説明

液滴吐出装置

【課題】混合することにより反応が開始する2種の液剤を用いて高密度なパターン形成を行うのに好適な方法を提供することにある。
【解決手段】第1液L1の液滴D1と第2液L2の液滴D2とが基板10への着弾時に混ざるようにし、液滴D1、D2が基板10に着弾してから反応が開始されるようにしたから、2種の液L1、L2を使用前に混合しておくことの不利益を最大限に回避できる。また、インクジェット方式を利用しているから、液適量や着弾位置の微細なコントロールが可能であり、第1液L1と第2液L2とを精度良く同一位置に着弾させることができる。したがって、高密度なパターンを形成に有利である。また第1液L1と第2液L2の混合比率を精密に制御できるから、膜11の品質を安定化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン形成方法、複合金属酸化物膜の形成方法、および2液反応硬化型接着剤の塗布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1(特開平9−309705号公報)には、誘電体材料として複合金属酸化物のナノ粒子を使用する技術について記載されている。このようなナノスケールの粒子径をもつ微粒子は、粒子径が非常に小さく表面活性が高いため、その化合物本来の物理的性質とは異なった性質を示す。特に、約300℃〜400℃程度の低温で焼成可能であることが知られている。したがって、回路基板を構成する樹脂等の絶縁体中にコンデンサを一体的に内蔵したコンデンサ内蔵基板等への応用が期待されている。
【特許文献1】特開平9−309705号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、ナノ粒子は相互作用が極めて強く、凝集しやすいという性質を有するため、取り扱いが困難であり、高密度なLSI基板への部品形成等への応用例は現在まで存在していない。
【0004】
このような複合金属酸化物のナノ粒子を得る簡易な方法の一つとして、共沈法を利用したものがある。この方法は、複合金属酸化物を構成する複数種の金属塩と沈殿剤とを液相中で反応させることにより共沈物を生成させ、得られた共沈物を焼成することにより目的の化合物を得る方法である。
【0005】
そこで、この共沈法を用いて、使用直前に金属塩と沈殿剤とを混合した溶液を基材上に所望のパターン形状に塗布し、基材上で生成した共沈物を焼成することで、基材上に複合金属酸化物膜を形成させることが考えられる。
【0006】
しかし、混合してから基材上に塗布するまでの間にも金属塩と沈殿剤との反応が進行してしまうため、溶液を高濃度とすると共沈物が凝集、沈殿して分散安定性が悪くなってしまう。一方、分散安定性を良くするため溶液を低濃度とすると、目的の厚みの複合金属酸化物膜を得るために繰り返し塗布を行わなければならなくなり、製造効率が低下してしまう。
【0007】
本発明は、混合することにより反応が開始する2種の液剤を用いて高密度なパターン形成を行うのに好適な方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0008】
なお、以下に示す各要素に付した括弧付き符号は、その要素の例示に過ぎず、各要素を限定するものではない。
【0009】
本発明の第1の態様に従えば、第1ノズル(6A)及び第2ノズル(6B)を有するインクジェット式液滴吐出装置(1)を用いて基材(10)上にパターンを形成する方法であって、第1ノズル(6A)から第1液(L1)を吐出して前記基材(10)に着弾させる第1液吐出工程(S11)と、第2ノズル(6B)から第1液(L1)と反応する第2液(L2)を吐出して、第1液吐出工程(S11)における第1液(L1)の着弾位置と同一位置に着弾させる第2液吐出工程(S12)とを備えるパターン形成方法が提供される。
【0010】
本発明のパターン形成方法において、第1液(L1)と第2液(L2)とは基材(10)への着弾時に混ざり、その後、反応が開始する。したがって、例えば厚膜を得る場合、高濃度の2液を事前に混合することにより、塗布するまでの間に共沈物が凝集、沈殿して分散安定性が悪くなるという問題が生じない。さらに、分散安定性確保のため低濃度の2液を混合して使用することにより、塗布回数が増加し、製造効率が低下するという問題も回避できる。また、2つの液(L1,L2)を混合してから使用するまでの間隔が長い場合には、反応が進行しないよう極低温で保存するか、2液を低濃度とする必要がある。しかし本発明では2つの液(L1,L2)を基材(10)に着弾する直前まで混合しないので、保存コストがかからない。また、厚膜を作りたい場合など、目的に応じて高濃度の液を使用することもできる。さらに、液を基材(10)に着弾させるためにインクジェット方式を利用しているから、液適量や着弾位置を精密に制御することができる。したがって、第1液(L1)と第2液(L2)とを精度良く同一位置に着弾させることができ、高密度なパターンを形成することができる。
【0011】
