説明

混合カチオン性置換基を有する非セルロース性多糖を含む洗浄剤

本発明は、洗浄用組成物における非セルロース性カチオン変性多糖の使用、とりわけ、パーソナルケア用組成物、ハウスホールドケア用組成物、又は施設のケア用組成物に使用するための、界面活性剤、非セルロース性カチオン変性多糖、及び溶媒を含む界面活性剤系洗浄用組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、参照によって本明細書にその全体を組込む、2008年10月9日に出願の米国仮出願第61/195698の優先権の利益を享受する。
【0002】
本発明は、洗浄剤、特に、ポリマー組成物を含む界面活性剤系洗浄剤、とりわけ、界面活性剤、非セルロース性カチオン変性多糖、及び溶媒を含む界面活性剤系洗浄用組成物に関し、前記ポリマー組成物はカチオン変性多糖を含み、前記カチオン変性は、多糖骨格に共有結合した、異なる置換基を有する少なくとも2つの第四級アンモニウム基の混合物を含む。前記洗浄剤は、パーソナルケア用途並びにハウスホールドケア及び施設における用途にも有用である。
【背景技術】
【0003】
ポリガラクトマンナン、ポリグルコマンナン、及び他の非セルロース性多糖並びにそれらの誘導体は、さまざまな用途、例えば、石油回収、パーソナルケア用製品、布製品に対する用途、紙製品に対する用途、コーティングに対する用途、食品に対する用途、医薬に対する用途などで使用される。カチオン性多糖及び他のポリマーは、パーソナルケア用製品、ハウスホールド用製品、工業用製品、及び施設用製品において広く使用され、パーソナルケア(例えば、美容、オーラルケア、及び乳児ケア)、ハウスホールド、又はペットケア用組成物において、ゲル化剤、結合剤、増粘剤、安定剤、乳化剤、拡散及び沈殿助剤、並びに化学的及び生理学的活性成分のレオロジー、有効性、沈殿性、審美性、及び送達性を促進する担体としてのポリマーの使用の範囲で最終製品において機能を発揮している。用途に依存して、皮膚、毛髪、又は布製品が基材であってよい。
【0004】
低分子量及び高分子量の双方のポリガラクトマンナン、例えば、N−Hance(登録商標)又はJaguar(登録商標)カチオン性グァーの商品名で市販されているカチオン性グァーが、酸性又は中性のpHの値で製剤される、パーソナル洗浄用製品、例えば、シャンプー、2−in−1又は3−in−1コンディショニングシャンプー、及びボディーウォッシュでコンディショナーとして一般的に使用される。これらのポリマーのカチオン性官能基は、ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム基であり、窒素上の3つの置換基全てが1つの炭素を含むメチル基である。
【0005】
カチオン性多糖は、ヘアケア用製品において使用され、髪をコンディショニングする。スキンケア用製品では、同ポリマーは皮膚にコンディショニング効果を与える。洗剤及び布柔軟剤に含める際は、同ポリマーはコンディショニング、柔軟、及び帯電防止特性を布に与える。
【0006】
湿潤及び乾燥時の櫛通り性(combability)の測定は、シャンプー及びコンディショナー用途におけるコンディショニング特性を測定するために使用される典型的な試験方法である。市販のコンディショニングポリマーは、濡れた髪を櫛でとかす際に認められる、湿潤時に櫛で髪をとかす力を、ポリマーを含まないシャンプーと比較して30から80%低減することが報告されている。
【0007】
シャンプー用途におけるコンディショニング特性は、水による希釈を増やした際のコンディショニングポリマーを含む透明なシャンプー又は洗浄剤の光透過率の低減を観察することによっても測定することができる。水で希釈して透過率がより大きく低下するほど、堆積の程度がより大きい。製剤の透過率における低下又は光学的透明度における低減は、シャンプー又は他の洗浄剤からのコンディショニングポリマーの沈殿と関連する。コンディショニングポリマーは、洗浄剤中の界面活性剤との複合体の形態又は複合体ではない形態で堆積し得る。
【0008】
シャンプー若しくは着色剤系から毛髪若しくは頭皮に、洗浄用若しくはコンディショニング用ボディーウォッシュから皮膚に、又は界面活性剤系洗剤から布に堆積するシリコーン、他のコンディショニングオイル若しくは機能性材料、亜鉛、又は他の活性若しくは性能材料の量もコンディショニングポリマーのコンディショニング特性の測定となる。シリコーン、他のコンディショニングオイル若しくはコンディショニング材料、亜鉛、香料、又は他の「活性」材料の堆積の均一性又は不均一性は、化粧料の認識される特性に対する顕著な影響を有し得る。堆積プロファイルは、1)毛髪繊維(根元から先端まで繊維に沿った堆積が毛髪繊維の先端又は末端に向かう領域におけるダメージを緩和し、ヘアカラー剤からの均一に色を堆積させて繊維に沿った色の均一性を維持するために必要とされる);2)皮膚(特に皮膚の乾燥又はダメージを受けた領域、オイル、他のコンディショニング剤、活性材料、例えば、抗菌剤、サンスクリーン活性成分、又は着色剤、例えば、セルフタンニング成分の堆積が均一に生じる必要がある);並びに3)布(羊毛、綿、ポリエステルなどの布のダメージを受けた領域又は擦り切れた領域に対して堆積が生じる)などの基材に特に重要である。
【0009】
スキンケア用途では、皮膚の潤滑性若しくは摩擦低減又は皮膚のより柔らかい感触、水蒸気透過性の低減、及び皮膚の弾力性の改善が皮膚のコンディショニングの測定に使用される試験方法である。コンディショニング特性が望まれる界面活性剤系ハウスホールド洗浄用製品の製剤、例えば、食器用洗剤、洗濯用洗剤、布柔軟剤及び帯電防止用製品では、コンディショニングは、布に柔らかい感触を与え、かつ、帯電効果を排除し、布の繊維破損又はピリング(けば立ち)として知られる変形を排除することをいう。色の保持又は色の活力(vibrancy)特性を布に与えることも重要であり、測定され得る。
【0010】
コンディショニング用途に加えて、非セルロース性カチオン変性多糖は、これらの剤のレオロジー修正、泡立て増進及び泡の安定性、並びに他のパーソナルケア用の製剤成分、例えば、香料又は抗菌化合物の堆積表面への送達及び長期の保持にも使用され得る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】K.A.Vaynberg,TRI Hair Care Symposium,Sept.2008
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
非セルロース性カチオン変性多糖が、界面活性剤系洗浄剤においてコンディショニングポリマーとして、コンディショニングオイルのための堆積助剤として、毛髪及び皮膚への活性剤の送達剤として使用されることはよく知られているが、これらのポリマーを反復して使用することは、コンディショニング成分、例えば、シリコーン及び他のオイルの毛髪における望ましくない蓄積を与える。この蓄積は、乾燥した毛髪を櫛でとかすのに必要とされるエネルギーを増やし、かつ、髪に対するべとべとした感触として明らかである。加えて、現存する種類のコンディショニングポリマーは、毛髪線維の根元をよりコンディショニングする。毛髪線維の全長に沿って、線維がよりダメージを受けており、よりコンディショニングが必要な毛髪線維の中間部分及び先端にシリコーン及び他の活性成分のより均一な堆積を送達するポリマー組成物を作製する必要がある。最後に、ふけ防止領域及び抗菌活性材料の頭皮への送達領域では、シャンプー及び手用洗剤などの界面活性剤系からの抗菌化合物の送達の有効性を増大させ、頭皮及び皮膚により良好に標的化した送達をし、長期にわたる活性のためにそれを維持する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、界面活性剤、ポリマー組成物、及び溶媒を含む洗浄用組成物を発見した。前記洗浄用組成物中のポリマー組成物は、非セルロース性カチオン変性多糖を含み、前記カチオン変性はアルキル、アリール、又はアラルキル置換基の異なる組合せを有する少なくとも2つの第四級アンモニウム基の混合物を含む。前記少なくとも2つの第四級アンモニウム基は多糖骨格に共有結合している。前記非セルロース性カチオン変性多糖において、置換基は第四級アンモニウム基の窒素原子に結合している。
【0014】
