ)を持つので、フィルタベルト(2)に作用する有効な全体の力は、積載ベルト部(3)のサイズによって増大される。この理由により、支持ビーム(11)は、比較的に近接して配置されており(図4において最も明瞭に示されている)、その上に作用する力に十分耐えることができる程度に頑丈になっている。
【0149】
この圧力差の力が、フィルタベルト(2)の第2の側部(2b)上を移動する投入スラリ(50)に作用する。これにより、スラリ(50)の液体成分は、液体透過性のフィルタベルト(2)を通して、真空チャンバ(7)へ、濾液(52)として引き込まれる。一方、固体成分あるいは「製品」(51)は、フィルタベルト(2)を通過することができず、このためそれは、乾いた製品(51)として装置(1)を通過する。重力も、液体がフィルタベルト(2)を通るように力を作用させるが、圧力差に比べれば、その効果はかなり小さい。
【0150】
液体除去装置のハウジング(6)は、コンテナ(21)として構成され、例えばそれは、典型的には、20フィートあるいは40フィートの輸送コンテナである。あるいはそれは、例えばツイストロック器具をコンテナ端部に有することによって、輸送コンテナと同様に搬送可能なように構成されたものでもよい。
【0151】
好ましい実施形態では、低圧チャンバ(7)内のガス取り出し口(15)は、液体取り出し口(17)の上方に配置され、これにより、濾液(52)が真空ポンプ(13)を汚染する可能性を減らすことができる。対応して、液体取り出し口(17)は、濾液(52)を集めるように形成された低圧チャンバ(7)の一部の中において、重力的な排出での低位置(low-point)に配置されている。
【0152】
液体取り出し口(17)は、大気に排出する圧力リリーフバルブ(18)によって解除可能なように密封されている。リリーフバルブ(18)は、バネ付勢のフラッパ・リリーフバルブとして示されており、これは、バネ(20)により閉鎖位置に付勢されたフラップ(19)を有する。使用においては、液体除去装置(1)が、その動作可能な真空レベルに達した後、増加した重さの、追加的に回収された濾液(52)は、リリーフバルブ(18)が開状態を保つのに不十分なレベルに液体の上端(52)が落ちるまで、リリーフバルブ(18)を開状態とし、そして、このサイクルが繰り返される。フラップ(19)は、液体圧力/重量がフラップ(19)への「閉鎖力(closure force)」を超えるときに開き、これにより、低圧チャンバ(7)内における液体上端(52)のレベルを効果的に制御することができる。
【0153】
閉鎖力は、バネ付勢に部分的に依存するが、主には、低圧チャンバ(7)と大気との圧力差に依存する。リリーフバルブ(18)を開くために必要な濾液(52)の上部(したがって、濾液(52)のレベル)は、低圧チャンバ(107)における閉鎖力に直接に比例する。したがって、リリーフバルブ(18)は、フィルタベルト(2)にわたる圧力差の強さについての、非常に信頼性のある視覚的指示器を提供し、実際、真空ゲージとして機能する。
【0154】
理解されることとして、液体取り出し口(17)がガス取り出し口(15)より低くなくとも、濾液の進入を防ぐことは可能である。例えば、図7に示す実施形態では、真空チャンバは、濾液を回収して液体取出し口に排出するセクションに分割される。この液体取り出し口は、より低い位置にあるけれども異なるセクション内にあるガス取り出し口よりも上方にある。濾液は、したがって、より低い隣接セクション内のバキュームよりも高い位置において各セクションから排出される。
【0155】
ハウジング(6)内のフィルタベルト(2)は、一連のベルトローラ(22a〜e)により形成されたベルト支持システムの周囲に延びており、このベルト支持システムは、透過性膜支持システム(1)の一部である。ベルト張力システムが、リニアアクチュエータ(23)の形態で提供され、それは、ベルトローラ(22d)の位置を調整し、これにより、フィルタベルト(2)における張力を調整することができる。ベルトをベルトローラ(22a〜e)上に配置するとき、磨耗したベルトを交換するとき、あるいは、操作中に張力を調整するときは、ベルト張力システム(23)により、ベルトの張力を減らすことができる。フィルタベルト(2)がスラリ(50)で覆われていない開始段階の間は、フィルタベルト(2)を支持ビーム(11)上に保持する圧力差は、支持ビーム(11)がフィルタベルト(2)を駆動するには、十分でないかもしれない。したがって、ある応用では、フィルタベルト(2)を支持ビーム(11)の動きに同期して駆動するために、一つまたはそれ以上のベルトローラ(22a〜e)が駆動される。駆動されるローラの一例は、図16に示される実施形態において示されている。
【0156】
低圧チャンバへの開口(8)は、二つの駆動チェーン(10)の間の距離に実質的に対応する幅(スラリの移動方向を横切る方向)と、低圧チャンバ(7)及びハウジング(6)の長さと同様な長さとを有する。前記したように、フィルタベルト(2)における第1の側部(2a)は、第1の開口(8)を覆うように延び、そしてそれは、バキューム(9)が操作されたときに、支持ビームに対して「吸引」される。
【0157】
低圧チャンバ(7)を大気から密封するために、密封手段(sealing means)(24)が、第1の開口(8)の周囲に提供される。密封手段(24)(図3及び4においてより明瞭に示されている)は、二つの長手方向ストリップ(24a)と二つの横方向ストリップ(24b)とを含む一連のプラスチック密封ストリップとして形成されており、これらは共に、第1の開口(8)の周囲に延びている。これは、実質的に長方形の第1の開口(8)を提供する。密封ストリップ(24)は、例えば、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、あるいはテフロン(登録商標)から作られる。それらは、比較的に低い摩擦係数を持ち、ほどよい耐摩耗性を持つ。密封手段(24)は、第1の開口(8)の周囲を規定し、そして、二つの駆動チェーン(21)の上方であってかつベルトローラ(22a,22b)の間に、それぞれの端部において延びる。
【0158】
図3及び4は、密封手段(24)と支持ビーム(11)の一端と一つの駆動チェーン(10)についての、部分的な横断面視を示す。各駆動チェーン(10)は、ハウジング(6)の内側に取り付けられたチェーンガイド(27)により支持される。長尺状に延ばされたスカート(32)(図3に示される)が、それぞれの長尺状密封ストリップ(24a)の上方において提供され、これにより、フィルタベルト(2)のエッジへの、そして密封手段(24a)への、スラリ(50)の移行を最小化できる。密封手段(24a)は、駆動チェーン(10)の上方に設置されており、これにより、使用時には、フィルタベルト(2)が下方に引き下げられて、密封手段(24)に接触する。そしてこれによって、密封手段は、フィルタベルト(2)に対して、開口(8)の周囲を密封し、フィルタベルト(2)にわたる圧力差を最大化することができる。
【0159】
フィルタベルトの第2の側部(2b)上のスラリ(50)の重量は、フィルタベルトの第1の側部(2a)を密封ストリップ(24a)に対して押し付ける。支持ビーム(11)は、駆動チェーン(10)にボルト止めされており、かつ、凹み(28)を含む。この凹みの範囲内で、偏向ストリップ(30)が、ハウジング(6)の側部から延びている。偏向ストリップ(30)は、駆動チェーン(10)の上方において延長されており、液体あるいはスラリ(50)が、フィルタベルト(2)の横方向エッジから、フィルタベルト(2)と密封手段(24)との間に、そして駆動チェーン(10)に移動することを妨げることを助けている。もしこのような移動があると、ドライブチェーン(10)を損傷する恐れがあり、あるいは、少なくとも、潤滑性と効率を減殺することになる。さらに、下方偏向器(33)が、支持ビーム(11)及び駆動チェーン(10)の下方において提供されており、濾液(52)(しずくとして示されている)を、駆動チェーン(10)における下部の反対部分から離れる方向に向けている。
【0160】
支持ビーム(11)は、駆動チェーン(10)にボルト止めされた支持プレート(31)に溶接された支持バー(29)で構成されている。これらの支持バー(29)及びプレート(31)は、支持ビーム(11)を構成しており、この支持ビームは、フィルタベルト(2)のための支持を提供し、さらに、支持バー(29)の間のギャップを通る液体移送を可能としている。ビーム(11)は、互いに間隔を置いて配置されており、これにより、その中を通過する流体の流れを最大化でき、一方で、フィルタベルト(2)及びスラリ(50)の重量のために、そして、ベルト(2)に作用する圧力差の力のために、十分な支持を提供できる。補強用のサイドビーム(34)は、フィルタベルト(2)の横方向エッジに隣接して長手方向に延びており、そして、ハウジング(6)全体及び支持システム(1)の強化を助けている。
【0161】
動作においては、スラリ(50)は、マニフォールド(25)を介してフィルタベルト(2)上に渡され、液体成分(52)は、フィルタベルト(2)を介して、スラリ(50)から濾過され、そして、残存する固体成分(51)は、製品取り出し口シュート(26)に渡されて、再利用され、あるいは廃棄される。図2に示されるように、マニフォールド(25)は、放散する側部を有しており、これにより、スラリ(50)は、フィルタベルト(2)の幅にわたって一様に散布され、そして、スラリ全体として、圧力差が実質的に一定となる。液体除去の比率は、したがって、比較的に一定となる。このような一様の散布は、製品(51)が、一般的に一定の残存液体成分を持つことを保障する。理解されることとして、最大の液体除去のための、フィルタベルト(2)上における理想的なスラリ(50)の厚さは、スラリ(50)における固体と液体との比率、粒子のサイズ、及び処理されるスラリの化学的組成に依存する。このように、マニフォールド(25)を介したスラリ流の体積流速(volume flow-rate)を調整して、ファイバベルト(2)上のスラリ(50)の厚さを変えることができる。
【0162】
図5は、本発明の第2の好ましい実施形態による液体除去装置(200)についての、概略的な図である。第2実施形態の液体除去装置(200)は、機能において、第1実施形態の液体除去装置(1)と同様であり、一般的には、同じ要素から構成されている。すなわちそれは、第1の側部(202a)と反対側の第2の側部(202b)とを有するフィルタベルト(202)、透過性膜支持システム(204)、運搬デッキ(205)、それらを内部に配置する低圧チャンバ(207)、密封手段(224)を持つハウジング(206)、マニフォールド(225)、製品取り出し口シュート(226)、フィルタベルトローラ(222a〜e)及び、バルブ(218)を持つ液体取り出し口(217)である。バキュームは、配管(図示せず)を介して、液体取り出し口(217)の上方において低圧チャンバ(207)に流体的に接続されたダクテッドファン(ducted fan)(213)として示されている。
【0163】
液体除去装置(200)は、異なる液体取り出しバルブ(218)機構をも有する。これは、図1〜4に示されたスプリング(19)の代わりに、流体ラム(219)を使用する。ラム(219)は、低圧チャンバ(207)内の濾液(52)のレベルが特定の高さに達する、及び/又は、圧力差が特定のレベルに達すると、フラップ(220)を開くように動作する。
【0164】
真空制御は、フラップ(242)の形態において提供され、それは、排出チャンバ243内における、大気への開口(244)を閉じる。フィルタベルト(202)にわたる圧力差は、ファン(213)によって動かされる空気の体積と速さとに依存する。したがって、フラップ(242)を備えた大気への開口(244)のサイズを調整することにより、空気流の体積を規制し、そしてその結果、フィルタベルト(202)にわたる圧力差を制御することができる。
【0165】
液体除去装置(200)は、その他の面では、液体除去装置(1)とわずかしか違わない。例えば、小さな相違としては、バキューム(209)、液体取り出し口(217)及びマニフォールド(225)の形状及び位置の構成は、図1〜4に示された対応の要素とは異なる。ハウジング(206)は、それぞれ運搬と維持においての支援となるベース(240)と上部通路(241)とを備えた運搬コンテナ(221)として形成される。
【0166】
図6a及び6bは、第3の好ましい実施形態による液体除去装置(300)を示す。この液体除去装置(300)は、些細な点においてのみ、第1及び第2の実施形態とは異なる。相違点の例は、マニフォールド(325)の形状及び構成である。したがって、ここでの詳細な記述は行わない。図6a及び6bは、運搬デッキ(305)を所定位置に備えない及び備えた液体除去装置(300)をそれぞれ示す。滑りフレームワーク(360)は、維持及び/又は組み立て/分解のために、コンテナ(321)の内外への、透過性膜支持システム(304)の移動を支援するために使用される。フィルタベルト(302)は、透過性膜支持システム(304)と分離した要素として図示されている。
【0167】
図7〜13は、本発明の第4好適実施形態による液体除去装置(100)を示す。液体除去装置(100)の要素は、第1(1)、第2(200)及び第3(300)の液体除去装置の実施形態におけるものと一般的に同様であり、したがって、同様の部品はここに引用され、そして、同様に説明される。
【0168】
全ての実施形態に共通する部品を以下に示す。各部品は、実施形態の番号に続くリスト番号を用いて、図面においてラベル付けされる。例えば、「2.フィルタベルト」は、第1実施形態において、「2」としてラベル付けされ、202、302及び102は、第2、第3及び第4の実施形態におけるそれぞれのラベル付けである。このような対応するラベル付けは、全ての共通するあるいは同等の部品について行われる。しかしながら、スラリ(50)、製品(51)及び濾液(52)は、いずれの実施形態においても、統一して参照される。
1.液体除去装置(1,200,300,100)
2.透過性膜、例えばフィルタベルト(2,202,302,102)
3.積載ベルト部(3,203,103)
4.透過性膜支持システム(4,204,304,104)
5.運搬デッキ(5,205,305,105)
6.ハウジング(6,206,306,106)
7.低圧チャンバ(7,207,307,107)
8.第1の開口(8,208,308,108)
9.圧力調整システム、例えばバキューム(9,209,109)
10.駆動チェーン(10,210,310,110)
11.支持ビーム(11,211,311,111)
12.駆動チェーン・ローラ/スプロケット(12,212,312,112)
13.抽出ファン/バキューム(13,213,313,113)
14.ガス取り出し口ダクト(14,214,314,114)
15.ガス取り出し口(15,215,315,115)
16.上端走行路(16,216,316,116)
17.液体取り出し口(17,217,317,117)
18.液体取り出し口バルブ(18,218,318,118)
19.液体取り出し口バルブ・フラップ(19,219,319,119)
20.液体取り出し口バルブ・スプリング/ラム(20,220,320,120)
21.コンテナ(21,221,321,121)
22.フィルタベルト・ローラ(22,222,322,122)
23.フィルタベルト張力機構(23,223,323,123)
24.密封ストリップ(24,224,324,124)
25.マニフォールド(25,225,325,125)及び取り出し口
26.製品取り出し口シュート(26,226,326,126)
27.駆動チェーン・ガイド(27,227,327,127)
28.支持ビーム・プレート凹み(28,228,328,128)
29.支持ビーム・バー(29,229,329,129)
30.上部偏向器(30,230,330,130)
31.支持ビーム・プレート(31,231,331,131)
32.スカート(32,232,332,132)
33.下部偏向器(33,233,333,133)
34.補強サイドビーム(34,234,334,134)
【0169】
図7は、液体除去装置(100)の他の好適実施形態についての、長手方向において断面とした側面図であり、主要な動作要素の詳細を示している。
【0170】
液体除去装置(100)の動作は、一般に、液体除去装置(1,200,300)と同じなので、相違する及び/又は追加の特徴のみを以下に記載する。
【0171】
前記した実施形態と同様に、液体除去装置(100)は、液体及び固体からなる投入組成物スラリ(50)から液体を、少なくとも部分的に分離するようになっている。
【0172】
装置(100)は、低圧チャンバ(107)及びバキューム(109)に加えて、四つの真空フィルタ・ローラ(160a〜d)を有している。これらは、図24〜27においてさらに詳しく示され、かつ対応して記載されている。各真空ローラ(160a〜d)は、対応するダクト(161a〜c)を介して、低圧チャンバ(107)に接続される。二重の真空ローラ(160c及び160d)は、同じダクト(161c)に接続される。濾液再循環パイプ(180a,180b)及び対応するポンプ(181a,181b)は、図23においてより明瞭に示されるように、濾液(52)を取得してスラリ(50)上に再循環するために提供される。したがって、スラリからの固体除去の程度は、濾液(52)自体を、濾過工程の一部として用いることによって、強化される。
