説明

渦巻ポンプ及びポンプユニット

【課題】主として船舶のビルジ・バラスト系に使用の渦巻ポンプの環状軸封シール(メカニカルシール)の取替を、ポンプ分解や配管取外しなくケーシングカバーの開放だけで可能とし、且つ、ポンプユニットの構成を簡潔化して口径・容量の制約なく省スペース・操作性を向上し、保守を省力化する。
【解決手段】電動機一体型横軸渦巻ポンプのケーシング1の左右に吸引口9a,9bを配し、両吸込形と片吸込形のいずれの場合にも、該吸引口9a,9b相互間と羽根車の吸込口15f,15rとの流路を水理的な差異なく形成し且つケーシングの軸端側に開放可能なケーシングカバー8を設ける。さらに、該ポンプの注排水に係る弁群を、軸端側を操作正面として注排水管43と共にポンプ周りの同一鉛直面内に集中配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶のビルジ・バラスト管装置などに使用する渦巻ポンプ及びポンプユニットに係るものである。
【背景技術】
【0002】
[バラスト管装置構成一般] 一般に貨物船(Cargo Ship)、バラ積み船(Bulk Carrier)、液送船(Tanker)などの運送用船舶は、空荷では喫水が浅く推進器の一部露出に加え船首・尾方向の傾斜すなわちトリム(Trim)が大きく船首部が浮上り、航行安定性を損なうので、船倉下の二重底タンク(Bottom Tank)や舷側タンク(Wing Tank)などによるバラストタンク(Ballast Tank)に注水して航行安定に必要限度の喫水を得ている。
【0003】
バラストタンクは二重底の中央隔壁で左・右舷に分割され、船倉(Hold)や液槽(Cargo Tank)に合わせ船首・尾方向に横隔壁で数分割され、載荷に合わせ注排水し喫水及びトリムを航行最適状態に調整される。
【0004】
バラストタンクの注排水に使用の渦巻ポンプは、本船又は岸壁の荷役容量に見合う流量で選定されるので一般に大容量、大口径であり、中・小型船では片吸込形、大型船では両吸込形のものが使用されており、機関室前部或いはポンプ室に設置され、弁類を組合わせ注排水ポンプユニットを構成している。
【0005】
上述のバラスト系の注排水管に自吸機能を持つビルジ系ポンプの注排水管を接続し、バラスト注排水ポンプの自吸補助(Priming)およびバラストタンク残水吸取り(Stripping)に供している。
【0006】
ビルジ系のポンプユニットにも、バラスト系と同様の注排水機能を配しており、そのポンプには真空ポンプやエジェクタによる自吸機能を持ち、或は該ポンプの吐出水で駆動のエダクタを追設する場合がある。
【0007】
[機軸方向] 補機配置における常識「電動機軸は船首尾方向」は、軸受がすべて転がり軸受の今日では、既に重要補機の横向設置例で支障なく稼働しており見直すべき、すなわち横軸機・縦軸機とも同一の高スラスト耐量且つ遊隙微小の深溝形ボールベアリングが標準装着され、縦軸機の回転子、軸接手(なお、剛結延長軸では羽根車も加え)の全質量によるスラスト荷重に比べれば、横軸機では船体傾斜、動揺加速度によるスラスト荷重は軽小であり機軸横向きは全く問題ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ポンプユニット構成において吸引・吐出とも弁類を操作正面に集中配置可能の横軸渦巻ポンプは、その構造上の制約で羽根車が片吸込形に限定され、市販品では口径300mm、流量800m^3/h(船舶では流速3m/sが標準)までであり、大型船のバラスト注排水ポンプでは両吸込形の羽根車を持つ大口径・大容量の縦型渦巻ポンプが使用されポンプユニット構成において弁類が吸引・吐出の面間寸法の両側に分離配置となり操作スペースやユニット配置に制約を受ける。
【0009】
消防・雑用・ビルジ系(以下、略してビルジ系と呼ぶ)のポンプユニットは、バラスト系の注排水機能に加え、消防・雑用高圧水供給及びビルジ吸引機能を持つため、弁類が多くユニット構成が複雑であり、占有スペースが大きくなる。
【0010】
本発明においては、既発明「特願2009−089752:電動機と一体型の渦巻ポンプ」(以下、既発明1と呼ぶ)の横軸機を、両吸込形羽根車を内蔵の大容量ポンプに拡張し、且つ片吸込形羽根車内臓のものと共に、特に複数の弁を持つ吸引側配管の取外しなくポンプを開放して軸封シール取替を可能とし、ポンプ容量の制約なく操作正面に弁類集中配置の注排水ポンプユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[ポンプ構成] 上述の背景技術及び課題に鑑み、横軸機のポンプケーシングの左右に吸引口を配して該吸引口相互間及び羽根車の吸込口に、両吸込形では羽根車の両吸込口に、共通な流路を該ケーシング内にそれぞれ形成し、該ケーシングの軸端側に羽根車と同芯のケーシングカバーを配して羽根車取外しを含むポンプ開放を可能とし、軸封シール取替えを可能の、主として横軸姿勢で使用の片吸込形及び両吸込形渦巻ポンプを構成する。