多糖骨格に結合している異なる複数の第四級アンモニウム基の組合せを有する多糖組成物は、界面活性剤系からの毛髪への蓄積を減らす堆積剤として作用し、傷んだ髪を含む全ての毛髪のタイプに対して毛髪線維に沿ってよりよく均一なシリコーン堆積を与える点で有用であることが認められた。からC30
【0015】
非セルロース性カチオン変性ポリサッカリドを含む当該界面活性剤系洗浄用組成物の改善された堆積特性は、シリコーンなどの有益な薬剤の改善された堆積、亜鉛及び亜鉛ピリチオンなどのふけ防止用微粒子の改善された堆積に置換えて示され、かつ、アニオン性界面活性剤系、非イオン性界面活性剤系、両性又は双性イオン性界面活性剤系、及びそれらの混合物からのオイル、着色剤、香料、及び他の分散相活性材料の毛髪、皮膚、及び布の表面への堆積の改善に置換えられることも期待される。
【0016】
特に有用な組成物は、本発明のポリマーに加えて、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びそれらの混合物を用いて調製される。場合によって、カチオン性界面活性剤が、0.01から約1.0重量%の量で存在してもよい。
【発明を実施するための形態】
【0017】
非セルロース性カチオン変性多糖、とりわけ、多糖骨格に沿って共有結合した、カチオン性官能基の混合物、例えば、2つの異なる第四級アンモニウム基(窒素原子に結合した置換基はアルキル、アリール、及びアラルキル基の異なる組合せであってよい)を含むポリガラクトマンナン組成物又はポリグルコマンナン組成物が、に有用であることが認められた。
【0018】
本発明で使用する非セルロース性カチオン変性多糖は、各種の量のタンパク質を組成物の一部として含んでよい。前記非セルロース性カチオン変性多糖は、基材、例えば、毛髪、皮膚、歯、口腔粘膜、又は布繊維に高い効率で堆積でき、前記基材に大きなコンディショニングの恩恵を与えることができる。前記基材に堆積すると、非セルロース性カチオン変性多糖は、他の成分も堆積させて、基材の状態を改善又は基材の特徴を強化することができる。本発明において使用する非セルロース性カチオン変性多糖は、クリーム及びローションに典型的に使用される油相をより良好に送達し得るため、洗浄剤又は保湿剤から皮膚をコンディショニングするための潜在能力も有する。
【0019】
驚くべきことに、非セルロース性カチオン変性多糖、とりわけ、多糖骨格に共有結合した、異なる複数の置換基を有する少なくとも2つの第四級アンモニウム基を含むポリガラクトマンナン組成物又はポリグルコマンナン組成物が、界面活性剤系からの毛髪上の蓄積が低減し、傷んだ髪又は脱色した髪を含む全ての毛髪のタイプに対して毛髪繊維に沿ったシリコーン堆積の均一性がより改善され、シリコーンシャンプー及び非シリコーンシャンプーから送達される際に乾燥時の櫛通り及び摩擦の測定によって測定される毛髪の潤滑性又は柔軟性を改善し、かつ、他の活性材料、例えば、着色剤又は染料、亜鉛ピリチオン、香料、抗菌材料などの頭皮及び毛髪への堆積を改善させる堆積剤として作用する点で有用であることが認められた。本発明で使用する非セルロース性カチオン変性多糖は、
【0020】
本発明によれば、非セルロース性カチオン変性多糖は、カチオン性置換基の混合物を有する。各置換基のカチオン性置換度(DS)は、下限が約0.0001であり、上限が約3.0である。好ましくはカチオン性DSの下限は、0.001、より好ましくは0.002、さらに好ましくは0.003である。好ましくはカチオン性DSの上限は、3.0、より好ましくは1.0、さらに好ましくは0.25から0.35である。前記非セルロース性カチオン変性多糖は、下限が約10,000であり、上限が約2,000,000の重量平均分子量(Mw)を有する。好ましくは、前記非セルロース性カチオン変性多糖は、下限が約200,000、かつ、上限が約1,500,000、好ましくは下限が300,000、かつ、上限が約1,000,000の重量平均分子量(Mw)を有する。
【0021】
本発明によれば、非セルロース性カチオン変性多糖、とりわけ、カチオン性ポリガラクトマンナン又はカチオン性誘導体化ポリガラクトマンナンは、架橋剤、例えば、ホウ素、グリオキサル、又は非セルロース性カチオン変性多糖を凝集することなく容易に水に分散できるようにする他の処理を有する。架橋剤の含有量は、非セルロース性カチオン変性多糖1グラムあたり5重量%未満、好ましくは1重量%未満であってよい。前記架橋は、本発明のポリマーと付加逆な共有結合の架橋を形成して、水溶液系においてより膨潤する特性を有する製品をもたらすことができるタイプのものであってもよい。
【0022】
本発明の非セルロース性カチオン変性多糖の由来であるポリガラクトマンナンガムは、から選択される。
【0023】
アルキル基である置換基は、1の炭素から30の炭素の範囲のアルキル鎖長を有する。好ましくは、第一の第四級アンモニウム基上のアルキル基置換基は、1の炭素のアルキル鎖長を有するであろう。非セルロースカチオン変性多糖のカチオン性官能基は、既知の方法によって骨格に付加されてよい。例えば、非セルロース性多糖、例えば、ポリガラクトマンナンを十分な時間にわたって十分な温度で第一の第四級アンモニウムアルキル化試薬、例えば、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド及び2,3−エポキシ−プロピルトリメチルアンモニウムクロライドと反応させてよい。好ましい例には、2つのグリシジルトリアルキルアンモニウム塩又は3−ハロ−2−ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウム塩の組合せが含まれ、ここで、前記第一の第四級アンモニウム試薬はグリシジルトリメチルアンモニウムクロライド、グリシジルトリエチルアンモニウムクロライド、グリシジルトリプロピルアンモニウムクロライド、グリシジルエチルジメチルアンモニウムクロライド、グリシジルジエチルメチルアンモニウムクロライド、並びにそれらの対応するブロマイド及びアイオダイド;3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリエチルアンモニウムクロライド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリプロピルアンモニウムクロライド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルエチルジメチルアンモニウムクロライド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルエチルジエチルアンモニウムクロライド、並びにそれらの対応するブロマイド及びアイオダイド;並びに第四級アンモニウム化合物、例えば、イミダゾリン環含有化合物のハライドである。
【0024】
第二の第四級アンモニウム試薬は、窒素上に少なくとも1つのアルキル、アラルキル、アリール、又はアルケニル基を含む試薬から選択され、前記アルキル基は、例えば、直鎖又は分枝鎖の1から30の炭素原子を有するアルキル基であってよい。例示の変性基は、プロピル−、ブチル−、ペンチル−、2−エチルヘキシル−、オクチル、セチル、オクタデシル、ドデシル、メチルフェニル、及びドコサポリエン酸グリシジルエーテルである。
【0025】
第二の第四級アンモニウム基上の少なくとも1つの基は、1の炭素から30の炭素の範囲のアルキル鎖長を有する。好ましくは、2を超える炭素、好ましくは6を超える炭素、より好ましくは8を超える炭素長、好ましくは12の炭素、18の炭素、又は22の炭素のアルキル鎖長を有するであろう。第二の第四級アンモニウム基上のその様な基は、グリシジルドデシルジメチルアンモニウムクロライド、グリシジルドデシルジエチルアンモニウムクロライド、グリシジルドデシルジプロピルアンモニウムクロライド、グリシジルオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド、グリシジルジエチルメチルアンモニウムクロライド、並びにそれらの対応するブロマイド及びアイオダイド;3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルドデシルジメチルアンモニウムクロライド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルドデシルジエチルアンモニウムクロライド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルドデシルジプロピルアンモニウムクロライド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド、並びにそれらに対応するブロマイド及びアイオダイド;並びに第四級アンモニウム化合物、例えば、イミダゾリン環含有化合物のハライドを含む。第四級アンモニウムの窒素部分上の置換基は、少なくとも1つの直鎖又は分枝鎖の1から30の炭素原子を有する炭化水素アルキル部分、アリール基、アラルキル基ヒドロキシアルキル(アルキルは1から30の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の炭化水素部分を表わす(例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル))を含んでよい。
