説明

混合物の連続処理方法及び装置

溶液、懸濁液及び乳濁液のいずれか1つの混合物を連続的に処理して熱的に分離する方法において、前記連続処理は、蒸発主体の処理と脱気処理に区分され、蒸発主体の処理と脱気処理はそれぞれ別の混練器4、12において行われることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶液、懸濁液、乳濁液などの混合物の連続熱分離法に関する。
【背景技術】
【0002】
エラストマーの単独重合、共重合など高分子の製造に限定しないが、混合物は工業的には、いわゆる溶液重合反応による重合反応により製造される。ここでは、より均一に混合されるように、溶剤を用いて攪拌槽式反応器内の粘度が下げられる。生成した重合溶液から溶剤を分離する必要がある。現在のところ、溶剤は、凝縮・ストリッピング法により分離され、大量の熱がストリッピング媒体(湿式法)の形で投入される。この工程の後、費用のかかる機械・熱的乾燥により、高分子をストリッピング媒体から分離する。ストリッピング媒体は、機械的な押出し並びに大気乾燥の2段階で分離される。分離中には、水蒸気としての大量の熱及び洗浄水が必要であり、そのため大量の廃水並びに開放された大きな装置であるため環境への放出の問題を引き起こす。更に、費用のかかるストリッッピング媒体と溶剤とを分離する工程を必要とする。従って、現行の方法は、エネルギー的には極めて非効率で、環境保全及び投資コストの点から効果的ではない技術である。リスクが低く、触媒系及び工程が技術に適合された技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、50%以上のブタジエンが重合されたポリブタジエン溶液から脱気するように開発された方法が記載されている。この発明では、押出機に水を加えて溶剤を分離している。
【0004】
特許文献2、3にも同様の解決方法が開示されている。ここでは、重合溶液が、混合・混練域に送られて、熱交換表面が最も沸点の低い溶剤の沸点よりも高い温度を有し、そこで溶剤が蒸発される。この場合、高分子と混合しない媒体である水が加えられる。
【0005】
特許文献4、5には、EPDM及びポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンゴム、ポリスチレンのような類似の高分子を熱乾燥器により脱気する方法が開示されている。熱乾燥機は、水平な外套、外套内の回転軸、回転軸に装着された板状部材、板状部材に対向して外套の内側に固定された鉤状部材を備えている。このような技術は、高分子が過熱されるか又は脱気効率が十分で無いので、多量のエネルギーを吸収する高分子溶液への使用に限られている。
【0006】
エネルギー及び環境への排出の問題に加えて、最近は、水に敏感なアニオン重合に際しての水の分離及び温度に極めて影響されやすい製品を扱うことに対するコスト増の問題を解決する方法を目指すようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第3863511号明細書
【特許文献2】米国特許第4909898号明細書
【特許文献3】欧州特許第0262594号明細書
【特許文献4】米国特許第6150498号明細書
【特許文献5】欧州特許第0910588号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、エネルギー収支の改善並び効率を高めるために、エネルギー又は水蒸気及び水の使用量を抑えた方法を提供することにある。更に、現行の技術では製造が不可能か又は特殊な抗酸化剤を添加する場合のみ可能である、温度に影響されやすい混合物を製造できるようにすることも目的としている。新たな処理方法は、エネルギー効率が良く、環境に優しく且つ柔軟性のある工程を創成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の課題は、混合物の連続処理を、蒸発主体の工程と脱気工程に分けて、それぞれ別の混練器において実行することにより解決される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】高分子溶液などの混合物の連続分離する多段の設備の構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、1つ又は2つの攪拌軸を有する混練器において、エラストマーを含有する高分子溶液から溶剤、モノマー、反応触媒、反応開始剤、反応残留物を直接に蒸発させる高分子溶液の連続処理方法及び装置に関するものである。低粘度の高分子溶液は、先ず蒸発工程、次いで蒸発混練器から脱気混練器において処理される。この方法は、温度に敏感な高分子に適しており、最高160℃まで処理可能である。しかし、本発明は、溶液、懸濁液、乳濁液など他の混合物にも適用できることが確認されている。全ての関連する混合物が本発明に含まれる。
【0012】
多量な液が含まれる混合物は、先ず蒸発工程において接触熱により予備濃縮してから、粘度の増した溶液として蒸発混練器に送られる。蒸発混練器内の溶液は、加えられた流体(例えば、溶剤)の90%以上を摩擦により蒸発させる蒸発エネルギーを生成するのに十分な粘度である。生成された熱的・機械的エネルギーは、溶剤の蒸発に用いられ、溶剤の蒸発冷却によって混合物の最大温度を超えないように圧力が調整される。
【0013】
約10%の残留湿分(例えば溶剤)を有する混合物が蒸発混練器から取出されて脱気混練器に投入され、そこで残留湿分は所望の濃度(例えば、残留溶剤濃度)になるまで蒸発させる。
