説明

液晶表示装置

【課題】画素の開口率低下の防止並びに液晶パネルでの画像記憶による省電力化の効果増を図った液晶表示装置を提供する。
【解決手段】表示領域11を除く領域11’にメモリ14を設けたことで、画素が簡素化され、開口率低下を防止することができる。また、制御回路15が、送信された小画像を表示し、メモリ14に記憶させ、記憶させた小画像を再び表示することで、同じ小画像を送信の度に表示する場合よりも消費電力を低くすることができる。また、小画像なので、大画像の場合よりも消費電力を低くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画素の開口率低下の防止並びに液晶パネルでの画像記憶による省電力化の効果増を図った液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図13は、従来の液晶表示装置の概略構成と表示の様子を示す図である。図14は、図13の表示のときのタイミングチャートである。
【0003】
従来では、例えば、約1/60秒のフレーム期間ごとの動作がなされる。その動作では、まず、外部回路2の制御回路22がメモリ21の画像を、データ信号と制御信号により、液晶パネル100に送信する。そして、液晶パネル100では、信号回路12が画像から変換した映像信号を信号線に与え、この信号回路12と走査回路13の働きにより画像が表示領域11に表示される。例えば、携帯通信端末において日時や時刻を表示する場合、日時などが静止して見えるように、同一画像が繰り返し送信表示される。
【0004】
その一方、特許文献1には、液晶パネルに画像を記憶する構成が開示されている。これにより、送信回数を減らせ、外部回路の省電力化が可能となる。
【特許文献1】特開2002−311922号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の構成では、表示領域の画素で画像を記憶するので、記憶用のトランジスタなどの存在により、画素の開口率が低下する。
【0006】
また、日時などの表示では、本質的に表示が必要なのは、日付などの部分だけであるが、表示領域の大きさの画像を送信して表示しなければならないので、省電力化の効果が少ない。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、画素の開口率低下の防止並びに液晶パネルでの画像記憶による省電力化の効果増を図った液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、第1の本発明では、画像が表示される表示領域を有する液晶パネルに画像が送信されて表示される液晶表示装置において、前記液晶パネルは、該液晶パネルの前記表示領域を除く領域に設けられ、前記表示領域の大きさの大画像より小さい小画像が送信されたときの当該小画像が記憶されるメモリと、前記液晶パネルの前記表示領域を除く領域に設けられ、前記小画像を前記表示領域に表示し、当該小画像を前記メモリに記憶させ、当該記憶させた小画像を再び表示する制御回路とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、表示領域を除く領域にメモリを設けることで、画素が簡素化され、開口率低下を防止することができる。また、本発明によれば、送信された小画像を表示し、記憶し、記憶した小画像を再び表示することで、同じ小画像を送信の度に表示する場合よりも消費電力を低くすることができる。また、本発明によれば、小画像なので、大画像の場合よりも消費電力を低くすることができる。
【0010】
第2の本発明では、前記制御回路は、前記小画像の表示では、該表示がなされる位置を変えることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、表示がなされる位置を、例えば、1秒ごとに変えることができる。
【0012】
第3の本発明では、前記制御回路は、前記小画像の表示では、当該小画像の一部を表示し、当該一部が表示される位置に対して異なる位置に当該小画像の当該一部を除く部分を表示することを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、当該一部を記憶するメモリと当該除く部分を記憶するメモリを設ける必要がなくなる。
【0014】
第4の本発明では、前記制御回路は、前記表示領域の小画像が表示される位置の領域を除く領域に均一な画像を表示することを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、小画像と均一な画像とからなる大画像を逐一用意する必要がなくなる。
【0016】
