説明

減圧弁

【課題】弁体に流体通路の外部の圧力が作用する外圧受圧面を形成した減圧弁において、流体通路の2次側に残圧が残らない減圧弁を提供する。
【解決手段】減圧弁1の1次側ポート7に供給された流体の圧力によって、弁体42が弁座19に押し付けられる力を減殺するように、弁体42に弁室41の外部の圧力が作用する大気圧受圧面44を形成する。バルブスプリング43には、大気圧受圧面44を形成することによって減殺されたシート圧力を補完するバネ荷重を付与する。減圧弁1の流体通路の2次側を1次側に連結するバイパス通路23を形成し、弁体42が19弁座に密着することによって流体通路が閉鎖され、かつ、1次側の流体圧力が2次側の流体圧力よりも低圧であるときに、バイパス通路23を介して、流体通路の2次側から1次側に流体を吐出させるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気圧縮機等から供給される流体の圧力を所望の圧力まで減圧する減圧弁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、釘打ち機(ネイラー)やエアインパクトドライバー等の圧縮空気によって駆動されるエア工具を使用するに際しては、空気圧縮機のエアタンクの吐出管路に減圧弁を装着し、この減圧弁の2次側圧力を所望の値に設定することにより、高圧空気によって駆動される高圧用エア工具には高圧の圧縮空気を供給し、低圧空気によって駆動される低圧用エア工具には低圧の圧縮空気を供給している。エア工具の駆動に使用される空気圧縮機のうち、可搬式の空気圧縮機は、一般に、作業現場に搬入されて使用され、その日の作業が終了すると、エアタンクの圧力を抜かれて、作業現場から搬出される。数日間にわたって特定のエア工具を使用する場合には、一日の作業が終了したときにエア工具を空気圧縮機に連結したままにしておく場合が多い。したがって、一日の作業が終了し、エアタンクの圧力を抜いたときには、減圧弁の1次側の圧力が抜けるだけでなく、2次側の圧力も抜ける必要がある。減圧弁の2次側の残圧でエア工具が誤作動する可能性があるからである。
【0003】
例えば、特許第3358428号には、エア工具本体に装着される空気圧レギュレータが開示されている。この空気圧レギュレータは、シリンダ4に螺着された圧力調整ネジ7を回転させることにより、シリンダ4とピストン5の間に介装された圧力調節バネ16のバネ圧を変化させ、2次側の空気圧を所望の値に設定するように構成された減圧弁である。すなわち、ポペットバルブホルダー6のバネ室6bにエアプラグ3を介して供給された高圧の圧縮空気は、ポート18を囲繞するバルブシート21と、圧力バネ20によってバルブシート21の方向に付勢されたポペット19とを、2次側の空気圧に応動するピストン5によって開閉させることにより、予め設定された2次側の圧力まで減圧される。そして、作業が終了し、エアプラグ3からエアホースを取り外すと、ポペットバルブホルダー6のバネ室6bが大気圧になり、圧力調節バネ16によって付勢されたピストン5が、圧力バネ20のバネ力に打勝ってポペット18をバルブシート21から離隔させる。これによってポート18が開放し、2次側の空気圧が大気圧まで低下する。
【特許文献1】特許第3358428号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の出願人は、流体通路の1次側に供給された流体の圧力が弁体を弁座に密着させようとする力と、流体通路の1次側に供給された流体の圧力が弁体を弁座から離隔させようとする力とが互いに打ち消し合うように、弁体に流体通路の外部の圧力が作用する外圧受圧面を形成したことを特徴とする、圧力制御弁を提案した(特願2005−319520号)。このように、外圧受圧面は、弁体に作用する2方向の力が互いに打ち消し合うように形成されるが、圧力制御弁の使用目的によっては、これらの2方向の力が厳密に打ち消される必要がない場合がある。例えば、この圧力制御弁を、エア工具に圧縮空気を供給するために、空気圧縮機のエアタンクの吐出口に取り付けられる、減圧弁として使用する場合である。このような減圧弁では、1次側の流体圧力が変動したとき、2次側の流体圧力の変動を所定の範囲に収めれば、エア工具の駆動に支障を生じない場合が多い。
【0005】