本発明のパターン形成方法において、前記基材(10)における第1液(L1)および第2液(L2)が着弾する着弾面を処理する表面処理工程(S10)を、第1液吐出工程(S11)および第2液吐出工程(S12)の前に含んでもよい。これにより、処理が行われた基材(10)と着弾した液(L1,L2)との接触角を制御したり、第1液(L1)と第2液(L2)との反応を活性化させたりすることができる。
【0012】
本発明のパターン形成方法において、第1液吐出工程(S11)と第2液吐出工程(S12)とが同時に行われてもよい。または、所望の着弾位置に対して第1液吐出工程(S11)、及び第2液吐出工程(S12)を行った後、着弾位置を変えながら第1液吐出工程(S11)、及び第2液吐出工程(S12)を繰り返してもよい。これらの場合、着弾した第1液(L1)または第2液(L2)が単独で分解することを回避できる。
【0013】
本発明の第2の態様に従えば、第1ノズル(6A)及び第2ノズル(6B)を有するインクジェット式液滴吐出装置(1)を用いて基材(10)上に複合金属酸化物膜を形成する方法であって、第1ノズル(6A)から、複合金属酸化物を構成する金属の塩を含む第1液(L1)を吐出して、前記基材(10)に着弾させる第1液吐出工程(S11)と、第2ノズル(6B)から、前記複合金属酸化物を構成する金属と反応して共沈物を形成する沈殿剤を含む第2液(L2)を吐出して、第1液吐出工程(S11)における第1液(L1)の着弾位置と同一位置に着弾させる第2液吐出工程(S12)と、第1液(L1)と第2液(L2)とが前記基材(10)上で混合したことにより生成された共沈物を焼成し、前記基材(10)上に前記複合金属酸化物の膜を生成する焼成工程(S13)とを備える複合金属酸化物膜の形成方法が提供される。
【0014】
本発明の複合金属酸化物膜の形成方法において、第1液(L1)と第2液(L2)とは使用前には混合されず、基材(10)への着弾時に混ざり、反応が開始する。したがって、厚膜を作りたい場合など、目的に応じて高濃度の液を使用することもできる。また、液を基材(10)に着弾させるためにインクジェット方式を利用しているから、第1液(L1)と第2液(L2)との混合比率を精密に制御することができる。したがって、膜の品質を安定化することができる。
【0015】
本発明の複合金属酸化物膜の形成方法において、前記基材(10)における第1液(L1)および第2液(L2)が着弾する着弾面の撥液性を高める表面処理工程(S10)を第1液吐出工程(S11)および第2液吐出工程(S12)の前に含んでもよい。表面処理により、第1液(L1)および第2液(L2)の濡れ広がりを所定量に抑えることができるので、第1液(L1)と第2液(L2)とを確実に混合することができる。
【0016】
本発明の複合金属酸化物膜の形成方法において、第1液吐出工程(S11)と第2液吐出工程(S12)とが同時に行われてもよい。または、所望の着弾位置に対して第1液吐出工程(S11)、及び第2液吐出工程(S12)を行った後、着弾位置を変えながら第1液吐出工程(S11)、及び第2液吐出工程(S12)を繰り返してもよい。これらの場合、着弾した第1液(L1)または第2液(L2)が単独で分解することを回避できる。
【0017】
本発明の複合金属酸化物膜の形成方法において、前記複合金属酸化物の膜が圧電アクチュエータを構成する圧電膜であってもよい。この場合、特性の良好な圧電アクチュエータ用圧電膜を簡易に、かつ精度良く形成することができる。
【0018】
本発明の複合金属酸化物膜の形成方法において、前記複合金属酸化物はチタン酸ジルコン酸鉛であってもよく、第2液(L2)は硫酸アンモニウムをアンモニア水に溶解した溶液を含んでもよい。さらに、第1液(L1)は、低温結晶化のためブロックコポリマー水溶液を含んでもよい。
【0019】
本発明の第3の態様に従えば、第1ノズル(6A)及び第2ノズル(6B)を有するインクジェット式液滴吐出装置(1)を用いて基材(10)上に2液反応硬化型接着剤を塗布する方法であって、第1ノズル(6A)から2液反応硬化型接着剤を構成する主剤および硬化剤のうち一方を含む第1液(L1)を吐出して、前記基材(10)に着弾させる第1液吐出工程(S11)と、第2ノズル(6B)から前記主剤および前記硬化剤のうち他方を含む第2液(L2)を吐出して、第1液吐出工程(S11)における第1液(L1)の着弾位置と同一位置に着弾させる第2液吐出工程(S12)とを備える2液反応硬化型接着剤の塗布方法が提供される。
【0020】
本発明の2液反応硬化型接着剤の塗布方法において、第1液(L1)と第2液(L2)とは使用前には混合されず、基材(10)への着弾時に混ざり、硬化反応が開始する。したがって、ノズル内部で接着剤が固化することがなく、ノズル内部の洗浄機構は不要となる。また、第1液(L1)と第2液(L2)とを混合せずに保存することができるので、一度で使い切らなければならないという制約がなくなる。さらに、液を基材(10)に着弾させるためにインクジェット方式を利用しているから、液適量や着弾位置を精密に制御することができる。したがって、第1液(L1)と第2液(L2)とを精度良く同一位置に着弾させて、高密度な接着剤のパターンを形成することができる。
