温水循環加熱システム
【課題】温水供給運転の実行中にガスメータにより燃料ガスの供給が遮断されることを、ガスバーナの消火を極力回避して防止することができる温水循環加熱システムを提供する。
【解決手段】熱源機１に、温水供給運転を開始してから所定時間が経過するまでの間におけるガスバーナ１１の最大熱量に基づいて、該最大熱量が生じるときのガスバーナ１１への燃料ガスの供給流量がガスメータ３１で設定された流量範囲のうちのいずれに属するかを推定し、推定した流量範囲における供給制限時間よりも短い燃焼継続可能時間を設定する燃焼継続可能時間設定手段２２を備え、運転制御手段２３は、温水供給運転を開始してから該燃焼継続可能時間が経過した時に、ガスバーナ１１を消火して温水供給運転を一時的に停止する。
【解決手段】熱源機１に、温水供給運転を開始してから所定時間が経過するまでの間におけるガスバーナ１１の最大熱量に基づいて、該最大熱量が生じるときのガスバーナ１１への燃料ガスの供給流量がガスメータ３１で設定された流量範囲のうちのいずれに属するかを推定し、推定した流量範囲における供給制限時間よりも短い燃焼継続可能時間を設定する燃焼継続可能時間設定手段２２を備え、運転制御手段２３は、温水供給運転を開始してから該燃焼継続可能時間が経過した時に、ガスバーナ１１を消火して温水供給運転を一時的に停止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
熱源機により加熱生成した温水を温水循環回路を介して温水端末機に供給する温水循環加熱システムに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、ガスバーナにより加熱される熱交換器を有する熱源機と、該熱交換器と温水循環回路を介して接続される放熱器を有する温水端末機とを備えて、該熱源機から該温水端末機に所定温度の温水を供給する温水供給運転を実行する温水循環加熱システムが知られている。
【０００３】
また、ガス機器の消し忘れやガス漏れを防止するために、ガス供給管には、予め設定された流量以上のガス流量が検出される状態が、予め設定された供給制限時間以上継続したときに、燃料ガスの供給を遮断するガスメータが備えられている（例えば、特許文献１参照）。かかるガスメータにおいては、ガス流量が複数の流量範囲に区分され、各流量範囲毎に供給制限時間が設定されている。そして、供給制限時間は、各流量範囲におけるガス流量が多いほど短く設定されている。
【０００４】
このように供給制限時間が設定されたガスメータを介して燃料ガスが供給される場合、例えば、温水端末機として温水式の浴室暖房乾燥機を備えた温水循環加熱システムにおいて該浴室暖房乾燥機により乾燥運転を実行するときには、前記供給制限時間以上に亘って熱源機から浴室暖房乾燥機への温水供給運転が継続して、ガスメータにより燃料ガスの供給が遮断されてしまうことがある。
【０００５】
この場合、使用者は、ガスメータのリセット操作を行った上で、再び乾燥運転の開始操作をしなければならないという煩わしさがある。そこで、温水供給運転の実行中にガスメータにより燃料ガスの供給が遮断されることを回避するべく、温水供給運転の実行中に、前記供給制限時間のうちで最も短い時間（ガス流量が最大となる流量範囲に対応する）を越える前に、温水供給運転を一時的に停止してガスバーナを消火することが考えられる。
【０００６】
しかし、このようにガスバーナを消火させることで、温水端末機における暖房乾燥性能が低下するという不都合がある。
【特許文献１】特公昭６１−０５９４２３号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明は上記背景を鑑みてなされたものであり、温水供給運転の実行中にガスメータにより燃料ガスの供給が遮断されることを、ガスバーナの消火頻度を低下させて防止することができる温水循環加熱システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、燃料ガスの流量を検出し、複数段階の流量範囲と各流量範囲における燃料ガスの供給制限時間とが設定されて、燃料ガスの流量が同一の流量範囲に属した状態が該流量範囲における供給制限時間以上継続したときに、燃料ガスの供給を遮断するガスメータが設けられたガス供給管と接続されるガスバーナと、温水循環回路と連通して該ガスバーナにより加熱される熱交換器と、該温水循環回路内の湯水を循環させるポンプと、該ポンプを作動させると共に該熱交換器を介して該温水循環回路に所定温度の温水が供給されるように前記ガスバーナの燃焼量を制御する温水供給運転を実行する運転制御手段とを有する熱源機と、前記温水循環回路と連通した放熱器を有する温水端末機とを備えた温水循環加熱システムに関する。
【０００９】
そして、本発明の第１の態様は、前記熱源機は、前記温水供給運転の開始から第１の所定時間が経過するまでの間における前記ガスバーナの最大熱量に基づいて、該最大熱量が生じるときの前記ガスバーナへの燃料ガスの供給流量が前記複数段階の流量範囲のいずれに属するかを推定し、推定した流量範囲における前記供給制限時間よりも短い燃焼継続可能時間を設定する燃焼継続可能時間設定手段を備え、前記運転制御手段は、前記温水供給運転の開始から前記燃焼継続可能時間が経過した時に前記ガスバーナを消火して前記温水供給運転を中止し、該ガスバーナの消火から第２の所定時間が経過した時に前記ガスバーナを燃焼させて前記温水供給運転を再開することを特徴とする。
【００１０】
かかる本発明によれば、前記燃焼継続可能時間設定手段は、前記温水供給運転を開始してから前記第１の所定時間が経過するまでの間における前記ガスバーナの最大熱量に基づいて、該最大熱量が生じるときの前記ガスバーナへの燃料ガスの供給流量が前記複数段階の流量範囲のいずれに属するかを推定する。ここで、前記温水供給運転を開始してから前記第１の所定時間が経過するまでの間における前記ガスバーナの最大熱量は、前記温水供給運転を開始した時の前記温水循環回路内の湯水の温度が低いほど大きくなる。そして、前記温水供給運転が開始されて前記第１の所定時間が経過した後は、前記ガスバーナの燃焼が次第に減少してあるレベルで安定する。そのため、前記温水供給運転中に、前記ガスバーナの熱量が前記最大熱量以上となることはない。
【００１１】
そこで、前記燃焼継続可能時間設定手段により、前記最大熱量が生じるときの前記ガスバーナへの燃料ガスの供給流量が前記複数段階の流量範囲のいずれに属するかを推定し、推定した流量範囲における前記供給制限時間よりも短い燃焼継続可能時間を設定することによって、温水供給運転の実行中に前記ガスバーナにより燃料ガスの供給が遮断されることを確実に防止することができる。
【００１２】
そして、前記最大熱量は前記温水循環回路中の湯水の温度に応じて増減するため、前記最大熱量が生じるときの前記ガスバーナへの燃料ガスの供給流量が前記複数段階の流量範囲のいずれに属するかを推定することによって、前記燃焼継続可能時間が不必要に長く設定されることを抑制することができる。これにより、前記運転制御手段により、前記ガスバーナが一時的に消火される頻度を低下させることができる。
【００１３】