【0173】
低圧チャンバ(107)は、三つの副個室(182a,182b,182c)を有し、これらは、仕切り(183a,183b)によって分割されている。これらの各々は、積載ベルト部(103)における既定の部分から濾液(52)を収集するように構成されている。個室(182b,182c)から収集された濾液は、個室(182a,182b)の上方の積載ベルト部(103)にそれぞれ再循環されうる。もし十分に「きれい」なら、個室(182a及び182b)の中の濾液を、再循環のために、濾液取り出し口パイプ(148a,148b)に渡すことができる。明らかなこととして、多段構成(multi-stage configuration)において、この技術を使うことができ、ここでは、後続する低圧チャンバの個室(182b,182c)(取り入れマニフォールド(125)からみて一番端の個室(182a)を除く)は、それらが回収した濾液の一部を、隣接する個室に対応する積載ベルト部(130)の一部の上に、再利用することができる。例えば木のパルプや砕石粒子の混合物のタイプのようなスラリ入力、特に、大きな固体を含む混合物は、このような技術にとって適切である。大きな粒子を有するスラリの初期の層がフィルタベルト上に撒かれた後に抽出された濾液は、細かい粒子を含み、そして、これらがフィルタベルトの上面に再適用されると、対応する、より細かいフィルタを提供する。三段階工程における濾液の再適用は、実際上、溶解状態ではない全ての固体を除去すると考えられる。ポリエチレンオキサイド(PEO)のような添加物を、樹脂着色物との凝集を行うための最終的な再利用段階において導入することができる。
【0174】
コンベア(145)は、製品取り出し口(126)の下方において提供され、かつ、横方向コンベア(145a)及び長手方向コンベア(145b)を含む(図8〜13に示される)。これらのコンベアは、濾過された製品(51)を受け取り、そして、運搬車両に、あるいは、更なる処理/濾過に運搬するためのものである。スラリのタイプによっては、濾過された製品(51)は、他の用途において有用であり、したがって再利用可能である。あるいは、濾過された製品は、再処理、再濾過され、あるいはごみとして廃棄される。
【0175】
いくつかの例では、液体除去装置(100)は、バキューム109の故障、あるいは、フィルタベルト(102)の詰まりのために、液体を除去しないかもしれない。このような場合は、処理されていないスラリをコンベア(145)に渡すことは不利益なので、未処理のスラリを偏向させるための、緊急の「投棄」シュート(149)が提供されている。投棄シュート(149)は、取り出し口(126)の下方であってかつ、横方向コンベア(145a)の上方に配置されており、そして、軸周りで回動する偏向器(149a)から構成されている。この偏向器は、横方向コンベア(145a)の上方において開き、取り出し口(126)からの製品の方向を変え、パイプ(149b)に向ける。このパイプは、スラリ供給源に戻るか、又は、再処理のための保持タンクにつながっている。
【0176】
好ましい実施形態では、要素の故障、あるいは、取り出し口(126)における液体レベルが既定の閾値を超えたことの検出に反応して、偏向器(149a)を自動的に開くように構成された制御器(図示せず)に、投棄シュート(149)を接続することができる。あるいは、投棄シュート(149)は、ユーザによって手動で作動する。
【0177】
図7〜13は、通気タンク(147)をさらに示す。これは、その上端において、大気に開口している。通気タンク(147)は、濾液再循環の際に、空気がパイプ(180b)に入ることを許容する。このとき、リリーフバルブ(118)は閉じており、このことは、真空に抵抗することなしに、ポンプ(181)がパイプ(180b)内に濾液を送り込むことを可能にする。
【0178】
通気タンク(147)は、大気圧下にあるので、バキューム(109)が動作すると、フラップ(119)は閉鎖状態に保持される。濾液(52)は、低圧チャンバの個室(182c)内に引き込まれ、それは、フラップ(119)上の濾液の重さが、低圧チャンバ(107)と大気との間の圧力差を超えるレベルに達するまで続く。そして、フラップ(119)は開いて、濾液が出て行くことを可能にする。これは、フラップ(119)上の濾液の重さが、フラップ(119)が閉まるだけの圧力差以下に下がるまで続く。このように、濾液のレベルは、動作中において、実質的に一定に維持される。このため、濾液は、上昇してバキューム(109)に入ることはないし、上昇して運搬デッキ(105)あるいはフィルタベルト(102)を浸すことはない。このようなフラッパ・リリーフバルブ(118)を使用することにより、濾液除去のための複雑なポンピング及びバルブ構成が必要なくなる。図示されていないが、他の個室(182a,182b)においては、同様なフラッパ・リリーフバルブが、液体取り出し口(117)のために提供されている。理解されることとして、このようなフラッパ・リリーフバルブを、様々な真空ベースの液体除去装置あるいは、ここに記載されていない液体除去装置に使用することができる。
【0179】
一連のフィルタベルトローラ(122a〜e)は、フィルタベルト(102)を支持して引っ張っている。そして、ローラの一つ(122a)を駆動する(図16においてより明瞭に示す)ことにより、フィルタベルト(102)を動かす運搬デッキ(105)を支援することができる。
【0180】
好ましい実施形態では、ベルト洗浄器(146)が提供される。これは、水や、その他の洗浄剤を、フィルタベルト(2)が通過するときに、その上に散布し、これにより、その上のスラリ残留物を除去することができる。
【0181】
図8〜13は、液体除去装置(100)についての、部分的な外観の図である。
【0182】
液体除去装置(100)は、動作中における維持及び観察を容易にする一連のアクセス通路(101)と、濾過された製品を運搬するためのコンベア(145)とを有している。
【0183】
液体除去装置(100)は、十分に効率的なので、ISO基準の20フィートあるいは40フィートの運搬コンテナと同程度のサイズとすることが可能であり、その場合も、大規模な据え置きのシステムあるいは複雑なシステムに比肩するスループットと適応性とを達成することができる。このことは、高度に効率的な液体除去構成を持つ液体除去装置(100)を提供することの意義を表している。すなわち、液体除去装置(1,200,300,100)は非常に効率的なので、運搬可能な構成にまとめることが可能である。このことは、従来の多数の装置とは反対である。
【0184】
存在する液体除去あるいは脱水装置では、処理が必要なスラリの体積が大きく、そして、そのようなスラリ体積を蓄積するために先行技術装置のサイズが大きくなるので、据え置きの、固定式装置の使用が必要となる。したがって、そこには、柔軟性、追加コスト、及び不動産資産の点において、可搬型の装置に比較して、明らかな欠点があると考えられる。
【0185】
図1〜13においてもっとも明瞭に示されているように、ハウジング(106)は、通常のISO基準である、20あるいは40フィートコンテナのサイズとされており、ハウジング(106)の六つの頂点において、ツイストロック装具(179)を含む。ツイストロック装具(179)を、トラック、列車の貨車、船、あるいは他の運搬装置におけるツイストロックに接続することができる。液体除去装置(100)は、したがって、簡単に運搬可能である。
【0186】
液体除去装置(100)は、装置ハウジング(106)の設置面積あたりにおいて、圧力差にさらされる、高い比率のフィルタベルト(102)を有している。なぜなら、運搬デッキ(105)は、完全に低圧チャンバ(107)の内部に、そして、その上端部に配置されているからである。
【0187】
図1〜13に示される前記好適実施形態液体の除去装置(1,100,200,300)では、運搬デッキ(5,105,205,305)は、多数の横方向の支持ビーム(11,111,211,311)を含み、それらは、回転して、対応するフィルタベルト(2,102,202,302)を支持しながら、移動することができる。代替的な実施形態(図示せず)では、運搬デッキ(5)が、フィルタベルト(2,102,202,302)を支持するために、支持ビーム(11)に代えて、一連のローラを有することが可能であり、それらのローラのうちの少なくとも一つは、駆動される。
【0188】
さらに代替的な実施形態では、液体透過性の支持ベルト(例えば織られた素材、金属又は樹脂製のチェーン・リンク・ベルト)を、支持ビーム(11,111,211又は311)に代えて使用して、フィルタベルト(102)を支持することができる。
【0189】
図14a及び14bは、運搬デッキ(105)及び上部のツイストロック装具(179)についての拡大視を示す。
【0190】
図15は、液体除去装置(100)についての斜視であって、フィルタベルト(102)が配置された(図15a)、及び、運搬デッキ(105)の上端レベルが除去された(図15b)状態を示しており、これによって、第1の開口(108)を明瞭に見ることができる。第1の開口の周囲は、強調された太い黒線で囲まれており、これは、四つの密封ストラップ(124a、124b)のエッジに対応し、それらは、低圧チャンバ(107)の上部周縁を画定する。理解できることとして、第1の開口(108)は、ハウジング(106)の全体にほぼわたって延びる。
【0191】
図16a及び16bは、図15bに示される液体除去装置(100)におけるそれぞれの端部についての、拡大された斜視を示す。
【0192】
図17は、駆動されるフィルタベルト・ローラ(122a)の一例を示し、これは、運搬デッキ(105)を支援して、フィルタベルト(102)を移動させる。
【0193】
図18aは、交差ブレース(141)に溶接された支持バー(140)から構成される支持ビーム(111)の拡大視を示す。さらに、交差ブレースは、筒状の主ビーム(142)に溶接されている。支持バー(140)は、対応する駆動チェーンホイール(144)における中央の回転軸の平面に揃えられている。障壁フランジ(143)は、筒状の主ビーム(142)上に配置されており、主ビーム(142)に沿って駆動チェーン(110)に向けて濾液が移動することを妨げるのを、助けている。図18に示される支持ビーム(111x)は、支持バー(140x)を有しており、それは、断面において、円形状というよりは正方形状である。「正方形」バー(140x)は、円筒状バー(140)よりも高い弾力性および有効性を持っていることが、試験により判っている。
【0194】
前記したように、重要なことは、駆動チェーン(110)及び他のベアリング要素を、スラリ(50)から保護することであり、スラリは、磨耗性、及び/又は腐食性であるかもしれず、さらに、駆動チェーン(110)を損傷させる可能性があるものである。同様に重要なことは、駆動チェーン・ガイド(127)内において、駆動チェーン(110)を潤滑させることである。したがって、駆動チェーン(110)のための潤滑システムが提供され、このシステムは、液体及び/又はスラリが駆動チェーン(110)及び/又は駆動チェーン・ガイド(127)上に侵入することを抑制し、そして、駆動チェーン(110)を潤滑させる。潤滑システムは、図19〜21において詳しく示されている。濾液(52)は、白い液滴として示されており、一方、潤滑オイル(150)は、黒い液滴として示されている。
【0195】
図21は、支持システム(104)及び運搬デッキ(105)の投入端における、部分的に切断した斜視図である。図19及び20に示された支持ビーム(111y)は、図17に示された支持ビーム(111)とは、わずかに相違する。
【0196】
図19は、図11に示されるB−B断面での横方向断面における、拡大された側面図である。図20は、図10に示された長手方向のA−A断面における側面であり、支持システム(104)の一端を示す。図19及び20は、潤滑システムと、駆動チェーン(110)上のオイル移動の経路とを示す。
【0197】
図示された潤滑システムは、オイル入力パイプの、上部(151)および下部(152)のセットを含み、このオイル入力パイプは、オイル供給(図示せず)から駆動チェーンガイド(127)に延び、かつ、駆動チェーン(110)の上方に配置されており、これによって、駆動チェーン軸(153)、ベアリング(154)、リンク(155)及びホイール(144)の上に、動作中において、潤滑オイル(150)を滴下できるようになっている。複数のオイルパイプ(151,152)が提供され、そして、チェーンガイド(127)の長さに沿って配置され、これによって、十分なオイル(150)をチェーン(110)に供給することができる。駆動チェーンガイド(127)のベースは、走行磨耗プレート(156)を含んでおり、そしてこのベースは、横断面において「U」の形状であり、これにより、その中において、オイル(150)を収集し、そして、駆動チェーンホイール(144)のための潤滑槽(lubricating bath)を提供するできるようになっている。これは、駆動チェーン(110)が、ガイド(127)の中を移動するからである。駆動チェーンガイド(127)は、運搬デッキ(105)のそれぞれの端にあるローラスプロケット(112)の間を延びており、かつ、オイルだめ(157)の上方で終了する。このオイルだめは、オイルセパレータ(図示せず)に排出し、このオイルセパレータは、オイル中に残留する濾液を分離する。オイルは、それから、再利用ポンプ(図示せず)に渡される。このポンプは、オイル(150)を投入口パイプ(151,152)に戻して再循環させ、駆動チェーン(110)の上に戻す。スプロケット(112)は、覆い(158)によって、濾液(52)及びスラリ(50)から密封されている。この覆いは、やはりオイルだめ(157)に排出する。理解されることとして、オイルだめ(157)は、操作における必要性に応じて、供給あるいは廃棄に排出することができる。
【0198】
駆動チェーン(110)及びスプロケット(112)は、密封システム(sealing system)によって、濾液(52)及びスラリ(50)から密封される。この密封システムは、長尺状の上部密封ストリップ(124a)、スカート(132)、端部ストリップ(124b)、偏向器(130)、覆い(158)及び軸カバー(159)から構成される。第1の開口(108)は、図15において最も明瞭に見ることができる。
【0199】
長手方向の上部密封ストリップ(124a)、偏向器(130)及びスカート(132)は、駆動チェーン(110)及びガイド(127)を覆う。これらのストリップ(124a)は、それらの長手方向端部において、横方向に延びる端部ストリップ(124b)に接続されている。そして端部ストリップは、密封ストリップ(124a)と共に、低圧チャンバ(107)における上部周縁、すなわち、開口(108)の周囲を規定している。密封ストリップ(124a)は、支持バー(129)に向けて下向きに傾斜しており、これによって、フィルタベルト(102)の横方向エッジは、密封ストリップ(124a)の上方において、これに沿ってスライドする。フィルタベルト(102)の横方向エッジは、このように、ストリップ(124a)の傾斜により、わずかに上方に向けられており、エッジ上のスラリを、重力により中央に戻すように向けるようにしている。そしてこのことは、スラリ(50)が、フィルタベルト(102)とシール(124a)との間に流れてシール(124a)を損傷する可能性を減らす。
【0200】
スカート(132)は、密封ストリップ(124a)の下方において延びており、これにより、支持ビームプレート(131)内の凹み(128)の内部に延びる偏向器(130)を形成でき、そして、液体を、下部駆動チェーン(110)から離れるように、中央に向けることができる。さらなる下部偏向器(133)は、スカート(132)の下方であって、さらに、運搬デッキ(105)の下方において、支持システム(104)及び低圧チャンバ(107)の中央に向けて延びている。軸カバー(159)及び偏向器(135)は、右手側及び左手側のスプロケット(112)の間に延びており、これにより、駆動軸(153)をそれぞれ覆うことができ、そして、落下する液体を、低圧チャンバ(107)の中央に向けて偏向することができる。磨耗ストリップ(136)は、下部チェーンガイド(112)と支持ビーム(111)との間に配置され、その間の磨耗を最小化することができる。
【0201】
図19〜21に示される密封システムは、液体除去装置(100)における脆弱な駆動要素を、液体及び混入物による損傷の可能性から保護することができる。
【0202】
図22は、ダクテッド抽出ファン(113)を示し、これは、低圧チャンバ(107)から空気を排出するように動作し、これによりフィルタベルト(102)にわたる(交差する)圧力差を生成することができる。
【0203】