さて、弁体の外圧受圧面に大気圧が作用する減圧弁と、弁体に外圧受圧面(大気圧受圧面)を有さない一般的な減圧弁とを比較すると、前者の減圧弁における弁体と弁座のシート圧力は、後者の減圧弁のシート圧力に比較して、外圧受圧面(大気圧受圧面)に作用する1次側圧力の分だけ少ない。弁体と弁座のシート圧力が不足すると、流体通路の1次側と2次側の遮断性が低下するから、2次側圧力を適切に制御することができない。このため、前者の減圧弁のバルブスプリングには、一般的な減圧弁のバルブスプリングよりも、バネ荷重の大きなスプリングを使用し、シート圧力の減少分を補完する。しかしながら、バネ荷重の大きなバルブスプリングを使用すると、減圧弁の使用が終了し、減圧弁の1次側の圧力を抜いたときにも、バルブスプリングの弾発力によって弁体が弁座に密着したままになり、減圧弁の2次側の圧力が流体通路の2次側に残圧として残る場合がある。
【0006】
本発明の目的は、流体通路の1次側に供給された流体の圧力によって弁体が弁座に押し付けられる力を減殺するように、弁体に流体通路の外部の圧力が作用する外圧受圧面を形成した減圧弁において、流体通路の2次側に残圧が残らない減圧弁を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、流体通路の1次側に供給された流体の圧力によって弁体が弁座に押し付けられる力を減殺するように、弁体に流体通路の外部の圧力が作用する外圧受圧面を形成した減圧弁において、シート圧力を適切に設定することができる減圧弁を提供することにある。
【0008】
本発明の更に他の目的は、構造が簡単で、小型化が容易であり、汎用性の高い減圧弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の減圧弁は、1次側に供給された流体を2次側に導く流体通路と、前記流体通路に形成された弁座と、前記流体通路の1次側に配置され、かつ、前記弁座と協働して前記流体通路の断面積の大きさを規制する、弁体と、前記弁体と前記弁座のシート圧力を規定するバルブスプリングと、前記流体通路の2次側に配置され、かつ、前記流体通路の2次側の圧力変動に応じて前記弁体を前記弁座に関して変位させる、弁体駆動部材と、前記弁体駆動部材を前記弁体に向けて付勢する圧力設定スプリングとを有し、前記流体通路の1次側に供給された流体を減圧して2次側に吐出する、減圧弁において、前記流体通路の1次側に供給された流体の圧力によって前記弁体が前記弁座に押し付けられる力を減殺するように、前記弁体に前記流体通路の外部の圧力が作用する外圧受圧面を形成し、前記バルブスプリングに、前記外圧受圧面によって減殺されたシート圧力を補完するバネ力を付与し、前記流体通路の2次側を1次側に連結するバイパス通路を形成し、前記弁体が前記弁座に密着することによって前記流体通路が閉鎖され、かつ、前記1次側の流体圧力が前記2次側の流体圧力よりも低圧であるとき、前記バイパス通路を介して、前記2次側から前記1次側に流体を吐出させることを特徴とする。
【0010】
本発明の減圧弁は、また、前記流体通路にセパレータを挿入し、前記セパレータは前記流体通路を1次側と2次側とに画成すると共に、前記セパレータの外面と前記流体通路の内壁との間に前記バイパス通路を画成し、前記セパレータの外面に前記バイパス通路に沿って延在する環状溝を形成し、前記環状溝に環状の逆止弁を嵌着し、前記逆止弁は、前記弁体が前記弁座に密着することによって前記連通路が遮断され、かつ、前記流体通路の1次側の流体圧力が2次側の流体圧力よりも低圧であるとき、前記バイパス通路を介して前記流体通路の2次側から1次側に流体が流れることを許容することを特徴とする。
【0011】
本発明の減圧弁は、更に、前記セパレータに前記流体通路の1次側と2次側を連通させる連通路を形成し、前記セパレータの前記1次側の端面に、前記連通路の開口部と、前記開口部を囲繞する前記弁座とを形成し、前記逆止弁をY形の横断面形状を有する環状弾性体で構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の減圧弁によれば、弁体が弁座に密着することによって流体通路が閉鎖されていても、1次側の流体圧力が2次側の流体圧力よりも低圧になると、流体通路の2次側はバイパス通路を介して流体通路の1次側に連通するから、流体通路の1次側の流体圧力を大気圧にすると、2次側の流体圧力も大気圧になる。よって、減圧弁の2次側にエア工具等を連結したままにしておいても、流体通路の2次側の残圧によりエア工具等が誤作動することを確実に防止することができる。
【0013】
また、本発明の減圧弁によれば、バルブスプリングのバネ荷重の大きさに関わらず流体通路の2次側の残圧を消滅させることができるから、バルブスプリングのバネ荷重を自由に増減させて、弁体と弁座のシート圧力を適切に設定することができる。