【0021】
本発明の2液反応硬化型接着剤の塗布方法において、前記基材(10)における第1液(L1)および第2液(L2)が着弾する着弾面をラジカル化する表面処理工程(S10)を第1液吐出工程(S11)および第2液吐出工程(S12)の前に含んでもよい。ラジカル化する表面処理により、接着剤との反応を活性化させることができ、接着性を高めることができる。
【0022】
本発明の2液反応硬化型接着剤の塗布方法において、第1液吐出工程(S11)と第2液吐出工程(S12)とが同時に行われてもよい。または、所望の着弾位置に対して第1液吐出工程(S11)、及び第2液吐出工程(S12)を行った後、着弾位置を変えながら第1液吐出工程(S11)、及び第2液吐出工程(S12)を繰り返してもよい。これらの場合、着弾した第1液(L1)または第2液(L2)が単独で分解することを回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した第1実施形態について、図1〜図6、及び図13を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態は、本発明を、プリンタ装置1(インクジェット式液滴吐出装置)を用いてプリント配線板用の基板10(基材)上に複合金属酸化物膜のパターンを形成する方法に適用したものである。
【0024】
図1には、本実施形態で使用するプリンタ装置1の概略図を示した。このプリンタ装置1は、公知のインクジェットプリンタと同様の機構で印刷を行うものであって、基板10に印刷を行うための記録ユニット2を備えている。記録ユニット2は、並列する2つの記録ヘッド3A、3Bを有するキャリッジ4と、このキャリッジ4を駆動するためのモータ等を備える駆動ユニット5とを備えている。キャリッジ4は、詳細には図示しないが、ガイドプレートを備えたフレーム上に支持されている。駆動ユニット5が駆動されると、キャリッジ4はガイドプレートに案内されて基板10を横断する方向へ往復動する。またガイドプレートの下方には、基板10を搬送する図示しない基板送り部が設けられている。
【0025】
2つの記録ヘッド3A、3Bはキャリッジ4の往復動方向(図1の紙面左右方向;図中矢印方向)に沿って並列されている。各記録ヘッド3A、3Bはそれぞれ下面側に液体(第1液L1、第2液L2)を吐出するための液滴吐出ノズル(以下「ノズル」と略記する)6A、6Bを備える。キャリッジ4が往復動する間に各記録ヘッド3A、3Bのノズル6A、6Bから下向きに液体が吐出されることで、基板10への印刷が行われる。2つの記録ヘッド3A、3Bのうち一方の記録ヘッド3Aに設けられたノズルが第1液L1を噴射するための第1ノズル6Aであり、他方の記録ヘッド3Bに設けられたノズルが第2液L2を噴射するための第2ノズル6Bである。液体の吐出方式には特に制限はなく、インクジェット装置に通常使用される方式、例えばピエゾ方式、サーマルヘッド方式等を適用できる。
【0026】
各記録ヘッド3A、3Bには、それぞれこれらの記録ヘッド3A、3Bに第1液L1、第2液L2を供給するためのタンク等を備える液体供給ユニット7A、7Bが、チューブ8A、8Bを介して接続されている。
【0027】
印刷に使用する液体のうち、第1液L1は、複合金属酸化物を構成する金属の塩を含む水溶液である。好適な金属塩としては、無機塩としては硫酸塩、硝酸塩、塩化物塩などが、また、有機塩としては酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩などが挙げられる。例えば、目的の複合金属酸化物が圧電膜の材料となるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)である場合には、第1液L1としてチタン塩、ジルコニウム塩、および鉛塩を含む水溶液を使用できる。
【0028】
また、第2液は、沈殿剤を含む水溶液である。沈殿剤としては、アンモニア水等のアルカリ性物質を使用でき、第1液L1と混合した際に混合液LmのpHが共沈物を生成可能な範囲内となるように調整されている。
【0029】
なお、第1液L1には、必要に応じて錯化剤、pH調整剤などを添加しても良い。また、第1液L1および第2液L2の濃度は、例えば厚膜を作りたい場合には高く、薄膜を作りたい場合には低くするなど、目的に応じて適切に設定すればよい。
【0030】
また、基板10としては回路基板に使用される樹脂板等を使用できる。基板10においてパターンを形成させる面(第1液L1、第2液L2の液滴D1、D2が着弾する着弾面10A)には、パターン形成前にフッ素ガスによるプラズマ表面処理を施しておくことが好ましい。この表面処理により、基板10のパターン形成面にフッ素基が付加されるので、撥液性を向上させることができる。よって、基板10の材質や表面状態に応じて第1液L1、第2液L2の接触角を制御し、液滴D1、D2が基板10の表面に着弾した後の濡れ広がり量を所定量とすることができる。