【0014】
脱気工程において、表面の更新のために加えられた機械的エネルギーが蒸発によって除去されるように少量の流体(例えば水)を脱気混練器に投入することにより、例えば、過熱及び熱的損傷が無いように、混合物の温度が正確に調整される。
【0015】
更に、蒸発室内に発生した流体蒸気(例えば水蒸気)は分圧を低下させるストリッピング剤として有効であり、現行の方法による汚染された高温乾燥空気と異なって、溶剤と共に凝縮される。
【0016】
新たに発見された方法は、特にエラストマー及びプラストマーを含む単一高分子溶液、混合高分子溶液又は溶液重合からの共重合高分子溶液で、例えばBR、SBR、SBS、SIS、SBM、HBR、NBRのようなブタジエン並びにブチル誘導エラストマー又はEPDM誘導エラストマーなど高温度に敏感か、余り敏感でない混合物を直接に蒸発させることに適している。また直接に共重合された高分子溶液か又は例えばSBS及びSBRのような2つの高分子溶液を混合した共重合溶液、すなわち混合が難しいエラストマー及びプラストマー並びにポリイソプレン溶液、ポリエチレンプロピレン溶液又はハロゲン化ブチルゴムを直接に蒸発させることにも適していている。
【0017】
高分子溶液は、溶液重合後に任意の比率で混合された高分子溶液であることが重要である。少なくとも一つの溶液はエラストマーを含む高分子溶液が重要である。
【0018】
分離すべき揮発成分は、溶剤又溶剤系、並びに未反応モノマー、残留している触媒、開始剤、安定剤、抗酸化剤又は高分子である。
【0019】
閉じられた乾式工程では、水を分離せずに98%以上の溶剤が回収され、溶剤、汚染水及び廃ガスの環境への排出を著しく減らすことができる。
【0020】
現行の技術とは異なり、本発明では、押出機又は混練器を用いて、エラストマーを含む高分子溶液、特に純粋な重合ブタジエン溶液は、直接にその他の助剤を使わずに、残留する溶剤が任意の量になるまで脱気できる。
【0021】
本発明において試験に用いた混合混練器は、1軸又は同方向又は逆回転の2軸式で、独国特許発明第2349106号明細書、欧州特許出願公開第0517068号明細書、欧州特許出願公開第0853491号明細書、独国特許出願公開第10150900号明細書(PCT/EP02/11578;国際公開第03/035235号明細書)に詳しく記載されている。混合混練器は、2,500リットルまでの容量が製造され、直接の蒸発に使用された。混合混練器は、大容量で、自己清浄能力があり、1軸又は多軸の水平式混合混練器で、(好ましくは二重外套式の)ハウジング及び/又は混練軸が(独立に)温度調製されていることが好ましい。
【0022】
従属請求項には、本発明による方法の好ましい構成が記載されている。
【0023】
蒸発に先立って、混合物を予備濃縮することが好ましい。予備濃縮により、例えば、5〜50%の濃度の混合物が、(必須ではないが)蒸発管内において、熱処理することにより、まだポンプ輸送可能な濃度である20〜80%まで濃縮される。
【0024】
濃縮された混合物は、蒸発混練器に投入されて、揮発成分が20%以下、好ましくは2〜12%になるまで溶剤を蒸発させる。投入は一箇所又は数箇所から同時に行うことが好ましい。混合物の投入量は、温度により制御される。
【0025】
蒸発混練器内に濃縮された混合物を分配することにより、生成された均質な高粘度の混合物に、摩擦により発生した機械的エネルギーが加わる。更に、蒸発混練器内に濃縮された混合物を分配することにより泡の形成が抑えられて単位面積当たり高い接触熱が得られる。
【0026】
蒸気と呼ばれる蒸発した揮発成分は、蒸発混練器から取出されて、蒸気ドーム内に滞留する。凝縮可能な成分は、排気管を介してそれに連結された凝縮器、好ましくはスプレー式又は空冷式凝縮器に送られ、ほぼ完全に凝縮されて系外に排出される。凝縮されない成分は、更に別の処理が施される。後述の脱気混練器にも類似の蒸気排出機構が備えられている。
【0027】
混合物の付着又は粘着を防ぐために、必要ならば、蒸気の通過路に少なくとも部分的に、非粘着性素材を被覆してもよい。更に、蒸気の通過路を清浄に保つために、少なくとも通過路の一部を冷却して逆凝縮させてもよい。付加的に、又は単独にノズルを用いて、間欠的に、又は絶えず蒸気の通過路を洗浄してもよい。
【0028】
蒸発混練器内の圧力は、蒸発した揮発成分の冷却により混合物が過熱されないように、絶対圧力10〜2,000ミリバールに設定することが好ましい。工程のいずれの時点においても混合物が損傷温度を超えないように、蒸発混練器の加熱温度及び混合物の最高温度は60〜160℃に設定することが好ましい。この場合、蒸発混練器の加熱温度及び混合物の最高温度が、製品の損傷温度に達するか超える場合にのみ制御される。
【0029】
蒸発混練器内における揮発成分の蒸発は、取出し温度に応じて混練軸の回転数により制御されることが好ましい。混練軸が一定の回転数の場合、蒸発速度に適合する量の混合物を蒸発混練器内に投入するので、製品温度に応じて制御される。混練軸の回転数を増加させることにより処理量を増加させると、それによる生成エネルギーの増加による蒸発速度の増加によって温度上昇が認められる。そのため、温度と投入量との関係に応じて処理量が増加する。逆に回転数を減少させると処置量が減少する。
【0030】
蒸発混練器内において濃縮された混合物は、取出し機構を介して連続的に取出されることが好ましい。1軸又は多軸の螺旋状取出し機構でもよいが、別の機構も含まれる。
【0031】
