温度補償型水晶発振器
【課題】発振回路の出力周波数を制御する3次関数制御電圧の電圧ノイズを低減した温度補償型水晶発振器を提供する。
【解決手段】水晶振動子と、発振周波数制御装置を備えた増幅器と、水晶の発振周波数の温度補償回路と、で構成される温度補償型水晶発振器であって、前記温度補償回路の補償電圧のリファレンス電圧を、ダイオードの順方向電圧を使用して生成することを特徴とする。
【解決手段】水晶振動子と、発振周波数制御装置を備えた増幅器と、水晶の発振周波数の温度補償回路と、で構成される温度補償型水晶発振器であって、前記温度補償回路の補償電圧のリファレンス電圧を、ダイオードの順方向電圧を使用して生成することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧可変容量素子を用いた温度補償型水晶発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の水晶発振回路の発振周波数は、水晶振動子の物理的構造から温度に対して3次関数の変動をすることが知られている。現在の温度補償型水晶発振器(以下TCXO)は、温度センサとして、バンドギャップリファレンスVtに比例した電流を使用したものや、抵抗の温度特性を使用したものを用いるのが主流である。このような温度センサを利用して3次関数特性を実現している。例えば、特許文献1及び2に開示された回路によれば、温度センサで作られた電流及び電圧を3次関数として合成する際に、レギュレータを抵抗分割して構成した電圧をリファレンスとして用いている。
【0003】
図14は、従来のTCXOの一例を説明するための図である。図14の構成によれば、バンドギャップ電圧Vtに比例した電流(即ち、温度に比例した電流)と定電流ICONSTを差し引いた電流を電圧に変換して、水晶に合ったバイアスを出力するように調整する。
【0004】
図15は、従来のTCXOの他の例を説明するための図である。図15のTCXOでは、2種類の温度係数の異なる抵抗を利用して温度センサを構成している。このTCXOでは、温度センサ1、1次関数回路2及び3次関数回路3によって、1次関数特性と、更に1次関数特性+3次関数特性をセンサ電流で作る。そして、レギュレータ電圧の抵抗分割した電圧をリファレンスバッファアンプ4でバッファして制御電圧の基準(レファレンス)を作り、温度センサ電流を抵抗で電圧に変換して、水晶に合ったバイアスを出力するように調整する。
【0005】
【特許文献1】特許第3129974号公報 第5頁〜第12頁 図1
【特許文献2】特許第3129240号公報 第6頁〜第9頁 図1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、TCXOの位相ノイズには主に2種類あり、その和でノイズが決定される。1つは発振制御素子を含む発振回路単体の位相ノイズであり、もう1つは発振回路の出力周波数を制御する3次関数制御電圧の電圧ノイズである。
【0007】
このうち、図15に示すB点における3次関数制御電圧ノイズを低減させることが重要である。B点のノイズを分析すると、温度センサからのノイズとリファレンス電圧のノイズに分けることができる。ところが、従来の回路構成では、リファレンスにレギュレータの抵抗分割の電圧をバッファして構成すると、バッファ出力としてレギュレータのノイズが支配的となる。このため、制御電圧を低減させるために電流を増加させる必要があり、その結果トランジスタサイズを大きくせねばならず、低電流、小型化の面で課題が生じていた。
【0008】
図16は、従来の3次関数発生回路の特性図である。図に示すように、3次電圧出力は、1次関数成分の出力と3次関数成分の出力の和で構成されている。ここで、1次関数の従来の構成では、温度センサにより−8mV/℃程度の傾きを実現していた。しかしながら、この温度センサに起因するノイズが、位相ノイズに影響を与えていた。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、発振制御電圧のノイズを低減した温度補償型水晶発振器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の温度補償型水晶発振器は、水晶振動子と、発振周波数制御装置を備えた増幅器と、前記水晶振動子の発振周波数の温度補償回路と、で構成される温度補償型水晶発振器であって、前記温度補償回路の補償電圧のリファレンス電圧を、ダイオードの順方向電圧を使用して生成することを特徴とする。
上記構成によれば、ダイオードの温度特性と良好なノイズ特性を利用してリファレンス電圧兼温度センサとして使用することにより、発振制御電圧のローノイズ化を行うことができる。
【0011】
また、本発明の温度補償型水晶発振器は、水晶振動子と、発振周波数制御装置を備えた増幅器と、前記水晶振動子の発振周波数の温度補償回路と、で構成される温度補償型水晶発振器であって、前記温度補償回路の補償電圧を、1次成分と3次成分に分けて前記発振周波数制御装置に印加することを特徴とする。