また、本発明の第２の態様は、前記熱源機及び前記温水端末機は、相互に通信するための通信手段を備え、前記熱源機は、前記温水端末機から前記温水供給運転の開始を指示する信号を受信したときに、前記運転制御手段により前記温水供給運転を開始し、また、前記温水端末機から前記温水供給運転の停止を指示する信号を受信したときに、前記運転制御手段により前記温水供給運転を停止する温水循環加熱システムにおいて、前記熱源機は、前記温水供給運転の開始から第１の所定時間が経過するまでの間における前記ガスバーナの最大熱量に基づいて、該最大熱量が生じるときの前記ガスバーナへの燃料ガスの供給流量が前記複数段階の流量範囲のいずれに属するかを推定し、推定した流量範囲における前記供給制限時間よりも短い燃焼継続可能時間を設定する燃焼継続可能時間設定手段と、前記燃焼継続可能時間のデータを前記放熱端末機に送信する燃焼継続可能時間通知手段とを備え、前記温水端末機は、前記燃焼継続可能時間のデータを受信した時から該燃焼継続可能時間が経過した時に、前記温水供給運転の停止を指示する信号を前記熱源機に送信して、前記温水供給運転の停止により前記ガスバーナを消火させ、該送信から第２の所定時間が経過した時に前記温水供給運転の開始を指示する信号を前記熱源機に送信して、前記温水供給運転の再開により前記ガスバーナを燃焼させる燃焼中断指示手段を備えたことを特徴とする。
【００１４】
かかる本発明によれば、上記第１の態様と同様に、前記燃焼継続可能時間設定手段により、前記温水供給運転を開始してから前記第１の所定時間が経過するまでの間における前記ガスバーナの最大熱量に基づいて前記燃焼継続可能時間が設定される。また、前記燃焼継続可能時間通知手段により、前記燃焼継続可能時間のデータが前記温水端末機に送信される。そして、前記温水端末機に備えられた前記燃焼中断指示手段は、前記燃焼継続可能時間のデータを受信した時から前記燃焼継続可能時間が経過した時に、前記温水供給運転の停止を指示する信号を前記熱源機に送信し、該送信から前記第２の所定時間が経過した時に前記温水供給運転の開始を指示する信号を前記熱源機に送信して、前記温水供給運転の停止によりガスバーナを一時的に消火させる。
【００１５】
これにより、前記温水端末機側の処理によって、前記温水供給運転の実行中に前記熱源機のガスバーナが消火する頻度を低下させて、前記ガスメータにより燃料ガスの供給が遮断されることを確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
本発明の実施の形態について、図１〜図６を参照して説明する。図１は本発明の温水循環加熱システムの全体構成図、図２はガスメータに備えられたデータテーブルと熱源機に備えられたデータテーブルの説明図、図３，図４は温水供給運転実行時の循環水の温度と燃料ガスの供給流量の推移を示したグラフ、図５は第１の実施の形態における熱源機の作動フローチャート、図６は第２の実施の形態における浴室暖房乾燥機の作動フローチャートである。
【００１７】
図１を参照して、本実施の形態の温水循環加熱システムは、温水循環回路４０（温水往き管４０ａ及び温水戻り管４０ｂにより構成される）を介して接続された熱源機１と浴室暖房乾燥機５０（本発明の温水端末機に相当する）とにより構成され、ガスメータ３１が設置されたガス供給管３２を介して、ＬＰガスボンベ３０から熱源機１に燃料ガスが供給される。また、熱源機１と浴室暖房乾燥機５０は、通信ケーブル４５を介して相互に通信可能に接続されている。
【００１８】
熱源機１は、温水循環回路４０と連通した熱交換器１０、熱交換器１０を加熱するガスバーナ１１、ガスバーナ１１への燃料ガスの供給と遮断を切り換えるガス電磁弁１２、ガスバーナ１１への燃料ガスの供給流量を変更するガス比例弁１３、熱交換器１０の出口付近の湯水の温度を検出する出湯サーミスタ１４、温水循環回路４０内の湯水を循環させるポンプ１５、及び熱源機１の全体的な作動を制御するコントローラ２０を備えている。
【００１９】
コントローラ２０は、マイクロコンピュータ（図示しない）及びメモリ２１等により構成された電子ユニットであり、該マイクロコンピュータに熱源機１の制御プログラムを実行させることによって、該マイクロコンピュータが運転制御手段２３及び燃焼継続可能時間設定手段２２として機能する。また、コントローラ２０は、浴室暖房乾燥機５０との間で通信を行うための通信回路２４（本発明の通信手段に相当する）を備えている。
【００２０】
ここで、運転制御手段２３は、ポンプ１５を作動させると共に、出湯サーミスタ１４の検出温度が所定温度（例えば８０度）となるようにガスバーナ１１の燃焼量を制御して、浴室暖房乾燥機５０に温水を供給する温水供給運転を実行する。また、燃焼継続可能時間設定手段２２は、ガスバーナ１１を連続して燃焼させる時間の上限である燃焼継続可能時間を設定する。燃焼継続可能時間の設定処理については後述する。
【００２１】
また、浴室暖房乾燥機５０は浴室１００に設置され、温水循環回路４０と連通した放熱器５１、放熱器５１の入口付近の温水の温度を検出する入口温サーミスタ５２、放熱器５１への温水の供給と遮断とを切り換える熱動弁５３、浴室暖房乾燥機５０の全体的な作動を制御するコントローラ６０、及び使用者が浴室暖房乾燥機５０の動作を指示するためのリモコン５５を備えている。さらに、浴室暖房乾燥機５０は、浴室１００内の空気を屋外に排出する換気ファン（図示しない）と、浴室１００内の空気を放熱器５１付近に導入すると共に放熱器５１で加熱された空気を浴室１００内に送出する循環ファン（図示しない）を備えている。
【００２２】
コントローラ６０は、マイクロコンピュータ（図示しない）等により構成された電子ユニットであり、該マイクロコンピュータに浴室暖房乾燥機５０の制御プログラムを実行させることによって、該マイクロコンピュータが運転制御手段６１及び燃焼中断指示手段６２（後述する第２の実施の形態で用いられる）として機能する。また、コントローラ６０は、熱源機１と通信するための通信回路６３（本発明の通信手段に相当する）を備えている。
【００２３】
運転制御手段６１は、使用者によるリモコン５５の操作に応じて、「換気運転」、「暖房運転」、「乾燥運転」を選択的に実行する。また、燃焼中断指示手段６２は、熱源機１に対してガスバーナ１１の燃焼を一時的に停止させる指示を行う。
【００２４】
ここで、「換気運転」は、熱源機１に対して温水供給を要求せずに換気ファンを作動させる（循環ファンは停止）ものであり、浴室内の湿った空気が屋外に排出される。「暖房運転」は、熱源機１に対して温水供給を要求して循環ファンを作動させる（換気ファンは停止）ものであり、浴室１００内の空気が加熱されて浴室１００内の温度が上昇する。「乾燥運転」は、熱源機１に対して温水供給を要求して、循環ファンと換気ファンを共に作動させるものであり、浴室１００内の温度が上昇すると共に浴室１００内の湿った空気が屋外に排出される。
【００２５】
次に、ガスメータ３１は、ガス供給管３２を流れる燃料ガスの流量を検出する流量センサ（図示しない）と図２に示したデータテーブルＭdのデータが記憶されたメモリ（図示しない）とを有している。データテーブルＭdは、燃料ガスの流量を複数の流量範囲（区分１〜区分１３）に分けて、各流量範囲における燃料ガスの供給制限時間を設定したものである。
【００２６】
そして、ガスメータ３１は、流量センサによる燃料ガスの検出流量が、同一の流量範囲に属する状態が該流量範囲における供給制限時間以上継続したときに、燃料ガスの供給を遮断する「ガス流量監視処理」を実行する。「ガス流量監視処理」により、例えば、流量センサによる燃料ガスの検出流量が区分３の流量範囲に属する状態が、区分３に対して設定された供給制限時間である１６０分以上継続したときに、ガスメータ３１は燃料ガスの供給を遮断する。
【００２７】
ここで、浴室暖房乾燥機５０が「乾燥運転」を実行する場合、使用者がリモコン５５により「乾燥運転」の実行時間を数時間（例えば３時間）に設定する場合がある。そして、「乾燥運転」においては、浴室１００内を高温に維持して浴室１００内に干した洗濯物を乾燥するため、熱源機１におけるガスバーナ１１の熱量（ガスバーナ１１の燃焼により生じる熱量）が比較的大きくなり、燃料ガスの供給流量が同一の流量範囲に安定して属する状態が継続する。
【００２８】