第5の本発明では、前記制御回路は、前記表示領域に均一な画像を表示し、当該均一な画像が表示された当該表示領域において前記小画像の表示を行うことを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、小画像が表示される位置に関係なく均一な画像の表示を行うことができる。
【0018】
第6の本発明では、前記液晶パネルの前記表示領域を除く領域に設けられ、前記大画像より小さい小画像が記憶される第2のメモリを備え、前記制御回路は、前記メモリに記憶された小画像の表示がなされる位置に対して異なる位置に前記第2のメモリに記憶される小画像を表示し、当該小画像を前記第2のメモリに記憶させ、当該記憶させた小画像を再び表示することを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、2つの小画像を表示することができる。
【0020】
第7の本発明では、前記メモリに記憶される小画像を構成する要素が3ビットであり当該3ビットの内の1ビットが当該要素の位置における赤の発色の有無を示し残りの2ビットの内の1ビットが当該要素の位置における緑の発色の有無を示し残りの1ビットが当該要素の位置における青の発色の有無を示すように設定されることを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、カラーの小画像を表示することができる。
【0022】
第8の本発明では、前記メモリに記憶される小画像を構成する要素が1ビットであり当該1ビットが当該要素の位置における白または黒の発色を示すように設定されることを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、モノクロの小画像を表示することができる。
【0024】
第9の本発明では、前記液晶パネルは、ガラス材による基板と該基板上に低温プロセスにより生成されたポリシリコン膜とを備え、前記メモリは前記ポリシリコン膜による薄膜トランジスタで構成されたものであることを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、低温プロセスにより生成されたポリシリコン膜による薄膜トランジスタでメモリを構成することで、メモリをガラス材による液晶パネルに構成することができる。
【0026】
第10の本発明では、前記液晶パネルは、当該液晶パネルに入射した外光が当該液晶パネル内で反射することにより前記小画像の表示がなされるように構成されたものであることを特徴とする。
【0027】
本発明によれば、小画像の表示を外光で行うことで、バックライトを不要にできる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、表示領域を除く領域にメモリを設けることで、画素が簡素化され、開口率低下を防止することができる。また、本発明によれば、送信された小画像を表示し、記憶し、記憶した小画像を再び表示することで、同じ小画像を送信の度に表示する場合よりも消費電力を低くすることができる。また、本発明によれば、小画像なので、大画像の場合よりも消費電力を低くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0030】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る液晶表示装置の概略構成と表示の様子を示す図である。
【0031】
この液晶表示装置は、携帯通信端末に搭載される例に係るものであり、画像が表示される液晶パネル1を備える。この例では、液晶パネル1に画像を送信する外部回路2が使用される。液晶パネル1の背面にはバックライト(図示省略する。他の要素についても適宜に図示省略する。)が配置される場合がある。
【0032】
液晶パネル1は、画像が表示される表示領域11と、表示領域11に形成される複数の信号線に映像信号を与える信号回路12と、表示領域11に形成される複数の走査線を駆動する走査回路13と、表示領域11を除く領域11’に設けられたメモリ14および制御回路15を備える。メモリ14は、例えば、リフレッシュ動作が不要なスタティックメモリである。なお、液晶パネル1は、静電保護を行う回路を備える場合がある。
【0033】
液晶パネル1では、ガラス材による基板と該基板上に低温プロセスにより生成されたポリシリコン膜とを備えるアレイ基板と、このアレイ基板に対向する対向基板との間に液晶層が挟持される。
【0034】