上記構成によれば、温度補償回路の補償電圧を1次成分と3次成分に分けて発振周波数制御装置に印加することにより、発振制御電圧のローノイズ化を行うことができる。
【0012】
また、本発明の温度補償型水晶発振器は、水晶振動子と、発振周波数制御装置を備えた増幅器と、前記水晶振動子の発振周波数の温度補償回路と、で構成される温度補償型水晶発振器であって、前記温度補償回路を、1次成分と3次成分に分けて構成する場合に、1次成分の補償電圧のリファレンス電圧を、ダイオードの順方向電圧を使用して生成することを特徴とする。
上記構成によれば、発振制御電圧のローノイズ化を行うことができる。
【0013】
また、本発明の温度補償型水晶発振器は、水晶振動子と、発振周波数制御装置を備えた増幅器と、前記水晶振動子の発振周波数の温度補償回路と、で構成される温度補償型水晶発振器であって、前記温度補償回路を、1次成分と3次成分に分けて構成する場合に、3次成分の補償電圧のリファレンス電圧を、ダイオードの順方向電圧を使用して生成することを特徴とする。
上記構成によれば、発振制御電圧のローノイズ化を行うことができる。
【0014】
また、本発明の温度補償型水晶発振器は、水晶振動子と、発振周波数制御装置を備えた増幅器と、前記水晶振動子の発振周波数の温度補償回路と、で構成される温度補償型水晶発振器であって、前記温度補償回路の補償電圧を1次成分と3次成分に分けて発振周波数制御装置に印加する場合に、1次成分と3次成分を、それぞれ、ダイオードの順方向電圧をリファレンス電圧として生成することを特徴とする。
上記構成によれば、発振制御電圧のローノイズ化を行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の温度補償型水晶発振器によれば、発振制御電圧のローノイズ化を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態における温度補償型水晶発振器について図面を参照しながら説明する。以下に説明する温度補償型水晶発振器(TCXO)は、水晶振動子と、発振周波数制御装置を備えた増幅器と、前記水晶振動子の発振周波数の温度補償回路と、で構成される。なお、従来技術と同様の回路構成については同じ符号を付す。
【0017】
図1は、本発明の温度補償型水晶発振器における温度補償回路を構成する1次関数発生回路について説明するための図である。発振周波数制御装置に印加する制御電圧である3次電圧出力は、1次関数成分(1次成分)の出力と3次関数成分(3次成分)の出力の和で構成されている。本実施形態では、温度センサのみで1次関数を設計するのではなく、ノイズの良好なダイオードの順方向電圧を補償回路のリファレンスとして使用することにより、ノイズ低減の効果が得られる。例えば、図1に示すように−8mVの内、−4mVを温度センサで構成し、残りの−4mVをダイオードを2個直列に接続し、その電圧をリファレンスとすることにより、ノイズの要因となる温度センサの影響を従来よりも小さくすることができるため、電圧ノイズの低減を行うことが可能である。
【0018】
以下、図1に示した1次関数を発生させる1次関数発生回路の構成例を示す。
【0019】
図2は、本発明の温度補償型水晶発振器における1次関数発生回路の構成図である。図に示す1次関数発生回路は、バンドギャップ電圧Vtを利用した温度センサ1、1次関数回路2、及び、リファレンスバッファアンプ4に加え、互いに直列接続された2つのダイオードを含んで構成される。温度センサ1は一般的なバンドギャップリファレンス回路を利用している。そこで発生した温特のある電流(Vtに比例した電流)をPNPトランジスタのカレントミラーを用いてItとして構成する。また、定電流源により温度特性の無い電流I0を構成し、常温付近でIt−I0=0となるよう調整する。このIt−I0の電流を抵抗R1に入力させ、1次関数発生回路の出力として1次関数の特性を得る。ここで、リファレンスのバッファアンプの入力は2ダイオードになっていてローノイズになっている。しかも−4mV/℃の温度特性を有している。図1を参照して上述したように−8mVを作る場合、2ダイオードの−4mVと(It−I0)R1で作った−4mVを足し合わせて構成すると、電圧ノイズの低減を図ることが出来る。R1を従来の1/2に設定することが出来るからである。
【0020】
図3は、本発明の温度補償型水晶発振器における別の1次関数発生回路の構成図である。図に示す1次関数発生回路は、温度特性の違う抵抗を利用した温度センサ1、1次関数回路2、及び、リファレンスバッファアンプ4に加え、互いに直列接続された2つのダイオードを含んで構成される。温度センサ1は、抵抗R2と抵抗R3の温度特性差を利用した回路になっている。温特の無い電流I0をNPNのカレントミラー回路に入力する。このときカレントミラー回路のエミッタ抵抗が、拡散抵抗とポリシリコン抵抗で異なっている。例えば、カレントミラー元のエミッタ抵抗がポリシリコンで、カレントミラー回路の出力のエミッタ抵抗が拡散抵抗であった場合、It2は負の温度特性をもつことになる。逆にIt1は正の温度特性を持つ事になる。このように構成された1次関数回路2の出力を抵抗R1に入力することで、図2の場合と同様のローノイズの効果を得ることが出来る。