そこで、本実施の形態の温水循環加熱システムにおいては、「乾燥運転」の実行中にガスメータ３１の「ガス流量監視処理」により燃料ガスの供給が遮断されることを防止するための処理を実行する。以下、かかる処理の第１の実施の形態及び第２の実施の形態について説明する。
【００２９】
［第１の実施の形態］第１の実施の形態では、熱源機１側でガスメータ３１の「ガス流量監視処理」により燃料ガスの供給が遮断されることを防止するための処理を実行する。熱源機１は、図５に示したフローチャートを実行し、ＳＴＥＰ１で、浴室暖房乾燥機５０のリモコン５５により「乾燥運転」の実行が指示されて、浴室暖房乾燥機５０から温水供給を要求する信号（本発明の温水供給運転の開始を指示する信号に相当する）を受信したときにＳＴＥＰ２に進む。
【００３０】
ＳＴＥＰ２は運転制御手段２３による処理であり、運転制御手段２３は、ポンプ１５を作動させると共に、ガスバーナ１１に点火して温水供給運転を開始する。続くＳＴＥＰ３〜ＳＴＥＰ４は燃焼継続可能時間設定手段２２による処理であり、燃焼継続可能時間設定手段２２は、ＳＴＥＰ２で温水供給運転の開始から第１の所定時間（例えば３分）が経過するまでの間におけるガスバーナ１１の最大熱量を算出する。
【００３１】
そして、次のＳＴＥＰ４で、燃焼継続可能時間設定手段２２は、ガスバーナ１１の最大燃焼量を、図２に示したデータテーブルＳdに適用して燃焼継続可能時間を設定する。例えば、最大熱量が９０００kcal/hour（流量範囲が区分６となる）であるときは、燃焼継続可能時間は１００分に設定される。
【００３２】
ここで、図３及び図４は、温水供給運転を開始したときの燃料ガスの供給量と、浴室暖房乾燥機５０に供給される温水の温度（以下、暖房往き温度という）及び浴室暖房乾燥機５０から戻る温水の温度（以下、暖房戻り温度という）の推移を示したものであり、縦軸が温度及び燃料ガスの流量に設定され、横軸が時間に設定されている。
【００３３】
図３は温水循環回路４０内の湯水の温度が低い状態（約２７℃）で、温水供給運転を開始した場合を示しており、図中ａ1が燃料ガスの流量、ｂ1が暖房戻り温度、ｃ1が暖房往き温度である。この場合は、燃料ガスの流量の最大値が約４００リットル/hourとなり、その後燃料ガスの流量が減少して、往き温度及び戻り温度が安定した定常状態では、燃料ガスの流量が約１７０リットル/hourとなっている。
【００３４】
それに対して、図４は温水循環回路４０内の湯水の温度が高い状態（約６０℃）で、温水供給運転を開始した場合を示しており、図中ａ2が燃料ガスの流量、ｂ2が暖房戻り温度、ｃ2が暖房往き温度である。この場合は、燃料ガスの流量の最大値が約２３０リットル/hourとなり、その後燃料ガスの流量が減少して、往き温度及び戻り温度が安定した定常状態では、燃料ガスの流量が約１２５リットル/hourとなっている。
【００３５】
このように、温水供給運転を開始したときの温水循環回路４０内の湯水の温度が低いほど、第１の所定時間が経過するまでの間における燃料ガスの流量の最大値が大きくなる。そして、ガスバーナ１１の熱量は燃料ガスの流量に応じて増減する。そのため、温水供給運転を開始したときの温水循環回路４０内の湯水の温度が低いほど、第１の所定時間が経過するまでの間における燃料ガスの流量の最大値が大きくなる関係がある。
【００３６】
図２のデータテーブルＳdは、この関係に基づいて、ガスバーナ１１の最大熱量と、該最大熱量から推定される該最大熱量を生じさせる燃料ガスの流量が属する流量範囲における供給制限時間よりも、若干短い燃焼継続可能時間とを対応させたものである。なお、データテーブルＳdは実験やコンピュータシミュレーションの結果に基づいて作成される。
【００３７】
データテーブルＳdのデータはコントローラ２０のメモリ２１に予め記憶されている。例えば、ガスバーナ１１の最大熱量９０００kcal/hourに対しては、該最大熱量が生じるときのガス流量が区分６の流量範囲に属すると推定され、区分６の供給制限時間である１２０分よりも短い燃焼継続可能時間１００分が対応付けられている。
【００３８】
そして、図３及び図４に示したように、温水供給運転の実行中に、燃料ガスの流量が、温水供給運転を開始してから第１の所定時間が経過するまでの間における燃料ガスの最大流量を超えることはない。そのため、燃料継続可能時間を、温水供給運転の実行中におけるガスメータ３１による「ガス流量監視処理」の供給制限時間よりも、確実に短い時間に設定することができる。
【００３９】
続くＳＴＥＰ５〜７は運転制御手段２３による処理であり、ＳＴＥＰ５で、運転制御手段２３はＳＴＥＰ２で温水供給運転開始を開始した時からのガスバーナ１１の燃焼時間が、燃焼継続可能時間以上となったか否かを判断する。そして、ガスバーナ１１の燃焼時間が燃焼継続可能時間以上となったときにＳＴＥＰ６に進み、運転制御手段２３はガスバーナ１１を消火して温水供給運転を停止する。
【００４０】
次のＳＴＥＰ７で、運転制御手段２３は、ガスメータ３１において燃料ガスの検出流量が０となったことが認識されるまでの時間を考慮して、該時間よりも若干長く設定した第２の所定時間（例えば２分）が経過するのを待って、ＳＴＥＰ２に戻る。そして、運転制御手段２３は温水供給運転を再開する。
【００４１】
このように、ＳＴＥＰ５でガスバーナ１１の燃焼時間が燃焼継続可能時間以上となったとき（ガスメータ３１の供給制限時間が経過する前となる）に、ＳＴＥＰ６で温水供給運転を停止してガスバーナ１１を一時的に消火することにより、ガスメータ３１の「ガス流量監視処理」により燃料ガスの供給が遮断されることを防止することができる。
【００４２】
そして、上述したように、燃焼継続可能時間は、温水供給運転を開始してから第１の所定時間が経過するまでの間におけるガスバーナの最大熱量に基づいて、温水供給運転開始時の温水循環回路４０内の湯水の温度が低いほど短く設定されたものである。そのため、燃焼継続可能時間を図２に示したガス流量最大の区分１３による時間に一律に設定する場合に比べて、乾燥運転の実行中に温水供給運転が停止する頻度を低くすることができ、温水供給運転の停止による乾燥能力の低下を抑制することができる。
【００４３】
［第２の実施の形態］第２の実施の形態では、熱源機１及び浴室暖房乾燥機５０が協働して、ガスメータ３１の「ガス流量監視処理」により燃料ガスの供給が遮断されることを防止するための処理を実行する。熱源機１は、浴室暖房乾燥機５０のリモコン５５により「乾燥運転」の実行が指示されて、浴室暖房乾燥機５０から温水供給を要求する信号（本発明の温水供給運転の開始を指示する信号に相当する）を受信したときに、上述した図５のＳＴＥＰ２〜ＳＴＥＰ４と同様の処理を実行する。
【００４４】
これにより、運転制御手段２３により温水供給運転が開始されてガスバーナ１１が燃焼状態となる。また、燃焼継続可能時間設定手段２２により、ガスバーナ１１の最大熱量に基づいて燃焼継続可能時間が設定される。そして、燃焼継続可能時間設定手段２２は、設定した燃焼継続可能時間のデータを浴室暖房乾燥機５０に送信する。なお、このように、燃焼継続可能時間設定手段２２が燃焼継続可能時間のデータを浴室暖房乾燥機５０に送信する構成が、本発明の燃焼継続可能時間通知手段に相当する。
【００４５】
浴室暖房乾燥機５０のコントローラ６０は、熱源機１に温水供給を要求する信号を送信した後、「乾燥運転」の実行中に、燃焼中断指示手段６２により図６に示したフローチャートを実行する。燃焼中断指示手段６２は、図６のＳＴＥＰ１０で燃焼継続可能時間のデータを受信するとＳＴＥＰ１１に進んで、計時を開始する。
【００４６】