【0012】
左右吸引口の芯高はポンプ軸芯より低くして、吸引口面間寸法を短縮且つ口径に見合う流路断面積を採り、芯高差は吸引口径と羽根車吸込口径との和の半分以上として吸引口間直接流(後述の自流注水)の伴流の羽根車への影響をできるだけ避けるのがよい。
【0013】
軸封シール部には、既発明1のように鍔付スリーブを配し、専用引抜き工具によりメカニカルシールなど環状のシールセットの一括引抜きを可能とし、該シールセットの取替えを容易にする。
【0014】
ポンプケーシングの軸封シール部と電動機フランジとの空間で、既発明1のように、軸に水切鍔を嵌設し軸封シールからの漏水が軸受に侵入を防止すると共に、該ケーシングに水抜き・点検穴を設ける。
【0015】
本ポンプの支脚は、上述の既発明1のように、ポンプケーシング、電動機の何れに配してもよいが、大口径配管の構造強度と該ケーシング直下の配管スペース利用を考え、大半の重量を占める電動機の標準支脚を利用するを標準とする。
【0016】
[バラスト系ポンプユニット構成] ポンプケーシング左右に配した吸引口に弁(V1)、(V2)を、吐出側に配したT分岐ピースに弁(V3)、(V4)をそれぞれ配し、弁(V2)、(V3)を注排水管に、弁(V1)を取水管に、弁(V4)を排水管にそれぞれ接続し、ポンプ周りの全ての弁(V1)〜(V4)及び注排水管を同一鉛直面内且つ該ポンプの軸端側を操作・保守正面とした集中配置の注排水系統を成してバラスト系ポンプユニットを構成する。
【0017】
弁(V4)には逆止弁を使用し、停電など不時のポンプ停止や弁の誤操作の際に舷外海水など排水先からの逆流を阻止し、弁(V1)に来る取水管に配した集約ストレーナと相俟って、バラストタンクなどの注排水系を常に清浄に保つ。
【0018】
該ポンプの吐出口にエルボーなどの短管を介して上述のT分岐ピースの間に絞り弁V5を配し、注排水共にポンプ流量調整及び緩開閉に利用する。
【0019】
左・右舷バラスト系に個別にポンプすなわち計2台を配し両舷同時注排水するを標準とし、該ポンプユニットの注排水管の間に連絡弁(V6)を配し、何れか1台のポンプでも左・右舷両系統の注排水を可能とする。
【0020】
本ポンプユニットの注排水管に、隣接又は近接配置のビルジ系ポンプユニットの注排水管を、関連既発明「2009−138942:船舶のビルジバラスト管装置」(以下、既発明2と呼ぶ)のように、弁(V7)を介して接続し、ビルジ系ポンプユニットの自吸補助(Priming)、残水吸取(Stripping)及び小流量注排水の各機能を利用する。
【0021】
本ポンプユニットの注排水管から分岐して、機関室前隣の最後尾バラストタンクの注排水支管・弁を、上述の操作・保守正面で操作可能に配する。
【0022】
二重底燃料タンク(Bottom Bunker)などの補機配置都合により機関室前中央部に燃料移送ポンプなどの他補機を設置の場合は、何れかのポンプユニットの注排水管から分岐し該ポンプユニットの電動機横の空間に連絡弁(V6)を介して大径の連絡管を二重底内に下ろし、他方のポンプユニットの注排水管に二重底内で接続することができる。
【0023】
機関部補機として最大口径・容量の本ポンプユニットに係る弁類・諸管は全てポンプケーシング上及び横の空間を占有し、ポンプセット重量の大半を占める電動機は機関室天井(中段甲板下)に吊具を配して直接吊上可能とする。
【0024】
なお、バラスト系ポンプユニットは甲板部補機として、例えばバラ積船(Bulk Carrier)の中央(Mid-Ship)の船倉横隔壁の下部ホッパーに形成の二重底上の空所(4FS)内に設置も可能である。
【0025】
[ビルジ系ポンプユニット構成] 横軸ポンプ2台を並列に配し、両ポンプのポンプケーシングの対向吸引口に弁(V2)を、外向吸引口にT分岐ピースを介して弁(V1)、(V8)をそれぞれ配し、両ポンプの吐出口にそれぞれ配した多分岐管の対向管に弁(V3)を、上向管に(V4)、(V11)、(V12)をそれぞれ配し、両ポンプの弁(V2)、(V3)を両ポンプに共通の注排水管に接続し、弁(V1)を取水管に、弁(V4)を排水管にそれぞれ接続して、上述のバラスト系ポンプユニットと同様な注排水系を成し、船尾タンク(Aft Peak Tank)及び、上述のバラスト系ポンプユニットの弁(V7)を経てバラスト系注排水管に接続し、船首タンク(Fore Peak Tank)の注排水とバラスト系ポンプの自吸補助(Priming)、残水吸出し(Stripping)及び小流量注排水に供する。