蒸発混練器から取出された混合物は、加圧機構、好ましくはギアポンプにより、1バール以上に加圧される。更に、混合混練器内の物質収支はギアポンプの回転数により一定に保たれる。すなわち、混練器からの取出しと流量を一定に保つことは別であり、ギアポンプが流量を一定に保つ。また、混合混練器内に取出し機構を直接に組込むことが好ましく、それによりギアポンプにほぼ均一で十分な予備圧力が得られる程度に圧力が生成され、且つ必須ではないが、この関係が制御される。
【0032】
加圧された混合物に、好ましくは液体又は気体の添加物が投入され、混合管内又は、静的又は動的な混合器内において可能な限り均質にされる。
【0033】
液体の添加物は、任意の温度、好ましくは10〜160℃の温度を有し、水、アルコール又は液化炭酸ガス又は液化ブタンが好ましい。
【0034】
気体の添加物は、任意の温度、好ましくは10〜160℃の温度を有し、炭酸ガス、窒素ガス又は空気が好ましい。
【0035】
加圧された、場合によっては添加物と均質に混合された混合物は、ノズル板を通して下流の脱気用の脱気混練器に放出され、揮発成分が急激に蒸発され且つ粒子状の添加物にポップコーン効果と類似した表面積の増加が起こる。ノズル板におけるノズルの形状、ノズルの配置、孔の数及び孔の間隔は、拡散距離を短く、遊離した気体の排出を可能とし且つ拡散時間を長くすることを最適化するように調整される。
【0036】
脱気混練器内の混合物は、機械的な生成エネルギーが混合物に吸収されるように、混合物表面の更新が活性化されるように押出し流れとすることが好ましい。
【0037】
脱気中は、混練器の1箇所又は複数の箇所から混合物に、蒸発し易いか又は気体の添加物を添加することにより、混合物が損傷温度以下に保たれる。添加物は、例えば、水、アルコール又は気体である。
【0038】
脱気混練器に蒸発し易い添加物を添加すること並びに蒸発による冷却により、混合物の温度上昇が抑制される。混合物の表面が更新される機械的な生成エネルギーによる混合物の温度上昇の抑制は、温度測定器具により制御され、それに対応して蒸発による冷却用の添加物の投入量も制御される。
【0039】
脱気混練器内の滞留量は、取出し量により制御され、機械的生成エネルギーと添加物の蒸発による冷却はほぼ相殺されて混合物の過熱が防止される。
【0040】
蒸発し易い添加物又は気体の添加により、混合物から分離すべき揮発成分の気体の分圧は明らかに低くなり、これにより拡散を促進するストリッッピング効果が生ずる。
【0041】
全体として、脱気混練器内の混合物内の揮発成分の残留濃度は、0〜10,000ppm、好ましくは10〜1,000ppm、更には10〜300ppmにまで下げることが好ましい。
【0042】
好ましくは混練器の全長に渉って少量の添加物を加えると、混合物の揮発成分がほぼ完全に分離される。この場合、生成される混練エネルギー、混練器の軸及びハウジングとの接触による加熱又は冷却、並びに添加物及び他の揮発成分の蒸発による冷却の熱収支により、糊状の混合物から不要な揮発成分を効率よく除去されるように、添加物の量が調整される。
【0043】
混合物中に添加物を混合させると、揮発成分を取込む小気泡の萌芽の生成が促進され、揮発成分は混合物の表面と接する回転軸を通って運ばれるので、不要な揮発成分の脱気効率が促進される。この場合、溶融物中の小気泡の生成を促進し脱気効率が増すように、混練器内の圧力を周期的に変化させてもよい。
【0044】
少量の添加物では、混合物は化学的には変化せず、実用上の障害並びに混合物の性状の変化は生じない。
【0045】
添加物は、混合物も全長に渉って又は部分的に同時に分配するか、又は混練器の全長に渉って投入してもよい。
【0046】
添加物を加えることにより、表面、粘度など製品の性状が好ましいものとなる。
【0047】
揮発成分及び添加物の揮発分の蒸発による冷却が、混合物の過熱による損傷を防ぐように、圧力が選定される。その圧力は、絶対圧力1〜10,000ミリバール、好ましくは絶対圧力10〜2,000ミリバールである。混練器の加熱温度及び混合物の最高温度は、どの工程においても損傷温度に達するか又は超えない温度で、−100〜300℃、好ましくは60〜160℃である。混合物の蒸発混練器及び脱気混練器内の滞留時間はできるだけ短くすべきであり、混練器毎に5分〜最大2時間が好ましい。蒸発混練器及び脱気混練器の自由体積は、2〜25,000リットルである。
【0048】
脱気混練器において濃縮された混合物は、取出し口を介して連続的に取出される。脱気混練器より取出された揮発成分を含まない塊状物となった混合物は、ギアポンプにより、1バール以上に加圧される。
【0049】
次いで、塊状物は、上流に切断装置、好ましくは粒状化装置を連結したノズル板を通して、後続の加工に適した形状にされる。必須ではないが、塊状物を圧縮機にかけることが好ましい。
【0050】
工程に関しては、泡の形成を防ぎ、泡が形成された場合には、適切な手段を用いて破壊又は除去して泡を減少させるように、混練器の配置及び工程のパラメータを選ぶ。
【0051】
全ての段階において、混合物又は塊状物の内部における最適な物質移動及び気相における揮発成分の移動ができる十分な境界面を生成する必要がある。
【0052】
蒸発のためのエネルギーは、高トルク、高回転数及び高効率の特殊な駆動の構成により得られる。すなわち、周波数制御された電気モータが、極めて大きな油圧モータ、すなわち大量のオイルを供給するポンプとして使用され、この大量のオイルが流量調整をせずに直接に混練器に送られる。
【0053】
