説明

液晶表示パネルの連続製造システムおよび液晶表示パネルの連続製造方法、並びに、検査装置および検査方法

【課題】液晶表示パネルを高速搬送しながら高精度に検査することで良質の液晶表示パネルを高速に連続生産することができる。
【解決手段】製造装置と検査装置とが液晶セルおよび液晶表示パネルを搬送する一連の搬送装置に配置されており、この検査装置は、搬送装置の一方面側であって、搬送装置により搬送される液晶表示パネルに対して、当該搬送装置の幅方向に平行なライン状光を照射する光照射部と、搬送装置の他方面側であって、光照射部によるライン状光の照射方向に対して搬送装置の搬送方向またはその反対方向に所定角度傾斜した位置に配置され、搬送装置により搬送される液晶表示パネルのライン状光が照射された領域を搬送装置の幅方向に平行なライン状にかつ連続的に撮像する撮像部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示パネルの連続製造システムおよび液晶表示パネルの連続製造方法、並びに、検査装置および検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、液晶セルの表裏両面に、偏光フィルムを積層して液晶表示パネルとする積層工程と、液晶表示パネルを光学的に検査する検査工程とを備えた液晶表示パネルの製造方法および製造システムが記載されている。検査工程として、具体的に、光源から液晶表示パネルの下面に光を垂直に照射し、その透過光を撮像し、画像データを取得し、取得した画像データを画像解析処理し、欠点の有無を判別して良品又は不良品の判定を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−170126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、液晶表示パネルに含まれる異物が検知しにくいという問題がある。その理由は、以下のとおりである。すなわち、液晶セルと偏光板との間に異物が混入していると、異物が存在する部分でだけ、偏光板が変形してクロスニコル状態が解消され、光が抜けてその部分だけが白く写るはずである。しかしながら、光源とカメラが対向している場合、実際には、図7(a)および図7(b)に示すように、上述したクロスニコル状態の解消による光だけでなく、異物によって屈折、散乱、反射された光までもカメラに入射する。その結果、異物周囲のノイズが大きくなり(コントラストが低くなり)異物の輪郭がぼやけて、異物が検知しにくくなる(検査精度が低くなる)という問題がある。
【0005】
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであって、液晶表示パネルを高速搬送しながら高精度に検査することで良質の液晶表示パネルを高速に連続生産することができる液晶表示パネルの連続製造システムおよび液晶表示パネルの連続製造方法、並びに、検査装置および検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、以下の本発明を完成するに至ったものである。
【0007】
本発明は、第1偏光板ロールおよび第2偏光板ロールから第1長尺偏光板および第2長尺偏光板をそれぞれ繰り出しながら、前記第1長尺偏光板および前記第2長尺偏光板をそれぞれ切断加工して得られる第1偏光板および第2偏光板を吸収軸が互いに直交するように、搬送される液晶セルの両面に貼り付けて液晶表示パネルを製造する製造装置と、当該液晶表示パネルを搬送しながら光学的に検査する検査装置とを有し、当該製造装置と当該検査装置とが当該液晶セルおよび液晶表示パネルを搬送する一連の搬送装置に配置された液晶表示パネルの連続製造システムであって、
前記検査装置は、前記搬送装置の一方面側であって、当該搬送装置により搬送される前記液晶表示パネルに対して、当該搬送装置の幅方向に平行なライン状光を照射する光照射部と、
前記搬送装置の他方面側であって、前記光照射部による前記ライン状光の照射方向に対して当該搬送装置の搬送方向またはその反対方向に所定角度傾斜した位置に配置され、当該搬送装置により搬送される前記液晶表示パネルの当該ライン状光が照射された領域を当該搬送装置の幅方向に平行なライン状にかつ連続的に撮像する撮像部とを有する。
【0008】
この構成によれば、液晶表示パネルを搬送しながら、当該液晶表示パネルにライン状光を照射し、当該液晶表示パネルを透過した散乱光をライン状にかつ連続的に撮像することで、液晶表示パネルを高速に搬送しつつ、液晶表示パネル全面に亘って液晶セルと偏光板との間に混入した異物を鮮明なコントラストで撮像できる(異物で散乱された光を選択的に撮像できるため、異物周囲のノイズが抑えられる)。すなわち、液晶表示パネルを高速搬送しながら高精度に検査できるため、良質の液晶表示パネルを高速に連続生産することができる。
【0009】
なお、この検査では、液晶セルと偏光板との間に混入した異物(例えば、貼り合せ気泡、カレット、糸屑、塵、埃等)だけでなく、汚れなども高精度に検知し得る。
【0010】
上記発明の一実施形態として、前記光照射部は、前記液晶表示パネルに対して垂直方向に前記ライン状光を照射する。この構成によれば、液晶表示パネルが搬送時にズレた(例えば、搬送ラインの搬送方向と液晶表示パネルの長辺方向または短辺方向が平行でなくなった)としても、このズレによる光抜け(ノイズ)を抑制できるため、高い検査精度を維持できる。
【0011】