図23は、濾液再循環チューブ(180a又は180b)の一つ(図7に示される)を示す。これは、濾液(52)を、対応する液体取り出し口(117)及び個室(182b又は182cのそれぞれ)から、隣接する個室(182a又は182bのそれぞれ)の上のスラリの上部に供給するためのものである。この濾液(52’)は、除去のための一回以上の濾過が必要な粒子あるいは混入物を依然として含むことがある。濾液(52’)の濾過は、スラリ(50)の上部に供給されることにより強化される。これは、スラリ(50)中の比較的に大きな粒子が、濾液(52’)中の比較的に小さい粒子のためのフィルタとして働くからである。再循環チューブ(180a又は180b)使って液体をスラリから分離する方法は以下を含む:
・フィルタベルト(102)にわたってスラリを適用すること;
・フィルタベルト(102)にわたって圧力差を適用すること;
・個室(182b又は182c)の上方の積載ベルト部(3)から濾液(52)を収集すること、ここで、濾液(52)は、圧力差によって、スラリから引き出される;
・収集された濾液(52’)のいくらかを、隣接する個室(182a又は182bのそれぞれ)の上方におけるフィルタベルト(102)上に再適用すること。
【0204】
前記した多段階の方法により、「物理的」プロセスの使用によって、濾液中に現存する微粒子の量を大幅に減少させることができる。単純な2段階の再利用の場合であったとしても、必要な凝集剤の量を、比較可能な単一段階のプロセスよりも大幅に減らすことができる。高分子の凝集添加物は、工業的規模で使用する場合は高価であり、したがって、前記方法によって、大幅なコスト削減が可能となる。この多段階の手順は、高含有量の「大きな」固体を持つ組成物スラリからの液体除去において有用である。このような固体は、より細かい成分のためのフィルタ媒質として機能することができる。このようなスラリの例は、木パルプ及び鉄鋼粉砕ごみ(steel mill waste)である。
【0205】
図24及び25は、図7に示されるローラ(160a又は160b)と同様な、フェルト真空ローラ(160)を示す。フェルト真空ローラ(160)は、内部の真空チャンバ(164)と、外部の穴のあるチューブ(163)の形態で提供された回転可能な外表面とを有する筒状のローラである。回転ベアリング(165)は、フレーム(166)(図25に示される)に固定されており、それは、開口(167)を含み、この開口を通って、外側チューブ(163)のスリーブ(168)が通過し、それはベアリング(165)を圧迫する。チューブ(163)は、したがって、静止状態を保つ真空チャンバ(164)に対して回転可能である。
【0206】
真空チャンバ(164)は、ダクト(161a又は161b)(図7に示す)を介して、低圧チャンバ(107)に接続される。
【0207】
外側チューブ(163)は、図24のみに示されるフェルト・アウター(162)の形態で提供された、液体吸収性材料のスリーブを有している。外側チューブ(163)は、穿孔あるいは穴あき(図25参照)とされており、そして、内部の真空チャンバ(164)は、チャンバ取入れ口(169)の形態で提供された長尺状の導管を介して、フェルト・アウター(162)の一部と、流体的に接続されている。チャンバ取入れ口(169)は、フェルト・アウターとフィルタベルト(102)上のスラリ(50)との接続点に向かい合う位置において、内部真空チャンバ(164)から、回転可能な外側チューブ(163)の内部表面(163a)に延びている。フィルタベルト(102)は、運搬デッキ(105)によって動かされるので、フェルト・アウター(162)は、スラリの上部表面と軽く摩擦接触するように配置され、そして、外側チューブ(163)は、この摩擦接触によって、単独で回転する。
【0208】
フェルト・アウター(162)は、スラリ(50)との初期接触によってわずかに圧縮されており、そして、液体内容物(52a)のいくらかを吸収している。真空チャンバ(164)内の真空圧力は、フェルト・アウター(162)と穴あきの外側チューブ(163)とを通して、真空チャンバ(164)の内部に、チャンバ取入れ口(169)を介して、液体(52)を引き出す(矢印(52b)によって示されている)。ローラが回転すると、フェルト素材における圧縮された部分(162x)は拡張し、スラリ(50)から、さらなる液体(52)を吸い取る(矢印(52b)で示される)。さらに、ローラ(160)における、わずかに圧縮された状態は、フィルタベルト(102)に接触しているスラリ(50)から、フィルタベルト(102)を通るように、いくらかの液体を押す(矢印(52c)で示される)。
【0209】
チャンバの取り入れ口(169)は、長尺状の先端密封ストリップ(170a)と、反対側の後端ストリップ(170b)とを有し、それらは、取り入れ口(169)を、外側チューブ(163)の内部表面(163a)に対して密封(seal)する。
【0210】
図24に示されるローラ(160)は、図25におけるローラとは異なり、図24では、取り入れ口(169)は、非対称の横断面を有するように構成されている。そしてここでは、より高い先端(170a)が、スラリ(50)における、より高い上面に対応するために、備えられている。このことにより、スラリ(50)がローラ(160)の下方を通過する際の液体吸収を、最大化することができる。チャンバの取り入れ口(169)は、リップ(172)により形成された制約部分(171)を介して、真空チャンバ(164)に接続されており、それは、今度は、真空チャンバ(164)内における長尺状の凹み(173)を、リップ(172)よりも低い重力的なポイントにおいて(at a lower gravitational point)、提供している。液体(52’)は、真空チャンバ(164)の内部に、ミストあるいはガスとして引き込まれるので、それは、制約(171)を、低い圧力で通過する。そして、いくらかの液体は、真空チャンバ(164)内で集約されて液滴を構成し、そのいくらかは、凹み(173)の内部に落下し、そして、低圧チャンバ(107)に、ダクト(161)を介して排出される。
【0211】
図25における真空ローラ(160a又は160b)は、図24のローラ(160)とはわずかに異なっており、ここでは、取り入れ口(169)は、対称の、扇状の断面を有するように形成されており、これによって、ローラ(160a又は160b)は、「方向性」でないものとなっている。すなわち、ローラ(160a又は160b)は、回転方向に関係なく使用できる。
【0212】
図24〜25における真空ローラ(160,160a,160b)は、適宜な範囲内の液体含有量を持つスラリを、最適レベルで操作すると考えられる。したがって、図7に示されるように、必要なスラリ液体含有量に対応して、ローラ(160a,160b)を、積載ベルト部(3)に沿って、間隔を置いて配置することができる。
【0213】
好ましい実施形態では、ローラ(160a,160b)におけるフェルト・アウター(162)は、液体で予侵される。このことは、液体除去における初期性能を改善する。
【0214】
ポリマの凝集剤は、典型的には、それらをスラリ固体に引き付けて、それらを結合あるいは「凝集」させる電荷を有する。そのような凝集剤を用いる応用においては、フェルト真空ローラ(160a,160b)は、フェルト・アウターを使うことによって、この特性を利用することができる。ここで、フェルト・アウターは、凝集剤に対して反発する電荷を有する高耐久性の合成保護素材(例えばポリエステル)を備えた、高い吸収性材料(例えばウール)を有する。結果として、ローラ(160a,160b)を使って、固体を通過させないで液体を吸収することができる。
【0215】
真空ローラ(160)は、細かい粒子を持つ様々なタイプのスラリを処理することができる。しかしながら、凝集添加物が用いられたときにのみ、最適な濾過効果を達成すると考えられる。なぜなら、凝集剤なしでは、比較的に細かい粒子が、液体に伴って、フェルトによって収集され、そして、真空ローラ(160)を通して、十分に濾過されていない濾液が排出される結果となるからである。
【0216】
図26は、図7に示された真空ローラ(160c,160d)の二重セット(dual set)を示す。二重の真空ローラ(160c,160d)は、個別には、図25の単独真空ローラ(160a,160b)と同じものである。これらのローラ(160c,160d)は、落下する製品(51)に向くように上方に向けられた対向する取り入れ口(169c,169d)を有し、反対方向に回転する。これにより、それらの間を製品(51)が通過するときに、それを捕捉して処理することができる。ローラ(160c,160d)は、スラリ(51)において残存する液体を吸引して、ダクト(161c)を介して低圧チャンバ(107)へ送ることができる。真空ローラ(160d)は、スライド可能なように搭載され、かつ、スプリング(174)によって、ローラ(160c)に向けて付勢されている。これによって、ローラ(160c,160d)間の距離を動的に調整することができ、このため、もし製品(51)内の特に大きい及び/又は堅い固体がローラ(160c,160d)の間を通過するときにおいても、損傷の可能性を避けることができる。
【0217】
当業者には明らかなこととして、図7,24,25,及び又は26のローラ(160,160a,160b,160c,160d)を、本発明の液体除去装置以外でも、様々な液体除去/吸収プロセスに適用することができる。例示として、図27は、ベルト・プレス(90)で用いられる二重の真空ローラ(160c,160d)を示す。漏斗(175)を用いて、ローラ(160)の間に製品(51)を案内することができる。
【0218】
図28は、液体除去システム(102)を傾斜させる効果を示し、ここでは、取り入れマニフォールド(125)が、取り出し口(126)よりも低く/高くされている。すなわち、積載ベルト部(103)は、水平に対して傾斜される。流体ジャッキ(137)(図7〜13においてより明瞭に示す)は、装置(100)の、あるいはその代わりに、支持システム(104)又は運搬デッキ(105)の、一端又は両端を持ち上げ又は低下させて、積載ベルト部(103)の傾斜を調整することができる。傾斜を調整することにより、重力の下で、フィルタベルト(102)上への、スラリ(50)の速さと供給とを変えることができる。なぜなら、スラリは、その上面が水平となるように広がるからである。
【0219】
図28a及び28bに示されるように、スラリは、いずれにおいても、投入マニフォールド(125)から先に向けて、あるいは離れるように形成された、厚い部分と共に供給される。これは、液体除去装置(100)が、それぞれ、投入マニフォールド(125)の端部から、上方あるいは下方に向けて傾斜しているからである。流体ジャッキ(137)を制御器あるいはセンサに接続することができ、これらは、スラリの流量を検出し、そして、液体除去装置(100)の傾斜を動的に調整することができ、これにより、例えば、流量の急上昇に対応することができる。水平方向フィルタベルト(102)におけるスラリ流量の急上昇は、フィルタベルト(102)上で、スラリがあまりに速く/遠くに移動することを意味し、このことは、液体除去の有効性を減らす可能性がある。好ましい実施形態では、液体除去装置(100)は、スラリ流量が高すぎることが検出されたら、マニフォールドの端部から上方に傾斜され、スラリ流量が低すぎたら、下方に傾斜される。
【0220】
図29及び30は、投入供給マニフォールド(510)を有する投入調整システム(500)を示す。マニフォールド(510)は、可変ノズル取り出し口(511)と散布シュート(512)とを有し、散布シュートは、ノズル取り出し口(511)からフィルタベルト(102)に延びる。マニフォールド(510)の内部には、「V」形状とされた混合プレート(501)があり、それは、スラリ(50)を混合する。凝集剤がスラリ(50)に添加された場合、混合プレート(501)の周りでの乱流は、凝集剤の混合と散布とを助ける。二つの調整可能で回転可能な方向ガイド(502)は、スラリ(50)の散布状態を変え、そして、ハンドル(503)によって、外部的に調整される。
【0221】
導入調整システム(500)は、オーガ(auger)部(504a,504b)の形態で提供された拡散器(spreader)を有し、それは、スラリ(50)を横方向に供給し、そして、スラリ(50)の内部の固体を攪拌する。オーガ部(504a,504b)は、共通シャフト(513)に据え付けられている。拡散器(504)は、スラリの流れに直交する軸を中心として回転し、そして、可変スピード/方向のモータ(505)で駆動される。オーガ(504a,504b)における螺旋状のフランジは、中央のシャフト位置(504c)から、互いに離間するように向けられており、そしてそれは、通過するスラリ(50)を攪拌して、横方向に広げる。オーガ(504a,504b)における螺旋状のフランジは、スラリ(50)を、中央部(504c)に向けて、あるいはそこから離れるように広げる。これは、シャフト(513)が、時計方向あるいは反時計方向(モータ(505)に最も近い端部から見たとき)に回転するかどうかにそれぞれ依存する。螺旋状の構成は、スラリ(50)を横方向に供給することに加えて、スラリ中の固体が拡散器(504)に滞留した状態となることを防ぐ。
【0222】
投入調整システム(500)は、圧縮されたガス供給(図示せず)に接続されたエアストーン又はピッコロチューブ(506)の形態で提供されたガス攪拌器/エアレータも有する。スラリ(50)中の空気(507)は、スラリがフィルタベルト(102)上で濾過される前に、ある種のスラリ(50)内の比較的に軽い粒子(例えば比較的に細かい灰粒子、あるいは、集合した汚水ファイバ)を、スラリ(50)の上部に持ち上げることができ、したがってこれにより、スラリ(50)を分離することができる。このスラリ(50)の「分離」は、スラリ(50)の底部に沿って、濾過された重い粒子が簡単に移動することを意味し、さらにそれは、より軽い粒子から液体を濾過するためのフィルタとして作用する。さらに分離は、比較的軽い、一般的には小さい粒子による、フィルタベルト(102)の目詰まりを避けることを助ける。
【0223】
流速制御(508)は、ガスチューブ(506)の下流に提供される。流速制御(508)は、調整可能なフラップ(508a)を含み、これは、バー(508b)の位置を変化させることで調整される。流速制御(508)のフラップ(508a)は、フィルタベルト(102)上に供給されるスラリ(50)の厚さと流速とを制御するために作用する。観察窓(509)により、ユーザは、スラリ(50)を見ることができ、このために、ガイド(502)と拡散器(504)とを正確に調整でき、これにより、フィルタベルト(102)上にスラリ(50)を望ましいように散布できる。
【0224】
図31及び32は、他の投入調整システム(520)を示しており、これは、比較的に高密度な、例えば高い砂含有量を持つ粒状スラリについて用いられる。投入調整システム(520)は、同様に(ハンドル521を介して)調整可能な、方向ガイド(522)を有し、これは、図30に示される方向ガイド(502)と同様である。調整システム(520)は、スラリ投入パイプ(531)に接続されたマニフォールド(530)を有する。マニフォールド(530)は、高さ(532)と方向(533)とについての調整機構を有する。高さ調整機構(532)は、マニフォールドのノズル取り出し口(534)と、マニフォールド(530)と液体除去装置(100)との間の扇形投入シュート(523)におけるベースとの間の距離を調整できる。方向調整機構(533)は、マニフォールド・ノズル取り出し口(534)の角度を、投入シュート(523)のベースに対して変える。
【0225】
投入シュート(523)は、水平に対して傾斜しており、これによって、重力を用いて、液体除去装置(100)に向かうスラリの流れを助けることができる。横方向のマニフォールド・ノズル取り出し口ガイド(535)は、マニフォールド(530)内において、いくらかのスラリ流を分散させることによって、スラリをさらに散在させる。高さ(532)及び方向(533)の調整機構は、それぞれ、スラリ(50)の散布と方向を制御する手段を提供する。例えば、マニフォールドノズル取り出し口(534)の高さを増すことにより、拡散を増大させることができ、一方、マニフォールドノズル取り出し口(534)の向きを変えることにより、スラリ流の方向と速さを変えることができる。ゴムの保護密封ストリップ(524)は、シュート(532)とフィルタベルト(102)との隙間に粒状製品が移動することを避けるために、そして、濾過を助けるために、提供される。
【0226】
図33及び34は、他の投入調整システム(540)を示し、これも、比較的に高密度で粒状のスラリに効果的である。投入調整システム(540)は、(ハンドル541を介して)調整可能で、かつ、回転可能な方向ガイド(545)とマニフォールド(550)とを有する。調整可能な分散フラップ(551)は、スラリの投入流れの速さ及び散布を制御可能とする。フラップ(551)は、引っ張り力がかけられており、かつ、取り出し口(553)の上方における高さについて調整可能となっており、これによって、スラリの分散を変えることができるようになっている。投入調整システム(520)におけると同様に、投入シュート(543)は、液体除去装置(100)に向けて、下方に傾斜している。ゴムの保護密着ストリップ(544)は、シュート(543)とフィルタベルト(102)との間の隙間に粒子状製品が入ることを避けるために、そして、濾過を助けるために、提供される。
【0227】
