説明

減圧弁

【課題】減圧弁の弁体が接続部を開閉する場合に発生する2次側圧力のオーバーシュートやチャタリングの発生を抑制し、安定した減圧圧力と気体流量の供給が可能な減圧弁を提供すること。
【解決手段】1次側流体の流入口21と、2次側流体の流出口31と、流入口21との接続部28に弁座29が設けられた弁室2と、前記弁座29を押圧するシール部材48を有し前記弁室2内に移動自在に配置され、前記2次側流体の圧力により前記シール部材48を前記弁座29に押圧する弁体40と、前記シール部材48を前記弁座29から離間する方向に付勢する付勢部材とを備え、前記2次側流体の圧力が所定圧になることで前記接続部を閉塞されるとともに、前記2次側流体の圧力が所定圧未満となることで前記接続部28が開放される減圧弁1であって、前記シール部材48が弁座29を開閉する際の移動速度を小さくする緩衝手段を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧ガス等の流体の減圧に用いられる減圧弁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、減圧弁は、減圧弁の流出口側の2次側流体の圧力によって弁体を押圧し、弁体に設けられたシール部材が流入口と弁室の接続部に設けられた弁座を閉塞することによって流入口側の1次側流体が流出口側に流通するのを停止するとともに、弁体が付勢部材によって付勢されることによって、シール部材が弁座から離間して接続部が開放されるようになっている。したがって、2次側流体の圧力が所定の値以上になった場合には接続部が閉塞されて、流入口側から流出口側への流体の流通が停止され、2次側流体の圧力が所定の値未満となった場合には、付勢部材の付勢力によってシール部材が弁座から離間して接続部が開放されるとともに流入口側から流出口側に流体が流通し、2次側流体の圧力が所定の値以上になった場合には、シール部材が弁座を押圧、接続部が閉塞されて流体の流通が停止されるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−258513号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このように構成された減圧弁において、2次側流体の圧力が低下すると、弁体が付勢力によって流出口側に移動してシール部材が弁座から離間する際に、弁体の慣性力によって弁体が流出口側に大きく移動して弁座の開度が過度に大きくなり、その結果、一次側流体が必要以上に流出口側に流出して2次側流体の圧力が設定圧以上に昇圧される、いわゆるオーバーシュートが発生する場合がある。
また、オーバーシュートが発生して、1次側流体が必要以上に流出口側に移動すると、過度に高くなった2次側流体の圧力によって、弁体が流入口側に強く押圧され、この動作が繰り返されることによって、2次側流体の圧力が大きく振動する、いわゆるチャタリングが発生する場合がある。
【0004】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、減圧弁の弁体が接続部を開閉する場合に発生する2次側圧力のオーバーシュートやチャタリングの発生を抑制し、安定した減圧圧力と気体流量の供給が可能な減圧弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1記載の発明は、1次側流体の流入口と、2次側流体の流出口と、前記流入口と流出口とを連通するとともに流入口との接続部に弁座が設けられた弁室と、前記弁座を押圧するシール部材を有するとともに、前記弁室内に移動自在に配置され、前記2次側流体の圧力により前記シール部材を前記弁座に押圧する弁体と、前記シール部材を前記弁座から離間する方向に付勢する付勢部材とを備え、前記2次側流体の圧力が所定圧になることで前記シール部材が前記弁座に押圧して前記接続部を閉塞されるとともに、前記2次側流体の圧力が所定圧未満となることで前記シール部材が前記弁座から離間して、前記接続部が開放される減圧弁であって、前記シール部材が弁座を開閉する際の移動速度を小さくする緩衝手段を備えることを特徴とする。
【0006】