上記発明の一実施形態として、前記撮像部は、前記光照射部による前記ライン状光の前記照射方向に対して前記搬送ラインの搬送方向およびその反対方向の両方に所定角度傾斜した位置に配置される。この構成によれば、ライン状光の照射方向に対して搬送方向の下流側に強く散乱せず、上流側に強く散乱する異物、上流側に強く散乱せず、下流側に強く散乱する異物も検知できるため、液晶表示パネルをより高精度に検査できる。
【0012】
さらに、液晶表示パネルを高精度に検査する観点から、好ましくは、前記撮像部は、前記光照射部による前記ライン状光の前記照射方向に対して前記搬送ラインの搬送方向およびその反対方向の両方に対称に配置される。
【0013】
また、液晶表示パネルを高精度に検査する観点から、前記撮像部は、前記光照射部による前記ライン状光の前記照射方向に対して1〜45°傾斜して配置されることが好ましい。
【0014】
また、他の本発明は、第1偏光板ロールおよび第2偏光板ロールから第1長尺偏光板および第2長尺偏光板をそれぞれ繰り出しながら、前記第1長尺偏光板および前記第2長尺偏光板をそれぞれ切断加工して得られる第1偏光板および第2偏光板を吸収軸が互いに直交するように、搬送される液晶セルの両面に貼り付けて液晶表示パネルを製造する製造工程と、当該液晶表示パネルを搬送しながら光学的に検査する検査工程とを有し、当該製造工程と当該検査工程とが当該液晶セルおよび液晶表示パネルを搬送する一連の搬送装置で行われる液晶表示パネルの連続製造方法であって、
前記検査工程は、前記搬送装置により前記液晶表示パネルを搬送しながら、当該液晶表示パネルに対して、当該搬送装置の一方面側から、当該搬送装置の幅方向に平行なライン状光を照射し、当該搬送装置の他方面側であって、前記ライン状光の照射方向に対して当該搬送装置の搬送方向またはその反対方向に所定角度傾斜した位置から、前記液晶表示パネルの当該ライン状光が照射された領域を当該搬送装置の幅方向に平行なライン状にかつ連続的に撮像する撮像工程を含む。
【0015】
この構成によれば、液晶表示パネルを搬送しながら、当該液晶表示パネルにライン状光を照射し、当該液晶表示パネルを透過した散乱光をライン状にかつ連続的に撮像することで、液晶表示パネルを高速に搬送しつつ、液晶表示パネル全面に亘って液晶セルと偏光板との間に混入した異物を鮮明なコントラストで撮像できる(異物で散乱された光を選択的に撮像できるため、異物周囲のノイズが抑えられる)。すなわち、液晶表示パネルを高速搬送しながら高精度に検査できるため、良質の液晶表示パネルを高速に連続生産することができる。
【0016】
上記発明の一実施形態として、前記ライン状光は、前記液晶表示パネルに対して垂直方向に照射される。この構成によれば、液晶表示パネルが搬送時にズレた(例えば、搬送ラインの搬送方向と液晶表示パネルの長辺方向または短辺方向が平行でなくなった)としても、このズレによる光抜け(ノイズ)を抑制できるため、高い検査精度を維持できる。
【0017】
上記発明の一実施形態として、前記液晶表示パネルの前記ライン状光が照射された領域は、当該ライン状光の前記照射方向に対して当該液晶表示パネルの搬送方向のおよびその反対方向の両方に所定角度傾斜した位置からライン状に撮像される。この構成によれば、ライン状光の照射方向に対して搬送方向の下流側に強く散乱せず、上流側に強く散乱する異物、上流側に強く散乱せず、下流側に強く散乱する異物も検知できるため、液晶表示パネルをより高精度に検査できる。
【0018】
さらに、液晶表示パネルを高精度に検査する観点から、好ましくは、前記液晶表示パネルの前記ライン状光が照射された領域は、当該ライン状光の前記照射方向に対して当該液晶表示パネルの搬送方向およびその反対方向に対称に傾斜した位置からライン状に撮像される。
【0019】
また、液晶表示パネルを高精度に検査する観点から、前記撮像工程は、前記ライン状光の照射方向に対して1〜45°傾斜した位置から、前記液晶表示パネルの当該ライン状光が照射された領域をライン状に撮像する工程であることが好ましい。
【0020】
また、他の本発明は、搬送装置で搬送される液晶表示パネルを光学的に検査する検査装置であって、
前記搬送装置の一方面側であって、当該搬送装置により搬送される前記液晶表示パネルに対して、当該搬送装置の幅方向に平行なライン状光を照射する光照射部と、
前記搬送装置の他方面側であって、前記光照射部による前記ライン状光の照射方向に対して当該搬送装置の搬送方向またはその反対方向に所定角度傾斜した位置に配置され、当該搬送装置により搬送される前記液晶表示パネルの当該ライン状光が照射された領域を当該搬送装置の幅方向に平行なライン状にかつ連続的に撮像する撮像部とを有する。
【0021】
この構成によれば、液晶表示パネルを搬送しながら、当該液晶表示パネルにライン状光を照射し、当該液晶表示パネルを透過した散乱光をライン状にかつ連続的に撮像することで、液晶表示パネルを高速に搬送しつつ、液晶表示パネル全面に亘って液晶セルと偏光板との間に混入した異物を鮮明なコントラストで撮像できる(異物で散乱された光を選択的に撮像できるため、異物周囲のノイズが抑えられる)。すなわち、液晶表示パネルを高速搬送しながら高精度に検査できる。
【0022】
上記発明の一実施形態として、前記光照射部は、前記液晶表示パネルに対して垂直方向に前記ライン状光を照射する。この構成によれば、液晶表示パネルが搬送時にズレた(例えば、搬送ラインの搬送方向と液晶表示パネルの長辺方向または短辺方向が平行でなくなった)としても、このズレによる光抜け(ノイズ)を抑制できるため、高い検査精度を維持できる。
【0023】