混練器の充填度は、混練器のトルクに依存し、取出し量、すなわち取出し装置の回転数、又は投入量、すなわち投入される混合物の増減により調整される。好ましくは脱気混練器において、回転数が高いと、物質移動を促進する、表面の更新が高まり、機械的に生成されるエネルギーが増し、そのため塊状物の温度が上昇するので、エラストマーが過熱したり損傷したりしないように、蒸発による冷却により抑えるように、添加物の添加量を増加させる。そのため、添加物の分圧は上昇し、除去すべき成分の分圧は降下する。一方、物質移動する駆動力が増加し、不要な成分の脱気効率は減少する。
【0054】
更に、製品及び気体を通過させている蒸発器及び/又は脱気装置中の高分子溶液の連続的処理方法に対する保護が必要であり、そのため、製品温度を調整するため少なくとも1つの添加物が投入されて、高分子を損傷する温度以下に保たれる。複数に位置において添加物を投入することが好ましく、すなわち、複数の位置において添加物に曝されることが好ましい。添加物として、水を使用することが好ましい。
【0055】
蒸発器及び/又は脱気装置中の脱気のため、効率的に表面が更新されるように、取出し装置により充填度を調整することが好ましい。この場合、蒸発器及び/又は脱気装置のトルクにより、充填度が調整される。更に、回転数を選ぶことにより表面が更新されて溶剤内の残留物を調整してもよい。また、混練器の取出し口に、1軸又は多軸の螺旋状の取出し機構及びそれに連結してギアポンプを配置してもよい。混練器の充填度又はトルクは、ギアポンプの回転数を変化させることにより調整される。その際、ギアポンプの入口において所定の圧力が生成されてギアポンプがほぼ完全に製品で満たされるように、螺旋状の取出し機構の回転数が調整される。
【0056】
更に、混練器の充填度又はトルクは、ギアポンプの回転数を変化させて調整することが好ましいが、螺旋状の取出し機構の回転数を変化させても可能である。
【0057】
ギアポンプの入口において所定の圧力が生成されてギアポンプがほぼ完全に製品で満たされるように、ギアポンプの回転数が調整されることが好ましい。同時に、充填度又はトルクを均一に保つように、混練器の回転数が調整される。
【0058】
混練器からの製品が滞留せずに直ちに取出されるように、螺旋状の取出し機構は一定の回転数で駆動されることが好ましい。
【0059】
このような条件の下に、添加物が投入され、その蒸発により冷却効果が生じて製品の温度を調整し、蒸発した添加物はキャリヤガス及び分圧を低下させるのに用いられる。キャリヤガスは、製品の流れとは逆の方向に導かれる。
【0060】
蒸気ドームの断面に依存する蒸気(キャリヤガス又は蒸発した溶剤)の速度は、製品が蒸気通路に入り込まないように決められる。
【0061】
連続式蒸発乾燥器では、濃縮すべき溶液は1箇所に投入され、自然落下又は適切な手段により加熱された表面上に送られ、所定の圧力において沸騰して溶剤が除かれる。蒸発速度は、沸点と加熱面の温度との差(温度勾配)及び熱交換率に依存するので、連続工程には、流通管反応器が適している。固体含有量の増加に伴って沸点が上昇して温度勾配が低下する。
【0062】
従来の乾燥では、固体含有量の増加に伴って粘度が増加して対流が阻害されることにより、熱交換係数が低下していた。溶剤が蒸発することにより、固体溶液又は懸濁液、特に高分子溶液又は懸濁液、特にエラストマー溶液又は懸濁液から溶剤が取去られるので、沸騰状態が逆になることもある。固体含有量が増加して臨界量を超えると、製品が強く泡立って泡が熱交換面を濡らして熱交換を阻害するので、熱交換係数は低下する。極めて希釈された溶液では、高分子溶液表面への気泡の対流は阻害されない。固体含有物は気泡の動きを阻害する。泡としての気泡は、安定しているので、泡を機械的に破壊する必要がある。
【0063】
濃縮された固体溶液量(滞留量)が十分あり、固体含有量が30〜80%では上記の現象が自動的に起こる。この場合、固体溶液の粘度が高いので、固体溶液は、蒸発による気泡を、高分子溶液表面まで牽引する。この機械的作用は、表面への牽引流れが十分な場合にのみ機能する。回転式蒸発器では、十分な牽引流れの基準は、表面更新速度と同等である。
【0064】
接触熱に加えて、固体含有量が多い場合には、粘度が増大することにより蒸発器の単位容積あたりのトルク、すなわち軸の回転により生成される機械的エネルギーが増加するので、蒸発速度を更に上げることができる。工程的には、濃縮された物体に溶剤を連続的に投入して希釈することは、逆混合に相当する。ある特許では、大容量の溶液又は懸濁液を蒸発させるのに自浄性の逆混合混練器を提案している。ここで用いられる混練器は、混練棒が装着された円板又はアンカーが回転軸に取付けられている。円板又はアンカーは、2軸の場合にはハウジングと第2の軸を清掃し、1軸の場合にハウジングとその軸を清掃する固定部材を清掃する。円板又はアンカーは、混練器内を複数の混合域に分割する。
【0065】
大容量で自浄性の混練器により、表面交換速度及び滞留量を増大させることが可能なる。混練器は、高粘度で且つ高トルクにも耐えられように設計されている。大容量で自浄性の混練器では、製品を同一方向並びに逆方向搬送できるように搬送部材を開放された構造とすることにより、所定の割合の逆混合が可能となり、粘度の高い製品でも軸全長に渉って製品が均一に分配される。混練器内の充填度は、ギアポンプ又は取出し機構により調製される。上記特許によれば、装置の長さ及び混練部材の配置を調整することにより、所要の逆混合が得られる。この特許には、反応の進行に伴って粘度が増大する製品の反応(重合)に類似の大容量で自浄性の混練器を用いることが記載されている。発熱反応のため反応生成物により冷たい原料が反応温度にまで加熱されるので、逆混合が提案されている。液状の原料の蒸発された部分は凝縮されて混練器に再度投入される。混練器内の圧力に応じて蒸発温度が調整されて製品の過熱が防止される。反応の進行に伴って反応速度が増す場合にも、逆混合は有益である。より揮発性の高い蒸発生成物があると、溶液の組成が変化し、逆混合はこの変化に対抗するように作用する。