【0026】
弁(V8)は機関室前部左右のビルジ溜めの直接ビルジ管に、弁(V11)は両ポンプに共通の消防管に、弁(V12)はエダクタの駆動水管にそれぞれ接続し、上記のビルジ系注排水管に弁(V9)、(V10)、(V13)をそれぞれ接続し、弁(V9)を該ビルジ溜め及び機関室後部のビルジ溜め並びに二重底空所のビルジ吸出し用共通ビルジ管に、弁(V10)を各船倉のビルジ溜めの吸出し用船倉ビルジ管に、弁(V13)をエダクタの吸引管にそれぞれ接続し、消防高圧水供給及び船内ビルジ吸引・排水系を構成する。
【0027】
弁(V1)、(V2)、(V3)以外は全て逆止弁を使用し、吸引側ではビルジ溜めへの逆流を、吐出側では隣接ポンプからの逆流をそれぞれ防ぎ、取水系の集約ストレーナ及びビルジ吸引系の各端末に配した泥箱(Mud Box)と相俟って、舷外からの海水浮遊異物の侵入と船内異物の排出を防止する。
【0028】
本ポンプユニットの自吸機能はエダクタに集約し、空荷時においても喫水線下で押込吸引のポンプを始動して消防高圧水でエダクタを駆動し、バラスト系を含みポンプの自吸補助(Priming)、ビルジ吸引に供する。
【0029】
本ポンプユニットの上部に被さる弁類は、電動機の吊上げ・横引き空間を採って配置し、機関室天井からの綱取りと近接主構造からの横引きで該ユニット左右に引出し可能とする。
【発明の効果】
【0030】
[両吸込形ポンプ] ケーシングの左右に配した吸引口芯と軸芯が直交し、羽根車の両吸込口に水理上の差異なく流路を形成でき、羽根車の前後側とも同一の遠心流作用に寄与するので、従来標準の羽根車は勿論、ケーシングは従来の縦軸機の軸直角平面上の1方向からの吸引と同様な流路設計を利用可能である。
【0031】
[片吸込形ポンプ] 上述の両吸込ポンプと同様に、ポンプケーシングの左右に配した吸引口芯と軸芯が直交し、羽根車の吸込口に水理上の差異なく流路を形成でき、従来標準的な羽根車は勿論、ケーシングは従来の縦軸機の軸直角平面上の1方向からの吸引と同様な流路設計を利用可能である。
【0032】
両吸込形・片吸込形の何れも、既発明2のバラスト系ポンプユニットにおける吸引口前のT分岐ピースを、本発明の渦巻ポンプにおいてはポンプケーシング内に形成したため、吸引側に係る複数の弁(V1)、(V2)との結合を解く関連配管の取外しなく、ポンプのみの開放(ケーシングカバー及び羽根車の取外し)で軸端側から軸封シールの取替えを可能にし且つ吸引側の弁(V1)、(V2)と吐出側の弁(V3)、(V4)、(V5)及び注排水管を同一鉛直面内に集中配置してユニット構成を簡潔化し、電動機一体型と相俟って該バラスト系ポンプユニットの基本機能の注排水系を更に省スペース且つ操作・保守スペースを拡大し、保守の省力化を更に向上する。
【0033】
既発明2のビルジ系ポンプユニットでも同様に、本発明の渦巻ポンプにおいては吸引口前の多分岐管の内の弁(V1)、(V2)用2分岐分を、ポンプケーシング内に形成して、注排水系を成す弁(V1)、(V2)、(V3)及び弁(V4){ポンプ直上の弁(V11):消防高圧水供給用の直後に配置}を、ポンプ軸端側を操作・保守正面とした同一垂直面内の集中配置でユニット構成を簡潔化し、ビルジ吸引の弁(V8)、(V9)、(V10)に係る配管取外しなくポンプのみの開放で軸封シールの取替えを可能にし且つ操作・保守スペースを拡大し保守の省力化を更に向上する。
【0034】
渦巻ポンプは羽根車周りのポンピング(Pumping)機能に摺動部を一切持たないので、高頻度のキャビテーションなどの水理的異常現象や砂礫などの異物吸込みなき限りポンプ内部の摩耗はなくほぼ半永久的寿命を持ち、摩耗・損耗は軸封シールと軸受に限定されるが、既発明1の電動機一体型渦巻ポンプでは本発明の両吸込形においても軸端の片持ち比が従来ポンプに比し半減のため、高速回転の安定と軸受荷重の低減から軸受寿命は半永久的に近く、残る軸封シールの保守に注意を集中すればよく、メカニカルシールの如き環状シールの改良により、運転債務が低いビルジ・バラスト管装置のポンプユニットは、喫水線下の湿潤状態で運転する限り、4年毎の定期検査まで無調整稼働可能であるが、不時の不調に対応のため、本発明の2吸引口ポンプケーシングにより、軸封シールの保守・点検を容易にした訳である。