図35は、さらに他の投入調整システム(560)を示し、これは、例えば生物学的スラリなどの適宜のスラリにおける大量の液体を「事前濾過」して、スラリ(50)を、濾過の前に「濃縮」する。凝集添加剤が典型的には追加され、これにより、スラリ中の粒子を凝集し、比較的に小さい粒子についての濾過と操作とを助けることができる。調整システム(560)は、マニフォールド(570)の一部として形成された事前濾過チャンバ(571)中に配置されたエアレータ(561)を有する。事前濾過チャンバ(571)は、マニフォールド取り入れ口(572)を介して、投入スラリに流体的に接続されている。エアレータ(561)は、空気の泡の流れを提供し、これは、スラリ(50)における比較的に軽い粒子を持ち上げる。事前濾過チャンバ(571)は、二つの部分から形成される。第1の「持ち上げ」部分(571a)は、エアレータ(561a)を有しており、これは、スラリ(50)に通気して、スラリ(50)内の固体内容物における比較的に軽い粒子を持ち上げるように構成される。
【0228】
「持ち上げられた」スラリは、それから、「抽出」チャンバ(571b)に進む。このチャンバは、ガス透過性膜により覆われた凹み(565)であり、ガス透過性膜は、凹み(565)を覆うように延長されたウェッジワイヤ・スクリーンの形態で提供されている。ウエッジワイヤ・スクリーン(562)は、くさび形状(例えば横断面において三角形状)の格子要素を有する格子(grating)である。ウエッジワイヤ・スクリーン(562)は、排出チャンバ(571b)に向けて下向きとされた各くさびにおける頂点を備えて構成されている。ウエッジワイヤ・スクリーン(562)の上面は、上方に向けられており、これにより、スラリ固体が通過できない、平坦な格子上面を提供している。しかしながら、スクリーン(562)は、エアレータ(561b)からの空気の泡の流れに対しては、多孔性を保つ。
【0229】
バルブ(573)は開けられており、これにより、排出チャンバ(571b)内の液体を、抽出取り出し口(574)を介して、排出できるようになっている。ウエッジワイヤ・スクリーン(562)は、固体と液体とからなる上部のスラリ層(563)と、液体のみからなる下部のスラリ層(564)との間に置かれている。液体抽出取り出し口(574)は、液体(52’)を抽出するためのウエッジワイヤ・スクリーン(562)の下方に配置されている。エアレータ(561)からの空気の泡は、固体を上部層(563)に付勢し、一方、液体の下部層(564)は、排出チャンバ(563)内に入り、そして排出される。
【0230】
エアレータ(561)、ウエッジワイヤ・スクリーン(562)及び液体抽出取り出し口(574)は、「分離機構」を集合的に形成し、これは、事前濾過チャンバ(571)の範囲内において、スラリ固体を上部層(563)に規制する。
【0231】
ウエッジワイヤ・スクリーン(562)は、液体が凹み(565)に流れ込むことを許容するけれども、一定の固体が凹み(565)及び抽出取り出し口(574)に入ることを妨げる。比較的に小さい、軽量の粒子あるいは凝集物(floc)は、ウエッジワイヤ・スクリーン(562)上に落下していくけれども、それを通過しない。なぜなら、エアレータからの空気の泡が、「空気バリヤ」を、ウエッジワイヤ・スクリーン(562)中の隙間に提供するからである。濾過された液体(52’)を、さらなる濾過のために再循環することができ、あるいは、もし十分に濾過されているならば、他のところで利用することができる。
【0232】
この調整システム(560)は、スラリ(50)がフィルタベルト(102)に進む前に、そこから大量の液体を事前濾過する方法を提供する。これにより、液体除去装置(100)の効率を改善することができる。調整システム(560)は、比較的に低い密度の粒子を含むようなスラリ(例えば、生物学的なスラッジ、石炭ダスト、及び、鉄鋼粉砕ごみ)に一般的に適しており、そして、液体除去装置(100)に、必要ならば/必要なときに、取り付け可能である。
【0233】
図36は、代替的な投入調整システム(50)を示す。これも、投入スラリ(50)の事前濾過あるいは「濃縮」のために用いられる。調整システム(580)は、凝集剤で効果的に凝集する細かい粒状組成物を有するスラリにおいて有用である。調整システム(580)は、一般的な沈殿槽(settling-tank)の役割を実行することにより、当然、他のスラリタイプについて使用可能である。調整システム(580)は、スラリ投入パイプ(591)に接続された事前濾過チャンバ(581)を備えたマニフォールド(590)を有している。事前濾過チャンバ(581)は、一連の9個のバッフルを有しており、それらは、垂直から傾斜している。第1のバッフルは、矢印(582)で示されている。
【0234】
凝集添加剤がスラリ(50)に添加され、そして、スラリ(50)は、事前濾過チャンバ(581)にポンプで送り込まれる。ここでは、比較的に大きい及び/又は密度の高い粒子が、チャンバ(581)のベース(583)上に沈殿し、そして、液体除去装置(100)のマニフォールドノズル取り出し口(592)に進む。マニフォールドノズル取り出し口(592)は、それを通る体積流量を制限する規制を提供する。したがって、もし、取り入れ口(591)からのスラリの体積流量がノズル取り出し口(592)を通る体積流量を超えるときは、スラリ(50)は、ノズル取り出し口(592)の上方の事前濾過チャンバ(581)内に溜まる。
【0235】
比較的に軽い粒子と凝集剤とは、バッフル(582)と、浮いている液体透過性の固体バリアとを通って、上昇する。ここで、固体バリアは、凝集物フィルタあるいは「ブランケット」を形成する凝集した固体により構成される(破線584で指示されている)。凝集物フィルタバリア(584)は、液体含有物の通過を許容するが、このバリヤは粒子の上昇を止め、この粒子は、凝集物フィルタバリア(584)内に溜まる。各バッフル(582)は、それらの内部におけるスラリの移動を許容する開口(588)を有する。バッフル(582)は、スラリ流を妨げ、そして弱め、それによって、事前濾過チャンバ(581)を通る乱流を減らし、さらに、フィルタバリヤ(584)を形成することと、固体が沈殿することとを助ける。理解されることとして、もし、事前濾過チャンバ(581)を通る流量が多すぎると、乱流は、凝集物フィルタバリヤ(584)を壊すかもしれない。
【0236】
事前濾過チャンバ(581)は、可変の水平断面領域を有する先細り状(テーパー状)の「拡大」部(589)も有する。スラリ流量が変化すると、凝集物濾過バリヤ(584)は、拡大部(589)を上又は下に移動し、このとき、対応して、凝集物濾過バリヤ(584)により占められる表面領域が変化する。
【0237】
濾過された液体(52’)は、事前濾過タンク(581)の壁(593)に沿って上昇し、オーバーフロー溝(585)の中に入る。この液体(52’)の排出は、バルブ(587)により制御される取り出し口パイプ(586)の形態で提供された液体抽出取り出し口を介して行われる。
【0238】
観察窓(594)が、濃縮器タンク(581)内に提供され、これにより、凝集フィルタバリヤ(584)の高さ及び完全性についての監視ができる。
【0239】
動作においては、液体除去装置(100)が一旦始動すると、スラリは、事前濾過チャンバ(581)に流れ込み、凝集添加剤がスラリ固体を凝集させ、比較的に重い凝集固体が、チャンバの床(583)に沈殿し、そして、マニフォールドノズル取り出し口(592)から外に通過する。より乱流となっているスラリ流上部は、バッフル(582)に衝突する。そして、凝集濾過バリヤ(584)は、スラリ流の押し上げ力と、重力効果に対抗する凝集濾過バリヤ(584)の浮力との競合する力で規定されるレベルを形成する。濾過された液体(52’)は、凝集濾過バリヤ(584)を自由に通過して、オーバーフロー溝(585)及び取り出し口パイプ(586)に達することができる。
【0240】
事前濾過チャンバ(581)を通るスラリ流を調整して、動的な平衡を維持することができる。ここでは、マニフォールド(590)からのスラリ出力(高濃度沈殿固体を有する)における管理可能な速さが、凝集濾過バリヤ(584)を通る液体(52’)の流量によって、そして、拡大部(589)の内側における凝集濾過バリヤ(584)の対応する高さによって、バランス状態に維持される。投入調整システム(580)は、スラリを、液体(52’)の上部層(595)と、スラリ(50)の固体及び液体の下部層(596)とに分離する。凝集フィルタバリヤは、これらの層の間に置かれ、これらの層間の境界を規定する。上部及び下部の層は、図36において、凝集フィルタバリヤ(584)における大体のレベルを通る破線から延びる矢印(595,596)で示される。理解されることとして、凝集フィルタバリヤ(584)は、水平でなくてもよく、事前濾過チャンバ(581)の対応箇所でのスラリ流によって、その高さが変化する。
【0241】
理解されることとして、代替的な実施形態においては、浮遊する、又は静止する液体透過膜を、凝集フィルタバリヤ(584)に代えて使用することができる。
【0242】
投入調整システム(580)の傾きを調整して、マニフォールド取り出し口(592)を通る流れを変え、そして、凝集フィルタバリヤ(584)を通過する濾液の量を調整することができる。
【0243】
したがって、投入調整システム(560及び580)は、高い液体含有量を持つ投入スラリから、液体含有量におけるかなりの部分を事前濾過するための機構を提供し、これにより、後続の液体除去装置(100)において必要な液体除去のレベルを減らすことができる。
【0244】
理解されることとして、前記したように、投入調整システム(500,520,540,560及び580)は、ここで説明されたもの以外の、他の液体除去装置と共に使用可能である。さらに、応用として、投入調整システム(500,520,540,560及び580)を、独立に液体除去装置として、又は、他の機構又はプロセスのための事前フィルタとして使うことができる。
【0245】
図36は、スラリ塊形成器(600)をも示しており、これは、図37及び38において、より詳しく示され、そして下記に記載される。このスラリ塊形成器(600)は、必要なら、投入調整システム(500,520,540,560)と共に使用できる。
【0246】
図37を参照して、スラリ塊形成器(600)の実施形態が示され、これは、調整可能な流量制御(601)を含み、これは、マニフォールドノズル取り出し口(592)からフィルタベルト(102)上に供給されるスラリ流の厚さと速さとを制御する。流量制御(601)は、効果的には、可変開口ノズル又はバルブである。図36〜38で示される実施形態では、流量制御(601)は、プレートあるいはフラップ(602)から構成され、これは、ハウジング(106)及びフィルタベルト(102)の幅にわたって延びている。流量制御バー(603)は、フラップ(602)を所定位置に保持しており、そして、このバーを調整可能として、フィルタベルト(102)までの距離を変化させることができ、したがって、マニフォールドノズル取り出し口(592)から流れるスラリ(50)の体積流量を変化させることができる。
【0247】
図37に示されるように、スラリ塊形成器(600)は、形成器(604)をも有し、これは、フィルタベルト(102)の位置の上方に配置された調整可能な硬質導管(605)から形成される。この形成器(604)は、流量制御(601)とマニフォールドノズル取り出し口(592)とからのスラリ(50)を案内し、これにより、スラリ(50)のブロックあるいは「塊状物」を形成することができる。形成器(604)は、濾過されたスラリ「塊状物」の形状、幅、厚さ及び特徴を制御するように形成されうる。
【0248】
スラリ(50)に求められる厚さは、スラリのタイプに応じて、そして、液体除去における圧力差がどれだけ有効かに応じて、変化する。例えば、比較的に高密度なスラリは、低密度なスラリに比べて、比較的に薄い層として配置される必要があるかもしれない。形成器導管(605)の形状を選択して、フィルタベルト(102)の幅及び/又は長さにわたる液体除去の分布状態に影響することができる。例えば、形成器導管(605)は、稜線、ガイド又はスロットを有することができる。形成器(604)によって生成された塊状物(50)の形状は、液体除去後の結果的な製品(51)の形状に影響する。
【0249】
スラリ塊形成器(600)は、柔軟な表面ワイパ(606)をも有する。これは、形成器導管(604)から、フィルタベルト(102)に向けて延びる。この表面ワイパ(606)は、図38において、拡大されて示される。この図は、スラリ塊状物上における、それの効果を示す。表面ワイパ(606)は、長尺状で先細り状とされたスロット(607)を、低部ワイパ表面と上部フィルタベルト表面(102b)との間に生成する。したがって、表面ワイパ(606)は、スラリ/粒子製品の上面に圧縮力を適用し、幾らかの液体を、スラリ固体とフィルタベルト(102)とに通過させる。ワイパ(606)は、摩擦的かつ研磨的な力を、スラリ(50)の上面に適用し、これによって、粒子の上部層は、隣接する下部層からせん断される。
【0250】
ワイパ(606)とスラリ(50)との間の、境界的層接触によって生じる摩擦は、フィルタベルトの移動の方向に対して、効果的に表面層を「剥がす」あるいは回す。このことは、図38中の一連の回転矢印(609)によって示されている。したがって、結果として、ワイパに最も近いスラリは、下方におけるスラリ層よりも遅い速さで移動する。小さな割れ及び亀裂(破線(608)で示す)を、これにより、スラリ上面に生成することができる。これらの表面割れ(608)は、スラリ(50)を通る、空気又は液体の通路を提供し、そして、上面が有効な空気不透過層となることを防ぐ。大きな下向きの矢印(610)は、ワイパ(606)及びスラリ(50)上に下向きに作用する、圧力差の力を表す。
【0251】
表面ワイパ(606)は、大きな圧力差の力(小さい黒矢印(611)で示す)にさらされるスラリ(50)の厚さの制御としても作用する。
【0252】
表面ワイパと硬質導管とは、スラリ(50)を形成し制御するだけでなく、下方のスラリが受ける局所的圧力差を総体的に減らすことができる。スラリを排出するマニフォールドノズル(592)は、初期には「優しい」液体除去を受け、これにより、製品濾過塊状物(50)は、フィルタベルト(102)を通して細かい粒子を引き出すための目一杯の圧力差における乱暴な効果を用いずに、小型化される。凝集剤が使用されるスラリでは、こうした初期の「優しい」分離を行うことにより、大きな真空によって液体と共に凝集剤が除去される可能性を減らすこともできる。このように、液体内容物についての初期の減少により、凝集剤が集中し、そして、スラリ中の対応する凝集物が増えると、凝集の形成は、一層効果的となる。
【0253】
図39は、バキューム形成器(624)の形態における、代替的なスラリ塊形成器(620)を示しており、これは、図37に示される形成器(604)とは異なる機構において動作する。バキューム形成器(624)は、フラップ(622)と調整バー623とを有する流量制御(621)を有し、それは、マニフォールドノズル取り出し口(592)に接続された、可変的な開口ノズルを形成する。バキューム形成器(624)は、図38に示された表面ワイパ(606)と同様な表面ワイパ(626)をも有する。バキューム形成器(620)は、例えばあるタイプの粘土のように、粗大粒で構成されるけれどもしっかりと結合されているようなスラリについての使用において有用である。バキューム形成器(624)は、ウエッジワイヤ・スクリーン(627)の形態における透過性膜と、バキューム・フード(628)とを組み込んでおり、バキューム・フードは、各端部において、表面ワイパ(626)と流量制御フラップ(622)とに対して、それぞれ密封(シール)されている。超過液体取り出し口(629)は、ウエッジワイヤ・スクリーン(627)を通過する液体を抽出するために提供される。
【0254】
したがって、形成器(624)内のスラリ(50)の上方及び下方において、真空圧力が形成され、ここでは、上部の真空は、ウエッジワイヤ・スクリーン(627)を通して、上面の液体を吸引し、一方、下部の真空は、前記したように液体を除去する。バキューム・フード(628)は、規制バルブ(630)を有し、これは、上部の真空力を制御する。したがって、スラリ表面からの一定程度の液体除去に追加して、真空形成器(624)は、真空形成器(624)の下方においてスラリがさらされる、真空調整システム(109)からの、総体的な局所的圧力差(低圧チャンバ(107)を介してもの)を減らす。したがって、マニフォールドノズル(592)を出るスラリは、より「優しい」初期液体除去にさらされる。これにより、製品濾過塊状物(50)を、フィルタベルト(102)を通して細かい粒子を引き出す完全な真空圧力による暴力的な効果なしで、圧縮することができる。さらに、前記したように、このような「優しい」初期分離は、その後の濾過の利点を、凝集物形成において提供する。このような真空形成器(624)は、例えば生物学的スラッジ、石炭、及び鉄鋼粉砕ゴミ/切れ端、及びある種の細かい砂のような、細かい粒子と凝集剤とを有するスラリからの液体除去において典型的には使用される。
【0255】