この発明に係る減圧弁によれば、流入口との接続部に弁座が設けられた弁室に、シール部材を有する弁体が移動自在に配置されており、2次側流体の圧力が所定圧以上になることによりシール部材が弁座を押圧して接続部を閉塞して1次側の流入口から2次側の流出口への流体の流通が停止される。また、弁体は、付勢部材によってシール部材を弁座から離間する方向に付勢されており、2次側流体の圧力が所定圧未満になった場合に、付勢部材の付勢力によって弁体のシール部材が弁座から離間することで接続部が開放されて、流入口から流出口に流体が流通する。
かかる接続部を開閉する際の弁体の移動に対して、弁体の移動速度を小さくする緩衝手段を備えていて、弁体の慣性によって弁体が過度に移動してシール部材が弁座から過度に離間するのが抑制され、その結果、接続部の開度が過大になって2次側流体の圧力のオーバーシュートとチャタリングが抑制される。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の減圧弁であって、前記緩衝手段は、前記弁室の2次側に形成される第1の圧力室と流出口の間にオリフィスを設けることを特徴とする。
【0008】
この発明に係る減圧弁によれば、弁体に対して2次側流体の圧力を付与し、シール部材を弁座に押圧する第1の圧力室と流出口の間に形成されたオリフィスが緩衝手段として設けられているので、1次側流体の圧力と2次側流体の圧力の差が大きくなるに従いシール部材を備えた弁体が弁座から離間する移動速度が抑制され、接続部の開度が過度に大きくなるのが抑制される。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の減圧弁であって、前記オリフィスは、前記弁体から延在するロッド部と流出口の間に形成される間隙によって形成され、前記弁体には、前記接続部が開放された場合に、前記流入口から前記流出口に流体が流通可能な流通路が形成されていることを特徴とする。
【0010】
この発明に係る減圧弁によれば、前記弁体から延在するロッド部と流出口の間に形成される間隙によって形成されるオリフィスによって、第1の圧力室と流出口の間の流体の流通が制限されるようになっているので弁体の移動速度が抑制され、また、弁体には流入口から流出口に流体が流通可能な流通路が形成されているので、接続部が開放された場合に弁体の移動速度を抑制しつつ、流入口から流出口への流体の流通量を大きく確保することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る減圧弁によれば、弁座にシール部材を押圧して接続面を閉塞することで流体の流通を制御する弁体の移動速度が緩衝手段によって抑制されるので、弁体が接続面を開閉する際に接続面の開度が大きくなり過ぎるのが抑制され、その結果、2次側圧力のオーバーシュートやチャタリングの発生が抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、本発明の一実施の形態に係る減圧弁を示す図であり、符号1は減圧弁であり、流入口から弁室への接続部が開放された状態を示している。
減圧弁1は、減圧弁本体10と、弁体40と、コイルスプリング(付勢部材)50とを備えており、減圧弁本体10は、流入側部材20と、流出側部材30とが組み合わされることによって構成されている。
【0013】
流入側部材20は、円筒形状とされ、一方側の端部に流入口21を有し、流入口21の反対側には凹部22が形成されるとともに、凹部22の中央にはボス23が形成されるとともにボス23の中央部には凹部25が形成され、流入口21から凹部25に向かって流入路24が形成され、流体が流通可能とされている。
【0014】
流出側部材30は、流出口31と、円筒形状の第1の凹部33と、第1の凹部33の基端側に設けられた第2の凹部34と、流出口31と第2の凹部34側に設けられた流出口絞部32とを備えている。
減圧弁本体10は、流入側部材20の凹部22の内周面に形成された雌ネジ27と、流出側部材30の外周面36に形成された雄ネジ36とが係合されることによって、減圧弁本体10と、流入側部材20と、流出側部材30とが同軸に一体化されていて、流入側部材20の内面と、流出側部材30の内面とによって、弁室2が画成され、流通路24が弁室2と接続される接続部28には弁座29が設けられている。
【0015】
弁体40は、多段円柱形状とされ、大径部41と、小径部42とを備え、大径部41は、第2の凹部34内に収容される大径外周部41aと、受圧面41bと、スプリング受部41cとを有し、大径外周部41aには大径環状溝46が形成されるとともに大径環状溝46にはOリング46aが配置され、小径部42の外周面には小径環状溝47が形成されるとともに小径環状溝47にはOリング47aが配置されている。