【0031】
上記プリンタ装置1を用いて基板10上にパターン形成するためには、まず、一方の記録ヘッド3A(第1ノズル6Aを備える側)に接続された液体供給ユニット7Aのタンクに第1液L1を、他方の記録ヘッド3B(第2ノズル6Bを備える側)に接続された液体供給ユニット7Bのタンクに第2液L2を充填する。次いで、駆動ユニット5によって基板10を横断する方向へキャリッジ4を往復駆動しつつ、ノズル6A、6Bから基板10上において素子を形成させたい位置に液滴D1、D2を吐出し、第1液L1と第2液L2との混合液Lmのパターンを形成させていく。図2では、基板10上に混合液Lmのパターンを縦横に形成する様子を例示している。
【0032】
ここで、一のドット列の一回の走査において、第1ノズル6Aと第2ノズル6Bの双方から液滴D1、D2を吐出させる。図3には、混合液Lmのパターンを形成する様子を示す部分拡大図を示した。図中矢印は、基板10に対するノズル6A、6Bの相対的な移動経路を示している。第1ノズル6Aから、第1液L1の液滴D1を吐出し(第1液吐出工程)、第2ノズル6Bから、基板10上において第1液L1の液滴D1の着弾位置と同一位置に第2液L2の液滴D2を吐出して(第2液吐出工程)、1つのドットを形成する。つまり、所望の着弾位置に対して第1液吐出工程、及び第2液吐出工程を行った後、着弾位置を変えながら、第1液吐出工程、及び第2液吐出工程を繰り返す。一のドット列の走査が終了したら、基板10を基板送り部によって所定量前方へ送り、次のドット列の印刷を行う。これを繰り返して、第1液L1の液滴D1と第2液L2の液滴D2とが重ね打ちされたパターンを形成していく。このとき、同一位置に着弾した第1液L1の液滴D1と第2液L2の液滴D2とが混ざり合い、第1液L1に含まれる金属塩が第2液L2に含まれる沈殿剤と反応し、水酸化物等の共沈物が形成される。
【0033】
なお、ドット毎の第1液L1、第2液L2の吐出量は両液L1、L2の濃度等に応じて適切に調整すればよい。また、同一位置に吐出される第1液L1と第2液L2との着弾時間差はできるだけ短いことが好ましいが、先に着弾した液の乾燥等に起因する悪影響が生じない範囲の時間差であれば許容範囲内である。
【0034】
パターン形成が終了したら、真空乾燥により基板10上の混合液Lmに含まれる水分を蒸発させる。その後、残った共沈物を加熱して複合金属酸化物を生成させる(焼成工程)。このようにして、基板10上に所定のパターンを有する複合金属酸化物の膜11が形成される(図5、図6参照)。
【0035】
以上説明した、第1実施形態における処理の流れは、図13のフローチャートによって表される。即ち、基板10上にフッ素ガスによるプラズマ表面処理(表面処理工程:S10)を施した後、第1ノズル6Aから第1液L1を吐出して、基板10の表面処理が施された面に着弾させる(第1液吐出工程:S11)。次に、第2ノズル6Bから第1液L1と反応する第2液L2を吐出して、第1液吐出工程S11における第1液L1の着弾位置と同一位置に着弾させる(第2液吐出工程:S12)。最後に、第1液L1及び第2液L2が基板10上で混合された混合液Lmに含まれる水分を、真空乾燥により蒸発させ、残った共沈物を加熱して複合金属酸化物を生成する(焼成工程:S13)。
【0036】
以上のように本実施形態によれば、第1液L1の液滴D1と第2液L2の液滴D2とが基板10への着弾時に混ざり、液滴D1、D2が基板10に着弾してから反応が開始するので、2種の液L1、L2を使用前に混合することによる問題を回避できる。
【0037】
すなわち、第1液L1と第2液L2とを事前に混合する場合、混合してから基板10上に塗布するまでの間にも金属塩と沈殿剤との反応が進行するため、混合から塗布までの時間をできるだけ短くする必要がある。しかし、本実施形態では事前に混合する工程が存在しないため、混合から塗布までの時間を考慮する必要がなく、製造工程の簡素化が図れる。また、例えば第1液L1と第2液L2とを事前に混合して厚膜を得る場合、混合する溶液を高濃度とすると共沈物が凝集、沈殿して分散安定性が悪くなるという問題があった。一方、分散安定性を良くするために溶液を低濃度とすると、繰り返し塗布する必要があり、製造効率が低下するという問題があった。しかし、本実施形態では、第1液L1と第2液L2とを事前に混合しないため、目的に応じて適切な濃度の溶液を調整して使用することができる。
【0038】
また、第1液L1に含まれる金属塩と第2液L2に含まれる沈殿剤とを基板10上で反応させることで、反応物の粒子に凝集する時間を与えず、ナノスケールの微細な粒子を形成することができる。この微粒子は低温で充分な焼成が可能であるため、樹脂などの耐熱性の低い材質からなる基板上への誘電体素子の形成等に適している。
【0039】