【0014】
また、本発明の減圧弁は、流体通路を1次側と2次側に画成するセパレータの外面と、流体通路の壁面との間に、流体通路の2次側を1次側に連通させるバイパス通路を形成することができる。このバイパス通路は、セパレータを流体通路に挿入するのみで形成されるから、減圧弁の弁ハウジングに新たにバイパス通路を加工する必要はない。また、セパレータの外面にバイパス通路に沿って延在する環状溝を形成し、この環状溝に環状の逆止弁を装着しておけば、セパレータを流体通路に挿入するのみで、バイパス通路の形成と逆止弁の配置とを同時に行うことができる。
【0015】
更に、本発明の減圧弁は、弁体と弁座の密着部の外縁によって囲繞される部分の面積と、外圧受圧面の面積とを、それぞれ、任意に設定することができる。したがって、1次側の流体圧力によって弁体が弁座に押し付けられる力(1次側圧力に基づくシート圧力)を調整することができると共に、1次側の流体圧力の変動が2次側の流体圧力に及ぼす影響を調整することができる。
【0016】
本発明の減圧弁のその他の特徴は、以下の実施例の説明から明らかになる。以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明を直動型減圧弁に適用した実施例を示す。この直動型減圧弁1は、可搬式の空気圧縮機2に付随するエアタンク3の吐出口5に取り付けられ、エアタンク3から吐出された高圧の圧縮空気を予め設定された圧力(以下、設定圧という。)まで減圧して、ネイラー等のエア工具5に供給する空気減圧弁である。
【0018】
減圧弁1の弁ハウジング6の側面には1次側ポート7と2次側ポート8が開口する。1次側ポート7はエアタンク3の吐出口4に連結され、2次側ポート8は可撓性のエアホース9を介してエア工具5に連結される。弁ハウジング6には、また、中央貫通孔10が形成され、1次側ポート7は連通路11を介して中央貫通孔10に連結される。弁ハウジング6の中央貫通孔10の外側には、中央貫通孔10の上部大径部12に開口する連通溝13が形成され、2次側ポート8は連通溝13に連結される。
【0019】
弁ハウジング6の中央貫通孔10にはセパレータ14が嵌着される。セパレータ14は、図4及び5に示すように、ピストン15が摺動自在に嵌合するシリンダ部16と、中央貫通孔10に嵌合する突出部17と、シリンダ部16から突出部17を貫通して突出部17の下端面に開口する連通路18と、連通路18の開口部を囲繞する弁座19とを有し、ピストン15の突起部20は連通路18の内部に延びる。突出部17の外面には環状溝21が形成され、環状溝21にはY形の横断面形状を有する環状弾性体22が装着されている。突出部17の外面と弁ハウジング6の中央貫通孔10の壁面との間には、図3に示すように、環状のバイパス通路23が形成され、環状弾性体22はバイパス通路23に介装される。環状弾性体22は環状舌片24を有し、環状舌片23は中央貫通孔10の壁面に当接し、図3中、矢印方向に流体が流れることを許容し、その反対方向に流体が流れることを阻止する。環状弾性体22の全体的な形状は、図6に示すとおりである。環状弾性体22の環状舌片24は逆止弁を構成する。図1及び2中、参照番号25、26は密封用のシールリングを示す。
【0020】
図1及び2に示すように、ピストン15には、その中心軸線に沿って延在するリリーフ通路27が形成され、リリーフ通路27はピストン15の背面28とピストン15の突起部20の先端部29とに開口する。弁ハウジング6の上部には、図示しないボルトによって、ボンネット30が固定される。セパレータ14は、弁ハウジング6とボンネット30の間に挟まれて固定される。ボンネット30には調圧ボルト31が螺合し、調圧ボルト31は調圧ノブ32によって回転される。調圧ボルト31の下端部にはバネ受け33が係合し、バネ受け33とピストン15との間には圧力設定スプリング36が介装される。図1中、参照番号37はボンネット30の内部と外部を連通させる開口を示す。
【0021】
図1及び2に示すように、弁ハウジング6の下部には、弁ハウジング6の中央貫通孔10に螺合して栓体38が装着される。参照番号39は、中央貫通孔10と栓体38との間に介装された密封用シールリングを示す。栓体38の中央部には、ピストン15の突起部20と軸心を一致させて貫通孔40が形成される。栓体38を弁ハウジング6に装着することにより、中央貫通孔10の弁座19よりも上流側に弁室41が画成される。弁室41には弁体42とバルブスプリング43が配置され、バルブスプリング43は弁体42と栓体38との間に介装される。弁体42の下端部は栓体38の貫通孔40に摺動可能に挿入され、弁体42は栓体38の貫通孔40によって、図1及び2中、上下方向に移動自在に支持される。弁体41の下端面44は栓体38の貫通孔40から弁室41の外部に露出し、大気圧受圧面44を形成する。参照番号45は、弁体41の下端部と栓体38の貫通孔40の間に介装された密封用シールリングを示す。