アレイ基板では、上記の信号線と走査線が格子状に配置される。信号線と走査線の各交差箇所では、ポリシリコン膜による薄膜トランジスタと画素電極が構成される。交差箇所では、薄膜トランジスタのソース電極が信号線に接続され、ゲート電極が走査線に接続され、ドレイン電極が画素電極に接続される。信号回路12、走査回路13、メモリ14および制御回路15は、同様のポリシリコン膜による薄膜トランジスタで構成される。画素電極は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)等の光透過性導電部材によって形成され、かくしてバックライトからの光を透過させる。画素電極は、例えば、金属の部分を含み、かくして外光を反射する。
【0035】
対向基板では、表示領域11に対向電極が構成される。対向電極は、同様な光透過性導電部材によって形成され、かくしてバックライトからの光、外光、その反射光などを透過させる。
【0036】
液晶パネル1では、各画素電極に対応する部分を画素と称し、カラー表示を行う場合の液晶パネル1では、赤(R)、緑(G)および青(B)の色層を備えた画素が規則的に配置される。
【0037】
外部回路2は、表示領域11に表示される画像が記憶されるメモリ21と、メモリ21に記憶された画像を液晶パネル1に送信する制御回路22とを備える。
【0038】
(第1の実施の形態の動作)
(大画像の表示)
まず、表示領域11の大きさの画像(大画像という)を表示する動作を説明する。
【0039】
メモリ21に大画像がデジタルデータで記憶される。制御回路22は、メモリ21から大画像を読み出し、制御回路15に送信する。制御回路15は、送信された大画像を表示領域11に表示する。
【0040】
この表示では、まず、制御回路15は、大画像を信号回路12に送信し、走査回路13を動作開始させる。
【0041】
走査回路13は、直ちに、一方の端の走査線を駆動し、これにより、当該走査線に接続された薄膜トランジスタが導通する。信号回路12も直ちに、大画像から当該薄膜トランジスタを備える画素に対応するデジタルデータを選択し、これをアナログの映像信号に変換し、対応する信号線に与える。与えられた映像信号は、薄膜トランジスタを介して画素電極に書き込まれる。この画素電極を備える画素では、液晶の透光率が、画素電極と対向電極の電位差に応じたものとなる。こうして液晶の透光率が設定された画素では、バックライトなどからの光や外光の反射光の内、当該透過率に応じた分の光が出射する。こうして、一方の端の走査線に対応する画素での表示がなされる。続いて、隣の走査線に対応する画素で同様の表示がなされる。こうして、各走査線に対応する画素での表示が順次になされることで、大画像が表示される。
【0042】
大画像の表示は、1秒に数十に分割したフレーム期間ごとに行われる。各フレーム期間で同じ大画像を表示することで静止画が表示される。一方、互いに異なる大画像を取り替えながら表示することで動画が表示される。
【0043】
(小画像の表示)
次に、大画像より小さい画像(小画像という)を表示する動作を説明する。これ以降の説明では、小画像が日時や時刻を示すものである場合の例を適宜加入する。
【0044】
メモリ21に小画像がデジタルデータで記憶される。小画像を構成する要素は、例えば、3ビットであり当該3ビットの内の1ビットが当該要素の位置における赤の発色の有無を示し残りの2ビットの内の1ビットが当該要素の位置における緑の発色の有無を示し残りの1ビットが当該要素の位置における青の発色の有無を示すように設定される。
【0045】
あるいは、小画像を構成する要素は、例えば、1ビットであり当該1ビットが当該要素の位置における白または黒の発色を示すように設定される。
【0046】
制御回路22には、小画像の表示タイミングを示す数値であるカウンタが予め設定される。
【0047】
図2は、図1の表示のときのタイミングチャートである。
【0048】
小画像の表示は、大画像の表示がなされる表示モードから小画像の表示がなされる表示モードへの切替がなされることにより、大画像の表示のときと同様のフレーム期間ごとに行われる。1回目のフレーム期間では、まず、制御回路15は、表示領域11に均一な画像を表示する。
【0049】
この表示では、まず、制御回路15は、自身に予め設定された均一な画像の態様を信号回路12に通知し、走査回路13を動作開始させる。
【0050】
続いて、走査回路13は、全ての走査線を駆動し、これにより、全ての薄膜トランジスタが導通する。信号回路12も直ちに、通知された態様に応じたアナログの映像信号を全ての信号線に与える。与えられた映像信号は、薄膜トランジスタを介して全ての画素電極に書き込まれる。全ての画素では、液晶の透光率が、画素電極と対向電極の電位差に応じたものとなる。こうして全ての画素では、バックライトなどからの光や外光の反射光の内、当該透過率に応じた分の光が出射する。こうして、表示領域11に均一な画像が表示される。つまり、単色が同一の輝度で発色される。
【0051】