【0035】
電動機の電気部巻線は材料・工作両面で改良され絶縁の耐久・信頼性が向上し、ほぼ半永久的寿命に至っており、不良発生頻度は頗る低いので、中容量のビルジ系ポンプでは電動機は比較的軽量であり、取外しに横引きを伴っても差支えないものとする。
【0036】
一般に、運送用船舶のバラスト管装置の海水ポンプは、機関部補機として最大口径・容量(φ250〜500mm、600〜2500m^3/h)であり、特に大型船では機関冷却装置で最大口径・容量の冷却海水ポンプのほぼ2倍の定格流量を有し、本発明の両吸込羽根車をもつ電動機一体型渦巻ポンプを2吸引口として既発明1のポンプに加え、吸引・吐出とも弁類を同一操作正面に集中配置の著しい省スペースと省コストの横軸機による全補機ユニットを、かなりの大型船(15万トン級以上)においても具現可能となる。
【0037】
なお、バラスト管装置に接続のビルジ系において、消防の高圧・中流量の片吸込形渦巻ポンプの吸引側多分岐に鑑み2吸引口として簡潔なポンプユニット構成に供すると共に、中・小型船のバラスト系の海水ポンプにも上記と同様に適用可能となる。
【0038】
機関部補機の比較的大容量の主機潤滑油ポンプは、機関冷却装置のポンプユニット群のひとつとして、従来の歯車ポンプを使用の中型船においても、既発明1の横軸渦巻ポンプを潤滑油ポンプとして使用し、潤滑油サンプタンク(Sump Tank、通常は清浄機で微細異物を除去して充油され、主機被潤滑部には二次ストレーナの漉し油を供給)の液面下に逆止弁を配して該潤滑油ポンプの吸引側を常に充油状態として自吸(Self-Priming)機能を保持した潤滑油供給ユニットを、中・大型船用共に関連既発明「特願2009−089751:船舶の機関冷却装置」(以下、既発明3と呼ぶ)のように高速且つ羽根車部に摺動部を一切持たない横軸渦巻ポンプで構成すれば、大寸の一次ストレーナが不要になり小寸の該ポンプと相俟って著しい省スペースと省コストが得られ(関連参考事項として記載)、機関冷却装置も上述の本発明のビルジ・バラスト系ポンプユニットと共に、全て電動機一体型横軸渦巻ポンプで以って構成可能となる。
【0039】
機関冷却装置では、片吸込形のポンプ容量範囲(最大φ300mm、800m^3/h)且つ吸引側は弁1個のためポンプは構造簡潔な単吸引口のもので充分であり、吸引口前の短管(可撓管又はエルボー)取外しは容易且つ隣接ポンプの運転継続のまま該ポンプを開放可能とし、弁群複雑なビルジ系及び大口径のバラスト系ポンプでは2吸引口として複数の弁を装着の吸引配管取外しなくポンプ開放可能とし、長期間無調整使用のメカニカルシールの長寿命化と相俟って軸封シール保守の省力化を促進する。
【0040】
なお、既発明3のように、機関冷却装置の冷却海水ポンプや主機潤滑油ポンプは異容量又は半容量の常用機2台の並列運転とすれば、片吸込形且つ単吸引口のポンプユニット容量範囲を更に拡張でき、ビルジ・バラスト系に本発明の両吸込形・2吸引口の電動機一体型横軸渦巻ポンプを加えれば、少なくとも15万重量トン級以上の大型船を含む全船舶に対応でき、機関室の短縮を伴う設計標準化が可能になる。
【0041】
なお、バラスト系ポンプユニットの占有スペースは、船首尾方向には2肋骨間隔(Frame Space、以下略してFSと記す)程度であるため、バラ積船(Bulk Carrier)の如きホッパー形隔壁の二重底上の梯形状の空所(船首尾方向に4FS)に甲板部補機として設置も可能であり、機関室の省スペースは勿論、バラスト主管となる注排水管は船首尾にほぼ等分されて半長となり、管路損失及び水撃作用は半減するので、経済性、安全性とも好都合である。
【0042】
ポンプ周りの弁群の切替操作による注排液機能は、液送船(Tanker)の荷役設備なる荷液ポンプ(Cargo Pump)や残液ポンプ(Slopping Pump)にも必要であり、本発明の2吸引口横軸渦巻ポンプ、特に大流量の両吸込形のものは、電動機一体型による省スペースと相俟って、ポンプユニット構成上頗る好都合であり、需要量は大きく期待できる。
【0043】
なお、陸上一般の施設においても、送・戻両機能を持つ注排水・注排液ポンプ設備に利用すればその省コスト・省スペース及び運転・保守の省力化に頗る有益である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の両吸込形横軸渦巻ポンプのポンプ部断面を示す側断面図。
【図2】本発明の片吸込形横軸渦巻ポンプのポンプ部断面を示す側断面図。
【図3】本発明の横軸渦巻ポンプによるバラスト系ポンプユニット(A)の平面図