【0021】
ところで、上述した1次関数とともに3次電圧出力を構成する3次関数特性の傾きは、ダイオードと異なる温度特性の傾きである。したがって、発振制御回路の可変容量素子に印加する極性を反対にすることにより、ダイオードと同じ傾きに変えることができる。すなわち、3次関数特性についても、1次関数の場合と同様に、ダイオードの温度特性と良好なノイズ特性を生かして電圧ノイズの低減を行うことが可能である。
【0022】
[実施の形態1]
図4は、本発明の実施の形態1における温度補償型水晶発振器の制御電圧発生回路を示す構成図である。図に示す制御電圧発生回路は、図3に示した1次関数発生回路に、3次関数回路3を加えたもので、1次関数回路と3次関数回路のリファレンス電圧を、ダイオードを2個直列に繋いだ順方向電圧を使用して生成している。このときも例えば、1次回路の傾きを−4mV/℃に設計し、リファレンス電圧の温度特性も−4mV/℃にして、AB点での−8mV/℃を実現し、同時にローノイズを実現することができる。
【0023】
図5は、本発明の実施の形態1における温度補償型水晶発振器の別の制御電圧発生回路を示す構成図である。図に示す制御電圧発生回路は、図2に示した1次関数発生回路に、3次関数回路3を加えたもので、1次関数回路と3次関数回路のリファレンス電圧を、ダイオードを2個直列に繋いだ順方向電圧を使用して生成している。このときも例えば、1次回路の傾きを−4mV/℃に設計し、リファレンス電圧の温度特性も−4mV/℃にして、AB点での−8mV/℃を実現し、同時にローノイズを実現することができる。
【0024】
[実施の形態2]
図6は、本発明の実施の形態2における温度補償型水晶発振器の、電圧制御型発振器の構成を説明する図である。MOSバラクタのゲートだけでなく、ドレインにも制御電圧を印加することができるように容量を追加している。図に示すように、制御電圧(補償電圧)を、電圧制御回路1で生成した1次関数成分と、電圧制御回路2で生成した3次関数成分に分けて、発振制御回路に印加する。
【0025】
図6に示す水晶発振器は、発振インバータと帰還抵抗、水晶振動子で構成され、水晶発振器の周波数を制御する為にMOSトランジスタを可変容量として利用し、MOSトランジスタのゲートとドレインを制御して周波数を一定にする回路である。制御電圧を1次成分と3次成分とに分けて考えると、同図に示す様な特性となる。1次電圧は、図2,3を参照して説明した様に、ダイオードを利用してローノイズ化を図ることが出来る。一方、3次電圧のゲート入力時の波形は、ダイオードの温度特性の向きと異なるためダイオードのローノイズ特性と温度特性を活用し難い。そこで、3次電圧をドレインに入力することにより極性を反転させる。これにより、3次電圧は、高低温領域でダイオードと同じ温度特性の向きになるので、1次電圧と同じ様に高低温領域でダイオードを利用してローノイズ化を図ることが出来る。
【0026】
上述したように、この構成によれば、温度補償回路の補償電圧を1次成分と3次成分に分けて発振周波数制御装置に印加することにより、発振制御電圧のローノイズ化を行うことができる。
【0027】
図7は、本発明の実施の形態2における温度補償型水晶発振器の、電圧制御型発振器のf−V特性図であり、MOSバラクタのゲート電圧とドレイン電圧を独立に変化させた時の周波数fの変化を示している。極性が変転しており、傾きは絶対値で考えると等しい特性となっている。尚、図6に示す電圧制御型発振器の構成ではMOSバラクタで記載しているが、ジャンクション容量のカソード、アノードでも同様の特性を得ることができる。
【0028】
従来の、例えば図14に示した回路においては、(1次成分と3次成分を合成した)制御電圧は、MOSトランジスタのゲートに入力される。一方、図6の構成では1次成分と3次成分を分割して入力するため、1次成分は従来のMOSトランジスタのゲートへ入力し、3次成分は、MOSトランジスタのドレインに入力する。ドレインに入力する理由は、図8及び図9に示すように、3次特性とダイオード特性の向きを同じにするには従来の極性と反転させる必要があるためである。
【0029】
図8は、本発明の実施の形態2における温度補償型水晶発振器の、1次関数制御電圧の特性図である。図に示すように、1次制御電圧は従来の特性と変化がない(図16参照)。一方、図9は、本発明の実施の形態2における温度補償型水晶発振器の、3次関数制御電圧の特性図である。図に示すように、3次制御電圧は従来とは逆の特性を示している(図16参照)。この構成により、1次成分と3次成分を分けて、MOSバラクタの極性の異なるノードにバイアスを印加することが可能である。このときの3次回路の構成は、例えば、前述の特許文献1に開示されている従来の関数発生回路を使用して構成することが可能である。
【0030】
[実施の形態3]
図10は、本発明の実施の形態3における温度補償型水晶発振器の、制御電圧発生回路を示す構成図である。抵抗を温度センサとして利用した場合の例である。1次関数と3次関数を、個別のリファレンス電圧を基準に構成している。1次関数のリファレンスは、ダイオードを利用して構成されている。また、3次関数の方のリファレンスは抵抗分割で構成されている。これにより1次関数側の制御電圧のローノイズ化を図ることができる。