【0016】
弁体40は、大径外周部41aは、第2の凹部34内に配置されるとともに、大径環状溝46に配置されたOリング46aが内周面34aに摺動可能に配置されることで、第1の圧力室3内の2次側流体が減圧弁1の外部に漏洩するのを防止して、第1の圧力室3内部の圧力を維持するようになっている。
【0017】
また、小径部42は、凹部25内に配置されるとともに、小径環状溝47に配置されたOリング47aが凹部25の内周面25aに摺動可能に配置されることで、第2の圧力室4内の2次側流体が減圧弁1の外部に漏洩するのを防止して、2次側流体の圧力を維持するようになっている。また、小径部42の先端には、弁座29を押圧することで接続部28を閉塞するシール部材48が設けられている。
この場合、2次側流体の圧力によって、弁体40に発生する押圧力は、概ね、
2次側流体の圧力×(第1の圧力室側の軸線O方向の投影面積−第2の圧力室側の軸線O方向の投影面積)で表される。
【0018】
また、弁体40には、大径部41から流出口31側に向かって延在するロッド部49が形成され、流出口31の流出口絞部32との間に、例えば約1mmの間隙Gを設けて流出口絞部32内に配置されている。
また、弁体40の中央部には、小径部42の先端近傍から、大径部41、ロッド部49にわたって軸線O方向に流通路43が形成され、小径部42の先端近傍の補助流路43aを通じることで接続部28を介して流入口21側に通じており、流体が流入口21側から流出口31側に流通可能とされている(図1、流通ロ43内の矢印)。
【0019】
また、弁室2は、弁体40によって、第1の凹部33とボス23とによって画成され、コイルスプリング50が収納される空間と、第1の圧力室3と、第2の圧力室4とに区画されており、コイルスプリング50が収納される空間は、孔37によって減圧弁1の外部と連通されて大気圧に保持され、第1の圧力室3と第2の圧力室4とは、接続部28が閉塞された状態では2次側流体の圧力を保持するようになっている。
【0020】
コイルスプリング50は、第1の凹部33により構成されるコイルスプリング50が収納される空間内にて、一方の端部が凹部22の底面に配置され、他方の端部が弁体40のスプリング受部41cに配置されており、シール部材48が弁座29から離間する方向に弁体40を付勢するとともに、受圧面41bが2次側流体から受ける圧力によって弁体40に生じる押圧力により圧縮されるようになっている。
弁体40のロッド部49は、流出口31の流出口絞部32に間隙Gを以て挿入され、流出口絞部32の内周面との間に、オリフィス6を形成するようになっている。
【0021】
次に、上記構成の減圧弁1の作用について説明する。
まず、流出口31側の2次側流体と同圧とされる第1の圧力室3内の2次側流体によって、弁体40の受圧面41bが加圧されて、コイルスプリング50の付勢力に抗して弁体40を流入口21側に押圧する。
2次側流体の圧力が所定値以上の場合には、シール部材48が弁座29に押圧されて接続部28が閉塞されることによって、流入口21から流出口31への流体の流れが停止される。
【0022】
2次側流体が消費される等により2次側流体の圧力が所定の値未満に低下すると、弁体40に2次側流体の圧力によって生じる押圧力が小さくなり、コイルスプリング50の付勢力が、弁体40が2次側流体から受ける押圧力より大きくなる。その結果、弁体40は、流出口31側に移動するとともに、シール部材48が弁座29から離間して接続部28が開放され、流体が補助流路43a及び流通路43を介して流入口21から流出口31側に流通する。
【0023】
この場合、流出路31内の2次側流体の圧力は、1次側流体が流入するにつれて昇圧される。
図1において2点鎖線で示した弁体40の大径部41は、弁体40が2次側流体の圧力によって流入口21側に押圧された状態を表したものであり、この状態において、第1の圧力室3の容積は最大となり、軸線O方向の長さがLとされる。また、Xは、弁体40の移動量を示したものであり、通常は、コイルスプリング50の付勢力、2次側流体の圧力、弁体40の移動に伴う慣性力等により決定されるものであって、弁体40の前進端の中間位置に位置する。図1に示した例は、弁体40の流出口31側への移動量Xが最大とされるに前進端に位置する場合を示している。
【0024】