【0066】
蒸発冷却では、上記と同様に滞留量及び表面交換速度が増大して類似の効果が得られる。提案された逆混合には問題点もある。混練器における滞留時間の分布が広いので、製品の一部は、混練器内に長時間滞留することになる。従って、蒸発器内での長時間の滞留中に製品が熱的にも化学的にも損傷されないようにする必要がある。製品を切換える際には、混練器を完全に空にして比較的に時間を掛けて充填するか、又は現存の装入物に新たな製品を投入して2つ前のバッチの製品からの比較的大量の混合物が生成されるようにする。重合反応では、滞留時間の分布が広いと、分子量分布が広くなる。
【0067】
混練器内の処理空間は、互いに連なった一連の混練帯としても記載できる。混練部材により生ずる機械的負荷を分散させて良好な混練結果が得られるように、混練器には必要最小数の混練帯が必要となる。しかし、実用的には、処理空間を混練帯に分割すると、軸方向の混合が阻害される。混練器の滞留時間の分布が狭い場合には、処理空間のこの性状が望ましい。逆混合が最大限に望まれる場合には、この性状は好ましくない。
【0068】
混合部材の形状を適合させることにより、長手方向の混合を改善することが検討された。しかし、低粘度の混合し易い製品が粘い物質に混合される、との限定的な結果しか得られなかった。一般的には混合が改善されると、溶剤の混合並びに長手方向の混合が改善されるが、粘い物質の長手方向の混合は溶剤の混合に比し満足すべきものではない。混練器の滞留時間の分布は、ほぼ100%駆動した混合槽のカスケードであると記載されている。
【0069】
理論的考察並びに実験により、最小3から7個の混合槽を有する混練器の滞留時間の分布が相当することが示された。計算上は、混合槽の数は直列に多数必要となるが、実際には1ないし2個となった。混合槽の数は、操作方法に応じて変動する。この変動は、混練器の操作に好ましくない変動を及ぼす。
【0070】
本発明では、投入された溶剤又は逆凝縮された溶液が、混練器の一箇所に止まらず、広く分配されるようにすることにより上記混練法の問題点を改善している。
【0071】
本発明では、各々の混練帯が投入箇所を有し且つ十分な逆混合が可能なように、投入箇所の間隔を設定している。蒸発が主体の場合には、十分な逆混合が行なわれるように、3つの混練帯当り1〜3の投入箇所が必要であった。各々の投入箇所における投入量は、固定した量とするか、固形物含有量又は反応の進行をパラメータとして調整される。
【0072】
それぞれの投入箇所の投入量は、他の箇所とは無関係に決められる。各投入箇所の投入量は、必須ではないが、投入箇所近辺の製品温度に応じて設定又は調整される。更に、投入管内において蒸発が起こらないように投入管内の圧力が設定される。
【0073】
本発明による操作方法には、滞留時間の分布が安定し且つ製品の交換が良好であるとの利点がある。蒸発した溶剤が冷却効果を有して製品が過熱されないので、高い混練エネルギーを要する製品では、処理空間の後方の位置で固形物の投入することが特に好ましい。
【0074】
本発明では、複数の箇所から投入すると、複数の点で逆混合操作が行なわれるとの利点がある。そのため、30〜60%の固形物を含む比較的低粘度ではあるが泡が生成しそれを機械的に破壊できる粘度である場合には、蒸発器の前部では効率的な接触熱による操作が可能となる。一方、蒸発器の後部では固形物の含有量は80〜98%に設定される。このようにして、機械的エネルギー並びに接触熱が利用できるので、蒸発効率が高くなる。
【0075】
粘度が低くなるように長さを設定することによっても、混練器の充填度が上がり、これにより混練器からの取出しが極めて容易になる。
【0076】
本発明では、温度測定を監視することにより固形物の含有量が制御される。軸の回転トルクにより、全体の充填度が把握される。混練反応器では、混練器の全長に渉る試料の採取により、反応の進行が把握される。この試料により、複数の原料の場合の組成が示されるので、蒸発成分を正しい組成へ変更できる。
【0077】
本発明では、組成物を投入箇所に通じている配管に供給してもよい。蒸気は、気体とは逆方向へ送る螺旋状配管又は蒸気ドームを通って、蒸発混練器又は混練反応器から排出される。泡が生成しても、螺旋状配管内で押しつぶされるか、蒸発ドームの壁に沿った気流により処理空間へ吹き戻されそこで押しつぶされる。
【0078】
別の実施例では、取出し口における製品の温度は、混練器の回転数により制御される。同様に、処理空間内の製品温度は、所定の回転数における製品の投入量及び/又は所定の製品温度における製品の投入量による混練器の回転数により制御される。
【0079】
以下、本発明の利点、特徴及び詳細について、図面を用いて説明する。
【実施例】
【0080】
高分子溶液1は、蒸発器2に供給される。この蒸発器2は、例えば、管状循環式蒸発器でもよい。蒸発器2において、予備凝縮が行なわれる。主として溶液重合からの水を含んだ5〜50%の高分子を含む高分子溶液は、熱処理により20〜80%に濃縮される。蒸発した揮発成分(蒸気)は、蒸発器から取出されて凝縮器3へと送られる。
【0081】