【0026】
非セルロース性カチオン変性多糖が、非イオン性置換基、すなわち、ヒドロキシアルキル(アルキルは1から30の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の炭化水素部分を表わす(例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル))、アルキル、アラルキル、若しくはアリール基(アルキルは1から30の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の炭化水素部分を表わす)、又はアニオン性置換基、例えば、カルボキシメチル基、スルホン酸基、若しくはホスホン酸基などの他の置換基を含んでもよい。これらの任意の置換基は、試薬、例えば、(1)ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、又はヒドロキシブチル基を得るためのアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド)、又は(2)カルボキシメチル基を得るためのクロロメチル酢酸、又はとの反応によって非セルロース性多糖に結合する。
【0027】
これらの非セルロース性カチオン変性多糖は、毛髪、皮膚、及び布の表面上への皮膜形成剤及び共堆積剤としても有用であり、水分損失からの毛髪、皮膚、及び布基材の保護において役立ち、サンスクリーン剤の堆積及びその後のUV照射から当該基材の保護において役立ち、基材上への香料又は香味料の堆積を促進させ、かつ、香料及び香味料を封入してこれらの基材上での寿命の改善を誘導し、又は抗菌試薬及び他の活性パーソナルケア成分の堆積に役立ち、基材上における活性成分の寿命の改善をもたらしてよい。加えて、これらの非セルロース性カチオン変性多糖は、オーラルケア用途、例えば、歯磨き剤及び義歯接着剤において使用して長期にわたって香味の保持及び香味の放出を与えることが認められる。これらの非セルロース性カチオン変性多糖からの抗菌剤及び殺生物剤の長期の放出は、ハウスホールド及びパーソナルケア用途、例えば、皮膚及び毛髪トリートメント剤における使用、並びにオーラルケア用途、例えば、歯磨き剤、義歯接着剤、及びホワイトニングストリップにおける使用も認められ得る。これらの非セルロース性カチオン変性多糖は、抗菌剤及び殺生物剤の抗菌特性の促進にも有用であり得る。
【0028】
本発明によれば、非セルロース性カチオン変性多糖、とりわけ、カチオン変性ポリガラクトマンナン組成物又はカチオン変性ポリグルコマンナン組成物のコンディショニングによる利益は、パーソナルケア用組成物、例えば、ヘアケア及びスキンケア用組成物におけるコンディショニング剤として実証される。能力は、オーラルケア用組成物、例えば、練り歯磨き、含嗽液、虫歯予防マウスリンス、及び抗菌マウスウォッシュ、並びににおいても期待される。
【0029】
本発明によれば、機能系基材は、パーソナルケア及びハウスホールドケア用途に関連する材料として定義される。パーソナルケアでは、前記基材は、皮膚、毛髪、歯、及び粘膜であってよい。ハウスホールドケア用製品では、前記基材は、硬い表面、例えば、金属、大理石、セラミック、花崗岩、木、硬いプラスチック、及び板壁、又は柔らかい表面、たとえば、繊維製品及び布であってよい。
【0030】
任意の水溶性非セルロース性多糖、とりわけ、ポリガラクトマンナン、ポリグルコマンナンを骨格として使用して、本発明に使用する非セルロース性カチオン変性多糖を形成してよい。かくして、例えば、寒天、デキストラン、ポリグルコース(デンプン)、ポリグルコマンナンポリマー、ポリアミノグリカン(キトサン)、キサンタンポリマー、及び他の非セルロース性多糖の全てが変性されてよい。本発明で使用する非セルロース性多糖は、十分な程度の2つの異なる四級化アンモニウム基である置換基を有し、毛髪及び皮膚の基材に対する改善されたコンディショニング態様を与え、基材にシリコーン堆積の改善された均一性を与え、かつ、基材、特に、毛髪、皮膚、及び布に良好な感触を与える点での有効性をポリマーに与える。
【0031】
好ましい非セルロース性多糖骨格は、ポリガラクトマンナン、例えば、グァー、ロカストビーンガム、タラガム、及び他の非セルロース系多糖、例えば、ガラクトマンナン、又はグルコマンナンポリマー、例えば、コンニャクガム又はアロエガムである。
【0032】
第四級アンモニウム基は、エーテル、エステル、又はウレタン結合を介して非セルロース性多糖骨格に結合してよい。容易に得ることができるため、最も一般的に使用されてエーテル化を実施する試薬であるということで、エーテルは好ましい結合である。その反応は、最初のエーテル化に一般的に使用されるものと類似しており、前記反応に使用する試薬は、通常、を介する変性に使用する試薬よりも容易に扱える。
【0033】
本発明で使用する非セルロース性カチオン変性多糖は、洗浄用組成物の必須の成分である。前記洗浄用組成物の第二の必須な成分は、組成物に可溶性又は不溶性のいずれかであってよい、非イオン性、アニオン性、両性、又はこれらの界面活性剤の混合物である。任意の成分は、単独の溶媒又は溶媒混合物のいずれかであってよい洗浄用組成物に使用してもよい適合可能な溶媒である。
【0034】
界面活性剤の例は、アニオン性、非イオン性、双性イオン性、又は両性のタイプの界面活性剤及びそれらの混合物である。アニオン性、非イオン性、双性イオン性、又は両性の界面活性剤は、本発明に可溶性又は不溶性であってよく、(使用される際に)洗浄用組成物の0.01から約50重量%の量で組成物中に存在する。合成アニオン性界面活性剤はアルキル及びアルキルエーテルスルフェートを含む。場合によって、カチオン性界面活性剤は、0.01から約1.0重量%の量で存在してもよい。
【0035】
非イオン性界面活性剤は、疎水性部分及び非イオン性親水性部分を含む化合物として広く定義されてよい。疎水性部分の例は、アルキル、アルキル芳香族、ジアルキルシロキサン、ポリオキシアルキレン、及びフルオロ置換アルキルであってよい。親水性部分の例は、ポリオキシアルキレン、ホスフィンオキシド、スルホキシド、アミンオキシド、及びアミドである。非イオン性界面活性剤、例えば、Air Products and Chemicals,Inc.から得られるSurfynol(登録商標)という商品名で市販されているものも本発明において有用である。
【0036】
双性イオン性活性剤は、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物(脂肪族基は直鎖又は分枝鎖であってよく、脂肪族置換基の1つが約8から約18炭素原子を含み、1つがアニオン性水溶性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含む)の誘導体として広く記載されてよいものに例示される。
【0037】
本発明の洗浄用組成物のビヒクル系において使用してよい両性界面活性剤の例は、脂肪族第二級及び第三級アミンの誘導体(脂肪族基は直鎖又は分枝鎖であってよく、脂肪族置換基の1つは約8から約18の炭素原子を含み、1つはアニオン性水溶性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含む)として広く記載されるものである。
【0038】