【図4】本発明の横軸渦巻ポンプの正面姿を併せ示すバラスト系ポンプユニット(A)の側断面図
【図5】本発明の横軸渦巻ポンプによるバラスト系ポンプユニット(B)の平面図
【図6】本発明の横軸渦巻ポンプによるビルジ系ポンプユニットの平面図。
【図7】本発明の横軸渦巻ポンプによるビルジ系ポンプユニットの側断面図。
【図8】本発明の横軸渦巻ポンプの正面姿を併せ示すビルジ系ポンプユニットの正面図。
【図9】船首尾中央部の隔壁内設置の本発明の横軸渦巻ポンプによるバラスト系ポンプユニットの平面図。
【図10】船首尾中央部の隔壁内設置の本発明の横軸渦巻ポンプによるバラスト系ポンプユニットの側断面図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0045】
図面を参照し、本発明の横軸渦巻ポンプ及びポンプユニットを実施例1として、リングメイン方式バラスト管装置に使用の状態で説明する(同一機能の要素は共通の符号で表し、前後左右などの区別の必要に応じ、f、r、a、bなどの補助記号を付加して示す)。
【0046】
[両吸込形ポンプ構造] 図1において、ポンプケーシング1の吐出口7と一体のメインケーシング3を、電動機2の端ブラケット4のフランジ5にボルト6で結合し、メインケーシング3の軸端側にケーシングカバー8をボルト10で取付ける。
【0047】
メインケーシング3の下部の手前及び奥(ポンプ軸端側から見て左及び右、以下左右として記載)にそれぞれ吸引口9a、9bを配して2吸引口形とし、ポンプケーシング1の内部すなわちメインケーシング3及びケーシングカバー8の内部において吸引口9a、9b相互間及び羽根車15の前後の吸込み口15f、15rに至る流路を、水理上の差異なくポンプ口径Dに見合うよう形成する。
【0048】
電動機軸11を無継手延長して軸封部12、羽根車部13より成るポンプ軸を形成し、メインケーシング3のポンプ軸貫通部に上述の既発明のように鍔付スリーブ20を配して環状シールセット22(メカニカルシール)を装着し、該スリーブを特殊工具による一括引抜きにより該シールセット22を容易に取替可能とし(軸封シール部は既発明1どおりのため詳細図示省略、シールセット22で代表図示)、羽根車15は軸13にキー14で装着し抑え板16及びボルト17で固定し、羽根車15のボス15bとシールセット22との間に短スリーブ22sを配し、羽根車15の押込みでシールセット22を所定の長さに設定する。
【0049】
メインケーシング3及びケーシングカバー8のボリュート部3v及び8vの羽根車15との対向部にライナリング18を止り嵌めして羽根車15との対抗面に微小隙間(0.1mm程度)を与え、羽根車15の外周15eから吸込口15f、15rへの還流を抑える。
【0050】
電動機軸11には水切鍔30を配し、軸封シール部12からの漏水から軸受33を防水し、メインケーシング3に水抜・点検穴31を設ける。
【0051】
ケーシングカバー8は、内部のボリュート部8vと一体に形成しボルト10を緩脱して取外すと、羽根車15の外周15eより充分広く開放し、軸端13の抑え板16を取外して羽根車15を専用工具で引抜いた上、ケーシング3の軸封部12のボス19に嵌入の鍔付スリーブ20でシールセット22一括引抜き・取替え可能とする。
【0052】
軸封部12のボス19、鍔付スリーブ20、シールセット22の装着姿は、図2の片吸込形のものと同様であり、その詳細は既発明1のとおりのため詳細図示を省略、なお、両吸込形羽根車15のボス15bとの間に調整スリーブ22sを配し、羽根車15の装着に伴うシールセット22の押込・圧縮長を所定値に設定する。
【0053】
ポンプ軸の羽根車部13はボス長/軸径比が大きいので、既発明1のように、中間部約40%を非嵌め合い、両側約30%を異径の嵌め合いとすれば装着強度は十分であり、羽根車着脱における工具押込み・引抜きはボス長の30%で済み作業容易となる。
【0054】
両吸込形羽根車のポンプ軸の片持長Spは、片吸込形の場合より幾分大きくなるが、電動機2の軸受33、34の支間Smとの比Sp/Smは0.7程度で市販の縦軸機に比し充分小さく(半分程度)、空気吸込みなどの異常水理現象においても円滑に高速回転(1800〜3600rpm)する。
【0055】
[片吸込形ポンプ構造] 図2において、図1と同様に左右に配した2吸引口9a、9bの相互間及び片吸込形羽根車15の吸込口15f との流路をメインケーシング3及びケーシングカバー8内に形成の他は、既発明1と同様の構造であり、詳細説明を省略する。
【0056】