【0022】
図2に示すように、弁体41がセパレータ14の弁座19に着座したとき、弁体42と弁座19との間の密着部の外径によって囲繞される面積をAとする。また、栓体38の貫通孔40から露出した大気圧受圧面44の面積をBとする。今、エアタンク3から1次側ポート7に流入した圧縮空気の1次側圧力をP1とすると、1次側圧力P1によって弁体42が受ける上方への力はP1・Aで表され、1次側圧力P1によって弁体42が受ける下方への力はP1・Bで表される。したがって、1次側圧力P1によって弁体42が受ける力は(P1・A−P1・B)となり、弁体41と弁座19のシート圧力は大気圧受圧面44の形成によってP1・Bだけ減殺されることなる。そこで、バルブスプリング43のバネ荷重を増加させることにより、弁体41と弁座19のシート圧力を適切に設定する。なお、弁体41に大気圧受圧面44を形成する目的は、1次側圧力P1の圧力変動が弁体41の動作に及ぼす影響を減少させ、もって2次側圧力の変動を減少させることにあるから、バルブスプリング43のバネ荷重の選定にあたっては、1次側圧力P1、2次側圧力P2、面積A及びBを総合的に勘案し、その減圧弁に最適のバネ荷重が選定されるべきである。
【0023】
以下、図1の使用態様に基づいて、本発明の作用を説明する。
先ず、調圧ノブ32を回転させて、圧力設定スプリング36のバネ荷重を変更し、減圧弁1の設定圧をエア工具5に適した設定圧にする。次いで、空気圧縮機2を起動し、エア工具5を使用して作業を行う。このとき、圧力設定スプリング36のバネ荷重により、ピストン15が下降して弁体42を押し下げている。したがって、空気圧縮機2で生成させた高圧の圧縮空気は、1次側ポート7から連通路11を経て弁室41に流入し、弁座19を通過して連通路18に流入し、連通路18から環状流路56に流入し、連通溝13を経て2次側ポート8に到る。ここで、1次側ポート7、連通路11、弁室41までが1次側の流体通路を構成し、また、連通路18、環状流路56、連通溝13、2次側ポート8、エアホース9及びエア工具5までが2次側の流体通路を構成する。高圧の圧縮空気が1次側の流体通路から2次側の流体通路に流入すると、この圧縮空気は連通路18からシリンダ部16に流入し、圧力設定スプリング36の弾発力に抗してピストン15を上昇させる。そして、2次側の流体通路の空気圧が設定圧に達すると、弁体42が弁座19に着座し、2次側の流体通路を1次側の流体通路から遮断する。エア工具5の使用により、2次側の流体通路の空気圧が設定圧よりも低下すると、ピストン15が下降して弁体42を押し下げ、弁体42が弁座19から離隔して、1次側の流体通路から2次側の流体通路に圧縮空気が供給される。以下、前述の動作を繰り返し、2次側の流体通路の空気圧を設定圧に維持する。この間、流体通路の1次側の空気圧は2次側の空気圧よりも常に高圧であるから、バイパス通路23は環状弾性体22の環状舌片24によって閉鎖されている。よって、バイパス通路23を通って流体通路の1次側から2次側に圧縮空気が流れることはない。
【0024】
エア工具5による作業が終了すると、空気圧縮機2の作動を停止させ、エアタンク3の抜気を行う。このとき、減圧弁1の1次側ポート7はエアタンク3の吐出口4に連結されているから、エアタンク3の内部が零気圧になると、減圧弁1の流体通路の1次側も零気圧になる。しかし、減圧弁1の弁体42に大気圧受圧面44を形成したことに伴って、バルブスプリング43のバネ荷重を増加させてあるから、バルブスプリング43のバネ荷重によっては、エアタンク3の内部が零気圧になったときにも、バルブスプリング43のバネ力によって弁体43が弁座19に着座し、連通路18が閉鎖されている場合がある。この状態で、バイパス通路23を閉鎖していた環状弾性体22の環状舌片24が開放し、図3に→で示すように、流体通路の2次側から1次側に流体が排出される。これにより、流体通路の2次側に残圧は直ちに排出され、流体通路の2次側の残圧によってエア工具5が誤作動することを防止することができる。
【0025】