本発明によれば、前記系で使用する溶媒は、前記洗浄用組成物の他の成分と適合可能であるべきである。本発明で使用してよい溶媒の例は、水、水−低級アルカノール混合物、及び3から6の炭素原子及び2から6のヒドロキシル基を有する多価アルコールである。好ましい溶媒は、水、プロピレングリコール、水−グリセリン、ソルビトール−水、及び水−エタノールである。本発明の(使用する際の)溶媒は、組成物の重量に対して0.1から99重量%のレベルで組成物中に存在する。
【0039】
ある態様では、溶解したポリマーが活性成分であり得るため、活性成分又は有益な薬剤は任意成分である。この例は、毛髪若しくは皮膚のコンディショニングのためのコンディショナーとして、布のコンディショナーとして、又は抗菌剤として、水溶液中でポリマーを使用することである。しかしながら、追加の活性成分又は有益な薬剤が必要である際は、使用者又は使用者の身体にある程度の利益を与えるに違いない。
【0040】
本発明によれば、洗浄用組成物は、パーソナルケア用製品、ハウスホールドケア用製品、又は施設ケア用製品であってよい。洗浄用組成物が、少なくとも1つの活性パーソナルケア用成分又は有益な薬剤を含むパーソナルケア用製品である際は、前記パーソナルケア用活性成分又は有益な薬剤は、鎮痛剤、麻酔剤、抗生物質製剤、抗菌剤、防腐剤、ふけ防止剤、抗細菌剤、ビタミン、ホルモン、下痢止め剤、コルチコステロイド、抗炎症剤、血管拡張剤、ケロリチック(kerolytic)剤、ドライアイ用組成物、創傷治癒剤、抗感染剤、UV吸収剤、並びに溶媒、希釈剤、アジュバント、及び他の成分、例えば、を含むが、それらに限らない。
【0041】
パーソナルケア用組成物は、ヘアケア、スキンケア、サンケア、ネイルケア、及びオーラルケア用組成物を含む。本発明に係るパーソナルケア用製品に適切に含まれてよいが、それらに限らない活性パーソナルケア用成分又は有益な薬剤の例は、以下:
1)芳香応答を提供するのに加えて、身体の悪臭も低減することができる脱臭芳香及び芳香の形態で嗅覚応答を起こす、香料;
2)皮膚に冷却感の形態で触覚応答を起こす、皮膚冷却剤、例えば、メントール、メンチルアセテート、メンチルピロリドンカルボキシレートN−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、及び他のメントールの誘導体;
3)皮膚の潤滑性の増大の形態で触覚応答を起こす、皮膚軟化剤、例えば、イソプロピルミリステート、シリコーン材料、ミネラルオイル、及びベジタブルオイル;
4)皮膚表面における微生物叢、特に身体の悪臭の発生に関与するもののレベルを低減するか又は除去する機能を有する、香料以外の制汗剤(香料以外の制汗剤の前駆物も使用されてよい);
5)皮膚表面における発汗の出現を低減又は排除する機能を有する、制汗剤;
6)水分を添加するか又は皮膚からの蒸発を妨げることによって皮膚の水分を維持する、保湿剤;
7)太陽からのUV及び他の有害な光線から皮膚及び毛髪を保護する、サンスクリーン活性成分(本発明によれば、治療上有効量は、通常、組成物の重量に対して0.01から10重量%、好ましくは0.1から5重量%である);
8)毛髪をコンディショニングし、毛髪を洗浄し、毛髪をほぐし、スタイリング剤、ボリュームを出す薬剤及び光沢剤、色保持剤、ふけ防止剤、毛髪成長促進剤、毛髪染料及び顔料、毛髪香料、ヘアリラクサー、毛髪脱色剤、毛髪保湿剤、ヘアオイルトリートメント剤、並びに縮れ防止剤として作用する、ヘアトリートメント剤;並びに
9)オーラルケア用の薬剤、例えば、歯を洗浄、白色化、脱臭、及び保護する、歯磨き剤及びマウスウォッシュ並びにガム
である。
【0042】
本発明によれば、洗浄用組成物がハウスホールドケア用組成物である際は、当該ハウスホールドケア組成物は、非セルロース性カチオン変性多糖(前記カチオン変性は、多糖骨格に共有結合した、異なる複数の置換基を有する少なくとも2つの第四級アンモニウム基の混合物を含む)及び少なくとも1つの活性ハウスホールドケア用成分又は有益な薬剤を含む。ハウスホールドケア用活性成分又は有益な薬剤は、使用者にある程度の利益を提供しなければならない。本発明によって適切に含まれてよいが、それらに限らない活性成分の例は、以下:
1)芳香応答を提供するのに加えて、悪臭を低減することもできる脱臭芳香及び芳香の形態で嗅覚応答を起こす、香料;
2)特定領域又は攻撃された皮膚から虫を離れた状態にしておく機能を有する防虫剤;
3)泡を発生させる又は泡立つ泡発生剤、例えば、界面活性剤;
4)ペットの悪臭を低減するペット脱臭剤又は殺虫剤、例えば、ピレトリン;
5)皮膚及び毛髪表面から汚れ、異物、及び細菌を除去する機能を有する、ペットシャンプー剤及び活性成分;
6)皮膚から細菌、汚れ、グリース、及びオイルを除去し、皮膚を清潔にし、かつ、皮膚をコンディショニングする工業グレードバー(industrial grade bar)、シャワーゲル、及び液体石鹸活性成分;
7)家庭又は公共の設備において細菌を殺滅又は増殖を妨げる、殺菌成分;
8)静電気を低減し、布を柔らかい感触にする、洗濯用柔軟剤活性成分;
9)布の手入れの洗浄、濯ぎ、及び乾燥のサイクルの間の色の損失を低減する、洗濯又は洗剤又は布用柔軟剤成分;
10)染みを除去し、細菌を殺滅し、かつ、脱臭する、便器用洗浄剤;
11)服から染みを除去するのに役立つ、洗濯用予備染み抜き(prespotter)活性成分;及び
12)布の外観を向上する、布用サイズ剤
である。
【0043】
パーソナルケア及びハウスホールドケア用活性成分又は有益な薬剤の上述のリストは、例のみであり、使用できる活性成分の完全なリストではない。これらのタイプの製品で使用される他の成分が当該技術分野においてよく知られている。従来使用されている上記の成分に加えて、本発明に係る組成物は、成分、例えば、着色剤、保存剤、抗酸化剤、栄養サプリメント、α又はβヒドロキシ酸、活性向上剤、乳化剤、機能性ポリマー、増粘剤(例えば、塩、すなわち、NaCl、NHCl、及びKCl、水溶性ポリマー、すなわち、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース、並びに脂肪アルコール、すなわち、セチルアルコール)、1から6の炭素を有するアルコール、脂肪または脂肪化合物、抗菌化合物、亜鉛ピリチオン、シリコーン材料、炭化水素ポリマー、皮膚軟化剤、オイル、界面活性剤、医薬、香味料、香料、懸濁剤、及びそれらの混合物も場合によって含むことができる。
【0044】
本発明によれば、本発明の非セルロース性カチオン変性多糖と混合して使用することができる機能性ポリマーの例は、水溶性ポリマー、例えば、アクリル酸ホモポリマー、例えば、Carbopol(登録商標)ポリマー、並びにアニオン性及び両性アクリル酸コポリマー、ビニルピロリドンホモポリマー、並びにカチオン性ビニルピロリドンコポリマー;非イオン性、カチオン性、アニオン性、及び両性セルロース性ポリマー、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カチオン性ヒドロキシエチルセルロース、カチオン性カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、及びカチオン性ヒドロキシプロピルセルロース;アクリルアミドホモポリマー、並びにカチオン性、両性、及び疎水性アクリルアミドコポリマー、ポリエチレングリコールポリマー及びコポリマー、疎水性ポリエーテル、疎水性ポリエーテルアセタール、疎水性変性ポリエーテルウレタン、並びに会合性ポリマーと称される他のポリマー、疎水性セルロース性ポリマー、ポリエチレンオキシドを含む。
【0045】
本発明によれば、使用可能なシリコーン材料は、ポリマー、オリゴマー、オイル、ワックス、樹脂、若しくはガムの形態にあってよいポリオルガノシロキサン、又はポリオルガノシロキサンポリエーテルコポリオール、アモジメチコン、カチオン性ポリジメチルシロキサン材料、並びにパーソナルケア用組成物、ハウスホールドケア用組成物、又は施設ケア用組成物において使用される任意の他のシリコーン材料である。
【0046】