同じフレーム期間では、制御回路22は、設定されたカウンタが示すタイミングになると、メモリ21から小画像を読み出し、図2のデータ信号と制御信号により、制御回路15に送信する。制御回路15は直ちに、この送信のタイミングを記憶し、小画像をメモリ14に記憶させ、表示領域11に表示する。
【0052】
この表示では、小画像を信号回路12に送信し、それを走査回路13に通知する。
【0053】
走査回路13は、直ちに、そのときに対応する走査線を駆動し、これにより、当該走査線に接続された薄膜トランジスタが導通する。信号回路12も直ちに、小画像から当該薄膜トランジスタを備える画素に対応するデジタルデータを選択し、これをアナログの映像信号に変換し、対応する信号線に与える。与えられた映像信号は、薄膜トランジスタを介して画素電極に書き込まれる。この画素電極を備える画素では、液晶の透光率が、画素電極と対向電極の電位差に応じたものとなる。こうして液晶の透光率が設定された画素では、バックライトなどからの光や外光の反射光の内、当該透過率に応じた分の光が出射する。こうして、当該走査線に対応する画素での表示がなされる。続いて、隣の走査線に対応する画素で同様の表示がなされる。こうした各走査線に対応する画素での表示が順次になされることで、小画像が表示される。
【0054】
次に、2回目のフレーム期間でも、まずは、同様に、制御回路15が、表示領域11において均一な画像を表示する。
【0055】
同じフレーム期間では、設定されたカウンタが示すタイミングになっても、新たな小画像がメモリ21に記憶されていない場合は、制御回路22は、小画像を読み出すことはしない。これにより、制御回路15への小画像の送信はなされない。制御回路15は、記憶したタイミングで、メモリ14に記憶しておいた小画像を読み出し、同様に、表示領域11に表示する。
【0056】
こうして、小画像が連続して表示されることとなる。この小画像の表示は、例えば、開始の1秒後には終了し、メモリ21に新たな小画像が記憶されることで、同位置への新たな小画像の表示が開始される。
【0057】
なお、小画像の表示は、大画像の表示モードへの切替がなされたときに終了する。
【0058】
図3は、図1のときの位置とは異なる位置に小画像が表示された様子を示す図である。図4は、図3の表示のときのタイミングチャートである。
【0059】
制御回路22には、図1の位置に小画像を表示するときのカウンタとは異なるカウンタが設定される。よって、制御回路22は、小画像を制御回路15に、図2のときのタイミングとは異なるタイミングで送信する。その結果、制御回路15は、小画像を、図1のときの位置とは異なる位置に表示する。なお、詳細などについては、これまでに説明したものと同様である。
【0060】
ところで、小画像の表示は、その次に均一な画像を表示するタイミングまで継続する。そのため、そのタイミングまでの時間が短い場合、小画像が視認されにくくなる。
【0061】
そこで、図5に示すように、小画像の表示タイミングの、例えば直前に、均一な画像の表示タイミングを制御信号で制御回路15に通知し、制御回路15がその表示タイミングで均一な画像を表示するのがよい。
【0062】
また、これを制御信号によらないで行ってもよい。例えば、小画像の表示タイミングに基づいて制御回路15が均一な画像の表示タイミングを求め、その表示タイミングで均一な画像を表示してもよい。
【0063】
こうして小画像表示の継続期間を長くすることで、小画像を視認され易くすることができる。また、制御信号によらない均一な画像表示は、制御信号によるものに比べて、液晶パネル1の省電力化に寄与する。
【0064】
また、小画像表示の継続期間が短くなるのは、均一な画像表示を表示領域11の全てに行うからであり、図6に示すように、小画像の表示タイミングの、例えば前後において、小画像の表示領域を除く領域に均一な画像を表示するようにしてもよい。この均一な画像の態様は、均一な画像表示を表示領域11の全てに行うときと同様に、予め制御回路15が記憶しておけばよい。
【0065】
図7は、複数の小画像が互いに位置とタイミングを変えて表示された様子を示す図である。
【0066】
図7のように表示する場合、メモリ21に小画像G1が記憶される。また、制御回路22には、小画像G1を表示するときのカウンタC1(図示省略)が制御回路15に設定される。以下に説明するカウンタも同様であり、同じく図示省略する。
【0067】
カウンタC1の設定により、小画像G1がカウンタC1に応じた位置に表示される。小画像G1の表示は、例えば、10月01日(月)の10時10分34秒に開始され、1秒後に終了する。
【0068】
また、メモリ21に小画像G2が記憶される。また、制御回路22には、小画像G2を表示するときのカウンタC2が設定される。これにより、小画像G2がカウンタC2に応じた位置に表示される。小画像G2の表示は、例えば、10月01日(月)の10時10分35秒に開始され、1秒後に終了する。