図40は、減衰大気圧スラリ形成器(640)の形態における他のスラリ塊形成器を示しており、これは、図39に示された真空フード(628)の位置に置かれた受動圧力フード(641)を用いる。この受動圧力フード(641)は、取り入れ口バルブ(642)を有しており、これは、取り入れ口ダクト(643)を閉鎖するように付勢されている。下部バキューム(109)がスラリ(50)から液体を引き出すように動作すると、バルブ(642)は大気圧に対して開く。しかしながら、フラップバルブ(642)は、フード(641)に入る大気圧気体の量も制御しているので、フラップバルブ(642)の付勢力と、したがって、フード(641)に入ることが許される気体の量とを変えることによって、フィルタベルト(102)とスラリ(50)とにわたる圧力差を制御することができる。
【0256】
したがって、バルブ(642)は、以下のように構成される。すなわち、フード(641)の下方のスラリ(50)にわたる圧力差は、表面ワイパ(644)からスラリ形成器(640)を出るスラリにわたるものよりも小さい。スラリ(50)の下方における真空力の程度は、バルブ閉鎖の力によって、部分的に減衰されるので、マニフォールドノズル(592)を出るスラリは、したがって、より優しい初期液体除去にさらされる。このような受動圧力形成器(624)は、典型的には、大粒子と微小粒子との両方を有するスラリからの液体除去において使用される。このようなスラリでは、微小粒子は脆弱であり、初期の圧力差にさらされるフィルタベルトを通して液体とともに引き出される。このようなスラリは、例えば、フライアッシュ(fly-ash)、木パルプ、及び細かい砂を含む。
【0257】
図41は、液体除去装置(100)における運搬デッキ(105)とフィルタベルト(102)とを駆動することによる、スラリ(50)についての効果を示す。この駆動は、間欠的に、つまり「パルス」で行われる。このことは、象徴的に、右から左に進んで停止する矢印表示で示されている。液体と固体とからなる組成物スラリから液体を除去する、この方法は、液体除去装置(100)を用いており、そして、本発明の液体除去装置を含む多様な応用において使用されうる。最も広い形態において、この方法は以下を含む:
−第1の開口(108)の上方において、フィルタベルト(102)を、第1の速度で移動させること;
−フィルタベルト(102)における第1の側部にスラリ(50)を適用すること;
−フィルタベルト(102)における第1(102a)と第2(102b)の側部の間に、圧力差を適用すること、そして、
−移動するフィルタベルト膜(102)における前記第1の速度を周期的に変化させて、可変のパルス状運動量(impetus)をスラリ(50)に適用すること。
【0258】
可変の運動量を適用することにより、スラリ製品は、揺らぎ、あるいは振動する。フィルタベルト(102)に最も近いスラリ(50b)は、周期的な運動量パルスに対して、最小の慣性力を持つ。したがって、速度の変化により、製品における上端レベル(50a)は、より大きなモーメント変化を受け、これにより、表面クラック(91)などが生成されやすくなる。これは、スラリ(50)内におけるアクセス通路(91)を提供し、この通路を通って、スラリ液体(52)は、圧力差による力を受ける。スラリ(50)は、小さくて軽い粒子凝集物(50a)でできた上部の層と、大きい粒子(50b)でできた低部の層とからなる二つの層を有する。運搬デッキ(105)が間欠的に駆動されると、クラック(91)がスラリ(50)内に形成され、これを介して液体(52)が引き出される。このスラリ(50)の「撹拌」は、上部層(50a)に現れる液体の除去を助ける。これは、他の方法では、下部の層(50b)を通って引き出すことが難しいかもしれない。例えばもし、液体が低部の層(50b)から除去されると、液体は、上部の層(50a)上にたまるかもしれない。
【0259】
図42は、運搬デッキとフィルタベルト(102)との駆動によって生じる、スラリ(50)の形成を示し、この駆動は以下において行われる:
−一定の速さ(図42a);
−間欠的パルスを用いた、遅い駆動速さ(図42b)、そして
−間欠的パルスを用いた、早い駆動速さ(図42c)。
【0260】
フィルタベルト(102)が間欠的に駆動されると(図42b、図42c)、割れ目あるいはクラック(91)が、スラリ(50)内に発生する。これは、クラック(91)や他の表面不規則性あるいは不連続性が無い場合に比較して、クラックを通る液体(52)の除去を早める。クラックの形成は、スラリ粒子サイズ及び組成、液体含有量、並びにパルスの構成によって変化する。例えば、クラックは、砂のような自由に流れる顆粒状粒子においては、通常、発生しない。理解されることとして、適切なスラリにおいては、もし駆動スピードが早くてパルス間の間隔が比較的に長ければ、すなわち、スラリのモーメントが最大化されれば、形成されるクラックは、比較的に大きい。比較的に低い周波数を速度変化パルスに適用することは都合が悪いと考えられる。
【0261】
図43は、フィルタベルト(102)上のスラリを撹拌するための代替的な方法を示し、これによって、スラリ構成の連続性を撹拌して阻害し、これにより、液体除去を強化する割れ目(91)を形成することができる。可変の運動量は、機械的な撹拌あるいは、フィルタベルト(102)の移動に直交する面内でのフィルタベルト(102)の振動により提供される。この撹拌は、フィルタベルト(102)の下方で振動するプラットフォーム(92)により提供され、これは、回転する偏心クランク(93)などにより動作される。
【0262】
他の好適実施形態による液体除去装置(700)が図44に示されており、これは、単一のハウジング(706)内の二つの運搬デッキ(705a,705b)を有する透過性膜支持システム(704)を備える点において、先の実施形態とは異なる。二つの運搬デッキ/低圧チャンバ(705a,705b/707a,707b)により、フィルタベルト(102)に沿って二つの異なる圧力差を適用することができる。一実施形態では、第2の低圧チャンバ(707b)は、大気に対して、第1の低圧チャンバ(707a)よりも低圧に維持される。したがって、第1のチャンバ(707a)における低い圧力差により、低積極性の液体抽出段階において、スラリ(50)から液体の大部分を除去することができ、しかもこのとき、粒子あるいは除去された過剰な凝集剤によって濾液(52)が汚染されることがない。第2の低圧チャンバ(707b)は、それから、より高い圧力差をスラリ(50’)に適用して、残存する液体を抽出することができる。
【0263】
単一のフィルタベルト(102)は、両方の運搬デッキ(705a,705b)の上方において延びている。「二重の」液体除去装置(700)における第1の低圧チャンバ(707a)は、先に記載した実施形態(1,100,200,300)と同様にして動作する。しかしながら、第2の低圧チャンバ(707b)は、二つの運搬デッキ(705a,705b)の間を延びる、フィルタベルト(102)の中央部(102x)を通る上向きのダクト(714b)を介して、空気を排出する。中間のフィルタベルト部(102x)を通る、この空気の排出は、調整システムとして作用する。このシステムは、第1の運搬デッキ(705a)の上方から、第2の運搬デッキ(705b)に向けて通過する製品(50)に、通気する。そして、第2の運搬デッキ(705b)の上方においてフィルタベルト(102)にわたる圧力差にスラリがさらされる前に,スラリの中における細かい粒子を、スラリの上部に持ち上げる。前記したように、単一の運搬デッキを使用するときは、積載ベルト部の上へのスラリ流は、乱暴な圧力にさらされる。そして、スラリ中の細かい粒子は、凝集剤(使用されている場合)が細かい粒子に結合して大きな凝集物を作るまでに時間を要する場合、フィルタベルトを通過させられてしまうかもしれない。したがって、異なる圧力差にある二つの運搬デッキを使うことにより、前記実施形態のように、第1の運搬デッキ(705a)の上方において、低い力によりスラリを事前濾過した後に、それを、第2の運搬デッキ(705b)上の強い力にさらすことができる。
【0264】
前記した「二つのデッキ(twin-deck)」の実施形態は、互いに結合させるための凝集を必要とする大量の微粒子要素を有するスラリの処理において、特に有用である。このようなスラリは、嫌気性又は好気性のスラッジ、下水あるいは他の生物学的スラッジ、鉄鋼粉砕くず、石炭の灰(coal ash)、多量の細かい砂を有するスラリを、一例として含む。
【0265】
図45は、本発明の一側面による液体除去装置についての、さらに他の実施形態を示す。図示された液体除去装置(800)は、図1〜4の装置(1)とは異なり、ハウジング(806)が大気から密封されており、そして、超大気圧のあるいは「高圧の」チャンバ(808)を形成している。ここには、空気あるいはガスが、ガス取り入れ口(809)を介して、ポンプで注入される。低圧チャンバ(807)と運搬デッキ(805)とは、大気に排出するガス取り出し口(817)を用いて、図1〜4に示す実施形態と同様に動作する。低圧チャンバ(807)は、フィルタベルト(802)の上部周縁あたりに延びてこれと密着する周縁シール(824)(端部シールのみ図示する)を有する。運搬デッキ(805)は、駆動ローラ(812)を有しており、運搬デッキは、ハウジング(807)の内部に完全に配置されている。
【0266】
ハウジング(806)と高圧チャンバ(808)とは、圧力が加えられた投入マニフォールド(803)を介したスラリ(50)の進入により、そして、回転シーリングバルブ(811)を有するダクト(810)を介したハウジング(806)からの製品(51)の排出により、密封状態に維持される。装置(800)を使って、かなり高い圧力差を、フィルタベルト(802)にわたって生成することができ、あるいは、超大気圧に維持しないと気化するような液体/固体を有するスラリを処理することができる。さらに望ましくは、既定組成のスラリに特定のガスを通過させて、所望の化学的反応を達成することができる。密封されたハウジング(806)により、このような反応を起こさせることが可能となり、このとき、環境中大気圧からの汚染や干渉を避けることができる。
【0267】
この環境的密封を維持するために必要なことは、スラリ/製品の投入及び流出を介した漏れを避けることである。理解されることとして、図45に示された方法に加えて、いくつかの方法が適用可能である。取り入れ口マニフォールド(803)は、十分な圧縮された供給が維持されるときは、スラリ自体によって単純に密閉されうる。
【0268】
図46は、図45に示す液体除去装置(800)を変形した液体除去装置(850)を示す。液体除去装置(850)は、透過性部材支持システム(854)を含み、これは、図1に示される実施形態と同様に機能する。運搬デッキ(855)は、低圧チャンバ(857)の内部に完全に配置されている。このチャンバは、ガス取り出し口(867)と、フィルタベルト(852)に密着したシール(864)とを有する。フィルタベルト(852)は、低圧チャンバ(807)の周囲と、さらには、運搬デッキ(855)の上方とに延びる。スラリ(50)は、投入供給マニフォールド(853)を介して、フィルタベルト(852)に供給される。
【0269】
三つのガス取り入れ口(859)が、高圧チャンバ(851)内に配置され、これは、スラリ(50)の上面を覆う上部フィルタベルト(852x)(図46bにおいてより明瞭に示される)として形成されたガス透過性膜に対して密封されている。上部フィルタベルト(852x)は、遊びローラ(860)の周りを通り、これにより、上部フィルタベルト(852x)は、下部フィルタベルト(850)と運搬デッキ(855)とに伴って移動できるようになっている。代替的には、少なくとも一つのローラ(860)が独立に駆動されてもよい。高圧チャンバ(851)は、柔軟性シール(856)を有しており、これは、高圧チャンバ(851)の下部周縁の周りに伸びており、そしてこれらは、上部フィルタベルト(852x)の内面に対して密着している。高圧チャンバ(851)は、上部フィルタベルト(852x)が先細りとなり、あるいは傾斜するように形成されており、これによって、上部(852x)と下部(852)とのフィルタベルト間の距離が、取り出し口端部(858)に向けて減るようになっている。したがって、上部(852x)及び下部(852)のベルトは、それらの間において、スラリを次第に圧縮することができ、これにより、液体除去を、高い(851)及び低い(857)圧力チャンバの間における圧力差による液体除去に追加して行うことができる。
【0270】
液体除去装置(800)は、圧力レギュレータ(861)を有し、これは、低い(857)及び高い(851)圧力チャンバ内における圧力を、そしてさらには、フィルタベルト(852,852x)にわたる圧力差を監視する。レギュレータ(861)をプログラムして、圧力差を制御し、特定のレベルに維持すること、あるいは、センサ(図示せず)からのフィードバックに対応して、圧力差を動的に調整することができる。センサは、例えば、スラリの固体−液体比、フィルタベルトの張り具合、スラリ(50)の重さなどの、様々なパラメータを計測することができる。
【0271】
高圧チャンバ(851)の使用により、図45の液体除去装置(800)にあるようなハウジング(806)全体の加圧が不要となる。
【0272】
図47は、石油や他の化学品に接着した、あるいはそれを運ぶキャリヤ粒子のようなスラリ組成物についての使用に好適な一実施形態による液体除去装置(900)を示す。ここでこの化学品は、キャリヤ粒子への接着を解除するために加熱を要するものである。液体除去装置(900)は、例えば鉱山廃棄物からの化学的浸出液(chemical leachate)のような、環境汚染やガス化を防ぐために圧力下で保存されるべき要素を有するスラリにも、使用可能である。
【0273】
液体除去装置(900)は、瀝青(bitumen)、あるいは「オイルサンド」からの「油回収(oil-recovery)」作業において特に有用である。オイルサンドからオイルを経済的に回収することの実際の困難さは、オイルを抽出するために、(砂に結合した状態の油/タールを解放するための砂の加熱を介して)高レベルのエネルギを入力する必要性から生じる。下記装置を有する本発明における、エネルギ効率が良い液体除去特性により、オイルサンドについてのオイル抽出を、かなり小さい入力エネルギを用いて、実行することができる。
【0274】
液体除去装置(900)は、図45の超大気圧液体除去装置(800)と同様の要素を有するが、投入調整システム(901)を含む点で異なる。これは、熱(902)を用いて、非石油化学のスラリ(50)成分(典型的には水、砂、及び土)に接着された瀝青オイルタールの分離を開始し、その後にそれは、液体除去装置(900)により濾過される。圧力密封フード(912)は、ハウジング(906)の上方に配置されており、これにより、ガス取り入れ口(903)とファン(905)とを持つ高圧チャンバ(913)を形成する。これらは、ダクト(907)を介して加熱ガスを投入調整システム(901)から引き出し、そして、加熱ガス(908)を高圧チャンバ(913)に入れる。
【0275】
高圧チャンバ(913)への加熱ガス(908)の導入により、スラリ(50)についての、上昇した温度を維持することができる。したがって、スラリは、固体要素と液体要素とに分離し続けることができる。さらに、初期スラリ加熱から熱(902)を取得して、同じ液体抽出プロセスからの加熱空気を再利用することは、単位量あたりのオイルサンドの分離に必要な全エネルギーの減少をさらに助ける。関連した利点として、スラリ製品(50)に適用される圧力差は、十分な流動性を持つようにオイルタールの粘性を減らすために必要なエネルギを減らすことが可能である。
【0276】
液体要素(52)は、前記した液体除去装置(100)と同様にして、低圧チャンバ(911)を介してスラリ(50)から除去され、そして、液体取り出し口(910)を介して保持タンク(909)に送られる。
【0277】
取り出し端部は、図45に示されたバルブ(811)と類似した、任意の回転シーリングバルブ(914)を有する。製品(51)は、シーリングタンク(915)内に集まり、これは、ハウジング(906)の取り出し端部をさらに密封するのに役立つ。シーリングタンク(915)の下方では、製品(51)が供給されて、コンベア(916)を上昇する。このコンベアは、オーガ(auger)(917)を用いて、製品(51)を移動させることができ、一方で、ハウジング(906)についての密封の維持を助ける。液体除去装置(900)は、このようにして、密封されて加熱された、高圧のハウジング(906,913)を提供することができる。
【0278】
図48及び49は、前記した液体除去装置(100)及び液体除去ベルトプレス(90)のそれぞれと共に使用される、本発明における一好適実施形態による濾液再循環システム(1000)を示す。先行技術の液体分離装置やプレスなどは、一般的に、特定範囲の固体比率を有するスラリを収容するように構成されている。固体含有量が減少しても、顕著な問題は生じないけれども、固体の比率が予期せずに上昇すると、収容がかなり難しくなる。このような変動を検出して順応し、このような変動の間でも液体除去を続ける能力は、明らかに、商業的な利益を提供する。受け入れ可能なレベルに固体の入力比率が回復するまで動作を中断しあるいは止める必要性に代えて、本発明は、この問題に対応する動的な手段を用いる。
【0279】