本発明で使用される非セルロース性カチオン変性多糖は、2−in−1シャンプー、ボディーローション、サンスクリーン剤、縮れ防止剤、及びヘアスタイリング剤においてコンディショニング剤として使用することができる。本発明で使用する非セルロース性カチオン変性多糖は、髪のボリューム、扱い易さ、髪の修復、又は色の保持、皮膚の保湿、及び毛髪、皮膚、及び布の水分保持、香料保持、サンスクリーン剤の寿命、オーラルケア用途における香味向上及び抗菌特性、並びにハウスホールド用途における布の耐磨耗性及び色堅牢度を改善するために使用することもできる。
【0047】
本発明をより詳細に理解するために、本発明をさらに説明するためのものであるが、限定することは意図していない以下の実施例を参照することができる。全ての部及び%は、そうではないと示していない限り、重量部及び重量%である。
【実施例】
【0048】
比較例1から5(表1)
カチオン性グァー調製
カチオン性グァーは、架橋剤としてホウ砂又はグリオキサルを使用して、既知の手法で調製した。一般的な手法を以下に記載する。白色の任意の純度のグァースプリット(guar split)を使用することができるが、本実施例では単一精製スプリットを使用した。
【0049】
グァースプリット、水、ホウ砂、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(Quat 188)、及び水酸化ナトリウム(表1に記載の量を参照のこと)を窒素雰囲気下で攪拌しながらリアクター中で混合した。リアクターは窒素でパージして、通気することで酸素を除去した。40から60℃の温度で0.5から3.0時間にわたって反応を実施した。冷却後に、生成物を水で洗浄して塩及び不純物を除去し、濾過して、乾燥させ、磨り潰して粉末状にした。
【0050】
比較例2及び5及び本発明の実施例12では、過酸化水素を使用するポリマー分解を45から55℃で1.5時間にわたって四級化反応の前に実施した。
【0051】
比較例4では、WO 2008/057425 A1に開示の手法によるグリオキサル架橋を、ホウ砂架橋の代わりに使用した。比較例4Aは、プラントにおいて比較例4をスケールアップしたものである。
【表1】

【表2】

【0052】
比較例1から5のポリマーの水溶液粘度及び組成物を表3に示す。
【表3】

【0053】
例6、7、9、10、11、11a(本発明で使用する非セルロース性カチオン変性ポリサッカリド)
3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルジメチルドデシルアンモニウムクロライドの40%水溶液(10から57部)、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(36から80部)、及び対応する量の腐食剤の各種の量の添加とともに、比較例1と同様にカチオン性グァーを調製した。40から65℃で1.5から3.0時間にわたって反応を実施した。比較例1について記載したように精製を実施した。反応産物組成物を例6、7、9、10、及び11aとして表3に示す。3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルジメチルドデシルアンモニウムクロライドの40%水溶液の22部の添加とともに、例11及び12を比較例5と同様に調製した。
【0054】
例6a、11bから11f(本発明で使用する非セルロース性カチオン変性多糖)
3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライドの40%水溶液を23部、テトラブチルアンモニウムクロライドを1部、及び25%腐食剤を31部を添加して、その後に3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドを68部及び25%の腐食剤をさらに24部添加するとともに、比較例1と同様にカチオン性グァーを調製した。反応産物組成物を表3に例11c及び11eとして示す。
【0055】
3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライドの40%水溶液(11から22部)、テトラブチルアンモニウムクロライド(0.5から1部)、及び25%腐食剤(30部)の各種の量を添加した後に、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(29から68部)及びさらなる腐食剤(2から24部)を添加するとともに、比較例4と同様にカチオン性グァーを調製した。反応産物組成物を表3で例6a、11b、及び11dとして示す。
【0056】
ヒドロキシプロピルグァーを前駆体として使用し、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライドの40%水溶液を27部、テトラブチルアンモニウムクロライドを1部、及び25%腐食剤を28部添加した後に、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドを80部及び25%腐食剤をさらに28部添加して、カチオン性ヒドロキシプロピルグァーを比較例1と同様に調製した。反応産物組成物を表3に実施例11fとして示す。
【0057】
例8、13、14、及び15(本発明で使用する非セルロース性カチオン変性多糖)
Supercol(登録商標) U グァーパウダー(Hercules Incorporatedから入手可能)又は他の多糖パウダーをイソプロパノール(IPA)混合物水溶液(84%IPA)に攪拌したリアクター中で窒素雰囲気下において11%のスラリー濃度で添加した。リアクターは窒素でパージして、通気することで酸素を除去した。3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルジメチルドデシルアンモニウムクロライド(40%水溶液)及び3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(65%水溶液)を添加し、その後25%水酸化ナトリウムを添加した後に、3から4時間にわたって30から60℃の温度で反応を実施した。反応物を室温まで冷却して、酢酸でpH7まで中和した。
【0058】
3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルジメチルドデシルアンモニウムクロライド40%水溶液及び3−クロロー2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(65%水溶液)の量を変化させて、表3に示す例13、14、15の製品を製造した。
【0059】
実施例8に関しては、N−Hance 3215(登録商標)カチオン性グァーパウダー(Hercules Incorporatedから入手可能)を出発材料として使用して、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルジメチルドデシルアンモニウムクロライド(40%水溶液)のみを反応系に添加した。
【0060】
反応産物をアセトン水溶液で洗浄して、塩及び不純物を除去した。精製産物のサンプルを乾燥し、磨り潰して、水分量及びカチオン性置換度を既知のNMR法によって測定した。
【0061】
例13、14、及び15に関しては、Techol A、Techol CDT、及びTechol MF グァー(Lucid Colloids Ltd. 401A,Navbharat Estates,Zacharia Bunder Road,Sewri(West),Mumbai,INDIAから入手可能)の各々を、Supercol(登録商標) U グァーの変わりに出発材料として使用した。反応産物組成物を表3に例13,14、及び15として示す。
【0062】
比較例16(対照シャンプー−ポリマー含まない)
ポリマーを含まないシャンプー組成物の櫛通り特性及びシリコーン堆積特性を表5に比較例16として示す。
【0063】
本発明の製品のコンディショニング特性の実証
コンディショニングシャンプー製剤における例6から15の本発明の非セルロース性カチオン変性多糖材料の使用を、表4に記載のシャンプープレミックス組成物を使用して、シャンプー調製と称する段落で以下に記載するように、シリコーンを含まないシャンプー製剤及びシリコーンを含むシャンプー製剤を調製することによって実証した。
【0064】
シャンプー調製A