上記発明の一実施形態として、前記撮像部は、前記光照射部による前記ライン状光の前記照射方向に対して前記搬送ラインの搬送方向およびその反対方向の両方に所定角度傾斜した位置に配置される。この構成によれば、ライン状光の照射方向に対して搬送方向の下流側に強く散乱せず、上流側に強く散乱する異物、上流側に強く散乱せず、下流側に強く散乱する異物も検知できるため、液晶表示パネルをより高精度に検査できる。
【0024】
さらに、液晶表示パネルを高精度に検査する観点から、好ましくは、前記撮像部は、前記光照射部による前記ライン状光の前記照射方向に対して前記搬送ラインの搬送方向およびその反対方向の両方に対称に配置される。
【0025】
また、液晶表示パネルを高精度に検査する観点から、前記撮像部は、前記光照射部による前記ライン状光の前記照射方向に対して1〜45°傾斜して配置されることが好ましい。
【0026】
また、他の本発明は、搬送装置で搬送される液晶表示パネルを光学的に検査する検査方法であって、
前記搬送装置により前記液晶表示パネルを搬送しながら、当該液晶表示パネルに対して、当該搬送装置の一方面側から、当該搬送装置の幅方向に平行なライン状光を照射し、当該搬送装置の他方面側であって当該搬送装置の搬送方向またはその反対方向に所定角度傾斜した位置から、前記液晶表示パネルの当該ライン状光が照射された領域を当該搬送装置の幅方向に平行なライン状にかつ連続的に撮像する撮像工程とを含む。
【0027】
この構成によれば、液晶表示パネルを搬送しながら、当該液晶表示パネルにライン状光を照射し、当該液晶表示パネルを透過した散乱光をライン状にかつ連続的に撮像することで、液晶表示パネルを高速に搬送しつつ、液晶表示パネル全面に亘って液晶セルと偏光板との間に混入した異物を鮮明なコントラストで撮像できる(異物で散乱された光を選択的に撮像できるため、異物周囲のノイズが抑えられる)。すなわち、液晶表示パネルを高速搬送しながら高精度に検査できる。
【0028】
上記発明の一実施形態として、前記ライン状光は、前記液晶表示パネルに対して垂直方向に照射される。この構成によれば、液晶表示パネルが搬送時にズレた(例えば、搬送ラインの搬送方向とパネル長手方向が平行でなくなった)としても、このズレによる光抜け(ノイズ)を抑制できるため、高い検査精度を維持できる。
【0029】
上記発明の一実施形態として、前記液晶表示パネルの前記ライン状光が照射された領域は、当該ライン状光の前記照射方向に対して当該液晶表示パネルの搬送方向およびその反対方向の両方に所定角度傾斜した位置からライン状に撮像される。この構成によれば、ライン状光の照射方向に対して搬送方向の下流側に強く散乱せず、上流側に強く散乱する異物、上流側に強く散乱せず、下流側に強く散乱する異物も検知できるため、液晶表示パネルをより高精度に検査できる。
【0030】
さらに、液晶表示パネルを高精度に検査する観点から、好ましくは、前記液晶表示パネルの前記ライン状光が照射された領域は、当該ライン状光の前記照射方向に対して当該液晶表示パネルの搬送方向およびその反対方向に対称に傾斜した位置からライン状に撮像される。
【0031】
また、前記撮像工程は、前記ライン状光の照射方向に対して1〜45°傾斜した位置から、前記液晶表示パネルの当該ライン状光が照射された領域をライン状に撮像する工程であることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】液晶表示パネルの連続製造システムの一例を示した概略図。
【図2】検査装置の一例を示した概略図。
【図3】検査の様子の一例を示した概略図。
【図4】検査装置の一例を示した概略図。
【図5】検査装置の処理フローの一例を示したフローチャート。
【図6】検査待機から検査終了までの液晶表示パネルの搬送の様子の一例を示した概略図。
【図7】従来の検査装置および光抜け画像を示した概略図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図1を参照しながら、液晶表示パネルの連続製造システムおよび連続製造方法をさらに具体的に説明するが、本発明は本実施形態の態様に限定されるものではない。
【0034】
(実施形態1)
本実施形態の液晶表示パネルの連続製造システムは、第1偏光板ロール1および第2偏光板ロール2から第1長尺偏光板11および第2長尺偏光板21をそれぞれ繰り出しながら、第1長尺偏光板11および第2長尺偏光板21をそれぞれ切断加工して得られる第1偏光板13および第2偏光板23を吸収軸が互いに直交するように、搬送される液晶セル4の両面に貼り付けて液晶表示パネルYを製造する製造装置100と、液晶表示パネルYを搬送しながら光学的に検査する検査装置300とを有し、製造装置100と検査装置300とが液晶セル4および液晶表示パネルYを搬送する一連の搬送装置400に配置された液晶表示パネルの連続製造システムであって、検査装置300は、搬送装置400の一方面側であって、搬送装置400により搬送される液晶表示パネルYに対して、搬送装置400の幅方向d2(図1の紙面垂直方向)に平行なライン状光Lを照射する光照射部311と、搬送装置400の他方面側であって、光照射部311によるライン状光Lの照射方向Pに対して搬送装置400の搬送方向d1およびその反対方向に所定角度傾斜した位置に配置され、搬送装置400により搬送される液晶表示パネルYのライン状光Lが照射された領域を搬送装置400の幅方向d2に平行なライン状にかつ連続的に撮像する撮像部(312、314)とを有する。
【0035】
(偏光板ロール)