[バラスト系ポンプユニット構成(A)] 図3、図4において、本発明の渦巻ポンプ1の左右の吸引口9a、9bに弁V1、V2を、吐出し口7の上にエルボー41とT分岐ピース42との間に弁V5を、T分岐ピース42に弁V3、V4を、注排水管43と共に同一垂直面内に集中配置し、弁V2、V3を注排水管43に、弁V1を取水管44に、弁V4を排水管45にそれぞれ接続し、ポンプ軸端側すなわちケーシングカバー8側を全弁の操作正面としてポンプユニットの主要部なる注排水系を構成する。
【0057】
注排水管43から水平分岐の連絡管46及び連絡弁V6を配して2台のポンプユニットを連結し、該連絡管46から下側に分岐し弁VBを介して二重底内に端末管47を配し、機関室前の船倉最後部の二重底タンク(Bottom Tank)の端末ベルマウス48に接続する。
【0058】
該連絡管46の上に弁V7を配し、隣設のビルジ系ポンプユニットの注排水管49に接続し、上記の弁VBと共に、注排水系の弁(V1)〜(V5)の操作正面で操作可能とする。
【0059】
本発明の注排水ポンプユニットは、ポンプ1、注排水弁群(V1〜V5)及び注排水管43が1LS(LSは縦骨Longitudinal Stiffener Spaceの略で一般にはFrame Spaceにほぼ等しく構造設計される)の中央に管フランジ径と同厚の垂直面内に集中配置し、既発明1より操作・保守スペースが更に広くとり、電動機2が1LS、最後部タンク用注排水弁BV5が1LSを占有し、船軸方向にはポンプユニット全体で2FS(FSはFrame Space)を占有し、上述既発明2の実施例1(図2、図3と同様なユニット構成)と同様であり、主機関前の主通路1FS分を加えて計3FS分のスペースを主機関前に与えれば十分であり、従来の船舶の5〜6FS分を取る機関室配置に比し、機関室の短縮と船倉の拡張が可能なことが判る。
【0060】
本発明の横軸渦巻ポンプにおいて、片吸込形の場合は、図2のように、羽根車15の吸込口は軸端側の15fのみとなり、メインケーシング3側の構造は既発明1のとおりであり、左右の吸引口9a、9b相互間及び羽根車吸込口15rに至る流路を配する他は、ポンプユニットと共に上述と同様である。
【0061】
片吸込形横軸渦巻ポンプにおいても、本発明の左右吸引口のポンプ構造は容易で中・小型船のバラスト系に適用でき、既発明1における複数弁を持つ吸引配管取外しなくポンプの直接開放は保守上頗る好都合である。
【0062】
以上、バラスト系ポンプユニットの機関室前部中央配置における標準的な姿を説明したが、船底燃料タンク(Bottom Bunker)都合による該中央部に燃料移送ポンプや、国際条約によるバラスト水規制に対応のため塩素酸発生機などの設置スペースが必要の際は、既発明2の実施例1の図17のように2組のポンプユニットを各舷側に寄せて二重底上板TTP中央部を空けることができる。
【0063】
[左・右舷分割配置] 図8において、既発明2のように、機関室前部中央に燃料移送ポンプユニットやバラスト水滅菌装置など、他補機52を設置のため、バラストポンプユニットを左右舷に分割配置の場合は、何れか一方(例えば左舷側)のポンプユニットの注排水管43から二重底上で分岐して連絡管46に連絡弁V6を、二重底内に連絡管46bをそれぞれ配し、他方(例えば右舷側)のポンプユニットの注排水管43bに二重底内で接続し、或は、該連絡弁V6から二重底内に下ろしエルボーで船倉下の船底タンク(Bottom Tank)内に該連絡管46bを通すこともできる(図示省略)。
【実施例2】
【0064】
図面を参照し、本発明の横軸渦巻ポンプ及びポンプユニットを実施例2として、ビルジ系ポンプユニットに応用の状態で説明する(同一機能の要素は共通の符号で表し、前後左右などの区別の必要に応じ、f、r、a、bなどの補助記号を付加して示す)。
【0065】
[ポンプ構造] ビルジ系ポンプは前述の図2に示す片吸込形2吸引口の横軸渦巻ポンプで、中・小型船のバラスト系ポンプと同様の構造であるが、消防・雑用の高圧仕様とビルジ吸引機能が付加され、羽根車が大径・薄形となる。
【0066】
[ポンプユニット機能] ビルジ系ポンプユニットは、ポンプ2台で1ユニットに構成し、消防及び雑用(甲板・揚錨洗浄など)に高圧水(揚程50〜75m)を供給且つ船内ビルジ吸引及びバラスト系ポンプの自吸補助(Priming)及び残水吸取(Stripping)並びに船首・尾タンクの注排水の多機能を持つので弁群は複雑である。
【0067】