表5のコンディショニングシャンプー製剤は、600rpmで攪拌する分散ブレードを備えたCaframoオーバーヘッドメカニカルスターラーを使用して、73重量部(pbw)の表4に示す界面活性剤プレミックス組成物を、6.7pbwの脱イオン水及び13.3pbwの本発明で使用する非セルロース性カチオン変性多糖と組み合わせることによって1.5重量%水溶液として調製した。組成物を45分間にわたって環境温度で混合した後に、製剤を環境温度で一晩放置した。前記製剤の粘度及びpH値を記録した。pH値の範囲は5.5から6.0であった。
【0065】
この時点で、3pbwのシリコーンエマルジョン(Dow Corning(登録商標)1784エマルジョン、Dow Corning Corporationから入手可能)を、シリコーンを含むシャンプーの実施例のための製剤に添加し、さらに15分にわたって混合を続けた。次いで、4pbwの塩化ナトリウム塩水溶液(25重量%)をに添加した。
【0066】
シャンプー調製B
0.4pbwのカルボマー(Carbopol(登録商標)980、Lubrizol Corporationから入手可能)とともに、表4のプレミックスを使用して、第二のシリーズのシャンプーをシリコーンマイクロエマルジョン(Dow Corning(登録商標)1784エマルジョン、Dow Corning Corporationから入手可能)を使用して及び使用せずに調製した。ポリマー及びシリコーンを含まない対照シャンプーをこの配合法で調製し、そのコンディショニング特性を、例4aの比較対照ポリマー、本発明のポリマー、表3の例11c、及び例4aのポリマーを含むノンシリコーンシャンプーと比較し、湿潤時櫛通り特性及び乾燥時摩擦測定、2.4pbwのシリコーンエマルジョン(Dow Corning(登録商標)1784エマルジョン、Dow Corning Corporationから入手可能)を表4のシリコーンシャンプーの例のための製剤に添加した。
【表4】

【0067】
コンディショニング特性の測定−堆積の測定
コンディショニングシャンプーが毛髪に対して物質を堆積させ、濡れた状態及び乾燥した状態で繊維間の摩擦を低減するためには、
【0068】
本発明のポリマーによる堆積の実施は、表5の「希釈堆積」と記した列に示す。各種の水/シャンプーの比率において水でシャンプーを希釈してポリマー−界面活性剤複合体の相分離を生じさせた。この相分離を、UV−Vis分光光度計を使用して600nmの波長におけるシャンプーの透過率%における低減を捕捉することによって視覚化する。より低い希釈比率及びより低い透過率%から、より多くのポリマー複合体が毛髪、皮膚、又は頭皮に堆積することが解釈される。シリコーン又はふけ防止剤において、より低い希釈比率及びより低い透過率%から、より多くのシリコーン及び他の活性成分が毛髪及び頭皮に堆積することが解釈される。表5の例17から21は、表3からの比較例1から5の希釈堆積特性を示し、表5の例22から29は本発明で使用するポリマーの例である表3の例6から15の希釈堆積特性を示すのに対し、表5の比較例16では対照シャンプーであり、希釈堆積特性を示さない。
【0069】
表5は、カルボマーを含む及び含まない、表4の成分を含有するノンシリコーンシャンプーにおける表3のポリマーの希釈堆積特性及び櫛通りに必要なエネルギーを低減させる特性を含む。
【表5】

【0070】
湿潤時及び乾燥時櫛通り特性の測定
湿潤時及び乾燥時櫛通り測定は、シャンプー及びコンディショナー用途におけるコンディショニング特性の測定に使用される典型的な試験方法である。各シャンプー製剤の櫛通り特性は、2から3房の欧州人のミディアムブラウンバージンヘア及び同じミディアムブラウンヘアストックから調製した脱色したものの房(International Hair Importers,New Jersey)に対して、シャンプー調製の24時間以内に測定した。櫛通り測定の前に、4.5重量%のラウリル硫酸ナトリウム(SLS)の溶液で髪の房を処理して、すすぎ、一晩にわたって23℃で50%相対湿度で乾燥した。
【0071】
櫛通り特性は、0.1pbwシャンプー/1pbw髪の房を適用した表5の例20A、16a、及び27a及び表6の例34a、41a−d、及び46aを除いて、0.5pbwシャンプー/1pbw髪の房の比率で、シャンプー製剤を3グラムの水で濡らした髪の房に適用して測定した。髪の房を60秒間にわたってもみ、次いで、35から40℃の水で30秒間にわたってすすいだ。このプロセスを繰返し、次いで、髪の房を脱イオン水ですすぎ、過剰量の水を髪の房からしぼった。髪の房を二重櫛(double comb)装置上に置いて、湿潤時櫛通り力を、23℃で50%相対湿度において、Ace硬質ゴムファインポケット櫛(hard rubber fine pocket comb)を使用して二重櫛法を使用して12.5cm/分のクロスヘッド速度でInstron 5542試験系で8回測定した。次いで、髪の房を一晩23℃で50%の相対湿度で乾燥させ、乾燥時櫛通り特性を同じ二重櫛法を使用して測定した。表5の櫛通りに必要なエネルギーは、脱色した髪及びバージンブラウンヘアの双方に対する全湿潤時及び乾燥時エネルギーである。
【0072】
表5の例18,19、及び23のノンシリコンシャンプー製剤では、比較例2及び3のポリマー(表3)並びに例7の本発明のポリマー(表3)が、表5の例16のシャンプーにおけるポリマーを含まない対照シャンプーに対して、低減した湿潤時及び乾燥時の櫛通りに必要なエネルギーを示す。表5の例20a、27a、及び16aのカルボマーを含むノンシリコーンシャンプー製剤では、実施例11cの本発明のポリマー(表3)が、低減した湿潤時の櫛通りに必要なエネルギーを示した。
【0073】
表6のシリコーンシャンプー製剤では、例41の本発明のポリマーが、例46のポリマーを含まない対照シャンプーと比較して、脱色した髪及びバージンブラウンヘアの双方に対して、湿潤時の櫛通りに必要なエネルギーにおける顕著な低減を示した。
【0074】
カルボマーを含むシリコーンシャンプーでは、実施例41a−dの本発明のポリマー及び比較例34aのポリマーが、比較例46aのポリマーを含まない対照シャンプーと比較して、脱色した髪及びバージンブラウンヘアの双方に対して、湿潤時の櫛通りに必要なエネルギーにおける顕著な低減を示した。
【0075】
乾燥した髪の摩擦及び剛性の測定
乾燥した髪のコンディショニングは、髪に対する「シルキーソフト」な感触と表現されることが多い。この感覚態様は、下記の測定法を使用して部分的に解析することができる。K.A.Vaynberg,TRI Hair Care Symposium,Sept.2008に開示されている装置を使用して、髪の房をジグザグ構造に通して引くための仕事又はエネルギーが、剛性及び毛髪線維の間の線維間摩擦に関連する。フリーローテーションモードで実施した測定を、表6の「潤滑性」と記した列に示す。これらの測定は、ピンに対する摩擦及び線維間摩擦を表わす。データは、本発明のシャンプーの例である例41が、比較例31から33、35及び比較例46のポリマーを含まない対照シャンプーと比較して、これらの毛髪サンプルに対して摩擦エネルギーを低減することによって、バージンブラウンヘアに対して髪の潤滑性を劇的に改善することを示す。
【0076】
表6のデータは、本発明のシャンプーの例である例41a、b、c、及び41dが、比較例46aのポリマーを含まない対照シャンプーと比較して、これらの毛髪サンプルに対して摩擦エネルギーを低減することによって、バージンブラウンヘア及び脱色した髪に対して潤滑性を改善することも示す。
【0077】
シリコーンシャンプー製剤では、表6の例31から35、比較例1から5(表3)並びに例36から41及び43から45のポリマー、例6から11及び13から15(表3)の本発明のポリマーは、表6の比較例46のポリマーを含まない対照シャンプーと比較して、湿潤時及び乾燥時の櫛通りに必要とされるエネルギーの低減を示す。
【0078】
表6は、カルボマーを含む及び含まない、表4に記載のシャンプープレミックスを含むシリコーンシャンプーにおける、表3に記載のポリマーの例についての櫛通りに必要なエネルギー、シリコーン堆積、シリコーン分配、髪の潤滑性の結果を含む。
【表6】

【0079】
感覚的観察