濃縮された高分子溶液は蒸発器2から蒸発混練器4へと送られる。この混練器は、水平に配置され1つ又は複数の混練軸を有する水平式混練器であり、混練軸には混練部材が備えられている。混練軸には、駆動装置5が連結されている。
【0082】
濃縮された高分子溶液は、一つ又は複数の位置において逐次又は同時に投入してもよい。この場合、高分子溶液の投入量は、予め設定された製品温度により制御される。
【0083】
蒸発混練器4には、揮発性成分を排出する蒸気ドーム6が載置され、この揮発成分は凝縮器7において凝縮され取出される。
【0084】
蒸発混練器4において濃縮された高分子溶液は、取出し機構8を介して連続的に取出される。この場合、蒸発混練器4から取出された高分子溶液は、ギアポンプ9などの加圧機構により、0バール以上、好ましくは1〜10バールに加圧される。加圧された高分子溶液に、必要ならば、液体又は気体の添加剤を加え、混合管10において、静的又は動的ミキサーにより、添加物が高分子溶液とできるだけ均一になるように混合される。本実施例では、混合物はノズル板11を通って、下流に連結された脱気混練器12内へと解放され、揮発成分及び添加剤の急激な蒸発により、粒子の表面積の増加が起こる。これは、いわゆるポップコーン効果と類似している。
【0085】
脱気混練器内では、高分子溶液は押出し流れとなり、これにより常に高分子の表面が更新され、発生したエネルギーが高分子溶液に吸収される。
【0086】
脱気混練器内の高分子溶液は、蒸発し易く高分子溶液には溶解しない添加剤を一箇所又は数箇所から添加することによって、高分子溶液を損傷する温度以下に保持されて脱気される。この添加は矢印13で示される。全体は、温度測定器具により制御されると同時に、蒸発による冷却機能を有する添加剤の量も制御される。
【0087】
脱気混練器12には、蒸気ドーム14が載置され、このドームを介して揮発性成分が排出される。
【0088】
脱気混練器12にも、別の取出し機構15が連結され、脱気された生成物としての高分子塊は別のギアポンプ16などの加圧機構により、0バール以上、好ましくは10バール以上に加圧される。
【0089】
この高分子塊は、切断装置17へと送られ、好ましくは粒状又は所望の形状にされて取出される。
【符号の説明】
【0090】
1 高分子溶液
2 蒸発器
3 凝縮器
4 蒸発混練器
5 駆動装置
6 蒸気ドーム
7 凝縮器
8 取出し機構
9 ギアポンプ
10 混合管
11 ノズル板
12 脱気混練器
13 (添加剤の添加を示す)矢印
14 蒸気ドーム
15 取出し機構
16 ギアポンプ
17 切断装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶液、懸濁液及び乳濁液のいずれか1つの混合物を連続的に処理して熱的に分離する方法であって、
前記連続処理は、蒸発主体の処理と脱気処理に区分され、前記蒸発主体の処理と脱気処理はそれぞれ別の混練器(4、12)において行われることを特徴とする方法。
【請求項2】
蒸発主体の処理前の混合物が、予備濃縮されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
予備濃縮前の混合物の濃度は5〜80%、好ましくは5〜50%であり、管状循環式蒸発器(2)における熱的処理により、5〜90%、好ましくは20〜80%で依然としてポンプ輸送可能な濃度にまで濃縮されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
予備濃縮により濃縮された混合物は、次工程の蒸発混練器(4)に投入され、残留揮発成分が20%以下、好ましくは2〜12%に達するまで蒸発処理されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の方法。
【請求項5】
予備濃縮された混合物は、蒸発混練器(4)へ1箇所から投入されるか又は複数の箇所から同時に投入されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
蒸発混練器(4)内において濃縮された混合物は、取出し機構(8)を介して連続的に取出されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
蒸発混練器(4)から取出された混合物は、加圧機構により、好ましくはギアポンプ(9)により0.1バール以上、好ましくは1バール以上に加圧されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
加圧された混合物に液体又は気体の添加物が投入されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
混合物に投入された添加物は、混合管(10)、静的混合器又は動的混合器により均一に混合されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
加圧下において添加物と均一に混合された混合物は、ノズル板(11)を通して次工程の脱気処理を行う脱気混練器(12)へ解放されることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の方法。
【請求項11】
蒸発した揮発成分の蒸気は、混練器(4、12)から取出されて蒸気ドーム(6、14)に送られ、凝縮可能な成分はスプレー式の凝縮器に送られてほぼ完全に凝縮されて系外に取出され、凝縮不能な成分は別の工程に送られて処理されることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