また、インクジェット方式を利用しているから、液適量や着弾位置の微細なコントロールが可能であり、第1液L1と第2液L2とを精度良く同一位置に着弾させることができる。したがって、高密度なパターンの形成に有利である。また第1液L1と第2液L2の混合比率を精密に制御できるから、膜11の品質を安定化することができる。
【0040】
また、一のドット列の一回の走査において、第1ノズル6Aと第2ノズル6Bの双方から液滴D1、D2を吐出させ、液滴D1、D2の着弾時間差がほとんど生じないようにしているから、基板10に着弾した第1液L1または第2液L2が単独で分解してしまうことを回避できる。
【0041】
さらに、プリンタ装置1による印刷を行う前に、基板10において第1液L1および第2液L2の液滴D1、D2が着弾する着弾面10Aにフッ素ガスによるプラズマ表面処理工程を施しておくことで、着弾面10Aの撥液性を高め、第1液L1および第2液L2の濡れ広がりを所定量に抑えることができる。これにより、第1液L1と第2液L2とを確実に混合することができる。
【0042】
なお、目的の複合金属酸化物として、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電材料を選択すれば、特性の良好な圧電アクチュエータ用圧電膜を簡易に、かつ精度良く形成することができる。
【0043】
以下、本発明の第2実施形態について、図7〜図10、及び図13を参照しつつ説明する。本実施形態は、本発明を、プリンタ装置1を用いてプリント配線板用の基板10上に電子部品接着用の接着剤12のパターンを形成する方法に適用したものである。なお、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0044】
本実施形態で使用される接着剤12は、例えば2液硬化型のエポキシ系接着剤であって、エポキシ樹脂からなる主剤と硬化剤とを混合することにより、両者が化学反応して硬化するものである。また、本実施形態で使用するプリンタ装置1は、第1実施形態で用いたものと同様の構成のものである。また、印刷に使用する液体のうち、第1液L1は、2液反応硬化型接着剤12を構成する主剤を含むものであり、第2液は、2液反応硬化型接着剤12を構成する硬化剤を含むものである。また、基板10としては回路基板に使用される樹脂板等を使用できる。基板10においてパターンを形成する面には、パターン形成前に酸素によるプラズマ表面処理を施しておくことが好ましい。この表面処理により、基板10のパターン形成面はラジカル化され、接着剤12との反応を活性化させることができる。
【0045】
このプリンタ装置1を用いて基板10上に接着剤12を塗布するためには、まず、一方の記録ヘッド3A(第1ノズル6Aを備える側)に接続された液体供給ユニット7Aのタンクに第1液L1(主剤)を、他方の記録ヘッド3B(第2ノズル6Bを備える側)に接続された液体供給ユニット7Bのタンクに第2液L2(硬化剤)を充填する。次いで、第1実施形態と同様に、駆動ユニット5によって基板10を横断する方向へキャリッジ4を往復駆動しつつ、ノズル6A、6Bから基板10上において電子部品13を搭載する位置に液滴D1、D2を吐出する。このようにして、第1液L1の液滴D1と第2液L2の液滴D2とが重ね打ちされた接着剤12のパターンが形成されていく(図7、図8参照)。図7および図8においては、基板10上において電子部品13の載置位置に、電子部品13の周縁に沿って枠状に接着剤12のパターンを形成する様子を例示している。
【0046】
このとき、第1実施形態と同様に、一のドット列の一回の走査において、第1ノズル6Aと第2ノズル6Bの双方から液滴D1、D2を吐出させる。つまり、第1ノズル6Aから第1液L1の液滴D1を吐出し(第1液吐出工程)、第2ノズル6Bから、基板10上において第1液L1の液滴D1の着弾位置と同一位置に第2液L2の液滴D2を吐出して(第2液吐出工程)、1つのドットを形成する。換言すれば、所望の着弾位置に対して第1液吐出工程、及び第2液吐出工程を行った後、着弾位置を変えながら、第1液吐出工程、及び第2液吐出工程を繰り返す。一のドット列の走査が終了したら、基板10を基板送り部によって所定量前方へ送り、次のドット列の印刷を行う。これを繰り返して、第1液L1の液滴D1と第2液L2の液滴D2とが重ね打ちされた素子パターンを形成していく。すると、同一位置に着弾した第1液L1の液滴D1と第2液L2の液滴D2とが混ざり合うことで硬化反応が始まる。
【0047】
パターン形成が終了したら、接着剤12の塗布位置に電子部品13を重ねる(図9、図10参照)。そして、常温で、または加熱することによって接着剤12を完全硬化させ、電子部品13を基板10に固着させる。
【0048】