【0069】
また、メモリ21に小画像G3が記憶される。また、制御回路22には、小画像G3を表示するときのカウンタC3が設定される。これにより、小画像G3がカウンタC3に応じた位置に表示される。小画像G3の表示は、例えば、10月01日(月)の10時10分36秒に開始され、1秒後に終了する。
【0070】
なお、詳細などについては、これまでに説明したものと同様である。
【0071】
図8は、文字列「着信あり」が右から左へスクロールして表示される様子を示す図である。
【0072】
図8のように表示する場合、文字「着」が右に現れたときの小画像と、文字「り」が左へ消えるときの小画像と、その間を補間する複数の小画像が生成される。そして、文字「着」が右に現れたときの小画像、補間する複数の小画像、文字「り」が左へ消えるときの小画像を、この順で取り替えながら表示することで、図8のような表示がなされる。
【0073】
なお、詳細などについては、これまでに説明したものと同様である。
【0074】
[第2の実施の形態]
図9は、第2の実施の形態に係る液晶表示装置における様子を示す図である。
【0075】
液晶表示装置は、第1の実施の形態のものと同様に構成されるので、ここでは、動作を説明する。大画像の表示は、第1の実施の形態のときのものと同様なので、ここでは、小画像の表示を説明する。
【0076】
第2の実施の形態では、小画像を構成する各部分が互いに位置を変えて表示される。
【0077】
図10は、図9の表示のときのタイミングチャートである。
【0078】
図9のように表示する場合、メモリ21には小画像を構成する部分G11、G12が記憶される。つまり、部分G12は、小画像の部分G11を除く部分である。また、制御回路22には、部分G11を表示するときのカウンタC11が設定される。これにより、部分G11がカウンタC11に応じた位置に表示される。部分G11の表示は、例えば、小画像の表示モードへの切替がなされたときに開始され、大画像の表示モードへの切替がなされたときに終了する。終了は、あるいは、当日の深夜になり、同位置への新たな表示がなされる。
【0079】
また、制御回路22には、部分G12を表示するときのカウンタC12が設定される。これにより、部分G12がカウンタC12に応じた位置に表示される。部分G12の表示は、例えば、部分G11の1回目の表示がなされるフレーム期間に開始され、1秒後には終了して、同位置への新たな表示がなされる。
【0080】
なお、詳細などについては、これまでに説明したものと同様である。
【0081】
例えば、均一な画像表示のタイミング設定を同様に行って、各部分が視認され易くしてもよい。また、各部分の表示領域を除く領域に均一な画像を表示してもよい。
【0082】
[第3の実施の形態]
図11は、第3の実施の形態に係る液晶表示装置の概略構成と表示の様子を示す図である。
【0083】
ここでは、第1の実施の形態に対し、領域11’にはメモリ14’(例えば、スタティックメモリ)が更に設けられる。そして、メモリ14に記憶された小画像の表示がなされる領域を除く領域にメモリ14’に記憶される小画像を表示するように構成される。
【0084】
(第3の実施の形態の動作)
大画像の表示は、第1の実施の形態などのときのものと同様なので、小画像の表示を説明する。
【0085】
ここでは、メモリ21に2つの小画像が記憶される。
【0086】
図12は、図11の表示のときのタイミングチャートである。
【0087】
小画像の表示は、小画像の表示モードへの切替がなされることにより、フレーム期間ごとに行われる。
【0088】
1回目のフレーム期間では、制御回路22は、メモリ21から一方の小画像を読み出し、図12のデータ信号と制御信号により、制御回路15に送信する。制御回路15は直ちに、小画像をメモリ14に記憶させ、表示領域11に表示する。
【0089】
制御回路22は、一方の小画像の送信が終わると直ちに他方の小画像をメモリ21から読み出し、図12のデータ信号と制御信号により、制御回路15に送信する。そして、制御回路15は直ちに、小画像をメモリ14’に記憶させ、表示領域11に表示する。
【0090】
続いて、制御回路15は直ちに、メモリ14’に記憶しておいた小画像を読み出し、表示領域11に表示する。直ちに表示させることで、この小画像は、直前に表示された小画像の隣に表示される。
【0091】
こうしたメモリ14’の小画像の表示が繰り返されることで、表示領域11への表示が残らずなされる。
【0092】
次に、2回目のフレーム期間では、新たな小画像がメモリ21に記憶されていない場合、制御回路22は、小画像を読み出すことはしない。これにより、制御回路15への小画像の送信はなされない。制御回路15は、このフレーム期間では直ちに、メモリ14に記憶しておいた小画像を読み出し、表示領域11に表示する。