脱気混練器(12)において濃縮された混合物は、揮発成分を含まない塊状物として取出し機構(15)を介して連続的に取出されて加圧機構、好ましくはギアポンプ(16)により0.1バール以上、好ましくは1バール以上に加圧されることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記塊状物は、ノズル板を通った後に切断装置(17)、好ましくは粒状化装置により所望の形状にされることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
蒸発混練器(4)及び脱気混練器(12)は、それぞれが異なった絶対圧力1〜10,000ミリバール、より好ましくは絶対圧力10〜2,000ミリバール、−100〜300℃、好ましくは60〜250℃、充填度が20〜80%において連続的に操作されることを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
混練器(4、12)は、回転数5〜150rpm、並びに単位体積あたりのトルク1〜200Nm/l、好ましく1〜100Nm/lのそれぞれが異なった回転数及びトルクで操作可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
混合物の揮発成分は、混練器の全長に渉って少量の添加物を添加することにより完全に分離されることを特徴とする請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
揮発成分の蒸発冷却によって過熱による高分子の損傷を防ぐように、加圧力を絶対圧力10〜2,000ミリバールに選定することを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
蒸発混練器(4)の加熱温度及び混合物の最高温度は、製品の損傷温度に達するか又は超えないように制御されることを特徴とする請求項1ないし請求項17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記添加物は、混合物の全長に均一に又は部分的に投入されるか、又は混練器の全長に渉って投入されることを特徴とする請求項16ないし請求項18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
連続した処理空間を有する蒸発混練器及び/又は脱気混練器内において高分子溶液を連続的に処理する方法であって、
常に高分子の損傷する温度以下に保たれるように、少なくとも1つの添加物が添加されて製品温度が調整されることを特徴とする方法。
【請求項21】
前記添加物は、蒸発混練器及び/又は脱気混練器の複数の箇所において添加されるか、又は前記処理空間の複数の箇所において製品に前記添加物を衝突させることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
連続した処理空間を有する蒸発混練器及び/又は脱気混練器内において高分子溶液を連続的に処理する方法であって、
効率的な表面更新により蒸発混練器及び/又は脱気混練器内の脱気が行なわれるように、取出し機構により充填度が調整されることを特徴とする方法。
【請求項23】
前記充填度を調整するのに、蒸発混練器及び/又は脱気混練器のトルクが用いられるか、又は回転数により表面更新に伴う残留溶剤含有量が調整されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
連続した処理空間を有する蒸発混練器及び/又は脱気混練器内において高分子溶液を連続的に処理する方法であって、
混練器の取出し口に、1軸又は多軸の螺旋状の取出し機構が備えられ、該取り出し機構にギアポンプが連結されていることを特徴とする方法。
【請求項25】
前記ギアポンプの回転数を変化させることにより、混練器の充填度又はトルクが調整されることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ギアポンプの流入口に所定の圧力が生じて該ギアポンプに製品がほぼ満杯に充填されるように、前記螺旋状の取出し機構の回転数が調製されることを特徴とする請求項24又は請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記螺旋状の取出し機構の回転数を変化させることにより、混練器の充填度又はトルクが調整されることを特徴とする請求項24又は請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記ギアポンプの流入口に所定の圧力が生じて該ギアポンプに製品がほぼ満杯に充填されるように、前記ギアポンプの回転数が調製されることを特徴とする請求項24ないし請求項27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
混練器の充填度又はトルクが均一に保たれるように混練器の回転数が調製されることを特徴とする請求項24ないし請求項28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記螺旋状の取出し機構は所定の回転数で駆動されて、混練器から排出された製品が滞留することなく直ちに取出されることを特徴とする請求項24ないし請求項29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記添加剤が製品の流れとは逆の方向に投入され、該添加剤の蒸発により冷却効果が生じて製品温度が調製され且つキャリヤガスとして並びに分圧降下のために用いられることを特徴とする請求項20ないし請求項30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