以上説明した、第2実施形態における処理の流れは、図13のフローチャートによって表される。即ち、基板10上に酸素によるプラズマ表面処理(表面処理工程:S10)を施した後、第1ノズル6Aから第1液L1を吐出して、基板10の表面処理が施された面に着弾させる(第1液吐出工程:S11)。次に、第2ノズル6Bから第1液L1と反応する第2液L2を吐出して、第1液吐出工程S11における第1液L1の着弾位置と同一位置に着弾させる(第2液吐出工程:S12)。第2実施形態においては、焼成工程S13のかわりに、第1液及び第2液の着弾位置に電子部品13を重ね、常温で、または加熱することによって接着剤12を硬化させ電子部品13を基板10上に固着する処理が行われる。
【0049】
以上のように本実施形態によれば、主剤を含む第1液L1と硬化剤を含む第2液L2とが基板10への着弾時に混ざるようにし、液滴D1、D2が基板10に着弾してから反応が開始されるようにしたから、2つの液L1、L2を使用前に混合しておくことの不利益を最大限に回避できる。すなわち、主剤と硬化剤とを事前に混合しておく場合、混合してから基板10上に塗布するまでの間にも硬化反応が進行してしまう。このため、液滴吐出ノズルの内部で接着剤12が固化して目詰まり等を起こさないよう洗浄機構を設けることが必要であったり、いったん混合した液は一度で使い切らなければならない等の制約がある。しかし、本実施形態の方法では、液滴吐出装置内では主剤と硬化剤とが分離された状態であり、固化することがないから、メンテナンスが容易であり、また液の使い切りの必要も無いなど、工程上の制約を少なくすることができる。
【0050】
また、インクジェット方式を採用したから、基板上に電子部品を接着する場合に必要な精確な塗布位置の制御が可能となる。
【0051】
以下に、複合金属酸化物膜を形成する実施例(実施例1)を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
【0052】
(1)第1液の調製
1mol/Lの硝酸チタン水溶液24mlに錯化剤として50%過酸化水素水6mlを混合したチタン塩水溶液、1mol/Lの硝酸ジルコニル水溶液24mlに錯化剤として50%過酸化水素水6mlを混合したジルコニル塩水溶液、及び1mol/Lの硝酸鉛水溶液48mlを調製した。以上3種の水溶液を混合して金属塩混合液を調製した。さらに低温結晶化のため、エチレンオキサイド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)とからなるブロックコポリマーEO20−PO70−EO20(BASF社製 プルロニック(登録商標)P123)10gを水に溶解して30mlとしたブロックコポリマー水溶液を調製した。上記金属塩混合液とブロックコポリマー水溶液とを混合して第1液とした。
【0053】
(2)第2液の調製
沈殿剤として3mol/Lのアンモニア水50mlに硫酸アンモニウム3gを溶解して第2液とした。
【0054】
(3)基材
基材としては主にポリイミド系樹脂からなる多層プリント基板を用い、この基材の表面をフッ素系ガスを用いたプラズマ処理により表面処理した。
【0055】
(4)複合金属酸化物膜の形成
前記実施形態で説明した構成のインクジェット式液滴吐出装置を準備した。前記(1)および(2)で調製した第1液および第2液をタンクに充填し、第1液と第2液の着弾時間差を0s、液適量の比を第1液:第2液=1:1としてパターン形成を行った。この後、形成された共沈物のパターンを100℃×8hで真空乾燥し、余剰の溶媒の除去および共沈物の基材表面への仮固着を行った。乾燥後、共沈物のパターンを約300℃×60minで加熱・焼成し、金属複合酸化物のパターンを得ることができた。なお、ブロックコポリマーP123の存在により、低温焼成にてペロブスカイト相を生成した。
【0056】
以下に、2液反応硬化型接着剤の塗布方法に関する実施例(実施例2)について説明する。
【0057】
(1)材料
エポキシ系2液硬化型接着剤の主剤である東亞合成(株)製AP−209Aを第1液とした。また、硬化剤である東亞合成(株)製AP−209Bを第2液とした。基材としては主にエポキシ系樹脂からなる基板を用い、この基材の表面を酸素を用いたプラズマ処理により表面処理した。
【0058】
(2)基材への電子部品の接着
前記実施形態で説明した構成のインクジェット式液滴吐出装置を準備した。前記(1)に記載した第1液(主剤)および第2液(硬化剤)をタンクに充填し、第1液と第2液の着弾時間差を0s、液適量の比を第1液:第2液=2:1として電子部品の固着位置に接着剤のパターンを形成した。この後、形成された接着剤のパターン上に電子部品を載置し、30℃×60minで仮硬化させた。その後、室温で、または加熱により接着剤を完全に硬化させ、電子部品を基材上に接着した。
【0059】
以上、本発明を具体的に説明してきたが、本発明はそれらに限定されることなく、特許請求の範囲内で改良及び変更することができる。例えば、第1実施形態においては、原料となる金属塩の全てが第1液L1に含まれていたが、金属塩のうち単独では沈殿剤と反応しないものは第2液に含ませても構わない。
【0060】