[ポンプユニット構成] 図6、図7、図8において、2台のポンプ1の各2吸引口9a、9bの内の対向吸引口9bに弁V2、外向吸引口9aに弁V1を、吐出口7の上の多分岐管を経て弁V4をそれぞれ配し、弁V2、V3を共通の注排水管49に、弁V1を取水管44に、弁V4(逆止弁)を排水管45にそれぞれ接続してポンプユニットの注排水系を成す。
【0068】
[注排水管] 2台のポンプ1の内向吸引口9bに配した弁V2、吐出口7の上の多分岐管に配した弁V3を経て同一垂直面内で注排水管49でポンプ1の直下に下りて分岐し、左舷側は船尾タンクAPTに右舷側はバラスト系ポンプユニットの注排水管43に至る。
【0069】
[ビルジ吸引系] 上記の外向吸引口9aに弁V1用分岐ピースを介してポンプ1毎に逆止弁V8を配し、機関室前部両舷のビルジ溜めBW(P)、BW(S)の直接ビルジ管にそれぞれ接続し、ポンプ1直下の注排水管49に逆止弁V9を配し、該ビルジ溜めBW(P)、BW(S)、機関室後部のビルジ溜めBW(A)及び二重底内空所Vdの共通ビルジ管に、逆止弁V10を配し船倉ビルジ管に接続し、船内ビルジ吸引系を成す。
【0070】
[吐出系] ポンプ1の各吐出口7の上の多分岐管に配した逆止弁V11を介して消防管に、逆止弁V12を介してエダクタ40の駆動水口にそれぞれ接続し、上述の逆止弁V4と共にポンプ1の吐出系を成す。
【0071】
[エダクタ系] 注排水管49の奥側分岐管に逆止弁13を配してエダクタ40の吸引口に接続し、エダクタ40の出口を排水管45に接続し上記の逆止弁V12と共にエダクタ40のビルジ吸引・排出系を成し、なお、エダクタ40の駆動水管に逆止弁14を介して圧縮空気源に接続し(詳細図示省略)エジェクタ作動を可能とする。
【0072】
[ビルジ系機能の集約化] 以上は既発明2の実施例1の図13に示す別案と同様の諸管系統のものであり、弁V9による共通ビルジ、弁V10による船倉ビルジ、注排水管49によるバラスト系ポンプの自吸補助(Priming)、残水吸取(Stripping)の諸機能は負圧吸引や空気吸込みにおいても安定作動するエダクタ40に集約して、ポンプ1は常に喫水線下で駆動水供給の安定運転で軸封シール損耗を防いで保守容易とし、直接ビルジは緊急吸引を考慮し、左右のポンプ1に個別の弁V8で以ってポンプ排水及びエダクタ排水の両機能を持たせる。
【0073】
[省スペース・配置合理化] ポンプ1の2吸引口により、既発明2における吸引口前の弁配置が簡潔になりポンプユニット占有スペースがほぼ2FS分に収まり、ケーシングカバー8の開放スペースがほぼ1FS分採れ、ポンプユニットの各端末の向きは両舷方向の配管の整合と相俟って機関室配置が合理化され、設計標準化に資するものである。
【実施例3】
【0074】
図面を参照し、本発明の横軸渦巻ポンプ及びポンプユニットを実施例3として、バラスト系ポンプユニットを、バラ積船(Bulk Carrier)の如き、ホッパー形の隔壁内の二重底上の梯形状の空所に設置の実施可能性について図面を参照し説明する(同一機能の要素は共通の符号で表し、前後左右などの区別の必要に応じ、f、r、a、bなどの補助記号を付加して示す)。
【0075】
[船倉隔壁内配置] バラスト系は荷役に伴い稼働する甲板部補機として取扱いも可能であり、船倉の中央すなわち船体のほぼ船首尾中央の隔壁内空所に設置の場合を考える。
【0076】
図9、図10において、船倉下部ホッパー隔壁WBHより成る二重底上の4FSの空所に、本発明のバラストポンプユニットの設置の場合は、取水管44を一旦二重底内に下ろしてホッパー隔壁WBHの補剛材WSとの干渉を避け、取水管44bでポンプ1下付近を通って注排水管43の肋骨間の舷側の縦骨間で二重底TTP上に立上げストレーナ53及び取水弁V1を経て海水箱54に接続し、該海水箱53の上に排水管45を導き排水弁V4(逆止弁)を配し、喫水との落差に応じ自流注排水及びポンプ注排水が可能且つ海水箱54と共にストレーナ53の逆洗を可能とし、バラスト系タンク・管路を常に清浄に保つ。
【0077】
ビルジ系の注排水管49を弁V7を介して接続し、ポンプ排水時の自吸補助(Priming)及び残水吸出し(Stripping)を可能とする。
【0078】
なお、船首尾間の中央部は空荷時のトリムにより喫水がかなり浅くなるので、海水箱54の取水口は船底TBPに配するなどを配慮し、港湾内での空槽喫水ではビルジ系ポンプユニットで船首タンクFPTに注水して取水口上の喫水を上げればよい。
【0079】
図6において、機関室の集約ストレーナ103は、ビルジ系ポンプ1の取水管44の代りにバラスト系用分岐管105に接続し、ビルジ系ポンプ1で海水箱101と共に逆洗可能とし、取水支弁106を経た連絡管107を既発明3の機関冷却装置の取水管とする。
【0080】