そして、続くＳＴＥＰ１２で、計時時間（燃焼継続可能時間のデータを受信した時からの経過時間）が燃焼継続可能時間以上となったか否かを判断し、計時時間が燃焼継続可能時間以上となったときにはＳＴＥＰ１３に進む。ＳＴＥＰ１３で、燃焼中断指示手段６２は温水供給の停止信号（本発明の温水供給運転の停止を指示する信号に相当する）を熱源機１に送信する。これにより、該停止信号を受信した熱源機１側では、運転制御手段２３がガスバーナ１１を消火して温水供給運転を停止する。
【００４７】
そして、次のＳＴＥＰ１４で、燃焼中断指示手段６２は、ガスメータ３１において燃料ガスの検出流量が０となったことが認識されるまでの時間を考慮して、該時間よりも若干長く設定した第２の所定時間（例えば２分）が経過するのを待って、ＳＴＥＰ１５に進む。
【００４８】
ＳＴＥＰ１５で、燃焼中断指示手段６２は温水供給の要求信号を熱源機１に送信してＳＴＥＰ１０に戻る。該温水供給の要求信号を受信した熱源機１側では、運転制御手段２３が温水供給運転を開始する。これにより、浴室暖房乾燥機５０への温水の供給が再開される。そして、ＳＴＥＰ１０以下の処理が再び実行される。
【００４９】
このように、ＳＴＥＰ１２で、燃焼継続可能時間のデータを受信した時からの経過時間が燃焼継続可能時間以上となったとき（ガスメータ３１の供給制限時間が経過する前となる）に、ＳＴＥＰ１３で温水供給の停止信号を熱源機１に送信し、これにより温水供給運転を停止してガスバーナ１１を一時的に消火させることによって、ガスメータ３１の「ガス流量監視処理」により燃料ガスの供給が遮断されることを防止することができる。
【００５０】
そして、本第２の実施の形態による場合にも、上述した第１の実施の形態と同様に、燃焼継続可能時間は、温水供給運転を開始してから第１の所定時間が経過するまでの間におけるガスバーナの最大熱量に基づいて、温水供給運転開始時の温水循環回路４０内の湯水の温度が低いほど短く設定されたものである。そのため、乾燥運転の実行中に温水供給運転が停止する頻度を低くすることができ、温水供給運転の停止による乾燥能力の低下を抑制することができる。
【００５１】
なお、前記第１の実施の形態及び第２の実施の形態では、「乾燥運転」を実行した場合を例に説明したが、「暖房運転」を実行する場合の処理も同様である。
【００５２】
また、前記第１の実施の形態及び第２の実施の形態では、本発明の温水端末機として浴室暖房乾燥機５０を示したが、衣類乾燥機や温風暖房機等、温水放熱器を熱源とする温水端末機であれば、本発明の適用が可能である。
【００５３】
また、前記第１の実施の形態及び第２の実施の形態では、燃焼継続可能時間設定手段２２は、温水供給運転を開始したときのガスバーナ１１の最大熱量を予め用意されたデータテーブルＳdに適用して、燃焼継続可能時間を設定したが、他の方法により、例えば温水供給運転を開始したときのガスバーナの最大熱量と該最大熱量が生じるときのガスバーナへの燃料ガスの供給流量との相関式を予め用意して、該相関式に従ってガスバーナの最大熱量に対応する燃料ガスの流量を推定し、推定した燃料ガスの流量が属する流量範囲における供給制限時間から燃焼継続可能時間を設定する等により、燃焼継続可能時間を設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【００５４】
【図１】本発明の温水循環加熱システムの全体構成図。
【図２】ガスメータに備えられたデータテーブルと熱源機に備えられたデータテーブルの説明図。
【図３】温水供給運転実行時の循環水の温度と燃料ガスの供給流量の推移を示したグラフ。
【図４】温水供給運転実行時の循環水の温度と燃料ガスの供給流量の推移を示したグラフ。
【図５】第１の実施の形態における熱源機の作動フローチャート。
【図６】第２の実施の形態における浴室暖房乾燥機の作動フローチャート。
【符号の説明】
【００５５】
１…熱源機、１０…熱交換器、１１…ガスバーナ、１４…出湯サーミスタ、１５…ポンプ、２０…（熱源機の）コントローラ、２２…燃焼継続可能時間設定手段、２３…（熱源機の）運転制御手段、２４…（熱源機の）通信回路、３１…ガスメータ、３２…ガス供給管、４０…温水循環回路、４５…通信ケーブル、５０…浴室暖房乾燥機、５１…放熱器、５２…入口温サーミスタ、５５…リモコン、６０…（浴室暖房乾燥機の）コントローラ、６１…（浴室暖房乾燥機の）運転制御手段、６２…燃焼中断指示手段、６３…（浴室暖房乾燥機の）通信回路
【技術分野】
【０００１】
熱源機により加熱生成した温水を温水循環回路を介して温水端末機に供給する温水循環加熱システムに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、ガスバーナにより加熱される熱交換器を有する熱源機と、該熱交換器と温水循環回路を介して接続される放熱器を有する温水端末機とを備えて、該熱源機から該温水端末機に所定温度の温水を供給する温水供給運転を実行する温水循環加熱システムが知られている。
【０００３】
また、ガス機器の消し忘れやガス漏れを防止するために、ガス供給管には、予め設定された流量以上のガス流量が検出される状態が、予め設定された供給制限時間以上継続したときに、燃料ガスの供給を遮断するガスメータが備えられている（例えば、特許文献１参照）。かかるガスメータにおいては、ガス流量が複数の流量範囲に区分され、各流量範囲毎に供給制限時間が設定されている。そして、供給制限時間は、各流量範囲におけるガス流量が多いほど短く設定されている。
【０００４】
このように供給制限時間が設定されたガスメータを介して燃料ガスが供給される場合、例えば、温水端末機として温水式の浴室暖房乾燥機を備えた温水循環加熱システムにおいて該浴室暖房乾燥機により乾燥運転を実行するときには、前記供給制限時間以上に亘って熱源機から浴室暖房乾燥機への温水供給運転が継続して、ガスメータにより燃料ガスの供給が遮断されてしまうことがある。
【０００５】
この場合、使用者は、ガスメータのリセット操作を行った上で、再び乾燥運転の開始操作をしなければならないという煩わしさがある。そこで、温水供給運転の実行中にガスメータにより燃料ガスの供給が遮断されることを回避するべく、温水供給運転の実行中に、前記供給制限時間のうちで最も短い時間（ガス流量が最大となる流量範囲に対応する）を越える前に、温水供給運転を一時的に停止してガスバーナを消火することが考えられる。
【０００６】
しかし、このようにガスバーナを消火させることで、温水端末機における暖房乾燥性能が低下するという不都合がある。
【特許文献１】特公昭６１−０５９４２３号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明は上記背景を鑑みてなされたものであり、温水供給運転の実行中にガスメータにより燃料ガスの供給が遮断されることを、ガスバーナの消火頻度を低下させて防止することができる温水循環加熱システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、燃料ガスの流量を検出し、複数段階の流量範囲と各流量範囲における燃料ガスの供給制限時間とが設定されて、燃料ガスの流量が同一の流量範囲に属した状態が該流量範囲における供給制限時間以上継続したときに、燃料ガスの供給を遮断するガスメータが設けられたガス供給管と接続されるガスバーナと、温水循環回路と連通して該ガスバーナにより加熱される熱交換器と、該温水循環回路内の湯水を循環させるポンプと、該ポンプを作動させると共に該熱交換器を介して該温水循環回路に所定温度の温水が供給されるように前記ガスバーナの燃焼量を制御する温水供給運転を実行する運転制御手段とを有する熱源機と、前記温水循環回路と連通した放熱器を有する温水端末機とを備えた温水循環加熱システムに関する。
【０００９】