第1の圧力室3内における2次側流体は、弁体40が流入口21側にあるときの第1の圧力室3の軸線O方向長さLと弁体40の流出口側への移動量Xに基づいて昇圧され、例えば、弁体40が第1の圧力室3の軸線O方向長さの1/2進行した場合には、第1の圧力室3内の圧力は第1の圧力室3の容積が1/2となるため、オリフィス6からの流体の流通がないと仮定した圧力(2倍)からオリフィス6を通じて第1の圧力室3から流出した流体の流量分だけ差し引かれた圧力まで昇圧されることとなる。図1における間隙G部分の両矢印で示した流れは、オリフィス6における第1の圧力室3と流出口31間の2次側流体の流通を示している。
【0025】
したがって、弁体40の移動量Xに対してオリフィス6からの流体の流出が小さく設定されている場合には、接続部28が開放されて弁体40が移動する際の弁体40の移動量Xが大きくなるにつれて、第1の圧力室3内の圧力は2次流体以上に昇圧され、その結果、第1の圧力室3内における2次側流体は、オリフィス6によって移動が制限されているため、弁体40の受圧面41bは、流出口31内に位置する2次側流体よりも高い圧力で加圧されることになり、弁体40の流出口31側への過度な移動が抑制される。
その結果、接続部28が開放される際に、接続部28の開放方向への弁体40の移動速度が小さくなるため、接続部28の開度が過大になることによる流入口21から流出口31への流体の流れを抑制して、2次側流体の圧力が上昇しすぎるいわゆるオーバーシュートを抑制することができる。
【0026】
つぎに、弁体40が流出口31側に前進すると、第1の圧力室3内の流体はオリフィス6を通じて流出するとともにコイルスプリング50が伸長してコイルスプリング50の付勢力が低下する。第1の圧力室3内の2次側流体の圧力により発生する弁体40への押圧力がコイルスプリング50の付勢力よりも大きくなると、弁体40は、流入口21側に移動し始め、最終的に、シール部材48が弁座29を押圧して、接続部28が閉塞される。
このように弁体40が、流入口21側に移動して第1の圧力室3内は容積が拡大されることで第1の圧力室3内の圧力は低下し、それにともなって、第1の圧力室3内の圧力が2次側流体の圧力よりも低くならないようにオリフィス6を通じて第1の圧力室3内に2次側流体が流入する。
また、2次側流体の消費等が停止された場合、2次側流体の圧力が所定の値まで上昇した場合にも、オリフィス6を通じて第1の圧力室3内に2次側流体が流入する。
【0027】
この場合、第1の圧力室3内への2次側流体の流通がオリフィス6を通じて行われるため、第1の圧力室3内への2次側流体の流通が制限されて弁体40の移動速度が小さくなり、シール部材48が弁座29に当接する際の速度が小さくなり、シール部材48が弁座29に当接した後に跳ね返ることが抑制されるので、接続部28の閉塞を確実に行なうことができ、その結果、2次側流体の圧力にチャタリングが発生するのを抑制することができる。
【0028】
以上のように、上記実施の形態の減圧弁1によれば、弁体40が接続部28を開閉する際の慣性によって過度に移動してシール部材48が弁座29から過度に離間するのが抑制され、その結果、接続部28の開度が過大になって2次側流体の圧力のオーバーシュートするのが抑制される。
また、シール部材48が弁座29に当接する際の速度が小さくなることにより、シール部材48が弁座29に当接した後に跳ね返ることが抑制されるので、接続部28の閉塞を確実に行なうことができる。
その結果、2次側流体の圧力にチャタリングが発生するのを抑制することができる。
【0029】
弁体40に対して2次側流体の圧力を付与する第1の圧力室3と流出口31の間に形成されたオリフィス6が緩衝手段として設けられているので、1次側流体の圧力と2次側流体の圧力の差が大きくなるに従い、弁体40が弁座29から離間する移動速度が抑制され、その結果、接続部28の開度が過度に大きくなることが抑制され、1次側から2次側に安定した減圧圧力で、安定した流量の流体を流すことができる。
【0030】
また、弁体40から延在するロッド部49と流出口31の間に形成される間隙Gによって形成されるオリフィス6によって、第1の圧力室3と流出口31の間の流体の流通が制限されるようになっているので、簡単な構成にて弁体40の移動速度が抑制され、また、弁体40には流入口21から流出口31に流体が流通可能な流通路43が形成されているので、接続部28が開放された場合に流入口21から流出口31への流体の流通量を大きく確保することができる。
【0031】