コンディショニングシャンプーを使用してシャンプー処理した後の髪の感覚及び視覚的な態様も、コンディショニング特性の高く評価された測定法である。この特性は、表6の「感覚」の列に記載している。比較例31及び32のシャンプー(比較例1及び2、表3)はある程度のコンディショニングを与え、比較例34のシャンプー(比較例4、表3)は良好なコンディショニングを与えるが、表6の比較例33および35のシャンプーは非常に少ないコンディショニングであると解され、まとまりがないという特徴があると記載しているとおり、静電気が発生した。
【0080】
表6の実施例40の本発明で使用するポリマー(例10のポリマー、表3)は、バージンブラウンヘアに対してある程度のコンディショニングを示し、表6の実施例41の本発明で使用されるポリマー(例11のポリマー、表3)は、「滑らかかつシルキー」と記載しているとおり、優れたコンディショニングを示した。この特性は、乾燥した毛髪の摩擦及び剛性の章に記載した潤滑性測定でさらに評価した。
【0081】
表6のカルボマー配合については、表6の例41a及びbの本発明のポリマー(例11a、11bのポリマー、表3)は、バージンブラウンヘアに対してある程度のコンディショニングを示し、表6の例41c及びdの本発明のポリマー(表3の例11c及び11dのポリマー)は、「滑らかかつシルキー」と記載しているとおり、優れたコンディショニングを示した。
【0082】
シリコーン堆積測定
シリコーン堆積測定は、下記の手法にしたがって実施する:
髪の房のサンプルをメチレンクロライドで抽出し、溶媒を乾燥するまで蒸発させ、次いで、重水素化クロロホルムである体積まで希釈する。1261cm−1付近のSiCHバンドを使用して、シリコーンオイルを定量する。この方法は、30から1800ppmの範囲のシリコーンオイルのレベルについて有効である。スルホネート及びスルフェートは、より低いppm値で、1261cm−1付近のSiCHバンドの測定に干渉するであろう。
【0083】
表6に示すとおり、表6のシャンプー製剤31から35(表3の比較例1から5のポリマーを含む)及び表5の例36から41、43、及び45のシャンプー製剤(表3の実施例6から11、13、及び15の本発明のポリマー)は、比較例46のポリマーを含まない対照シャンプーと比較して、バージンブラウンヘア及び脱色した髪に対して良好なシリコーン体積を示した。
【0084】
各房からの毛髪線維の房に対して減衰全反射測定を使用して、下記の方法によって房に沿ったシリコーンの堆積プロファイルをマップすることもできる:
髪の房の一部を、ワックスホルダーの約1インチ下で切断した。上部及び下部を少量のテープでしっかりと固定し、房を一緒にした状態を保った。赤外線スペクトルを髪の房の上部、中央部、及び下部付近で得た。796.5cm−1(接線基準(tangent baseline))付近のシリコーンバンドのピークの高さを、940.1cm−1から919.9cm−1(接線基準)の参照バンド領域と対比して、相対表面シリコーンレベルを測定した。
Nicolet Magna 760 FTIR分光計に取付けたGolden Gate diamond ATR全てのスペクトルを得た。分解能は4cm−1に設定し、収集時間は2分30秒に設定した。
現時点で、この技術の最も低い検出レベルは0.05のRSSL値であると解されている。これよりも低い全ての値は検出されなかったものと報告されるであろう。
【0085】
結果は、Si−CH伸縮/ケラチン吸収の比率として表わされ、繊維の根元の末端から先端まで繊維長に沿ってIRの比率のプロファイルが得られる。シリコーン濃度は、この方法で測定することができ、1よりも大きい比率は、実質的な量のシリコーンの存在を示す。表6に示すとおり、表3の比較例1から3のポリマーを含む例31から33のシャンプーは、ほとんど示さなかった。
【0086】
表3の例6、10、11の本発明のポリマーを含む表6の例36、40、及び41のシャンプーでは、前記比率が、例11については房に沿って0.2の値を超え、かつ、例10のポリマー組成物を含むシャンプーで処理した房については0.2の値を超える。これらの結果は、本発明のポリマーを含む洗浄剤を使用する際に、より傷んでいる先端領域にまで、房の長さに沿ったシリコーンの分布が改善されたことを示す。
【0087】
亜鉛堆積測定
亜鉛堆積は、毛髪よりも、頭皮に最大化されることが好ましい。皮膚を摸倣した基材としてVitroSkin(登録商標)人工皮膚(IMS Testing Groupから入手可能)を使用した。
【0088】
亜鉛ピリチオン及び炭酸亜鉛を含む市販のふけ防止用シャンプー製剤(Head and Shoulders(登録商標)をこれらの測定に使用した)。本発明のポリマーの亜鉛堆積の改善は、試験ポリマーの0.4%溶液によるシャンプーの1:1希釈によって実証される。次いで、同じタイプの希釈をコアセルベート相の単離を使用して実施し、人工皮膚(Vitro−Skin(登録商標)人工皮膚)の一部に希釈したサンプルを適用し、その後に希釈した。次に皮膚サンプルを一晩にわたって空気乾燥させ、次いで、蛍光X線分析に供して、皮膚の表面上の亜鉛を定量した。結果として、ppm亜鉛及びマイクログラム/平方センチメートルにおける亜鉛が得られる。測定した亜鉛の値は、ICP装置における皮膚サンプルの灰化及びサンプル中の亜鉛元素の測定によって検証した。このICPデータは、蛍光X線データと良好に比較される。
【0089】
市販のシャンプー製剤(Head and Shoulders(登録商標)シャンプー)と混合した表3のポリマーの亜鉛堆積能力の結果を表7に記載する。
【表7】

【0090】
例47の比較対照及び例49の市販のシャンプー単独の亜鉛体積能力を表7に示す。表7に示すとおり、例48の本発明のポリマーの亜鉛体積能力は、市販のシャンプーである対照例49及び例47の比較ポリマー対照よりも改善されている。
【0091】
モデルふけ防止用シャンプーを、参照によって本明細書にその全体を取り込むUS2007/0128147に記載の手法にしたがって表8の配合を含めて調製した。表9に示すように、表1の例11aの本発明のポリマーを含む例51のシャンプーは、例50の市販のシャンプーと比較して、バージンブラウンヘアを櫛でとかすのに必要である、湿潤時及び乾燥時の櫛通りに必要なエネルギーの双方を低減させる。
【表8】

【0092】
泡の安定性及び泡の濃密さ、シャンプー製剤の濃厚さは、排泡試験(lather drainage test)を使用して測定することができる。例51のシャンプーに由来する泡の泡安定性は、以下の手順にしたがって測定した:
・標準手順
排泡時間
本試験の目的は、希釈した界面活性剤溶液の排泡時間を測定することである。長い排泡時間は良好な安定性を備えた濃厚で濃密な泡であることを示す。
装置:
Waringブレンダーモデル#7012又は#34BL97又はそれらの同等品
ろうと、好ましくはプラスチック製;6”直径、7/8”IDネック、5 1/4”高さ、上から2”の水平ワイヤー。
U.S.A.Standard Sieve No.20又はTyler Equivalent 20メッシュ又は850マイクロメートル若しくは0.0331インチふるい。ふるいは、好ましくは7インチの直径を超えるふるいであるが、それよりも小さいサイズが使用されてもよい。
ストップウォッチ又はタイマー
温度計
手順:
1.66.45gのシャンプー例50及び51を933.55gの脱イオン水と大きなビーカー内で混合することによって製剤を調製した。
2.200gの希釈溶液を各測定のために秤量した。
3.200gの当該溶液(蓋付8oz.ビン)を所望の温度に設定した水浴中に2時間にわたって入れることによって、25℃に調節した温度で試験を実施した。
4.各溶液の排泡時間を以下の手順にしたがって測定した。全部で3回の測定を各製剤について実施した。
a.清浄で乾燥したWaringブレンダーガラス容器に200gの溶液を注ぎ入れる。
b.覆いをしながら、正確に1分間にわたって最も速いスピードで泡立たせる。
c.20メッシュスクリーンを被せたビーカー上の清浄な乾燥したろうとに泡をすぐに入れる。
d.正確に15秒間にわたってブレンダーから泡を注ぎ入れる。溢れさせずにできる限り多くの泡がろうとに得られるように努力する。15秒後に注ぎ入れることを止める。ストップウォッチは動かし続ける。
e.ワイヤーが泡又は液体に覆われていないように、排泡するのに必要な合計時間(注ぎ入れるための15秒を含む)を記録する。
【0093】