【0093】
続いて、制御回路15は直ちに、メモリ14’に記憶しておいた小画像を読み出し、表示領域11に表示する。この小画像は、直前の小画像の隣に表示される。
【0094】
こうしたメモリ14’の小画像の表示が繰り返されることで、表示領域11への表示が残らずなされる。
【0095】
そして、表示領域11への表示が連続してなされることとなる。この表示領域11への表示は、例えば、開始の1秒後には終了する。そして、メモリ14に記憶された小画像に替わる新たな小画像がメモリ21に記憶されることで、当該小画像の表示を含む表示領域11への新たな表示が開始される。
【0096】
なお、小画像の表示を含む表示領域11への表示は、大画像の表示モードへの切替がなされたときに終了する。
【0097】
以上説明したように、本発明に係る液晶表示装置によれば、図1と図2を参照して説明したように、表示領域11を除く領域11’にメモリ14を設けたことで、画素が簡素化され、開口率低下を防止することができる。また、制御回路15が、送信された小画像を表示し、メモリ14に記憶させ、記憶させた小画像を再び表示することで、同じ小画像を送信の度に表示する場合よりも消費電力を低くすることができる。また、小画像なので、大画像の場合よりも消費電力を低くすることができる。
【0098】
また、図7を参照して説明したように、制御回路15が、小画像の表示がなされる位置を変えることで、表示がなされる位置を、例えば、1秒ごとに変わるようにすることができる。
【0099】
また、図9と図10を参照して説明したように、制御回路15が、小画像の一部である部分G11を表示し、当該一部が表示される位置に対して異なる位置に当該一部を除く部分G12を表示することで、当該一部を記憶するメモリと当該除く部分を記憶するメモリを設ける必要がなくなる。
【0100】
また、制御回路15が、小画像が表示される位置の領域を除く領域に均一な画像を表示することで、小画像と均一な画像とからなる大画像を逐一用意する必要がなくなる。
【0101】
また、特に制御回路15が、表示領域11に均一な画像を表示し、均一な画像が表示された表示領域11において小画像の表示を行うことで、小画像が表示される位置に関係なく均一な画像の表示を行うことができる。
【0102】
また、図11と図12を参照して説明したように、表示領域11を除く領域11’に第2のメモリ14’を設け、制御回路15は、メモリ14に記憶された小画像の表示がなされる位置に対して異なる位置にメモリ14’の小画像を表示し、当該小画像をメモリ14’に記憶させ、当該記憶させた小画像を再び表示することで、2つの小画像を表示することができる。
【0103】
また、メモリ14’の小画像を繰り返し表示することにより、表示領域11への表示が残らずなされるようにすることで、第1の実施の形態などで表示した均一な画像の表示を不要にすることができる。なお、メモリ14の小画像を繰り返し表示することで、表示領域11への表示が残らずなされるようにすることとしてもよい。
【0104】
また、メモリ14に記憶される小画像を構成する要素が3ビットであり当該3ビットの内の1ビットが当該要素の位置における赤の発色の有無を示し残りの2ビットの内の1ビットが当該要素の位置における緑の発色の有無を示し残りの1ビットが当該要素の位置における青の発色の有無を示すように設定されることで、カラーの小画像を表示することができる。
【0105】
また、メモリ14に記憶される小画像を構成する要素が1ビットであり当該1ビットが当該要素の位置における白または黒の発色を示すように設定されることで、モノクロの小画像を表示することができる。
【0106】
また、低温プロセスにより生成されたポリシリコン膜による薄膜トランジスタでメモリを構成することで、メモリ14、14‘をガラス材による液晶パネル1に構成することができる。
【0107】
また、液晶パネル1に入射した外光が液晶パネル1内で反射することにより小画像の表示がなされるようにしたことで、バックライトを不要にできる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】第1の実施の形態に係る液晶表示装置の概略構成と表示の様子を示す図である。
【図2】図1の表示のときのタイミングチャートである。
【図3】図1のときの位置とは異なる位置に小画像が表示された様子を示す図である。
【図4】図3の表示のときのタイミングチャートである。
【図5】図3の表示を別な動作で行うときのタイミングチャートである。
【図6】図3の表示をさらに別な動作で行うときのタイミングチャートである。
【図7】複数の小画像が互いに位置とタイミングを変えて表示された様子を示す図である。