また、上記実施の形態の減圧弁1によれば、緩衝手段が、弁体40から延在するロッド部49と流出口31の流出口絞部32との間の間隙Gによって形成されるオリフィス6から構成されているので、1次側流体の圧力、2次側流体の圧力等、種々の使用条件に対して、間隙Gの大きさの調整によって容易に対応することができる。
【0032】
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。
上記実施の形態においては、緩衝手段が、流出口31の流出口絞部32と、流出口絞部32に挿入されたロッド部49とにより形成されるオリフィス6の場合について説明したが、他の緩衝手段、例えば、弁室の2次側に形成された圧力室に限らず、他の構成の圧力室や、オイルダンパー等の油圧式緩衝手段、電磁式の緩衝手段、又は弾性体等を用いてもよい。
【0033】
また、接続部28から流出した流体が、弁体40に形成された流通路43及び補助流路43aを流通して、流出路31に流出される場合について説明したが、接続部28を通過した流体が通過する流路については、弁体40の内部ではなく、弁体40の外部に形成された、例えば、減圧弁本体10内に形成され、又は減圧弁本体10の外部に設けられた配管による流路を流通して、流出路31に流出するように構成してもよい。
【0034】
また、付勢部材がコイルスプリング50により構成される場合について説明したが、付勢部材については、円すい形等の他のコイルバネ、たけのこバネ、皿バネ、樹脂で形成された弾性体等、種々の構成のものを使用することが可能である。
【0035】
また、減圧弁1で使用可能な流体としては、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、メタン、エチレン等の可燃性ガス、酸素等の支燃性ガス、塩素、二酸化硫黄等の腐食性ガスをはじめとする気体のほか、水、酸又はアルカリを含有する液体等、種々の流体を対象とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施の形態を示す全体断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 減圧弁
2 弁室
3 第1の圧力室
6 オリフィス(緩衝手段)
10 減圧弁本体
21 流入口
28 接続部
29 弁座
31 流出口
40 弁体
43 流通路
43a 補助流通路
48 シール部材
49 ロッド部
50 コイルバネ(付勢部材)
G 間隙


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次側流体の流入口と、
2次側流体の流出口と、
前記流入口と流出口とを連通するとともに流入口との接続部に弁座が設けられた弁室と、
前記弁座を押圧するシール部材を有するとともに、前記弁室内に移動自在に配置され、前記2次側流体の圧力により前記シール部材を前記弁座に押圧する弁体と、
前記シール部材を前記弁座から離間する方向に付勢する付勢部材とを備え、
前記2次側流体の圧力が所定圧になることで前記シール部材が前記弁座に押圧して前記接続部を閉塞されるとともに、前記2次側流体の圧力が所定圧未満となることで前記シール部材が前記弁座から離間して、前記接続部が開放される減圧弁であって、
前記シール部材が弁座を開閉する際の移動速度を小さくする緩衝手段を備えることを特徴とする減圧弁。
【請求項2】
請求項1記載の減圧弁であって、
前記緩衝手段は、前記弁室の2次側に形成される第1の圧力室と流出口の間にオリフィスを設けることを特徴とする減圧弁。
【請求項3】
請求項2記載の減圧弁であって、
前記オリフィスは、前記弁体から延在するロッド部と流出口の間に形成される間隙によって形成され、前記弁体には、前記接続部が開放された場合に、前記流入口から前記流出口に流体が流通可能な流通路が形成されていることを特徴とする減圧弁。


【図1】
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【公開番号】特開2007−179374(P2007−179374A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−378030(P2005−378030)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000150981)日酸TANAKA株式会社 (33)
【Fターム(参考)】