再循環システム(1000)は、配管(1001)及び再循環パイプ(1004)の形態で提供された再循環導管を含む。配管(1001)は、再循環ポンプ(1002)と、ポンプ(1002)からの流れを選択的に阻止するための一方向バルブ(1003)とを介して、液体取り出し口(117)から延びる。一方向バルブ(1003)は、再循環パイプ(1004)に接続されており、これは、スラリ取り入れ口マニフォールド(125)に戻るように延びており、さらに、他の一方向バルブ(1005)を含む。このバルブは、選択的にパイプ(1004)を阻止して、スラリ投入(1006)への濾液の追加を避けるためのものである。スラリ投入(1006)は、スラリ(50)をマニフォールド(125)に送るためのポンプ(1007)と、ポンプ(1007)への、及びそれからの流れを選択的に阻止するための二方向バルブ(1008)とを含む。
【0280】
二方向バルブ(1009)は、再循環パイプ(1010)に接続されており、これは、閉鎖バルブ(1005)に関連して開き、これによって、濾液の再循環を選択的に断って、パイプ(1010)の外部に濾液(52)を送り、他の使用に供することができる。固体レベルメータ(1011)が提供され、これによって、通過するスラリにおける固体含有量を測定することができる。磁気流量計(1012)が提供され、これによって、投入されたスラリの流量を測定することができる。制御器(図示せず)が、固体メータ(1011)、流量メータ(1012)及び各バルブ(1003,1005,1008,1009)に接続されており、流量メータ(1012)と固体メータ(1011)とから受け取ったフィードバックに基づいて、スラリ投入を規制している。
【0281】
動作においては、濾液再循環システム(1000)は、固体メータ(1011)と流量メータ(1012)とを用いて、投入スラリにおける固体含有量を動的に測定する。濾液再循環システム(1000)は、濾液を、投入スラリに向けて再循環させ、これにより、液体除去装置(100)あるいはベルトプレス(90)に入る際の、一定の固体−液体比率を維持でき、これによって、液体除去装置(100)あるいはベルトプレス(90)は、一般的に一定の速度で動作して、均一な製品(51)を生産できる。
【0282】
図50及び51は、スラリ添加物システム(1100)を示す。これは、液体除去装置(100)に接続されており、投入スラリへの添加物の導入を制御するためのものである。添加物は、典型的には、凝集剤あるいは他の事前調整添加物である。ウッドパルプからの液体除去においては、添加剤として、ポリエチレンオキサイド(PEO)あるいはポリエチレングリコール(PEG)を、空気と共に用いて、ウッドパルプと反応させ、水はけとパルプ粒子の凝集とを促進することができる。
【0283】
スラリ添加物システム(1100)は、投入スラリ(1101)に沿って接続され、そして、ポンプ(1102)及び再循環システム(1103)を備える。流量メータ及び固体メータが含まれ、これらは、箱(1104)で表されている。添加剤インジェクションチャンバ(1105)が、投入スラリ(1101)と取り入れ口マニフォールド(125)との間に提供される。インジェクションチャンバ(1105)は、二つの投入口を備え、第1(1106)は空気のため、第2(1107)はPEO,PEG,あるいは凝集剤のためである。空気投入(1106)は、空気を注入するために必要であり、これにより、PEO/PEGは、スラリと反応することができるが、機能するために空気を必要としないタイプの凝集剤を使うときは、選択的に閉鎖することもできる。
【0284】
添加物チャンバ(1105)とマニフォールド(125)との間のパイプ(1108)は、回り道の経路として、ハウジング(106)の下方を通過しており、これにより、マニフォールド(125)への到着前に、添加物がスラリに作用する時間を最大化することができ、一方でそれは、以前として、装置(100)の体積的な接地面積(volumetric footprint)の範囲内にある。メータ(1104)は、スラリ投入(1101)を通る流量と固体含有量とを測定し、したがって、制御器(図示せず)は、投入(1106,1107のそれぞれ)を通る添加物及び空気の量を規制する。
【0285】
再循環システム(1103)は、再循環パイプ(1109)と二つのバルブ(1110)とを有しており、これは、循環の方向、すなわち、スラリ投入(1101)への、あるいは、パイプ(1111)を介してシステムから外への方向を制御する。
【0286】
スラリ添加物システム(1100)は、凝集剤あるいはPEOのような添加剤をスラリに加えるための手段を提供し、これにより、スラリの事前調整を行うことができ、このとき、分離された混合タンク(mixing tank)は必要とされない。したがって、液体除去装置(100)は、強化された機能性を有しており、一方で、高い可搬性を有している。スラリ添加物システム(1100)を、全ての液体装置(1,100,200,300,700,800,900)と共に使用することができる。
【0287】
図52a及び52bは、本発明における運搬デッキ(1150,1160のそれぞれ)についての、二つの可能な実施形態をそれぞれ示し、これらは、液体除去を支援するためのものである。運搬デッキ(1150,1160)は、それぞれ、図7〜13に示される運搬デッキ(105)を組み込んでおり、そして、フィルタベルト(102)を支持する一連のローラ(1151,1161)を有している。ローラ(1151,1161)は、例えば受動的あるいは従動的とされる。フィルタベルト(102)における第1(102a)及び第2(102b)の側部の間に圧力差が適用されると、第1の側部(102a)は、引きこまれて、ローラ(1151,1161)と接触し、上昇した(1152,1162)及び下降した(1153,1163)部分を形成する。上昇した(1152,1162)及び下降した(1153,1163)、波打っている部分は、引っ張りと圧迫とを、フィルタベルト(102)上のスラリ製品(51’,51)に加え、そして、スラリ製品(51’,51)をそれぞれ伸ばし、圧縮する。したがって、スラリ製品(51)は、上昇した部分(1152,1162)で伸ばされたときにひび割れし、そしてこれによって、スラリ製品(51’)中の液体が通過できるクラックが形成される。スラリ製品(51)は、下降した部分(1153,1163)において圧縮され、そして、スラリ製品(51)から液体が押し出される。したがって、運搬デッキ(1150,1160)は、類似の平坦な運搬デッキよりも、さらに強化された液体除去を提供することができる。
【0288】
図52aに示された実施形態における運搬デッキ(1150)は、運搬デッキ(105)の上方にローラ(1161)を配置しており、一方、図52bに示された運搬デッキ(1160)のローラは、運搬デッキ(105)の排出端と、低圧チャンバ・シール(124)との間に配置されている。
【0289】
運搬デッキ(1160)のローラ(1161)は、長尺状の稜線(1164)を有しており、これは、各ローラ(1161)の長さに沿って延びている。このような稜線(1164)は、稜線(1161)の上方を通過するフィルタベルトが受ける曲率の変化を増やし、これにより、上昇部分(1162)におけるスラリ製品(51’)の伸び及びひび割れの程度を増強することができる。
【0290】
図53に示される他の実施形態では、ローラ(1150,1160)は、ローラ(1170s,1170b)として形成され、これらは、うねった、拡大(1172)及び縮小(1171)部分を有し、これらの部分は、引っ張り及び圧縮をスラリ製品(51)にそれぞれ加えるように構成されている。
【0291】
理解されるべきこととして、液体除去装置(1,100,200,300,700,800,900)、投入調整システム(500,520,540,560,580)、調整器(600,620)、濾液再循環システム(1000)、及びスラリ添加物システム(1100)を、単独で、あるいは、選択された組み合わせで使用して、多数の、異なる液体除去の構成を達成することができる。そして、ここでの記載は、次の文脈において読まれるべきである。すなわち、このような要素は、互いに交換して使用可能であり、これにより、特定の液体除去の応用に適合することができる。例えば、本発明の一側面による土壌改良プロセスにおいては、液体除去装置(100)を、図36に示される投入調整システム(580)と共に使うことができる。汚染された土壌を、大量の溶媒、水、あるいは他のキャリア液と凝集剤とに混合することができる。土壌スラリは、それから、投入調整システム(580)を通過し、これによって、大部分の液体と、対応する運搬された汚染物とを除去することができる。残った汚染物については、濾液において除去できる。
【0292】
理解されることとして、液体除去装置(1,100,200,300,700,800,900)、投入調整システム(500,520,540,560,580)、調整器(600,620)、濾液再循環システム(1000)及びスラリ添加物システム(1100)の構成で使用された素材は、用途に適合させるために選択可能である。例えば、一実施形態では、液体は、腐食性要素を有する、及び/又は、処理のための腐食性添加剤が必要な、組成物スラリから除去される必要がある。このような実施形態では、構成において使用される素材は、腐食に対して耐性があるようもの、例えば、ファイバーグラス、高密度プラスチック、カーボンファイバ、あるいは、耐腐食性の保護被膜で処理された金属から選択される。
【0293】
単なる例示によって、本発明のいくつかの側面が記述されたが、これに対して、その範囲から外れることなく、変更及び追加が可能であることは、理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体と固体とからなる投入組成物スラリから液体を少なくとも部分的に分離するように構成された液体除去装置であって、この装置は以下を含む:
−可動の、透過性膜(以下において「フィルタベルト」と称する)、これは、第1の側部と、反対側の第2の側部とを有しており、前記第2の側部における少なくとも一部(以下において「積載ベルト部」と称する)は、前記スラリを受け取るように構成されており;
−前記積載ベルト部のために可動の支持を提供するように構成された透過性膜支持システム、ここで、前記支持システムは以下を含む:
−前記積載ベルト部の下方において、前記フィルタベルトにおける前記第1の側部の少なくとも一部に隣接して、又はこれに接触して配置された、少なくとも一つの運搬デッキ;
−前記フィルタベルトにおける第1及び第2の側部の間に圧力差を適用させることができるように構成されたハウジング、ここで、前記第1の側部は、前記第2の側部に対して低い圧力となっており、前記ハウジングは以下を含む:
−前記積載ベルト部の下方における可動の前記フィルタベルトの前記第1の側部に密着した第1の開口を有する、少なくとも一つの低圧チャンバ、
−前記ハウジングを介して前記圧力差を適用して、前記フィルタベルトにおける前記第1の側部において、前記第2の側部よりも低い圧力を生成するための圧力調整システム;
ここで、前記運搬デッキの一つ又はそれぞれは、前記低圧チャンバの内部に完全に配置されている。
【請求項2】
請求項1に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記圧力調整装置は、高圧チャンバをさらに含んでいる。
【請求項3】
請求項2に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記高圧チャンバは、前記フィルタベルトの第1の側部よりも上昇した圧力を、前記フィルタベルトの第2の側部に対してかけることができるように構成されている。
【請求項4】
請求項3に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記上昇した圧力は、超大気圧を含む。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1項に記載の液体除去装置であって、前記高圧チャンバは、前記フィルタベルトにおける前記第2の側部の少なくとも一部と連通している。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか1項に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記高圧チャンバは、少なくとも部分的に、前記第1の開口に重畳する前記第2の側部の一部と連通している。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記運搬デッキは、以下を含む:
−一つ又はそれ以上の連続的で柔軟な駆動部材;
−複数の支持ビーム。
【請求項8】
請求項7に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記運搬デッキは、一つ又はそれ以上のローラをさらに含む。
【請求項9】
請求項8に記載の液体除去装置であって、ここでは、一つ又はそれ以上の前記ローラは、従動ローラである。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれか1項に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記柔軟な駆動部材は、二つ又はそれ以上のローラによって並行な軌道に規制された一対の無端状ローラチェーンとして形成されており、これは、それらの間に取り付けられた複数の横断する前記支持ビームを備えており、さらに、この支持ビームは、駆動スプロケットを有する少なくとも一つの従動ローラによって、規制された前記軌道の周りを回転可能となっている。
【請求項11】
請求項10に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記支持ビームとローラチェーン・アセンブリとにおける上端の走行路は、前記低圧チャンバ内の前記第1の開口に直接に交差する平面内を走る。
【請求項12】
請求項7〜11のいずれか1項に記載の液体除去装置であって、これは、前記フィルタベルトと支持ビームとの間に配置された、一つ又はそれ以上の補助的な層をさらに含む。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記フィルタベルトは、補助的な駆動によって、運搬デッキの一つ又はそれぞれとは独立に駆動される。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の液体除去装置であって、これは、国際標準ISO輸送コンテナと同じ大きさの、あるいはそれ以内の外部寸法を有するように構成されている。
【請求項15】
請求項14に記載の液体除去装置であって、ここでは、この装置は、標準化されたISO輸送コンテナのツイストロック装具を、実質的に立方体のハウジング装置構成の頂点において備えている。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記フィルタベルトは、前記スラリを受け取るための前記積載ベルト部を提供する実質的に平坦な上部走行部を有する、連続的な無端ループ内を進む。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記低圧チャンバへのガス取り出し口は、液体取り出し口の上方に配置されている。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の液体除去装置であって、ここでは、液体取り出し口が、濾液を収集するように形成された前記低圧チャンバの一部内における重力的な排出低部に配置されている。
【請求項19】
請求項17又は請求項18に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記液体取り出し口は、大気圧に排出する圧力リリーフバルブによって、開放可能なように密封されている。
【請求項20】
請求項19に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記開放バルブを開くために必要な濾液の上端は、前記圧力リリーフバルブを密封する、弾性的に付勢されたバルブ部材の閉鎖力に直接に比例している。
【請求項21】
請求項17〜20のいずれか1項に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記ガス取り出し口は、囲われた覆いの内の大径抽出ファンとして形成されており、これは、前記フィルタベルトから落ちる濾液の取り込みを避けるように向けられ、かつ構成されている。
【請求項22】
請求項21に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記抽出ファンの、囲まれた覆いは、実質的に下方に向けられた開口を備えている。
【請求項23】
請求項17〜22のいずれか1項に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記液体除去装置のハウジングは、二つ又はそれ以上の個室を有する低圧チャンバを含んでおり、各個室は、前記積載ベルト部における既定位置の下方において、濾液を収集するように構成されており、ここで、少なくとも一つの個室から収集された濾液は、前記積載ベルト部における、さらなる既定位置に再適用される。