上記実施形態では、1度の走査で両方のノズル6A、6Bから第1液L1、第2液L2の双方の吐出を行うこととしたが、第1液L1と第2液L2とを重ねる手順についてはこれに限られない。例えば、図11および図12に示すように、キャリッジ4によって一のドット列を2回ずつ走査し、1回目の走査時には第1液L1の液滴D1を吐出させ(第1液吐出工程)、2回目の走査時には、1回目に液滴D1が着弾したのと同じ位置に第2液L2の液滴D2を重ねて吐出する(第2液吐出工程)ようにしても良い。あるいは、キャリッジ4の往動時には、第1液L1の液滴を吐出させ(第1液吐出工程)、復動時には往動時に第1液L1の液滴D1が着弾した位置と同一位置に第2液L2の液滴D2を吐出させ(第2液吐出工程)ても良い。また、第1液L1と第2液L2の吐出順序は逆であっても良い。但し、着弾時間差の許容範囲は、先に着弾した液滴からの溶剤の蒸発による濃度変化の影響等を考慮して決定することが望ましい。
【0061】
第1液および第2液の組み合わせは前記実施形態の限りではない。例えば基材上への強磁性膜(フェライトめっき)の形成を目的とする場合には、酸化液(NaNO)と反応液(FeCl+MCl)とを組み合わせることができる。反応硬化型の塗料や補修剤、樹脂による膜形成を目的とする場合には主剤と硬化剤とを組み合わせればよい。ガラスコーティング剤等の無機コーティング剤によるコーティング膜の形成を目的とする場合には主剤と触媒とを組み合わせることができ、発泡硬化による断熱樹脂層の形成を目的とする場合には主剤と硬化剤の組み合わせを使用できる。
【0062】
本発明の適用範囲は2液混合系に限られるものではない。例えば3液混合系に本発明を適用する場合には、インクジェット式液滴吐出装置に、2つの液滴吐出ノズルに加えてさらにもう一つの液滴吐出ノズルを設け、この液滴吐出ノズルから第3液の液滴を吐出して、第1液および第2液の液滴の着弾位置と同一位置に着弾させればよい。さらに、4液以上の混合系においても、同様に必要な液の数だけ液滴吐出ノズルを増設し、それらの液滴吐出ノズルからの液滴を第1液および第2液の着弾位置と同一位置に着弾させれば良い。
【0063】
さらに、本発明は、厚みの大きな膜を形成する際にも適用することができる。例えば第1液と第2液とを吐出して基板上で反応させることにより、共沈物のパターンを形成し、真空乾燥する。その後、形成されたパターン上に再度第1液と第2液とを吐出して共沈物のパターンを形成し、真空乾燥するという工程を繰り返すことで、厚みの大きな膜を形成することができる。この場合、第1層目は表面処理が施された基板上に形成されるのに対し、第2層目以降は既に形成された共沈物のパターン上に形成される。したがって、第1層目を形成する際と、第2層目以降を形成する際とでは、使用する溶液の濃度を調節する必要がある。この結果形成される厚みの大きな膜は、例えばインクジェットヘッド用の圧電膜として利用することができる。
【0064】
さらに、本発明は、インクジェット式液滴吐出装置により、液滴量や着弾位置を精密に制御することができるので、例えば図14に示すように、厚みの大きい部分T1と小さい部分T2とを含むような膜30を形成する際にも適用することができる。例えば、前記のように共沈物のパターンの上にさらに共沈物のパターンを形成する回数を着弾位置ごとに変えることにより、厚みの大きい部分T1と小さい部分T2とを形成することができる。また、着弾位置ごとに液滴量を変えることによっても、厚みの大きい部分T1と小さい部分T2とを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】上記各実施形態で使用されるプリンタ装置の概略図である。
【図2】第1実施形態において基板上に第1液と第2液との混合液のパターンが縦横に形成される途中の様子を示す上面図である。
【図3】図2の鎖線円内の拡大図である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】基板上に複合金属酸化物膜のパターンが縦横に形成された様子を示す上面図である。
【図6】基板および複合金属酸化物膜のパターンの部分拡大断面図である。
【図7】第2実施形態において基板上に接着剤のパターンが縦横に形成される途中の様子を示す上面図である。
【図8】図7の鎖線円内の拡大図である。
【図9】基板上に形成されたパターンの位置に整合させて電子部品を載置した様子を示す上面図である。
【図10】図9の鎖線円内の拡大図である。
【図11】他の実施形態(2)においてノズルの1回目の走査により第1液を基板上に着弾させる様子を示す概略側面図である。
【図12】他の実施形態(2)においてノズルの2回目の走査により第2液を第1液の着弾位置と同一位置に着弾させる様子を示す概略側面図である。
【図13】本発明における処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】他の実施形態において形成される膜の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0066】
1…プリンタ装置(インクジェット式液滴吐出装置)
6A…第1ノズル(一方の前記液滴吐出ノズル)