長尺偏光板を巻回してなる偏光板ロールとしては、例えば、(1)キャリアフィルムと当該キャリアフィルム上に形成された粘着剤を含む長尺偏光板とを有する、連続ウエブ形態の光学フィルム積層体をロール状に巻いたものが挙げられる。この場合、液晶表示パネルの連続製造システムは、長尺偏光板から枚葉状の偏光板(シート片)を形成するために、キャリアフィルムを残して、当該長尺偏光板(粘着剤を含む)を所定間隔にキャリアフィルムの送り方向に直交する方向に切断(ハーフカット)する(切込線を入れる)切断装置をさらに有する。また、偏光板ロールとして、例えば、(2)キャリアフィルムと当該キャリアフィルム上にキャリアフィルムの送り方向に直交する方向に切込線を介して互いに隣り合う枚葉状の偏光板(粘着剤を含む)とを有する光学フィルム積層体をロール状に巻いたもの(いわゆる切り目入り偏光板ロール)が挙げられる。
【0036】
例えば、図1に示す偏光板ロール1は、第1キャリアフィルム12と、第1キャリアフィルム12に粘着剤を介して形成された送り方向(長手方向)に平行な吸収軸を有する長尺偏光板(当該粘着剤を含む)11を有する第1光学フィルム積層体10をロール状に巻いたものである。偏光板ロール2は、第2キャリアフィルム22と、第2キャリアフィルム22に粘着剤を介して形成された送り方向(長手方向)に平行な吸収軸を有する長尺偏光板(当該粘着剤を含む)21を有する第2光学フィルム積層体20をロール状に巻いたものである。偏光板は、例えば、偏光子(厚さは5〜80μm程度)と、偏光子の片面または両面に偏光子保護フィルム(厚さは一般的に1〜500μm程度)が接着剤または接着剤なしで形成される。光学フィルム積層体10を構成する他のフィルムとして、例えば、位相差フィルム(厚さは一般的に10〜200μm)、視角補償フィルム、輝度向上フィルム、表面保護フィルム等が挙げられる。光学フィルム積層体の厚みは、例えば、10μm〜500μmの範囲が挙げられる。
【0037】
第1、第2キャリアフィルム12、22との間に介在する偏光板の粘着剤は、特に制限されず、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられる。粘着剤の層厚みは、例えば、10〜50μmの範囲が好ましい。第1、第2キャリアフィルム12、22は、例えばプラスチックフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート系フィルム、ポリオレフィン系フィルム等)等の従来公知のフィルムを用いることができる。また、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
【0038】
(液晶表示パネル)
液晶表示パネルYは、液晶セル4の片面または両面に少なくとも偏光板が形成されたものであり、必要に応じて駆動回路が組込まれる。液晶セル4は、例えば、垂直配向(VA)型、面内スイッチング(IPS)型などの任意なタイプのものを用いることができる。液晶セル4は、対向配置される一対の基板(第1基板、第2基板)間に液晶層が封止された構成である。
【0039】
(製造装置)
本実施形態では、製造装置100は、第1キャリアフィルム搬送装置101と、第1貼付部102と、第2キャリアフィルム搬送装置103と、第2貼付部104とを有する。
【0040】
第1キャリアフィルム搬送装置101は、第1偏光板ロール1から第1長尺偏光板11(第1光学フィルム積層体10)を繰り出しながら、第1長尺偏光板(粘着剤含む)11を切断加工して第1偏光板111を形成し、第1キャリアフィルム12から第1偏光板111(粘着剤を含む)を剥離し、第1貼付部102に供給する。そのために、第1キャリアフィルム搬送装置101は、第1切断部35、第1ダンサーロール30、第1剥離部40、第1巻取部60を有する。
【0041】
第1切断部35は、吸着部35aで第1キャリアフィルム12側から第1光学フィルム積層体10を固定しておいて、第1長尺偏光板11をその幅方向に切断し、第1キャリアフィルム12上に第1偏光板111を形成する。第1切断部35としては、例えばカッター、レーザー装置などが挙げられる。
【0042】
第1ダンサーロール30は、第1キャリアフィルム12の張力を保持する機能を持つ。
【0043】
第1剥離部40は、その先端部で第1キャリアフィルム12を内側にして折り返して、第1キャリアフィルム12から第1偏光板111を剥離する。本実施形態では、第1剥離部40としては、先端部に先鋭ナイフエッジ部を用いているが、これに限定されるものではない。
【0044】
第1巻取部60は、第1偏光板111が剥離された第1キャリアフィルム12を巻き取る。
【0045】
第1貼付部102は、搬送装置400により搬送された液晶セル4の上側から、第1剥離部40により第1キャリアフィルム12が剥離された第1偏光板111を粘着剤を介して貼り付ける。本実施形態では、第1貼付部102は、第1貼付ローラ50a、第1駆動ローラ50bで構成される。
【0046】
液晶セル4の他方面に第2偏光板211を貼り付けるための各種装置は、上記で説明した各種部、装置等を用いることができる。すなわち、第2キャリアフィルム搬送装置103は、第1キャリアフィルム搬送装置101と同様の装置で構成でき、第2貼付部104は、第1貼付部102と同様の装置で構成できる。例えば、第2ダンサーロール30は第1ダンサーロール30と同様の装置で構成でき、第2巻取部60は第1巻取部60と同様の装置で構成でき、第2貼付ローラ50aおよび第2駆動ローラ50bは第1貼付ローラ50aおよび第1駆動ローラ50bと同様の機構で構成できる。
【0047】
(検査装置)