【請求項24】
請求項23に記載の液体除去装置であって、ここでは、一つの前記個室において収集された濾液は、他の前記個室に対応する前記積載ベルト部における、さらなる既定の部分に再適用される。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれか1項に記載の液体除去装置であって、これは、前記フィルタベルト上へのスラリ投入を操作するように構成された投入調整システムをさらに含み、前記投入調整システムは、投入スラリを、フィルタベルトを横切るように、横方向に供給するように構成された投入供給マニフォールドを含む。
【請求項26】
請求項25に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記マニフォールドは、前記スラリを受け取ることができる取り入れ口と、前記積載ベルト部の始点に隣接して配置され、かつ、前記フィルタベルトを横切るように横方向に延長された、拡大取り出し口とを含む。
【請求項27】
請求項26に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記投入供給マニフォールドは、以下のうちの少なくとも一つを組み込んでいる:
−拡散器;
−方向性ガイド;
−ガス撹拌器/エアレータ、及び/又は
−流出制御。
【請求項28】
請求項27に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記拡散器は、長尺状の、回転可能なシャフトであって、これは、フィルタベルトにわたって均一にスラリを偏向させるように向けられた外部突起を備えている。
【請求項29】
請求項28に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記拡散器は、共通の回転シャフト周囲の一対のオーガ部として形成されており、ここでは、前記オーガ部を形成する螺旋状フランジが、相互に、中央部から離れるように向けられている。
【請求項30】
請求項27〜29のいずれか1項に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記フィルタベルトの前記積載ベルト部に前記スラリが供給される前に、前記ガス撹拌器/エアレータによって生じたガスの泡の上方を前記スラリが通過する際に、前記投入供給マニフォールドが、スラリ粒子を、サイズによって垂直的に分離する。
【請求項31】
請求項25に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記投入調整システムは以下を含む:
−可変のノズル取り出し口を備えた投入供給マニフォールド;
−散布シュート、これは、マニフォールドの前記ノズル取り出し口から前記フィルタベルトに向けて、下方に傾斜されている。
【請求項32】
請求項31に記載の液体除去装置、これは、一つ又はそれ以上の方向性ガイドをさらに含む。
【請求項33】
請求項31に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記ノズル取り出し口は、以下の少なくとも一つのために、調整可能である:
−取り出し口のサイズ;
−取り出し口の向き;
−取り出し口のスラリ分散、及び/又は
−取り出し口カバーの閉鎖を付勢する力。
【請求項34】
請求項33に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記投入調整システムは、以下のもので構成されている:
−閉鎖位置に向けて弾性的に付勢された密封カバーにより提供される取り出し口カバー閉鎖付勢力を備えたノズル取り出し口を有する導管の形態の投入供給マニフォールド;ここで、前記ノズル取り出し口は、以下のものの頂点に配置されている;
−前記フィルタベルトに向けて下向きに傾斜された扇形状のシュートであって、それらの間に配置された一つ又はそれ以上の方向性ガイドを備えたもの;
−傾斜及び/又は上昇/下降して、前記ノズル取り出し口のサイズ及び形状を、そして結果的に、スラリ流出の量と形状とを変えることができる前記ノズル取り出し口。
【請求項35】
請求項25〜34のいずれか1項に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記投入調整システムは、事前濾過チャンバを有する投入供給マニフォールドを含み、前記事前濾過チャンバは以下を含む:
−それぞれ前記スラリを受け取り及び排出できる、供給マニフォールド・スラリ取り入れ口及び取り出し口;
−液体抽出取り出し口;
−少なくとも第1及び第2の実質的に水平な層;
−分離機構、これは、前記事前濾過チャンバ内において、前記スラリの固体を前記第1の水平な層に規制するように構成されている、そして
ここにおいて、前記第2の水平な層に配置された前記スラリの液体は、抽出取り出し口を介して除去される。
【請求項36】
請求項35に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記分離機構は以下を含む:
−複数のエアレータ、これは、スラリ流の下方に配置されており、これによって、スラリを、実質的に連続的なガス泡の流れにさらし、これによって、前記固体を、上部の第1の水平層に付勢するものである;
−前記第1の層と、下部の第2の層との間に配置されたガス透過性膜、及び
−液体抽出取り出し口、これは、前記ガス透過性膜の下方に配置されている。
【請求項37】
請求項35に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記分離機構は、以下を含む:
−浮遊し、液体透過性である固体バリヤ、これは、前記第1の層と下部の第2の層との間に配置されている、そして
−前記事前濾過チャンバの内部の、少なくとも一つのバッフル、これは、前記スラリの流れを妨げそして減衰するために配置されている;
−浮遊した前記固体バリヤのために、スラリ流が変化すると変化する表面領域を提供する事前濾過チャンバ構成、そして
−液体抽出取り出し口、これは、液体透過性の前記固体バリヤの上方に配置される。
【請求項38】
請求項37に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記事前濾過チャンバ構成は、可変水平断面領域(「拡大」部としてここで言及される)を備えた部分を含み、これにより、スラリ流量が変化すると、浮遊した前記固体バリヤは、浮遊した前記固体バリヤにより占められた表面領域において対応する変化を伴って、前記拡大部を上下に動かす。
【請求項39】
請求項38に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記液体抽出取り出し口は、前記事前濾過チャンバにおける前記上部層からあふれる液体を収集するように構成されている。
【請求項40】
請求項39に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記液体抽出取り出し口は、前記事前濾過チャンバからの液体の流れを規制できる流れ制御バルブを含む。
【請求項41】
請求項25〜40のいずれか1項に記載の液体除去装置であって、ここでは、投入供給マニフォールドは、以下の一つ又はそれ以上との組み合わせで使用される:
−表面ワイパ、これは、前記供給マニフォールド取り出し口に隣接して配置されており、かつ、少なくとも部分的に圧縮の、摩擦的な力を、前記マニフォールド取り出し口を出るスラリ固体の上面に適用するように構成されている;
−硬質塊状物形成器、これは、前記供給マニフォールド取り出し口に隣接して配置されており、かつ、前記マニフォールド取り出し口を出るスラリ固体を少なくとも部分的に圧縮して押し出して、粒子製品塊状物とするように構成されている;
−真空形成器;
−減衰大気圧スラリ形成器;
−流量制御、これは、前記マニフォールドから前記ファイバベルト上への前記スラリの流れを、制御可能なように減衰するように構成されている。
【請求項42】
請求項41に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記表面ワイパは、下部ワイパ表面と前記フィルタベルトの第2の側部との間に、長尺状の先細り状スロットを形成する、実質的に傾斜した部材として形成されている。
【請求項43】
請求項41に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記真空形成器は、密封された囲いを用いて、局所的な真空を、前記マニフォールドノズル取り出し口を出る前記フィルタベルト上のスラリの上面に適用するようになっており、前記表面は、液体透過性のバリヤによって規制されている。
【請求項44】
請求項41に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記減衰大気圧スラリ形成器は、前記フィルタベルトの第2の側部上のスラリと接触した状態に配置可能なガス透過性膜を備えるチャンバを含み、前記チャンバは、サイズ調整可能な開口をさらに含む。
【請求項45】
請求項44に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記チャンバの開口は、前記チャンバの開口へのガスの通過を防ぐように閉鎖する構成に向けて付勢されたバルブを含み、前記バルブは、圧力差が既定のレベルを超えたときに、少なくとも部分的に開くように構成されている。
【請求項46】
請求項1〜45のいずれか1項に記載の液体除去装置であって、これは、少なくとも一つの持ち上げ機構をさらに含み、これは、前記装置の末端を持ち上げ及び下降させることができるようになっている。
【請求項47】
請求項1〜46のいずれか1項に記載の液体除去装置であって、これは、一つ又はそれ以上の液体吸収真空ローラをさらに含む。
【請求項48】
請求項47に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記真空ローラは、内部真空チャンバと、液体吸収性素材のスリーブを備えた回転可能な外部表面とを有する円筒状ローラとして構成されており、ここで、前記真空チャンバは、吸収性の前記スリーブにおける少なくとも一部と連通している。
【請求項49】
請求項48に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記外部表面は、穿孔されており、そして、前記吸収性のスリーブの部分との前記連通は、前記内部チャンバから前記回転可能な外部表面に延びる長尺状の導管により提供されている。
【請求項50】
請求項49に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記長尺状の導管は、前記吸収性スリーブが前記フィルタベルト上のスラリに接触する位置に実質的に向きあう位置に、固定されている。
【請求項51】
請求項1〜50のいずれか1項に記載の液体除去装置であって、これはさらに以下を含む:
−少なくとも二つの前記低圧チャンバ、これらは、前記積載ベルト部の下方において前記フィルタベルトの第1の側部に密着する第1の開口をそれぞれ有する、そして
−前記ハウジングを介して前記圧力差を適用し、前記フィルタベルトの第1の側部において、前記フィルタベルトの第2の側部よりも低い圧力を生成するための、少なくとも一つの圧力調整システム、
ここで、運搬デッキの一つ又はそれぞれは、前記低圧チャンパの内部に完全に配置されている。
【請求項52】
請求項1〜51に記載のいずれか1項に記載の液体除去装置であって、これは、少なくとも二つの前記運搬デッキをさらに含んでおり、これらはそれぞれ、前記積載ベルト部の下方において、前記フィルタベルトの前記第1の側部の少なくとも一部と接触している。
【請求項53】
請求項1〜51のいずれか1項に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記液体除去装置は、第1の前記運搬デッキと、第2の前記運搬デッキとを含んでおり、前記第1及び第2の運搬デッキは、それぞれ、第1の前記低圧チャンバ及び第2の前記低圧チャンバの内部に完全に配置されている。
【請求項54】
請求項53に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記第1及び第2の低圧チャンバは、第1及び第2の圧力調整システムをそれぞれ有している。
【請求項55】
請求項54に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記第1及び/又は第2の圧力調整システムは、以下のように構成されている:
−前記第1及び/又は前記第2低圧チャンバからそれぞれガスを排出する、そして
−排出された前記ガスを、前記第1及び第2の運搬デッキの間における前記フィルタベルトの一部に通過させる。
【請求項56】
請求項53に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記第1及び第2の低圧チャンバは、大気圧に対して異なる圧力に維持される。
【請求項57】
請求項53に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記スラリは、第1の低圧チャンバの上方における第1運搬デッキ上に第1に供給され、ここで、前記第1低圧チャンバは、前記第2低圧チャンバよりも高い圧力に維持される。
【請求項58】
液体と固体とからなる投入組成物スラリから液体を少なくとも部分的に分離するようにされた液体除去装置であって、前記装置は以下を含む:
−可動の透過性膜(「フィルタベルト」という)、これは、第1の側部と、反対側の第2の側部とを有し、さらに、前記第2の側部における少なくとも一部(「積載ベルト部」という)は、前記スラリを受け取るように構成されている;
−透過性膜支持システム、これは、前記積載ベルト部のために可動の支持を供給するように構成されており、前記支持システムは以下を含む:
−前記積載ベルト部の下方において、前記フィルタベルトの前記第1の側部の少なくとも一部と隣接して又は接触して配置された、少なくとも一つの運搬デッキ、
−ハウジング、これは、前記フィルタベルトにおける前記第1及び第2の側部の間に圧力差をかけることができるように構成されており、これにより、前記第1の側部は、前記第2の側部に比較して低い圧力となるようになっており、前記ハウジングは以下を含む:
−少なくとも一つの低圧チャンバ、これは、前記積載ベルト部の下方において、前記フィルタベルトの前記第1の側部に密着した第1の開口を有している;
−前記積載ベルト部の上方における、少なくとも一つの超大気圧チャンバ;
−少なくとも一つの圧力調整システム、これは、前記ハウジングを介して前記圧力差を適用し、前記フィルタベルトの第1の側部において、前記フィルタベルトの前記第2の側部よりも低い圧力を生成するようになっている;
ここで、前記運搬デッキの一つ又はそれぞれは、前記低圧チャンバの内部に完全に配置されている。
【請求項59】
請求項58に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記ハウジングは、大気から実質的に密封されており、かつ、前記超大気圧チャンバを形成している。
【請求項60】
請求項58に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記超大気圧チャンバは、前記フィルタベルトの上方に配置されたガス透過性膜に密着した状態で提供されており、かつ、前記ガス透過性膜と前記フィルタベルトとの間において前記スラリを通過させるように構成されている。
【請求項61】
液体及び固体からなる組成物スラリから液体を少なくとも部分的に分離するようにされている液体除去デバイスであって、前記液体除去デバイスは、前記スラリ表面を横切りながら転がるように構成された少なくとも一つの液体吸収真空ローラを含んでおり、前記真空ローラは、内部真空チャンバと、液体吸収性材料のスリーブを有する回転可能な外部表面とを有する円筒状ローラとして構成されており、前記内部真空チャンバは、吸収性の前記スリーブの少なくとも一部と連通している。
【請求項62】
請求項61に記載の液体除去デバイスであって、ここでは、前記外部表面は穿孔されており、そして、前記連通の手段は、内部の前記チャンバから、回転可能な前記外部表面に延びる、長尺状の導管により提供されている。
【請求項63】
請求項61又は請求項62に記載の液体除去デバイスであって、ここでは、前記導管は、前記吸収性の材料が前記スラリに接触する位置に実質的に向きあう位置に固定されている。
【請求項64】
請求項61〜63のいずれか1項に記載の液体除去デバイスであって、ここでは、前記液体吸収素材のスリーブは、正味電荷を有している。
【請求項65】
請求項61〜64のいずれか1項に記載の液体除去デバイスであって、ここでは、前記電荷は、前記スラリの固体の電荷に反発するものである。
【請求項66】
請求項1〜60のいずれか1項の前記液体除去装置を用いて、液体及び固体からなる組成物スラリから液体を分離する方法であって、前記方法は以下のステップを有する:
−前記第1の開口の上方において、第1の速度で前記透過性膜を動かすこと;
−前記透過性膜における前記第1の側部に前記スラリを適用すること;
−前記フィルタベルトにおける前記第1及び第2の側部の間に圧力差を適用すること;