【0031】
[実施の形態4]
図11は、本発明の実施の形態4における温度補償型水晶発振器の、制御電圧発生回路を示す構成図である。抵抗を温度センサとして利用した場合の例である。1次関数と3次関数を、個別のリファレンス電圧を基準に構成している。3次関数のリファレンスは、ダイオードを利用して構成されている。また、1次関数の方のリファレンスは抵抗分割で構成されている。これにより3次関数側の制御電圧のローノイズ化を図ることができる。
【0032】
[実施の形態5]
図12及び図13は、本発明の実施の形態5における温度補償型水晶発振器の、制御電圧発生回路を示す構成図である。抵抗を温度センサとして利用した場合の例である。1次関数と3次関数を、個別のリファレンス電圧を基準に構成している。1次関数と3次関数のリファレンスは、ダイオードを利用して構成されている。これにより1次関数と3次関数側の制御電圧のローノイズ化が図ることができる。尚、図12はバッファアンプをそれぞれ設けた回路で、図13は1つのバッファアンプに統一した回路である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の温度補償型水晶発振器は、発振制御電圧のノイズを低減できるという効果を有し、電圧可変容量素子を用いた温度補償型水晶発振器等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の温度補償型水晶発振器における温度補償回路を構成する1次関数発生回路について説明するための図
【図2】本発明の温度補償型水晶発振器における1次関数発生回路の構成図
【図3】本発明の温度補償型水晶発振器における別の1次関数発生回路の構成図
【図4】本発明の実施の形態1における温度補償型水晶発振器の制御電圧発生回路を示す構成図
【図5】本発明の実施の形態1における温度補償型水晶発振器の別の制御電圧発生回路を示す構成図
【図6】本発明の実施の形態2における温度補償型水晶発振器の、電圧制御型発振器の構成図
【図7】本発明の実施の形態2における温度補償型水晶発振器の、電圧制御型発振器のf−V特性図
【図8】本発明の実施の形態2における温度補償型水晶発振器の、1次関数制御電圧の特性図
【図9】本発明の実施の形態2における温度補償型水晶発振器の、3次関数制御電圧の特性図
【図10】本発明の実施の形態3における温度補償型水晶発振器の、制御電圧発生回路を示す構成図
【図11】本発明の実施の形態4における温度補償型水晶発振器の、制御電圧発生回路を示す構成図
【図12】本発明の実施の形態5における温度補償型水晶発振器の、制御電圧発生回路を示す構成図
【図13】本発明の実施の形態5における温度補償型水晶発振器の、制御電圧発生回路を示す構成図
【図14】従来のTCXOの一例を説明するための図
【図15】従来のTCXOの他の例を説明するための図
【図16】従来の3次関数発生回路の特性図
【符号の説明】
【0035】
1 温度センサ
2 1次関数発生回路
3 3次関数発生回路
4 リファレンスバッファアンプ
5 3次回路用リファレンスバッファアンプ
6 1次回路用リファレンスバッファアンプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧可変容量素子を用いた温度補償型水晶発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の水晶発振回路の発振周波数は、水晶振動子の物理的構造から温度に対して3次関数の変動をすることが知られている。現在の温度補償型水晶発振器(以下TCXO)は、温度センサとして、バンドギャップリファレンスVtに比例した電流を使用したものや、抵抗の温度特性を使用したものを用いるのが主流である。このような温度センサを利用して3次関数特性を実現している。例えば、特許文献1及び2に開示された回路によれば、温度センサで作られた電流及び電圧を3次関数として合成する際に、レギュレータを抵抗分割して構成した電圧をリファレンスとして用いている。
【0003】
図14は、従来のTCXOの一例を説明するための図である。図14の構成によれば、バンドギャップ電圧Vtに比例した電流(即ち、温度に比例した電流)と定電流ICONSTを差し引いた電流を電圧に変換して、水晶に合ったバイアスを出力するように調整する。
【0004】
図15は、従来のTCXOの他の例を説明するための図である。図15のTCXOでは、2種類の温度係数の異なる抵抗を利用して温度センサを構成している。このTCXOでは、温度センサ1、1次関数回路2及び3次関数回路3によって、1次関数特性と、更に1次関数特性+3次関数特性をセンサ電流で作る。そして、レギュレータ電圧の抵抗分割した電圧をリファレンスバッファアンプ4でバッファして制御電圧の基準(レファレンス)を作り、温度センサ電流を抵抗で電圧に変換して、水晶に合ったバイアスを出力するように調整する。
【0005】