検査装置300は、図1において搬送装置400の一方面側(下側)であって、当該搬送装置400により搬送される液晶表示パネルYに対して、搬送装置400の幅方向d2に平行なライン状光Lを照射する光照射部311と、図1において搬送装置400の他方面側(上側)であって、光照射部311によるライン状光Lの照射方向Pに対して当該搬送装置400の搬送方向d1またはその反対方向に所定角度傾斜した位置に配置され、当該搬送装置400により搬送される液晶表示パネルYの当該ライン状光Lが照射された領域を搬送装置400の幅方向d2に平行なライン状にかつ連続的に撮像する撮像部(第1撮像部312、第2撮像部314)を有する。なお、検査時の液晶表示パネルYの状態に応じて、光照射部311を搬送装置400の上側に配置し、撮像部を搬送装置400の下側に配置することも可能である。
【0048】
(光照射部)
光照射部311は、液晶表示パネルYの面に対し垂直にライン状光Lを照射する。光照射部311は、直進性のライン状光Lを照射するものであれは特に制限されず、例えばハロゲンランプ、メタルハライトランプ、LEDライン照明等が挙げられる。なお、ライン状光Lは、搬送装置400の幅方向d2にライン状に延びる光であり、ライン状光Lの短手方向(搬送装置400の搬送方向d1に平行な方向)の幅が液晶表示パネルの搬送方向長さよりも短い。また、光照射部311は、ライン状光Lの短手方向の幅をすぼめるためのレンズ部を備えていてもよい。レンズ部としては、例えば、ライン状光の長手方向に沿って形成された丸棒状のレンズが挙げられる。ライン状光の短手方向の幅をすぼめて集光させることは、強度の高い光を液晶表示パネル面に照射でき、小面積の画像データによりデータ処理容量を抑えることで演算処理時間を短縮化でき(より高速化でき)、高い検査精度を得られる点で好ましい。なお、光照射部311と搬送装置400との距離は、液晶表示パネルの種類、サイズ、搬送速度などによって適宜調整される。
【0049】
(撮像部)
撮像部は、第1撮像部312、第2撮像部314を有する。第1撮像部312は、光照射部311によるライン状光Lの照射方向Pに対して液晶表示パネルYの搬送方向d1の反対方向に所定角度(θ1)傾斜した位置に配置される。また、第2撮像部314は、光照射部311によるライン状光Lの照射方向Pに対して液晶表示パネルYの搬送方向d1に所定角度(θ2)傾斜した位置に配置される。本実施形態では、第1撮像部312、第2撮像部314は、液晶表示パネルYの搬送方向d1およびその反対方向に対称に配置される。すなわち、図2に示すように、第1、第2撮像部312、314は、光照射部311から照射されたライン状光Lで形成される面(透過光面)を境にして対称(θ1=θ2)に配置される。
【0050】
所定角度(θ1、θ2)および、第1、第2撮像部312、314と搬送装置400との距離は、液晶表示パネルの種類、サイズ、搬送速度などによって適宜設定される。所定角度(θ1、θ2)は、例えば1°〜45°の範囲が挙げられ、高い検査精度を行うためには10°〜40°の範囲が好ましい。また、撮像部の個数は2つに限定されず、1つでもよく、3つ以上配置してあってもよい。第1、第2撮像部312、314の傾き角度θ1,θ2は、異なっていてもよい。第1、第2撮像部312、314は、例えば、ライン状に配列されたCCDカメラ、ラインセンサカメラ等の光学カメラが挙げられる。本実施形態では、第1、第2撮像部312、314にて、カメラがそれぞれ2つづつ幅方向d2に平行に配置されているが(不図示)、カメラ数や配置形態ではこれに制限されない。
【0051】
本実施形態では、液晶セル4と偏光板111または偏光板211との間に異物がある場合に、図3(a)に示すように、第1撮像部312および第2撮像部314が、異物によって散乱された光を選択的に撮像できる。よって、第1撮像部312および第2撮像部314は、図3(b)に示すように、前述した図7の場合よりも異物を鮮明なコントラストで撮像することができる。
【0052】
(搬送装置)
搬送装置400は、液晶セル4、液晶セル4の両面に第1、第2偏光板13、23を貼り付けた液晶表示パネルYを搬送する一連の搬送装置である。この搬送装置400は、例えば、搬送ローラ70、吸着プレート等を有して構成される。本実施形態では、搬送装置400には、第1偏光板13が貼り付けられた液晶セル4を90°水平回転させる旋回機構と、第1偏光板13が貼り付けられた液晶セル4を上下反転させる反転機構が備えられている。また、搬送装置400は、検査装置300による検査の間、液晶表示パネルYを偏光板111、211の吸収軸が搬送方向d1に平行または直交するように搬送する。
【0053】
(検査フローなど)
本実施形態では、第1撮像部312および第2撮像部314を用いて取得した画像データに基づいて、液晶表示パネルYが良品か不良品かを判定する。そのために、検査装置300は、図4に示すように、第1画像処理部313、第2画像処理部315、メモリ302、画像集計処理/画像組立部303、良/不良判定部301をさらに有する。図4〜6を参照しながら説明する。
【0054】
まず、制御部(不図示)は、搬送装置400を制御して、液晶表示パネルYを検査待機位置で一旦停止させる(図6(a)参照)。 次に、制御部は、搬送装置400および検査装置300を制御して、液晶表示パネルYの搬送を開始し(ステップS1)、検査装置300による検査を開始する(ステップS2)。
【0055】
この検査では、検査開始から検査終了まででは、制御部は、搬送装置400を制御して、液晶表示パネルYを搬送方向d1に搬送し続ける。また、この間、制御部は、検査装置300を制御して、光照射部311が液晶表示パネルYにライン状光Lを照射し、第1撮像部312および第2撮像部314が液晶表示パネルYのライン状光Lが照射された領域をライン状に撮像する。 第1撮像部312および第2撮像部314で取得されたライン状撮像データは、それぞれ第1画像処理部313および第2画像処理部315で画像処理され、画像処理されたライン状画像データは、それぞれメモリ302に記憶される(ステップS3、S4。図6(b)は検査途中の状態を示す。)。この処理は、図5に示すように、制御部(不図示)は、搬送装置400を制御して、液晶表示パネルYを検査終了位置に搬送するまで(図6(c)参照)、順次行われる。