特徴として、移動する前記膜における前記第1の速度は、周期的パルスとされ、これにより、可変の運動量を、前記透過性膜の上のスラリに適用するようになっている。
【請求項67】
フィルタ膜と、このフィルタ膜にわたる圧力差を供給する装置とを用いて、液体と固体とからなる投入組成物スラリから液体を少なくとも部分的に分離する方法であって、前記方法は、以下のステップを含む:
−積載部を構成するフィルタ膜の一部にわたって、前記スラリを適用すること;
−前記フィルタ膜にわたって、圧力差を適用すること;
−前記積載部の領域から濾液を収集すること、ここで、前記液体は、前記圧力差によって、スラリを通って引き出される;
−収集された前記濾液の少なくとも一部を、前記積載部におけるさらなる領域上に再適用すること。
【請求項68】
液体及び固体からなる投入組成物スラリから液体を少なくとも部分的に分離するための液体除去装置であって、前記装置は以下を含む:
−第1の側部と、反対側の第2の側部とを有する透過性膜;
−前記透過性膜における第1及び第2の側部の間に圧力差を適用できるように構成されたハウジング、これにより、前記第1の側部は、前記第2の側部に対して、低い圧力となっている;前記ハウジングは以下を含む:
−可動の前記透過性膜における前記第1の側部に密着した第1の開口を有する少なくとも一つの低圧チャンバ;
−前記ハウジングを介して前記圧力差を適用して、前記透過性膜の第1の側部において、前記第2の側部よりも低い圧力を生成するための圧力調整システム;
ここで、前記装置のハウジングは、二つ又はそれ以上の個室を有する低圧チャンバを含み、各個室は、積載ベルト部における既定部分の実質的に下方において、濾液を収集するように構成されており、ここで、少なくとも一つの個室から収集された濾液は、前記積載ベルト部におけるさらなる既定部分に再適用される。
【請求項69】
請求項68に記載の液体除去装置であって、ここでは、一つの個室から収集された少なくとも一つの既定部分は、他の個室に対応する積載ベルト部における既定位置に再適用される。
【請求項70】
以下を含む液体除去装置を用いて、液体及び固体からなる組成物スラリから液体を分離する方法:
−第1の側部と、反対側の第2の側部とを有する可動の透過性膜、ここで、前記第2の側部における少なくとも一部は、前記スラリを受け取るように構成されている;
−前記透過性膜における前記第1及び第2の側部の間に圧力差を適用可能なように構成されたハウジング、これにより、前記第1の側部は、前記第2の側部に対して、低い圧力にあるようになっており;前記ハウジングは以下を含む:
−前記積載ベルト部の下方における可動の前記透過性膜の前記第1の側部に密着した第1の開口を有する少なくとも一つの低圧チャンバ、
−前記ハウジングを介して前記圧力差を適用して、透過性膜ベルトの前記第1の側部に、透過性膜の前記第2の側部よりも低い圧力を生成するための圧力調整システム;
ここで、前記方法は、以下のステップを含む:
−前記第1の開口の上方において、第1の速度で前記透過性膜を動かすこと;
−前記透過性膜における前記第1の側部に前記スラリを適用すること;
−前記透過性膜における前記第1及び第2の側部の間に圧力差を適用すること;
特徴として、移動する透過性膜における前記第1の速度は、周期的パルスとされており、これによって、可変の運動量を、前記透過性膜上のスラリに適用するようになっている。
【請求項71】
液体及び固体からなる投入組成物スラリから液体を少なくとも部分的に分離するための液体除去装置であって、前記装置は以下を含む:
−第1の側部と、反対側の第2の側部と有する透過性膜;
−前記透過性膜における前記第1及び第2の側部の間に圧力差を適用できるように構成されたハウジング;これにより、前記第1の側部は、前記第2の側部に対して低い圧力にあるようになっている;前記ハウジングは以下を含む:
−前記透過性膜における前記第1の側部に密着した第1の開口を有する少なくとも一つの低圧チャンバ;
−前記ハウジングを介して前記圧力差を適用して、前記透過性膜の第1の側部に、前記透過性の第2の側部よりも低い圧力を生成するための圧力調整システム;
−濾液を収集するように形成された低圧チャンバの一部内の重力的な排出低部に配置された液体取り出し口;
ここで、前記液体取り出し口は、大気に排出する圧力リリーフバルブによって、開放可能なように密封されている。
【請求項72】
請求項71に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記リリーフバルブを開くために必要な、収集された前記濾液の上端は、前記リリーフバルブを密封する、弾性的に付勢されたバルブ部材における閉鎖力に直接に比例している。
【請求項73】
液体及び固体からなる投入組成物スラリから液体を少なくとも部分的に分離するための液体除去装置であって、前記装置は以下を含む:
−第1の側部と、反対側の第2の側部とを有する透過性膜;
−前記透過性膜における第1の側部と第2の側部との間に圧力差を適用できるように構成されたハウジング、これにより、前記第1の側部は、前記第2の側部よりも低い圧力にあるようになっている;前記ハウジングは以下を含む:
−可能の前記フィルタベルトにおける前記第1の側部に密着した第1の開口を有する、少なくとも一つの低圧チャンバ;
−前記ハウジングを介して前記圧力差を適用して、前記フィルタベルトの第1の側部に、前記第2の側部よりも低い圧力を生成するための圧力調整システム;
ここで、前記投入調整システムは、事前濾過チャンバを有する投入供給マニフォールドを含み、前記事前濾過チャンバは以下を含む:
−前記スラリを受け取りそして排出できる供給マニフォールド・スラリ取り入れ口及び取り出し口のそれぞれ;
−液体の抽出取り出し口;
−少なくとも第1及び第2の、実質的に水平な層、そして
−分離機構、これは、前記事前濾過チャンバ内において、前記第1の水平な層に、前記スラリの固体を規制するように構成されている、
ここで、前記第2の水平な層にある前記スラリの液体は、前記抽出取り出し口を介して除去される。
【請求項74】
請求項73に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記分離機構は以下を含む:
−複数のエアレータ、これらは、前記スラリの流れの下方に配置されて、前記スラリを、ガスの泡の実質的に連続な流れにさらし、これにより、前記固体を、上部の第1の水平層に付勢する;
−前記第1の層と下部の第2の層との間に配置されたガス透過性膜、そして
−液体抽出取り出し口、これは、前記ガス透過性膜の下方に配置される。
【請求項75】
請求項73に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記分離機構は以下を含む:
−前記スラリに混合される凝集添加物;
−浮遊した、液体透過性の固体バリヤ、これは、前記第1の層と低い第2の層との間に配置されている、そして
−前記事前濾過チャンバ内の、少なくとも一つのバッフル、これは、前記スラリの流れと、前記凝集添加物と前記スラリの固体との凝集とを、妨げて減衰するように配置されている;
−前記スラリの流れが変化したときに、前記浮遊した固体バリヤのために、可変な表面領域を提供する、事前濾過チャンバの構成、そして
−液体抽出取り出し口、これは、前記液体透過性バリヤの上方に配置されている。
【請求項76】
液体及び固体からなる投入組成物スラリから液体を少なくとも部分的に分離するための液体除去装置であって、前記装置は以下を含む:
−第1の側部と、反対側の第2の側部とを有する透過性膜;
−前記透過性膜における前記第1及び第2の側部の間に圧力差を適用できるように構成されたハウジング、これにより、前記第1の側部は、前記第2の側部に対して低い圧力にあるようになっている;前記ハウジングは以下を含む:
−可動の前記透過性膜における前記第1の側部に密着した第1の開口を有する、少なくとも一つの低圧チャンバ;
−前記ハウジングを介して前記圧力差を適用して、前記透過性膜の第1の側部に、前記透過性膜の第2の側部よりも低い圧力を生成するための、圧力調整システム;
ここで、前記投入供給マニフォールドは、以下の一つ又はそれ以上と組み合わせて使用される:
−表面ワイパ、これは、前記供給マニフォールドの取り出し口に隣接して配置されており、少なくとも部分的に圧縮で摩擦的な力を、前記マニフォールド取り出し口を出るスラリの固体の上面に適用するように構成されている;
−硬質塊状物形成器、これは、前記供給マニフォールド取り出し口に隣接して配置されており、かつ、前記マニフォールド取り出し口を出て行くスラリの固体を少なくとも部分的に圧縮して押し出し、粒子製品塊状物とするように構成されている;
−真空形成器;
−減衰大気圧スラリ形成器;
−流量制御、これは、前記マニフォールドから前記透過性膜の上へのスラリの流れを、制御可能なように減衰する構成となっている。
【請求項77】
請求項1〜57のいずれか1項に記載の液体除去装置を用いる液体除去方法であって、前記方法は、以下におけるステップを含む:
−前記圧力差を適用する圧力調整システムが、第1の既定の圧力レベル範囲内で、前記低圧チャンバ内の前記フィルタベルトの第1の側部に、圧力を生成する;
−前記積載ベルト部上で受け取ったスラリを、第1の既定の温度レベル範囲内の温度に加熱する;
特徴として、前記第1の既定の圧力及び温度の範囲は、前記フィルタベルトを通過するスラリの液体をガスに変換するように選択される。
【請求項78】
請求項77に記載の方法であって、ここでは、スラリ液体の前記変換は、気化又は蒸発により行われる。
【請求項79】
請求項2〜6のいずれか1項に記載された液体除去装置を用いて、瀝青オイルサンドを含むスラリから瀝青オイルを抽出する方法であって、前記方法は以下のステップを含む:
−前記スラリを事前加熱すること;
−加熱されたガスを、前記事前加熱から取得すること;
−前記積載ベルト部上に前記スラリを載せること;
−取得された前記加熱ガスを、前記高圧チャンバ内に適用すること;そして
−適用された前記圧力差の効果の下で、前記フィルタベルトを通過して前記低圧チャンバに入る、溶けた、及び/又は液体のオイルを収集すること。
【請求項80】
請求項79に記載の方法であって、ここでは、少なくとも一つの液体運搬流体が前記事前加熱されたスラリに追加される。
【請求項81】
請求項79に記載の方法であって、ここでは、少なくとも一つの化学的溶媒が前記スラリに追加される。
【請求項82】
請求項1〜57のいずれか1項に記載の液体除去装置であって、ここでは、前記圧力調整システムにおける全てのスラリ液体の通路と、前記スラリに物理的に接触する、前記装置における全ての部分とは、非金属の表面を備えている。
【請求項83】
請求項82に記載の装置であって、ここでは、物理的な前記接触は、前記スラリから生じるガス放出からの接触を含む。
【請求項84】
請求項1〜57のいずれか1項に記載の液体除去装置であって、これは、少なくとも一つのベルト操作ローラをさらに含み、これは、前記フィルタベルトにおける第1の側部の下方に配置され、かつ、この第1の側部と密接しており、ここで、前記ベルト操作ローラの一つ又はそれぞれを横切る前記フィルタベルトの移動により、スラリは、スラリ内での圧縮と伸びとを生成する波状の経路を通過する。
【請求項85】
請求項84に記載の装置であって、ここでは、前記ベルト操作ローラ(単数又は複数)は、前記フィルタベルトと運搬デッキとの間に配置されている。
【請求項86】
請求項84に記載の装置であって、ここでは、前記ベルト操作ローラ(単数又は複数)は、前記運搬デッキと、前記フィルタベルトの幅にわたって延びる、前記第1の開口についての密着部分の周囲との間に配置されている。
【請求項87】
請求項84〜86のいずれか1項に記載の装置であって、ここでは、少なくとも一つの前記ベルト操作ローラは、前記フィルタベルトの幅にわたって、少なくとも一つの拡大部と、少なくとも一つの縮小部とを有する構成となっている。
【請求項88】
請求項87に記載の装置であって、ここでは、隣接するベルト操作ローラにおける前記拡大部及び縮小部は、互いに位置がずらされている。
【請求項89】
液体及び固体からなる投入組成物スラリにおける固体−液体比を制御する方法であって、前記スラリは、液体除去装置によって分離されるべきものであり、前記方法は以下を含む:
a)前記投入スラリにおける第1の部分を前記液体除去装置に渡すこと;
b)前記液体除去装置を用いて、スラリにおける前記第1の部分から、濾液を、少なくとも部分的に分離すること、ここで、前記濾液は、スラリにおける前記第1の部分からの液体を含んでいる;
c)前記投入スラリにおける第2の部分の中に、前記濾液を再循環させて、投入スラリにおける前記第2の部分の前記固体−液体比を変更すること;
d)投入スラリにおける前記第2の部分を、前記液体除去装置に渡すこと。
【請求項90】
請求項71に記載の方法であって、ここでは、ステップa)〜d)を繰り返して、前記投入スラリにおける固体−液体比を調整する。
【請求項91】
請求項64に記載の方法であって、ここでは、前記投入スラリにおける固体−液体比が測定され、そして、ステップa)〜d)を繰り返して、前記固体−液体比を、既定のレンジ内に維持する。
【請求項92】
請求項64〜65に記載の方法であって、これは、さらに以下のステップを含む:
−凝集剤を前記投入スラリに追加すること。
【請求項93】
液体と固体とからなる組成物スラリから濾液を除去できる液体除去装置からの濾液を再循環させるための濾液再循環システムであって、前記濾液再循環システムは以下を含む:
−前記液体除去装置における液体抽出取り出し口と、前記液体除去装置におけるスラリ取り入れ口とに流体的に接続された再循環導管;
−前記液体抽出取り出し口から前記スラリ取り入れ口への濾液の流れを選択的に阻止する、少なくとも一つの制御バルブ;
ここで、使用においては、前記制御バルブは、選択的に開いて、前記濾液取り出し口から前記スラリ取り入れ口への濾液の流れを許容して、当該スラリの固体−液体比を変更する。
【請求項94】
請求項93に記載の濾液再循環システムであって、ここでは、前記投入スラリにおける固体−液体比を測定するための、一つ又はそれ以上のセンサが提供されている。
【請求項95】
請求項94に記載の濾液再循環システムであって、ここでは、制御器が提供されており、これは、前記センサからのフィードバックを受け取って、前記再循環システムを制御して、前記濾液を選択的に再循環させ、前記投入スラリにおける固体−液体比を維持することができるようになっている。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6a】
image rotate

【図6b】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14a】
image rotate

【図14b】
image rotate

【図15a】
image rotate

【図15b】
image rotate

【図16a】
image rotate

【図16b】
image rotate

【図17】
image rotate

【図(18a)】
image rotate

【図(18b)】
image rotate

【図(18c)】
image rotate

【図(18d)】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25a】
image rotate

【図25b】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28a】
image rotate

【図28b】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42a)】
image rotate

【図42b)】
image rotate

【図42c)】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46a)】
image rotate

【図46b)】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50】
image rotate

【図51】
image rotate

【図52(a】
image rotate

【図52(b】
image rotate

【図53】
image rotate


【公表番号】特表2011−517619(P2011−517619A)
【公表日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503249(P2011−503249)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/039698
【国際公開番号】WO2009/124323
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(510264073)アクアクリア テクノロジー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】AQUACLEAR TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】99 Gavin St. Ellerslie, Auckland 1060, New Zealand
【Fターム(参考)】