【特許文献1】特許第3129974号公報 第5頁〜第12頁 図1
【特許文献2】特許第3129240号公報 第6頁〜第9頁 図1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、TCXOの位相ノイズには主に2種類あり、その和でノイズが決定される。1つは発振制御素子を含む発振回路単体の位相ノイズであり、もう1つは発振回路の出力周波数を制御する3次関数制御電圧の電圧ノイズである。
【0007】
このうち、図15に示すB点における3次関数制御電圧ノイズを低減させることが重要である。B点のノイズを分析すると、温度センサからのノイズとリファレンス電圧のノイズに分けることができる。ところが、従来の回路構成では、リファレンスにレギュレータの抵抗分割の電圧をバッファして構成すると、バッファ出力としてレギュレータのノイズが支配的となる。このため、制御電圧を低減させるために電流を増加させる必要があり、その結果トランジスタサイズを大きくせねばならず、低電流、小型化の面で課題が生じていた。
【0008】
図16は、従来の3次関数発生回路の特性図である。図に示すように、3次電圧出力は、1次関数成分の出力と3次関数成分の出力の和で構成されている。ここで、1次関数の従来の構成では、温度センサにより−8mV/℃程度の傾きを実現していた。しかしながら、この温度センサに起因するノイズが、位相ノイズに影響を与えていた。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、発振制御電圧のノイズを低減した温度補償型水晶発振器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の温度補償型水晶発振器は、水晶振動子と、発振周波数制御装置を備えた増幅器と、前記水晶振動子の発振周波数の温度補償回路と、で構成される温度補償型水晶発振器であって、前記温度補償回路の補償電圧のリファレンス電圧を、ダイオードの順方向電圧を使用して生成することを特徴とする。
上記構成によれば、ダイオードの温度特性と良好なノイズ特性を利用してリファレンス電圧兼温度センサとして使用することにより、発振制御電圧のローノイズ化を行うことができる。
【0011】
また、本発明の温度補償型水晶発振器は、水晶振動子と、発振周波数制御装置を備えた増幅器と、前記水晶振動子の発振周波数の温度補償回路と、で構成される温度補償型水晶発振器であって、前記温度補償回路の補償電圧を、1次成分と3次成分に分けて前記発振周波数制御装置に印加することを特徴とする。
上記構成によれば、温度補償回路の補償電圧を1次成分と3次成分に分けて発振周波数制御装置に印加することにより、発振制御電圧のローノイズ化を行うことができる。
【0012】
また、本発明の温度補償型水晶発振器は、水晶振動子と、発振周波数制御装置を備えた増幅器と、前記水晶振動子の発振周波数の温度補償回路と、で構成される温度補償型水晶発振器であって、前記温度補償回路を、1次成分と3次成分に分けて構成する場合に、1次成分の補償電圧のリファレンス電圧を、ダイオードの順方向電圧を使用して生成することを特徴とする。
上記構成によれば、発振制御電圧のローノイズ化を行うことができる。
【0013】
また、本発明の温度補償型水晶発振器は、水晶振動子と、発振周波数制御装置を備えた増幅器と、前記水晶振動子の発振周波数の温度補償回路と、で構成される温度補償型水晶発振器であって、前記温度補償回路を、1次成分と3次成分に分けて構成する場合に、3次成分の補償電圧のリファレンス電圧を、ダイオードの順方向電圧を使用して生成することを特徴とする。
上記構成によれば、発振制御電圧のローノイズ化を行うことができる。
【0014】
また、本発明の温度補償型水晶発振器は、水晶振動子と、発振周波数制御装置を備えた増幅器と、前記水晶振動子の発振周波数の温度補償回路と、で構成される温度補償型水晶発振器であって、前記温度補償回路の補償電圧を1次成分と3次成分に分けて発振周波数制御装置に印加する場合に、1次成分と3次成分を、それぞれ、ダイオードの順方向電圧をリファレンス電圧として生成することを特徴とする。
上記構成によれば、発振制御電圧のローノイズ化を行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の温度補償型水晶発振器によれば、発振制御電圧のローノイズ化を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態における温度補償型水晶発振器について図面を参照しながら説明する。以下に説明する温度補償型水晶発振器(TCXO)は、水晶振動子と、発振周波数制御装置を備えた増幅器と、前記水晶振動子の発振周波数の温度補償回路と、で構成される。なお、従来技術と同様の回路構成については同じ符号を付す。
【0017】