【図8】文字列「着信あり」が右から左へスクロールして表示される様子を示す図である。
【図9】第2の実施の形態に係る液晶表示装置における様子を示す図である。
【図10】図9の表示のときのタイミングチャートである。
【図11】第3の実施の形態に係る液晶表示装置の概略構成と表示の様子を示す図である。
【図12】図11の表示のときのタイミングチャートである。
【図13】従来の液晶表示装置の概略構成と表示の様子を示す図である。
【図14】図13の表示のときのタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0109】
1…液晶パネル
2…外部回路
11…表示領域
12…信号回路
13…走査回路
14、14’、21…メモリ
15、22…制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が表示される表示領域を有する液晶パネルに画像が送信されて表示される液晶表示装置において、
前記液晶パネルは、
該液晶パネルの前記表示領域を除く領域に設けられ、前記表示領域の大きさの大画像より小さい小画像が送信されたときの当該小画像が記憶されるメモリと、
前記液晶パネルの前記表示領域を除く領域に設けられ、前記小画像を前記表示領域に表示し、当該小画像を前記メモリに記憶させ、当該記憶させた小画像を再び表示する制御回路と
を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記制御回路は、前記小画像の表示では、該表示がなされる位置を変えることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記小画像の表示では、当該小画像の一部を表示し、当該一部が表示される位置に対して異なる位置に当該小画像の当該一部を除く部分を表示することを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記制御回路は、前記表示領域の小画像が表示される位置の領域を除く領域に均一な画像を表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記制御回路は、前記表示領域に均一な画像を表示し、当該均一な画像が表示された当該表示領域において前記小画像の表示を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記液晶パネルの前記表示領域を除く領域に設けられ、前記大画像より小さい小画像が記憶される第2のメモリを備え、
前記制御回路は、前記メモリに記憶された小画像の表示がなされる位置に対して異なる位置に前記第2のメモリに記憶される小画像を表示し、当該小画像を前記第2のメモリに記憶させ、当該記憶させた小画像を再び表示することを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記メモリに記憶される小画像を構成する要素が3ビットであり当該3ビットの内の1ビットが当該要素の位置における赤の発色の有無を示し残りの2ビットの内の1ビットが当該要素の位置における緑の発色の有無を示し残りの1ビットが当該要素の位置における青の発色の有無を示すように設定されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記メモリに記憶される小画像を構成する要素が1ビットであり当該1ビットが当該要素の位置における白または黒の発色を示すように設定されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記液晶パネルは、ガラス材による基板と該基板上に低温プロセスにより生成されたポリシリコン膜とを備え、前記メモリは前記ポリシリコン膜による薄膜トランジスタで構成されたものであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記液晶パネルは、当該液晶パネルに入射した外光が当該液晶パネル内で反射することにより前記小画像の表示がなされるように構成されたものであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−165052(P2008−165052A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−356237(P2006−356237)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(302020207)東芝松下ディスプレイテクノロジー株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】