6B…第2ノズル(他方の前記液滴吐出ノズル)
10…基板(基材)
D1、D2…液滴
L1…第1液
L2…第2液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ノズル及び第2ノズルを有するインクジェット式液滴吐出装置を用いて基材上にパターンを形成する方法であって、
第1ノズルから第1液を吐出して前記基材に着弾させる第1液吐出工程と、
第2ノズルから第1液と反応する第2液を吐出して第1液吐出工程における第1液の着弾位置と同一位置に着弾させる第2液吐出工程と、
を備えるパターン形成方法。
【請求項2】
前記基材において第1液および第2液が着弾する着弾面を処理する表面処理工程を、第1液吐出工程および第2液吐出工程の前に含むことを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項3】
第1液吐出工程と第2液吐出工程とが同時に行われることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパターン形成方法。
【請求項4】
所望の着弾位置に対して第1液吐出工程、及び第2液吐出工程を行った後、着弾位置を変えながら第1液吐出工程、及び第2液吐出工程を繰り返すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項5】
第1ノズル及び第2ノズルを有するインクジェット式液滴吐出装置を用いて基材上に複合金属酸化物膜を形成する方法であって、
第1ノズルから、複合金属酸化物を構成する金属の塩を含む第1液を吐出して前記基材に着弾させる第1液吐出工程と、
第2ノズルから、前記複合金属酸化物を構成する金属と反応して共沈物を形成する沈殿剤を含む第2液を吐出して第1液吐出工程における第1液の着弾位置と同一位置に着弾させる第2液吐出工程と、
第1液と第2液とが前記基材上で混合したことにより生成された共沈物を焼成し、前記基材上に前記複合金属酸化物の膜を生成する焼成工程と、
を備える複合金属酸化物膜の形成方法。
【請求項6】
前記基材において第1液および第2液が着弾する着弾面の撥液性を高める表面処理工程を第1液吐出工程および第2液吐出工程の前に含むことを特徴とする請求項5に記載の複合金属酸化物膜の形成方法。
【請求項7】
第1液吐出工程と第2液吐出工程とが同時に行われることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の複合金属酸化物膜の形成方法。
【請求項8】
所望の着弾位置に対して第1液吐出工程、及び第2液吐出工程を行った後、着弾位置を変えながら第1液吐出工程、及び第2液吐出工程を繰り返すことを特徴とする請求項5乃至7の何れか1項に記載の複合金属酸化物膜の形成方法。
【請求項9】
前記複合金属酸化物の膜が圧電アクチュエータを構成する圧電膜であることを特徴とする請求項5に記載の複合金属酸化物膜の形成方法。
【請求項10】
前記複合金属酸化物はチタン酸ジルコン酸鉛であることを特徴とする請求項5に記載の複合金属酸化物膜の形成方法。
【請求項11】
前記第2液は硫酸アンモニウムをアンモニア水に溶解した溶液を含むことを特徴とする請求項5に記載の複合金属酸化物膜の形成方法。
【請求項12】
前記第1液はブロックコポリマー水溶液を含むことを特徴とする請求項5に記載の複合金属酸化物膜の形成方法。
【請求項13】
第1ノズル及び第2ノズルを有するインクジェット式液滴吐出装置を用いて基材上に2液反応硬化型接着剤を塗布する方法であって、
第1ノズルから2液反応硬化型接着剤を構成する主剤および硬化剤のうち一方を含む第1液を吐出して前記基材に着弾させる第1液吐出工程と、
第2ノズルから前記主剤および前記硬化剤のうち他方を含む第2液を吐出して、第1液吐出工程における第1液の着弾位置と同一位置に着弾させる第2液吐出工程と、
を備える2液反応硬化型接着剤の塗布方法。
【請求項14】
前記基材において第1液および第2液が着弾する着弾面をラジカル化する表面処理工程を第1液吐出工程および第2液吐出工程の前に含むことを特徴とする請求項13に記載の2液反応硬化型接着剤の塗布方法。
【請求項15】
第1液吐出工程と第2液吐出工程とが同時に行われることを特徴とする請求項13または14に記載の2液反応硬化型接着剤の塗布方法。
【請求項16】
所望の着弾位置に対して第1液吐出工程、及び第2液吐出工程を行った後、着弾位置を変えながら第1液吐出工程、及び第2液吐出工程を繰り返すことを特徴とする請求項13乃至15の何れか1項に記載の2液反応硬化型接着剤の塗布方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−229705(P2007−229705A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−12254(P2007−12254)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】