図1は、本発明の温度補償型水晶発振器における温度補償回路を構成する1次関数発生回路について説明するための図である。発振周波数制御装置に印加する制御電圧である3次電圧出力は、1次関数成分(1次成分)の出力と3次関数成分(3次成分)の出力の和で構成されている。本実施形態では、温度センサのみで1次関数を設計するのではなく、ノイズの良好なダイオードの順方向電圧を補償回路のリファレンスとして使用することにより、ノイズ低減の効果が得られる。例えば、図1に示すように−8mVの内、−4mVを温度センサで構成し、残りの−4mVをダイオードを2個直列に接続し、その電圧をリファレンスとすることにより、ノイズの要因となる温度センサの影響を従来よりも小さくすることができるため、電圧ノイズの低減を行うことが可能である。
【0018】
以下、図1に示した1次関数を発生させる1次関数発生回路の構成例を示す。
【0019】
図2は、本発明の温度補償型水晶発振器における1次関数発生回路の構成図である。図に示す1次関数発生回路は、バンドギャップ電圧Vtを利用した温度センサ1、1次関数回路2、及び、リファレンスバッファアンプ4に加え、互いに直列接続された2つのダイオードを含んで構成される。温度センサ1は一般的なバンドギャップリファレンス回路を利用している。そこで発生した温特のある電流(Vtに比例した電流)をPNPトランジスタのカレントミラーを用いてItとして構成する。また、定電流源により温度特性の無い電流I0を構成し、常温付近でIt−I0=0となるよう調整する。このIt−I0の電流を抵抗R1に入力させ、1次関数発生回路の出力として1次関数の特性を得る。ここで、リファレンスのバッファアンプの入力は2ダイオードになっていてローノイズになっている。しかも−4mV/℃の温度特性を有している。図1を参照して上述したように−8mVを作る場合、2ダイオードの−4mVと(It−I0)R1で作った−4mVを足し合わせて構成すると、電圧ノイズの低減を図ることが出来る。R1を従来の1/2に設定することが出来るからである。
【0020】
図3は、本発明の温度補償型水晶発振器における別の1次関数発生回路の構成図である。図に示す1次関数発生回路は、温度特性の違う抵抗を利用した温度センサ1、1次関数回路2、及び、リファレンスバッファアンプ4に加え、互いに直列接続された2つのダイオードを含んで構成される。温度センサ1は、抵抗R2と抵抗R3の温度特性差を利用した回路になっている。温特の無い電流I0をNPNのカレントミラー回路に入力する。このときカレントミラー回路のエミッタ抵抗が、拡散抵抗とポリシリコン抵抗で異なっている。例えば、カレントミラー元のエミッタ抵抗がポリシリコンで、カレントミラー回路の出力のエミッタ抵抗が拡散抵抗であった場合、It2は負の温度特性をもつことになる。逆にIt1は正の温度特性を持つ事になる。このように構成された1次関数回路2の出力を抵抗R1に入力することで、図2の場合と同様のローノイズの効果を得ることが出来る。
【0021】
ところで、上述した1次関数とともに3次電圧出力を構成する3次関数特性の傾きは、ダイオードと異なる温度特性の傾きである。したがって、発振制御回路の可変容量素子に印加する極性を反対にすることにより、ダイオードと同じ傾きに変えることができる。すなわち、3次関数特性についても、1次関数の場合と同様に、ダイオードの温度特性と良好なノイズ特性を生かして電圧ノイズの低減を行うことが可能である。
【0022】
[実施の形態1]
図4は、本発明の実施の形態1における温度補償型水晶発振器の制御電圧発生回路を示す構成図である。図に示す制御電圧発生回路は、図3に示した1次関数発生回路に、3次関数回路3を加えたもので、1次関数回路と3次関数回路のリファレンス電圧を、ダイオードを2個直列に繋いだ順方向電圧を使用して生成している。このときも例えば、1次回路の傾きを−4mV/℃に設計し、リファレンス電圧の温度特性も−4mV/℃にして、AB点での−8mV/℃を実現し、同時にローノイズを実現することができる。
【0023】
図5は、本発明の実施の形態1における温度補償型水晶発振器の別の制御電圧発生回路を示す構成図である。図に示す制御電圧発生回路は、図2に示した1次関数発生回路に、3次関数回路3を加えたもので、1次関数回路と3次関数回路のリファレンス電圧を、ダイオードを2個直列に繋いだ順方向電圧を使用して生成している。このときも例えば、1次回路の傾きを−4mV/℃に設計し、リファレンス電圧の温度特性も−4mV/℃にして、AB点での−8mV/℃を実現し、同時にローノイズを実現することができる。
【0024】
[実施の形態2]
図6は、本発明の実施の形態2における温度補償型水晶発振器の、電圧制御型発振器の構成を説明する図である。MOSバラクタのゲートだけでなく、ドレインにも制御電圧を印加することができるように容量を追加している。図に示すように、制御電圧(補償電圧)を、電圧制御回路1で生成した1次関数成分と、電圧制御回路2で生成した3次関数成分に分けて、発振制御回路に印加する。
【0025】