連続した処理空間を有する蒸発混練器及び/又は脱気混練器内において高分子溶液を連続的に処理する方法であって、
原料の補給及び凝縮物の混練器内の処理空間への還流は、処理空間の全長に渉って分配されることを特徴とする方法。
【請求項33】
製品の組成は、混練器内の温度測定の結果により調整されることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
処理空間において生成した泡は、定常的又は間欠的なガス流により処理空間に吹き戻されて機械的に破壊されることを特徴とする請求項32又は請求項33に記載の方法。
【請求項35】
投入位置の間の処理空間において逆混合が可能なように、互いに近接して投入位置が配置されることを特徴とする請求項32ないし請求項34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
原料又は還流された凝縮物の投入量及び分配は、混練器の蒸発効率又は反応変換率が最大となるように調製されることを特徴とする請求項32ないし請求項35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
所定の充填度における混練器のトルクが調製されるように、それぞれの投入位置の製品の粘度が調整されることを特徴とする請求項32ないし請求項36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
所定のトルクにおける混練器の充填度が調製されるように、それぞれの投入位置の製品の粘度が調整されることを特徴とする請求項32ないし請求項37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
それぞれの投入位置において、異なった製品又は異なった組成の製品が処理空間内に投入されることを特徴とする請求項32ないし請求項38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
それぞれの投入位置の投入量は互いに依存しないことを特徴とする請求項30ないし請求項39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
それぞれの投入位置の投入量は、投入位置近辺の製品温度により調製又は制御されることを特徴とする請求項30ないし請求項40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
投入配管内において蒸発しないように、該投入配管内の圧力が調製されることを特徴とする請求項30ないし請求項41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
連続した処理空間を有する混練器内において高粘度で糊状の製品を連続的に処理する方法であって、
所定の製品供給量では、取出し口における製品温度は混練器の回転数により調整されることを特徴とする方法。
【請求項44】
連続した処理空間を有する混練器内において高粘度で糊状の製品を連続的に処理する方法であって、
所定の回転数では、処理空間内の製品温度は製品の供給量により制御されることを特徴とする方法。
【請求項45】
連続した処理空間を有する混練器内において高粘度で糊状の製品を連続的に処理する方法であって、
所定の製品温度では、混練器の回転数は製品の供給量により制御されることを特徴とする方法。
【請求項46】
連続した処理空間を有する混練器内において高粘度で糊状の製品を連続的に処理する方法であって、
処理空間内の製品温度は、混練器内の絶対圧力により制御されることを特徴とする方法。
【請求項47】
連続した処理空間を有する混練器内において高粘度で糊状の製品を連続的に処理する方法であって、
製品温度を所定の範囲に保つように、生成された機械的エネルギーは、混練器からの製品搬出量により制御されることを特徴とする方法。
【請求項48】
蒸気の通過路は、少なくとも部分的に非粘着性素材が被覆されていることを特徴とする請求項11ないし請求項47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
蒸気の通過路は、少なくとも部分的に冷却されることを特徴とする請求項11ないし請求項48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
蒸気の通過路は、ノズルにより脈動又は静的な洗浄により清浄に保持されることを特徴とする請求項11ないし請求項49のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2012−516770(P2012−516770A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548615(P2011−548615)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【国際出願番号】PCT/EP2010/000735
【国際公開番号】WO2010/089137
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(508291766)リスト ホールディング アーゲー (7)
【Fターム(参考)】