【0056】
次いで、画像集計処理/画像組立部303は、第1画像処理部313で画像処理されたライン状画像データをメモリ302から読み出し、画像集計処理をして、液晶表示パネルYの第1全体画像データを作成し(ステップ5)、続いて第1全体画像データはメモリ302に記憶される(ステップ6)。また、画像集計処理/画像組立部303は、第2画像処理部315で画像処理されたライン状画像データをメモリ302から読み出し、画像集計処理をして、液晶表示パネルYの第2全体画像データを作成し(ステップ5)、続いて第2全体画像データもメモリ302に記憶される(ステップ6)。
【0057】
次いで、良/不良判定部301は、メモリ302から第1全体画像データを読み出し、第1全体画像データに基づいて液晶表示パネルYの良/不良を判定する(ステップS7)。ここで、良/不良判定部301が、液晶表示パネルYを良品と判定した場合には、続いて、良/不良判定部301は、メモリ302から第2全体画像データを読み出し、第2全体画像データに基づいて液晶表示パネルYの良/不良を判定する(ステップS8)。ここでも、良/不良判定部301が、液晶表示パネルYを良品と判定した場合には、良品との判定結果が液晶表示パネルYの識別情報などと関連付けた形でメモリ302に記憶され(ステップS9)、液晶表示パネルYは、搬送装置400によって良品ポートへ搬送される。一方、ステップS7またはステップS8において、良/不良判定部301が、液晶表示パネルYを不良と判定した場合には、不良品として判定された結果が液晶表示パネルYの識別情報などと関連付けた形でメモリ302に記憶され(ステップS10)、液晶表示パネルYは、搬送装置400によって不良品ポートへ搬送される。
【0058】
(液晶表示パネルの連続製造方法)
本実施形態に係る液晶表示パネルの製造方法は、図1に示すように、第1偏光板ロール1および第2偏光板ロール2から第1長尺偏光板11(第1光学フィルム積層体10)および第2長尺偏光板21(第2光学フィルム積層体20)をそれぞれ繰り出しながら、第1長尺偏光板11および第2長尺偏光板21をそれぞれ切断加工して得られる第1偏光板111および第2偏光板211を吸収軸が互いに直交するように、搬送される液晶セル4の両面に貼り付けて液晶表示パネルYを製造する製造工程と、液晶表示パネルYを搬送しながら光学的に検査する検査工程とを有し、製造工程と検査工程とが液晶セル4および液晶表示パネルYを搬送する一連の搬送装置400で行われる液晶表示パネルの連続製造方法であって、検査工程は、搬送装置400により液晶表示パネルYを搬送しながら、液晶表示パネルYに対して、搬送装置400の一方面側から、搬送装置400の幅方向d2に平行にライン状光Lを照射し、搬送装置400の他方面側であって、ライン状光Lの照射方向に対して当搬送装置400の搬送方向d1またはその反対方向に所定角度傾斜した位置から、液晶表示パネルYの当該ライン状光Lが照射された領域を搬送装置400の幅方向d2に平行なライン状にかつ連続的に撮像する工程である。
【0059】
ライン状光は、好ましくは、液晶表示パネルYに対して垂直方向に照射される。また、液晶表示パネルYのライン状光Lが照射された領域は、ライン状光Lの照射方向Pに対して液晶表示パネルYの搬送方向d1およびその反対方向の両方に所定角度傾斜した位置から撮像されることが好ましく、液晶表示パネルYのライン状光Lが照射された領域は、ライン状光Lの照射方向Pに対して液晶表示パネルYの搬送方向d1およびその反対方向に対称に傾斜した位置から撮像されることがより好ましい。
【0060】
(別実施形態)
本実施形態では、液晶セル4の上側から第1偏光板111を貼り付けて、次いで、第1偏光板111を貼り付けた液晶セル4を反転(裏表反転、必要に応じて90°旋回)させて、当該液晶セル4の上側から第2偏光板211を貼り付けているが、液晶セルの下側から第1偏光板を貼り付け、液晶セルを反転させて、液晶セルの下側から第2偏光板を貼り付けてもよく、液晶セルの上側から第1偏光板を貼り付け、液晶セルを反転させないで、液晶セルの下側から第2偏光板を貼り付けてもよく、液晶セルの下側から第1偏光板を貼り付け、液晶セルを反転させないで、液晶セルの上側から第2偏光板を貼り付けてもよい。また、液晶セルの上側および下側から第1偏光板および第2偏光板を同時に貼り付けてもよい。
【0061】
また、本実施形態では、偏光板ロールから繰り出された長尺偏光板を所定間隔で切断するものであったが、本発明はとくにこの構成に制限されない。例えば、偏光板ロールから繰り出された長尺偏光板を欠点検査し、当該検査結果に基づいて欠点を避けるように切断(いわゆるスキップカット)してもよい。また、長尺偏光板に予め付された欠点情報または欠点位置に付されたマークを読み取り、当該欠点情報またはマークに基づいて欠点を避けるように切断してもよい。
【0062】
また、本実施形態では、長尺偏光板が長手方向に平行な吸収軸を有するが、長尺偏光板の吸収軸方向はこれに限定されない。例えば、第1長尺偏光板がその短手方向(幅方向)に平行な吸収軸を有し、第2長尺偏光板がその長手方向に平行な吸収軸を有していてもよい。この場合、第1偏光板が貼り付けられた液晶セルを90°水平回転させる旋回機構を適宜省略することができる。