図6に示す水晶発振器は、発振インバータと帰還抵抗、水晶振動子で構成され、水晶発振器の周波数を制御する為にMOSトランジスタを可変容量として利用し、MOSトランジスタのゲートとドレインを制御して周波数を一定にする回路である。制御電圧を1次成分と3次成分とに分けて考えると、同図に示す様な特性となる。1次電圧は、図2,3を参照して説明した様に、ダイオードを利用してローノイズ化を図ることが出来る。一方、3次電圧のゲート入力時の波形は、ダイオードの温度特性の向きと異なるためダイオードのローノイズ特性と温度特性を活用し難い。そこで、3次電圧をドレインに入力することにより極性を反転させる。これにより、3次電圧は、高低温領域でダイオードと同じ温度特性の向きになるので、1次電圧と同じ様に高低温領域でダイオードを利用してローノイズ化を図ることが出来る。
【0026】
上述したように、この構成によれば、温度補償回路の補償電圧を1次成分と3次成分に分けて発振周波数制御装置に印加することにより、発振制御電圧のローノイズ化を行うことができる。
【0027】
図7は、本発明の実施の形態2における温度補償型水晶発振器の、電圧制御型発振器のf−V特性図であり、MOSバラクタのゲート電圧とドレイン電圧を独立に変化させた時の周波数fの変化を示している。極性が変転しており、傾きは絶対値で考えると等しい特性となっている。尚、図6に示す電圧制御型発振器の構成ではMOSバラクタで記載しているが、ジャンクション容量のカソード、アノードでも同様の特性を得ることができる。
【0028】
従来の、例えば図14に示した回路においては、(1次成分と3次成分を合成した)制御電圧は、MOSトランジスタのゲートに入力される。一方、図6の構成では1次成分と3次成分を分割して入力するため、1次成分は従来のMOSトランジスタのゲートへ入力し、3次成分は、MOSトランジスタのドレインに入力する。ドレインに入力する理由は、図8及び図9に示すように、3次特性とダイオード特性の向きを同じにするには従来の極性と反転させる必要があるためである。
【0029】
図8は、本発明の実施の形態2における温度補償型水晶発振器の、1次関数制御電圧の特性図である。図に示すように、1次制御電圧は従来の特性と変化がない(図16参照)。一方、図9は、本発明の実施の形態2における温度補償型水晶発振器の、3次関数制御電圧の特性図である。図に示すように、3次制御電圧は従来とは逆の特性を示している(図16参照)。この構成により、1次成分と3次成分を分けて、MOSバラクタの極性の異なるノードにバイアスを印加することが可能である。このときの3次回路の構成は、例えば、前述の特許文献1に開示されている従来の関数発生回路を使用して構成することが可能である。
【0030】
[実施の形態3]
図10は、本発明の実施の形態3における温度補償型水晶発振器の、制御電圧発生回路を示す構成図である。抵抗を温度センサとして利用した場合の例である。1次関数と3次関数を、個別のリファレンス電圧を基準に構成している。1次関数のリファレンスは、ダイオードを利用して構成されている。また、3次関数の方のリファレンスは抵抗分割で構成されている。これにより1次関数側の制御電圧のローノイズ化を図ることができる。
【0031】
[実施の形態4]
図11は、本発明の実施の形態4における温度補償型水晶発振器の、制御電圧発生回路を示す構成図である。抵抗を温度センサとして利用した場合の例である。1次関数と3次関数を、個別のリファレンス電圧を基準に構成している。3次関数のリファレンスは、ダイオードを利用して構成されている。また、1次関数の方のリファレンスは抵抗分割で構成されている。これにより3次関数側の制御電圧のローノイズ化を図ることができる。
【0032】
[実施の形態5]
図12及び図13は、本発明の実施の形態5における温度補償型水晶発振器の、制御電圧発生回路を示す構成図である。抵抗を温度センサとして利用した場合の例である。1次関数と3次関数を、個別のリファレンス電圧を基準に構成している。1次関数と3次関数のリファレンスは、ダイオードを利用して構成されている。これにより1次関数と3次関数側の制御電圧のローノイズ化が図ることができる。尚、図12はバッファアンプをそれぞれ設けた回路で、図13は1つのバッファアンプに統一した回路である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の温度補償型水晶発振器は、発振制御電圧のノイズを低減できるという効果を有し、電圧可変容量素子を用いた温度補償型水晶発振器等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の温度補償型水晶発振器における温度補償回路を構成する1次関数発生回路について説明するための図
【図2】本発明の温度補償型水晶発振器における1次関数発生回路の構成図
【図3】本発明の温度補償型水晶発振器における別の1次関数発生回路の構成図
【図4】本発明の実施の形態1における温度補償型水晶発振器の制御電圧発生回路を示す構成図
【図5】本発明の実施の形態1における温度補償型水晶発振器の別の制御電圧発生回路を示す構成図
【図6】本発明の実施の形態2における温度補償型水晶発振器の、電圧制御型発振器の構成図
【図7】本発明の実施の形態2における温度補償型水晶発振器の、電圧制御型発振器のf−V特性図
【図8】本発明の実施の形態2における温度補償型水晶発振器の、1次関数制御電圧の特性図
【図9】本発明の実施の形態2における温度補償型水晶発振器の、3次関数制御電圧の特性図