これにより、バラスト系注排水管43は前後半長で管路損失及び水撃作用が半減し、機関室前部中央は他補機設置可能となり、頗る好都合である。
【符号の説明】
【0081】
1 ポンプ部、ポンプケーシング 2 電動機
3 メインケーシング 4 端ブラケット
3v ボリュート部
5 フランジ 6 ボルト
7 吐出口 8 ケーシングカバー
8v ボリュート部
9 吸引口 9a、9b 左・右吸引口
10 ボルト 11 電動機軸
12 軸封部 13 羽根車部
14 キー 15 羽根車
15f 15r 羽根車吸込口 15e 羽根車外周
16 抑え板 17 ボルト
18 ライナリング 19 軸封部ボス
20 鍔付スリーブ 22s 短スリーブ
21 欠番 22 軸封シールセット、メカニカルシール
Sm 電動機軸受支間 Sp 片持長
Lm 電動機長 Lp ポンプ長
Lh 水平面間寸法 Lv 垂直面間寸法
L ポンプセット全長
V1、V2、V3、V4 注排水弁 V5 絞り弁
V6 連絡弁 V7 弁
VB5 支弁 23〜25 欠番
26 軸封水管 27 小フィルタ
28、29 欠番
30 水切鍔 31 水抜き・点検穴
32 固定子枠 33、34 軸受
35 電動機端子箱 36 電動機吊環
37 電動機支脚 38 電動機支台
39 欠番
40 エダクタ 41 エルボー
42 T分岐ピース 43 注排水管、バラスト系注排水管
43b 注排水管(二重底内) 43u 注排水管低所
44b 取水管 46 連絡管(二重底内)
44 取水管 45 排水管
46 連絡管 47 端末管
48 端末ベルマウス 49 注排水管、ビルジ系注排水管
101 海水箱 102 取水元弁
103 集約ストレーナ 104 バラスト系ポンプユニット
105 取水管 106 取水支弁
107 連絡管 108 ビルジ系ポンプユニット
109 機関冷却装置
50 多分岐管 501 対向分岐管
502、503、504 上向き分岐管 51 T分岐ピース
52 他補機 53 すトレーナ
54 海水箱
FR 肋骨 CL 船軸
FS 肋骨間隔 LS 縦骨、縦骨間隔
TTP 二重底上板 FLR 通路床
WBH 横隔壁 MBH 中央隔壁
TBP 船底板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプケーシングの左右に吸引口を配して該吸引口相互間及び羽根車吸込口に至る流路を形成し、軸端側にケーシンクカバーを配して開放可能とし、羽根車を取外して軸封シールを取替え可能に構成した、主として横軸姿勢で使用する両吸込形及び片吸込形渦巻ポンプ。
【請求項2】
請求項1の渦巻ポンプの左右吸引口に弁(V1)、(V2)を、吐出側にT分岐ピースを介して弁(V3)、(V4)を同一鉛直面内に配置し、弁(V2)、(V3)を注排水管に、弁(V1)を取水管に、弁(V4)を排水管にそれぞれ接続し、弁(V1)、(V2)を開いて自流注水、弁(V3)、(V4)を開いて自流排水、弁(V1)、(V3)を開いてポンプ注水、弁(V2)、(V4)を開いてポンプ排水するよう注排水系統を構成したバラスト系ポンプユニット。
【請求項3】
請求項1の渦巻ポンプ2台を並列配置し、対向側の各吸引口に弁(V2)を、各吐出口の上に配した多分岐管の内の対向分岐管に弁(V3)をそれぞれ配して縦姿勢の注排水管に接続し、該注排水管をポンプ下で弁(V2)、(V3)と同一鉛直面内にT分岐して船尾タンク及び請求項2のバラスト系ポンプユニットの注排水管に接続し、外向側の各吸引口にT分岐管を介して弁(V1)及び逆止弁(V8)を配して取水管及び左右舷の直接ビルジ管にそれぞれ接続し、ポンプ下でT分岐の注排水管に逆止弁(V9)、(V10)を並列装着して間接ビルジ管及び船倉ビルジ管にそれぞれ接続し、該多分岐管の上向管に逆止弁(V11)、(V4)、(V12)を配して消防管、排水管及びエダクタ駆動水口に、該注排水管の縦姿勢部から分岐し逆止弁(V13)を介してエダクタ吸引口にそれぞれ接続し、注排水、ビルジ吸引及び消防高圧水供給のそれぞれ系統を構成したビルジ系ポンプユニット。











【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−21501(P2011−21501A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−165327(P2009−165327)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【出願人】(595030206)
【Fターム(参考)】