【実施例】
【0063】
実施例として図3に示す検査装置300を用いる。検査装置300の光照射部311は、液晶表示パネルYに対して搬送装置400の幅方向d2に平行なライン状光Lを照射するように、搬送装置400の下側に配置される。第1撮像部312は、ライン状光Lの照射方向Pに対して当該搬送装置400の搬送方向d1と反対方向に30°(θ1)傾斜した位置で、かつ搬送装置400の上側に配置され、搬送装置400により搬送される液晶表示パネルYの当該ライン状光Lが照射された領域を搬送装置400の幅方向d2に平行なライン状にかつ連続的に撮像する。第2撮像部314は、ライン状光Lの照射方向Pに対して当該搬送装置400の搬送方向d1に30°(θ2)傾斜した位置で、かつ搬送装置400の上側に配置され、搬送装置400により搬送される液晶表示パネルYの当該ライン状光Lが照射された領域を搬送装置400の幅方向d2に平行なライン状にかつ連続的に撮像する。第1撮像部312と第2撮像部314とはライン状光Lの照射方向Pに対して対称に配置される。
【0064】
比較例として図7に示す検査装置370を用いる。検査装置370は、その撮像部371が光照射部311に対向して配置してある(傾きなし)。
【0065】
それぞれの光照射部311には、メタルハライトランプ(株式会社住田光学ガラス製の型式LS−M250A−D24)を用い、撮像部312、314、370には、カメラ(FUTEC製の型式PCME8020)を用いた。
【0066】
図1の製造装置100を用いて、液晶セル4の両面に吸収軸が互いに直交するように偏光板111、211を貼り付けて液晶表示パネルYを製造した。液晶セル4は、ガラス基板を有する32インチテレビサイズのものである。偏光板111、211は、日東電工株式会社製のVEG1724DUである。
【0067】
この製造された液晶表示パネルYを目視検査した。この目視検査で、液晶セル4と偏光板111または211との間の異物が原因で不良品として判定した不良品サンプルを200枚予め準備した。この不良品サンプルを、実施例の検査装置300(図3)および比較例の検査装置370(図7)のそれぞれで検査を行い、不良品として判定しなかった数(見逃し数)を評価した。実施例および比較例ともに、検査の際の搬送装置400による液晶表示パネルYの搬送速度を36m/minに設定した。その評価結果を表1に示す。
【0068】
【表1】

【0069】
表1の結果から、比較例の検査装置370では見逃し数が15枚であったのに対し、実施例の検査装置300では見逃しはなかった。実施例の検査装置300による検査は、目視検査と同程度の検査精度であることが分かり、実施例の検査装置300の有効性を確認できた。
【符号の説明】
【0070】
4 液晶セル
11 第1長尺偏光板
12 第1キャリアフィルム
21 第2長尺偏光板
22 第2キャリアフィルム
100 製造装置
111 第1偏光板
211 第2偏光板
300 検査装置
301 良/不良判定部
302 画像集計処理/画像組立部
311 光照射部
312 第1撮像部
313 第1画像処理部
314 第2撮像部
315 第2画像処理部
400 搬送装置
d1 搬送方向
L ライン状光
P ライン状光の照射方向
Y 液晶表示パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1偏光板ロールおよび第2偏光板ロールから第1長尺偏光板および第2長尺偏光板をそれぞれ繰り出しながら、前記第1長尺偏光板および前記第2長尺偏光板をそれぞれ切断加工して得られる第1偏光板および第2偏光板を吸収軸が互いに直交するように、搬送される液晶セルの両面に貼り付けて液晶表示パネルを製造する製造装置と、当該液晶表示パネルを搬送しながら光学的に検査する検査装置とを有し、当該製造装置と当該検査装置とが当該液晶セルおよび液晶表示パネルを搬送する一連の搬送装置に配置された液晶表示パネルの連続製造システムであって、
前記検査装置は、前記搬送装置の一方面側であって、当該搬送装置により搬送される前記液晶表示パネルに対して、当該搬送装置の幅方向に平行なライン状光を照射する光照射部と、
前記搬送装置の他方面側であって、前記光照射部による前記ライン状光の照射方向に対して当該搬送装置の搬送方向またはその反対方向に所定角度傾斜した位置に配置され、当該搬送装置により搬送される前記液晶表示パネルの当該ライン状光が照射された領域を当該搬送装置の幅方向に平行なライン状にかつ連続的に撮像する撮像部とを有する、液晶表示パネルの連続製造システム。
【請求項2】
前記光照射部は、前記液晶表示パネルに対して垂直方向に前記ライン状光を照射する、請求項1に記載の液晶表示パネルの連続製造システム。
【請求項3】
前記撮像部は、前記光照射部による前記ライン状光の前記照射方向に対して前記搬送装置の搬送方向およびその反対方向の両方に所定角度傾斜した位置に配置される、請求項1または2に記載の液晶表示パネルの連続製造システム。
【請求項4】
前記撮像部は、前記光照射部による前記ライン状光の前記照射方向に対して前記搬送装置の搬送方向およびその反対方向の両方に対称に配置される、請求項3に記載の液晶表示パネルの連続製造システム。
【請求項5】
前記撮像部は、前記光照射部による前記ライン状光の前記照射方向に対して1〜45°傾斜して配置される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示パネルの連続製造システム。
【請求項6】