そして、本発明の第１の態様は、前記熱源機は、前記温水供給運転の開始から第１の所定時間が経過するまでの間における前記ガスバーナの最大熱量に基づいて、該最大熱量が生じるときの前記ガスバーナへの燃料ガスの供給流量が前記複数段階の流量範囲のいずれに属するかを推定し、推定した流量範囲における前記供給制限時間よりも短い燃焼継続可能時間を設定する燃焼継続可能時間設定手段を備え、前記運転制御手段は、前記温水供給運転の開始から前記燃焼継続可能時間が経過した時に前記ガスバーナを消火して前記温水供給運転を中止し、該ガスバーナの消火から第２の所定時間が経過した時に前記ガスバーナを燃焼させて前記温水供給運転を再開することを特徴とする。
【００１０】
かかる本発明によれば、前記燃焼継続可能時間設定手段は、前記温水供給運転を開始してから前記第１の所定時間が経過するまでの間における前記ガスバーナの最大熱量に基づいて、該最大熱量が生じるときの前記ガスバーナへの燃料ガスの供給流量が前記複数段階の流量範囲のいずれに属するかを推定する。ここで、前記温水供給運転を開始してから前記第１の所定時間が経過するまでの間における前記ガスバーナの最大熱量は、前記温水供給運転を開始した時の前記温水循環回路内の湯水の温度が低いほど大きくなる。そして、前記温水供給運転が開始されて前記第１の所定時間が経過した後は、前記ガスバーナの燃焼が次第に減少してあるレベルで安定する。そのため、前記温水供給運転中に、前記ガスバーナの熱量が前記最大熱量以上となることはない。
【００１１】
そこで、前記燃焼継続可能時間設定手段により、前記最大熱量が生じるときの前記ガスバーナへの燃料ガスの供給流量が前記複数段階の流量範囲のいずれに属するかを推定し、推定した流量範囲における前記供給制限時間よりも短い燃焼継続可能時間を設定することによって、温水供給運転の実行中に前記ガスバーナにより燃料ガスの供給が遮断されることを確実に防止することができる。
【００１２】
そして、前記最大熱量は前記温水循環回路中の湯水の温度に応じて増減するため、前記最大熱量が生じるときの前記ガスバーナへの燃料ガスの供給流量が前記複数段階の流量範囲のいずれに属するかを推定することによって、前記燃焼継続可能時間が不必要に長く設定されることを抑制することができる。これにより、前記運転制御手段により、前記ガスバーナが一時的に消火される頻度を低下させることができる。
【００１３】
また、本発明の第２の態様は、前記熱源機及び前記温水端末機は、相互に通信するための通信手段を備え、前記熱源機は、前記温水端末機から前記温水供給運転の開始を指示する信号を受信したときに、前記運転制御手段により前記温水供給運転を開始し、また、前記温水端末機から前記温水供給運転の停止を指示する信号を受信したときに、前記運転制御手段により前記温水供給運転を停止する温水循環加熱システムにおいて、前記熱源機は、前記温水供給運転の開始から第１の所定時間が経過するまでの間における前記ガスバーナの最大熱量に基づいて、該最大熱量が生じるときの前記ガスバーナへの燃料ガスの供給流量が前記複数段階の流量範囲のいずれに属するかを推定し、推定した流量範囲における前記供給制限時間よりも短い燃焼継続可能時間を設定する燃焼継続可能時間設定手段と、前記燃焼継続可能時間のデータを前記放熱端末機に送信する燃焼継続可能時間通知手段とを備え、前記温水端末機は、前記燃焼継続可能時間のデータを受信した時から該燃焼継続可能時間が経過した時に、前記温水供給運転の停止を指示する信号を前記熱源機に送信して、前記温水供給運転の停止により前記ガスバーナを消火させ、該送信から第２の所定時間が経過した時に前記温水供給運転の開始を指示する信号を前記熱源機に送信して、前記温水供給運転の再開により前記ガスバーナを燃焼させる燃焼中断指示手段を備えたことを特徴とする。
【００１４】
かかる本発明によれば、上記第１の態様と同様に、前記燃焼継続可能時間設定手段により、前記温水供給運転を開始してから前記第１の所定時間が経過するまでの間における前記ガスバーナの最大熱量に基づいて前記燃焼継続可能時間が設定される。また、前記燃焼継続可能時間通知手段により、前記燃焼継続可能時間のデータが前記温水端末機に送信される。そして、前記温水端末機に備えられた前記燃焼中断指示手段は、前記燃焼継続可能時間のデータを受信した時から前記燃焼継続可能時間が経過した時に、前記温水供給運転の停止を指示する信号を前記熱源機に送信し、該送信から前記第２の所定時間が経過した時に前記温水供給運転の開始を指示する信号を前記熱源機に送信して、前記温水供給運転の停止によりガスバーナを一時的に消火させる。
【００１５】
これにより、前記温水端末機側の処理によって、前記温水供給運転の実行中に前記熱源機のガスバーナが消火する頻度を低下させて、前記ガスメータにより燃料ガスの供給が遮断されることを確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
本発明の実施の形態について、図１〜図６を参照して説明する。図１は本発明の温水循環加熱システムの全体構成図、図２はガスメータに備えられたデータテーブルと熱源機に備えられたデータテーブルの説明図、図３，図４は温水供給運転実行時の循環水の温度と燃料ガスの供給流量の推移を示したグラフ、図５は第１の実施の形態における熱源機の作動フローチャート、図６は第２の実施の形態における浴室暖房乾燥機の作動フローチャートである。
【００１７】
図１を参照して、本実施の形態の温水循環加熱システムは、温水循環回路４０（温水往き管４０ａ及び温水戻り管４０ｂにより構成される）を介して接続された熱源機１と浴室暖房乾燥機５０（本発明の温水端末機に相当する）とにより構成され、ガスメータ３１が設置されたガス供給管３２を介して、ＬＰガスボンベ３０から熱源機１に燃料ガスが供給される。また、熱源機１と浴室暖房乾燥機５０は、通信ケーブル４５を介して相互に通信可能に接続されている。
【００１８】
熱源機１は、温水循環回路４０と連通した熱交換器１０、熱交換器１０を加熱するガスバーナ１１、ガスバーナ１１への燃料ガスの供給と遮断を切り換えるガス電磁弁１２、ガスバーナ１１への燃料ガスの供給流量を変更するガス比例弁１３、熱交換器１０の出口付近の湯水の温度を検出する出湯サーミスタ１４、温水循環回路４０内の湯水を循環させるポンプ１５、及び熱源機１の全体的な作動を制御するコントローラ２０を備えている。
【００１９】
コントローラ２０は、マイクロコンピュータ（図示しない）及びメモリ２１等により構成された電子ユニットであり、該マイクロコンピュータに熱源機１の制御プログラムを実行させることによって、該マイクロコンピュータが運転制御手段２３及び燃焼継続可能時間設定手段２２として機能する。また、コントローラ２０は、浴室暖房乾燥機５０との間で通信を行うための通信回路２４（本発明の通信手段に相当する）を備えている。
【００２０】
ここで、運転制御手段２３は、ポンプ１５を作動させると共に、出湯サーミスタ１４の検出温度が所定温度（例えば８０度）となるようにガスバーナ１１の燃焼量を制御して、浴室暖房乾燥機５０に温水を供給する温水供給運転を実行する。また、燃焼継続可能時間設定手段２２は、ガスバーナ１１を連続して燃焼させる時間の上限である燃焼継続可能時間を設定する。燃焼継続可能時間の設定処理については後述する。
【００２１】
また、浴室暖房乾燥機５０は浴室１００に設置され、温水循環回路４０と連通した放熱器５１、放熱器５１の入口付近の温水の温度を検出する入口温サーミスタ５２、放熱器５１への温水の供給と遮断とを切り換える熱動弁５３、浴室暖房乾燥機５０の全体的な作動を制御するコントローラ６０、及び使用者が浴室暖房乾燥機５０の動作を指示するためのリモコン５５を備えている。さらに、浴室暖房乾燥機５０は、浴室１００内の空気を屋外に排出する換気ファン（図示しない）と、浴室１００内の空気を放熱器５１付近に導入すると共に放熱器５１で加熱された空気を浴室１００内に送出する循環ファン（図示しない）を備えている。