【図10】本発明の実施の形態3における温度補償型水晶発振器の、制御電圧発生回路を示す構成図
【図11】本発明の実施の形態4における温度補償型水晶発振器の、制御電圧発生回路を示す構成図
【図12】本発明の実施の形態5における温度補償型水晶発振器の、制御電圧発生回路を示す構成図
【図13】本発明の実施の形態5における温度補償型水晶発振器の、制御電圧発生回路を示す構成図
【図14】従来のTCXOの一例を説明するための図
【図15】従来のTCXOの他の例を説明するための図
【図16】従来の3次関数発生回路の特性図
【符号の説明】
【0035】
1 温度センサ
2 1次関数発生回路
3 3次関数発生回路
4 リファレンスバッファアンプ
5 3次回路用リファレンスバッファアンプ
6 1次回路用リファレンスバッファアンプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水晶振動子と、発振周波数制御装置を備えた増幅器と、前記水晶振動子の発振周波数の温度補償回路と、で構成される温度補償型水晶発振器であって、
前記温度補償回路の補償電圧のリファレンス電圧を、ダイオードの順方向電圧を使用して生成することを特徴とする温度補償型水晶発振器。
【請求項2】
水晶振動子と、発振周波数制御装置を備えた増幅器と、前記水晶振動子の発振周波数の温度補償回路と、で構成される温度補償型水晶発振器であって、
前記温度補償回路の補償電圧を、1次成分と3次成分に分けて前記発振周波数制御装置に印加することを特徴とする温度補償型水晶発振器。
【請求項3】
水晶振動子と、発振周波数制御装置を備えた増幅器と、前記水晶振動子の発振周波数の温度補償回路と、で構成される温度補償型水晶発振器であって、
前記温度補償回路を、1次成分と3次成分に分けて構成する場合に、1次成分の補償電圧のリファレンス電圧を、ダイオードの順方向電圧を使用して生成することを特徴とする温度補償型水晶発振器。
【請求項4】
水晶振動子と、発振周波数制御装置を備えた増幅器と、前記水晶振動子の発振周波数の温度補償回路と、で構成される温度補償型水晶発振器であって、
前記温度補償回路を、1次成分と3次成分に分けて構成する場合に、3次成分の補償電圧のリファレンス電圧を、ダイオードの順方向電圧を使用して生成することを特徴とする温度補償型水晶発振器。
【請求項5】
水晶振動子と、発振周波数制御装置を備えた増幅器と、前記水晶振動子の発振周波数の温度補償回路と、で構成される温度補償型水晶発振器であって、
前記温度補償回路の補償電圧を1次成分と3次成分に分けて発振周波数制御装置に印加する場合に、1次成分と3次成分を、それぞれ、ダイオードの順方向電圧をリファレンス電圧として生成することを特徴とする温度補償型水晶発振器。
【請求項1】
水晶振動子と、発振周波数制御装置を備えた増幅器と、前記水晶振動子の発振周波数の温度補償回路と、で構成される温度補償型水晶発振器であって、
前記温度補償回路の補償電圧のリファレンス電圧を、ダイオードの順方向電圧を使用して生成することを特徴とする温度補償型水晶発振器。
【請求項2】
水晶振動子と、発振周波数制御装置を備えた増幅器と、前記水晶振動子の発振周波数の温度補償回路と、で構成される温度補償型水晶発振器であって、
前記温度補償回路の補償電圧を、1次成分と3次成分に分けて前記発振周波数制御装置に印加することを特徴とする温度補償型水晶発振器。
【請求項3】
水晶振動子と、発振周波数制御装置を備えた増幅器と、前記水晶振動子の発振周波数の温度補償回路と、で構成される温度補償型水晶発振器であって、
前記温度補償回路を、1次成分と3次成分に分けて構成する場合に、1次成分の補償電圧のリファレンス電圧を、ダイオードの順方向電圧を使用して生成することを特徴とする温度補償型水晶発振器。
【請求項4】
水晶振動子と、発振周波数制御装置を備えた増幅器と、前記水晶振動子の発振周波数の温度補償回路と、で構成される温度補償型水晶発振器であって、
前記温度補償回路を、1次成分と3次成分に分けて構成する場合に、3次成分の補償電圧のリファレンス電圧を、ダイオードの順方向電圧を使用して生成することを特徴とする温度補償型水晶発振器。
【請求項5】
水晶振動子と、発振周波数制御装置を備えた増幅器と、前記水晶振動子の発振周波数の温度補償回路と、で構成される温度補償型水晶発振器であって、
前記温度補償回路の補償電圧を1次成分と3次成分に分けて発振周波数制御装置に印加する場合に、1次成分と3次成分を、それぞれ、ダイオードの順方向電圧をリファレンス電圧として生成することを特徴とする温度補償型水晶発振器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−243594(P2007−243594A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−62997(P2006−62997)
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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