本発明のポリマーを含む例51のシャンプーから調製した泡/フォームは、より長くの排泡時間であったことから示されるように、例50の市販のシャンプーから調製したフォームよりも、顕著に安定であり、かつ、濃厚なフォームであった。
【表9】

【0094】
本発明を好ましい実施態様を参照して説明したが、本発明の精神及び範囲を逸脱すること無く、その態様及び詳細について変形又は修飾が為されてよいと解されるべきである。その様な変形及び修飾は、添付の特許請求の範囲に記載の発明の範囲内であると解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面活性剤、ポリマー組成物、及び溶媒を含む洗浄用組成物であって、前記ポリマー組成物が非セルロース性カチオン変性多糖を含み、前記カチオン変性が、アルキル、アリール、又はアラルキル置換基の異なる組合せを有する少なくとも2つの第四級アンモニウムの混合物を含む、洗浄用組成物。
【請求項2】
前記非セルロース性カチオン変性多糖がポリガラクトマンナンを含む、請求項1に記載の洗浄用組成物。
【請求項3】
前記非セルロース性カチオン変性多糖がポリグルコマンナンを含む、請求項1に記載の洗浄用組成物。
【請求項4】
前記非セルロース性カチオン変性多糖がポリグルコースを含む、請求項1に記載の洗浄用組成物。
【請求項5】
前記ポリグルコースがデンプンである、請求項4に記載の洗浄用組成物。
【請求項6】
前記非セルロース性カチオン変性多糖がポリアミノグリカンを含む、請求項1に記載の洗浄用組成物。
【請求項7】
前記ポリアミノグリカンがキトサンである、請求項6に記載の洗浄用組成物。
【請求項8】
前記ポリガラクトマンナンが、グァー、カッシア、フェヌグリーク、ロカストビーン、タラガム、アメリカサイカチ、及びゴウシュウアオギリからなる群から選択される、請求項2に記載の洗浄用組成物。
【請求項9】
前記ポリガラクトマンナンがグァーを含む、請求項2に記載の洗浄用組成物。
【請求項10】
前記非セルロース性カチオン変性多糖が、キサンタンガム、ジェランガム、ウェランガム、ラムサンガム、コンニャクマンナン、アラビアガム、ダイズ多糖、キシロフルクトースガム、及びタマリンドガムからなる群から選択される、請求項1に記載の洗浄用組成物。
【請求項11】
前記非セルロース性カチオン変性多糖が、少なくとも2つの第四級アンモニウム基の各々について、下限が約0.0001DSであり、かつ、上限が約3.0DSの範囲にカチオン性置換度(DS)を有する、請求項1に記載の洗浄用組成物。
【請求項12】
前記非セルロース性カチオン変性多糖が、少なくとも2つの第四級アンモニウム基の各々について、下限が約0.001DSのカチオン性置換度(DS)を有する、請求項1に記載の洗浄用組成物。
【請求項13】
前記非セルロース性カチオン変性多糖が、少なくとも2つの第四級アンモニウム基の各々について、上限が約1.0DSのカチオン性置換度(DS)を有する、請求項1に記載の洗浄用組成物。
【請求項14】
前記非セルロース性カチオン変性多糖が、下限が約10,000であり、かつ、上限が約2,000,000の重量平均分子量(Mw)を有する、請求項1に記載の洗浄用組成物。
【請求項15】
前記非セルロース性カチオン変性多糖が、下限が約200,000であり、かつ、上限が約1,500,000の重量平均分子量(Mw)を有する、請求項14に記載の洗浄用組成物。
【請求項16】
前記非セルロース性カチオン変性多糖が、下限が約300,000であり、かつ、上限が約1,000,000の重量平均分子量(Mw)を有する、請求項15に記載の洗浄用組成物。
【請求項17】
前記少なくとも2つの第四級アンモニウム基が、エーテル、エステル、又はウレタン結合を介して非セルロース性多糖骨格に結合している、請求項1に記載の洗浄用組成物。
【請求項18】
前記少なくとも2つの第四級アンモニウム基が、エーテル結合を介して非セルロース性多糖骨格に結合している、請求項17に記載の洗浄用組成物。
【請求項19】
前記カチオン変性が、アルキル基である置換基の異なる組合せを有する少なくとも2つの第四級アンモニウム基の混合物を含む、請求項1に記載の洗浄用組成物。
【請求項20】
前記アルキル基である置換基が、1の炭素から30の炭素の範囲にあるアルキル鎖長を有する、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
第一の第四級アンモニウム基上のアルキル基である置換基が、1の炭素のアルキル鎖長を含む、請求項20に記載の洗浄用組成物。
【請求項22】
第一の第四級アンモニウム基上のアルキル基である置換基の各々が、1の炭素のアルキル鎖長を有する、請求項20に記載の洗浄用組成物。
【請求項23】
第二の第四級アンモニウム基上のアルキル基である置換基が、1の炭素から30の炭素の範囲のアルキル鎖長を含む、請求項20に記載の洗浄用組成物。
【請求項24】
第二の第四級アンモニウム基上のアルキル基である置換基が、1の炭素から30の炭素の範囲のアルキル鎖長を有する、請求項23に記載の洗浄用組成物。
【請求項25】
第二の第四級アンモニウム基上のアルキル基である置換基が、12の炭素のアルキル鎖長を含む、請求項23に記載の洗浄用組成物。
【請求項26】
第二の第四級アンモニウム基上のアルキル基である置換基が、18の炭素のアルキル鎖長を含む、請求項23に記載の洗浄用組成物。
【請求項27】
第二の第四級アンモニウム基上のアルキル基である置換基が、22の炭素のアルキル鎖長を含む、請求項23に記載の洗浄用組成物。
【請求項28】
前記非セルロース性カチオン変性多糖がポリガラクトマンナンを含む、請求項23に記載の洗浄用組成物。
【請求項29】
前記ポリガラクトマンナンが、グァー、カッシア、フェヌグリーク、ロカストビーン、タラガム、アメリカサイカチ、及びゴウシュウアオギリからなる群から選択される、請求項28に記載の洗浄用組成物。
【請求項30】
前記ポリガラクトマンナンがグァーを含む、請求項29に記載の洗浄用組成物。
【請求項31】
前記ポリガラクトマンナンがカッシアガムを含む、請求項29に記載の洗浄用組成物。
【請求項32】
前記ポリガラクトマンナンがフェヌグリークを含む、請求項29に記載の洗浄用組成物。
【請求項33】
前記非セルロース性カチオン変性多糖がデンプンを含む、請求項24に記載の洗浄用組成物。
【請求項34】
前記界面活性剤が、両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の洗浄用組成物。
【請求項35】
保存剤、増粘剤、機能性ポリマー、粘度調整剤、電解質、pH調整剤、芳香剤、染料、から選択される追加の成分の1つ又は複数をさらに含む、請求項1に記載の洗浄用組成物。
【請求項36】
パーソナルケア用組成物を含む、請求項1に記載の洗浄用組成物。
【請求項37】
前記パーソナルケア用組成物がヘアケア用組成物である、請求項36に記載の洗浄用組成物。
【請求項38】
前記パーソナルケア用組成物がスキンケア用組成物である、請求項36に記載の洗浄用組成物。
【請求項39】
パーソナルケア用組成物を含む、請求項23に記載の洗浄用組成物。
【請求項40】
前記パーソナルケア用組成物がヘアケア用組成物である、請求項39に記載の洗浄用組成物。
【請求項41】
前記パーソナルケア用組成物がスキンケア用組成物である、請求項39に記載の洗浄用組成物。
【請求項42】
ハウスホールドケア用組成物を含む、請求項23に記載の洗浄用組成物。
【請求項43】
前記ハウスホールドケア用組成物がファブリックケア用組成物である、請求項42に記載の洗浄用組成物。
【請求項44】
前記ハウスホールドケア用組成物が硬表面クリーナー組成物である、請求項42に記載の洗浄用組成物。

【公表番号】特表2012−505242(P2012−505242A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531207(P2011−531207)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/060164
【国際公開番号】WO2010/051151
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(591020249)ハーキュリーズ・インコーポレーテッド (75)
【氏名又は名称原語表記】HERCULES INCORPORATED
【Fターム(参考)】