なお、エア工具5の使用時に、流体通路の2次側の空気圧が何らかの理由で設定圧よりも高いリリーフ圧に達したときには、ピストン15が上昇して弁体42を弁座19に着座させた後、ピストン15は更に上昇して弁体42から離隔する。これにより、リリーフ通路27が開放して、流体通路の2次側をボンネット30の開口37から大気に連通させ、流体通路の2次側の排気が行われる。また、前述の実施例では、弁体駆動部材としてピストン15を例示したが、弁体駆動部材はピストンに限定されることなく、例えば、ダイヤフラム等の部材のように、流体通路の2次側の流体圧力に応じて弁体を駆動することができる部材であれば、如何なる部材でも良い。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の減圧弁は、小型化、軽量化が容易であり、また、流体通路の2次側に残圧が残らないから、エア工具の駆動用のみならず、種々の用途に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の圧力制御弁の使用態様を例示した縦断面図である。
【図2】図1の圧力制御弁の要部を拡大した断面図である。
【図3】Yパッキン装着部付近の拡大断面図である。
【図4】セパレータの一部を切り欠いた断面図である。
【図5】セパレータの平面図である。
【図6】Yパッキンの縦断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 減圧弁
2 空気圧縮機
3 エアタンク
5 エア工具
14 セパレータ
19 弁座
21 環状溝
22 環状弾性体
23 バイパス通路
24 環状舌片
42 弁体
43 バルブスプリング
44 外圧受圧面(大気圧受圧面)
A 弁体と弁座との間の密着部の外径によって囲繞される面積
B 大気圧受圧面の面積

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次側に供給された流体を2次側に導く流体通路と、前記流体通路に形成された弁座と、前記流体通路の1次側に配置され、かつ、前記弁座と協働して前記流体通路の断面積の大きさを規制する、弁体と、前記弁体と前記弁座のシート圧力を規定するバルブスプリングと、前記流体通路の2次側に配置され、かつ、前記流体通路の2次側の圧力変動に応じて前記弁体を前記弁座に関して変位させる、弁体駆動部材と、前記弁体駆動部材を前記弁体に向けて付勢する圧力設定スプリングとを有し、前記流体通路の1次側に供給された流体を減圧して2次側に吐出する、減圧弁において、前記流体通路の1次側に供給された流体の圧力によって前記弁体が前記弁座に押し付けられる力を減殺するように、前記弁体に前記流体通路の外部の圧力が作用する外圧受圧面を形成し、前記バルブスプリングに、前記外圧受圧面によって減殺されたシート圧力を補完するバネ力を付与し、前記流体通路の2次側を1次側に連結するバイパス通路を形成し、前記弁体が前記弁座に密着することによって前記流体通路が閉鎖され、かつ、前記1次側の流体圧力が前記2次側の流体圧力よりも低圧であるとき、前記バイパス通路を介して、前記2次側から前記1次側に流体を吐出させることを特徴とする、減圧弁。
【請求項2】
請求項1に記載の減圧弁において、前記流体通路にセパレータを挿入し、前記セパレータは前記流体通路を1次側と2次側とに画成すると共に、前記セパレータの外面と前記流体通路の内壁との間に前記バイパス通路を画成し、前記セパレータの外面に前記バイパス通路に沿って延在する環状溝を形成し、前記環状溝に環状の逆止弁を嵌着し、前記逆止弁は、前記弁体が前記弁座に密着することによって前記連通路が遮断され、かつ、前記流体通路の1次側の流体圧力が2次側の流体圧力よりも低圧であるとき、前記バイパス通路を介して前記流体通路の2次側から1次側に流体が流れることを許容することを特徴とする、前記減圧弁。
【請求項3】
請求項2に記載の減圧弁において、前記セパレータに前記流体通路の1次側と2次側を連通させる連通路を形成し、前記セパレータの前記1次側の端面に、前記連通路の開口部と、前記開口部を囲繞する前記弁座とを形成し、前記逆止弁をY形の横断面形状を有する環状弾性体で構成したことを特徴とする、前記減圧弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−276630(P2008−276630A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−121410(P2007−121410)
【出願日】平成19年5月2日(2007.5.2)
【出願人】(301036445)ダイセン株式会社 (6)
【Fターム(参考)】