【００２２】
コントローラ６０は、マイクロコンピュータ（図示しない）等により構成された電子ユニットであり、該マイクロコンピュータに浴室暖房乾燥機５０の制御プログラムを実行させることによって、該マイクロコンピュータが運転制御手段６１及び燃焼中断指示手段６２（後述する第２の実施の形態で用いられる）として機能する。また、コントローラ６０は、熱源機１と通信するための通信回路６３（本発明の通信手段に相当する）を備えている。
【００２３】
運転制御手段６１は、使用者によるリモコン５５の操作に応じて、「換気運転」、「暖房運転」、「乾燥運転」を選択的に実行する。また、燃焼中断指示手段６２は、熱源機１に対してガスバーナ１１の燃焼を一時的に停止させる指示を行う。
【００２４】
ここで、「換気運転」は、熱源機１に対して温水供給を要求せずに換気ファンを作動させる（循環ファンは停止）ものであり、浴室内の湿った空気が屋外に排出される。「暖房運転」は、熱源機１に対して温水供給を要求して循環ファンを作動させる（換気ファンは停止）ものであり、浴室１００内の空気が加熱されて浴室１００内の温度が上昇する。「乾燥運転」は、熱源機１に対して温水供給を要求して、循環ファンと換気ファンを共に作動させるものであり、浴室１００内の温度が上昇すると共に浴室１００内の湿った空気が屋外に排出される。
【００２５】
次に、ガスメータ３１は、ガス供給管３２を流れる燃料ガスの流量を検出する流量センサ（図示しない）と図２に示したデータテーブルＭdのデータが記憶されたメモリ（図示しない）とを有している。データテーブルＭdは、燃料ガスの流量を複数の流量範囲（区分１〜区分１３）に分けて、各流量範囲における燃料ガスの供給制限時間を設定したものである。
【００２６】
そして、ガスメータ３１は、流量センサによる燃料ガスの検出流量が、同一の流量範囲に属する状態が該流量範囲における供給制限時間以上継続したときに、燃料ガスの供給を遮断する「ガス流量監視処理」を実行する。「ガス流量監視処理」により、例えば、流量センサによる燃料ガスの検出流量が区分３の流量範囲に属する状態が、区分３に対して設定された供給制限時間である１６０分以上継続したときに、ガスメータ３１は燃料ガスの供給を遮断する。
【００２７】
ここで、浴室暖房乾燥機５０が「乾燥運転」を実行する場合、使用者がリモコン５５により「乾燥運転」の実行時間を数時間（例えば３時間）に設定する場合がある。そして、「乾燥運転」においては、浴室１００内を高温に維持して浴室１００内に干した洗濯物を乾燥するため、熱源機１におけるガスバーナ１１の熱量（ガスバーナ１１の燃焼により生じる熱量）が比較的大きくなり、燃料ガスの供給流量が同一の流量範囲に安定して属する状態が継続する。
【００２８】
そこで、本実施の形態の温水循環加熱システムにおいては、「乾燥運転」の実行中にガスメータ３１の「ガス流量監視処理」により燃料ガスの供給が遮断されることを防止するための処理を実行する。以下、かかる処理の第１の実施の形態及び第２の実施の形態について説明する。
【００２９】
［第１の実施の形態］第１の実施の形態では、熱源機１側でガスメータ３１の「ガス流量監視処理」により燃料ガスの供給が遮断されることを防止するための処理を実行する。熱源機１は、図５に示したフローチャートを実行し、ＳＴＥＰ１で、浴室暖房乾燥機５０のリモコン５５により「乾燥運転」の実行が指示されて、浴室暖房乾燥機５０から温水供給を要求する信号（本発明の温水供給運転の開始を指示する信号に相当する）を受信したときにＳＴＥＰ２に進む。
【００３０】
ＳＴＥＰ２は運転制御手段２３による処理であり、運転制御手段２３は、ポンプ１５を作動させると共に、ガスバーナ１１に点火して温水供給運転を開始する。続くＳＴＥＰ３〜ＳＴＥＰ４は燃焼継続可能時間設定手段２２による処理であり、燃焼継続可能時間設定手段２２は、ＳＴＥＰ２で温水供給運転の開始から第１の所定時間（例えば３分）が経過するまでの間におけるガスバーナ１１の最大熱量を算出する。
【００３１】
そして、次のＳＴＥＰ４で、燃焼継続可能時間設定手段２２は、ガスバーナ１１の最大燃焼量を、図２に示したデータテーブルＳdに適用して燃焼継続可能時間を設定する。例えば、最大熱量が９０００kcal/hour（流量範囲が区分６となる）であるときは、燃焼継続可能時間は１００分に設定される。
【００３２】
ここで、図３及び図４は、温水供給運転を開始したときの燃料ガスの供給量と、浴室暖房乾燥機５０に供給される温水の温度（以下、暖房往き温度という）及び浴室暖房乾燥機５０から戻る温水の温度（以下、暖房戻り温度という）の推移を示したものであり、縦軸が温度及び燃料ガスの流量に設定され、横軸が時間に設定されている。
【００３３】
図３は温水循環回路４０内の湯水の温度が低い状態（約２７℃）で、温水供給運転を開始した場合を示しており、図中ａ1が燃料ガスの流量、ｂ1が暖房戻り温度、ｃ1が暖房往き温度である。この場合は、燃料ガスの流量の最大値が約４００リットル/hourとなり、その後燃料ガスの流量が減少して、往き温度及び戻り温度が安定した定常状態では、燃料ガスの流量が約１７０リットル/hourとなっている。
【００３４】
それに対して、図４は温水循環回路４０内の湯水の温度が高い状態（約６０℃）で、温水供給運転を開始した場合を示しており、図中ａ2が燃料ガスの流量、ｂ2が暖房戻り温度、ｃ2が暖房往き温度である。この場合は、燃料ガスの流量の最大値が約２３０リットル/hourとなり、その後燃料ガスの流量が減少して、往き温度及び戻り温度が安定した定常状態では、燃料ガスの流量が約１２５リットル/hourとなっている。
【００３５】
このように、温水供給運転を開始したときの温水循環回路４０内の湯水の温度が低いほど、第１の所定時間が経過するまでの間における燃料ガスの流量の最大値が大きくなる。そして、ガスバーナ１１の熱量は燃料ガスの流量に応じて増減する。そのため、温水供給運転を開始したときの温水循環回路４０内の湯水の温度が低いほど、第１の所定時間が経過するまでの間における燃料ガスの流量の最大値が大きくなる関係がある。
【００３６】
図２のデータテーブルＳdは、この関係に基づいて、ガスバーナ１１の最大熱量と、該最大熱量から推定される該最大熱量を生じさせる燃料ガスの流量が属する流量範囲における供給制限時間よりも、若干短い燃焼継続可能時間とを対応させたものである。なお、データテーブルＳdは実験やコンピュータシミュレーションの結果に基づいて作成される。
【００３７】
データテーブルＳdのデータはコントローラ２０のメモリ２１に予め記憶されている。例えば、ガスバーナ１１の最大熱量９０００kcal/hourに対しては、該最大熱量が生じるときのガス流量が区分６の流量範囲に属すると推定され、区分６の供給制限時間である１２０分よりも短い燃焼継続可能時間１００分が対応付けられている。
【００３８】
そして、図３及び図４に示したように、温水供給運転の実行中に、燃料ガスの流量が、温水供給運転を開始してから第１の所定時間が経過するまでの間における燃料ガスの最大流量を超えることはない。そのため、燃料継続可能時間を、温水供給運転の実行中におけるガスメータ３１による「ガス流量監視処理」の供給制限時間よりも、確実に短い時間に設定することができる。
【００３９】
続くＳＴＥＰ５〜７は運転制御手段２３による処理であり、ＳＴＥＰ５で、運転制御手段２３はＳＴＥＰ２で温水供給運転開始を開始した時からのガスバーナ１１の燃焼時間が、燃焼継続可能時間以上となったか否かを判断する。そして、ガスバーナ１１の燃焼時間が燃焼継続可能時間以上となったときにＳＴＥＰ６に進み、運転制御手段２３はガスバーナ１１を消火して温水供給運転を停止する。
【００４０】