第1偏光板ロールおよび第2偏光板ロールから第1長尺偏光板および第2長尺偏光板をそれぞれ繰り出しながら、前記第1長尺偏光板および前記第2長尺偏光板をそれぞれ切断加工して得られる第1偏光板および第2偏光板を吸収軸が互いに直交するように、搬送される液晶セルの両面に貼り付けて液晶表示パネルを製造する製造工程と、当該液晶表示パネルを搬送しながら光学的に検査する検査工程とを有し、当該製造工程と当該検査工程とが当該液晶セルおよび液晶表示パネルを搬送する一連の搬送装置で行われる液晶表示パネルの連続製造方法であって、
前記検査工程は、前記搬送装置により前記液晶表示パネルを搬送しながら、当該液晶表示パネルに対して、当該搬送装置の一方面側から、当該搬送装置の幅方向に平行なライン状光を照射し、当該搬送装置の他方面側であって、前記ライン状光の照射方向に対して当該搬送装置の搬送方向またはその反対方向に所定角度傾斜した位置から、前記液晶表示パネルの当該ライン状光が照射された領域を当該搬送装置の幅方向に平行なライン状にかつ連続的に撮像する撮像工程を含む、液晶表示パネルの連続製造方法。
【請求項7】
前記ライン状光は、前記液晶表示パネルに対して垂直方向に照射される、請求項6に記載の液晶表示パネルの連続製造方法。
【請求項8】
前記液晶表示パネルの前記ライン状光が照射された領域は、当該ライン状光の前記照射方向に対して当該液晶表示パネルの搬送方向およびその反対方向の両方に所定角度傾斜した位置からライン状に撮像される、請求項6または7に記載の液晶表示パネルの連続製造方法。
【請求項9】
前記液晶表示パネルの前記ライン状光が照射された領域は、当該ライン状光の前記照射方向に対して当該液晶表示パネルの搬送方向およびその反対方向に対称に傾斜した位置からライン状に撮像される、請求項8に記載の液晶表示パネルの連続製造方法。
【請求項10】
前記撮像工程は、前記ライン状光の照射方向に対して1〜45°傾斜した位置から、前記液晶表示パネルの当該ライン状光が照射された領域をライン状に撮像する工程である、請求項6〜9のいずれか1項に記載の液晶表示パネルの連続製造方法。
【請求項11】
搬送装置で搬送される液晶表示パネルを光学的に検査する検査装置であって、
前記搬送装置の一方面側であって、当該搬送装置により搬送される前記液晶表示パネルに対して、当該搬送装置の幅方向に平行なライン状光を照射する光照射部と、
前記搬送装置の他方面側であって、前記光照射部による前記ライン状光の照射方向に対して当該搬送装置の搬送方向またはその反対方向に所定角度傾斜した位置に配置され、当該搬送装置により搬送される前記液晶表示パネルの当該ライン状光が照射された領域を当該搬送装置の幅方向に平行なライン状にかつ連続的に撮像する撮像部とを有する、検査装置。
【請求項12】
前記光照射部は、前記液晶表示パネルに対して垂直方向に前記ライン状光を照射する、請求項11に記載の検査装置。
【請求項13】
前記撮像部は、前記光照射部による前記ライン状光の前記照射方向に対して前記搬送装置の搬送方向およびその反対方向の両方に所定角度傾斜した位置に配置される、請求項11または12に記載の検査装置。
【請求項14】
前記撮像部は、前記光照射部による前記ライン状光の前記照射方向に対して前記搬送装置の搬送方向およびその反対方向の両方に対称に配置される、請求項13に記載の検査装置。
【請求項15】
前記撮像部は、前記光照射部による前記ライン状光の前記照射方向に対して1〜45°傾斜して配置される、請求項11〜14のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項16】
搬送装置で搬送される液晶表示パネルを光学的に検査する検査方法であって、
前記搬送装置により前記液晶表示パネルを搬送しながら、当該液晶表示パネルに対して、当該搬送装置の一方面側から、当該搬送装置の幅方向に平行なライン状光を照射し、当該搬送装置の他方面側であって当該搬送装置の搬送方向またはその反対方向に所定角度傾斜した位置から、前記液晶表示パネルの当該ライン状光が照射された領域を当該搬送装置の幅方向に平行なライン状にかつ連続的に撮像する撮像工程とを含む、検査方法。
【請求項17】
前記ライン状光は、前記液晶表示パネルに対して垂直方向に照射される、請求項16に記載の検査方法。
【請求項18】
前記液晶表示パネルの前記ライン状光が照射された領域は、当該ライン状光の前記照射方向に対して当該液晶表示パネルの搬送方向およびその反対方向の両方に所定角度傾斜した位置からライン状に撮像される、請求項16または17に記載の検査方法。
【請求項19】
前記液晶表示パネルの前記ライン状光が照射された領域は、当該ライン状光の前記照射方向に対して当該液晶表示パネルの搬送方向およびその反対方向に対称に傾斜した位置からライン状に撮像される、請求項18に記載の検査方法。
【請求項20】
前記撮像工程は、前記ライン状光の照射方向に対して1〜45°傾斜した位置から、前記液晶表示パネルの当該ライン状光が照射された領域をライン状に撮像する工程である、請求項16〜19のいずれか1項に記載の検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−194509(P2012−194509A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60335(P2011−60335)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【特許番号】特許第4921597号(P4921597)
【特許公報発行日】平成24年4月25日(2012.4.25)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】