次のＳＴＥＰ７で、運転制御手段２３は、ガスメータ３１において燃料ガスの検出流量が０となったことが認識されるまでの時間を考慮して、該時間よりも若干長く設定した第２の所定時間（例えば２分）が経過するのを待って、ＳＴＥＰ２に戻る。そして、運転制御手段２３は温水供給運転を再開する。
【００４１】
このように、ＳＴＥＰ５でガスバーナ１１の燃焼時間が燃焼継続可能時間以上となったとき（ガスメータ３１の供給制限時間が経過する前となる）に、ＳＴＥＰ６で温水供給運転を停止してガスバーナ１１を一時的に消火することにより、ガスメータ３１の「ガス流量監視処理」により燃料ガスの供給が遮断されることを防止することができる。
【００４２】
そして、上述したように、燃焼継続可能時間は、温水供給運転を開始してから第１の所定時間が経過するまでの間におけるガスバーナの最大熱量に基づいて、温水供給運転開始時の温水循環回路４０内の湯水の温度が低いほど短く設定されたものである。そのため、燃焼継続可能時間を図２に示したガス流量最大の区分１３による時間に一律に設定する場合に比べて、乾燥運転の実行中に温水供給運転が停止する頻度を低くすることができ、温水供給運転の停止による乾燥能力の低下を抑制することができる。
【００４３】
［第２の実施の形態］第２の実施の形態では、熱源機１及び浴室暖房乾燥機５０が協働して、ガスメータ３１の「ガス流量監視処理」により燃料ガスの供給が遮断されることを防止するための処理を実行する。熱源機１は、浴室暖房乾燥機５０のリモコン５５により「乾燥運転」の実行が指示されて、浴室暖房乾燥機５０から温水供給を要求する信号（本発明の温水供給運転の開始を指示する信号に相当する）を受信したときに、上述した図５のＳＴＥＰ２〜ＳＴＥＰ４と同様の処理を実行する。
【００４４】
これにより、運転制御手段２３により温水供給運転が開始されてガスバーナ１１が燃焼状態となる。また、燃焼継続可能時間設定手段２２により、ガスバーナ１１の最大熱量に基づいて燃焼継続可能時間が設定される。そして、燃焼継続可能時間設定手段２２は、設定した燃焼継続可能時間のデータを浴室暖房乾燥機５０に送信する。なお、このように、燃焼継続可能時間設定手段２２が燃焼継続可能時間のデータを浴室暖房乾燥機５０に送信する構成が、本発明の燃焼継続可能時間通知手段に相当する。
【００４５】
浴室暖房乾燥機５０のコントローラ６０は、熱源機１に温水供給を要求する信号を送信した後、「乾燥運転」の実行中に、燃焼中断指示手段６２により図６に示したフローチャートを実行する。燃焼中断指示手段６２は、図６のＳＴＥＰ１０で燃焼継続可能時間のデータを受信するとＳＴＥＰ１１に進んで、計時を開始する。
【００４６】
そして、続くＳＴＥＰ１２で、計時時間（燃焼継続可能時間のデータを受信した時からの経過時間）が燃焼継続可能時間以上となったか否かを判断し、計時時間が燃焼継続可能時間以上となったときにはＳＴＥＰ１３に進む。ＳＴＥＰ１３で、燃焼中断指示手段６２は温水供給の停止信号（本発明の温水供給運転の停止を指示する信号に相当する）を熱源機１に送信する。これにより、該停止信号を受信した熱源機１側では、運転制御手段２３がガスバーナ１１を消火して温水供給運転を停止する。
【００４７】
そして、次のＳＴＥＰ１４で、燃焼中断指示手段６２は、ガスメータ３１において燃料ガスの検出流量が０となったことが認識されるまでの時間を考慮して、該時間よりも若干長く設定した第２の所定時間（例えば２分）が経過するのを待って、ＳＴＥＰ１５に進む。
【００４８】
ＳＴＥＰ１５で、燃焼中断指示手段６２は温水供給の要求信号を熱源機１に送信してＳＴＥＰ１０に戻る。該温水供給の要求信号を受信した熱源機１側では、運転制御手段２３が温水供給運転を開始する。これにより、浴室暖房乾燥機５０への温水の供給が再開される。そして、ＳＴＥＰ１０以下の処理が再び実行される。
【００４９】
このように、ＳＴＥＰ１２で、燃焼継続可能時間のデータを受信した時からの経過時間が燃焼継続可能時間以上となったとき（ガスメータ３１の供給制限時間が経過する前となる）に、ＳＴＥＰ１３で温水供給の停止信号を熱源機１に送信し、これにより温水供給運転を停止してガスバーナ１１を一時的に消火させることによって、ガスメータ３１の「ガス流量監視処理」により燃料ガスの供給が遮断されることを防止することができる。
【００５０】
そして、本第２の実施の形態による場合にも、上述した第１の実施の形態と同様に、燃焼継続可能時間は、温水供給運転を開始してから第１の所定時間が経過するまでの間におけるガスバーナの最大熱量に基づいて、温水供給運転開始時の温水循環回路４０内の湯水の温度が低いほど短く設定されたものである。そのため、乾燥運転の実行中に温水供給運転が停止する頻度を低くすることができ、温水供給運転の停止による乾燥能力の低下を抑制することができる。
【００５１】
なお、前記第１の実施の形態及び第２の実施の形態では、「乾燥運転」を実行した場合を例に説明したが、「暖房運転」を実行する場合の処理も同様である。
【００５２】
また、前記第１の実施の形態及び第２の実施の形態では、本発明の温水端末機として浴室暖房乾燥機５０を示したが、衣類乾燥機や温風暖房機等、温水放熱器を熱源とする温水端末機であれば、本発明の適用が可能である。
【００５３】
また、前記第１の実施の形態及び第２の実施の形態では、燃焼継続可能時間設定手段２２は、温水供給運転を開始したときのガスバーナ１１の最大熱量を予め用意されたデータテーブルＳdに適用して、燃焼継続可能時間を設定したが、他の方法により、例えば温水供給運転を開始したときのガスバーナの最大熱量と該最大熱量が生じるときのガスバーナへの燃料ガスの供給流量との相関式を予め用意して、該相関式に従ってガスバーナの最大熱量に対応する燃料ガスの流量を推定し、推定した燃料ガスの流量が属する流量範囲における供給制限時間から燃焼継続可能時間を設定する等により、燃焼継続可能時間を設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【００５４】
【図１】本発明の温水循環加熱システムの全体構成図。
【図２】ガスメータに備えられたデータテーブルと熱源機に備えられたデータテーブルの説明図。
【図３】温水供給運転実行時の循環水の温度と燃料ガスの供給流量の推移を示したグラフ。
【図４】温水供給運転実行時の循環水の温度と燃料ガスの供給流量の推移を示したグラフ。
【図５】第１の実施の形態における熱源機の作動フローチャート。
【図６】第２の実施の形態における浴室暖房乾燥機の作動フローチャート。
【符号の説明】
【００５５】
１…熱源機、１０…熱交換器、１１…ガスバーナ、１４…出湯サーミスタ、１５…ポンプ、２０…（熱源機の）コントローラ、２２…燃焼継続可能時間設定手段、２３…（熱源機の）運転制御手段、２４…（熱源機の）通信回路、３１…ガスメータ、３２…ガス供給管、４０…温水循環回路、４５…通信ケーブル、５０…浴室暖房乾燥機、５１…放熱器、５２…入口温サーミスタ、５５…リモコン、６０…（浴室暖房乾燥機の）コントローラ、６１…（浴室暖房乾燥機の）運転制御手段、６２…燃焼中断指示手段、６３…（浴室暖房乾燥機の）通信回路
【特許請求の範囲】
【請求項１】
燃料ガスの流量を検出し、複数段階の流量範囲と各流量範囲における燃料ガスの供給制限時間とが設定されて、燃料ガスの流量が同一の流量範囲に属した状態が該流量範囲における供給制限時間以上継続したときに、燃料ガスの供給を遮断するガスメータが設けられたガス供給管と接続されるガスバーナと、温水循環回路と連通して該ガスバーナにより加熱される熱交換器と、該温水循環回路内の湯水を循環させるポンプと、該ポンプを作動させると共に該熱交換器を介して該温水循環回路に所定温度の温水が供給されるように前記ガスバーナの燃焼量を制御する温水供給運転を実行する運転制御手段とを有する熱源機と、
前記温水循環回路と連通した放熱器を有する温水端末機とを備えた温水循環加熱システムにおいて、
前記熱源機は、前記温水供給運転の開始から第１の所定時間が経過するまでの間における前記ガスバーナの最大熱量に基づいて、該最大熱量が生じるときの前記ガスバーナへの燃料ガスの供給流量が前記複数段階の流量範囲のいずれに属するかを推定し、推定した流量範囲における前記供給制限時間よりも短い燃焼継続可能時間を設定する燃焼継続可能時間設定手段を備え、
前記運転制御手段は、前記温水供給運転の開始から前記燃焼継続可能時間が経過した時に前記ガスバーナを消火して前記温水供給運転を中止し、該ガスバーナの消火から第２の所定時間が経過した時に前記ガスバーナを燃焼させて前記温水供給運転を再開することを特徴とする温水循環加熱システム。
【請求項２】
燃料ガスの流量を検出し、複数段階の流量範囲と各流量範囲における燃料ガスの供給制限時間とが設定されて、燃料ガスの流量が同一の流量範囲に属した状態が該流量範囲における供給制限時間以上継続したときに、燃料ガスの供給を遮断するガスメータが設けられたガス供給管と接続されるガスバーナと、温水循環回路と連通して該ガスバーナにより加熱される熱交換器と、該温水循環回路内の湯水を循環させるポンプと、該ポンプを作動させると共に該熱交換器を介して該温水循環回路に所定温度の温水が供給されるように前記ガスバーナの燃焼量を制御する温水供給運転を実行する運転制御手段とを有する熱源機と、
前記温水循環回路と連通した放熱器を有する温水端末機とを備えた温水循環加熱システムであって、
前記熱源機及び前記温水端末機は、相互に通信するための通信手段を備え、
前記熱源機は、前記温水端末機から前記温水供給運転の開始を指示する信号を受信したときに、前記運転制御手段により前記温水供給運転を開始し、また、前記温水端末機から前記温水供給運転の停止を指示する信号を受信したときに、前記運転制御手段により前記温水供給運転を停止する温水循環加熱システムにおいて、
前記熱源機は、前記温水供給運転の開始から第１の所定時間が経過するまでの間における前記ガスバーナの最大熱量に基づいて、該最大熱量が生じるときの前記ガスバーナへの燃料ガスの供給流量が前記複数段階の流量範囲のいずれに属するかを推定し、推定した流量範囲における前記供給制限時間よりも短い燃焼継続可能時間を設定する燃焼継続可能時間設定手段と、
前記燃焼継続可能時間のデータを前記放熱端末機に送信する燃焼継続可能時間通知手段とを備え、
前記温水端末機は、前記燃焼継続可能時間のデータを受信した時から該燃焼継続可能時間が経過した時に、前記温水供給運転の停止を指示する信号を前記熱源機に送信して、前記温水供給運転の停止により前記ガスバーナを消火させ、該送信から第２の所定時間が経過した時に前記温水供給運転の開始を指示する信号を前記熱源機に送信して、前記温水供給運転の再開により前記ガスバーナを燃焼させる燃焼中断指示手段を備えたことを特徴とする温水循環加熱システム。
【請求項１】
燃料ガスの流量を検出し、複数段階の流量範囲と各流量範囲における燃料ガスの供給制限時間とが設定されて、燃料ガスの流量が同一の流量範囲に属した状態が該流量範囲における供給制限時間以上継続したときに、燃料ガスの供給を遮断するガスメータが設けられたガス供給管と接続されるガスバーナと、温水循環回路と連通して該ガスバーナにより加熱される熱交換器と、該温水循環回路内の湯水を循環させるポンプと、該ポンプを作動させると共に該熱交換器を介して該温水循環回路に所定温度の温水が供給されるように前記ガスバーナの燃焼量を制御する温水供給運転を実行する運転制御手段とを有する熱源機と、
前記温水循環回路と連通した放熱器を有する温水端末機とを備えた温水循環加熱システムにおいて、
前記熱源機は、前記温水供給運転の開始から第１の所定時間が経過するまでの間における前記ガスバーナの最大熱量に基づいて、該最大熱量が生じるときの前記ガスバーナへの燃料ガスの供給流量が前記複数段階の流量範囲のいずれに属するかを推定し、推定した流量範囲における前記供給制限時間よりも短い燃焼継続可能時間を設定する燃焼継続可能時間設定手段を備え、
前記運転制御手段は、前記温水供給運転の開始から前記燃焼継続可能時間が経過した時に前記ガスバーナを消火して前記温水供給運転を中止し、該ガスバーナの消火から第２の所定時間が経過した時に前記ガスバーナを燃焼させて前記温水供給運転を再開することを特徴とする温水循環加熱システム。
【請求項２】
燃料ガスの流量を検出し、複数段階の流量範囲と各流量範囲における燃料ガスの供給制限時間とが設定されて、燃料ガスの流量が同一の流量範囲に属した状態が該流量範囲における供給制限時間以上継続したときに、燃料ガスの供給を遮断するガスメータが設けられたガス供給管と接続されるガスバーナと、温水循環回路と連通して該ガスバーナにより加熱される熱交換器と、該温水循環回路内の湯水を循環させるポンプと、該ポンプを作動させると共に該熱交換器を介して該温水循環回路に所定温度の温水が供給されるように前記ガスバーナの燃焼量を制御する温水供給運転を実行する運転制御手段とを有する熱源機と、
前記温水循環回路と連通した放熱器を有する温水端末機とを備えた温水循環加熱システムであって、
前記熱源機及び前記温水端末機は、相互に通信するための通信手段を備え、
前記熱源機は、前記温水端末機から前記温水供給運転の開始を指示する信号を受信したときに、前記運転制御手段により前記温水供給運転を開始し、また、前記温水端末機から前記温水供給運転の停止を指示する信号を受信したときに、前記運転制御手段により前記温水供給運転を停止する温水循環加熱システムにおいて、
前記熱源機は、前記温水供給運転の開始から第１の所定時間が経過するまでの間における前記ガスバーナの最大熱量に基づいて、該最大熱量が生じるときの前記ガスバーナへの燃料ガスの供給流量が前記複数段階の流量範囲のいずれに属するかを推定し、推定した流量範囲における前記供給制限時間よりも短い燃焼継続可能時間を設定する燃焼継続可能時間設定手段と、
前記燃焼継続可能時間のデータを前記放熱端末機に送信する燃焼継続可能時間通知手段とを備え、
前記温水端末機は、前記燃焼継続可能時間のデータを受信した時から該燃焼継続可能時間が経過した時に、前記温水供給運転の停止を指示する信号を前記熱源機に送信して、前記温水供給運転の停止により前記ガスバーナを消火させ、該送信から第２の所定時間が経過した時に前記温水供給運転の開始を指示する信号を前記熱源機に送信して、前記温水供給運転の再開により前記ガスバーナを燃焼させる燃焼中断指示手段を備えたことを特徴とする温水循環加熱システム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２００８−１５７５９７（Ｐ２００８−１５７５９７Ａ）
【公開日】平成２０年７月１０日（２００８．７．１０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−３５０２１８（Ｐ２００６−３５０２１８）
【出願日】平成１８年１２月２６日（２００６．１２．２６）
【出願人】（０００１１５８５４）リンナイ株式会社 (1,534)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年７月１０日（２００８．７．１０）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年１２月２６日（２００６．１２．２６）
【出願人】（０００１１５８５４）リンナイ株式会社 (1,534)
【Ｆターム（参考）】
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